説明

画像処理方法及び画像処理装置

【課題】取得画像のコンテンツに依存することなしに画像の歪み及び変形を補正することを可能にする画像処理方法等を提供する。
【解決手段】画像処理方法は、取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定し、オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内でその推定された角からオフセットされる2つの点の間でオブジェクト領域の輪郭線を探し、オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として輪郭線の交差点を決定し、オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理の分野に関し、特に、画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定する方法及び装置と、輪郭に基づき画像を補正する方法及び装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
紙のファイル情報をコンピュータに入力するために画像形成装置を用いることが一般的に必要である。画像形成装置は、例えば、フラットベッド・スキャナや、ドラムスキャナ等の従来の走査型画像形成装置である。従来の走査型画像形成装置が使用される場合に、紙のファイル(すなわち、走査対象)は走査面上に水平に固定され、紙のファイル(すなわち、走査対象)の個々の角は固定され、従来の走査型画像形成装置の画像センサに対して確定するので、従来の走査型画像形成装置によって得られる画像においては歪み及び変形は実質上存在しない。さらに、技術の進歩に伴い、デジタルカメラやオーバヘッド・スキャナのような幾つかの曲面型画像形成装置が出現している。曲面型画像形成装置が使用される場合、例えば、デジタルカメラ又はオーバヘッド・スキャナが、開かれた辞書、百科事典、マニュアル等のような厚い本を傾斜角を有して撮像するために使用される場合、開かれた厚い本を上から傾斜角を有して撮像するために、取得画像においては、透視変換により生ずる透視変換歪み及び変形が現れる。さらに、開かれた厚い本の用紙面はカーブしていることがあるので、取得画像においては、伸張、圧縮等の歪み及び変形がさらに現れることがある。従って、曲線型画像形成装置が使用される場合には、歪み及び変形を伴わない画像を生成するために、取得された歪み及び変形画像を補正することが必要である。
【0003】
歪み及び変形画像を補正するよう、最初に、紙のファイルにおいてテキストラインを探し、次いで、そのテキストラインに従って、得られる歪み及び変形画像を推定することを基本原理とするコンテンツに基づく方法がある。しかし、コンテンツに基づく方法は、例えば、紙のファイルにおけるテキストラインのような十分な情報が存在することを要するといった、紙のファイルのコンテンツに対して多くの要件を有する点で、不都合がある。従って、紙のファイルにおけるコンテンツが主として写真等であり、テキストラインがほとんどない場合には、コンテンツに基づく方法の補正効果は乏しく、あるいは、補正さえ達成され得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、紙のファイル自体に含まれるテキストライン等の情報に依存することなく歪み及び変形画像を補正することができ、従って、紙のファイルのコンテンツに対してそれ以上制限を有さず、多種多様の紙のファイルに適合することができる改善された画像補正方法及び装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に従って、取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定し、前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で前記推定された角からオフセットされる2つの点の間で前記オブジェクト領域の輪郭線を探し、前記オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として前記輪郭線の交差点を決定し、前記オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定する、画像処理方法が提供される。
【0006】
前記オブジェクト領域の輪郭線を探す工程は、前記オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び該主方位と直角であり且つ前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って前記所定角度範囲内で前記推定された角をオフセットして、前記主方位におけるオフセット点及び前記主方位と直角な前記方向におけるオフセット点を得、前記主方位における2つのオフセットの間で前記主方位における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記主方位と直角な前記方向における2つのオフセットの間で前記主方位と直角な前記方向における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記オブジェクト領域において前記主方位における輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における輪郭線との間の交差点を決定する。
【0007】
前記オブジェクト領域の輪郭線を探す工程で、前記オブジェクト領域において前記主方位における1つの輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における1つの輪郭線との間に複数の交差点が存在する場合に、該複数の交差点の中の特定の交差点が前記オブジェクト領域の前記最終的な角として選択される。
【0008】
前記取得画像における前記オブジェクト領域の輪郭の角を推定する工程は、前記オブジェクト領域から離れる主方位において前記オブジェクト領域の中心線を推定し、前記中心線に基づき該中心線と直角な前記オブジェクト領域の輪郭線を推定し、前記オブジェクト領域の輪郭線に従って前記オブジェクト領域の角を決定する。
【0009】
当該画像処理方法は、さらに、前記オブジェクト領域の前記決定された最終的な輪郭線に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて、前記画像において前記オブジェクト領域を補正する。
【0010】
本発明の他の実施形態に従って、取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定するよう構成される角推定部と、前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で前記推定された角からオフセットされる2つの点の間で前記オブジェクト領域の輪郭線を探し、前記オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として前記輪郭線の交差点を決定するよう構成される輪郭線探索部と、前記オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定するよう構成される輪郭決定部とを有する画像処理装置が提供される。
【0011】
前記輪郭線探索部は、前記オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び該主方位と直角であり且つ前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って前記所定角度範囲内で前記推定された角をオフセットして、前記主方位におけるオフセット点及び前記主方位と直角な前記方向におけるオフセット点を得るよう構成される角オフセット部と、前記主方位における2つのオフセットの間で前記主方位における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記主方位と直角な前記方向における2つのオフセットの間で前記主方位と直角な前記方向における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングするよう構成される輪郭線トラッキング部と、前記オブジェクト領域において前記主方位における輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における輪郭線との間の交差点を決定するよう構成される交差点決定部とを有する。
【0012】
前記交差点決定部で、前記オブジェクト領域において前記主方位における1つの輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における1つの輪郭線との間に複数の交差点が存在する場合に、該複数の交差点の中の特定の交差点が前記オブジェクト領域の前記最終的な角として選択される。
【0013】
前記角推定部は、前記オブジェクト領域から離れる主方位において前記オブジェクト領域の中心線を推定するよう構成されるユニットと、前記中心線に基づき該中心線と直角な前記オブジェクト領域の輪郭線を推定するよう構成されるユニットと、前記オブジェクト領域の輪郭線に従って前記オブジェクト領域の角を決定するよう構成されるユニットとを有する。
【0014】
当該画像処理装置は、前記オブジェクト領域の前記決定された最終的な輪郭線に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて、前記画像において前記オブジェクト領域を補正するよう構成されるユニットをさらに有する。
【発明の効果】
【0015】
オブジェクト領域の推定される角をオフセットすることによって、オフセット点に基づき、本発明は、取得画像におけるオブジェクト領域の正確な輪郭を決定することができる。さらに、紙のファイル自体に含まれるテキストライン等の上に依存することなく、オブジェクト領域のそのようにして決定された正確な輪郭に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムにより取得画像に対して補正を実行することが可能であり、従って、紙のファイルのコンテンツに対してそれ以上制限を有さず、多種多様の紙のファイルに適合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】曲面型画像形成装置による紙のファイルの撮像を表す説明図である。
【図1B】曲面型画像形成装置による紙のファイルの撮像の後に得られる歪み及び変形画像を表す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に従って画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定する画像処理方法を表すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に従って取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定する方法を表すフローチャートである。
【図4A】リダクション及びスムージング処理を受けた画像を表す説明図である。
【図4B】背景領域とオブジェクト領域とに分けられた2値化画像を表す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に従ってリダクション及びスムージング処理を受けた画像を2値化画像に分ける方法を表すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に従って2値化画像においてオブジェクト領域の輪郭の角を検出する方法を表すフローチャートである。
【図7A】主方位におけるオブジェクト領域の中心線を表す説明図である。
【図7B】中心線と直交するオブジェクト領域の輪郭線を表す説明図である。
【図7C】オブジェクト領域の輪郭線に従って決定されるオブジェクト領域の輪郭を表す説明図である。
【図8】本発明の実施形態に従って、推定された角からオフセットされた2つの点の間でオブジェクト領域の輪郭線を探す方法を表すフローチャートである。
【図9A】オブジェクト領域の推定された角を表す説明図である。
【図9B】推定された角からオフセットされる2つの点の間でオブジェクト領域の輪郭線を探す工程を表す説明図である。
【図9C】オブジェクト領域の求められた輪郭線とその交差点とを表す説明図である。
【図10】オブジェクト領域の決定された最終的な輪郭を表す説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態に従って画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定する画像処理装置を表すブロック図である。
【図12】本発明の他の実施形態に従う角推定部を表すブロック図である。
【図13】本発明の他の実施形態に従う分割部を表すブロック図である。
【図14】本発明の他の実施形態に従う角検出部を表すブロック図である。
【図15】本発明の他の実施形態に従う輪郭線探索部を表すブロック図である。
【図16】本発明が実施されるコンピュータの例となる構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の上記の及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に関連して本発明の実施形態の以下の説明を参照して、より容易に理解されるであろう。図面において、同じ又は対応する技術的特徴又は構成要素は、同じ又は対応する参照符号により表される。
【0018】
ここで用いられる用語は、特定の実施形態を記載するためにすぎず、本発明を制限することを目的としない。ここで使用されるように、単数形(「1(つ)の」や、「前記」、等)は、特に明示されない限りは、複数形も含むと考えられてよい。さらに、ここで使用されるように、語「有する」や、「含む」、等は、挙げられている特徴、整数、ステップ、動作、ユニット及び/又は構成要素の存在を示すが、1又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、ユニット及び/又は構成要素、且つ/あるいはそれらの組み合わせの存在又は追加を除外しない点に留意すべきである。
【0019】
本発明の実施形態は、以下で図面を参照して記載される。明りょうさのために、本発明と無関係であり且つ当業者に知られている構成要素及び処理に関する描写及び記載は、図面及びその記載において省略される点に留意すべきである。フローチャート及び/又はブロック図並びにその組み合わせの夫々のブロックは、コンピュータプログラム命令によって実施されてよい。それらのコンピュータプログラム命令は、機械を実現するよう汎用のコンピュータ、専用のコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに供給され、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置によって実行されるそれらの命令は、ブローチャート及び/又はブロック図におけるブロックにおいて特定される機能/動作を実施する装置を実現する。
【0020】
また、それらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法において動作するよう命令することができるコンピュータ読取可能な媒体に記憶されてよく、よって、コンピュータ読取可能な媒体に記憶された命令は、フローチャート及び/又はブロック図におけるブロックにおいて特定される機能/動作を実施する命令手段を含む製品をもたらす。
【0021】
また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてよく、それにより、一連の動作ステップは、コンピュータにより実施されるプロシージャをもたらすようコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置において実行され、よって、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図におけるブロックにおいて特定される機能/動作を実施するプロシージャを提供することができる。
【0022】
添付の図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に従うシステム、方法及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実施のシステムアーキテクチャ、機能及び動作を表すことが理解されるべきである。この関連で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、特定の論理関数を実施するための1又はそれ以上の実行可能な命令を含むモジュール、プログラムセグメント又はコードの一部に相当してよい。また、ブロックにおいて表される機能は、幾つかの代替の実施において、図面中の表されている順序とは異なる順序でも起こってよい点に留意すべきである。例えば、順に表されている2つのブロックは、実際には、関連する機能に依存して、実質的に同時に実行されても、あるいは、時々、逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート並びにその組み合わせにおける個々のブロックは、特定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実施されてよく、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施されてよい点に留意すべきでawル。
【0023】
図1A及び図1Bを参照して、曲面型画像形成装置が紙のファイルを撮像するために用いられる典型的な状況が考えられている。図1Aは、曲面型画像形成装置による紙のファイルの撮像を表す説明図である。図1Bは、曲面型画像形成装置による紙のファイルの撮像の後に得られる歪み及び変形画像を表す説明図である。図1Aに表されるように、紙のファイル100が曲面型画像形成装置(図示せず。)により撮像される場合、例えば、紙のファイル100がオーバヘッド・ラインスキャナ(図示せず。)により撮像される場合、画像形成は、図1Aにおいて一点鎖線102により表されるようなオーバヘッド・ラインスキャナのライン走査バンドの使用により、図1Aにおいて矢印104により表されるように上から下への順において順次行われる。図1Bに表されるように、曲面型画像形成装置(図示せず。)による紙のファイル100の撮像の後に得られる歪み及び変形画像103は、紙のファイル100に対応するオブジェクト領域105を含み、オブジェクト領域105の輪郭は、左上角CC0と右上角CC1との間の上輪郭線106と、左下角CC3と右下角CC2との間の下輪郭線110と、左上角CC0と左下角CC3との間の左輪郭線112と、右上角CC1と右下角CC2との間の右輪郭線108とを含み、上輪郭線106及び下輪郭線110は曲線であり、左輪郭線112及び右輪郭線108は直線である。
【0024】
図から分かるように、紙のファイル100に対応するオブジェクト領域105の輪郭は、実質的に、紙のファイル100の具体的な内容にかかわらず取得され得る。例えば、紙のファイルのコンテンツにおけるテキストラインの数が多いか少ないかということは、問題ではない。従って、本出願人は、取得画像が、オブジェクト領域105の取得された輪郭に基づき、輪郭に基づく補正アルゴリズムにより補正され得ると認識しており、よって、取得画像は、紙のファイル自体に含まれるテキストライン等の情報に依存することなく補正可能であり、従って、紙のファイルのコンテンツに対してそれ以上制限を有さず、多種多様の紙のファイルに適合することができる。
【0025】
しかし、紙のファイル100が曲面型画像形成装置(図示せず。)により撮像される場合には歪み及び変形が起こるので、一般的に、取得される歪み及び変形画像103における紙のファイル100に対応するオブジェクト領域105の輪郭と紙のファイル100の実際の輪郭との間には誤差が存在する。従って、本発明によって解決されるべき課題は、いかにして取得画像におけるオブジェクト領域105の輪郭を紙のファイル100の実際の輪郭により近似させるのか、すなわち、いかにして取得画像におけるオブジェクト領域105の正確な輪郭を決定するのかである。
【0026】
本発明の実施形態に従って画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定するための画像処理方法は、以下で図2を参照して記載される。図2は、本発明の実施形態に従って画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定するための方法を表すフローチャートである。
【0027】
図2において表されるように、この方法はステップ200から始まる。次に、ステップ202で、取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角が推定される。
【0028】
紙のファイルの画像は、デジタルカメラ又はオーバヘッド・ラインスキャナのような曲面型画像形成装置を用いて紙のファイルをスキャンすることによって、取得され得る。図1Bを参照すると、曲面型画像形成装置(図示せず。)による紙のファイル100の撮像後に取得される画像103は、紙のファイル100に対応するオブジェクト領域105を含む。オブジェクト領域105の輪郭は、上輪郭線106、下輪郭線110、左輪郭線112及び右輪郭線108を含む。特に、上輪郭線106及び左輪郭線112の交差点は左上角CC0であり、上輪郭線106及び右輪郭線108の交差点は右上角CC1であり、下輪郭線110及び左輪郭線112の交差点は左下角CC3であり、下輪郭線110及び右輪郭線108の交差点は右下角CC2である。一般的に、オブジェクト領域の四つ角が決定された後、オブジェクト領域の輪郭は、上記の四つ角に従って実質的に決定され得る。従って、オブジェクト領域の輪郭を決定するために、最初に、オブジェクト領域の四つ角を検出することが必要である。
【0029】
現在、夫々のピクセル点の周囲の局所的な画像情報を用いることによって輪郭の特徴に従って検出を実行することを基本原理とするオブジェクト領域の輪郭検出方法が幾つか存在している。しかし、オブジェクト領域の輪郭を検出するための既存の方法は、通常、複数の候補点を検出して、それら複数の候補点の検出後に複数の候補点から最終的な角を選択することが必要である。局所的な画像情報のみならず角の特徴も、複数の候補点から最終的な角を選択するためには必要とされる。従って、局所的な画像情報のみに従って正確な角を検出することは困難である。
【0030】
本発明は、オブジェクト領域の角を検出するための新規の方法を提案する。この方法は、最初に、オブジェクト領域の角の大体の位置を推定し、次いで、本発明の創意に富んだ方法により角の大体の位置に従って角の正確な位置を決定する。よって、本発明は、大体の位置付けから正確な位置付けへといった順に角の正確な位置を段階的に決定して、角検出の精度及びロバスト性を改善する。オブジェクト領域の角の大体の位置を推定する詳細なプロセスについては、図3乃至7を参照して後述する。
【0031】
次に、方法はステップ204に進む。ステップ204で、オブジェクト領域の輪郭線が、オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で推定された角からオフセットされる2つの点の間で探索され、輪郭線の交差点が、オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として決定される。
【0032】
図1Bを参照して、ステップ202で推定されたオブジェクト領域105の輪郭の4つの大体の角は夫々、左上角CC0、右上角CC1、右下角CC2及び左下角CC3であるとする。左上角CC0に関し、左上角CC0は、オブジェクト領域105の上輪郭線106及び左輪郭線112から離れる方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。例えば、左上角CC0は、その左に向かって特定の距離だけ、その上に向かって特定の距離だけ、又はその左上に向かって特定の距離だけオフセットされてよい。また、当業者には明らかなように、左上角CC0は、他の方向がオブジェクト領域105の上輪郭線106及び左輪郭線112から離れる方向である限り、それらの他の方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。
【0033】
同様に、右上角CC1に関し、右上角CC1は、オブジェクト領域105の上輪郭線106及び右輪郭線108から離れる方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。例えば、右上角CC1は、その右に向かって特定の距離だけ、その上に向かって特定の距離だけ、又はその右上に向かって特定の距離だけオフセットされてよい。また、当業者には明らかなように、右上角CC1は、他の方向がオブジェクト領域105の上輪郭線106及び右輪郭線108から離れる方向である限り、それらの他の方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。
【0034】
同様に、右下角CC2に関し、右下角CC2は、オブジェクト領域105の下輪郭線110及び右輪郭線108から離れる方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。例えば、右下角CC2は、その右に向かって特定の距離だけ、その下に向かって特定の距離だけ、又はその右下に向かって特定の距離だけオフセットされてよい。また、当業者には明らかなように、右下角CC2は、他の方向がオブジェクト領域105の下輪郭線110及び右輪郭線108から離れる方向である限り、それらの他の方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。
【0035】
同様に、左下角CC3に関し、左下角CC3は、オブジェクト領域105の下輪郭線110及び左輪郭線112から離れる方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。例えば、左下角CC3は、その左に向かって特定の距離だけ、その下に向かって特定の距離だけ、又はその左下に向かって特定の距離だけオフセットされてよい。また、当業者には明らかなように、左下角CC3は、他の方向がオブジェクト領域105の下輪郭線110及び左輪郭線112から離れる方向である限り、それらの他の方向に沿って特定の距離だけオフセットされてよい。
【0036】
当業者には明らかなように、オフセットされる特定の距離は、オブジェクト領域の正確な角の位置をカバーすることができるべきであり、オブジェクト領域の正確な角の位置から極端に離れてオフセットされるべきではない。例えば、オフセットされる特定の距離は、実験的に、経験に従って、又は夫々の検出結果の統計分析に従って、決定されてよい。
【0037】
推定された角がオブジェクト領域から離される方向に沿って所定角度範囲内でオフセットされた後、オブジェクト領域の輪郭線が、推定された角からオフセットされる2つの点の間で探索されてよい。左上角CC0及び右上角CC1に関し、例えば、左上角CC0が左上角左オフセット点CC0Lを得るようその左に向かって特定の距離だけオフセットされ、右上角CC1が右上角右オフセット点CC1Rを得るようその右に向かって特定の距離だけオフセットされた後、オブジェクト領域105の上輪郭線は、左上角左オフセット点CC0Lと右上角右オフセット点CC1Rとの間で探索されてよい。
【0038】
同様に、左下角CC3及び右下角CC2に関し、例えば、左下角CC3が左下角左オフセット点CC3Lを得るようその左に向かって特定の距離だけオフセットされ、右下角CC2が右下角右オフセット点CC2Rを得るようその右に向かって特定の距離だけオフセットされた後、オブジェクト領域105の下輪郭線は、左下角左オフセット点CC3Lと右下角右オフセット点CC2Rとの間で探索されてよい。
【0039】
同様に、左上角CC0及び左下角CC3に関し、例えば、左上角CC0が左上角上オフセット点CC0Uを得るようその上に向かって特定の距離だけオフセットされ、左下角CC3が左下角下オフセット点CC3Dを得るようその下に向かって特定の距離だけオフセットされた後、オブジェクト領域105の左輪郭線は、左上角上オフセット点CC0Uと左下角下オフセット点CC3Dとの間で探索されてよい。
【0040】
同様に、右上角CC1及び右下角CC2に関し、例えば、右上角CC1が右上角上オフセット点CC1Uを得るようその上に向かって特定の距離だけオフセットされ、右下角CC2が右下角下オフセット点CC2Dを得るようその下に向かって特定の距離だけオフセットされた後、オブジェクト領域105の右輪郭線は、右上角上オフセット点CC1Uと右下角下オフセット点CC2Dとの間で探索されてよい。
【0041】
当該技術において、2点間の線を探す方法は多数存在する。例えば、グラフ検索に基づく方法又は動的プログラミング方法が使用されてよい(例えば、J.F.Wang及びP.J.Hawarth、“Automatic Road Network Extraction From Landsat TM Imagery”、Processing of ASPRS-ACSM Annual Conversation、米国ボルティモア、Vol.1、429〜438頁)。
【0042】
当業者には明らかなように、角からオフセットされる他の点も、オブジェクト領域の延長された輪郭線がそれら他の点から取得され得る限り、オブジェクト領域の輪郭線を探すために使用されてよい。
【0043】
オブジェクト領域105の延長された輪郭線が探し出された後、2つの輪郭線の間の交差点が計算されてよい。2つの線の間の交差点を計算する方法は多数存在し、2つの線の間の交差点を計算するための如何なる方法も、2つの輪郭線の間の交差点を計算するために使用されてよく、具体的な詳細はここではもはや記載されない。
【0044】
2つの輪郭線の間にただ1つの交差点が存在する場合に、この交差点はオブジェクト領域の最終的な角と見なされてよい。2つの輪郭線の間に複数の交差点が存在する場合には、それらの複数の交差点の中の特定の交差点がオブジェクト領域の最終的な角として選択されてよい。例えば、複数の交差点の座標値の平均が計算され、座標値の平均値に最も近い座標値の交差点がオブジェクト領域の最終的な角として選択されてよい。
【0045】
次いで、方法はステップ206に進む。ステップ206で、最終的な角の間の輪郭線がオブジェクト領域の最終的な輪郭として決定される。
【0046】
オブジェクト領域の最終的な角が決定された後、2つ毎の最終的な角の間の輪郭線が切り取られ、最終的な輪郭が夫々の角の間で切り取られた輪郭線によって形成される。図10を参照すると、図10は、オブジェクト領域の決定された最終的な輪郭を表す説明図である。図10において表されるように、オブジェクト領域の最終的な角はC0、C1、C2及びC3と決定される。次いで、角C0及びC1の間の輪郭線がオブジェクト領域の上輪郭線EB0として切り取られ、角C1及びC2の間の輪郭線がオブジェクト領域の右輪郭線EB3として切り取られ、角C2及びC3の間の輪郭線がオブジェクト領域の下輪郭線EB1として切り取られ、角C3及びC1の間の輪郭線がオブジェクト領域の左輪郭線EB2として切り取られる。最後に、上輪郭線EB0、下輪郭線EB1、左輪郭線EB2及び右輪郭線EB3は、オブジェクト領域の最終的な輪郭を形成する。
【0047】
次に、方法はステップ208に進む。ステップ208で、画像におけるオブジェクト領域は、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いることによって。オブジェクト領域の決定された輪郭に従って補正される。
【0048】
当該技術において、輪郭に基づく画像補正アルゴリズムは多数存在する。当業者には明らかなように、如何なる輪郭に基づく画像補正アルゴリズムも、オブジェクト領域の決定された最終的な輪郭に従って画像におけるオブジェクト領域を補正するために使用されてよい。具体的な詳細については、ここではもはや記載されない。
【0049】
最後に、方法はステップ210に進む。ステップ210で、方法は終了する。
【0050】
以下で、取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定する詳細なプロセスについて、図3乃至4を参照して記載する。図3は、本発明の実施形態に従って取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定する方法を表すフローチャートである。図4Aは、リダクション及びスムージング処理を受けた画像を表す説明図であり、図4Bは、背景領域とオブジェクト領域とに分けられた2値化画像を表す説明図である。
【0051】
図3において表されるように、ステップ302で、リダクション及びスムージング処理が取得画像に対して実行される。
【0052】
デジタルカメラ又はオーバヘッド・ラインスキャナのような曲面型画像形成装置を用いて紙のファイルをスキャンすることによって得られる画像は、一般的に、より高い解像度を有し、より多くのピクセルを含み、そして場合により、より多くの画像ノイズを含むことがある。従って、リダクション及びスムージング処理のような何らかの前処理を取得画像に対して行う必要がある。リダクション処理により、取得画像のサイズは低減され得、それにより、その後の処理の速度が速まる。さらに、スムージング処理により、画像ノイズの影響が抑制され得る。図4Aを参照すると、図4Aは、リダクション及びスムージング処理を受けた画像の説明図を表す。
【0053】
次に、方法はステップ304に進む。ステップ304で、リダクション及びスムージング処理を受けた画像は、背景領域とオブジェクト領域とに分けられる。
【0054】
図4Bを参照すると、図4Bは、背景領域とオブジェクト領域とに分けられた2値化画像を表す説明図である。図4Bにおいて表されるように、リダクション及びスムージング処理を受けた画像400は、背景領域402とオブジェクト領域404とに分けられる。特に、背景領域402は、紙のファイルの領域に対応する領域である。図4Bにおいて表されるように、背景領域402及びオブジェクト領域404は、夫々2つの異なった色により表される。2値化画像を得るように、例えば、背景領域402は白色により表され、オブジェクト領域404は黒色により表され、あるいはその反対であってよい。また、当業者には明らかなように、2値化画像は、他の異なる色により表されてよい。画像を背景領域とオブジェクト領域とに分けるプロセスは、図5を参照して後述される。
【0055】
次に、方法はステップ306に進む。ステップ306で、オブジェクト領域の輪郭の角が2値化画像に基づき検出される。
【0056】
背景領域及びオブジェクト領域を有する2値化画像がステップ304で得られた後、オブジェクト領域の輪郭の角が2値化画像に基づき検出されてよい。例えば、2値化画像の中心線が最初に推定されてよく、次いで、中心線と直角な輪郭線が中心線に基づき推定され、次いで、オブジェクト領域の輪郭の角が輪郭線の交差点に従って決定される。2値化画像に基づきオブジェクト領域の輪郭の角を検出するプロセスは、図6乃至7を参照して後に詳細に記載される。
【0057】
背景領域及びオブジェクト領域を有する2値化画像に画像を分けるプロセスが、以下で図5を参照して詳細に記載される。図5は、リダクション及びスムージング処理を受けた画像を本発明の実施形態に従って2値化画像に分割する方法を表すフローチャートである。
【0058】
図5において表されるように、ステップ502で、リダクション及びスムージング処理を受けた画像の背景色が推定される。
【0059】
一般的に、曲面型画像形成装置により紙のファイルをスキャンすることによって得られる画像において、背景は一様な色を有し、紙のファイルに対応するオブジェクト領域は取得画像の中心に位置する。よって、背景の色は、画像の外縁領域から推定され得る。例えば、最初に、外縁領域における全てのピクセルの色は、統計的に色ヒストグラムにおいて考えられてよく、次いで、最も出現頻度が高い色が背景色と見なされる。特に、外縁領域の範囲は、例えば実験的に決定され得る。
【0060】
次に、方法はステップ504に進む。ステップ504で、画像における個々のピクセルの色と背景色との間の距離が計算される。
【0061】
画像の背景色がステップ502で推定された後、画像における個々のピクセルの色と背景色との間の差の程度が計算される。この差の程度は、画像における個々のピクセルの色と背景色との間の距離により測定され得る。この距離は、例えば、オイラー距離であってよい。よって、画像における全てのピクセルに対応する距離ダイアグラムは、画像における個々のピクセルの色と背景色との間の距離を計算することによって取得され得、距離ダイアグラムにおいて、個々のピクセルのグレー値は色空間における距離に対応する。また、当業者には明らかなように、距離は、当該技術における他の距離計算方法が画像における個々のピクセルの色と背景色との間の差の程度を計算することができる限り、それらの方法を用いて計算されてよい。
【0062】
次に、方法はステップ506に進む。ステップ506で、画像は、2値化アルゴリズムに従って、背景領域及びオブジェクト領域を有する2値化画像に分けられる。
【0063】
画像における個々のピクセルの色と背景色との間の距離がステップ504で計算された後、生成された距離ダイアグラムは、2値化アルゴリズムを用いることによって分割され得、それにより、背景色からの距離が長いピクセルは背景領域に分けられ、背景色からの距離が小さいピクセルはオブジェクト領域に分けられる。次いで、背景領域における個々のピクセルの色の値は、2つの色の値の一方に変換され、オブジェクト領域における個々のピクセルの色の値は、2つの色の値の他方に変換され、それにより、背景領域及びオブジェクト領域を含む2値化画像が得られる。2つの色は、例えば、黒及び白であってよい。当業者には明らかなように、2つの色は他の色を用いてもよい。2値化アルゴリズムは、例えば、大津法と呼ばれる大域的2値化アルゴリズムであってよい。当業者には明らかなように、当該技術における他の2値化アルゴリズムも使用されてよい。図4Bを参照して、例えば、背景領域402における個々のピクセルの色は白に変換され、オブジェクト領域404における個々のピクセルの色は黒に変換される。
【0064】
2値化画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を検出する方法は、以下で図6乃至7を参照して詳細に記載される。図6は、本発明の実施形態に従って2値化画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を検出する方法を表すフローチャートである。図7Aは、主方位におけるオブジェクト領域の中心線を表す説明図である。図7Bは、中心線と直角なオブジェクト領域の輪郭線を表す説明図である。図7Cは、オブジェクト領域の輪郭線に従って決定されるオブジェクト領域の輪郭を表す説明図である。
【0065】
図6において表されるように、ステップ602で、主方位におけるオブジェクト領域の中心線が推定される。
【0066】
図7Aを参照して、図7Aにおいて表される画像において、オブジェクト領域700は水平に位置付けられる。すなわち、オブジェクト領域700の左右の輪郭線は直線であり、一方、オブジェクト領域700の上下の輪郭線は曲線である。水平方向は、オブジェクト領域の主方位と呼ばれる。オブジェクト領域が画像において水平に位置付けられず、水平方向に対して特定の範囲に関して傾いている場合に、画像におけるオブジェクト領域は、最初に、事前処理を受けてよい。例えば、画像におけるオブジェクト領域は、画像におけるオブジェクト領域を水平方向(すなわち、主方位)に変換するように、特定の範囲に関して回転され得る。
【0067】
オブジェクト領域700が画像における主方位において位置付けられる場合に、直線フィット方法又は主成分分析(PCA)方法のような直線推定方法が、主方位におけるオブジェクト領域の中心線を推定するために使用されてよい。図7Aを参照して、オブジェクト領域700全体が直線であるとすると、直線フィット方法がオブジェクト領域700における全ての点を適合させるために使用され、図7Aにおいて横実線によって示されるような、主方位におけるオブジェクト領域の中心線702を得る。当業者には明らかなように、当該技術における他の直線推定方法も、主方位におけるオブジェクト領域の中心線を推定するために使用されてよい。
【0068】
次に、方法はステップ604に進む。ステップ604で、中心線と直角なオブジェクト領域の輪郭線が中心線に基づき推定される。
【0069】
図7Bを参照して、画像におけるオブジェクト領域700の左輪郭線703及び右輪郭線704は、主方位における中心線702と略直角である。従って、オブジェクト領域700の左輪郭線703及び右輪郭線704は、画像におけるオブジェクト領域700のエッジピクセル、すなわち、背景領域に隣接するオブジェクト領域700におけるピクセルを適合させることによって、推定され得る。同様に、直線フィット方法又は主成分分析(PCA)方法のような直線推定方法は、オブジェクト領域700の左輪郭線703及び右輪郭線704を推定するために使用されてよい。当業者には明らかなように、当該技術における他の直線推定方法も、オブジェクト領域700の左輪郭線703及び右輪郭線704を推定するために使用されてよい。さらに、主方位におけるオブジェクト領域の中心線702とオブジェクト領域700との間の一連の交差点が順次計算されてよい。その一連の交差点は、夫々、オブジェクト領域の左輪郭線703及び右輪郭線704を構成する。
【0070】
次に、方法はステップ606に進む。ステップ606で、オブジェクト領域の角がオブジェクト領域の輪郭線に基づき決定される。
【0071】
オブジェクト領域700の左輪郭線703及び右輪郭線704がステップ604で得られた後、オブジェクト領域700の4つの大体の角が、オブジェクト領域700の左輪郭線703及び右輪郭線704に従って推定されてよい。図7Cを参照して、左上角CC0を例とすると、左上角CC0は、左輪郭線703と上輪郭線との間の交差点に対応する。一般的に、上輪郭線は、近似的に、左輪郭線に近い特定距離範囲内にある直線である。当業者には明らかなように、特定の距離は実験的に決定されてよい。上記の認識に基づき、オブジェクト領域700の大体の左上角CC0は、最初に、目下のピクセル点がオブジェクト領域にあり、一方、上部の隣接ピクセルが背景領域にあるところのピクセル点である上輪郭のピクセル点を計算し、次に、上輪郭の計算されたピクセル点を夫々左輪郭線703上に垂直に投影し、最後に、左輪郭線703の個々の位置で投影することにより得られる上輪郭のピクセル点の数を数え、左輪郭線703上で最大値を有する点を大体の左上角CC0として選択する方法によって、推定されてよい。同様に、オブジェクト領域700の大体の右上角CC1、右下角CC2及び左下角CC3が夫々求められ得る。
【0072】
推定される角からオフセットされる2点間でオブジェクト領域の輪郭線を探すための方法は、以下で図8乃至9を参照して詳細に記載される。図8は、本発明の実施形態に従って、推定される角からオフセットされる2点間でオブジェクト領域の輪郭線を探す方法を表すフローチャートである。図9Aは、オブジェクト領域の推定される角を表す説明図である。図9Bは、推定される角からオフセットされる2点間でオブジェクト領域の輪郭線を探すことを表す説明図である。図9Cは、オブジェクト領域の探索された輪郭線及びその交差点を表す説明図である。
【0073】
図8において表されるように、ステップ802で、推定される角は、主方位におけるオフセット点及び主方位と直角な方向におけるオフセット点を得るように、夫々、オブジェクト領域から離れる主方位に沿って、及び主方位と直角であり且つオブジェクト領域から離れる方向に沿って、所定角度範囲内でオフセットされる。
【0074】
図9Aを参照して、図9Aにおいて表されるように、オブジェクト領域105の輪郭の4つの推定される大体の角は、左上角CCO(x0,y0)、右上角CC1(x1,y1)、右下角CC2(x2,y2)及び左下角CC3(x3,y3)である。
【0075】
図9Bを参照して、左上角CC0(x0,y0)に関し、左上角CC0(x0,y0)は、オフセット点CC01(x0−t,y0)を得るように、オブジェクト領域の主方位に沿って距離tだけ左方向にシフトされてよい。上述されたように、オブジェクト領域の主方位は、オブジェクト領域が水平に位置付けられる場合の水平方向、すなわち、オブジェクト領域の左右の輪郭線が直線であり、一方、上下の輪郭線が曲線であるところの水平方向をいう。さらに、左上角CC0(x0,y0)は、オフセット点CC02(x0,y0−t)を得るように、距離tだけ主方位と直角な方向に沿って上方向にシフトされてよい。
【0076】
同様に、右上角CC1(x1,y1)に関し、右上角CC1(x1,y1)は、オフセット点CC11(x1+t,y1)を得るように、オブジェクト領域の主方位に沿って距離tだけ右方向にシフトされてよい。さらに、右上角CC1(x1,y1)は、オフセット点CC12(x1,y1+t)を得るように、距離tだけ主方位と直角な方向に沿って上方向にシフトされてよい。
【0077】
同様に、右下角CC2(x2,y12に関し、右下角CC2(x2,y2)は、オフセット点CC21(x2+t,y2)を得るように、オブジェクト領域の主方位に沿って距離tだけ右方向にシフトされてよい。さらに、右下角CC2(x2,y2)は、オフセット点CC12(x2,y2−t)を得るように、距離tだけ主方位と直角な方向に沿って下方向にシフトされてよい。
【0078】
同様に、左下角CC3(x3,y3)に関し、左下角CC3(x3,y3)は、オフセット点CC31(x3−t,y3)を得るように、オブジェクト領域の主方位に沿って距離tだけ左方向にシフトされてよい。さらに、左下角CC3(x3,y3)は、オフセット点CC32(x3,y3−t)を得るように、距離tだけ主方位と直角な方向に沿って下方向にシフトされてよい。
【0079】
また、当業者には明らかなように、左上角CC0(x0,y0)、右上角CC1(x1,y1)、右下角CC2(x2,y2)及び左下角CC3(x3,y3)は、他の方向がオブジェクト領域から離れる方向である限り、それらの他の方向に沿って特定距離だけオフセットされてよい。さらに、当業者には明らかなように、距離tは、オブジェクト領域の正確な角の位置をカバーすることができるべきであり、オブジェクト領域の正確な角の位置から極端に離れてオフセットされるべきではない。例えば、距離tは実験的に決定され、経験に従って決定され、又は個々の検出結果の統計分析に従って決定されてよい。
【0080】
次に、方法はステップ804に進む。ステップ804で、主方位におけるオブジェクト領域の輪郭線は、主方位において2つ毎のオフセット点の間で夫々トラッキングされ、主方位と直角な方向におけるオブジェクト領域の輪郭線は、主方位と直角な方向において2つ毎のオフセット点の間で夫々トラッキングされる。
【0081】
再び図9Bを参照して、ステップ802で、左上角CC0(x0,y0)がオフセット点CC01(x0−t,y0)を得るよう距離tだけ主方位に沿って左方向にシフトされ、右上角CC1(x1,y1)がオフセット点CC11(x1+t,y1)を得るよう距離tだけ主方位に沿って右方向にシフトされた後、オブジェクト領域の延長された上輪郭線EB0が点CC01(x0−t,y0)と点CC11(x1+t,y1)との間でトラッキングされてよい。同様に、オブジェクト領域の延長された下輪郭線EB1は、点CC31(x3−t,y3)と点CC21(x2+t,y2)との間でトラッキングされてよく、オブジェクト領域の延長された左輪郭線EB2は、点CC02(x0,y0+t)と点CC32(x3,y3−t)との間でトラッキングされてよく、オブジェクト領域の延長された輪郭線EB3は、点CC12(x1,y1+t)と点CC22(x2,y2−t)との間でトラッキングされてよい。最終結果は、図9Cにおいて表されるとおりである。
【0082】
上述されたように、当該技術においては、2点間の線をトラッキングするための方法が多数存在する。例えば、グラフ検索に基づく方法又は動的プログラミング方法が使用されてよい(例えば、J.F.Wang及びP.J.Hawarth、“Automatic Road Network Extraction From Landsat TM Imagery”、Processing of ASPRS-ACSM Annual Conversation、米国ボルティモア、Vol.1、429〜438頁)。
【0083】
当業者には明らかなように、オブジェクト領域の延長された輪郭線が角からオフセットされる他の点から取得され得る限り、オブジェクト領域の輪郭線を探すために、それらの他の点が使用されてよい。
【0084】
次に、方法はステップ806に進む。ステップ806で、オブジェクト領域において、主方位における輪郭線と、主方位と直角な方向における輪郭線との間の交差点が決定される。
【0085】
図9Cにおいて表されるように、延長された上輪郭線EB0と延長された左輪郭線EB2との間の交差点C0、延長された上輪郭線EB0と延長された右輪郭線EB3との間の交差点C1、延長された下輪郭線EB1と延長された左輪郭線EB2との間の交差点C3、及び延長された下輪郭線EB1と延長された右輪郭線EB3との間の交差点C2が、夫々決定される。
【0086】
当該技術において、2つの線の間の交差点を計算するための方法は多数存在する。2つの線の間の交差点を計算するための如何なる方法も、2つの輪郭線の間の交差点を計算するために使用されてよく、具体的な詳細は、ここではもはや記載されない。2つの輪郭線の間の交差点が1つしかない場合に、この交差点はオブジェクト領域の最終的な角と見なされてよい。2つの輪郭線の間に複数の交差点が存在する場合には、複数の交差点の中の特定の交差点がオブジェクト領域の最終的な角として選択されてよい。例えば、これら複数の交差点の座標値の平均値が計算されてよく、座標値の平均値に最も近い座標値の交差点が、オブジェクト領域の最終的な角として選択される。
【0087】
以下、画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定するための画像処理装置が、図11を参照して詳細に記載される。図11は、本発明の他の実施形態に従って画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定する画像処理装置を表すブロック図である。
【0088】
図11において表されるように、画像におけるオブジェクト領域の輪郭を決定する画像処理装置1100は、角推定部1102、輪郭線探索部1104、輪郭決定部1106及び画像補正部1108を有する。特に、角推定部1102は、取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定するために使用される。輪郭線探索部1104は、オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で推定される角からオフセットされる2点の間でオブジェクト領域の輪郭線を探し、輪郭線の交差点をオブジェクト領域の輪郭の最終的な角として決定するために使用される。輪郭決定部1106は、最終的な角の間の輪郭線をオブジェクト領域の最終的な輪郭として決定するために使用される。画像補正部1108は、オブジェクト領域の決定された最終的な輪郭に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて画像におけるオブジェクト領域を補正するために使用される。
【0089】
画像処理装置1100は、図2において表されるような方法に対応する装置であり、その具体的な詳細はここではもはや記載されない。
【0090】
角推定部1102は、以下で図12を参照して詳細に記載される。図12は、本発明の他の実施形態に従う角推定部を表すブロック図である。
【0091】
図12において表されるように、角推定部1102は、リダクション及びスムージング部1200、分割部1202及び角検出部1204を有する。特に、リダクション及びスムージング部1200は、取得画像に対してリダクション及びスムージング処理を実行するために使用される。分割部1202は、リダクション及びスムージング処理を受けた画像を背景領域とオブジェクト領域とに分けるために使用される。角検出部1204は、背景領域及びオブジェクト領域を有する2値化画像に基づきオブジェクト領域の輪郭の角を検出するために使用される。
【0092】
角推定部1102は、図3において表されるような方法に対応する装置であり、その具体的な詳細はここではもはや記載されない。
【0093】
分割部1202は、以下で図13を参照して詳細に記載される。図13は、本発明の他の実施形態に従う分割部を表すブロック図である。
【0094】
図13において表されるように、分割部1202は、背景色推定部1300、距離計算部1302及び2値化分割部1304を有する。特に、背景色推定部1300は、リダクション及びスムージング処理を受けた画像の背景色を推定するために使用される。距離計算部1302は、画像における個々のピクセルの色と背景色との間の距離を計算するために使用される。2値化分割部1304は、2値化アルゴリズムに従って画像を背景領域及びオブジェクト領域を有する2値化画像に分けるために使用される。
【0095】
分割部1202は、図5において表されるような方法に対応する装置であり、その具体的な詳細はここではもはや記載されない。
【0096】
角検出部1204は、以下で図14を参照して詳細に記載される。図14は、本発明の他の実施形態に従う角検出部を表すブロック図である。
【0097】
図14において表されるように、角検出部1204は、水平中心線検出部1400、左右垂直輪郭検出部1402及び角計算部1404を有する。特に、水平中心線検出部1400は、主方位におけるオブジェクト領域の中心線を推定するために使用される。左右垂直輪郭検出部1402は、中心線に基づき中心線と直角なオブジェクト領域の輪郭線を推定するために使用される。角計算部1404は、オブジェクト領域の輪郭線に従ってオブジェクト領域の角を決定するために使用される。
【0098】
角検出部1204は、図6において表されるような方法に対応する装置であり、その具体的な詳細はここではもはや記載されない。
【0099】
輪郭線探索部1104は、以下で図15を参照して詳細に記載される。図15は、本発明の他の実施形態に従う輪郭線探索部を表すブロック図である。
【0100】
図15において表されるように、輪郭線探索部1104は、角オフセット部1500、輪郭線トラッキング部1502及び交差点決定部1504を有する。特に、角オフセット部1500は、主方位におけるオフセット点及び主方位と直角な方向におけるオフセット点を得るように、オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び主方位と直角であり且つオブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で推定される角を夫々オフセットするために使用される。輪郭線トラッキング部1502は、主方位における2つ毎のオフセット点の間で主方位におけるオブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、主方位と直角な方向における2つ毎のオフセット点の間で主方位と直角な方向におけるオブジェクト領域の輪郭線をトラッキングするために使用される。交差点決定部1504は、オブジェクト領域において主方位における輪郭線と主方位と直角な方向における輪郭線との間の交差点を決定するために使用される。
【0101】
輪郭線探索部1104は、図8において表されるような方法に対応する装置であり、その具体的な詳細はここではもはや記載されない。
【0102】
図16は、本発明の装置及び方法が実施されるコンピュータの例となる構造を表すブロック図である。
【0103】
図16において、中央演算処理装置(CPU)1601は、読出専用メモリ(ROM)1602に記憶され又は記憶部1608からランダムアクセスメモリ(RAM)1603にロードされるプログラムに従って、様々な処理を実行する。必要に応じて、CPU1601が様々な処理を実行する場合に必要とされるデータ等は、RAM1603に記憶される。
【0104】
CPU1601、ROM1602及びRAM1603は、バス1604を介して互いに接続される。入出力インターフェース1605もバス1604に接続される。
【0105】
入出力インターフェース1605には、次の構成要素が接続される。すなわち、キーボード、マウス等を含む入力部1606、陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)等のようなディスプレイ、スピーカ等を含む出力部1607、ハードディスク等を含む記憶部1608、及びLANカードのようなネットワークインターフェースカード、モデム等を含む通信部1609である。通信部1609は、インターネットのようなネットワークを介した通信を行う。
【0106】
必要に応じて、ドライブ1610も入出力インターフェース1605に接続される。磁気ディスク、光ディスク、光学磁気ディスク、半導体メモリ等のようなリムーバブル媒体1611が必要に応じてドライブ1610に設置され、それにより、リムーバブル媒体1611から読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部1608にインストールされる。
【0107】
ソフトウェアによって上記のステップ及び処理を実施する場合に、ソフトウェアを構成するプログラムは、リムーバブル媒体1611のような記憶媒体又はインターネットのようなネットワークからインストールされる。
【0108】
当業者には当然ながら、そのような記憶媒体は、プログラムが記憶されており且つユーザにプログラムを提供するよう当該方法とは別個に分配される、図16において表されるようなリムーバブル媒体1611に制限されない。リムーバブル媒体1611の例には、磁気ディスク、光ディスク(コンパクトディスク型読出専用メモリ(CD−ROM)及びデジタルバーサタイルディスク(DVD)を含む。)、光学磁気ディスク(ミニディスク(登録商標)(MD)を含む。)及び半導体メモリがある。代替的に、記憶媒体は、プログラムが記憶されており且つユーザにプログラムを提供するよう当該方法とともに分配されるROM1602、記憶部1608に含まれるハードディスク等であってよい。
【0109】
以上、本発明について具体的な実施形態を参照して記載してきたが、当業者には当然ながら、様々な変形及び改良が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の適用範囲から逸脱することなしに行われてよい。
【0110】
以上の具体的な実施形態を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0111】
(付記1)
取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定し、
前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で前記推定された角からオフセットされる2つの点の間で前記オブジェクト領域の輪郭線を探し、前記オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として前記輪郭線の交差点を決定し、
前記オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定する、
画像処理方法。
【0112】
(付記2)
前記オブジェクト領域の輪郭線を探す工程は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び該主方位と直角であり且つ前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って前記所定角度範囲内で前記推定された角をオフセットして、前記主方位におけるオフセット点及び前記主方位と直角な前記方向におけるオフセット点を得、
前記主方位における2つのオフセットの間で前記主方位における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記主方位と直角な前記方向における2つのオフセットの間で前記主方位と直角な前記方向における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、
前記オブジェクト領域において前記主方位における輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における輪郭線との間の交差点を決定する、
付記1に記載の画像処理方法。
【0113】
(付記3)
前記オブジェクト領域において前記主方位における1つの輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における1つの輪郭線との間に複数の交差点が存在する場合に、該複数の交差点の中の特定の交差点が前記オブジェクト領域の前記最終的な角として選択される、
付記2に記載の画像処理方法。
【0114】
(付記4)
前記取得画像における前記オブジェクト領域の輪郭の角を推定する工程は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位において前記オブジェクト領域の中心線を推定し、
前記中心線に基づき該中心線と直角な前記オブジェクト領域の輪郭線を推定し、
前記オブジェクト領域の輪郭線に従って前記オブジェクト領域の角を決定する
付記1に記載の画像処理方法。
【0115】
(付記5)
前記オブジェクト領域の前記決定された最終的な輪郭線に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて、前記画像において前記オブジェクト領域を補正する
付記1乃至4のうちいずれか一つに記載の画像処理方法。
【0116】
(付記6)
取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定するよう構成される角推定部と、
前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で前記推定された角からオフセットされる2つの点の間で前記オブジェクト領域の輪郭線を探し、前記オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として前記輪郭線の交差点を決定するよう構成される輪郭線探索部と、
前記オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定するよう構成される輪郭決定部と
を有する画像処理装置。
【0117】
(付記7)
前記輪郭線探索部は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び該主方位と直角であり且つ前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って前記所定角度範囲内で前記推定された角をオフセットして、前記主方位におけるオフセット点及び前記主方位と直角な前記方向におけるオフセット点を得るよう構成される角オフセット部と、
前記主方位における2つのオフセットの間で前記主方位における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記主方位と直角な前記方向における2つのオフセットの間で前記主方位と直角な前記方向における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングするよう構成される輪郭線トラッキング部と、
前記オブジェクト領域において前記主方位における輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における輪郭線との間の交差点を決定するよう構成される交差点決定部と
を有する、付記6に記載の画像処理装置。
【0118】
(付記8)
前記オブジェクト領域において前記主方位における1つの輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における1つの輪郭線との間に複数の交差点が存在する場合に、該複数の交差点の中の特定の交差点が前記オブジェクト領域の前記最終的な角として選択される、
付記7に記載の画像処理装置。
【0119】
(付記9)
前記角推定部は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位において前記オブジェクト領域の中心線を推定するよう構成されるユニットと、
前記中心線に基づき該中心線と直角な前記オブジェクト領域の輪郭線を推定するよう構成されるユニットと、
前記オブジェクト領域の輪郭線に従って前記オブジェクト領域の角を決定するよう構成されるユニットと
を有する、付記6に記載の画像処理装置。
【0120】
(付記10)
前記オブジェクト領域の前記決定された最終的な輪郭線に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて、前記画像において前記オブジェクト領域を補正するよう構成されるユニット
をさらに有する付記6乃至9のうちいずれか一つに記載の画像処理装置。
【符号の説明】
【0121】
100 紙のファイル
103,400 画像
105,404,700 オブジェクト領域
106 上輪郭線
108,704 右輪郭線
110 下輪郭線
112,703 左輪郭線
402 背景領域
702 中心線
1100 画像処理装置
1102 角推定部
1104 輪郭線探索部
1106 輪郭決定部
1108 画像補正部
1200 リダクション及びスムージング部
1202 分割部
1204 角検出部
1300 背景色推定部
1302 距離計算部
1304 2値化分割部
1400 水平中心線検出部
1402 左右垂直輪郭検出部
1404 角計算部
1500 角オフセット部
1502 輪郭線トラッキング部
1504 交差点決定部
1600 コンピュータ
1601 中央演算処理装置(CPU)
1602 読出専用メモリ(ROM)
1603 ランダムアクセスメモリ(RAM)
1604 バス
1605 入出力インターフェース
1606 入力部
1607 出力部
1608 記憶部
1609 通信部
1610 ドライブ
1611 リムーバブル媒体
C0,C1,C2,C3 交差点
CC0 左上角
CC1 右上角
CC2 右下角
CC3 左下角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定し、
前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で前記推定された角からオフセットされる2つの点の間で前記オブジェクト領域の輪郭線を探し、前記オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として前記輪郭線の交差点を決定し、
前記オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定する、
画像処理方法。
【請求項2】
前記オブジェクト領域の輪郭線を探す工程は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び該主方位と直角であり且つ前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って前記所定角度範囲内で前記推定された角をオフセットして、前記主方位におけるオフセット点及び前記主方位と直角な前記方向におけるオフセット点を得、
前記主方位における2つのオフセットの間で前記主方位における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記主方位と直角な前記方向における2つのオフセットの間で前記主方位と直角な前記方向における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、
前記オブジェクト領域において前記主方位における輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における輪郭線との間の交差点を決定する、
請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記オブジェクト領域において前記主方位における1つの輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における1つの輪郭線との間に複数の交差点が存在する場合に、該複数の交差点の中の特定の交差点が前記オブジェクト領域の前記最終的な角として選択される、
請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記取得画像における前記オブジェクト領域の輪郭の角を推定する工程は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位において前記オブジェクト領域の中心線を推定し、
前記中心線に基づき該中心線と直角な前記オブジェクト領域の輪郭線を推定し、
前記オブジェクト領域の輪郭線に従って前記オブジェクト領域の角を決定する
請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記オブジェクト領域の前記決定された最終的な輪郭線に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて、前記画像において前記オブジェクト領域を補正する
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項6】
取得画像におけるオブジェクト領域の輪郭の角を推定するよう構成される角推定部と、
前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って所定角度範囲内で前記推定された角からオフセットされる2つの点の間で前記オブジェクト領域の輪郭線を探し、前記オブジェクト領域の輪郭の最終的な角として前記輪郭線の交差点を決定するよう構成される輪郭線探索部と、
前記オブジェクト領域の最終的な輪郭として前記最終的な角の間の輪郭線を決定するよう構成される輪郭決定部と
を有する画像処理装置。
【請求項7】
前記輪郭線探索部は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位に沿って及び該主方位と直角であり且つ前記オブジェクト領域から離れる方向に沿って前記所定角度範囲内で前記推定された角をオフセットして、前記主方位におけるオフセット点及び前記主方位と直角な前記方向におけるオフセット点を得るよう構成される角オフセット部と、
前記主方位における2つのオフセットの間で前記主方位における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングし、前記主方位と直角な前記方向における2つのオフセットの間で前記主方位と直角な前記方向における前記オブジェクト領域の輪郭線をトラッキングするよう構成される輪郭線トラッキング部と、
前記オブジェクト領域において前記主方位における輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における輪郭線との間の交差点を決定するよう構成される交差点決定部と
を有する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクト領域において前記主方位における1つの輪郭線と前記主方位と直角な前記方向における1つの輪郭線との間に複数の交差点が存在する場合に、該複数の交差点の中の特定の交差点が前記オブジェクト領域の前記最終的な角として選択される、
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記角推定部は、
前記オブジェクト領域から離れる主方位において前記オブジェクト領域の中心線を推定するよう構成されるユニットと、
前記中心線に基づき該中心線と直角な前記オブジェクト領域の輪郭線を推定するよう構成されるユニットと、
前記オブジェクト領域の輪郭線に従って前記オブジェクト領域の角を決定するよう構成されるユニットと
を有する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記オブジェクト領域の前記決定された最終的な輪郭線に従って、輪郭に基づく補正アルゴリズムを用いて、前記画像において前記オブジェクト領域を補正するよう構成されるユニット
をさらに有する請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載の画像処理装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−4090(P2013−4090A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−131876(P2012−131876)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】