説明

画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムが記録された記録媒体および画像処理装置

【課題】 高精度な近似曲線を作成する画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムが記録された記録媒体および画像処理装置を提供する。
【解決手段】 ピーク点検出部121によって、画像入力部112で入力した画像ラインデータに対して、輝度値または濃度値に基づいてピーク点を検出し、点列データベース122に、検出されたピーク点の集合(点列)が格納される。近似線描画部123は、検出された点列に対してノイズの有無を判断するための近似線を作成する。点列除去部131が、判定近似線描画部120で作成した近似線に対してノイズの影響の有無を判定し、点列除去部131によって影響があると判断された点が除去され、残った点列が除去後の点列データベース132に格納される。近似線再描画部133は、除去後の点列に基づいて、近似線を再描画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に含まれる交点座標の抽出およびエッジの抽出などを行う場合に必要な近似曲線を作成する画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムが記録された記録媒体および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像に含まれる点および線分などに基づいて近似線を描く場合、画像データの輝度または濃度分布からピーク点を検出し、そのピーク点の集合(点列)に基づいて近似曲線を描く。しかし、スキャナで原稿を読み取ったときに、画像がかすれたり、欠けが存在したり、元々の解像度が低い場合には、正しくピーク点を検出することができず、精度のよい近似線が描けない場合がある。
【0003】
特許文献1記載の曲線検出装置は、入力画像から濃淡値のピーク位置を検出する際に、入力画像における曲線の方向とほぼ垂直な方向に一次微分して微分画像を生成し、この微分画像に対して多項式の関数フィッティングを行い、ゼロクロス点をピーク点の候補としている。さらに、ゼロクロス点における入力画像の濃淡値が閾値より大きくかつ多項式の一次微係数が負の場合に、ピーク点として確定し、ピーク点近傍のパターンの類似性が高いピーク点を1つの曲線を構成するものとみなす。
【0004】
【特許文献1】特開平8−96145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データの集合がある程度ばらつきを持っているような場合、近似線を描いておおよその位置を判断することが行われている。しかしながら、たとえば、画像にかすれや欠けなどの欠損があったり、原稿の汚れや孤立点などのノイズの影響がある場合は、正しい近似線を描くことができず、正しい判断が得られない場合がある。
【0006】
特許文献1記載の曲線検出装置では、関数フィッティングを用いることで、輝度分布を表す関数によってピーク値を検出しているが、フィッティングさせる関数として適切な関数が選択されないと正しいピーク点が検出できないことがある。また、ピーク点付近にノイズがある場合、ノイズの影響を受けて実際のピーク点からずれて検出される可能性が高いが、このノイズの影響への対応策については記述されていない。
【0007】
本発明の目的は、高精度な近似曲線を作成する画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムが記録された記録媒体および画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像データに含まれる曲線の近似曲線を作成する画像処理方法であって、
1ライン分の画素値に基づいて関数曲線を算出し、そのピーク値を示す画素をピーク点として検出するピーク点検出ステップと、
複数のラインにわたって検出された複数のピーク点からなる点列に基づく近似曲線を第1近似曲線として作成する第1近似ステップと、
前記点列のピーク点のうち、前記第1近似曲線との距離が予め定める距離以上離れているピーク点をノイズ点として抽出し、その画素値が予め定める範囲から外れたピーク点を欠損点として抽出し、抽出したノイズ点および欠損点を、前記点列から除去する除去ステップと、
前記ノイズ点および前記欠損点が除去された点列に基づく近似曲線を第2近似曲線として作成する第2近似ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法である。
【0009】
また本発明は、前記予め定める距離が、前記曲線の線幅であることを特徴とする。
また本発明は、前記関数曲線が、ガウス近似に基づくガウス近似曲線であることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムである。
【0011】
また本発明は、上記の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0012】
また本発明は、画像データに含まれる曲線の近似曲線を作成する画像処理装置であって、
1ライン分の画素値に基づいて関数曲線を算出し、そのピーク値を示す画素をピーク点として検出するピーク点検出手段と、
複数のラインにわたって検出された複数のピーク点からなる点列に基づく近似曲線を第1近似曲線として作成する第1近似手段と、
前記点列のピーク点のうち、前記第1近似曲線との距離が予め定める距離以上離れているピーク点をノイズ点として抽出し、その画素値が予め定める範囲から外れたピーク点を欠損点として抽出し、抽出したノイズ点および欠損点を、前記点列から除去する除去手段と、
前記ノイズ点および前記欠損点が除去された点列に基づく近似曲線を第2近似曲線として作成する第2近似手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像データに含まれる曲線の近似曲線を作成する画像処理方法である。まず、ピーク点検出ステップで、1ライン分の画素値に基づいて関数曲線を算出し、そのピーク値を示す画素をピーク点として検出し、第1近似ステップで、複数のラインにわたって検出された複数のピーク点からなる点列に基づく近似曲線を第1近似曲線として作成する。
【0014】
除去ステップでは、前記点列のピーク点のうち、前記第1近似曲線との距離が予め定める距離以上離れているピーク点をノイズ点として抽出し、その画素値が予め定める範囲から外れたピーク点を欠損点として抽出し、抽出したノイズ点および欠損点を、前記点列から除去する。第2近似ステップでは、前記ノイズ点および前記欠損点が除去された点列に基づく近似曲線を第2近似曲線として作成する。
【0015】
これにより、画像のかすれや欠けなどの欠損および原稿の汚れや孤立点などのノイズの影響を除去することで高精度な近似曲線を作成することができる。
【0016】
また本発明によれば、前記予め定める距離を、前記曲線の線幅とすることで高精度にノイズ点を抽出することができる。
【0017】
また本発明によれば、前記関数曲線を、ガウス近似に基づくガウス近似曲線とすることで、画像の解像度の影響を受けることなく高精度にピーク点を検出することができる。
【0018】
また本発明によれば、上記の画像処理方法を、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムおよび、画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。
【0019】
本発明によれば、画像データに含まれる曲線の近似曲線を作成する画像処理装置である。まず、ピーク点検出手段が、1ライン分の画素値に基づいて関数曲線を算出し、そのピーク値を示す画素をピーク点として検出し、第1近似手段が、複数のラインにわたって検出された複数のピーク点からなる点列に基づく近似曲線を第1近似曲線として作成する。
【0020】
除去手段は、前記点列のピーク点のうち、前記第1近似曲線との距離が予め定める距離以上離れているピーク点をノイズ点として抽出し、その画素値が予め定める範囲から外れたピーク点を欠損点として抽出し、抽出したノイズ点および欠損点を、前記点列から除去する。第2近似手段は、前記ノイズ点および前記欠損点が除去された点列に基づく近似曲線を第2近似曲線として作成する。
【0021】
これにより、画像のかすれや欠けなどの欠損および原稿の汚れや孤立点などのノイズの影響を除去することで高精度な近似曲線を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の実施の一形態である画像処理装置100の構成を示すブロック図である。
【0023】
画像処理装置100は、処理の対象となる画像データを入力する画像入力部110、入力された画像データのピーク点を検出し近似曲線を描く判定近似線描画部120、描いた近似曲線に対してノイズの影響を除去した近似曲線を再描画する近似線再描画部130から構成される。
【0024】
画像入力部110は、近似線作成処理の対象となる画像データが保存された対象画像データベース111、対象画像データが示す画像における対象領域内の一ライン分の画素データ(以下では「ライン画像データ」という)を入力する画像入力部112とを備える。
【0025】
判定近似線描画部120は、画像入力部112で入力したライン画像データに対して、輝度値または濃度値に基づいてピーク点を検出するピーク点検出部121、検出されたピーク点の集合(点列)を格納する点列データベース122、検出された点列に対してノイズの有無を判断するための近似線を描く近似線描画部123とを備える。
【0026】
近似線再描画部130は、判定近似線描画部120で作成した近似線に対してノイズの影響の有無を判定する点列除去部131、点列除去部131によって影響があると判断された点を除去し、残った点列を格納する除去後の点列データベース132、除去後の点列に基づいて、近似線を再描画する近似線再描画部133とを備える。
【0027】
画像処理装置100は、以下に示す手順から構成される画像処理方法により、近似線を描画する。
手順1:データ入力処理
手順2:ピーク点に基づく近似線描画処理
手順3:ノイズ除去による近似線再描画処理
【0028】
図2は、本発明による画像処理を示すフローチャートである。なお、画像処理に用いる各データの流れをわかり易くするために、各データベースにおけるデータの記憶および呼出の模式図をフローチャートに沿って記載している。
【0029】
印字結果を評価する評価担当者が、印字結果をスキャナで取込み画像データを作成してから画像処理にて近似線を描画する場合を例として説明する。印字結果を十字のラインが描かれた画像とし、その縦ラインおよび横ラインを近似線の作成により検出し、その検出した縦ラインおよび横ラインが交差する交点座標の位置を決定する。なお、画像データを構成する各画素の位置を示す座標系が予め設定され、画素ごとに座標(x,y)が割り当てられている。
【0030】
スキャナによって取り込まれた画像データは、図3に示すように、直線ラインにかすれや欠けなどの欠損1や、汚れや孤立点などのノイズ2が存在するため、これらの影響をなるべく受けないように近似線を描画する必要がある。
【0031】
まず、ステップS1では、画像入力部112が、スキャナなどにより取込んだ処理対象画像データからライン画素データを呼び出す。処理対象となる画像データはあらかじめ対象画像データベース111に格納されている。この対象画像データベース111から処理対象となる画像領域の縦方向および横方向のライン画像データそれぞれの呼び出しを行う。このステップS1が、手順1のデータ入力処理工程である。
【0032】
次に、ステップS2では、呼び出されたライン画像データから各画素の画素値である輝度値を抽出する。ステップS3では、ラインのピーク点を検出する。ピーク点の検出は、まずステップS2で抽出した輝度値に基づいてガウス近似を行い、関数曲線であるガウス近似曲線を描いて輝度分布を算出する。印字されている部分では輝度値が小さくなるため、算出された近似の輝度分布から最も低いピーク値を示す画素をラインのピーク点として検出する。検出したピーク点は、その輝度値と座標とを関連付けて点列データベース122に記憶される。ステップS4では、次に呼び出すライン画像データが、交点付近の予め定める測定領域内にあるかどうかを判断する。測定領域内にあればステップS1に戻って次のライン画像データの呼出を行い、測定領域内になければステップS5に進む。
【0033】
ここで、測定領域は、交点付近を取り出した画像データの一部であって、たとえばオペレータによって設定することが可能なように構成されており、1つの測定領域内に2つ以上の交点が存在しないように設定するのが望ましい。このように、処理の対象となる画像データを限定することで演算量を削減することができる。
【0034】
ステップS5では、測定領域内で検出したピーク点からなる点列に基づいて第1近似曲線を描画する。ここでは、最小自乗法を用いて、処理対象のラインに対して直線近似を行う。ステップS4でピーク点が検出されなかったライン画像データは、輝度値および座標が点列データベース122に格納されないので、最小自乗法のデータとして用いられることはない。これらステップS2〜S5が、手順2の近似線描画処理である。
【0035】
次に、ステップS5で描画した近似直線が、ノイズの影響を受けているかどうかを判定してノイズ除去を行う。処理対象の画像データにおけるピーク点は、印字結果の状態により近似直線に対してばらついている。このばらつきの影響で、実際のラインと近似直線とに差が生じている。この差の原因となっている点を除去するため、次の二つの方法に基づいてノイズの影響の有無を判定する。1つ目は、描画した近似線に対してあらかじめ定める距離以上離れているノイズ点を除去する。図4は、ノイズ点の例を示す図である。図4(a)は、横方向の近似線に対するノイズ点の例を示し、図4(b)は、縦方向の近似線に対するノイズ点の例を示す。近似線L1とノイズ点Xとの距離dを算出し、d≧THd(しきい値)であれば、そのピーク点は、ラインを構成しないピーク点であるノイズ点として除去する。しきい値THdとしては、たとえば印字した線幅(40μm)と同じであることが好ましい。
【0036】
2つ目は、ラインに存在するピーク点として判断するだけの輝度値を満たしていないような欠損点を除去する。図5は、縦方向のラインにおける欠損点の例を示す図である。図5(a)は、画像における欠損点の例を示し、図5(b)は、各ライン画像データの輝度分布を示す。図6は、横方向のラインにおける欠損点の例を示す図である。図6(a)は、画像における欠損点の例を示し、図6(b)は、各ライン画像データの輝度分布を示す。
【0037】
図5のa−a’間ライン画像データ、b−b’間ライン画像データ、c−c’間ライン画像データにおいては、輝度値のピーク値Pminが、THp(しきい値)以下であるので、いずれのピーク点も欠損ではないと判断する。図6のe−e’間ライン画像データについては、ピーク値Pminが、THp以下であるので、いずれのピーク点も欠損ではないと判断する。d−d’間ライン画像データについては、ピーク値Pminが、THpより大きいので、ピーク点が欠損点であると判断する。しきい値THpとしては、たとえば200であることが好ましい。
【0038】
ステップS6では、縦または横の点列を点列データベース122から呼び出す。ステップS7では、点列を構成するピーク点と近似直線との距離が所定の距離以上離れているかどうかを判断する。離れている場合は、ステップS12に進んでそのピーク点をノイズ点として点列から除去し、離れていない場合は、ステップS8に進む。ステップS8では、ピーク点の輝度値が所定のしきい値以下であるかどうかを判断する。しきい値以下であればステップS9に進み、しきい値より大きければステップS12に進んでそのピーク点を欠損点として点列から除去する。ステップS9では、残りのピーク点を除去後の点列データベース132に記憶する。
【0039】
ステップS10では、次の点列が測定領域内にあるかどうかを判断する。測定領域内にあればステップS6に戻って次の点列の呼出を行い、測定領域内になければステップS11に進む。ステップS11では、除去後の点列データベース132に記憶されている点列に基づいて近似線を描画する。これらステップS6〜S11が、手順3の近似線再描画処理である。
【0040】
図7は、ノイズおよび欠損の影響を除去した近似線を示す図である。図7(a)は横方向の近似線L2を示し、図7(b)は縦方向の近似線L2を示している。ここでは、最小自乗法を用いて、近似線L2を描画する。
【0041】
最後にステップS12では、上記のようにして得られた2つの近似線の交点座標を算出する。
【0042】
上記では、ノイズの影響を除去するために近似線とピーク点との距離を用いたがこれに限らず、点列を構成するピーク点の分散値を用いてもよい。
【0043】
図8は、本発明の他の実施形態である画像処理システムの構成を示すブロック図である。画像処理システムは、画像処理装置100、スキャナ101、表示装置102を有する。本実施形態では、画像処理装置100は、パーソナルコンピュータや組み込み機器などで実現され、図1に示した画像処理装置100と同様に動作する。
【0044】
画像処理装置100は、CPU(中央演算処理装置)121、RAM(Random Access
Memory)122、ROM(Read Only Memory)123およびI/O(Input/Output)コントローラ124からなる。CPU121は、ROM123に記憶されている制御プログラムに基づいて画像処理装置102の動作を制御する。処理中の画像データや演算中のデータなどは一時的にRAM122に記憶される。I/Oコントローラ124は、キーボードやマウスなどの入力装置や部品の移動装置などが接続され、これらの入出力データの制御を行う。
【0045】
CPU121およびROM123は、ピーク点検出手段、第1近似手段、除去手段および第2近似手段を構成し、スキャナ101から画像データを取得し、図2のフローチャートで示した画像処理を実行する。
【0046】
スキャナ101は、原稿画像を読み取り画像データとして画像処理装置に出力する。
表示装置102は、図3〜図7に示したような、処理対象の画像などを表示する。
【0047】
また、本発明の他の実施形態は、コンピュータを画像処理装置100として機能させるための画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。これによって、画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0048】
記録媒体は、プリンタやコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで、画像処理プログラムが実行される。
【0049】
コンピュータシステムの入力手段としては、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどを用いてもよい。コンピュータシステムは、これらの入力手段と、所定のプログラムがロードされることにより画像処理などを実行するコンピュータと、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置と、コンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのLAN(
Local Area Network)インターフェイスなどが備えられる。
【0050】
なお、記録媒体としては、プログラム読み取り装置によって読み取られるものには限らず、マイクロコンピュータのメモリ、たとえばROMであっても良い。記録されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行しても良いし、あるいは、記録媒体から読み出したプログラムを、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードし、そのプログラムを実行してもよい。このダウンロード機能は予めマイクロコンピュータが備えているものとする。
【0051】
記録媒体の具体的な例としては、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM(Compact Disc-
Read Only Memory)/MO(Magneto Optical)ディスク/MD(Mini Disc)/DVD(
Digital Versatile Disc)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated
Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(
Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体である。
【0052】
また、本実施形態においては、コンピュータはインターネットを含む通信ネットワークに接続可能なシステム構成とし、通信ネットワークを介して画像処理プログラムをダウンロードしても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード機能は予めコンピュータに備えておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。また、ダウンロード用のプログラムはユーザーインターフェースを介して実行されるものであっても良いし、決められたURL(Uniform Resource Locater)から定期的にプログラムをダウンロードするようなものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の一形態である画像処理装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による画像処理を示すフローチャートである。
【図3】スキャナで取り込んだ画像の例を示す図である。
【図4】ノイズとなるピーク点の例を示す図である。
【図5】縦方向のラインにおける欠損の例を示す図である。
【図6】横方向のラインにおける欠損の例を示す図である。
【図7】ノイズおよび欠損の影響を除去した近似線を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態である画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
100 画像処理装置
110 画像入力部
111 対象画像データベース
112 画像入力部
120 判定近似線描画部
121 ピーク点検出部
122 点列データベース
123 近似線描画部
130 近似線再描画部
131 点列除去部
132 除去後の点列データベース
133 近似線再描画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに含まれる曲線の近似曲線を作成する画像処理方法であって、
1ライン分の画素値に基づいて関数曲線を算出し、そのピーク値を示す画素をピーク点として検出するピーク点検出ステップと、
複数のラインにわたって検出された複数のピーク点からなる点列に基づく近似曲線を第1近似曲線として作成する第1近似ステップと、
前記点列のピーク点のうち、前記第1近似曲線との距離が予め定める距離以上離れているピーク点をノイズ点として抽出し、その画素値が予め定める範囲から外れたピーク点を欠損点として抽出し、抽出したノイズ点および欠損点を、前記点列から除去する除去ステップと、
前記ノイズ点および前記欠損点が除去された点列に基づく近似曲線を第2近似曲線として作成する第2近似ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
前記予め定める距離が、前記曲線の線幅であることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記関数曲線が、ガウス近似に基づくガウス近似曲線であることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
画像データに含まれる曲線の近似曲線を作成する画像処理装置であって、
1ライン分の画素値に基づいて関数曲線を算出し、そのピーク値を示す画素をピーク点として検出するピーク点検出手段と、
複数のラインにわたって検出された複数のピーク点からなる点列に基づく近似曲線を第1近似曲線として作成する第1近似手段と、
前記点列のピーク点のうち、前記第1近似曲線との距離が予め定める距離以上離れているピーク点をノイズ点として抽出し、その画素値が予め定める範囲から外れたピーク点を欠損点として抽出し、抽出したノイズ点および欠損点を、前記点列から除去する除去手段と、
前記ノイズ点および前記欠損点が除去された点列に基づく近似曲線を第2近似曲線として作成する第2近似手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−323440(P2007−323440A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153980(P2006−153980)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】