説明

画像処理装置、画像出力用ファイル管理方法及びプログラム

【課題】 複数の結合画像を構成する各文書を出力が可能な結合画像出力用の文書として登録する際、文書のリソース占有を最小限にするとともに出力不可となる文書を最少化し、出力を可能にするための対処を容易に行えるようにする。
【解決手段】 結合画像の出力構成情報を予め登録する。複数の結合画像出力に用いる文書ファイルを登録するときに、出力可否判定手段112が結合画像出力の可否を結合文書と出力構成情報の印刷条件間に生じる矛盾の存否で判定し、文書情報登録手段103は出力可となる構成文書を出力結像画像ごとに出力構成情報として登録し、又出力不可に対応し再登録を受付ける。再登録時に構成文書が登録されている出力結像画像の構成文書を可能な限り改訂構成文書に置き換え、登録されていた構成文書を削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書情報を紙等の媒体を通して可視化像として出力する機能を持つ画像処理装置(例えば、プリンタ、MFP等)に関し、より詳しくは、複数の画像出力用ファイルを結合して1つの画像出力を行う際の出力管理機能を備えた画像処理装置、結合画像の出力用ファイルを管理する方法及び前記画像出力の管理機能を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、文書情報を可視化像として表すための処理を行う画像処理装置であり、紙を媒体とする装置として、例えば、プリンタ、MFP(Multi-Function Peripherals:複合機)等が広く普及している。
プリンタ、MFP等の画像処理装置は、ネットワークに接続され、ネットワーク上にある外部機によっても利用される。外部機は、PC(Personal Computer)やサーバといった文書情報を作成し、利用する機器であり、画像処理装置とデータ交換をすることによって画像処理システムを構成する。
上記画像処理システムでは、近年、画像処理装置の利用形態も多様化し、多数のユーザが各種の手段を用いて作成した文書に様々な出力条件を付与して画像(プリント)出力の要求をしてくるので、これらの要求に対応する処理機能が用意されている。なお、当該システムは通常、処理対象の文書をファイルの形で扱う。処理対象とする文書ファイルには、テキストのみならず、イメージ、グラフィックスが含まれる。よって、以下の記述で「文書」という場合、画像処理システムで処理の対象となる上記文書ファイルを意味する。
【0003】
プリンタ、MFP等の画像処理装置には、出力を要求して入力される文書を入力時にユーザの指示する出力条件に従いそのままプリント出力する機能のほかに、受付けた複数の文書を一旦格納し、その後、複数の文書を結合して一つの文書として画像出力(印刷)を行う機能がある。この機能を利用して結合する文書は、もとにする個々の文書が異なる作成者によって作成されたものや、結合画像の編集を各文書の作成者以外の人が行う場合もある。従って、それぞれ作成者によって異なる出力条件が付与されることもあって、上記機能を利用する際に、結合する文書が出力可能かどうかを判定し、可能と判定されない場合には、印刷不可とする画像出力の管理機能が提案されている。
上記の結合画像処理の管理機能を提案した従来例として、下記特許文献1を示すことができる。特許文献1には、処理を指示する操作者の作業負担を軽減させ、処理の効率化を図る目的で、複数の文書ファイルを一つの文書として仮想結合し、結合したとおりの文書の印刷等が行えるようにする管理方法が示されている。仮想結合文書による管理には、結合される個々の文書又はそれらの文書のサブグループに対して印刷不可が設定されている場合、その設定がなされた文書、またはサブグループを部分的に印刷できないようにするための構成が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただ、従来の結合画像処理の管理機能は、印刷時又は文書全体の登録時にのみ、結合される文書に対し、印刷不可が設定された文書の確認等を行って、印刷の可又は不可を判定し、判定結果に従って出力を管理し、また、結合される文書(全体)と個々の文書との間に出力条件の設定に矛盾があった場合に印刷を不実施とするだけで、それ以上の対処をするものではない。つまり、出力条件の設定に生じる矛盾によって印刷を不実施とする場合でも、矛盾を解消する修正を実施すれば、印刷が可能になるが、そのためには、個々の文書の作成者は、どの文書に対してどのような修正をすべきかを知る必要があるが、修正に必要な情報の提供がなく、直ちにこの判断ができないために、修正による対処が容易に行えない。
【0005】
ところで、本出願人は、それぞれ出力条件を付与して作成した個々の文書を結合して一つの出力画像を作成する結合画像出力処理に用いる各文書の登録時に、出力が不可であると判定された場合、個々の文書に付与された出力条件と結合画像出力に設定される出力条件との関係を文書の登録(作成)者が確認でき、出力を可能にするための対処を容易にすることを目的にした画像処理装置に係る発明(以下、「関連発明」という)を別出願で提出している。
ただ、この関連発明は、上記を基本的な目的とする点で本出願と共通するが、複数の結合画像の構成要素となる文書を結合画像出力用の文書として登録するという状況で機能させることを考慮していない。
【0006】
即ち、関連発明では、例えば、同一ユーザによる同一の文書を複数の結合画像の構成要素とする場合、登録しようとする構成要素となる文書が出力不可の要因になると、要因になった文書は抹消される。複数の結合画像の構成要素となっている文書が抹消されてしまうと、複数の結合画像のうちの出力が可能な他の結合画像についても登録した文書が削除され、全文書が揃わない状態になり、結合画像出力ができない状態になってしまう。
この状態は、登録しようとする文書を結合画像ごとに複数の文書ファイルとして、登録することにより、回避することが可能であるが、この場合、画像保存領域のリソースがその分占有されることになり、この解決方法によると、元にした文書の内容を変更した場合に、内容の同一性を保つためには、ユーザの操作によって複数の文書ファイルに対して再登録をする必要があり、処理負担増の問題が生じる。
【0007】
本発明は、それぞれ出力条件を付与して作成した個々の文書を結合して行う結合画像出力の管理機能を有する画像形成装置における従来技術の上記問題点に鑑みてなされたもので、その解決課題は、複数の結合画像の構成要素となる文書を出力が可能な結合画像出力用の文書として登録する際、文書のリソース占有を最小限にするとともに出力不可となる文書を最少化し、出力を可能にするための対処を容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを個別に管理するファイル管理手段と、前記ファイル管理手段によって管理される画像出力用ファイルを結合して結合画像出力用データを構成するための出力構成情報を管理する出力構成情報管理手段と、前記ファイル管理手段が結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを登録するときに、当該結合画像に対し予め定められた出力構成情報に示された出力条件、登録する画像出力用ファイルに設定された出力条件及び登録済み画像出力用ファイルにより追加される出力構成情報に示された出力条件に基づいて、当該結合画像の出力可否を判定する出力可否判定手段と、前記出力構成情報管理手段に対し、結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルが前記ファイル管理手段に登録される前に、予め定められた当該結合画像の出力構成情報を登録し、その上、前記出力可否判定手段によって出力可と判定された画像出力用ファイルの出力条件を当該結合画像の出力構成情報に追加登録し、かつ前記出力可否判定手段によって出力可と判定された画像出力用ファイルのファイル情報を当該結合画像の出力構成情報の画像出力用ファイル情報に登録する出力構成情報登録手段と、前記出力構成情報管理手段によって管理される出力構成情報をもとに結合画像出力用データを生成する手段を有する画像処理装置であって、複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定手段によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の全てが出力不可である場合に、前記出力構成情報登録手段は、当該ファイル情報を出力構成情報として登録せず、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該ファイルを削除し、複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定手段によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合に、前記出力構成情報登録手段は、不可にならない結合画像の出力構成情報に当該ファイル情報を登録し、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該ファイルの登録、管理を行うことを特徴とする。
本発明は、結合画像出力に用いる画像出力用ファイルとしてそれぞれ出力条件を付与して生成され、生成されたファイルを個々にファイル管理手段に登録する際に行う画像出力用ファイル管理方法であって、結合画像出力に用いる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録する前に、予め定められた当該結合画像の出力構成情報を登録する第1出力構成情報登録工程と、結合画像出力に用いる各画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに登録する画像出力用ファイルに設定された出力条件、前記第1出力構成情報登録工程で登録された当該結合画像出力の出力構成情報に示された出力条件及び登録済み画像出力用ファイルの登録により追加される出力構成情報に示された出力条件に基づいて、当該結合画像の出力可否を判定する出力可否判定工程と、前記出力可否判定工程で出力可と判定される度に、当該画像出力用ファイルの出力条件を当該結合画像の出力構成情報に追加登録し、かつ前記出力可否判定工程で出力可と判定された画像出力用ファイルのファイル情報を当該結合画像の出力構成情報の画像出力用ファイル情報に登録する第2出力構成情報登録工程と、複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定工程によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の全てが出力不可である場合に、当該ファイル情報を出力構成情報として登録せず、かつ前記ファイル管理手段に登録しようとした当該ファイルを削除する第1登録ファイル管理工程と、複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定工程によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合に、不可にならない結合画像の出力構成情報に当該ファイル情報を登録し、かつ前記ファイル管理手段に登録しようとした当該ファイルの登録、管理を行う第2登録ファイル管理工程と、前記第1及び第2出力構成情報登録工程並びに前記第2登録ファイル管理工程によって管理される出力構成情報をもとに結合画像出力用データを生成する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると複数の結合画像の構成要素となる個々に作成された画像出力用ファイルを結合画像出力用のファイルとして登録するときに、当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合に、不可にならない結合画像の出力構成情報にファイル情報を登録し(不可になったファイル情報は登録しない)、かつファイルの登録、管理を行うことで、出力不可となる文書を最少化し、出力を可能にするための再登録等の処理負担を低減し、容易に再登録等の対処ができるようになり、ファイルの保存を最小限のリソースの使用で済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機(MFP)のハードウェアの基本構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】複数のファイルをもとにした結合画像出力を管理するMFP(図1)の制御システムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】結合画像出力に用いる各文書ファイルの管理形態の概念を説明する図である。
【図4】結合画像出力を管理する制御システムの出力構成情報管理手段が管理する出力構成情報の1例を示す表である。
【図5】結合画像出力を管理する制御システムが行う文書登録時の処理の制御シーケンスを示す図である。
【図6】結合画像出力を管理する制御システムの文書管理手段が管理する文書管理情報の1例を示す表である。
【図7】結合画像出力を管理する制御システムの文書情報登録手段及び出力可否判定手段が行う登録時の処理のフローを示す図である。
【図8】結合画像出力を管理する制御システムの文書情報登録手段が管理する印刷可能出力文書リストの1例を示す図である。
【図9】結合画像出力を管理する制御システムの文書情報登録手段及び出力可否判定手段が行う再登録時の処理のフローを示す図である。
【図10】結合画像出力を管理する制御システムの出力構成情報管理手段が管理する出力構成情報の他の例を示す表である。
【図11】結合画像出力を管理する制御システムが行う文書登録時の処理(未登録者へ制約条件の通知を伴う)の制御シーケンスを示す図である。
【図12】結合画像出力を管理する制御システムが行う文書登録時の処理(出力形式変換を伴う)の制御シーケンスを示す図である。
【図13】結合画像出力を管理する制御システムの出力構成情報管理手段が管理する出力構成情報の他の例を示す表である。
【図14】結合画像出力を管理する制御システムのユーザ管理手段が管理するユーザ情報の1例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複合機(MFP)を例に本発明に係る画像処理装置及び画像出力用ファイル管理方法の実施形態を説明する。
本実施形態のMFPは、コピー・プリンタ・ファクシミリ(以下、「FAX」ともいう)・スキャナ等を複合機能として有する。これらの機能を利用して画像を処理する際に、処理対象が原稿であれば、スキャナによって原稿面の画像を読取ることで画像データの入力が行われ、また処理対象が通信手段を介して外部機から入力される場合は、電子化処理された画像(印刷)データの形で入力が行われる。いずれの場合にも、入力された画像データは、出力に適用できる汎用画像データに処理され、通常行われると同様に、画像蓄積装置等で画像出力用ファイル(以下「文書ファイル」もしくは単に「文書」ともいう)として管理される。なお、画像出力用ファイルとして管理されるデータには、この種の画像処理装置に搭載された既存のコピー機能やプリンタ機能におけるように、入力時にユーザによって出力条件が指示されるので、蓄積される画像出力用ファイルには、画像データに指示された出力条件を示すデータが付与されている。
【0012】
上記画像出力用ファイルに付与される出力条件は、制御可能なMFPのプリントエンジン(プロッタ)、給紙部等の出力部の動作に関る条件を指定するもので、用紙(サイズ、紙種など)、出力部数、用紙に対する画像出力方法(変倍、両面、集約、編集など)、画像処理条件(カラー/モノクロ選択、濃度など)、後処理(ソート、ステープルなど)等の条件であり、制御部は、ユーザが指示する出力条件に従い、関連する処理・動作部に制御パラメータによって制御指示を与える。
ただ、MFPは、経時に機器の状態が変わるので、以前に画像出力を行ったときに蓄積された画像出力用ファイルをもとに再出力が指示された場合に、必ず正常に出力動作が行われる保証はない。また、LAN(Local Area Network)等を介して、外部機(PC、サーバ等)とのデータ交換を行い、外部機から入力され、蓄積される画像出力用ファイルは、必ずしもMFPがサポートできない出力条件が指示される場合がある。
【0013】
この実施形態のMFPは、画像出力機能として、画像蓄積装置で個別に管理される画像出力用ファイルを結合して1つの結合画像出力を行う機能を有し、この結合画像出力を行うための画像出力用データを生成する機能(以下、「結合画像処理機能」という」を備える。
この結合画像処理機能が処理の対象にする画像出力用ファイルには、上記のように、それぞれ異なる処理過程を経て蓄積されたものが含まれ、付与された出力条件には、MFPがサポートできない出力条件が指示されている場合、或いは画像出力用ファイルを結合したことによって正常な出力が妨げられる場合(例えば、後述するステープルと各ファイルに設定された画像サイズとの関係に生じる矛盾)もある。
【0014】
そこで、この実施形態では、結合画像出力を管理する機能を備える。この管理機能は、画像出力用ファイル(文書)を結合画像出力に用いる文書として登録するときに、結合画像が出力できるか否かを判定し、出力不可と判定した場合に基本的には文書の登録を止める。
ただ、ここでは、複数結合画像の構成要素となる文書を結合画像出力用の文書として管理し(後述する出力構成情報によって定められる結合画像の条件を満足すれば、複数結合画像に共通に用いる構成文書は1つあればよい)、当該結合画像出力を行えるようにすることを前提としているので、出力不可と判定された場合に無条件に文書の登録を止めると、複数の結合画像のうちの出力が可能な結合画像が出力できない状態になってしまう。
このため、後記で詳述するが、複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合には、出力が可能な結合画像の構成文書として登録、管理する。また、複数結合画像のうち出力不可になった部分を再登録によって出力可能にする場合には、関連する複数結合画像全部(出力可となった結合画像を含む)の出力可否を判定して、できる限り構成文書を共通化することで、保存する文書を増やさないようにする。
以上の点が本実施形態の結合画像処理機能の特徴となる。
【0015】
結合画像処理機能の詳細を説明する前に、先ず、適用するMFPの構成について概要を説明する。
「MFPのハードウェア構成の概要」
図1は、本実施形態に係るMFPのハードウェアの基本構成を概略的に示すブロック図である。
図1において、CPU(Central Processing Unit)11は、ソフトウェア(プログラム)を動作させるための演算装置、ROM(Read Only Memory)12はプログラムを格納するメモリデバイス、RAM(Random Access Memory)13はプログラムを動作させるときに使用し、或いは一時的にデータを格納するために使用するメモリデバイスで、これらがメイン制御部を構成する。
【0016】
メイン制御部が、後述する結合画像出力の管理(制御)システム(図2)をソフトウェアで実現する場合は、上記のCPU11、RAM13及びROM12等で構成するコンピュータを当該処理の実行手段として機能させるためのプログラム(後記する図4、図11及び図12の制御シーケンス及び図7及び図9の制御フロー、参照)により実施することができる。CPU11は、処理の実行時にROM12に記録(記憶)しておいた制御・処理プログラム等をワークメモリとしてのRAM13に読込み、このプログラムを駆動することによって、CPU(コンピュータ)11をこの処理の実行手段として機能させることができる。なお、プログラム等を記録する媒体としては、ROMに限らず、HDD、CD(Compact Disk)−ROM、MO(Magnet Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体を用いることができる。また、このMFPがインターネット等のネットワークに接続されている場合、プログラムをネットワーク経由でダウンロードさせることにより取得するようにしても良い。
【0017】
画像蓄積装置14は、画像データの入力を行うスキャナ18並びにLANコントローラ16経由でPC、サーバ等の外部機25や、FAXコントローラ21経由で外部FAX機から受取る画像データを、大容量の記録メディア(例えば、HDD)を用いて格納するための記憶装置である。この実施形態では、処理対象として入力された画像データを処理要求の単位で画像出力用ファイルとして、この画像蓄積装置14に蓄積、管理し、プリント出力、データ送信に再利用する時に、指定されたファイルをここから読み出す。特に、結合画像出力に用いる画像出力用ファイル(文書)の蓄積場所(後記図2の蓄積手段114、参照)となる。
不揮発メモリ15は、初期設定値など電源OFF時にも各種設定情報を記憶しておくために用いられる不揮発性の記憶装置である。
LANコントローラ16は、Ethernet(登録商標)や無線LANなど、ネットワークと接続するためのコントローラである。この実施形態では、LANコントローラ16を介して結合画像出力に用いる画像出力用ファイルをPC、サーバ等の外部機25から受取ることを想定している。
FAXコントローラ21は、公衆回線にFAXデータの送受信を行うためのコントローラである。
【0018】
DCR17は、プリンタ・FAX・スキャナ等の機能を利用して入力されてくる画像データ(ビットマップ)を画像蓄積装置14に蓄積する画像ファイルに変換するための変換装置である。
スキャナ18は、紙文書の原稿を画像データ(ビットマップ)に変換するための読取装置である。
プロッタ19は、画像データを紙に印字(プリント出力)する装置である。
カードI/F(インターフェース)22は、SD(Secure Digital)カード等のリムーバブルなカード状の記録メディアに接続し、このメディアとのデータのやり取りを行うためのインターフェースである。ここに接続される記録メディアは、上記画像蓄積装置14と同じ使い方をすることができ、接続時には、画像ファイルの蓄積場所の一つとして用いられる。
操作表示パネル20は、メイン制御部の制御下でユーザインターフェースとして働き、LCD(Liquid Crystal Display)タッチパネルの操作画面を通じてユーザが行う操作によるジョブの処理要求や実行指示を受付け、ジョブの実行状況をユーザに知らせる、いわゆるGUI(Graphical User Interface)機能を持つ装置である。この実施形態では、結合画像の出力構成情報の作成は、操作表示パネル20に設けた表示手段121(図2、参照)の入力画面を通して行われる。
内部バス10は、上記各デバイス間で行われるデータのやりとりに主として用いられるバスである。
【0019】
「結合画像出力の管理システム」
この実施形態における結合画像出力を管理する機能は、複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイル(文書)の登録時及び再登録、即ち、前回に登録に失敗し出力条件を変更して登録する時に、結合画像が出力できるか否かを判定し、複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合には、出力が可能な結合画像の構成文書として登録、管理し、出力不可と判定した場合に出力を可能にするために、次の処理(1)〜(4)を基本的な処理手順(詳細は、後述の具体例にて説明)として行う。
処理(1):結合画像出力用データの出力構成情報(後述の図3及び図4、参照)を予め登録する。なお、このときに登録される出力構成情報は、個々の画像出力用ファイル(文書)が登録されていないので未完の状態である。
処理(2):結合画像出力に用いる個々の画像出力用ファイル(文書)を登録(蓄積)するときに、結合した画像が出力できるか、つまり、追加される画像出力用ファイルを結合した結合画像出力用データの出力構成情報が登録できるか否かの出力可否を判定する。なお、この実施形態では登録しようとする文書が複数結合画像の構成要素になるので、各結合画像について出力可否を判定する。
【0020】
処理(3):出力可と判定された場合に、当該文書を登録し、各結合画像において出力構成情報の登録文書情報を管理する。
処理(4):出力不可と判定された場合に、出力不可の要因となった画像出力用ファイル(文書)を特定し、当該ファイルを登録(作成)者に通知する。
ただし、文書登録時に行う処理(3)及び処理(4)の処理は、登録しようとする文書を最初に登録するときと、再登録するときとでは異なり、後記「文書登録時の結合画像出力の管理」で詳述するように、再登録時には、上記の基本的処理に条件が加わる。これは、再登録の際にできるだけ構成文書を共通化することで、保存する登録文書を増やさないようにする、という条件を加えたことで、再登録時に既登録の結合画像を処理対象に含めた処理としているためである。
【0021】
上記処理を実施するための手段を備えた本実施形態に係る結合画像出力を管理するための制御システムの一構成例について、図2を参照して説明する。
図2において、文書管理手段101は、蓄積手段114に蓄積(登録)された画像出力用ファイル(文書)の文書管理情報101d(後述する図6の説明、参照)を管理する手段で、上記処理(2)〜(4)において作動する。
出力構成情報管理手段105は、結合画像の出力構成情報105d(後述する図4、図10及び図13の説明、参照)を管理する手段で、上記処理(1)〜(4)を通して作動する。
この出力構成情報管理手段105は、結合画像の出力構成情報の登録受付時に、結合画像出力の管理者の操作入力手段として作動する表示手段121との間、並びに結合する画像出力用ファイル(文書)に関する情報を入力する文書管理手段101及び文書情報登録手段103との間並びに出力可否の判定結果を受け、出力不可の要因となった画像出力用ファイル(文書)の登録(作成)者への通知を行うためにユーザ管理手段107及びメール送信手段109との間でデータ交換を行う。
【0022】
文書情報登録手段103は、出力構成情報管理手段105が管理する出力構成情報の文書情報等を登録し、印刷可能出力文書リスト103dを管理する手段で、登録(再登録)時に、受付けた結合画像出力用データの出力構成情報が登録できるか否かの出力可否を判定する出力可否判定手段112及び出力不可と判定された文書の作成者のユーザ情報を管理するユーザ管理手段107との間、並びに出力不可と判定された画像を実行可能な出力形式に変換する出力形式変換手段106及び出力形式変換の一部の出力サイズ変換(指定されたサイズへの変換)を担う出力サイズ変換手段108との間でデータ交換を行う。
ユーザ管理手段107は、ユーザ情報を管理する手段で、上記処理(4)において作動する。
図14は、ユーザ管理手段107が管理するユーザ情報の1例を示す表である。
図14に例示するユーザ情報は、ユーザID(001,002,003,004)で識別されるユーザごとに、ユーザ名とメールアドレスが関連付けられている。このユーザ情報と後記する文書管理情報(図6)及び出力構成情報(図4)との関係は、ユーザID(出力構成情報においては登録ユーザリストのデータ)によってつながっている。
ユーザ管理手段107は、出力不可の要因となった画像出力用ファイル(文書)の登録(作成)者への通知を行うために、文書情報登録手段103との間でデータ交換を行う。
メール送信手段109は、LANコントローラ16を介して外部機25にアドレスを持つ登録(作成)者へ電子メールで出力(登録)不可を通知する。このとき、メール送信手段109は、ユーザ管理手段107からユーザIDに関連付けられたメールアドレスを取得する。
【0023】
「結合画像を構成する各文書の管理形態」
ここで、結合画像出力に用いる各画像出力用ファイルの管理形態を具定例によって説明する。なお、以下、画像出力用ファイルを文書という。
図3は、結合画像出力を構成する文書(構成文書)の管理形態の概念を説明する図である。
図3に示すように、A,B,C,Fさんがそれぞれ作成した構成文書1,2,3,4は、MFPにおける結合画像出力に用いる文書として登録され、即ちMFPの制御システム内の蓄積手段114にファイルIDを付けて(図中の蓄積文書には、ファイルID1,2,3,4,・・・に関連付けてユーザA,B,C,F,・・・が付される)蓄積され、文書管理手段101の管理下におかれる。なお、蓄積される文書には、文書内容のほかに、登録(作成)者が求める出力条件、例えば、画像サイズ、ページ数等を示すデータが付与されている。
この登録(作成)者による文書の登録は、登録者自身及びMFPが、結合画像を構成する文書として認識できる方法で登録手続きを行う。即ち、登録者は、登録しようとしている文書が所定の結合画像出力を構成する文書の一つであることを認識し、登録の操作を行い、また、MFPは、この登録操作を受付けたときに、1画像に結合された(纏められた)ときの結像画像の出力文書IDとユーザIDを文書ごとに付与する。こうした登録手続きをするためには、結合画像出力用データの出力構成情報が予め作成されている必要がある。
【0024】
この結合画像出力用データの出力構成情報は、結合画像の作成者(図3の例では、出力文書作成者のDさん、Eさん)が、結合画像出力に求める構成を定めた情報として事前に出力文書を作成し、出力構成情報管理手段105の管理下においておく。よって、登録者が作成した文書を登録する時点では、他の未登録の文書を含め未入力の状態にあるものの、結合画像の作成者が作成した出力構成情報は既に用意されている。
図3の例では、複数結合画像出力の一方(Dさんの作成した出力文書1)における各構成文書の作成者(A,B,Cさん)と、出力構成情報の完了状態(:未完了)、出力条件としての印刷モード(印刷部数:2部、後処理:ステープル)及び登録文書情報(ファイルID:1)を出力構成情報として管理し、また他方(Eさんの作成した出力文書2)における各構成文書の作成者(C,Fさん)と、出力構成情報の完了状態(:未完了)、出力条件としての印刷モード(印刷部数:5部、後処理:ステープル)及び登録文書情報(ファイルID:4)を出力構成情報として管理し、登録者による登録手続きに応じる。ここでは、Cさんの作成文書が出力文書1と出力文書2に共通の構成文書となっている。
管理する出力構成情報に示される作成(登録)者が登録手続きを済ませ、出力構成情報が完了状態になれば(出力構成情報に登録できるか否かの後記で詳述する判定を済ませ、登録ができれば)、出力構成情報をもとに結合画像出力用データを生成し、画像出力(この例では、印刷)を行う。
【0025】
「出力構成情報の作成(文書登録前)」
次に、結合画像出力に求める構成を定める出力構成情報の作成処理について説明する。
結合画像出力を管理する制御システム(図2)は、上記で処理(1)として示したように、結合画像出力用データの出力構成情報を作成し、作成した出力構成情報を登録者が作成した文書を登録する前に予め登録しておく。本実施形態において、制御システム(図2)は、操作表示パネル20(表示手段121)を通じて行われる結合画像の作成者(即ち、出力文書の管理者)の指示に従って、この出力構成情報の作成処理を実行できるようにしている。
以下、出力構成情報を作成する処理の手順の概要を説明する。
出力文書の管理者(以下、単に「管理者」という)は、表示手段121の入力画面に表示されている各種アプリケーション(機能)選択ボタンの中から出力構成情報に係るアプリケーション(機能)のボタンを選択し、操作する。なお、出力構成情報の作成処理を指示する管理者(出力文書作成者)も出力構成情報の1つであり、ここでは文書情報登録手段103が登録する。
表示手段121は、管理者の選択操作に応じ、出力構成情報管理手段105に対し、出力構成情報105dで管理する出力構成情報を一覧できるデータを要求し、返信してくる一覧データを受取り、出力構成情報の一覧(出力文書一覧)リストの表示に切り替える。
【0026】
一覧リストを表示する画面には、「新規登録」ボタンを設けており、表示手段121は、管理者によるこのボタンへの押下を検知すると、一覧リスト表示から結合画像の出力構成情報を登録するための入力画面に切り替える。
結合画像の出力構成情報を登録するための入力画面には、結合画像の出力構成情報の作成に必要な項目のボタンとして、例えば、「ユーザ登録」ボタン、出力条件としての「印刷モード設定」ボタン等が設けられており、これらの情報を管理者が入力する際に操作される。なお、本実施形態では、複数の出力文書を識別する出力文書IDは、機器側(本実施形態では文書情報登録手段103)で自動的に1,2,3、・・という順番で採番するので、出力文書IDを付与するためのボタンを設けていないが、ユーザ(管理者)の入力によって任意の記号等を出力文書IDとして付けるようにする場合には、このためのボタンを加えることにより実施できる。
【0027】
表示手段121は、出力構成情報を登録するための入力画面の「ユーザ登録」ボタンの押下を出力構成情報管理手段105に通知する。この通知を受ける出力構成情報管理手段105は、新規登録時のユーザ情報の取得要求であると認識し、ユーザ管理手段107が管理するユーザ情報から全ユーザ情報を一覧できるデータを取得し、表示手段121に渡す。
管理者は、表示手段121の画面に表示されたユーザの一覧表示画面で、現在出力構成情報を作成しようとしている結合画像を構成する各構成文書の作成者であるユーザを選択する操作を行う。出力構成情報管理手段105は、表示手段121から渡される選択されたユーザの情報を作成しようとしている結合画像の出力構成情報の登録ユーザリストに構成文書作成者として記載する。図3の例では、複数結合画像出力の出力構成情報を登録するときに、それぞれ付与された出力文書ID(1,2)の構成文書作成者の一人としてどちらにもCさんが記載されている。
【0028】
また、管理者は、ユーザの選択と並行して、新規登録を行う結合画像の出力条件としての印刷モードを設定する。
この設定の手順は、入力画面の「印刷モード設定」ボタンの押下を検知する表示手段121が、印刷部(不図示)から現在、出力が可能な印刷モードの情報を取得し、取得した情報をもとに利用できない印刷モードを管理者が設定できないように、設定入力画面の表示に反映させる。
次いで、管理者は、表示手段121に表示された設定入力画面への操作によって、印刷モードの設定入力を行う。表示手段121は、出力構成情報管理手段105に対し、設定入力の行われた印刷モードの情報を通知する。
この通知を受ける出力構成情報管理手段105は、設定された印刷モードを作成しようとしている結合画像の出力構成情報における印刷モードとして記載する。
以上が出力構成情報の作成処理の手順である。
【0029】
“出力構成情報(1)”
図4は、出力構成情報管理手段105が管理する出力構成情報105dの1例を示す表である。
図4に例示する出力構成情報105dは、結合画像ごとに、文書の管理情報としての出力文書管理者名及び登録ユーザリスト、並びに文書情報としての登録文書情報及び印刷モードの各項目のデータを関連付けて記載したデータベースの形で記憶装置に保持される。
出力構成情報105dにおいて、結合画像は、出力文書IDで識別され、この実施形態では、出力文書管理者が出力構成情報の新規登録を行う(上記「出力構成情報の作成(文書登録前)」参照)ときに自動的に出力文書IDを採番し、このデータを用いる。
出力文書管理者名は、管理者が出力構成情報の新規登録を行うときに、デフォルト設定データ、もしくは、予め行っておいた管理者登録で設定したパスワードを入力することによって、出力構成情報105dに記載する管理者名(管理者のユーザID)を取得する。
登録ユーザリストは、出力構成情報105dへの登録ユーザとして管理者によって選択された順番で、取得したユーザIDをリストに記載する。
登録文書情報は、作成(登録)者が結合画像を構成する各作成文書を登録する(後述)時に付されるファイルIDを取得する。
また、印刷モードは、新規登録の入力画面から結合画像の出力条件として管理者によって設定された印刷モードを取得し、出力構成情報管理手段105によって出力構成情報105dに記載される。
図4に示す出力構成情報は、図3の例に準ずるものである。
【0030】
「文書登録時の結合画像出力の管理」
次に、結合画像出力に用いる個々に作成された構成文書を登録するときの結合画像出力の管理に係る処理について説明する。
結合画像出力を管理する制御システム(図2)は、上記で処理(2)〜処理(4)として示したように、個々に作成された構成文書を登録する際に、結合画像が出力(印刷)できるか、つまり、当該文書を結合した結合画像を出力構成情報の登録文書情報に登録できるか否かの出力可否を判定する。
登録しようとする文書が複数結合画像の構成要素になる場合には、各結合画像について出力可否を判定し、基本的には、出力不可と判定され登録に失敗した結合画像に対しては、当該出力文書を特定してユーザ(文書の登録者)に登録できなかったことを通知し、他方、出力可と判定され登録に成功した結合画像に対しては、出力構成情報の登録文書情報に登録しようとしている構成文書のファイルIDを書き込むことでこの文書を登録する。
【0031】
ただ、登録しようとする構成文書を最初に登録するときは、上記の基本的な手順に従って処理を行うが、再登録する(前回に登録に失敗し出力条件を変更して再び登録を試みる)ときは、処理対象の結合画像(出力文書)に既登録の結合画像が含まれるので出力可否の判定結果への対応が異なってくる。
これは、再登録の際にできるだけ構成文書を共通化することで、保存する登録文書を増やさないようにする、という条件を加えたからである。この条件に従い、再登録時にも、複数結合画像の全部を出力可否の判定の対象とする。
よって、再登録時に結合画像の全部が出力不可であった場合、再登録しようとする改訂構成文書の登録をせず削除し(当然、出力文書における出力構成情報の登録文書情報にも登録しない)、ユーザ(文書の登録者)に登録できなかったことを通知する。なお、再登録時に、既に登録されている結合画像(出力文書)は、そのまま登録状態を維持する。
【0032】
他方、再登録時に一部でも結合画像が出力可であった場合、再登録しようとする改訂構成文書の登録を行い、各出力文書において改訂構成文書を用いた結合画像が出力(印刷)できるか(当該改訂構成文書を用いる出力文書における出力構成情報の登録文書情報に登録できるか)否かの判定結果によって、次の(1)〜(3)、即ち、
(1)改訂構成文書を用いた結合画像が出力可であり、既に構成文書が登録されている出力文書がある場合、構成文書が登録されている出力文書の構成文書情報を改訂構成文書情報に置き換え、登録されていた構成文書情報を削除する。
(2)改訂構成文書を用いた結合画像が出力可であり、構成文書が登録されている出力文書がない場合、改訂構成文書を出力文書の構成文書情報に登録する。
(3)改訂構成文書を用いた結合画像が出力不可である場合、登録に失敗した未登録の構成文書をユーザに通知する。
で対応する。
【0033】
本実施形態において、制御システム(図2)は、結合画像に用いる個々の構成文書の作成者が外部機25(PC、サーバ等)からLANコントローラ16を通じて行う登録手続きに応じて、この結合画像出力の管理に係る処理を実行できるようにする。
図5は、結合画像出力を管理する制御システムが行う文書登録時の処理の制御シーケンスを示す図である。
以下、図5を参照して、文書登録時に結合画像出力を管理するために行う処理を手順に従い説明する。
図5の制御シーケンスでは、結合画像出力に用いる構成文書の作成者(以下、単に「作成者」という)は、作成を完了した文書をサーバに置いているので、先ず、サーバに結合画像出力に用いる構成文書の登録手続きを指示する(ステップS101)。このとき、手続きに必要な情報としてサーバに対し、出力文書管理者によって予め作成された出力構成情報(図4、参照)に記載された当該結合画像を特定する出力文書IDと作成者のユーザIDを通知する。本実施形態では、登録しようとする文書が複数結合画像の構成要素になるので、複数結合画像に対応する出力文書ID群が通知される。
サーバは、作成者の指示に従い、結合画像の出力文書ID群と作成者のユーザIDを付加した文書ファイルの登録要求をMFPの蓄積手段114に行うことで処理を開始する(ステップS102)。
サーバからの文書ファイルの登録要求を受けて、蓄積手段114は、ファイルを管理する文書管理手段101に当該文書ファイルの登録手続きの開始を要求する(ステップS103)。このとき、文書管理手段101に登録文書ファイルに付加された作成者のユーザIDを渡す。
【0034】
登録処理の開始後、蓄積手段114は、登録文書ファイルの画像データをサーバから受取り(ステップS104)、このデータを蓄積するとともに、当該画像データの管理を文書管理手段101に要求する(ステップS105)。文書管理手段101は、作成者のユーザIDと当該画像データを結び付けてファイルIDを採番し、文書管理情報を作成(文書を登録)する。
“文書管理情報”
図6は、文書管理手段101が管理する文書管理情報101dの1例を示す表である。
図6に例示する文書管理情報101dは、ファイルIDで識別される登録画像ごとに、文書作成者のユーザIDとファイルを構成する画像データが関連付けられている。図6に示す画像データは、ページ単位で扱えるデータであり、複数ページのファイルであれば、1ファイルは複数枚の画像データ(例えば、ファイルID:3は、Img7,Img8の2枚)からなる。
この文書管理情報101dと図4に示した結合画像の出力構成情報105dとの関係は、出力構成情報105dにおける登録文書情報の構成文書が、文書管理情報101dのファイルIDによって、結合する文書数だけ結合の順番に示される。
【0035】
図5のシーケンスに戻ると、サーバから要求された文書ファイルの登録が終了すると(ステップS106)、蓄積手段114は、文書情報登録手段103に結合画像の出力文書ID群とユーザIDを渡して、出力構成情報105dへの当該構成文書の登録を要求する。複数結合画像に対応する出力文書IDの場合、文書情報登録手段103に複数結合画像の出力文書ID(図4の例では、出力文書ID:1,2)とユーザID(図6の登録ユーザリスト中の例えば、ユーザID:003)を渡して、出力構成情報105dへの構成文書の登録を要求する(ステップS107)。
文書情報登録手段103は、この登録要求を受けて、文書管理手段101にユーザID(:003)をもとに文書検索を依頼する(ステップS108)。
依頼を受けた文書管理手段101は、文書管理情報101d(図6、参照)を検索し、ユーザID(:003)に対応付けられた文書のファイルID(:3)を検索結果として取得し、これを文書情報登録手段103に渡す(ステップS109)。
次いで、文書情報登録手段103は、受取ったファイルID(:3)を登録の対象となる文書ファイルとし、出力構成情報105dへ登録するために出力文書ID群(:1,2)を出力構成情報管理手段105に渡し、出力構成情報105dの取得要求をする(ステップS110)。
【0036】
「結合画像出力可否の判定(出力可否判定手段による)」
文書情報登録手段103は、取得した出力文書ID群(:1,2)の出力構成情報105dへの登録処理を開始する。ファイルID(:3)の登録処理は、出力文書が印刷可能か、即ち、結合画像出力に用いる各構成文書が出力条件(例えば、印刷部数や後処理といった印刷モード)に適合する文書であるか否かを判定する。本実施形態では、複数結合画像に対応する出力文書ID群(:1,2)の構成文書が判定の対象になる。
図5の制御シーケンスによると、文書情報登録手段103は、出力文書ID群(:1,2)それぞれについて、出力構成情報管理手段105から取得した、登録しようとする結合画像を構成する構成文書(図4の設定例では、登録ユーザのIDは「001,002,003」、「003,006」であるから、登録文書のファイルIDはそれぞれ「1,2,3」、「3,4」となる)のファイルID群及び印刷条件としての印刷モード群(図4の設定例では、「後処理:ステープル、印刷部数:2部」、「後処理:ステープル、印刷部数:5部」)を出力可否判定手段112に渡し、結合画像出力の可否判定を依頼する(ステップS121)。
出力可否判定手段112は、結合画像出力の可否判定の依頼を受け、指示されたファイルID群を文書管理手段101に渡し、これらの文書に出力条件として付加された画像パラメータ等の取得要求をする(ステップS122)。文書管理手段101は、この要求に応じ、文書管理情報101dに登録された当該文書に出力条件として付加された画像パラメータ等を検索し、検索結果を出力可否判定手段112に渡す(ステップS123)。
【0037】
出力可否判定手段112で行う結合画像の出力可否の判定は、各出力文書に対して構成文書を1つずつ順次判定の対象とし、次の(1)〜(3)の出力条件、即ち
(1)結合画像出力に対し予め定められた出力構成情報に示された出力条件(図4の例における出力文書ID(:1)では、印刷モードに示される「ステープル、2部」)
(2)現在判定の対象となっている登録文書(同上の例では、「1,2,3」の3文書)中の1文書の出力条件
(3)登録済み文書(即ち、既に出力可と判定され、出力構成情報105dに登録された文書)が追加した出力構成情報に示された出力条件
に基づいて、結合画像の出力が可能であるか否かの出力可否を判定する。つまり、上記の出力条件を出力構成情報に取り込んだ場合に印刷モード(出力条件)間に矛盾がなく、MFPのプリントエンジン(プロッタ)、給紙部等の出力部が正常に作動するか否かを判定する。なお、出力可否判定手段112が行う結合画像の出力可否の判定の実施形態については、後述(図7の処理フローのステップS204)でより詳細に説明する。
【0038】
文書情報登録手段103は、出力可否判定手段112に依頼した結合画像の出力可否の判定結果に従って、登録しようとしている構成文書を用いた複数結合画像の出力(印刷)が可能であるか、即ち、出力文書の出力構成情報105d(図4に示す出力構成情報の登録文書情報)に当該構成文書が登録できるか否かを判定し(ステップS124)、当該複数結合画像の出力を管理するための出力文書への登録処理を行う(ステップS125)。この複数結合画像の出力に対応する処理は、先に「文書登録時の結合画像出力の管理」で述べた処理を行う。なお、この構成文書の出力文書への登録処理を含むステップS121〜S125の処理については、図7及び図9の処理フローを参照してより詳細に説明する。
また、各構成文書の出力文書への登録処理を行う際に、登録ができない構成文書に対する対処方法として構成文書の出力形式の変換によって、登録が可能になるケースがあり、文書情報登録手段103は、この判定を出力形式変換手段106に依頼する(ステップS131)。ここで、出力形式変換手段106は、登録が可能であるという判断のもとに、該当する構成文書の出力形式の変換を行う(ステップS132)。なお、この動作を行う実施形態については後述の「出力形式の変換」で詳述する
【0039】
「構成文書の出力文書への登録」
ここで、図5の制御シーケンスにおけるステップS121〜S125の処理、即ち登録しようとしている構成文書の結合画像出力可否を判定し(出力可否判定手段112が行う)、この判定結果に従い構成文書を出力文書へ登録する(文書情報登録手段103が行う)処理についての詳細を処理フローにもとづいて説明する。なお、以下の説明は、先に「文書登録時の結合画像出力の管理」で述べたように、“登録時”と“再登録時”とは、処理の手順が異なるので、それぞれを分説する。
【0040】
“登録時”
図7は、結合画像出力を管理する制御システムの文書情報登録手段及び出力可否判定手段が行う登録時の処理のフローを示す図である。
なお、この処理フローは、複数結合文書の構成文書として登録しようとしている構成文書以外の構成文書の中に、出力構成情報の登録文書情報に既に登録されている場合にも適用することを前提としている。図4に示す例では、登録しようとしている構成文書が登録ユーザリストのID:003であり、複数結合文書が出力文書ID:1、2である(なお、図4中の登録文書の登録ユーザリストID:003に対応する登録文書情報に記載されているファイルID:3は、登録後の状態を示している)から、ファイルID「1」、「4」がそれぞれの出力文書に既登録の文書となる。
また、図7中の記載におけるN、yはそれぞれ
N:登録しようとしている構成文書に係る出力文書の数
y:登録しようとしている構成文書に係る出力文書のうち出力(印刷)できない出力文書の数
である。
【0041】
図7のフローによると、先ず、初期化処理として、「y=0」とする(ステップS201)。
次に、出力可否判定手段112は、登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力可否を判定するための手順として、登録しようとしている構成文書に設定されている画像パラメータを取得する(ステップS202)。
また、判定対象の出力文書の印刷モード、同出力文書の構成文書群(既登録の構成文書群)に設定されている画像パラメータを取得する(ステップS203)。なお、出力可否判定手段112は、登録しようとしている構成文書に係る出力文書ごとに順番に判定対象とするので、ここでは、判定対象の出力文書の印刷モードと構成文書群の画像パラメータを取得する。
【0042】
次いで、出力可否判定手段112は、取得した登録しようとしている構成文書に設定された画像パラメータ(画像サイズ、ページ数など)と登録済み文書(即ち、既に出力可と判定され、出力構成情報105dの登録文書情報に登録された文書)が追加した出力構成情報の印刷モード(判定対象の出力文書の印刷モードを含む)との間に矛盾が生じるか否か、もしくはMFPのプリントエンジン(プロッタ)、給紙部等の出力部が正常に作動するか否かを判断し、判断結果に従い出力の可否を判定する(ステップS204)。
ステップS204で出力可と判断された場合(ステップS204-Yes)、登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書を印刷可能出力文書リストに追加する。
印刷可能出力文書リストの1例を示す図8を参照すると、出力可否判定手段112で上記の判定を行い、出力可と判断された出力文書IDが印刷可能出力文書リストで登録、管理される。印刷可能出力文書リストは、文書情報登録手段103が登録しようとしている構成文書に対して作成し、登録処理が完了すると消去する、一時的に保持する情報である。図8の例は、構成文書3を用いる結合画像の出力文書1,2が判定の対象となっている図4の例に当たるもので、印刷可能出力文書リストに載っている出力文書2に対しては、文書の登録処理が行われ、出力文書1に対しては、登録処理は行われない。
【0043】
また、ステップS204で出力不可と判断された場合(ステップS204-No)、登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書のうち出力(印刷)できない出力文書の数yに1を足して、判定の対象のうち出力できない結合画像の累積数を求める(ステップS209)。
1つの出力文書に対する出力不可の判定を終えたところで、登録しようとしている構成文書に係る出力文書として指定された判定対象の出力文書を全部判定し終えたかを確認して(ステップS206)、全部を判定していない場合には(ステップS206-No)、次の順番の出力文書を対象とする判定を行うためにステップS203へ戻し、判定対象の出力文書を全部判定し終えるまで、ステップS206までの上記の処理を繰り返す。
【0044】
判定対象の出力文書を全部判定し終えたことを確認した後(ステップS206-Yes)、判定結果に従って、登録しようとしている構成文書を複数結合画像の各出力文書の出力構成情報105dの登録文書情報へ登録する処理に移行する。
文書情報登録手段103は、先ず、前段で出力可否の判定を行った結果、登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書の全部が出力(印刷)できない場合(y=N)には(ステップS211-Yes)、この構成文書を用いて構成する全ての結合画像の各出力文書の出力構成情報105dの登録文書情報へ当該構成文書を登録せず、登録に失敗したことをこの文書の登録(作成)者にメール送信手段109を介して通知する(ステップS218)。
上記の登録に失敗した場合には、同時に、文書管理手段101に指示して、文書管理手段101の管理下にあるこの構成文書のファイルやファイルID等の情報を削除する。
【0045】
他方、登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書の少なくとも一部が出力(印刷)できる場合(y≠N)には(ステップS211-No)、文書管理手段101に指示して、文書管理手段101の管理下にあるこの構成文書のファイルを保持し続け、この構成文書のファイルID等を図6に示した文書管理情報に登録する(ステップS212)。
次いで、文書情報登録手段103は、登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書の全部が出力(印刷)できるか(y=0)否かを確認し(ステップS213)、全部が出力(印刷)できる(y=0)場合(ステップS213-Yes)、この構成文書を用いて構成する全ての結合画像の各出力文書における出力構成情報の登録文書情報へ当該構成文書を登録、即ち当該構成文書のファイルIDを出力構成情報の登録文書情報(図4)として書き込む(ステップS214)。
【0046】
他方、出力文書の全部が出力(印刷)できない(y≠0)場合(ステップS213-No)、ステップS205において印刷可能出力文書リストに載せた出力文書のみに登録する。つまり、このリストに載っている出力文書へ当該構成文書を登録、即ち当該構成文書のファイルIDを出力構成情報の登録文書情報(図4)として書き込む。また、印刷可能出力文書リストに載っていない、即ち登録に失敗した出力文書を登録に失敗した理由とともに、この構成文書の登録(作成)者にメール送信手段109を介して通知する(ステップS216)。
【0047】
図7の処理フローを図3の出力構成例におけるCさん(登録ユーザリストID:003)が構成文書(ファイルID:3)を登録する場合を例に説明すると、この場合、複数結合画像を構成する出力文書1と出力文書2に登録が試みられる。
まず、出力文書1に対して出力可否の判定に基づく、登録可否を確認する。出力文書1に対しては、出力構成情報に、出力文書ID(:1)が存在し、その出力文書の登録ユーザリスト(001,002,003)にユーザID(:003)は存在することを確認した後、他のユーザが作成した登録済み構成文書(Aさんが作成したファイルID:1の文書 )と登録しようとしている文書(ファイルID:3)が印刷モード(ステープル)で印刷可能か否かを判定する。この例では、図3に示すように、Aさんが作成した文書がA2であり、Cさんが登録しようとしている文書がA5であるため、印刷モードがステープルの条件で出力(印刷)不可となる。
【0048】
次に、出力文書2に対して出力可否の判定に基づく、登録可否を確認する。出力文書1に対しては、Fさんが作成したファイルID:4の文書と登録しようとしている文書(ファイルID:3)が印刷モード(ステープル)で印刷可能か否かを判定する。この例では、図3に示すように、Fさんが作成した文書がA4であり、Cさんが登録しようとしている文書がA5であるため、印刷モードがステープルの条件で出力(印刷)可となる。このため、印刷可能出力文書リストに出力文書2が追加されることになる。
よって、このケースではステップS216で印刷可能出力文書リストに載っている出力文書2に対しては、文書の登録処理が行われ、出力文書1に対しては、登録処理は行われず、出力文書を示して登録に失敗したことが通知される。
上記のように、ステップS218で出力文書の全部が出力(印刷)できない場合の処理、ステップS214で出力文書の全部が出力(印刷)できる場合の処理及びステップS216でステップS218,S214以外の処理を行い、構成文書の出力文書への登録処理のフローを終了する。
【0049】
“再登録時”
図9は、結合画像出力を管理する制御システムの文書情報登録手段及び出力可否判定手段が行う再登録時の処理のフローを示す図である。
なお、この処理フローは、複数結合文書の構成文書として登録しようとしている構成文書が一部の出力文書の出力構成情報の登録文書情報に既に登録されているが、他の部分で登録ができずに、改訂した構成文書を再登録する場合に適用するものである。
また、図9中の記載におけるN、y及びfは、それぞれ
N:登録しようとしている構成文書に係る出力文書の数
y:登録しようとしている構成文書に係る出力文書のうち出力(印刷)できない出力文書の数
f:再登録する改訂した構成文書への書き換え不可を示すフラグ
である。
【0050】
図9のフローによると、先ず、初期化処理として、「y=0」、「f=false」とする(ステップS301)。
次に、出力可否判定手段112は、再登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力可否を判定するための手順として、再登録しようとしている改訂した構成文書に設定されている画像パラメータを取得する(ステップS302)。なお、改訂した構成文書に設定されている画像パラメータは、図7に示した登録時の処理フローで登録に失敗し、例えば、画像パラメータを改訂し、再登録を試みた場合が想定される。
また、判定対象の出力文書の印刷モード、同出力文書の構成文書群(既登録の構成文書群)に設定されている画像パラメータを取得する(ステップS303)。なお、出力可否判定手段112は、再登録しようとしている構成文書に係る出力文書ごとに順番に判定対象とするので、ここでは、判定対象の出力文書の印刷モードと構成文書群の画像パラメータを取得する。
次いで、出力可否判定手段112は、再登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力可否を判定する(ステップS304)。判定の方法は、上記図7の処理フローにおけるステップS204と同じである。よって、ここでは記載を省略する。
【0051】
出力可否の判定結果が出力可であれば(ステップS304-Yes)、文書を印刷可能出力文書リストに追加する(ステップS305)。
また、出力可否の判定結果が出力不可である場合(ステップS304-No)、判定対象の出力文書の再登録しようとしている構成文書の出力構成情報(図4参照)の登録文書情報に既に登録された構成文書があるか否かを確認する(ステップS308)。
ここで、既に登録された構成文書がある場合に(ステップS308-Yes)、再登録する改訂した構成文書への書き換え不可を示すフラグfを「true」とする(ステップS310)。
他方、既に登録された構成文書がない場合に(ステップS308-No)、再登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書のうち出力(印刷)できない出力文書の数yに1を足して、判定の対象のうち出力できない結合画像の累積数を求める(ステップS309)。
1つの出力文書に対する出力不可の判定を終えたところで、再登録しようとしている構成文書に係る出力文書として指定された判定対象の出力文書を全部判定し終えたかを確認して(ステップS306)、全部を判定していない場合には(ステップS306-No)、次の順番の出力文書を対象とする判定を行うためにステップS303へ戻し、判定対象の出力文書を全部判定し終えるまで、ステップS306までの上記の処理を繰り返す。
【0052】
判定対象の出力文書を全部判定し終えたことを確認した後(ステップS306-Yes)、判定結果に従って、再登録しようとしている構成文書を複数結合画像の各出力文書の出力構成情報105dの登録文書情報へ登録する処理に移行する。
文書情報登録手段103は、先ず、前段で出力可否の判定を行った結果、再登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書の全部が出力(印刷)できない場合(y=N)には(ステップS311-Yes)、この構成文書を用いて構成する全ての結合画像の各出力文書の出力構成情報105dの登録文書情報へ当該構成文書を登録せず、登録に失敗したことをこの文書の登録(作成)者にメール送信手段109を介して通知する(ステップS318)。同時に、文書管理手段101に指示して、文書管理手段101の管理下にあるこの構成文書のファイルやファイルID等の情報を削除する。
【0053】
他方、再登録しようとしている構成文書によって構成される結合画像の出力文書の少なくとも一部が出力(印刷)できる場合(y≠N)には(ステップS311-No)、文書管理手段101に指示して、文書管理手段101の管理下にあるこの構成文書のファイルを保持し続け、この構成文書のファイルID等を図6に示した文書管理情報に登録する(ステップS312)。
次いで、文書情報登録手段103は、再登録する改訂した構成文書への書き換え不可を示すフラグfが「true」であるか否かを確認する(ステップS313)。
ここで、フラグfが「true」ではない場合(ステップS313-No)、既に登録された構成文書を再登録する構成文書に書き換えることが可能であることを示しているので、文書管理手段101に指示して、文書管理手段101の管理下にあるこの構成文書として既に登録されていた当該構成文書のファイルを再登録する改訂した構成文書のファイルに置き換え、登録されていた前のファイルを削除する(ステップS314)。
【0054】
他方、フラグfが「true」である場合(ステップS313-Yes)、再登録しようとしている構成文書でしか出力可とならない出力文書に当該再登録する構成文書を登録する。即ち、ステップS305の処理を経て印刷可能出力文書リストに載っている出力文書であり、その出力文書の出力構成情報105dの登録文書情報に構成文書が未登録であることを条件に、再登録しようとしている構成文書のファイルID(ステップS312で登録された改訂構成文書のID)を出力構成情報の登録文書情報に書き込み、登録する。また、印刷可能出力文書リストに載っていない、即ち登録に失敗した出力文書を登録に失敗した理由とともに、この構成文書の登録(作成)者にメール送信手段109を介して通知する(ステップS316)。
【0055】
図9の処理フローを図3の出力構成例におけるCさん(登録ユーザリストID:003)が複数結合画像を構成する出力文書1と出力文書2に構成文書(ファイルID:3)を再登録する場合を例に説明する。前の登録でCさんの構成文書が出力文書1に対しては未登録、出力文書2に対しては登録済みとなったとする。
Cさんは、文書のサイズをA3と改訂して再登録を試みたとする。再登録しようとしている文書のサイズがA3である場合、出力文書1においても出力文書2においても再登録における出力可否の判定の結果は出力可となる。このため、出力文書1と出力文書2の両方の構成情報における文書登録情報は、再登録しようとしている構成文書のファイルIDを登録することができ、登録済みの出力文書2の構成文書のファイルIDを再登録しようとする構成文書のファイルIDに置き換え、登録されていた前のファイルを削除する。つまり、このケースは、図9のフローにおけるステップS314の処理である。よって、ファイルの保存を最小限のリソースの使用で済ませることができる。
【0056】
ただ、Cさんが文書のサイズをA2と改訂して再登録を試みたとする。再登録しようとしている文書のサイズがA2である場合、出力文書2において出力可となるが、出力文書1においては出力不可となってしまう。そのため、出力文書1の構成情報は変更せず、出力文書2の構成情報の文書登録情報に再登録しようとする構成文書のファイルIDを書き込む。この場合には、Cさんの構成文書は、登録時のファイル(出力文書1)と再登録時のファイル(出力文書2)が併存する。つまり、このケースは、図8のフローにおけるステップS316の処理である。
上記のように、ステップS318で出力文書の全部が出力(印刷)できない場合の処理、ステップS314で出力文書の全部が再登録した構成文書で出力(印刷)できる場合の処理及びステップS316でステップS318,S314以外の処理を行い、構成文書の出力文書への登録処理のフローを終了する。
【0057】
「不登録ファイルの指定」
結合画像を構成する登録文書の出力ができるか否かを判定する出力可否判定手段112は、上記で述べたように、出力不可を判定する際に不可の要因となった文書を特定する。
出力可否の判定は、図7もしくは図9の処理フローに示したように、判定対象の文書に設定された印刷条件と登録済み文書によって追加された出力構成情報の印刷条件(印刷モード)の間に矛盾が生じる場合に、出力不可と判定する。
出力不可の要因となった文書を特定する場合、矛盾する双方の文書の一方を除けば、出力不可は解消するので、ここでは、どちらか一方を不可の要因となった文書の中の不登録ファイルとして指定し、不登録ファイルとして指定した文書が未登録であれば、登録を止め、登録済み文書であれば、指定した文書の登録を抹消することで、登録文書を出力が可能な状態に維持することができる。
【0058】
不登録ファイルを指定する方法として、採り得る方法の1つは、新規に登録する文書、即ち出力可否の判定対象とした文書を指定する方法である。
この方法を採用することによって、新規に登録手続きを行っている文書を指定し、この文書に対し登録の抹消等の処理を行うことができ、他方の不可の要因となり得る文書(複数の場合もある)への対応に比べると処理を簡略化することができる。
不登録ファイルを指定する方法として、採り得る方法のもう1つは、出力不可の要因となった文書の登録数に基づく方法で、本実施形態では、複数結合画像の構成文書として複数の出力文書に登録される場合に、構成文書として登録される中の最も登録数の少ない文書を不登録ファイルと指定する。
例えば、図3の文書作成者がA,B,C,Fさんでステープルを印刷モードとした例を引くと、Cさんよりも前にAさん(画像サイズ:A2)が既に登録されている場合、Cさん(画像サイズ:A5)の文書登録時における出力可否の判定で、Aさんの文書とCさんの文書の間の矛盾によって出力不可となる。この場合、後記の方法をとると、Cさんが出力文書1,2に登録するのに対し、Aさんの文書が出力文書1のみであるからより登録数の少ないAさんの文書が不登録ファイルとして指定される。
出力不可の要因となる文書のうち出力文書の数が最も少ない文書を不登録ファイルとして指定する方法を採用することによって、印刷不可となる出力文書を最少化できる。
【0059】
「未登録文書への対応」
出力可否判定手段112は、判定対象文書の出力可否の判定を行う際、登録済み文書に設定された印刷条件との間に矛盾が生じるか否かによっても判定するので、未登録の文書に対しては、登録済み文書の印刷条件による制約を受ける。こうした制約が予知できれば、出力可否判定手段112が行う出力可否判定における処理(出力不可判定に伴う文書の削除やユーザへの通知等)の負担を少なくでき、ユーザにとっても再登録の手続きをしなくても済む場合があり、パフォーマンスを向上できる。
そこで、この実施形態では、出力構成情報管理手段105が、登録済み文書に設定された印刷条件によって生じる制約を考慮した登録基準を出力構成情報によって管理する。
“出力構成情報(2)”
図10は、出力構成情報管理手段105が管理する出力構成情報105dの1例を示す表である。
図10に例示する出力構成情報105dは、結合画像ごとに文書の管理情報を記載している点で先に図4を参照して説明した出力構成情報と変わりはなく、登録基準を記載した点のみが異なる。登録基準に記載する情報は、ここでは、登録済み文書の制約を受ける結果、登録可能な条件を示している。
【0060】
例えば、図3のB,Fさんの文書が登録された場合、文書未登録であるCさんに対して、印刷可能である画像パラメータを通知する。このケースでは、Bさんの画像サイズはA3であり、Fさんの画像サイズはA4であるため、出力文書1と出力文書2の両方に対して印刷可能とするためには、Cさんの文書サイズはA3或いはA4である必要がある。
出力可否判定手段112は、この登録条件を表す登録可能サイズ情報(A3,A4)を登録基準として求める。得られる登録可能サイズ情報は、出力構成情報105dとして管理され、未登録文書の作成者であるCさんにメール送信手段109を通じて通知される。
【0061】
図11は、結合画像出力を管理する制御システムが行う文書登録時の処理の制御シーケンスを示す図である。図11に示す制御シーケンスは、上記した未登録文書の作成者へ制約条件を通知するシーケンスを行う点に特徴があるが、その他のシーケンスは、基本的に図5に示した文書登録時のシーケンスと同様である。
よって、文書作成者が構成文書の登録手続きを指示するステップS501から文書情報登録手段103の依頼に出力可否判定手段112が応じるステップS521までの制御シーケンスは、上記図5の説明を参照することとし、記載を省略する。
出力可否判定手段112は、登録しようとしている構成文書を用いて構成する結合画像の出力可否の依頼を受け、指示されたファイルID群を文書管理手段101に渡し、これらの文書に出力条件として付加された画像パラメータ等の取得要求をする(ステップS522)。文書管理手段101は、この要求に応じ、文書管理情報101dに登録された当該文書に出力条件として付加された画像パラメータ等を検索し、検索結果を出力可否判定手段112に渡す(ステップS523)。
【0062】
出力可否判定手段112で行う結合画像の出力可否の判定は、各出力文書に対して構成文書を1つずつ順次判定の対象とし、下記(1)〜(3)の出力条件が判断される。なお、上記したB,Fさんの文書が登録され、Cさんが文書未登録であるケースに即して説明を加える。このケースで出力文書1,2のその他の構成文書が登録しようとすると
(1)結合画像出力に対し予め定められた出力構成情報に示された出力条件(例えば、出力文書1,2それぞれの印刷モードに示される「ステープル」)
(2)登録済み文書の画像パラメータ(出力文書1には、Bさんの構成文書の画像サイズ「A3」、出力文書2には、Fさんの構成文書の画像サイズ「A4」)に示された出力条件
(3)現在登録しようとしているその他の構成文書の判定の対象となっている画像パラメータに示された出力条件
に基づいて、結合画像の出力が可能であるか否かの出力可否を判定する。つまり、上記の出力条件を出力構成情報に取り込んだ場合に印刷モード(出力条件)間に矛盾がなく、MFPのプリントエンジン等が正常に作動するか否かを判定する。
【0063】
このとき、出力可否判定手段112は、出力文書1又は出力文書2の構成文書で未登録文書(上記の例におけるCさんの構成文書)に対する、登録基準(例えば、登録可能サイズ情報(A3,A4)とする)を求め、求めた登録基準を文書情報登録手段103の依頼に対する判定結果の1つとして管理する。
結合画像の出力可否の判定結果を受け取る文書情報登録手段103は、登録しようとしている構成文書を用いた複数結合画像の出力(印刷)が可能であるか、即ち、出力文書の出力構成情報105d(図4に示す出力構成情報の登録文書情報)に当該構成文書が登録できるか否かを判定し(ステップS524)、当該複数結合画像の出力を管理するための出力文書への登録処理を行う(ステップS531)。
同時に文書情報登録手段103は、結合画像の出力可否の判定結果の1つである登録基準を該当する出力文書の出力構成情報の登録基準の情報として登録するために出力可否判定手段112に取得要求を行う(ステップS532)。
【0064】
文書情報登録手段103は、出力可否判定手段112から取得した登録基準を該当する出力文書の出力構成情報として記載し(ステップS533)、取得した登録基準をこれから登録しようとするこの構成文書の作成者に通知をする手続きとる。
この手続きは、ユーザ管理手段107にこの未登録構成文書の作成者のユーザIDをもとに当該登録者のメールアドレスの取得を要求する(ステップS534)。
メールアドレスの取得要求を受けたユーザ管理手段107は、ユーザ情報(図14)を検索し、ユーザIDに関連付けられたメールアドレスを検索結果として取得し、これを文書情報登録手段103に渡す(ステップS535)。
文書情報登録手段103は、受け取ったメールアドレスをあて先として、登録基準の情報を通知する電子メールの送信をメール送信手段109に指示し、未登録構成文書の作成者へのメールの送信を実行する(ステップS536)。
このような未登録文書への対応によって、文書が未登録のユーザは前もって、登録すべき文書を修正することができるため、MFPは印刷出力が可能な状態の文書を受け入れることができ、処理の迅速化が図れ、出力不可判定に伴う文書の抹消やユーザへの通知等の処理負担を軽減できる。
【0065】
「出力形式の変換による出力不可への対処」
出力形式変換手段106は、登録しようとする構成文書(画像)に対し結合画像の出力の可否が判定され、出力不可と判定された場合、出力が可能な形式に画像を施して、変換後の構成文書を構成文書として登録する。
他方、出力が可能な形式への変換が可能ではない構成文書に対しては、登録ができないので、登録しようとしている文書の削除及び登録に失敗したことをその理由とともにユーザに通知する。
このような対処をシステム側で行うことによって、ユーザが画像の形式を変換し、画像を再登録する手間を出来る限り少なくすることができる。
図12は、結合画像出力を管理する制御システムが行う文書登録時の処理の制御シーケンスを示す図である。図12に示す制御シーケンスは、上記した出力不可と判定された結合画像の出力形式を変換する手順を行う点に特徴があるが、その他のシーケンスは、基本的に図5に示した文書登録時のシーケンスと同様である。
よって、文書作成者が構成文書の登録手続きを指示するステップS401から文書情報登録手段103の依頼に出力可否判定手段112が応じるステップS421までの制御シーケンスは、上記図5の説明を参照することとし、記載を省略する。
【0066】
出力可否判定手段112は、登録しようとしている構成文書を用いて構成する結合画像の出力可否の依頼を受け、指示されたファイルIDを文書管理手段101に渡し、これらの文書に出力条件として付加された画像パラメータ等の取得要求をする(ステップS422)。文書管理手段101は、この要求に応じ、文書管理情報101dに登録された当該文書に出力条件として付加された画像パラメータ等を検索し、検索結果を出力可否判定手段112に渡す(ステップS423)。
出力可否判定手段112で行う結合画像の出力可否の判定は、各出力文書に対して構成文書を1つずつ順次判定の対象とし、下記(1)〜(3)の出力条件が判断される。
(1)結合画像出力に対し予め定められた出力構成情報に示された出力条件
(2)登録済み文書の画像パラメータに示された出力条件
(3)現在登録しようとしている構成文書の画像パラメータに示された出力条件
に基づいて、結合画像の出力が可能であるか否かの出力可否を判定する。つまり、上記の出力条件を出力構成情報に取り込んだ場合に印刷モード(出力条件)間に矛盾がなく、MFPのプリントエンジン等が正常に作動するか否かを判定する。
【0067】
結合画像の出力可否の判定結果を受け取る文書情報登録手段103は、登録しようとしている構成文書を用いた複数結合画像の出力(印刷)が可能であるか、即ち、出力文書の出力構成情報105d(図4に示す出力構成情報の登録文書情報)に当該構成文書が登録できるか否かを判定する(ステップS424)。
登録できない場合、文書情報登録手段103は、登録できない当該構成文書のファイルIDを示して登録を可能にするための出力形式の変換ができるか否かの判定要求依頼を出力形式変換手段106に行う(ステップS431)。
この判定依頼を受け出力形式変換手段106は、登録しようとしている構成文書を用いて構成する結合画像の出力を可能とする出力形式の変換の可否を出力に関連する諸条件を考慮して判定し、可能であるという判定のもとに、変換を実行する出力サイズ変換手段108に変換処理を依頼する(ステップS432)。
【0068】
この依頼を受ける出力サイズ変換手段108は、出力形式変換手段106の指示するファイルIDを文書管理手段101に渡し、これらの文書に出力条件として付加された画像パラメータ等の取得要求をする(ステップS433)。文書管理手段101は、この要求に応じ、文書管理情報101dに登録された当該文書に出力条件として付加された画像パラメータ等を検索し、検索結果を出力サイズ変換手段108に渡す(ステップS434)。
出力サイズ変換手段108は、各ファイルに付加された画像パラメータ等をもとに実際に出力サイズの変換を実行し(ステップS435)、各ファイル(構成文書)の出力サイズ変換結果を出力形式変換手段106に通知する(ステップS436)。
この変換結果をうけ、出力形式変換手段106は、変換結果を文書管理手段101に送って構成文書をその管理下におく(ステップS437)とともに、変換可否の結果を文書情報登録手段103に通知する。
文書情報登録手段103は、出力サイズの変換が施された後の構成文書について再び登録できるか否かを判定する(ステップS439)。
変換に失敗した場合、もしくは登録が不可能である場合には、文書情報登録手段103は、メール送信手段109に指示し、メール送信手段により、該当するユーザに登録できなかったことを通知する。
【0069】
「ユーザ(管理者)への通知」
管理者は、上記「出力構成情報の作成(文書登録前)」で述べたように、文書登録前に結合画像の構成を定め、結合画像の出力を管理するための出力構成情報105dを作成し、その後、作成された文書が登録される時には、出力構成情報105dを通して、各文書の登録による結合画像の出力可否を確認する。
このため、出力可否の判定結果を知ると同時に、出力不可が判定された場合には、その判定理由を知ることが必要になる。
この実施形態では、管理者に必要な上記の機能を実現するために、出力可否判定手段112が上記「出力不可要因の特定」で述べたように、出力不可を判定した際に不可の要因となった文書として特定した文書(特に登録済みの文書)である場合に、当該文書を登録文書から抹消される文書として関連する管理者に知らせる。
【0070】
また、管理者は、出力構成情報105dを作成する際に、図10に例示した出力構成情報に示されている登録基準の設定を変更する権限が与えられている場合には、登録基準の変更によって、出力可否判定手段112が行う判定結果が異なってくる。
そこで、出力可否判定手段112により高いパフォーマンスが得られる基準を判断させる機能を持たせる。即ち、出力不可の要因となった画像出力用ファイルとして特定した画像出力用ファイルに設定された出力条件を変更することにより出力が可能になるか否かを判断し、出力が可能であると判断された出力条件を指定する機能を持たせる。
出力可否判定手段112が上記した判断を行い得た結果は、出力を可能にする指定された出力条件への設定変更を促すメッセージとして通信手段を用いて管理者に通知できるようにする。
このようにすることで、構成文書の作成者が画像を再登録する手間をできる限り少なくし、パフォーマンスを向上することができる。
【0071】
「結合画像の選択」
図4を参照して説明した出力構成情報では、結合画像を構成する構成文書は、登録ユーザリストにおいて、構成文書に対して1対1で作成者(ユーザID)を登録しているが、例えば、構成文書の作成者が複数いて、結合文書(出力文書)としてどの作成者の文書が最適であるかは結合文書が完成していないと判断がつかない、といったケースが想定され、各構成文書に1対1で作成者(ユーザID)が対応している図4の出力構成情報を採用する方法でこのようなケースに応えるためには、複数の出力文書を作成しなければならない。
そこで、ここでは、構成文書に対して1対nで複数作成者(ユーザID)を登録できるようにして、1つの出力文書の出力構成情報によって対応し、出力時に複数の登録文書から1つの構成文書を選択することにより結合した出力文書を成立させる。
【0072】
“出力構成情報(3)”
図13は、出力構成情報管理手段105が管理する本例の出力構成情報を示す表である。
図13に例示する出力構成情報は、結合画像の出力文書ID(:1)に対して、構成文書を作成するユーザの欄(登録ユーザリスト)における、2番目のユーザとして、「ユーザID:002,007」の2人の作成者が登録されている。
全ての構成文書の登録が済むと、出力文書が完成するので、印刷の出力が可能になるが、1つの構成文書に対して複数の文書が対応しているので、印刷を指示するときには、1つを選択する必要がある。この選択は、出力文書を利用するユーザの判断に任せることが望ましいので、操作表示パネル20の表示手段121に選択画面を表示し、ユーザの操作によって選択する文書を指示する。
このように、1つの構成文書に対して複数の作成者を登録できるようにしたことで、複数の出力文書を作成することなく、出力文書の管理を容易にする。
【符号の説明】
【0073】
11・・CPU、12・・ROM、13・・RAM、14・・画像蓄積装置、16・・LANコントローラ、19・・プロッタ、20・・操作表示パネル、25・・外部機、100・・制御システム、101・・文書管理手段、103・・文書情報登録手段、105・・出力構成情報管理手段、106・・出力形式変換手段、108・・出力サイズ変換手段、107・・ユーザ管理手段、109・・メール送信手段、112・・出力可否判定手段、114・・蓄積手段、121・・表示手段。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2006−139611号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを個別に管理するファイル管理手段と
前記ファイル管理手段によって管理される画像出力用ファイルを結合して結合画像出力用データを構成するための出力構成情報を管理する出力構成情報管理手段と、
前記ファイル管理手段が結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを登録するときに、当該結合画像に対し予め定められた出力構成情報に示された出力条件、登録する画像出力用ファイルに設定された出力条件及び登録済み画像出力用ファイルにより追加される出力構成情報に示された出力条件に基づいて、当該結合画像の出力可否を判定する出力可否判定手段と、
前記出力構成情報管理手段に対し、結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルが前記ファイル管理手段に登録される前に、予め定められた当該結合画像の出力構成情報を登録し、その上、前記出力可否判定手段によって出力可と判定された画像出力用ファイルの出力条件を当該結合画像の出力構成情報に追加登録し、かつ前記出力可否判定手段によって出力可と判定された画像出力用ファイルのファイル情報を当該結合画像の出力構成情報の画像出力用ファイル情報に登録する出力構成情報登録手段と、
前記出力構成情報管理手段によって管理される出力構成情報をもとに結合画像出力用データを生成する手段を
有する画像処理装置であって、
複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定手段によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の全てが出力不可である場合に、前記出力構成情報登録手段は、当該ファイル情報を出力構成情報として登録せず、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該ファイルを削除し、
複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定手段によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合に、前記出力構成情報登録手段は、不可にならない結合画像の出力構成情報に当該ファイル情報を登録し、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該ファイルの登録、管理を行う
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理装置において、
複数結合画像の構成要素となる前記画像出力用ファイルの改訂ファイルを前記ファイル管理手段に再登録するときに、前記出力可否判定手段によって判定される当該改訂ファイルを構成要素とする複数結合画像の全てが出力不可である場合に、前記出力構成情報登録手段は、当該改訂ファイル情報を出力構成情報として登録せず、出力構成情報に前に登録されたファイル情報の登録を継続し、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該改訂ファイルを削除し、
複数結合画像の構成要素となる前記画像出力用ファイルの改訂ファイルを前記ファイル管理手段に再登録するときに、前記出力可否判定手段によって判定される当該改訂ファイルを構成要素とする複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合に、前記出力構成情報登録手段は、出力不可にならない結合画像のうち、出力構成情報のファイル情報が未登録のものに当該改訂ファイル情報を新規に登録し、既に登録されている出力構成情報のファイル情報を当該改訂ファイル情報に書換え、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該改訂ファイルの登録、管理を行うとともに、既に登録されている出力構成情報のファイル情報が全部当該改訂ファイル情報に書換えられた場合に、既に登録した画像出力用ファイルを削除する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された画像処理装置において、
前記出力可否判定手段は、出力不可と判定した際に出力不可の要因となった画像出力用ファイルの中から結合画像出力を構成する登録済み画像出力用ファイル数が最も少ないファイルを不登録画像出力用ファイルとして指定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、
画像出力用ファイルの登録を要求するユーザに対する通信手段を備え、
前記ファイル管理手段は、結合画像出力に用いる各画像出力用ファイルと登録するユーザを関係付ける情報及び登録済みの画像出力用ファイルの情報を管理し、当該管理情報をもとに未登録の画像出力用ファイルに関るユーザの情報を取得し、
前記通信手段は、取得した画像出力用ファイルの未登録の画像出力用ファイルに関るユーザの情報をもとに、前記出力構成情報管理手段で管理された登録済みの画像出力用ファイルによる追加分を含んだ当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の出力構成情報に示される出力条件を該当するユーザに通知することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、
画像出力用ファイルの登録を要求するユーザに対する通信手段と、
画像出力用ファイルに設定された出力条件を変換することにより出力が可能になるか否かを判断し、出力が可能であると判断された場合に、判断に従って画像出力用データに実行可能な出力形式への変換を施す出力形式変換手段を備え、
前記出力可否判定手段は、出力不可と判定した際に出力不可の要因となった画像出力用ファイルの中から不登録とする画像出力用ファイルを指定し、
前記出力可否判定手段によって指定された不登録とする画像出力用ファイルを前記出力形式変換手段の処理を通して出力が可能になった場合に、前記出力構成情報登録手段は、当該結合画像の出力構成情報に当該ファイル情報を登録し、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該ファイルの登録、管理を行い、
前記出力可否判定手段によって指定された不登録とする画像出力用ファイルを前記出力形式変換手段の処理を通しても出力が可能にならなかった場合に、前記出力構成情報登録手段は、当該結合画像の出力構成情報に当該ファイル情報を登録せず、かつ前記ファイル管理手段は、登録しようとした当該ファイルを削除するとともに、前記通信手段は、不登録と指定された画像出力用ファイル情報と出力不可と判定した理由を該当するユーザに通知する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、
前記出力構成情報の登録を要求する管理者に対する通信手段を備え、
前記出力可否判定手段は、出力不可と判定した際に出力不可の要因となった画像出力用ファイルを特定するとともに、特定した画像出力用ファイルに設定された出力条件を変更することにより出力が可能になるか否かを判断し、出力が可能であると判断された出力条件を指定し、
前記通信手段は、前記出力構成情報の登録を要求する管理者に前記出力可否判定手段によって指定された出力を可能にする出力条件への設定変更を促すメッセージを通知する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、
結合画像出力の処理条件の指示を受付ける指示入力手段を備え、
前記出力構成情報登録手段は、出力構成情報の画像出力用ファイル情報ごとに複数のファイルの登録を許容し、
前記出力可否判定手段が出力可と判定した複数の画像出力用ファイルが前記出力構成情報登録手段によって出力構成情報の画像出力用ファイル情報ごとの画像出力用ファイルとして登録された場合、前記出力構成情報管理手段は、前記指示入力手段によって受付けた画像出力用ファイルの選択指示に従って、複数の画像出力用ファイルから選択された1つの画像出力用ファイルを前記結合画像出力用データの生成に用いる出力構成情報として決定する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれかに記載された画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項10】
結合画像出力に用いる画像出力用ファイルとしてそれぞれ出力条件を付与して生成され、生成されたファイルを個々にファイル管理手段に登録する際に行う画像出力用ファイル管理方法であって、
結合画像出力に用いる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録する前に、予め定められた当該結合画像の出力構成情報を登録する第1出力構成情報登録工程と、
結合画像出力に用いる各画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに登録する画像出力用ファイルに設定された出力条件、前記第1出力構成情報登録工程で登録された当該結合画像出力の出力構成情報に示された出力条件及び登録済み画像出力用ファイルの登録により追加される出力構成情報に示された出力条件に基づいて、当該結合画像の出力可否を判定する出力可否判定工程と、
前記出力可否判定工程で出力可と判定される度に、当該画像出力用ファイルの出力条件を当該結合画像の出力構成情報に追加登録し、かつ前記出力可否判定工程で出力可と判定された画像出力用ファイルのファイル情報を当該結合画像の出力構成情報の画像出力用ファイル情報に登録する第2出力構成情報登録工程と、
複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定工程によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の全てが出力不可である場合に、当該ファイル情報を出力構成情報として登録せず、かつ前記ファイル管理手段に登録しようとした当該ファイルを削除する第1登録ファイル管理工程と、
複数結合画像の構成要素となる画像出力用ファイルを前記ファイル管理手段に登録するときに、前記出力可否判定工程によって判定される当該ファイルを構成要素とする複数結合画像の一部でも出力不可にならない場合に、不可にならない結合画像の出力構成情報に当該ファイル情報を登録し、かつ前記ファイル管理手段に登録しようとした当該ファイルの登録、管理を行う第2登録ファイル管理工程と、
前記第1及び第2出力構成情報登録工程並びに前記第2登録ファイル管理工程によって管理される出力構成情報をもとに結合画像出力用データを生成する工程を
有することを特徴とする画像出力用ファイル管理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−19076(P2011−19076A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162173(P2009−162173)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】