説明

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

【課題】画像処理装置の表示器と接続した外部装置の外部装置用表示器を用いて、効率よく操作できるようにすることを目的とする。
【解決手段】表示器を有する画像処理装置であって、接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断手段と、前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動手段と、前記起動手段により起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信手段と、前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信手段と、前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断手段とを有し、前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置本体上で動作するアプリケーションのUIを表示器だけではなく、本体に接続された外部装置の外部装置用表示器上に表示することにより使用者が外部装置上でUI操作ができるよう構成された画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置には、本体以外に操作専用の表示装置を配置し、それを利用してアプリケーションの操作ができるように構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に開示された画像処理装置に操作専用の表示装置を接続して、複数のアプリケーションを操作専用の表示装置に表示できる。このような画像処理装置にあっては、表示する操作ウィンドウが重なってしまい、使用者が操作アプリケーションを切り替えるために、操作ウィンドウを切り替えなければならない等、操作性の低下は避けることはできない。
【0003】
また、従来のプリンタ等の画像処理装置には、USBメモリやデジタルカメラ等の外部装置を接続することによって、画像処理装置上で外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動し、画像処理装置の表示器で操作することで所望の出力を得るものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2003−256006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、画像処理装置に外部装置を複数接続したとき、対応するアプリケーションも複数起動される。しかしながら、通常、画像処理装置には大きい表示器を装備していないため全てのアプリケーションを同一表示器上に表示することはできない。そのため、一つのアプリケーションのみを順に起動する等して使用者に操作画面を提供することがある。
【0006】
このように、複数のアプリケーションを同時に起動し、一つの表示器に全てのアプリケーションを表示する場合、比較的小さな表示器しかもたない画像処理装置では操作性が極端に低下するという問題がある。
【0007】
一方、一つのアプリケーションのみ順に実行する構成では、前の使用者の操作が終わりアプリケーションを終了しないと、次の使用者がアプリケーションを起動して使用することができないため、使用者間での効率的な使用ができないという問題があった。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、画像処理装置の表示器と接続した外部装置の外部装置用表示器を用いて、効率よく操作できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示器を有する画像処理装置であって、接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断手段と、前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動手段と、前記起動手段により起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信手段と、前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信手段と、前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断手段とを有し、前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする。
また、本発明は、表示器を有する画像処理装置における画像処理方法であって、接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断ステップと、前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動ステップと、前記起動ステップにより起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信ステップと、前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信ステップと、前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断ステップとを有し、前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする。
また、本発明は、表示器を有するコンピュータに、接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断ステップと、前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動ステップと、前記起動ステップにより起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信ステップと、前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信ステップと、前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断ステップと実行させるためのプログラムであって、前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像処理装置の表示器や接続された外部装置の表示器を使い、起動したアプリケーションの操作をそれぞれの表示器に割り当てて実行することにより、複数の使用者がアプリケーションを効率よく操作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して、説明する。
ただし、以下の実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための画像処理システム及び画像処理装置に接続可能な外部装置を例示するものであって、本発明は画像処理システム及び画像処理装置に接続可能な外部装置を以下のものに特定しない。
【0011】
まず、画像処理装置が記憶装置上に保持する各種テーブル、リスト、フラグに関して図を用いて説明する。
[デバイスID−付随データ対応テーブル]
図1は、外部装置のデバイスIDと、その付随データを対応付けるテーブル(デバイスID−付随データ対応テーブル)の一例を示す図である。図1に示すデバイスID−付随データ対応テーブルは、デバイスIDと、そのデバイスIDとに対応する外部装置の外部装置付随データとから構成されている。
【0012】
まず、第1の実施形態及び第2の実施形態の画像処理装置は、記憶装置のRAM上に、デバイスID−付随データ対応テーブルを記憶して、保持する。デバイスIDは、外部装置が画像処理装置に接続されたとき、画像処理装置の制御装置が割り振る。例えば、USB等が実装された場合、外部装置が接続されたとき、制御装置は、ユニークなデバイスIDを割り振る。また、制御装置は割り振ったデバイスIDを管理する。このとき、同時に、外部装置は、接続時に割り振られたデバイスIDを外部装置上の記憶装置に保持する。画像処理装置は、そのデバイスIDを用いて、通信を行う外部装置を特定し、データの送受信を行う。
【0013】
ここで、外部装置付随データは、ベンダID(製品のメーカごとに固有)、プロダクトID(各メーカの製品ごとに固有)及びクラスID(その外部装置の種別を示す)をそれぞれ−(ハイフン)で接続したデータから構成される。これらのベンダID、プロダクトID及びクラスIDは、外部装置が接続されたとき、制御装置が外部装置から取得する。例えば、USB等の実装では、外部装置からベンダID、プロダクトID及びクラスIDを取得することができる。また、新たに外部装置が画像処理装置に接続されたとき、接続時に取得した外部装置付随データは、デバイスIDと共にデバイスID−付随データ対応テーブルの最後に追加される。すなわち、図1に示すテーブルの場合、デバイスID4の下に追加される。
また、外部装置が画像処理装置から外されると、外された外部装置に対応するデバイスIDと外部装置付随データとをデバイスID−付随データ対応テーブルから削除する。
【0014】
[起動待ちデバイスIDリスト]
図2は起動待ちをしているアプリケーションに対応するデバイスIDのリスト(起動待ちデバイスIDリスト)の一例を示す図である。
第1の実施形態及び第2の実施形態の画像処理装置は、記憶装置のRAM上に、起動待ちデバイスIDリストを記憶して、保持する。起動待ちデバイスIDリストは、外部装置が画像処理装置に接続されたとき、接続された外部装置に対応するデバイスIDが起動待ちデバイスIDリストの最後に追加されて、更新される。すなわち、図2に示すリストの場合、デバイスID4の下に追加される。
また、デバイスIDに対応するアプリケーションが起動されると、そのアプリケーションに対応するデバイスIDは、起動待ちデバイスIDリストから削除される。
【0015】
図2に示す起動待ちデバイスIDリストでは、デバイスID1に対応するアプリケーション、デバイスID3に対応するアプリケーション、デバイスID2に対応するアプリケーション、デバイスID4に対応するアプリケーションの順に起動される。そして、デバイスID1、デバイスID3、デバイスID2、デバイスID4の順にデバイスIDが起動待ちデバイスIDリストから削除される。
【0016】
[表示器装備外部装置リスト]
図3は、表示器(外部装置用表示器)を装備する外部装置のリスト(表示器装備外部装置リスト)の一例を示す図である。
第1の実施形態及び第2の実施形態の画像処理装置は、記憶装置のRAM上に、表示器装備外部装置リストを記憶して、保持する。表示器装備外部装置リストでは、画像処理装置に表示器を装備する外部装置が新規に接続されたとき、その外部装置に対応するデバイスIDが追加される。すなわち、図3に示すリストの場合、デバイスID4の次に追加される。そして、画像処理装置から表示器を装備する外部装置が外された場合、表示器装備外部装置リストからその外部装置に対応するデバイスIDが削除される。
【0017】
[本体表示器占有フラグ]
第1の実施形態及び第2の実施形態の画像処理装置は、記憶装置のRAM上に表示器がアプリケーションによって占有されているか否かを判断するための本体表示器占有フラグを記憶して、保持する。
本体表示器占有フラグは、本体表示器の占有状態を示し、本体上でアプリケーションが起動する度、アプリケーションにより参照される。したがって、アプリケーションは本体表示器の占有状態を判断することができる。アプリケーションを起動するときに、本体表示器を使用する場合、本体表示器占有フラグは1にされる。本体表示器を使用しているアプリケーションが終了したとき、本体表示器占有フラグは0にされる。
【0018】
[表示器装備外部装置判断テーブル]
図13は、表示器装備外部装置判断テーブルの一例を示す図である。
第1の実施形態及び第2の実施形態の画像処理装置は、記憶装置のROM上に、あるベンダID、プロダクトID及びクラスIDを保持する外部装置が表示器を持つか否かを判断するための表示器装備外部装置判断テーブルを記憶して、保持する。この表示器装備外部装置判断テーブルには、表示器を装備する外部装置に対応する外部装置付随データが格納されている。
すなわち、表示器装備外部装置判断テーブルには、表示器を装備しない外部装置の外部装置付随データは存在しない。また、表示器装備外部装置判断テーブルは、メーカ等が事前に作成するものである。
【0019】
以下、第1の実施形態及び第2の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図4は、本実施形態に係る画像処理装置のブロック図の一例を示す図である。
本実施形態では、図4に示すように、画像処理装置には、外部装置4−a及び外部装置4−bが接続されている。また、画像処理装置は、記憶装置4−c、表示器4−d、制御装置4−eを備えている。
【0020】
画像処理装置は、記憶装置4−cのRAM上に、デバイスID−付随データ対応テーブル(図1)と、起動待ちデバイスIDリスト(図2)と、表示器装備外部装置リスト(図3)と、本体表示器占有フラグを保持している。また、記憶装置4−cのROM上に、表示器装備外部装置判断テーブル(図13)を保持している。また、制御装置4−eは、主に画像処理装置の動作の制御を行う。
【0021】
表示器装備判断部4−1は、接続された外部装置が表示器を装備するか否かを判断する。
表示器装備判断部4−1は、制御装置4−eを介して接続された外部装置から取得した外部装置付随データが、表示器装備外部装置判断テーブルに存在するか否か判断する。ここで、外部装置付随データが、表示器装備外部装置判断テーブルに存在すれば接続された外部装置は表示器が装備されていることを意味し、存在しなければ外部装置は表示器が装備されていないことを意味する。
【0022】
アプリケーション起動部4−2は、起動待ちデバイスIDリストからデバイスIDを取得する。そして、アプリケーション起動部4−2は、取得したデバイスIDから、デバイスID−付随データ対応テーブルを参照して、外部装置の種別を特定し、その種別に応じたアプリケーションを起動する。同時に、外部装置を特定するために取得したデバイスIDを起動待ちデバイスIDリストから削除する。
【0023】
表示データ送信部4−3は、アプリケーションを表示するために必要とされる表示データを表示させる外部装置のデバイスIDと表示データとを、制御装置4−eを介して外部装置に送信する。表示データ送信部4−3は、制御装置4−eを介して表示データと共に送信したデバイスIDと同じデバイスIDを保持する外部装置が表示データを受信することで、外部装置でのUIの表示が可能である。
【0024】
操作キーデータ受信部4−4は、使用者が外部装置で操作したキー操作情報を制御装置4−eを介して受信し、それらをアプリケーションに受け渡すことでアプリケーションは使用者が外部装置で行ったキー操作を受け付けることが可能である。
表示器占有判断部4−5は、本体表示器占有フラグを確認して表示器がすでにアプリケーションに占有されていないか判断する。この処理は、占有判断手段の一例に対応する。ここで、本体表示器占有フラグが1の場合、すでにアプリケーションに占有されており、本体表示器占有フラグが0の場合、アプリケーションに占有されていないものとする。
【0025】
次に、図5〜図9に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態に係る画像処理装置におけるUI表示手順の一例について説明する。
[図5に示すフローチャート]
図5は、画像処理装置に接続された外部装置のデバイスIDと外部装置から取得した外部装置付随データとを、デバイスID−付随データ対応テーブルに追加する処理のフローチャートである。以下では、図5に示すフローチャートを図1及び図4を参照して、説明する。
ここでは、新たに外部装置が接続されたことを検出し、接続された外部装置に対応するデバイスID及び外部装置付随データをデバイスID−付随データ対応テーブル(図1)に追加する。なお、この処理は常に繰り返し実行される。ステップS5−1、ステップS5−2は各ステップを示す。
【0026】
まず、ステップS5−1では、制御装置4−e(図4)が新たに接続された外部装置を検出したか否かを判断する。制御装置4−eが、新たに接続された外部装置を検出したのであればステップS5−2に進む。新たに接続された外部装置がなければ終了する。
ステップS5−2では、接続された外部装置のデバイスIDとベンダID、プロダクトID及びクラスIDを制御装置4−eから取得する。そして、ベンダID、プロダクトID及びクラスIDから外部装置付随データを作成し、デバイスIDと共にデバイスID−付随データ対応テーブルに追加する。図1に示すテーブルでは、デバイスID4の次に追加される。
【0027】
[図6に示すフローチャート]
図6は、画像処理装置に接続された外部装置のデバイスIDを起動待ちデバイスIDリスト(図2)に追加する処理のフローチャートである。以下では、図6に示すフローチャートを図2及び図4を参照して、説明する。
ここでは、新たに外部装置が接続されたことを検出し、接続された外部装置のデバイスIDを起動待ちデバイスIDリストに追加する。なお、この処理は、常に繰り返し実行される。ステップS6−1、ステップS6−2は各ステップを示す。
【0028】
まず、ステップS6−1では、制御装置4−e(図4)が新たに接続された外部装置を検出したか否かを判断する。制御装置4−eが、新たに接続された外部装置を検出したのであればステップS6−2に進む。新たに接続された外部装置がなければ終了する。
ステップS6−2では、接続された外部装置のデバイスIDを起動待ちデバイスIDリストに追加する。なお、追加するデバイスIDは、外部装置が画像処理装置に接続されたときに制御装置4−eが接続された外部装置に割り振ったものである。図2に示すリストでは、デバイスID4の次に追加される。
【0029】
[図7に示すフローチャート]
図7は、画像処理装置に接続された表示器を装備する外部装置のデバイスID(外部装置識別子)を表示器装備外部装置リスト(図3)に追加する処理のフローチャートである。以下では、図7に示すフローチャートを図3及び図4を参照して説明する。
ここでは、新たに外部装置が接続されたことを検出し、表示器装備判断部4−1(図4)を用いて新たに接続された外部装置が表示器を装備しているか否かを判断する。外部装置が表示器を装備していると判断されれば、接続された外部装置に対応するデバイスIDが表示器装備外部装置リストに追加される。なお、この処理は、常に繰り返し実行される。ステップS7−1〜ステップS7−3は各ステップを示す。
【0030】
ステップS7−1では、制御装置4−e(図4)が新たに接続された外部装置を検出したか否かを判断する。制御装置4−eが、新たに接続された外部装置を検出したのであればステップS7−2に進む。新たに接続された外部装置がなければ終了する。
ステップS7−2では、表示器装備判断部4−1を用いて接続された外部装置が表示器を装備するか判断する。接続された外部装置が表示器を装備していればステップS7−3に進む。装備していなければ終了する。
ステップS7−3では、画像処理装置に接続された外部装置に割り振られたデバイスIDを表示器装備外部装置リストに追加する。なお、図3に示すリストでは、デバイスID4の下に追加される。
【0031】
[図8に示すフローチャート]
図8は、画像処理装置の表示器及び外部装置の表示器を利用してアプリケーションの表示を行う処理のフローチャートである。以下では、図8に示すフローチャートを図1、図2、図3及び図4を参照して説明する。
ここでは、起動待ちデバイスIDリスト(図2)を確認し、起動待ちをしているアプリケーションがあればそのアプリケーションを起動し、本体表示器もしくは外部装置表示器を利用してアプリケーションを表示する。外部装置の表示器を利用してアプリケーションを表示するのは本体表示器が他のアプリケーションに占有されているときであり、本体表示器が占有されているか否かを判断するために表示器占有判断部4−5(図4)を利用する。本体表示器が他のアプリケーションに占有されていないときは、本体表示器を利用してアプリケーションを表示する。なお、図8のフローチャートは、常に繰り返し実行される。ステップS8−1〜ステップS8−9は各ステップを示す。
【0032】
ステップS8−1では、起動待ちデバイスIDリストに登録されているデバイスIDがあるか否かを判断する。登録されているデバイスIDがなければ起動するアプリケーションはないということなので終了する。登録されているデバイスIDがあればステップS8−2に進む。
ステップS8−2では、表示器占有判断部4−5を用いて、画像処理装置の表示器が他のアプリケーションに占有されているか否かを判断する。表示器占有判断部4−5は、本体表示器占有フラグを確認し、本体表示器占有フラグが1であれば本体表示器は他のアプリケーションに占有されていると判断する。また、0であれば他のアプリケーションに占有されていないと判断する。画像処理装置の表示器が他のアプリケーションに占有されていなければステップS8−3に進む。画像処理装置の表示器が他のアプリケーションに占有されていればステップS8−6に進む。
【0033】
ステップS8−3では、アプリケーション起動部4−2(図4)を用いてアプリケーションを起動する。アプリケーション起動部4−2は、起動するアプリケーションを起動待ちデバイスIDリストから取得するデバイスIDと対応する外部装置付随データを外デバイスID−付随データ対応テーブル(図1)から取得する。そして、取得した外部装置付随データから外部装置の種別を特定し、その種別に応じたアプリケーションを起動する。図2に示すリストの場合、デバイスID1、デバイスID3、デバイスID2、デバイスID4の順に対応するアプリケーションが起動される。
【0034】
次に、ステップS8−4では、本体表示機占有フラグを1にする。また、本体表示機占有フラグは本体表示器を利用しているアプリケーションが終了したとき、0にする。
次に、ステップS8−5では、起動したアプリケーションを画像処理装置の表示器を用いて表示する。
【0035】
ステップS8−6では、表示器装備外部装置リスト(図3)に登録されているデバイスIDがあるか確認する。登録されているデバイスIDがあればステップS8−7に進む。登録されているデバイスIDがなければ終了する。
ステップS8−7では、表示器装備外部装置リストから一つのデバイスIDを選択する。図3に示すリストでは、先頭のデバイスID2に対応する外部装置を選択する。
【0036】
ステップS8−8では、アプリケーション起動部4−2を用いてアプリケーションを起動する。ステップS8−8の処理は、上述したステップS8−3の処理と同様である。
ステップS8−9では、外部装置の表示器を利用してアプリケーションを表示する一連の処理が実行される。
【0037】
[図9に示すフローチャート]
図9は、アプリケーションの表示データを外部装置に送信し、使用者が外部装置上で操作したキーのキーデータを外部装置から受信する処理(図8に示すフローチャートのステップS8−9の処理)のフローチャートである。以下では、図4、図8、図9及び図11を参照して、ステップS8−9の処理について、説明する。図9に示すフローチャートでは、アプリケーションの表示データを表示データ送信部4−3(図4)を利用して外部装置に送信する。
【0038】
キーデータ受信部4−4(図4)を利用して、使用者が外部装置上で操作したキーのキーデータを外部装置から受信し、アプリケーションにキー操作情報を通知する。なお、ステップS9−1〜ステップS9−5は、各ステップを示す。
まず、ステップS9−1では、ステップS8−7(図8)、若しくは後述する第2の実施形態のステップS11−7(図11)で選択されたデバイスIDと表示データとを表示データ送信部4−3を用いて外部装置に送信する。表示データ送信部4−3は、制御装置4−e(図4)を介してデバイスIDも表示データと共に送信する。よって、外部装置は、送信されたデバイスIDと外部装置上の記憶装置に保持されているデバイスIDとを比較することで、自らに送信されたデータなのか否かを判断できる。
【0039】
ステップS9−2では、操作キーデータ受信部4−4を用いて外部装置から使用者が外部装置上で操作したキーのキーデータを受信し、アプリケーションにキー操作情報を通知する。
ステップS9−3では、ステップS9−2、ステップS9−5で受信したキー操作情報が終了コードだった場合、終了する。終了コードでなかった場合、ステップS9−3へ進む。
ステップS9−4の処理は、ステップS9−1の処理と同様である。
ステップS9−5の処理は、ステップS9−2の処理と同様である。
【0040】
(第2の実施形態)
図10は、本実施形態に係る画像処理装置のブロック図の一例を示す図である。
本実施形態では、図10に示すように、画像処理装置には、外部装置10-a及び外部装置10−bが接続されている。また、画像処理装置は、記憶装置10−c、表示器10−d、制御装置10−eを備えている。
表示器10−dは、第1の実施形態の表示器4−dと同様である。また、記憶装置10−cも、第1の実施形態の記憶装置4−cと同様であり、記憶装置10−c のRAM上にデバイスID−付随データ対応テーブルと、起動待ちデバイスIDリストと、表示器装備外部装置リストと、本体表示器占有フラグとを保持している。
【0041】
また、記憶装置10−cのROM上には表示器装備外部装置判断テーブルを保持する。
また、制御装置10−eも第1の実施形態の制御装置4−eと同様であり、主に画像処理装置の動作の制御を行う。表示器装備判断部10−1は、接続された外部装置が表示器を装備するか判断する。すなわち、第1の実施形態の表示器装備判断部4−1と同様である。
また、アプリケーション起動部10−2は、起動待ちデバイスIDリストからデバイスIDを取得する。すなわち、第1の実施形態のアプリケーション起動部4−2と同様である。
【0042】
表示データ送信部10−3は、アプリケーションを表示するために必要とされる表示データを表示させる外部装置のデバイスIDと表示データとを制御装置10−eを介して外部装置に送信する。すなわち、第1の実施形態の表示データ送信部4−3と同様である。
操作キーデータ受信部10−4は、使用者が外部装置で操作したキー操作情報を制御装置を介して受信し、それらをアプリケーションに受け渡す。すなわち、第1の実施のキーデータ受信部4−4と同様である。
【0043】
表示器占有判断部10−5は、本体表示器占有フラグを確認して表示器がすでにアプリケーションに占有されていないか判断する。すなわち、表示器占有判断部4−5と同様である。
外部装置リスト提示部10−6は、まず表示器装備外部装置リストに登録されているデバイスIDとデバイスID−付随データ対応テーブルから外部装置付随データ、及び製品名を取得する。例えば、図3に示す表示器装備外部装置リストからデバイスID2、デバイスID4の順に取り出す。そして、デバイスID−付随データ対応テーブルからデバイスID2に対応する外部装置付随データ及び製品名、デバイスID4に対応する外部装置付随データ及び製品名を取得する。そして、取得した製品名とデバイスIDと利用して使用者にアプリケーションの表示が可能な外部装置のリストとして提示する。そして、使用者の選択を受け付ける。なお、デバイスIDは、使用者に提示する必要はない。
【0044】
次に、図11に示すフローチャートを参照して、第2の実施形態に係る画像処理装置におけるUI表示手順の一例について説明する。ここで、第1の実施形態の図5に示すフローチャート、図6に示すフローチャート、図7に示すフローチャート及び図9に示すフローチャートは、第2の実施形態であっても共通である。
[図11に示すフローチャート]
図11は、画像処理装置の表示器及び外部装置の表示器を利用してアプリケーションの表示を行う処理のフローチャートである。以下では、図11に示すフローチャートを図1、図2、図3、図10、図11及び図12を参照して、説明する。
ここでは、起動待ちデバイスIDリスト(図2)を確認し、起動待ちをしているアプリケーションがあればそのアプリケーションを起動し、本体表示器もしくは外部装置表示器を利用してアプリケーションを表示する。
【0045】
外部装置表示器を利用してアプリケーションを表示するのは本体表示器が他のアプリケーションに占有されているときであり、本体表示器が占有されているか否かを判断するために表示器占有判断部10−5(図10)を利用する。外部装置表示器を利用してアプリケーションを表示する場合、外部装置リスト提示部10−6(図10)を利用し使用者にアプリケーションの表示が可能な外部装置のリストとして提示する。
使用者の選択が選択した外部装置を利用してアプリケーションを表示する。
本体表示器が他のアプリケーションに占有されていないときは、本体表示器を利用してアプリケーションを表示する。なお、図11に示すフローチャートは、常に繰り返し実行される。ステップS11−1〜ステップS11−9は各ステップを示す。
【0046】
ステップS11−1では、起動待ちデバイスIDリストに登録されているデバイスIDがあるか否かを判断する。登録されているデバイスIDがなければ起動するアプリケーションはないということなので終了する。登録されているデバイスIDがあれば、ステップS11−2に進む。
ステップS11−2では、表示器占有判断部10−5を用いて、画像処理装置の表示器が他のアプリケーションに占有されているか否かを判断する。表示器占有判断部10−5は、本体表示器占有フラグを確認し、本体表示器占有フラグが1であれば本体表示器は他のアプリケーションに占有されていると判断する。また、0であれば他のアプリケーションに占有されていないと判断する。画像処理装置の表示器が他のアプリケーションに占有されていなければステップS11−3に進む。画像処理装置の表示器が他のアプリケーションに占有されていればステップS11−6に進む。
【0047】
ステップS11−3では、アプリケーション起動部10−2(図10)を用いてアプリケーションを起動する。アプリケーション起動部10−2は、起動するアプリケーションを起動待ちデバイスIDリストから取得するデバイスIDと対応する外部装置付随データをデバイスID−付随データ対応テーブル(図1)から取得する。そして、取得した外部装置付随データから外部装置の種別を特定し、その種別に応じたアプリケーションを起動する。図2に示すリストの場合、デバイスID1に対応するアプリケーションが起動される。
【0048】
次に、ステップS11−4では、本体表示機占有フラグを1にする。また、本体表示機占有フラグは本体表示器を利用しているアプリケーションが終了したとき、0にする。
次に、ステップS11−5では、起動したアプリケーションを画像処理装置の表示器を用いて表示する。
【0049】
ステップS11−6では、表示器装備外部装置リスト(図3)に登録されているデバイスIDがあるか確認する。登録されているデバイスIDがあればステップS11−7に進む。登録されているデバイスIDがなければ終了する。
ステップS11−7では、外部装置リスト提示部10−6を利用して使用者にアプリケーションの表示が可能な外部装置のリストを図12に示すように、提示する。
図12は、使用者に提示する表示可能外部装置リスト提示画面の一例である。ここで、使用者の選択を受け付け、アプリケーションを表示する外部装置のデバイスIDを特定する。図12に示す画面では、使用者が製品名2の外部装置か製品名4の外部装置かを選択できる。
【0050】
ステップS11−8では、アプリケーション起動部10−2を用いてアプリケーションを起動する。
ステップS11−8の処理は、ステップS8−8の処理と同様である。
ステップS11−9では、外部装置の表示器を利用してアプリケーションを表示する一連の処理が実行される。
【0051】
上述した本発明の実施形態における画像処理装置を構成する各手段、並びに画像処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0052】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム又は装置に直接、又は遠隔から供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0054】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0055】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。更に、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0056】
更に、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】デバイスID−付随データ対応テーブルの一例を示す図である。
【図2】起動待ちデバイスIDリストの一例を示す図である。
【図3】表示器装備外部装置リストの一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。
【図5】デバイスIDと外部装置付随データとをデバイスID−付随データ対応テーブルに追加する処理を示すフローチャートである。
【図6】画像処理装置に接続された外部装置のデバイスIDを起動待ちデバイスIDリストに追加する処理を示すフローチャートである。
【図7】画像処理装置に接続された表示器を装備する外部装置のデバイスIDを表示器装備外部装置リストに追加する処理を示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置の表示器及び外部装置の表示器を利用してアプリケーションの表示を行う処理を示すフローチャートである。
【図9】外部装置への表示データの送信処理及び外部装置からのキーデータの受信処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。
【図11】画像処理装置の表示器及び外部装置の表示器を利用してアプリケーションの表示を行う処理を示すフローチャートである。
【図12】表示可能外部装置リスト提示画面の一例を示す図である。
【図13】表示器装備外部装置判断テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
4−a、4−b、10−a、10−b:外部装置
4−c、10−c:記憶装置
4−d、10−d:表示器
4−e、10−e:制御装置
4−1、10−1:表示器装備判断部
4−2、10−2:アプリケーション起動部
4−3、10−3:表示データ送信部
4−4、10−4:操作キーデータ受信部
4−5、10−5:表示器占有判断部
10−6:外部装置リスト提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器を有する画像処理装置であって、
接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断手段と、
前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動手段と、
前記起動手段により起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信手段と、
前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信手段と、
前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断手段とを有し、
前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
外部装置用表示器が装備されている外部装置のリストを提示するリスト提示手段を更に有し、
前記アプリケーションのUIの操作の処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
表示器を有する画像処理装置における画像処理方法であって、
接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断ステップと、
前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動ステップと、
前記起動ステップにより起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信ステップと、
前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信ステップと、
前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断ステップとを有し、
前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
表示器を有するコンピュータに、
接続された外部装置に外部装置用表示器が装備されているか否かを判断する判断ステップと、
前記外部装置の種別に対応するアプリケーションを起動する起動ステップと、
前記起動ステップにより起動されたアプリケーションの表示データを前記外部装置に送信する送信ステップと、
前記外部装置から送信されたキーデータを受信する受信ステップと、
前記表示器が占有されているか否かを判断する占有判断ステップと実行させるためのプログラムであって、
前記アプリケーションの処理を前記表示器及び前記外部装置用表示器で実行することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−93394(P2010−93394A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258938(P2008−258938)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】