説明

画像処理装置、撮影編集装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体

【課題】ユーザが所望する縦横比で、かつ、ユーザが所望する部分を切り抜くことのできる画像処理装置などを提供する。
【解決手段】写真撮影プリント装置の制御部10は、撮影画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、撮影画像から送信原画像を作成する送信原画像作成部17を備える。設定枠は、対応枠から、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し可能である。送信原画像作成部17は、撮影画像を、対応枠内かつ設定枠内の画像に変換する撮影画像変換部171と、対応枠外かつ設定枠内の画像領域を補填するための補填画像を作成する補填画像作成部172とを備えており、撮影画像変換部171が変換した画像と、補填画像作成部172が作成した画像とを含む画像を新画像としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、元画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記元画像から新画像を作成する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばゲームセンターなどの娯楽施設において、ユーザの写真撮影を行うとともに、その写真を背景画像などと合成した上でシールプリントとして出力する写真撮影プリント装置が設置されており、特に女子高生の間で人気を博している。
【0003】
また、この写真撮影プリント装置では、例えば、写真撮影が行われた後に、表示画面上に表示させた撮影画像に対して、タッチペンなどのポインティングデバイスによって落書き等の編集処理を施すことが可能となっている機種が普及している。この編集処理機能によって、ユーザは撮影画像に対して、例えば背景の色や模様を変更したり、文字やイラストなどを書き込んだりすることが可能となる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
さらに、これら撮影画像に編集処理を施した合成画像をユーザの携帯電話機等の携帯端末に送信するサービスも行われており、写真撮影プリント装置を利用した後も、ユーザは携帯端末で合成画像を利用できるような工夫がなされている(例えば特許文献2参照)。通常、上記サービスは、写真撮影プリント装置からインターネット上のサーバに上記合成画像を送信しておき、ユーザが携帯端末から上記サーバにアクセスすることにより行われている。上記サービスも好評を博しており、最近では大半のユーザが利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−069404号公報(2000年03月03日公開)
【特許文献2】特開2001−313913号公報(2001年11月09日公開)
【特許文献3】特開2007−194734号公報(2007年08月02日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記合成画像のアスペクト比は、例えば、紙の加工仕上り寸法系列であるA判およびB判のアスペクト比と同じ21/2:1、正方形のアスペクト比である1:1などのように、固定されていることが一般的である。しかしながら、合成画像が送信される携帯電話機の表示画面は、現在のところ種々のアスペクト比が混在している。例えば、QVGA(Quarter-VGA)モードが可能な機種はアスペクト比が4:3であり、WQVGA(Wide-QVGA)モードが可能な機種はアスペクト比が5:3である。さらに、特別なアスペクト比を有する機種も存在する。
【0007】
また、携帯電話機のユーザは、受信した合成画像をインターネット上のサイトにアップロードする場合があるが、サイトによっては画像サイズが制限される場合がある。この画像サイズのアスペクト比は、例えば1:1など、サイトによって様々である。
【0008】
従って、上記サービスは、上記写真撮影プリント装置または上記サーバにて、上記合成画像のアスペクト比と異なるアスペクト比であって、ユーザが所望するアスペクト比に上記合成画像を変換することが望ましい。この変換方法としては、例えば、上記アスペクト比に適合するように、上記合成画像を拡大または縮小することが考えられる。しかしながら、この場合、縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるため、変換後の合成画像は、歪んだ画像となり、見映えが悪い。
【0009】
この問題点に対し、特許文献3では、携帯電話機の表示画面のアスペクト比に適合するように上記合成画像を切り抜いたり、上記合成画像を当該アスペクト比のフレーム画像に嵌め込み合成したりしている。しかしながら、上記切抜きの場合、上記合成画像においてユーザの所望する画像領域が、当該アスペクト比と異なるために欠落して、ユーザが失望する虞がある。また、上記嵌め込み合成の場合、上記フレーム画像の中に上記合成画像が含まれるので、上記合成画像においてユーザの所望する画像領域は、嵌め込み合成された画像全体に対する割合が小さくなり、ユーザが失望する虞がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが所望する縦横比で、かつ、ユーザが所望する部分を切り抜くことのできる画像処理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像処理装置は、元画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記元画像から新画像を作成する画像作成手段を備える画像処理装置であって、上記課題を解決するために、前記設定枠は、前記対応枠から、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し可能であり、前記画像作成手段は、前記元画像を、前記対応枠内かつ前記設定枠内の画像に変換する元画像変換手段と、前記対応枠外かつ前記設定枠内の画像領域を補填するための補填画像を作成する補填画像作成手段とを備えており、前記元画像変換手段が変換した画像と、前記補填画像作成手段が作成した画像とを含む画像を前記新画像とすることを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る画像処理方法は、元画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記元画像から新画像を作成する画像処理方法であって、上記課題を解決するために、前記設定枠は、前記対応枠から、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し可能であり、前記元画像を、前記対応枠内かつ前記設定枠内の画像に変換する元画像変換ステップと、前記対応枠外かつ前記設定枠内の画像領域を補填するための補填画像を作成する補填画像作成ステップとを含んでおり、前記元画像変換ステップにて変換された画像と、前記補填画像作成ステップにて作成された画像とを含む画像を前記新画像とすることを特徴としている。
【0013】
上記構成によると、新画像は、ユーザが設定した設定枠の縦横比となる。従って、ユーザが所望する縦横比の画像を新画像として取得することができる。また、元画像においてユーザの所望する画像領域の縦横比が設定枠の縦横比と異なっていても、設定枠を対応枠からはみ出させることにより、当該画像領域を設定枠内に収めることができる。従って、元画像においてユーザの所望する画像領域が、新画像において欠落することを防止できる。また、設定枠は、前記対応枠からはみ出す場合、縦方向および横方向の何れか一方であるので、両方にはみ出す場合に比べて、設定枠内の補填画像の占める割合が少なく、設定枠内に収められた当該画像領域の占める割合が大きい。その結果、ユーザの失望を回避することができる。
【0014】
なお、設定枠に関して、ユーザが設定枠を直接設定してもよいし、ユーザが縦横比を設定し、設定された縦横比に基づいて設定枠を自動的に設定してもよい。また、補填画像としては、白一色の画像、黒一色の画像、ユーザが選択した画像など、任意の画像を選択できる。
【0015】
本発明に係る画像処理装置では、ユーザに画像を表示するための外部の表示装置を制御する表示制御手段をさらに備えており、該表示制御手段は、前記元画像を前記対応枠内の画像に変換した画像に、前記設定枠を合成して表示するように前記表示装置を制御することが好ましい。この場合、元画像を変換した画像と、設定枠との位置関係をユーザが容易に把握でき、その結果、新画像をユーザが容易に推定することができる。
【0016】
本発明に係る画像処理装置では、前記補填画像を編集する編集手段をさらに備えており、前記画像作成手段は、前記変換された画像と、前記編集手段が編集した補填画像とを含む画像を新画像としてもよい。この場合、補填画像に対しユーザが所望する編集を行うことができるので、ユーザの娯楽性を向上することができる。なお、元画像を変換した画像に対しても編集可能であってもよい。この場合、ユーザの娯楽性がさらに向上する。
【0017】
なお、被写体を撮影した撮影画像に編集処理を施して編集画像を作成することにより、前記撮影画像に前記編集画像を合成した合成画像を提供する撮影編集装置であって、前記撮影画像または前記合成画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記撮影画像または前記合成画像から新たな画像を作成する上記構成の画像処理装置を備えることを特徴とする撮影編集装置であれば、上述と同様の効果を奏することができる。
【0018】
なお、上記画像処理装置における各手段を、画像処理プログラムによりコンピュータに実行させることができる。さらに、上記画像処理プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記画像処理プログラムを実行させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係る画像処理装置は、ユーザが所望する縦横比の画像を新画像として取得できるという効果と、元画像においてユーザの所望する画像領域の縦横比が設定枠の縦横比と異なっていても、設定枠を対応枠からはみ出させることにより、当該画像領域を設定枠内に収めることができるので、元画像においてユーザの所望する画像領域が、新画像において欠落することを防止できるという効果と、設定枠が前記対応枠からはみ出す場合、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出すので、両方にはみ出す場合に比べて、設定枠内の補填画像の占める割合が少なく、設定枠内に収められた当該画像領域の占める割合が大きく、その結果、ユーザの失望を回避できるという効果とを奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る合成画像提供システムにおける写真撮影プリント装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記合成画像提供システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記写真撮影プリント装置の外観を示す斜視図である。
【図4】上記写真撮影プリント装置の編集部の正面図である。
【図5】上記写真撮影プリント装置の印刷部の正面図である。
【図6】上記写真撮影プリント装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】上記合成画像提供システムにおける画像保管サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図8】上記写真撮影プリント装置の要部構成を示すブロック図である。
【図9】上記写真撮影プリント装置に表示される印刷用編集画面の一例を示す図である。
【図10】上記写真撮影プリント装置に表示される画像サイズ設定画面の一例を示す図である。
【図11】上記写真撮影プリント装置に表示される報知画面の一例を示す図である。
【図12】上記写真撮影プリント装置に表示される送信用編集画面の一例を示す図である。
【図13】上記写真撮影プリント装置に表示される警告画面の一例を示す図である。
【図14】上記写真撮影プリント装置に表示される画像サイズ設定画面の別の例を示す図である。
【図15】上記写真撮影プリント装置に表示される送信用編集画面の別の例を示す図である。
【図16】上記写真撮影プリント装置に表示される画像サイズ設定画面の他の例を示す図である。
【図17】上記写真撮影プリント装置に表示される送信用編集画面の他の例を示す図である。
【図18】上記合成画像提供システムの各構成における処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】上記処理における画像編集処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の一形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0022】
(システムの全体構成)
図2は、本実施形態に係る合成画像提供システム100の構成の概略を示すブロック図である。同図に示すように、合成画像提供システム100は、複数の写真撮影プリント装置(撮影編集装置)1、画像保管サーバ200、および複数の携帯電話機(通信端末)300を備えた構成となっている。
【0023】
写真撮影プリント装置1は、ユーザの写真を撮影する機能(撮影機能)、撮影した写真に対して落書きなどの編集をユーザに行わせる機能(編集機能)、および編集された画像をプリントする機能(プリント機能)を備えているものである。なお、これらの機能は全て必須であるものではなく、例えばプリント機能が省かれた構成とすることも可能である。
【0024】
そして、写真撮影プリント装置1は、ユーザから料金を徴収することによって、上記のような機能をユーザに提供するようになっている。また、各機能に対して制限時間が設けられており、ユーザはこの制限時間内で各機能を利用することになる。
【0025】
画像保管サーバ200は、各写真撮影プリント装置1から撮影画像に対して編集処理が行われた画像である合成画像情報と、ユーザから入力されたメールアドレスの情報、ユーザの識別情報(ユーザID)などを含む付加情報とを受信して記憶するものである。そして、画像保管サーバ200は、携帯電話機300からのアクセスに応じて、上記合成画像情報を該携帯電話機300に送信するものである。
【0026】
なお、画像保管サーバ200と各写真撮影プリント装置1との間は、通信媒体400によって通信接続されている。この通信媒体としては、例えばPHS電話網と専用線接続との組合せなどが挙げられるが、通信形態については特に限定されるものではない。また、画像保管サーバ200と各携帯電話機300との間は、同様に通信媒体401によって通信接続されている。この通信媒体としては、例えば無線電話網とインターネットとの組合せなどが挙げられるが、通信形態については特に限定されるものではない。
【0027】
携帯電話機300は、例えば携帯電話網やPHS(登録商標:Personal Handyphone System)電話網などの無線電話網による電話機能を有するとともに、該無線電話網を用いたデータ通信機能および情報処理機能を有する情報処理端末である。なお、本発明に適用される情報処理端末は、携帯型電話機に限定されるものではなく、有線無線を問わず画像保管サーバ200とデータ通信が可能であり、かつ情報処理を行うことが可能な情報処理端末であれば、どのような装置であってもよい。
【0028】
また、本実施形態では、ユーザの携帯電話機300のメールアドレスをユーザにより入力させるものであるとするが、例えば、写真撮影プリント装置1が携帯電話機300から直接読み取り可能に設けられていても構わない。この場合には、写真撮影プリント装置1と携帯電話機300とが近距離無線通信を行うものとする。これらの装置には、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a,11b,11gなどに準拠した無線LAN(Local Area Network)モジュールやBluetooth(登録商標)モジュール、あるいは、赤外線を介しての通信を行うモジュールなどよりなる近距離通信部を有しており、互いに近距離無線通信を行うことが可能とされている。しかし、これに限定されず、写真撮影プリント装置1と携帯電話機300とは、また、例えばUSBケーブル等の有線で接続される構成であってもかまわない。あるいは、近距離無線通信を行わず、画像保管サーバ200及び写真撮影プリント装置1を接続する上記した広域ネットワークを介して接続するようになっていてもよい。
【0029】
(合成画像提供システムの利用形態)
合成画像提供システム100の利用形態について概略的に説明する。ユーザは、娯楽施設などに設置されている写真撮影プリント装置1を用いてゲームを行う。このゲームにおいて、ユーザは、写真撮影を行い、撮影画像に対する編集処理として、いわゆる落書きといった、撮影画像に編集画像を書き込む処理を行う。この編集処理の一環として、ユーザは、フレーム画像を選択して書き込み、専用のペンで思い思いの絵や文字を書き込み、あるいはスタンプを選択してスタンプの模様を、撮影画像に合成する。なお、この編集画像には動画を含んでもよい。
【0030】
そして、撮影画像に編集画像を合成した合成画像を、写真撮影プリント装置1がプリントして出力することで、ユーザは、そのプリント物をゲームの成果として得ることができる。また、合成画像提供システム100では、ユーザは携帯電話機300に合成画像を送信することができる。この場合、ユーザは、携帯電話機300のメールアドレスを写真撮影プリント装置1に登録(入力)することで、写真撮影プリント装置1は、合成画像情報、および、付加情報を画像保管サーバ200に送信する。以上により、写真撮影プリント装置1でのユーザのゲームは終了する。
【0031】
画像保管サーバ200は、写真撮影プリント装置1から送られてくる合成画像情報、および、付加情報を互いに対応付けて記憶する。そして、画像保管サーバ200は、ユーザのメールアドレスに対して、合成画像を取得することができるページのアドレス情報を示したメールを送信する。ユーザは、自己の携帯電話機300を用いて、受信したメールに示されたアドレスのページにアクセスし、合成画像を取得することによって該合成画像を携帯電話機300において表示させる。
【0032】
また、写真撮影プリント装置1は、合成画像情報、および、付加情報を画像保管サーバ200に送信する際、これらの対応付けを可能とする対応付け情報を送信データに含めることが好ましい。対応付け情報は、各情報のデータに含められて送信されてもよいし、各情報のデータとは別に送信されてもよい。
【0033】
本実施形態では、写真撮影プリント装置1は、撮影画像(元画像)の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、撮影画像から送信原画像(新画像)を作成し、作成された送信原画像に対し編集処理を施した送信画像の情報を上記合成画像情報として画像保管サーバ200に送信している。ここで、上記設定枠は、上記対応枠から、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し可能である。また、撮影画像から送信原画像を作成するとき、撮影画像を、上記対応枠内かつ上記設定枠内の画像に変換する一方、上記対応枠外かつ上記設定枠内の画像領域を補填するための補填画像を作成し、変換された画像と作成された補填画像とを含む画像を上記送信原画像としている。
【0034】
上記構成によると、送信原画像は、ユーザが設定した設定枠の縦横比となる。従って、ユーザが所望する縦横比の画像を送信原画像として取得することができる。また、撮影画像においてユーザの所望する画像領域の縦横比が設定枠の縦横比と異なっていても、設定枠を対応枠からはみ出させることにより、当該画像領域を設定枠内に収めることができる。従って、撮影画像においてユーザの所望する画像領域が、送信原画像において欠落することを防止できる。また、設定枠は、前記対応枠からはみ出す場合、縦方向および横方向の何れか一方であるので、両方にはみ出す場合に比べて、設定枠内の補填画像の占める割合が少なく、設定枠内に収められた当該画像領域の占める割合が大きい。その結果、ユーザの失望を回避することができる。
【0035】
(写真撮影プリント装置の外観)
次に、写真撮影プリント装置1の外観構成について、図3〜図5を参照しながら以下に説明する。図3は、写真撮影プリント装置1の斜視図である。この写真撮影プリント装置1は、ユーザの写真を撮影する撮影部2と、撮影した写真(撮影画像)に対して落書きなどの編集をユーザに行わせる編集部3と、ユーザが編集を行った写真(編集画像)をプリント紙に出力する印刷部4とを有している。図3の(a)は写真撮影プリント装置1における撮影部2側からの外観を示し、図3の(b)は編集部3および印刷部4側からの外観を示している。
【0036】
図4は、編集部3aの正面図である。なお、編集部3bの構成は、編集部3aと同様であるので、ここでは図示しない。編集部3bは、編集部3aの対面に設けられている。以下では、まとめて編集部3として説明する。
【0037】
編集部3は、ユーザが撮影部2による撮影工程を終了した後に、撮影画像に対して落書きなどの編集工程を実行するためのものであり、タッチパネル部31、タッチペン32、および、音声出力部33などで構成される。編集部3の各部は、制御部(画像処理装置、表示制御手段)10によって制御される。上述の各部の詳細については後述する。
【0038】
図5は、印刷部4の正面図である。本実施形態では、編集部3aおよび編集部3bの側面に印刷部4を設けており、したがって、図5は、編集部3の側面を表している。印刷部4は、ユーザが編集部3による編集工程を終了した後の編集画像をシール紙にプリントして、プリントしたシール紙を排出するものである。本実施形態では、編集部3側面に、プリント排出口44aおよび44bが設けられており、編集部3aにて編集が行われた編集画像のシール紙は、プリント排出口44aから排出され、編集部3bにて編集が行われた編集画像のシール紙は、プリント排出口44bから排出される。
【0039】
上述のような構成の写真撮影プリント装置1において、ユーザは、まず撮影部2が備えられた撮影空間に入って撮影工程を実行し、その後、編集部3(編集部3aまたは編集部3b)が備えられた編集空間に移動して編集工程を実行し、印刷部4により撮影画像または編集画像のプリントされたシール紙を印刷空間にて受け取る、という流れでゲームの一連の工程を楽しむ。
【0040】
以上のように、写真撮影プリント装置1は、撮影部2と編集部3とが別の空間に設けられている。よって、一組のユーザが編集部3において編集処理を行っている時でも、他のユーザが撮影処理を開始することが可能となっている。これにより、回転率を向上させることが可能である。
【0041】
なお、編集部3における編集処理には、基本的には制限時間が設けられている。これに対して、別の利用者が撮影処理に入るまで編集処理時間を無制限にし、他のユーザが撮影処理を開始した時点から、編集処理に制限時間を設けるようにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1は図3の(a)および(b)に示すとおり、編集部3を2つ備える構造となっており、第1の編集部3aと第2の編集部3bとが対面に設置されている。このように、編集部3を撮影部2よりも多く設けることで、ボトルネックとなっている編集工程に係る処理時間を分散し、回転率を向上させることが可能である。しかし、本発明の写真撮影プリント装置1は、上述の構成に限定されない。編集部3の設置位置は特に限定しないし、また、設置数も、編集部3を1つ設ける構成としてもよいし、設置場所が確保できれば、3つ以上の編集部3を設けるようにしてもよい。
【0043】
(写真撮影プリント装置の構成−概要)
次に、図6を用いて、写真撮影プリント装置1における制御部10および写真撮影プリント装置1の各部の動作について説明する。図6は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1の要部構成を示すブロック図である。図示のように、写真撮影プリント装置1は、撮影部2、編集部3、印刷部4、通信部6、制御部10、および、記録部50を備えた構成である。
【0044】
制御部10は、写真撮影プリント装置1が備える上述の各部の動作を統括的に制御するものである。この制御部10は、例えばPC(personal computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。
【0045】
このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御部10がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0046】
写真撮影プリント装置1は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される記録部50を備える。この記録部50に記憶される内容としては、上記制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他の各種プログラム、カメラ部23における動作設定値、撮影画像および編集画像の画像データなどが挙げられる。上記カメラ部23における動作設定値としては、写真撮影プリント装置1出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0047】
撮影部2は、撮影工程を実行するものであり、硬貨処理部21、照明部22、カメラ部23、撮影画像表示部24、カメラ画像表示部25、および、操作部26により構成されている。なお、ここには図示しないが、撮影部2には、ユーザに或る動作を促すよう音声案内を行うための音声出力部が含まれていてもよい。
【0048】
硬貨処理部21は、ユーザから料金の徴収を行う際の硬貨投入/返却処理を行うものである。所定の硬貨が投入されたと判定すると、制御部10に通知する。そして、制御部10は、硬貨処理部21からの通知を受け取ると、課金処理を行う。すなわち、制御部10は、硬貨処理部21からの通知をカウントし、ユーザが投入した金額に応じて、ユーザに対する各種動作を制御する。
【0049】
照明部22は、撮影時にストロボランプなどの写真閃光灯として機能するとともに、通常時の照明として機能するものである。本実施形態では、光源としてフラッシュランプを使用しているが、蛍光灯などのような連続光を発する光源を使用することもできる。また、フラッシュランプの近傍に蛍光灯などを補助光源として設けることもできる。連続光の光源や補助光源を使用することにより、撮影前のライブビュー画像から撮影時の写りを推測することができる。
【0050】
カメラ部23は、主にユーザを被写体として写真撮影を行うものであり、例えばレンズ群、絞り、CCD(charge coupled device)撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。カメラ部23は、全身撮影とクローズアップ撮影との両方に対応できるように、例えば使用するレンズ群および絞りを切り替えられるような構成となっている。
【0051】
撮影画像表示部24は、ユーザにユーザインターフェイスを提供するものであり、各種画像や各種操作ボタン等を表示する。操作部26は、写真撮影プリント装置1に対するゲームの操作をユーザが行うための指示信号を入力する入力デバイスである。本実施形態では、操作部26を撮影画像表示部24と一体としたタッチパネルとして実現する。すなわち、撮影画像表示部24に、操作ボタンなどのGUI画面を表示する。撮影画像表示部24の表示画面がユーザの指(または、タッチペンなどのポインティングデバイス)により押下されることにより、その位置に対応するボタンや画像を示す指示信号が、写真撮影プリント装置1内部に入力される。
【0052】
撮影画像表示部24は、例えば、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイやCRTなどの表面にタッチパネルが設けられて構成されている。カメラ部23が撮影した撮影画像を撮影画像表示部24に表示することにより、ユーザは、撮影画像を確認することができる。なお、本実施形態では、操作部26を撮影画像表示部24と一体に設けたタッチパネルとして構成することとしたが、これに限定されず、操作部26を、例えば、テンキーや十字キーなどが設けられたリモコンや、キーボードなどの入力デバイスとして構成してもよい。
【0053】
カメラ画像表示部25は、カメラ部23がとらえるリアルタイムの映像、すなわち、撮影前のライブビュー画像を表示するものである。カメラ画像表示部25にライブビュー画像を表示することにより、ユーザは前もって写りを確認して撮影に臨むことができる。
【0054】
編集部3は、編集工程を実行するものであり、タッチパネル部31およびタッチペン32により構成されている。編集部3には、さらに、音声出力部33および赤外線通信部34が含まれていてもよい。
【0055】
タッチパネル部31は、ユーザにユーザインターフェイスを提供するものであり、合成画像表示部31aおよび操作受付部31bにより構成される。合成画像表示部31aは、編集工程における編集の対象となる画像(編集対象画像)や、撮影画像に編集を施した結果(合成画像)を表示するものである。操作受付部31bは、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いることにより入力されたユーザの指示信号を受け付けて、写真撮影プリント装置1内部に伝達するものである。
【0056】
タッチペン32は、画像編集処理などにおいて、タッチパネル部31上で細かな操作入力をユーザが行うためのものであり、タッチパネル部31の近くに配備される。ユーザは、このタッチペン32をタッチパネル部31に接触または接近させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることができる。
【0057】
例えば、タッチパネル部31の画面がタッチペン32で押下されることにより、その位置に対応するボタンや画像を示す指示信号が、写真撮影プリント装置1内部に入力される。これにより、ユーザは、撮影画像に落書きを施したり、スタンプを押したり、また、印刷の対象となる印刷対象画像を選択したりすることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、複数のユーザが容易に画像編集を行うようにするために、タッチペン32を2本配備しているが、構成の簡略化のために、1本のみを配備することもできるし、3人以上のユーザのために、3本以上を配備することもできる。
【0059】
音声出力部33は、各種操作上のガイダンス音声や効果音などを出力するものであり、写真撮影プリント装置1の適所に配備される。この音声出力部33としては、例えばスピーカが用いられる。
【0060】
赤外線通信部34は、ユーザの携帯電話機300などの外部装置と赤外線通信を行うものであり、写真撮影プリント装置1の適所に配備される。上記赤外線通信には、IrDA(Infrared Data Association)、IrSimpleなどの公知の通信方式を利用できる。なお、赤外線通信の代わりに、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、ZigBeeなどの近距離無線通信を利用することもできる。
【0061】
印刷部4は、印刷対象として選択された撮影画像および/または編集画像を印刷することにより印刷工程を実行するものであり、IDタグリーダ/ライタ部41、および、プリンタ部42により構成されている。この印刷部4に対して、写真プリントの出力媒体となるシール紙142と、IDタグ141とが、シール紙ユニット43としてセットで納入されるようになっている。
【0062】
プリンタ部42は、出力すべき画像データが制御部10から送られてくると、その画像データに基づいてシール紙142に印刷するものである。このプリンタ部42としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、シール紙142およびIDタグ141に加えて、昇華型用インクフィルムがセットととなって納入されることになる。
【0063】
IDタグリーダ/ライタ部41は、IDタグ141に記録されている各種識別情報を読み出して制御部10に出力する。IDタグ141は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、および、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0064】
制御部10は、IDタグリーダ/ライタ部41で読み取った識別情報に基づいて、装着されたシール紙142およびインクフィルムが、当該写真撮影プリント装置1において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ部42を動作可能とする。すなわち、写真撮影プリント装置1において指定されているシール紙142およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0065】
また、IDタグ141に記録されている用紙枚数情報に基づいて、シール紙を使用するたびに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、ユーザの利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0066】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ141に記録されている用紙枚数情報も書き換えることが望ましい。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ141に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ141を無効にすることが可能となる。
【0067】
また、IDタグ141に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、そのシール紙142やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0068】
IDタグ141としては、無線(ワイヤレス)によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ部41としては、これらの何れか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0069】
なお、上述の例では、利用可能なシール紙142であるか否かを確認するために、IDタグ141を利用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、シール紙142およびインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用する構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができない、などの問題がある。
【0070】
なお、本実施形態では、シール紙142として、粘着シートおよび該粘着シートの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートを想定しているが、これに限定されない。シール紙142の代わりに、通常の紙状媒体である紙状シートを用いるように本発明の写真撮影プリント装置1を構成することもできる。
【0071】
通信部6は、画像保管サーバ200などの外部装置とデータ通信を行うためのものである。具体的には、通信部6は、制御部10から受信した各種データを、通信に適した信号形式に変換し、変換した信号を有線または無線で送信する。また、通信部6は、有線または無線で受信した信号を装置内部のデータ形式に変換した後、制御部10に送信する。
【0072】
なお、図には示していないが、写真撮影プリント装置1は、カーテン部を備えていてもよい。カーテン部は、撮影画像の背景となるカーテンを提供するものである。カーテンは、さまざまな色や模様を施されたものが用意され、撮影時に、ユーザが自由に選択できたり、写真撮影プリント装置1が自動で選択したりする。これら複数のカーテンは、撮影空間の背面(撮影部2の対面)に重ねて配置されており(図3の(a)および(b))、撮影時には、選択されたカーテンが、被写体の背後に写るよう、最前面に設置される。選択されたカーテンの設置は、制御部10がカーテン部を制御することにより実行してもよいし、ユーザ自身が手動で行う構成としてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、カーテン部が複数のカーテンを提供する構成としたが、これに限定されない。カーテン部で設置可能なカーテンを1種類としてもよい。この場合は、合成用の背景画像を複数種類用意して、編集工程においてユーザが所望する背景画像を合成するようにすれば、カーテンの種類が1つしかなくても、ユーザの多様な好みに対応することができる。
【0074】
(写真撮影プリント装置の構成−詳細)
次に、写真撮影プリント装置1の制御部10および記録部50についてより詳細に説明する。図6に示すとおり、制御部10は、さらに内部に撮影画像取得部11、画像編集部(編集手段)12、印刷画像作成部13、送信画像作成部15、画像サイズ設定部16、および送信原画像作成部(画像作成手段)17を有している。
【0075】
記録部50は、撮影画像を記録する撮影画像記録部51、画像編集において提供される、背景画像、フレーム画像、スタンプ画像などの編集用画像を記録する編集用画像記録部52、編集画像の編集内容に関する編集内容情報を記録する編集内容記録部53、印刷画像を記録する印刷画像記録部54、送信原画像を記録する送信原画像記録部56、各種の携帯電話機300の表示画面に適合する縦横比および画像サイズを含む画像サイズDB(データベース)を記録する画像サイズDB記録部55、ユーザのメールアドレスを記録するメールアドレス記録部57、および、ユーザを識別するためのユーザIDを記録するID記録部58を含んでいる。
【0076】
撮影画像取得部11は、被写体の撮影によって作成された撮影画像をカメラ部23から取得するものである。撮影画像取得部11は、取得した撮影画像を撮影画像記録部51に記録する。
【0077】
画像編集部12は、ユーザの操作に従って、撮影画像に対し画像編集を実行するものである。本実施形態では、画像編集部12は、ユーザの操作に従って、送信原画像に対し画像編集をさらに実行するものである。画像編集の例としては、編集用画像記録部52から読み出した背景画像および/またはフレーム画像を追加したり、編集用画像記録部52から読み出したスタンプ画像を任意の位置に追加したり、タッチペンによる落書きを追加したりすることなどが挙げられる。しかしながら、画像編集は、上述した例に限定されず、写真撮影プリント装置1に接続された何らかの入力手段(入力部)をユーザが操作することによって、編集が実行され、当初の撮影画像および送信原画像に変更が加えられた結果としての合成画像を得られる編集であれば、どのような処理内容の編集工程であってもよい。
【0078】
そして、画像編集部12は、編集内容に関する編集内容情報を編集内容記録部53に記録している。編集内容情報には、ユーザが利用した背景画像の識別情報、ユーザが利用したフレーム画像の識別情報、ユーザが利用したスタンプ画像の識別情報および書込み位置情報、落書き画像の情報などが含まれる。制御部10は、編集内容記録部53に記録された編集内容情報に基づき、編集用画像記録部52に記録された編集用画像を利用することにより編集画像を作成することができ、作成した編集画像と、撮影画像記録部51に記録された撮影画像とを合成することにより、合成画像を作成することができ、上記編集画像と、送信原画像記録部56に記録された送信原画像とを合成することにより、送信画像を作成することができる。
【0079】
印刷画像作成部13は、複数の分割領域のそれぞれに、該分割領域のサイズに合わせた合成画像を配置した印刷画像を作成するものである。印刷画像における編集画像のサイズおよび配置は、通常、ユーザが複数のパターンの中から1つを選択することによって決定されるが、ユーザが自由に決定してもよいし、写真撮影プリント装置1がランダムに決定しても良い。印刷画像作成部13は、作成した印刷画像記録部54に記録する。そして、制御部10は、適当なタイミングで印刷画像記録部54に記録された印刷画像をシール紙142に印刷するようにプリンタ部42に指示する。
【0080】
送信画像作成部15は、上記送信画像を作成するものである。送信画像作成部15は、作成した送信画像の情報に、メールアドレス、ユーザIDなどの付加情報を追加して、通信部6を介して画像保管サーバ200に送信する。なお、送信画像作成部15は、作成した送信画像の情報を、赤外線通信部34を介してユーザの携帯電話機300に直接送信してもよい。
【0081】
画像サイズ設定部16は、携帯電話機300の表示画面に適合する画像サイズであって、ユーザが所望する画像サイズ(設定枠)を、画像サイズDB記録部55に記録された画像サイズDBを利用して設定するものである。画像サイズ設定部16は、設定された画像サイズを送信原画像作成部17に送信する。
【0082】
送信原画像作成部17は、画像サイズ設定部16からの画像サイズに基づき、撮影画像から送信原画像を作成するものである。送信原画像作成部17は、作成された送信原画像を送信原画像記録部56に記録する。なお、画像編集部12、画像サイズ設定部16、および送信原画像作成部17の詳細については後述する。
【0083】
(画像保管サーバの構成)
次に、画像保管サーバ200の構成について、図7を参照して説明する。図7は、画像保管サーバ200の概略構成を示している。画像保管サーバ200は、写真撮影プリント装置1から送られてきた送信画像情報を保管すると共に、携帯電話機300からのアクセスに対して、WEBページの形式で、保管している合成画像情報を提供するサーバ装置である。図示のように、画像保管サーバ200は、制御部210、記録部211、および通信部212を備えた構成である。なお、制御部210、記録部211、および通信部222は、写真撮影プリント装置1の制御部10、記録部50、および通信部6と同様に機能するので、その説明を省略する。
【0084】
図7に示すように、制御部210は、送信画像取得部220、保存URL(Uniform Resource Locator)作成部221、ID認証部222、および送信画像検索部223を含んでいる。また、記録部211は、ユーザIDを記録するID記録部225、送信画像情報を記録する送信画像記録部226、および、上記ユーザIDと上記送信画像の識別情報(例えばファイル名)とを対応付けた対応情報を記録する対応情報記録部227を含んでいる。
【0085】
送信画像取得部220は、写真撮影プリント装置1から送られてくる送信画像情報および付加情報を通信部212を介して取得するものである。送信画像取得部220は、取得した送信画像情報を送信画像記録部226に記録し、付加情報に含まれるユーザIDをID記録部225に記録すると共に、送信画像の識別情報とユーザIDとを対応付けて、対応情報記録部227に記録する。また、送信画像取得部220は、付加情報に含まれるメールアドレスを保存URL作成部221に送出する。
【0086】
保存URL作成部221は、画像保管サーバ200にアクセスするためのURL情報(WEBアドレス)であって、送信画像情報が保存されている場所へのパスを含むURL情報である保存URL情報を作成するものである。保存URL作成部221は、作成した保存URL情報を含み、送信画像取得部220から受け取ったメールアドレスを宛先とする電子メールを生成して、通信部212を介して送信する。これにより、上記電子メールがユーザの携帯電話機300に対して送信されることになる。
【0087】
ID認証部222は、携帯電話機300から上記保存URLにアクセスされ、携帯電話機300から通信部212を介してユーザIDを取得した場合に、取得したユーザIDと、ID記録部225に記録されたユーザIDと照合することにより、認証を行うものである。ID認証部222は、上記認証に成功した場合、認証されたユーザIDを送信画像検索部223に送出する一方、上記認証に失敗した場合、エラーメッセージを通信部212を介して携帯電話機300に送信する。
【0088】
送信画像検索部223は、ID認証部222から受け取ったユーザIDに対応する送信画像情報を送信画像記録部226から検索するものである。具体的には、送信画像検索部223は、上記ユーザIDに対応する送信画像の識別情報を対応情報記録部227から読み出し、読み出した送信画像識別情報に対応する送信画像情報を送信画像記録部226から読み出している。送信画像検索部223は、検索した送信画像情報を、通信部212を介して携帯電話機300に送信する。
【0089】
なお、本実施形態では、画像保管サーバ200は、1台のサーバ装置が有する機能によって実現される構成となっているが、複数のサーバ装置によって実現される構成としてもよい。
【0090】
(写真撮影プリント装置の要部構成)
次に、写真撮影プリント装置1の制御部10における画像編集部12、画像サイズ設定部16、および送信原画像作成部17の詳細について、図1および図8を参照して説明する。図1は、画像サイズ設定部16および送信原画像作成部17の概略構成を示している。図示のように、画像サイズ設定部16は、作成指示取得部160、縦横比選択部161、サイズ選択部162、および決定指示取得部163を含んでいる。
【0091】
作成指示取得部160は、送信原画像の作成指示を、ユーザからタッチパネル部31を介して取得するものである。作成指示取得部160は、上記作成指示を取得すると、縦横比選択部161に通知する。
【0092】
縦横比選択部161は、ユーザの所望する縦横比を選択するものである。具体的には、縦横比選択部161は、画像サイズDB記録部55から読み出した各種の縦横比を、タッチパネル部31を介してユーザに提示し、ユーザからタッチパネル部31を介しての指示に基づいて上記縦横比を選択している。縦横比選択部161は、選択した縦横比をサイズ選択部162および決定指示取得部163に送信する。
【0093】
サイズ選択部162は、ユーザの所望する画像サイズを選択するものである。具体的には、サイズ選択部162は、縦横比選択部161からの縦横比に対応する各種の表示サイズを、画像サイズDB記録部55からタッチパネル部31を介してユーザに提示し、ユーザからタッチパネル部31を介しての指示に基づいて上記画像サイズを選択している。サイズ選択部162は、選択した画像サイズを決定指示取得部163に送信する。
【0094】
決定指示取得部163は、上記縦横比および上記画像サイズの決定指示を、ユーザからタッチパネル部31を介して取得するものである。決定指示取得部163は、上記決定指示を取得すると、送信原画像の画像サイズ、送信原画像に含まれる送信用撮影画像および補填画像の各画像領域を含む設定情報を作成して送信原画像作成部17に送信する。ここで、送信用撮影画像は、送信画像用に撮影画像を変換した画像である。なお、決定指示取得部163は、上記設定情報の代わりに、上記縦横比および上記画像サイズを送信原画像作成部17に送信してもよい。この場合、上記設定情報は送信原画像作成部17にて作成されることになる。
【0095】
図1に示すように、送信原画像作成部17は、設定情報取得部170、撮影画像変換部(元画像変換手段)171、および補填画像作成部(補填画像作成手段)172を含んでいる。また、送信原画像記録部56は、送信用撮影画像を記録する送信用撮影画像記録部560と、補填画像を記録する補填画像記録部561とを含んでいる。
【0096】
設定情報取得部170は、画像サイズ設定部16からの上記設定情報を取得するものである。設定情報取得部170は、取得した設定情報を撮影画像変換部171および補填画像作成部172に送信する。
【0097】
撮影画像変換部171は、設定情報取得部170からの設定情報に基づいて、撮影画像のサイズ変換、すなわち拡大・縮小を行うものである。具体的には、撮影画像変換部171は、撮影画像変換部171から読み出した撮影画像を、上記設定情報における送信用撮影画像の画像領域に適合するようにサイズ変換している。通常、撮影画像の方が送信用撮影画像よりも大きいので、撮影画像変換部171は、撮影画像を縮小することになる。撮影画像変換部171は、サイズ変換した撮影画像を送信用撮影画像として送信用撮影画像記録部560に記録する。
【0098】
補填画像作成部172は、設定情報取得部170からの設定情報に基づいて補填画像を作成するものである。具体的には、補填画像作成部172は、上記設定情報における補填画像の画像領域に適合するデフォルトの画像を補填画像として作成している。補填画像作成部172は、作成した補填画像を補填画像記録部561に記録する。
【0099】
図8は、画像編集部12の概略構成を示している。図示のように、画像編集部12は、印刷用編集部120、送信用編集部(編集手段)121、および切替指示取得部122を含んでいる。
【0100】
印刷用編集部120は、印刷のための合成画像を作成するために、撮影画像に対し画像編集を実行するものである。具体的には、印刷用編集部120は、タッチパネル部31を介して取得したユーザからの操作に従って、撮影画像記録部51から読み出した撮影画像に対し、編集用画像記録部52から読み出した各種編集用画像を利用して、各種の画像編集を実行している。そして、印刷用編集部120は、編集内容に関する編集内容情報を編集内容記録部53に記録している。
【0101】
送信用編集部121は、送信のための合成画像、すなわち送信画像を作成するために、送信原画像に対し画像編集を実行するものである。具体的には、送信用編集部121は、ユーザからタッチパネル部31を介しての操作に従って、送信用撮影画像記録部560から読み出した送信用撮影画像と、補填画像記録部561から読み出した補填画像とに対し、編集用画像記録部52から読み出した各種編集用画像を利用して、各種の画像編集を実行している。そして、送信用編集部121は、編集内容に関する編集内容情報を編集内容記録部53に記録している。
【0102】
切替指示取得部122は、印刷用編集と送信用編集との切替指示をユーザからタッチパネル部31を介して取得するものである。切替指示取得部122は、上記切替指示を取得すると、印刷用編集部120の実行と、送信用編集部121の実行とを切り替える。
【0103】
次に、画像編集部12、画像サイズ設定部16、および送信原画像作成部17の動作について図9〜図17を例に説明する。図9は、上記画像編集において合成画像表示部31aに表示される印刷用編集画面の例を示している。図示のように、印刷用編集画面には、編集対象画像表示領域A1、編集ツール選択領域A2、編集ツール設定領域A3、消しゴムツール選択領域A4、編集対象画像選択領域A5、およびアドバイス表示領域A6が表示されている。また、その他、残り時間表示領域、編集処理のクリア、アンドゥ、リドゥボタン、終了ボタンなどが表示されている。なお、この印刷用編集画面では、2人のユーザが同時に編集処理と送信画像の作成処理とを行うことが可能となるように、編集対象画像表示領域A1、編集ツール選択領域A2、編集ツール設定領域A3、消しゴムツール選択領域A4、および編集対象画像選択領域A5が画面の左右に分かれて2カ所表示されている。
【0104】
編集対象画像表示領域A1は、編集対象画像選択領域A5において選択された撮影画像が表示されるとともに、この領域において画像の描画、貼り付けなどの編集処理が行われる領域である。なお、図9の例では、縦横比が1:1であり、画像サイズが2500×2500ピクセルである撮影画像に対して編集処理が行われており、編集対象画像表示領域A1の表示サイズが600×600ピクセルであるが、これに限定されるものではない。
【0105】
編集ツール選択領域A2は、編集処理で用いられる各種編集ツールの選択を受け付ける領域である。編集ツールとしては、ユーザの入力軌跡に対応した線画像の描画が行われるペンツールおよび手書きツール、所定の画像をユーザによって指定された編集対象画像上の位置に貼り付けるスタンプツールおよびコロコロツール、および、特殊な効果を有するスペシャルツールなどが挙げられる。ここで選択されたツールの詳細な設定が編集ツール設定領域A3において行われる。なお、図9の例では、編集ツール設定領域A3の表示サイズが620×330ピクセルであるが、これに限定されるものではない。
【0106】
消しゴムツール選択領域A4は、編集処理によって撮影画像に対して付加された編集画像を消去する消しゴムツールの消去領域の大きさが選択される領域である。アドバイス表示領域A6は、上記編集ツールの使い方、編集内容などをユーザに助言するための画像およびメッセージが表示される領域である。
【0107】
本実施形態では、上記印刷用編集画面には、送信原画像作成指示ボタンA7が面の左右に分かれて2カ所表示されている。送信原画像作成指示ボタンA7は、ユーザからの送信画像の作成指示を受け付けるためのボタンである。送信原画像作成指示ボタンA7が押下されると、まず、送信画像のサイズを設定する画像サイズ設定処理が行われる。
【0108】
図10は、上記画像サイズ設定処理において合成画像表示部31aに表示される画像サイズ設定画面の一例を示している。なお、画像サイズ設定画面は、タッチパネル部31の表示画面の約半分のサイズであり、送信原画像作成指示ボタンA7が選択された側に表示される。図示のように、画像サイズ設定画面には、縦横比選択領域B1、画像表示領域B2、画像サイズ選択領域B3、携帯電話機表示領域B4、送信対象画像選択領域B5、および決定指示ボタンB6が表示されている。
【0109】
縦横比選択領域B1は、送信画像の縦横比の選択を受け付ける領域である。図10の例では、送信画像の縦横比は、左から順に、4:3(通常待ち受け)、5:3(ワイド・縦)、3:5(ワイド・横)、1:1(正方形)、および1:21/2(ヨコ)である。なお、その他の縦横比が選択可能であってもよい。
【0110】
画像表示領域B2は、画像が表示される領域であり、縦横比選択領域B1にて選択された縦横比に適合するように表示サイズが変化する。図10の例では、4:3の縦横比が選択されており、画像表示領域B2は、縦方向および横方向の表示サイズがそれぞれ500ピクセルおよび375ピクセルとなる。
【0111】
画像表示領域B2は、送信対象画像表示領域B20および補填画像表示領域B21を含んでいる。送信対象画像表示領域B20は、送信対象画像選択領域B5において選択された撮影画像が表示される領域である。なお、撮影画像に編集処理の施された画像を表示してもよい。送信対象画像表示領域B20は、画像表示領域B2に収まるサイズであって、最も広いサイズとなっており、図10の例では、縦方向および横方向の表示サイズがそれぞれ375ピクセルおよび375ピクセルとなる。なお、図10の例では、送信対象画像表示領域B20は、画像表示領域B2の中央に位置しているが、縦方向に変位可能であってもよい。
【0112】
補填画像表示領域B21は、補填画像が表示される領域であり、画像表示領域B2のうち、送信対象画像表示領域B20以外の領域である。本実施形態では、補填画像表示領域B21には、デフォルトの補填画像(図10の例では黒一色の画像)が表示される。
【0113】
画像サイズ選択領域B3は、送信画像の画像サイズの選択を受け付ける領域である。図10の例では、画像サイズ選択領域B3にて5つの上記画像サイズを選択可能である。具体的には、左から順に、縦方向1460ピクセルかつ横方向1100ピクセルの狭い画像サイズ、縦方向2132ピクセルかつ横方向1600ピクセルの稍狭い画像サイズ、縦方向2500ピクセルかつ横方向1876ピクセルの中程の画像サイズ、縦方向2932ピクセルかつ横方向2200ピクセルの稍広い画像サイズ、および、縦方向3332ピクセルかつ横方向2500ピクセルの広い画像サイズを選択可能である。なお、その他の画像サイズが選択可能であってもよい。
【0114】
画像サイズ選択領域B3にて選択された画像サイズに適合するように、設定枠B30が画像表示領域B2に表示される。この設定枠B30内の画像が送信原画像として切り取られることになる。図10の例では、設定枠B30の表示サイズは、上記狭い画像サイズでは縦方向220ピクセルかつ横方向165ピクセルであり、上記稍狭い画像サイズでは縦方向320ピクセルかつ横方向240ピクセルであり、上記中程の画像サイズでは縦方向375ピクセルかつ横方向281ピクセルであり、上記稍広い画像サイズでは縦方向440ピクセルかつ横方向330ピクセルであり、上記広い画像サイズでは縦方向500ピクセルかつ横方向375ピクセルである。
【0115】
なお、図10には、便宜上、画像サイズ選択領域B3にて選択可能な5つの画像サイズに適合する5つの設定枠B30が全て示されているが、実際には、何れか1つの設定枠B30が表示される。また、設定枠B30の位置は、固定であってもよいし、移動可能であってもよい。
【0116】
携帯電話機表示領域B4は、携帯電話機300とその表示画面とを模式的に表示する領域であり、設定枠B30で切り取られた画像が、携帯電話機300の表示画面にどのように表示されるかを示す領域である。これにより、ユーザは、自身の有する携帯電話機300と比較して、どのような縦横比を選択し、どのような画像サイズを選択すればよいかを把握できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0117】
決定指示ボタンB6は、設定枠B30内の画像を送信原画像として決定するユーザからの決定指示を受け付けるためのボタンである。決定指示ボタンB6が押下されると、設定枠B30内の画像を送信原画像として切り取る切取処理が行われる。図11は、該切取処理において合成画像表示部31aに表示される報知画面の一例を示している。図示のように、画像の切取り中であることをユーザに報知している。
【0118】
上記切取処理が完了すると、上記送信原画像の編集処理が可能となる。図12は、上記切取処理の完了後に、合成画像表示部31aに表示される送信用編集画面の一例を示している。送信用編集画面には、編集対象画像表示領域C1、編集ツール選択領域C2、編集ツール設定領域C3、消しゴムツール選択領域C4、編集対象画像選択領域C5、アドバイス表示領域C6、送信原画像編集指示ボタンC7、背景色選択領域C8、補填画像色選択領域C9、およびやり直しボタンC10が表示されている。
【0119】
なお、編集ツール選択領域C2、編集ツール設定領域C3、消しゴムツール選択領域C4、編集対象画像選択領域C5、およびアドバイス表示領域C6は、図9に示す編集ツール選択領域A2、編集ツール設定領域A3、消しゴムツール選択領域A4、編集対象画像選択領域A5、およびアドバイス表示領域A6と同様であるので、その説明を省略する。従って、編集対象画像選択領域C5をユーザが選択することにより、図9に示す印刷用編集画面が表示され、印刷用の画像編集を行うことができる。なお、送信画像を複数枚作成する場合には、編集対象画像選択領域C5に、編集対象の送信原画像を追加してもよい。
【0120】
編集対象画像表示領域C1は、上記送信原画像が表示されるとともに、この領域において画像の描画、貼り付けなどの編集処理が行われる領域である。なお、図12の例では、縦横比が4:3であり、画像サイズが縦640×横480ピクセルである送信原画像に対して編集処理が行われており、編集対象画像表示領域C1の表示サイズが縦600×横450ピクセルであるが、これに限定されるものではない。
【0121】
送信原画像編集指示ボタンC7は、ユーザからの送信原画像の編集指示を受け付けるためのボタンである。送信原画像が作成されると、図9に示す印刷用編集画面においても送信原画像作成指示ボタンA7が送信原画像編集指示ボタンC7に変更される。そして、上記印刷用編集画面にて印刷用の画像編集を行っているときに、送信原画像編集指示ボタンC7が押下されると、図12に示す送信用編集画面が表示され、送信用の画像編集を行うことができる。
【0122】
なお、送信用編集画面において送信原画像編集指示ボタンC7が押下されることにより、送信用の画像編集を終了してもよい。この場合、図9に示す印刷用編集画面に戻り、送信原画像編集指示ボタンC7が送信原画像作成指示ボタンA7に変更されることになる。また、送信用の画像編集を終了するための「終了」ボタンを、送信用編集画面の任意の位置に設けてもよい。
【0123】
背景色選択領域C8および補填画像色選択領域C9は、送信用の画像編集に表示される。背景色選択領域C8は、送信原画像における送信用撮影画像の背景色が選択される領域である。補填画像色選択領域C9は、送信原画像における補填画像の背景色が選択される領域である。このように、本実施形態では、送信用撮影画像と補填画像とを別々に画像編集することができ、ユーザの娯楽性が向上する。
【0124】
やり直しボタンC10は、現在の送信原画像を破棄して、新たな送信原画像を作成するためのボタンである。図13は、やり直しボタンC10が押下された時に表示される警告画面の一例を示している。図示のように、警告メッセージがユーザに通知され、図示の「やりなおす」ボタンが押下されると、現在の送信原画像を破棄して、図10に示す画像サイズ設定画面に移行する。
【0125】
なお、図10および図12は、4:3の縦横比が選択された場合の画像サイズ設定画面および送信用編集画面の例をそれぞれ示しているが、他の縦横比が選択された場合も同様である。図14および図15は、5:3の縦横比が選択された場合の画像サイズ設定画面および送信用編集画面の例をそれぞれ示している。また、図16および図17は、3:5の縦横比が選択された場合の画像サイズ設定画面および送信用編集画面の例をそれぞれ示している。図14〜図17を参照すると、ユーザが見易いように、選択される縦横比に応じて表示レイアウトが変更されることが理解できる。
【0126】
(合成画像提供システムにおける処理の流れ)
次に、合成画像提供システム100における処理の流れについて、図18および図19を参照して説明する。図18は、合成画像提供システム100を構成する写真撮影プリント装置1、画像保管サーバ200、および携帯電話機300における処理の流れを示している。
【0127】
まず、写真撮影プリント装置1において、プレイ開始の受付処理として、撮影画像表示部24に待機状態のデモンストレーション画面(デモ画面)が表示される。このデモ画面には、写真撮影プリント装置1のマシーン名称、略称、概略等の情報が含まれる。なお、上記デモ画面において、「コインを投入してね」というような、ユーザにコイン投入を促すメッセージを表示してもよい。
【0128】
撮影空間に進入したユーザにより硬貨処理部21にコイン投入がなされ、制御部10による課金処理が終了すると、写真撮影プリント装置1では、撮影画像表示部24の表示画面を撮影処理用画面に切り替えて受付処理を完了し、写真撮影プリント装置1における公知のゲーム処理が行われる。すなわち、制御部10は、撮影処理を行うと共に(ステップ10、以降、S10のように称する)、ユーザは、撮影空間で複数回の写真撮影を行う。この時ユーザは、カメラ画像表示部25に表示されている自身の姿を視認しながら、写真撮影をすることができる。上記写真撮影により、撮影画像取得部11が撮影画像情報を取得して撮影画像記録部51に記録する。
【0129】
上記撮影処理が終了すると、画像編集部12が、撮影画像記録部51に記録された撮影画像に対して、編集処理を行う(S11)。この編集処理では、合成画像表示部31aに、落書きなどの画像編集処理時における編集対象の画像および各種編集ツールなどが表示され、ユーザからのタッチペン32および操作受付部31bによる入力指示に基づいて、各種編集処理が行われる。
【0130】
図19は、編集処理の流れを示している。まず、画像サイズ設定部16の作成指示取得部160が、ユーザからの送信原画像の作成指示を取得したか否かを判断する(S40)。取得しなかった場合には、S46に進む。
【0131】
一方、取得した場合には、画像サイズ設定部16は、縦横比選択部161が、ユーザからの指示に従って、縦横比を選択し(S41)、サイズ選択部162が、ユーザからの指示に従って、画像サイズを選択する(S42)。次に、画像サイズ設定部16の決定指示取得部163が、ユーザからの上記縦横比および上記画像サイズの決定指示を取得したか否かを判断する(S43)。取得しなかった場合には、S41に戻って上記動作を繰り返す。
【0132】
一方、取得した場合には、送信原画像作成部17の撮影画像変換部171が、上記縦横比および上記画像サイズに基づいて、撮影画像を変換し、変換した撮影画像を送信用撮影画像として送信用撮影画像記録部560に記録する(S44)。また、必要があれば、送信原画像作成部17の補填画像作成部172が、上記縦横比および上記画像サイズに基づいて、補填画像を作成し、作成した補填画像を補填画像記録部561に記録する(S45)。その後、S49に進む。
【0133】
S46において、画像編集部12は、送信原画像が送信原画像記録部56に記録されているか否かを判断する(S46)。記録されていない場合には、画像編集部12は、印刷用編集部120に印刷用の画像編集を実行させる(S47)。一方、記録されている場合には、画像編集部12は、ユーザからの切替指示に基づき、印刷用編集部120における印刷用の画像編集と、送信用編集部121における送信用の画像編集とを切り替えて実行する(S48)。
【0134】
S49にて、制御部10は、終了ボタンが押下されたか否かを判断する(S49)。押下されなかった場合には、S40に戻って上記動作を繰り返す。一方、押下された場合には、編集処理を終了し、元のルーチンに戻る。
【0135】
図18に示すように、上記編集処理が終了すると、印刷画像作成部13が印刷画像を作成し、作成した印刷画像をシール紙142に印刷するようプリンタ部42に指示する印刷処理を行う(S12)。この印刷処理が行われている間に、送信画像作成部15が、送信用撮影画像、補填画像、および編集画像を合成した画像を送信画像として作成し、作成した送信画像情報と、ユーザIDおよびメールアドレスを含む付加情報とを画像保管サーバ200に送信する(S12)。その後、写真撮影プリント装置1の処理は終了する。
【0136】
一方、画像保管サーバ200では、送信画像取得部220が、写真撮影プリント装置1から送信画像情報、メールアドレス、およびユーザIDを受信すると(S20)、ユーザIDをID記録部57に記録し、送信画像情報を送信画像記録部226に記録して、ユーザIDと送信画像情報との対応付けを行い、該対応付けを示す対応情報を対応情報記録部227に記録する(S21)。次に、保存URL作成部221は、上記送信画像情報が保存されている場所を示す保存URL情報を作成し、作成した保存URL情報を、上記メールアドレスを宛先とする電子メールで通知する(S22)。
【0137】
一方、ユーザの携帯電話機300は、上記保存URL情報を含む電子メールを受信すると(S30)、ユーザの指示により上記保存URLにアクセスし、ユーザIDを送信する(S31)。このとき、画像保管サーバ200では、ID認証部222が携帯電話機300から受信したユーザIDを認証し、認証されたユーザIDに対応する送信画像情報を、送信画像検索部223が送信画像記録部226から検索する(S23)。
【0138】
そして、送信画像検索部223が、検索した送信画像情報を携帯電話機300に送信し(S24)、携帯電話機300が上記送信画像情報を受信した後(S32)、合成画像提供システム100の処理動作を終了する。
【0139】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0140】
例えば、上記実施形態では、撮影画像の縦横比に対応する画像サイズに対してユーザが設定した設定枠に基づき、撮影画像から送信原画像を作成することを、写真撮影プリント装置1が実行しているが、画像保管サーバ200が実行することもできる。この場合、写真撮影プリント装置1から画像保管サーバ200に撮影画像またはその縮小画像を送信し、写真撮影プリント装置1の画像サイズ設定部16、送信原画像作成部17、画像サイズDB記録部55、送信原画像記録部56、および送信用編集部121を画像保管サーバ200に設ければよい。
【0141】
また、上記実施形態では、上記撮影画像から上記送信原画像を作成しているが、上記撮影画像に上記編集画像を合成した合成画像から上記送信原画像を作成してもよい。この場合、送信用の画像編集を省略して、上記送信原画像を上記送信画像としてもよい。
【0142】
最後に、写真撮影プリント装置1および画像保管サーバ200の各ブロック、特に制御部10・210は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0143】
すなわち、写真撮影プリント装置1および画像保管サーバ200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真撮影プリント装置1および画像保管サーバ200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記写真撮影プリント装置1および画像保管サーバ200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0144】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0145】
また、写真撮影プリント装置1および画像保管サーバ200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明によれば、設定枠が対応枠からはみ出す場合、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し、はみ出した部分に補填画像を追加することにより、ユーザが所望する縦横比で、かつ、ユーザが所望する部分を切り抜くことができるので、写真撮影プリント装置や画像保管サーバ以外にも、元画像を、別の縦横比を有する新画像に変換する任意の画像処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0147】
1 写真撮影プリント装置(撮影編集装置)
2 撮影部
3 編集部
4 印刷部
6 通信部
10 制御部(画像処理装置、表示制御手段)
11 撮影画像取得部
12 画像編集部(編集手段)
13 印刷画像作成部
15 送信画像作成部
16 画像サイズ設定部
17 送信原画像作成部(画像作成手段)
31 タッチパネル部
50 記録部
51 撮影画像記録部
52 編集用画像記録部
53 編集内容記録部
54 印刷画像記録部
55 画像サイズDB記録部
56 送信原画像記録部
57 ID記録部
57 メールアドレス記録部
58 ID記録部
100 合成画像提供システム
120 印刷用編集部
121 送信用編集部(編集手段)
122 切替指示取得部
160 作成指示取得部
161 縦横比選択部
162 サイズ選択部
163 決定指示取得部
170 設定情報取得部
171 撮影画像変換部(元画像変換手段)
172 補填画像作成部(補填画像作成手段)
200 画像保管サーバ
210 制御部
211 記録部
212 通信部
220 送信画像取得部
221 保存URL作成部
222 ID認証部
223 送信画像検索部
225 ID記録部
226 送信画像記録部
227 対応情報記録部
300 携帯電話機
400 通信媒体
401 通信媒体
560 送信用撮影画像記録部
561 補填画像記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記元画像から新画像を作成する画像作成手段を備える画像処理装置であって、
前記設定枠は、前記対応枠から、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し可能であり、
前記画像作成手段は、
前記元画像を、前記対応枠内かつ前記設定枠内の画像に変換する元画像変換手段と、
前記対応枠外かつ前記設定枠内の画像領域を補填するための補填画像を作成する補填画像作成手段とを備えており、
前記元画像変換手段が変換した画像と、前記補填画像作成手段が作成した画像とを含む画像を前記新画像とすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
ユーザに画像を表示するための外部の表示装置を制御する表示制御手段をさらに備えており、
該表示制御手段は、前記元画像を前記対応枠内の画像に変換した画像に、前記設定枠を合成して表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補填画像を編集する編集手段をさらに備えており、
前記画像作成手段は、前記変換された画像と、前記編集手段が編集した補填画像とを含む画像を新画像とすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
被写体を撮影した撮影画像に編集処理を施して編集画像を作成することにより、前記撮影画像に前記編集画像を合成した合成画像を提供する撮影編集装置であって、
前記撮影画像または前記合成画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記撮影画像または前記合成画像から新たな画像を作成する請求項1から3までの何れか1項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする撮影編集装置。
【請求項5】
請求項1から3までの何れか1項に記載の画像処理装置を動作させる画像処理プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
元画像の縦横比に対応する対応枠に対してユーザが設定した設定枠に基づき、前記元画像から新画像を作成する画像処理方法であって、
前記設定枠は、前記対応枠から、縦方向および横方向の何れか一方にはみ出し可能であり、
前記元画像を、前記対応枠内かつ前記設定枠内の画像に変換する元画像変換ステップと、
前記対応枠外かつ前記設定枠内の画像領域を補填するための補填画像を作成する補填画像作成ステップとを含んでおり、
前記元画像変換ステップにて変換された画像と、前記補填画像作成ステップにて作成された画像とを含む画像を前記新画像とすることを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−19072(P2011−19072A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162130(P2009−162130)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】