説明

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラム

【課題】広告主に対して生じ得る広告効果の不公平を是正すると共に、印刷出力を伴うジョブだけでなく、印刷出力を伴わないジョブの場合にも広告データを付加した出力を行い、利用者に対する課金額を軽減できるようにする。
【解決手段】画像処理装置8は、ジョブの実行時に、出力対象となる画像の出力枚数を算出し、広告配置データ記憶部43に記憶される広告配置データと、広告データ記憶部41に記憶されている各広告データの広告ランクとに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加することにより出力画像を生成して出力する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラムに関し、特に画像処理装置において画像出力に関するジョブを実行する際、出力画像に広告データを付加して出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される画像処理装置は、コンビニエンスストアや学校構内などの様々な場所に設置され、不特定の利用者に対してコピーサービスなどを提供するように構成されたものが知られている。この種の画像処理装置は、利用者に対して提供したサービスの内容に応じて利用者に課金を行うのが一般的である。ところが、近年、上記のような画像処理装置において、利用者がコピーサービスを利用する際、印刷出力される用紙に対して広告画像を付加した状態で出力することにより、利用者に対する課金額を安くしたり、或いは無料にするものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ネットワークに接続された複数のプリンタのそれぞれが、印刷データに広告データを付加させて用紙に印刷出力する技術が開示されている。この従来技術では、広告サーバが複数の広告データを記憶しており、複数のプリンタのそれぞれに対して広告データを配信する。また、この従来技術では、複数の広告データのそれぞれに対して各プリンタへの配信優先度が付与されている。そして広告サーバが各プリンタに対して広告データを配信する際には、各広告データに付加されている配信優先度に基づいて各プリンタに配信すべき広告データを選択し、その選択した広告データを各プリンタに提供するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−146615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1では、プリンタが広告サーバから提供された広告データに基づいて印刷出力を行う場合、コピー出力の対象となる原稿画像が印刷される部分の周囲余白領域に対して広告データに基づく広告画像が印刷される。このように原稿画像と広告画像とが同一紙面に印刷される形態では、広告画像が印刷される領域が比較的小さく、十分な情報量の広告を印刷することが難しい。これに対し、例えば原稿画像を出力用紙の表面に印刷し、広告画像を裏面に印刷するなど、広告画像を原稿画像とは異なる紙面に印刷するように構成すれば、用紙一面のほぼ全体に広告画像を印刷することができるため、多くの情報量を有する広告を利用者に提供することが可能である。
【0006】
しかしながら、広告画像を原稿画像とは異なる紙面に印刷する場合、広告画像が印刷されるページによって、広告画像が利用者に与える宣伝広告効果に差が生じてしまうことになる。例えば、利用者の目に付きやすいページに印刷される一の広告画像と、目に付きにくいページに印刷される別の広告画像とを比較した場合、利用者の目に付きやすいページに印刷された広告画像は広告主の意図するような比較的大きな宣伝広告効果を発揮するのに対し、利用者の目に付きにくいページに印刷された広告画像は広告主の意図する宣伝広告効果を発揮しなくなる。このような事態が発生すると、例えば複数の広告主のそれぞれが同額の広告費用を負担しているような場合には、広告画像の印刷されるページによって広告効果に差が生じてしまい、不公平が生じるという問題がある。また、仮に、複数の広告主のそれぞれが負担する広告費用が異なる場合には、各広告主が負担する広告費用の多寡に応じて、各広告主により提供される広告画像の配置位置を変更する必要があるが、従来の装置では、そのような配置を行うことができないという問題がある。
【0007】
また近年の画像処理装置は、原稿を読み取ってコピー出力を行うだけでなく、原稿を読み取って得られた画像データをネットワーク経由で他の装置に配信したり、或いは、メモリカードなどの記録媒体に保存したりすることも可能である。そのため、利用者がこのような機能を利用する場合でも、広告画像を利用者に提供することによって、利用者に対する課金額を安くしたり、或いは無料にしたりすることが好ましい。しかし、従来の装置は、利用者がコピー機能を利用する場合に限って、課金額を安くしたり、或いは無料にしたりするものであり、利用者が印刷出力を伴わないスキャン機能のみを利用する場合には利用者への課金額を軽減することはできない。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、広告主に対して生じ得る広告効果の不公平を是正すると共に、印刷出力を伴うジョブだけでなく、印刷出力を伴わないジョブの場合にも利用者に対する課金額を軽減できるようにした画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像出力に関するジョブを実行することにより画像出力サービスを提供する画像処理装置であって、複数種類の広告データを記憶する広告データ記憶手段と、前記広告データ記憶手段に記憶される各広告データに対して予め設定される広告ランクを記憶する広告ランク記憶手段と、ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて、各広告ランクの広告データを配置する位置を定義した広告配置データを記憶する広告配置データ記憶手段と、ジョブの実行指示を受け付けるジョブ受付手段と、前記ジョブ受付手段によってジョブの実行指示が受け付けられることに伴い、当該ジョブにおいて出力対象となる画像を取得する出力画像取得手段と、前記出力画像取得手段によって取得された画像の出力枚数を算出し、前記広告配置データと、前記広告データ記憶手段に記憶されている各広告データに設定された広告ランクとに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加し、出力画像を生成する広告付加手段と、前記広告付加手段によって広告データの付加された出力画像を出力する画像出力手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記広告配置データ記憶手段は、ジョブの種類ごとに設定された複数種類の広告配置データを記憶しており、前記広告付加手段は、前記広告配置データ記憶手段に記憶されている複数種類の広告配置データの中から、前記ジョブ受付手段によって受け付けられたジョブの種類に対応する一の広告配置データを読み出し、当該一の広告配置データに基づいて前記広告データ記憶手段に記憶されている広告データの配置位置を決定し、出力対象となる画像に付加することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、前記広告配置データ記憶手段は、印刷ジョブの出力形態ごとに設定された複数種類の広告配置データを記憶しており、前記広告付加手段は、前記ジョブ受付手段によって受け付けられたジョブが印刷ジョブである場合、当該印刷ジョブの出力形態を判別し、前記広告配置データ記憶手段に記憶されている複数種類の広告配置データの中から、当該印刷ジョブの出力形態に対応する一の広告配置データを読み出し、当該一の広告配置データに基づいて前記広告データ記憶手段に記憶されている広告データの配置位置を決定し、出力対象となる画像に付加することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置において、ユーザによる入力操作を受け付ける操作入力手段と、前記操作入力手段より入力される情報に基づいて、前記広告データ記憶手段に記憶された複数種類の広告データのそれぞれに対して設定される広告ランク、又は、前記広告配置データ記憶手段に記憶された広告配置データにおいて定義されている広告データを配置する位置、を書き換えて変更するデータ変更手段と、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5にかかる発明は、画像処理装置と広告サーバとが互いにデータ通信可能であり、前記広告サーバが前記画像処理装置に対して広告データを提供し、前記画像処理装置が画像出力に関するジョブを実行する際に前記広告サーバより提供された広告データを付加した画像を出力する画像処理システムであって、前記広告サーバは、個別に広告ランクが設定された複数種類の広告データと、前記画像処理装置において実行されるジョブの出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置が定義された広告配置データとを、前記画像処理装置に対して送信するデータ送信手段を有し、前記画像処理装置は、前記広告サーバから送信される前記複数種類の広告データと前記広告配置データとを記憶する記憶手段を有し、ジョブの実行時に出力対象となる画像の出力枚数を算出し、前記広告配置データに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加し、広告データの付加された出力画像を出力することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の画像処理システムにおいて、前記広告サーバは、前記複数種類の広告データのそれぞれに対して設定される広告ランク、又は、前記広告配置データにおける各広告ランクの広告データを配置する位置、を書き換えることにより、前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを変更するデータ変更手段を更に有し、前記データ送信手段が前記データ変更手段によって変更された前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを更に前記画像処理装置に送信するものであり、前記画像処理装置は、前記広告サーバから変更された前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを受信することに伴い、前記記憶手段に記憶された前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを変更することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7にかかる発明は、画像出力に関するジョブを実行することにより画像出力サービスを提供する画像処理方法であって、複数種類の広告データを記憶すると共に、それら複数種類の広告データのそれぞれに対して予め設定される広告ランクを記憶するステップと、ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置が定義された広告配置データを記憶するステップと、ジョブの実行指示を受け付けるステップと、ジョブの実行指示が受け付けられることに伴い、当該ジョブにおいて出力対象となる画像を取得するステップと、出力対象となる画像の出力枚数を算出し、前記広告配置データに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告ランクの広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加して出力画像を生成するステップと、広告データの付加された出力画像を出力するステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8にかかる発明は、コンピュータに、画像出力に関するジョブを実行させることによって画像出力サービスを提供させるプログラムであって、前記コンピュータに、複数種類の広告データを記憶させると共に、それら複数種類の広告データのそれぞれに対して予め設定される広告ランクを記憶させるステップと、ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置が定義された広告配置データを記憶させるステップと、ジョブの実行指示を受け付けるステップと、ジョブの実行指示が受け付けられることに伴い、当該ジョブにおいて出力対象となる画像を取得させるテップと、出力対象となる画像の出力枚数を算出させ、前記広告配置データに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告ランクの広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加して出力画像を生成させるステップと、広告データの付加された出力画像を出力させるステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、出力対象となる画像の出力枚数を算出し、各広告ランクの広告データを配置する位置を定義した広告配置データと、各広告データに対して設定されている各広告ランクとに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告ランクの広告データを配置する位置を決定して出力対象となる画像に付加することにより出力画像を生成して出力する構成である。それ故、広告ランクの高い広告データを優先的に目に付きやすい位置などに配置することができるようになり、広告主に対して生じ得る広告効果の不公平を是正することができる。
【0018】
また、印刷出力を伴わないジョブであっても、そのようなジョブに対応して予め広告配置データにおける各広告ランクの広告データの配置位置を定義しておくことにより、ジョブの実行時には、広告データを付加した出力画像を出力させることができる。そのため、印刷出力を伴うジョブだけでなく、印刷出力を伴わないジョブを実行する場合にも、利用者に対する課金額を軽減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】広告サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】広告サーバにおけるCPUの機能構成を示すブロック図である。
【図4】広告ランクとして各広告データに設定されるランク値の一覧を示す図である。
【図5】印刷ジョブの出力形態が通常出力形態である場合の広告配置データの一例を示す図である。
【図6】印刷ジョブの出力形態がブックレット出力形態である場合の広告配置データの一例を示す図である。
【図7】スキャンジョブに対応する広告配置データの一例を示す図である。
【図8】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図9】画像処理装置における制御部が各種のデータを管理するための機能構成の一例を示すブロック図である。
【図10】画像処理装置における制御部がジョブ実行時に出力対象となる画像データに広告データを付加して出力するための機能構成の一例を示すブロック図である。
【図11】通常出力形態で印刷ジョブが実行される場合の広告データが付加される一態様を示す図である。
【図12】ブックレット出力形態で印刷ジョブが実行される場合の広告データが付加される一態様を示す図である。
【図13】スキャンジョブが実行される場合の広告データが付加される一態様を示す図である。
【図14】画像処理装置が広告サーバから各種データを取得して保存するためのデータ取得処理を示すフローチャートである。
【図15】画像処理装置がジョブを実行する際のジョブ実行処理を示すフローチャートである。
【図16】画像処理装置が操作パネル又は広告サーバから入力する情報に基づいて記憶装置に記憶している各種データを変更するためのデータ変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本実施形態における画像処理システム1の概略構成の一例を示す図である。この画像処理システム1は、広告主の事業所などに設置される広告主システム2と、広告サービス提供者の事業所などに設置される事業者システム3と、店舗や学校などに設置されるサービス提供システム4とが、ネットワークなどを介してデータ通信可能に接続された構成である。この画像処理システム1では、事業者システム3に広告サーバ5が設けられており、広告主システム2から送信される広告データD1を広告サーバ5が記憶すると共に、サービス提供システム4に配信するように構成される。尚、図例では、説明を簡単にするために、事業者システム3に接続される広告主システム2が1つである場合を示しているが、事業者システム3に対して複数の広告主システム2が接続されていても良い。また、事業者システム3に対して複数のサービス提供システム4が接続されていても良い。
【0022】
広告主システム2には、広告主であるユーザ9aが操作するコンピュータ2aが含まれている。このコンピュータ2aは、ユーザ9aからの指示に基づいて広告画像などの広告データD1を生成し、その広告データD1を広告サーバ5に対して送信する。
【0023】
またサービス提供システム4には、デジタル複合機やMFPなどと称される画像処理装置8が含まれている。この画像処理装置8は、コピーサービスやプリントサービス、スキャンサービスなどの画像出力サービスを、利用者であるユーザ9cに対して提供する装置である。画像処理装置8は、コピージョブ、印刷ジョブ、スキャンジョブのうち、ユーザ9cによって指定された画像出力に関するジョブを実行する。
【0024】
例えば、ユーザ9cがコピージョブを指定した場合、画像処理装置8は、ユーザ9cによってセットされる原稿を読み取って画像データを取得し、その画像データに基づいて出力用紙に印刷を行って出力する。このようなコピージョブは、スキャンジョブと印刷ジョブとが組み合わされたジョブであり、印刷出力を伴うジョブとなっている。
【0025】
またユーザ9cが印刷ジョブを指定した場合、画像処理装置8は、ユーザ9cによって指定された画像データを取得し、その画像データに基づいて出力用紙に印刷を行って出力する。この印刷ジョブもまた、印刷出力を伴うジョブとなっている。
【0026】
さらに、ユーザ9cがスキャンジョブを指定した場合、画像処理装置8は、ユーザ9cによってセットされる原稿を読み取って画像データを取得し、その画像データを、指定されたアドレスなどに送信したり、或いは、所定の記録媒体などに保存したりする。したがって、このスキャンジョブは、印刷出力を伴わないジョブとなっている。
【0027】
このように画像処理装置8は、画像出力に関する複数種類のジョブを実行することができるようになっており、ユーザ9cに対して様々な画像出力サービスを提供する。そして本実施形態の画像処理装置8は、各種のジョブを実行する際、広告サーバ5から配信される広告データD1を、出力対象となる画像データに付加して出力することにより、ユーザ9cが無料で、若しくは安価に画像出力サービスを享受できるようにした構成を有している。尚、このような画像処理装置8の詳細な構成については後述する。
【0028】
一方、事業者システム3には、上述したように広告サーバ5が設けられている。この広告サーバ5は、ハードディスク装置などの不揮発性記憶手段で構成された記憶装置6を備えており、広告主システム2のコンピュータ2aから送信される広告データD1を記憶装置6に格納して保存する。広告サーバ5は、複数の広告主のそれぞれから、異なる広告データD1を受信することがある。また、一の広告主からも、それぞれ異なる複数種類の広告データD1を受信することがある。広告サーバ5はそれら広告データD1の全てを記憶装置6に格納して保存するため、記憶装置6には複数種類の広告データD1が記憶される。
【0029】
また事業者システム3には、広告サーバ5の管理者であるユーザ9bが操作するコンピュータ7が設けられている。このコンピュータ7は、ユーザ9bからの指示操作に基づいて、広告サーバ5の記憶装置6に記憶されている複数種類の広告データD1のそれぞれに対して個別に広告ランクD2を設定する。これにより、記憶装置6に記憶される複数種類の広告データD1のそれぞれには、個別に設定された広告ランクD2が対応付けられる。広告ランクD2は、記憶装置6に記憶される複数種類の広告データD1のそれぞれを順位付けするためのデータであり、一の広告データD1に対して一つのランク値を設定するものである。ただし、複数種類の広告データD1の中には、同じランク値の設定された広告データD1が複数存在しても良い。広告サーバ5は、広告データD1に対して広告ランクD2が設定されると、その広告ランクD2を広告データD1に対応付けて記憶装置6に記憶する。
【0030】
また、コンピュータ7は、ユーザ9bからの指示操作に基づいて、広告配置データD3を生成し、その広告配置データD3を広告サーバ5に送信する。広告配置データD3は、画像処理装置8において実行されるジョブの種類ごとに作成されるデータであって、ジョブ実行時の画像データの出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置を定義するデータである。各広告ランクの広告データをどのような位置に配置するかは、管理者であるユーザ9bが自由に設定可能であり、コンピュータ7は、ユーザ9bによる設定操作に基づいて各広告ランクの広告データを配置する位置を定義した広告配置データD3をジョブの種類ごとに生成する。そして広告サーバ5は、コンピュータ7によって生成される広告配置データD3を、記憶装置6に記憶する。
【0031】
そして広告サーバ5は、記憶装置6に記憶される広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3を所定のタイミングで、サービス提供システム4として遠隔地に設けられている画像処理装置8に送信する。これにより、画像処理装置8は、広告サーバ5から広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3を取得し、保持しておくことができる。そして例えば、画像処理装置8を使用するユーザ9cがコピージョブを指定して実行させた場合、画像処理装置8は、原稿を読み取って得られた画像データに、広告データD1を付加した印刷物Mを出力し、ユーザ9cに提供する。以下、このような画像処理システム1における広告サーバ5および画像処理装置8の構成および動作について更に詳しく説明する。
【0032】
図2は、広告サーバ5のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、広告サーバ5は、CPU11と、メモリ12と、ネットワークインタフェース13と、外部インタフェース14と、上述した記憶装置6とを備え、これらがデータバス15を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。記憶装置6には、上述した広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3が記憶されると共に、CPU11によって実行されるプログラム19が記憶されている。
【0033】
CPU11は、記憶装置6に記憶されているプログラム19を読み出して実行することにより、後述する各種の処理を実行するものである。メモリ12は、CPU11がプログラム19を実行することに伴い、一時的なデータなどを記憶するためのものである。ネットワークインタフェース13は、広告サーバ5をネットワークに接続するためのものである。広告サーバ5は、このネットワークインタフェース13を介してコンピュータ2a,7とデータの送受信を行うと共に、画像処理装置8に対して広告データD1などを配信する。また外部インタフェース14は、例えばメモリカードやCD-ROMなどの記録媒体からデータを入力するためのインタフェースである。広告サーバ5は、広告主によって提供される広告データD1をこの外部インタフェース14を介して上記のような記録媒体から入力するものであっても良い。ただし、以下において、広告データD1は、ネットワークインタフェース13を介して入力する場合を例示して説明する。
【0034】
図3は、広告サーバ5のCPU11の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、CPU11は、プログラム19を実行することにより、広告データ保存処理部21、広告ランク設定部22、広告配置データ設定部23、データ変更部24およびデータ送信部25として機能する。
【0035】
広告データ保存処理部21は、ネットワークインタフェース13を介して入力する広告データD1を記憶装置6に保存する処理部である。上述したように広告サーバ5は、広告主から送信される様々な広告データD1を受信する。広告データ保存処理部21は、それら様々な広告データD1を記憶装置6に保存するようになっている。そのため、記憶装置6には、複数種類の広告データD1が保存されることになる。
【0036】
広告ランク設定部22は、記憶装置6に保存されている複数種類の広告データD1のそれぞれに対して個別に広告ランクD2を設定する処理部である。すなわち、広告ランク設定部22は、ネットワークインタフェース13を介してユーザ9bのコンピュータ7から入力する広告ランクD2を、記憶装置6に保存されている各広告データD1に対応付けて保存する。
【0037】
図4は、広告ランクD2として各広告データD1に設定されるランク値(順位)の一覧を示す図である。図4に示すように、この例では、広告ランクD2のランク値は、「1」から「9」までの9つの順位があり、このランク値が小さい程、順位が高くなるように設定される。図例では、広告ランクD2のランク値が「1」の場合、それに対応付けられた広告データD1がジョブの実行に伴ってユーザ9cに提供される確率が約40%となるように設定されている。また、広告ランクD2のランク値が「2」の場合には、それに対応付けられた広告データD1がジョブの実行に伴ってユーザ9cに提供される確率が約35%となるように設定されている。以下、広告ランクD2のランク値が低下していくことに伴い、それに対応付けられた広告データD1がジョブの実行に伴ってユーザ9cに提供される確率が順次小さくなるように設定されている。そして広告ランクD2のランク値が「9」の場合には、それに対応付けられた広告データD1がジョブの実行に伴ってユーザ9cに提供される確率が最小値である約5%となっている。
【0038】
このような順位付けは、広告サーバ5の管理者であるユーザ9bにより、広告主との契約や、広告主から支払われた広告費用の多寡などに基づいて、記憶装置6に保存されている複数種類の広告データD1のそれぞれに対して個別に設定される。したがって、例えば、広告主が比較的高額の広告費用を払っている場合は、その広告主から提供された広告データD1には、比較的順位の高いランク値の広告ランクD2が設定され、記憶装置6においてそれらの広告データD1と広告ランクD2とが互いに対応付けて保存される。また、広告主の支払った広告費用が比較的低額である場合は、その広告主から提供された広告データD1には、比較的順位の低いランク値の広告ランクD2が設定され、記憶装置6においてそれらの広告データD1と広告ランクD2とが互いに対応付けて保存される。このようにして広告サーバ5の記憶装置6には、広告主から提供される広告データD1と、広告ランクD2とが1対1で対応付けられて保存される。
【0039】
広告配置データ設定部23は、画像処理装置8においてジョブが実行される時の画像データの出力枚数に応じて、各広告ランクの広告データを配置する位置を定義した広告配置データD3を記憶装置6に保存する処理部である。すなわち、広告配置データ設定部23は、ネットワークインタフェース13を介して管理者であるユーザ9bのコンピュータ7から入力する広告配置データD3を記憶装置6に保存する。
【0040】
ここで広告配置データD3の一例について説明する。上述したように本実施形態における広告配置データD3は、画像処理装置8において実行可能なジョブの種類ごとに作成される。本実施形態では、画像処理装置8において実行可能なジョブは、大別すると、印刷出力を伴うジョブと、印刷出力を伴わないジョブとに分類されるため、コピージョブを印刷ジョブの一種として取り扱い、印刷ジョブとスキャンジョブとの2種類のジョブのそれぞれに対して広告配置データD3が作成される。
【0041】
また印刷ジョブの場合には、出力用紙への出力形態に応じて、さらに複数の広告配置データD3が作成される。以下においては、出力用紙への出力形態として、1枚の画像データを1枚の出力用紙の一面全体に印刷して出力する通常出力形態と、1枚の出力用紙の一面に対して2枚の画像データを印刷し、出力時に出力用紙を中折りしてブックレット状に出力するブックレット出力形態との2つの出力形態がある場合を例示する。
【0042】
図5は、印刷ジョブの出力形態が通常出力形態である場合の広告配置データD31の一例を示す図である。この広告配置データD31は、印刷ジョブの出力形態が通常出力形態である場合、印刷ジョブでの出力対象となる画像データの出力枚数に応じて各広告ランクの広告データD1を出力用紙のどのページに配置するかを定義するデータであり、出力枚数ごとに各広告ランクの配置位置が設定されたテーブル状のデータとなっている。通常出力形態の場合には出力用紙の表面に出力対象となる画像データが順次印刷されるため、広告配置データD31は、各出力用紙の裏面側に広告データを配置する設定となっている。尚、図例では、出力対象の画像データが印刷されるページには「×」が設定されており、印刷ジョブで出力されないページには斜線が施されている。
【0043】
より具体的に説明すると、出力枚数が1枚のときには、出力用紙の枚数が1枚であるため、その裏面(すなわち2ページ目)に、広告ランクD2のランク値が「1」〜「9」のうちのいずれかである広告データD1が付加される設定となっている。
【0044】
また、出力枚数が2枚のときには、出力用紙の枚数が2枚となる。この場合、2枚の出力用紙を束にしたとき、ユーザ9cの最も目に付きやすいページが最終ページとなる。そのため、2枚目の出力用紙の裏面(すなわち4ページ目)に、比較的順位の高い広告ランクD2のランク値が設定される。図例では、4ページ目の広告ランクのランク値が「1」〜「3」に設定されている。これに対し、1枚目の出力用紙の裏面(すなわち2ページ目)は、2枚の出力用紙が用紙束となっている状態ではユーザ9cの目に付きにくい位置であるので、比較的順位の低い広告ランクD2のランク値が設定される。図例では、2ページ目の広告ランクのランク値が「4」〜「9」に設定されている。
【0045】
さらに出力枚数が3枚のときには、出力用紙の枚数が3枚となる。この場合もまた、3枚の出力用紙を束にしたときには、最終ページがユーザ9cの最も目に付きやすいページとなる。そのため、3枚目の出力用紙の裏面(すなわち6ページ目)に、比較的順位の高い広告ランクD2のランク値が設定される。図例では、6ページ目の広告ランクのランク値が「1」〜「3」に設定されている。これに対し、1枚目および2枚目の出力用紙の裏面(すなわち2ページ目と4ページ目)は、3枚の出力用紙が用紙束となっている状態ではユーザ9cの目に付きにくい位置であるので、これらのページに付加される広告データD1の広告ランクD2のランク値は、最終ページよりも低いランク値に設定される。図例では、2ページ目の広告ランクのランク値が「4」〜「6」に設定されており、4ページ目の広告ランクのランク値が「7」〜「9」に設定されている。尚、最終ページ以外のページについては、ユーザ9cによって用紙束のページが先頭から順に捲られるときに、順次、ユーザ9cによって視認されると考えられるため、2ページ目から末尾に向かうに従って順次広告ランクが低下する設定となっている。以下、出力枚数が4枚以上に増加する場合もこれと同様であり、最終ページに付加される広告データD1の広告ランクのランク値が最も高くなる設定となっている。
【0046】
次に、図6は、印刷ジョブの出力形態がブックレット出力形態である場合の広告配置データD32の一例を示す図である。この広告配置データD32は、印刷ジョブの出力形態がブックレット出力形態である場合、印刷ジョブでの出力対象となる画像データの出力枚数に応じて、各広告ランクの広告データD1を出力用紙のどのページに配置するかを定義するデータであり、出力枚数ごとに各広告ランクの配置位置が設定されたテーブル状のデータとなっている。ブックレット出力形態の場合には、1枚の出力用紙の表面側に2枚分の画像データが印刷されると共に、裏面側に2枚分の広告データD1が付加される。つまり、ブックレット出力形態の場合には、1枚の出力用紙の表裏に4ページ分の画像が印刷されることになる。出力時には、表面に印刷された2枚の画像の間の中心線に沿って中折り処理が施され、出力対象の画像データが印刷されたページが閉じられた状態で印刷物Mが出力される。そのため、ブックレット出力形態の場合、ユーザ9cは、中折り状態として出力された印刷物Mを見開いた状態とすることにより、所望の画像を視認することができる。
【0047】
このような出力形態の場合、ユーザ9cによって最も目に付きやすいページ位置は、出対象となる画像データの出力枚数が偶数であるか奇数であるかによって異なる。すなわち、出力枚数が偶数の場合には、出力用紙の表面に対して出力対象となる2枚の画像データが印刷される。これに対し、出力枚数が奇数の場合には、末尾の出力用紙の表面に印刷される画像データは1枚のみとなり、末尾の出力用紙の表面半分に余白ページができる。そのため、出力枚数が奇数のときには、その余白ページがユーザ9cの最も目に付きやすいページとなるのに対し、出力枚数が偶数のときには余白ページは生じないため、中折りされた状態で外側に出現するページがユーザ9cによって目に付きやすいページとなる。図6に示す広告配置データD32は、このような基準に基づいて広告ランクの配置位置が設定されている。
【0048】
より具体的に説明すると、出力枚数が1枚のときには、1枚の出力用紙の表面に印刷される画像データが1枚のみとなり、その画像データが2ページ目に印刷される。そのため、それと隣り合って見開き状態となるページ(すなわち3ページ目)が、ユーザ9cによって最も視認されやすい位置となるので、3ページ目の広告ランクD2に、比較的順位の高い広告ランクD2のランク値が設定される。図例では、3ページ目の広告ランクのランク値が「1」〜「4」に設定されている。そしてページを閉じた状態で表紙となる1ページ目と4ページ目には、比較的順位の低い広告ランクD2のランク値が設定される。図例では、1ページ目と4ページ目とに同じ広告ランクのランク値「5」〜「9」が設定されている。
【0049】
また出力枚数が2枚のときには、1枚の出力用紙の表面に印刷される画像データが2枚であるため、それらの画像データが2ページ目と3ページ目に印刷される。そのため、この場合は、ページを閉じた状態で表紙となる1ページ目と4ページ目に、広告データD1が付加されることとなる。この場合、ユーザ9cの目に付きやすい位置としての優劣はないと考えられるため、図例では、1ページ目と4ページ目とに同じ広告ランクのランク値「1」〜「9」が設定されている。
【0050】
出力枚数が3枚以上になると、出力される出力用紙の数が2枚以上に増加していくことなるが、広告ランクの設定については上記と同様である。ただし、出力用紙の枚数が増加すると、各出力用紙の表紙となるページに印刷される広告データは、先頭の出力用紙に近いほどユーザ9cの目に付きやすいと考えられるため、図6における広告配置データD32では、先頭の出力用紙に近い程、配置位置に対応する広告ランクのランク値が高くなるように設定されている。
【0051】
次に、図7は、スキャンジョブに対応する広告配置データD33の一例を示す図である。スキャンジョブでは、原稿を読み取った画像データが電子ファイルとして作成されるため、広告データD1はそのファイルの先頭位置と末尾位置とに付加される。図7に示す広告配置データD33は、スキャンジョブによって出力される画像データの出力枚数が1枚である場合、ファイルの先頭位置に広告ランクD2のランク値が「1」〜「5」のいずれかに対応する広告データD1を付加し、ファイルの末尾位置に広告ランクD2のランク値が「6」〜「9」のいずれかに対応する広告データD1を付加することが設定されている。また、スキャンジョブによって出力される画像データの出力枚数が2枚以上である場合、ファイルの先頭位置に広告ランクD2のランク値が「1」〜「2」のいずれかに対応する広告データD1を付加し、ファイルの末尾位置に広告ランクD2のランク値が「3」〜「9」のいずれかに対応する広告データD1を付加することが設定されている。
【0052】
上述した広告配置データD31,D32,D33は、いずれも記憶装置6に記憶される広告配置データD3を構成するデータである。広告配置データ設定部23は、上記のような広告配置データD31,D32,D33をコンピュータ7から入力し、それらを広告配置データD3として記憶装置6に保存する。
【0053】
次に、データ変更部24は、記憶装置6に記憶されている広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3のそれぞれを書き換えて変更する処理部である。このデータ変更部24は、例えばネットワークインタフェース13を介してコンピュータ7から入力する情報に基づいて、広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3のそれぞれを適宜書き換えて更新するように構成される。
【0054】
データ送信部25は、記憶装置6に記憶されている広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3のそれぞれを読み出して画像処理装置8に送信する処理部である。このデータ送信部25は、記憶装置6に記憶されている各データが更新されたとき、その更新されたデータを読み出して画像処理装置8に送信する。また、データ送信部25は、画像処理装置8からデータの送信要求を受信した場合、それに対応するデータを読み出して画像処理装置8に送信することも可能である。
【0055】
次に、画像処理装置8の構成について説明する。図8は、画像処理装置8のハードウェア構成の一例を示す図である。この画像処理装置8は、制御部30と、ネットワークインタフェース33と、外部インタフェース34と、操作パネル35と、スキャナ部36と、プリンタ部37と、記憶装置38とを備えており、これらがデータバス39を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0056】
制御部30は、CPU31とメモリ32とを備えている。CPU31は、記憶装置38に記憶されているプログラム40を読み出して実行することにより、後述する各種の機能を実現する。メモリ32は、CPU31がプログラム40を実行することに伴って生ずる一時的なデータなどを記憶するものである。
【0057】
ネットワークインタフェース33は、画像処理装置8をネットワークに接続するためのものである。画像処理装置8は、このネットワークインタフェース33を介して広告サーバ5とのデータ通信を行う。また、画像処理装置8がスキャンジョブを実行することによって生成した画像データを他の装置に送信する際にも、このネットワークインタフェース33を介してデータの送信が行われる。
【0058】
外部インタフェース34は、例えばメモリカードやCD-ROMなどの記録媒体に対してデータの入出力を行うためのインタフェースである。画像処理装置8がスキャンジョブを実行することによって生成した画像データを記録媒体に保存する際には、この外部インタフェース34を介して記録媒体への保存が行われる。
【0059】
操作パネル35は、ユーザ9cが画像処理装置8を操作する際のユーザインタフェースとなるものである。この操作パネル35は、ユーザ9cに対して各種の情報を表示する表示部35aと、ユーザ9cからの操作入力を受け付ける操作部35bとを備えている。ユーザ9cは、画像処理装置8を使用する際には、この操作パネル35に対して操作を行うことにより、ジョブの選択を行うと共に、その選択したジョブについての各種の設定操作を行う。そしてジョブの実行開始を指示すると、画像処理装置8においてジョブの実行が開始される。
【0060】
スキャナ部36は、画像処理装置8においてコピージョブ又はスキャンジョブが実行される際に機能し、ユーザ9cによってセットされた原稿を1枚ずつ読み取り、出力対象と成る画像データを生成する。
【0061】
プリンタ部37は、画像処理装置8において印刷ジョブ(コピージョブを含む)が実行される際に機能し、出力対象となる画像データに基づいて出力用紙に対して印刷処理を行うものである。このプリンタ部37は、出力用紙に対して中折り処理を行うことが可能な後処理ユニット(図示省略)を備えており、上述した通常出力形態の印刷出力だけでなく、ブックレット出力形態での印刷出力を行うことができるようになっている。尚、印刷ジョブの出力形態は、ユーザ9cが上述した操作パネル35に対してジョブの設定操作を行う際に予め指定される。そのため、プリンタ部37は、ユーザ9cによって予め指定された出力形態に応じた印刷出力を行う。
【0062】
記憶装置38は、ハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶手段である。この記憶装置38には、CPU31によって実行されるプログラム40が記憶される。また、記憶装置38には、広告サーバ5から送信される各種のデータを記憶する記憶領域として、広告データ記憶部41と、広告ランク記憶部42と、広告配置データ記憶部43とが設けられる。広告データ記憶部41は、広告サーバ5から送信される広告データD1を記憶する記憶領域であり、広告サーバ5が保持する広告データD1と同じデータが格納される。つまり、広告データ記憶部41には、複数種類の広告データD1が記憶される。広告ランク記憶部42は、広告サーバ5から送信される広告ランクD2を記憶する記憶領域である。この広告ランク記憶部42に記憶される広告ランクD2は、広告データ記憶部41に記憶される広告データD1と、1対1に対応付けられる。広告配置データ記憶部43は、広告サーバ5から送信される広告配置データD3を記憶する記憶領域である。この広告配置データ記憶部43には、広告サーバ5が保持する広告配置データD3と同じデータが格納される。それ故、広告配置データ記憶部43には、ジョブの種類ごとに設定された広告配置データD31,D32,D33が記憶される。
【0063】
上記のような構成において、CPU31がプログラム40を実行することによって実現される制御部30の機能としては、主として2種類の機能がある。すなわち、記憶装置38に記憶される各種のデータを管理するための機能と、ジョブ実行時に出力対象となる画像データに広告データD1を付加して出力するための機能との2種類である。以下、これら2種類の機能の詳細について詳しく説明する。
【0064】
図9は、画像処理装置8において制御部30が各種のデータを管理するための機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、制御部30は、記憶装置38に記憶される各種のデータを管理するための処理部として、データ登録部51と、データ変更部52とを備えている。
【0065】
データ登録部51は、ネットワークインタフェース33を介して入力する各種データを記憶装置38に保存する処理部である。データ登録部51は、広告サーバ5から送信される新規な広告データD1を受信すると、その広告データD1を広告データ記憶部41に保存する。また、データ登録部51は、広告サーバ5から新規な広告データD1を受信すると、それに伴い、その新規な広告データD1に対応付けられた広告ランクD2を受信する。そのため、データ登録部51は、新規な広告データD1に対応付けられている広告ランクD2を広告ランク記憶部42に保存する。このとき、広告ランク記憶部42に保存する広告ランクD2を、広告データ記憶部41に記憶した広告データD1と、1対1で対応付けて保存する。さらにデータ登録部51は、広告サーバ5から新規な広告配置データD3を受信すると、その広告配置データD3を広告配置データ記憶部43に保存する。
【0066】
データ変更部52は、既に記憶装置38に記憶されている各種データを書き換えて変更する処理部である。データ変更部52は、ネットワークインタフェース33を介して広告サーバ5から、変更対象となるデータの入力を受け付ける。そしてデータ変更部52は、既に記憶装置38に記憶されている各種データのうち、変更対象となるデータを特定し、その特定したデータを、広告サーバ5から受信したデータに書き換えて更新する。例えば、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1を変更するデータを受信した場合、データ変更部52は、広告サーバ5から受信した変更用の広告データD1で、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1を書き換える。これにより、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1が最新の広告内容に書き換えられることになる。また、広告ランク記憶部42に記憶されている広告ランクD2、又は、広告配置データ記憶部43に記憶されている広告配置データD3の書き換えもこれと同様である。
【0067】
またデータ変更部52は、操作パネル35からも記憶装置38に記憶されている各種データの書き換え操作を受け付け、操作パネル35から入力するデータに基づいて各種データの変更を行うことができるようになっている。すなわち、データ変更部52は、操作パネル35から入力されるデータに基づいて、広告ランク記憶部42に記憶されている広告ランクD2や、広告配置データ記憶部43に記憶されている広告配置データD3を書き換えて変更する。ただし、このような書き換え操作は、画像処理装置8の利用者であるユーザ9cは行うことができず、画像処理装置8によるサービス提供の運営を管理する管理者だけが行うことができる操作である。
【0068】
このようにしてデータ変更部52が、既に記憶装置38に記憶されている各種データを書き換えて変更することにより、記憶装置38に記憶される広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3のそれぞれを随時最新の状態に保持することができるようになっている。
【0069】
次に、図10は、画像処理装置8において制御部30がジョブ実行時に出力対象となる画像データに広告データD1を付加して出力するための機能構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、制御部30は、ジョブを実行する際の処理部として、ジョブ受付部53と、出力画像取得部54と、広告付加処理部55と、画像出力制御部56とを備えている。
【0070】
ジョブ受付部53は、ジョブの実行指示を受け付ける処理部である。このジョブ受付部53は、画像処理装置8の利用者であるユーザ9cが操作パネル35に対して入力する情報に基づいて実行すべきジョブを特定すると共に、ジョブについての各種の設定を行う。そしてジョブ受付部53が、ユーザ9cによるジョブの実行開始指示を検知すると、次に出力画像取得部54を機能させる。
【0071】
出力画像取得部54は、出力対象となる画像データを取得する処理部である。例えば、ユーザ9cによって指定されたジョブがコピージョブ又はスキャンジョブの場合、出力画像取得部54は、スキャナ部36を制御することにより、ユーザ9cによってセットされた原稿の読み取り動作を行わせ、スキャナ部36から出力対象となる画像データを取得する。尚、印刷ジョブの場合、出力画像取得部54は、外部インタフェース34を介してメモリカードやCD-ROMなどの記録媒体から出力対象となる画像データを取得する。またネットワークを介して他の装置から画像データを取得することも可能である。
【0072】
出力画像取得部54が出力対象となる画像データを取得すると、制御部30において広告付加処理部55が機能する。広告付加処理部55は、出力対象となる画像データに対して広告データD1を付加することにより出力画像を生成する処理部である。以下、さらに詳しく説明する。
【0073】
広告付加処理部55は、出力画像取得部54によって取得された画像データの出力枚数を算出する。そして広告付加処理部55は、広告配置データ記憶部43からジョブの種類に対応する広告配置データD3を読み出す。ユーザ9cによって指定されたジョブがコピージョブと印刷ジョブのいずれかであって印刷出力を伴うジョブである場合、広告付加処理部55は、印刷出力の出力形態に応じた広告配置データD3を読み出す。
【0074】
そして広告付加処理部55は、読み出した広告配置データD3に基づいて、出力対象となる画像データの出力枚数に対応する広告データD1の配置位置を特定すると共に、各配置位置に設定されている広告ランクD2を全て特定する。さらに広告付加処理部55は、広告ランク記憶部42に記憶されている広告ランクD2を参照しながら、各配置位置に設定されている広告ランクD2に対応する広告データD1を、広告データ記憶部41から抽出して読み出す。このとき、広告付加処理部55は、1つの配置位置に対して1つの広告データD1を抽出して読み出す。
【0075】
例えば、図5に示した広告配置データD31において、ジョブの出力枚数が2枚の場合、2ページ目の配置位置に配置すべき広告ランクD2のランク値として「4」〜「9」が設定されている。この場合、広告付加処理部55は、2ページ目に配置する広告データD1として、広告ランクD2のランク値が「4」〜「9」のいずれかである広告データD1を1つ選択して広告データ記憶部41から読み出す。
【0076】
このとき、ランク値が「4」〜「9」のそれぞれに対応する複数の広告データD1が広告データ記憶部41に記憶されていることもある。そのため、広告付加処理部55は、図4に示した広告ランクD2の各ランク値に対応する提供頻度に基づいて、配置位置に設定されている各ランク値に対する重み付けを行い、ランク値の高い広告ランクD2が対応付けられた広告データD1を優先的に選択するように構成される。すなわち、図4に示した提供頻度の場合、ランク値「4」の広告ランクD2が対応付けられた広告データD1は、それよりも順位の低いランク値「5」〜「9」の広告ランクD2が対応付けられた広告データD1よりも優先的に選択できるように重み付けを行い、その重み付けに基づいて1つの広告データD1を選択するようになっている。このような選択手法によると、2ページ目に配置される広告データD1としては、ランク値「4」の広告ランクD2が対応付けられた広告データD1が選択される確率が高くなる。ただし、必ずしも、ランク値「4」の広告ランクD2が対応付けられた広告データD1が選択されるとは限らず、それよりも低い順位の広告ランクD2が対応付けられた広告データD1が選択されることもある。
【0077】
また同一ランク値の広告ランクD2が対応付けられた複数の広告データD1が広告データ記憶部41に記憶されている場合、広告付加処理部55は、それら同一ランク値の複数の広告データD1については均等な重み付けとする。したがって、同一ランク値の広告ランクD2が対応付けられた複数の広告データD1はそれぞれが均等な確率で選択されることになる。
【0078】
上記のようにして広告配置データD3において定義された各配置位置に配置するための広告データD1を選択して読み出すと、広告付加処理部55は、その読み出した広告データD1を各配置位置へ配置する。このような広告付加処理部55の処理により、出力対象となる画像データに広告データD1が付加された出力画像が生成される。このようにして生成される出力画像は、ジョブの種類と出力枚数とに応じて、ユーザ9cの目に付きやすい位置にランク値の高い広告データD1が優先的に配置された画像となる。
【0079】
次に制御部30において画像出力制御部56が機能する。画像出力制御部56は、広告付加処理部55によって広告データD1の付加された状態の出力画像を出力する処理部である。例えば、ユーザ9cによって指定されたジョブがコピージョブ又は印刷ジョブである場合、画像出力制御部56は、広告付加処理部55によって生成された出力画像をプリンタ部37へ出力すると共に、プリンタ部37を駆動して印刷出力を行わせる。プリンタ部37は、画像出力制御部56から出力画像を入力すると、その出力画像に基づいて出力用紙に印刷処理を行うと共に、必要に応じて出力用紙の中折り処理を行って出力する。
【0080】
また、ユーザ9cによって指定されたジョブがコピージョブ又は印刷ジョブである場合、画像出力制御部56は、広告付加処理部55によって生成された出力画像を、ユーザ9cによって指定された装置に出力する。例えば、ユーザ9cがメモリカードなどの記録媒体への保存を指定していた場合、画像出力制御部56は、外部インタフェース34を介して出力画像を記録媒体に出力し、出力画像を電子ファイルとして記録媒体に保存する。また、ユーザ9cがネットワークに接続されたコンピュータなどの他の装置への保存を指定していた場合、画像出力制御部56は、ネットワークインタフェース33を介して出力画像を電子ファイルとして送信する。
【0081】
このようにジョブの実行時においては、制御部30が、ジョブ受付部53、出力画像取得部54、広告付加処理部55および画像出力制御部56として順次機能することにより、そのジョブの出力枚数に応じてユーザ9cの目に付きやすい位置に、ランク値の高い広告ランクが対応付けられた広告データD1を付加した出力画像を出力することができるようになる。特に、広告データD1を配置するために参照される広告配置データD3は、ジョブの種類ごとに設定されているため、画像処理装置8で実行されるジョブの種類に適応させながら、ユーザ9cの目に付きやすい位置に、ランク値の高い広告ランクが対応付けられた広告データD1を優先的に付加した状態で出力画像を出力することができるようになる。
【0082】
図11は、通常出力形態で印刷ジョブが実行される場合の広告データが付加される一態様を示す図である。図11では、出力対象である画像データの出力枚数が3枚である場合を例示しており、出力用紙の枚数は3枚である。この場合、図5に示した広告配置データD31の出力枚数が3枚に対応する欄が参照されることにより、図11に示すような印刷出力が行われる。すなわち、ジョブの出力対象となる画像は、1ページ目、3ページ目、5ページ目に印刷される。また、広告データD1は、2ページ目、4ページ目、6ページ目に印刷される。そして、2ページ目に印刷される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が「4」〜「6」のいずれかのデータとなっている。4ページ目に印刷される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が「7」〜「9」のいずれかのデータとなっている。さらに、6ページ目に印刷される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が「1」〜「3」のいずれかのデータとなっている。
【0083】
図11の例では、出力画像の印刷された3枚の出力用紙が用紙束になったとき、その用紙束の表面側には1ページ目が現れ、裏面側には6ページ目が現れる。そのため、6ページ目に印刷される広告は、2ページ目や4ページ目に印刷される広告よりもユーザ9cの目に付きやすい状態となる。このようなことから、最終ページである6ページ目に印刷される広告データD1は、他のページに印刷される広告データD1よりも、広告ランクD2のランク値が最も順位の高いものとなる。
【0084】
また、2ページ目に印刷される広告と、4ページ目に印刷される広告とを比較した場合、2ページ目に印刷される広告は、用紙束の1枚目の用紙が捲られるとユーザ9cによって視認されるため、最終ページを除く他のページよりもユーザ9cによって視認される頻度が多くなる。そのため、2ページ目に印刷される広告データD1は、4ページに印刷される広告データD1よりも、広告ランクD2のランク値が順位の高いものとなっている。
【0085】
次に、図12は、ブックレット出力形態で印刷ジョブが実行される場合の広告データが付加される一態様を示す図である。図12では、出力対象である画像データの出力枚数が3枚である場合を例示しており、ブックレット出力形態では出力用紙の枚数が2枚となる。この場合、図6に示した広告配置データD32の出力枚数が3枚に対応する欄が参照されることにより、図12に示すような印刷出力が行われる。すなわち、ジョブの出力対象となる画像は、出力用紙1枚目の2ページ目と3ページ目に印刷されると共に、出力用紙2枚目の6ページ目に印刷される。また、広告データD1は、出力用紙1枚目の1ページ目と4ページ目に印刷されると共に、出力用紙2枚目の5ページ目と7ページ目と8ページ目に印刷される。そして、1ページ目と4ページ目に印刷される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が「4」〜「6」のいずれかのデータとなっている。また、5ページ目と8ページ目に印刷される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が「7」〜「9」のいずれかのデータとなっている。さらに7ページ目に印刷される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が他のページよりも高く、「1」〜「3」のいずれかのデータとなっている。
【0086】
図12の例では、出力画像の印刷された2枚の出力用紙が中折りされた状態で出力されると、1枚目の出力用紙においては2ページ目と3ページ目とが見開いた状態で互いに隣接する位置関係となり、2枚目の出力用紙においては6ページ目と7ページ目とが見開いた状態で互いに隣接する位置関係となる。ブックレット出力形態では、出力対象となる画像データがこのように見開いた状態で互いに隣接するページに印刷されるが、出力対象である画像データの出力枚数が3枚である場合は、7ページ目には画像データは印刷されず、広告データD1が印刷される。広告データD1が印刷される各ページの中では、この7ページ目に印刷される広告が、最もユーザ9cによって視認される頻度が高くなるため、7ページ目に印刷される広告データD1は、他のページに印刷される広告データD1よりも、広告ランクD2のランク値が最も順位の高いものとなる。
【0087】
次に、図13は、スキャンジョブが実行される場合の広告データが付加される一態様を示す図である。図13でも、出力対象である画像データの出力枚数が3枚である場合を例示している。この場合、図7に示した広告配置データD33の出力枚数が2枚以上に対応する欄が参照されることにより、図13に示すような電子ファイルの出力が行われる。すなわち、ジョブの出力対象となる画像は、ファイルの先頭位置と末尾位置とを除く部分に配置され、ファイルの先頭位置には、広告ランクD2のランク値が「1」〜「2」に対応する広告データD1が付加されると共に、ファイルの末尾位置には、広告ランクD2のランク値が「3」〜「9」に対応する広告データD1が付加される。つまり、電子ファイルとして出力画像が出力される場合、ファイルの先頭位置に付加される広告データD1は、ファイルの末尾位置に付加される広告データD1よりも、ユーザ9cによって視認される頻度が高くなるため、広告ランクD2のランク値が順位の高いものとなっている。また画像データの出力枚数が増加すると、それに伴い、ファイルの末尾位置に付加される広告データD1がユーザ9cによって視認される機会は低下すると考えられる。そのため、画像データの出力枚数が2枚以上であれば、ファイルの先頭位置に付加される広告データD1は、広告ランクD2のランク値が「1」と「2」のいずれかであるものに限定される。これにより、画像データの出力枚数が1枚の場合よりも、順位の高い広告ランクD2が対応付けられた広告データD1が優先的に選択されてファイルの先頭位置に付加される可能性が高くなり、ユーザ9cの目に触れさせることができるようになる。
【0088】
次に、画像処理装置8において行われる処理シーケンスについて説明する。まず図14は、画像処理装置8が広告サーバ5から各種データを取得して保存するためのデータ取得処理を示すフローチャートである。この処理は、画像処理装置8の制御部30がプログラム40を実行することによって行われる処理であって、画像処理装置8に対して電源が投入されたタイミングで行われると共に、その後も一定周期で定期的に行われる処理である。この処理を開始すると、制御部30は、まず、記憶装置38における広告データ記憶部41、広告ランク記憶部42および広告配置データ記憶部43の各記憶部にデータが記憶されているか否かを確認する(ステップS100)。そして制御部30は、広告データ記憶部41に広告データD1が記憶されているか否かを判断する(ステップS101)。ここで、広告データD1が記憶されていない場合(ステップS101でNO)、ユーザ9cに対して画像出力サービスを提供することができないため、制御部30は、広告サーバ5から広告データD1を取得し、その取得した広告データD1を広告データ記憶部41に保存する(ステップS102)。そして制御部30は、広告データ記憶部41に広告データD1を保存することに伴い、データ保存を行ってからの経過時間のカウント動作を開始する。尚、広告データD1が広告データ記憶部41に記憶されている場合(ステップS101でYES)、ステップS102の処理はスキップする。
【0089】
次に制御部30は、広告ランク記憶部42に広告ランクD2が記憶されているか否かを判断する(ステップS103)。ここで、広告ランクD2が記憶されていない場合(ステップS103でNO)、制御部30は、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1に対応する広告ランクD2を広告サーバ5から取得し、その取得した広告ランクD2を広告ランク記憶部42に保存する(ステップS104)。このとき、制御部30は、広告サーバ5から取得した広告ランクD2を、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1に関連付けて保存する。また制御部30は、広告ランク記憶部42に広告ランクD2を保存することに伴い、データ保存を行ってからの経過時間のカウント動作を開始する。尚、広告ランク記憶部42に広告ランクD2が記憶されている場合(ステップS103でYES)、ステップS104の処理はスキップする。
【0090】
次に制御部30は、広告配置データ記憶部43に広告配置データD3が記憶されているか否かを判断する(ステップS105)。ここで、広告配置データD3が記憶されていない場合(ステップS105でNO)、ユーザ9cに対して画像出力サービスを提供することができないため、制御部30は、広告サーバ5から広告配置データD3を取得し、その取得した広告配置データD3を広告配置データ記憶部43に保存する(ステップS106)。そして制御部30は、広告配置データ記憶部43に広告配置データD3を保存することに伴い、データ保存を行ってからの経過時間のカウント動作を開始する。尚、広告配置データD3が広告配置データ記憶部43に既に記憶されている場合(ステップS105でYES)、ステップS106の処理はスキップする。
【0091】
そして制御部30は、ステップS102、S104又はS106のいずれかにおいてカウント動作を開始した経過時間が所定時間を経過しているか否かを判断する(ステップS107)。ここでの所定時間は、例えば1日、1週間又は1か月といった一定の時間に予め設定されている。そしてデータを保存してから所定時間が経過していない場合(ステップS107でNO)、このデータ取得処理は終了する。
【0092】
これに対し、データを保存してから所定時間が経過している場合(ステップS107でYES)、制御部30は、広告サーバ5に対し、広告サーバ5で保持されている広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3のいずれかにデータ変更が行われているか否かを問い合わせる(ステップS108)。そして広告サーバ5からの回答に基づいてデータ変更が行われているか否かを判断し(ステップS109)、広告サーバ5においてデータ変更が行われていない場合は(ステップS109でNO)、処理を終了する。一方、広告サーバ5においてデータ変更が行われている場合(ステップS109でYES)、制御部30は、広告サーバ5から変更されたデータを取得し、その取得したデータを広告データ記憶部41、広告ランク記憶部42および広告配置データ記憶部43のいずれかに保存して処理を終了する(ステップS110)。
【0093】
このように図14に示したデータ取得処理では、画像処理装置8が主体的に広告サーバ5から各種のデータを取得して保存すると共に、データを保存してから一定時間が経過した後には広告サーバ5に対してデータ変更の有無を問い合わせ、データ変更が行われていれば自動的に各種のデータを更新する処理が行われる。
【0094】
次に、図15は、画像処理装置8がジョブを実行する際のジョブ実行処理を示すフローチャートである。この処理もまた、画像処理装置8の制御部30がプログラム40を実行することによって行われる処理であって、画像処理装置8を利用するユーザ9cによってジョブの実行が指示された場合に行われる処理である。この処理を開始すると、制御部30は、まず、ユーザ9cによって指定されたジョブの種類を判別する(ステップS200)。そして判別したジョブの種類に基づいて出力対象となる画像データを取得する(ステップS201)。例えば、コピージョブやスキャンジョブの場合、制御部30は、スキャナ部36を制御することにより、原稿から読み取った画像データを取得する。また、印刷ジョブの場合には、ユーザ9cによって指定された記録媒体から出力対象となる画像データを取得する。そして制御部30は、取得した画像データの出力枚数を算出する(ステップS202)。
【0095】
次に制御部30は、ジョブの種類が印刷出力を伴うジョブであるか否かを判断する(ステップS203)。ここでは、ユーザ9cによって指定されたジョブがコピージョブ又は印刷ジョブである場合にYESと判断され、スキャンジョブである場合にNOと判断される。
【0096】
ジョブの種類が印刷出力を伴うジョブである場合(ステップS203でYES)、制御部30は、印刷ジョブの出力形態を判別する(ステップS204)。この判別により、印刷ジョブの出力形態が、通常出力形態とブックレット出力形態のいずれであるかが特定される。そして制御部30は、印刷ジョブの出力形態が通常出力形態であるか否かに応じて広告配置データ記憶部43から読み出す広告配置データD3を切り替える(ステップS205)。すなわち、印刷ジョブの出力形態が通常出力形態である場合(ステップS205でYES)、制御部30は、広告配置データ記憶部43から印刷ジョブの通常出力形態に対応した広告配置データD31を読み出す(ステップS206)。これに対し、印刷ジョブの出力形態がブックレット出力形態である場合(ステップS205でNO)、制御部30は、広告配置データ記憶部43から印刷ジョブのブックレット出力形態に対応した広告配置データD32を読み出す(ステップS206)。
【0097】
一方、ジョブの種類が印刷出力を伴わないスキャンジョブであった場合(ステップS203でNO)、制御部30は、広告配置データ記憶部43からスキャンジョブに対応した広告配置データD33を読み出す(ステップS208)。
【0098】
そして制御部30は、読み出した広告配置データD3に基づいて画像データの出力枚数に対応する広告データD1の配置位置を特定し(ステップS209)、その特定した配置位置に設定されている広告ランクD2を特定する(ステップS210)。制御部30は、この特定した広告ランクD2に基づいて各配置位置に配置すべき広告データD1を広告データ記憶部41から取得する(ステップS211)。そして取得した広告データD1を、画像データに対して付加する(ステップS212)。このとき、広告データ記憶部41から読み出された各広告データD1が、広告配置データD3に定義された各配置位置に配置される。これにより、ジョブの実行によって出力するための出力画像が生成される。そして制御部30は、ステップS212で生成した出力画像の出力処理を行う(ステップS213)。このときに行われる出力処理は、ジョブの種類に応じて異なるものとなる。すなわち、コピージョブや印刷ジョブのように印刷出力を伴うジョブである場合には、プリンタ部37を駆動して印刷出力を行う。またスキャンジョブの場合には、外部インタフェース34又はネットワークインタフェース33を介して電子ファイルとして作成された出力画像が出力される。そして出力画像の出力処理が完了すると、ジョブの実行が終了する。
【0099】
このように図15に示したジョブ実行処理では、画像処理装置8がユーザ9cによって指定されたジョブを実行して画像出力を行う際、出力対象となる画像データの出力枚数に応じて、順位の高いランク値の対応づけられた広告データD1がユーザ9cの目につきやすい位置に優先的に付加された出力画像が生成され、その出力画像に基づいた画像出力が行われる。
【0100】
次に、図16は、画像処理装置8が操作パネル35又は広告サーバ5から入力する情報に基づいて記憶装置38に記憶している各種データを変更するためのデータ変更処理を示すフローチャートである。この処理もまた、画像処理装置8の制御部30がプログラム40を実行することによって行われる処理であって、一定周期ごとに繰り返し行われる処理である。この処理を開始すると、制御部30は、操作パネル35に対し、画像処理装置8の管理者によるデータ変更操作が行われたか否かを判断する(ステップS300)。
【0101】
データ変更操作が行われた場合(ステップS300でYES)、制御部30は、広告ランク記憶部42に記憶されている広告ランクD2の変更であるか否かを判断する(ステップS301)。その結果、広告ランクD2の変更であった場合(ステップS301でYES)、制御部30は、操作パネル35から入力される情報に基づいて変更すべき広告ランクD2を特定し(ステップS302)、さらに操作パネル35から入力される情報に基づいてその特定した広告ランクD2のランク値を書き換える(ステップS303)。これにより、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1に対応付けられている広告ランクD2のランク値を、画像処理装置8の管理者による操作に基づいて変更することができる。一方、広告ランクD2の変更でなかった場合(ステップS301でNO)、ステップS302,S303の処理はスキップする。
【0102】
次に制御部30は、操作パネル35に対して行われたデータ変更操作が広告配置データ記憶部43に記憶されている広告配置データD3の変更であるか否かを判断する(ステップS304)。その結果、広告配置データD3の変更であった場合(ステップS304でYES)、制御部30は、操作パネル35から入力される情報に基づいて変更すべき広告配置データD3を特定し(ステップS305)、さらに操作パネル35から入力される情報に基づいてその特定した広告配置データD3に設定されている広告データD1の配置位置や広告ランクD2のランク値を書き換える(ステップS306)。これにより、広告配置データ記憶部43に記憶されている広告配置データD3を、画像処理装置8の管理者による操作によって変更することができる。一方、広告配置データD3の変更でなかった場合(ステップS304でNO)、ステップS305,S306の処理はスキップする。
【0103】
また、制御部30は、操作パネル35に対するデータ変更操作が行われていないと判断した場合(ステップS300でNO)、上述したステップS301〜S306の処理をスキップする。
【0104】
そして次に制御部30は、広告サーバ5からデータ変更コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS307)。広告サーバ5は、記憶装置6に保持している広告データD1、広告ランクD2および広告配置データD3のいずれかを変更した場合、それに伴って画像処理装置8に保存されているデータを変更するために、画像処理装置8に対してデータ変更コマンドを送信する。ステップS307では、このデータ変更コマンドを受信したか否かが判断される。
【0105】
その結果、データ変更コマンドを受信している場合(ステップS307でYES)、制御部30は、広告データD1が変更されたか否かを判断する(ステップS308)。そして広告データD1が変更されていた場合(ステップS308でYES)、制御部30は、広告サーバ5から受信するデータに基づいて、広告データ記憶部41に記憶されている広告データD1を書き換えて変更する(ステップS309)。尚、広告データD1が変更されていない場合(ステップS308でNO)、ステップS309の処理はスキップする。
【0106】
次に制御部30は、広告ランクD2が変更されたか否かを判断し(ステップS310)、広告ランクD2が変更されている場合(ステップS310でYES)、広告サーバ5から受信するデータに基づいて、広告ランク記憶部42に記憶されている広告ランクD2を書き換えて変更する(ステップS311)。尚、広告ランクD2が変更されていない場合(ステップS310でNO)、ステップS311の処理はスキップする。
【0107】
さらに制御部30は、広告配置データD3が変更されたか否かを判断し(ステップS312)、広告配置データD3が変更されている場合(ステップS312でYES)、広告サーバ5から受信するデータに基づいて、広告配置データ記憶部43に記憶されている広告配置データD3を書き換えて変更する(ステップS313)。尚、広告配置データD3が変更されていない場合(ステップS312でNO)、ステップS313の処理はスキップする。
【0108】
また、制御部30は、広告サーバ5からデータ変更コマンドを受信していないと判断した場合(ステップS307でNO)、上述したステップS308〜S313の処理をスキップする。以上でデータ変更処理が終了する。
【0109】
画像処理装置8において、このようなデータ変更処理が行われることにより、操作パネル35を介して入力される情報に基づいて記憶装置38に記憶されている各種データを変更することができると共に、広告サーバ5において保持されている各種データが変更されたときにはそれに伴って広告サーバ5から送信される情報に基づいて記憶装置38に記憶されている各種データを変更することができる。
【0110】
ただし、図16に示した例では、操作パネル35を介して入力される情報に基づいて変更可能なデータは、広告ランクD2と広告配置データD3のみであり、広告データD1については変更することができないようになっている。この理由は、少なくとも広告データD1については、広告サーバ5で管理されている広告データD1との整合性を保つ必要があるからである。したがって、画像処理装置8において保持される広告データD1は、画像処理装置8が広告サーバ5から変更データを受信しない限り、変更されることはなく、広告サーバ5において管理される広告データD1との整合性が保持される。
【0111】
以上のように本実施形態における画像処理装置8は、複数種類の広告データD1と、それら複数種類の広告データD1のそれぞれに対して個別に設定された広告ランクD2と、ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて各広告ランクの設定された広告データを配置する位置を定義した広告配置データD3とを予め記憶しておくように構成される。そしてジョブの実行時には、出力対象となる画像を取得してその画像の出力枚数を算出し、広告配置データD3と、各広告データD1に対して予め設定されている各広告ランクD2とに基づいて、各広告データD1の配置位置を決定して出力対象となる画像に付加して出力する構成である。
【0112】
このような構成によれば、ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて、各広告ランクの設定された広告データを配置する位置を変更して出力することができるようになる。特に、出力対象となる画像データとは異なるページに広告データを付加して出力する場合には、ジョブの出力対象となる画像データの出力枚数に応じて、利用者の目に付きやすいページと、そうでないページとが変化するため、各広告ランクが設定された広告データの配置位置をジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて切り替えることにより、どのような出力枚数であっても、広告ランクの高い広告データD1を利用者の目に付きやすいページに配置して出力することができるようになる。
【0113】
そして、例えば各広告主が提供する広告データD1のそれぞれに対し、各広告主が負担する広告費用に応じて順位付けした広告ランクD2を予め設定しておき、さらに広告配置データD3においては順位の高い広告ランクD2が設定された広告データD1が優先的に利用者の目に付きやすい位置に配置されるように定義しておく。このようにすることで、各広告主に対しては、広告費用の負担額に応じた広告効果を提供することができるようになり、広告効果の不公平が是正される。
【0114】
また、印刷出力を伴わないジョブであってもそのジョブに対応する広告配置データD3を記憶させておくことで、ジョブの実行時には広告データD1を付加した出力画像を出力させることができるようになる。そのため、印刷出力を伴うジョブだけでなく、印刷出力を伴わないジョブを実行する場合にも、利用者に対する課金額を軽減することができるようになる。
【0115】
また本実施形態の画像処理装置8は、広告配置データ記憶部43においてジョブの種類ごとに設定された複数種類の広告配置データD3を記憶する構成である。そしてジョブの実行時には、広告配置データ記憶部43に記憶されている複数種類の広告配置データD3の中から、実行対象となるジョブの種類に対応する一の広告配置データを読み出し、その一の広告配置データに基づいて各広告データD1の配置位置を決定し、出力対象となる画像に付加するように構成される。
【0116】
このような構成によれば、画像処理装置8において実行されるジョブの種類に応じて読み出される広告配置データD3が変更されるので、ジョブの種類に適した広告データD1の配置が行われるようになる。
【0117】
また本実施形態の画像処理装置8は、広告配置データ記憶部43において印刷ジョブの出力形態ごとに設定された複数種類の広告配置データD3を記憶する構成である。そして印刷ジョブの実行時には、その印刷ジョブの出力形態を判別し、広告配置データ記憶部43に記憶されている複数種類の広告配置データD3の中から、その出力形態に対応する一の広告配置データを読み出し、その一の広告配置データに基づいて各広告データD1の配置位置を決定し、出力対象となる画像に付加するように構成される。
【0118】
このような構成によれば、印刷ジョブの実行時には、その出力形態に応じて各広告ランクが設定された広告データD1の配置位置が変更されるようになり、どのような出力形態であっても、広告ランクの高い広告データD1を利用者の目に付きやすい位置に印刷して出力することができるようになる。
【0119】
尚、上記においては本発明に関する一実施形態を例示したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0120】
例えば、上述した実施形態では、画像処理装置8において、広告データD1を記憶する広告データ記憶部41と、広告ランクD2を記憶する広告ランク記憶部42とが別の記憶領域に構成される場合を例示したが、これに限られるものではなく、これらが同一の記憶領域に記憶されても構わない。さらに、広告配置データD3についても、広告データD1および広告ランクD2と同一の記憶領域に記憶されるものであっても構わない。
【0121】
また、上述した実施形態では、広告配置データD3において広告データD1を配置すべき位置に複数のランク値が設定されている場合、各ランク値の提供頻度に基づいて重み付けを行い、ランク値の高い広告データD1が優先的に選択される選択手法を例示した。しかしながら、本発明ではこれに限られるものではなく、広告データD1を配置すべき位置に複数のランク値が設定されている場合であってもそれら複数のランク値のそれぞれに対応する複数の広告データD1の中からランダムに1つの広告データD1を選択して配置するようにしても良い。
【符号の説明】
【0122】
1 画像処理システム
5 広告サーバ
8 画像処理装置
53 ジョブ受付部(ジョブ受付手段)
54 出力画像取得部(出力画像取得手段)
55 広告付加処理部(広告付加手段)
56 画像出力制御部(画像出力手段)
D1 広告データ
D2 広告ランク
D3(D31,D32,D33) 広告配置データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力に関するジョブを実行することにより画像出力サービスを提供する画像処理装置であって、
複数種類の広告データを記憶する広告データ記憶手段と、
前記広告データ記憶手段に記憶される各広告データに対して予め設定される広告ランクを記憶する広告ランク記憶手段と、
ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて、各広告ランクの広告データを配置する位置を定義した広告配置データを記憶する広告配置データ記憶手段と、
ジョブの実行指示を受け付けるジョブ受付手段と、
前記ジョブ受付手段によってジョブの実行指示が受け付けられることに伴い、当該ジョブにおいて出力対象となる画像を取得する出力画像取得手段と、
前記出力画像取得手段によって取得された画像の出力枚数を算出し、前記広告配置データと、前記広告データ記憶手段に記憶されている各広告データに設定された広告ランクとに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加し、出力画像を生成する広告付加手段と、
前記広告付加手段によって広告データの付加された出力画像を出力する画像出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記広告配置データ記憶手段は、ジョブの種類ごとに設定された複数種類の広告配置データを記憶しており、
前記広告付加手段は、前記広告配置データ記憶手段に記憶されている複数種類の広告配置データの中から、前記ジョブ受付手段によって受け付けられたジョブの種類に対応する一の広告配置データを読み出し、当該一の広告配置データに基づいて前記広告データ記憶手段に記憶されている広告データの配置位置を決定し、出力対象となる画像に付加することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記広告配置データ記憶手段は、印刷ジョブの出力形態ごとに設定された複数種類の広告配置データを記憶しており、
前記広告付加手段は、前記ジョブ受付手段によって受け付けられたジョブが印刷ジョブである場合、当該印刷ジョブの出力形態を判別し、前記広告配置データ記憶手段に記憶されている複数種類の広告配置データの中から、当該印刷ジョブの出力形態に対応する一の広告配置データを読み出し、当該一の広告配置データに基づいて前記広告データ記憶手段に記憶されている広告データの配置位置を決定し、出力対象となる画像に付加することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
ユーザによる入力操作を受け付ける操作入力手段と、
前記操作入力手段より入力される情報に基づいて、前記広告データ記憶手段に記憶された複数種類の広告データのそれぞれに対して設定される広告ランク、又は、前記広告配置データ記憶手段に記憶された広告配置データにおいて定義されている広告データを配置する位置、を書き換えて変更するデータ変更手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置と広告サーバとが互いにデータ通信可能であり、前記広告サーバが前記画像処理装置に対して広告データを提供し、前記画像処理装置が画像出力に関するジョブを実行する際に前記広告サーバより提供された広告データを付加した画像を出力する画像処理システムであって、
前記広告サーバは、個別に広告ランクが設定された複数種類の広告データと、前記画像処理装置において実行されるジョブの出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置が定義された広告配置データとを、前記画像処理装置に対して送信するデータ送信手段を有し、
前記画像処理装置は、前記広告サーバから送信される前記複数種類の広告データと前記広告配置データとを記憶する記憶手段を有し、ジョブの実行時に出力対象となる画像の出力枚数を算出し、前記広告配置データに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加し、広告データの付加された出力画像を出力することを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
前記広告サーバは、前記複数種類の広告データのそれぞれに対して設定される広告ランク、又は、前記広告配置データにおける各広告ランクの広告データを配置する位置、を書き換えることにより、前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを変更するデータ変更手段を更に有し、前記データ送信手段が前記データ変更手段によって変更された前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを更に前記画像処理装置に送信するものであり、
前記画像処理装置は、前記広告サーバから変更された前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを受信することに伴い、前記記憶手段に記憶された前記複数種類の広告データ又は前記広告配置データを変更することを特徴とする請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
画像出力に関するジョブを実行することにより画像出力サービスを提供する画像処理方法であって、
複数種類の広告データを記憶すると共に、それら複数種類の広告データのそれぞれに対して予め設定される広告ランクを記憶するステップと、
ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置が定義された広告配置データを記憶するステップと、
ジョブの実行指示を受け付けるステップと、
ジョブの実行指示が受け付けられることに伴い、当該ジョブにおいて出力対象となる画像を取得するステップと、
出力対象となる画像の出力枚数を算出し、前記広告配置データに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告ランクの広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加して出力画像を生成するステップと、
広告データの付加された出力画像を出力するステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、画像出力に関するジョブを実行させることによって画像出力サービスを提供させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
複数種類の広告データを記憶させると共に、それら複数種類の広告データのそれぞれに対して予め設定される広告ランクを記憶させるステップと、
ジョブ実行時の画像の出力枚数に応じて各広告ランクの広告データを配置する位置が定義された広告配置データを記憶させるステップと、
ジョブの実行指示を受け付けるステップと、
ジョブの実行指示が受け付けられることに伴い、当該ジョブにおいて出力対象となる画像を取得させるテップと、
出力対象となる画像の出力枚数を算出させ、前記広告配置データに基づいて、画像の出力枚数に対応する各広告ランクの広告データの配置位置を決定して出力対象となる画像に付加して出力画像を生成させるステップと、
広告データの付加された出力画像を出力させるステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−150746(P2012−150746A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10462(P2011−10462)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】