説明

画像処理システムおよびその記憶装置

【課題】ネットワークに接続する記憶装置を用いて高い解像度の画像データを送信し転送する手段を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、読取った原稿画像から複数の分割データからなる画像データを生成する。外部記憶装置から空き容量が画像データの容量より小さいことを受信した場合は外部記憶装置へ格納可能な分割データを送信し、残データをデータ記憶部に格納する。外部記憶装置からの残データ取得要求に応じてデータ記憶部の残データを送信する。外部記憶装置は、画像処理装置から受信した分割データをデータ格納部に格納する。情報端末から画像データ取得要求を受信したときにデータ格納部から分割データを読出し、それが不完全な状態で格納されたものである場合に残データ取得要求を送信し、受信した残データと読出した分割データとを情報端末へ送信する。情報端末は外部記憶装置へ画像データ取得要求を送信し、外部記憶装置から画像データを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像から画像データを生成する画像処理装置と、画像データを格納する外部記憶装置と、画像データを表示する情報端末とをネットワークを介して接続した画像処理システムおよびその記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理システムは、画像読取装置とファイルサーバと情報端末とをネットワークを介して接続し、画像読取装置で読取った原稿画像の画像データを、圧縮してファイルサーバへ格納しておき、ファイルサーバは情報端末からの画像データ取得要求に応じて格納した圧縮画像データを情報端末へ送信し、画像データのデータ容量を減少させて、アクセス時間の短縮やネットワーク負荷の軽減を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−274619号公報(段落0023−0027、0062−0069、0099−0105、第4図、第13図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、高い解像度の画像データを送信して転送できない場合があった。
本発明は、従来より、高い解像度の画像データを送信して転送できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、画像処理装置と外部記憶装置と情報端末とをネットワークを介して接続した画像処理システムであって、前記画像処理装置は、原稿画像を読取る画像読取部と、前記画像読取部で読取った原稿画像から、複数の分割データからなる画像データを生成する手段と、前記外部記憶装置から記憶容量の空き容量を受信する手段と、前記空き容量が前記画像データのデータ容量より小さい場合は、前記外部記憶装置へ前記空き容量で格納可能な前記分割データを送信すると共に、残った分割データからなる残データをデータ記憶部に格納する手段と、前記外部記憶装置からの残データ取得要求に応じて、前記データ記憶部に格納した前記残データを前記外部記憶装置へ送信する手段と、を備え、前記外部記憶装置は、前記画像処理装置から受信した分割データを、データ格納部に格納する手段と、前記情報端末から前記画像データの画像データ取得要求を受信したときに、前記データ格納部から前記分割データを読出す手段と、前記読出した分割データが不完全な状態で格納されたものである場合に、前記画像処理装置へ前記残データ取得要求を送信する手段と、前記画像処理装置から受信した残データと、前記読出した分割データとを画像データ取得要求の画像データとして前記情報端末へ送信する手段と、を備え、前記情報端末は、前記外部記憶装置へ、前記画像データ取得要求を送信する手段と、前記外部記憶装置から前記画像データ取得要求の画像データを受信する手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
これにより、本発明は、原稿画像の画像データを圧縮することなく外部記憶装置と複合機に分散して格納することができ、原稿画像の画像データを劣化させることなく、外部記憶装置から読出すことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の画像処理システムの構成を示す説明図
【図2】実施例1の複合機を示すブロック図
【図3】実施例1のリンク先情報の構成例を示す説明図
【図4】実施例1の画像処理システムの分割データの流れを示す説明図
【図5】実施例1の画像データ格納処理を示す流れ図
【図6】実施例1の分割データ結合処理を示す流れ図
【図7】実施例2の複合機を示すブロック図
【図8】実施例2の結合先情報の構成例を示す説明図
【図9】実施例2の格納先変更処理の分割データの流れを示す説明図
【図10】実施例2の画像データ格納処理を示す流れ図
【図11】実施例2の格納先変更処理を示す流れ図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明による画像処理システムの実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
本実施例の画像処理システムは、図1に示すように、画像処理装置としての複合機(MFP)1と、外部記憶装置としての外部サーバ2と、パーソナルコンピュータ等の情報端末3とをネットワーク5を介して接続して構成される。
複合機1は、図2に示すように、原稿画像を読取るための画像読取部11、画像読取部11で読取った原稿画像から複数の分割データからなる画像データを生成する画像処理部12、外部サーバ2から取得した空き容量を基に、生成した画像データが送信可能か否かを判定する空き容量判定部13、データの送信や外部サーバ2からの情報の受信を行う通信部14、原稿の読取開始や送信のキャンセル等の指示を行う操作部15、外部サーバ2に格納できない分割データを格納するためのデータ記憶部16、インストールされたプログラムにより前記各部を制御して複合機1の各種の処理を実行する制御部17等を備えている。
【0010】
なお、画像処理部12で生成される画像データは、例えば、PDF(Portable Document Format)やTIFF(Tagged Image File Fformat)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等であり、一または複数の分割データ(本実施例では、1ページ分のデータ)から構成されている。
【0011】
外部サーバ2は、図1に示すように、ネットワーク5上で通信を行う通信部21と、複合機1により生成され、送信された画像データまたは分割データを格納するデータ格納部22と、格納されたデータが分割データであった場合に、一つの画像データを構成する他の分割データ、つまりデータ格納部22に格納した分割データ以外の分割データの格納先を示すリンク先情報を格納するリンク先情報格納部23と、インストールされたプログラムにより前記各部を制御して外部サーバ2の各種の処理を実行するサーバ制御部24等を備えている。
なお、外部サーバ2には、FTP(File Transfer Protocol)サーバ、HTTP(Hiper Text Transfer Protocol)サーバ、Windows共有サーバ等が含まれるものとする。
【0012】
本実施例のリンク先情報は、図3に示すように、データ格納部22に格納した分割データを含む画像データのファイル名、その画像データの他の分割データが格納されている記憶装置(本実施例では、複合機1)のIPアドレスである分割データ取得先等で構成されている。
情報端末3は、図1に示すように、ネットワーク5上で通信を行う通信部31と、外部サーバ2から取得した画像データを表示する表示部32と、インストールされたプログラムにより前記各部を制御して情報端末3の各種の処理を実行する端末制御部33等を備えている。
【0013】
上記の構成の作用について説明する。
本実施例の画像処理システムにおいては、複合機1で読取った複数の分割データからなる画像データを、画像データ格納処理により別々の記憶装置に分散して格納し、外部サーバ2が、情報端末3から格納している画像データの取得要求を受信したときに、分割データ結合処理により、外部サーバ2のデータ格納部22に格納されている分割データを読出すと共に、他の記憶装置から当該画像データを構成する他の分割データを取得し、これらを情報端末3へ送信して結合表示するように各処理動作が実行される。
【0014】
以下の説明においては、図4に示すように、複合機1で読取った画像データの3ページ分の分割データを、外部サーバ2に1ページ目を、複合機1に2ページ目と3ページ目を格納し、情報端末3からの画像データ取得要求に応じて、外部サーバ2が、データ格納部22にから読出した1ページ目と、複合機1から取得した残りの2ページ目、3ページ目を情報端末3へ送信して表示する場合を例に説明する。
以下に、図5に示す流れ図を用いて本実施例の複合機1と外部サーバ2との間で実行される画像データ格納処理について説明する。なお、ステップ名は複合機1の場合をFで、外部サーバ2の場合をGで表す。
【0015】
F1:複合機1の制御部17は、画像読取部11に画像を読取るべき原稿がセットされると、画像読取部11によってセットされた原稿の原稿画像を読取る。
F2:原稿画像を読取った制御部17は、画像処理部12によって読取った原稿画像の画像処理を行い、複数の分割データ(本実施例では、3ページ分の分割データ)からなる画像データを生成する。
【0016】
F3:画像データを生成した制御部17は、画像データを格納するために、読取った原稿画像のファイル名の入力を受付け、操作部15からファイル名が入力されると、通信部14によって、格納先の外部サーバ2へネットワーク5を介してネットワーク接続を行うための接続要求を送信する。
G1:複合機1からの接続要求の受信を待って待機していた外部サーバ2のサーバ制御部24は、複合機1からの接続要求を受信すると、複合機1とのネットワーク接続処理を行い、通信部21によって送信元の複合機1へ、ネットワーク接続処理を終えた旨の接続応答を送信する。
【0017】
F4:外部サーバ2への接続要求の送信後に、外部サーバ2からの接続応答の受信を待って待機していた複合機1の制御部17は、通信部14によって接続応答を受信すると、外部サーバ2へ、生成した画像データを格納するために入力されたファイル名を添付した書込ファイル作成要求を送信する。
G2:複合機1への接続応答の送信後に、複合機1からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、通信部21によって書込ファイル作成要求を受信すると、外部サーバ2のデータ格納部22に、添付されたファイル名の書込みファイルを新たに生成する。
【0018】
G3:書込みファイルを生成したサーバ制御部24は、送信元の複合機1へ、書込ファイルの生成を終えた旨のファイル生成応答を送信する。
F5:外部サーバ2への書込ファイル作成要求の送信後に、外部サーバ2からのファイル生成応答の受信を待って待機していた制御部17は、ファイル生成応答を受信すると、外部サーバ2へデータ格納部22の記憶容量の空き容量を問合せる空き容量問合要求を送信する。
【0019】
G4:複合機1へのファイル生成応答の送信後に、複合機1からの空き容量問合要求の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、空き容量問合要求を受信すると、データ格納部22の空き容量を計数し、その空き容量を送信元の複合機1へ送信する。
F6:外部サーバ2への空き容量問合要求の送信後に、外部サーバ2からの空き容量の応答を待って待機していた制御部17は、データ格納部22の空き容量を受信すると、空き容量判定部13によって、受信した空き容量と生成した画像データの一つの分割データ(ページデータという。)のデータ容量とを比較し、空き容量がページデータのデータ容量より小さい場合(NO)はステップF9へ移行する。空き容量がページデータのデータ容量より大きい場合(YES)はステップF7へ移行する。
【0020】
F7:書込ファイルの空き容量がページデータのデータ容量より大きいことにより、ページデータが格納可能と判定した制御部17は、当該ページデータを外部サーバ2へ送信し、送信したページデータを削除してステップF8へ移行する。
F8:一つのページデータを送信した制御部17は、ページデータが残っているか否かを判定し、残ページデータが存在する場合(YES)はステップF5へ戻り、ステップF5〜F8による残ページデータの格納可否の判定を行う。残ページデータが存在しない場合(NO)はステップF11へ移行する。
【0021】
F9:ステップF6において、書込ファイルの空き容量がページデータのデータ容量より小さいことにより、ページデータの外部サーバ2への格納が不可能と判定した制御部17は、当該ページデータをデータ記憶部16に格納してステップF10へ移行する。
F10:外部サーバ2に格納不能なページデータを自己のデータ記憶部16に格納した制御部17は、格納したページデータのファイル名と、自己のIPアドレスである分割データ取得先等からなるリンク先情報を作成し、そのリンク先情報を外部サーバ2へ送信してステップF11へ移行する。
【0022】
F11:ステップF8において残ページデータがないことを判定した、またはステップF10において外部サーバ2へリンク先情報を送信した制御部17は、外部サーバ2とのネットワーク接続を切断するための切断要求を外部サーバ2へ送信してステップF12へ移行する。
G5:一方、複合機1からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、受信した情報がページデータ(ステップF7参照)である場合(YES)はステップG6へ移行する。ページデータでない場合(NO)はステップG7へ移行する。
【0023】
G6:ページデータを受信したサーバ制御部24は、受信したページデータをデータ格納部22の新たに生成した書込ファイルに格納してステップG7へ移行する。
G7:複合機1からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、受信した情報がリンク先情報(ステップF10参照)である場合(YES)はステップG8へ移行する。リンク先情報でない場合(NO)はステップG9へ移行する。
【0024】
G8:リンク先情報を受信したサーバ制御部24は、受信したリンク先情報をリンク先情報格納部23に格納してステップG9へ移行する。
G9:複合機1からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、受信した情報が切断要求(ステップF11参照)である場合(YES)はステップG10へ移行する。切断要求でない場合(NO)はステップG5へ戻り、ステップG5、G7、G9による待機を継続する。
【0025】
G10:複合機1からの切断要求を受信したサーバ制御部24は、ステップG2において開いたデータ格納部22の書込ファイルを閉じてステップG11へ移行する。
G11:書込ファイルを閉じたサーバ制御部24は、複合機1とのネットワーク切断処理を行い、送信元の複合機1へ、ネットワーク切断処理を終えた旨の切断応答を送信し、接続子A1を介してステップG1へ戻り、複合機1からの新たな接続要求の受信を待って待機する。
【0026】
F12:一方、複合機1の制御部17は、ステップF11における外部サーバ2への切断要求の送信後に、外部サーバ2からの切断応答の受信を待って待機し、切断応答を受信した場合(YES)は今回読取った原稿画像の画像データの格納処理を終了させる。切断応答を受信しない場合(NO)は前記の待機を継続する。
【0027】
このように、本実施例の画像処理システムでは、外部サーバ2のデータ格納部22の空き容量が画像データのデータ容量より大きい場合は、画像データの全ページデータをデータ格納部22に格納し、空き容量が画像データのデータ容量より小さい場合は、外部サーバ2の空き容量で格納可能なページデータのみを外部サーバ2へ送信して格納し、残ったページデータ(残データという。)は自己のデータ記憶部16に格納して、その所在を示すリンク先情報を外部サーバ2に格納する画像データ格納処理が実行される。
【0028】
次に、上記のようにして複合機1と外部サーバ2に分散格納されたページデータ(分割データ)を情報端末3から取得しようとしたときの分割データ結合処理について、図6に示す流れ図を用いて説明する。なお、ステップ名は情報端末3の場合をTAで、外部サーバ2の場合をGAで、複合機1の場合をFAで表す。
【0029】
TA1:情報端末3の端末制御部33は、取得すべき原稿画像のファイル名の入力を受付け、ファイル名が入力されると、その画像データを取得するために、通信部31によって、外部サーバ2へネットワーク5を介してネットワーク接続を行うための接続要求を送信する。
【0030】
GA1:情報端末3からの接続要求の受信を待って待機していた外部サーバ2のサーバ制御部24は、情報端末3からの接続要求を受信すると、情報端末3とのネットワーク接続処理を行い、通信部21によって送信元の情報端末3へ、ネットワーク接続処理を終えた旨の接続応答を送信する。
TA2:外部サーバ2への接続要求の送信後に、外部サーバ2からの接続応答の受信を待って待機していた端末制御部33は、通信部31によって接続応答を受信すると、外部サーバ2へ、入力されたファイル名を添付した画像データ取得要求を送信する。
【0031】
GA2:情報端末3への接続応答の送信後に、情報端末3からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、通信部31によって画像データ取得要求を受信すると、データ格納部22から、添付されたファイル名の画像データを構成するページデータを全て読出し、そのページデータを送信元の情報端末3へ送信する。
GA3:格納していたページデータを送信したサーバ制御部24は、受信したファイル名のリンク先情報がリンク先情報格納部23に格納されているか否かを判定し、当該ファイル名のリンク先情報が格納されている場合(YES)はステップGA4へ移行する。当該ファイル名のリンク先情報が格納されていない場合(NO)はステップGA8へ移行する。
【0032】
GA4:当該ファイル名のリンク先情報が格納されていると判定したサーバ制御部24は、リンク先情報格納部23から該当するリンク先情報の分割データ取得先を読出す。
GA5:分割データ取得先を読出したサーバ制御部24は、その分割データ取得先によって、残データが格納されている記憶装置である複合機1を特定し、その残データを取得するために、通信部21によって、複合機1へネットワーク5を介したネットワーク接続を行うための接続要求を送信する。
【0033】
FA1:外部サーバ2からの接続要求の受信を待って待機していた複合機1の制御部17は、外部サーバ2からの接続要求を受信すると、外部サーバ2とのネットワーク接続処理を行い、通信部13によって送信元の外部サーバ2へ、ネットワーク接続処理を終えた旨の接続応答を送信する。
【0034】
GA6:複合機1への接続要求の送信後に、複合機1からの接続応答の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、通信部21によって接続応答を受信すると、複合機1へ、取得すべき画像データのファイル名を添付した残データ取得要求を送信する。
FA2:外部サーバ2への接続応答の送信後に、外部サーバ2からの情報の受信を待って待機していた複合機1の制御部17は、通信部14によって残データ取得要求を受信すると、データ記憶部16から、添付されたファイル名の画像データを構成する残データを読出し、その残データを送信元の外部サーバ2へ送信する。
【0035】
GA7:複合機1への残データ取得要求の送信後に、複合機1からの残データの受信を待って待機していたサーバ制御部24は、残データを受信すると、その残データを情報端末3へ送信する。
GA8:ステップGA3において情報端末3から受信したファイル名のリンク先情報が格納されていないことにより、画像データを構成する全ページデータを送信した(ステップGA2参照)、または当該ファイル名のリンク先情報が格納されていたことにより、画像データを構成する残データを送信した(ステップGA7参照)サーバ制御部24は、ファイル取得が完了した旨のファイル取得完了応答を情報端末3へ送信してステップGA9へ移行する。
【0036】
GA9:ファイル取得完了応答を情報端末3へ送信したサーバ制御部24は、複合機1とのネットワーク接続を切断するための切断要求を複合機1へ送信してステップGA10へ移行する。
FA3:外部サーバ2への残データの送信後に、外部サーバ2からの切断要求の受信を待って待機していた複合機1の制御部17は、外部サーバ2とのネットワーク切断処理を行い、送信元の外部サーバ2へ、ネットワーク切断処理を終えた旨の切断応答を送信して接続子B2を介してステップFA1へ戻り、外部サーバ2からの新たな接続要求の受信を待って待機する。
【0037】
GA10:複合機1への切断要求の送信後に、複合機1からの切断応答の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、切断応答を受信すると、複合機1からの残データの取得を終えてステップGA11へ移行する。
TA3:一方、ステップTA2において、外部サーバ2への画像データ取得要求の送信後に、受信したページデータ(残データを受信した場合はその残データを含む。)を図示しない端末記憶部に格納しながら外部サーバ2からのファイル取得完了応答(ステップGA8参照)の受信を待って待機していた端末制御部33は、ファイル取得完了応答を受信すると、外部サーバ2とのネットワーク接続を切断するための切断要求を外部サーバ2へ送信する。
【0038】
GA11:複合機1からの切断応答の受信後に、情報端末3からの切断要求の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、切断要求を受信すると、情報端末3とのネットワーク切断処理を行い、送信元の情報端末3へ、ネットワーク切断処理を終えた旨の切断応答を送信し、接続子A2を介してステップGA1へ戻り、情報端末3からの新たな接続要求の受信を待って待機する。
【0039】
TA4:外部サーバ2への切断要求の送信後に、外部サーバ2からの切断応答の受信を待って待機していた端末制御部33は、切断応答を受信すると、受信したページデータ(残データを受信した場合はそのページデータを含む。)をページ順に並べて結合し、結合したページデータからなる画像データを表示部32に表示して今回の原稿画像の画像データの取得処理を終了させる。
【0040】
このように、本実施例の画像処理システムでは、外部サーバ2に格納された画像データが一部のページデータである場合、つまり不完全な状態で格納された画像データである場合に、外部サーバ2に当該画像データの所在を示すリンク先情報を格納しておき、外部サーバ2のデータ格納部22と複合機1のデータ記憶部16とに分散して格納したページデータ(分割データ)を外部サーバ2が集めて一つの画像データに結合する分割データ結合処理が実行される。
【0041】
以上説明したように、本実施例では、外部サーバの空き容量が不足している場合であっても、読取った原稿画像の画像データを圧縮することなく外部サーバと複合機に分散して格納することができ、圧縮に要する時間を短縮して画像データの格納時間を短縮することができると共に、原稿画像の画像データを劣化させることなく、外部サーバから読出すことができる。
【実施例2】
【0042】
以下に、図7ないし図11を用いて本実施例の画像処理システムについて説明する。なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の複合機1は、図7に示すように、上記実施例1の構成(図2参照)に加えて、定期的に外部サーバ2の空き容量の問合せを行うための時間を計数するタイマ部41、データ記憶部16に格納した分割データの結合先を示すデータ結合先情報を格納する結合先情報格納部42を備えている。
【0043】
本実施例の結合先情報は、図8に示すように、外部サーバ2のデータ格納部22に格納できなかったためにデータ記憶部16に格納されている残りの分割データ(残データ)の格納順を示す優先度、その残データの画像データのファイル名、残データを結合する分割データを格納している格納先の記憶装置(本実施例では、外部サーバ2)のIPアドレスである結合データ格納先等で構成されている。
【0044】
上記の構成の作用について説明する。
本実施例の画像処理システムにおいては、複合機1で読取った複数の分割データからなる画像データを、画像データ格納処理により別々の記憶装置に分散して一旦格納し、複合機1が、格納先変更処理により、定期的に外部サーバ2の空き容量を確認して、外部サーバ2に複合機1に格納した残データを格納することができる空き容量が確保できた判定した場合に、複合機1がデータ記憶部16に格納している残データを外部サーバ2へ送信して、外部サーバ2に全分割データを結合した画像データを格納するように各処理動作が実行される。
【0045】
以下の説明においては、図9に示すように、複合機1で読取った画像データの3ページ分の分割データを、外部サーバ2に1ページ目を、複合機1に2ページ目と3ページ目を格納し、複合機1が外部サーバ2に残データを格納することができる空き容量が確保できた判定した場合に、複合機1から残りの2ページ目、3ページ目を外部サーバ2へ送信し、外部サーバ2に1〜3ページのページデータを結合した画像データを格納する場合を例に説明する。
【0046】
以下に、図10に示す流れ図を用いて本実施例の複合機1と外部サーバ2との間で実行される画像データ格納処理について説明する。なお、ステップ名は複合機1の場合をFBで、外部サーバ2の場合をGBで表す。
本実施例のステップFB1〜FB10およびGB1〜GB4の処理動作は、上記実施例1のステップF1〜F10およびG1〜G4の処理動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
FB11:リンク先情報を外部サーバ2へ送信した制御部17は、データ記憶部16に格納したページデータの格納順である優先度と、当該ページデータのファイル名と、当該ページデータを結合するページデータを格納している外部サーバ2のIPアドレスであるデータ結合先等からなる結合先情報を作成し、その結合先情報を結合先情報格納部42に格納してステップFB12へ移行する。
その後のステップFB12〜FB13およびGB5〜GB11の処理動作は、上記実施例1のステップF11〜F12およびG5〜G11の処理動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0048】
以下に、図11に示す流れ図を用いて本実施例の複合機1と外部サーバ2との間で実行される格納先変更処理について説明する。なお、ステップ名は複合機1の場合をFCで、外部サーバ2の場合をGCで表す。
FC1:複合機1の制御部17は、上記画像データ格納処理との並行処理により、タイマ部41によって、外部サーバ2との格納先変更処理の実施時刻を監視しながら、定期的な交信時刻(本実施例では、複合機1の立上時を含む6時間毎)の到来を待って待機しており、交信時刻が到来したときにステップFC2へ移行する。交信時刻が到来しない場合はタイマ部41による経過時間の計数を継続する。
【0049】
FC2:交信時刻の到来を認識した制御部17は、今回の格納先変更処理を打切るまでの打切時間(本実施例では、1時間)を計数するために、タイマ部41によって、交信時刻からの経過時間の計数を開始する。
FC3:交信時刻からの経過時間の計数を開始した制御部17は、結合先情報格納部42から優先度1の結合先情報を読出す。
【0050】
FC4:結合先情報を読出した制御部17は、結合先情報のファイル名によってデータ記憶部16に格納されている外部サーバ2のデータ格納部22に格納できなかった残りのページデータ(残データ)を特定し、そのデータ容量を計数する。
FC5:残データのデータ容量を計数した制御部17は、結合先情報の結合データ格納先によって残データを結合して格納すべきページデータを格納している記憶装置である外部サーバ2を特定し、その外部サーバ2へネットワーク5を介したネットワーク接続を行うための接続要求をへ送信する。
【0051】
GC1:複合機1からの接続要求の受信を待って待機していた外部サーバ2のサーバ制御部24は、複合機1からの接続要求を受信すると、複合機1とのネットワーク接続処理を行い、送信元の複合機1へ、ネットワーク接続処理を終えた旨の接続応答を送信する。
FC6:外部サーバ2への接続要求の送信後に、外部サーバ2からの接続応答の受信を待って待機していた複合機1の制御部17は、接続応答を受信すると、外部サーバ2へ、データ格納部22の空き容量を問合せる空き容量問合要求を送信する。
【0052】
GC2:複合機1への接続応答の送信後に、複合機1からの空き容量問合要求の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、空き容量問合要求を受信すると、データ格納部22の現在の空き容量を計数し、その空き容量を送信元の複合機1へ送信する。
FC7:外部サーバ2への空き容量問合要求の送信後に、外部サーバ2からの空き容量の受信を待って待機していた制御部17は、データ格納部22の現在の空き容量を受信すると、空き容量判定部13によって、受信した現在の空き容量と計数した残データのデータ容量とを比較し、空き容量が残データのデータ容量より小さい場合(NO)はステップFC12へ移行する。空き容量が残データのデータ容量より大きい場合(YES)はステップFC8へ移行する。
【0053】
FC8:外部サーバ2の現在の空き容量が残データのデータ容量より大きいことにより、残データが格納可能と判定した制御部17は、当該残データを結合するために、データ記憶部16から、ステップFC4において特定した残データを読出し、その残データと結合先情報のファイル名とを添付したデータ書込要求を外部サーバ2へ送信してステップFC9へ移行する。
【0054】
FC9:外部サーバ2への空き容量問合要求の送信後に、後述する外部サーバ2のステップGC5からのデータ結合完了応答の受信を待って待機していた制御部17は、データ結合完了応答を受信すると、結合先情報格納部42の該当する結合先情報、つまりステップFC3において読出した優先度1の結合先情報を削除してステップFC10へ移行する。
【0055】
FC10:該当する結合先情報を削除した制御部17は、結合先情報格納部42に格納されている結合先情報の優先度を一つずつ繰上げ、各結合先情報の優先度を更新してステップFC11へ移行する。
FC11:結合先情報の優先度を更新した制御部17は、ステップFC8において結合のために外部サーバ2へ送信した残データを削除してステップFC14へ移行する。
【0056】
FC12:ステップFC7において外部サーバ2の現在の空き容量が不足していると判定した制御部17は、タイマ部41によって、ステップFC7における空き容量の判定時からの、次の空き容量の問合せまでの時間間隔である問合間隔(本実施例では、5分間)の経過を待って待機し、問合間隔が経過したときにステップFC13へ移行する。
FC13:制御部17は、ステップFC2において開始した打切時間の経過を確認し、現在までの経過時間が打切時間以上の場合は、今回の定期交信を打切ってステップFC14へ移行する。現在までの経過時間が打切時間未満の場合はステップFC6へ戻って、外部サーバ2へ次の空き容量問合要求を送信する。
【0057】
FC14:ステップFC13において今回の定期交信を打切った、またはステップFC10において外部サーバ2へ送信した残データを削除した制御部17は、外部サーバ2とのネットワーク接続を切断するための切断要求を外部サーバ2へ送信して、ステップFC15へ移行する。
GC3:一方、複合機1への現在の空き容量の送信後に、複合機1からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、受信した情報がデータ書込要求(ステップFC8参照)である場合(YES)はステップGC4へ移行する。受信した情報がデータ書込要求でない場合(NO)はステップGC8へ移行する。
【0058】
GC4:複合機1からのデータ書込要求を受信したサーバ制御部24は、受信したデータ書込要求のファイル名によって、データ格納部22の該当するページデータを有する書込ファイルを特定し、その書込ファイルを開いて、ページデータと受信した残データとをページ順に並べて残データを追記し、この結合したページデータからなる画像データをデータ格納部22に格納してステップGC5へ移行する。
【0059】
GC5:受信した残データを追記して格納した制御部17は、ページデータの結合が完了した旨のデータ結合完了応答を複合機1へ送信してステップGC6へ移行する。
GC6:複合機1へのデータ結合完了応答を送信したサーバ制御部24は、データ書込要求のファイル名によって、リンク先情報格納部23の該当するリンク先情報を特定し、ページデータ結合済みのリンク先情報を削除してステップGC7へ移行する。
【0060】
GC7:ページデータ結合済みのリンク先情報を削除したサーバ制御部24は、ステップGC4において開いたデータ格納部22の書込ファイルを閉じてステップGC8へ移行する。
GC8:複合機1からの情報の受信を待って待機していたサーバ制御部24は、受信した情報が切断要求(ステップFC14参照)である場合(YES)はステップGC9へ移行する。切断要求でない場合(NO)はステップGC3へ戻り、ステップGC3、GC8による待機を継続する。
【0061】
GC9:複合機1からの切断要求を受信したサーバ制御部24は、複合機1とのネットワーク切断処理を行い、送信元の複合機1へ、ネットワーク切断処理を終えた旨の切断応答を送信し、接続子A4を介してステップGC1へ戻り、複合機1からの新たな接続要求の受信を待って待機する。
【0062】
FC15:一方、複合機1の制御部17は、ステップFC11における外部サーバ2への切断要求の送信後に、外部サーバ2からの切断応答の受信を待って待機し、切断応答を受信した場合(YES)は今回の格納先変更処理を終了させる。切断応答を受信しない場合(NO)は前記の待機を継続する。
【0063】
このように、本実施例の画像処理システムでは、外部サーバ2の空き容量が画像データのデータ容量より小さい場合は、そのページデータを複合機1と外部サーバ2とに分散させて一旦格納し、外部サーバ2に格納された画像データが不完全な状態で格納されたものである場合に、複合機1のデータ記憶部16に格納した残りのページデータである残データの結合先情報を複合機1に格納しておき、複合機1が定期的に外部サーバ2の空き容量を確認し、残データを格納する空き容量が確保できたときは、その残データを外部サーバ2へ送信して、外部サーバ2に完全な状態の画像データを格納するは格納先変更処理が実行される。
なお、本実施例の分割データ結合処理の処理動作は、上記実施例1の分割データ結合処理の処理動作(図6参照)と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、外部サーバの空き容量が増加した場合に、複合機に格納している残データを外部サーバに送信して格納するので、複合機のデータ記憶部が容量不足になることはなく、複合機1の負荷を軽減することができる。
なお、上記各実施例においては、画像処理装置は複合機であるとして説明したが、画像処理装置は前記に限らず、スキャナや複写機、FAX、プリンタ等であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 複合機
2 外部サーバ
3 情報端末
5 ネットワーク
11 画像読取部
12 画像処理部
13 空き容量判定部
14、21、31 通信部
15 操作部
16 データ記憶部
17 制御部
22 データ格納部
23 リンク先情報格納部
24 サーバ制御部
32 表示部
33 端末制御部
41 タイマ部
42 結合先情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と外部記憶装置と情報端末とをネットワークを介して接続した画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
原稿画像を読取る画像読取部と、
前記画像読取部で読取った原稿画像から、複数の分割データからなる画像データを生成する手段と、
前記外部記憶装置から記憶容量の空き容量を受信する手段と、
前記空き容量が前記画像データのデータ容量より小さい場合は、前記外部記憶装置へ前記空き容量で格納可能な前記分割データを送信すると共に、残った分割データからなる残データをデータ記憶部に格納する手段と、
前記外部記憶装置からの残データ取得要求に応じて、前記データ記憶部に格納した前記残データを前記外部記憶装置へ送信する手段と、を備え、
前記外部記憶装置は、
前記画像処理装置から受信した分割データを、データ格納部に格納する手段と、
前記情報端末から前記画像データの画像データ取得要求を受信したときに、前記データ格納部から前記分割データを読出す手段と、
前記読出した分割データが不完全な状態で格納されたものである場合に、前記画像処理装置へ前記残データ取得要求を送信する手段と、
前記画像処理装置から受信した残データと、前記読出した分割データとを画像データ取得要求の画像データとして前記情報端末へ送信する手段と、を備え、
前記情報端末は、
前記外部記憶装置へ、前記画像データ取得要求を送信する手段と、
前記外部記憶装置から前記画像データ取得要求の画像データを受信する手段と、を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記外部記憶装置へ、前記空き容量の問合要求を送信する手段と、
前記外部記憶装置から受信した現在の空き容量が、前記データ記憶部に格納した前記残データのデータ容量より大きい場合は、前記残データを前記外部記憶装置へ送信する手段と、を備え、
前記外部記憶装置は、
前記画像処理装置からの前記空き容量の問合要求に応じて、前記現在の空き容量を送信する手段と、
前記画像処理装置から受信した前記残データを、データ格納部に格納した分割データと結合して格納する手段と、を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記外部記憶装置へ送信した前記分割データを削除する手段を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
ネットワークを介して画像データを送受信する記憶装置において、
画像処理装置から受信した分割データを格納するデータ格納部と、
画像データ取得要求を受信すると、前記データ格納部から前記分割データを読出すデータ読出手段と、
前記分割データが不完全な状態で格納されたものと判断した場合に、前記分割データを送信した画像処理装置へ前記分割データに関連する残データの取得要求を送信する残データ取得要求送信手段と、
残データを受信する残データ受信手段と、
前記データ格納部が格納する前記分割データと共に前記残データを前記画像データの取得要求に応じて送信する画像データ送信部と、を備えることを特徴とする記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−199699(P2012−199699A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61741(P2011−61741)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】