説明

画像処理プログラムおよび画像処理装置

【課題】ドラッグアンドドロップによる1つの操作のみで、一方の画像ファイルに基づく編集処理を他方の画像ファイルへ適用することができる画像処理プログラムおよび画像処理装置を提供する。
【解決手段】操作者は入力装置16を用いて、画面上の特定のシンボルを、その他のシンボルへドラッグアンドドロップする操作を行うことが可能である。ドラッグアンドドロップ操作が入力されたドラッグアンドドロップ入力部22は、見本シンボルに対応する画像ファイルを特定する情報、および、編集対象シンボルに対応する画像ファイルを特定する情報を画像解析部23へ出力する。画像解析部23はドラッグアンドドロップ入力部22が出力したこれらの情報に基づいて、これらの情報により特定される画像ファイルの解析を行う。画像編集部29は解析結果に基づいて編集対象シンボルに対応する画像ファイルの編集を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラムおよび画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置に記録されているファイルやフォルダをアイコンを用いて一覧表示する技術が知られている。例えばマウスなどのポインティングデバイスを用いて、ファイルをフォルダへドラッグアンドドロップすれば、ファイルがフォルダの中へ移動される。
【0003】
その他、アイコンをドラッグアンドドロップすることにより処理を行う例としては、特許文献1に記載されている画像処理プログラムが挙げられる。この画像処理プログラムは、画像ファイルを選択すると、その画像ファイルの編集情報に基づいて、その画像ファイルに対して過去に加えた画像処理を個別のアイコンとして表示する。それらのアイコンに別の画像ファイルのアイコンをドラッグアンドドロップすることで、アイコンが表す画像処理を別の画像ファイルへ適用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−350634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、複数の画像ファイルの編集情報を同一にする処理、撮影情報を同一にする処理、あるいは色調を同一にする処理など、一方のファイルに基づく編集処理を他方のファイルへ適用する場合、一方のファイルを開く手続と他方のファイルを指定する手続の2段階の手続を必要としていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、記録媒体に記録された複数の画像ファイルの各々に対応するシンボルを表示装置へ表示するシンボル表示工程と、ポインティングデバイスにより前記表示装置に表示された複数のシンボルのうちの第1シンボルが前記第1シンボルとは異なる第2シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、前記第1シンボルに対応する画像ファイルと前記第2シンボルに対応する画像ファイルとを解析し解析情報を出力する解析工程と、前記解析工程が出力した解析情報に基づいて、前記第1シンボルに対応する画像ファイルの編集を行う編集工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
請求項6に係る発明は、記録媒体に記録された複数の画像データの各々に対応するシンボルを表示装置へ表示するシンボル表示手段と、ポインティングデバイスにより前記表示装置に表示された複数のシンボルのうちの第1シンボルが前記第1シンボルとは異なる第2シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、前記第1シンボルに対応する画像データと前記第2シンボルに対応する画像ファイルとを解析し解析情報を出力する解析手段と、前記解析工程が出力した解析情報に基づいて、前記第1シンボルに対応する画像ファイルの編集を行う編集手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シンボルを別のシンボルへドラッグアンドドロップするという1つの操作のみで、一方の画像ファイルに基づく編集処理を他方の画像ファイルへ適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態における画像処理装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】CPU11がソフトウェア的に実現する各機能を表すブロック図である。
【図3】サムネイル表示部21による画面表示の例を示す図である。
【図4】編集対象画像データの例を示す図である。
【図5】見本画像データの例を示す図である。
【図6】被写体認識部24およびポスタリゼーション処理部25による処理の例を示す図である。
【図7】サンプルポイントの設定例を示す図である。
【図8】サンプルカラー分類部28によるサンプルカラーの分類の例を示す図である。
【図9】編集対象画像データに対するサンプルカラーの分類の例を示す図である。
【図10】画像表示部31による画面表示の例を示す図である。
【図11】ドラッグアンドドロップ入力部22へドラッグアンドドロップ操作が入力された場合に実行される処理のフローチャートである。
【図12】ポスタリゼーション処理部25およびサンプルポイント設定部26によるサンプルポイントの設定処理のフローチャートである。
【図13】サンプリング部27によるサンプルカラーの取得処理のフローチャートである。
【図14】サンプルカラー分類部28によるサンプルカラーのグループ分けの処理のフローチャートである。
【図15】変形例2におけるプレビュー画像の表示例を示す図である。
【図16】変形例3におけるフォルダのドラッグアンドドロップに伴うプレビュー画像の表示例を示す図である。
【図17】変形例4における見本画像データがモノクロ画像データであった場合の例を示す図である。
【図18】顔認識を行う場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における画像処理装置の回路構成を示すブロック図である。本実施の形態で述べる画像処理装置1は、画像ファイルの管理、編集、および表示を行うことができる。
【0010】
画像処理装置1は、CPU11,フラッシュメモリ12,DRAM13,HDD14,ネットワークインタフェース(I/F)15,入力装置16,および表示装置17を備える。
【0011】
フラッシュメモリ12は、CPU11が実行する所定の制御プログラムが記憶されている、不揮発性の記憶装置である。DRAM13は、制御プログラムが使用するデータを一時的に格納するために使用される。HDD14には、画像処理装置1が処理対象とする画像ファイル、ならびに、画像処理装置1により画像処理が行われた画像ファイルが格納される。各々の画像ファイルは少なくとも1つの画像データを含む。また、画像データは撮影情報や編集情報を含んでいてもよい。撮影情報とは、例えばホワイトバランスや露出値など、撮像装置が撮影時に画像ファイルへ記録する、撮影に関する情報である。また編集情報とは、撮影後に画像加工プログラム等が画像ファイルへ記録する、画像へ加えた編集の内容に関する情報である。
【0012】
ネットワークI/F15は、外部のネットワーク2と接続するためのインタフェースである。画像処理装置1はネットワークI/F15を用いて、ネットワーク2に接続されている他の装置3と通信を行うことができる。具体的には、例えば他の装置3に格納されている画像ファイルを受信することができる。受信した画像ファイルはHDD14へ格納される。このようにしてHDD14に格納された画像ファイルには、撮影情報や編集情報が含まれているとは限らない。入力装置16はマウスなどのポインティングデバイスであり、操作者により行われた操作に応じてCPU11へ操作信号を出力する。表示装置17は液晶モニタなどの各種の表示装置である。
【0013】
CPU11は、フラッシュメモリ12から所定の制御プログラムを読み込んで実行するマイクロプロセッサである。CPU11は制御プログラムを実行することによって、図1に示した各部の制御を行う。
【0014】
図2はCPU11がソフトウェア的に実現する各機能を表すブロック図である。CPU11はソフトウェア形態によりアイコン表示部21,ドラッグアンドドロップ入力部22,画像解析部23,画像編集部29,画像記録部30,および画像表示部31を備える。また画像解析部23は、被写体認識部24,ポスタリゼーション処理部25,サンプルポイント設定部26,サンプリング部27,およびサンプルカラー分類部28を備える。これらの各部は、CPU11がフラッシュメモリ12に記録されている所定の制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。以下、これらの各部について説明する。
【0015】
サムネイル表示部21は、HDD14に格納されている画像ファイルおよびフォルダを表すシンボルを表示装置17へ表示する。このシンボルは、フォルダを表すシンボルの場合にはフォルダを表す所定の画像である。画像ファイルを表すシンボルの場合は、画像ファイルに含まれるサムネイル画像か、もしくは、画像ファイルに含まれる画像データを公知の方法により縮小した画像のいずれかである。
【0016】
図3は、サムネイル表示部による画面表示の例を示す図である。図中の画面SC1には、6つのシンボル31、32、33、34、35、36が表示されている。すなわち、HDD14には、これらのシンボル31〜36に対応する画像ファイルが格納されている。これらのシンボルに加えて、画面SC1には入力装置16を用いて移動させることができるカーソルCが表示される。
【0017】
操作者は入力装置16を用いて、画面SC1上の特定のシンボルを、その他のシンボルへドラッグアンドドロップする操作を行うことが可能である。このドラッグアンドドロップ操作は、例えば入力装置16がマウスであれば、特定のシンボル上へカーソルCを移動し、マウスのボタンを押下したままその他のシンボル上へカーソルCを移動させ、マウスのボタンを離すという一連の操作のことを指す。また、入力装置16がタッチパネルであれば、特定のシンボル上を指やペンなどの操作物で押さえ、そのまま操作物をその他のシンボル上へ移動させ、操作物をタッチパネルから離すという一連の操作のことを指す。これ以外のポインティングデバイスについても同様に、あるシンボルを他のシンボル上に移動させる行為をドラッグアンドドロップ操作として扱ってよい。
【0018】
ドラッグアンドドロップ入力部22(図2)には、操作者による上述したドラッグアンドドロップ操作が入力される。具体的には、入力装置16が出力する、ドラッグアンドドロップ操作に対応する操作信号が入力される。ドラッグアンドドロップ操作が入力されたドラッグアンドドロップ入力部22は、まず上述したドラッグアンドドロップ操作における「特定のシンボル」および「その他のシンボル」を認識する。以下の説明では、ドラッグアンドドロップ操作における「特定のシンボル」を「編集対象シンボル」、「その他のシンボル」を「見本シンボル」と呼ぶ。
【0019】
ドラッグアンドドロップ入力部22は、見本シンボルがフォルダを表すシンボルであった場合には、ドラッグアンドドロップ操作に応じて何ら処理を行わない。他方、見本シンボルが画像ファイルを表すシンボルであった場合には、見本シンボルに対応する画像ファイルを特定する情報、および、編集対象シンボルに対応する画像ファイルを特定する情報を画像解析部23へ出力する。画像解析部23はドラッグアンドドロップ入力部22が出力したこれらの情報に基づいて、これらの情報により特定される画像ファイルの解析を開始する。ここで「画像ファイルを特定する情報」とは、例えばファイル名など、HDD14に格納されている複数の画像ファイルから個々の画像ファイルを特定するための情報である。
【0020】
なお、編集対象シンボルに対応する画像ファイルが複数存在する場合には、それぞれの画像ファイルに対して画像解析部23による解析が行われる。例えば編集対象シンボルがフォルダを表すシンボルであった場合には、画像解析部23によってそのフォルダに格納されているすべての画像ファイルが解析される。また、操作者が複数のシンボルを同時にドラッグアンドドロップした場合には、画像解析部23によってそれらのシンボルに対応するすべての画像ファイルが解析される。以下の説明では、見本シンボルに対応する画像ファイルを「見本画像ファイル」、編集対象シンボルに対応する画像ファイルを「編集対象画像ファイル」と呼ぶ。
【0021】
画像解析部23は、ドラッグアンドドロップ入力部22が出力した上述の情報に基づいて、HDD14から見本画像ファイルおよび編集対象画像ファイルを読み出す。見本画像ファイルが撮影情報または編集情報を含む場合には、画像解析部23はこれらの情報を抽出してDRAM13に記憶させる。他方、見本画像ファイルが撮影情報および編集情報を含まない以下、画像解析部23は見本画像ファイルに含まれる画像データ(以下、見本画像データと呼ぶ)と編集対象画像ファイルに含まれる画像データ(以下、編集対象画像データと呼ぶ)の両方を個別に解析し、解析結果をDRAM13に記憶させる。編集対象画像ファイルが複数存在する場合には、それらの画像ファイルが個別に解析される。以下では、画像解析部23による画像データの解析処理について、見本画像データと編集対象画像データの例を示して具体的に説明する。
【0022】
図4は、編集対象画像データの例を示す図であり、図5は、見本画像データの例を示す図である。図4に示すように、編集対象画像ファイルには赤い花の画像データ41が、見本画像ファイルには画像データ41とは多少色調の異なる赤い花の画像データ42が含まれている。
【0023】
図6は、被写体認識部24およびポスタリゼーション処理部25による処理の例を示す図である。被写体認識部24は、画像解析部23が読み出した見本画像データ42(図5)から、公知の技術により被写体を認識する。そして、被写体のみを含む画像データと、被写体以外の領域のみを含む画像データとを作成する。画像解析部23が備える各部は、被写体認識部24が作成したこれら2つの画像データに対し各種の処理を行う。図5に示した見本画像データ42から作成された、被写体のみを含む画像データ43Fを図6(a)に、被写体以外の領域のみを含む画像データ43Bを図6(b)に示す。
【0024】
ポスタリゼーション処理部25(図2)は、被写体認識部24により作成された画像データ43F,43Bのそれぞれに対し、公知のポスタリゼーション処理を適用して画像データの階調を減らす。ポスタリゼーション処理を適用し、画像データ43Fから作成された画像データ44Fを図6(c)に、画像データ43Bから作成された画像データ44Bを図6(d)に示す。
【0025】
サンプルポイント設定部26(図2)は、ポスタリゼーション処理部25により作成された画像データの各々を処理対象の画像データとする。サンプルポイント設定部26はまずこれらの画像データから、同一の色が連続している領域をすべて抽出する。すなわち、同一の色を有する画素の固まりを抽出する。ただし、面積が所定のしきい値以下である場合にはその領域を無視する。このようにして抽出されたすべての領域について、同一の色を有する領域の中でもっとも面積の大きい領域を選択し、その領域の中心座標を算出する。例えば、同一の色を有する領域Aと領域Bが存在した場合、これらの領域の中でもっとも面積の大きい領域についてのみ中心座標の算出が行われる。この中心座標を、処理対象の画像データにおけるサンプルポイントと呼ぶ。サンプルポイントとは、後述するサンプリング部27がサンプリングを行う地点を定めたものである。
【0026】
図7は、サンプルポイントの設定例を示す図である。図7(a)に画像データ44Fへサンプルポイントを設定した画像データ45Fを、図7(b)に画像データ44Bへサンプルポイントを設定した画像データ45Bを、それぞれ示す。図7(a)では、座標PA〜PEで示す5点のサンプルポイントがサンプルポイント設定部26により設定されている。同様に、図7(b)では座標PF〜PIで示す4点のサンプルポイントが設定されている。
【0027】
サンプリング部27(図2)は、サンプルポイント設定部26が設定したサンプルポイントに基づいて、被写体認識部24が作成した画像データから色のサンプリングを行う。サンプリング部27がサンプリングした色をサンプルカラーと呼ぶ。サンプルカラーは各サンプルポイントからサンプリングされるので、サンプルカラーの数はサンプルポイントの数と等しくなる。
【0028】
標本色分類部28(図2)は、サンプリング部27がサンプリングしたサンプルカラーを、予め定められた色相別のグループに分類する。グループ化された複数のサンプルカラーの組み合わせをサンプルカラーセットと呼ぶ。例えば赤色系のサンプルカラーは「赤色」のグループに、緑色系のサンプルカラーは「緑色」のグループに分類される。ただし、同系色であっても、サンプルポイント同士が同系色以外の領域に隔てられている場合には、それらのサンプルカラーは異なるグループに属するものとして扱う。
【0029】
例えば、順にA,B,Cと並んだ各領域にサンプルポイントa,b,cが設定されていたとき、サンプルポイントa,b,cから赤色系のサンプルカラーがサンプリングされた場合には、これらのサンプルカラーはすべて同一のグループに分類される。一方で、サンプルポイントa,cからは赤色系のサンプルカラーが、サンプルポイントbからは青色系のサンプルカラーがサンプリングされた場合、領域A,Cは同系色以外の領域Bに隔てられているので、サンプルポイントa,cからサンプリングされたサンプルカラーは同系色であるにも係わらず異なるグループに分類される。
【0030】
図8は、サンプルカラー分類部によるサンプルカラーの分類の例を示す図である。図8(a)に、図6(a)に示した画像データ43Fへ図7(a)に示したサンプルポイントPA〜PEを適用した画像データ46Fを示す。この画像データ46Fにおいて、サンプリングしたサンプルカラーを分類したグループが図8(a)のグループG1である。画像データ46Fにおいてサンプリングされた5つのサンプルカラーはすべて赤色系であり、且つ同系色以外の領域に隔てられていないので、5つのサンプルカラーが同一のグループG1に分類されている。
【0031】
同様に、図8(b)には、図6(b)に示した画像データ43Bへ図7(b)に示したサンプルポイントPF〜PIを適用した画像データ46Bを示す。この画像データ46Bからは、緑色系のサンプルカラーが3つ、赤色のサンプルカラーが1つサンプリングされ、緑色系のサンプルカラーはグループG2に、赤色のサンプルカラーはグループG3に分類されている。
【0032】
図9は、編集対象画像データに対するサンプルカラーの分類の例を示す図である。画像解析部23は見本画像データと同様に、編集対象画像データに対しても被写体認識部24,ポスタリゼーション処理部25,サンプルポイント設定部26,サンプリング部27,およびサンプルカラー分類部28による各種の処理を実行する。図4に示した編集対象画像データ41へこれらの処理を施した結果を図9(a)および図9(b)に示す。図9(a)に示した画像データ47Fが、編集対象画像データ41の被写体領域におけるサンプリング結果である。同様に、図9(b)に示した画像データ47Bは、編集対象画像データ41の背景領域におけるサンプリング結果である。被写体領域からはグループG4およびグループG5が、背景領域からはグループG6およびグループG7がそれぞれ得られている。
【0033】
画像解析部23(図2)による解析は以上のようになる。すなわち、見本画像ファイルが撮影情報または編集情報を含む場合にはそれらの情報が解析結果としてDRAM13へ格納される。他方、見本画像ファイルが撮影情報または編集情報を含まない場合には、見本画像データおよび編集対象画像データごとに、それらの画像データから得られたサンプルカラーセットが解析結果としてDRAM13へ格納される。
【0034】
画像編集部29(図2)は、画像解析部23による解析結果に基づいて、編集対象画像ファイルを編集する。具体的な編集内容は、DRAM13に格納されている解析結果に応じて異なる。解析結果が見本画像ファイルの撮影情報または編集情報であった場合には、画像編集部29は単純にこれらの情報を各々の編集対象画像ファイルへ反映させる。例えば、撮影情報に含まれるホワイトバランスや露出に関するパラメータを、編集対象画像ファイルに適用する。
【0035】
他方、解析結果がサンプルカラーセットであった場合には、画像編集部29は以下に説明する処理を行い、各々の編集対象画像データの色調を編集する。画像編集部29は編集対象画像データのサンプルカラーセットの各々について、見本画像データのサンプルカラーセットから同系色のグループを検索し、検索結果に応じた処理を実行する。
【0036】
編集対象画像データのサンプルカラーセットと同系色のサンプルカラーセットが1つだけ見つかった場合には、まず編集対象画像データのサンプルカラーセットの各サンプルカラーと、見本画像データのサンプルカラーセットの各サンプルカラーとを明るさ順に対応させる。すなわち、編集対象画像データのサンプルカラーセットの中でもっとも明るいサンプルカラーと見本画像データのサンプルカラーセットの中でもっとも明るいサンプルカラー、編集対象画像データのサンプルカラーセットの中で2番目に明るいサンプルカラーと見本画像データのサンプルカラーセットの中で2番目に明るいサンプルカラー、というようにサンプルカラー同士を順に対応させる。
【0037】
なお、編集対象画像データのサンプルカラーセットに含まれるサンプルカラーが、見本画像データのサンプルカラーセットに含まれるサンプルカラーより多い場合には、1つのサンプルカラーを繰り返し複数のサンプルカラーに対応させる。例えば、編集対象画像データのサンプルカラーセットに色1〜6が存在し、見本画像データのサンプルカラーセットに色7〜9が存在する場合には、色1と色7,色2と色7,色3と色8,色4と色8,色5と色9,色6と色9,というように対応させる。また、編集対象画像データのサンプルカラーセットに含まれるサンプルカラーが、見本画像データのサンプルカラーセットに含まれるサンプルカラーより少ない場合には、見本画像データのサンプルカラーセットからサンプルカラーが同じ数になるようサンプルカラーを間引く。
【0038】
各サンプルカラー同士を対応させたら、画像編集部29は、編集対象画像データへこの対応関係を適用する。すなわち、編集対象画像データを構成する全画素のうち、編集対象画像データのサンプルカラーセットに含まれる各サンプルカラーと同色の画素を、そのサンプルカラーに対応させた見本画像データのサンプルカラーに置き換える。これにより、編集対象画像データの色調が見本画像データの色調に近づけられる。
【0039】
編集対象画像データのサンプルカラーセットと同系色のサンプルカラーセットが複数見つかった場合には、見つかったサンプルカラーセットのうち1つを所定条件により選択し、選択されたサンプルカラーセットについて上述したサンプルカラーの対応付けと編集対象画像データへの対応関係の適用を行う。上記の所定条件は、例えば見本画像データに占める面積がもっとも大きいサンプルカラーセットが選択されるよう設定してもよいし、編集対象画像データのサンプルカラーセットのサンプルカラーの明るさの平均値にもっとも近い明るさの平均値を有するサンプルカラーセットが選択されるよう設定してもよい。
【0040】
例えば図8および図9に示したサンプルカラーセットの場合を考える。図8(a)に示すように、見本画像データの被写体領域46Fからは、5つのサンプルカラーを含むサンプルカラーセットG1が得られている。図9(a)に示すように、編集対象画像データの被写体領域47Fからは、5つのサンプルカラーを含むサンプルカラーセットG4と、5つのサンプルカラーを含むサンプルカラーセットG5が得られている。編集対象画像データから得られたサンプルカラーセットG4,G5のそれぞれについて、見本画像データより得られたサンプルカラーセットから同色系のサンプルカラーセットを検索すると、サンプルカラーセットG4と同色系のサンプルカラーセットG1のみが見つかる。従って、画像編集部29は、サンプルカラーセットG4とに属する各サンプルカラー(赤7〜赤11)と、サンプルカラーセットG1に属する各サンプルカラー(赤1〜赤5)とを対応させ、編集対象画像データの被写体領域47Fへこの対応関係を適用する。他方、サンプルカラーセットG5は同色系のサンプルカラーセットが見つからなかったので、特に何も行われない。見本画像データの背景領域46B(図8(b))と、編集対象画像データの背景領域47B(図9(b))についても同様の処理を行う。
【0041】
画像記録部30(図2)は、画像編集部29により編集された編集対象画像データをHDD14へ格納する。HDD14への格納は、HDD14に記録されている編集前の編集対象画像ファイルを上書きする形で行ってもよいし、編集後の編集対象画像ファイルを新しく作成する形で行ってもよい。
【0042】
画像表示部31(図2)は、画像編集部29により編集された編集対象画像データを表示装置17へ表示すると共に、編集対象画像データの色調を更に調整するための操作オブジェクトを表示装置17へ表示する。この操作オブジェクトは、編集対象画像データにおける各サンプルポイントの位置へ表示され、入力装置16を用いて各種の操作を行うことが可能である。
【0043】
図10は、画像表示部による画面表示の例を示す図である。画面SC2には、図4に示す編集対象画像データ41へ、図5に示す見本画像データ42に基づく編集を加えた画像データが表示されている。画面SC2には画像データに加えて、図9(a)においてサンプルポイントが配置されていた位置へ、操作オブジェクトCP1,CP2が表示されている。なお図10では煩雑さを回避するため2つの操作オブジェクトのみが表示されている画面SC2を例示したが、実際には全てのサンプルポイントへ操作オブジェクトが表示される。
【0044】
各々の操作オブジェクトは1つ以上のスライダを備える。例えば図10では、操作オブジェクトCP2がスライダCP2a,CP2b,CP2c,CP2dを有している。操作者は入力装置16を用いてこれらのスライダを左右にドラッグすることにより、編集対象画像データの色調を調整することができる。1つ1つのスライダは例えば明るさ、赤成分、青成分などに対応しており、スライダを左右にドラッグすると、画像編集部29が操作オブジェクトに対応するサンプルポイントのサンプルカラーの明るさ、赤成分、青成分などを変更する。その結果、編集対象画像データの色調が変更されることとなる。
【0045】
図11は、ドラッグアンドドロップ入力部へドラッグアンドドロップ操作が入力された場合に実行される処理のフローチャートである。まずステップS11では、画像解析部23が見本画像ファイルに撮影情報または編集情報が含まれているか否かを判定する。見本画像ファイルがこれらの情報を含んでいる場合にはステップS12へ進む。ステップS12では、画像解析部23が見本画像ファイルから撮影情報または編集情報を取得する。ステップS13では、画像編集部29が編集対象画像ファイルの撮影情報または編集情報を変更する。
【0046】
他方、ステップS11により否定判定がなされた場合にはステップS14へ進む。ステップS14からステップS17までの処理は、見本画像データと編集対象画像データの両方へ個別に実行される。ステップS14では、被写体認識部24が画像データを被写体領域と背景領域とに分割する。ステップS15では、ポスタリゼーション処理部25およびサンプルポイント設定部26がサンプルポイントの設定を行う。ステップS16では、サンプリング部27がサンプルポイントからサンプルカラーを取得する。ステップS17では、サンプルカラー分類部28がサンプルカラーのグループ分けを行う。ステップS18では、画像編集部29が編集対象画像データにおける各サンプルカラーを見本画像データにおける各サンプルカラーと対応付ける。ステップS19では、画像編集部29がサンプルカラー同士の対応付けに基づいて編集対象画像データの色変換を行う。ステップS20では、画像記録部30が編集対象画像ファイルをHDD14へ格納する。
【0047】
図12は、ポスタリゼーション処理部25およびサンプルポイント設定部26によるサンプルポイントの設定処理のフローチャートである。まずステップS21では、ポスタリゼーション処理部25がポスタリゼーション処理を行う。ステップS22では、サンプルポイント設定部26がポスタリゼーション後の画像データを色毎に分割する。ステップS23では、サンプルポイント設定部26がステップS24で分割した各領域に基づいて、同一の色を有する領域のうち最大の領域の中心座標へサンプルポイントを設定する。
【0048】
図13は、サンプリング部27によるサンプルカラーの取得処理のフローチャートである。まずステップS31では、サンプリング部27がサンプルポイント設定部26により設定されたサンプルポイントのうちで未選択のサンプルポイントを1つ選択する。ステップS32では、サンプリング部27がステップS31で選択したサンプルポイントからサンプルカラーを取得する。ステップS33では、サンプリング部27が、ステップS31で選択したサンプルポイントが含まれる領域の変席をDRAM13へ記憶させる。ステップS34では、サンプリング部27が、ステップS31で選択したサンプルポイントが含まれる領域に隣接する領域の情報をDRAM13へ記憶させる。ステップS35では、サンプリング部27が、全てのサンプルポイントが選択済みであるか否かを判定する。全てのサンプルポイントが選択済みであった場合には処理を終了する。他方、未選択のサンプルポイントが存在する場合にはステップS31へ戻る。
【0049】
図14は、サンプルカラー分類部28によるサンプルカラーのグループ分けの処理のフローチャートである。まずステップS41では、サンプルカラー分類部28がサンプルカラーを色相毎にグループ分けする。ステップS42では、サンプルカラー分類部28が、同一のグループに含まれるサンプルカラーのうち互いに隣接していないサンプルカラーが別のグループになるようグループを分割する。ステップS43では、各々のグループのサンプルカラーを明るさの順に並び替える。
【0050】
上述した第1の実施の形態による画像処理装置によれば、次の作用効果が得られる。
(1)サムネイル表示部21は、HDD14に記録された複数の画像ファイルの各々に対応するシンボルを表示装置17へ表示する。画像解析部23は、入力装置16により表示装置17に表示された複数のシンボルのうちの編集対象シンボルが見本シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、編集対象シンボルに対応する編集対象画像ファイルと見本シンボルに対応する見本画像ファイルとを解析し解析情報を出力する。そして、
画像編集部29が、画像解析部23が出力した解析情報に基づいて、編集対象画像ファイルの編集を行う。このようにしたので、シンボルを別のシンボルへドラッグアンドドロップするという1つの操作のみで、一方の画像ファイルに基づく編集処理を他方の画像ファイルへ適用することができる。
【0051】
(2)サムネイル表示部21は、フォルダを表すシンボルを表示することが可能である。このフォルダを表すシンボルが編集対象シンボルとして見本シンボルにドラッグアンドドロップされた場合、画像解析部23および画像編集部29は当該フォルダに格納されている全ての画像ファイルを対象に解析および編集を行う。このようにしたので、フォルダごとに複数の画像ファイルを一括して扱うことができ、利便性が向上する。
【0052】
(3)画像解析部23は、複数の編集対象シンボルが同時に見本シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、複数の編集対象シンボルに対応する複数の編集対象画像ファイルと見本画像ファイルとを解析し解析情報を出力する。この場合、画像編集部29は、複数の編集対象画像ファイルの編集を行う。このようにしたので、任意に選択された複数の画像ファイルを一括して扱うことができ、利便性が向上する。
【0053】
(4)画像解析部23は、見本画像ファイルが撮影情報または編集情報を含む場合にはそれらの情報を解析情報として出力する。この場合、画像編集部29は、編集対象画像ファイルにこれらの情報を適用する。すなわち、編集対象画像ファイルの撮影情報または編集情報を編集する。このようにしたので、見本画像ファイルの特性を編集対象画像ファイルに容易に反映することができる。
【0054】
(5)画像解析部23は、見本画像ファイルが撮影情報および編集情報を含んでいない場合には、被写体認識部24、ポスタリゼーション処理部25、サンプルポイント設定部26、サンプリング部27、および標本色分類部28を用いた画像解析を行い、その解析結果であるサンプルカラーセットを解析情報として出力する。この場合、画像編集部29は、サンプルカラーセットに基づいて編集対象画像ファイルの画像データを編集する。すなわち、編集対象画像データの色調を編集する。このようにしたので、見本画像ファイルが撮影情報および編集情報を含んでいない場合であっても、見本画像ファイルの特性を編集対象画像ファイルに適切に反映することができる。
【0055】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0056】
(変形例1)
編集対象画像データと見本画像データについて、各々のサンプルカラーセットの対応付けを行う際、異なる色相のサンプルカラーセットについても対応付けを行ってよい。この場合、サンプルカラーセットを画像全体に占める割合が大きい順に並び替え、上位のサンプルカラーセット同士を対応付ける。またこのとき、対応付けるサンプルカラーセットの数を所定の数に限定してもよい。例えば、上位3つのサンプルカラーセット同士のみを対応付けるようにしてもよい。
【0057】
(変形例2)
シンボルのドラッグアンドドロップ操作が行われた時、画像解析部23が編集後の画像データのプレビュー画像を表示し、操作者へ処理を実行するか確認を求めるようにしてもよい。また、このプレビュー画像は複数種類表示してもよい。この場合、サンプルカラーセットの対応付けのルールを複数通り用意し、それぞれのルールにおけるプレビュー画像を画面に表示し、操作者が選択したプレビュー画像に対応するルールに基づいて画像の編集を行う。
【0058】
図15は、プレビュー画像の表示例を示す図である。図15では、画面SC3に表示されているシンボル31〜36のうち、シンボル36をシンボル33へドラッグアンドドロップした様子が示されている。画像解析部はこのとき吹き出し51を表示し、吹き出し51上にプレビュー画像PV1,PV2,PV3を表示する。プレビュー画像PV1は背景領域のみに見本画像データのサンプルカラーセットを適用した画像、プレビュー画像PV2は同じ色相のサンプルカラーセットのみを対応付けた場合の画像、プレビュー画像PV3は色相を考慮せずにサンプルカラーセットを対応付けた場合の画像である。
【0059】
画像処理装置は操作者にこれら3つのプレビュー画像PV1〜PV3からいずれか1つを選択させる。例えば操作者がプレビュー画像PV1を選択すれば、画像編集部は編集対象画像データへプレビュー画像PV1に対応するルールで編集を行う。また、操作者が画面SC3に表示されたチェックボックス52にチェックを入れると、画像編集部は編集対象画像データの画像サイズを公知の手法により見本画像データの画像サイズに変更する。このように、プレビュー画像を複数表示し、操作者に複数通りの画像編集のうちいずれかを選択させる構成としてもよい。
【0060】
(変形例3)
変形例2に更に加えて、フォルダを表すシンボルが画像ファイルを表すシンボルへドラッグアンドドロップされた場合に、フォルダに含まれる全ての画像ファイルについて前述のプレビュー画像を表示するようにしてもよい。この場合、操作者は個々の画像ファイルについて複数通りの画像編集のうちどの画像編集を適用するかを選択する。
【0061】
図16は、フォルダのドラッグアンドドロップに伴うプレビュー画像の表示例を示す図である。図16では、画像解析部が画面SC4へ2つのシンボルを表示している。シンボル56は画像ファイルのシンボルであり、シンボル57はフォルダを表すシンボルである。シンボル57がシンボル56へドラッグアンドドロップされると、画像解析部は吹き出し55を表示する。吹き出し55には、シンボル57が表すフォルダに格納されている全ての画像ファイルについて作成されたプレビュー画像が、左から右へ順に表示されている。
【0062】
図16において、重なって表示されているプレビュー画像は1つの画像ファイルに対応するプレビュー画像である。例えば、プレビュー画像PV4,PV5,PV6は1つの画像ファイルに対応している。プレビュー画像PV4〜PV6は図15のプレビュー画像PV1〜PV3に対応し、操作者がいずれかのプレビュー画像を選択すると、選択されたプレビュー画像が最前面に表示される。図16では、最前面に表示されているプレビュー画像PV6が現在選択されているプレビュー画像である。同様に、プレビュー画像PV7,PV8は別の画像ファイルに対応し、PV9はまた別の画像ファイルに、PV10,PV11は更に別の画像ファイルに対応している。
【0063】
操作者がすべての画像ファイルについてプレビュー画像を選択し、ボタン58を押下すると、画像編集部はすべての画像ファイルに対し、選択されていたプレビュー画像に対応する画像編集を行う。このとき、チェックボックス59がチェックされていた場合、画像編集部によりすべての画像ファイルの画像データが見本画像データの画像サイズに合わせられる。
【0064】
(変形例4)
見本画像データがモノクロの画像データであった場合、ドラッグアンドドロップ操作が入力された時に、操作者へ編集対象画像データの微調整を行わせる構成としてもよい。これは、モノクロの画像データには色相が存在しないため、第1の実施の形態で述べた色相ごとのサンプリングカラーのグループ分けが行えないためである。
【0065】
図17は、見本画像データがモノクロ画像データであった場合の例を示す図である。図17では、画面SC5にシンボル60,61が表示されており、且つシンボル60に対応する画像ファイルの画像データはモノクロの画像データである。シンボル61をシンボル60にドラッグアンドドロップすると、画像解析部は吹き出し62を表示する。吹き出し62にはプレビュー画像PV62と、画像編集のパラメータを調整するためのスライダ63,64,65が表示されている。スライダ63はカラーフィルタ、スライダ64は明るさ、スライダ65はコントラストにそれぞれ対応する。操作者はスライダ63〜65を操作することにより、これらのパラメータを調整することができる。チェックボックス66は図15におけるチェックボックス52と同様である。
【0066】
(変形例5)
第1の実施の形態では、画像データを被写体と背景とに分離してそれぞれに対し処理を行っていたが、分離せずに処理を行ってもよい。あるいは、被写体を認識できた場合にのみ分離し、それ以外の場合には被写体と背景との分離を行わないようにしてもよい。また、被写体以外の事物を認識するようにしてもよい。例えば、空や海などを認識するようにしてもよいし、人物の顔を認識するようにしてもよい。人物の顔を認識する場合には、特定の人物に対してのみ画像編集を適用するようにしてもよい。
【0067】
図18は、顔認識を行う場合の例を示す図である。図18(a)に示す画面SC6には、シンボル70,71が表示されている。シンボル70に対応する画像データは人物72を撮影した画像データであり、シンボル71に対応する画像データは、人物73と人物74とを撮影した画像データである。
【0068】
シンボル70へシンボル71がドラッグアンドドロップされると、本変形例の画像処理装置はそれぞれの画像データに対し公知の顔認識処理を実行する。顔認識処理の結果、図18(b)に示すように顔画像75,76が検出される。顔画像75は図18(a)の人物72に対応し、顔画像76は図18(a)の人物74に対応する。本変形例の画像処理装置は、公知の手法により2つの顔画像75,76を比較し、これらの顔画像が同一人物の顔画像か否かを判定する。そして、同一人物の顔画像であると判定した場合には、顔画像75の色調を顔画像76へ適用する。
【0069】
図18(c)に、顔画像75と顔画像76が同一人物の顔画像であると認識された場合の、編集が加えられた後の編集対象画像データ77を示す。画像データ77は、見本画像データに含まれる人物72と同一の人物74に対してのみ、見本画像データの顔画像75に基づく色調の編集が加えられている。
【0070】
(変形例6)
画像データを表すシンボルは、サムネイル画像でなくてもよい。例えば、全画像データに共通して用いられるアイコンであってもよいし、画像ファイルの名前を表す文字列であってもよい。
【0071】
(変形例7)
画像編集部は、編集対象画像データに対して色調以外の画像編集を行ってもよい。また、画像データではなく撮影情報や編集情報を変更してもよい。
【0072】
(変形例8)
2つの画像データの色調を合わせる手法は、第1の実施の形態で説明したものに限定されず、任意の手法を用いてよい。
【0073】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 画像処理装置
11 CPU
14 HDD
21 サムネイル表示部
22 ドラッグアンドドロップ入力部
23 画像解析部
24 被写体認識部
25 ポスタリゼーション処理部
26 サンプルポイント設定部
27 サンプリング部
28 サンプルカラー分類部
29 画像編集部
30 画像記録部
31 画像表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された複数の画像ファイルの各々に対応するシンボルを表示装置へ表示するシンボル表示工程と、
ポインティングデバイスにより前記表示装置に表示された複数のシンボルのうちの第1シンボルが前記第1シンボルとは異なる第2シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、前記第1シンボルに対応する画像ファイルと前記第2シンボルに対応する画像ファイルとを解析し解析情報を出力する解析工程と、
前記解析工程が出力した解析情報に基づいて、前記第1シンボルに対応する画像ファイルの編集を行う編集工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記シンボル表示工程は、前記記録媒体に記録された複数の画像ファイルに対応する単一のシンボルを表示することが可能であり、
前記第1シンボルは、前記単一のシンボルであることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記解析工程は、複数のシンボルが同時に前記第2シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、前記複数のシンボルに対応する複数の画像ファイルと前記第2シンボルに対応する画像ファイルとを解析し解析情報を出力し、
前記編集工程は、前記複数のシンボルに対応する画像ファイルの編集を行うことを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記解析工程は、前記第2シンボルに対応する画像ファイルが撮影情報および編集情報のいずれか少なくとも1つを含む場合に、前記撮影情報または前記編集情報を前記解析情報として出力し、
前記編集工程は、前記第2シンボルに対応する画像ファイルが撮影情報および編集情報のいずれか少なくとも1つを含む場合に、前記第1シンボルに対応する画像ファイルの撮影情報または編集情報を編集することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記解析工程は、前記第2シンボルに対応する画像ファイルが前記撮影情報および前記編集情報を含んでいない場合に、前記第2シンボルに対応する画像ファイルに含まれる画像データおよび前記第1シンボルに対応する画像ファイルに含まれる画像データを解析して前記解析情報を出力し、
前記編集工程は、前記第2シンボルに対応する画像ファイルが前記撮影情報および前記編集情報を含んでいない場合に、前記第1シンボルに対応する画像ファイルの画像データを編集することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項6】
記録媒体に記録された複数の画像データの各々に対応するシンボルを表示装置へ表示するシンボル表示手段と、
ポインティングデバイスにより前記表示装置に表示された複数のシンボルのうちの第1シンボルが前記第1シンボルとは異なる第2シンボルへドラッグアンドドロップされたことに応じて、前記第1シンボルに対応する画像データと前記第2シンボルに対応する画像ファイルとを解析し解析情報を出力する解析手段と、
前記解析工程が出力した解析情報に基づいて、前記第1シンボルに対応する画像ファイルの編集を行う編集手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−8678(P2012−8678A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142376(P2010−142376)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】