説明

画像処理方法およびその方法を利用可能なサーバ

【課題】 携帯電話ではモーフィングのような複雑な画像処理ができない。
【解決手段】 ユーザが携帯電話に搭載されたCCDカメラで撮影した顔写真の画像データは、電子メールの形でサーバ18に送信され、ユーザデータベース52に登録される。画像データベース54には既存の画像、たとえば歴史上の人物の肖像画のデータがあらかじめ格納されている。モーフィング処理部56はユーザデータベース52からユーザの登録画像を読み出し、画像データベース54からユーザの指定する既存画像を読み出し、2枚の画像のマッチングをとって、中間画像を生成する。生成された中間画像は、ユーザの携帯電話に送信されて画面に表示される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理技術に関する。本発明はとくに、2枚の画像のマッチングにより中間画像を生成する画像処理方法およびその方法を利用可能なサーバに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話が普及し、ビジネス用途以外に、友人とのコミュニケーションや家族との連絡に頻繁に使われるようになってきた。携帯電話は通常の通話の用途以外に、電子メールのやりとりをしたり、インターネットにアクセスして画像や音声を含むコンテンツをダウンロードして利用するなど、データ通信機能を用いた各種サービスにも利用されている。
【0003】最近ではCCDカメラを搭載した携帯電話も安価で販売されるようになり、携帯電話を用いて顔写真や風景などの写真をとり、電子メールにその画像データを添付してやりとりすることも行われている。画像データを扱う電子機器として、デジタルカメラやパーソナルコンピュータにならんで、携帯電話やPDAなどの携帯端末がこれからは重要な位置を占めるようになると思われる。
【0004】画像データを用いた一つのアプリケーションとして、2枚の画像のマッチングをとって、一方の画像を徐々に変化させて他方の画像に変形するモーフィングという技法があり、モーフィングは2枚の画像間の中間画像を生成したり、2枚の画像の間を連続的に変化する中間画像により動画を生成するために用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ユーザは遊び感覚で携帯電話に搭載されたCCDカメラで画像の撮影をするのが普通であり、ユーザの興味を引く画像アプリケーションがないと、撮影画像の用途が見いだせず、カメラ付き携帯電話が普及しなくなる可能性もある。携帯電話に付加価値をつけて販売の促進を図ろうとするメーカーにとっては撮影画像を利用した面白味のあるアプリケーションを提供することが販売戦略上、重要な課題となると思われる。その意味でモーフィングは遊び感覚で利用でき、非常に魅力的である。しかしながら、パーソナルコンピュータとは違って、携帯電話は処理性能とメモリ容量の面で限界があり、携帯電話でモーフィングのような複雑な画像処理を行うことは難しい。
【0006】本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像のマッチングをとって中間画像を生成することのできる画像処理技術の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のある態様は画像処理方法に関する。この方法は、サーバの画像データベースに格納された既存の画像と、ユーザ端末に入力された肖像画とのマッチングをとり、ユーザのカスタマイズの要請に応じた中間画像を生成して、ユーザ端末に提供する。
【0008】「ユーザ端末」は携帯電話もしくはPDAやノートパソコンのような携帯端末を含む。ユーザが入力する「肖像画」は人物の上半身または顔の写真、似顔絵などを含む。一方、サーバの画像データベースにあらかじめ格納された既存の画像は、歴史上の人物の肖像画や写真の他、動物の画像や、アニメーションやCGなどの仮想的な人物や動物などの画像を含む。
【0009】ユーザ端末に入力された肖像画がサーバに送信され、サーバにおいてユーザの肖像画とサーバの画像データベースに格納された既存の画像との間のマッチングがとられ、中間画像が生成され、生成された中間画像がユーザ端末に送信されてもよい。またユーザ端末が画像データベースに格納された既存の画像をサーバからダウンロードし、ユーザ端末側でユーザの肖像画と既存の画像とのマッチングがとられて中間画像が生成されてもよい。
【0010】「カスタマイズ」とは、2枚の画像のマッチングにより中間画像を生成する際に、通常のマッチングにより生成される中間画像の変形を指示するものである。中間画像の変形とは、たとえば2枚の画像が男女の肖像画である場合に、その男女の赤ちゃんの画像を中間画像として生成するために、中間画像に現れる顔の輪郭を丸くする、左右の目の間隔を広げるなど、子どもらしく見えるように変形することである。また2枚の画像が同一人物の異なる年齢の肖像画である場合に、特定の年齢の肖像を中間画像として生成されるように2枚の画像の混合比率を調整したり、2枚の画像を内挿(interpolation)する代わりに外挿(extrapolation)するなどの変形処理をいう。たとえば、10代の肖像画と20代の肖像画を外挿して、40代の肖像画を中間画像として生成する。またあらかじめ髪型や服装などのパターンを用意しておき、自分の将来の肖像に髪型や服装のパターンを合成してもよい。このような「福笑い」的な使い方は、子どもが携帯電話やPDAなどの電子機器に慣れるための教育的な目的で用いることができる。
【0011】本発明の別の態様も画像処理方法に関する。この方法は、ユーザ端末に入力された肖像画が電子メールの形態でサーバに送信される工程と、サーバ側で受信された電子メールのメールアドレスからユーザIDを判定し、前記電子メールから前記肖像画を抽出して、ユーザIDに対応づけてユーザデータベースに登録する工程と、前記ユーザデータベースに登録された2枚の肖像画の指定をユーザから受けつけ、それらの画像のマッチングをとって、ユーザのカスタマイズの要請に応じた中間画像を生成する工程と、生成された中間画像をユーザ端末へ送信する工程とを含む。
【0012】ユーザ端末に入力される画像はユーザ端末に搭載または接続されたCCDカメラにより撮影されたものであってもよい。入力された画像は電子メールでサーバに送信されるが、ユーザが画像の登録を指示する操作を行うと、ユーザ端末に実装された電子メール機能が自動起動され、内部的に画像を添付した電子メールが生成されてサーバに自動送信されてもよい。ユーザが手動で電子メール機能を起動して画像を添付して送信する操作をする必要がなく、無意識のうちに画像が電子メールによって送信がなされ、サーバに登録される。また電子メールのメールアドレスからユーザIDが判定されるので、画像登録のためにサーバにユーザIDとパスワードを用いてログインするなど面倒な手続きをする必要がない。
【0013】本発明のさらに別の態様はサーバに関する。このサーバは、ユーザが入力する画像が添付された電子メールをユーザ端末から受信する受信部と、前記受信された電子メールのメールアドレスからユーザIDを判定し、前記電子メールに添付された前記画像に前記ユーザIDを関連づけてユーザデータベースに登録する登録部と、前記ユーザデータベースに登録された2枚の前記画像の指定をユーザから受けつけ、前記2枚の前記画像のマッチングをとって、中間画像を生成するモーフィング処理部と、前記生成された中間画像を前記ユーザ端末に送信する送信部とを含む。
【0014】本発明のさらに別の態様もサーバに関する。このサーバは、既存の画像を格納した画像データベースと、ユーザが入力する画像が添付された電子メールをユーザ端末から受信する受信部と、前記受信された電子メールのメールアドレスからユーザIDを判定し、前記電子メールに添付された前記画像に前記ユーザIDを関連づけてユーザデータベースに登録する登録部と、前記画像データベースに格納された1枚の画像の指定と、前記ユーザデータベースに登録された1枚の画像の指定とをユーザから受けつけ、2枚の前記画像のマッチングをとって、中間画像を生成するモーフィング処理部と、前記生成された中間画像を前記ユーザ端末に送信する送信部とを含む。
【0015】上記のいずれの態様のサーバにおいても、前記モーフィング処理部は、ユーザからカスタマイズの要請を受けつけ、前記カスタマイズの要請に応じた前記中間画像を生成してもよい。前記カスタマイズの要請は、前記2枚の画像の混合の比率を指定する内容であってもよい。前記モーフィング処理部は、前記2枚の画像の間に複数の中間画像を挿入した動画を生成してもよい。前記中間画像に現れた肖像をもとに発声音を推定して音声を合成する音声合成部をさらに含み、前記送信部は前記中間画像とともに前記合成された音声を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0016】本発明のさらに別の態様はコンピュータプログラムに関する。このプログラムは、撮影された画像を表示する機能と、前記画像の中心位置を調整する簡易編集機能と、前記画像のサーバへの登録を指示するユーザの操作を契機として電子メール機能を起動して、前記画像が添付された電子メールを内部的に生成し、前記サーバへ自動送信する機能とをコンピュータに実行させる。
【0017】なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明を方法、システム、コンピュータプログラム、記録媒体などと表現したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、実施の形態に係る画像処理システムの構成を示す。携帯電話10は無線通信により基地局12と通信する。基地局12はゲートウエイ14を介してインターネット16に接続しており、携帯電話10はパケット通信を行い、サーバ18にアクセスすることができる。
【0019】図2は、携帯電話10の構成図である。ここでは携帯電話10の通話機能に係る構成を略し、データ通信機能に係る構成を主に示す。撮影部22は携帯電話10に搭載されたCCDカメラ20により撮影された画像を取り込み、メモリ24に記録する。入力部30は、テンキーなどによりユーザが入力する指示内容を受け取り、メモリ24に保持する。メール部26は、ユーザから指示のあった場合に、撮影された画像をメモリ24から読み取り、電子メールを用いてサーバ18宛に送信する。通信部42は基地局12と無線によるデータ通信を行う。ブラウザ部28は、サーバ18からテキストデータの他、画像データや音声データを含むHTMLで記述されたデータを受け取る。
【0020】表示部34は、メモリ24に記録された画像を読み出してLCD32に表示させる。また表示部34はブラウザ部28が取得したHTMLデータをLCD32に表示させる。音声処理部38は、マイク36に入力されるユーザの音声を取得する。取得された音声データはブラウザ部28によりサーバ18へ送信される。また音声処理部38は、ブラウザ部28がサーバ18から取得した音声データを処理してスピーカ40に出力する。
【0021】図3は、サーバ18の構成図である。この構成は、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子で実現でき、ソフトウエア的には画像処理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できる。
【0022】通信部60は、インターネット16を介して携帯電話10との間のデータ通信を行う。登録部50は、携帯電話10からユーザIDとメールアドレスのデータを受け取り、ユーザIDとメールアドレスとを関連づけた登録データをユーザデータベース52に格納する。また登録部50は携帯電話10から電子メールの形で送信される画像データを受け取り、電子メールのメールアドレスから対応するユーザIDを判定し、ユーザIDに関連づけて画像データをユーザデータベース52に登録する。ユーザデータベース52に登録される画像データは顔写真などの肖像画である。
【0023】画像データベース54には既存の画像データがあらかじめ格納されている。既存の画像データは、歴史上の人物の肖像画や動物などの画像である。モーフィング処理部56は、ユーザからの指示にもとづいてユーザデータベース52からユーザの登録した2枚の画像のマッチングをとり、中間画像を生成する。またモーフィング処理部56は、ユーザからの指示にもとづいてユーザデータベース52からユーザの登録した画像を1枚選択し、画像データベース54から既存の画像を1枚選択し、これら2枚の画像のマッチングをとって中間画像を生成することもできる。モーフィング処理部56はさらにユーザからカスタマイズの要請を受け取り、生成される中間画像を適宜変形することができる。このカスタマイズは、たとえば、中間画像に現れる肖像の髪型や輪郭の変形、若返りや老化、目を大きくするなど美顔や好みの顔への変形、光沢やぼかしなどのフィルター処理などである。このようにして2枚の画像を合成して得られる中間画像はHTMLのデータ形式で通信部60を介して携帯電話10へ送信される。
【0024】音声合成部58は、モーフィング処理部56により生成された中間画像に現れる顔の形や骨格などから声を推定し、音声データを合成する。合成された音声データは中間画像とともにHTML形式で携帯電話10へ送信される。音声データの合成にあたり、ユーザデータベース52に登録されたユーザの音声パターンが用いられてもよく、音声の周波数分析により、ユーザの声を合成音声に反映することができる。
【0025】図4は、ユーザデータベース52に格納されるユーザの登録データを示す。この登録データは、キャリア発行のユーザID70と、ユーザのメールアドレス72と、デフォルト画像74と、複数の登録画像76と、ユーザ音声パターン78とを含む。ユーザID70はユーザがキャリアに課金登録するときに与えられるIDである。メールアドレス72は登録部50によるユーザ登録の際に与えられる。デフォルト画像74もユーザ登録の際にデフォルトで登録する画像として指定される。複数の登録画像76は、ユーザが携帯電話10で撮影した画像が登録されたものである。ユーザ音声パターン78は、ユーザが携帯電話10に入力する音声データであり、合成音声の生成の際に利用される。
【0026】以上の構成の画像処理システムによる画像処理の手順を述べる。携帯電話10には、図8に示すメニュー選択画面が表示される。遊び方80、ユーザ登録82、画像登録84、画像選択86、登録画像管理88、課金登録90、および課金登録解除92の各メニューがあるが、画像処理の利用に先立ち、ユーザはまずキャリアでの課金登録、サーバ18でのユーザ登録を行う必要がある。
【0027】図5は、課金登録とユーザ登録の手順を示すシーケンス図である。図8の画面でユーザが課金登録90を選択すると、ユーザIDの入力を要求される(S10)。ユーザがキャリアから発行されたユーザIDを入力すると、サーバ18へそのデータが送信される(S12)。サーバ18において課金登録処理がなされ(S14)、登録完了通知が携帯電話10へ送信される(S16)。課金登録が完了すると、図8に示すメニュー選択画面における他のメニューの利用が許可される。
【0028】次にユーザは、図8の画面においてユーザ登録82を選択する(S18)。このとき携帯電話10には、図9(a)のユーザ情報入力画面が表示され、メールアドレスの入力フィールド94と、確認のため再度メールアドレスを入力するフィールド96と、デフォルトで登録する画像を選択するフィールド98が表示される。デフォルト画像を選択するフィールド98はプルダウンメニューになっており、あらかじめ定められたデフォルト画像をユーザが選択する。この例では「動物占いの動物」が選択されている。「送信」ボタン100を押すと、図9(b)の入力情報確認画面に切り替わる。この画面でユーザが入力したメールアドレス104と、選択したデフォルト画像106をユーザに確認させる。「確認」ボタン108を押すと、ユーザID、メールアドレスおよびデフォルト画像の情報がサーバ18へ送信される(S20)。
【0029】サーバ18では、登録部50により受信したユーザIDとメールアドレスとが関連づけられ、図4に示したユーザ登録データが作成され、ユーザの登録処理が行われる(S22)。サーバ18から携帯電話10へ登録完了通知が送信され(S24)、携帯電話10には図9(c)の登録完了画面が表示される。なお、図9(a)〜(c)において「戻る」ボタン102を押すと、それぞれ一つ前の画面に戻り、入力処理などをやり直すことができる。
【0030】図6は画像登録の手順を示すシーケンス図である。携帯電話10のCCDカメラ20により被写体が撮影され、図10(a)のように撮影された画像109がLCD32に表示される(S30)。「撮り直し」ボタン110を押すと、再度撮影することができ、「OK」ボタン112を押すと、図10(b)の画像登録画面に切り替わり、登録指示待ちの状態になる(S32)。「こちらへ画像を送ってください」という表示114はHTMLリンクになっており、これをクリックすると撮影された画像109の登録処理が開始される(S32のY)。登録処理は自動的に行われ、ユーザは登録のためにユーザIDなどを入力する必要がない。画像の自動登録はメールにより行われる。まず携帯電話10に搭載されたメーラーが自動的に起動され(S34)、撮影された画像109を添付したメールが作成される(S36)。作成されたメールはサーバ18宛に送信される(S38)。図10(b)の「こちらへ画像を送ってください」という表示114のHTMLリンクにメーラーの指定、ユーザのメールアドレス、メールの宛先、添付画像のファイル名を記述しておくことにより、ユーザのHTMLリンクのクリックを契機に、メーラーの起動から画像が添付されたメールの送信までの処理を自動的に行うことが可能である。
【0031】サーバ18は携帯電話10から画像付きメールを受信し(S40)、登録部50がそのメールのヘッダのFrom行から送信元のメールアドレスを取得し、ユーザデータベース52を検索してそのメールアドレスに対応するユーザIDを求める(S42)。受信したメールから画像を取り出しその画像を、ユーザIDに対応づけてユーザデータベース52に登録する(S44)。サーバ18から携帯電話10へ画像の登録完了通知が送信される(S46)。
【0032】図7は画像選択の手順を示すシーケンス図である。図8のメニューから画像選択86を選択すると、図11(a)に示す画像選択画面が表示される(S50)。登録された画像の名前のリスト118が表示されており、この表示はHTMLリンクとなっており、いずれかの画像の名前をクリックするとその画像が、ユーザIDとともに画像番号がサーバ18へ送信される(S52)。サーバ18は指定された画像をユーザデータベース52から読み出し(S54)、その画像データを携帯電話10へ送信する(S56)。
【0033】携帯電話10には読み出された画像データが図11(b)のように表示される(S58)。この画面でユーザが「戻る」ボタン102を押すと、図11(a)の画面に戻る。ユーザは画像名の左に表示されたチェックボタン116をチェックして2枚の画像を選択する(S60)。「合成」ボタン120を押すと、ユーザIDとともに選択された2枚の画像の画像番号がサーバ18へ送信される(S62)。モーフィング処理部56は指定された2枚の画像をユーザデータベース52から読み出し、2枚の画像データのマッチングをとって中間画像を合成する(S64)。合成された画像データは携帯電話10へ送信され、図11(c)のように合成画像120が表示される。この画面には選択された2枚の画像の合成比率を入力するフィールド122が表示され、ユーザは2枚の画像の合成比率を調整することができる(S68)。同図の例ではユーザは2枚の画像の合成比率を30パーセント対70パーセントに指定している。「合成」ボタン124を押すと、この指定された合成比率がサーバ18へ送信される(S70)。モーフィング処理部56は、受信された合成比率で2枚の画像の合成を行い(S72)、合成された画像データを携帯電話10へ送信する(S74)。合成比率を変えた合成画像が携帯電話10に表示され、これでよければ(S76のY)、終了する(S78)。さらに合成比率を調整したい場合(S76のN)、ステップS68に戻る。
【0034】図13(a)〜(c)は2枚の画像の合成により中間画像が生成される例を説明する図である。2枚の画像として図13(a)の男性の顔写真、図13(b)の女性の顔写真が与えられると、2枚の画像のマッチングがとられ、中間画像として図13(c)の子どもの画像が生成される。2枚の画像のマッチングとモーフィングだけでは子どもの画像は得られないが、モーフィング処理部56は輪郭を丸くしたり、左右の目の間隔を大きくするなどの変形処理を行い、子どもらしい顔を生成する。
【0035】図14(a)〜(c)は2枚の画像から中間画像が生成される他の例を説明する図である。2枚の画像として図14(a)はユーザの10代の顔写真、図1414(b)はユーザの30代の顔写真である。この2枚の画像を外挿することにより、図14(c)のようにユーザの60代の顔画像が生成される。このようにユーザのカスタマイズの要請により老後の顔画像を生成することも可能である。
【0036】さらに図8のメニューから登録画像管理88を選択すると、図12(a)の登録画像管理画面が表示される。一覧表示された画像名のいずれかをクリックすることにより、図12(b)のように画像がサーバ18からダウンロードされて表示される。また画像名の左に表示されたチェックボタン116をチェックして「削除」ボタン126を押すと、チェックした画像の画像番号がユーザIDとともにサーバ18へ送信され、ユーザデータベース52からその画像番号の登録画像が削除される。
【0037】以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0038】そのような変形例として、サーバ18は、中間画像に現れた肖像をもとに人物像を判断して人物評価に関する情報を生成する付加情報生成部を含んでもよい。中間画像とともに人物評価に関する情報が携帯電話10に送信される。人物像の判断とは、将来有望であるとか、宇宙飛行士に向いているなど占いのような内容であり、遊び感覚で提供される。
【0039】携帯電話10のCCDカメラ20で撮影された肖像画のマッチングをとる際、顔の位置が中心よりずれていると、うまくマッチングがとれないことがある。ミスマッチングを避けるため、撮影された写真を上下左右に移動して中心位置を調整する簡易編集機能が携帯電話10に設けられてもよい。また撮影された画像と画像データベース54の既存画像とのサイズが適合しない場合、サーバ18のモーフィング処理部56は、撮影された画像のヘッダから画像サイズを読み取り、既存画像のサイズに合わせるための拡大、縮小の処理をマッチングの前処理として行ってもよい。
【0040】ユーザ端末がとくにPDAなどの携帯端末である場合は、ユーザ端末に十分な処理性能を想定することができるので、サーバ18のモーフィング処理部56をユーザ端末側に設け、サーバ18から合成する画像をダウンロードして、ユーザ端末において中間画像を生成してもよい。
【0041】上記の説明では中間画像が1枚だけ生成されたが、2枚の画像のモーフィングにより連続変化する複数の中間画像が動画として生成されてもよい。また3枚以上の画像を合成して中間画像が生成されてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ユーザのカスタマイズの要請に応じて画像を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る画像処理システムの構成図である。
【図2】 図1の携帯電話の構成図である。
【図3】 図1のサーバの構成図である。
【図4】 図3のユーザデータベースに格納されるユーザの登録データの説明図である。
【図5】 画像処理システムによる課金登録とユーザ登録の手順を示すシーケンス図である。
【図6】 画像登録の手順を示すシーケンス図である。
【図7】 画像選択の手順を示すシーケンス図である。
【図8】 図1の携帯電話に表示されるメニュー選択画面の説明図である。
【図9】 図1の携帯電話に表示されるユーザ情報入力画面の説明図である。
【図10】 図1の携帯電話に表示される画像登録画面の説明図である。
【図11】 図1の携帯電話に表示される画像選択画面の説明図である。
【図12】 図1の携帯電話に表示される登録画像管理画面の説明図である。
【図13】 2枚の画像の合成により中間画像が生成される例を説明する図である。
【図14】 2枚の画像の合成により中間画像が生成される別の例を説明する図である。
【符号の説明】
10 携帯電話、 12 基地局、 14 ゲートウエイ、 16 インターネット、 18 サーバ、 20 CCDカメラ、 22 撮影部、 24 メモリ、 26 メール部、 28 ブラウザ部、 30 入力部、 32 LCD、 34 表示部、 36 マイク、 38 音声処理部、 40 スピーカ、 42 通信部、 50 登録部、 52 ユーザデータベース、 54 画像データベース、 56 モーフィング処理部、 58 音声合成部、 60通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 サーバの画像データベースに格納された既存の画像と、ユーザ端末に入力された肖像画とのマッチングをとり、ユーザのカスタマイズの要請に応じた中間画像を生成して、ユーザ端末に提供することを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】 ユーザ端末に入力された肖像画が電子メールの形態でサーバに送信される工程と、サーバ側で受信された電子メールのメールアドレスからユーザIDを判定し、前記電子メールから前記肖像画を抽出して、ユーザIDに対応づけてユーザデータベースに登録する工程と、前記ユーザデータベースに登録された2枚の肖像画の指定をユーザから受けつけ、それらの画像のマッチングをとって、ユーザのカスタマイズの要請に応じた中間画像を生成する工程と、生成された中間画像をユーザ端末へ送信する工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】 ユーザが入力する画像が添付された電子メールをユーザ端末から受信する受信部と、前記受信された電子メールのメールアドレスからユーザIDを判定し、前記電子メールに添付された前記画像に前記ユーザIDを関連づけてユーザデータベースに登録する登録部と、前記ユーザデータベースに登録された2枚の前記画像の指定をユーザから受けつけ、前記2枚の前記画像のマッチングをとって、中間画像を生成するモーフィング処理部と、前記生成された中間画像を前記ユーザ端末に送信する送信部とを含むことを特徴とするサーバ。
【請求項4】 既存の画像を格納した画像データベースと、ユーザが入力する画像が添付された電子メールをユーザ端末から受信する受信部と、前記受信された電子メールのメールアドレスからユーザIDを判定し、前記電子メールに添付された前記画像に前記ユーザIDを関連づけてユーザデータベースに登録する登録部と、前記画像データベースに格納された1枚の画像の指定と、前記ユーザデータベースに登録された1枚の画像の指定とをユーザから受けつけ、2枚の前記画像のマッチングをとって、中間画像を生成するモーフィング処理部と、前記生成された中間画像を前記ユーザ端末に送信する送信部とを含むことを特徴とするサーバ。
【請求項5】 前記モーフィング処理部は、ユーザからカスタマイズの要請を受けつけ、前記カスタマイズの要請に応じた前記中間画像を生成することを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ。
【請求項6】 前記カスタマイズの要請は、前記2枚の画像の混合の比率を指定する内容であることを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】 前記モーフィング処理部は、前記2枚の画像の間に複数の中間画像を挿入した動画を生成することを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ。
【請求項8】 前記中間画像に現れた肖像をもとに発声音を推定して音声を合成する音声合成部をさらに含み、前記送信部は前記中間画像とともに前記合成された音声を前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ。
【請求項9】 撮影された画像を表示する機能と、前記画像の中心位置を調整する簡易編集機能と、前記画像のサーバへの登録を指示するユーザの操作を契機として電子メール機能を起動して、前記画像が添付された電子メールを内部的に生成し、前記サーバへ自動送信する機能とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−242480(P2003−242480A)
【公開日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−36264(P2002−36264)
【出願日】平成14年2月14日(2002.2.14)
【出願人】(397011373)ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社 (17)
【Fターム(参考)】