画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法
【課題】サーバレスでロケーションフリーにする。
【解決手段】画像データを記憶している1以上のユーザ端末とネットワークで接続されている画像処理装置において、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、前記ユーザ識別情報を用いて、ユーザの認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合に、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末に記憶されている画像データを要求する要求情報を送信し、該ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、前記受信部で受信した画像データに対して所定処理を行う画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【解決手段】画像データを記憶している1以上のユーザ端末とネットワークで接続されている画像処理装置において、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、前記ユーザ識別情報を用いて、ユーザの認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合に、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末に記憶されている画像データを要求する要求情報を送信し、該ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、前記受信部で受信した画像データに対して所定処理を行う画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムとして、ユーザが保有するユーザ端末(例えば、PC)から印刷ボタンをクリックして、該ユーザ端末にネットワーク接続されている画像形成装置から印刷出力するものがある。
【0003】
図1に第1従来技術(非特許文献1記載)の印刷システムの機能構成例を示す。図1の例では、ネットワーク30に、ユーザ端末10、N個の画像形成装置201〜20N、が接続されている。また、N個の画像形成装置201〜20Nそれぞれは、認証装置211〜21Nを含んでいる。ここで、第1従来技術の印刷システムの処理の流れについて簡単に説明する。認証装置とは、例えば、カードリーダであり、ユーザが該カードリーダにICカードをかざすことで認証処理を行う。
(1)ユーザが印刷を所望する画像データがある場合には、自己が保有するユーザ端末10に対して、印刷ボタンをクリックする。
(2)この画像データは、ユーザ端末10に備え付けられている記憶部15に格納される。
(3)そしてユーザ端末10は、該ユーザのユーザIDと該ユーザ端末10のIPアドレスとを対応付けて認証装置21Nに対して送信する。ここで、ユーザIDとIPアドレスが送信される認証装置21Nは予め定められている。
(4)ユーザは、認証装置21Nに対して、ユーザIDが記憶されている媒体(例えば、ICカード)をかざすことで、認証処理を行う。
(5)認証装置21は、(3)で送信されたユーザIDと、(4)で入力されたユーザIDとが一致するか否かを判定することで、認証処理を行う。一致すれば、認証成功であり、一致しなければ、認証失敗である
(6)認証装置21Nによる認証が合格すると、該認証装置21Nと対応する画像形成装置20Nが、該認証で用いられたユーザIDと対応付けられたIPアドレスについてのユーザ端末10に対して、該ユーザ端末10の記憶部15に記憶されている画像データを要求する。
(7)画像形成装置20Nが、画像データを受信すると、該画像データについて用紙に印刷し、出力する。
【0004】
次に、図2に第2従来技術(非特許文献2記載)の印刷システムの機能構成例を示す。図2の例では、ネットワーク30に、ユーザ端末10、N個の画像形成装置201〜20N、サーバ50とが接続されている。また、N個の画像形成装置201〜20Nそれぞれは、認証装置211〜21Nを含んでいる。第2従来技術の印刷システムの処理の流れについて簡単に説明する。
(1)ユーザが印刷を所望する画像データがある場合には、自己が保有するユーザ端末10に対して、印刷ボタンをクリックする。
(2)この画像データは、サーバ50に蓄積される。
(3)そしてユーザ端末10は、該ユーザのユーザIDを全ての認証装置211〜21Nに対して送信する。
(4)ユーザは、印刷を所望する画像形成装置20Nまで移動し、該画像形成装置20Nに対応する認証装置21Nに対して、ユーザIDが記憶されている媒体(例えば、ICカード)をかざすことで、認証処理を行う。また、ユーザは、印刷を所望する画像形成装置20Sに対応する認証装置21に認証処理を行わせる。
(5)認証装置21は、(3)で送信されたユーザIDと、(4)で入力されたユーザIDとが一致するか否かを判定することで、認証処理を行う。一致すれば、認証成功であり、一致しなければ、認証失敗である
(6)認証が合格すると、認証装置21Nに対応する画像形成装置20Nは、サーバ50に対して画像データを要求する。
(7)画像形成装置20Sが、画像データを受信すると、該画像データについて用紙に印刷し、出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1従来技術の印刷システムでは、予め定められた画像形成装置21Nでしか、印刷を行うことができず、いわゆるロケーションフリーではないという問題がある。
【0006】
また、第2従来技術では、ロケーションフリーであるが、サーバ50を設置する必要があり、サーバ50の維持コストがかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題を鑑みて、ロケーションフリーであり、かつ、サーバレスな画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、画像データを記憶している1以上のユーザ端末とネットワークで接続されている画像処理装置において、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、前記ユーザ識別情報を用いて、ユーザの認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合に、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末に記憶されている画像データを要求する要求情報を送信し、該ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、前記受信部で受信した画像データに対して所定処理を行う画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法によれば、ロケーションフリーであり、かつ、サーバレスにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1従来技術の画像形成システムの機能構成例である。
【図2】第2従来技術の画像形成システムの機能構成例である。
【図3】本実施例の画像形成システムの機能構成例である。
【図4】本実施例のユーザ端末、画像形成装置の機能構成例を示した図である。
【図5】本実施例の第1処理の処理フローを示した図である。
【図6】本実施例の第2処理の処理フローを示した図である。
【図7】本実施例の画像形成装置が保持しているテーブル表である。
【図8】ユーザIDと画像データIDとを対応づけたテーブル表である。
【図9】本実施例の別の実施形態の第1処理の処理フローの一例である(その1)。
【図10】本実施例の別の実施形態の第1処理の処理フローの一例である(その2)。
【図11】本実施例のユーザ端末が保持しているテーブル表である。
【図12】本実施例の印刷ジョブの一覧を示す画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[用語の説明]
実施例の説明の前に、用語の説明を行う。
【0012】
画像処理装置とは、画像または画像データに対して、ユーザが所望する所定の処理(「第1所定の処理」ともいう。)を行うものである。画像処理装置とは、例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プロジェクタやディスプレイなどの画像表示装置や画像再生装置、画像を補正する画像補正装置、または、これらの複合機などである。
【0013】
画像処理装置が画像形成装置の場合には、所定の処理とは、記録媒体に画像データについての画像を形成するものである。画像形成とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に付与すること、液滴(インク)を記録媒体に着弾させることを意味する。また、記録媒体は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。以下では、記録媒体を用紙として説明する。また、液滴とは、インク、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができる全ての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料も含まれる。
【0014】
また、画像処理装置が、画像表示装置または画像再生装置の場合には、所定の処理とは、表示部に画像を表示またが再生するものである。画像処理装置が画像補正装置の場合には、所定の処理とは、画像データを補正して、該補正された画像を出力または表示するものである。画像処理装置は、画像または画像データに対して、他の処理を行うものであってもよい。
【0015】
以下では、画像処理装置が、画像形成装置であるとして説明する。また、画像処理システムも画像形成システムであるとして説明する。また、画像形成を「印刷」とし、記録媒体を「用紙」として説明する。
[実施形態1]
図3に本実施例の画像形成システムの構成例を示す。図3に示すように、N個(Nは自然数)のユーザ端末100nと、M個の(Mは自然数)の画像形成装置200mとがネットワーク300により接続されている。ユーザ端末とは、例えば、PCである。
【0016】
まず、本実施例の画像形成システムを簡単に説明する。
【0017】
1人のユーザは、1以上のユーザ端末を保有しているものとする。そして、該ユーザは、保有しているユーザ端末から印刷指示を入力する(例えば、ユーザ端末の画面上に電子的に表示される印刷ボタンをクリックする)ことで、画像形成装置から印刷させることができる。ここで、ユーザは、M個の画像形成装置200mの中から、印刷する画像形成装置を選択することができる。具体的には、ユーザは、選択した画像形成装置まで移動し、選択した画像形成装置に備えられている認証部に認証させ、該認証が成功すれば、この画像形成装置から印刷させるというものである。つまり、本実施例の画像形成システムは、ロケーションフリーである。また、「ユーザが保有しているユーザ端末とは、「ユーザが、印刷(画像形成)の指示の入力を可能とするユーザ端末」を意味する。ユーザがユーザ端末を保有する手段として、例えば、「ユーザが自己のユーザIDやコードを入力する」「ユーザのIDカードをユーザ端末の納入口に差し込む」、「ユーザ端末のタッチ入力領域にユーザがタッチする」などがある。これらの処理により、ユーザはユーザ端末を保有することができ、該保有しているユーザ端末から、印刷すべき(印刷を所望している)画像について印刷入力することができる。
【0018】
図4に、ユーザ端末100nおよび画像形成装置200mのハードウエア構成の一例を示す。また、以下の説明では、単に、ユーザ端末100、画像形成装置200という場合もある。そして、本実施形態の画像形成システムは、大略して、第1処理と第2処理とに分けることができる。まず、第1処理について説明する。
[第1処理]
第1処理の処理フローを図5に示す。以下の説明では、ユーザAが1つのユーザ端末1001を保有しているとし、ユーザAが本実施例の画像形成装置、画像形成システムを用いて、印刷を行う場合を説明する。また、ユーザが印刷を所望する(印刷すべき)画像形成装置を所望画像形成装置200S(1≦S≦M)とする。
【0019】
まず、ユーザAは保有するユーザ端末1001に対して、印刷すべき画像データについて印刷指示を入力する(ステップS101)。ここで、印刷指示の入力とは、例えば、ユーザ端末の画面上に電子的に表示される印刷ボタンをクリックすることである。
【0020】
そうすると、ユーザ端末1001の送受信部104は、ユーザ識別情報と、端末識別情報とを、ネットワーク300に接続されているM個全ての画像形成装置200mおよび、全ての画像形成装置2001〜200Nに対して送信する(ステップS102)。以下では、該送信をブロードキャストという。
【0021】
ここで、ユーザ識別情報とは、ユーザを識別するための情報であり、例えば、ユーザID(Identity Document)である。また、端末識別情報とは、ユーザ端末を識別するための情報であり、例えば、ユーザ端末のIPアドレスまたはMACアドレスである。以下では、ユーザ識別情報をユーザIDであるとし、端末識別情報をユーザ端末のIPアドレスであるとして説明する。また、ユーザ識別情報と端末識別情報と、その他の所定の情報をまとめて、IDパケット情報という。
【0022】
そして、各々の画像形成装置200mが、ユーザ端末1001からのIDパケット情報を受信すると、各々の画像形成装置200mは、IDパケット情報内の、ユーザIDとIPアドレスを対応させてテーブル表として、記憶部202に記憶させる(ステップS104)。図7にこのテーブル表の一例を示す。以下では、ユーザ名が、そのままユーザIDであるとして説明する。例えば、ユーザAのユーザIDは「A」であるとする。図7の例では、ユーザID「A」とIPアドレス「β1」とユーザ端末1001とが対応している。つまり、ユーザAが、ユーザ端末1001に対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末1001がブロードキャストを行ったことを示している。換言すれば、ユーザAがユーザ端末1001を保有しているということである。また、ユーザ端末1001のIPアドレスは、β1であることを示している。
【0023】
また、図7の例では、ユーザID「C」「D」とIPアドレス「βv」とユーザ端末100Vが対応している。つまり、ユーザCが、ユーザ端末100Vに対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末100Vがブロードキャストを行ったことを示している。また、ユーザDも、ユーザ端末100Vに対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末100Vがブロードキャストを行ったことを示している。換言すると、ユーザCとユーザDとがユーザ端末100Vを共用しているということである。また、ユーザ端末100VのIPアドレスは、βVであることを示している。
【0024】
また、図7の例では、ユーザID「F」とIPアドレス「βN−1」「βN」とユーザ端末100N−1とユーザ端末100Nとが対応している。つまり、ユーザFが、ユーザ端末100N−1、100Nに対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末100N−1、100Nがブロードキャストを行ったことを示している。換言すれば、ユーザFが、ユーザ端末100N−1とユーザ端末100Nとを保有しているということである。また、ユーザ端末100N−1、100Nはそれぞれ、βN−1、βNであることを示している。
【0025】
次に、画像データは、一旦、記憶部102に記憶される(ステップS106)。そして、表示部106に、画像データが記憶部102に記憶されたことを示す情報を表示させる。ステップS106の処理と、ステップS102の処理とは、どちらを先に行っても良い。ここまでが、第1処理である。
【0026】
また、複数のユーザが1つの端末を共用する場合には、図8に示すように、ユーザIDと画像データ識別情報とを対応付けて、記憶部102に記憶させておく。ここで、画像データ識別情報とは、画像データを識別するための情報であり、例えば画像データIDを用いればよい。図8の例では、ユーザCと、画像データIDがX1、X2の画像データとが対応付けられている。以下では単に、「画像データX1」「画像データX2」という。つまり、ユーザCは、画像データX1、X2を記憶部102に記憶させたということであり、ユーザCは、画像データX1、X2の画像を印刷しようとしている。
【0027】
同様に、ユーザDと、画像データIDがY1、Y2の画像データとが対応付けられている。つまり、ユーザDは、画像データY1、Y2を記憶部102に記憶させたということであり、ユーザCは、画像データY1、Y2の画像を印刷しようとしている。
[第2処理]
次に、第2処理について説明する。第2処理の処理フローを図6に示す。
【0028】
ユーザAは、表示部106に画像データが記憶部102に記憶されたことを示す情報を視認すると、所望画像形成装置200Sまで移動する。そして、該所望画像形成装置200Sの認証部204に対して認証を行う(ステップS108)。
【0029】
ここで、認証の手法としては、様々あるが、例えば、ユーザAが自己のユーザIDが記憶されている情報保持媒体(例えば、IDカード)を、カードリーダにかざすことで、ユーザIDを、認証部204に入力し、認証を行うことができる。この場合には、認証部204は、該認証部204に入力されたユーザIDが、ステップS104で記憶部202に記憶されている複数のユーザID(図7参照)内に存在するか否かを判定する。存在しなければ(ステップS108のNo)、認証失敗となり、ステップS109に進む、ステップS109では、出力部212が、認証失敗を示す情報を出力する。ここで、認証失敗を示す情報として、例えば、認証失敗を示す音(ビープ音)とすればよい。そのほかにも、表示部214(例えば、LCD:液晶ディスプレイ:Liquid Crystal Display)に認証失敗である旨を表示しても良い。また、画像形成部210が、用紙に認証失敗である旨を印刷して、該用紙を出力しても良い。
【0030】
また、その他の認証の手法として、情報保持媒体を用いずに、ユーザは、操作部216から、自己のユーザIDなどを入力する。そして、認証部204が、入力されたユーザIDやパスワードと、記憶部202に記憶されているユーザIDが一致するか否かを判断するようにしてもよい。また、指紋認証や眼球認証などで、認証を行ってもよい。この場合には、認証部204が、入力された指紋や眼球についての情報をユーザIDに変換して、該変換されたユーザIDと、記憶部202に記憶されているユーザIDと記憶部202に記憶されているユーザIDが一致するか否かを判断するようにしてもよい。これらの認証方法により、認証失敗であれば、上述のように、ステップS109に進む。
【0031】
また、認証部204による認証が成功した場合には(ステップS108のYes)、ステップS110に進む。ステップS110では、認証が成功した所望画像形成装置200Sの制御部218は、該認証で用いられたユーザIDに対応するIPアドレスを取得する。この例では、ユーザAであるので、図7のテーブル表を参照して制御部218は、IPアドレスβ1を取得する。
【0032】
そして、送受信部208はIPアドレスβ1のユーザ端末1001に対して要求情報を送信する(ステップS110)。
【0033】
ここで、要求情報とは、ステップS106で、記憶部102に記憶された画像データを要求するための情報である。要求情報は、ネットワーク300を経由して、ユーザ端末1001に送信される。ユーザ端末100の送受信部104が、該要求情報を受信すると、制御部112は、ステップS106で記憶された画像データを取得する。そして制御部112は、取得した画像データを、要求情報を送信した所望画像形成装置200Sに対して、送受信部104に送信させる(ステップS114)。該送信された画像データは、ネットワーク300を経由して、所望画像形成装置200Sに送信される。また、ステップS114の処理の前に、ユーザ端末1001は、印刷ジョブ数を画像形成装置に送信するようにしても良い。この場合には、画像形成装置200の表示部214には、該送信された印刷ジョブ数を表示させる。
【0034】
送受信部208は、送信された画像データを受信すると(ステップS116)、そのまま、画像形成部210に送信する。そして、画像形成部210が、画像データを受信すると、該画像データについての画像を用紙に印刷(画像形成)する(ステップS118)。
【0035】
また、ネットワーク300やユーザ端末100の不具合などで、画像形成装置200から送信した情報がユーザ端末100が受信できない場合がある。そのような事態を想定して、ステップS110での要求情報を送信した後に、制御部218が、予め定められた所定時間T経過したか否かを測定するようにすればよい(ステップS111)。ステップS110において、要求情報を送信した後に、画像データが送信されずに、所定時間T経過したということは、ネットワーク300やユーザ端末100の不具合があったということである。この場合には、ステップS109でエラー表示をして、処理を終了する。以下の説明では、ステップS111の処理をタイムアウト処理という。
<実施形態1の発明の効果>
この実施形態1の画像形成システムによれば、ユーザが印刷を所望する所望画像形成装置に印刷をさせることができ(ロケーションフリー)、かつ、画像データを保存するサーバを設置する必要もない(サーバレス)。つまり、サーバレスであり、ロケーションフリーである画像形成システムを提供できる。
【0036】
また、図7に記載のように、ユーザCとDが1つのユーザ端末100vを共用している場合には、ユーザCが所望画像形成装置200Sの認証装置に対して認証処理を行った(ステップS108)にも関らず、ユーザDの画像データが所望画像形成装置200Sに送信される可能性がある。そこで、複数のユーザ(この例では、ユーザCとD)が1つのユーザ端末(この例では、ユーザ端末100v)を共用していることが明らかな場合には、ステップS110で、送受信部208は、要求情報の他に、ステップS110の認証処理で用いられたユーザIDも送信することが好ましい。ユーザ端末100vが、ユーザID「C」を受信することで、ユーザ端末100vの送受信部104は、ユーザID「C」に対応する画像データX1、X2を所望画像形成装置200Sに送信する。
【0037】
このように、複数のユーザ(この例では、ユーザCとD)が1つのユーザ端末(この例では、ユーザ端末100v)を共用している場合に、所望画像形成装置200sは、要求情報と認証処理で用いられたユーザIDを送信することで、認証処理を行ったユーザの画像データを該所望画像形成装置200Sに送信できる。
【0038】
また、図7に記載のように、一人のユーザが複数のユーザ端末を保有している場合がある。図7の例では、ユーザFが2つのユーザ端末100N−1、100Nを保有しており、ユーザFが、ユーザ端末100N内の画像データを印刷する場合を図5、図6を用いて説明する。この場合には、ステップS108で、認証処理が成功すると、送受信部208は、該認証処理で用いられたユーザID「F」に対応するIPアドレスβN−1、βNのユーザ端末100N−1、100Nに対して、要求情報を送信する。
【0039】
従って、一人のユーザ(この場合は、ユーザF)が複数のユーザ端末(この場合にはユーザ端末100N−1、100N)を保有している場合でも、所望画像形成装置200Sは、該複数のユーザ端末に記憶されている画像データを受信することができる。
【0040】
また、図5で説明した、ステップS102のブロードキャストについて説明する。公知のネットワーク技術として、アップル社が提案している「ランデブー」という技術がある。この技術を図3を用いて簡単に説明する。
【0041】
このランデブーを用いた環境で、ネットワーク300に接続されている画像形成装置200mの電源がオフ状態からオン状態になった時や、ユーザがユーザ端末100に印刷指示を入力した時など、様々なアクションが発生した場合に、該画像形成装置200mは自己のIPアドレスおよび、電源がオフ状態からオン状態になったことを示す新規情報などが含まれたIDパケット情報を全てのユーザ端末100n(n=1、...、N)に送信する。また、全てのユーザ端末100nは、該IDパケット情報を受信すると、該IDパケット情報を受信したことを示す返信情報を画像形成装置200mに送信する。
【0042】
一方、本実施形態のブロードキャストについては、ユーザがユーザ端末100に印刷指示を入力した時のみに、IPアドレスやユーザIDを各画像形成装置に送信するものである。更に、画像形成装置は、IPアドレス、ユーザIDを受信しても、返信情報を送信しない。従って、本実施形態のブロードキャストは、「ランデブー」と比べて、送受信する情報量を頗る削減できる。
【0043】
また、本実施形態1の画像形成システムであれば、ステップS106でユーザAが画像データを保存させたユーザ端末1001のみに、所望画像形成装置200Sは要求情報を送信するので(ステップS110)、送信する情報量を少なくすることができる。
【0044】
また、所望画像形成装置200Sが要求情報を送信したユーザ端末からの画像データが送信されるまで、該所望画像形成装置200Sは待機しておけばよい(ステップS110、ステップS116)。従って、所望画像形成装置200Sは、画像データの受信処理を簡略化することができる。
[実施形態2]
次に実施形態2について説明する。実施形態2の画像形成システムの処理フローを図9、図10に示す。図9、図10を用いて、実施形態2の画像形成システムを用いる前提を交えながら説明する。
【0045】
[実施形態1]で説明したように、ユーザAが所望画像形成装置200Sから印刷をしようとした場合には、ユーザAが保有するユーザ端末1001に印刷指示をする(ステップS101)。そうすると、ユーザ端末1001はユーザAのユーザIDとユーザ端末1001のIPアドレスとを全ての画像形成装置2001〜200Mに送信する(ブロードキャストを行う。ステップS104)。そして、所望画像形成装置200Sの電源がONになっている場合には、ブロードキャストされた該ユーザIDとIPアドレスとを受信し、これらを対応させて記憶部202(図4参照)に格納させる(図5記載のステップS104、図7参照)。
【0046】
ところが、所望画像形成装置200Sの電源がオフになっている場合がある。この場合には、ステップS102でブロードキャストされたIDアドレス、IPアドレスを受信することはできない(ステップS201)。従って、所望画像形成装置200Sは、ユーザ端末1001についての、直近のIDアドレスとIPアドレスとの対応を取得することはできない。
【0047】
そして、ユーザAは、所望画像形成装置200Sまで移動する。ユーザAは、所望画像形成装置200Sの電源がオフになっていることを確認すると、所望画像形成装置200Sの電源をONにする。そうすると、所望画像形成装置200Sの認証部204などが起動される。以下の処理については、場合分けをして説明する。
【0048】
また、実施形態2の画像形成システムは、実施形態1同様、第1処理と第2処理とに分けられる。図9、図10は、実施形態2の第1処理の処理フローを示した図である。また、第2処理は、実施形態1(図6)と同一である。
[第1状況・・・以前のブローキャストでユーザAのユーザIDが既に記憶部202に格納されている場合]
ユーザAは起動された認証部204により、認証処理を行う(ステップS108)。
【0049】
ここで、該認証処理とは、上述のように、以前のブロードキャストにより入力されたユーザIDが、記憶部202内のテーブル表(図7参照)に存在するか否かを判断するものである。この第1状況では、既に、ユーザAのユーザIDが記憶部202に格納されているので、認証成功される(ステップS108のYes)。
【0050】
認証成功されると、ステップS110に進む。ステップS110以降の処理は、図6と同様なので、説明を省略する。
[第2状況・・・以前のブロードキャストでユーザAのユーザIDが記憶部202に格納されていない場合]
第2状況の場合には、ステップS201で説明したように、所望画像形成装置200Sの電源がオフになっていることから、図9記載のステップS102でブロードキャストされたユーザIDを受信することはできない。従って、所望画像形成装置200Sの記憶部202には、ユーザAのユーザIDは記憶されていない。
【0051】
図9記載のステップS202の処理終了後のステップS108での認証処理は、認証失敗となる。そして、エラー表示(ステップS109)をし、ユーザAに認証失敗であることを認識させる。そして、図10記載のステップS220に移行する。
【0052】
ユーザAは認証失敗であることを認識すると、ユーザAは、ユーザ端末1001まで戻り、ユーザ端末1001に対して、所定の処理(「第2所定の処理」ともいう。)を行う。ここで、所定の処理とは、様々あるが、例えば、ユーザ端末1001に対して、印刷ジョブを開くという処理であるとする。印刷ジョブの一例を図12に示す。印刷ジョブとは、印刷するデータと当該データの印刷処理をプリンタに実行させるための命令とを含むデータである。
【0053】
ユーザAが所定の処理を行うと(ステップS220のYes)、ステップS102の処理(ブロードキャスト処理)が行われる。ブロードキャスト処理とは、上述のように、ユーザ端末100'のIPアドレスと、ユーザAのIDアドレスと、を全ての画像形成装置200mに送信することである。
【0054】
ここで、ユーザAのユーザIDについては記憶部202には格納されていない。そこで、更新部220は、図10記載のステップS102で送信されたユーザIDとユーザ端末のIPアドレスとを対応付けて、画像形成装置200Sの記憶部202に追加更新する(ステップS222)。その後、第2処理(図6と同一)を行う。
【0055】
つまり、テーブル表更新後、上記で説明した、ステップS110において、所望画像形成装置200Sの送受信部208は、要求情報を、ユーザが新たに保有しているユーザ端末1001に送信することができる。その後、ステップS112において、ユーザ端末1001は要求情報を受信し、該ユーザ端末1001に記憶されている画像データを画像形成装置200Sに送信する。そして、ステップS118において、所望画像形成装置200Sにより印刷を行うことができる。
【0056】
またユーザが、自己が保有するユーザ端末を変更した場合でも、該変更されたユーザ端末に対して、図10記載のステップS220の所定処理を行うことで、ステップS102でブロードキャストが行われ、ステップS222でテーブル表の更新が行われる。従って、該実施形態2では、ユーザが、保有するユーザ端末を変更したとしても、認証処理が適切に行われる。
<実施形態2の発明の効果>
所望画像形成装置の電源がオフされていることにより、印刷指示後(ステップS101)のブロードキャスト(ステップS102)により送信されたユーザAのユーザIDを受信できない場合がある。そして、以前にユーザAのユーザIDを格納していない場合がある。この場合であっても、ユーザAは自己のユーザ端末に所定の処理(ステップS220)を行うのみで、所望画像形成装置に印刷を行わせることができる。また、記憶部202内のテーブル表も、ユーザAのユーザIDが追加更新される。従って、2回目以降に、所望画像形成装置の電源がオフになっていたとしても、適切に該所望画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0057】
また、図10記載のステップS102のブロードキャスト処理において、上述したように、「ランデブー」と比べて、送信される情報量も頗る削減される。
[実施形態3]
次に、実施形態3について説明する。上述したステップS102において、ネットワーク300に接続されている、ブロードキャストを行ったユーザ端末1001以外のユーザ端末1002〜100N、および全ての画像形成装置200mに、IDパケット情報を送信する、と説明した。しかし、セキュリティの問題上、ネットワーク300に接続されている全ての画像形成装置200mにユーザIDおよびユーザ端末のIPアドレスを送信することが好ましくない場合がある。また、ユーザ端末1002〜100Nにとって、IDパケット情報は必要なく、通信コストの無駄が生じることになる。
【0058】
また、一般的に、全てのユーザ端末100nと、全ての画像形成装置200mと、は同じセグメント内で、ネットワーク300により接続されている。ここで、セグメントとは、例えば、ユーザが所属する会社や、ユーザが所属する部署のフロアーをいう。換言すれば、ネットワーク300に設置されているルータの範囲内である。ところが、ユーザは、セグメント外の画像形成装置に、ユーザIDおよびユーザ端末のIPアドレスを送信したい場合がある。換言すると、ユーザは、セグメント外に設置されている画像形成装置に印刷をさせたい場合がある。
【0059】
この実施形態3では、ユーザが所望する画像形成装置のみに、IDパケット情報を送信することができる画像形成システムについて説明する。
【0060】
実施形態3のユーザ端末100n内の記憶部102には、IDパケット情報の送信を所望する画像形成装置と、該画像形成装置のIPアドレスとを対応させて保持する。該対応させたテーブル表の一例を、図11に示す。図11の例では、IDパケット情報の送信を所望する画像形成装置2001・・・200m・・・200Zとこれらに対応するIPアドレスが対応されて記憶されている。画像形成装置2001・・・200m・・・200Zは、ネットワーク300に接続されている画像形成装置であれば、セグメント内の画像形成装置、セグメント外の画像形成装置のどちらでもよい。
【0061】
そして、本実施形態3では、ステップS102(図5記載)でIDパケット情報の送信を所望する画像形成装置に対して、ユーザ端末1001は、IDパケット情報を送信する。他の処理は実施形態1などと同様なので省略する。なお、ユーザは操作部108からの操作により、該送信を所望する画像形成装置のIPアドレスを入力する。
【0062】
この実施形態3で説明したユーザ端末により、ユーザは所望の画像形成装置のみにIDパケット情報を送信することができる。従って、送信する必要のない画像形成装置にユーザIDおよびユーザ端末のIPアドレスを送信することはないので、送信コストを削減でき、セキュリティ性も向上する。また、ユーザが所望する、セグメント外の画像形成装置にユーザID、IPアドレスを送信することができるので、該セグメント該の画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0063】
また、IDパケット情報の送信を所望する画像形成装置の数は、ネットワーク300に接続されている全てのユーザ端末1001〜100Nの数よりも小さい。従って、ユーザ端末が保持しておく画像形成装置のIPアドレスも少なくてよい。
【0064】
また、ユーザ端末の数の変更は頻繁に発生するが、画像形成装置の数の変更は滅多に発生されない。従って、ユーザ端末が保持する画像形成装置のIPアドレスの変更も滅多に行う必要はない。
[実施形態4]
図6記載のステップS114およびステップS116に示したように、認証処理を行った所望画像形成装置200Sの送受信部208は、ユーザ端末からの画像データを受信する。実施形態4の画像形成装置の送受信部208は、正当な画像データのみを受信するものである。ここで、正当な画像データとは、予め定められた正当なユーザ端末からの画像データを意味する。
【0065】
以下では、予め定められたユーザ端末のみからの画像データを受信する手法の具体例を2つ説明する。
<1つ目の手法>
まず1つ目の手法を説明する。この手法では、ユーザ端末100は、正当情報生成手段120を含む(図4参照)。正当情報とは、ユーザ端末または、該ユーザ端末が記憶部102に記憶している画像データが正当であることを示す情報である。正当情報生成手段120により正当情報の生成手法について説明すると、例えば、正当情報生成手段120は、正当材料情報を所定のアルゴリズムに適用することで、正当情報を生成する。ここで、所定のアルゴリズムとは、所定の関数F(x)である。また、正当材料情報とは、正当情報を生成するための材料となる情報であり、例えば、現在の時刻である。そして関数F(x)に正当材料情報を代入することで、正当情報を生成する。そして、ステップS114(図6参照)で、送受信部120は、画像データに生成された正当情報を付加して、所望画像形成装置200Sに送信する。
【0066】
一方、画像形成装置200Sの送受信部208は確認手段2082を有する。確認手段2082は、送信された画像データが正当なものか否かを確認する。確認手段2082は、送受信部104が有するものと同一の所定のアルゴリズム(この例では、関数F(x))を有する。そして、送受信部104が用いた正当材料情報を同一の情報(この例では、現在の時刻)を関数F(x)に代入することで、確認用正当情報を生成する。そして、所望画像形成装置200Sが正当情報と画像データを受信すると、確認手段2082が、該受信した正当情報と、生成された確認用正当情報と、が同一か否かを確認する。確認手段2082が同一であると確認すると、受信した画像データ、および該画像データを送信したユーザ端末は正当であると判断して、ステップS118で印刷処理を行う。
【0067】
一方、確認手段2082が、受信した正当情報と、生成された確認用正当情報と、が同一でないと確認すると、受信した画像データ、および該画像データを送信したユーザ端末は正当でないと判断して、印刷処理を行わずに、該画像データを破棄する。
【0068】
このように、正当情報を用いることで、正当な画像データの画像のみを印刷することができる。
<2つ目の手法>
次に、2つ目の手法について説明する。2つ目の手法では、画像形成装置内の送受信部208は、フィルタ手段2080(図4参照)を有する。また、画像形成装置内の記憶部202には、正当である予め定められたユーザ端末のIPアドレスを記憶させておく。そして、該フィルタ手段2080は、記憶部202に記憶されているIPアドレス以外のユーザ端末(つまり正当でないユーザ端末)からの画像データを遮断する(受信しない)。
【0069】
このようにすることで、例えば、セキュリティ上、問題があるユーザ端末からの画像データを破棄することができる。従って、セキュリティ性を向上させることができる。
[実施形態5]
次に実施形態5の画像形成システムについて説明する。[実施形態1][実施形態2]で説明したように、第1処理(実施形態1では図5、実施形態2では図9、図10参照)と第2処理(図6参照)とに分けられる。第1処理と第2処理との間に長時間空く場合がある。つまり、ユーザAが印刷指示をしたが(ステップS101)、ユーザAが認証処理を行わなかった場合などである(ステップS108)。
【0070】
この場合に、ユーザAは印刷指示をしたものの、何らかの理由で、該印刷指示をした画像の印刷が必要なくなった場合に、該印刷指示した画像が印刷されることは、用紙やインクの無駄遣いになったり、印刷ミスの原因となる場合がある。実施形態5の画像形成システムでは、このような場合であっても、用紙やインクの無駄遣いや、印刷ミスを防ぐものである。
【0071】
以下に、印刷が必要なくなった画像(不必要な画像)についての印刷ジョブ(画像処理ジョブ)を削除する手段の具体例を2つ説明する。
<1つ目の具体例>
まず、1つ目の具体例を説明する。印刷指示をしたものの、何らかの理由で、該印刷指示をした画像の印刷が必要なくなった場合には、ユーザは、放置しておく場合が多い。従って、所定期間(例えば、1日)ごとに削除部118(図4参照)が、記憶部102に記憶されている、印刷が必要なくなった画像についての印刷ジョブ(不必要な印刷ジョブ)を削除するようにすればよい。このように、削除部118が所定期間ごとに、不必要な印刷ジョブを削除することで無駄な印刷を行う必要はなくなり、ユーザの印刷ジョブの削除の手間が省ける。
<2つ目の具体例>
2つ目の具体例では、ユーザ端末100は表示部106を有する。そして、表示部106には、図12に示す画像形成ジョブ(印刷ジョブ)の一覧がユーザに視認できるように表示される。図12の例では、コメント欄に、これから印刷されることを示す「印刷待ち」と、印刷が終了した「印刷済み」とが表示される。ユーザは操作部108から、印刷ジョブの削除処理を入力する。
【0072】
ユーザAが印刷指示をしたものの、認証処理を行っていない場合には、「印刷待ち」とされる。そして、ユーザは、印刷指示をしたものの、印刷を所望しない印刷ジョブについては削除することができる。このように、不必要な印刷ジョブについて削除することで、無駄な印刷処理を削除することができる。また、不必要な印刷ジョブを削減できることで、印刷ミスを防ぐことができる。この2つ目の手法では、削除部118を設ける必要はない。
[変形例(その1)]
次に、変形例(その1)について説明する。上述したように、ステップS105で、ユーザから、ユーザ端末に対して印刷処理が行われた場合に、ステップS106で、該印刷される画像についての画像データを記憶部102に記憶させる。この変形例(その1)では、暗号化・復号化部116が、該画像データを暗号化して、記憶部102に記憶させるものである。これにより、例えば、悪意のある第3者が、ユーザ端末内の画像データを不正に取得しようとしたとしても、暗号化されていることから、取得することができない。
【0073】
また、暗号化の手法は公知の技術(例えば、DES(Data Encryption Standard)などを用いればよい。そして、ステップS114で、送受信部104が画像データを画像形成装置に送信する際に、暗号化・復号化部116は、暗号化された画像データを復号化すればよい。
[変形例(その2)]
上述の画像形成装置200mに、記憶部202(例えば、HDD)と認証部204(例えば、カードリーダ)が備え付けられているものとして、説明した。しかし、記憶部202、認証部204が備え付けられていない画像形成装置(以下、「非装備画像形成装置」という。)を、ネットワーク300に接続させて、画像形成システムを構成する場合もある。
【0074】
この場合には、該非装備画像形成装置に、記憶部202、認証部204を付加して用いればよい。このようにすることで、非装備画像形成装置であっても、上述した画像形成システムを構成することができる。
【符号の説明】
【0075】
100・・・ユーザ端末、102・・・記憶部、104・・・送受信部、106・・・表示部、108・・・操作部、200・・・画像形成装置、202・・・記憶部、204・・・認証部、208・・・送受信部210・・・画像形成部
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0076】
【非特許文献1】"RICOH製品情報"、「online」[平成22年7月30日検索]http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/related_goods/printshield/system.html
【非特許文献2】"RICOH製品情報"、「online」[平成22年7月30日検索]http://www.ricoh.co.jp/imagio/mfp-sol/ic-card-ae/
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムとして、ユーザが保有するユーザ端末(例えば、PC)から印刷ボタンをクリックして、該ユーザ端末にネットワーク接続されている画像形成装置から印刷出力するものがある。
【0003】
図1に第1従来技術(非特許文献1記載)の印刷システムの機能構成例を示す。図1の例では、ネットワーク30に、ユーザ端末10、N個の画像形成装置201〜20N、が接続されている。また、N個の画像形成装置201〜20Nそれぞれは、認証装置211〜21Nを含んでいる。ここで、第1従来技術の印刷システムの処理の流れについて簡単に説明する。認証装置とは、例えば、カードリーダであり、ユーザが該カードリーダにICカードをかざすことで認証処理を行う。
(1)ユーザが印刷を所望する画像データがある場合には、自己が保有するユーザ端末10に対して、印刷ボタンをクリックする。
(2)この画像データは、ユーザ端末10に備え付けられている記憶部15に格納される。
(3)そしてユーザ端末10は、該ユーザのユーザIDと該ユーザ端末10のIPアドレスとを対応付けて認証装置21Nに対して送信する。ここで、ユーザIDとIPアドレスが送信される認証装置21Nは予め定められている。
(4)ユーザは、認証装置21Nに対して、ユーザIDが記憶されている媒体(例えば、ICカード)をかざすことで、認証処理を行う。
(5)認証装置21は、(3)で送信されたユーザIDと、(4)で入力されたユーザIDとが一致するか否かを判定することで、認証処理を行う。一致すれば、認証成功であり、一致しなければ、認証失敗である
(6)認証装置21Nによる認証が合格すると、該認証装置21Nと対応する画像形成装置20Nが、該認証で用いられたユーザIDと対応付けられたIPアドレスについてのユーザ端末10に対して、該ユーザ端末10の記憶部15に記憶されている画像データを要求する。
(7)画像形成装置20Nが、画像データを受信すると、該画像データについて用紙に印刷し、出力する。
【0004】
次に、図2に第2従来技術(非特許文献2記載)の印刷システムの機能構成例を示す。図2の例では、ネットワーク30に、ユーザ端末10、N個の画像形成装置201〜20N、サーバ50とが接続されている。また、N個の画像形成装置201〜20Nそれぞれは、認証装置211〜21Nを含んでいる。第2従来技術の印刷システムの処理の流れについて簡単に説明する。
(1)ユーザが印刷を所望する画像データがある場合には、自己が保有するユーザ端末10に対して、印刷ボタンをクリックする。
(2)この画像データは、サーバ50に蓄積される。
(3)そしてユーザ端末10は、該ユーザのユーザIDを全ての認証装置211〜21Nに対して送信する。
(4)ユーザは、印刷を所望する画像形成装置20Nまで移動し、該画像形成装置20Nに対応する認証装置21Nに対して、ユーザIDが記憶されている媒体(例えば、ICカード)をかざすことで、認証処理を行う。また、ユーザは、印刷を所望する画像形成装置20Sに対応する認証装置21に認証処理を行わせる。
(5)認証装置21は、(3)で送信されたユーザIDと、(4)で入力されたユーザIDとが一致するか否かを判定することで、認証処理を行う。一致すれば、認証成功であり、一致しなければ、認証失敗である
(6)認証が合格すると、認証装置21Nに対応する画像形成装置20Nは、サーバ50に対して画像データを要求する。
(7)画像形成装置20Sが、画像データを受信すると、該画像データについて用紙に印刷し、出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1従来技術の印刷システムでは、予め定められた画像形成装置21Nでしか、印刷を行うことができず、いわゆるロケーションフリーではないという問題がある。
【0006】
また、第2従来技術では、ロケーションフリーであるが、サーバ50を設置する必要があり、サーバ50の維持コストがかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題を鑑みて、ロケーションフリーであり、かつ、サーバレスな画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、画像データを記憶している1以上のユーザ端末とネットワークで接続されている画像処理装置において、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、前記ユーザ識別情報を用いて、ユーザの認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合に、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末に記憶されている画像データを要求する要求情報を送信し、該ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、前記受信部で受信した画像データに対して所定処理を行う画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法によれば、ロケーションフリーであり、かつ、サーバレスにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1従来技術の画像形成システムの機能構成例である。
【図2】第2従来技術の画像形成システムの機能構成例である。
【図3】本実施例の画像形成システムの機能構成例である。
【図4】本実施例のユーザ端末、画像形成装置の機能構成例を示した図である。
【図5】本実施例の第1処理の処理フローを示した図である。
【図6】本実施例の第2処理の処理フローを示した図である。
【図7】本実施例の画像形成装置が保持しているテーブル表である。
【図8】ユーザIDと画像データIDとを対応づけたテーブル表である。
【図9】本実施例の別の実施形態の第1処理の処理フローの一例である(その1)。
【図10】本実施例の別の実施形態の第1処理の処理フローの一例である(その2)。
【図11】本実施例のユーザ端末が保持しているテーブル表である。
【図12】本実施例の印刷ジョブの一覧を示す画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[用語の説明]
実施例の説明の前に、用語の説明を行う。
【0012】
画像処理装置とは、画像または画像データに対して、ユーザが所望する所定の処理(「第1所定の処理」ともいう。)を行うものである。画像処理装置とは、例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プロジェクタやディスプレイなどの画像表示装置や画像再生装置、画像を補正する画像補正装置、または、これらの複合機などである。
【0013】
画像処理装置が画像形成装置の場合には、所定の処理とは、記録媒体に画像データについての画像を形成するものである。画像形成とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に付与すること、液滴(インク)を記録媒体に着弾させることを意味する。また、記録媒体は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。以下では、記録媒体を用紙として説明する。また、液滴とは、インク、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができる全ての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料も含まれる。
【0014】
また、画像処理装置が、画像表示装置または画像再生装置の場合には、所定の処理とは、表示部に画像を表示またが再生するものである。画像処理装置が画像補正装置の場合には、所定の処理とは、画像データを補正して、該補正された画像を出力または表示するものである。画像処理装置は、画像または画像データに対して、他の処理を行うものであってもよい。
【0015】
以下では、画像処理装置が、画像形成装置であるとして説明する。また、画像処理システムも画像形成システムであるとして説明する。また、画像形成を「印刷」とし、記録媒体を「用紙」として説明する。
[実施形態1]
図3に本実施例の画像形成システムの構成例を示す。図3に示すように、N個(Nは自然数)のユーザ端末100nと、M個の(Mは自然数)の画像形成装置200mとがネットワーク300により接続されている。ユーザ端末とは、例えば、PCである。
【0016】
まず、本実施例の画像形成システムを簡単に説明する。
【0017】
1人のユーザは、1以上のユーザ端末を保有しているものとする。そして、該ユーザは、保有しているユーザ端末から印刷指示を入力する(例えば、ユーザ端末の画面上に電子的に表示される印刷ボタンをクリックする)ことで、画像形成装置から印刷させることができる。ここで、ユーザは、M個の画像形成装置200mの中から、印刷する画像形成装置を選択することができる。具体的には、ユーザは、選択した画像形成装置まで移動し、選択した画像形成装置に備えられている認証部に認証させ、該認証が成功すれば、この画像形成装置から印刷させるというものである。つまり、本実施例の画像形成システムは、ロケーションフリーである。また、「ユーザが保有しているユーザ端末とは、「ユーザが、印刷(画像形成)の指示の入力を可能とするユーザ端末」を意味する。ユーザがユーザ端末を保有する手段として、例えば、「ユーザが自己のユーザIDやコードを入力する」「ユーザのIDカードをユーザ端末の納入口に差し込む」、「ユーザ端末のタッチ入力領域にユーザがタッチする」などがある。これらの処理により、ユーザはユーザ端末を保有することができ、該保有しているユーザ端末から、印刷すべき(印刷を所望している)画像について印刷入力することができる。
【0018】
図4に、ユーザ端末100nおよび画像形成装置200mのハードウエア構成の一例を示す。また、以下の説明では、単に、ユーザ端末100、画像形成装置200という場合もある。そして、本実施形態の画像形成システムは、大略して、第1処理と第2処理とに分けることができる。まず、第1処理について説明する。
[第1処理]
第1処理の処理フローを図5に示す。以下の説明では、ユーザAが1つのユーザ端末1001を保有しているとし、ユーザAが本実施例の画像形成装置、画像形成システムを用いて、印刷を行う場合を説明する。また、ユーザが印刷を所望する(印刷すべき)画像形成装置を所望画像形成装置200S(1≦S≦M)とする。
【0019】
まず、ユーザAは保有するユーザ端末1001に対して、印刷すべき画像データについて印刷指示を入力する(ステップS101)。ここで、印刷指示の入力とは、例えば、ユーザ端末の画面上に電子的に表示される印刷ボタンをクリックすることである。
【0020】
そうすると、ユーザ端末1001の送受信部104は、ユーザ識別情報と、端末識別情報とを、ネットワーク300に接続されているM個全ての画像形成装置200mおよび、全ての画像形成装置2001〜200Nに対して送信する(ステップS102)。以下では、該送信をブロードキャストという。
【0021】
ここで、ユーザ識別情報とは、ユーザを識別するための情報であり、例えば、ユーザID(Identity Document)である。また、端末識別情報とは、ユーザ端末を識別するための情報であり、例えば、ユーザ端末のIPアドレスまたはMACアドレスである。以下では、ユーザ識別情報をユーザIDであるとし、端末識別情報をユーザ端末のIPアドレスであるとして説明する。また、ユーザ識別情報と端末識別情報と、その他の所定の情報をまとめて、IDパケット情報という。
【0022】
そして、各々の画像形成装置200mが、ユーザ端末1001からのIDパケット情報を受信すると、各々の画像形成装置200mは、IDパケット情報内の、ユーザIDとIPアドレスを対応させてテーブル表として、記憶部202に記憶させる(ステップS104)。図7にこのテーブル表の一例を示す。以下では、ユーザ名が、そのままユーザIDであるとして説明する。例えば、ユーザAのユーザIDは「A」であるとする。図7の例では、ユーザID「A」とIPアドレス「β1」とユーザ端末1001とが対応している。つまり、ユーザAが、ユーザ端末1001に対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末1001がブロードキャストを行ったことを示している。換言すれば、ユーザAがユーザ端末1001を保有しているということである。また、ユーザ端末1001のIPアドレスは、β1であることを示している。
【0023】
また、図7の例では、ユーザID「C」「D」とIPアドレス「βv」とユーザ端末100Vが対応している。つまり、ユーザCが、ユーザ端末100Vに対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末100Vがブロードキャストを行ったことを示している。また、ユーザDも、ユーザ端末100Vに対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末100Vがブロードキャストを行ったことを示している。換言すると、ユーザCとユーザDとがユーザ端末100Vを共用しているということである。また、ユーザ端末100VのIPアドレスは、βVであることを示している。
【0024】
また、図7の例では、ユーザID「F」とIPアドレス「βN−1」「βN」とユーザ端末100N−1とユーザ端末100Nとが対応している。つまり、ユーザFが、ユーザ端末100N−1、100Nに対して、印刷指示を入力して、該ユーザ端末100N−1、100Nがブロードキャストを行ったことを示している。換言すれば、ユーザFが、ユーザ端末100N−1とユーザ端末100Nとを保有しているということである。また、ユーザ端末100N−1、100Nはそれぞれ、βN−1、βNであることを示している。
【0025】
次に、画像データは、一旦、記憶部102に記憶される(ステップS106)。そして、表示部106に、画像データが記憶部102に記憶されたことを示す情報を表示させる。ステップS106の処理と、ステップS102の処理とは、どちらを先に行っても良い。ここまでが、第1処理である。
【0026】
また、複数のユーザが1つの端末を共用する場合には、図8に示すように、ユーザIDと画像データ識別情報とを対応付けて、記憶部102に記憶させておく。ここで、画像データ識別情報とは、画像データを識別するための情報であり、例えば画像データIDを用いればよい。図8の例では、ユーザCと、画像データIDがX1、X2の画像データとが対応付けられている。以下では単に、「画像データX1」「画像データX2」という。つまり、ユーザCは、画像データX1、X2を記憶部102に記憶させたということであり、ユーザCは、画像データX1、X2の画像を印刷しようとしている。
【0027】
同様に、ユーザDと、画像データIDがY1、Y2の画像データとが対応付けられている。つまり、ユーザDは、画像データY1、Y2を記憶部102に記憶させたということであり、ユーザCは、画像データY1、Y2の画像を印刷しようとしている。
[第2処理]
次に、第2処理について説明する。第2処理の処理フローを図6に示す。
【0028】
ユーザAは、表示部106に画像データが記憶部102に記憶されたことを示す情報を視認すると、所望画像形成装置200Sまで移動する。そして、該所望画像形成装置200Sの認証部204に対して認証を行う(ステップS108)。
【0029】
ここで、認証の手法としては、様々あるが、例えば、ユーザAが自己のユーザIDが記憶されている情報保持媒体(例えば、IDカード)を、カードリーダにかざすことで、ユーザIDを、認証部204に入力し、認証を行うことができる。この場合には、認証部204は、該認証部204に入力されたユーザIDが、ステップS104で記憶部202に記憶されている複数のユーザID(図7参照)内に存在するか否かを判定する。存在しなければ(ステップS108のNo)、認証失敗となり、ステップS109に進む、ステップS109では、出力部212が、認証失敗を示す情報を出力する。ここで、認証失敗を示す情報として、例えば、認証失敗を示す音(ビープ音)とすればよい。そのほかにも、表示部214(例えば、LCD:液晶ディスプレイ:Liquid Crystal Display)に認証失敗である旨を表示しても良い。また、画像形成部210が、用紙に認証失敗である旨を印刷して、該用紙を出力しても良い。
【0030】
また、その他の認証の手法として、情報保持媒体を用いずに、ユーザは、操作部216から、自己のユーザIDなどを入力する。そして、認証部204が、入力されたユーザIDやパスワードと、記憶部202に記憶されているユーザIDが一致するか否かを判断するようにしてもよい。また、指紋認証や眼球認証などで、認証を行ってもよい。この場合には、認証部204が、入力された指紋や眼球についての情報をユーザIDに変換して、該変換されたユーザIDと、記憶部202に記憶されているユーザIDと記憶部202に記憶されているユーザIDが一致するか否かを判断するようにしてもよい。これらの認証方法により、認証失敗であれば、上述のように、ステップS109に進む。
【0031】
また、認証部204による認証が成功した場合には(ステップS108のYes)、ステップS110に進む。ステップS110では、認証が成功した所望画像形成装置200Sの制御部218は、該認証で用いられたユーザIDに対応するIPアドレスを取得する。この例では、ユーザAであるので、図7のテーブル表を参照して制御部218は、IPアドレスβ1を取得する。
【0032】
そして、送受信部208はIPアドレスβ1のユーザ端末1001に対して要求情報を送信する(ステップS110)。
【0033】
ここで、要求情報とは、ステップS106で、記憶部102に記憶された画像データを要求するための情報である。要求情報は、ネットワーク300を経由して、ユーザ端末1001に送信される。ユーザ端末100の送受信部104が、該要求情報を受信すると、制御部112は、ステップS106で記憶された画像データを取得する。そして制御部112は、取得した画像データを、要求情報を送信した所望画像形成装置200Sに対して、送受信部104に送信させる(ステップS114)。該送信された画像データは、ネットワーク300を経由して、所望画像形成装置200Sに送信される。また、ステップS114の処理の前に、ユーザ端末1001は、印刷ジョブ数を画像形成装置に送信するようにしても良い。この場合には、画像形成装置200の表示部214には、該送信された印刷ジョブ数を表示させる。
【0034】
送受信部208は、送信された画像データを受信すると(ステップS116)、そのまま、画像形成部210に送信する。そして、画像形成部210が、画像データを受信すると、該画像データについての画像を用紙に印刷(画像形成)する(ステップS118)。
【0035】
また、ネットワーク300やユーザ端末100の不具合などで、画像形成装置200から送信した情報がユーザ端末100が受信できない場合がある。そのような事態を想定して、ステップS110での要求情報を送信した後に、制御部218が、予め定められた所定時間T経過したか否かを測定するようにすればよい(ステップS111)。ステップS110において、要求情報を送信した後に、画像データが送信されずに、所定時間T経過したということは、ネットワーク300やユーザ端末100の不具合があったということである。この場合には、ステップS109でエラー表示をして、処理を終了する。以下の説明では、ステップS111の処理をタイムアウト処理という。
<実施形態1の発明の効果>
この実施形態1の画像形成システムによれば、ユーザが印刷を所望する所望画像形成装置に印刷をさせることができ(ロケーションフリー)、かつ、画像データを保存するサーバを設置する必要もない(サーバレス)。つまり、サーバレスであり、ロケーションフリーである画像形成システムを提供できる。
【0036】
また、図7に記載のように、ユーザCとDが1つのユーザ端末100vを共用している場合には、ユーザCが所望画像形成装置200Sの認証装置に対して認証処理を行った(ステップS108)にも関らず、ユーザDの画像データが所望画像形成装置200Sに送信される可能性がある。そこで、複数のユーザ(この例では、ユーザCとD)が1つのユーザ端末(この例では、ユーザ端末100v)を共用していることが明らかな場合には、ステップS110で、送受信部208は、要求情報の他に、ステップS110の認証処理で用いられたユーザIDも送信することが好ましい。ユーザ端末100vが、ユーザID「C」を受信することで、ユーザ端末100vの送受信部104は、ユーザID「C」に対応する画像データX1、X2を所望画像形成装置200Sに送信する。
【0037】
このように、複数のユーザ(この例では、ユーザCとD)が1つのユーザ端末(この例では、ユーザ端末100v)を共用している場合に、所望画像形成装置200sは、要求情報と認証処理で用いられたユーザIDを送信することで、認証処理を行ったユーザの画像データを該所望画像形成装置200Sに送信できる。
【0038】
また、図7に記載のように、一人のユーザが複数のユーザ端末を保有している場合がある。図7の例では、ユーザFが2つのユーザ端末100N−1、100Nを保有しており、ユーザFが、ユーザ端末100N内の画像データを印刷する場合を図5、図6を用いて説明する。この場合には、ステップS108で、認証処理が成功すると、送受信部208は、該認証処理で用いられたユーザID「F」に対応するIPアドレスβN−1、βNのユーザ端末100N−1、100Nに対して、要求情報を送信する。
【0039】
従って、一人のユーザ(この場合は、ユーザF)が複数のユーザ端末(この場合にはユーザ端末100N−1、100N)を保有している場合でも、所望画像形成装置200Sは、該複数のユーザ端末に記憶されている画像データを受信することができる。
【0040】
また、図5で説明した、ステップS102のブロードキャストについて説明する。公知のネットワーク技術として、アップル社が提案している「ランデブー」という技術がある。この技術を図3を用いて簡単に説明する。
【0041】
このランデブーを用いた環境で、ネットワーク300に接続されている画像形成装置200mの電源がオフ状態からオン状態になった時や、ユーザがユーザ端末100に印刷指示を入力した時など、様々なアクションが発生した場合に、該画像形成装置200mは自己のIPアドレスおよび、電源がオフ状態からオン状態になったことを示す新規情報などが含まれたIDパケット情報を全てのユーザ端末100n(n=1、...、N)に送信する。また、全てのユーザ端末100nは、該IDパケット情報を受信すると、該IDパケット情報を受信したことを示す返信情報を画像形成装置200mに送信する。
【0042】
一方、本実施形態のブロードキャストについては、ユーザがユーザ端末100に印刷指示を入力した時のみに、IPアドレスやユーザIDを各画像形成装置に送信するものである。更に、画像形成装置は、IPアドレス、ユーザIDを受信しても、返信情報を送信しない。従って、本実施形態のブロードキャストは、「ランデブー」と比べて、送受信する情報量を頗る削減できる。
【0043】
また、本実施形態1の画像形成システムであれば、ステップS106でユーザAが画像データを保存させたユーザ端末1001のみに、所望画像形成装置200Sは要求情報を送信するので(ステップS110)、送信する情報量を少なくすることができる。
【0044】
また、所望画像形成装置200Sが要求情報を送信したユーザ端末からの画像データが送信されるまで、該所望画像形成装置200Sは待機しておけばよい(ステップS110、ステップS116)。従って、所望画像形成装置200Sは、画像データの受信処理を簡略化することができる。
[実施形態2]
次に実施形態2について説明する。実施形態2の画像形成システムの処理フローを図9、図10に示す。図9、図10を用いて、実施形態2の画像形成システムを用いる前提を交えながら説明する。
【0045】
[実施形態1]で説明したように、ユーザAが所望画像形成装置200Sから印刷をしようとした場合には、ユーザAが保有するユーザ端末1001に印刷指示をする(ステップS101)。そうすると、ユーザ端末1001はユーザAのユーザIDとユーザ端末1001のIPアドレスとを全ての画像形成装置2001〜200Mに送信する(ブロードキャストを行う。ステップS104)。そして、所望画像形成装置200Sの電源がONになっている場合には、ブロードキャストされた該ユーザIDとIPアドレスとを受信し、これらを対応させて記憶部202(図4参照)に格納させる(図5記載のステップS104、図7参照)。
【0046】
ところが、所望画像形成装置200Sの電源がオフになっている場合がある。この場合には、ステップS102でブロードキャストされたIDアドレス、IPアドレスを受信することはできない(ステップS201)。従って、所望画像形成装置200Sは、ユーザ端末1001についての、直近のIDアドレスとIPアドレスとの対応を取得することはできない。
【0047】
そして、ユーザAは、所望画像形成装置200Sまで移動する。ユーザAは、所望画像形成装置200Sの電源がオフになっていることを確認すると、所望画像形成装置200Sの電源をONにする。そうすると、所望画像形成装置200Sの認証部204などが起動される。以下の処理については、場合分けをして説明する。
【0048】
また、実施形態2の画像形成システムは、実施形態1同様、第1処理と第2処理とに分けられる。図9、図10は、実施形態2の第1処理の処理フローを示した図である。また、第2処理は、実施形態1(図6)と同一である。
[第1状況・・・以前のブローキャストでユーザAのユーザIDが既に記憶部202に格納されている場合]
ユーザAは起動された認証部204により、認証処理を行う(ステップS108)。
【0049】
ここで、該認証処理とは、上述のように、以前のブロードキャストにより入力されたユーザIDが、記憶部202内のテーブル表(図7参照)に存在するか否かを判断するものである。この第1状況では、既に、ユーザAのユーザIDが記憶部202に格納されているので、認証成功される(ステップS108のYes)。
【0050】
認証成功されると、ステップS110に進む。ステップS110以降の処理は、図6と同様なので、説明を省略する。
[第2状況・・・以前のブロードキャストでユーザAのユーザIDが記憶部202に格納されていない場合]
第2状況の場合には、ステップS201で説明したように、所望画像形成装置200Sの電源がオフになっていることから、図9記載のステップS102でブロードキャストされたユーザIDを受信することはできない。従って、所望画像形成装置200Sの記憶部202には、ユーザAのユーザIDは記憶されていない。
【0051】
図9記載のステップS202の処理終了後のステップS108での認証処理は、認証失敗となる。そして、エラー表示(ステップS109)をし、ユーザAに認証失敗であることを認識させる。そして、図10記載のステップS220に移行する。
【0052】
ユーザAは認証失敗であることを認識すると、ユーザAは、ユーザ端末1001まで戻り、ユーザ端末1001に対して、所定の処理(「第2所定の処理」ともいう。)を行う。ここで、所定の処理とは、様々あるが、例えば、ユーザ端末1001に対して、印刷ジョブを開くという処理であるとする。印刷ジョブの一例を図12に示す。印刷ジョブとは、印刷するデータと当該データの印刷処理をプリンタに実行させるための命令とを含むデータである。
【0053】
ユーザAが所定の処理を行うと(ステップS220のYes)、ステップS102の処理(ブロードキャスト処理)が行われる。ブロードキャスト処理とは、上述のように、ユーザ端末100'のIPアドレスと、ユーザAのIDアドレスと、を全ての画像形成装置200mに送信することである。
【0054】
ここで、ユーザAのユーザIDについては記憶部202には格納されていない。そこで、更新部220は、図10記載のステップS102で送信されたユーザIDとユーザ端末のIPアドレスとを対応付けて、画像形成装置200Sの記憶部202に追加更新する(ステップS222)。その後、第2処理(図6と同一)を行う。
【0055】
つまり、テーブル表更新後、上記で説明した、ステップS110において、所望画像形成装置200Sの送受信部208は、要求情報を、ユーザが新たに保有しているユーザ端末1001に送信することができる。その後、ステップS112において、ユーザ端末1001は要求情報を受信し、該ユーザ端末1001に記憶されている画像データを画像形成装置200Sに送信する。そして、ステップS118において、所望画像形成装置200Sにより印刷を行うことができる。
【0056】
またユーザが、自己が保有するユーザ端末を変更した場合でも、該変更されたユーザ端末に対して、図10記載のステップS220の所定処理を行うことで、ステップS102でブロードキャストが行われ、ステップS222でテーブル表の更新が行われる。従って、該実施形態2では、ユーザが、保有するユーザ端末を変更したとしても、認証処理が適切に行われる。
<実施形態2の発明の効果>
所望画像形成装置の電源がオフされていることにより、印刷指示後(ステップS101)のブロードキャスト(ステップS102)により送信されたユーザAのユーザIDを受信できない場合がある。そして、以前にユーザAのユーザIDを格納していない場合がある。この場合であっても、ユーザAは自己のユーザ端末に所定の処理(ステップS220)を行うのみで、所望画像形成装置に印刷を行わせることができる。また、記憶部202内のテーブル表も、ユーザAのユーザIDが追加更新される。従って、2回目以降に、所望画像形成装置の電源がオフになっていたとしても、適切に該所望画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0057】
また、図10記載のステップS102のブロードキャスト処理において、上述したように、「ランデブー」と比べて、送信される情報量も頗る削減される。
[実施形態3]
次に、実施形態3について説明する。上述したステップS102において、ネットワーク300に接続されている、ブロードキャストを行ったユーザ端末1001以外のユーザ端末1002〜100N、および全ての画像形成装置200mに、IDパケット情報を送信する、と説明した。しかし、セキュリティの問題上、ネットワーク300に接続されている全ての画像形成装置200mにユーザIDおよびユーザ端末のIPアドレスを送信することが好ましくない場合がある。また、ユーザ端末1002〜100Nにとって、IDパケット情報は必要なく、通信コストの無駄が生じることになる。
【0058】
また、一般的に、全てのユーザ端末100nと、全ての画像形成装置200mと、は同じセグメント内で、ネットワーク300により接続されている。ここで、セグメントとは、例えば、ユーザが所属する会社や、ユーザが所属する部署のフロアーをいう。換言すれば、ネットワーク300に設置されているルータの範囲内である。ところが、ユーザは、セグメント外の画像形成装置に、ユーザIDおよびユーザ端末のIPアドレスを送信したい場合がある。換言すると、ユーザは、セグメント外に設置されている画像形成装置に印刷をさせたい場合がある。
【0059】
この実施形態3では、ユーザが所望する画像形成装置のみに、IDパケット情報を送信することができる画像形成システムについて説明する。
【0060】
実施形態3のユーザ端末100n内の記憶部102には、IDパケット情報の送信を所望する画像形成装置と、該画像形成装置のIPアドレスとを対応させて保持する。該対応させたテーブル表の一例を、図11に示す。図11の例では、IDパケット情報の送信を所望する画像形成装置2001・・・200m・・・200Zとこれらに対応するIPアドレスが対応されて記憶されている。画像形成装置2001・・・200m・・・200Zは、ネットワーク300に接続されている画像形成装置であれば、セグメント内の画像形成装置、セグメント外の画像形成装置のどちらでもよい。
【0061】
そして、本実施形態3では、ステップS102(図5記載)でIDパケット情報の送信を所望する画像形成装置に対して、ユーザ端末1001は、IDパケット情報を送信する。他の処理は実施形態1などと同様なので省略する。なお、ユーザは操作部108からの操作により、該送信を所望する画像形成装置のIPアドレスを入力する。
【0062】
この実施形態3で説明したユーザ端末により、ユーザは所望の画像形成装置のみにIDパケット情報を送信することができる。従って、送信する必要のない画像形成装置にユーザIDおよびユーザ端末のIPアドレスを送信することはないので、送信コストを削減でき、セキュリティ性も向上する。また、ユーザが所望する、セグメント外の画像形成装置にユーザID、IPアドレスを送信することができるので、該セグメント該の画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0063】
また、IDパケット情報の送信を所望する画像形成装置の数は、ネットワーク300に接続されている全てのユーザ端末1001〜100Nの数よりも小さい。従って、ユーザ端末が保持しておく画像形成装置のIPアドレスも少なくてよい。
【0064】
また、ユーザ端末の数の変更は頻繁に発生するが、画像形成装置の数の変更は滅多に発生されない。従って、ユーザ端末が保持する画像形成装置のIPアドレスの変更も滅多に行う必要はない。
[実施形態4]
図6記載のステップS114およびステップS116に示したように、認証処理を行った所望画像形成装置200Sの送受信部208は、ユーザ端末からの画像データを受信する。実施形態4の画像形成装置の送受信部208は、正当な画像データのみを受信するものである。ここで、正当な画像データとは、予め定められた正当なユーザ端末からの画像データを意味する。
【0065】
以下では、予め定められたユーザ端末のみからの画像データを受信する手法の具体例を2つ説明する。
<1つ目の手法>
まず1つ目の手法を説明する。この手法では、ユーザ端末100は、正当情報生成手段120を含む(図4参照)。正当情報とは、ユーザ端末または、該ユーザ端末が記憶部102に記憶している画像データが正当であることを示す情報である。正当情報生成手段120により正当情報の生成手法について説明すると、例えば、正当情報生成手段120は、正当材料情報を所定のアルゴリズムに適用することで、正当情報を生成する。ここで、所定のアルゴリズムとは、所定の関数F(x)である。また、正当材料情報とは、正当情報を生成するための材料となる情報であり、例えば、現在の時刻である。そして関数F(x)に正当材料情報を代入することで、正当情報を生成する。そして、ステップS114(図6参照)で、送受信部120は、画像データに生成された正当情報を付加して、所望画像形成装置200Sに送信する。
【0066】
一方、画像形成装置200Sの送受信部208は確認手段2082を有する。確認手段2082は、送信された画像データが正当なものか否かを確認する。確認手段2082は、送受信部104が有するものと同一の所定のアルゴリズム(この例では、関数F(x))を有する。そして、送受信部104が用いた正当材料情報を同一の情報(この例では、現在の時刻)を関数F(x)に代入することで、確認用正当情報を生成する。そして、所望画像形成装置200Sが正当情報と画像データを受信すると、確認手段2082が、該受信した正当情報と、生成された確認用正当情報と、が同一か否かを確認する。確認手段2082が同一であると確認すると、受信した画像データ、および該画像データを送信したユーザ端末は正当であると判断して、ステップS118で印刷処理を行う。
【0067】
一方、確認手段2082が、受信した正当情報と、生成された確認用正当情報と、が同一でないと確認すると、受信した画像データ、および該画像データを送信したユーザ端末は正当でないと判断して、印刷処理を行わずに、該画像データを破棄する。
【0068】
このように、正当情報を用いることで、正当な画像データの画像のみを印刷することができる。
<2つ目の手法>
次に、2つ目の手法について説明する。2つ目の手法では、画像形成装置内の送受信部208は、フィルタ手段2080(図4参照)を有する。また、画像形成装置内の記憶部202には、正当である予め定められたユーザ端末のIPアドレスを記憶させておく。そして、該フィルタ手段2080は、記憶部202に記憶されているIPアドレス以外のユーザ端末(つまり正当でないユーザ端末)からの画像データを遮断する(受信しない)。
【0069】
このようにすることで、例えば、セキュリティ上、問題があるユーザ端末からの画像データを破棄することができる。従って、セキュリティ性を向上させることができる。
[実施形態5]
次に実施形態5の画像形成システムについて説明する。[実施形態1][実施形態2]で説明したように、第1処理(実施形態1では図5、実施形態2では図9、図10参照)と第2処理(図6参照)とに分けられる。第1処理と第2処理との間に長時間空く場合がある。つまり、ユーザAが印刷指示をしたが(ステップS101)、ユーザAが認証処理を行わなかった場合などである(ステップS108)。
【0070】
この場合に、ユーザAは印刷指示をしたものの、何らかの理由で、該印刷指示をした画像の印刷が必要なくなった場合に、該印刷指示した画像が印刷されることは、用紙やインクの無駄遣いになったり、印刷ミスの原因となる場合がある。実施形態5の画像形成システムでは、このような場合であっても、用紙やインクの無駄遣いや、印刷ミスを防ぐものである。
【0071】
以下に、印刷が必要なくなった画像(不必要な画像)についての印刷ジョブ(画像処理ジョブ)を削除する手段の具体例を2つ説明する。
<1つ目の具体例>
まず、1つ目の具体例を説明する。印刷指示をしたものの、何らかの理由で、該印刷指示をした画像の印刷が必要なくなった場合には、ユーザは、放置しておく場合が多い。従って、所定期間(例えば、1日)ごとに削除部118(図4参照)が、記憶部102に記憶されている、印刷が必要なくなった画像についての印刷ジョブ(不必要な印刷ジョブ)を削除するようにすればよい。このように、削除部118が所定期間ごとに、不必要な印刷ジョブを削除することで無駄な印刷を行う必要はなくなり、ユーザの印刷ジョブの削除の手間が省ける。
<2つ目の具体例>
2つ目の具体例では、ユーザ端末100は表示部106を有する。そして、表示部106には、図12に示す画像形成ジョブ(印刷ジョブ)の一覧がユーザに視認できるように表示される。図12の例では、コメント欄に、これから印刷されることを示す「印刷待ち」と、印刷が終了した「印刷済み」とが表示される。ユーザは操作部108から、印刷ジョブの削除処理を入力する。
【0072】
ユーザAが印刷指示をしたものの、認証処理を行っていない場合には、「印刷待ち」とされる。そして、ユーザは、印刷指示をしたものの、印刷を所望しない印刷ジョブについては削除することができる。このように、不必要な印刷ジョブについて削除することで、無駄な印刷処理を削除することができる。また、不必要な印刷ジョブを削減できることで、印刷ミスを防ぐことができる。この2つ目の手法では、削除部118を設ける必要はない。
[変形例(その1)]
次に、変形例(その1)について説明する。上述したように、ステップS105で、ユーザから、ユーザ端末に対して印刷処理が行われた場合に、ステップS106で、該印刷される画像についての画像データを記憶部102に記憶させる。この変形例(その1)では、暗号化・復号化部116が、該画像データを暗号化して、記憶部102に記憶させるものである。これにより、例えば、悪意のある第3者が、ユーザ端末内の画像データを不正に取得しようとしたとしても、暗号化されていることから、取得することができない。
【0073】
また、暗号化の手法は公知の技術(例えば、DES(Data Encryption Standard)などを用いればよい。そして、ステップS114で、送受信部104が画像データを画像形成装置に送信する際に、暗号化・復号化部116は、暗号化された画像データを復号化すればよい。
[変形例(その2)]
上述の画像形成装置200mに、記憶部202(例えば、HDD)と認証部204(例えば、カードリーダ)が備え付けられているものとして、説明した。しかし、記憶部202、認証部204が備え付けられていない画像形成装置(以下、「非装備画像形成装置」という。)を、ネットワーク300に接続させて、画像形成システムを構成する場合もある。
【0074】
この場合には、該非装備画像形成装置に、記憶部202、認証部204を付加して用いればよい。このようにすることで、非装備画像形成装置であっても、上述した画像形成システムを構成することができる。
【符号の説明】
【0075】
100・・・ユーザ端末、102・・・記憶部、104・・・送受信部、106・・・表示部、108・・・操作部、200・・・画像形成装置、202・・・記憶部、204・・・認証部、208・・・送受信部210・・・画像形成部
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0076】
【非特許文献1】"RICOH製品情報"、「online」[平成22年7月30日検索]http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/related_goods/printshield/system.html
【非特許文献2】"RICOH製品情報"、「online」[平成22年7月30日検索]http://www.ricoh.co.jp/imagio/mfp-sol/ic-card-ae/
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶している1以上のユーザ端末とネットワークで接続されている画像処理装置において、
ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザ識別情報を用いて、ユーザの認証を行う認証部と、
前記認証部による認証が成功した場合に、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末に記憶されている画像データを要求する要求情報を送信し、該ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、
前記受信部で受信した画像データに対して所定処理を行う画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、正当な画像データのみを受信することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムで行われる画像処理方法において、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信する第1送信工程と、
前記画像処理装置の記憶部が、前記第1送信工程で送信された、前記ユーザ識別情報と、前記端末識別情報とを対応付けて記憶する第1記憶工程と、
前記ユーザ端末の記憶部が、前記ユーザ端末の操作部に画像を処理する旨の情報が入力されると、前記画像についての画像データを記憶する第2記憶工程と、
前記画像処理装置の認証部が、入力されたユーザ識別情報と、前記第1記憶工程で記憶されたユーザ識別情報とに基づいて、ユーザを認証する認証工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記認証工程での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する第2送信工程と、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記要求情報を受信すると、該要求情報により要求された画像データを、該要求情報を送信した前記画像処理装置に送信する第3送信工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記画像データを受信すると、前記画像処理装置の画像処理部が、該画像データに対して所定の処理を行う処理工程と、を有する画像処理方法。
【請求項4】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムで行われ、前記1以上の画像処理装置それぞれの記憶部には、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、が対応付けて予め記憶されている画像処理方法において、
前記画像処理装置の認証部が、入力されたユーザ識別情報と、前記記憶されたユーザ識別情報とに基づいて、ユーザを認証する認証工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記認証工程での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する第2送信工程と、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記要求情報を受信すると、該要求情報により要求された画像データを、該要求情報を送信した前記画像処理装置に送信する第3送信工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記画像データを受信すると、前記画像処理装置の画像処理部が、該画像データに対して所定の処理を行う処理工程と、を有する画像処理方法。
【請求項5】
前記ユーザ端末の記憶部には、ユーザのユーザ識別情報と、該ユーザの画像データとが対応付けられて、記憶されており、
前記第2送信工程は、前記要求情報と、前記認証工程で用いられた前記入力されたユーザ識別情報を送信し、
前記第3送信工程は、前記入力されたユーザ識別情報と対応する画像データを送信することを特徴とする請求項3または4記載の画像処理方法。
【請求項6】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムで行われ、前記1以上の画像処理装置それぞれの記憶部には、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、が対応付けて予め記憶されている画像処理方法において、
該画像処理装置の認証部が、予め記憶されていた前記ユーザ識別情報に基づき、該ユーザを認証する第1認証工程と、
前記認証工程での認証が失敗され、前記ユーザにより該ユーザが保有するユーザ端末に所定の処理が行われると、該ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信する第1送信工程と、
前記1以上の画像処理装置それぞれの記憶部に記憶されたユーザ識別情報と端末識別情報を、前記第1送信工程により送信されたユーザ識別情報と端末識別情報とに更新される更新工程と、
前記画像処理装置の認証部が、入力されたユーザ識別情報および前記更新工程で更新されたユーザ識別情報に基づき、ユーザを認証する第2認証工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記第2認証工程での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する第2送信工程と、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記要求情報を受信すると、該要求情報により要求された画像データを、該要求情報を送信した前記画像処理装置に送信する第3送信工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記画像データを受信すると、前記画像処理装置の画像処理部が、該画像データに対して所定の処理を行う処理工程と、を有する画像処理方法。
【請求項7】
前記ユーザ端末の記憶部には、ユーザのユーザ識別情報と、該ユーザの画像データとが対応付けられて、記憶されており、
前記第2送信工程は、前記要求情報と、前記第2認証工程で用いられた前記入力されたユーザ識別情報を送信し、
前記第3送信工程は、該入力されたユーザ識別情報と対応する画像データを送信することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記画像処理装置の記憶部には、前記第1送信工程で、送信されるユーザ識別情報および端末識別情報の送信すべき画像処理装置を識別するための画像処理装置識別情報が記憶されており、
前記画像処理装置識別情報についての画像処理装置に、前記ユーザ識別情報および前記端末識別情報が送信されることを特徴とする請求項3〜7何れかに1項に記載の画像処理方法。
【請求項9】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、
画像を処理する旨の情報が入力される操作部と、
前記画像を処理する旨の情報が入力されると、該画像についての画像データを記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信し、前記画像処理装置から前記記憶部内の画像データを要求するための要求情報を受信すると該画像データを該要求情報の送信元の前記画像処理装置に送信する送受信部と、
を有し、
前記画像処理装置は、
前記ユーザ識別情報と前記端末識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザ識別情報に基づき、ユーザを認証する認証部と、
前記認証部での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、前記要求情報を送信し、前記ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、
前記画像データを受信すると、該画像データについての画像を記録媒体に処理して出力する画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、が対応付けて予め記憶されている記憶部と、
ユーザにより電源がONにされる操作部と、
前記操作部により電源がONにされると、記憶されていた前記ユーザ識別情報に基づき、該ユーザを認証する認証部と、
前記記憶部に記憶されたユーザ識別情報と端末識別情報を、送信されたユーザ識別情報と端末識別情報とに更新する更新部と、
前記認証部による認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する送信部と、
入力された画像データについて画像処理する画像処理部と、を有し、
前記ユーザ端末は、
所定の操作がされる操作部と、
前記認証部による認証が失敗し、ユーザにより、該ユーザ端末の操作部に所定の操作がなされると、該ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信する送信部を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
前記ユーザ端末の記憶部には、
前記ユーザ識別情報と前記端末識別情報とを、送信すべき画像処理装置を識別するための画像処理装置識別情報が記憶されており、
前記ユーザ端末の送受信部は、前記画像処理装置識別情報についての画像処理装置に前記ユーザ識別情報と前記端末識別情報とを送信することを特徴とする請求項9または10記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記ユーザ端末の記憶部には、ユーザのユーザ識別情報と、該ユーザの画像データとが対応付けられて、記憶されており、
前記画像処理装置の送受信部は、前記要求情報と、前記認識部で用いられたユーザ識別情報とを送信するものであり、
前記ユーザ端末の送受信は、該送信された前記ユーザ識別情報と対応する画像データを送信することを特徴とする請求項9〜11何れか1項の記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記ユーザ端末は、不必要な画像処理ジョブを削除する手段を有することを特徴とする請求項9〜12何れかに1項に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記画像処理装置の送受信部は、正当な画像データのみを受信することを特徴とする請求項9〜13何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項1】
画像データを記憶している1以上のユーザ端末とネットワークで接続されている画像処理装置において、
ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザ識別情報を用いて、ユーザの認証を行う認証部と、
前記認証部による認証が成功した場合に、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末に記憶されている画像データを要求する要求情報を送信し、該ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、
前記受信部で受信した画像データに対して所定処理を行う画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、正当な画像データのみを受信することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムで行われる画像処理方法において、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信する第1送信工程と、
前記画像処理装置の記憶部が、前記第1送信工程で送信された、前記ユーザ識別情報と、前記端末識別情報とを対応付けて記憶する第1記憶工程と、
前記ユーザ端末の記憶部が、前記ユーザ端末の操作部に画像を処理する旨の情報が入力されると、前記画像についての画像データを記憶する第2記憶工程と、
前記画像処理装置の認証部が、入力されたユーザ識別情報と、前記第1記憶工程で記憶されたユーザ識別情報とに基づいて、ユーザを認証する認証工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記認証工程での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する第2送信工程と、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記要求情報を受信すると、該要求情報により要求された画像データを、該要求情報を送信した前記画像処理装置に送信する第3送信工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記画像データを受信すると、前記画像処理装置の画像処理部が、該画像データに対して所定の処理を行う処理工程と、を有する画像処理方法。
【請求項4】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムで行われ、前記1以上の画像処理装置それぞれの記憶部には、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、が対応付けて予め記憶されている画像処理方法において、
前記画像処理装置の認証部が、入力されたユーザ識別情報と、前記記憶されたユーザ識別情報とに基づいて、ユーザを認証する認証工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記認証工程での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する第2送信工程と、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記要求情報を受信すると、該要求情報により要求された画像データを、該要求情報を送信した前記画像処理装置に送信する第3送信工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記画像データを受信すると、前記画像処理装置の画像処理部が、該画像データに対して所定の処理を行う処理工程と、を有する画像処理方法。
【請求項5】
前記ユーザ端末の記憶部には、ユーザのユーザ識別情報と、該ユーザの画像データとが対応付けられて、記憶されており、
前記第2送信工程は、前記要求情報と、前記認証工程で用いられた前記入力されたユーザ識別情報を送信し、
前記第3送信工程は、前記入力されたユーザ識別情報と対応する画像データを送信することを特徴とする請求項3または4記載の画像処理方法。
【請求項6】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムで行われ、前記1以上の画像処理装置それぞれの記憶部には、ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、が対応付けて予め記憶されている画像処理方法において、
該画像処理装置の認証部が、予め記憶されていた前記ユーザ識別情報に基づき、該ユーザを認証する第1認証工程と、
前記認証工程での認証が失敗され、前記ユーザにより該ユーザが保有するユーザ端末に所定の処理が行われると、該ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信する第1送信工程と、
前記1以上の画像処理装置それぞれの記憶部に記憶されたユーザ識別情報と端末識別情報を、前記第1送信工程により送信されたユーザ識別情報と端末識別情報とに更新される更新工程と、
前記画像処理装置の認証部が、入力されたユーザ識別情報および前記更新工程で更新されたユーザ識別情報に基づき、ユーザを認証する第2認証工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記第2認証工程での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する第2送信工程と、
前記ユーザ端末の送受信部が、前記要求情報を受信すると、該要求情報により要求された画像データを、該要求情報を送信した前記画像処理装置に送信する第3送信工程と、
前記画像処理装置の送受信部が、前記画像データを受信すると、前記画像処理装置の画像処理部が、該画像データに対して所定の処理を行う処理工程と、を有する画像処理方法。
【請求項7】
前記ユーザ端末の記憶部には、ユーザのユーザ識別情報と、該ユーザの画像データとが対応付けられて、記憶されており、
前記第2送信工程は、前記要求情報と、前記第2認証工程で用いられた前記入力されたユーザ識別情報を送信し、
前記第3送信工程は、該入力されたユーザ識別情報と対応する画像データを送信することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記画像処理装置の記憶部には、前記第1送信工程で、送信されるユーザ識別情報および端末識別情報の送信すべき画像処理装置を識別するための画像処理装置識別情報が記憶されており、
前記画像処理装置識別情報についての画像処理装置に、前記ユーザ識別情報および前記端末識別情報が送信されることを特徴とする請求項3〜7何れかに1項に記載の画像処理方法。
【請求項9】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、
画像を処理する旨の情報が入力される操作部と、
前記画像を処理する旨の情報が入力されると、該画像についての画像データを記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信し、前記画像処理装置から前記記憶部内の画像データを要求するための要求情報を受信すると該画像データを該要求情報の送信元の前記画像処理装置に送信する送受信部と、
を有し、
前記画像処理装置は、
前記ユーザ識別情報と前記端末識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザ識別情報に基づき、ユーザを認証する認証部と、
前記認証部での認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、前記要求情報を送信し、前記ユーザ端末からの画像データを受信する送受信部と、
前記画像データを受信すると、該画像データについての画像を記録媒体に処理して出力する画像処理部と、を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
1以上のユーザ端末と、1以上の画像処理装置と、がネットワークで接続されている画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
ユーザ端末を識別するための端末識別情報と、該ユーザ端末を保有するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、が対応付けて予め記憶されている記憶部と、
ユーザにより電源がONにされる操作部と、
前記操作部により電源がONにされると、記憶されていた前記ユーザ識別情報に基づき、該ユーザを認証する認証部と、
前記記憶部に記憶されたユーザ識別情報と端末識別情報を、送信されたユーザ識別情報と端末識別情報とに更新する更新部と、
前記認証部による認証が成功されると、該認証で用いられた前記ユーザ識別情報に対応する前記端末識別情報についてのユーザ端末に対して、該ユーザ端末の記憶部に記憶されている画像データを要求するための要求情報を送信する送信部と、
入力された画像データについて画像処理する画像処理部と、を有し、
前記ユーザ端末は、
所定の操作がされる操作部と、
前記認証部による認証が失敗し、ユーザにより、該ユーザ端末の操作部に所定の操作がなされると、該ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、該ユーザが保有する前記ユーザ端末を識別するための端末識別情報とを、前記1以上の画像処理装置に送信する送信部を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
前記ユーザ端末の記憶部には、
前記ユーザ識別情報と前記端末識別情報とを、送信すべき画像処理装置を識別するための画像処理装置識別情報が記憶されており、
前記ユーザ端末の送受信部は、前記画像処理装置識別情報についての画像処理装置に前記ユーザ識別情報と前記端末識別情報とを送信することを特徴とする請求項9または10記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記ユーザ端末の記憶部には、ユーザのユーザ識別情報と、該ユーザの画像データとが対応付けられて、記憶されており、
前記画像処理装置の送受信部は、前記要求情報と、前記認識部で用いられたユーザ識別情報とを送信するものであり、
前記ユーザ端末の送受信は、該送信された前記ユーザ識別情報と対応する画像データを送信することを特徴とする請求項9〜11何れか1項の記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記ユーザ端末は、不必要な画像処理ジョブを削除する手段を有することを特徴とする請求項9〜12何れかに1項に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記画像処理装置の送受信部は、正当な画像データのみを受信することを特徴とする請求項9〜13何れか1項に記載の画像処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−39527(P2012−39527A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179756(P2010−179756)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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