説明

画像処理装置、画像形成装置、画像形成システム、制御方法、ジョブ処理方法、記憶媒体、プログラム

【課題】 電源を遮断するシャットダウン処理を行なう前に、シャットダウン処理によって影響を受けるジョブをユーザが容易に認識できるようにする。
【解決手段】 複数の機能を有し、ユーザが指示や入力を行なうための操作部と、装置の動作状態及び操作部から入力された情報を表示する表示部とを備えた画像処理装置において、ユーザが操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報を表示すると共に電源の遮断を実行するか否かの入力をユーザに促すシャットダウン確認画面を表示部に表示させ、該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断の実行を通知するシャットダウン実行画面を表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理装置の制御方法に関し、より詳細には、デジタル複合機などの画像処理装置において、電源を遮断する際の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスなどにおいて使用される複写機やプリンタなどの様々な機能を1台に組み込む復号化が進められ、複写機の内部に画像処理機能を有するプリンタコントローラを組み込み、1台で複写機とプリンタとの両方の機能を有するデジタル複合機(Multi Function Peripheral,:MFP)と呼ばれる画像処理装置が市場で発売されている。このような複合機には、ファクス機能などが更に追加され多機能化が進んでいる。
【0003】
従来より、デジタル複合機には、未使用時の消費電力を抑えるためにスリープモードを備えたものがある。
【0004】
しかしながら、スリープモードにおいてもわずかながら電力を消費するため、ユーザによっては本体電源を遮断する場合がある。また、近年はセキュリティ意識の向上により、最終使用者は本体の電源を遮断したいという要望が増えてきている。
【0005】
そのため、近年デジタル複合機には投入されたすべてのジョブが終了した後に、主電源を遮断するシャットダウンモードと呼ばれるモードを備えたものがある。
【0006】
例えば、特許文献1には、主電源の遮断の実行指示を受け付けたときに、画像形成動作実行中であれば、主電源の遮断の実行指示を受け付けた旨を表示し、画像形成動作が終了した後に主電源を遮断することが記載されている。
【特許文献1】特開2001−265174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術のような装置にて、例えば、電源の遮断指示を受け付けたことは表示させることが出来るかもしれないが、、その際に、例えば、もし、該装置にてジョブが投入されている状態であったり、処理中であったり、処理待ち状態であったとしても、そのようなことをユーザに確認させることができずに、ユーザはこのことに気づかないので、このような構成では、操作性や使い勝手や運用面等の観点からみても、いまだ課題が残されている。
【0008】
又、例えば、電源遮断の際に、ジョブが投入されていても、どのようなジョブが投入されており、電源遮断時に、どのジョブがリカバリされてどのジョブがリカバリされないかなどについても表示等確認が出来ない。又、例えば、ジョブとしては投入されているが暗証番号などの入力を含む所定の操作を行なわないと実行されないようなプリントジョブ(例えば、セキュアプリントジョブ)についても、このようなジョブ(の状態)を意識した表示は行なわれない。
【0009】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、電源を遮断するシャットダウン処理を行なう前に、シャットダウン処理によって影響を受けるジョブをユーザが容易に認識できるようにすることを目的とする。
【0010】
又、更に本発明は、例えば、シャットダウン処理によって影響を受けるジョブをユーザが容易に認識できるようにするが為に、必要以上の情報を該ユーザに報知してしまう等の新たな別の問題が生じてしまうことも未然に防止できるようにすることを目的とする。
【0011】
又、更に本発明は、例えば、上記目的を果たしながらも、極力、装置の稼働率、生産性を向上できるようにすることを目的とする。
【0012】
又、更に本発明は、例えば、上記目的を果たしながらも、装置の利用環境を考慮しながら、ユーザからの様々なニーズに対応した柔軟な装置、システムを提供することが出来るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の一態様としての画像処理装置は、複数の機能を有する画像処理装置であって、
ユーザが指示や入力を行なうための操作部と、
装置の動作状態及び前記操作部から入力された情報を表示する表示部と、
ユーザが前記操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報を表示すると共に電源の遮断を実行するか否かの入力をユーザに促すシャットダウン確認画面を前記表示部に表示させ、該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断の実行を通知するシャットダウン実行画面を前記表示部に表示させる、シャットダウン制御部と、を備えている。
【0014】
すなわち、本発明では、複数の機能を有し、ユーザが指示や入力を行なうための操作部と、装置の動作状態及び操作部から入力された情報を表示する表示部とを備えた画像処理装置において、ユーザが操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報を表示すると共に電源の遮断を実行するか否かの入力をユーザに促すシャットダウン確認画面を表示部に表示させ、該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断の実行を通知するシャットダウン実行画面を表示部に表示させる。
【0015】
このようにすると、ユーザが操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報がシャットダウン確認画面に表示され、該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断が実行される。
【0016】
従って、電源を遮断する前に、電源の遮断によって影響を受けるジョブの有無及びそのジョブの情報をユーザが容易に認識することが可能となる。
【0017】
なお、シャットダウン制御部は、待機中のジョブのうち、電源が遮断された後にも保持されるジョブがある場合、該ジョブの情報を、シャットダウン確認画面に表示させなくてもよい。
【0018】
シャットダウン制御部は、実行中のジョブの情報をシャットダウン確認画面の先頭に表示させる、あるいは、複数の機能に対応したジョブの種類毎に実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報をシャットダウン確認画面に表示させてもよい。
【0019】
シャットダウン制御部は、待機中のジョブのうち、ユーザが所定の操作を行なわないと実行されないジョブがある場合、該ジョブがあることを、シャットダウン確認画面において、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報とは別の領域に表示させてもよい。
【0020】
シャットダウン制御部は、実行中のジョブ及び待機中のジョブがないときに、シャットダウン確認画面を表示させずにシャットダウン実行画面を表示させてもよい。
【0021】
本発明を適用する画像処理装置としては、複数の機能として、コピー機能、プリント機能、及びファクス機能を含むデジタル複合機が好適である。
【0022】
また、上記の目的は上述の画像処理装置の2つの画面を表示させる工程を有する画像処理装置の制御方法、該方法をコンピュータ装置によって実行させるコンピュータプログラム、及び該プログラムを格納した記憶媒体によっても達成される。
【0023】
上記目的を達成する本発明の別の態様としての画像形成装置は、複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該記憶手段に、該画像形成装置により処理中のジョブのデータ、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブのデータ、が、記憶されている場合に、該画像形成装置により処理中のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、を、報知手段を介して該オペレータに報知可能にする。
【0024】
上記目的を達成する本発明の更に別の態様としての画像形成装置は、複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該記憶手段に、該画像形成装置により処理中のジョブのデータ、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブのデータ、が、記憶されている場合に、該画像形成装置により処理中のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、を、報知手段を介して該オペレータに報知可能にするが、該画像形成装置の電源をOFF状態にしても該記憶手段からデータを削除しないジョブに関する情報は、前記報知手段により報知させない。
【0025】
上記目的を達成する本発明の更に別の態様としての画像形成装置は、複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、電源遮断時に前記記憶手段から消去されるデータのジョブを前記画像形成装置により処理中、及び/又は、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にする。
【0026】
上記目的を達成する本発明の更に別の態様としての画像形成装置は、複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、電源遮断時に前記記憶手段から消去対象となるデータのジョブを前記画像形成装置により処理中、及び/又は、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にするが、
電源遮断後も保持対象となるデータが前記記憶手段に記憶されていても、そのデータのジョブに関する情報は、前記報知手段により報知させない。
【0027】
上記目的を達成する本発明の更に別の態様としての画像形成装置は、複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、及び、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行不可能なジョブが該画像形成装置により処理中、或いは、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にする。
【0028】
上記目的を達成する本発明の更に別の態様としての画像形成装置は、複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、及び、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行不可能なジョブが該画像形成装置により処理中、或いは、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にするが、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行可能なジョブの情報は、前記報知手段により報知させない。
【0029】
該画像形成装置にて認証処理を実行したうえで前記プリント手段による印刷開始を許可するセキュアプリントジョブのデータが、該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、記憶手段に記憶されている場合に、情報を報知手段に報知させると共に、該セキュアプリントジョブが該記憶手段に記憶されていることが該オペレータにより確認可能な情報を、該報知手段を介して該オペレータに報知可能にしてもよい。
【0030】
セキュアプリントジョブが記憶手段に記憶されていることがオペレータにより確認可能な情報を、該報知手段を介して該オペレータに報知することは許可するが、該セキュアプリントジョブの詳細情報は該報知手段により報知させなくてもよい。
【0031】
また、画像形成装置の電源をユーザがOFF状態にする直前で、情報を報知手段により報知可能にしてもよい。
【0032】
更に、該画像形成装置の電源をOFF状態にする際に、処理中のジョブの処理をキャンセルする処理、処理待ち状態のジョブの処理をキャンセルする為の処理、処理中のジョブのデータを該記憶手段から消去する処理、及び、処理待ち状態のジョブのデータを該記憶手段から消去する処理、のうちの、少なくとも、何れかの処理を含むシャットダウン処理を、該デジタル複合機に実行させるか否かの選択を、報知手段により情報を報知したうえで、該オペレータにより実行可能にしてもよい。
【0033】
この場合、シャットダウン処理の実行指示が入力された場合には、該画像形成装置にて処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理が、完了していなくても、該画像形成装置にシャットダウン処理を開始させてもよい。
【0034】
あるいは、シャットダウン処理の実行指示がオペレータにより入力されなければ、シャットダウン処理の実行を禁止して、該画像形成装置により処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理を継続可能にしてもよい。
【0035】
また、該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた時から前記シャットダウン処理の実行指示がオペレータにより入力されるまでの期間においても、該画像形成装置により処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理を継続可能にしてもよい。
【0036】
報知手段による情報の報知処理を実行中に、該画像形成装置により処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理を継続させてもよい。
【0037】
報知手段は、情報を表示可能な表示手段、及び、情報を音声出力可能な音声出力手段、のうちの、少なくとも何れかを含むのがよい。
【0038】
記憶手段のジョブのデータを画像形成装置にて印刷中において、他のジョブのデータを前記記憶手段に格納可能とするのがよい。
【0039】
更に、記憶手段のジョブのデータを前記画像形成装置にて印刷中において、画像形成装置とは異なる他装置に対して、記憶手段の他のジョブのデータを送信可能にしてもよい。
【0040】
また、上記の目的は上述の画像形成装置のジョブ処理方法、該方法を実行する画像形成システム、該方法を実行するプログラム、及び該プログラムを格納した記憶媒体によっても達成される。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、例えば、ユーザが操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報がシャットダウン確認画面に表示され、該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断が実行される。
【0042】
従って、電源を遮断する前に、電源の遮断によって影響を受けるジョブの有無及びそのジョブの情報をユーザが容易に認識することが可能となる効果を奏することが出来る。
【0043】
又、本発明によれば、例えば、上記効果を奏すが為に、必要以上の情報を該ユーザに報知してしまう等の問題が生じるのを未然に防止できるようにすることが出来る等の効果を奏することが出来る。
【0044】
又、更に本発明によれば、例えば、上記効果を奏すると共に、極力、装置の稼働率、生産性を向上できるようにすることが出来る等の効果を奏することが出来る。
【0045】
又、更に本発明よれば、上記効果を奏する共に、装置の利用環境を考慮しながら、ユーザからの様々なニーズに対応した柔軟な装置、システムを提供することが出来る等の効果を奏することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0047】
<システムの構成>
図1は、本発明に係る画像処理装置を含むネットワークシステム(画像処理システムや画像形成システムや単に印刷システムとも呼ぶ)の構成例を示すブロック図である。
【0048】
図示されたように、文書管理装置101、スキャナ及びプリンタ機能を持つ、本発明に係る画像処理装置の実施形態としてのデジタル複合機(MFP)102、パーソナルコンピュータ103、イメージスキャナ104、ファクシミリ装置105、プリンタ106が、ネットワーク手段107により互いに接続されている。
【0049】
本明細書では、デジタル複合機102、イメージスキャナ104、ファクシミリ105、プリンタ106などを総称して画像処理装置と呼ぶ。ネットワーク手段107は無線LAN、有線LAN、公衆回線などの有線、無線の通信手段を利用して実現される。
【0050】
<デジタル複合機の構成>
図2は、本発明に係る画像処理装置(画像形成装置とも呼ぶ。又、単に印刷装置とも呼ぶ)の実施形態としてのデジタル複合機102の構成例を示すブロック図である。
【0051】
本実施形態のデジタル複合機102は、スキャナ部201、プリンタ部202、操作表示部203、符号化復号化部204、システムメモリ205、ページメモリ206、シャットダウン制御部212を含むシステム制御部207、FAX通信制御部208、ネットワークI/F209、ハードディスク(HD)210、及び各部を接続する内部バス211を備えている。
【0052】
スキャナ部201は、指定されたモード(例えば、紙サイズ、解像度、濃度等)に応じて原稿を読み取って画像データを作成し、プリンタ部202は、プリントが指定された文書(画像)を印刷してフィニッシャー等の排紙装置を介して排紙トレーに出力する。操作表示部203は、ユーザが各種設定操作を行うと共に、装置の動作状態などを表示する。符号化復号化部204は、送信する画像データを符号化して圧縮する一方、受信した圧縮データを復号化して元の画像データに復元する。
【0053】
システムメモリ205は、RAM部およびROM部からなり、装置に予め登録しておく情報が格納される。ページメモリ206には、符号化や復号化を行う際に1ページ分の画像データが展開される。システム制御部207は、本ブロック図で示した各部や装置全体を監視・制御する中央演算装置(CPU)を含むマイクロコンピュータで構成される。そして、このシステム制御部207内には、以下で詳述するシャットダウン処理を行うシャットダウン制御部212が含まれている。
【0054】
通信制御部208は、PSTN回線等のファクシミリ回線に接続されており、このPSTN回線を介して他のファクシミリ装置と通信する。ネットワークI/F209は、LAN等のネットワークに接続されており、該ネットワークに接続された他の機器と通信する。HD(ハードディスク)210は、複数のジョブのデータを記憶可能な、磁気ディスク等の不揮発性の大容量メモリであり、受信した文書データやスキャンした文書データ等が例えばファイル形式で格納させることができる。
【0055】
本実施形態のデジタル複合機102は、このデータ記憶ユニットの一例としての大容量メモリのHD210を用いて、色々な種類の複数のジョブデータ(単にジョブとも呼ぶ)を、順次、及び、並行(同時)に、処理可能に構成している。
【0056】
例えば、本実施形態のデジタル複合機102は、自装置のスキャナ部201から入力した印刷対象となるジョブデータ(1ページ或いは複数ページからなる一連の印刷画像データ)を、該HD210を介して、自装置のプリント部202でプリントさせる、コピー機能(コピーモードとも呼ぶ)を具備する。
【0057】
又、該デジタル複合機102は、他装置(例えば、イメージスキャナ装置104や、文書管理装置101や、パーソナルコンピュータ103等の情報処理装置や、ファクシミリ装置105や、該デジタル複合機102と同等の構成・機能を具備する他のデジタル複合機、等の、外部装置)とのデータの送受信処理を行う為のデータ通信ユニット(例えば、FAX通信制御部208やネットワークI/T部209等の通信インタフェースユニット)により受信する、他装置から受付けた印刷対象となるジョブデータを、該HD210を介して、自装置のプリント部202でプリントさせる、プリント機能(プリントモードとも呼ぶ)も具備する。
【0058】
又、該デジタル複合機102は、自装置のスキャナ部201から受付けたジョブデータ、及び/又は、他装置(例えば、イメージスキャナ装置104や、文書管理装置101や、パーソナルコンピュータ103等の情報処理装置や、ファクシミリ装置105等の外部装置)から受付けたジョブデータを、該HD210を介して、上記データ通信ユニット(例えば、FAX通信制御部208やネットワークI/T部209等の通信インタフェースユニット)により、他装置(例えば、イメージスキャナ装置104や、文書管理装置101や、パーソナルコンピュータ103等の情報処理装置や、ファクシミリ装置105等の外部装置)に対してデータ送信処理させる、送信/ファックス機能(送信/ファックスモードとも呼ぶ)も具備する。
【0059】
又、該デジタル複合機102は、自装置のスキャナ部201から受付けたジョブデータ、及び/又は、他装置(例えば、イメージスキャナ装置104や、文書管理装置101や、パーソナルコンピュータ103等の情報処理装置や、ファクシミリ装置105等の外部装置)から受付けたジョブデータを、該HD210内のボックス領域という所定の記憶領域に格納させ、その後、該デジタル複合機102の操作部203を介して、ユーザが、該ボックス領域に格納された複数のジョブデータの中から所望のジョブデータを選択し、該選択したジョブデータを、該ユーザの所望の出力処理条件でもって、自装置のプリンタ部202でプリントさせたり、上記データ通信ユニットにより、他装置に対してデータ送信させることができるようにする、ボックス機能も具備している。
【0060】
又、該デジタル複合機102は、複数のジョブをHD210に格納可能とし、且つ、例えば、あるジョブを該HD210から読み出してプリンタ部202で印刷させている間や、上記データ通信ユニットにより他装置に送信させている間であっても、このような出力処理(印刷処理や送信処理)に並行して、該ジョブよりも後に入力された他のジョブのデータを該HD210に随時格納可能にする。このように、HD210に対するジョブの入力処理と、HD210からのジョブの出力処理を同時並行に実行可能にする。
【0061】
尚且つ、例えば、ある印刷対象のジョブのデータ(例えば、10ページからなるジョブAとする)をHD210から読み出して該プリンタ部202でプリントさせている最中に、該ジョブAとは異なる別の印刷対象のジョブのデータ(例えば、20ページからなるジョブB)を該デジタル複合機102が受付けた場合(スキャナ部201及びFAX通信制御部208及びネットワークI/F部209の何れかの入力経路からジョブBが入力された場合)、該ジョブAよりも後に入力されたジョブBのデータを、印刷待機ジョブとして、該HD210に保持しておき、ジョブAの印刷処理が全て(10ページ分全て)完了するまで、該ジョブBの印刷処理を待機させるよう制御する。そして、ジョブAの印刷が全て完了したうえで、該ジョブBのデータをHD210から読み出して該ジョブBの印刷処理をプリンタ部202で開始させるよう制御する。このように、印刷対象のジョブをHD210に随時記憶可能にし、印刷対象のジョブがHD210に複数存在するならば、先行するジョブの印刷が完了するまで、後続のジョブを印刷待ち状態にし、先行のジョブの印刷が完了したら、後続ジョブの印刷を開始させることで、順次、これら複数のジョブを印刷させるよう制御している。
【0062】
本実施形態は、上記のような各種のジョブの処理を、システム制御部207が制御している。又、上記のような印刷対象のジョブの印刷処理を制御したり、送信/ファクシミリ機能等により該デジタル複合機102から他装置へ送信対象となるジョブの送信処理を制御する為に、該制御部207は、HD210等の適当なメモリに、図15に示すような、処理すべきジョブの動作・処理を制御・管理する為の、管理テーブル1500を作成してメモリ上で管理するよう制御している。
【0063】
例えば、該制御部207は、HD201にデータが格納された、印刷要求がなされ、且つ、印刷できる状態(例えば、PDLデータならば、ビットマップデータに展開し、記録紙に印刷できる状態)になった、印刷対象のジョブのジョブ情報を、受付順に随時、該管理テーブル1500に書き込むよう制御する。図15の例は、管理テーブル1500に、文書A、B、C、D、Fという5つの印刷すべきジョブがエントリーされている場合の例である。
【0064】
又、更に、該制御部207は、送信/ファクシミリ機能により、HD201にデータが格納された、送信要求がなされ、且つ、データ送信できる状態になった、送信対象のジョブのジョブ情報を、受付け順に随時、該管理テーブル1500に書き込むよう制御する。図15の例では、管理テーブル1500に、文書E、Gという2つの送信すべきジョブがエントリーされている例である。
【0065】
該制御部207は、管理テーブル1500にて、各ジョブに受付け番号を付与したり、各ジョブ毎に、機能名を識別(特定)する為の情報、及び、入力源やユーザ名を識別する為の情報、ページ数を識別する為の情報、印刷条件や送信条件等、各種の処理条件を識別する為の情報、ジョブ処理状況(印刷対象のジョブならばプリント中なのかプリント待ちなのか等の情報、送信対象のジョブならば、送信中なのか送信待ちなのか等の情報を含む、各種ジョブ状況情報)等を、書き込むよう制御する。
【0066】
なお、制御部207が該管理テーブル1500に各種ジョブ情報を書き込むにあたり、該管理テーブル1500における機能名に関する情報や入力源に関する情報は、複数の入力経路(スキャナ装置、FAX通信制御部208、ネットワークI/F209)のうちのどの経路から入力されたジョブであるかを制御部207が判断した結果を用いたり、操作部203でユーザが複数の機能ボタン(例えば図4等の画面の上部にある、コピーボタン、送信/ファクシミリ機能ボタン、ボックス機能)のうちのどの機能のボタンを操作したかを操作部203からの情報に基づいて判断した結果等を用いる。又、受け番号等に関する情報は、該テーブルにジョブをエントリーする毎に割当てる。文書名やユーザ名やページ数や処理条件等の情報は、画像データが含まれるジョブデータの内容の解析結果を用いたり、操作部203から取得した操作部203にてユーザにより設定された処理条件の情報を用いる。ジョブの処理状況に関する情報は、スキャナ部201やプリント部202やFAX通信制御部208やネットワークI/F209から取得した各デバイスの動作状況やステータス状況等に基づいて、適宜更新する。
【0067】
又、図15の管理テーブル1500の例では、文書Aのジョブの印刷処理をプリンタ部202にて実行させながら、文書Eのジョブの外部装置への送信処理をFAX通信制御部208に実行させている。このように、本実施形態では、HD210を使って、あるジョブをプリンタ部202でプリントさせる動作と、別のジョブをFAX通信部208やネットワークI/F部209で外部装置へ送信させる動作を、並行して(同時に)実行できるように、制御部207により制御している。
【0068】
又、本実施形態では、1つの管理テーブル1500を使って各機能のジョブを処理する例を説明するが、例えば、機能毎に別々のテーブルを設けたり、印刷対象のジョブの為の管理テーブルと、送信対象のジョブの為の管理テーブルとを別々に設けるなどして、ジョブ管理をしても良い。又、テーブル形式の管理方法以外の管理方法でもって処理対象のジョブを管理するような構成でも良い。
【0069】
又、本実施形態では、該デジタル複合機102は、HD210に格納したジョブをプリンタ部202にて印刷させるにあたり、操作部203を介して、その印刷対象となるジョブに対応する認証データ(パスワードなど)をユーザにより入力させたうえで、印刷実行を許可し、その印刷対象となるジョブに対応する認証データとは異なる認証データが入力された場合(パスワード不一致)や、認証データ自体が入力されていない場合には、その印刷対象のジョブをHD210から読み出してプリンタ部202にて印刷させることを禁止して、HD210に該ジョブをロックした状態で保持させておく、セキュアプリント機能を具備している。
【0070】
セキュアプリント機能を利用する場合には、例えば、ホストコンピュータ等の外部装置におけるプリンタドライバ上で、ユーザが各種印刷条件を設定する際に、印刷対象となるジョブに対してセキュアプリントを実行させる為の指示、及び、そのジョブをプリントさせる際に必要なパスワード等の認証データをユーザ自身により入力させ、そのうえで、該デジタル複合機102にジョブを送信するよう構成し、そのようなジョブを受信し、そのジョブを解析することで、該制御部207は、そのジョブはセキュアプリントジョブであると判断する。
【0071】
尚、ボックス機能等のジョブでもセキュアプリントジョブの対象とすることもできる。例えば、本実施形態では、例えば、100個のボックスをHD210に用意しておき、各ボックス毎にパスワード等を設定することができるように構成している。そして、ユーザが、操作部203にて、ボックス機能を選択し、複数のボックスの何れかのボックスを選択した場合に、そのボックスにパスワードが設定されているならば、パスワードの入力を操作部203を介して要求し、適正なパスワードが入力されたら、そのボックス内の文書のリストを表示し、その中からユーザにより所望の文書を選択させるよう構成する。そして、このような一連の操作を経て、操作部203にてプリント指示が入力されれば、該制御部は、そのボックス内から読み出すジョブをセキュアプリントジョブであると判断しても良い。
【0072】
本実施形態では、上記2つの例の両方を、セキュアプリントジョブとして取り扱っても良いし、上記2つの例のうちの何れか一方のみをセキュアプリントジョブとして取り扱っても良いし、これ以外のジョブでもセキュアプリントジョブとしてとり扱えるようにしても良い。
【0073】
尚、ホストコンピュータ等の外部装置側でセキュアプリントジョブの設定をしたジョブは、該デジタル複合機102が該ジョブを受信した後に、該複合機102にて該ジョブの認証処理(例えば、操作部203で認証データの入力を要求し、これをうけ、ユーザが認証データを入力し、その認証データと、該ジョブに対して設定されている認証データの比較処理等)を実行しない限り、プリンタ部202にて印刷させないよう制御するが、一定期間経過した(例えば、ジョブを受信時点から1時間経過した時点或いは1日経過した時点など)場合や、該デジタル複合機102の主電源がユーザにより切断された場合に、該HD201から消去するよう制御している。勿論、ユーザが操作部203や自身のコンピュータから該ジョブの消去指示を明示的に入力されたような場合には消去する。
【0074】
一方、ボックス機能のジョブは、デジタル複合機102の主電源を切っても、HD201のボックス領域に格納保持しておくもので、基本的には、ユーザが明示的に消去指示を入力しない限りに、HD201から消去せずに保持しておくように構成している。
【0075】
本実施形態では、上記のように、ユーザ明示的に消去指示を設定入力しない場合でも、HD210からデータを消去してしまう、ホストコンピュータ等の外部装置側でセキュアプリントジョブの設定をしたジョブをセキュアプリントジョブとして取り扱うことにする。
【0076】
但し、いずれにしても、本実施形態では、印刷を開始実行させるにあたり印刷開始実行を許可する為の認証処理を必要とするジョブをセキュアプリントジョブとし、印刷を開始実行させるにあたり特に認証処理を必要とせずに印刷を許可するジョブを非セキュアプリントジョブ(通常のジョブとも呼ぶ)として、取り扱うことができるように、デジタル複合機102を構成している。
【0077】
制御部207は、後述するシャットダウン制御に用いる情報として、該管理テーブル1500に、印刷対象となるジョブが、セキュアプリントジョブであるのか、セキュアプリントジョブではない(通常のジョブ)なのかを、特定判別できるようにする為の、セキュアプリントフラグを各ジョブ毎に立てておくように構成し、セキュアプリントジョブならばフラグをONにし、そうでなければ、OFFにしておくよう、管理テーブル1500を構成する。セキュアプリントジョブであるかは、例えば、コンピュータ等の外部装置から画像データと共に対応して出力される印刷処理条件の中にセキュアプリント実行指示が含まれているか等を、該ジョブのデータを受信した際に、該ジョブの情報を解析することで、判断する。
【0078】
制御部207は、このような管理テーブル1500の情報をチェックすることで、後述する、シャットダウン処理に関する各種の制御を実行している。
【0079】
尚、本実施形態では、画像処理装置(画像形成装置や印刷装置とも呼ぶ)の一例としてコピー機能やファクシミリ機能やプリント機能やボックス機能等、複数の機能を具備した、複合機能タイプの装置(所謂、MFP:マルチファンクションペリフェラル)でもって、説明しているが、本実施形態はこれに限らず、上記のような複数の機能のうちの何れか一つの機能のみを具備した単一機能型の画像処理装置(所謂、SFP:シングルファンクションペリフェラル)であっても勿論良い。又、本実施形態では、スキャナ部201やプリンタ部202やHD210など、各種のユニットが、同一筐体内に具備する等、所謂、内蔵型タイプの装置の場合でもって説明しているが、各ユニットの全て或いはそのうちの一部が別筐体で構成される、別体型で構成されるような構成であっても良い。このように色々な装置・機能構成が考えられるが、本発明の趣旨から外れなければ如何なる構成であっても良い。
【0080】
次に、本実施形態のデジタル複合機102の操作表示部203について説明する。図3は、操作表示部203の外観を示す図である。図示されたように、操作表示部203は、装置の状態やユーザへのメッセージ等を表示すると共にユーザの入力手段としても働く、タッチパネル形式の液晶表示部301と、テンキー311やスタートスイッチ312等を含む操作スイッチ310とを有している。該操作表示部203は、制御部207により制御され、該制御部207は、液晶表示部301に複数の操作画面を選択的に表示させ、どのような画面を表示させるか等も制御している。
【0081】
<表示画面>
以下、本実施形態のデジタル複合機102の基本的操作において、制御部207の制御のもと、液晶表示部301に表示させる画面の例について説明する。なお、以下で説明する各画面の表示内容やその画面から設定、実行が可能な機能は装置の仕様にあわせて適宜変更可能である。
【0082】
図4は、デジタル複合機102を起動したとき(電源を立ち上げたとき)に最初に表示部301に表示させる初期画面を示す図である。尚、この初期画面では、コピー機能が選択された状態のコピー基本画面を表示させている。しかし、図3の操作部310のユーザモードキーを介して表示部301に表示させる不図示の初期機能選択画面にて、起動後に最初に表示させる機能を複数の機能(例えば、コピー機能、送信/ファックス機能、ボックス機能、等)の中からユーザが予め指定選択しておくことで、立上げ時の初期画面をその選択した機能の画面にするよう設定変更することもできる。
【0083】
図4に示す画面状態で、ユーザはコピーモードが実行可能である。表示ウインドウ内には、コピー機能の初期設定(縮尺100%、A4用紙、枚数1)表示を表示させる。画面内には縮尺を設定する「等倍」及び「倍率」のボタン、使用する用紙を設定する「用紙」ボタン、ソータの使用/不使用を設定する「ソータ」ボタン、両面コピーの設定を行なう「両面」ボタン、様々な付加機能を用いたコピー機能における各種印刷条件パラメータの設定をユーザに行わせる為の操作画面に移行する指示を入力する為の「応用モード」ボタン、濃度を調整するボタン等がある。これらのボタンは全てソフトキーであり、画面上に表示させるものであり、ボタンが表示されている部分がユーザによりタッチされたことに応答し、各種指示を受付けるように構成する。これらのボタンを用いてユーザからの指定に基づいた印刷条件設定に従ったコピー処理を実行可能に制御する。
【0084】
また、この画面の上部には、機能を表す「コピー」、「送信/ファクス」、「ボックス」、「拡張」の4つの機能ボタンがあり、このうち現在有効な機能(ユーザにより選択された機能)を高い輝度で表示する等、どの機能が選択状態であるかをユーザが識別可能にボタンの表示を制御する。他のボタンを押下することで対応する機能が有効となる。更に、下部には、現在実行されているジョブを中断させて新たなジョブを実行させる割り込み処理を設定する「割り込み」ボタン、ジョブの変更、確認、中止や履歴の表示などに使用する「システム状況/中止」ボタンが設けられている。この「システム状況/中止」ボタンは全ての画面で表示されるように構成する。
【0085】
図5は、図4の画面の「応用モード」ボタンがユーザにより押下されたときに表示部301に表示させる応用モード画面を示す図である。応用モード画面は2つの画面に分かれており、ここでは第1画面(1/2)を示している。図中左下の「△」又は「▽」ボタンをユーザが操作することで2つの画面を切り換えるように構成する。
【0086】
図示された画面では、「ページ連写」、「表紙/合紙」、「縮小レイアウト」、「移動」、「製本」、「OHP中差し」、「拡大レイアウト」、「とじしろ」、「原稿混載」、「連続読込」、「ジョブ終了通知」、「枠消し」の各ボタンを表示させるようにしているが、これらのボタンの何れかがユーザにより押下されることに応じて、その選択された機能の処理条件を設定するための詳細画面を表示部301に表示させるよう制御し右下の「閉じる」ボタンを押下すると、図4のコピー基本画面に戻るように制御する。
【0087】
図6及び図7は、図4の画面上部に設けられる複数の機能選択ボタンのうちの送信/ファックス機能を選択する為の「送信/ファクス」ボタンがユーザにより押下された場合に、表示部301に表示させる送信画面を示す図である。図6の画面は、重要な文書を送信する際の設定を行なう「重要文書」ボタンがある点が図7の画面と異なっており、それ以外は同様である。
【0088】
送信画面において、表示領域上方部に、ユーザにより指定された宛先(送信先)を表示する表示ウインドウを設け、表示領域右側には、詳細設定を表示するウインドウや、詳細設定の設定をユーザにより行なわせる為の「詳細設定」ボタン、両面原稿を指定するボタン、ファイル形式をユーザにより設定させる為の「ファイル形式」ボタン、送信が済んだことを示すスタンプを原稿に印刷するか否かをユーザが選択可能にする為の「済スタンプ」ボタン、送信ジョブが終了したことを通知するか否かをユーザが選択可能にする為の「ジョブ終了通知」ボタン、送信の詳細設定を行なう「送信設定」ボタンを設けている。
【0089】
宛先を表示するウインドウの下には、予め入力された宛先を表示する「宛先表」ボタン、宛先の詳細設定を行なう「詳細設定」ボタン、宛先を消去する「消去」ボタン、宛先を呼び出す「コール」ボタンを設けている。また、それらの下には新規宛先に対して、スキャナ部で読み取った画像データの送信又は格納方法を「ファクス」、「電子メール」、「Iファクス」、「ファイル」、「ボックスに保管」から選択するボタンを設けている。既に登録された宛先に送信する際には、ユーザが「ワンタッチボタン」を押下することで、登録済の宛先を表示させ、登録された宛先に所定の方法で送信する際には、「定型業務」ボタンを押下すると登録された宛先と対応する送信方法等の設定内容が表示されるように制御する。
【0090】
図8は、図4の画面の上部に設けられる複数の機能選択ボタンのうちのボックス機能を選択する為の「ボックス」ボタンがユーザにより押下された場合に表示部301に表示させるボックス選択画面を示す図である。ボックス機能とは、上記の如く、スキャナ部で読み取った画像データやネットワークを介して受信したデータ(文書)を、HD201等の記憶ユニットに保存する機能であり、この例では、ユーザボックスの内容が、ボックス番号、名称、メモリ使用量について表示するように構成している。画面右側には、「システムボックス」及び「ファクスボックス」ボタンがあり、ユーザにより押下されたボタンに応じたボックスの内容を表示するよう構成する。また、右下には使用可能なメモリ残量を表示するよう構成している。
【0091】
図9は、図8のボックス選択画面にてユーザにより所望のボックスが選択されたことに応答して、表示部301に表示させるボックス文書選択画面を示す図であり、先のボックス選択画面にて選択されたボックス内に格納されている文書の中から所望の文書をユーザにより選択させたり、この選択したボックスに新たな文書を登録させる為の画面である。
【0092】
図9では、ボックス番号01のushiyamaのボックスが選択されており、このボックス内のドキュメント1という文書がユーザにより選択されている例を示している。この画面のウインドウの下には、当該画面にて選択されたドキュメント(ジョブ)の詳細情報(原稿サイズや印刷条件等の各種パラメータ情報)を表示部301に表示させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の「詳細情報」ボタンや、当該画面にて選択されたドキュメント(ジョブ)をHD201から消去させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の「消去」ボタンや、当該画面にて選択されたドキュメント(ジョブ)をプリンタ部202にて印刷させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の「プリント」ボタンや、当該ボックスに新たなスキャン原稿(ジョブ)を登録させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の「原稿読込」ボタンや、当該画面にて選択されたドキュメント(ジョブ)をユーザが所望の送信先に送信させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の「送信」ボタン、ボックス間で文書を移動したり複製する「移動/複製」ボタン等を表示されるよう構成している。
【0093】
また、当該画面にて選択されたドキュメント(ジョブ)を編集したり確認(例えば表示部301に選択したドキュメントのプレビュ表示を実行)する為の指示をユーザにより入力可能にする為の「編集メニュー」ボタンを表示するよう構成している。
【0094】
制御部207は、このように各種表示キーを表示部301に表示可能にし、ユーザが押下したボタンの指示に対応する動作を各ユニットに実行させるよう全体制御している。
【0095】
尚、制御部207は、図8のボックス画面にて複数のボックスの中から何れかのボックスがユーザにより選択された場合に、そのボックス、認証データ(例えばパスワード)の設定がなされているボックスである場合には、そのボックスに関する各種操作(ボックス内のジョブの印刷や削除や編集や送信や、該ボックスへの新たなジョブの登録)を制限する為の該ボックスに予め関連付けられた認証データの入力をユーザに実行させる為の認証データ入力画面(不図示)を、表示部301に、表示させる。そして、その画面で適正な認証データ(図8で選択されたボックスに対応するパスワード等)が入力されたことを条件に、図9に示すような、そのボックスの為の文書選択画面を表示部301に表示させ、該ボックスの各種操作を許可するよう制御する。
【0096】
以上説明したような画面の表示に応じて操作を行なうことにより、デジタル複合機102の様々な機能を用いて、コピー、ファクス、プリント、スキャン、保存(ボックス)等の処理が実行されるように構成する。
【0097】
<電源のON/OFF>
本実施形態のデジタル複合機102は、装置本体(例えば、装置側面)に設けられた主電源スイッチ(不図示)と、表示操作部に設ける操作部電源スイッチ(不図示)との2種類の電源スイッチ(本実施形態では、両キー共にメカ的なハードキーで構成しているがソフトスイッチでも良い)を具備している。
【0098】
操作部電源スイッチは、デジタル複合機102の状態を、通常状態(例えば、操作部203に操作画面を表示している状態や、ジョブの入出力処理をリアルタイムにできる状態等のこと)から電力消費を抑制する為のスリープモードの状態(例えば、操作部203の操作画面を消した状態。及び/又は、通常状態時には通電状態にしている複数のユニットのうちの、一部のユニットのみを通電状態のままにし(例えば、FAX通信制御部208やネットワークI/F部209やHD210への通電はON状態のままに維持しておき、外部装置からのジョブのデータを受信してHD210に蓄積できる状態にする)、残りのユニットへの電源供給は遮断した状態。等がスリープ状態に相当する)にする為のスイッチである。
【0099】
尚、制御部207は、例えば、外部装置からジョブを受信した事に応じて、或いは、操作部203で何らかの操作がなされた事を検知したことに応じて、上記操作部電源スイッチをユーザが再度押下しなくても、該デジタル複合機102をスリープ状態から通常状態に復帰させることができるよう制御する。
【0100】
一方、主電源スイッチは、該デジタル複合機102への電源を完全に遮断する状態(例えば、デジタル複合機102の各ユニットの電力供給を全てストップする状態であり、外部装置からのジョブの受信処理自体もできなくする状態であり、即ち、デジタル複合機102のコンセントを抜いた状態と同じ状態に相当)にする為のスイッチである。
【0101】
即ち、主電源スイッチにより該複合機102をOFF状態にしたら、該主電源スイッチを再度ユーザが押下しないかぎり、該デジタル複合機102は通常状態に復帰しないように構成している。
【0102】
尚、デジタル複合機102を起動する際には、主電源スイッチをONにする。一方、デジタル複合機102の電源を完全に遮断する際には、シャットダウンモードに移行してシャットダウン処理を実行させた後に主電源スイッチをユーザがOFFするよう構成している。
【0103】
本実施形態でのシャットダウン処理とは、例えば、HD210等のメモリに格納されている各種複数のデータのうちの、該デジタル複合機102にて印刷すべきジョブとして印刷処理中のジョブや、印刷処理待ちのジョブや、外部装置へ送信すべきジョブとして送信処理待ちのジョブ等のデータ(例えば、図15の管理テーブル1500にエントリーされているようなジョブのデータ)を、該HD210から消去する処理等を含む。このように、シャットダウン処理は、複合機102にて処理対象となるジョブのデータを消去する処理を含む。
【0104】
尚、該消去処理は、消去対象のデータの実データ自体を別のデータに上書きしたりすることで完全に実データを消去してしまう方法や、実データ自体は消さないものの、該実データを読み出す為のアドレス情報を消去することで、実データをHD210から読み出せないようにする方法、等、色々あるが、何れかの消去方法が実現可能であれば良い。又、シャットダウン処理は、処理中のジョブや待機中のジョブの処理を中止する処理(キャンセル処理)も含む。例えば、印刷中のジョブの印刷動作を中止したり、印刷待ジョブの印刷処理を中止したり、送信中のジョブの送信処理を中止したりすることも、シャットダウン処理に含まれる。
【0105】
尚、これら複数の処理(ジョブのキャンセル処理及び該ジョブのデータをHD210から消去する処理)のうちの少なくとも何れかの処理をシャットダウン処理とする構成でも良いし、これ以外の処理をシャットダウン処理として構成しても良い。いずれにしても、ユーザが該複合機102の主電源を落としても、該複合機102にて問題が発生しないような状態にすることが出来る処理をシャットダウン処理として該装置102が実行可能な構成であればよい。
【0106】
又、上述したように、主電源スイッチのみがONとなっていると、装置はスリープモードとなりうるが、この状態でも接続されたパーソナルコンピュータからのデータの受信やファクスの受信は可能にしている。尚、受信を確認した時点で、スリープモードから通常状態に復帰させる。
【0107】
<シャットダウンモード>
本実施形態のデジタル複合機で、操作部電源スイッチがユーザにより一定時間(例えば、5秒間)押下されたことを、制御部207(シャットダウン制御部212)が、操作部検知センサ(不図示)からの情報により、検知確認した場合に、該制御部は、該デジタル複合機102をシャットダウンモードに移行させるよう制御する。
【0108】
尚、本実施形態では、操作部203に具備したユーザモードキー(これはメカ的なハードキー)がユーザにより押下された場合に、該制御部207は、表示部301に、図16に示すような共通仕様設定画面1600を表示させる。そして画面1600上のシャットダウンモードキー1601がユーザにより押下されたことに応答し、該制御部207は、表示部301に、図17に示すシャットダウン設定画面1700を表示させる。そして、図17のシャットダウンモード設定画面1700上のシャットダウン実行キー1701が押下された場合にも、該制御部207は、該デジタル複合機102をシャットダウンモードに移行させるよう制御する。或いは、図17の画面は特に表示せずに、図16の画面1600のシャットダウンモードキー1601が押下されたことを条件に、シャットダウンモードに移行するように構成しても良い。
【0109】
尚、上記のような操作手順でなくても、例えば、図4の画面等に表示させるシステム状況キーが押下されたことに応答し、図17のシャットダウンモード設定画面1700を表示部301に表示させるなど、画面遷移方法を採用しても良い。
【0110】
このように、該デジタル複合機102をシャットダウンモードに移行させる方法は色々があるが、ユーザが明示的にシャットダウンモードの実行指示を入力することで、シャットダウンモードに移行させる構成(例えば、図16や図17の画面でシャットダウンモードの実行指示キーをユーザにより押下するで、シャットダウンモードに移行する構成)、及び、ユーザが明示的にシャットダウンモードの実行指示を入力する事無く、その他の条件で、シャットダウンモードに移行させる構成(例えば、図16や図17の画面でシャットダウンモードの実行指示キーをユーザが押下しなくても、操作部電源キーがユーザにより所定時間押下された等の所定条件を満たしたことを条件に、シャットダウンモードに移行可能にする構成)の少なくとも何れかを有していれば良い。
【0111】
但し、どのような操作手順に応じて、或いは、所定の条件を満たしたことに応じて、シャットダウンモードに移行しようが、制御部(特に、シャットダウン制御部212)は、この時点で、本デジタル複合機102の主電源をOFFにする事に関連する操作をオペレータ(ユーザ)が行っている、或いは、実行しようとしている、ものとして、判断する。そして、後述する制御を実行可能にしている。
【0112】
制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、デジタル複合機12の状態をシャットダウンモードに移行させた場合に、実行中のジョブ(処理中ジョブ)及び待機中のジョブ(処理待ちジョブ)があることを、例えば、図15の管理テーブル1500の情報等の、ジョブ情報に基づいて、確認した場合に、シャットダウン確認画面を液晶表示部301に表示させるよう制御する。
【0113】
制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、オペレータが該デジタル複合機102の主電源を落とす(OFFにする)操作を実行している(或いは、実行した、或いは、実行しようとしている)事を、該デジタル複合機102に対するオペレータの操作状況に基づき(例えば、操作部電源をユーザが一定時間押下し続けたことを検知した、或いは、図16や図17でシャットダウンモードの実行指示がユーザにより入力された事を検知したなどの、オペレータの操作状況に基づき)、確認した場合において、その時点で、該デジタル複合機102にて、例えばHD210を用いて、実行中のジョブや、待機中(処理待ち)のジョブが存在することを、例えば、上記ジョブ情報に基づいて、確認した場合に、該制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、複合機102の主電源をユーザが落とそうとしているものの、本複合機102には、現在実行中のジョブが存在するということをユーザに把握確認可能にする為の情報を、表示部301等の報知ユニットにより、報知させるよう制御している。
【0114】
そして、更に、待機中のジョブが存在するならば、待機中のジョブが存在することをユーザにより把握確認可能にする為の情報も、あわせて、表示部301等の報知ユニットにより、報知させるよう制御している。そして、更に、該制御部は、上記ジョブ情報及び各ユニットからの動作確認情報に基づいて、それらのジョブが、どのような機能のジョブであるのか、及び、誰が所有するジョブであるのか、及び、そして、それらが、現在、どのような処理状況であるのか、等を、ユーザにより把握確認可能にする為の情報も、上記情報に付加して、表示部301等の報知ユニットにより、報知させるよう制御している。そして、更に本実施形態では、主電源をユーザがOFFにしようとしている際に、実行中のジョブ及び待機中のジョブが存在し、それらのジョブの中で、セキュアプリントジョブに相当するジョブが存在するならば、ユーザに対してセキュアプリントジョブが存在する旨を把握確認可能にする為の情報も、上記各種の情報にあわせて、表示部301等の報知ユニットにより、報知させるよう制御する。
【0115】
このように、本実施形態では、デジタル複合機102の主電源を遮断する為の操作をユーザが行った際に、HD210等の記憶ユニットに、現時点において、処理中のジョブや待機中のジョブが存在する場合に、その事を、該ユーザにより把握確認可能にする為の情報を、表示部310等の報知ユニットにより報知するように制御している(例えば、後述するシャットダウン確認画面を表示部310に表示させるよう制御する)。これにより従来技術で指摘したような問題が起こるのを防止できる。尚、本実施形態では、表示部310を報知ユニットの一例としてあげているが、これ以外の報知ユニットを用いても良い。例えば、報知ユニットとしての別の形態例として音声ユニットを使って、このような情報を音声出力させる構成等でも良い。
【0116】
但し、本実施形態では、単に、ユーザが複合機102の主電源をOFF状態にする操作を行った際に、複合機102にて、印刷或いは送信可能なジョブがHD210に存在するからといって、その旨をユーザに報知しているわけではない。
【0117】
例えば、複合機102にてボックス機能を使えば、印刷や送信が可能なジョブをHD210に複数格納させておくことができ、尚且つ、ユーザから消去指示が明示的に入力されないかぎり、該HD210にそのまま保持させておくことができる。これらのタイプのジョブは待機中のジョブとも呼べるかも知れない。しかし、これらのタイプに相当するジョブは、複合機102の主電源をユーザが落としても、HD210から消去させずに保持しておくよう制御しており、尚且つ、複合機102の主電源をユーザが再度立ち上げた(起動した)後でも、これらボックス機能のジョブは、ユーザからの指示に応答し、HD210から読み出して、印刷や送信を実行可能に制御している。
【0118】
そこで、本実施形態では、このようなジョブ、即ち、複合機102の主電源をユーザがOFFにする前にHD210等の記憶ユニットに格納済みのジョブで且つ、該複合機102の主電源をユーザが再度ON状態にした後でも該記憶ユニットから読み出して印刷や送信が可能なタイプのジョブが存在する場合に、このようなタイプのジョブに該当するジョブに関する情報は、ユーザが複合機102の主電源をOFF状態にする操作を行ったとしても、表示部310等の報知ユニットにより報知しないよう制御する。
【0119】
例えば、このようなタイプのジョブが存在することを、図15等の管理テーブルのジョブ情報等により、制御部207(特に、シャットダウン制御部212)が確認したとしても、後述するシャットダウン確認画面では、このようなタイプのジョブに関する情報を表示部310に表示しないよう制御している。
【0120】
このように、本実施形態では、上記制御に加え、複合機102の主電源がON状態時にてHD210等の記憶ユニットに格納したジョブで且つ、該複合機102の主電源をOFF状態から再度ON状態にした後に、ユーザからの指示に応答して、該記憶ユニットから読み出して印刷や送信する事が出来る、ジョブが存在する場合には、たとえ、該複合機102の主電源OFF状態にする操作をユーザが行ったとしてもその際に、それらのジョブに関する情報は、報知ユニットにより報知しないよう制御する(このタイプのジョブに関する情報の報知処理を禁止する)。尚、本実施形態では、このようなジョブを電源断保持するジョブと呼ぶ。
【0121】
これにより、必要以上の情報をユーザに与えないようにすることができ、従来技術のような問題を解消しようとしたことが原因で、複合機102のHD210等の記憶ユニットに格納されている全てのジョブの情報を、該複合機102の主電源をユーザがOFF状態にさせようとした際に、ユーザに報知してしまい、それが原因で、逆に、ユーザが困惑して操作性が低下してしまう等の問題が起こるのを未然に防止することができる等の効果を奏することが出来る。
【0122】
尚、先の制御例で説明した、ユーザが複合機102の主電源をOFF状態にする操作を行った際に、表示部310等の報知ユニットにより、情報を報知する対象のジョブ(シャットダウン確認画面のジョブ一覧にて表示させるようなジョブ)は、電源断保持しないジョブと呼ぶ。
【0123】
本実施形態で、この電源断保持しないジョブに相当するジョブは、複合機102の主電源がON状態時にてHD210等の記憶ユニットに格納したジョブで且つ、該複合機102の主電源をOFF状態にする操作をユーザが行った際に、本実施形態のシャットダウンモードによりHD210から消去させるよう制御する対象のジョブであり、該複合機102の主電源がOFF状態からユーザ操作により再度ON状態になった後に、HD210から読み出して印刷処理や送信処理を実行することが出来ないように制御する対象のジョブである。
【0124】
以上をまとめると、本実施形態では、複合機102の主電源をOFF状態にする事に関連する操作(操作部電源キーを一定時間以上押下する操作や、図16や図17のユーザインタフェース画面を介してシャットダウンモードの移行指示を入力する操作等)がユーザによりなされた場合において(このような操作がなされたか否かは例えば操作部に設けた不図示の操作検知センサからの情報に基づいて制御部207が判断すればよい)、その時点で、実行中のジョブや待機ジョブが存在する場合に、そのうちの、少なくとも電源断保持しないジョブに相当するジョブに関する情報については、ユーザに報知ユニットを介して報知するよう制御する(電源断保持しないジョブに関する情報の報知処理の実行を許可する)一方で、電源断保持するジョブに相当するジョブの情報については、該報知ユニットにより報知しないよう制御する(電源断保持するジョブに関する報知処理の実行を禁止する)。
【0125】
尚、電源断保持するジョブとして、以下のようなジョブも含めるようにして、以下に該当するジョブに関しては、報知ユニットにより電源断時にそのジョブ情報をユーザに報知ないよう制御しても良い。
【0126】
例えば、送信/ファクシミリ機能のジョブは、その処理が完了していないならば、電源断後もHD210に保持させておくことができる。
そこで、本実施形態において、複合機102の主電源がユーザ操作によりON状態からOFF状態になり、その後、主電源がユーザ操作により再度ON状態になった場合に、例えば、その時点で(電源再起動時に)、自動的に、HD210から読み出して、主電源がOFFになる以前の処理条件(宛先の設定や送信方式設定など)に従って、ユーザが主電源がOFFになる前に設定した所望の送信処理条件でもって、FAX通信制御部208やネットワークI/F等の通信ユニットにより、送信処理を実行させるよう制御可能に構成できる。
【0127】
このように複合機102の主電源を再投入した場合に、ネットワーク送信機能のジョブやファクシミリ送信機能のジョブに関し、自動的にリカバー処理を実行可能に構成できる。
【0128】
そこで、このような、送信/ファクシミリ機能のジョブが、複合機102の主電源がOFF状態になる場合にHD210に存在していても、これらのジョブは電源断保持するジョブとして、これらのジョブに関する情報は、電源遮断時に、該報知ユニットにより報知しないよう制御(電源断保持するジョブに関する報知処理の実行を禁止する)しても良い。
【0129】
但し、上記のような構成にする場合にでも、例えば以下のような状況、制御に鑑み、更に以下のような制御を行うようにしても良い。
【0130】
例えば、送信/ファクシミリ機能により他装置にジョブを送信する場合、特にファクシミリ機能のジョブに関しては、他装置とデータ通信するためにデータ通信料が発生する。これは相手にデータの通信を開始する段階から通信料が発生し、データの通信を開始する前の段階ならば、通信料は発生しない。尚、ネットワーク送信機能によりジョブをネットワーク経由でデータ送信するならば、特に送信料金は発生しない。
【0131】
そこで、ファクシミリ機能のジョブを処理中に、複合機102の主電源がユーザ操作によりOFF状態になる場合には、無駄な通信料が発生することを極力防止する為に、主電源がユーザにより落とされる前に、そのジョブをHD210から消去してしまいデータ通信処理を中止して、主電源が再投入されても、該ジョブの送信処理をリカバーしないよう制御する。但し、待機中のジョブとしてファクシミリ機能のジョブがHD210に存在するならば、そのジョブについては、電源遮断時には、未だ通信料が発生していないので、HD210に保持しておき、電源再投入時に、自動或いは手動で、該HD210から該ジョブを読み出して送信処理を実行可能に制御する(このジョブは、電源再投入時に処理が開始され、その時点で初めて通信料が発生するから、主電源を落としたとしても、無駄な通信料は発生させていない)。
【0132】
このような構成のもとで、例えば、複合機102の主電源がユーザ操作によりOFF状態になる場合において、処理中のジョブや待機中のジョブが存在する場合に、処理中のジョブがファクシミリ送信機能のジョブであるならば、このジョブは、主電源遮断時にデータ通信に関わる料金が発生している対象のジョブに相当するものとして、シャットダウンモードの実行によりHD210から消去できるように制御する共に、電源遮断時直前に(シャットダウンモードの実行を行う直前に)、上記制御と同様、電源断保持しないジョブとして、そのジョブ情報を、ユーザに報知ユニットを介して報知するよう制御する(電源断保持しないジョブに関する情報の報知処理の実行を許可する。
【0133】
そして、更に、例えば、複合機102の主電源がユーザ操作によりOFF状態になる場合において、処理中のジョブや待機中のジョブが存在する場合に、処理中のジョブがネットワーク送信機能のジョブであるならば、そもそもデータ通信に関わる料金が発生しない対象のジョブに相当するものとして、主電源を落としてもHD210から消去せずに、電源再投入時に自動的に送信処理を実行可能に制御するジョブのため、このジョブに関する情報は、電源断保持するジョブとして、該報知ユニットにより報知しないよう制御(電源断保持するジョブに関する報知処理の実行を禁止する)する。
【0134】
そして、更に、例えば、複合機102の主電源がユーザ操作によりOFF状態になる場合において、処理中のジョブではない、待機中のジョブとして、ファクシミリ送信機能のジョブがHD210に存在するならば、そのジョブは、少なくとも主電源を落とす際にデータ通信に関する料金が現時点ではまだ発生していない対象のジョブに相当するものとし、主電源を落としてもHD210から消去せずに、電源再投入時に自動的に送信処理を実行可能に制御する対象のジョブのため、このジョブに関する情報は、電源断保持するジョブとして、該報知ユニットにより報知しないよう制御(電源断保持するジョブに関する報知処理の実行を禁止する)する。
【0135】
又、ネットワーク送信機能のジョブが待機ジョブとしてHD210に存在していても、このジョブは、そもそもデータ通信に関する料金が発生しない対象のジョブに相当するものとし、主電源を落としてもHD210から消去せずに、電源再投入時に自動的に送信処理を実行可能に制御する対象のジョブなので、このジョブに関する情報も、電源断保持するジョブとして、該報知ユニットにより報知しないよう制御(電源断保持するジョブに関する報知処理の実行を禁止)する。
【0136】
又、本実施形態の画像形成装置102を次のように構成しても良い。例えば、後述する図10や図11のユーザインタフェース画面(シャットダウン確認画面)にてユーザに対して情報を報知すべき対象となるジョブのデータを、HD210内のテンポラリ領域という、ユーザからの所望の処理を実行する為に画像データを一時的に記憶させておく為に設けた所定の記憶領域に対して、格納するよう制御する。テンポラリ領域に記憶させた画像データは、ジョブが完了した時点、及び、ジョブが中止された時点、及び、該デジタル複合機102の主電源が遮断された時点等のうちの少なくとも何れかの時点において、該HD210から消去させるよう制御可能にする。
【0137】
そして、更に、該HD210内に、該装置102が具備するボックス機能により処理対象となるジョブを取り扱う為のボックス領域という所定の記憶領域も設けておく。該ボックス領域には、ボックス機能により処理対象となるジョブのデータを格納可能に制御する。ボックス領域に記憶した画像データは、ユーザがボックス機能において画像データの消去指示を例えば操作部203等を介して入力しない限り、HD210から消去しないよう制御し、該ボックス領域の画像データをプリントしたり送信したりするジョブが完了しても、該ジョブを中止しても、該HD210から消去しないよう制御し、該複合機102の主電源が遮断されても、そのままHD210に保持しておき、電源再投入後でも該ボックス領域の画像データを読出し及び印刷及び送信可能に制御する。
【0138】
このような構成のもとで、該HD210のテンポラリ領域に格納された画像データのジョブに関する情報は図10や図11のシャットダウン確認画面を介して電源遮断時にユーザに対して報知することを許可する一方で、該HD210のボックス領域に記憶している画像データ、及び/又は、その画像データのジョブ、に関する情報は、図10や図11のシャットダウン確認画面を介して電源遮断時にユーザに対して報知することを禁止するよう制御部207により制御しても良い。
【0139】
このように、各種応用的な制御をデジタル複合機102にて実現できるようにすることで、従来技術で述べたような課題を解決するだけでなく、ユーザからの様々なニーズに対応できる、ユーザの使い勝手にあわせた、便利な環境を提供できる等の効果を奏することが出来る。
【0140】
尚、上述した制御は、ユーザの利便性を考慮した仕様であるがゆえ、該デジタル複合機102が必ずしもこのような構成を具備する必要も無く、先に述べたような制御が実現できるだけであっても良い。
【0141】
次に、デジタル複合機102の主電源をOFF状態にする為の操作がユーザによりなされた場合に、主電源が実際に落とされる直前に(シャットダウンモードによるシャットダウン処理を実行する前に)、報知ユニットの一例としての表示部301に表示させる、シャットダウン確認画面について説明する。
【0142】
本実施形態では、シャットダウン確認画面として、第1のシャットダウン画面と、第2のシャットダウン画面の2種類の表示方法を具備している。
【0143】
第1のシャットダウン確認画面は、デジタル複合機102の主電源がユーザにより落とされる前に、その情報を報知しておくべき、実行中のジョブ及び待機中ジョブを含む複数のジョブのうちの、実行中のジョブの情報を、待機中のジョブの情報よりも、表示領域の先頭(ウインドウの上側)側に表示させるように、該複数のジョブの各ジョブ情報を配列一覧表示する構成にしている。
【0144】
第2のシャットダウン確認画面は、デジタル複合機102の主電源がユーザにより落とされる前に、その情報を報知しておくべき、実行中のジョブと待機中のジョブの情報を、機能別(例えば、プリント機能、ファクシミリ機能、コピー機能)にソートして(区別して)配列一覧表示する構成にしている。。
【0145】
本実施形態の制御部(特に、シャットダウン制御部212)は、このような画面を、図15の管理テーブルの情報を含む各種ジョブ情報や複合機102の動作状況に基づいて、表示部301に表示させるよう制御している。
【0146】
これら2つのシャットダウン確認画面のいずれを表示させるかの設定は、例えば、図3の操作部203のユーザモードキーがユーザにより押下されたことに応答して表示部301に表示させる不図示の初期設定画面にてユーザにより実行可能とする。
【0147】
例えば、表示部301に表示させる不図示の初期設定画面にて、第1のシャットダウン確認画面を表示させる第1の表示モード及び、第2のシャットダウン確認画面を表示させる第2の表示モードの両方をユーザに提示して、ユーザが所望する表示モードをユーザ自身により選択可能にし、これをうけ、制御部207が、該ユーザにより選択された表示モードに対応したシャットダウン確認画面を、後述する条件下のもとで、表示部301に、表示可能に制御する。尚、何れか一方の画面のみを表示させる構成でも良いし、このような画面構成ではなくても、ユーザに情報を報知できる構成であれば如何なる画面構成であっても良い。
【0148】
図10は、デジタル複合機102の主電源がユーザ操作によりON状態からOFF状態になる段階にて、デジタル複合機102にて例えばHD210等を使って、実行中のジョブや待機中のジョブが存在する場合に、その旨をユーザに報知するべく、制御部(特に、シャットダウン制御部212)が、表示部301に、表示させる、実行中のジョブが先頭に表示されるようにジョブ情報を一覧表示した第1のシャットダウン確認画面の一例を示す図である。
【0149】
本実施形態では、ユーザの操作性を向上させるべく、例えば、図示されたように、画面内のジョブ一覧を表示するウインドウにおいて上側には実行中のジョブが表示され、下側には待機中のジョブが表示されるような画面を作成させる。そして、実行中のジョブと待機中のジョブの間には鎖線等で区切りが表示され、ユーザはどのジョブまでが実行中であるのか容易に識別できるような表示構成にしている。
【0150】
また、暗証番号などの認証データの入力(パスワード以外にもICカード等による認証でも良い)を含む所定の操作を行なわないと処理を開始実行させないように制御する対象となるプリントジョブ(例えば、セキュアプリントジョブ)がある場合には、ウインドウの上側に「セキュアプリントJOBがあります!」というメッセージを、例えばハイライト表示などで目立つように表示され、ユーザに注意を促す。
【0151】
このように、デジタル複合機102の主電源がOFF状態なる操作をユーザが実行しようとしている場合において、その時点にて、複合機102にてHD210等の記憶ユニットを用いて、処理中のジョブや待機中のジョブが存在する場合に、制御部(特に、シャットダウン制御部212)は、このようなジョブが存在することを該ユーザにより確認把握可能にする為の情報を、該デジタル複合機102の主電源が実際にユーザによりOFF状態にされる前にて、報知ユニットを介して該ユーザに報知させるよう制御可能にしたものにて、そのようなジョブの中に、例えば認証データの入力処理等を含むユーザによる介入作業がなされたことを条件に、実際の処理を開始させるような、例えば、セキュアプリントジョブ等のタイプのジョブが含まれている場合には、該制御部(特に、シャットダウン制御部212)は、そのようなジョブが存在することをユーザにより確認把握可能にする為の情報も、上記情報と共に、該報知ユニットを介して該ユーザに対して報知させるよう制御する。
【0152】
但し、本実施形態では、このように、セキュアプリントジョブが存在する場合に、このようなジョブが存在する事のみをユーザに把握確認させるに留めて、そのセキュアプリントジョブの具体的な詳細情報(例えば、どのジョブがセキュアプリントジョブであるのか複数のジョブの中から特定できる情報や、そのジョブの文書名やユーザ名等をユーザにより特定できる情報)は、表示部301に表示させないよう制御している。これにより、高いセキュリティを保持できるようにしている。即ち、図15の管理テーブルの情報をそのままユーザに提示しないようにしており、ある程度マスクした情報を提示するよう構成している。
【0153】
但し、この制御も高セキュリティ確保することを念頭においた仕様であるがゆえ、必ずしも、このような制御を実行できる構成でなくても良い。
【0154】
そして、図10のシャットダウン確認画面を表示部301に表示させた後、例えば、この画面上の情報を確認したユーザにより、図10のシャットダウン画面上に具備した該ウインドウの下に表示されているシャットダウンモードの実行をキャンセルする為の指示をユーザにより入力可能にする為の「キャンセル」ボタンが、ユーザにより押下された場合には、これを受け、制御部(特に、シャットダウン制御部212)は、シャットダウンモードの実行による図10の画面に一覧表示したジョブに対応するHD210内の処理中のジョブ及び待機中のジョブのHD210からのデータ消去処理を実行する事を、禁止するよう制御し、シャットダウンモードから通常の動作モード(シャットダウンモードに移行する前のモード)に復帰させるよう複合機102の動作状態を制御し、表示部301の表示内容も、当該画面とは異なる、適正な操作画面に、復帰させるよう表示部301を制御する。
【0155】
例えば、適正な操作画面として、図10のシャットダウンモード確認画面を表示部301に表示させる直前に表示部301に表示させていたオペレータがシャットダウンモード移行直前に操作していた操作画面を表示部301に表示させる。又例えば、図10のシャットダウン確認画面を閉じて、本デジタル複合機102の初期設定として予め設定されている機能の初期画面(例えば、図4に例に示したように、コピー機能が電源立投入時に自動的に起動させるべき機能として予め設定されている場合ならば、図4のコピ−機能の初期画面)を、表示部301に表示させるよう制御して、本複合機102の通常状態時(デジタル複合機102の状態がスリープ状態ではなく、印刷できる状態等のレディ状態であり、全てのユニットが通電状態である状態など)における操作を、操作部203を介して、ユーザにより受付可能にするよう制御する。
【0156】
一方、表示部301に表示させた図10のシャットダウン確認画面上に具備させている、シャットダウンモードの実行指示をユーザにより入力可能にする為の「OK」ボタンが、ユーザにより押下された場合には、これを受け、該制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、本複合機102にてシャットダウンモードを実行する事をユーザにより確認把握可能にする為の情報(シャットダウンモードを実行中である事をユーザにより確認把握可能にする為の情報も含む)を、報知ユニットを介して、ユーザに対して報知するよう制御すると共に、シャットダウンモードによるシャットダウン処理を実行させるよう制御する。
【0157】
この報知制御の一例として、例えば、該制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、該情報を具備した図12に示すシャットダウン実行画面を、表示部301に表示させるよう制御する。
【0158】
又、シャットダウン処理として、例えば、該制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、HD210に格納されている、電源断保持しないジョブに相当する、図10のシャットダウン確認画面を介して、ジョブ情報をユーザに提示済(表示済)のジョブのうちの、実行中のジョブの処理を中止する処理(この例では、図10のリストの受付番号0001のプリンタ部202にてプリント動作中のジョブのプリント動作をプリンタ部202に中止させる処理や、図10のリストの受付番号0002のスキャナ部201にてスキャン動作中のジョブのスキャン動作をスキャナ部201に中止させる処理)を実行させ、且つ、該処理中のジョブの画像データ及び、図10のリストで提示している他の待機中ジョブの各画像データをHD210から消去させる処理を、HD210に、実行させる処理等を、実行させるよう制御する。
【0159】
尚、本実施形態では、該制御部207(特に、シャットダウン制御部212)は、図12のシャットダウン実行画面を表示部301に表示させている最中(即ち、複合機102にてシャットダウン処理を実行させている事をユーザに識別可能にする為の情報を報知ユニットに報知させる処理を実行させている最中)に、該処理と並行して、上記シャットダウン処理を実行させるよう制御している。
【0160】
一方、図12のシャットダウン実行画面を表示部301に表示させる前の段階では、シャットダウン処理を実行させていない。
【0161】
例えば、表示部301による図10のシャットダウン確認画面の表示により、電源断保持しないジョブを、現在、処理中(及び/又は、処理待状態)である事をユーザに識別可能にする為の情報を、報知ユニットに報知させている間は(少なくとも、図10のOKキーをユーザが押下する前の期間は)、シャットダウン処理を実行させないよう制御する。
【0162】
そこで、本実施形態は、極力、デジタル複合機102の稼働率を向上させるべく、シャットダウン処理を実行する直前まで、HD210にて保持している、処理中のジョブの処理及び待機中のジョブの処理を完了できるように、スキャナ部201やプリンタ部202やFAX通信制御部208やネットワークI/F部209等のこれらのジョブを処理する為のユニットを、動作し続けるように、該制御部207により制御している。
【0163】
例えば、複合機102の主電源をOFF状態にする為の操作がユーザによりなされた場合に、現在、HD210等の記憶ユニットを用いて、電源断保持しないジョブを、処理中、及び/又は、処理待状態である、場合に、その事を、ユーザに把握可能にする為の情報を報知ユニットにより表示させている際中(この例では、表示部301に、図10のシャットダウン確認画面を表示させている際中)にでも、該報知処理に並行して、これら報知対象のジョブの処理を、その処理完了を目指して、継続するよう、各ユニットを動作させ続ける。
【0164】
図10の例だと、図10の画面を表示部301に表示している状態(少なくとも、図10のOKキーを介してシャットダウン処理の実行指示がユーザにより入力されていない状態)で、該制御部207は、図10のリストの最上部の受付番号0001のプリント処理中のジョブのプリンタ部202によるプリント動作を継続するよう、プリンタ部202を動作させつづけるよう制御する。尚且つ、該制御部207は、上記動作と同時に(並行して)、図10のリストの上から2番目の受付番号0010のファクシミリ送信処理中のジョブのFAX通信制御部208によるファクシミリ送信動作を継続するよう、FAX通信制御部208の動作も維持させる。尚且つ、該制御部は、これらの動作と同時に(並行して)、図10のリストの上から3番目の受付番号0002のスキャン処理中のジョブのスキャナ部201によるスキャン動作を継続するよう、スキャナ部201を動作させつづけるよう制御する。
【0165】
そして、該制御部207は、このような処理動作を、図10のOKキーを介してユーザによりシャットダウン実行指示が入力されるまで実行しつづけるように各ユニットを制御する。
【0166】
即ち、図10の例だと、図10のOKキーがユーザにより押下されていない状態のままで、図10のリストの最上部の受付番号0001のジョブのプリント処理が完了したら、該ジョブをHD210から消去して、次に実行すべきプリントジョブとしてプリント待ち状態のジョブに相当する、図10のリストの上から4番目の受付番号0002のプリントジョブのプリント動作を、開始させるよう、プリンタ部202を制御する。そして、この図10のリストの上から4番目のジョブのプリント動作が終了しても、まだ、図10のOKキーが押下されていないならば、更にその次に実行すべきプリントジョブとして待機しているジョブである、図10のリストの上から5番目の受付番号0003のプリントジョブのプリント動作も開始させるようプリンタ部202を制御する。
【0167】
一方同様に、図10のOKキーがユーザにより押下されていない状態のままで、図10のリストの上から2番目のファクシミリ送信処理中の受付番号0010のジョブの他装置への送信処理が完了したら、該ジョブをHD210から消去して、次に実行すべきファクシミリ送信ジョブとして送信待ち状態のジョブに相当する、図10のリストの上から6番目の受付番号0011のファクシミリ送信ジョブの送信動作を、開始させるよう、FAX通信制御部208を制御する。
【0168】
このように、実際にシャットダウン処理の実行指示がユーザにより入力される直前まで、ユーザに提示したジョブの処理を継続し続けるよう制御することで、実際に複合機102の主電源がユーザにより遮断される直前まで、デジタル複合機102の稼働率、ジョブ生産性を、極力、向上させることが出来るようにし、且つ、例えば、主電源OFFにしようとしたが、図10等のシャットダウン確認画面の情報を見て、現在、複合機102にて電源断保持しないジョブを処理中であったり、処置待ち状態であったりすることを確認したユーザが、複合機102の主電源をOFFにすることをやめようと思って、図10のキャンセルキーを押下して、デジタル複合機102を通常状態のままとした際に、そのような判断、操作を行っている際にも、各ジョブの処理を進行続けるよう制御しているので、システム全体の生産性も大幅に向上させることが出来る。
【0169】
このように、上記制御を実行可能にすることで、デジタル複合機102の電源をユーザがOFFにするようなケースにおいても、極力、デジタル複合機102の稼働率、生産性を向上させるようにすることが出来る等の効果を奏することが出来る。
【0170】
尚、このような制御構成も、生産性や稼働率を考慮したうえでの仕様であるが故、必ずしも具備していなくても良い。
【0171】
又、本実施形態では、シャットダウン処理を実行する指示がユーザにより操作部203を介してなされた(例えば、図10や図11のシャットダウン確認画面上のOKキーが押下された)ことを条件に、複合機102に上述のシャットダウン処理を実行させるように制御部207(特にシャットダウン制御部212)構成している。
【0172】
制御部207(特にシャットダウン制御部212)は、シャットダウン処理を実行することを上記条件により決定したら、たとえ、図10や図11のシャットダウン確認画面を介してオペレータに提示したジョブ(複合機102の主電源をOFF状態にする事に関するユーザの操作が該複合機102に対してなされた際に処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブに相当)の処理が完了していなくても、該画面上のリストのジョブの処理を全て中止するよう各ユニット(スキャナ部、通信部、プリンタ部等)を制御し、それらリスト上に情報を提示した各ジョブのデータ(これらは基本的にHD210のテンポラリ領域に格納している)を全てHD210から消去するよう制御する。
【0173】
即ち、該制御部は、リスト上に情報を提示した、処理中のジョブ、及び/又は、待機中のジョブ、の、各ジョブ(電源断保持しないジョブ)の処理が完了するのを待つことなく、これらのジョブを、強制的に、中止してしまうよう制御している。
【0174】
これは、ユーザの使い勝手を配慮した仕様である。例えば、オフィス環境等を想定し、あるオペレータが、終業時刻になったので、職場の該複合機102の主電源を落とした(遮断した状態、単に、OFF状態とも呼ぶ)うえで、職場から帰宅しようとしている状況を想定してみる。
【0175】
ここで、もし、本実施形態の上記制御を用いずに、処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブの、処理が全て完了したうえで、シャットダウン処理を実行する(電源をOFF状態にしても良い状態にする為の処理)ような構成にしてしまったら、処理中のジョブや処理待ちジョブが、大量に複合機102に存在しているならば、該オペレータがシャットダウン処理を早く実行することを希望していても、それらのジョブが全て完了しないかぎり、シャットダウン処理が開始されず、その間は、主電源を落とすことも出来なくなり、オペレータは、早く帰社したにも拘らず、複合機102の目の前で、全てのジョブが完了するのを、ずっと待つことになってしまう。
【0176】
そこで、本実施形態では、上述の如く、ユーザ自身がシャットダウン処理の実行を希望したら(図10や図11のシャットダウン確認画面のOKキーの押下によりシャットダウン処理の実行指示が入力されたら)、速やかに、複合機102の主電源を落とせる状態にするよう、たとえ、複合機102にて、現在処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理が完了していなくても、強制的に、シャットダウン処理を実行させるよう制御し、なるべく早く、複合機102の主電源を落とすことができる状態にするように構成している。
【0177】
これにより、上記のようなオフィス環境等にて発生しそうな想定問題も未然に防止でき、且つ、オペレータの該複写機102の利用環境を考慮した、使い勝手の良い装置を提供できる等の効果を奏することが出来るようにしている。
【0178】
そして、本実施形態は、このような構成を採用しても問題が起きないようにする為にも、図10や図11のシャットダウン確認画面にてオペレータに対して、上述した各種情報を提示して、そのオペレータ自身の了解を得るように構成している。そして、ショットダウン処理を実行しても良いならば、オペレータがが自分自身で、その旨を、図12の画面を介して入力可能にする。又、一方で、図10や図11の画面を確認した結果、シャットダウン処理を行ない方が良いと思ったら、オペレータが自分自身でシャットダウン処理を実行することをキャンセルする旨を図12の画面を介して入力可能にする。
【0179】
これにより、オペレータが複合機102にシャットダウン処理を直ぐにでも実行させる事を希望しているにも拘らず、処理中のジョブや処理待ちのジョブが該複合機102に存在することが原因で、該複合機102にシャットダウン処理を開始させることが出来ずに、該複合機102の主電源を落としたいオペレータを、不必要に、複合機102の前で拘束してしまう等の、問題が起きるのを未然に防止することが出来る等の効果を奏すると共に、このような問題を防止するが為に、オペレータがシャットダウン処理を希望していないにもかかわらず、複合機102の独自の判断で勝手にシャットダウン処理を開始してしまう等の問題が起きてしまう等の問題が発生してしまうことも未然に防止することが出来る等の効果を奏することができ、これら2つの効果を、ユーザからのニーズに柔軟に対応しながら、両立できるようにすることが出来る。
【0180】
図11は、デジタル複合機102の主電源がユーザ操作によりON状態からOFF状態になる段階にて、デジタル複合機102にて例えばHD210等を使って、電源断保持しないジョブに相当する、実行中のジョブや待機中のジョブが存在する場合に、制御部(特に、シャットダウン制御部212)が、その旨をユーザに報知するべく、表示部301に表示させる、機能別にジョブをソートして一覧化した第2のシャットダウン確認画面の一例を示す図である。画面内のジョブ一覧を表示するウインドウに表示される内容のみが、図10に示した第1のシャットダウン確認画面と異なっており、他は第1のシャットダウン確認画面と同様である。
【0181】
第2のシャットダウン確認画面では、図示されたように、実行中のジョブと待機中のジョブとが、プリント、ファクス、コピー等の機能(処理)毎に分けて表示されるように表示制御している。更に、各機能間には鎖線等で区切りが表示され、各機能の表示領域内では実行中のジョブが先頭に表示されるように画面を構成するよう制御していることで、ユーザはどのジョブが実行中で、どのジョブが処理待機中で、あるのか、及び、それらのジョブは如何なる機能のジョブであるのか等を識別できるように構成している。
【0182】
なお、シャットダウンモード移行時に、少なくとも、電源断保持しないジョブ(主電源を再投入した後に、HD210から読み出して、印刷や送信を実行することができないように制御しているジョブ)に相当するジョブで且つ、該デジタル複合機102にて、実行中のジョブ及び待機中のジョブがない場合には、これらシャットダウン確認画面を表示せずに、図12のシャットダウン実行画面が表示され、シャットダウン処理が実行される。
【0183】
尚、このようなジョブが存在しない場合に、存在しないこと自体をユーザに確認の意味で、提示するべく、その旨を示す情報を報知ユニットにより報知させるように構成しても良い。
【0184】
又、図11や図12のシャットダウン確認画面では、リストに表示しているジョブは電源断保持しないジョブである事を明記した情報は画面上には表示していない。
【0185】
そこで、本実施形態にて、更に、例えば、図11や図12の画面のリスト上のジョブは電源後保持しないジョブである事をオペレータにより確認可能にする為のメッセージ情報、及び、リスト上のジョブはシャットダウン処理により電源遮断時にHD210から削除されるジョブである事をオペレータにより確認可能にする為のメッセージ情報、及び、リスト上のジョブはシャットダウン処理により処理が中止されるジョブである事をオペレータにより確認可能にする為のメッセージ情報、及び、リスト上のジョブは電源再投入時にリカバリ処理が自動的に実行されないジョブである事をオペレータにより確認可能にする為のメッセージ情報、等、少なくとも何れかの情報を、上述した各種の情報に加えて、ユーザに対して報知するよう報知ユニットを制御する構成であっても良い。
【0186】
これにより、上述した効果を一層向上させることも出来る。この場合、例えば、このような旨を示す情報を、図11や図12のシャットダウン確認画面上にメッセージとして追加表示させるような構成を採用すればよい。
【0187】
<第1のシャットダウン確認画面の表示処理>
第1のシャットダウン確認画面を表示させる処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0188】
上述のようなユーザの操作に応じて(例えば、操作部203上の不図示の操作部電源キーがユーザにより一定時間押下しつづけられたことを操作部203の不図示の操作部検知センサからの情報により判断したことに応じて、或いは、操作部203のユーザモードキーが押下され、図16の画面のシャットダウンキー1601、或いは、図17のキー1701が押下される等して、シャットダウンモードの実行指示がユーザにより明示的に入力されたことに応じて)、本デジタル複合機102をシャットダウンモードに移行すると、ステップS600において、システム制御部207内のシャットダウン制御部212は、実行中のジョブおよび待機中のジョブがあるか否かを、例えば、図15のジョブ管理テーブル1500等に書き込んでいるジョブ情報を参照したり、核ユニットの動作状況を各ユニットからの検知情報により、判定し、実行中のジョブおよび待機中のジョブがある場合にはステップS601に移行し、ない場合にはステップS609に移行する。
【0189】
ステップS601において、実行中のジョブおよび待機中のジョブより1つづつジョブ処理を行うために1つのジョブ情報を、例えば、上記管理テーブル1500の情報や各ユニットからの動作状況を示す情報により、取得する。次にステップS602において、取得したジョブ情報よりこのジョブが、例えばセキュアプリントジョブのように、印刷対象のジョブとしてHD210に蓄積状態のジョブとして存在しているがユーザの介入なくしてはジョブ実行待ちのままであるようなジョブ(認証処理を行わない限り処理を開始させないジョブ)であるのか否かを判定し、蓄積ジョブである場合にはステップS603に移行する。一方、蓄積ジョブでない場合にはステップS604に移行する。
【0190】
ステップS603において、図10の表示ウインドウ用のHD210或いは図示のメモリのセーブバッファ内の待機中ジョブセーブエリアに、先のステップで取得したジョブ情報をセーブし、さらに蓄積状態のジョブが存在することを示すフラグ、例えばセキュアプリントフラグをONにセットする(例えば、図15の管理テーブル1500等を使っているならば、図15のようにフラグを立てておく)。ステップS604において、取得したジョブ情報よりジョブが実行中か否かを判定し、実行中であるときにはステップS605に移行し、待機中であるときにはステップS606に移行する。ここでジョブ実行後の後処理フェーズはジョブ実行中に含める。
【0191】
ステップS605において、表示ウインドウ用のセーブバッファ内の実行中ジョブセーブエリアに取得したジョブ情報をセーブする。ステップS606において、取得したジョブ情報より電源断保持するジョブ、すなわち、電源が遮断されて再度起動したときに実行されるジョブ(例えば、ネットワーク送信機能により処理されるジョブ)であるか否かを判定し、電源断保持しないジョブ、すなわちシャットダウン処理において消去(キャンセル)されるジョブ(例えば、コピー機能のジョブ、プリント機能のジョブ、ファクシミリ受信機能のジョブ、セキュアプリント機能のジョブなど)であるときにはステップS607に移行し、電源断保持するジョブであるときにはステップS608に移行する。
【0192】
なお、ジョブを電源断保持するか否かの設定は、ジョブの投入時にユーザによって設定可能である。又、ユーザが明示的に設定しなくても、ジョブの種類が如何なる種類であるかを、どの入力経路から入力されたかを判別し、例えば、スキャナ部201から入力されたジョブなのか、ファクシミリ通信部208を介して受信したジョブなのか、ネットワークI/F209から入力したジョブなのかを、各ユニットからの情報を取得することにより、該制御部が判断し、その判断結果により、そのジョブの種別を特定し、その結果を用いて、電源断保持するジョブとして取り扱うか、電源断保持しないジョブとして取り扱うかを該制御部が決定し、その決定結果を本フローチャートの処理で利用しても良い。
【0193】
ステップS607において、表示ウインドウ用のセーブバッファ内の待機中ジョブのセーブエリアに取得したジョブ情報をセーブする。ステップS608において、実行中及び待機中の(電源断保持するジョブ以外の)すべてのジョブの情報を表示ウインドウ用セーブバッファにセーブしたか否かを判定し、すべてセーブしたと判定されたときにはステップS610に移行し、まだセーブしていないジョブがあると判定されたときにはステップS601に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0194】
ステップS610において、表示ウインドウ用セーブバッファに格納された実行中ジョブエリアの情報を先に送り、次に待機中ジョブエリアの情報を操作表示部203(液晶表示部301)に送ることにより、図10に示したように、実行中ジョブを先頭に表示し、待機中ジョブを後に表示したジョブの一覧表示が行なわれるよう表示部301を制御する。また、セキュアプリントフラグがONであれば、ジョブ一覧表示とは別の領域に、セキュアプリントジョブがある旨の情報をユーザが把握できるようなハイライト表示などで目立つように表示を実行させるよう表示部301を制御する。
【0195】
一方ステップS600において、実行中及び待機中のジョブが無いと判定された場合には、第1のシャットダウン確認画面を表示せずに、ステップS609において、図12に示したシャットダウン実行画面を表示するよう表示部301を制御する。
【0196】
<第2のシャットダウン確認画面の表示処理>
第2のシャットダウン確認画面を表示させる処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0197】
上述のようなユーザの操作に応じて(例えば、操作部203上の不図示の操作部電源キーがユーザにより一定時間押下しつづけられたことを操作部203の不図示の操作部検知センサからの情報により判断したことに応じて、或いは、操作部203のユーザモードキーが押下され、図16の画面のシャットダウンキー1601、或いは、図17のキー1701が押下される等して、シャットダウンモードの実行指示がユーザにより明示的に入力されたことに応じて)、本デジタル複合機102をシャットダウンモードに移行すると、ステップS700において、システム制御部207内のシャットダウン制御部212は、実行中のジョブおよび待機中のジョブがあるか否かを、例えば、図15のジョブ管理テーブル1500等に書き込んでいるジョブ情報を参照したり、核ユニットの動作状況を各ユニットからの検知情報により、判定し、実行中のジョブおよび待機中のジョブがある場合にはステップS701に移行し、ない場合にはステップS711に移行する。
【0198】
ステップS701において、実行中のジョブおよび待機中のジョブより1つづつジョブ処理を行うために1つのジョブ情報を、例えば、上記管理テーブル1500の情報や各ユニットからの動作状況を示す情報により、取得する。次にステップS702において、取得したジョブ情報よりこのジョブが、例えばセキュアプリントジョブのように、蓄積状態のジョブとして存在しているがユーザの介入なくしてはジョブ実行待ちのままであるようなジョブであるのか否かを判定し、蓄積ジョブである場合にはステップS703に移行する。一方、蓄積ジョブでない場合にはステップS704に移行する。
【0199】
ステップS703において、図11の表示ウインドウ用のセーブバッファ内の待機中ジョブセーブエリアに取得したジョブ情報をセーブし、さらに蓄積状態のジョブが存在することを示すフラグ、例えばセキュアプリントフラグをONにセットする。ステップS704において、取得したジョブ情報より電源断保持するジョブ、すなわち、電源が遮断されて再度起動したときに実行されるジョブであるか否かを判定し、電源断保持しないジョブ、すなわちシャットダウン処理において消去(キャンセル)されるジョブであるときにはステップS706に移行し、電源断保持するジョブであるときにはステップS705に移行する。なお、ジョブを電源断保持するか否かの設定は、ジョブの投入時にユーザによって設定可能である。ここでジョブ実行後の後処理フェーズはジョブ実行中に含める。
【0200】
ステップS705において、取得したジョブ情報より該ジョブが実行中であるか否かを判定し、実行中であるときにはステップS706に移行し、待機中であるときにはステップS710に移行する。
【0201】
ステップS706において、取得したジョブ情報より、ジョブの種類がコピー、FAX、プリント等のいずれであるのかを、例えば、上記管理テーブル1500の情報や各ユニットからの動作状況を示す情報により、判別し、コピージョブであるときにはステップS707に移行し、FAXジョブであるときにはステップS708に移行し、プリントジョブであるときにはステップS709に移行する。
【0202】
そして、ステップS707において、表示ウインドウ用のセーブバッファ内のコピージョブセーブエリアに取得したジョブ情報をセーブする。またステップS708において、表示ウインドウ用のセーブバッファ内のFAXジョブセーブエリアに取得したジョブ情報をセーブする。同様にステップS709において、表示ウインドウ用のセーブバッファ内のプリントジョブセーブエリアに取得したジョブ情報をセーブする。
【0203】
ステップS710において、実行中及び待機中の(電源断保持するジョブ以外の)すべてのジョブの情報を表示ウインドウ用セーブバッファにセーブしたか否かを判定し、すべてセーブしたと判定されたときにはステップS712に移行し、まだセーブしていないジョブがあると判定されたときにはステップS701に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0204】
ステップS712において、表示ウインドウ用セーブバッファに格納された情報を、例えば、プリントジョブエリア、FAXジョブエリア、コピージョブエリアの順のようにジョブの種類毎に操作表示部203(液晶表示部301)に送ることにより、図11に示したように、ジョブの種類毎にジョブリストの一覧表示が行われるように、表示部301を制御する。又、例えば管理テーブル1500の内容をチェックした結果、セキュアプリントフラグがONであると判断すれば、ジョブ一覧表示とは別の領域に、セキュアプリントジョブがある旨の情報をハイライト表示などで目立つような表示を表示部301にあわせて実行させるよう制御する。
【0205】
一方ステップS700において、実行中及び待機中のジョブが無いと判定された場合には、第2のシャットダウン確認画面を表示せずに、ステップS711において、図12に示したシャットダウン実行画面を表示するよう表示部301を制御する。
【0206】
以上説明したように本実施形態によれば、装置本体の電源を遮断する前にシャットダウンモードが実行され、シャットダウン確認画面にてシャットダウンを実行した時にキャンセルされる実行中のジョブ及び待機中のジョブがユーザに分かりやすく表示される。また、セキュアプリントジョブのようなユーザが所定の操作を行なわないと実行されないジョブが投入されている場合には、そのようなジョブの存在がユーザに目立つ形で表示される。
【0207】
従って、ユーザはシャットダウン確認画面に表示されるジョブ一覧の表示を見ただけでシャットダウン処理によって影響を受けるジョブ(複合機102の主電源がOFF状態になる際に、処理が中止される対象のジョブや、データがHD210等のメモリから削除される対象のジョブ)の有無及びジョブの内容(どのような機能のジョブか、どのような文書名のジョブか、どのようなユーザのジョブなのか、それが現在どのような処理条件であるのか等を特定することが出来る内容)を容易に把握することができ、シャットダウン処理を行なう際に、ユーザの意図しないジョブの中断やキャンセルを回避することが可能となる。
【0208】
<他の実施形態>
以上説明した実施形態では、シャットダウン処理で影響を受ける(中断される又はキャンセルされる)ジョブの情報のみを表示するが、投入されている全てのジョブ(例えば、HD210に格納している全てのジョブ)の情報を表示するようにしても良い。その場合には、ユーザがシャットダウン処理で影響を受けるジョブを、シャットダウン処理により影響を受けないジョブと、ユーザが区別できる状態で、容易に認識できるような表示を表示部301に実行させるように制御するのが望ましい。
【0209】
また、ユーザがシャットダウン処理で影響を受けるジョブの有無及びジョブの内容を容易に認識可能な表示形式であれば、上記で説明した形式以外の形式でシャットダウン処理で影響を受けるジョブの情報を表示するようにしてもよい。
【0210】
加えて、シャットダウン処理で影響を受けるジョブの有無及びジョブの内容を、操作表示部203(液晶表示部301)に表示させる代わりに、所定の形式でプリント出力するような形態としてもよい。即ち、情報を報知する報知ユニットとしてプリンタ部202により、図11や図12の画面でユーザに報知している情報と同等趣旨の情報を、記録紙に出力させるよう構成しても良い。
【0211】
更にまた、シャットダウン処理によって影響を受けるジョブがない場合には、その旨をユーザに明示的に示す画面を表示させるようにしてもよい。
【0212】
本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置(デジタル複合機など)に適用しても良い。
【0213】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態では図13及び図14に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0214】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0215】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0216】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0217】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのサイトに接続し、該サイトから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるサイトからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範囲に含まれるものである。
【0218】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してサイトから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0219】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0220】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】本発明に係る画像処理装置を含むネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像処理装置の実施形態としてのデジタル複合機の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の操作表示部の外観を示す図である。
【図4】液晶表示部に表示されるコピー基本画面を示す図である。
【図5】液晶表示部に表示される応用モード画面を示す図である。
【図6】液晶表示部に表示される送信画面を示す図である。
【図7】液晶表示部に表示される送信画面を示す図である。
【図8】液晶表示部に表示されるボックス選択画面を示す図である。
【図9】液晶表示部に表示される文書選択画面を示す図である。
【図10】本発明の実施形態の第1のシャットダウン確認画面を示す図である。
【図11】本発明の実施形態の第2のシャットダウン確認画面を示す図である。
【図12】本発明の実施形態のシャットダウン実行画面を示す図である。
【図13】第1のシャットダウン確認画面の表示処理のフローチャートである。
【図14】第2のシャットダウン確認画面の表示処理のフローチャートである。
【図15】印刷対象のジョブの管理テーブルの一例を示す図である。
【図16】共通仕様設定画面を示す図である。
【図17】シャットダウンモードの設定画面を示す図である。
【符号の説明】
【0222】
101 文書管理装置
102 デジタル複合機
103 パーソナルコンピュータ
104 イメージスキャナ
105 ファクシミリ
106 プリンタ
107 ネットワーク
201 スキャナ部
202 プリンタ部
203 操作表示部
204 符号化復号化部
205 システムメモリ
206 ページメモリ
207 システム制御部
208 FAX通信制御部
209 ネットワークI/F
210 HD(ハードディスク)
211 バス
212 シャットダウン制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する画像処理装置であって、
ユーザが指示や入力を行なうための操作部と、
装置の動作状態及び前記操作部から入力された情報を表示する表示部と、
ユーザが前記操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報を表示すると共に電源の遮断を実行するか否かの入力をユーザに促すシャットダウン確認画面を前記表示部に表示させ、該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断の実行を通知するシャットダウン実行画面を前記表示部に表示させる、シャットダウン制御部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記シャットダウン制御部は、前記待機中のジョブのうち、電源が遮断された後にも保持されるジョブがある場合、該ジョブの情報を、前記シャットダウン確認画面に表示させないことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記シャットダウン制御部は、前記実行中のジョブの情報を前記シャットダウン確認画面の先頭に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記シャットダウン制御部は、前記複数の機能に対応したジョブの種類毎に前記実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報を前記シャットダウン確認画面に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記シャットダウン制御部は、前記待機中のジョブのうち、ユーザが所定の操作を行なわないと実行されないジョブがある場合、該ジョブがあることを、前記シャットダウン確認画面において、前記現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報とは別の領域に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記シャットダウン制御部は、前記実行中のジョブ及び待機中のジョブがないときに、前記シャットダウン確認画面を表示させずに前記シャットダウン実行画面を表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記複数の機能は、コピー機能、プリント機能、及びファクス機能を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の機能を有し、ユーザが指示や入力を行なうための操作部と、装置の動作状態及び前記操作部から入力された情報を表示する表示部とを備えた画像処理装置の制御方法であって、
ユーザが前記操作部から電源の遮断を指示したときに、現在実行中のジョブ及び待機中のジョブの情報を表示すると共に電源の遮断を実行するか否かの入力をユーザに促すシャットダウン確認画面を前記表示部に表示させる第1の表示工程と、
該シャットダウン確認画面に応じてユーザが電源の遮断を実行する旨の入力を行なったときに、電源の遮断の実行を通知するシャットダウン実行画面を前記表示部に表示させる第2の表示工程と、を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該記憶手段に、該画像形成装置により処理中のジョブのデータ、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブのデータ、が、記憶されている場合に、該画像形成装置により処理中のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、を、報知手段を介して該オペレータに報知可能にする、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該記憶手段に、該画像形成装置により処理中のジョブのデータ、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブのデータ、が、記憶されている場合に、該画像形成装置により処理中のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、を、報知手段を介して該オペレータに報知可能にするが、該画像形成装置の電源をOFF状態にしても該記憶手段からデータを削除しないジョブに関する情報は、前記報知手段により報知させない、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、電源遮断時に前記記憶手段から消去されるデータのジョブを前記画像形成装置により処理中、及び/又は、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にする、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、電源遮断時に前記記憶手段から消去対象となるデータのジョブを前記画像形成装置により処理中、及び/又は、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にするが、
電源遮断後も保持対象となるデータが前記記憶手段に記憶されていても、そのデータのジョブに関する情報は、前記報知手段により報知させない、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行不可能なジョブが該画像形成装置により処理中、或いは、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にする、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行不可能なジョブが該画像形成装置により処理中、或いは、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にするが、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行可能なジョブの情報は、前記報知手段により報知させない、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置に適したジョブ処理方法であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該記憶手段に、該画像形成装置により処理中のジョブのデータ、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブのデータ、が、記憶されている場合に、該画像形成装置により処理中のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、を、報知手段を介して該オペレータに報知可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項16】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置に適したジョブ処理方法であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該記憶手段に、該画像形成装置により処理中のジョブのデータ、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブのデータ、が、記憶されている場合に、該画像形成装置により処理中のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、及び/又は、該画像形成装置による処理待ち状態のジョブが存在することが該オペレータにより確認可能な情報、を、報知手段を介して該オペレータに報知可能にするが、該画像形成装置の電源をOFF状態にしても該記憶手段からデータを削除しないジョブに関する情報は、前記報知手段により報知させない、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項17】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置に適したジョブ処理方法であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、電源遮断時に前記記憶手段から消去されるデータのジョブを前記画像形成装置により処理中、及び/又は、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項18】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置に適したジョブ処理であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、電源遮断時に前記記憶手段から消去対象となるデータのジョブを前記画像形成装置により処理中、及び/又は、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にするが、
電源遮断後も保持対象となるデータが前記記憶手段に記憶されていても、そのデータのジョブに関する情報は、前記報知手段により報知させない、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項19】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置に適したジョブ処理方法であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行不可能なジョブが該画像形成装置により処理中、或いは、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項20】
複数のデータを記憶可能な記憶手段を用いてスキャナ手段からのデータをプリント手段によりプリントするコピー機能のジョブ、該記憶手段のデータを他装置に送信する送信機能のジョブ、及び、他装置からのデータを該記憶手段を用いて該プリント手段によりプリントするプリント機能のジョブ、のうちの、少なくとも何れかジョブを含む、複数のジョブのデータを処理可能な画像形成装置に適したジョブ処理方法であって、
該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行不可能なジョブが該画像形成装置により処理中、或いは、処理待ち、の場合に、該ジョブの情報を、報知手段を介して、オペレータに報知可能にするが、該画像形成装置の電源再投入後に該画像形成装置によりあらためて処理が実行可能なジョブの情報は、前記報知手段により報知させない、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項21】
請求項15乃至20のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、該画像形成装置にて認証処理を実行したうえで前記プリント手段による印刷開始を許可するセキュアプリントジョブのデータが、該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた場合において、前記記憶手段に記憶されている場合に、前記情報を報知手段に報知させると共に、該セキュアプリントジョブが該記憶手段に記憶されていることが該オペレータにより確認可能な情報を、該報知手段を介して該オペレータに報知可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項22】
請求項21に記載のジョブ処理方法であって、該セキュアプリントジョブが該記憶手段に記憶されていることが該オペレータにより確認可能な情報を、該報知手段を介して該オペレータに報知することは許可するが、該セキュアプリントジョブの詳細情報は該報知手段により報知させない、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項23】
請求項15乃至22のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、前記画像形成装置の電源をユーザがOFF状態にする直前で、前記情報を前記報知手段により報知可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項24】
請求項15乃至23のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、該画像形成装置の電源をOFF状態にする際に、処理中のジョブの処理をキャンセルする処理、処理待ち状態のジョブの処理をキャンセルする為の処理、処理中のジョブのデータを該記憶手段から消去する処理、及び、処理待ち状態のジョブのデータを該記憶手段から消去する処理、のうちの、少なくとも、何れかの処理を含むシャットダウン処理を、該デジタル複合機に実行させるか否かの選択を、前記報知手段により前記情報を報知したうえで、該オペレータにより実行可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項25】
請求項24に記載のジョブ処理方法であって、前記シャットダウン処理の実行指示が入力された場合には、該画像形成装置にて処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理が、完了していなくても、該画像形成装置に前記シャットダウン処理を開始させる、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項26】
請求項24又は25に記載のジョブ処理方法であって、前記シャットダウン処理の実行指示がオペレータにより入力されなければ、前記所アットダウン処理の実行を禁止して、該画像形成装置により処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理を継続可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項27】
請求項24乃至26のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、該画像形成装置の電源をOFF状態にする事に関連する操作がオペレータによりなされた時から前記シャットダウン処理の実行指示がオペレータにより入力されるまでの期間においても、該画像形成装置により処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理を継続可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項28】
請求項24乃至26のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、前記報知手段による前記情報の報知処理を実行中に、該画像形成装置により処理中のジョブ、及び/又は、処理待ち状態のジョブ、の処理を継続させる、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項29】
請求項15乃至28のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、前記報知手段は、前記情報を表示可能な表示手段、及び、前記情報を音声出力可能な音声出力手段、のうちの、少なくとも何れかを含むことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項30】
請求項15乃至29のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、前記記憶手段のジョブのデータを前記画像形成装置にて印刷中において、他のジョブのデータを前記記憶手段に格納可能とする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項31】
請求項15乃至30のいずれか1項に記載のジョブ処理方法であって、前記記憶手段のジョブのデータを前記画像形成装置にて印刷中において、前記画像形成装置とは異なる他装置に対して、前記記憶手段の他のジョブのデータを送信可能にする、ことを特徴とするジョブ処理方法。
【請求項32】
請求項15乃至31のいずれか1項に記載のジョブ処理方法を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項33】
請求項15乃至31のいずれか1項に記載のジョブ処理方法を実行する為のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項34】
請求項15乃至31のいずれか1項に記載のジョブ処理方法を実行する為のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−21501(P2006−21501A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203706(P2004−203706)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】