説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】本発明は、2次色を使用した多色化において、干渉模様を目立ち難くする。
【解決手段】画像形成装置1は、その画像処理部3において、画像入力部2がホスト装置HSから受け取って展開したRGBのビットマップ画像データに基づいて、記録量決定部11が、減法混色の3原色と黒色の1次のcmyk色材及び2次のr色材の記録量を決定するとともに、r色材に置き換え可能な1次色色材の組み合わせ(m色材とy色材)については、r色材の使用を優先させてr色材の記録量を決定して、スクリーン処理部12が、決定された各色材の記録量に基づいて色材量毎にスクリーン処理を施して付勢信号Fk、Fc、Fm、Fy、Frを生成するとともに、r色材に置き換え可能なm色材とy色材に対しては、スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当て、画像記録部14で付勢信号Fk、Fc、Fm、Fy、Frに基づいて用紙に画像を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、詳細には、多色化における画像品質の向上を図った画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置においては、インク、トナー等の色材による記録/非記録を制御して中間調を表現しており、また、この中間調の表現においては、階調再現安定化のため、記録/非記録部位をそれぞれ集めて、等間隔に並るスクリーン処理を行っている。
【0003】
ところが、カラー画像を記録する場合、記録/非記録部位を並べると、インク、トナー等の色材毎の集まりが相互に影響して、干渉模様(モアレ)が目立つことがある。
【0004】
そこで、従来から、干渉周期をできる限り短くして、干渉模様を目立たなくする技術がある。例えば、記録/非記録部位の間隔は揃えるが、色材毎に記録/非記録の集まりの並び方向を変えて、相互の方向差を大きくすることで、干渉模様を目立たなくする技術がある。この技術としては、例えば、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)4色のカラー印刷の場合、CMKの方向(スクリーン角)をそれぞれ15°(15度)、75°、45°として、30°の大きな間隔を取り、他の色材との干渉が目立ち難いYの方向は0°(差は最小15°)とする例が、知られている。また、デジタル的に処理を行う画像形成装置においては、CMYKの間隔をほぼ揃え、上記角度に類似したスクリーン角を有理正接法により実現する例が知られている。ここで、有理正接法とは、網角度の正接(tan)が有理数となるような網点の形成方法をいう。
【0005】
一方、近年、高色域記録を行うために、上述の4色に、該4色の2色以上を混ぜ合わせた色である2次色相当の5色目(RGB(レッド、グリーン、ブルー))等を加える(多色化)技術も使われるようになってきている。
【0006】
そして、従来、補色の関係にあるC(シアン)とR(レッド:Orange)、M(マゼンタ)とG(グリーン)のスクリーン角を同じにして、多色化において干渉模様が目立つのを抑制しようとする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術にあっては、色数が増加するのに伴って色相互間に大きなスクリーン角を設定することができなくなり、干渉模様が目立ち易くなるという問題があった。また、この問題に対して、CとR、MとGのスクリーン角を同じにする公報記載の従来技術を適用しても、補色の関係にある色同士が同一箇所に記録される場合があり、このような場合には、干渉模様が目立ち易くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、多色化においても、干渉模様を目立ち難くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理装置は、上記目的を達成するために、画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定手段と、決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理手段と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定手段と、決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理手段と、前記色材記録信号に基づいて前記1次色色材び前記2次色色材を用いて画像を被記録媒体に形成する画像形成手段と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明の画像処理方法は、上記目的を達成するために、画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定処理ステップと、決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理ステップと、を有していることを特徴としている。
【0012】
本発明の画像処理プログラムは、上記目的を達成するために、コンピュータに、画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定処理と、決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理と、を実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、多色化においても、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施例を適用した画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】3次元LUT部の一例を示す図。
【図3】スクリーン回路の一例を示すブロック図。
【図4】画像記録部の概略構成図。
【図5】3次元LUT生成処理を示すフローチャート。
【図6】KCRM再現色処理を示すフローチャート。
【図7】KCYR再現色処理を示すフローチャート。
【図8】組み合わせ評価処理を示すフローチャート。
【図9】画像処理を示すフローチャート。
【図10】スクリーン角が0°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【図11】スクリーン角が45°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【図12】スクリーン角が18.4°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【図13】スクリーン角が71.6°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【図14】第2実施例の画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図15】第2実施例の3次元LUT生成処理を示すフローチャート。
【図16】KMR再現色処理を示すフローチャート。
【図17】スクリーン角が45°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【図18】スクリーン角が14°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【図19】スクリーン角が76°の場合におけるスクリーン処理の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0016】
図1〜図13は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの第1実施例を適用した画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0017】
図1において、画像形成装置1は、プリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置であり、画像入力部2、画像処理部(画像処理装置)3及び画像記録部4等を備えているとともに、図示しないが、操作表示部及び制御部等を備えている。
【0018】
操作表示部は、画像形成装置1を動作させるのに必要な各種操作キーが設けられているとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)等が設けられており、ディスプレイには、一般的に、タッチパネルが配設されていて、操作表示部は、そのディスプレイに、画像形成装置1の各種操作を行うのに必要なガイダンス表示と該ガイダンス表示に対応するタッチボタンを表示して、タッチパネルでの操作を可能としている。
【0019】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えており、CPUが、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての処理を実行する。
【0020】
画像入力部2は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されており、該ネットワークに接続されているコンピュータ等のホスト装置HSからカラーの圧縮/非圧縮の画像データや描画コマンドを受け取る。画像入力部2は、ホスト装置HSから送られてきた画像データや描画データをRGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)のビットマップ画像データに展開し、RGBの画像信号Sr、Sg、Sbとして画像処理部3に出力する。
【0021】
画像処理部(画像処理装置)3は、記録量決定部11、スクリーン処理部12及び画像処理制御部13等を備えており、画像記録部4は、k色画像記録部14k、c色画像記録部14c、m色画像記録部14m、y色画像記録部14y及びr色画像記録部14r等を備えている。
【0022】
画像記録部(画像形成手段)4は、電子写真方式またはインク噴射方式等の色材を用いて用紙(被記録媒体)に画像を記録出力するが、以下の説明では、電子写真方式で画像記録するものとして説明する。画像記録部4は、k色画像記録部14k、c色画像記録部14c、m色画像記録部14m及びy色画像記録部14yが、後述するように、それぞれk(ブラック)、c(シアン)、m(マゼンタ)、y(イエロー)の1次色色材(1次色トナー)を用いて、画像処理部3から入力される対応する色の付勢信号(色材記録信号)Fk、Fc、Fm、Fyに基づいて画像を用紙に形成し、r色画像記録部14rは、r(レッド)の2次色色材(2次色トナー)を用いて、画像処理部3から入力されるr色の付勢信号Frに基づいて画像を用紙に形成する。
【0023】
画像処理部3の記録量決定部(記録量決定手段)11は、kcmyr色のそれぞれに対して色材記録量を決定する3次元LUT(ルック・アップ・テーブル)部11k、11c、11m、11y、11rを備えており、3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rは、予めRGBの画像データに対応するkcmyrの色材記録量を求めてテーブルとして記録された3次元テーブルを備えている。画像処理部3は、画像入力部2から入力される画像信号Sr、Sg、Sbに基づいて、画像記録部4が備えている画像記録部14k、14c、14m、14y、14rの色材記録量を決定して、記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkとして出力する。すなわち、各3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rは、3次元LUT部11kについて、図2に示すように、ROM15k、15c、15m、15y、15rにk色、c色、m色、y色、r色の色材記録量が3次元LUTとして格納されており、各ROM15k、15c、15m、15y、15rには、画像信号Sr、Sg、Sbが入力されるとともに、カラー出力またはモノクロ出力を指定するColor/Mono信号が入力される。ROM15k、15c、15m、15y、15rには、カラー出力及びモノクロ出力に適したk色材、c色材、m色材、y色材及びr色材の記録量が3次元LUTとして予め記憶されており、各3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rは、画像信号Sr、Sg、Sb及びColor/Mono信号に対応するk色材、c色材、m色材、y色材、r色材の記録量を読み出して、記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkとしてスクリーン処理部12に出力する。図2は、k色用の3次元LUT部11kについてのみ示されているが、他の色用の3次元LUT部11c、11m、11y、11rについても同様である。
【0024】
なお、画像記録部4のr色画像記録部14rの使用するr色材(r色トナー)は、m色材とy色材を同時に使用することで代用することができるが、本実施例においては、r色については、可能な限りr色材を使用して画像形成させ、m色材とy色材の同時使用に置き換えない。すなわち、m色材及びy色材の同時使用で表現できる部分は、r色材で表現して、m色材とy色材を同一箇所にできるだけ記録しないが、r色材がない場合等には、m色材とy色材を同一箇所に使用してr色材に置き換えてもよい。
【0025】
スクリーン処理部(スクリーン処理手段)12は、k色用スクリーン回路12k、c色用スクリーン回路12c、m色用スクリーン回路12m、y色用スクリーン回路12y、r色用スクリーン回路12rを備えており、各色用スクリーン回路12k、12c、12m、12y、12rは、記録量決定部11の対応する色の3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rで決定されたkcmyr色の記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkに基づいて、色材の記録/非記録部位を集中・整列させるスクリーン処理を行って、色材記録の付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkに変換して画像記録部4の対応する色の画像記録部14r、14c、14m、14y、14k出力する。
【0026】
kcmyrの各色用スクリーン回路12k、12c、12m、12y、12rは、k色用のスクリーン回路12kについて、図3に示すように、記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)を同一にするLUTを格納しているROM16k、16c、16m、16y、16r、主走査位置カウンタ17k、17c、17m、17y、17r及び副走査位置カウンタ18k、18c、18m、18y、18r等を備えており、ROM16k、16c、16m、16y、16rのアドレス信号として、上記記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、主走査位置カウンタ17k、17c、17m、17y、17rのカウント値m及び副走査位置カウンタ18k、18c、18m、18y、18rのカウント値nがそれぞれ入力される。ROM16k、16c、16m、16y、16rは、それぞれ、k色材、c色材、m色材、y色材、r色材の記録量及び主走査位置と副走査位置に応じてスクリーン処理を行った結果がLUTとして記録されており、各色のスクリーン回路12k、12c、12m、12y、12rは、各色の記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk及び主走査位置カウント値mと副走査位置カウント値nに基づいてROM16k、16c、16m、16y、16rのLUTからスクリーン処理結果を読み出して、付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkとして画像記録部4の対応する色の画像記録部14k、14c、14m、14y、14rに出力する。なお、図3では、k色用のスクリーン回路12kについてのみ示されているが、他の色用のスクリーン回路12c、12m、12y、12rについても同様の構成である。また、本実施例のスクリーン回路11mとスクリーン回路12yは、記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)が同一となっており、上述のように、m色材及びy色材を同一箇所に記録しないため、集中・整列させる方向を同一としても干渉することがない。したがって、2次色であるr色を用いて多色化を行っても、方向の角度差を大きい状態で維持することができ、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0027】
なお、スクリーン回路11mとスクリーン回路12yは、記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)の差を最小としても、同様な効果を得ることができる。この場合、差が最小とは、kcmyrの色材の方向を相互に比較したときに、方向の角度差が最小となる組み合わせとなることを意味しており、この場合においても、m色材及びy色材を同一箇所に記録しないので、干渉することがない。
【0028】
そして、画像処理制御部13は、CPU、ROM、RAM等を備えており、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用して、画像処理部3の記録量決定部11及びスクリーン処理部12等を制御して、画像形成装置における通常の画像処理部として機能させるとともに、ROM内の本発明の画像処理プログラムに基づいて、多色化においても、干渉模様を目立ち難くする画像処理する画像処理方法を実行する。
【0029】
すなわち、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んで、画像処理制御部13のROMやハードディスクに導入することで、後述する多色化においても、干渉模様を目立ち難くする画像処理を行う画像処理方法を実行する画像処理部(画像処理装置)を搭載する画像形成装置として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0030】
そして、上記画像記録部4は、図4に示すように、給紙部20、画像形成部30、定着ユニット60及び図示しない排紙トレイ等を備えており、給紙部20は、複数(図4では、2つ)のサイズの異なる用紙Pを収納可能な給紙トレイ21a、21bに複数枚の用紙Pが収納されていて、各給紙トレイ21a、21bに対応して設けられている給紙コロ22a、22bが、給紙トレイ21a、21bのうち選択された給紙トレイ21a、21b内の用紙を1枚ずつ分離して、画像形成部30に給紙する。
【0031】
画像形成部30は、レジストローラ31を備えているとともに、無端状の搬送ベルト40に沿って、上記kcmyr色の画像記録部14r、14c、14m、14y、14kが図4の右から左方向にr色、c色、m色、y色及びk色の順に並んで配設されており、搬送ベルト40は、一対のローラ41a、41bに張り渡されていて、一方のローラ41a、41bが図4に矢印で示す反時計方向に回転駆動されることで、回転駆動される。
【0032】
各画像記録部14r、14c、14m、14y、14kは、感光体51R、51C、51M、51Y、51Kの周囲に、帯電部52R、52C、52M、52Y、52K、図示しない各色用の光書き込み部、現像部53R、53C、53M、53Y、53K、転写部54R、54C、54M、54Y、54K及びクリーニング部55R、55C、55M、55Y、55K等が配設されており、帯電部52R、52C、52M、52Y、52Kで一様に帯電させた感光体51R、51C、51M、51Y、51Kに対応する色の光り書き込み部によって付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkに基づいて変調したレーザ光Lr、Lc、Lm、Ly、Lkを照射することで感光体51R、51C、51M、51Y、51K上に静電潜像を形成する。各画像記録部14r、14c、14m、14y、14kは、静電潜像の形成された感光体51R、51C、51M、51Y、51Kに現像部53R、53C、53M、53Y、53Kから各色rcmykのトナーを供給して該色のトナー画像を形成し、搬送ベルト40を挟んで転写部54R、54C、54M、54Y、54Kと対向する位置へトナー画像を搬送する。
【0033】
画像形成部30は、給紙部20から用紙がレジストローラ31に搬送されてきた用紙Pを一旦停止させた後、画像記録部14rの感光体51R上のトナー画像との位置合わせを行って、搬送ベルト40によって、各画像記録部14r、14c、14m、14y、14kの感光体51R、51C、51M、51Y、51Kと転写部54R、54C、54M、54Y、54Kとの間に順次搬送する。
【0034】
画像形成部30は、各画像記録部14r、14c、14m、14y、14kの感光体51R、51C、51M、51Y、51Kと転写部54R、54C、54M、54Y、54Kとの間に用紙Pが搬送されてくるタイミングで、転写部54R、54C、54M、54Y、54Kによって感光体51R、51C、51M、51Y、51K上の各色のトナー画像を順次重ね合わせてカラーのトナー画像を用紙P上に転写する。
【0035】
画像形成部30は、カラーのトナー画像の転写された用紙Pを、搬送ベルト40によって、定着部60に送り込み、トナー画像の転写された感光体51R、51C、51M、51Y、51Kをクリーニング部55R、55C、55M、55Y、55Kでクリーニングさせて、次の画像記録に供させる。
【0036】
定着部60は、カラーのトナー画像の転写された用紙Pを加熱加圧して、該トナー画像を用紙Pに定着させた後、排紙トレイ上に排出する。
【0037】
なお、図2では、画像形成部30は、画像記録部14r、14c、14m、14y、14kの順に配設されているが、画像形成ユニットとしては、R(レッド)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順に限るものではない。
【0038】
なお、上記説明においては、ホスト装置HSからカラー画像データと描画コマンドが送られてくる場合について説明したが、モノクロ出力の描画コマンドが送られてきた場合には、画像入力部2が、画像処理部3及び画像記録部4にモノクロ出力を伝え、画像処理部3の画像処理制御部13が、記録量決定部11の3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rをモノクロ出力用に切り換える等の制御を行う。
【0039】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例の画像形成装置1は、多色化においても、干渉模様を目立ち難くする。
【0040】
すなわち、画像形成装置1は、ホスト装置HSから送られてくるRGBの画像データと描画コマンドを、画像入力部2で受け取って、画像信号Sr、Sg、Sbとして画像処理部3に出力し、画像処理部3は、まず、記録量決定部11で、画像入力部2から入力される画像信号Sr、Sg、Sbに基づいて、画像記録部4で用いるkcmyr色のそれぞれに対して色材記録量を決定して記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkとしてスクリーン処理部12に出力する。このとき、記録量決定部11は、m色材とy色材の同時使用に置き換えない、すなわち、m色材及びy色材の同時使用で表現できる部分は、r色材で表現して、m色材とy色材を同一箇所に記録しないこととして、記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkを決定する。そして、画像形成装置1は、スクリーン処理部12が、記録量決定部11からの記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkに基づいて、色材の記録/非記録部位を集中・整列させるスクリーン処理を行って、色材記録の付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkに変換して画像記録部4の対応する色の画像記録部14r、14c、14m、14y、14kに出力し、画像記録部14r、14c、14m、14y、14kが、付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkに基づいて画像を用紙Pに形成する。
【0041】
そして、記録量決定部11は、図1及び図2に示したように、kcmyr色に対応して3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rに、画像信号Sr、Sg、Sb及びカラー出力またはモノクロ出力を指定するColor/Mono信号に基づいて画像記録部14k、14c、14m、14y、14rで使用する色材記録量を決定するための3次元LUTをROM15k、15c、15m、15y、15rに格納している。
【0042】
この3次元LUTは、図5から図8に示すように、m色材及びy色材の同時使用で表現できる色の画像部分については、r色材を用いるものとして、決定されて、3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rのROM15k、15c、15m、15g、15rに格納される。
【0043】
すなわち、画像形成装置1は、図5に示すように、まず、KCMR再現色処理を行って、y色材を含まないkcmr色材の組み合わせによる再現色を把握する(ステップS101)。次に、画像形成装置1は、KCYR再現色処理を行って、m色材を含まないkcyr色材の組み合わせによる再現色を把握する(ステップS102)。そして、画像形成装置1は、最適組み合わせ処理を行って、RGBの画像データである画像信号Sr、Sg、Sbに対するkcmyr色材の最適な組み合わせを、KCMR再現色処理及びKCYR再現色処理で把握した再現色に基づいて、選択する(ステップS103)。
【0044】
そして、本実施例の画像形成装置1は、KCMR再現色処理及びKCYR再現色処理で把握した再現色としては、m色材とy色材を同時には使用していないので、最適組み合わせ処理で選択されたkcmyr色材の組み合わせも、m色材とy色材を同時に使用しない組み合わせ評価を行う。
【0045】
したがって、m色材及びy色材の同時使用によって表現できる部分を、r色材で表現する3次元LUTを生成して、ROM15k、15c、15m、15y、15rに格納することができる。
【0046】
そして、画像形成装置1は、図5のステップS101のKCMR再現色処理を、図6に示すように、実行する。すなわち、画像形成装置1は、y色材を含まないkcmr色材の組み合わせによる再現色を把握するため、初めに、k色材の記録量Kを、「0」にセットし(ステップS201)、c色材の記録量Cを、「0」にセットして(ステップS202)、m色材の記録量Mを、「0」にセットする(ステップS203)。画像形成装置1は、次いで、r色材の記録量Rを、「0」にセットして(ステップS204)、再現色取得処理によりkcmr色材で再現される色を取得する(ステップS205)。ここで、再現色取得処理は、実際にkcmr色材を各記録量に従って画像記録部4で記録した画像を測色、あるいは、kcmr色材の各記録量に従って再現される色を予測する等の方法によって行う。
【0047】
次に、画像形成装置1は、r色材の記録量Rを増やして(R=R+1)(ステップS206)、r色材の記録量Rが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS207)、記録量Rの処理が終了していないときには、ステップS205に戻って、再度、再現色取得処理を実施する処理を、r色材の記録量Rが最大になるまで繰り返す(ステップS205〜S207)。
【0048】
ステップS207で、r色材の記録量Rが最大になって処理を終了すると、画像形成装置1は、m色材の記録量Mを増やして(M=M+1)(ステップS208)、m色材の記録量Mが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS209)、記録量Mの処理が終了していないときには、ステップS204に戻って、r色材の記録量Rを、「0」にセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、m色材の記録量Mを増やして、記録量Mが最大になったか判断する処理を、m色材の記録量Mが最大になるまで繰り返し行う(ステップS204〜S209)。
【0049】
そして、ステップS209で、m色材の記録量Mが最大になって処理を終了すると、画像形成装置1は、c色材の記録量Cを増やして(C=C+1)(ステップS210)、c色材の記録量Cが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS211)、記録量Cの処理が終了していないときには、ステップS203に戻って、m色材の記録量Mを、「0」、r色材の記録量Rを、「0」にそれぞれセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、c色材の記録量Cを増やして、記録量Cが最大になったか判断する処理を、c色材の記録量Cが最大になるまで繰り返し行う(ステップS203〜S211)。
【0050】
ステップS211で、c色材の記録量Cが最大になって処理を終了すると、画像形成装置1は、k色材の記録量Kを増やして(K=K+1)(ステップS212)、k色材の記録量Kが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS213)、記録量Kの処理が終了していないときには、ステップS202に戻って、c色材の記録量Cを、「0」、m食材の記録量Mを、「0」、r色材の記録量Rを、「0」にそれぞれセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、k色材の記録量Kを増やして、記録量Kが最大になったか判断する処理を、k色材の記録量Kが最大になるまで繰り返し行う(ステップS202〜S213)。
【0051】
そして、ステップS213で、記録量Kが最大になると、画像形成装置1は、KCMR再現処理が完了したとして、処理を終了する。
【0052】
上記KCMR再現色処理により、y色材を含まないkcmr色材の組み合わせによる再現色を把握することができる。
【0053】
そして、画像形成装置1は、図5のステップS102のKCYR再現色処理を、図7に示すように、実行する。すなわち、画像形成装置1は、m色材を含まないkcyr色材の組み合わせによる再現色を把握するため、初めに、k色材の記録量Kを、「0」にセットし(ステップS301)、c色材の記録量Cを、「0」にセットして(ステップS302)、y色材の記録量Yを、「0」にセットする(ステップS303)。画像形成装置1は、次いで、r色材の記録量Rを、「0」にセットして(ステップS304)、再現色取得処理によりkcyr色材で再現される色を取得する(ステップS305)。ここで、再現色取得処理は、実際にkcyr色材を各記録量に従って画像記録部4で記録した画像を測色、あるいは、kcyr色材の各記録量に従って再現される色を予測する等の方法によって行う。
【0054】
次に、画像形成装置1は、r色材の記録量Rを増やして(R=R+1)(ステップS306)、記録量Rが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS307)、記録量Rの処理が終了していないときには、ステップS305に戻って、再度、再現色取得処理を実施する処理を、r色材の記録量Rが最大になるまで繰り返す(ステップS305〜S307)。
【0055】
ステップS307で、r色材の記録量Rが最大になって処理を終了すると、画像形成装置1は、y色材の記録量Yを増やして(Y=Y+1)(ステップS308)、y色材の記録量Yが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS309)、記録量Yの処理が終了していないときには、ステップS304に戻って、r色材の記録量Rを、「0」にセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、y色材の記録量Yを増やして、記録量Yが最大になったか判断する処理を、y色材の記録量Yが最大になるまで繰り返し行う(ステップS304〜S309)。
【0056】
そして、ステップS309で、y色材の記録量Yが最大になって処理を終了すると、画像形成装置1は、c色材の記録量Cを増やして(C=C+1)(ステップS310)、c色材の記録量Cが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS311)、記録量Cの処理が終了していないときには、ステップS303に戻って、y色材の記録量Yを、「0」、r色材の記録量Rを、「0」にそれぞれセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、c色材の記録量Cを増やして、記録量Cが最大になったか判断する処理を、c色材の記録量Cが最大になるまで繰り返し行う(ステップS303〜S311)。
【0057】
ステップS311で、c色材の記録量Cが最大になって処理を終了すると、画像形成装置1は、k色材の記録量Kを増やして(K=K+1)(ステップS312)、k色材の記録量Kが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS313)、記録量Kの処理が終了していないときには、ステップS302に戻って、c色材の記録量Cを、「0」、y食材の記録量Yを、「0」、r色材の記録量Rを、「0」にそれぞれセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、k色材の記録量Kを増やして、記録量Kが最大になったか判断する処理を、k色材の記録量Kが最大になるまで繰り返し行う(ステップS302〜S313)。
【0058】
ステップS213で、記録量Kが最大になると、画像形成装置1は、KCYR再現処理が完了したとして、処理を終了する。
【0059】
上記KCYR再現色処理により、m色材を含まないkcyr色材の組み合わせによる再現色を把握することができる。
【0060】
そして、画像形成装置1は、図5のステップS103の組み合わせ評価処理を、図8に示すように実行する。すなわち、画像形成装置1は、組み合わせ評価処理に入ると、まず、RGBの画像データに対するkcmyr色材の最適な組み合わせを得るために、初めにRの画像データを、「0」にセットし(ステップS401)、Gの画像データを、「0」にセットして(ステップS402)、Bの画像データを、「0」にセットする(ステップS403)。画像形成装置1は、RGBの画像データのセットを行うと、組み合わせ選択処理を行って、RGBの画像データに対してkcmyr色材の最適な組み合わせを、上記KCMR再現色処理及びKCYR再現色処理で把握した再現色に基づいて、選択する。
【0061】
ここで、最適な組み合わせとは、再現される色とRGBの画像データが示す色との色差が小さい、色材の使用量(kcmyr色材の記録量の合計)が少ない等の条件を満たす組み合わせである。
【0062】
一般に、再現される色とRGBの画像データが示す色との色差が最も小さいことが好ましく、色材の使用量(kcmyr色材の記録量の合計)が最も少ない方が好ましい。
【0063】
ところが、これらの条件を同時に満たすとは限らないため、色材の使用量が所定の値以下で色差が最も近い組み合わせ、あるいは、色差が最小またはそれとほぼ同等(例えば、色差が、色差の最小値+3以内)で、色材の使用量が最小である等の条件によって、組み合わせを選択する。
【0064】
次に、画像形成装置1は、Bの画像データを増やして(ステップS405)、Bの画像データが最大になったかチェックし(ステップS406)、Bの画像データが最大になっていないときには、ステップS404に戻って、再度、組み合わせ選択処理を実施して、Bの画像データが最大になったかを選択するという処理を、Bの画像データが最大になるまで繰り返す(ステップS404〜S406)。
【0065】
ステップS406で、Bの画像データが最大になると、画像形成装置1は、Gの画像データを増やして(ステップS407)、Gの画像データが最大になったかチェックし(ステップS408)、Gの画像データが最大になっていないときには、ステップS403に戻って、Bの画像データを、「0」にセットして、再度、組み合わせ選択処理を実施して、Gの画像データが最大になったかを判断するという処理を、Gの画像データが最大になるまで繰り返す(ステップS403〜S408)。
【0066】
ステップS408で、Gの画像データが最大になると、画像形成装置1は、Rの画像データを増やして(ステップS409)、Rの画像データが最大になったかチェックし(ステップS410)、Rの画像データが最大になっていないときには、ステップS402に戻って、Gの画像データを、「0」、Bの画像データを、「0」にセットして、再度、組み合わせ選択処理を実施して、Rの画像データが最大になったかを判断するという処理を、Rの画像データが最大になるまで繰り返す(ステップS402〜S410)。
【0067】
ステップS410で、Rの画像データが最大になると、画像形成装置1は、組み合わせ評価処理が完了したとして、処理を終了する。
【0068】
上記組み合わせ評価処理により、RGBの画像データ全てに対するkcmyr色材の最適な組み合わせを得ることができ、このようにして得た最適組み合わせを、上記3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rのROM15k、15c、15m、15y、15rにそれぞれ格納する。
【0069】
なお、上記説明では、画像形成装置1が、上記3次元LUT生成処理を実行して3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rのROM15k、15c、15m、15y、15rに格納するものとして説明したが、3次元LUT生成処理は、画像形成装置1が行うものに限らず、他の装置、例えば、コンピュータや他の画像形成装置等において行って、画像形成装置1の3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rのROM15k、15c、15m、15y、15rに記憶してもよい。
【0070】
そして、画像形成装置1は、上述のようにして生成した3次元LUTが、3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rのROM15k、15c、15m、15y、15rに記憶した状態で、ホスト装置HSからRGBの画像データと描画コマンドが送られてくると、図9に示すように、画像処理を行って画像記録出力する。すなわち、画像形成装置1は、ホスト装置HSから送られてくるRGBの画像データと描画コマンドを、画像入力部2で受け取ると、画像入力部2が、ビットマップ画像データに展開して、画像信号Sr、Sg、Sbとして画像処理部3の記録量決定部11に入力する画像情報入力処理を行う(ステップS501)。
【0071】
次に、画像形成装置1は、画像処理制御部13が、記録量決定部11を制御して、画像入力部2から入力されるビットマップ画像データの画像信号Sr、Sg、Sbに基づいて、画像記録部4の各色画像記録部14k、14c、14m、14y、14rの色材記録量を決定する記録量決定処理を行う(ステップS502)。この記録量決定処理においては、記録量決定部11は、上記図5から図8に示した3次元LUT生成処理で生成して、各3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rのROM15k、15c、15m、15y、15rに格納されている3次元LUTを、画像信号Sr、Sg、SbとColor/Mono信号に基づいて参照して、各色色材の記録量を決定する。
【0072】
次に、画像形成装置1は、画像処理制御部13が、スクリーン処理部12を制御して、記録量決定処理で決定した各色の記録量に基づいて、各色kcmyrの色材KCMYRの記録/非記録部位を集中・整列させるスクリーン処理を行う(ステップS503)。
【0073】
このスクリーン処理部12によるスクリーン処理を、図10から図13に示すように行う。すなわち、本実施例の画像形成装置1は、m色材とy色材を同時に使用しないで、r色材を使用するため、スクリーン処理部12のm色用スクリーン回路11m及びy色用スクリーン回路12yが記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)を同一として、2次色により多色化を行った際も、方向の角度差が大きい状態としている。
【0074】
すなわち、図10は、スクリーン角が、0°の例で、3×3=9画素(小さい格子が1画素を示している。)を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部13は、このスクリーン角を、c色材に適用する。この場合、間隔は3画素分となるので、c色用スクリーン回路12cは、主走査位置カウンタ17c及び副走査位置カウンタ18cをそれぞれ3進カウンタとすると、ROM16cのアドレス本数を削減することができる。
【0075】
次に、図11は、スクリーン角が、45°の例で、2×2+2×2=8画素を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部13は、このスクリーン角を、k色材に適用する。
【0076】
この場合、間隔は、次式(1)から、2.8画素分となる。
【0077】
【数1】

したがって、スクリーン回路12kは、主走査位置カウンタ17k及び副走査位置カウンタ18kをそれぞれ4進カウンタとすると、ROM16kのアドレス本数を削減することができる。
【0078】
図12は、スクリーン角が18.4°の例で、3×3+1×1=10画素を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部13は、このスクリーン角を、m色材及びy色材に適用する。
【0079】
この場合、その間隔は、次式(2)から、3.2画素分となる。
【0080】
【数2】

したがって、スクリーン回路12m、12yは、主走査位置カウンタ17m、17y及び副走査位置カウンタ18m、18yをそれぞれ10進カウンタとすると、ROM16m、16yのアドレス本数を削減することができる。
【0081】
図13は、スクリーン角が、71.6°の例で、図12と同様に、3×3+1×1=10画素を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部13は、このスクリーン角を、r色材に適用する。
【0082】
このようにスクリーン処理を行うと、2次色により多色化を行った場合にも、方向の角度差を大きい状態を維持することができる。すなわち、上記スクリーン処理における方向の角度差は、最小18.4°であり、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0083】
なお、cmykの1次色色材と2次色色材rの5種類の場合、90°/5=18°をスクリーン角として設定可能であるので、干渉模様を目立ち難くする効果が小さいように見えるが、特に、有理正接法により記録/非記録部位を集中・整列させる場合、実際に選択することのできる方向が限られるため、干渉模様を目立ち難くする効果は大きくなる。
【0084】
また、上記スクリーン処理においては、0°にc色材、45°にk色材、18.4°にm色材及びy色材、76.6°にr色材を割り当てているが、各色材に対するスクリーン角の割り当ては、上記に限るものではなく、例えば、0°にk色材、45°にc色材を割り当ててもよい。また、スクリーン角の角度の大きさも、これらに限るものでない。
【0085】
再び、図9において、画像形成装置1は、スクリーン処理を行うと、画像処理制御部13の制御下で、スクリーン処理部12の各色用スクリーン回路12k、12c、12m、12y、12rが記録量決定処理で決定された記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nkに基づいて、色材の記録/非記録部位を集中・整列させるスクリーン処理を行って、色材記録の付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkに変換して画像記録部4の対応する色の画像記録部14r、14c、14m、14y、14k出力する画像情報出力処理を行う(ステップS504)。
【0086】
このように、本実施例の画像形成装置1は、その画像処理部(画像処理装置)3において、画像入力部2がホスト装置HSから受け取って展開したRGBのビットマップ画像データに基づいて、記録量決定部(記録量決定手段)11が、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定し、スクリーン処理部(スクリーン処理手段)12が、決定された該各色材の該記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号である付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkを生成するとともに、2次色色材(本実施例の場合、r色材)に置き換え可能な1次色色材の組み合わせ(本実施例の場合、m色材とy色材の組み合わせ)に対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てている。
【0087】
したがって、2次色色材であるr色材に置き換え可能な1次色色材であるm色材とy色材の組みについては、2次色色材を優先させて記録量を決定するとともに、該1次色色材の組みに対してスクリーン角を最小のスクリーン角を割り当て、余ったスクリーン角を2次色色材に割り当てることができ、多色化においても、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0088】
また、本実施例の画像形成装置1は、画像入力部2がホスト装置HSから受け取って展開したRGBのビットマップ画像データに基づいて、画像処理部3の記録量決定部11が、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定して、スクリーン処理部12が、決定された該各色材の該記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号である付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkを生成するとともに、2次色色材(本実施例の場合、r色材)に置き換え可能な1次色色材の組み合わせ(本実施例の場合、m色材とy色材の組み合わせ)に対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当て、画像記録部(画像形成手段)4が、該色材記録信号である付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fkに基づいて、1次色色材及び2次色材を用いて画像を用紙(被記録媒体)Pに形成している。
【0089】
したがって、2次色色材であるr色材に置き換え可能な1次色色材であるm色材とy色材の組みについては、2次色色材を優先させて記録量を決定するとともに、該1次色色材の組みに対してスクリーン角を最小のスクリーン角を割り当て、余ったスクリーン角を2次色色材に割り当てることができ、多色化して画像形成する場合においても、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0090】
さらに、の画像形成装置1は、画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定処理ステップと、決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理ステップと、を有する画像処理方法を実行している。
【0091】
したがって、2次色色材であるr色材に置き換え可能な1次色色材であるm色材とy色材の組みについては、2次色色材を優先させて記録量を決定するとともに、該1次色色材の組みに対してスクリーン角を最小のスクリーン角を割り当て、余ったスクリーン角を2次色色材に割り当てることができ、多色化においても、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0092】
また、例の画像形成装置1は、コンピュータに、画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定処理と、決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理と、を実行させる画像処理プログラムを搭載している。
【0093】
したがって、2次色色材であるr色材に置き換え可能な1次色色材であるm色材とy色材の組みについては、2次色色材を優先させて記録量を決定するとともに、該1次色色材の組みに対してスクリーン角を最小のスクリーン角を割り当て、余ったスクリーン角を2次色色材に割り当てることができ、多色化においても、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0094】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、スクリーン処理部12が、2次色色材に置き換え可能な1次色色材の組みに対しては、同一のスクリーン角を割り当てている。
【0095】
したがって、該2次色色材に置き換え可能な1次色色材以外の色材とのスクリーン角の差をより大きくすることができ、干渉模様をより一層目立ち難くすることができる。
【0096】
また、本実施例の画像形成装置1は、前記記録量決定部11が、2次色色材に置き換え可能な1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用が不可能な場合にのみ、該組み合わせの該1次色色材の記録量を決定している。
【0097】
したがって、該2次色色材に置き換え可能な1次色色材以外の色材とのスクリーン角の差をより大きくする機会を多くすることができ、干渉模様をより一層適切に目立ち難くすることができる。
【実施例2】
【0098】
図14〜図19は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの第2実施例を示す図であり、図14は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの第2実施例を適用した画像形成装置100の要部ブロック構成図である。
【0099】
なお、本実施例の画像形成装置100は、上記第1実施例の画像形成装置1と同様の画像形成装置に適用したものであり、第1実施例の画像形成装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付してその説明を簡略化または省略する。
【0100】
図14において、画像形成装置100は、画像入力部2、画像処理部110及び画像記録部120等を備えており、その他に第1実施例の画像形成装置1と同様に、操作表示部や制御部等を備えている。
【0101】
画像入力部2は、第1実施例と同様に、ホスト装置HSから送られてきた画像データや描画データをRGBのビットマップ画像データに展開して、RGBの画像信号Sr、Sg、Sbとして画像処理部110に出力する。
【0102】
画像処理装置110は、記録量決定部111、スクリーン処理部112及び画像処理制御部113等を備えており、画像記録部120は、第1実施例と同様のk色画像記録部14k、c色画像記録部14c、m色画像記録部14m、y色画像記録部14y、r色画像記録部14rを備えているとともに、g色画像記録部14g及びb色画像記録部14b等を備えている。
【0103】
画像記録部120は、その構成図を示さないが、第1実施例の図4と同様の構成であり、搬送ベルト40に沿って、例えば、b色、g色、r色、c色、m色、y色及びk色の順に配設されており、b色画像記録部14b及びg色画像記録部14gは、その他の画像記録部14r、14c、14m、14y、14kと同様の構成であるが、画像処理部110から入力されるb色及びg色の付勢信号Fb、Fgに基づいて、それぞれb色及びg色という2次色の色材(2次色トナー)を用いてb色及びg色のトナー画像を、用紙P上に転写して形成する。
【0104】
画像処理部110の記録量決定部111は、kcmyrgb色のそれぞれに対して色材記録量を決定する3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bを備えており、3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bは、予めRGBの画像データに対応するkcmyrgbの色材記録量を求めてテーブルとして記録された3次元テーブルを備えている。記録量決定部111は、画像入力部2から入力される画像信号Sr、Sg、Sbに基づいて、画像記録部120が備えている画像記録部14k、14c、14m、14y、14r、14g、14bの色材記録量を決定して、記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nbとして出力する。すなわち、本実施例の記録量決定部111は、第1実施例の記録量決定部11の3次元LUT部11k、11c、11m、11yh、11rにg色用LUT部11gとb色用LUT部11bが追加されたものとなっており、各3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bは、第1実施例の場合と同様である。
【0105】
なお、r色材は、上述のように、m色材及びy色材の同時使用に置き換えることもできるが、本実施例の画像形成装置100では可能な限り置き換えず、m色材及びy色材の同時使用で表現できる部分は、r色材で表現する。したがって、本実施例の画像形成装置100では、m色材及びy色材を同一箇所に記録しない。
【0106】
同様に、g色材は、y色材及びc色材の同時使用に置き換えることもできるが、本実施例の画像形成装置100では、可能な限り置き換えず、y色材及びc色材の同時使用で表現できる部分は、g色材で表現する。したがって、y色材及びc色材も同一箇所に記録しない。
【0107】
さらに、b色材は、c色材及びm色材の同時使用に置き換えることもできるが、本実施例の画像形成装置100では、可能な限り置き換えず、c色材及びm色材の同時使用で表現できる部分は、b色材で表現する。したがって、本実施例の画像形成装置100では、c色材及びm色材を同一箇所に記録しない。
【0108】
すなわち、本実施例の画像形成装置100は、c色材、m色材及びy色材を、同一箇所に記録しないとともに、同様に、r色材、g色材及びb色材も同一箇所に記録しない。
【0109】
画像処理部110のスクリーン処理部112は、k色用スクリーン回路12k、c色用スクリーン回路12c、m色用スクリーン回路12m、y色用スクリーン回路12y、r色用スクリーン回路12r、g色用スクリーン回路12g、b色用スクリーン回路12bを備えており、各色用スクリーン回路12k、12c、12m、12y、12r、12g、12bは、記録量決定部11の対応する色の3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11rで決定されたkcmyrgb色の記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nbに基づいて、色材の記録/非記録部位を集中・整列させるスクリーン処理を行って、色材記録の付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fk、Fg、Fbに変換して画像記録部4の対応する色の画像記録部14r、14c、14m、14y、14k、14g、14b出力する。
【0110】
kcmyrgbの各色用スクリーン回路12k、12c、12m、12y、12r、12g、12bは、図示しないが、第1実施例と同様に、記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)を同一にするLUTを格納しているROM16k、16c、16m、16y、16r、16g、16b、主走査位置カウンタ17k、17c、17m、17y、17r、17g、17b及び副走査位置カウンタ18k、18c、18m、18y、18r、18g、18b等を備えており、ROM16k、16c、16m、16y、16r、16g、16bのアドレス信号として、上記記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nb、主走査位置カウンタ17k、17c、17m、17y、17r、17g、17bのカウント値m及び副走査位置カウンタ18k、18c、18m、18y、18r、18g、18bのカウント値nが入力される。ROM16k、16c、16m、16y、16r、16g、16bは、kcmyrgb色材の記録量及び主走査位置と副走査位置に応じてスクリーン処理を行った結果がLUTとして記録されており、スクリーン回路12k、12c、12m、12y、12r、12g、12bは、記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nb及び主走査位置カウント値mと副走査位置カウント値nに基づいてROM16k、16c、16m、16y、16r、16g、16bのLUTからスクリーン処理結果を読み出して、付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fk、Fg、Fbとして画像記録部120の対応する色kcmyrgbの画像記録部14r、14c、14m、14y、14k、14g、14bに出力する。
【0111】
そして、スクリーン回路12c、12m及びスクリーン回路12yは、記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)を同一とし、スクリーン回路12r、12g及びスクリーン回路12bは、記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)も同一とする。
【0112】
本実施例の画像形成装置100は、上述のように、c色材、m色材及びy色材を同一箇所に記録しないので、集中・整列させる方向を同一としても干渉することがない。同様に、本実施例の画像形成装置100は、r色材、g色材及びb色材を同一箇所に記録しないので、集中・整列させる方向を同一としても干渉することがない。
【0113】
したがって、2色以上の2次色を用いて多色化を行った場合に、方向の角度差を大きく維持することができ、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0114】
なお、本実施例の画像形成装置100において、スクリーン回路12c、12m及びスクリーン回路12yが記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)の差を小さくしても、同様な効果を得ることができる。この差が小さいとは、kcmyrgbの色材の方向を相互に比較したときに、方向の角度差が小さい組み合わせとなることをいう。この場合においても、m色材及びy色材を同一箇所に記録しないので、干渉することがない。また、スクリーン回路12r、12g及びスクリーン回路12bが記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)の差を小さくしても、同様の効果を得ることができる。
【0115】
そして、画像処理制御部113は、上記記録量決定部11及びスクリーン処理部112等を制御して、画像処理部110として機能させる。例えば、ホスト装置HSからのRGBの画像データとカラー出力を含む描画コマンドが送られてくると、画像入力部2が画像処理部110及び画像記録部120にカラー出力を伝え、画像処理部110の画像処理制御部113が、これを受けて記録量決定部111の3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bをカラー出力用に切り換える等の制御を行う。また、ホスト装置HSからのRGBの画像データとモノクロ出力を含む描画コマンドが送られてくると、画像入力部2が画像処理部110及び画像記録部120にモノクロ出力を伝え、画像処理部110の画像処理制御部113が、これを受けて記録量決定部111の3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bをモノクロ出力用に切り換える等の制御を行う。
【0116】
そして、本実施例の画像形成装置100は、第1実施例の場合と同様に、ホスト装置HSから送られてくるRGBの画像データと描画コマンドを、画像入力部2で受け取って、画像信号Sr、Sg、Sbとして画像処理部110に出力し、画像処理部110は、まず、記録量決定部111で、画像入力部2から入力される画像信号Sr、Sg、Sbに基づいて、画像記録部120で用いるkcmyrgb色のそれぞれに対して色材記録量を決定して記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nbとしてスクリーン処理部112に出力する。このとき、記録量決定部111は、m色材とy色材の同時使用、y色材及びc色材の同時使用、c色材及びm色材の同時使用に置き換えない、すなわち、m色材及びy色材の同時使用で表現できる部分は、r色材で表現して、m色材とy色材を同一箇所に記録しない、y色材及びc色材の同時使用で表現できる部分は、g色材で表現して、y色材及びc色材も同一箇所に記録しない、c色材及びm色材の同時使用で表現できる部分は、b色材で表現して、c色材及びm色材を同一箇所に記録しないこととして、記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nbを決定する。そして、画像形成装置100は、スクリーン処理部112が、記録量決定部111からの記録量信号Nr、Nc、Nm、Ny、Nk、Ng、Nbに基づいて、色材の記録/非記録部位を集中・整列させるスクリーン処理を行って、色材記録の付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fk、Fg、Fbに変換して画像記録部120の対応する色の画像記録部14r、14c、14m、14y、14k、14g、14bに出力し、画像記録部14r、14c、14m、14y、14k、14g、14bが、付勢信号Fr、Fc、Fm、Fy、Fk、Fg、Fbに基づいて画像を用紙Pに形成する。
【0117】
そして、記録量決定部111は、kcmyrgb色に対応して3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bに、画像信号Sr、Sg、Sb及びカラー出力またはモノクロ出力を指定するColor/Mono信号に基づいて画像記録部14k、14c、14m、14y、14r、14g、14bで使用する色材記録量を決定するための3次元LUTをROM15k、15c、15m、15y、15r、15g、15bに格納している。
【0118】
この3次元LUTは、図15及び図16に示すように、m色材及びy色材の同時使用で表現できる色の画像部分については、r色材で、m色材とy色材の同時使用で表現できる色の画像部分については、g色材で、y色材とc色材の同時使用で表現できる色の画像部分については、b色材を用いるものとして、決定されて、3次元LUT部11k、11c、11m、11y、11r、11g、11bのROM15k、15c、15m、15g、15r、15g、15bに格納される。
【0119】
すなわち、画像形成装置100は、図15に示すように、まず、KMR再現色処理を行って、cygb色材を含まないkmr色材の組み合わせによる再現色を把握し(ステップS601)、KYR再現色処理を行って、cmgb色材を含まないkyr色材の組み合わせによる再現色を把握する(ステップS602)。また、画像形成装置100は、KYG再現色処理を行って、cmrb色材を含まないkyg色材の組み合わせによる再現色を把握し(ステップS603)、KYG再現色処理を行って、cmrb色材を含まないkyg色材の組み合わせによる再現色を把握する(ステップS604)。さらに、画像形成装置100は、KCG再現色処理を行って、myrb色材を含まないkcg色材の組み合わせによる再現色を把握し(ステップS605)、KCB再現色処理を行って、myrg色材を含まないkcb色材の組み合わせによる再現色を把握する(ステップS606)。そして、画像形成装置100は、KMB再現色処理を行って、cyrg色材を含まないkmb色材の組み合わせによる再現色を把握し(ステップS606)、最後に、最適組み合わせ処理を行って、RGBの画像データである画像信号Sr、Sg、Sbに対するkcmyrgb色材の最適な組み合わせを、KMR再現色処理、KYR再現色処理、KYG再現色処理、KCG再現色処理、KCB再現色処理及びKMB再現色処理で把握した再現色に基づいて、選択する(ステップS607)。
【0120】
そして、本実施例の画像形成装置100は、KMR再現色処理、KYR再現色処理、KYG再現色処理、KCG再現色処理、KCB再現色処理及びKMB再現色処理で把握した再現色としては、c色材、m色材およびy色材を同時には使用しないと共に、r色材、g色材およびb色材も同時には使用しないので、最適組み合わせ処理507で選択されたkcmyrrgb色材の組み合わせも、c色材、m色材およびy色材を同時には使用しないし、r色材、g色材及びb色材も同時には使用しないので、本実施例によれば、m色材及びy色材の同時使用で表現できる部分は、r色材で表現、y色材及びc色材の同時使用で表現できる部分は、g色材で表現、c色材及びm色材の同時使用で表現できる部分は、b色材で表現する3次元LUTを生成して、ROM15k、15c、15m、15y、15r、15g、15bに格納することができる。
【0121】
そして、画像形成装置100は、図15のステップS601のKMR再現色処理を、図16に示すように、実行する。すなわち、画像形成装置100は、まず、k色材の記録量Kを、「0」にセットして(ステップS701)、m色材の記録量Mを、「0」にせっとし(ステップS702)、r色材の記録量Rを、「0」にセットして、再現色取得処理によりkmr色材で再現される色を取得する(ステップS704)。
【0122】
ここで、再現色取得処理は、実際にkmr色材を各記録量に従って画像記録部120で記録して測色、あるいは、kmr色材の各記録量に従って再現される色を予測する等の方法で、実現する。
【0123】
次に、画像形成装置100は、r色材の記録量Rを増やして(R=R+1)(ステップS705)、記録量Rが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS706)、記録量Rの処理が終了していないときには、ステップS704に戻って、再度、再現色取得処理を実施する処理を、r色材の記録量Rが最大になるまで繰り返す(ステップS704〜S706)。
【0124】
ステップS706で、r色材の記録量Rが最大になって処理を終了すると、画像形成装置100は、m色材の記録量Mを増やして(M=M+1)(ステップS707)、m色材の記録量Mが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS708)、記録量Mの処理が終了していないときには、ステップS703に戻って、r色材の記録量Rを、「0」にセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、m色材の記録量Mを増やして、記録量Mが最大になったか判断する処理を、m色材の記録量Mが最大になるまで繰り返し行う(ステップS703〜S708)。
【0125】
そして、ステップS708で、m色材の記録量Mが最大になって処理を終了すると、画像形成装置100は、k色材の記録量Kを増やして(K=K+1)(ステップS709)、k色材の記録量Kが最大になって再現色処理を終了したかチェックし(ステップS710)、記録量Kの処理が終了していないときには、ステップS702に戻って、m色材の記録量Mを、「0」、m色材の記録量Mを、「0」にそれぞれセットして、再度、再現色取得処理を実施する処理を行った後に、k色材の記録量Kを増やして、記録量Kが最大になったか判断する処理を、k色材の記録量Kが最大になるまで繰り返し行う(ステップS702〜S710)。
【0126】
ステップS710で、k色材の記録量Kが最大になって処理を終了すると、画像形成装置100は、KMR再現処理が完了したとして、処理を終了する。
【0127】
上記KMR再現色処理により、cygb色材を含まないkmr色材の組み合わせによる再現色を把握することができる。
【0128】
なお、図16では、KMR再現処理について示したが、図15の他のKYR再現色処理、KYG再現色処理、KCG再現色処理、KCB再現色処理、KMB再現色処理についても、同様に処理することで、それぞれ、cmgb色材を含まないkyr色材の組み合わせによる再現色、cmrb色材を含まないkyg色材の組み合わせによる再現色、myrb色材を含まないkcg色材の組み合わせによる再現色、myrg色材を含まないkcb色材の組み合わせによる再現色、cyrg色材を含まないkmb色材の組み合わせによる再現色、を把握することができる。
【0129】
※そして、スクリーン処理部112は、図17から図19に示すように、スクリーン処理を行う。本実施例の画像形成装置100は、m色材とy色材を同時に使用しないで、r色材を使用、y色材とc色材を同時使用しないで、g色材を使用、c色材とm色材を同時使用しないで、b色材を使用するため、スクリーン処理部12のm色用スクリーン回路11m及びy色用スクリーン回路12yが記録/非記録部位を集中・整列させる方向(スクリーン角)を同一として、2次色により多色化を行った際も、方向の角度差を大きい状態としている。
【0130】
すなわち、図17は、スクリーン角が、45°の例で、3×3+3×3=18画素(小さい格子が1画素を示している。)を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部113は、このスクリーン角を、k色材に適用する。
【0131】
この場合、間隔は、次式から4.2画素分となる。
【0132】
【数3】

したがって、スクリーン回路12kは、主走査位置カウンタ17k及び副走査位置カウンタ18kをそれぞれ6進カウンタとすると、ROM16kのアドレス本数を削減することができる。
【0133】
次に、図18は、スクリーン角が、14°の例で、4×4+1×1=17画素を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部113は、このスクリーン角を、例えばc色材、m色材及びy色材に適用する。
【0134】
この場合、間隔は、次式(4)から、4.1画素分となる。
【0135】
【数4】

したがって、スクリーン回路12c、12m、12yは、主走査位置カウンタ17c、17m、17y及び副走査位置カウンタ18c、18m、18yをそれぞれ17進カウンタとすると、ROM16c、16m、16yのアドレス本数を削減することができる。
【0136】
図19は、スクリーン角が、76°の例で、図17の場合と同様に、4×4+1×1=17画素を基本に記録/非記録部位を集中・整列させた状態となっており、画像処理制御部113は、このスクリーン角を、例えば、r色材、g色材及びb色材に適用する。
【0137】
なお、上記説明では、スクリーン角45°にk色材、スクリーン角14°にc色材、m色材及びy色材、スクリーン角76°にr色材、g色材及びb色材を、それぞれ割り当てているが、各色材に対するスクリーン角の割り当ては、上記に限るものではなく、例えば、スクリーン角76°にc色材、m色材及びy色材、スクリーン角146°にr色材、g色材及びb色材を割り当ててもよい。また、スクリーン角の大きさも、上記角度に限るものではない。
【0138】
このように、本実施例の画像形成装置100によれば、2次色色材として、r色材だけでなく、g色材やb色材についても、y色材とc色材の同時使用やc色材とm色材の同時使用に置き換えることなく、それぞれの2次色色材を優先的に使用しているので、y色材とc色材、c色材とm色材のスクリーン角についてもスクリーン角の差を最小または同一にすることができ、2次色を複数使用する場合にも、干渉模様を目立ち難くすることができる。
【0139】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0140】
1 画像形成装置
2 画像入力部
3 画像処理部
4 画像記録部
11 記録量決定部
11k、11c、11m、11y、11r 3次元LUT部
12 スクリーン処理部
12k、12c、12m、12y、12r スクリーン回路
13 画像処理制御部
14k k色画像記録部
14c c色画像記録部
14m m色画像記録部
14y y色画像記録部
14r r色画像記録部
15k、15c、15m、15y、15r ROM
16k、16c、16m、16y、16r ROM
17k、17c、17m、17y、17r 主走査位置カウンタ
18k、18c、18m、18y、18r 副走査位置カウンタ
SR、SG、SB 画像信号
Nr、Nc、Nm、Ny、Nk 記録量信号
Fr、Fc、Fm、Fy、Fk 付勢信号
20 給紙部
21a、21b 給紙トレイ
22a、22b 給紙コロ
30 画像形成部
31 レジストローラ
40 搬送ベルト
41a、41b ローラ
51R、51C、51M、51Y、51K 感光体
52R、52C、52M、52Y、52K 帯電部
53R、53C、53M、53Y、53K 現像部
54R、54C、54M、54Y、54K 転写部
55R、55C、55M、55Y、55K クリーニング部
60 定着ユニット
100 画像形成装置
110 画像処理部
111 記録量決定部
11g、11b 3次元LUT部
15g、15b ROM
112 スクリーン処理部
12g、12b スクリーン回路
16g、16b ROM
17g、17b 主走査位置カウンタ
18g、18b 副走査位置カウンタ
113 画像処理制御部
120 画像記録部
14g g色画像記録部
14b b色画像記録部
Ng、Nb 記録量信号
Fg、Fb 付勢信号
P 用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0141】
【特許文献1】特開2010−206834号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定手段と、
決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記スクリーン処理手段は、
前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組みに対しては、同一のスクリーン角を割り当てることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記録量決定手段は、
前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用が不可能な場合にのみ、該組み合わせの該1次色色材の記録量を決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定手段と、
決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理手段と、
前記色材記録信号に基づいて前記1次色色材び前記2次色色材を用いて画像を被記録媒体に形成する画像形成手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定処理ステップと、
決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
画像データに基づいて、減法混色の3原色と黒色の1次色色材及び1色以上の2次色色材の記録量を決定するとともに、該2次色色材に置き換え可能な該1次色色材の組み合わせについては、該2次色色材の使用を優先させて該2次色色材の記録量を決定する記録量決定処理と、
決定された前記各色材の前記記録量に基づいて該色材量毎にスクリーン処理を施して色材記録信号を生成するとともに、前記2次色色材に置き換え可能な前記1次色色材の組み合わせに対しては、該スクリーン角の差が最小となるスクリーン角を割り当てるスクリーン処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−12861(P2013−12861A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143612(P2011−143612)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】