説明

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】コピー元データを参照先とする参照情報をグループ用記憶領域に保持させることにより、コピー元データをコピーする場合に、コピー元データが変更されても、変更前の参照情報にアクセスしたユーザと変更後にアクセスしたユーザとで異なるデータが提供される不都合を解消でき、利便性の高い画像処理装置等を提供する。
【解決手段】第1の記憶領域G1に保存されているコピー元データD1の変更が指示された際に、アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に、グループで共有される第2の記憶領域G2に保持されている参照情報L1にアクセスしていることが判定された場合は、アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、全てのアクセス対象ユーザへの提供後に留保を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザのみが保存されているデータにアクセスできる記憶領域を用いて、ユーザ間で同一の情報を共有する場合に利用可能な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多機能デジタル複合機であるMFP(Multi function peripherals)に代表される画像処理装置には、ハードディスク装置(以下では、HDDともいう)等の記憶媒体に、ユーザ個々の記憶領域である個人用記憶領域や、同一のグループに属する複数のユーザで共有され前記グループのユーザのみがアクセス可能なグループ用記憶領域を作成し、ユーザが自己の個人用記憶領域に保存した文書、画像等のデータを、グループ用記憶領域にコピーして、同一グループのユーザ間で情報を共有することが行われている。
【0003】
ところで、HDD等の記憶容量を節約するために、コピーされるデータであるコピー元データを物理的にコピーする代わりに、前記コピー元データが記憶領域のどの位置に格納されているかを表すポインタ情報を参照情報としてコピー先に保持しておき、この参照情報にユーザがアクセスした場合は、前記ポインタ情報で指定される格納位置にあるコピー元データを呼び出して表示させることにより、物理的なコピーを行ったのと同様の効果が得られるようにした技術が知られている。
【0004】
しかし、この方法では、コピー元データが更新や削除等により変更されると、この変更が参照情報にも反映され、ユーザがこの参照情報にアクセスしても、変更前のコピー元データを見ることができないといった問題が生じることがあった。このため、コピー元データを参照先とする参照情報をグループ用記憶領域に保持させることにより、コピー元データをグループ用記憶領域にコピーした場合に、保持された参照情報にグループ内の一部のユーザがアクセスした後に、コピー元データが変更されると、既にアクセスしたユーザと未アクセスのユーザとで、提供されるデータが相違することになり、グループ内での情報の共有化が図れないという問題があった。
【0005】
なお、ポインタ情報を介して参照されているファイルのデータ内容が更新された場合、更新前のデータは一時的に保存され、更新後に新たなポインタ情報にアクセスがあった際に、ポインタを介して参照されるファイルのデータ内容が更新された旨の情報がユーザに通知され、かかる更新に従うか否かの選択をユーザから受け付ける技術が提供されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−362418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、同一グループに属するユーザ間でデータの共有化を図る必要があるような場合、データの更新に従うか否かの判断はユーザ毎に異なるため、更新に従ったユーザと更新に従わなかったユーザとでは提供されるデータが異なることとなり、やはりユーザ間で情報の共有が図れなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、コピー元データを参照先とする参照情報をグループ用記憶領域に保持させることにより、コピー元データをコピーする場合であって、コピー元データに対する変更指示がなされた場合に、コピー元データ変更前に参照情報にアクセスしたユーザと変更後にアクセスしたユーザとで異なるデータが提供される不都合を解消できる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段により解決される。
(1)データを保存する第1の記憶領域と、同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザがアクセス可能な第2の記憶領域に、前記第1の記憶領域に保存されているコピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、前記コピー元データを第2の記憶領域にコピーするコピー手段と、前記コピー手段により第2の記憶領域に保持された参照情報に、第2の記憶領域を共有するグループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザがアクセスしたかどうかを判定する判定手段と、前記コピー元データの変更が指示された際に、前記アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に前記参照情報にアクセスしていることが前記判定手段により判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(2)コピー元データの変更がコピー元データの更新である前項1に記載の画像処理装置。
(3)コピー元データの変更がコピー元データの削除である前項1に記載の画像処理装置。
(4)前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を更新前のコピー元データに設定することにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を更新後のコピー元データに設定することにより前記留保を解除する前項1に記載の画像処理装置。
(5)前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、更新前のコピー元データと更新後のコピー元データの差分情報を第1の記憶領域に保持する差分情報保持手段と、更新前のコピー元データ及び前記差分情報から、更新後のコピー元データを第1の記憶領域に作成するデータ作成手段と、を備え、前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を更新前のコピー元データに設定することにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに変更することにより前記留保を解除する前項1に記載の画像処理装置。
(6)前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、更新前のコピー元データとは別に、更新後のコピー元データを第1の記憶領域に作成するデータ作成手段を備え、前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を更新前のコピー元データに設定することにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに変更することにより前記留保を解除する前項1に記載の画像処理装置。
(7)前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、更新前のコピー元データとは別に、更新後のコピー元データを第1の記憶領域に作成するデータ作成手段と、更新前のコピー元データを第2の記憶領域に移動させる移動手段と、を備え、前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、第2の記憶領域に移動された更新前のコピー元データに直接アクセス可能とすることにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を、前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに設定することにより前記留保を解除する前項1に記載の画像処理装置。
(8)前記コピー元データの変更がコピー元データの削除であり、前記制御手段は、削除指示後もコピー元データを削除することなく第1の記憶領域に保持するとともに、前記アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を前記保持されたコピー元データに設定することにより、コピー元データの削除指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供された後に、前記保持されているコピー元データを削除することにより前記留保を解除する前項1に記載の画像処理装置。
(9)前記コピー元データの変更がコピー元データの削除であり、削除指示がなされた後にコピー元データを第2の記憶領域に移動させる移動手段を備え、前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供されるまでは、前記移動手段により第2の記憶領域に移動されたコピー元データに直接アクセス可能とすることにより、コピー元データの削除指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供された後は、前記第2の記憶領域に移動されたコピー元データを削除することにより前記留保を解除する前項1に記載の画像処理装置。
(10)前記留保の解除後に、第2の記憶領域に参照情報として保持されることによりコピーされたデータの内容が変更されたことを、アクセス判定対象ユーザに通知する通知手段を備えている前項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
(11)前記第2の記憶領域は自装置内に設けられている前項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
(12)前記第2の記憶領域は他の画像処理装置に設けられている前項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
(13)同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザがアクセス可能な第2の記憶領域に、第1の記憶領域に保存されているコピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、前記コピー元データを第2の記憶領域にコピーするステップと、前記第2の記憶領域に保持された参照情報に、第2の記憶領域を共有するグループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザがアクセスしたかどうかを判定するステップと、前記コピー元データの変更が指示された際に、前記アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に前記参照情報にアクセスしていることが判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除するステップと、を備えたことを特徴とする画像処理方法。
(14)同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザがアクセス可能な第2の記憶領域に、第1の記憶領域に保存されているコピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、前記コピー元データを第2の記憶領域にコピーするステップと、前記第2の記憶領域に保持された参照情報に、第2の記憶領域を共有するグループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザがアクセスしたかどうかを判定するステップと、前記コピー元データの変更が指示された際に、前記アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に前記参照情報にアクセスしていることが判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除するステップと、をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0009】
前項(1)に記載の発明によれば、第1の記憶領域に保存されているコピー元文書の変更が指示された際に、アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に参照情報にアクセスしていることが判定された場合は、アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行が留保されて、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供される。このため、コピー元データの変更前に参照情報にアクセスしたユーザに対しても、アクセスしていないユーザに対しても、共に変更前のコピー元データが提供されるから、同一グループのユーザ間で同一のデータを共有することができ、利便性の高い画像処理装置となしうる。
【0010】
また、アクセス対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後は、前記留保が解除され変更指示が実行されるから、変更指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0011】
前項(2)に記載の発明によれば、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データを提供できる。
【0012】
前項(3)に記載の発明によれば、アクセス判定対象ユーザの全てに削除前のコピー元データを提供できる。
【0013】
前項(4)に記載の発明によれば、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供されるまでは、コピー元データの更新指示の実行を確実に留保でき、提供後は確実に留保を解除できる。
【0014】
前項(5)に記載の発明によれば、更新前のコピー元データ及び差分情報から、更新後のコピー元データが第1の記憶領域に作成され、参照情報の参照先が更新前と更新後で変更されるから、コピー元データの更新指示の実行留保と、その後の留保解除を確実に行うことができる。
【0015】
前項(6)に記載の発明によれば、更新前のコピー元データと更新後のコピー元データが共に第1の記憶領域に保持され、参照情報の参照先が更新前と更新後で変更されるから、コピー元データの更新指示の実行留保と、その後の留保解除を確実に行うことができる。
【0016】
前項(7)に記載の発明によれば、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、第2の記憶領域に移動された更新前のコピー元データに直接アクセス可能とすることにより、コピー元データの更新指示の実行を確実に留保できる。また、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を、前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに設定することにより、前記留保を確実に解除できる。
【0017】
前項(8)に記載の発明によれば、コピー元データの削除指示がなされても、アクセス判定対象ユーザの全てに削除対象のコピー元データが提供されるまでは、コピー元データは削除されることなく保持され、参照情報の参照先が前記保持されたコピー先データに設定されるから、コピー元データの削除指示の実行を確実に留保できる。また、アクセス判定対象ユーザの全てに削除対象のコピー元データが提供された後は、保持されているコピー元データは削除されるから、前記留保を解除できる。
【0018】
前項(9)に記載の発明によれば、前記アクセス判定対象ユーザの全てに削除対象のコピー元データが提供されるまでは、第2の記憶領域に移動されたコピー元データに直接アクセス可能とすることにより、コピー元データの削除指示の実行を確実に留保できる。また、アクセス判定対象ユーザの全てに削除対象のコピー元データが提供された後は、コピー元データは削除されるから、前記留保を解除できる。
【0019】
前項(10)に記載の発明によれば、第2の記憶領域に参照情報として保持されることによりコピーされたデータの内容が変更されたことを、アクセス判定対象ユーザは知ることができる。
【0020】
前項(11)に記載の発明によれば、1つの画像処理装置により、同一のグループのユーザ間でのデータの共有化を実現できる。
【0021】
前項(12)に記載の発明によれば、他の画像処理装置を介して、同一のグループのユーザ間でのデータの共有化を実現できる。
【0022】
前項(13)に記載の発明によれば、コピー元データの変更前に参照情報にアクセスしたユーザに対しても、アクセスしていないユーザに対しても、共に変更前のコピー元データが提供されるから、同一グループのユーザ間で同一のデータを共有することができる。また、アクセス対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後は、変更指示が実行されるから、変更指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0023】
前項(14)に記載の発明によれば、コピー元データの更新又は削除が指示された際に、前記グループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データ変更前に前記参照情報にアクセスしていることが判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除する処理を、コンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施形態1)
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられた画像処理システムの全体構成図である。
【0025】
この画像処理システムは、画像処理装置1及び2、パーソナルコンピュータからなる端末装置3,4及び5、FAX装置6、7などから構成されており、これらの装置は通信回線8を介して互いに接続されている。
【0026】
画像処理装置1及び2、端末装置3,4及び5のそれぞれには、IPアドレスやコンピュータ名が識別情報として割り当てられており、各装置は当該識別情報によって相手装置の識別を行う。またFAX装置6及び7には、いわゆる固定電話又はIP電話などの電話番号が割り当てられている。
【0027】
画像処理装置1及び2は、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナ、FAX及びドキュメントサーバなどの各種機能を集約した多機能デジタル複合機であるMFP(Multi function peripherals)であり、端末装置3、4及び5から送信された印刷ジョブの実行などを行う。また、画像処理装置1のハードディスク装置35(図3に示す)には、区分けされた複数の記憶領域(以下、この記憶領域をボックスともいう)が形成されている。この実施形態では、個々のユーザにそれぞれ割り当てられユーザ個人のデータを記憶する第1の記憶領域としての個人用記憶領域(以下では個人ボックスG1という)と、グループ毎に設けられるとともに同一のグループに属する複数のユーザで共有され、データをグループ毎に保存する第2の記憶領域としてのグループ用記憶領域(以下ではグループボックスG2という)が備えられている。
【0028】
なお、画像処理装置1及び2については、予め各装置に登録されたユーザ情報に基づいた認証を行わなければ利用できない設定をすることも可能である。この場合、画像処理装置1及び2の使用を希望するユーザは、端末装置3、4又は5からユーザ情報を送信するか、或いは操作装置11(図3に示す)からユーザ情報を入力しなければならない。
【0029】
端末装置3,4及び5には、ユーザが文書・画像等を作成する際に使用される文書作成用ソフトウェアや、画像処理装置1、2に対応するプリンタドライバを含む各種ソフトウェアが保存されている。そして、前記文書作成用ソフトウェアを用いてユーザにより画像・文書等が作成された後、出力指示がなされた場合には、前記プリンタドライバは印刷ジョブを作成し、通信回線8を介して当該印刷ジョブを画像処理装置1又は2に送信する。
【0030】
FAX装置6及び7は、読み取られた原稿の画像データに対してデータ圧縮や変調等を含む信号処理を行い、通信回線8を介して画像処理装置1、2や他のFAX装置等に送信し、あるいは信号処理された画像データを他の装置から受信する。
【0031】
通信回線8は、LAN、インターネット、専用回線又は公衆回線等からなり各装置間での画像データ等の送受信をする際に利用される。
【0032】
次に、画像処理装置1、2の具体的な構成を説明するが、画像処理装置1と画像処理装置2との構成は同じなので、ここでは画像処理装置1の構成のみを説明する。
【0033】
画像処理装置1は、図2に示すように、操作装置11、ディスプレイ12、スキャナ装置13、プリンタ装置14、フィニッシャ装置15、通信インターフェイス16、ドキュメントフィーダー17、給紙装置18、排紙トレイ19及び制御部20などから構成されている。
【0034】
操作装置11は、数字、文字及び記号などを入力するための複数のキーや、押下されたキーを認識するセンサ及び認識したキーを示す信号を制御部20のCPU30(図3に示す)に送信する送信用回路などから構成されている。
【0035】
ディスプレイ12は、ユーザにメッセージや指示を与えるための画面、ユーザが設定内容や処理内容を入力するための画面、及び画像処理装置1で形成された画像や処理の結果を示す画面などを表示する。本実施形態では、ディスプレイ12として、タッチパネルが用いられており、ユーザが指で触れたタッチパネル上の位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU30に送信する機能を備えている。
【0036】
このように、操作装置11及びディスプレイ12は、ユーザが画像処理装置1を直接操作するためのユーザインターフェイスの役割を果たしている。なお、端末装置3、4及び5には、画像処理装置1に対して指示を与えるためのアプリケーションプログラム等がインストールされており、ユーザは操作装置11及びディスプレイ12を介することなく、端末装置3、4及び5を利用して画像処理装置1を遠隔的に操作することも可能となされている。
【0037】
スキャナ装置13は、写真、文字、絵などの画像情報を原稿から光電的に読み取って画像データを取得する。取得された前記画像データ(濃度データ)は、画像処理部(図示せず)においてデジタルデータに変換され、周知の各種の画像処理を施された後、プリンタ装置14や通信インターフェイス16に送信され、或いは後の利用のためにHDD35に保存される。
【0038】
プリンタ装置14は、スキャナ装置13により取得された画像データ、通信インターフェイス16により外部端末装置から受信された画像データ、或いはハードディスク装置35に保存されている画像データを、給紙装置18にセットされた用紙又はフイルムなどの記録シートに印刷する。
【0039】
フィニッシャ装置15は、ステープルやパンチ等の後処理を自動的に行うものである。
【0040】
通信インターフェイス16は、NIC、モデム又はTAなどからなり、図3に示すように受信部33と送信部34から構成され、他の画像処理装置2、端末装置3、4、5及びFAX端末装置6、7等の外部装置との間で画像データや他のデータのやり取りを行う。
【0041】
受信部33は、外部装置から送信されたデータを受信し、また送信部34はスキャナ13によって読み取られた画像データ等を外部装置に送信する。
【0042】
ドキュメントフィーダー17は、セットされた原稿をスキャナ装置13による読取位置へと自動搬送するものである。
【0043】
給紙装置18は、本体の下部に設けられており、用紙やフイルム等の記録シートがセットされ、ユーザからの指示により又は自動的に記録シートを選択しプリンタ装置14に給紙する。
【0044】
排紙トレイ19は、プリンタ装置14によって画像が印刷され、フィニッシャ装置15によりステープルやパンチ等の後処理がなされた用紙やフイルム等が排出されるものである。
【0045】
図3は、画像処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【0046】
前記制御部20は、CPU30、ROM31、RAM32等から構成されている。
【0047】
CPU30は、ROM31に保存されているプログラムやRAM32にロードされたプログラムを実行することにより、画像処理装置1の全体を統括的に制御する。特にこの実施形態では、前述した個人ボックスG1及びグループボックスG2を用いたデータ処理に関する制御も行う。この点については後述する。
【0048】
ROM31は、CPU30が実行するプログラムやその他のデータを記憶する。
【0049】
RAM32は、CPU30が実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時保存する。
【0050】
データ記憶部38は、HDD35及びカードリライタ36等から構成されている。
【0051】
ハードディスク装置(HDD)35は、スキャナ装置13で読み取られた画像データや通信インターフェイス16を介して端末装置3,4、5及びFAX端末装置6、7から送信された画像データ等が保存される領域と、ジョブモード履歴が保存される領域の他、前述したボックスの形成領域などを備え、ボックス形成領域には1個または複数個の個人ボックスG1及びグループボックスG2が形成されている。HDD35のデータは、ネットワークを介して他の画像処理装置2からも参照可能な構成となっている。
【0052】
カードリードライタ36は、メモリカード37からの画像データの読み取りやメモリカード37への画像データの書き込み等を行う。
【0053】
メモリカード37は、コンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア等の携帯可能な記録媒体でありデータのバックアップ等の目的で使用される。
【0054】
なお、操作装置11、ディスプレイ12、スキャナ装置13、プリンタ装置14、通信インターフェイス16、ドキュメントフィーダー17、給紙装置18については既に説明したのでここでは説明を省略する。
[画像処理装置1の動作]
個人ボックスG1及びグループボックスG2を用いたデータ処理に関して画像処理装置1が行う制御を、図4、図5に示すフローチャート及び図6に示す模式図を用いて説明する。なお、この動作は、CPU30がROM31等の記録媒体に保存されたプログラムを実行することにより実現される。
【0055】
以下の実施形態において、個人ボックスG1には、その個人ボックスを所有するユーザによって、予め文書、画像データ等のデータが保存されている。そして、このユーザが個人ボックスG1に保存されているデータを、自己が属するグループのグループボックスG2にコピーするものとする。コピーは次の形式により行われる。即ち、個人ボックスG1内のコピー対象データであるコピー元データを物理的にコピーする代わりに、前記コピー元データがHDD35の記憶領域のどの位置に格納されているかを表すポインタ情報を参照情報としてグループボックスG2に保持しておき、この参照情報にユーザがアクセスした場合は、参照先であるコピー元データを、前記ポインタ情報で指定される格納位置から呼び出して表示させることにより行われる。
【0056】
つまり、グループボックスG2に、コピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、恰もグループボックスG2にコピーされた物理データがあるかのように動作するが、実際には物理データは保持されていないので、その分HDD35の記憶容量の使用量が少なくてすむ。この状態で、コピー元データに対する変更指示がなされた場合、例えばコピー元データの更新や削除等を指示された場合には、その指示が実行されると、コピー元データを参照先とする参照情報にもその変更が反映されることになるが、この実施形態では、グループボックスG2の参照情報にアクセスするユーザに対しては、一定の条件下で、コピー元データの変更指示の実行が留保される。
【0057】
なお、以下の説明では、コピー元データが文書である場合を示すが、コピー元データは文書に限定されることはなく、画像データ等の他のデータであっても良い。
【0058】
CPU30は、画像処理装置1の個人ボックスG1に保存されているコピー元データである文書D1を、他の画像処理装置2のグループボックスG2へコピーする指示をユーザから受け付けると(図4のステップS50、図6の♯1)、画像処理装置2のグループボックスG2に文書D1を参照先とする参照情報L1のみを保持させる(図4のステップS51、図6の♯2)。
【0059】
次いで、グループボックスG2の参照情報L1にユーザからのアクセスがあるか否を判定する(図4のステップS52)。アクセスがあるか否かは、画像処理装置2からの通知によって判定する。図6の♯3及び♯4のように、グループボックスG2の参照情報L1にアクセスがあると、通信回線8を介して画像処理装置2から、MDN(Message Disposition Notification)又は操作履歴を利用して、当該アクセスユーザのユーザ情報、アクセス情報及びアクセス回数等が通知されるものとなされており、この通知を元にアクセスがあるか否かを判定する。
【0060】
アクセスがあるか否かの判定対象となるユーザをこの実施形態ではアクセス判定対象ユーザという。アクセス判定対象ユーザは、グループボックスG2を共有するグループの全てのユーザであっても良いし、そのグループの中から予め任意に設定されたユーザであっても良い。例えば、グループボックスG2へ文書をコピーしたユーザ以外のユーザをアクセス判定対象ユーザとして設定しても良い。
【0061】
アクセスがないと判定された場合(ステップS52でNO)、ステップS55に進む。一方、アクセスがあると判定された場合(ステップS52でYES)、アクセスしたユーザのユーザ情報等をHDD35に保存したのち(ステップS54)、ステップS55に進む。
【0062】
ステップS55で、CPU30は個人ボックスG1に保存されている文書D1の更新指示がなされたか否かを判定し、更新指示がなされていないと判定された場合(ステップS55でNO)、ステップS52に戻り、文書D1の更新指示がなされたと判定されるまで、ステップS52〜ステップS55を繰り返す。一方、図6の♯5に示すように個人ボックスG1の文書D1の更新指示がなされた場合には(以下では、更新後の文書を文書D2とする)、ステップS55の判定がYESとなり、ステップS56に進み、文書D1の更新指示前にグループボックスG2の参照情報L1にアクセス判定対象ユーザによるアクセスがあったか否かの判定を行う。この判定は、ステップS153で保存された情報に基づいて行われる。
【0063】
更新指示前にアクセス判定対象ユーザからのアクセスがないと判定された場合(ステップS56でNO)、更新前の文書D1はアクセス判定対象ユーザの誰にも提供されていないため、ステップS67に進み、元の文書D1に更新後の文書D2を上書きして更新指示を実行し、処理を終了する。
【0064】
一方、図6の♯6に示すように、文書D1の更新指示前にユーザから参照情報L1にアクセスがあったと判定された場合(ステップS56でYES)、このまま更新を行うと参照情報L1に既にアクセスしたユーザと今後アクセスするユーザとでは提供される文書が異なることから、CPU30は参照情報L1にアクセス判定対象ユーザの全員からアクセスがあったかどうかの判定を行う(ステップS57)。
【0065】
アクセス判定対象ユーザの全員からアクセスがあったと判定された場合(ステップS57でYES)、アクセス判定対象ユーザの全てに文書D1が提供され情報は共有されているから、ステップS67に進み、文書D2への更新を行う。一方、アクセス判定対象ユーザの中に文書D1へアクセスしていないユーザが存在していると判定された場合(ステップS57でNO)、このまま更新を行うとユーザ間で情報の共有が図れないから、CPU30は個人ボックスG1に文書D1と文書D2との差分情報Δ1を保存する(図4のステップS58、図6の♯7)。
【0066】
次いで、個人ボックスG1又はグループボックスG2の参照情報L1にアクセスがあるか否かを判定する(ステップS59)。アクセスがないと判定された場合(ステップS59でNO)、アクセスがあるまで待つ。一方、アクセスがあると判定された場合(ステップS59でYES)、CPU30はそのアクセスが個人ボックスG1へのものであるかグループボックスG2へのものであるかを判定する(図5のステップS60)。
【0067】
アクセスが個人ボックスG1へのものであると判定された場合(ステップS60でYES)、アクセスが文書D1の更新を指示したユーザからのものであり更新前の文書D1を提供する必要はないから、CPU30は文書D1と差分情報Δ1とから文書D2を作成し、文書D2を提供したのち(図5のステップS61、図6の♯10)、ステップS59に戻る。一方、アクセスがグループボックスG2の参照情報L1に対するものであると判定された場合(ステップS60でNO)、アクセスが文書D1の更新指示を行ったユーザ以外からのものであり文書D1が提供されていないユーザである可能性があるので、参照情報L1の参照先を変更することなくそのまま文書D1に設定し、文書D1を提供する(図5のステップS62、図6の♯10)。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の更新指示の実行が留保される。
【0068】
次いで、グループボックスG2の参照情報L1にアクセスしたユーザの情報を保存したのち(ステップS63)、グループボックスG2の参照情報L1にアクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたか否かの判定を行う(ステップS64)。
【0069】
アクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたのでなければ(ステップS64でNO)、まだ文書D1にアクセスしていないユーザが存在するから、ステップS59に戻る。一方、アクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたと判定された場合(ステップS64でYES)、ユーザ間で文書D1の情報が共有されたから、CPU30は、文書D1に文書D2を上書きし、差分情報Δ1を削除するとともに、グループボックスG2の参照情報L1の参照先を、個人ボックスG1の文書D2に変更する(ステップS65、図6の♯13)。これにより、個人ボックスG1の文書D1の更新指示の実行留保が解除され、更新指示が実行された状態となる。
【0070】
その後、グループボックスG2に参照情報として保持されることによりコピーされたデータの内容が更新されたことを、アクセス判定対象ユーザの全員に通知し(ステップS66)、処理を終了する。この通知により、ユーザは入手した文書D1の内容が更新されたことを知ることができる。通知は、電子メールにより行っても良いし、ユーザが画像処理装置1にログインしたときや、グループボックスG2にアクセスしたときに、行っても良い。
【0071】
このように、この実施形態によれば、文書D1の更新指示がなされた際に、アクセス判定対象ユーザのうちの一部が参照情報L1にアクセス済みであるが全員がアクセスしていない場合には、全員がアクセスするまで、参照情報L1へのアクセスに対して更新前の文書D1が提供される。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の更新指示の実行が留保され、アクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるから、アクセス判定対象ユーザの間で同一の文書D1を共有することができ、利便性の高い画像処理装置となしうる。また、その間に個人ボックスG1のユーザが個人ボックスG1にアクセスしたときは、文書D1と差分情報Δ1とから作成された更新後の文書D2が提供されるから、個人ボックスG1のユーザに対しては、更新指示が実行された状態となっている。また、アクセス判定対象ユーザ全員に文書D1が提供された後は、参照情報L1の参照先が文書D2に変更されて、文書D1の更新指示が実行されるから、更新指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0072】
上記実施形態では、グループボックスG2が画像処理装置2に存在するものとして説明したが、グループボックスG2及び個人ボックスG1ともに同一の画像処理装置1に存在していても良い。
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、更新後の文書D2と元の文書D1との差分情報△1を作成保存し、文書D1との差分情報△1とから文書D2を作成する例を示した。これに対し、第2実施形態では、更新後の文書D2と元の文書D1をいずれも個人ボックスG1に保存しておき、アクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるまでは、参照情報L1の参照先を文書D1に設定しておくことで、文書D1の更新指示が実行されるのを留保し、文書D1が全員へ提供された後に、参照情報L1の参照先を文書D2に変更することにより、前記留保を解除するものである。
【0073】
なお、この実施形態に係る画像処理装置の構成は第1実施形態に係る画像処理装置1と同じなのでここでは、説明を省略する。
[画像処理装置1の動作]
次に、画像処理装置1の動作を図7、図8に示すフローチャート及び図6に示す模式図を用いて説明する。なお、この動作は、CPU30がROM31等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより、実現される。
【0074】
なお、図7のフローチャートにおけるステップS50〜ステップS57の処理は、図4のステップS50〜ステップS57の処理と同じであり、その説明は省略する。
【0075】
図4のステップS57において、アクセス判定対象ユーザの全員から参照情報L1へのアクセスがあったことが判定された場合(ステップS57でYES)、図7のステップS87に進み、文書D2を更新する。一方、アクセス判定対象ユーザの中に参照情報L1へアクセスしていないユーザが存在していると判定された場合(ステップS57でNO)、このまま更新を行うとユーザ間で情報の共有が図れないから、CPU30は、文書D1に上書きすることなく文書D1とは別に、更新後の文書D2を新たに作成して個人ボックスG1に保存する(図7のステップS78、図6の♯8)。
【0076】
次いで、個人ボックスG1又はグループボックスG2の参照情報L1にアクセスがあるか否かを判定する(ステップS79)。アクセスがないと判定された場合(ステップS79でNO)、アクセスがあるまで待つ。一方、アクセスがあると判定された場合(ステップS79でYES)、CPU30はそのアクセスが個人ボックスG1へのものであるかグループボックスG2へのものであるかを判定する(図8のステップS80)。
【0077】
アクセスが個人ボックスG1へのものであると判定された場合(ステップS60でYES)、アクセスが文書D1の更新を指示したユーザからのものであり更新前の文書D1を提供する必要はないから、CPU30は文書D2を提供したのち(図8のステップS81、図6の♯11)、ステップS59に戻る。一方、アクセスがグループボックスG2の参照情報L1に対するものであると判定された場合(ステップS80でNO)、アクセスが文書D1の更新指示を行ったユーザ以外からのものであり文書D1が提供されていないユーザである可能性があるので、参照情報Lの参照先を変更することなくそのまま文書D1に設定し、文書D1を提供する(図8のステップS82、図6の♯11)。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の更新指示の実行が留保される。
【0078】
次いで、グループボックスG2の参照情報L1にアクセスしたユーザの情報を保存したのち(ステップS83)、グループボックスG2の参照情報L1にアクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたか否かの判定を行う(ステップS84)。
【0079】
アクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたのでなければ(ステップS84でNO)、まだ文書D1にアクセスしていないユーザが存在するから、ステップS59に戻る。一方、アクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたと判定された場合(ステップS84でYES)、ユーザ間で文書D1の情報が共有されたから、CPU30は文書D1を削除するとともに、グループボックスG2の参照情報L1の参照先を、個人ボックスG1の文書D2に変更する(ステップS85、図6の♯13)。これにより、個人ボックスG1の文書D1の更新指示の実行留保が解除され、更新指示が実行された状態となる。
【0080】
その後、グループボックスG2に参照情報として保持されることによりコピーされたデータの内容が更新されたことを、アクセス判定対象ユーザの全員に通知し(ステップS86)、処理を終了する。
【0081】
このように、この実施形態によれば、文書D1の更新指示がなされた際に、アクセス判定対象ユーザのうちの一部が参照情報L1にアクセス済みであるが全員がアクセスしていない場合には、全員がアクセスするまで、参照情報L1へのアクセスに対して更新前の文書D1が提供される。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の更新指示の実行が留保され、アクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるから、アクセス判定対象ユーザの間で同一の文書D1を共有することができる。また、その間に個人ボックスG1のユーザが個人ボックスG1にアクセスしたときは、更新後の文書D2が提供されるから、個人ボックスG1のユーザに対しては、更新指示が実行された状態となっている。また、アクセス判定対象ユーザ全員に文書D1が提供された後は、参照情報L1の参照先が文書D2に変更されて、文書D1の更新指示が実行されるから、更新指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0082】
上記実施形態においても、グループボックスG2が画像処理装置2に存在するものとして説明したが、グループボックスG2及び個人ボックスG1ともに同一の画像処理装置1に存在していても良い。
(実施形態3)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この実施形態では、文書D1の更新指示かなされたときに、アクセス判定対象ユーザの一部のみが参照情報L1にアクセスしていた場合には、個人ボックスG1の文書D1をグループボックスG2に移動させると共に、個人ボックスG1には更新後の文書D2を作成し保存しておき、アクセス判定対象ユーザの全員に更新前の文書D1が提供されるまでは、グループボックスG2の文書D1に直接アクセス可能とすることにより、文書D1の更新指示が実行されるのを留保するものである。
【0083】
なお、この実施形態に係る画像処理装置の構成は第1実施形態に係る画像処理装置1と同じなのでここでは、説明を省略する。
[画像処理装置1の動作]
次に、画像処理装置1の動作を図9、図10に示すフローチャート及び図6に示す模式図を用いて説明する。なお、この動作は、CPU30がROM31等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより、実現される。
【0084】
なお、図9のフローチャートにおけるステップS50〜ステップS57の処理は、図4のステップS50〜ステップS57の処理と同じであり、その説明は省略する。
【0085】
図4のステップS57において、アクセス判定対象ユーザの全員から参照情報L1へのアクセスがあったことが判定された場合(ステップS57でYES)、図9のステップS107に進み、文書D2を更新する。一方、アクセス判定対象ユーザの中に参照情報L1へアクセスしていないユーザが存在していると判定された場合(ステップS57でNO)、このまま更新を行うとユーザ間で情報の共有が図れないから、CPU30は、文書D1をグループボックスG2に移動させるとともに、個人ボックスG1には更新後の文書D2を作成して保存し、グループボックスG2の参照情報L1を削除する(図7のステップS98、図6の♯9)。
【0086】
次いで、個人ボックスG1又はグループボックスG2にアクセスがあるか否かを判定する(ステップS99)。アクセスがないと判定された場合(ステップS99でNO)、アクセスがあるまで待つ。一方、アクセスがあると判定された場合(ステップS99でYES)、CPU30はそのアクセスが個人ボックスG1へのものであるかグループボックスG2へのものであるかを判定する(図10のステップS100)。
【0087】
アクセスが個人ボックスG1へのものであると判定された場合(ステップS100でYES)、アクセスが文書D1を更新したユーザからのものであるから、CPU30は個人ボックスG1に保存されている文書D2を提供したのち(ステップS101、図6の♯12)、ステップS99に戻る。一方、アクセスがグループボックスG2に対するものであると判定された場合(ステップS100でNO)、そのままグループボックスG2に保存されている文書D1を提供する(図10のステップS102、図6の♯12)。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の更新指示の実行が留保される。
【0088】
次いで、グループボックスG2の文書D1にアクセスしたユーザの情報を保存したのち(ステップS103)、グループボックスG2の文書D1にアクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたか否かの判定を行う(ステップS104)。
【0089】
全員がアクセスしたのでなければ(ステップS104でNO)、まだ文書D1にアクセスしていないユーザが存在するから、ステップS99に戻る。一方、全員がアクセスしたと判定された場合(ステップS104でYES)、ユーザ間で文書D1の情報が共有されたから、CPU30はグループボックスG2の文書D1を削除し、個人ボックスG1の文書D2を参照先とする参照情報L2をグループボックスG2に作成する(ステップS105、図6の♯14)。これにより、個人ボックスG1の文書D1の更新指示の実行留保が解除され、更新指示が実行された状態となる。
【0090】
その後、グループボックスG2に参照情報として保持されることによりコピーされたデータの内容が更新されたことを、アクセス判定対象ユーザ全員に通知し(ステップS106)、処理を終了する。
【0091】
このように、この実施形態によれば、文書D1の更新指示がなされた際に、アクセス判定対象ユーザのうちの一部が参照情報L1にアクセス済みであるが全員がアクセスしていない場合には、元の文書D1がグループボックスG2に移動され、参照情報L1は削除されるから、アクセス判定対象ユーザは更新前の文書D1に直接アクセスすることができる。つまり、アクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるまで、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の更新指示の実行が留保されるから、アクセス判定対象ユーザの間で同一の文書D1を共有することができる。また、その間に個人ボックスG1のユーザが個人ボックスG1にアクセスしたときは、更新後の文書D2が提供されるから、個人ボックスG1のユーザに対しては、更新指示が実行された状態となっている。また、アクセス判定対象ユーザ全員に文書D1が提供された後は、グループボックスG2内の文書D1は削除されるとともに、個人ボックスG1内の更新後の文書D2を参照先とする新たな参照情報L2がグループボックスG2に作成されて、文書D1の更新指示が実行されるから、更新指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0092】
上記実施形態においても、グループボックスG2が画像処理装置2に存在するものとして説明したが、グループボックスG2及び個人ボックスG1ともに同一の画像処理装置1に存在していても良い。
(実施形態4)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。この実施形態は、文書D1を削除する場合のものであり、削除の指示があってもアクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるまでは、文書D1を削除することなく保持し、参照情報L1の参照先として文書D1を設定することにより、削除指示の実行を留保するものである。
【0093】
なお、この実施形態に係る画像処理装置の構成は第1実施形態に係る画像処理装置1と同じなのでここでは、説明を省略する。
[画像処理装置1の動作]
次に、画像処理装置1の動作を図11及び図12に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は、CPU30がROM31等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより、実現される。
【0094】
CPU30は、画像処理装置1の個人ボックスG1に保存されているコピー元データである文書D1を、他の画像処理装置2のグループボックスG2へコピーする指示をユーザから受け付けると(ステップS150)、画像処理装置2のグループボックスG2に文書D1を参照先とする参照情報L1のみを保持させる(ステップS151)。
【0095】
次いで、グループボックスG2の参照情報L1にユーザからのアクセスがあるか否を判定する(ステップS152)。
【0096】
アクセスがないと判定された場合(ステップS152でNO)、ステップS154に進む。一方、アクセスがあると判定された場合(ステップS152でYES)、アクセスしたユーザのユーザ情報等を保存したのち(ステップS153)、ステップS154に進む。
【0097】
ステップS154で、CPU30は個人ボックスG1に保存されている文書D1の削除指示がなされたか否かを判定し、削除指示がなされていないと判定された場合(ステップS154でNO)、ステップS152に戻り、文書D1の削除指示がなされたと判定されるまで、ステップS152〜ステップS154を繰り返す。一方、文書D1の削除指示がなされた場合には、ステップS154の判定がYESとなり、ステップS155に進み、削除指示前にグループボックスG2の参照情報L1にアクセス判定対象ユーザによるアクセスがあったか否かの判定を、ステップS153で保存された情報に基づいて行う。
【0098】
削除指示前にアクセス判定対象ユーザからのアクセスがないと判定された場合(ステップS155でNO)、削除前の文書D1にはアクセス判定対象ユーザの誰もアクセスしていないため、ステップS157に進み、文書D1及び参照情報L1の削除指示を実行し、処理を終了する。
【0099】
一方、文書D1の削除指示前にユーザから参照情報L1にアクセスがあったと判定された場合(ステップS155でYES)、CPU30はアクセス判定対象ユーザの全員から参照情報L1にアクセスがあったかどうかの判定を行う(ステップS156)。
【0100】
アクセス判定対象ユーザの全員からアクセスがあったと判定された場合(ステップS156でYES)、ユーザ間で文書D1の情報が共有されているから、ステップS157に進み、文書D1及び参照情報L1を削除する。一方、アクセス判定対象ユーザの中に参照情報L1へアクセスしていないユーザが存在していると判定された場合(ステップS156でNO)、このまま文書D1の削除を行うとユーザ間で情報の共有が図れないから、CPU30は文書D1をマスク処理などにより個人ボックスG1から見えないようにした上で、文書D1をそのまま保持する(ステップS158)。
【0101】
次いで、グループボックスG2の参照情報L1にユーザからのアクセスがあるか否かの判定を行う(ステップS159)。アクセスがなければ(ステップS159でNO)、アクセスがあるまで待つ。一方、アクセスありと判定された場合(ステップS159でYES)、当該アクセスユーザはまだ文書D1にアクセスしていないユーザである可能性があるので、参照情報Lの参照先を変更することなくそのまま文書D1に設定し、文書D1を提供する(ステップS160)。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の削除指示の実行が留保される。
次に、グループボックスG2の参照情報L1にアクセスしたユーザの情報を保存したのち(ステップS161)、グループボックスG2の参照情報L1にアクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたか否かの判定を行う(ステップS162)。
【0102】
全員がアクセスしたのでなければ(ステップS162でNO)、まだ文書D1にアクセスしていないユーザがいるから、ステップS159に戻る。全員がアクセスしたと判定された場合(ステップS162でYES)、CPU30は、個人ボックスG1から文書D1を削除すると共にグループボックスG2から参照情報L1を削除し(ステップS163)、処理を終了する。これにより、個人ボックスG1の文書D1の削除指示の実行留保が解除され、削除指示が実行された状態となる。
【0103】
このように、この実施形態によれば、文書D1の削除指示がなされた際に、アクセス判定対象ユーザのうちの一部が参照情報L1にアクセス済みであるが全員がアクセスしていない場合には、参照情報L1へのアクセスに対して削除対象の文書D1が提供される。つまり、参照情報L1の参照先が文書D1に維持されることにより、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の削除指示の実行が留保され、アクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるから、アクセス判定対象ユーザの間で同一の文書D1を共有することができる。また、その間に個人ボックスG1のユーザが個人ボックスG1にアクセスしても、文書D1はマスク処理などにより見えなくされているから、個人ボックスG1のユーザに対しては、削除指示が実行された状態となっている。また、アクセス判定対象ユーザ全員に文書D1が提供された後は、文書D1及び参照情報L1が削除され、文書D1の削除指示が実行されるから、削除指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0104】
上記実施形態では、グループボックスG2が画像処理装置2に存在するものとして説明したが、グループボックスG2及び個人ボックスG1ともに同一の画像処理装置1に存在していても良い。
(実施形態5)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。この実施形態も、文書Dを削除する場合のものであり、文書D1の削除指示かなされたときに、アクセス判定対象ユーザの一部のみが参照情報L1にアクセスしていた場合には、個人ボックスG1の文書D1をグループボックスG2に移動させておき、アクセス判定対象ユーザがグループボックスG2の文書D1に直接アクセスすることを可能とすることにより、削除指示の実行を留保するものである。
【0105】
なお、この実施形態に係る画像処理装置の構成は第1実施形態に係る画像処理装置1と同じなのでここでは、説明を省略する。
[画像処理装置1の動作]
次に、画像処理装置1の動作を図13に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は、CPU30がROM31等の記録媒体に保存されているプログラムを実行することにより、実現される。
【0106】
なお、図13に示すフローチャートは、図11のフローチャートのステップS150〜ステップS157に続くものであり、図11のフローチャートのステップS150〜ステップS157の詳細な説明は省略する。
【0107】
図11のステップS156において、アクセス判定対象ユーザの中に参照情報L1へアクセスしていないユーザが存在していると判定された場合(ステップS156でNO)、CPU30は文書D1を個人ボックスG1からグループボックスG2に移動するとともに、参照情報L1を削除する(図13のステップS178)。そして、グループボックスG2の文書D1にユーザからのアクセスがあるか否かの判定を行う(ステップS179)。
【0108】
アクセスがないと判定された場合(ステップS179でNO)、ユーザからのアクセスがあるまで待つ。一方、アクセスありと判定された場合(ステップS179でYES)、そのままグループボックスG2に保存されている文書D1を提供する(ステップS180)。つまり、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の削除指示の実行が留保される。
次に、グループボックスG2の文書D1にアクセスしたユーザの情報を保存し(ステップS181)、次いで、グループボックスG2の文書D1にアクセス判定対象ユーザの全員がアクセスしたか否かの判定を行う(ステップS182)。
【0109】
全員がアクセスしたのでなければ(ステップS182でNO)、まだ文書D1にアクセスしていないユーザがいるから、ステップS179に戻る。全員がアクセスしたと判定された場合(ステップS182でYES)、ユーザ間で文書D1の情報が共有されたから、CPU30は、グループボックスG2から文書D1を削除し(ステップS183)、処理を終了する。
【0110】
このように、この実施形態によれば、文書D1の削除指示がなされた際に、アクセス判定対象ユーザのうちの一部が参照情報L1にアクセス済みであるが全員がアクセスしていない場合には、元の文書D1がグループボックスG2に移動され、参照情報L1は削除されるから、ユーザは削除対象の文書D1に直接アクセスすることができる。つまり、アクセス判定対象ユーザの全員に文書D1が提供されるまで、文書D1がグループボックスG2で保持されることにより、アクセス判定対象ユーザに対して文書D1の削除指示の実行が留保されるから、アクセス判定対象ユーザの間で同一の文書D1を共有することができる。また、その間に個人ボックスG1のユーザが個人ボックスG1にアクセスしても、文書D1は個人ボックスG1からは削除されているため、個人ボックスG1のユーザに対しては、削除指示が実行された状態となっている。また、アクセス判定対象ユーザ全員に文書D1が提供された後は、グループボックスG2内の文書D1は削除され、文書D1の削除指示が実行されるから、削除指示が実行されない状態が必要以上に継続されるのを防止できる。
【0111】
上記実施形態においても、グループボックスG2が画像処理装置2に存在するものとして説明したが、グループボックスG2及び個人ボックスG1ともに同一の画像処理装置1に存在していても良い。
【0112】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることはない。例えば、グループ内のユーザ全員が文書D1の更新、削除等に同意した場合には、文書D1の更新前あるいは削除前に参照情報L1にアクセスしていないユーザが存在していても、更新や削除を参照情報に直ちに反映させるものとしても良い。また、グループ内の任意のユーザ、あるいは権限を有するユーザが更新や削除に同意した場合に反映させる構成としてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置としてMFPを例示したが、本発明は、ボックス機能を有する装置であればMFPに限定されない。例えば、スキャナやプリンタ等にも本発明を適用しうる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理システムを示す図である。
【図2】画像処理装置の構成を示す図である。
【図3】画像処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートの続きである。
【図6】第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の動作を模式的に説明する図である。
【図7】第2実施形態に係る画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートの続きである。
【図9】第3実施形態に係る画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートの続きである。
【図11】第4実施形態に係る画像処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートの続きである。
【図13】第5実施形態に係る画像処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
1、2・・・画像処理装置
3,4,5・・・端末装置
6,7・・・FAX端末装置
11・・・操作装置
12・・・ディスプレイ
13・・・スキャナ装置
14・・・プリンタ装置
16・・・通信インターフェイス
20・・・制御部
30・・・CPU
31・・・ROM
32・・・RAM
33・・・受信部
34・・・送信部
35・・・ハードディスク(HDD)
G1・・・個人ボックス
G2・・・グループボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを保存する第1の記憶領域と、
同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザがアクセス可能な第2の記憶領域に、前記第1の記憶領域に保存されているコピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、前記コピー元データを第2の記憶領域にコピーするコピー手段と、
前記コピー手段により第2の記憶領域に保持された参照情報に、第2の記憶領域を共有するグループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザがアクセスしたかどうかを判定する判定手段と、
前記コピー元データの変更が指示された際に、前記アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に前記参照情報にアクセスしていることが前記判定手段により判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
コピー元データの変更がコピー元データの更新である請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
コピー元データの変更がコピー元データの削除である請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、
前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を更新前のコピー元データに設定することにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を更新後のコピー元データに設定することにより前記留保を解除する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、
更新前のコピー元データと更新後のコピー元データの差分情報を第1の記憶領域に保持する差分情報保持手段と、
更新前のコピー元データ及び前記差分情報から、更新後のコピー元データを第1の記憶領域に作成するデータ作成手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を更新前のコピー元データに設定することにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに変更することにより前記留保を解除する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、
更新前のコピー元データとは別に、更新後のコピー元データを第1の記憶領域に作成するデータ作成手段を備え、
前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を更新前のコピー元データに設定することにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに変更することにより前記留保を解除する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記コピー元データの変更がコピー元データの更新であり、
更新前のコピー元データとは別に、更新後のコピー元データを第1の記憶領域に作成するデータ作成手段と、
更新前のコピー元データを第2の記憶領域に移動させる移動手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供されるまでは、第2の記憶領域に移動された更新前のコピー元データに直接アクセス可能とすることにより、コピー元データの更新指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てに更新前のコピー元データが提供された後は、参照情報の参照先を、前記データ作成手段により作成された更新後のコピー元データに設定することにより前記留保を解除する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記コピー元データの変更がコピー元データの削除であり、
前記制御手段は、削除指示後もコピー元データを削除することなく第1の記憶領域に保持するとともに、前記アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供されるまでは、前記参照情報の参照先を前記保持されたコピー元データに設定することにより、コピー元データの削除指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供された後に、前記保持されているコピー元データを削除することにより前記留保を解除する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記コピー元データの変更がコピー元データの削除であり、
削除指示がなされた後にコピー元データを第2の記憶領域に移動させる移動手段を備え、
前記制御手段は、前記アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供されるまでは、前記移動手段により第2の記憶領域に移動されたコピー元データに直接アクセス可能とすることにより、コピー元データの削除指示の実行を留保し、アクセス判定対象ユーザの全てにコピー元データが提供された後は、前記第2の記憶領域に移動されたコピー元データを削除することにより前記留保を解除する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記留保の解除後に、第2の記憶領域に参照情報として保持されることによりコピーされたデータの内容が変更されたことを、アクセス判定対象ユーザに通知する通知手段を備えている請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記第2の記憶領域は自装置内に設けられている請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記第2の記憶領域は他の画像処理装置に設けられている請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザがアクセス可能な第2の記憶領域に、第1の記憶領域に保存されているコピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、前記コピー元データを第2の記憶領域にコピーするステップと、
前記第2の記憶領域に保持された参照情報に、第2の記憶領域を共有するグループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザがアクセスしたかどうかを判定するステップと、
前記コピー元データの変更が指示された際に、前記アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に前記参照情報にアクセスしていることが判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除するステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
同一のグループに属する複数のユーザで共有され、前記グループの各ユーザがアクセス可能な第2の記憶領域に、第1の記憶領域に保存されているコピー元データを参照先とする参照情報を保持させることにより、前記コピー元データを第2の記憶領域にコピーするステップと、
前記第2の記憶領域に保持された参照情報に、第2の記憶領域を共有するグループ内の全てのユーザ又は予め設定されたユーザで構成されるアクセス判定対象ユーザがアクセスしたかどうかを判定するステップと、
前記コピー元データの変更が指示された際に、前記アクセス判定対象ユーザの一部のみが、コピー元データの変更前に前記参照情報にアクセスしていることが判定された場合は、前記アクセス判定対象ユーザに対しコピー元データの変更指示の実行を留保して、前記アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データを提供し、アクセス判定対象ユーザの全てに変更前のコピー元データが提供された後に前記留保を解除するステップと、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−219802(P2008−219802A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57711(P2007−57711)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】