説明

画像処理装置、システム、プログラムおよび記録媒体

【課題】記録させる履歴情報を取捨選択する制御を行なう画像処理装置、システム、プログラムおよび記録媒体を提供すること。
【解決手段】本発明の画像処理装置10は、当該画像処理装置10で実行され、履歴の記録対象となり得る処理と、記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを対応付ける記録要否設定200を記憶する記憶手段と、画像処理装置10が処理を実行する場合に、記録要否設定200に従って、実行される前記処理の履歴情報206を記録するか否かを制御する履歴記録制御手段114と含み、処理実行履歴の記録を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履歴情報の記録に関し、より詳細には、記録させる履歴情報を取捨選択する制御を行なう画像処理装置、システム、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報セキュリティやTCO(Total Cost Ownership)削減への要求に対応するために、複合機やプリンタにおける各種処理の実行履歴を記録する機器管理システムが普及している。例えば、特開2007−118453号公報(特許文献1)は、蓄積文書の再印刷時に正確な用紙削減効果を算出することができる画像形成装置を提供することを目的として、操作内容をジョブログとして記録するジョブログ記録手段を有する画像形成装置を開示している。
【0003】
また近年の複合機は、プリント、コピー、スキャン、ファクシミリといった基本機能の他、ドキュメントボックスなどの種々の機能を提供する機器として発展してきた。しかし、複合機の各種機能に関する履歴情報を記録しようとする場合、機能の多様化に伴って履歴情報量が膨大なものとなり、複合機において発生した種々のイベントをすべて記録することが困難なものとなっている。
【0004】
記録された履歴情報は、種々の管理用途に用いられるが、特定の用途や利用指針によって要求されるセキュリティレベルが相違し、不要な履歴情報までも記録されていることも多い。このような背景から、複合機に対する操作によって生じる履歴情報を取捨選択して記録することができるログ記録システムの開発が望まれていた。履歴情報の記録に関連して、特開2006−48220号公報(特許文献2)は、セキュリティ属性に抽象化されたアクセス制御ルールを規定するセキュリティポリシーに従ってドキュメントを管理するシステムを開示しており、ドキュメントに対する処理操作が行なわれた場合にログ記録を強要するか否かを規定するためのセキュリティポリシーについても言及している。
【特許文献1】特開2007−118453号公報
【特許文献2】特開2006−48220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の複合機では、各種機能の実行履歴などをすべて記録するか、または一切記録しないかといった択一的な設定しか可能とされておらず、設定の柔軟性の観点から充分なものではなかった。また上述した特許文献2は、文書管理サーバなどに蓄積される電子ドキュメントに付与されたセキュリティ属性により、ログ記録を強要するか否かを規定する点について開示しているものの、複合機における各種処理の実行履歴を、要求されるセキュリティレベルに応じて取捨選択して記録しようとするものではない。よって依然として、複合機に対する操作によって生じる履歴情報を取捨選択して記録することができ、また取捨する履歴情報を容易に設定することができるログ記録システムの開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、要求されるセキュリティレベルに応じて、記録するべき履歴情報を取捨選択する制御を行なう画像処理装置、システム、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、画像処理装置において履歴の記録対象となり得る処理と、その処理に関する履歴記録の要否とを対応付ける記録要否設定を参照して、画像処理装置において処理が実行される場合に、その実行される処理に関する履歴情報を記録するか否かを制御する構成を採用する。
【0008】
記録要否設定は、例えば、ネットワークを介して接続される外部装置や、画像処理装置が備えるユーザ・インタフェース手段から設定可能とすることができ、各処理についての履歴記録の要否は、レベル値の指定または各処理に対する要否の個別指定により、柔軟に設定可能な構成とすることができる。レベルの指定があった場合には、指定されたレベル値と各処理の履歴記録の要否とを予め対応付けたテーブルの値を参照し、レベル値に応じて記録要否設定の内容が変更されることとなる。
【0009】
これにより、画像処理装置において発生した履歴の記録対象となり得る処理すべてを網羅的に記録するのではなく、設定に応じて記録する履歴情報が取捨選択され、要求されるセキュリティレベルに応じた履歴情報の記録が可能となる。さらに、記録する履歴情報が取捨選択されるため、履歴情報を記録するための記憶容量を削減し、履歴情報検索の際の処理負荷や、履歴情報を外部装置で管理する場合にはさらに送信負荷を低減することが可能となり、もって、効率的かつ柔軟な履歴記録システムが実現される。
【0010】
すなわち本発明によれば、処理実行履歴の記録を制御する画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
当該画像処理装置で実行され、履歴の記録対象となり得る処理と、前記記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを対応付ける記録要否設定を記憶する記憶手段と、
当該画像処理装置が処理を実行する場合に、前記記録要否設定に従って、実行される前記処理の履歴情報を記録するか否かを制御する履歴記録制御手段と
を含む画像処理装置が提供される。
【0011】
前記画像処理装置は、履歴の記録対象とする処理群を規定するためのレベルの指定値の設定要求を受領する受領手段と、受領した前記レベルの指定値に従って、前記記録要否設定の内容を変更する設定手段とをさらに含むことができる。また前記設定手段は、各レベルの値と、履歴の記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを予め対応付けたテーブルを参照して、前記記録要否設定の各処理に関する履歴記録の要否の値を前記レベル値に応じ一括して変更することができる。さらに前記受領手段は、記録対象となり得る処理の記録要否の個別設定要求を受領し、前記設定手段は、受領した前記個別設定要求に従って、前記記録要否設定の内容を変更することができる。
【0012】
前記受領手段は、外部装置からネットワークを介して前記設定要求を受領するか、または、当該画像処理装置が備えるユーザ・インタフェース手段から前記設定要求を受領することができる。また前記記録対象となり得る処理は、当該画像処理装置が提供するジョブ処理、または、当該画像処理装置に対するアクセス処理を含むことができる。前記記録要否設定は、前記ジョブ処理または前記アクセス処理に分類される処理対する履歴記録の要否が包括的に設定されることができる。
【0013】
さらに本発明によれば、画像処理装置での処理実行履歴を記録するシステムであって、前記システムは、
前記画像処理装置が実行する処理に関する履歴情報を記録する履歴記録手段と、
前記画像処理装置で実行され、履歴の記録対象となり得る処理と、前記記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを対応付ける記録要否設定を記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置が前記処理を実行する場合に、前記記録要否設定に従って、実行される前記処理の履歴情報を前記履歴記録手段に記録させるか否かを制御する履歴記録制御手段と
を含むシステムが提供される。
【0014】
履歴の記録対象とする処理群を規定するためのレベル値の指定値または記録対象となり得る処理の記録要否の個別指定値、またはこれら両方の指定値の入力を待受けるユーザ・インタフェース手段と、前記ユーザ・インタフェース手段に入力された前記レベル値の指定値または前記個別指定値、またはこれら両方の指定値に従って、前記記録要否設定の内容を変更する設定手段とをさらに含むことができる。
【0015】
また本発明によれば、画像処理装置を、上記に記載の各手段として機能させるための装置実行可能なプログラムが提供される。さらに本発明によれば、画像処理装置を、上記に記載の各手段として機能させるための装置実行可能なプログラムを記録した装置可読な記録媒体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を用いて説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお本実施形態では、画像処理装置の一例として、コピー、ファクシミリ、スキャナ、プリント等の画像を扱う複合機能を有する複合機10を用いた例を説明する。
【0017】
図1は、複合機10のハードウェア構成の実施形態を示す。本実施形態の複合機10は、コントローラ12と、オペレーション・パネル42と、FCU(ファクシミリ・コントロール・ユニット)44と、エンジン部46とを含み構成される。コントローラ12は、CPU(中央演算処理装置)14と、NB(ノース・ブリッジ)18と、NB(ノース・ブリッジ)18を介してCPU14と接続するASIC20と、システムメモリ16とを含み構成される。ASIC20は、各種画像処理を実行し、AGP(Accelerated Graphics Port)48を介してNB18と接続される。システムメモリ16は、描画用メモリなどとして用いられる。
【0018】
ASIC20は、ローカルメモリ22と、ハードディスク・ドライブ(以下、HDDとして参照する)24と、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(以下、NV−RAMとして参照する)26と接続される。ローカルメモリ22は、コピー用画像バッファや符号バッファとして用いられ、HDD24は、画像データ、文書データ、プログラム、フォントデータやフォームデータなどを蓄積するストレージである。NV−RAM26は、複合機10を制御するためのプログラムや各種設定情報を格納し、また本実施形態では履歴情報(以下、ログ情報として参照する。)が記録される。なお、他の実施形態では、ログ情報は、HDD24などの他の記録装置に格納されてもよく、特に限定されるものではない。
【0019】
コントローラ12は、さらにSB(サウス・ブリッジ)28と、NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)30と、SDカード・スロット32と、USBインタフェース34と、IEEE1394インタフェース36と、セントロニクス・インタフェース38とを含み構成され、これらはPCIバス50を介してNB18と接続される。NIC30は、複合機10をインターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続するインタフェース機器であり、ネットワークを介して印刷ジョブや設定要求などを受付けている。USBインタフェース34、IEEE1394インタフェース36およびセントロニクス・インタフェース38は、それぞれの規格に準じたインタフェースである。なお、SB28は、PCIバス50と、図示しないROMや周辺デバイスなどとを接続するためのブリッジである。
【0020】
オペレーション・パネル42は、コントローラ12のASIC20と接続され、オペレータからの各種指示の入力を受付けまた画面出力を行い、ユーザ・インタフェースを提供する。FCU44およびエンジン部46は、PCIバス52を介してASIC20と接続される。エンジン部46は、アプリケーションが発行した画像形成指令および画像データを取得して、画像形成処理や画像読取処理を実行する。
【0021】
図2は、本実施形態の複合機10のソフトウェアおよびハードウェア構成を示す。図2に示した複合機10は、複合機としての機能を提供するための各種アプリケーション62〜70からなるアプリケーション層60と、プラットフォーム層92と、エンジン・インタフェース(I/F)96を介してプラットフォーム層92に接続されるエンジン部46およびHDD24などとを含んで構成される。
【0022】
アプリケーション層60は、プリンタ、コピー、ファックスやスキャナなどの画像形成に関連するユーザ・サービスに固有の処理を行い、図2に示した実施形態では、コピー機能を提供するコピー・アプリケーション62と、ファクシミリ機能を提供するファックス・アプリケーション64と、スキャナ機能を提供するスキャナ・アプリケーション66と、プリンタ機能を提供するプリンタ・アプリケーション68と、ネットワークを介して接続されるウェブクライアントや管理サーバなどの外部装置に、本複合機10の動作状態やログ情報を提供したり、外部機器からの本複合機10の機器設定を受付けるためのウェブ・アプリケーション70とを含み構成される。
【0023】
プラットフォーム層92は、OS94とともにアプリケーション62〜70からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生する各機能部74〜88と、1つまたは複数のハードウェア資源の管理を行い、各機能部74〜88からの獲得要求を調停するシステム資源管理部(SRM)90とを含み構成される。OSとしては例えば、UNIX(登録商標)を採用することができるが、WINDOWS(登録商標)やその他いかなるOSを採用することができる。プラットフォーム層92の各機能部としては、図2に示した実施形態では、エンジン制御部(ECS)74と、メモリ制御部(MCS)76と、オペレーション・パネル制御部(OCS)78と、ファクシミリ制御部(FCS)80と、ネットワーク制御部(NCS)82と、認証制御部(CCS)84と、ログ管理部86と、システム制御部(SCS)88とを含んで構成されている。
【0024】
システム制御部88は、各種アプリケーションの管理、システム画面表示やLED表示などのユーザ・インタフェースの制御、ハードウェア資源の管理、割込みアプリケーションの制御などを行う。エンジン制御部74は、エンジン部46やHDD24などのハードウェア資源を制御し、画像読み込みや印刷動作などを実行する。メモリ制御部76は、画像メモリの取得および解放、画像データの圧縮・伸張等のメモリ制御などを行う。オペレーション・パネル制御部78は、オペレータと本体制御との間のインタフェースとなるオペレーション・パネル42の制御を行う。ファクシミリ制御部80は、GSTNインタフェースと接続し、GSTN網を使用したファクシミリ送受信、バックアップメモリで管理されている各種ファクシミリ・データの登録/引用、ファクシミリ読み取りなどを実行する。
【0025】
ネットワーク制御部82は、NIC30を制御して、複合機10をイーサネット(登録商標)と接続させ、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用可能なサービスを提供し、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分け、各アプリケーションからのデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。具体的には、ftpd、httpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバ・デーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを含むことができる。認証制御部84は、利用者の識別値やパスワードなどの認証情報についての認証処理を制御し、ユーザのログインやログアウトなどを管理する。ログ管理部86の詳細は後述する。
【0026】
プラットフォーム層92とアプリケーション層60との間には、アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)72を有し、プラットフォーム層92は、APIに含まれる予め定義された関数により、各種アプリケーション62〜70からの処理要求を受付けている。
【0027】
複合機10は、上述のソフトウェア群により、エンジン部46、HDD24、NV−RAM26などのハードウェア資源が制御され、ユーザ・インタフェースを介したユーザ指令や外部コンピュータからの外部指令に応答して、コピーやファクシミリやモノクロコピーやフルカラーコピーなど、複合機としての機能をユーザに提供している。
【0028】
また、図2に示した複合機10は、ROM(図示せず)や、HDD24やNV−RAM26やSDカード(図示せず)などの記憶装置に格納されたプログラム(図示せず)を読出し、CPU14の作業メモリ領域を提供するメモリ(例えば、システムメモリ16やローカルメモリ22を含む。)のメモリ領域に展開することにより、上記したソフトウェア手段および後述の各処理手段を実現している。
【0029】
なお、上述の各アプリケーションおよび各機能部、各ハードウェアは、種々の組み合わせにより構成することができ、例えば、特定の用途、機種に対応して追加・削除することができる。
【0030】
以下、本実施形態の複合機10が実行するログ管理処理について説明する。図3は、複合機10を含み構成されるログ記録システム100の実施形態を示す機能ブロック図である。図3に示したログ記録システム100は、複合機10と、複合機10に対する機器設定を行なうためのブラウザ110aを備えたクライアント・パーソナル・コンピュータ(以下、クライアントPCとして参照する。)110と、収集したログ情報を蓄積するためのストレージ112aを備えた機器管理サーバ112とを含み構成される。これらの装置は、例えば、イーサネット(登録商標)やTCP/IPプロトコルなどのローカル・エリア・ネットワーク(以下、LANとして参照する。)により接続されている。
【0031】
複合機10におけるログ管理処理に関する主要機能構成は、ログ管理部86と、アプリケーション106と、制御部108と、機器設定管理部102と、ウェブサービス・インタフェース(I/F)104とを含み構成される。なお、アプリケーション106は、図2に示したアプリケーション62〜70のいずれか一部であってよく、これらのアプリケーションを代表している。また、制御部108は、ログ管理部86を除く上述のプラットフォーム層92の各機能部のいずれか一部であってよく、これらの機能部を代表している。
【0032】
アプリケーション106および制御部108は、本複合機10においてログの記録対象となり得る処理の実行を制御する手段である。アプリケーション106および制御部108は、複合機10の起動時に、まずログ管理部86に対して使用するログタイプを登録し、それぞれが実行する可能性のある処理を登録する。ここでログタイプとは、ログ記録の対象となり得る各処理を識別する情報であり、記録対象となり得る処理としては、複合機10が備える各アプリケーション62〜70が実行する各種ジョブ処理や、CCS84が管理する複合機10へのログイン処理やログアウト処理などのアクセス処理を含むことができる。例えばプリンタ・アプリケーション68からは、「プリンタ印刷」や「プリンタ機密印刷」といったプリントジョブに関するログタイプが登録され、CCS84からは「ログイン」や「ログアウト」といったアクセス制御に関するログタイプが登録される。
【0033】
またアプリケーション106および制御部108は、ログタイプに対応する処理を実行する際に、その開始および完了をログ管理部86に通知し、また処理内容やエラー内容などのログとして記録するための情報を、ログ管理部86へ通知する。このログ通知を受信してログ管理部86は、通知のログタイプのログ情報が記録すべきであると設定されている場合には、通知された情報に応じてログ情報を記録する。
【0034】
機器設定管理部102は、ネットワークを介して機器設定やステータスの確認を行なうためのアプリケーションであり、クライアントPC110からの設定要求を受領して、複合機10本体の各種設定を変更し、また複合機10の設定情報やステータス情報をクライアントPC110に提供する。また本実施形態の複合機10は、機器設定管理部102を介して、後述するログ記録に関する設定を可能に構成されており、クライアントPC110からのログ記録に関する設定要求を受領して、その要求にかかる設定指令をログ管理部86に対して発行する。また機器設定管理部102は、クライアントPC110からの設定情報の取得要求に応答して、ログ管理部86から設定情報を取得し、クライアントPC110に設定情報を提供して、例えばブラウザ110a上に表示させる。なお、本実施形態では、ネットワークを介して設定要求を受領し、遠隔的に設定可能な構成として説明するが、本複合機10が備えるオペレーション・パネル42を介して設定要求を受付けることもできる。
【0035】
ウェブサービスI/F104は、複合機10と機器管理サーバ112との間のメッセージ交換を行なうためのインタフェースであり、例えばSOAPプロトコルに従ったメッセージ交換を実行する。ログ管理部86は、ウェブサービスI/F104を介して、機器管理サーバ112に各種ログ情報を含むメッセージを転送する。例えば、ログ管理部86は、クライアントPC110からのログ設定要求に応じ設定変更された場合には、自機のNV−RAM26などに設定変更のログを記録し、続いて設定変更のログ情報をウェブサービスI/F104を介して機器管理サーバ112に転送する。同様に、アプリケーション106や制御部108からのログ通知を受取った場合には、ログ管理部86は、そのログ情報をNV−RAM26に記録し、さらに機器管理サーバ112にウェブサービスI/F104を介してログ情報を転送する。
【0036】
以下、図4を参照して、ログ記録処理およびログ記録に関する設定処理の詳細を説明する。図4は、ログ管理部86の詳細を示す機能ブロック図である。図4に示したログ管理部86は、ログを記録するか否かを制御するログ記録制御部114と、ログに関する設定を受付けるログ設定部116とを含んで構成されている。
【0037】
またログ管理部86は、本複合機においてログの記録対象となり得るログタイプと、該ログタイプに関するログ情報の記録の要否とを対応付ける記録要否設定200を含み構成され、ログ記録制御部114は、この記録要否設定200を参照して、記録するべきログ情報を取捨選択する。以下、ログ記録制御部114が参照する記録要否設定200について、図5を参照して説明する。
【0038】
図5は、記録要否設定200のデータ構造の一例を示す。図5に示した記録要否設定200は、本複合機10において実行される可能性のあるログタイプが入力されるフィールド200aと、該ログタイプに関するログ情報の記録の要否が入力されるフィールド200bとを含むテーブルとして構成され、ログタイプとその記録の要否とを対応づけている。
【0039】
図5に示した例では、ログタイプ・フィールド200aには、「コピー」、「コピー蓄積」、「プリンタ印刷」といった各ログタイプが入力され、記録要否フィールド200bには、対応する要否の値が入力されている。各ログタイプは、複合機10が実行するジョブ処理に関するジョブログ200cと、「ログイン」や「ログアウト」といった複合機10へのアクセス処理に関するアクセスログ200dとのカテゴリに分類することができ、他の実施形態では、このジョブログやアクセスログといったカテゴリに分類される一群のログタイプに対して、包括的に記録の要否が対応付づける構成とすることもできる。
【0040】
この上記記録要否設定200は、システムメモリ16などの記憶装置に格納しておくことができる。また、図5に示した記録要否設定200は一例を示し、ログの記録対象となる処理と、そのログ情報の記録の要否とを対応付ける如何なるデータ構造を採用することができる。
【0041】
ここで図4の説明に戻すと、ログ記録制御部114は、アプリケーション106や制御部108から処理の開始通知を受取った際に、図5に示す記録要否設定200を参照して、該処理のログタイプに対応する記録要否の値から記録するべきログ情報か否かを判定し、値が「要」であった場合には、記録すべきログ情報としてNV−RAM26にログ情報206を書込むとともに、ウェブサービスI/F104を介して機器管理サーバ112へログ情報206を転送する制御を行なう。このように、機器管理サーバ112へログ情報206を転送する制御とすることにより、複合機10と同様の構成の複合機がネットワーク上に複数ある場合に、機器管理サーバ112において、複数の複合機についてのログ記録を一元的に管理することが可能となる。
【0042】
なお本実施形態では、記録要否設定200に従って、複合機10のNV−RAM26にログ情報を書込むとともに、機器管理サーバ112へもログ情報206を転送する構成として説明したが、他の実施形態では、複合機10でのログ情報の記録要否とは別に、機器管理サーバ112への転送の要否を定めて、複合機10でのログ記録と転送先の機器管理サーバ112でのログ記録とを個別に制御する構成とすることもできる。さらに他の実施形態では、複合機10または機器管理サーバ112のいずれか一方のみに記録する構成とすることもできる。
【0043】
図4に示したログ管理部86は、さらに、アプリケーション106や制御部108から登録を受けたログタイプが登録されるログタイプサポート情報202と、複数のログレベル毎に予め定められた、各ログタイプとその記録の要否とを対応付けるためのログレベル別記録要否情報204とを含み構成され、ログ設定部116は、これらの情報を参照して、上記の記録要否設定200を設定する。ここでログレベルとは、各ログタイプの記録の要否を一括して指定するための値であり、例えばクライアントPC110は、所定のログレベルを指定することによって、上記記録要否設定200における各ログタイプの記録の要否を所望の設定に一括して設定することができる。つまり、ログレベルを指定することによって、ログの記録対象とする処理群を規定することが可能となる。以下、ログ設定部116が参照するログタイプサポート情報202およびログレベル別記録要否情報204について、図を参照して説明する。
【0044】
図6は、ログタイプサポート情報202のデータ構造の一例を示す。図6に示したログタイプサポート情報202は、各種ログタイプが入力されるフィールド202aと、該ログタイプが、アプリケーション106や制御部108から使用する可能性の有るログタイプとして登録されたか否かが入力されるフィールド202bとを含むテーブルとして構成され、ログタイプとその登録の有無とを対応づける。
【0045】
図6に示した例では、「コピー」、「コピー蓄積」、「プリンタ印刷」、「プリンタ機密印刷」といったログタイプが、登録されているものとして入力され、一方「スキャン」、「スキャン蓄積」といったログタイプが、登録されていないものとして入力されている。なお、ログタイプサポート情報202は、例えば、システムメモリ16などの記憶装置に格納される。
【0046】
図7は、ログレベル別記録要否情報204のデータ構造の一例を示す。図7に示したログレベル別記録要否情報204は、ログレベルが入力されるフィールド204aを含み構成され、さらに、各種ログタイプが入力されるフィールド204bと、該ログタイプのログ情報の記録の要否が入力されるフィールド204cとからなるテーブルを含み構成される。図7に示したログレベル別記録要否情報204は、設定されるログレベル毎に用意され、各ログレベルと、そのレベルにおける各ログタイプの記録の要否とを対応づける。図7に示した例では、ログレベル「1」において、「コピー」、「コピー蓄積」、「プリンタ機密印刷」、「スキャン」、「スキャン蓄積」といったログタイプが、記録を要するものとして入力され、「プリンタ印刷」や「暗号化通信ログ」といったログタイプが、記録が不要なものとして入力されている。なお、ログレベル別記録要否情報204は、予め複合機10のベンダによって用意されたり、オペレーション・パネル42を介して複合機10の管理者などから予め設定されたりし、例えばNV−RAM26などの不揮発性の記憶装置に格納されている。
【0047】
ここで図4の説明に戻すと、ログ設定部116は、登録されたログタイプサポート情報202と、クライアントPC110から機器設定管理部102を介して指定されるログレベルに対応するログレベル別記録要否情報204とに従って、登録され複合機10でログの記録対象となり得るログタイプと、その要否とを対応づけるための上記記録要否設定200を設定する。また、各ログタイプの記録の要否は、個別設定可能に構成され、クライアントPC110から各ログタイプの記録要否の個別指定がなされた場合には、上記記録要否設定200の指定のログタイプに対応する記録の要否を個別に変更する。
【0048】
このように、ログレベルと各ログタイプの記録要否とを対応づける情報を予め用意しておくことにより、ログレベルの指定に応じて、各ログタイプの記録要否が一括して設定され、管理者などの設定の煩わしさを低減することが可能となる。また、所定のレベルとして、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)P2600などの規格に準拠した記録要否情報を予め用意しておくおことにより、要求される規格に応じたログ記録を容易に実現することが可能となる。
【0049】
以下、ログレベルと、各ログタイプの記録要否との対応づけの他の実施形態を説明する。図8は、上記の実施形態のログレベル別記録要否情報204に対応し、ログレベルとログタイプの記録要否とを対応付ける情報のデータ構造の他の実施形態を示す。図8に示したテーブル208は、各種ログタイプが入力されるフィールド208aと、該ログタイプのログ記録を要請するログレベルが入力されるフィールド208bとを含み構成される。
【0050】
図7に示したログレベル別記録要否情報204は、予めログレベル毎に用意され、ログレベルの指定があった場合には、指定のログレベルに対応するログレベル別記録要否情報204の要否の値を参照することにより、ログレベルに応じた記録要否設定200の設定を可能としている。これに対して図8に示したテーブル208は、各種ログタイプと、ログ記録を要請するログレベルとを対応付ける。例えば、ログレベルの値が大きくなるほど、より多くのログタイプの処理に関するログ情報が記録されるという前提においては、フィールド208bに入力されたログレベルの値が、設定されたログレベルの値以下であった場合に、そのログタイプに関するログの記録を要として設定する。これにより、ログレベルの指定に応じて記録要否設定200を設定することが可能となる。
【0051】
以下、上述のログ記録に関する設定を行なうためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(以下、GUIとして参照する。)について、図を参照して説明する。図11は、クライアントPC110のディスプレイ上に表示されるブラウザ画面300を一例として示す。図11に示したブラウザ画面300は、現在設定されているログレベルが表示されるボックス302と、ログレベルの指定を待受けるプルダウンメニュー304と、設定変更の了承を待受け、クリックに応じて複合機10に対して設定要求を送信するためのOKボタン310と、キャンセルボタン312とを含み構成され、オペレータからのログレベルの指定や設定変更の指示を待受ける。
【0052】
さらにブラウザ画面300は、各種ログタイプが表示されるログタイプ・フィールド306と、各ログタイプのログ記録要否が表示され、その設定変更を待受けるボタンを含むフィールド308とを含み構成され、フィールド308のボタンは、各ログタイプのログ記録の要否の指定を個別に待受けている。オペレータは、フィールド308のボタンをクリックすることにより、対応するログタイプのログ記録の要否を切換えることができる。
【0053】
図3に示した機器設定管理部102は、上述のGUI画面を表示するためのデータをクライアントPC110のブラウザ110aに送信し、ディスプレイ上に表示させる。このようなユーザ・インタフェース手段を提供する構成により、クライアントPC110などの外部装置から、ログレベルの指定やログタイプ個別の記録要否の指定を含む設定を可能とすることができる。
【0054】
以下、ログ記録設定処理の処理フローを説明する。図9は、本実施形態の複合機10が実行するログ記録設定処理のフローチャートを示す。図9に示した処理は、例えば複合機10に電源投入されたことを契機としてステップS100で開始され、ステップS101で複合機10が起動される。ステップS102では、アプリケーション62〜70やプラットフォーム層92の各機能部74〜88から、使用する可能性のあるログタイプが登録され、ログタイプサポート情報202が設定される。ステップS103でログ設定部116は、前もって設定されていたログレベルの設定値やログタイプ個別の設定情報をNV−RAM26から読出し、また、ログタイプサポート情報202およびログレベル別記録要否情報204を参照して、記録要否設定200を初期設定する。
【0055】
ステップS104では、クライアントPC110からの設定要求を待受け、設定要求を受領したか否かを判定する。ステップS104で、未だ設定要求を受領していないと判定された場合(NO)には、処理を再びステップS104へループさせる。一方、ステップS104で、設定要求を受領したと判定された場合(YES)には、処理をステップS105へ分岐させ、その設定要求がログレベル指定であるか否かを判定する。
【0056】
ステップS105で、受領した設定要求がログレベルの指定であると判定された場合(YES)には、処理をステップS106へ分岐させ、ステップS106でログ設定部116は、指定されたログレベルに対応するログレベル別記録要否情報204を参照し、ステップS107で、ログタイプサポート情報202に登録される各ログタイプについて、記録要否の値を記録要否設定200の値に複写して上書きし、設定を変更する。続いてステップS108では、その設定変更に関するログ情報をNV−RAM26に記録し、ステップS109では、さらに機器管理サーバ112に設定変更ログを転送し、ステップS104へループさせ、再び設定要求を待受ける。
【0057】
一方、ステップS105で、設定要求がログレベル指定ではないと判定された場合(NO)、つまりログタイプ個別の設定変更であった場合には、処理をステップS110へ分岐させる。ステップS110では、個別指定されたログタイプの要否の指定値を、記録要否設定200の対応するログタイプのフィールド200bに複写して、設定を変更する。続いて処理をステップS108へ進め、設定変更に関するログを記録し、ステップS109で該設定変更ログを機器管理サーバ112に転送し、ステップS104へループさせ、再び設定要求を待受ける。
【0058】
なお、複数機能を備える複合機10では、上記アプリケーション62〜70や機能部74〜88の一部をオプションとして後日追加する場合があるが、ログタイプサポート情報202やログレベル別記録要否情報204の各種ログタイプが入力されるフィールド202a,204bには、本複合機10が備えるアプリケーションや制御部の構成に関わらず、複合機10において実行される可能性のあるログタイプを予め入力しておくことができる。この場合には、ステップS102での起動時の使用ログタイプの登録により、各種ログタイプの中から、本複合機10が備える機能に適合したログタイプが登録されるため、オプションとして追加されたアプリケーションや機能部に関するログの記録についても、柔軟に対応することが可能となる。
【0059】
以下、本実施形態の複合機10が記録するログ情報について説明を加える。図10は、ログ記録制御部114が記録を制御するログ情報のデータ構造の一例を示す。図10に示したログ情報206は、ログ206aを含んで構成され、ログ206aは、該ログを識別するためのログIDと、ジョブログであるかアクセスログであるかを示すカテゴリと、ログタイプと、処理が実行された日時を示す処理実行日時と、当該処理を実行したユーザを識別するため操作者IDとを含み構成される。またログ情報206は、スキャナ属性のログ206bと対応付けるためのスキャナログIDや、プロッタ属性のログ206cと対応付けるためのプロッタログIDや、アクセス属性のログ206dと対応付けるためのアクセスログIDを含むことができ、より詳細なログ属性の情報とリンクさせることができる。
【0060】
例えば、ログ情報206がコピージョブに関するものであった場合、スキャナログIDおよびプロッタログIDが付され、スキャナ属性およびプロッタ属性のログ206b,206cを含むログ情報206が記録されることとなる。スキャナ属性のログ206bは、スキャナログIDと、読取った原稿面数などの画像読取処理に関する情報とを含み、プロッタ属性のログ206cは、プロッタログIDと、印刷した面数などの画像形成処理に関する情報とを含むことができる。またアクセス属性のログ206dは、アクセスログIDと、ログインまたはログアウトの別など、アクセス処理に関する情報を含むことができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、要求されるセキュリティレベルに応じて、記録するべき履歴情報を取捨選択する制御を行なう画像処理装置、システム、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。本実施形態によれば、画像処理装置において発生した履歴の記録対象となり得る処理すべてを網羅的に記録するのではなく、設定に応じて記録する履歴情報が取捨選択され、要求されるセキュリティレベルに応じた履歴情報の記録が可能となる。このとき、不要な履歴情報が無駄に記録されないため、履歴情報を記録するための記憶容量を削減し、履歴情報検索の際の処理負荷や、履歴情報を外部装置で管理する場合にはさらに送信負荷を低減することが可能となり、もって効率的かつ柔軟な履歴記録システムが実現される。
【0062】
なお画像処理装置としては、上述した実施形態の複合機能を有した複合機に限られるものではなく、特定の用途に応じて、複写機、スキャナ、プリンタ、印刷機、ファクシミリなどの画像に関する処理を実行する装置として構成することができる。
【0063】
上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDメモリ、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
【0064】
以上本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】複合機のハードウェア構成の実施形態を示す図。
【図2】本実施形態の複合機のソフトウェアおよびハードウェア構成を示す図。
【図3】ログ記録システムの実施形態を示す機能ブロック図。
【図4】本実施形態の複合機が備えるログ管理部の詳細を示す機能ブロック図。
【図5】記録要否設定のデータ構造の一例を示す図。
【図6】ログタイプサポート情報のデータ構造の一例を示す図。
【図7】ログレベル別記録要否情報のデータ構造の一例を示す図。
【図8】ログレベルとログタイプの記録要否とを対応付ける情報のデータ構造の他の実施形態を示す図。
【図9】本実施形態の複合機が実行するログ記録設定処理のフローチャートを示す図。
【図10】ログ情報のデータ構造の一例を示す図。
【図11】ブラウザ画面300を一例として示す図。
【符号の説明】
【0066】
10…複合機、12…コントローラ、14…CPU、16…システムメモリ、18…NB、20…ASIC、22…ローカルメモリ、24…HDD、26…NV−RAM、28…SB、30…NIC、32…SDカード・スロット、34…USBインタフェース、36…IEEE1394インタフェース、38…セントロニクス・インタフェース、42…オペレーション・パネル、44…FCU、46…エンジン部、48…AGP、50…PCIバス、52…PCIバス、60…アプリケーション層、62…コピー・アプリケーション、64…ファックス・アプリケーション、66…スキャナ・アプリケーション、68…プリンタ・アプリケーション、70…ウェブ・アプリケーション、72…API、74…エンジン制御部(ECS)、76…メモリ制御部(MCS)、78…オペレーション・パネル制御部(OCS)、80…ファクシミリ制御部(FCS)、82…ネットワーク制御部(NCS)、84…認証制御部(CCS)、86…ログ管理部、88…システム制御部(SCS)、90…システム資源管理部(SRM)、92…プラットフォーム層、94…OS、96…エンジン・インタフェース、98…ハードウェア・リソース、100…ログ記録システム、102…機器設定管理部、104…ウェブサービスI/F、106…アプリケーション、108…制御部、110…クライアントPC、112…機器管理サーバ、114…ログ記録制御部、116…ログ設定部、200…記録要否設定、202…ログタイプサポート情報、204…ログレベル別記録要否情報、206…ログ情報、208…テーブル、300…ブラウザ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理実行履歴の記録を制御する画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
当該画像処理装置で実行され、履歴の記録対象となり得る処理と、前記記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを対応付ける記録要否設定を記憶する記憶手段と、
当該画像処理装置が処理を実行する場合に、前記記録要否設定に従って、実行される前記処理の履歴情報を記録するか否かを制御する履歴記録制御手段と
を含む画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、履歴の記録対象とする処理群を規定するためのレベルの指定値の設定要求を受領する受領手段と、
受領した前記レベルの指定値に従って、前記記録要否設定の内容を変更する設定手段とをさらに含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、各レベルの値と、履歴の記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを予め対応付けたテーブルを参照して、前記記録要否設定の各処理に関する履歴記録の要否の値を前記レベル値に応じ一括して変更する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受領手段は、記録対象となり得る処理の記録要否の個別設定要求を受領し、
前記設定手段は、受領した前記個別設定要求に従って、前記記録要否設定の内容を変更する、請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受領手段は、外部装置からネットワークを介して前記設定要求を受領するか、または、当該画像処理装置が備えるユーザ・インタフェース手段から前記設定要求を受領する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記記録対象となり得る処理は、当該画像処理装置が提供するジョブ処理、または、当該画像処理装置に対するアクセス処理を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記記録要否設定は、前記ジョブ処理または前記アクセス処理に分類される処理対する履歴記録の要否が包括的に設定する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置での処理実行履歴を記録するシステムであって、前記システムは、
前記画像処理装置が実行する処理に関する履歴情報を記録する履歴記録手段と、
前記画像処理装置で実行され、履歴の記録対象となり得る処理と、前記記録対象となり得る処理に関する履歴記録の要否とを対応付ける記録要否設定を記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置が前記処理を実行する場合に、前記記録要否設定に従って、実行される前記処理の履歴情報を前記履歴記録手段に記録させるか否かを制御する履歴記録制御手段と
を含むシステム。
【請求項9】
履歴の記録対象とする処理群を規定するためのレベル値の指定値または記録対象となり得る処理の記録要否の個別指定値、またはこれら両方の指定値の入力を待受けるユーザ・インタフェース手段と、
前記ユーザ・インタフェース手段に入力された前記レベル値の指定値または前記個別指定値、またはこれら両方の指定値に従って、前記記録要否設定の内容を変更する設定手段とをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
画像処理装置を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の各手段として機能させるための装置実行可能なプログラム。
【請求項11】
画像処理装置を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の各手段として機能させるための装置実行可能なプログラムを記録した装置可読な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−33555(P2009−33555A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196294(P2007−196294)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】