説明

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

【課題】3D動画から、ノイズ成分を抑制した3D静止画をキャプチャする。
【解決手段】ビデオカメラ1は、3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する動画再生部17と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、動画再生部17が復号し出力するフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択部21と、フレーム選択部が選択した右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理部22と、右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する静止画符号化部19とを有する。フィルタ処理部22は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D動画を記録再生可能な画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、特に、3D動画から静止画をキャプチャすることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に記載されているように、2D動画から2D静止画を生成し(キャプチャし)メモリに記録するカメラが広く普及している。ところで、近年、3D動画を撮影できるビデオカメラが開発されており、3D動画からも、2D動画と同様に、3D静止画をキャプチャする技術への要請が高まっている。
【0003】
例えば、特許文献2には、ユーザの希望通りに、2Dで取得された画像を3D静止画や3D動画に、または3Dで取得された画像からを2D静止画や2D動画に変換して、簡単に画像データを取り出すことができるようにすることを目的とした画像変換装置が開示されている。
【0004】
この特許文献2に記載の画像変換装置は、入力された画像データの形態情報と出力すべき画像データの形態情報に基づいて2次元(2D)又は3次元(3D)画像を3次元又は2次元画像に変換する画像変換手段と、その出力画像形態情報に基づいて、入力画像データを変換手段に出力するか、そのまま変換せずに出力するかを切り換える切換手段とを備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−275098号公報
【特許文献2】特開2005−184377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、動画像中から1つのフレーム画像を静止画として取り出すと、撮像素子によるノイズ成分が動画像より目立ちやすいという問題点がある。これは、動画像では人間の時間軸方向の視覚が鈍感であるため、つまり動画像ではフレーム間の補間を行っているため、動画像の方が1フレーム中のノイズ成分が見えにくくなるためと考えられる。特に、撮影環境が暗かった場合には、各フレーム画像のノイズ成分が大きくなる。これは、撮像素子の各セルに入射する光量が少ないために、光電変換の出力が小さく、ノイズに埋もれてしまうためである。これは、2D静止画のキャプチャに限らず、3D静止画のキャプチャにおいても同様である。
【0007】
したがって、特許文献2に記載されているように動画像からフレーム画像を単純にキャプチャするのみでは、上記のノイズを取り除くことができず、キャプチャされた静止画にノイズが重畳されてしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、3D動画から、ノイズ成分を抑制した3D静止画をキャプチャすることができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像処理装置は、複数視点のフレーム画像の列からなる動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号部と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号部が復号し出力するフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択するフレーム選択部と、前記フレーム選択部が選択した各視点選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の各視点のフレーム画像を生成するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部により生成された各視点のフレーム画像をそれぞれ符号化し、1つの静止画ファイルを生成する静止画生成部とを有し、前記フィルタ処理部は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、復号部が復号し出力するフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択し、この複数枚のフレーム画像からなる各視点選択フレーム画像に対し、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施して、各視点における一枚のフレーム画像を生成する。したがって、撮像素子によるノイズ成分を抑制した静止画を得ることができる。
【0011】
本発明に係る画像処理装置は、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像の列からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号部と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号部が復号し出力するフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択部と、前記フレーム選択部が選択した右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理部と、前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成部とを有し、前記フィルタ処理部は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、復号部が復号し出力するフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択し、この右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像に対し、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施するため、撮像素子によるノイズ成分を抑制した静止画を得ることができる。
【0013】
また、フレーム選択部は、前記復号部から出力されるフレーム画像列から、2以上の右眼視点及び左眼視点のフレーム画像をそれぞれ前記右眼選択フレーム画像及び前記左眼選択フレーム画像として選択することができ、右眼用は右眼用のフレーム画像、左目用は左目用のフレーム画像から、ノイズ成分を抑制したフレーム画像を得ることができる。
【0014】
さらに、前記フレーム選択部が選択した前記右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像の動き補償を実施する動き補償部をさらに備え、前記フィルタ処理部は、前記動き補償部が動き補償した前記右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ前記一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成することができ、動き補償することで、動きのある3D動画からも3D静止画をキャプチャすることができる。
【0015】
さらにまた、左右の各視点のフレーム画像の視差補償を行う視差補償部をさらに備え、前記フレーム選択部は、前記復号部から出力されるフレーム画像列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を、前記右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択し、前記視差補償部は、前記左眼及び右眼選択フレームを視差補償してそれぞれ補償済右眼選択フレーム画像及び補償済左眼選択フレーム画像を生成し、前記フィルタ処理部は、前記右眼選択フレーム画像と前記視差補償部により生成された前記補償済右眼選択フレーム画像とをフィルタ処理することで一の右眼フレーム画像を生成し、前記左眼選択フレーム画像と前記視差補償部により生成された前記補償済左眼選択フレーム画像とをフィルタ処理することで一の左眼フレーム画像を生成することができ、視差補償部を備えることで、左右、2枚のフレーム画像を相互に視差補償したフレーム画像を用いてノイズ除去処理を行うことができる。
【0016】
また、前記フィルタ処理部は、それぞれ前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像生成用にそれぞれ設けられるものであって、各フィルタ処理部は、入力フレーム画像と前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像との差分絶対値を求める第1の加算器と、前記差分絶対値の局所的な変化を除去するローパスフィルタとを有し、前記ローパスフィルタ処理後の値と所定の閾値とを比較し、当該ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の閾値より小さい場合に、入力フレーム画像と前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像とのフィルタ処理を実施しフィルタ処理済フレーム画像を生成することができ、差分絶対値の局所的な変化を除去するローパスフィルタ処理後の値に応じてフレーム画像を合成するか否かを決定することができる。すなわち、関連性が高い画素値のみ合成に使用することができる。
【0017】
さらに、前記フィルタ処理部は、それぞれ前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像生成用にそれぞれ設けられるものであって、前記右眼フレーム画像用のフィルタ処理部は、前記右眼選択フレーム画像と前記補償済右眼選択フレーム画像との差分絶対値を求める右眼用第1の加算器と、前記差分絶対値の局所的な変化を除去する右眼用ローパスフィルタとを有し、前記右眼用ローパスフィルタ処理後の値と所定の右眼用閾値とを比較し、当該ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の右眼用閾値より小さい場合に、前記右眼選択フレーム画像と前記補償済右眼選択フレーム画像とのフィルタ処理を実施しフィルタ処理済フレーム画像を生成し、前記左眼フレーム画像用のフィルタ処理部は、前記左眼選択フレーム画像と前記補償済左眼選択フレーム画像との差分絶対値を求める左眼用第1の加算器と、前記差分絶対値の局所的な変化を除去する左眼用ローパスフィルタとを有し、前記左眼用ローパスフィルタ処理後の値と所定の左眼用閾値とを比較し、当該ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の左眼用閾値より小さい場合に、前記左眼選択フレーム画像と前記補償済左眼選択フレーム画像とのフィルタ処理を実施しフィルタ処理済フレーム画像を生成することができ、差分絶対値のローパスフィルタ処理後の値を用いて、関連性の高い画素のみフィルタ処理することができる。
【0018】
この場合、前記ローパスフィルタ処理後の値と所定の閾値Thdとを比較し、第1合成係数C1及び第2合成係数C2を決定する判定制御回路と、前記入力フレーム画像、前記右眼選択フレーム画像又は前記左眼選択フレーム画像の画素値Ptと前記第1合成係数C1とを乗算する第1の乗算器と、前記前フレーム画像若しくはフィルタ処理済フレーム画像、前記補償済右眼選択フレーム画像、又は前記補償済左眼選択フレーム画像の画素値Pt−1と前記第2合成係数C2とを乗算する第2乗算器と、前記第1及び第2の乗算器の結果の加重平均値Pt'を求める第2の加算器とを有し、加重平均値Pt'は、C1+C2=Thdを満たすとき、下記式により求まる
Pt'=(C1×Pt+C2×Pt−1)/Thd
こととすることができる。
【0019】
また、前記入力フレーム画像、前記右眼選択フレーム画像又は前記左眼選択フレーム画像の画素値Ptと、前記第1及び第2の乗算器の結果の加重平均値Pt'とのいずれかを選択して出力するスイッチを更に有し、前記スイッチは、前記ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の閾値より大きい場合、前記ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の右眼用閾値より大きい場合、又は前記ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の左眼用閾値より大きい場合には、前記入力フレーム画像、前記右眼選択フレーム画像又は前記左眼選択フレーム画像の画素値Ptを選択出力することができ、ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の閾値より大きい場合、すなわち、画素値Ptと画素値Pt−1との相関が低い場合には、画素値Ptを選択出力することができる。
【0020】
さらに、複数視点の動画を符号化してマルチビュー符号化ストリームを生成する動画符号化部と、動画をマルチビューモニタに表示中に抽出指示を検出する抽出指示検出部と、を有し、前記復号部は、前記符号化ストリームを復号して複数視点の動画を再生し、前記マルチビューモニタに表示し、前記フレーム選択部は、前記抽出指示が検出されたときに前記マルチビューモニタに表示されていたフレーム画像を少なくとも選択することができ、マルチビュー符号化ストリームを生成し、抽出指示に基づき静止画をキャプチャすることができる。
【0021】
本発明に係る画像処理方法は、複数視点のフレーム画像からなる動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号工程と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号工程にて復号され出力されるフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択するフレーム選択工程と、前記フレーム選択工程にて選択された各視点選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の各視点のフレーム画像を生成するフィルタ処理工程と、前記フィルタ処理工程にて生成された各視点のフレーム画像をそれぞれ符号化し、1つの静止画ファイルを生成する静止画生成工程とを有し、前記フィルタ処理工程では、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係る画像処理方法は、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像の列からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号工程と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号工程にて復号され出力されるフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択工程と、前記フレーム選択工程にて選択された右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理工程と、前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成工程とを有し、前記フィルタ処理工程は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係るプログラムは、複数視点のフレーム画像からなる動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号処理と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号処理にて復号され出力されるフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択するフレーム選択処理と、前記フレーム選択処理にて選択された各視点選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の各視点のフレーム画像を生成するフィルタ処理と、前記フィルタ処理にて生成された各視点のフレーム画像をそれぞれ符号化し、1つの静止画ファイルを生成する静止画生成処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記フィルタ処理では、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とするものである。
【0024】
本発明に係るプログラムは、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像の列からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号処理と、外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号処理にて復号され出力されるフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択処理と、前記フレーム選択処理にて選択された右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理と、前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記フィルタ処理は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、3D動画から、ノイズ成分を抑制した3D静止画をキャプチャすることができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態にかかる動画記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかるビデオカメラ1の動画符号化部12を示す図である。
【図3】本実施の形態にかかるビデオカメラ1の静止画符号化部19を示す図である。
【図4】本実施の形態における静止画抽出部18の第1の具体例にかかるフィルタ処理部22を示す図である
【図5】本実施の形態における静止画抽出部18の第2の具体例にかかるフィルタ処理部22を示す図である。
【図6】本実施の形態における静止画抽出部18の第3の具体例にかかるフィルタ処理部22を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、3D動画を記録再生可能であって、かつ高精細な3D静止画をキャプチャすることができる画像記録再生装置に本発明を適用したものである。なお、本発明は、複数視点の動画を符号化して記録再生する画像記録再生装置であれば、視点の数(カメラの数)は、2以上であってもよいが、本実施の形態においては、右眼視点及び左眼視点からなる3D動画から3D静止画をキャプチャすることができる画像記録再生装置について説明する。
【0028】
(1)動画記録生成装置の構成
図1は、本発明の実施の形態にかかる動画記録再生装置(以下、ビデオカメラという。)の全体構成を示すブロック図である。
【0029】
ビデオカメラ1は、カメラ部11、動画符号化部12、符号化ストリーム格納部13、モニタ14、抽出指示検出部15、制御部16、動画再生部17、静止画抽出部18、静止画符号化部19、及び静止画ファイル格納部20を有する。静止画抽出部18は、フレーム選択部21及びフィルタ処理部22を有する。
【0030】
動画符号化部12は、複数視点、本例では左右の2つの視点の動画を符号化してマルチビュー符号化ストリームを生成し、符号化ストリーム格納部13に格納する。動画再生部17は、符号化ストリーム格納部13に格納された符号化ストリームをデコードして左右視点の動画を再生し、マルチビューモニタ14に表示する。この動画再生部17は、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データである符号化ストリームを復号する復号部として機能する。抽出指示検出部15は、動画再生部17が動画をモニタ14に表示中に抽出指示を検出する。
【0031】
静止画抽出部18は、抽出指示が検出されたときに、モニタ14に表示されていた画像フレームを抽出する。静止画符号化部19は、抽出された同一時刻の視点の異なる複数の静止画をそれぞれ符号化し、まとめて一つの静止画ファイルに格納する。この静止画符号化部19は、右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成部として機能する。静止画ファイル格納部20は、符号化された静止画ファイルを格納する。制御部16は、一連の動作を制御する。このような構成により、本実施の形態にかかるビデオカメラ1は、3D動画の再生時に手軽に3D静止画をキャプチャして記録することができる。
【0032】
ここで、本実施の形態にかかる静止画抽出部18は、抽出指示検出部15の抽出指示があると、このタイミングに対応する3D静止画を生成すべく、2以上のフレーム画像を抽出し、これをフィルタ処理によりノイズリダクションし、左視点、右視点の各1枚のフレーム画像を生成し、これを抽出した静止画データとして静止画符号化部19に出力する。すなわち、静止画抽出部18のフレーム選択部21は、抽出指示検出部15からの抽出指示に基づき、動画再生部17がデコードしたフレーム画像列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択する。また、フィルタ処理部22は、フレーム選択部21が選択した右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成する。本実施の形態においては、このフィルタ処理部22により、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することで、高精細な一のフレーム画像(静止画)を得るものであるがその詳細については後述する。
【0033】
(2)動画記録生成装置の動作
次に、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の動作について説明する。カメラ部11には2つレンズが設けられており、撮影時、入力された2つの視点(左:L/右:R)の画像は、動画符号化部12に入力される。動画符号化部12は、例えば各視点の動画像をマルチビュービデオ符号化方式(multiview video coding:MVC)に準拠した方式に従って符号化し、符号化ストリームを生成して、符号化ストリーム格納部13に格納する。
【0034】
モニタ14が3D画像の再生に対応している場合、再生時には、符号化ストリーム格納部13に格納された符号化ストリームが読み出され、動画再生部17においてデコードされて、L/R2つの視点のデコード画像が生成され、3Dモニタ14に表示される。
【0035】
このとき、抽出指示検出部15ではユーザからの静止画抽出指示を受け付けており、静止画抽出指示が検出されると、制御部16に伝達される。制御部16では、静止画抽出指示が検出された時刻のL/R2つのデコード画像を抽出するように静止画抽出部18を制御する。抽出された2つの視点の静止画(フレーム画像)は、静止画符号化部19において、それぞれJPEGで符号化されると共に、まとめられて、ヘッダ情報や付属情報が付加されてマルチピクチャフォーマット(MPフォーマット)の1つの静止画ファイルが生成される。生成された静止画ファイルは静止画ファイル格納部20に格納される。なお、本実施の形態においては、静止画抽出指示により静止画をキャプチャするものとして説明するが、予め登録した対象物を自動的に検出し、自動的に静止画をキャプチャするようにしてもよい。
【0036】
また、モニタ14が3D画像の再生に対応しておらず2D画像の再生に対応している場合及び3D画像と2D画像の再生の両方に対応しており2D画像を再生する場合、再生時は、L/R2つの視点のデコード画像のうち、基準視点(L)の動画を再生し、2Dモニタに表示する。静止画抽出指示が検出されたときには、モニタに表示されていた基準視点(L)の画像フレームと共に、同一時刻の非基準視点(R)の画像フレームを静止画として抽出し、同様に処理する。
【0037】
ここで、MVCでは、マルチビュー映像を、1個のベースビュー(base view:基準視点) と、1個以上の非ベースビュー (non-base view:非基準視点)として符号化する。基準視点は既存のプロファイルのストリームとして符号化され、非基準視点はMVCで新たに拡張されたプロファイルとシンタックスを用いて、他のビューに含まれるフレームを参照(ビュー間予測: inter-view prediction)したり、自分自身のビューに含まれるフレームを参照(インター予測:inter prediction)して符号化される。通常、2つの視点(L/R)の場合、左視点が基準視点となっている場合が多いが、右視点が基準視点となっている場合は、右視点を基準視点として符号化する。モニタ14が3D画像の再生に対応していない場合等は、基準視点の画像を出力する。
【0038】
また、モニタ14が3D画像の再生に対応していない場合等では、基準視点と非基準視点の画像を切り替え可能に再生することも可能である。したがって、表示切替ボタンを設けて、切替指示が入力された場合は、基準視点と非基準視点とを切りかえて出力するようにしてもよい。さらに、基準視点がどちらであるか予め決められている場合や、ストリーム中に画像がどちらの視点であるかの情報がある場合、モニタ14に表示されているのがL画像であるかR画像であるかをOSD(On Screen Display)等で表示するようにしてもよい。
【0039】
(3)動画符号化部12
次に、本実施の形態にかかるビデオカメラ1についてさらに詳細に説明する。本実施の形態にかかるビデオカメラ1は、3D動画撮影時に、カメラ部から得られる2つのカメラの各光軸のなす輻輳角、及び基線長の情報を補助情報として符号化ストリームに記録しておき、再生中の静止画抽出時には、これらの補助情報を符号化ストリームから抽出し、所定のフォーマットに従って静止画ファイルに格納することが可能である。
【0040】
図2は、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の動画符号化部12を示す図である。また、図3は、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の静止画符号化部19を示す図である。図2に示すように、動画符号化部12は、符号化部23及び補助情報生成部24を有する。補助情報生成部24は、カメラ部11から、各カメラ間の位置及び方向を含む情報を補助情報として取得する。補助情報には、例えば、カメラ部11から得られる2つのカメラ間の輻輳角及び基線長の情報等がある。符号化部23は、補助情報生成部24が抽出した補助情報を符号化ストリームに記録する。静止画抽出部18は、静止画抽出時に選択されたフレーム画像に対応する補助情報を抽出する補助情報抽出部(図示せず。)を備え、図3に示すように、抽出した補助情報を静止画符号化部19に入力する。また、静止画抽出部18は、右眼視点、左眼視点のそれぞれ複数枚のフレーム画像からノイズリダクション処理した各1枚のフレーム画像(静止画フレーム)を静止画符号化部19に出力する。静止画符号化部19は、補助情報抽出部により抽出された補助情報を、左右のフレーム画像と共に、所定のフォーマットに従って、静止画ファイルに格納する。
【0041】
このことにより、例えば、輻輳角及び基線長の情報は、3D静止画のプロパティ情報として、ユーザから要求があったときにモニタ14に表示する等することができる。更に、3D表示装置において、観察者の注視点と、補助情報を使用して、画像の表示位置を変えることにより、ユーザの目の疲労が少ない立体表示を行なうことができる。
【0042】
また、この補助情報を使用することにより、動画と静止画で左右眼画像の視差量を変化させるようにしてもよい。一般に静止画より動画の方が、視差量が大きいこと、特に、動きの速い動きを含む動画像の視差量は大きく、ユーザの目の負担につながる場合がある。視差量を変更する方法としては、例えば、左右画像を水平方向へ少しずらすことにより、擬似的に輻輳角を変更し、被写体の位置を前後に移動させることができる。
【0043】
(4)静止画符号化部19
また、静止画符号化部19には、静止画抽出部18で生成された2つの視点の静止画フレームが入力されるが、この2つの視点の静止画フレームを元画像とし、それぞれ元画像をスケーリングして元画像よりもサイズの小さいモニタ表示用画像を生成し、それぞれ元画像を主画像、モニタ表示画像を従属画像として符号化し、まとめて一つの静止画ファイルに格納してもよい。
【0044】
これにより、特定の静止画をユーザが抽出したい場合等に、モニタ表示用画像をモニタ14に表示させ、ユーザの画像抽出の補助等とすることができる。
【0045】
(5)静止画抽出部18
次に、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の静止画抽出部18について詳細に説明する。本実施の形態における静止画抽出部18は、動画像から各右眼フレーム画像、左眼フレーム画像を1枚ずつ抽出し、3D静止画を生成するのではなく、複数枚のフレーム画像をフィルタ処理することにより、1枚の右眼フレーム画像、左眼フレーム画像を生成し、これを利用して3D静止画像を生成する。そして、複数枚のフレーム画像から1枚の右眼フレーム画像、左眼フレーム画像を生成する際に、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施するものである。以下では、静止画抽出部18の具体例として3つの例について説明する。
【0046】
(5−1)静止画抽出部の第1の具体例
先ず、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の静止画抽出部18の第1の具体例について説明する。フレーム選択部21は、静止画抽出指示が検出されると、L(左視点)側、R(右視点)側のそれぞれについて、抽出指示の検出時刻にモニタ14に表示されていたフレーム画像と、その前又は後ろの複数のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として抽出する。
【0047】
フィルタ処理部22は、抽出された複数のフレーム画像からなる右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像のノイズ除去処理(フィルタ処理)をして各1枚の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成する。
【0048】
図4は、本実施の形態における静止画抽出部18の第1の具体例にかかるフィルタ処理部22を示す図である。左右のフィルタ処理部は同一の構成とする。図4に示すように、フィルタ処理部22は、第1の加算器としての加算器41、LPF(Low Pass Filter)32、及びフィルタ処理部45を有している。
【0049】
加算器41は、入力フレーム画像の画素値Ptと前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像の画素値Pt−1との差分絶対値Dを求める。LPF32は、差分絶対値Dの局所的な変化を除去したアクティビティActを出力する。なお、このアクティビティActについての詳細は後述する。そして、このフィルタ処理部22は、LPF処理後の値Actと所定の閾値Thdとを比較し、当該LPF処理後の値Actが所定の閾値Thdより小さい場合に、フィルタ処理部45により、入力フレーム画像と前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像とのフィルタ処理を実施し、フィルタ処理済フレーム画像を生成する。
【0050】
すなわち、フィルタ処理部22は、具体的には、更に、フレームメモリ31、判定制御回路33、スイッチ(SW)34、第2の加算器としての加算器44、第1乗算器としての乗算器42、及び第2乗算器としての乗算器43を有している。判定制御回路33は、LPF処理後の値Actと所定の閾値Thdとを比較し、第1合成係数C1及び第2合成係数C2を決定する。ここで、乗算器42、乗算器43及び加算器44から、フィルタ処理部45が構成される。乗算器42は、入力フレーム画像の画素値Ptと第1合成係数C1とを乗算する。乗算器43は、前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像の画素値Pt−1と第2合成係数C2とを乗算する。加算器44は、乗算器42、43の結果の加重平均値Pt'を求める。
【0051】
以下、このフィルタ処理部22について更に詳細に説明する。ここでは、フレーム画像F1〜F3の3枚から、1枚のフレーム画像を得る場合について説明する。先ず、フレームメモリ31には、フレーム画像F1が入力される。このフレームメモリ31は、以降の処理においては、出力outから出力されるフィルタ処理後のフレーム画像データが格納され、次のフレーム画像との間でフィルタ処理を実施するために再度使用される。すなわち、本例では、フレーム画像F1とフレーム画像F2とのフィルタ処理後のデータがフレームメモリ31に入力され、このデータとフレーム画像F3とが再びフィルタ処理される。
【0052】
入力inからは順次フレーム画像が入力される。本例では、先ずフレーム画像F1を入力し、一旦フレームメモリ31に格納し、次にフレーム画像F2を入力する。そして、最初に、加算器41において、フレームメモリ31に保存されているフレーム画像F1の画素値P1−tと、入力inから入力されたフレーム画像F2の画素値Ptとの差分絶対値Dを求める。フィルタ処理部22での全ての処理は、画素単位で実施される。
【0053】
次に、この絶対差分値DをLPF32に入力し、アクティビティActを算出する。LPF処理は2次元、又は水平方向のみのローパスフィルタでよい。これにより、差分絶対値Dの局所的な変化を除去する。
【0054】
このLPF32では、フレーム画像F2(入力フレーム画像)とフレーム画像F1(前のフレーム画像又は前回のフィルタ処理で得られたフレーム画像)の画素値の差分絶対値Dを使用し、アクティビティActを画素ごとに算出するが、例えば、水平方向のローパスフィルタの場合は、水平方向の画素位置または座標をxとしたとき、下記式(1)により求めることができる。
Act(x)=D(x−2)+2×D(x−1)+2×D(x)+2×D(x+1)+D(x+2)・・・(1)
【0055】
LPF32で求められたアクティビティActは、判定制御回路33に入力される。判定制御回路33は、このアクティビティActと、予め定められた閾値Thdとを比較する。そして、アクティビティActが閾値Thdより小さい場合に、後段のフィルタ処理部45によるフィルタ処理を実施する。アクティビティActが閾値Thdより大きい場合は、両者の画素値は、時間的な相関が低いとし、後段のフィルタ処理部45によるフィルタ処理を行わず、その場合は、後述するSW34によりフレーム画像F2(入力フレーム画像)の画素値を選択して出力する。
【0056】
次に、フィルタ処理部45の処理について説明する。フィルタ処理部45で実施するフィルタ処理の例としては、下記式(2)に示すものがある。
Pt'=(C1×Pt+C2×Pt−1)/Thd・・・(2)
ここで、
C1:第1合成係数
C2:第2合成係数
Pt':現フレームのフィルタ処理後画素値
Pt:現フレームのフィルタ処理前画素値
Pt−1:前のフレームの画素値
であり、下記を満たす。
C1=Act
C2=Thd−Act
【0057】
現フレームのフィルタ処理前画素値Ptとは、入力フレームの画素値であり、本例では、フレーム画像F2の画素値である。また、前のフレームの画素値Pt−1とは、前フレームの出力outの出力であり、前フレームのフィルタ処理後の画素値である。本例においては、前フレームではまだフィルタ処理が実施されていないので、フレーム画像F1の画素値となる。
【0058】
ここで、判定制御回路33は、アクティビティActの値に応じて第1合成係数C1、第2合成係数C2の値を設定する。アクティビティActが小さい場合は、現フレームの画素値Ptと前フレームの画素値Pt−1との相関が高いと考えられ、この場合は、前フレームの画素値Pt−1の合成比率C2を大きくする。逆に、アクティビティActが大きい場合は、現フレームの画素値Ptと前フレームの画素値Pt−1との相関が低いと考えられ、その場合は、現フレームの画素値Ptの合成比率C1を大きくする。
【0059】
第1合成係数C1、第2合成係数C2は、それぞれ乗算器42、乗算器43に設定される。乗算器42は、第1合成係数C1と現フレームの画素値Ptとを乗算して出力する。乗算器43は、第2合成係数C2と前フレームの画素値Pt−1とを乗算して出力する。第2の加算器としての加算器44は、上記式(2)の演算を実施する。すなわち、乗算器42の演算結果と乗算器43の演算結果を加算して、閾値Thdで除する。乗算器43の演算結果はフィルタ処理後の画素値Pt'としてSW34に出力される。
【0060】
SW34には、フィルタ処理後の画素値Pt'と共に、入力フレーム画像の画素値Ptが入力される。このSW34は、判定制御回路33の判定結果に応じて、入力フレーム画像の画素値Ptか、フィルタ処理後の画素値Pt'かを選択して出力outから出力する。
【0061】
すなわち、ローパスフィルタ処理後の値アクティビティActが所定の閾値Thdより大きい場合、入力フレーム画像の画素値Ptを選択出力し、アクティビティActが所定の閾値Thdより小さい場合は、フィルタ処理部45の処理結果Pt'を選択出力する。この選択結果である、フィルタ処理部22の演算結果PTは、フレームメモリ31に入力され、次の入力フレーム画像とのフィルタ演算に使用される。判定制御回路33は、アクティビティActの大きさに応じてSW34の選択を切り替える制御信号を生成し、当該制御信号をSW34に入力する。
【0062】
このSW34により、フレーム画像F2に例えば動きがあって、フレーム画像F1との時間的な相関が低い場合は、フレーム画像F2、すなわち入力フレーム画像の画素値を選択することができる。したがって、例えば3枚のフレーム画像をフィルタ処理部22で処理する場合、動きのない画素部分については、3枚のフレーム画像がフィルタ処理されノイズ除去されたものとなり、より後から入力される入力フレーム画像で動きがある場合は当該画素値が選択され、すなわちフィルタ処理されることなく選択出力される。したがって、例えばユーザが静止画抽出の指示を出したタイミングのフレーム画像及びその後ろの5枚のフレーム画像をフィルタ処理して合成したフレーム画像と、ユーザが静止画抽出の指示を出したタイミングのフレーム画像及びその前の5枚のフレーム画像をフィルタ処理して合成したフレーム画像とでは、動きを含む場合、異なるフレーム画像が得られる場合がある。したがって、これらを両方表示し、ユーザに所望の静止画を選択させること等も可能である。
【0063】
なお、入力フレーム画像の画素値Ptと前フレーム画像又は前回のフィルタ処理で得られたフレーム画像の画素値Pt-1に相関がない場合、(Act>Thd)は、C1=1、C2=0として、入力フレーム画像の画素値Ptをそのまま出力するようにすれば、SW34を設けなくてもよい。すなわち、入力フレーム画像の画素値Ptと前フレーム画像又は前回のフィルタ処理で得られたフレーム画像の画素値Pt-1とで画像が大きく変化した場合、入力フレーム画像の画素値Ptをそのまま出力できる構成であればよい。いずれにせよ、フィルタ処理部45によりフィルタ処理するか否かの判断基準として閾値Thdを使用し、小さな変化がある場合はフィルタ処理部45によりフィルタ処理してノイズ除去を行う一方で、大きな変化がある場合は、入力フレーム画像の画素値Ptをそのまま出力する構成とする。
【0064】
以上の構成によれば、複数枚のフレーム画像を加重平均して1枚のフレーム画像を得る場合に、2枚のフレーム画像の画素値の差分絶対値からローパスフィルタ処理で求めたアクティビティActに応じて、2枚のフレーム画像の各画素値について異なる重み係数でフィルタ処理することで、より相関の高い画素間ではノイズを抑制することができ、フィルタ処理後のフレーム画像がより精細なものとなる。
【0065】
さらに、本具体例においては、第1合成係数C1、第2合成係数C2を前後のフレーム画像の画素値の絶対差分値Dに基づくアクティビティActの値に応じて設定するものとして説明したが、圧縮処理で生じたノイズの大きさに基づき、合成係数を設定することも可能である。例えば、第1合成係数C1、第2合成係数C2をそれぞれ後フレーム、前フレームの圧縮時の量子化ステップの値に応じたものとし、圧縮時の量子化ステップが大きいものほど合成係数を大きくし、圧縮時の量子化ステップが小さいものほど合成係数を小さくする等してもよい。また、単純に前後のフレームのピクチャタイプに応じた合成係数としてもよい。または、デブロッキング・フィルタ処理で使用するFIR(Finite Impulse Response Filter)フィルタ処理の有無に応じて異なる合成係数を使用してもよい。または、これらすべての情報を勘案して合成係数を決定するようにしてもよい。このことにより、複数枚のフレーム画像をフィルタ処理することで、撮像素子に基づくランダムなノイズを除去することができると共に、量子化ノイズ及びデブロッキング・フィルタによる減衰ノイズ等の圧縮処理で生じたノイズの大きさに基づき異なる合成係数を使用したフィルタ処理を実施することにより、圧縮処理によるノイズ、すなわち量子化ノイズやブロック歪みをも取り除くことができる。
【0066】
(5−2)静止画抽出部の第2の具体例
次に、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の静止画抽出部18の第2の具体例について説明する。本具体例は、差分絶対値Dを求める前に動き補償を行う点が第1の具体例と異なる。すなわち、フレーム選択部21が、静止画抽出指示に基づき、L側、R側のそれぞれについて、抽出指示の検出時刻にモニタ14に表示されていたフレーム画像と、その前又は後ろの複数のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択する抽出する点は、上記第1の具体例と同一である。
【0067】
図5は、本実施の形態における静止画抽出部18の第2の具体例にかかるフィルタ処理部22を示す図である。なお、図5に示す第2の具体例及び後述する図6に示す第3の具体例において、図4に示す第1の具体例にかかるフィルタ処理部22と、同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0068】
図5に示すように、本第2の具体例にかかるフィルタ処理部22においては、フレームメモリ31と加算器41との間に、動き補償回路(motion compensation:MC)35を設ける。この動き補償回路35には、現フレーム画像と前フレーム又は前回フィルタ処理済みのフレーム画像とが入力され、両フレーム間の動きベクトルが検出される。ここで、加算器41は、2つのフレーム画像の画素値の差分絶対値Dを求めるが、動き補償回路35により、例えば移動物体が存在する場合には、座標が対応する画素毎の差分絶対値Dを求めるのではなく、移動物体上の対応する画素毎の差分絶対値Dを求める。すなわち、加算器41は、現フレームの画素値Ptと、前フレーム又は前回フィルタ処理済みのフレームであって、動き補償後の画素値Pt−1との差分絶対値Dを求める。また、乗算器43は、第2合成係数C2と、前フレーム又は前回フィルタ処理済みのフレームであって、動き補償後の画素値Pt−1とを乗算して出力する。
【0069】
本実施の形態においては、動き補償後のデータに基づきフィルタ処理を実施するため、キャプチャした複数のフレーム画像に動きが含まれている場合であっても、精細なフレーム画像を得ることができる。
【0070】
(5−3)静止画抽出部の第3の具体例
次に、本実施の形態にかかるビデオカメラ1の静止画抽出部18の第3の具体例について説明する。上述の第1及び第2の具体例においては、フィルタ処理後の右眼視点のフレーム画像、左眼視点のフレーム画像を得るために、それぞれ右眼視点のフレーム画像を複数枚選択し、左眼視点のフレーム画像を複数枚選択し、それぞれ別個にフィルタ処理を実施したが、本第3の具体例においては、同一タイミングの右眼視点のフレーム画像と、左眼視点のフレーム画像、すなわち2枚のフレーム画像を使用し、ノイズ除去処理を実施する。
【0071】
フレーム選択部21は、静止画抽出指示が検出されると、例えば抽出指示の検出時刻にモニタ14に表示されていた画像に対応する右視点、左視点のフレーム画像を、右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択する。
【0072】
図6は、本実施の形態における静止画抽出部18の第3の具体例にかかるフィルタ処理部22を示す図である。図6に示すように、フィルタ処理部22は、左眼用の視差補償回路36L及びフィルタ処理部45Lと、右眼用の視差補償回路36R及びフィルタ処理部45Rとを有する。視差補償回路36Lは、右眼選択フレームを視差補償して、左眼フレーム画像(以下、補償済左眼選択フレーム画像という。)を生成する。視差補償回路36Rは、左眼選択フレームを視差補償して右眼フレーム画像(以下、補償済右眼選択フレーム画像という。)を生成する。
【0073】
左眼用フィルタ処理部45Lは、左眼選択フレーム画像と視差補償回路36Lにより生成された補償済左眼選択フレーム画像とをフィルタ処理することで一の左眼フレーム画像を生成する。右眼用フィルタ処理部45Rは、右眼選択フレーム画像と視差補償回路36Rにより生成された補償済右眼選択フレーム画像とをフィルタ処理することで一の右眼フレーム画像を生成する。
【0074】
第1の加算器としての加算器41L/Rは、左/右眼選択フレーム画像と、補償済左/右選択フレーム画像との差分絶対値DL/Rを求める。LPF32L/Rは、それぞれ上述の式(1)等に従ってローパスフィルタ処理することで、アクティビティActL/Rを求める。判定制御回路33R/Lは、アクティビティActL/Rを、それぞれ閾値ThdL/Rと比較し、比較結果に応じて第1合成係数C1L/R、第2合成係数C2L/Rを決定して、それぞれ乗算器42L/R、乗算器43L/Rに出力する。乗算器42L/Rは、第1合成係数C1L/Rと左/右眼選択フレーム画像の画素値Ptl/Ptrとを乗算する。乗算器43L/Rは、第2合成係数C2L/Rと、補償済左/右選択フレーム画像の画素値P(t−1)l/P(t−1)rとを乗算する。加算器44L/Rは、下記式(3−1)、(3−2)に従って、乗算器42L/R、及び乗算器43L/Rの出力値を加算して閾値Thdで除する。
【0075】
Ptl'=(C1L×Ptl+C2L×P(t−1)l)/ThdL・・・(3−1)
Ptr'=(C1R×Ptr+C2R×P(t−1)r)/ThdR・・・(3−2)
ここで、
C1L/R:第1合成係数
C2L/R:第2合成係数
Ptl'/Ptr':フィルタ処理後画素値
Ptl/Ptr:左/右眼選択フレーム画像の画素値
P(t−1)l/P(t−1)r:補償済左/右選択フレーム画像の画素値
であり、下記を満たす。
C1L/R=ActL/R
C2L/R=ThdL/R−ActL/R
【0076】
SW34L/Rは、判定制御回路33L/Rにおいて、アクティビティActL/Rが所定の閾値ThdL/Rより大きいと判定された場合には、左/右眼選択フレーム画像の画素値Ptl/Ptrを選択するよう、制御される。アクティビティActL/Rが所定の閾値ThdL/Rより小さい場合のみ、フィルタ処理部45L/Rの値Ptl'/Ptr'を選択し、出力outL/Rからフィルタ処理後の左/右フレーム画像PTl/PTrを出力する。すなわち、両画像の相関が低いと判断された場合は、視差補償を行っていないフレーム画像である左/右眼選択フレーム画像の画素値Ptl/Ptrを出力する。
【0077】
本実施の形態においては、左右各視点のフレーム画像に視差補償を行って、ノイズ除去処理を行うことで、第1の具体例と同様に高精細なフレーム画像を生成することができ、この左右のフレーム画像を使用して3D静止画ファイルを生成すれば、3D動画像からノイズが抑制された高精細な3D静止画をキャプチャすることができる。
【0078】
また、これら第1〜第3の具体例は単独で利用してもよいが、例えば第1、第2の具体例に、第3の具体例にかかるノイズ除去処理を組み合わせて使用してもよいことは勿論である。
【0079】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0080】
例えば、上述の実施の形態では、フィルタ処理部22をハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理、例えばフィルタ処理部22におけるフィルタ処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0081】
1 ビデオカメラ
11 カメラ部
12 動画符号化部
13 符号化ストリーム格納部
14 モニタ
15 抽出指示検出部
16 制御部
17 動画再生部
18 静止画抽出部
19 静止画符号化部
20 静止画ファイル格納部
21 フレーム選択部
22 フィルタ処理部
23 符号化部
24 補助情報生成部
31 フレームメモリ
32 LPF
32L/R LPF
33 判定制御回路
33L/R 判定制御回路
34 SW
34L/R SW
35 動き補償回路
36 視差補償回路
36L/R 視差補償回路
41 加算器
41L/R 加算器
42 乗算器
42L/R 乗算器
43 乗算器
43L/R 乗算器
44 加算器
44L/R 加算器
45 フィルタ処理部
45L/R フィルタ処理部
C1 第1合成係数
C2 第2合成係数
Pt 現フレームの画素値
Pt−1 前フレームの画素値
Pt' フィルタ処理後の画素値
Act アクティビティ
D 差分絶対値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数視点のフレーム画像の列からなる動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号部と、
外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号部が復号し出力するフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択するフレーム選択部と、
前記フレーム選択部が選択した各視点選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の各視点のフレーム画像を生成するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部により生成された各視点のフレーム画像をそれぞれ符号化し、1つの静止画ファイルを生成する静止画生成部とを有し、
前記フィルタ処理部は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
右眼視点及び左眼視点のフレーム画像の列からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号部と、
外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号部が復号し出力するフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択部と、
前記フレーム選択部が選択した右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理部と、
前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成部とを有し、
前記フィルタ処理部は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
フレーム選択部は、前記復号部から出力されるフレーム画像列から、2以上の右眼視点及び左眼視点のフレーム画像をそれぞれ前記右眼選択フレーム画像及び前記左眼選択フレーム画像として選択することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記フレーム選択部が選択した前記右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像の動き補償を実施する動き補償部をさらに備え、
前記フィルタ処理部は、前記動き補償部が動き補償した前記右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ前記一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成することを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項5】
左右の各視点のフレーム画像の視差補償を行う視差補償部をさらに備え、
前記フレーム選択部は、前記復号部から出力されるフレーム画像列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を、前記右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択し、
前記視差補償部は、前記左眼及び右眼選択フレームを視差補償してそれぞれ補償済右眼選択フレーム画像及び補償済左眼選択フレーム画像を生成し、
前記フィルタ処理部は、前記右眼選択フレーム画像と前記視差補償部により生成された前記補償済右眼選択フレーム画像とをフィルタ処理することで一の右眼フレーム画像を生成し、前記左眼選択フレーム画像と前記視差補償部により生成された前記補償済左眼選択フレーム画像とをフィルタ処理することで一の左眼フレーム画像を生成することを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記フィルタ処理部は、それぞれ前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像生成用にそれぞれ設けられるものであって、各フィルタ処理部は、
入力フレーム画像と前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像との差分絶対値を求める第1の加算器と、
前記差分絶対値の局所的な変化を除去するローパスフィルタとを有し、
前記ローパスフィルタ処理後の値と所定の閾値とを比較し、当該ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の閾値より小さい場合に、入力フレーム画像と前フレーム画像又はフィルタ処理済フレーム画像とのフィルタ処理を実施しフィルタ処理済フレーム画像を生成することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記フィルタ処理部は、それぞれ前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像生成用にそれぞれ設けられるものであって、
前記右眼フレーム画像用のフィルタ処理部は、
前記右眼選択フレーム画像と前記補償済右眼選択フレーム画像との差分絶対値を求める右眼用第1の加算器と、
前記差分絶対値の局所的な変化を除去する右眼用ローパスフィルタとを有し、
前記右眼用ローパスフィルタ処理後の値と所定の右眼用閾値とを比較し、当該ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の右眼用閾値より小さい場合に、前記右眼選択フレーム画像と前記補償済右眼選択フレーム画像とのフィルタ処理を実施しフィルタ処理済フレーム画像を生成し、
前記左眼フレーム画像用のフィルタ処理部は、
前記左眼選択フレーム画像と前記補償済左眼選択フレーム画像との差分絶対値を求める左眼用第1の加算器と、
前記差分絶対値の局所的な変化を除去する左眼用ローパスフィルタとを有し、
前記左眼用ローパスフィルタ処理後の値と所定の左眼用閾値とを比較し、当該ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の左眼用閾値より小さい場合に、前記左眼選択フレーム画像と前記補償済左眼選択フレーム画像とのフィルタ処理を実施しフィルタ処理済フレーム画像を生成することを特徴とする請求項5項記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記ローパスフィルタ処理後の値と所定の閾値Thdとを比較し、第1合成係数C1及び第2合成係数C2を決定する判定制御回路と、
前記入力フレーム画像、前記右眼選択フレーム画像又は前記左眼選択フレーム画像の画素値Ptと前記第1合成係数C1とを乗算する第1の乗算器と、
前記前フレーム画像若しくはフィルタ処理済フレーム画像、前記補償済右眼選択フレーム画像、又は前記補償済左眼選択フレーム画像の画素値Pt−1と前記第2合成係数C2とを乗算する第2乗算器と、
前記第1及び第2の乗算器の結果の加重平均値Pt'を求める第2の加算器とを有し、
加重平均値Pt'は、C1+C2=Thdを満たすとき、下記式により求まる
Pt'=(C1×Pt+C2×Pt−1)/Thd
ことを特徴とする請求項6又は7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記入力フレーム画像、前記右眼選択フレーム画像又は前記左眼選択フレーム画像の画素値Ptと、前記第1及び第2の乗算器の結果の加重平均値Pt'とのいずれかを選択して出力するスイッチを更に有し、
前記スイッチは、前記ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の閾値より大きい場合、前記ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の右眼用閾値より大きい場合、又は前記ローパスフィルタ処理後の値が前記所定の左眼用閾値より大きい場合には、前記入力フレーム画像、前記右眼選択フレーム画像又は前記左眼選択フレーム画像の画素値Ptを選択出力することを特徴とする請求項8項記載の画像処理装置。
【請求項10】
複数視点の動画を符号化してマルチビュー符号化ストリームを生成する動画符号化部と、
動画をマルチビューモニタに表示中に抽出指示を検出する抽出指示検出部と、をさらに備え、
前記復号部は、前記符号化ストリームを復号して複数視点の動画を再生し、前記マルチビューモニタに表示し、
前記フレーム選択部は、前記抽出指示が検出されたときに前記マルチビューモニタに表示されていたフレーム画像を少なくとも選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項11】
複数視点のフレーム画像からなる動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号工程と、
外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号工程にて復号され出力されるフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択するフレーム選択工程と、
前記フレーム選択工程にて選択された各視点選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の各視点のフレーム画像を生成するフィルタ処理工程と、
前記フィルタ処理工程にて生成された各視点のフレーム画像をそれぞれ符号化し、1つの静止画ファイルを生成する静止画生成工程とを有し、
前記フィルタ処理工程では、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
右眼視点及び左眼視点のフレーム画像の列からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号工程と、
外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号工程にて復号され出力されるフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択工程と、
前記フレーム選択工程にて選択された右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理工程と、
前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成工程とを有し、
前記フィルタ処理工程は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
複数視点のフレーム画像からなる動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号処理と、
外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号処理にて復号され出力されるフレーム画像の列から、各視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ各視点選択フレーム画像として選択するフレーム選択処理と、
前記フレーム選択処理にて選択された各視点選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の各視点のフレーム画像を生成するフィルタ処理と、
前記フィルタ処理にて生成された各視点のフレーム画像をそれぞれ符号化し、1つの静止画ファイルを生成する静止画生成処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記フィルタ処理では、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
右眼視点及び左眼視点のフレーム画像の列からなる3D動画像が圧縮処理された圧縮データを復号する復号処理と、
外部からの指示に基づき、又は自動的に、前記復号処理にて復号され出力されるフレーム画像の列から、右眼視点及び左眼視点のフレーム画像を生成するための2以上のフレーム画像をそれぞれ右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像として選択するフレーム選択処理と、
前記フレーム選択処理にて選択された右眼選択フレーム画像及び左眼選択フレーム画像をフィルタ処理することによりそれぞれ一の右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像を生成するフィルタ処理と、
前記右眼フレーム画像及び左眼フレーム画像に基づき3D静止画データを生成する3D静止画生成処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記フィルタ処理は、画素値に基づき、異なる重み係数を使用したフィルタ処理を実施することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−213116(P2012−213116A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78634(P2011−78634)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】