説明

画像処理装置、画像処理方法、画像管理装置、画像管理方法、プログラム、及び画像注文票

【課題】主要部分が高画質な画像を速やかに提供することができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、原画像を取得する原画像取得部と、原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断部と、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正部と、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、画像補正部が補正して得られた画像を出力し、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在しない旨を判断した場合に、原画像取得部が取得した原画像を出力する画像出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像管理装置、画像管理方法、プログラム、及び画像注文票に関する。特に、本発明は、画像を処理する画像処理装置及び画像処理方法、画像を管理する画像管理装置及び画像管理方法、当該画像処理装置及び画像管理装置用のプログラム、並びに画像を注文者に注文させる画像注文票に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の画像データを読み込み、当該画像データを基にしたプリントを作成するための情報を入力可能なプリント注文受付装置において、画像データを基にした画像を表示コマ部に表示させ、当該表示コマ部に表示された画像の任意の一部を拡大して拡大表示コマ部に表示し、任意の一部の拡大表示部分が表示コマ部に表示された画像のどの部分に相当するかを示す枠を表示コマ部に表示するプリント注文受付装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、光学伝達関数を焦点位置からある程度の範囲内で本質的に一定にする位相マスクが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2001−215626号公報
【特許文献2】米国特許第5748371号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
顧客が画像をプリント注文する場合には、綺麗にプリントすることができる画像であるか否かを顧客が注文前に判断することができることが望ましい。例えば、赤目が発生している画像、コントラストがうまく表現されていない画像等はプリントするのに適していないが、沢山のサムネイル画像からプリントする画像を選択させるインデックスプリントにおいては、小さなインデックス画像では赤目の有無、コントラストが適切に表現されているか否かを顧客が容易に見分けることが困難な場合がある。このように、少なくとも画像の主要領域が高画質であることが望ましい。また、特許文献2に記載の技術によると、位相マスクを使って撮影して焦点深度を広くしてぼけた画像を得て、ぼけを復元することで広い範囲にわたってピントが合った画像を得ることができる。しかし復元処理には強力な演算パワーが必要であり時間もかかるので、個々の撮像装置で復元処理を行うことは実用的ではない。また復元処理を施すとアーティファクトも出やすく、被写体に応じて適切な修正を施す必要があるが、インデックスプリントにおけるサムネイル画像からでは復元処理が適切か否かを顧客が判断できない場合がある。
【0004】
そこで本発明は、上記課題を解決することができる画像処理装置、画像処理方法、画像管理装置、画像管理方法、プログラム、及び画像注文票を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態における画像処理装置は、原画像を取得する原画像取得部と、原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断部と、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正部と、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、画像補正部が補正して得られた画像を出力し、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在しない旨を判断した場合に、原画像取得部が取得した原画像を出力する画像出力部とを備える。
【0006】
本発明の第2の形態における画像処理方法は、原画像を取得する原画像取得段階と、原画像取得段階において取得された原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断段階と、特徴領域判断段階において特徴的な領域が存在する旨が判断された場合に、原画像取得段階において取得された原画像における特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正段階と、特徴領域判断段階において特徴的な領域が存在する旨が判断された場合に、画像補正段階において補正して得られた画像を出力し、特徴領域判断段階において特徴的な領域が存在しない旨が判断された場合に、原画像取得段階において取得された原画像を出力する画像出力段階とを備える。
【0007】
本発明の第3の形態によると、画像処理装置用のプログラムであって、画像処理装置を、原画像を取得する原画像取得部、原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断部、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正部、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、画像補正部が補正して得られた画像を出力し、特徴領域判断部が特徴的な領域が存在しない旨を判断した場合に、原画像取得部が取得した原画像を出力する画像出力部として機能させる。
【0008】
本発明の第4の形態における画像管理装置は、原画像及び原画像を撮像した撮像装置の光学特性を示す情報を対応づけて取得する原画像取得部と、原画像取得部が取得した原画像のデータ量を低減した低データ量画像を生成する低データ量画像生成部と、原画像取得部が取得した原画像を、当該原画像と対応づけて原画像取得部が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正する画像補正部と、画像補正部が補正して得られた画像の中の特徴的な部分を検出する特徴部分検出部と、画像補正部が補正して得られた画像の中の特徴的な部分を含む部分画像を抽出する部分画像抽出部と、部分画像抽出部が抽出した部分画像を拡大する部分画像拡大部と、低データ量画像生成部が生成した低データ量画像とともに、部分画像拡大部が拡大した部分画像を出力する画像出力部とを備える。
【0009】
低データ量画像生成部は、原画像取得部が取得した原画像のデータ量を低減したサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成部を有し、画像出力部は、サムネイル画像生成部が生成したサムネイル画像とともに、部分画像拡大部が拡大した部分画像を出力してよい。部分画像抽出部が抽出する部分画像の抽出条件を予め格納する抽出条件格納部をさらに備え、特徴部分検出部は、抽出条件格納部が格納している抽出条件に一致する部分を、原画像取得部が取得した原画像の中から検出してよい。
【0010】
原画像取得部は、複数の原画像及び複数の原画像のそれぞれを撮像した撮像装置のそれぞれの光学特性を示す情報をそれぞれ対応づけて取得し、サムネイル画像生成部は、原画像取得部が取得した複数の原画像のそれぞれのサムネイル画像を生成し、画像補正部は、原画像取得部が取得した複数の原画像のそれぞれを、当該複数の原画像のそれぞれと対応づけて原画像取得部が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正し、特徴部分検出部は、画像補正部が複数の原画像のそれぞれを補正して得られた複数の画像のそれぞれの中の特徴的な部分を検出し、部分画像抽出部は、画像補正部が複数の原画像のそれぞれを補正して得られた複数の画像のそれぞれの中の特徴的な部分を含む部分画像を抽出し、部分画像拡大部は、部分画像抽出部が抽出した複数の部分画像を拡大し、画像出力部は、サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれとともに、部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれを出力してよい。
【0011】
画像出力部が出力している複数のサムネイル画像に対応する原画像の印刷の注文を受け付ける印刷注文受付部をさらに備え、画像出力部は、サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれの付近に、部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれが表示された注文票を表示してよい。
【0012】
画像出力部は、サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれの付近に、部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれが印刷された注文票を印刷してよい。また、画像出力部は、サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれと、部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれとが関連づけられて出力されるべく対応づけて記録媒体に出力して記録してよい。
【0013】
特徴部分検出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の主要被写体を検出し、部分画像抽出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の主要被写体を含む部分画像を抽出してよい。例えば、特徴部分検出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の人物を検出し、部分画像抽出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の人物を含む部分画像を抽出してよい。また、特徴部分検出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の人物の顔を検出し、部分画像抽出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の人物の顔を含む部分画像を抽出してよい。特徴部分検出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の人物の目を検出し、部分画像抽出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の人物の目を含む部分画像を抽出してよい。
【0014】
画像補正部が補正して得られた画像における輝度分布を算出する輝度分布算出部をさらに備え、特徴部分検出部は、輝度分布算出部の算出結果に基づいて、画像補正部が補正して得られた画像の中の最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分を検出し、部分画像抽出部は、画像補正部が補正して得られた画像の中の最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分の部分画像を抽出してよい。
【0015】
原画像取得部は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって光学的伝達関数を略一定にする撮像装置で撮像された原画像を、当該光学的伝達関数を示す情報に対応づけて取得し、画像補正部は、原画像取得部が取得した原画像を、原画像取得部が取得した情報が示す光学的伝達関数に基づいて補正してよい。
【0016】
本発明の第5の形態における画像管理方法は、原画像及び原画像を撮像した撮像装置の光学特性を示す情報を対応づけて取得する原画像取得段階と、原画像取得段階において取得された原画像のサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成段階と、原画像取得段階において取得された原画像に、当該原画像と対応づけて原画像取得段階において取得された情報が示す光学特性に基づいて補正する画像補正段階と、画像補正段階において補正されて得られた画像の中の特徴的な部分を検出する特徴部分検出段階と、画像補正段階において補正されて得られた画像の中の特徴的な部分を含む部分画像を抽出する部分画像抽出段階と、部分画像抽出段階において抽出された部分画像を拡大する部分画像拡大段階と、サムネイル画像生成段階において生成されたサムネイル画像とともに、部分画像拡大段階において拡大された部分画像を出力する画像出力段階とを備える。
【0017】
本発明の第6の形態によると、画像を管理する画像管理装置用のプログラムであって、画像管理装置を、原画像及び原画像を撮像した撮像装置の光学特性を示す情報を対応づけて取得する原画像取得部、原画像取得部が取得した原画像のサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成部、原画像取得部が取得した原画像に、当該原画像と対応づけて原画像取得部が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正する画像補正部、画像補正部によって補正されて得られた画像の中の特徴的な部分を検出する特徴部分検出部、画像補正部によって補正されて得られた画像の中の特徴的な部分を含む部分画像を抽出する部分画像抽出部、部分画像抽出部が抽出した部分画像を拡大する部分画像拡大部、サムネイル画像生成部が生成したサムネイル画像とともに、部分画像拡大部が拡大した部分画像を出力する画像出力部として機能させる。
【0018】
本発明の第7の形態における画像注文票は、原画像の全体が印刷されている全体画像印刷部と、原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて原画像が補正された画像の中の特徴的な部分を含む部分画像が拡大されて印刷されている部分画像印刷部と、原画像を注文する旨が記入される全体画像注文記入部とを備える。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザはサムネイル画像からでは見分けにくい重要部分の画像の良し悪しを画像管理装置を用いて容易に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理システム800の利用環境の一例を示す。画像処理システム800は、撮像装置830、画像表示装置815、画像処理装置810a及び画像処理装置810b(以下、画像処理装置810と総称する。)を備える。画像処理装置810は、撮像装置830が撮像した撮像画像を通信回線850又は記録媒体860を通じて取得する。
【0023】
画像処理装置810は、撮像装置830から取得した撮像画像に含まれる人物の顔、人物の目等の画像の特徴的な領域を検出する。画像処理装置810は、特徴的な領域が検出された場合には、撮像装置830の光学系の光学特性に基づいて特徴的な領域の画像だけ復元して、画像表示装置815に供給する。また、画像処理装置810は、特徴的な領域が検出されなかった場合には、撮像画像を画像表示装置815に供給する。なお、画像処理装置810aは、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であってよい。そして、画像処理装置810aに接続されている画像表示装置815が、画像処理装置810aによって特徴領域の画像が復元された復元画像を表示してよい。また、画像処理装置810bは、撮像装置830から画像を受け取って画像を処理して、通信回線850を通じて復元画像を画像表示装置815に提供する画像処理サーバであってもよい。
【0024】
なお、撮像装置830は、後述するように、被写体からの光を一様にぼかす光学系を有しており、当該光学系を通じて被写体を撮像する。したがって、撮像装置830により得られた撮像画像には、ぼけた被写体像が含まれる。撮像装置830は撮像装置を記録媒体860に記録して、記録媒体860を介して画像処理装置810aに撮像画像を提供してよい。また、撮像装置830は、通信回線850を通じて画像処理装置810に撮像画像を供給してもよい。なお、撮像装置830は、光学系の光学特性を記録媒体860に記録したり、撮像画像に付帯する等して、画像処理装置810に光学系の光学特性情報を伝達する。なお、撮像装置830は、撮像装置830を特定することができる機器IDを記録媒体860に記録したり、撮像画像に付帯する等することによって、機器IDを画像処理装置810に伝達してよい。この場合、画像処理装置810は、伝達された機器IDから、機器IDに対応づけられた光学特性を取得してよい。
【0025】
以上説明した画像処理システム800によれば、撮像画像の特徴的な領域だけ復元処理を施すので、画像全体に復元処理を施す場合に比べて速やかに復元画像を生成することができる。画像処理装置810から出力される復元画像は、特徴的な領域が高画質であるので、復元された領域の画像内容から被写体を容易に特定することができる。また、復元されていない領域から特徴的な領域を際立たせることができる。なお、撮像装置830としては、デジタルカメラ、顕微鏡、内視鏡等を例示することができる。
【0026】
図2は、画像処理装置810のブロック構成の一例を示す。画像処理装置810は、原画像取得部930、特徴領域判断部960、特徴領域特定部970、画像補正部910、及び画像出力部990を有する。原画像取得部930は、原画像を取得する。原画像としては、被写体を撮像することにより生成された撮像画像を例示することができる。例えば、原画像取得部930は、撮像装置830により撮像された撮像画像を取得する。そして、特徴領域判断部960は、原画像取得部930が取得した原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する。
【0027】
特徴領域特定部970は、特徴領域判断部960が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、原画像における特徴的な領域を特定する。そして、画像補正部910は、特徴領域判断部960が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、原画像取得部930が取得した原画像における特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置830の光学特性に基づいて補正する。そして、画像出力部990は、特徴領域判断部960が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、画像補正部910が補正して得られた画像を出力し、特徴領域判断部960が特徴的な領域が存在しない旨を判断した場合に、原画像取得部930が取得した原画像を出力する。
【0028】
なお、後述するように、撮像装置830は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって、物体からの光に対する光学的伝達関数が略一定な光学系を有する。この場合、画像補正部910は、特徴領域判断部960が特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、原画像取得部930が取得した原画像における特徴的な領域の画像を、撮像装置830の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する。具体的には、画像補正部910は、原画像における特徴的な領域の画像に、撮像装置830の光学系の光学的伝達関数が示す光学応答の逆フィルタを施すことによって、原画像における特徴的な領域の画像を復元する。
【0029】
なお、原画像取得部930は、撮像装置830によって撮像された動画に含まれる複数の原画像を取得する。この場合、原画像としては、フレーム画像又はフィールド画像を例示することができる。また、この場合、特徴領域判断部960は、複数の原画像のそれぞれにおいて特徴的な領域が存在するか否かを判断する。そして、画像補正部910は、特徴領域判断部960によって特徴的な領域が存在する旨が判断された原画像における特徴的な領域の画像を、撮像装置830の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する。そして、画像出力部990は、特徴領域判断部960によって特徴的な領域が存在する旨が判断された原画像が画像補正部910により補正された画像、及び、特徴領域判断部960によって特徴的な領域が存在しない旨が判断された原画像を出力する。
【0030】
なお、特徴領域判断部960は、動画に含まれる動きベクトルに基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて特徴的な領域が存在するか否かを判断する。例えば、特徴領域判断部960は、動画に含まれる動きベクトルに基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて動くオブジェクトが存在するか否かを判断する。
【0031】
例えば、特徴領域判断部960は、動きベクトルが略等しいマクロブロックを特定する。例えば、特徴領域判断部960は、動きベクトルの方向の差が予め定められた値より小さく、かつ、動きベクトルの大きさの差が予め定められた値より小さい動きベクトルを有するマクロブロックを、動きベクトルが略等しいマクロブロックとして特定する。そして、特徴領域判断部960は、略等しい動きベクトルを有するマクロブロックの密度が予め定められた値より大きい領域が存在する場合に、動くオブジェクトが存在する旨を判断する。
【0032】
特徴領域判断部960が動くオブジェクトが存在する旨を判断した場合、画像補正部910は、特徴領域判断部960によって動くオブジェクトが存在する旨が判断された原画像における動くオブジェクトが存在する領域の画像を、撮像装置830の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する。
【0033】
また、特徴領域判断部960は、動画に含まれる動きベクトルに基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて時間的に変化する領域が存在するか否かを判断してよい。例えば、特徴領域判断部960は、動きベクトルの時間的な変化量が予め定められた値より大きい領域が存在するか否かを判断する。そして、特徴領域判断部960が時間的に変化する領域が存在する旨を判断した場合、画像補正部910は、当該領域の画像を撮像装置830の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する。
【0034】
他にも、特徴領域判断部960は、複数の原画像に含まれる色に基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて特徴的な領域が存在するか否かを判断してもよい。例えば、特徴領域判断部960は、予め定められた色領域に含まれる色の画素数が予め定められた値以上である領域が原画像に存在するか否かを判断してよい。
【0035】
図3は、撮像装置830のブロック構成の一例を示す。なお、本ブロック構成は、撮像装置830の光学特性を説明することを目的としたものであり、その他の構成の細部は省略されている。撮像装置830は、光学系1010、光学系1010を通過した光を受光する複数の受光素子を有する受光部1020、及び受光部1020が受光した光から被写体の撮像画像を生成する画像生成部1030を有する。
【0036】
光学系1010は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって、物体からの光に対する光学的伝達関数が略一定となる光学特性を有している。つまり、光学的伝達関数が物体距離にほとんど依存しない。このような光学特性は、光学系1010が有する収差によってもたらされている。例えば、光学系1010によると、光軸上のある物点からの光の結像点は、光学系1010の瞳面の入射高に応じて光軸上のz1からz2の範囲に広がる。このような収差を有する光学系1010によると、受光部1020がおよそz1からz2までの範囲内にあれば、物点からの光の点拡がりは、受光部1020の位置に対して実質的に依存しなくなる。
【0037】
このような光学系1010によって、点拡がりが均一となる光軸方向の範囲が長くなると、物点までの距離によらず点像の拡がりの大きさがほぼ一定となる受光部1020の位置が存在し得る。このような位置に受光部1020を設けると、予め定められた物体距離の範囲にわたって被写体からの光に対する光学的伝達関数が略一定となり得る。なお、当該点拡がりは、受光部1020の画素ピッチの少なくとも2倍以上であることが望ましい。なお、点拡がりが受光部1020の画素ピッチの2倍以上となると、ぼけた被写体像が得られる。しかしながら、光学的伝達関数が予め定められた物体距離の範囲にわたって略一定であれば、当該距離範囲に存在する被写体の被写体像については、同一の逆フィルタによって鮮明な被写体像に復元され得る。したがって、ぼけた被写体像は、上述したように画像補正部910による光学伝達関数に応じた逆フィルタによる画像処理によって、鮮明な被写体像に復元され得る。
【0038】
なお、画像生成部1030は、受光部1020が有する受光素子が受光した受光量に基づいて撮像画像を生成する。このとき、画像生成部1030は、エッジ強調処理等のような、画像の空間周波数特性を変換する処理は行わないことが望ましい。画像生成部1030によって生成された撮像画像は、記録媒体860に記録されて画像処理装置810に供給されるか、通信回線850を通じて画像処理装置810に送信される。その後、画像処理装置810において、上述したように画像補正部910による逆フィルタ等の画像処理によって被写体像が復元される。
【0039】
図4は、画像出力部990から出力される出力動画の一例を示す。原画像取得部930は、撮像装置830により撮像された動画に含まれるフレーム画像1111−1116を取得する。特徴領域判断部960は、フレーム画像1111及びフレーム画像1112において、動くオブジェクトが存在しない旨を判断する。また、特徴領域判断部960は、フレーム画像1113−1116において、動くオブジェクトが存在する旨を判断する。そして、特徴領域特定部970は、フレーム画像1113−1116において、動画に含まれる動きベクトルに基づいて動くオブジェクトの領域1133、1134、1135、及び1136を特定する。そして、画像補正部910は、フレーム画像1113−1116における動くオブジェクトの領域1133、1134、1135、及び1136の画像を逆フィルタ等によって復元することによって、復元画像1123−1126を生成する。
【0040】
そして、画像出力部990は、フレーム画像1111、フレーム画像1112、復元画像1123、復元画像1124、復元画像1125、及び復元画像1126が連続して再生される動画を出力する。画像補正部910は、動くオブジェクトの領域の画像だけ復元して復元画像1123、復元画像1124、復元画像1125、及び復元画像1126を生成すればよいので、画像全体を復元する場合に比べて復元処理にかかる時間を削減することができる。その結果、画像出力部990は、速やかに動画を出力することができる。また、画像出力部990から出力された動画は、動くオブジェクト等の特徴的な領域は高画質であるので、動画の閲覧者は特徴的な領域をじっくり観察することができる。
【0041】
図5は、この発明の他の実施形態に係る画像管理システム100の利用環境の一例を示す。画像管理システム100は、撮像装置130、画像管理装置110、及び注文サーバ120を備える。画像管理装置110は、フォトショップ、コンビニエンスストア等の店舗170又はユーザ190の自宅171等に設けられる。画像管理装置110は、撮像装置130による撮像画像を受け取って、撮像装置130の光学特性に基づいて撮像画像を復元した画像に含まれる人物の顔、人物の目等の画像の特徴的な部分画像を拡大して撮像画像とともにユーザ190に提示して、ユーザ190からのプリント注文を受け付ける。画像管理装置110は、例えばパーソナルコンピュータ、キオスク端末等の情報端末であってよい。
【0042】
具体的には、撮像装置130は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって光学的伝達関数を略一定にする位相マスクによって被写体を撮像して、得られた撮像画像及び撮像装置130を識別する装置IDを記録媒体160aに記録する。撮像装置130が有する光学系は被写体からの光を変調してぼかす光学特性を有しており、撮像装置130によって撮像された撮像画像はぼけを有するが、焦点深度は拡大されている。なお、撮像装置130は、撮像装置830が有する光学系1010と同様の光学特性を有する光学系を有してよい。そして、画像管理装置110は、記録媒体160aから撮像画像を読み出して、サムネイル画像を生成する。また、画像管理装置110は、記録媒体160aから読み出した撮像画像に、装置IDで識別される撮像装置130の光学的伝達関数に対応した復元処理を施して、復元画像を生成する。そして、画像管理装置110は、復元画像に含まれる人物の顔、人物の目等の画像の特徴的な部分を拡大した拡大画像を、撮像画像及びサムネイル画像とともに記録媒体160bに記録する。
【0043】
そして、ユーザ190による注文時においては、画像管理装置110は、ユーザ190から受け取った記録媒体160bから読み出した拡大画像を、サムネイル画像と共にディスプレイに表示する。ユーザ190は、サムネイル画像と共に表示された拡大画像を確認して、画像管理装置110にプリント注文する撮像画像を選択する。そして、画像管理装置110は、ユーザ190から選択された撮像画像を復元した復元画像を含む印刷オーダーを、通信回線150を介して注文サーバ120に送信する。そして、注文サーバ120は、印刷オーダーに応じて印刷機等の出力装置180から復元画像を印刷して、ユーザ190に提供する。なお、ユーザ190は拡大画像を見て復元処理を施すか否かまたは、復元処理の強度を画像管理装置110に指示してよい。そして画像管理装置110は、ユーザ190からの指示に応じた強度の復元処理を撮像画像に施して復元画像を生成してもよい。また、画像管理装置110は、撮像画像又は撮像画像のサムネイル画像とともに拡大画像がプリントされた画像注文票165を作成してユーザ190に提供してもよい。
【0044】
以上説明した画像管理システム100又は画像管理システム100から提供される画像注文票165によれば、ユーザ190は拡大画像を確認することによって、赤目の有無、人物の表情がうまく写されているか否か、復元処理が適切か否か等、復元画像がプリントに適しているか否かを適切に判断することができる。また、注文時において画像管理装置110は、記録媒体160aに記録されたサムネイル画像と拡大画像とをディスプレイに表示すればよいので、撮像画像自体を読み込んで表示する場合に比べて高速に注文画面を表示することができる。
【0045】
なお、撮像装置130は、撮像した撮像画像とともに、画像の特徴的な部分の拡大画像を記録媒体160aに記録してもよい。そして、画像管理装置110は、記録媒体160aから読み込んだ拡大画像に復元処理を施して、撮像画像及び復元された拡大画像をディスプレイに表示してもよい。なお、出力装置180は画像管理装置110と通信可能に接続されて店舗170又は自宅171に設けられてよく、画像管理装置110からの印刷オーダーに応じて復元画像を印刷してユーザ190に提供してもよい。また、出力装置180は、画像管理装置110から画像注文票165の印刷データを受け取って画像注文票165を印刷してよい。なお、画像管理装置110は、記録媒体160に復元画像を記録して、ユーザ190から指定された撮像画像が復元された記録媒体160中の復元画像を含む印刷オーダーを、注文サーバ120に送信してもよい。また、画像管理装置110とは異なる画像復元装置が復元画像を生成してもよい。また、画像管理装置110は、撮像画像及び装置IDを含む印刷オーダを注文サーバ120に送信して、印刷オーダに含まれる装置IDで識別される撮像装置130の光学特性に応じて画像復元装置が撮像画像を復元して復元画像を生成してよい。そして、注文サーバ120が当該復元画像を受け取って印刷してよい。
【0046】
図6は、画像管理装置110のブロック構成の一例を示す。画像管理装置110は、画像補正部210、原画像取得部230、特徴部分検出部240、輝度分布算出部242、抽出条件格納部244、部分画像抽出部250、部分画像拡大部252、低データ量画像生成部285、画像出力部290、及び印刷注文受付部292を備える。サムネイル画像生成部280は、低データ量画像生成部285を有する。本実施形態の画像管理装置110は、サムネイル画像と拡大画像を記録媒体160bに記録する装置、記録媒体160bからサムネイル画像と拡大画像を読み出して注文票を作成する装置、及び記録媒体160bからサムネイル画像と拡大画像を読み出してユーザ190からの注文を受け付ける装置として機能する。なお、以下の説明においては、記録媒体160a及び記録媒体160bを記録媒体160として総称する。
【0047】
原画像取得部230は、原画像及び原画像を撮像した撮像装置130の光学特性を示す情報を対応づけて取得する。具体的には、原画像取得部230は、撮像装置130が撮像して記録媒体160に記録された撮像画像及び装置IDを、記録媒体160から読み出して原画像として取得する。そして、低データ量画像生成部285は、原画像取得部230が取得した原画像のデータ量を低減した低データ量画像を生成する。具体的には、サムネイル画像生成部280は、原画像取得部230が取得した原画像のサムネイル画像を生成する。画像補正部210は、原画像取得部230が取得した原画像を、当該原画像と対応づけて原画像取得部230が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正する。なお、原画像取得部230は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって光学的伝達関数を略一定にする撮像装置130で撮像された原画像を、当該光学的伝達関数を示す情報に対応づけて取得してよい。そして、画像補正部210は、原画像取得部230が取得した原画像を、原画像取得部230が取得した情報が示す光学的伝達関数に基づいて補正する。なお、装置IDは、当該光学的伝達関数を示す情報の一例である。
【0048】
抽出条件格納部244は、部分画像抽出部250が抽出する部分画像の抽出条件を予め格納する。例えば、抽出条件格納部244は、特徴的な被写体の輪郭のパターンを格納してよい。例えば、抽出条件格納部244は、主要被写体となるべき主要被写体のパターン(例えば、人物、人物の顔、人物の目、動物等の、形状パターン、輝度パターン、及び色パターン等)を抽出条件として格納する。他にも、抽出条件格納部244は、画像における中央の位置に含まれる被写体を抽出するべき旨を抽出条件として格納してよい。また、抽出条件格納部244は、撮像画像における輝度の度数分布において、最小輝度値又は最大輝度値を持つ画素数の基準割合を、抽出条件として格納してよい。他にも、抽出条件格納部244は、撮像画像において所定の周波数成分より高周波成分が含まれるべき基準割合である周波数成分の基準値を、抽出条件として格納してよい。
【0049】
そして、特徴部分検出部240は、抽出条件格納部244が格納している抽出条件に一致する部分を、画像補正部210が補正して得られた画像(以下、単に復元画像と呼ぶ場合がある。)の中から検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が補正して得られた画像の中の特徴的な部分を含む部分画像を抽出する。なお、部分画像抽出部250は、原画像の中の複数の部分画像を抽出してもよい。
【0050】
そして、部分画像拡大部252は、部分画像抽出部250が抽出した部分画像を拡大する。そして、画像出力部290は、低データ量画像生成部285が生成した低データ量画像とともに、部分画像拡大部252が拡大した部分画像を出力する。具体的には、画像出力部290は、サムネイル画像生成部280が生成したサムネイル画像とともに、部分画像拡大部252が拡大した部分画像を出力する。このように、画像管理装置110は、復元画像の中の特徴的な部分を特徴部分検出部240において検出して、当該特徴的な部分を含む画像を拡大してサムネイルに対応づけてユーザ190に提示することができる。したがって、ユーザ190は、画像管理装置110によって撮像画像がプリントに適しているか否かを判断してからプリントを注文することができる。
【0051】
具体的には、特徴部分検出部240は、復元画像に含まれる被写体の輪郭と、抽出条件格納部244に格納された主要被写体のパターンとのパターンマッチング等により、画像補正部210が補正して得られた画像の中の主要被写体を検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が補正して得られた画像の中の主要被写体を含む部分画像を抽出する。
【0052】
また、特徴部分検出部240は、復元画像に含まれる被写体の輪郭と、抽出条件格納部244に格納された人物のパターンとのパターンマッチング等により、画像補正部210が補正して得られた画像の中の人物を検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が補正して得られた画像の中の人物を含む部分画像を抽出する。
【0053】
また、特徴部分検出部240は、復元画像に含まれる被写体の輪郭と、抽出条件格納部244に格納された人物の顔のパターンとのパターンマッチング等により、画像補正部210が補正して得られた画像の中の人物の顔を検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が補正して得られた画像の中の人物の顔を含む部分画像を抽出する。
【0054】
また、特徴部分検出部240は、復元画像に含まれる被写体の輪郭と、抽出条件格納部244に格納された人物の目のパターンとのパターンマッチング等により、画像補正部210が補正して得られた画像の中の人物の目を検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が補正して得られた画像の中の人物の目を含む部分画像を抽出する。
【0055】
また、輝度分布算出部242は、画像補正部210が補正して得られた画像における輝度分布を算出する。そして、特徴部分検出部240は、輝度分布算出部242の算出結果に基づいて、画像補正部210が補正して得られた画像の中の最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分を検出する。具体的には、特徴部分検出部240は、輝度分布算出部242が算出した輝度分布において最小輝度値又は最大輝度値に含まれる画素数の割合が、抽出条件格納部244が格納する最小輝度値又は最大輝度値についての基準割合より大きい部分を、原画像の中の最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分として検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が補正して得られた画像の中の最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分の部分画像を抽出する。
【0056】
なお、原画像取得部230は、複数の原画像及び複数の原画像のそれぞれを撮像した撮像装置のそれぞれの光学特性を示す情報をそれぞれ対応づけて取得してよい。この場合、サムネイル画像生成部280は、原画像取得部230が取得した複数の原画像のそれぞれのサムネイル画像を生成する。そして、画像補正部210は、原画像取得部230が取得した複数の原画像のそれぞれを、当該複数の原画像のそれぞれと対応づけて原画像取得部230が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正する。そして、特徴部分検出部240は、画像補正部210が複数の原画像のそれぞれを補正して得られた複数の画像のそれぞれの中の特徴的な部分を検出する。そして、部分画像抽出部250は、画像補正部210が複数の原画像のそれぞれを補正して得られた複数の画像のそれぞれの中の特徴的な部分を含む部分画像を抽出する。そして、部分画像拡大部252は、部分画像抽出部250が抽出した複数の部分画像を拡大する。そして、画像出力部290は、サムネイル画像生成部280が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれとともに、部分画像拡大部252が拡大した複数の部分画像のそれぞれを出力する。
【0057】
そして、画像出力部290は、サムネイル画像生成部280が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれの付近に、部分画像拡大部252が拡大した複数の部分画像のそれぞれが表示された注文票を表示する。そして、印刷注文受付部292は、画像出力部290が出力している複数のサムネイル画像に対応する復元画像の印刷の注文を受け付ける。このため、ユーザ190は、画像管理装置110のディスプレイに表示されたサムネイル画像が、赤目の有無等を確認することができない程小さくても、拡大画像から赤目の有無等を確認することができる。したがって、ユーザ190は、沢山の画像が表示された画像管理装置110の注文画面から、プリントするのに適した復元画像を容易に選択することができる。
【0058】
なお、画像出力部290は、サムネイル画像生成部280が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれと、部分画像拡大部252が拡大した複数の部分画像のそれぞれとが関連づけられて出力されるべく対応づけて記録媒体160に出力して記録する。具体的には、画像管理装置110は、記録媒体160に、サムネイル画像が記録されたファイル名と、当該サムネイル画像が示す復元画像についての拡大画像が記録されたファイル名との対応関係が記載された画像対応ファイルを記録媒体160に記録する。
【0059】
なお、画像出力部290は、サムネイル画像生成部280が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれの付近に、部分画像拡大部252が拡大した複数の部分画像のそれぞれが印刷された画像注文票165を印刷する。例えば、画像出力部290は、当該画像注文票165の印刷データを出力装置180に送信して、出力装置180に画像注文票165を印刷させる。具体的には、画像注文票165の全体画像印刷部には、原画像の全体が印刷されている。また、画像注文票165の部分画像印刷部には、原画像を撮像した撮像装置130の光学特性に基づいて原画像が補正された画像(復元画像)の中の特徴的な部分を含む部分画像が拡大されて印刷されている。例えば、画像注文票165には、全体画像印刷部と部分画像印刷部とが並べられて印刷されている。また、画像注文票165には、複数の原画像の全体が印刷された複数の全体画像印刷部と、復元画像の中の特徴的な部分を含む部分画像が拡大された複数の部分画像印刷部とが並べられて印刷されていてよい。また、画像注文票165の全体画像注文記入部には、全体画像印刷部に隣接して設けられ、復元画像を注文する旨が記入される。
【0060】
図7は、特徴部分検出部240が特徴的な部分を検出する抽出方法の一例を示す。輝度分布算出部242は、撮像画像300を分割して得られる部分領域(本図の例では、3×5の15個の部分領域)毎に、輝度分布を算出する。本図では、輝度分布算出部242が部分領域310及び320について算出した輝度分布312及び322が例示されている。ここでいう輝度分布とは、輝度値に対する、当該輝度値を有する画素数の分布を示す度数分布であってよい。なお、輝度値とは、色成分毎の輝度値であってもよい。
【0061】
そして、特徴部分検出部240は、最小輝度値又は最大輝度値を持つ画素数の、全画素数に対する比率を算出する。そして、特徴部分検出部240は、算出した比率が予め定められた比率より大きい部分領域を、最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分として検出する。本図の例では、輝度分布312において最小輝度値又は最大輝度値を持つ画素数の比率は、輝度分布322において最小輝度値又は最大輝度値を持つ画素数の比率に比べて大きく、部分領域310が特徴的な部分として部分領域320より優先的に選択される。
【0062】
輝度分布312のように度数分布の端がカットされたような形の輝度分布は、撮像装置のダイナミックレンジを超える輝度範囲の被写体が存在する場合に得られる。つまり、部分領域312は、コントラストが十分に表現できていない可能性が強い領域であるといえる。画像管理装置110は、このような領域を特徴的な領域として抽出して、拡大してユーザ190に提示することができるので、ユーザ190はコントラストが十分に表現できているか否かを確認してから復元画像を注文することができる。
【0063】
図8は、画像出力部290が記録媒体160bに記録するファイルの配置例の一例を示す。画像出力部290は、ルートディレクトリ400の下に、撮像画像ディレクトリ410、サムネイル画像ディレクトリ420、部分画像ディレクトリ430、及び画像対応ファイル440を配置する。画像出力部290は、記録媒体160aから受け取った複数の撮像画像ファイル412を、撮像画像ディレクトリ410の直下に配置する。また、画像出力部290は、撮像画像のそれぞれのサムネイル画像である複数のサムネイル画像ファイル422を、サムネイル画像ディレクトリ420の直下に配置する。また、画像出力部290は、部分画像拡大部252が拡大して生成した部分画像ファイル432を、部分画像ディレクトリ430の直下に配置する。
【0064】
そして、画像出力部290は、撮像画像ファイル412、サムネイル画像ファイル422、及び部分画像ファイル432の対応関係が記載された画像対応ファイル440をルートディレクトリの直下に記録する。具体的には、画像出力部290は、撮像画像ファイル412、サムネイル画像ファイル422、部分画像ファイル432のファイル名を互いに対応づけて画像対応ファイル440に記録する。なお、画像対応ファイル440には、撮像画像を撮像した撮像装置130の装置IDも記録されている。なお、画像出力部290は、それぞれのファイルのパス名を含むファイル名を、画像対応ファイル440に記載する。なお、画像出力部290は、画像対応ファイル440の内容をXML形式で記載してよい。例えば、画像出力部290は、撮像画像ファイル、サムネイル画像ファイル、及び部分画像ファイルである旨を示すタグのそれぞれの属性として、撮像画像ファイル412、サムネイル画像ファイル422、及び部分画像ファイル432のファイル名が記載された画像対応ファイル440を生成してよい。
【0065】
なお、画像出力部290は、復元画像のプリント注文時等にユーザ190に提示する撮像画像又はサムネイル画像を表示する順番を示す情報、又は撮像画像又はサムネイル画像を表示する位置を示す情報を、画像対応ファイル440に記載してよい。これにより、画像管理装置110は、ルートディレクトリに配置された画像対応ファイル440に記載された順番又は位置で、撮像画像又はサムネイル画像を表示することができる。なお、画像出力部290は、プリント注文時等における撮像画像又はサムネイル画像の画面上の表示位置を規定したHTMLファイルを画像対応ファイル440に記録してもよい。例えば、画像出力部290は、注文時に表示する注文画面を規定したHTMLファイルを記録媒体160に記録する。これにより、ユーザ190は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA等の等の端末の種類を問わず、WEBブラウザが動作する画像管理装置110であれば撮像画像と拡大画像とを確認することができる。なお、画像対応ファイル440は、当該HTMLファイルであってもよい。
【0066】
なお、撮像画像ファイル412、サムネイル画像ファイル422、部分画像ファイル432、及び画像対応ファイル440は、本図の例で示したディレクトリ構成に限らず、様々なディレクトリ構成で配置されてよい。なお、画像出力部290は、複数の種類の画像管理装置110の間で規定されたディレクトリ(本図の例ではルートディレクトリ400)の直下に画像対応ファイル440を配置してよい。この場合、画像管理装置110毎に異なるディレクトリ構成で撮像画像ファイル412、サムネイル画像ファイル422、及び部分画像ファイル432が配置されていても、規定されたディレクトリの直下の画像対応ファイル440を読み込むことで各ファイルの位置を特定することができる。
【0067】
以上説明したように、画像管理装置110はサムネイル画像ファイルのそれぞれと、部分画像ファイルのそれぞれとを関連づけた画像対応ファイル440を記録媒体160に記録する。したがって、画像管理装置110は、他の画像管理装置110が記録した記録媒体160から画像対応ファイル440を読み込むことによって、注文画面を速やかに表示することができる。
【0068】
図9は、画像管理装置110が撮像画像の注文を受け付ける場合の注文画面500の一例を示す。画像管理装置110は、1つの撮像画像をユーザ190に注文させる注文画像領域590a〜fを、注文画面500に複数表示する。注文画像領域590a〜fは、全体画像表示領域510a〜f、部分画像表示領域520a〜f及び530a〜f、印刷枚数選択ボタン540a〜f、並びに注文ボタン550a〜fのそれぞれを表示要素として有する。なお、注文画像領域590a〜fが有する各表示要素の符号の末尾にそれぞれaからfの符号を付けることにより、いずれの注文画像領域590a〜fの表示要素であるかを識別する。
【0069】
画像管理装置110は、画像対応ファイル440に記載されたサムネイル画像を示すファイル名で示されるファイルを記録媒体160から読み込んで、全体画像表示領域510a〜fに表示する。そして、画像管理装置110は、部分画像を示すファイル名で示されるファイルを記録媒体160から読み込んで、全体画像表示領域510a〜fのそれぞれの近傍の位置の部分画像表示領域520a〜f、530a〜fに表示する。なお、画像管理装置110は、記録媒体160から撮像画像を示すファイル名のファイルを読み込んで、全体画像表示領域510a〜fに表示してもよい。
【0070】
印刷注文受付部292は、全体画像表示領域510a〜fに関連づけた位置に表示された印刷枚数選択ボタン540a〜fによってユーザ190から印刷枚数の指示を受け付けるとともに、注文ボタン550a〜fの押下による画像の印刷注文指示を受け付ける。そして、画像管理装置110は、印刷注文が指示された撮像画像ファイル412のファイル名、当該指示された撮像画像に関連する部分画像ファイル432のファイル名、及び指示された印刷枚数を対応づけて、印刷注文データとしてメモリに記憶する。そして、印刷注文受付部292は、注文確認ボタン560によって注文内容の確認が指示されると、メモリに記憶された撮像画像ファイル名で示される撮像画像ファイル412をスライドショーとして順次表示させるとともに、印刷枚数を同時に表示する。そして、印刷注文受付部292は、注文実行ボタン570によって印刷の注文が指示されると、メモリに記憶された撮像画像ファイル412の内容、撮像画像ファイル412を撮像した撮像装置130の装置ID、及びそれぞれの画像の印刷枚数を含む印刷オーダーを注文サーバ120に送信する。なお、ディスプレイ500にはタッチパネル機能が備えられており、印刷注文受付部292は、ユーザ190によるタッチパネルの操作によって印刷注文及び印刷枚数の指示を受け付けてよい。
【0071】
図10は、画像管理装置110が印刷する画像注文票165の一例を示す。画像管理装置110は、1つの撮像画像をユーザ190に注文させる注文画像印刷領域690a〜iを、画像注文票165に複数印刷する。注文画像印刷領域690a〜iは、全体画像印刷部610(a〜i、以下、全体画像印刷部610と総称する)、部分画像印刷部620(a〜i、以下、部分画像印刷部620と総称する)及び部分画像印刷部630(a〜i、以下、部分画像印刷部630と総称する)、並びに全体画像注文記入部660(a〜i、以下、全体画像注文記入部660と総称する)のそれぞれを印刷要素として有する。なお、注文画像印刷領域690a〜iが有する各印刷要素の符号の末尾にそれぞれaからiの符号を付けることにより、いずれの注文画像印刷領域690a〜iの印刷要素であるかを識別する。
【0072】
画像管理装置110は、画像対応ファイル440に記載されたサムネイル画像を示すファイル名のファイルを記録媒体160から読み込んで、複数の全体画像印刷部610に印刷する。そして、画像管理装置110は、部分画像を示すファイル名のファイルを記録媒体160から読み込んで、全体画像印刷部610のそれぞれの近傍の位置の複数の部分画像印刷部620及び部分画像印刷部630に表示する。なお、画像管理装置110は、記録媒体160から撮像画像を示すファイル名のファイルを読み込んで、全体画像印刷部610のそれぞれに表示してもよい。また、画像管理装置110は、全体画像印刷部610の画像を注文する全体画像注文記入部660a〜iを、全体画像印刷部610a〜iに隣接して印刷する。例えば、画像管理装置110は、全体画像印刷部610に印刷された撮像画像を印刷する枚数をユーザ190に記入させる枠を示す全体画像注文記入部660を印刷する。
【0073】
なお、部分画像印刷部620と部分画像印刷部630の大きさは異なってよい。また、部分画像印刷部620及び部分画像印刷部630は、全体画像印刷部610と同じ大きさであってよい。また、部分画像印刷部620及び部分画像印刷部630は、全体画像印刷部610より大きくてもよい。
【0074】
図11は、画像管理装置110が撮像画像の注文を受け付ける場合の注文確認画面700の一例を示す。画像管理装置110は、確認画像領域710、部分画像表示領域740及び750、並びに注文票領域730を有する注文確認画面700を表示する。具体的には、画像管理装置110は、印刷注文データとしてメモリに記憶されたファイル名で識別される撮像画像を、確認画像領域710にスライドショー形式で順次表示する。
【0075】
このとき画像管理装置110は、ディスプレイ500の片隅の注文票領域730に、画像注文票165における撮像画像のレイアウトと略同一のレイアウトでサムネイル画像を表示する。そして、画像管理装置110は、確認画像領域710に表示中の撮像画像を示すサムネイル画像を強調して表示する。例えば、画像管理装置110は、表示中の撮像画像を示すサムネイル画像を他のサムネイル画像より大きく表示したり、表示中の撮像画像を示すサムネイル画像の画像枠を他のサムネイル画像の画像枠より太く表示したり、明るく表示したりしてよい。このため、ユーザ190は、どの撮像画像を注文したかを、手元の画像注文票165と容易に照らし合わせて確認することができる。
【0076】
なお、画像管理装置110は、メモリに記憶された印刷注文データから、確認画像領域710に表示中の撮像画像に対応づけられた印刷枚数を読み出して、確認画像領域710の近傍に表示する。また、画像管理装置110は、印刷注文データとして確認画像領域710に表示している撮像画像に対応づけられてメモリに記憶された部分画像のファイル名で示されるファイルを読み込んで、読み込んだ部分画像を部分画像表示領域740及び750に表示する。
【0077】
図12は、画像処理装置810及び画像管理装置110のハードウェア構成の一例を示す。画像処理装置810及び画像管理装置110は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、及び表示装置1580を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、及びCD−ROMドライブ1560を有する入出力部と、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570を有するレガシー入出力部とを備える。
【0078】
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、及びグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、及びRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0079】
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。
【0080】
また、入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、画像管理装置110及び画像管理装置110が起動時に実行するブート・プログラムや、画像管理装置110及び画像管理装置110のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550や、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0081】
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。
【0082】
CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置810を、図1から図4にかけて説明した原画像取得部930、特徴領域判断部960、特徴領域特定部970、画像補正部910、及び画像出力部990として機能させる。また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像管理装置110を、図5から図12にかけて説明した画像補正部210、原画像取得部230、特徴部分検出部240、輝度分布算出部242、抽出条件格納部244、部分画像抽出部250、部分画像拡大部252、低データ量画像生成部285、画像出力部290、及び印刷注文受付部292として機能させる。
【0083】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDやPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムを画像処理装置810及び画像管理装置110に提供してもよい。
【0084】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理システム800の利用環境の一例を示す図である。
【図2】画像処理装置810のブロック構成の一例を示す図である。
【図3】撮像装置830のブロック構成の一例を示す図である。
【図4】画像出力部990によって出力される画像の一例を示す図である。
【図5】画像管理システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図6】画像管理装置110及び撮像装置130のブロック構成の一例を示す図である。
【図7】撮像装置130が格納する撮像状況データの一例を示す図である。
【図8】画像管理装置110が記録する推奨条件データの一例を示す図である。
【図9】画像管理装置110における注文画面の一例を示す図である。
【図10】画像管理装置110における画像注文票の一例を示す図である。
【図11】画像管理装置110の注文確認画面の一例を示す図である。
【図12】画像処理装置810及び画像管理装置110のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
100 画像管理システム
110 画像管理装置
120 注文サーバ
130 撮像装置
150 通信回線
160 記録媒体
165 画像注文票
180 出力装置
190 ユーザ
210 画像補正部
230 原画像取得部
240 特徴部分検出部
242 輝度分布算出部
244 抽出条件格納部
250 部分画像抽出部
252 部分画像拡大部
280 サムネイル画像生成部
285 低データ量画像生成部
290 画像出力部
292 印刷注文受付部
410 撮像画像ディレクトリ
420 サムネイル画像ディレクトリ
430 部分画像ディレクトリ
440 画像対応ファイル
510 全体画像表示領域
520 部分画像表示領域
610 全体画像印刷部
620 部分画像印刷部
630 部分画像印刷部
660 全体画像注文記入部
800 画像処理システム
810 画像処理装置
815 画像表示装置
830 撮像装置
850 通信回線
860 記録媒体
910 画像補正部
930 原画像取得部
960 特徴領域判断部
970 特徴領域特定部
990 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像を取得する原画像取得部と、
前記原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断部と、
前記特徴領域判断部が前記特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、前記原画像取得部が取得した原画像における前記特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正部と、
前記特徴領域判断部が前記特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、前記画像補正部が補正して得られた画像を出力し、前記特徴領域判断部が前記特徴的な領域が存在しない旨を判断した場合に、前記原画像取得部が取得した原画像を出力する画像出力部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記原画像取得部は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって光学的伝達関数が略一定な光学系を有する撮像装置で撮像された原画像を取得し、
前記画像補正部は、前記原画像取得部が取得した原画像における前記特徴的な領域の画像を、前記撮像装置の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記原画像取得部は、前記撮像装置によって撮像された動画に含まれる複数の原画像を取得し、
前記特徴領域判断部は、前記複数の原画像のそれぞれにおいて前記特徴的な領域が存在するか否かを判断し、
前記画像補正部は、前記特徴領域判断部によって前記特徴的な領域が存在する旨が判断された原画像における前記特徴的な領域の画像を、前記撮像装置の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正し、
前記画像出力部は、前記特徴領域判断部によって前記特徴的な領域が存在する旨が判断された原画像が前記画像補正部により補正された画像、及び、前記特徴領域判断部によって前記特徴的な領域が存在しない旨が判断された原画像を出力する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記特徴領域判断部は、前記動画に含まれる動きベクトルに基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて前記特徴的な領域が存在するか否かを判断する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特徴領域判断部は、前記動画に含まれる動きベクトルに基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて動くオブジェクトが存在するか否かを判断し、
前記画像補正部は、前記特徴領域判断部によって動くオブジェクトが存在する旨が判断された原画像における動くオブジェクトが存在する領域の画像を、前記撮像装置の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記特徴領域判断部は、前記動画に含まれる動きベクトルに基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて時間的に変化する領域が存在するか否かを判断し、
前記画像補正部は、前記特徴領域判断部によって時間的に変化する領域が存在する旨が判断された原画像における時間的に変化する領域の画像を、前記撮像装置の光学系の光学的伝達関数に基づいて補正する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記特徴領域判断部は、前記複数の原画像に含まれる色に基づいて、複数の原画像のそれぞれにおいて前記特徴的な領域が存在するか否かを判断する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
原画像を取得する原画像取得段階と、
前記原画像取得段階において取得された原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断段階と、
前記特徴領域判断段階において前記特徴的な領域が存在する旨が判断された場合に、前記原画像取得段階において取得された原画像における前記特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正段階と、
前記特徴領域判断段階において前記特徴的な領域が存在する旨が判断された場合に、前記画像補正段階において補正して得られた画像を出力し、前記特徴領域判断段階において前記特徴的な領域が存在しない旨が判断された場合に、前記原画像取得段階において取得された原画像を出力する画像出力段階と
を備える画像処理方法。
【請求項9】
画像処理装置用のプログラムであって、前記画像処理装置を、
原画像を取得する原画像取得部、
前記原画像取得部が取得した原画像における特徴的な領域が存在するか否かを判断する特徴領域判断部、
前記特徴領域判断部が前記特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、前記原画像取得部が取得した原画像における前記特徴的な領域の画像を、当該原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて補正する画像補正部、
前記特徴領域判断部が前記特徴的な領域が存在する旨を判断した場合に、前記画像補正部が補正して得られた画像を出力し、前記特徴領域判断部が前記特徴的な領域が存在しない旨を判断した場合に、前記原画像取得部が取得した原画像を出力する画像出力部
として機能させるプログラム。
【請求項10】
原画像及び原画像を撮像した撮像装置の光学特性を示す情報を対応づけて取得する原画像取得部と、
前記原画像取得部が取得した原画像のデータ量を低減した低データ量画像を生成する低データ量画像生成部と、
前記原画像取得部が取得した原画像を、当該原画像と対応づけて前記原画像取得部が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正する画像補正部と、
前記画像補正部が補正して得られた画像の中の特徴的な部分を検出する特徴部分検出部と、
前記画像補正部が補正して得られた画像の中の前記特徴的な部分を含む部分画像を抽出する部分画像抽出部と、
前記部分画像抽出部が抽出した部分画像を拡大する部分画像拡大部と、
前記低データ量画像生成部が生成した低データ量画像とともに、前記部分画像拡大部が拡大した部分画像を出力する画像出力部と
を備える画像管理装置。
【請求項11】
前記低データ量画像生成部は、前記原画像取得部が取得した原画像のデータ量を低減したサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成部を有し、
前記画像出力部は、前記サムネイル画像生成部が生成したサムネイル画像とともに、前記部分画像拡大部が拡大した部分画像を出力する
請求項10に記載の画像管理装置。
【請求項12】
前記部分画像抽出部が抽出する部分画像の抽出条件を予め格納する抽出条件格納部
をさらに備え、
前記特徴部分検出部は、前記抽出条件格納部が格納している抽出条件に一致する部分を、前記原画像取得部が取得した原画像の中から検出する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項13】
前記原画像取得部は、複数の原画像及び複数の原画像のそれぞれを撮像した撮像装置のそれぞれの光学特性を示す情報をそれぞれ対応づけて取得し、
前記サムネイル画像生成部は、前記原画像取得部が取得した複数の原画像のそれぞれのサムネイル画像を生成し、
前記画像補正部は、前記原画像取得部が取得した複数の原画像のそれぞれを、当該複数の原画像のそれぞれと対応づけて前記原画像取得部が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正し、
前記特徴部分検出部は、前記画像補正部が複数の原画像のそれぞれを補正して得られた複数の画像のそれぞれの中の特徴的な部分を検出し、
前記部分画像抽出部は、前記画像補正部が複数の原画像のそれぞれを補正して得られた複数の画像のそれぞれの中の前記特徴的な部分を含む部分画像を抽出し、
前記部分画像拡大部は、前記部分画像抽出部が抽出した複数の部分画像を拡大し、
前記画像出力部は、前記サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれとともに、前記部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれを出力する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項14】
前記画像出力部が出力している複数のサムネイル画像に対応する原画像の印刷の注文を受け付ける印刷注文受付部
をさらに備え、
前記画像出力部は、前記サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれの付近に、前記部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれが表示された注文票を表示する
請求項13に記載の画像管理装置。
【請求項15】
前記画像出力部は、前記サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれの付近に、前記部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれが印刷された注文票を印刷する
請求項14に記載の画像管理装置。
【請求項16】
前記画像出力部は、前記サムネイル画像生成部が生成した複数のサムネイル画像のそれぞれと、前記部分画像拡大部が拡大した複数の部分画像のそれぞれとが関連づけられて出力されるべく対応づけて記録媒体に出力して記録する
請求項13に記載の画像管理装置。
【請求項17】
前記特徴部分検出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の主要被写体を検出し、
前記部分画像抽出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の前記主要被写体を含む部分画像を抽出する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項18】
前記特徴部分検出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の人物を検出し、
前記部分画像抽出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の前記人物を含む部分画像を抽出する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項19】
前記特徴部分検出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の人物の顔を検出し、
前記部分画像抽出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の前記人物の顔を含む部分画像を抽出する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項20】
前記特徴部分検出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の人物の目を検出し、
前記部分画像抽出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の前記人物の目を含む部分画像を抽出する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項21】
前記画像補正部が補正して得られた画像における輝度分布を算出する輝度分布算出部
をさらに備え、
前記特徴部分検出部は、前記輝度分布算出部の算出結果に基づいて、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分を検出し、
前記部分画像抽出部は、前記画像補正部が補正して得られた画像の中の前記最大輝度又は最小輝度の密度が大きい部分の部分画像を抽出する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項22】
前記原画像取得部は、光軸方向における予め定められた物体距離の範囲にわたって光学的伝達関数を略一定にする光学系を有する撮像装置で撮像された原画像を、当該光学的伝達関数を示す情報に対応づけて取得し、
前記画像補正部は、前記原画像取得部が取得した原画像を、前記原画像取得部が取得した情報が示す光学的伝達関数に基づいて補正する
請求項11に記載の画像管理装置。
【請求項23】
原画像及び原画像を撮像した撮像装置の光学特性を示す情報を対応づけて取得する原画像取得段階と、
前記原画像取得段階において取得された原画像のサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成段階と、
前記原画像取得段階において取得された原画像に、当該原画像と対応づけて前記原画像取得段階において取得された情報が示す光学特性に基づいて補正する画像補正段階と、
前記画像補正段階において補正されて得られた画像の中の特徴的な部分を検出する特徴部分検出段階と、
前記画像補正段階において補正されて得られた画像の中の前記特徴的な部分を含む部分画像を抽出する部分画像抽出段階と、
前記部分画像抽出段階において抽出された部分画像を拡大する部分画像拡大段階と、
前記サムネイル画像生成段階において生成されたサムネイル画像とともに、前記部分画像拡大段階において拡大された部分画像を出力する画像出力段階と
を備える画像管理方法。
【請求項24】
画像を管理する画像管理装置用のプログラムであって、前記画像管理装置を、
原画像及び原画像を撮像した撮像装置の光学特性を示す情報を対応づけて取得する原画像取得部、
前記原画像取得部が取得した原画像のサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成部、
前記原画像取得部が取得した原画像に、当該原画像と対応づけて前記原画像取得部が取得した情報が示す光学特性に基づいて補正する画像補正部、
前記画像補正部によって補正されて得られた画像の中の特徴的な部分を検出する特徴部分検出部、
前記画像補正部によって補正されて得られた画像の中の前記特徴的な部分を含む部分画像を抽出する部分画像抽出部、
前記部分画像抽出部が抽出した部分画像を拡大する部分画像拡大部、
前記サムネイル画像生成部が生成したサムネイル画像とともに、前記部分画像拡大部が拡大した部分画像を出力する画像出力部
として機能させるプログラム。
【請求項25】
原画像の全体が印刷されている全体画像印刷部と、
前記原画像を撮像した撮像装置の光学特性に基づいて前記原画像が補正された画像の中の特徴的な部分を含む部分画像が拡大されて印刷されている部分画像印刷部と、
前記原画像を注文する旨が記入される全体画像注文記入部と
を備える画像注文票。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−276732(P2008−276732A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317626(P2007−317626)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】