説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、記憶媒体

【課題】操作画面上に表示される編集画面でのユーザの操作性を向上させること。
【解決手段】画像処理装置のCPUは、複数の設定項目と当該複数の設定項目のそれぞれに設定された設定内容を表示可能な操作画面400aを表示し、前記操作画面400aに表示される複数の設定項目のうち、いずれかの設定項目に対応する設定内容を編集するための編集画面4009を表示し、前記操作画面400aに表示された前記設定内容が前記編集画面4009によって隠れるときに、当該設定内容を前記編集画面4009に表示する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の設定項目と当該複数の設定項目のそれぞれに設定された設定内容を表示可能な操作画面を表示する操作画面表示手段を有する画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機,レーザビームプリンタ等の画像処理装置は、一般的にCCDラインセンサ等の光電変換素子を用いて原稿を1ライン毎に画素単位で主走査方向の読み取りを行うとともに、該主走査方向に対して垂直な副走査方向に光電変換素子と原稿とを相対的に移動させることにより、光電変換素子によって電気的に読み込まれた原稿画像を印刷出力するように構成されている。
【0003】
上述した画像処理装置は、印刷方法等に関するさまざまな機能を備えており、前記機能の設定を指示するための操作指示入力手段と、前記操作指示入力手段からの指示によって設定された機能の設定値等をユーザに表示する表示手段を備えている。従来の画像処理装置においては、通常この表示手段はCRTまたは液晶表示装置等から構成され、ユーザはこの表示手段の画面によって、画像処理装置の各機能に対して指示された設定値等を確認することができる。
【0004】
操作指示入力手段としては、ハード的なキーまたはボタンによる入力とともに、表示手段の画面上に配置されたタッチパネルシートなどの座標入力装置等を用いて、画面上に表示されたソフト的なキーをタッチパネルシート上から押下することにより、操作指示等を入力するように構成されている。
【0005】
また、従来の画像処理装置に備えられる各機能の設定情報の中には、文字,数字等の入力を必要とする設定情報がある。該設定情報を入力する場合には、表示手段の画面上に設定情報が入力される領域である設定情報入力部(文字入力部)とともに、ソフト的な仮想キーボードを表示手段に表示し、該仮想キーボードを用いて設定情報を入力し、該入力された文字列を設定情報入力部に表示するように構成されている。
【0006】
該仮想キーボードを用いた設定情報の入力方法では、具体的には、表示手段の画面上の中から、設定を入力する設定情報入力部を指定して、仮想キーボードの表示を指示するためのソフトキーまたはハードキーを操作し、仮想キーボードを表示手段に表示する。仮想キーボードからの入力は設定情報入力部に反映され、目的の設定情報を入力することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の画像処理装置においては、上記した仮想キーボードによる設定情報の入力時において、仮想キーボードを表示画面上の設定情報入力部と重ならない位置に表示しないと、設定情報入力部が仮想キーボードによって隠れてしまうため、入力した設定情報を目視確認しながら仮想キーボードからの設定情報入力を行うことができなくなり、誤入力が発生したり操作性の低下を招く。
【0008】
しかし、表示画面(操作画面)における設定情報入力部の配置によっては、設定情報入力部と重ならない位置に仮想キーボードを表示することができない場合がある。このため、表示画面上のレイアウトを変更して、仮想キーボードが表示されてもそれと重ならないような位置に設定情報入力部を配置したり、仮想キーボードのサイズを全体的に小さくするなどして、設定情報入力部と仮想キーボードが重ならないように表示手段に表示している。
【0009】
上述した理由により、設定情報入力部の表示手段上の配置がある程度制限されてしまうので、表示画面のデザインの自由度が低くなり、見栄えや操作性が低下してしまうという問題点があった。さらに、タッチパネルから指によって仮想キーボードのキーを直接押下する場合には、仮想キーボードの表示サイズが小さくなると、目的のキーを押下する際にそのキーと隣り合ったキーとを同時に押下してしまう等の誤入力が発生しやすく、操作性が著しく低下してしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、操作画面に表示された設定内容が編集画面によって隠れるときに、当該設定内容を編集画面に表示することによって、ユーザの操作性を向上させることができる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の設定項目と、当該複数の設定項目のそれぞれに設定された設定内容を表示可能な操作画面を表示する操作画面表示手段と、前記操作画面に表示される複数の設定項目のうち、いずれかの設定項目に対応する設定内容を編集するための編集画面を表示する編集画面表示手段とを有し、前記編集画面表示手段は、前記操作画面に表示された前記設定内容が前記編集画面によって隠れるときに、当該設定内容を前記編集画面に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作画面に表示された設定内容が編集画面によって隠れるときに、当該設定内容を編集画面に表示することによって、ユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像処理装置のシステム全体の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示したスキャナとプリンタとを説明する図である。
【図3】図1に示した操作部の構成の一例を説明する図である。
【図4】図1に示した操作部および操作部I/Fの詳細構成を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す画像処理装置の機能構成の一例を説明するブロック図である。
【図6】図3に示した画面出力デバイスに表示される操作画面の一例を説明する図である。
【図7】図3に示した画面出力デバイスに表示される仮想キーボードの一例を説明する図である。
【図8】図3に示した画面出力デバイスに表示される操作画面の一例を説明する図である。
【図9】本発明に係る画像処理装置における第1のデータ処理手順の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図9を参照して、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を示す画像処理装置のシステム全体の構成を説明するブロック図である。
【0016】
図において、2000はController Unit(コントローラ)で、画像入力デバイスであるScanner(スキャナ)2070および画像出力デバイスであるPrinter(プリンタ)2095等と接続し、一方ではLAN(Local Area Network)2011または公衆回線(WAN(Wide Area Network))2051と接続することで、画像情報,デバイス情報等の入出力を行う為のコントローラである。
【0017】
2001はCPUで、システム全体を制御するコントローラである。2002はRAMで、CPU2001が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。2003はROMで、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。2004はHDD(ハードディスクドライブ)で、システムソフトウェア,画像データ等を格納する。
【0018】
2006は操作部I/Fで、操作部(UI(User Interface))2012とコントローラ2000とを接続するインターフェース部であり、操作部2012に表示する画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部2012から本システム使用者が入力した情報を、CPU2001に伝える役割をする。
【0019】
2010はNetworkI/F(ネットワークインタフェース)で、LAN2011に接続しコントローラ2000とLAN2011のと情報の入出力を行う。2050はModem(モデム)で、公衆回線(WAN)2051に接続しコントローラ2000とWAN2051との情報の入出力を行う。上述した各デバイス等がシステムバス2007に接続され配置される。
【0020】
2005はImage BusI/F(画像バスインタフェース)で、システムバス2007と画像データを高速で転送する画像バス2008とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394で構成され、画像バス2008上には以下に示すデバイス等が接続され配置される。
【0021】
2060はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、LAN2011等に接続されるコンピュータ5001等から送信されるPDL(ページ記述言語)コードをビットマップイメージに展開する。2002はデバイスI/F部で、画像入出力デバイスであるスキャナ2070,プリンタ2095とコントローラ2000を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0022】
2080はスキャナ画像処理部で、スキャナ2070から入力される画像データに対する補正,加工,編集等を行う。2090はプリンタ画像処理部で、プリンタ2095で出力する画像データに対して、プリンタ2095の特性等に基づく補正,解像度変換等を行う。2030は画像回転部で、画像データの回転処理を行う。2040は画像圧縮部で、多値画像データはJPEG等,2値画像画像データはJBIG,MMR,MH等の圧縮伸長処理を行う。
【0023】
2071は画像入力部インタフェースで、デバイスI/F2020とスキャナ2070とを接続する。2096は印刷部インタフェースで、デバイスI/F2020とプリンタ2095とを接続する。
【0024】
以下、図2を参照して画像入出力デバイスを説明する。
【0025】
図2は、図1に示したスキャナ2070とプリンタ2095とを説明する図である。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。以下、構成および動作について説明する。
【0026】
図において、2072は原稿フィーダで、トレイ2073に載置される原稿を図示しない原稿台に給送し、スキャナ2070による原稿読み取りが終了すると、原稿台ガラスに載置される原稿を排紙する。2101〜2104は用紙カセットで、プリンタ2095で画像が形成される異なる用紙サイズ,異なる用紙向きの用紙を格納する。2111は排紙トレイで、プリンタ2095で画像が形成された用紙が排紙されるトレイである。
【0027】
以下、動作について説明する。画像入力デバイスであるスキャナ2070は、図示しない原稿台に載置される原稿の画像に光を照射し、図示しないCCDラインセンサで走査することで、原稿画像をラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダ2072のトレイ2073にセットし、装置使用者が操作部2012から読取起動を指示することにより、CPU2001がスキャナ2070に画像入力部インタフェース2071を介して指示を与え、フィーダ2072はトレイ2073に載置される原稿用紙を1枚ずつ原稿台にフィード(供給)して、原稿画像の読取動作を行う。
【0028】
画像出力デバイスであるプリンタ2095は、印刷部インタフェース2096を介して図1に示したコントローラ2000から送信されるラスタイメージデータを用紙上に形成する部分であり、その方式は図示しない感光体ドラムまたは感光体ベルトを用いた電子写真方式,微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印刷するインクジェット方式等があるが、どのような画像形成方式でもよい。
【0029】
プリンタ2095のプリント動作の起動は、コントローラ2000のCPU2001から印刷部インタフェース2096を介して送信される指示によって開始される。プリンタ2095には異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセット2101、2102、2103、2104を備えている。また、排紙トレイ2111はプリンタ2095で印刷が終了した用紙を積載するものである。
【0030】
図3は、図1に示した操作部2012の構成の一例を説明する図である。
【0031】
図において、2013は画面出力デバイスで、LCD,CRTディスプレイ等から構成され、本実施形態のシステム(画像処理装置)の操作画面およびソフトキーを表示するものである。なお、画面出力デバイス2013上にタッチパネルシート2019が貼られており、画面出力デバイス2013に表示されるソフトキーが押下されると、タッチパネルシート2019は押下された位置情報を図1に示すコントローラ2000のCPU2001に伝える。
【0032】
2014はスタートキーで、原稿画像の読み取り動作を開始するとき等に押下するハードキーである。スタートキー2014の中央部には、緑と赤の2色のLED2018が備えられ、LED2018の発光色によってスタートキー2014が使用できる状態にあるかどうかを示す。2015はストップキーで、稼働中の動作を中止または中断する場合に押下するハードキーである。2016はIDキーで、使用者のユーザIDを入力する時に押下するハードキーである。2017はリセットキーで、操作部2012から入力される画像処理装置の設定を初期化する時に押下するハードキーである。
【0033】
図4は、図1に示した操作部2012および操作部I/F2006の詳細構成を説明する図である。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0034】
図において、CPU2001は、ROM2003のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス2007に接続される各種デバイスとのアクセスを総括的に制御し、画像入力部インタフェース2071を介して接続されるスキャナ2070から入力情報を読み込み、印刷部インタフェース2096を介して接続されるプリンタ2095に出力情報としての画像信号を出力する。
【0035】
また、ROM2003のプログラム用ROMには、図9のフローチャートで示されるような制御プログラムが記憶されている。RAM2002はCPU2001の主メモリ,ワークエリア等として機能する。
【0036】
CPU2001は、操作部I/F2006内の操作入力部I/F(入力ポート)20061を介して、タッチパネル2019,ハードキー2014〜2017からのユーザ入力を受け取り、操作内容を取得する。
【0037】
該取得した操作内容と前述の制御プログラムに基づいて、CPU2001において画面出力デバイス2013に表示する表示画面データが生成され、画面出力デバイス2013を制御する出力デバイスコントローラ(出力ポート)20062を介して、LCD,CRT等から構成される画面出力デバイス2013に表示画面を出力する。
【0038】
図5は、本発明の一実施形態を示す画像処理装置の機能構成の一例を説明するブロック図である。
【0039】
図4に示すタッチパネル2019は、ユーザによるパネル押下位置の座標情報を入力判定部3002に送信する。入力判定部3002では、タッチパネル2019から送信された座標位置情報と図4に示したROM2003,HDD2004等に記憶される座標データ3006(画面出力デバイス2013に表示される文字入力部の表示位置座標等を含む)とに基づいて、文字入力部ヘの入力指示が行なわれたかどうかを判定する。文字入力部への入力指示が行なわれたと判定した場合は、キーボード処理部3003に対して仮想キーボードの作成を要求する。
【0040】
また、既に仮想キーボードが画面出力デバイス2013に表示されている場合は、仮想キーボードに表示されるキーの表示位置座標を含む座標データ3006に基づいて、仮想キーボードのキーが押下されたかどうかを判定し、キーが押下されたと判定した場合は押下されたキーの種類情報をキーボード処理部3003に伝達する。
【0041】
キーボード処理部3003は、仮想キーボード作成要求を受け取ると、図1に示したROM2003,HDD2004等に記憶されるキーボードデータ3008に基づいて仮想キーボードを作成する。さらに、仮想キーボード上の入力文字表示部に、タッチパネル2019上で入力を指示された文字入力部に表示される図1に示すRAM2002等に記憶される文字列データ3007を設定し、作成した仮想キーボードの表示をキーボード表示部3004に要求する。
【0042】
また、仮想キーボードの押下されたキーの種類情報を受け取った場合は、仮想キーボード上の入力文字表示部にキーの種類情報に対応する文字等を設定して、同じく仮想キーボードの再表示をキーボード表示部3004に要求する。
【0043】
キーボード表示部3004は、画面出力デバイス2013等の表示手段に対して、表示を要求された仮想キーボードを表示し、画面出力デバイス2013に表示される操作画面を更新表示する。
【0044】
以下、図6〜図8を参照して、図3に示した画面出力デバイス2013に表示される画面について説明する。
【0045】
図6は、図3に示した画面出力デバイス2013に表示される操作画面の一例を説明する図である。
【0046】
図において、4000aは操作画面である。10はコピーキー(COPY)で、本実施形態で示す画像処理装置が有するコピー機能に対して操作,設定等を入力する際に押下するキーであり、コピーキー10を押下すると、画面出力デバイス2013の表示は図示しないコピー機能操作画面に切り替わる。なお、このコピー機能操作画面では、本実施形態の画像処理装置が備える複数の画像形成機能に対して操作,設定等を入力することができる。
【0047】
11はSENDキーで、本実施形態で示す画像処理装置が有する機能であるE−mail等の送信機能,FaxまたはInternet Faxによる送信機能等の各種送信機能に対して操作,設定等を入力する際に押下するキーであり、SENDキー11を押下すると、画面出力デバイス2013の表示はSEND機能操作画面に切り替わる。なお、操作画面4000aは前記SEND機能操作画面に対応するものである。
【0048】
12はRETRIEVEキーで、本実施形態で示す画像処理装置が有する機能である必要な情報を選択受信する機能、例えばインターネットアドレスを指定して図1に示したモデム2050を介してWAN2051であるインターネットのWWW(World−Wide Web)からHTMLファイル等を受信する機能,例えば指示された時間に図1に示したLAN2011またはWAN2051に接続される図示しないメールサーバ等からE−mailを受信する機能,例えばFAXのポーリング受信する機能等の各種RETRIEVE機能に対する操作,設定等を入力する際に押下するキーであり、RETRIEVEキーを押下すると、画面出力デバイス2013の表示は図示しないRETRIEVE機能操作画面に切り替わる。
【0049】
13はアドレスブックキーで、HDD2004に登録される送信先アドレスを画面出力デバイス2013内の送信先リスト19に追加し、表示させる場合に押下する。14は新規登録キーで、新しく送信先アドレスを送信先リスト19に追加させる場合に押下する。15は編集キーで、送信先リスト19に表示された送信先アドレスを編集する際に押下する。16は削除キーで、送信先リスト19の送信先アドレスを送信先リスト19から削除する際に押下する。17はスキャンセッティングキーで、図1に示したスキャナ2070の設定を行う場合に押下する。
【0050】
19はDESTINATION表示欄(送信先リスト)で、送信先のリスト一覧が表示される。例えば、送信先リスト19には、E−mail,LAN2011等に接続されるプリンタおよびプリンタのIPアドレス,サーバ名,グループ名等が表示される。
【0051】
4001は表題表示部で、文字入力部4002に表示する設定情報である文字列の表題(タイトル)である「主題(Subject)」が表示されている。4003は表題表示部で、文字入力部4004に表示する文字列の表題「メッセージ(Message)」が表示されている。4005は表題表示部で、文字入力部4006に表示される文字列の表題「ファイル名(FileName)」が表示される。4007は表題表示部で、文字入力部4008に表示される文字列の表題「署名(Signature)」が表示される。なお、文字入力部4008には既に入力されている「Sincerely」が表示されている。
【0052】
図6に示されるように、操作画面4000aにおいて、文字入力部4002,4004,4006,4008はユーザが入力した設定情報である文字列を表示する。また、表題表示部4001,4003,4005,4007には上記の文字入力部4002,4004,4006,4008に表示される文字列が機能設定においてどのような意味を表すのかを示した表題(タイトル)が表示されている。
【0053】
図6に示した操作画面4000a(SEND機能操作画面)において入力される文字列としては、具体的には、他のコンピュータやサーバ等に送信するメール等につける主題(Subject),メッセージ(Message),署名(Signature),ファイルサーバ等に送信したファイルを保存する際のファイル名(FileName)等がある。
【0054】
本実施形態では、一例として署名を表示する文字入力部4008に表示された文字列を、画面出力デバイス2013に操作画面4000a上に重なって表示される仮想キーボードによって編集する場合について説明する。
【0055】
まず、図6に示した文字入力部4008が押下されて文字入力対象として文字入力部4008が選択されると、従来の画像処理装置ならば操作画面において文字入力部4008が隠れない位置に、仮想キーボードが表示された。
【0056】
しかし、図6に示した操作画面4000aのように文字入力部4008が画面のほぼ中央に位置しているような場合は、文字入力部4008が隠れないように仮想キーボードを画面出力デバイス2013に表示することは難しく、仮想キーボードの大きさを小さくする,仮想キーボードのキーの数を減らす等の仮想キーボードの変更が必要であった。
【0057】
上述するような仮想キーボードの変更は、いずれもユーザに対して仮想キーボードからの入力を困難にし、誤入力が生じる原因となる。従来の画像処理装置に対して本実施形態では、文字入力対象として文字入力部4008が選択されると、以下で説明する図7に示す入力文字表示部4011が付随した仮想キーボード4009を画面出力デバイス2013に表示する。
【0058】
図7は、図3に示した画面出力デバイス2013に表示される仮想キーボードの一例を説明する図である。
【0059】
図において、4009は仮想キーボードで、図4に示した画面出力デバイス2013に操作画面4000aに重ねられて表示される。4010は表題表示部で、選択された図6に示す操作画面4000aの文字入力部4008の表題「署名(Signature)」が表示されている。4011は入力文字表示部で、文字入力部4008が選択されたときに文字入力部4008に表示されていた「Sincerely」が表示されている。
【0060】
4012はキャンセルキーで、文字入力を中止する場合に押下する。4013はOKキーで、文字入力を完了した場合に押下する。4014はキー群で、数字,アルファベット,各種記号(たとえば「@」,「/」,「.」,「,」,「_」,「:」,「;」,「〜」等のインターネットのホームページアドレスおよびE−mailアドレスを入力するために必要となる記号を含む)等の文字が表示されるキーおよび入力文字表示部4011に表示される文字列を編集する場合に使用するキー(Deleteキー,AllClearキー,Returnキー等)から構成され、キーを押下することにより押下したキーに表示される数字,アルファベット,各種記号等が入力文字表示部4011に表示される。
【0061】
4015はカーソル移動キーで、入力文字表示部4011に表示されるカーソルを左右に移動する際に押下する。4016はカーソル移動キーで、入力された文字列が1行で表示しきれない場合に、入力文字表示部4011を上下にスクロールさせる場合に押下する。
【0062】
4017はWWWキーで、このキーを押下することにより、入力文字表示部4011に「www.」と一度に入力される。4018はcomキーで、このキーを押下することにより入力文字列表示部4011に「com」と一度に入力される。
【0063】
上述するように、入力文字表示部4011には、先ほど選択された図6に示した文字入力部4008に表示されていた文字が表示される。また、表題表示部4010には仮想キーボード4009から入力している文字列がこの画像処理装置の機能設定に対してどのような意味を表すのかを示したタイトルを表示するものであり、図6に示した表題表示部4001,4003,4005,4007に対応する。
【0064】
文字入力部4008が選択されたときは、それに対応する表題表示部4007に表示されるタイトル「Signature」と同じものが仮想キーボード4009における表題表示部4010に表示される。仮想キーボード4009のキー群4014から入力された文字は入力文字表示部4011のカーソル表示位置に表示される。
【0065】
ユーザは仮想キーボード4009上のキー群4014等を押下することによって文字の入力,削除,訂正等の入力文字表示部4011に表示される文字列の編集を行うことができる。本実施形態では、一例として文字列を「Sincerely」から「Sincerely yours.」と編集したものとする。編集が終了したら、OKキー4013を押下することによって、以下で説明する図8に示す操作画面4000aが表示される。
【0066】
図8は、図3に示した画面出力デバイス2013に表示される操作画面4000aの一例を説明する図であり、図7に示した仮想キーボード4009で文字列を編集し、OKキー4013を押下した場合に表示される操作画面である。なお、図6と同一のものには同一の符号を付してある。
【0067】
図において、画面出力デバイス2013上では図7に示した仮想キーボード4009を消去され、文字入力部4008に仮想キーボード4009で編集した文字の内容が反映され表示される。
【0068】
なお、図7に示した仮想キーボード4009上で文字を編集した後、CANCELキー4012を押下すると、キャンセルキーを押下するまでの仮想キーボード4009上での文字編集内容が取り消され、図6に示した操作画面4000aのように、文字入力部4008における文字列は、仮想キーボード4009を画面出力デバイス2013に表示する前の状態のままとなる。
【0069】
このように、本実施形態では図4に示したタッチパネル2019のパネル押下等による操作画面上の文字入力部に文字入力を指示することによって、図4に示した画面出力デバイス2013等の表示手段に図7に示した入力文字表示部4011を備える仮想キーボード4009を表示することにより、目的の文字入力部に文字入力を行なう設定情報入力手段をもつ画像処理装置を提供することができる。
【0070】
なお、本実施形態においては、本実施形態の画像処理装置が有する機能の1つであるSEND機能に対して操作,設定を入力するSEND機能操作画面において文字入力を行う場合を一例に挙げて説明しているが、図3に示した画面出力デバイス2013に表示される他の画面、例えばコピー機能操作画面,RETRIEVE機能操作画面等でも上述したものと同様に文字入力を行うことができる。
【0071】
以下、図9のフローチャートを参照して、本実施形態の画像処理装置における文字入力部に対する文字列編集処理手順を説明する。
【0072】
図9は、本発明に係る画像処理装置における第1のデータ処理手順の一例を説明するフローチャートである。なお、(1)〜(9)は各ステップを示す。また、この処理手順は、図4に示したROM2003のプログラム用ROMに格納されており、CPU2001により必要な時に実行される。
【0073】
また、図5に示した座標データ3006,文字列データ3007,キーボードデータ3008はROM2003のデータ用ROMからRAM2002に転送される。
【0074】
まず、ステップ(1)において、図3に示した画面出力デバイス2013に表示されている操作画面4000aの文字入力部4002,4004,4006,4008に対して、文字の入力指示が行われたかどうかを判定する。ステップ(1)では、図4に示したCPU2001は、画面出力デバイス2013に重ねられたタッチパネル2019からユーザが押下した画面の位置情報を入力し、さらに図5に示した操作画面4000aの座標データ3006をRAM2002から入力し、ユーザが押下した画面の位置座標と座標データ3006に基づいて、文字入力指示かどうか、どの文字入力部に対する入力指示なのかを判定する。
【0075】
なお、ステップ(1)における判定はタッチパネル2019が押下される度に毎回行なわれ、文字入力部に対する入力指示があったと判断されるまで繰り返される。ステップ(1)において、文字の入力指示があった場合、すなわち文字の入力指示が行われたと判定した場合は、操作画面4000aに表示されるどの文字入力部に対する入力指示なのかを判定した後、ステップ(2),(3)において、文字の入力が指示された文字入力部が現在表示している文字列データ3007、図3に示した画面出力デバイス2013に仮想キーボード4009を表示するためのキーボードデータ3008を入力する。
【0076】
次に、ステップ(4)において、ステップ(2),(3)で入力されたデータに基づいて仮想キーボード4009を作成して、図7に示したように画面出力デバイス2013に表示する。仮想キーボード4009を表示した後は、ステップ(5)において、仮想キーボード4009からキー入力が行われたかどうかを判定する。
【0077】
ステップ(5)では、ステップ(1)と同様に、タッチパネル2019からの押下された画面の位置情報と、キーボードデータ3008を入力して、押下された画面の位置情報とキーボードデータ3008とに基づいて、画面出力デバイス2013に表示した仮想キーボード4009のキーが押下されたかどうかを判定する。
【0078】
ステップ(5)で、仮想キーボード4009のキー入力ではないと判定された場合は、ステップ(5)に戻って仮想キーボード4009のキー入力を待つ処理を繰り返す。仮想キーボード4009のキーが押下されたと判定した場合は、ステップ(6)に進み、仮想キーボード4009のどのキーが押下されたのかを判定し、押下されたキーの種類によって処理を分岐させる。
【0079】
ステップ(6)において、OKキー4013、CANCELキー4012以外のいずれかのキーが押下されたと判定した場合は、ステップ(9)に進み、押下されたキーの種類によって仮想キーボード4009上の入力文字表示部4011の文字列を編集し、編集した文字列を図7に示した入力文字表示部4011に表示する。それから、ステップ(5)に戻り、処理を繰り返す。
【0080】
一方、ステップ(6)において、OKキー4013が押下されたと判定した場合は、ステップ(7)に進み、仮想キーボード4009上の入力文字表示部4011が表示している文字列を文字入力部4008の文字列に代入し、ステップ(8)で仮想キーボード4009を画面出力デバイス2013の操作画面4000a上から消去し、処理を終了する。
【0081】
一方,ステップ(6)において、CANCELキー4012が押下された場合は、文字入力部4008に対する処理はせずにステップ(8)で仮想キーボード4009を画面出力デバイス2013の操作画面4000a上から消去し、処理を終了する。
【0082】
以上説明した本実施形態をまとめると、従来の画像処理装置では、画面出力デバイスに表示される操作画面上に重ねて仮想キーボードを表示して文字を入力する方法では、入力した文字を表示する文字入力部と表示した仮想キーボードとが操作画面上で重ならないように、文字入力部や仮想キーボードの表示位置のレイアウトを調整したり、仮想キーボードの表示サイズを小さくする、仮想キーボード上のキーの数を減らすなどの制約が必要であった。そのため、画面デザインの自由度が低くなる、仮想キーボードによる文字入力が困難になるなどの問題があった。
【0083】
しかし、上記従来の画像処理装置に対して、本実施形態で示した画像処理装置では、仮想キーボード4009に入力文字表示部4011が付随しており、入力文字表示部4011の文字が操作画面4000a上のどの文字入力部に対する文字入力かを示すタイトルが仮想キーボード4009の表題表示部4010に表示される。
【0084】
このため、仮想キーボード4009を画面出力デバイス2013の任意の位置に表示してもよく、操作画面4000a上のどの位置に重なるように表示してもよく、また、仮想キーボード4009のサイズ,配置されるキーの数も、仮想キーボード4009と操作画面4000a上の文字入力指定された文字入力部が重なることを避ける必要がなく、したがって従来の画像処理装置における仮想キーボードの表示制約を受けないので、ユーザにとってキー入力し易い仮想キーボードを設計し表示することができ、ユーザの操作性を格段に向上することができる。
【0085】
さらに、本実施形態の画像処理装置の操作画面において、画面のデザインの自由度を犠牲にすることなく、操作性のよい仮想キーボードを提供することができ、操作画面における文字入力の操作性の向上が期待できる等の効果を奏する。
【0086】
なお、本実施形態において、文字入力部に入力する文字が数字である場合に、図7に示した仮想キーボード4009を表示するのではなく、仮想テンキーを画面出力デバイス2013に表示させるように構成してもよい。この場合も仮想テンキーには入力文字表示部があり、入力された数字がこの入力文字表示部に表示される。
【0087】
さらに、図7に示した仮想キーボード4009の入力文字表示部4011は入力された文字列を複数行表示可能に構成してもよい。このように構成することにより、多くの文字を入力する場合でも、スクロールキーを用いることなく文章全体を見ながらスムーズに入力することができる。また、仮想キーボード4009から平仮名,カタカナが入力可能に構成されていてもよい。
【0088】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出して実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0089】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0090】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いることができる。
【0091】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0092】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0094】
さらに、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムをネットワーク上のデータベースから通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0095】
以上説明したように、文字入力画面を任意の位置にユーザが入力しやすい大きさで表示しても、設定画面の設定情報表示部の配置によらずユーザは文字入力画面から入力する情報を目視確認しながら入力操作することができ、ユーザの操作性を格段に向上させることができる等の効果を奏する。
【符号の説明】
【0096】
2000 コントローラ
2001 CPU
2002 RAM
2003 ROM
2004 HDD
2006 操作部I/F
2012 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目と、当該複数の設定項目のそれぞれに設定された設定内容を表示可能な操作画面を表示する操作画面表示手段と、
前記操作画面に表示される複数の設定項目のうち、いずれかの設定項目に対応する設定内容を編集するための編集画面を表示する編集画面表示手段とを有し、
前記編集画面表示手段は、前記操作画面に表示された前記設定内容が前記編集画面によって隠れるときに、当該設定内容を前記編集画面に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記操作画面に表示される複数の設定項目のうち、いずれかの設定項目を選択する選択手段をさらに有し、
前記編集画面表示手段は、前記操作画面に表示される複数の設定項目のうち、前記選択手段によって選択された設定項目に対応する設定内容を編集するための編集画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記編集画面を介して編集された設定内容を確定するための指示を受付ける受付手段をさらに有し、
前記受付手段によって前記指示を受付けた場合に、前記編集画面表示手段は前記編集画面を消去し、前記操作画面表示手段は前記編集画面を介して編集された設定内容を、前記操作画面に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記編集画面を介して編集された設定内容を取り消すための取消指示を受信する受信手段をさらに有し、
前記受信手段によって前記取消指示を受信した場合に、前記編集画面表示手段は前記編集画面を消去し、前記操作画面表示手段は前記編集画面を介して編集された設定内容を前記操作画面に表示しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受信手段によって前記取消指示を受信した場合に、前記編集画面表示手段は前記編集画面を消去し、前記操作画面表示手段は前記編集画面を介して編集される前に前記操作画面に表示されていた設定内容を前記操作画面に表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記編集画面表示手段は、前記操作画面に表示された前記設定内容と前記編集画面とが重なって表示されるときに、当該設定内容を前記編集画面に表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記編集画面は、文字列を編集するための仮想キーボードであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記文字列は、少なくとも数字、アルファベット、平仮名、カタカナのいずれかを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
複数の設定項目と、当該複数の設定項目のそれぞれに設定された設定内容を表示可能な操作画面を表示する操作画面表示工程と、
前記操作画面に表示される複数の設定項目のうち、いずれかの設定項目に対応する設定内容を編集するための編集画面を表示する編集画面表示工程とを有し、
前記編集画面表示工程では、前記操作画面に表示された前記設定内容が前記編集画面によって隠れるときに、当該設定内容を前記編集画面に表示することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−9611(P2010−9611A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190063(P2009−190063)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【分割の表示】特願平10−287787の分割
【原出願日】平成10年10月9日(1998.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】