説明

画像処理装置、撮像装置およびプログラム

【課題】全体の符号量を削減しつつ、主被写体の周辺領域の画質を高画質に保つことができないという課題があった。
【解決手段】画像処理装置は、画像内の複数の画像領域の中から、主被写体の像を含む画像領域である主被写体領域を選択する主被写体領域選択部と、前記主被写体領域の周辺の画像領域である周辺領域を選択する周辺領域選択部と、前記主被写体領域および前記周辺領域の画像領域である第1領域より、前記第1領域以外の画像領域である第2領域を、高い圧縮強度で圧縮する圧縮部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像から複数の特徴領域を検出して、検出した複数の特徴領域のそれぞれの画像に対する圧縮強度を、特徴領域の特徴に応じて制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009−049976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
全体の符号量を削減しつつ、主被写体の周辺領域の画質を高画質に保つことができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、画像処理装置は、画像内の複数の画像領域の中から、主被写体の像を含む画像領域である主被写体領域を選択する主被写体領域選択部と、主被写体領域の周辺の画像領域である周辺領域を選択する周辺領域選択部と、主被写体領域および周辺領域の画像領域である第1領域より、第1領域以外の画像領域である第2領域を、高い圧縮強度で圧縮する圧縮部と、を備える。
【0005】
本発明の第2の態様においては、撮像装置は、画像を撮像する撮像部と、上記画像処理装置と、を備える。
【0006】
本発明の第3の態様においては、画像内の複数の画像領域の中から、主被写体の像を含む画像領域である主被写体領域を選択するステップと、主被写体領域の周辺の画像領域である周辺領域を選択するステップと、主被写体領域および周辺領域の画像領域である第1領域より、第1領域以外の画像領域である第2領域を、高い圧縮強度で圧縮するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】撮像装置100のシステム構成図を示す。
【図2】ASIC135におけるブロック構成の一例を示す。
【図3】圧縮部260におけるブロック構成の一例を示す。
【図4】画像領域のグルーピング例を示す。
【図5】画像領域の他のグルーピング例を示す。
【図6】画像領域の更なる他のグルーピング例を示す。
【図7】画像領域の更なる他のグルーピング例を示す。
【図8】撮像装置100の起動から終了までの処理フローを示す。
【図9】動画撮影における動作フローの一例を示す。
【図10】圧縮部260がフレームを圧縮する動作フローの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、撮像装置100のシステム構成図を示す。撮像装置100は、交換レンズ120およびカメラ本体130を備える。交換レンズ120は、レンズマウント接点121を有するレンズマウントを備え、カメラ本体130は、カメラマウント接点131を有するカメラマウントを備える。レンズマウントとカメラマウントが係合して交換レンズ120とカメラ本体130が一体化されると、レンズマウント接点121とカメラマウント接点131が接続される。撮像装置100は、交換レンズ120とカメラ本体130とが一体化した状態で一眼レフカメラとして機能する。
【0011】
被写体光は、光軸に沿って撮影光学系としてのレンズ群122を透過して、撮像素子132の受光面に結像する。レンズ群122は、レンズMPU123によって制御される。例えば、レンズMPU123は、フォーカスレンズモータを制御して、レンズ群122を構成するフォーカスレンズ群を移動させる。これにより、レンズ群122の焦点調節が行われる。撮像素子132は、レンズ群122を通過した被写体光により撮像する撮像部の一部として機能する。
【0012】
レンズMPU123は、レンズマウント接点121およびカメラマウント接点131を介してカメラMPU133と接続され、相互に通信を実行しつつ協働して交換レンズ120とカメラ本体130を制御する。例えば、レンズMPU123は、カメラMPU133と協働して、画角内に設定された少なくとも1つの焦点調節領域の被写体に合焦するようレンズ群122の焦点調節を行う。焦点調節に用いた焦点調節領域の位置によりフォーカスポイントが定まる。
【0013】
撮像素子132は、被写体像である光学像を光電変換する光電変換素子を有する。撮像素子132としては、例えばCMOSセンサ、CCDセンサ等の固体撮像素子を適用できる。撮像素子132は、被写体光束を受光することにより生じた蓄積電荷による画像信号としてのアナログ信号をA/D変換器134に供給する。A/D変換器134は、撮像素子132から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換して画像データとして出力する。撮像素子132は、カメラMPU133からの指示を受けた駆動部140により駆動される。
【0014】
A/D変換器134が出力した画像データは、SDRAM136に記憶される。SDRAM136の少なくとも一部のメモリ領域は、撮像により生成された画像データを一時的に記憶するバッファメモリとして使用される。撮像素子132が被写体光束で連続して撮像した場合、撮像により順次に生成される画像データはSDRAM136に順次に記憶される。例えば、被写体光束で連続して静止画を撮像することにより得られた複数の静止画の画像データが、SDRAM136に順次に記憶される。また、被写体光束で動画を撮像することにより得られた動画を構成する複数の画像としてのフレームデータが、SDRAM136に順次に記憶される。
【0015】
ASIC135は、SDRAM136に記憶された画像データを順次処理する。ASIC135は、画像処理機能に関連する回路を一つにまとめた集積回路である。ASIC135は、SDRAM136の少なくとも一部のメモリ領域を画像処理用のワークエリアとして使用して画像処理を行う。
【0016】
具体的には、ASIC135は、画像データを、規格化された画像フォーマットの画像データに変換して出力する。例えば、ASIC135は、静止画データとしてのJPEGファイルを生成するための画像処理を行う。また、ASIC135は、動画を構成する複数の画像のそれぞれの画像データから、動画データとしてのMPEGファイルを生成するための画像処理を行う。カメラMPU133は、ASIC135によって生成された静止画データ、動画データ等の画像データを、不揮発性の記録媒体としての外部メモリ160に転送して記録させる。外部メモリ160としては、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリを例示することができる。
【0017】
ASIC135は、外部メモリ160への記録用に処理される画像データに並行して、表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、表示制御部137の制御に従って表示画像信号に変換され、液晶ディスプレイ等の表示デバイスとしての表示部138に表示される。また、画像の表示と共に、もしくは画像を表示することなく、撮像装置100の各種設定に関する様々なメニュー項目も、表示制御部137の制御により表示部138に表示することができる。カメラMPU133は、表示制御部137を制御して、メニュー項目を表示部138に表示させる。
【0018】
撮像装置100は、上記の画像処理における各々の要素も含めて、カメラMPU133により直接的または間接的に制御される。システムメモリ139は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM等により構成される。システムメモリ139は、撮像装置100の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を、撮像装置100の非動作時にも失われないように記憶している。カメラMPU133は、定数、変数、プログラム等を適宜SDRAM136に展開して、撮像装置100の制御に利用する。カメラ本体130内の、ASIC135、SDRAM136、システムメモリ139、表示制御部137、カメラMPU133、外部メモリ160は、バス等の接続インタフェース145により、相互に接続される。
【0019】
操作入力部141は、ユーザによる設定操作等のユーザ操作を受け付ける。操作入力部141としては、電源スイッチ、レリーズボタン、動画撮影ボタン、各種操作ボタン、表示部138に一体に実装されたタッチパネル等を含む。カメラMPU133は、操作入力部141が操作されたことを検知して、操作に応じた動作を実行する。例えば、カメラMPU133は、レリーズボタンが操作された場合に、レリーズ動作を実行するよう撮像装置100の各部を制御する。カメラMPU133は、動画撮影ボタンが操作された場合に、連続撮影の一例としての動画撮影を実行するよう撮像装置100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、表示部138に組み込まれたタッチパネルが操作された場合に、表示部138に表示されたメニュー項目および操作内容に応じた動作をするよう、撮像装置100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、タッチパネルを通じて、後述する主被写体の領域を指定するユーザ指示を受け付けることができる。
【0020】
カメラ本体130の各要素および外部メモリ160は、電源170から電力供給を受ける。電源170としては、カメラ本体130に対して着脱できる例えばリチウムイオン電池などの二次電池、商用AC電源等を例示することができる。カメラMPU133は、電源170から撮像装置100の各部への電力供給を制御する。なお、二次電池は、撮像装置100を駆動する電池の一例である。電池とは、実質的に充電することができない非充電式の電池を含む。
【0021】
図2は、ASIC135におけるブロック構成の一例を示す。ASIC135は、特徴領域特定部200、向き特定部210、分割部220、主被写体選択部230、周辺領域選択部240、圧縮強度決定部250、圧縮部260および伸張部265を有する。ASIC135は、画像処理装置として機能する。
【0022】
特徴領域特定部200は、画像における特徴領域を特定する。具体的には、特徴領域特定部200は、画像における複数の特徴領域を特定する。一例として特徴領域特定部200は、人物像を含む画像領域を特徴領域として特定する。特徴領域特定部200は、オブジェクト抽出等によって人物の目、鼻、口等の特徴的な形状のオブジェクトを検出することにより、人物像を含む画像領域を検出してよい。特徴領域特定部200は、動物像を含む画像領域を特徴領域として特定してもよい。例えば、特徴領域特定部200は、模様や耳等の形状等、動物が有する特徴的な形状のオブジェクトを検出することにより、動物像を含む画像領域を検出してよい。また、特徴領域特定部200は、移動体の像を含む画像領域を、特徴領域として特定してもよい。例えば、特徴領域特定部200は、動画撮影、連写撮影等のように、連続して得られた時系列の画像から被写体の動きを検出して、動きが検出された画像領域を、移動体の像を含む画像領域として特定してよい。移動体としては、自動車、電車等を例示することができる。動く人物、動物等を移動体として検出してよいことはいうまでもない。
【0023】
向き特定部210は、特徴領域特定部200によって特定された特徴領域内に撮像された被写体の向きを特定する。例えば、向き特定部210は、被写体が人物である場合、人物の顔の向きを特定する。例えば、向き特定部210は、人物の頭部領域と、頭部領域内の目、鼻、口、耳、髪等のオブジェクトの位置から、人物の顔の向きを特定してよい。被写体が動物である場合も同様に、動物の頭部領域と、頭部領域内の目、鼻、口、耳等のオブジェクトの位置から、動物の顔の向きを特定してよい。ここで、被写体の向きとは、移動の向きを含む概念である。具体的には、向き特定部210は、被写体が移動体である場合、移動の向きを被写体の向きとして特定してよい。向き特定部210は、連続して得られた時系列の画像内の移動体像の位置から、移動体の移動の向きを特定してよい。
【0024】
分割部220は、複数の特徴領域以外の領域を複数の部分領域に分割する。すなわち、分割部220は、画像を、複数の特徴領域および複数の部分領域を含む複数の画像領域に分割する。具体的には、分割部220は、画像の全体領域内に、複数の画像領域の境界を設定する。一例として、分割部220は、矩形の画像領域を設定する場合、各画像領域の対角をなす点の座標を設定する。
【0025】
主被写体選択部230は、画像内の複数の画像領域の中から、主被写体の像を含む画像領域である主被写体領域を選択する。具体的には、主被写体選択部230は、複数の特徴領域のうちの一部の特徴領域を、主被写体領域として選択する。例えば、主被写体選択部230は、複数の画像領域の中から、フォーカスポイントを含む画像領域を主被写体領域として選択する。フォーカスポイントは、カメラMPU133およびレンズMPU123によるAF情報等の制御情報から特定されてよい。主被写体選択部230は、フォーカスポイントに基づく判断に替えて、特徴領域内に撮像された被写体に対する合焦度合いを画像から検出して、検出した合焦度合いに基づいて、より合焦した被写体の像を含む特徴領域を、主被写体領域としてより優先して特定してよい。主被写体選択部230は、フォーカスポイントに基づく判断に加えて、上述した合焦度合いに基づいて、主被写体領域を特定してもよい。このように、主被写体選択部230は、複数の特徴領域のうち、より合焦した被写体の像を含む画像領域を、より優先して主被写体領域として特定してよい。
【0026】
主被写体選択部230は、上述したAF情報の他、人物等の顔検出、動き検出、特定被写体の追尾情報等の検出結果に基づき、主被写体領域を選択してよい。例えば、撮像装置100の撮像モードが人物撮影モードである場合、人物像が検出された領域を主被写体領域として選択してよい。撮像モードが動物撮影モードである場合、動物像が検出された領域を主被写体領域として選択してよい。例えば、撮像モードが動物撮影モードである場合に、動物像が検出された領域を、人物像が検出された領域よりも優先して主被写体領域として選択してよい。
【0027】
また、複数の人物、複数の動物、自動車や電車等の複数の移動体等、類似の複数の被写体が検出される場合がある。この場合でも、上述したAF情報、ユーザによる主被写体の指定等に従って、特定の主被写体が写り込んだ領域を主被写体領域として選択してもよい。
【0028】
周辺領域選択部240は、主被写体領域の周辺の画像領域である周辺領域を選択する。例えば、周辺領域選択部240は、分割部220により分割された複数の部分領域のうち、主被写体領域の位置により近い部分領域を、周辺領域として優先して選択する。例えば、周辺領域選択部240は、主被写体領域の重心位置により近い重心位置を持つ部分領域を、周辺領域としてより優先して選択してよい。また、周辺領域選択部240は、主被写体の向きに位置する画像領域を、周辺領域として選択してもよい。例えば、主被写体が人物である場合、主被写体領域よりも顔の向きや移動の向きに位置する画像領域を、周辺領域として選択してもよい。
【0029】
圧縮強度決定部250は、主被写体領域および周辺領域の画像領域である第1領域より、第1領域以外の画像領域である第2領域に、高い圧縮強度を決定する。圧縮部260は、圧縮強度決定部250が決定した圧縮強度に従って、各領域を圧縮する。すなわち、圧縮部260は、主被写体領域および周辺領域の画像領域である第1領域より、第1領域以外の画像領域である第2領域を、高い圧縮強度で圧縮する。このため、主被写体領域の周辺を、他の領域より高画質にすることができる。
【0030】
伸張部265は、外部メモリ160から読み出した圧縮済みの画像データを伸張する。伸張部265により伸張された画像データは、表示部138への表示に供される。ASIC135は、伸張された画像データに対して、上述した特徴領域の特定、領域分割、圧縮強度の決定等の領域設定をして再圧縮してもよい。
【0031】
図3は、圧縮部260のブロック構成の一例を示す。圧縮部260は、圧縮処理部270、合成制御部280、合成部290を有する。圧縮処理部270は、第1符号化部271および第2符号化部272を有する。
【0032】
圧縮処理部270は、圧縮強度決定部250が決定した圧縮強度に従って、各画像領域に圧縮符号化を施す。圧縮処理部270は、第1領域および第2領域を並行して圧縮する。具体的には、第1符号化部271は、第1領域を圧縮し、第2符号化部272は、第2領域を圧縮する。第1符号化部271および第2符号化部272は、それぞれ第1領域および第2領域を並行して圧縮する。
【0033】
圧縮処理部270は、画像領域をグルーピングする予め定められた数の符号化器を有する。本実施形態の撮像装置100のように、主被写体領域および周辺領域を含む第1領域、および、第1領域以外の第2領域にグルーピングする場合、圧縮処理部270には2つの符号化部が設けられる。
【0034】
一方、主被写体として第1主被写体と第2主被写体を設定する場合、第1主被写体の領域および第1主被写体の周辺領域を含む第1領域と、第2主被写体の領域および第2主被写体の周辺領域を含む第2領域と、第1領域および第2領域を除く第3領域との3つの領域にグルーピングしてよい。例えば主被写体として特定される数に1を加えた数の領域に画像領域をグルーピングしてよい。このように画像領域を3つの領域にグルーピングする場合、圧縮処理部270には3つの符号化器を設けてよい。例えば、主被写体として特定する数に1を加えた数の符号化器を、圧縮処理部270に設けてよい。
【0035】
合成制御部280は、第1領域を圧縮することにより生成された第1圧縮データと、第2領域を圧縮することにより生成された第2圧縮データとを、合成部290に供給する。合成部290は、第1圧縮データと第2圧縮データとを合成して、1つの画像データを圧縮した圧縮データを生成する。合成制御部280は、合成部290に第1圧縮データおよび第2圧縮データを合成させるタイミングを制御する。例えば、合成制御部280は、第1符号化部271および第2符号化部272から出力される圧縮データをバッファし、全符号化部から圧縮データが出力された場合に、合成部290に圧縮データを一斉に出力する。合成制御部280により、各領域の圧縮に要する時間差を吸収することができる。このように、合成制御部280は、合成部290における圧縮データの合成を制御する。
【0036】
図4は、画像領域のグルーピング例を示す。本例では、画像の一例としてのフレーム400から、特徴領域410aおよび特徴領域410bが抽出されている。
【0037】
分割部220は、特徴領域410aおよび特徴領域410b以外の領域を、部分領域420aおよび部分領域420bに分割する。例えば分割部220は、向き特定部210によって特定された被写体の移動方向に基づいて、部分領域420aおよび部分領域420bに分割する。被写体の移動方向は、動画を構成する他のフレームから同一被写体を示す像の位置を特定し、特定した位置から被写体像の移動方向を判定することにより、特定することができる。
【0038】
本例では、特徴領域410a内の被写体像の移動方向は右方向であり、特徴領域410b内の被写体像は移動していないと判定される。この場合、分割部220は、移動している被写体像を含む特徴領域410aよりも右方向に重心位置を持つ部分領域420aと、特徴領域410bを左右の中央に含む部分領域420bとの2つの部分領域に分割する。これにより、フレーム400の全体領域は、特徴領域410a、特徴領域410b、部分領域420aおよび部分領域420bの4個の画像領域に分割される。
【0039】
本例において、主被写体選択部230は、特徴領域410aおよび特徴領域410bのうち、特徴領域410aを主被写体領域として選択する。例えば、主被写体選択部230は、フォーカスポイントを含む特徴領域410aを主被写体領域として選択する。主被写体領域が選択されると、周辺領域選択部240は、特徴領域410aの右方向に重心位置が存在する部分領域420aを、周辺領域として選択する。すなわち、4個の画像領域は、特徴領域410aおよび部分領域420aを含む第1領域401と、特徴領域410bおよび部分領域420bを含む第2領域402とにグルーピングされる。
【0040】
圧縮強度決定部250は、第1領域401に適用する圧縮強度を、第2領域402に適用する圧縮強度よりも低く設定する。具体的には、圧縮強度決定部250は、第1領域401を符号化する場合に適用する量子化ステップの値を、第2領域402を符号化する場合に適用する量子化ステップの値よりも小さく設定する。これにより、主被写体および主被写体の周辺の領域を、他の領域よりも高画質に保つことができる。
【0041】
撮像装置100によれば、多くの特徴領域が検出された場合でも、主被写体が写り込んだ特徴領域を特に主被写体領域として選択する。このため、全特徴領域を一律に高画質化する場合と比較して、符号量を削減することができる。また、特に主要な被写体およびその周辺領域に符号量を多く割り上げることができる。
【0042】
図5は、画像領域の他のグルーピング例を示す。本例では、画像の一例としてのフレーム500から、特徴領域510aおよび特徴領域510bが抽出されている。
【0043】
分割部220は、特徴領域510aおよび特徴領域510b以外の領域を、3以上の部分領域520a〜eに分割する。本例では、特徴領域510a内の被写体像の移動方向は右方向であり、特徴領域510b内の被写体の移動方向は左方向であると判定される。この場合、分割部220は、特徴領域510aよりも右方向に重心位置を持つ領域(部分領域520a、520c、520d)と、特徴領域510bよりも左方向に重心位置を持つ領域(部分領域520e、520f、520g)と、特徴領域510aに対して被写体像の移動方向の反対方向である左方向に重心位置を持ち、かつ、特徴領域510bに対して被写体像の移動方向の反対方向である右方向に重心位置を持つ領域(部分領域520b)とに分割する。
【0044】
本例において、分割部220は、特徴領域510aよりも右方向に重心位置を持つ領域を、特徴領域510aの重心位置に対して上にシフトした重心位置を持つ部分領域520cと、特徴領域510aの重心位置に対して下にシフトした重心位置を持つ部分領域520dと、特徴領域510aの重心位置に対して右にシフトした重心位置を持つ部分領域520aとに分割する。同様に、分割部220は、特徴領域510bよりも左方向に重心位置を持つ領域を、特徴領域510bの重心位置に対して上にシフトした重心位置を持つ部分領域520fと、特徴領域510bの重心位置に対して下にシフトした重心位置を持つ部分領域520gと、特徴領域510bの重心位置に対して左にシフトした重心位置を持つ部分領域520eとに分割する。これにより、フレーム500の全体領域は、特徴領域510a、特徴領域510b、部分領域520a〜gの9個の画像領域に分割される。
【0045】
本例において、特徴領域510aが主被写体領域として選択された場合、周辺領域選択部240は、特徴領域510aの右方向に重心位置が存在する部分領域520aおよび特徴領域510aの左方向に重心位置が存在する部分領域520bを、周辺領域として選択する。すなわち、9個の画像領域は、特徴領域510a、部分領域520a、部分領域520bを含む第1領域501と、第1領域以外の領域である第2領域とにグルーピングされる。
【0046】
本例において、圧縮強度決定部250は、第1領域501に含まれる画像領域に適用する圧縮強度を異ならせる。例えば、圧縮強度決定部250は、特徴領域510aに適用する圧縮強度を、部分領域520aおよび部分領域520bに適用する圧縮強度より小さくする。したがって、圧縮部260は、主被写体領域である特徴領域510aより周辺領域を、高い圧縮強度で圧縮する。このため、第1領域501内において、他の領域よりも特徴領域510aの画質を高く保つことができる。
【0047】
なお、圧縮強度決定部250は、第1領域501以外の領域である第2領域に適用する圧縮強度を、画像領域毎に異ならせてもよい。例えば、圧縮強度決定部250は、特徴領域510bに適用する圧縮強度を、部分領域520eに適用する圧縮強度より小さくする。したがって、圧縮部260は、第2領域内の特徴領域510b以外の画像領域を、特徴領域510bの圧縮強度よりも高い圧縮強度で圧縮する。このため、第2領域内においては、特徴領域を他の領域より画質を高く保つことができる。なお、第1領域501に含まれる部分領域520aおよび部分領域520bに適用する圧縮強度は、特徴領域510bに適用する圧縮強度よりも小さくする。すなわち、第2領域に適用する圧縮強度は、第1領域501のいずれの画像領域に適用する圧縮強度よりも高く設定される。
【0048】
本例によれば、主被写体の移動方向の領域だけでなく主被写体が直前に存在した領域を、他の領域よりも高画質に保つことができる。また、動画を構成する複数のフレームのそれぞれについて特徴領域の特定、領域分割、グルーピング等の領域設定をしなくとも、主被写体の像を高画質化することができる場合がある。例えば、予め定められた数のフレーム毎に領域設定をして、前後のフレームに適用することができる場合がある。このため、領域設定に要する演算量を削減することができる場合がある。
【0049】
図6は、画像領域の更なる他のグルーピング例を示す。本例において、画像の一例としてのフレーム600から、特徴領域610aおよび特徴領域610bが抽出されている。
【0050】
本例において、特徴領域610aおよび特徴領域610bが一部で重なっている。この場合、主被写体領域として特定された特徴領域610aに含まれる領域については、特徴領域610bに含まれる場合でも、第1領域601として選択される。
【0051】
具体的には、主被写体領域として特定された特徴領域610aを基準として、各領域の圧縮強度を設定してよい。例えば、周辺領域選択部240は、特徴領域610a内の主被写体像の移動方向に基づき分割された部分領域620aおよび部分領域620bのうち、主被写体像の移動方向に重心位置を持つ部分領域620aを周辺領域として選択する。これにより、フレーム600の全体領域は、特徴領域610a、部分領域620aおよび部分領域620bの3個の画像領域に分割される。
【0052】
そして、周辺領域選択部240は、特徴領域610aの右方向に重心位置が存在する部分領域620aを、周辺領域として選択する。すなわち、3個の画像領域は、特徴領域610aおよび部分領域620aを含む第1領域601と、特徴領域610aを含まない第2領域とにグルーピングされる。そして、圧縮強度決定部250は、第1領域601に適用する圧縮強度を、第2領域に適用する圧縮強度よりも低く設定する。
【0053】
なお、本例では、特徴領域610aを基準として各領域の圧縮強度を設定するとした。しかし、主被写体領域として特定された特徴領域と一部で領域が重複する他の特徴領域が存在複する場合、主被写体選択部230は、主被写体領域として特定された特徴領域および他の特徴領域を包含する領域を、主被写体領域として選択してもよい。
【0054】
図7は、画像領域の更なる他のグルーピング例を示す。本例では、画像の一例としてのフレーム700から、一つの特徴領域710が抽出されている。
【0055】
本例において、分割部220は、特徴領域710a以外の領域を、部分領域720a〜dに分割する。本例では、特徴領域710a内の被写体像の移動方向は右方向であると判定される。この場合、分割部220は、特徴領域710aの重心位置に対して右にシフトした重心位置を持つ部分領域720aと、特徴領域710aの重心位置に対して被写体像の移動方向の反対方向である左にシフトした重心位置を持つ部分領域720bと、特徴領域710aの重心位置よりも上にシフトした重心位置を持つ部分領域720cと、特徴領域710aの重心位置よりも下にシフトした重心位置を持つ部分領域720dとに分割する。これにより、フレーム700の全体領域は、特徴領域710a、部分領域720a〜dの5個の画像領域に分割される。
【0056】
本例において、周辺領域選択部240は、特徴領域710aの右方向に重心位置が存在する部分領域720aおよび特徴領域710aの左方向に重心位置が存在する部分領域720bを、周辺領域として選択する。すなわち、5個の画像領域は、特徴領域710a、部分領域720a、部分領域720bを含む第1領域701と、第1領域以外の領域である第2領域とにグルーピングされる。
【0057】
本例によれば、図5の例と同様に、主被写体の移動方向の領域だけでなく主被写体が直前に存在した領域を、他の領域よりも高画質に保つことができる。このため、領域設定に要する演算量を削減することができる場合がある。なお、分割部220は、動画における主被写体の移動速度が速いほど、移動方向に位置する部分領域の幅および移動方向の反対方向に位置する部分領域の幅を大きく決定してもよい。ここで、部分領域の幅とは、移動方向の幅であってよい。
【0058】
なお、図4から図7に関連して被写体の移動方向として、画像内の右方向または左方向を例示した。例えば、動画において被写体像が上方向に移動する場合には、周辺領域選択部240は、主被写体領域に対して上方向に重心位置を持つ部分領域を周辺領域として選択してよい。また、部分領域が左右方向にも分割されている場合、周辺領域選択部240は、主被写体領域に対して下にシフトした重心位置を持つ部分領域を周辺領域として更に選択してよい。以上の例では、左右方向、上下方向に被写体が移動する場合の領域設定について説明したが、斜め方向に被写体が移動する場合にも同様の領域設定を適用できることは言うまでもない。例えば、主被写体領域に対して被写体の移動方向に重心位置を持つ部分領域を、周辺領域として選択するようにすればよい。
【0059】
なお、隣接する画像領域に異なる圧縮強度を適用する場合、当該隣接する画像領域の境界で圧縮強度の変化幅が予め定められた値以下になるよう、境界に接する一部領域の圧縮強度を漸増または漸減させてよい。例えば、圧縮部260は、第1領域および第2領域の境界の領域に適用する圧縮強度を漸減または漸増させることにより、第1領域および第2領域の境界の領域における圧縮強度の差を予め定められた値以下にしてよい。例えば、圧縮部260は、第2領域に隣接する第1領域内の一部の領域において、圧縮強度を境界に向けて漸増させてよい。圧縮部260は、第1領域に隣接する第2領域内の一部の領域において、圧縮強度を境界に向けて漸減させてよい。
【0060】
図8は、撮像装置100の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、操作入力部141の一部としての電源ボタンがONされた場合に、開始される。本フローは、カメラMPU133が主体となって撮像装置100の各部を制御することにより実行される。
【0061】
ステップS800において、カメラMPU133は、初期設定を開始する。例えば、カメラMPU133は、撮像装置100を制御するための各種パラメータ等を、システムメモリ139からSDRAM136に展開する。そして、カメラMPU133は、例えば撮像モードスイッチ等を含む操作入力部141の状態、および、展開された各種パラメータに基づき、撮像装置100の各部の動作条件を設定する。例えば、撮像モードスイッチの位置に応じて、撮像モードを設定する。また、撮像モードに応じて、撮像条件や画像処理条件を設定する。例えば、撮像モードとしては、人物撮影に適した人物撮影モード、動物撮影に適した動物撮影モード等を例示することができる。
【0062】
続いて、ステップS802において、表示部138への表示を行う。例えば、カメラMPU133は、撮像モード、撮像条件および画像処理条件等を識別する設定情報を、表示部138に表示させる。
【0063】
続いて、ステップS804において、カメラMPU133は、操作入力部141に対するユーザ指示を判断する。ユーザ指示が諸設定を実行する指示である場合、カメラMPU133が主体となって、指示された設定処理を行う(ステップS806)。設定処理としては、撮像モードを設定する処理、撮像条件を設定する処理、画像処理条件を設定する処理、動画撮影におけるフレームレートを設定する処理、上述した主被写体が存在すべき領域をユーザが指定する処理等を例示することができる。
【0064】
ステップS804において、ユーザ指示が撮像実行に関する指示であると判断された場合、撮像実行に関する処理を行う(ステップS812)。撮影実行に関する指示としては、ライブビューボタン、動画撮影ボタン、レリーズボタンに対する操作等を例示することができる。ステップS804におけるユーザ指示が画像の再生を実行する指示である場合、再生処理を実行する(ステップS822)。再生処理としては、外部メモリ160に記録された画像をサムネイル表示する処理、ユーザにより指示された画像を表示する処理等を例示することができる。
【0065】
ステップS804においてユーザ指示がない場合は、環境光を測光する測光処理を行う(ステップS832)。例えば、環境光の測光結果に基づき適正露出値を決定する。本測光処理は一定の時間間隔で実行され、現在の適正露出値が決定される。ステップS832で決定した現在の露出値を示す情報は、表示部138にリアルタイムに表示され、ユーザに提示される。
【0066】
ステップS806、ステップS812、ステップS822、ステップS832の処理が完了すると、ステップS808に進み、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、電源ボタンがOFF位置に切り替えられた場合や、電源がONされてから予め定められた期間、ユーザ指示無しの状態が継続した場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFすると判断した場合は動作を終了し、電源をOFFしないと判断した場合はステップS804に処理を移行させる。
【0067】
図9は、動画撮影における動作フローの一例を示す。本例では、ステップS812の一部の処理として、動画撮影が指示された場合の動作フローを示す。本フローは、動画撮影ボタンが押し込まれた場合に、開始される。
【0068】
ステップS902において、カメラMPU133が撮像装置100の各部に動画撮影を指示することにより、動画撮影が開始される。動画撮影が開始されると、フレームがSDRAM136に順次に取り込まれる。ASIC135において、画像処理対象のフレームがSDRAM136に取り込まれているか否かが判断される(ステップS904)。
【0069】
画像処理対象のフレームが取り込まれた場合、特徴領域特定部200により1以上の特徴領域の特定(ステップS906)と、向き特定部210による被写体の向きの特定(ステップS908)とが行われる。
【0070】
ステップS910において、分割部220は、特徴領域特定部200が特定した特徴領域以外の領域を、複数の部分領域に分割する。分割部220は、上述したように、特徴領域内の被写体の移動方向に基づいて、複数の部分領域に分割する。これにより、フレームの全体領域は、1以上の特徴領域および複数の部分領域により複数の画像領域に分割される。
【0071】
ステップS912において、主被写体選択部230は、1以上の特徴領域の中から、主被写体領域を選択する。続いてステップS914において、周辺領域選択部240は、部分領域の中から周辺領域を選択する。周辺領域選択部240は、上述したように主被写体領域内の被写体の移動方向に基づいて、複数の部分領域のうちの一部の部分領域を周辺領域として選択する。これにより、複数の画像領域は、主被写体領域および周辺領域を包含する第1領域、および、第1領域以外の第2領域の2つの領域にグルーピングされる。
【0072】
続いて、圧縮強度決定部250は、グルーピングされた各領域を選択して(ステップS916)、それぞれに圧縮強度を決定する。具体的には、圧縮強度決定部250は、主被写体領域および周辺領域のいずれかに属する領域には、予め定められた値以下の圧縮強度を設定し(ステップS918)、主被写体領域および周辺領域のいずれにも属さない領域には、予め定められた値より大きい圧縮強度を設定する(ステップS920)。
【0073】
続いて、ステップS922において、圧縮部260は、圧縮強度決定部250が決定した圧縮強度に従って各領域を圧縮する。本処理の詳細については、図10に関連して後述する。
【0074】
続いて、ステップS924において、動画撮影の処理を終了するか否かを判断する。例えば、動画撮影ボタンが再度押し込まれ、かつ、画像処理対象のフレームが存在しない場合に、動画撮影の処理を終了すると判断する。動画撮影の処理を終了すると判断された場合、本動作フローを終了する。動画撮影の処理を終了しないと判断された場合、ステップS904に処理を進める。
【0075】
図10は、圧縮部260がフレームを圧縮する動作フローの一例を示す。本フローは、図9のステップS922における詳細な動作フローである。ステップS11002において、圧縮部260は、SDRAM136からフレームを読み出す。続いて、第1符号化部271に主要被写体領域および周辺領域を包含する第1領域のデータが供給され(ステップS1004)、第2符号化部272に第2領域のデータが供給される(ステップS1006)。
【0076】
第1符号化部271では、第1領域のデータに対して、例えば量子化を含む符号化処理が行われる。第1符号化部271では、DCT変換、フレーム間圧縮またはフレーム内圧縮等の符号化処理が行われてもよい。第2符号化部272では、第2領域のデータに対して、第1符号化部271と同様の符号化処理が行われる。第1符号化部271および第2符号化部272は、例えば圧縮強度決定部250が各領域について決定した圧縮強度に対応する量子化ステップの値を適用して、それぞれの領域に対して量子化を行う。第1符号化部271および第2符号化部272によりそれぞれ符号化された各領域のデータは、圧縮データとしてSDRAM136に一時的に記憶される。第1符号化部271および第2符号化部272が符号化を完了した場合、符号化が完了した旨を合成制御部280に通知する。
【0077】
ステップS1008において、合成制御部280は、第1符号化部271および第2符号化部272の両方の符号化が完了したか否かを判断する。第1符号化部271および第2符号化部272の少なくとも一方の符号化が完了していない場合、ステップS1008の判断を繰り返す。第1符号化部271および第2符号化部272の両方から符号化の完了通知があった場合、合成制御部280は、SDRAM136に一時的に記憶された各領域の圧縮データを合成部290に供給して合成させる(ステップS1010)。続いて、合成部290が圧縮データを合成することで生成された1つのフレームの圧縮データが、SDRAM136に記憶され(ステップS1012)、本動作フローは終了する。
【0078】
以上に説明した撮像装置100によれば、全体の符号量を削減しつつ、主被写体の周辺領域の画質を高画質に保つことができる。以上の説明では、動画を構成する画像の一例としてのフレームを圧縮する場合を特に取り上げて、撮像装置100の各部の動作を説明した。しかし、画像としては動画を構成するフレームに限らず、静止画を適用の対象とすることができる。
【0079】
本実施形態の撮像装置100に関連して説明した処理は、撮像装置100の各部、例えばカメラMPU133等のプロセッサがプログラムに従って動作することにより、実現することができる。すなわち当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体を読み込むことによって、当該プログラムをロードすることができる。
【0080】
本実施形態において、レンズ交換式の一眼レフカメラとしての撮像装置100を取り上げて説明した。撮像装置としては、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能付きのゲーム機器等の娯楽装置等、撮像機能を有する種々の機器を適用の対象とすることができる。また、ASIC135における処理として説明した画像処理に対応する画像処理を実行する機器として、パーソナルコンピュータの他、記録機能付きのテレビ、レコーダ等の画像記録装置を適用の対象とすることができる。また、処理対象とする画像データは、RAW画像のように実質的な画像処理が施されていない画像データだけでなく、圧縮等の種々の画像処理が施された画像データであってもよい。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0083】
100 撮像装置、120 交換レンズ、121 レンズマウント接点、130 カメラ本体、131 カメラマウント接点、122 レンズ群、132 撮像素子、123 レンズMPU、133 カメラMPU、134 A/D変換器、135 ASIC、136 SDRAM、137 表示制御部、138 表示部、139 システムメモリ、140 駆動部、141 操作入力部、145 接続インタフェース、170 電源、160 外部メモリ、200 特徴領域特定部、210 向き特定部、220 分割部、230 主被写体選択部、240 周辺領域選択部、250 圧縮強度決定部、260 圧縮部、270 圧縮処理部、271 第1符号化部、272 第2符号化部、280 合成制御部、290 合成部、400、500、600、700 フレーム、410、510、610、710 特徴領域、420、520、620、720 部分領域、401、501、601、701 第1領域、402 第2領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像内の複数の画像領域の中から、主被写体の像を含む画像領域である主被写体領域を選択する主被写体領域選択部と、
前記主被写体領域の周辺の画像領域である周辺領域を選択する周辺領域選択部と、
前記主被写体領域および前記周辺領域の画像領域である第1領域より、前記第1領域以外の画像領域である第2領域を、高い圧縮強度で圧縮する圧縮部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記画像における複数の特徴領域を特定する特徴領域特定部
をさらに備え、
前記主被写体領域選択部は、前記複数の特徴領域のうちの一部の特徴領域を、前記主被写体領域として選択する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記圧縮部は、前記主被写体領域より前記周辺領域を高い圧縮強度で圧縮する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記圧縮部は、前記第2領域内の前記特徴領域以外の画像領域を、当該特徴領域の圧縮強度よりも高い圧縮強度で圧縮する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記複数の特徴領域以外の領域を複数の部分領域に分割することにより、前記画像を、前記複数の特徴領域および前記複数の部分領域を含む複数の画像領域に分割する分割部
をさらに備え、
前記周辺領域選択部は、前記分割部により分割された前記複数の部分領域のうち、前記主被写体領域の位置により近い部分領域を、前記周辺領域として優先して選択する
請求項2から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記周辺領域選択部は、前記主被写体の向きに位置する画像領域を、前記周辺領域として選択する
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記主被写体領域選択部は、動画を構成する画像内の複数の画像領域から、前記主被写体領域を選択する
請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記主被写体領域選択部は、前記複数の画像領域の中から、フォーカスポイントを含む画像領域を前記主被写体領域として選択する
請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記圧縮部は、前記第1領域および前記第2領域の境界の領域に適用する圧縮強度を漸減または漸増させることにより、前記第1領域および前記第2領域の境界における圧縮強度の差を予め定められた値以下にする
請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記圧縮部は、
前記第1領域および前記第2領域を並行して圧縮する圧縮処理部と、
前記第1領域を圧縮することにより生成された第1圧縮データと、前記第2領域を圧縮することにより生成された第2圧縮データとを合成する合成部と、
前記合成部に前記第1圧縮データおよび前記第2圧縮データを合成させるタイミングを制御する合成制御部と、
を有する請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記画像を撮像する撮像部と、
請求項1から10のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
を備える撮像装置。
【請求項12】
画像内の複数の画像領域の中から、主被写体の像を含む画像領域である主被写体領域を選択するステップと、
前記主被写体領域の周辺の画像領域である周辺領域を選択するステップと、
前記主被写体領域および前記周辺領域の画像領域である第1領域より、前記第1領域以外の画像領域である第2領域を、高い圧縮強度で圧縮するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−9022(P2013−9022A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138265(P2011−138265)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】