説明

画像処理装置および画像処理システム

【課題】ユーザIDが登録されていない画像処理装置での印刷を可能にするとともにユーザ毎の印刷量を記録する。
【解決手段】他の画像処理装置に問い合わせて代替印刷の可否を判定する代替印刷判定部と、前記代替印刷判定部で代替印刷が可能と判定された使用者の代替印刷を行う画像処理部と、前記画像処理部が行った印刷量を計数する印刷量計上部と、前記印刷量計上部で計数された印刷量を送信する印刷量情報送信部とを有する第1の画像処理装置と、前記代替印刷判定部から問合せを受けて前記使用者の印刷の可否を判定し、その判定結果を前記代替印刷判定部へ通知する認証処理部と、前記印刷量情報送信部から前記印刷量を受信する印刷量情報受信部と、前記印刷量情報受信部が受信した前記印刷量を記憶する印刷量記憶部とを有する第2の画像処理装置とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線に接続され、使用者毎に印刷量を記録する画像処理装置および画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理システムは、通信回線に接続された複数の画像処理装置を使用して印刷を行う場合、使用者により使用者識別情報としてのユーザIDの入力を受付けた画像処理装置が、それぞれの画像処理装置にユーザIDを送信し、ユーザIDを受信したそれぞれの画像処理装置は、受信したユーザIDとユーザID記憶手段に記憶されているユーザID情報とを照合して合致した場合に、画像データの転送を受けて印刷動作を行うとともに当該使用者の印刷量を記録するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−285551号公報(段落「0126」〜段落「0142」、図14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、使用者毎に印刷量を記録するために、受信したユーザIDとユーザID記憶手段に記憶されているユーザID情報とが合致するユーザIDが登録された画像処理装置にのみ画像データが転送され、印刷動作を行う画像処理装置は使用者識別情報としてのユーザIDが登録された特定の画像処理装置に限定されてしまい、使用者は印刷された媒体を得るためにユーザIDが登録された特定の画像処理装置まで出向く必要があるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、使用者識別情報が登録されていない画像処理装置での印刷を可能にするとともに、使用者毎の印刷量を記録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、印刷指示を受けて印刷を行う複数の画像処理装置が通信回線で接続された画像処理システムにおいて、他の画像処理装置に問い合わせて代替印刷の可否を判定する代替印刷判定部と、前記代替印刷判定部で代替印刷が可能と判定された使用者の代替印刷を行う画像処理部と、前記画像処理部が行った印刷量を計数する印刷量計上部と、前記印刷量計上部で計数された印刷量を送信する印刷量情報送信部とを有する第1の画像処理装置と、前記代替印刷判定部から問合せを受けて前記使用者の印刷の可否を判定し、その判定結果を前記代替印刷判定部へ通知する認証処理部と、前記印刷量情報送信部から前記印刷量を受信する印刷量情報受信部と、前記印刷量情報受信部が受信した前記印刷量を記憶する印刷量記憶部とを有する第2の画像処理装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、使用者識別情報が登録されていない画像処理装置での印刷を可能にするとともに、使用者毎の印刷量を記録することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例におけるネットワークプリンタの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における画像処理システムの構成を示すブロック図
【図3】第1の実施例におけるホストコンピュータの構成を示すブロック図
【図4】第1の実施例におけるネットワークプリンタの構成を示すブロック図
【図5】第1の実施例におけるネットワークプリンタのユーザ情報記憶部の説明図
【図6】第1の実施例における装置情報記憶部の説明図
【図7】第1の実施例における印刷カウンタ情報記憶部の説明図
【図8】第1の実施例におけるネットワークプリンタのユーザ情報記憶部の説明図
【図9】第1の実施例における印刷カウンタ管理情報記憶部の説明図
【図10】第1の実施例における画像処理システムの処理の流れを示す説明図
【図11】第1の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャート
【図12】第1の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャート
【図13】第1の実施例におけるネットワークプリンタの変形例の構成を示すブロック図
【図14】第2の実施例における画像処理システムの構成を示すブロック図
【図15】第2の実施例におけるホストコンピュータの構成を示すブロック図
【図16】第2の実施例におけるネットワークプリンタの構成を示すブロック図
【図17】第2の実施例におけるネットワークプリンタの構成を示すブロック図
【図18】第2の実施例におけるネットワークプリンタのユーザ情報記憶部の説明図
【図19】第2の実施例における装置情報記憶部の説明図
【図20】第2の実施例における印刷カウンタ情報記憶部の説明図
【図21】第2の実施例におけるネットワークプリンタのユーザ情報記憶部の説明図
【図22】第2の実施例における印刷カウンタ管理情報記憶部の説明図
【図23】第2の実施例における画像処理システムの処理の流れを示す説明図
【図24】第2の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャート
【図25】第2の実施例におけるネットワークプリンタの変形例の構成を示すブロック図
【図26】第2の実施例におけるネットワークプリンタの変形例の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による画像処理装置および画像処理システムの実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
図2において、画像処理システムは、ネットワーク100と、ホストコンピュータ110と、ネットワークプリンタ120と、ネットワークプリンタ130とにより構成されている。
ネットワーク100は、オフィス等で使用される通信回線であり、例えばLAN(Local Area Network)等である。
【0010】
情報処理端末としてのホストコンピュータ110は、ネットワークプリンタ120、130に印刷データを送信するパーソナルコンピュータ等であり、また画像処理装置としてのネットワークプリンタ120およびネットワークプリンタ130は、ホストコンピュータ110から受信した印刷データに基づいて画像処理(印刷)を行うプリンタであり、ホストコンピュータ110と、ネットワークプリンタ120と、ネットワークプリンタ130とはネットワーク100を介して通信可能に接続されている。
このように画像処理システムは、ホストコンピュータ110から印刷指示としての印刷データを受信して印刷を行う複数の画像処理装置としてのネットワークプリンタ120、130がネットワーク100を介して接続されている。
【0011】
本実施例では、ネットワークプリンタ120がホストコンピュータ110から印刷データを受信し、そのネットワークプリンタ120がネットワークプリンタ130に替わって当該印刷データに基づいて印刷(後述する代替印刷)を行うものとして説明する。
なお、本実施例では、ネットワーク100に接続されるネットワークプリンタを2台として説明するが、3台以上接続されていても良い。
【0012】
図3は第1の実施例におけるホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
図3において、ホストコンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)111と、操作/表示部112と、通信制御部113と、システムバス114と、RAM/HDD115とにより構成されている。
CPU111は、マイクロプロセッサなどから構成され、システムバス114に接続されている各デバイスやプログラム(ソフトウェア)を総括的に制御し、ホストコンピュータ110全体の動作の制御を行う。
【0013】
操作/表示部112は、情報の入力操作を受け付ける入力手段としてのキーボードやマウス等、および各種情報を表示する表示手段としてのCRT(Cathod Ray Tube)や液晶ディスプレイ等で構成されたものである。
通信制御部113は、ネットワーク100を介して双方向にデータを送受信する制御を行うものである。
RAM/HDD115は、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、データの読込みまたは書込みを行う。
【0014】
プリンタドライバ1151は、RAM/HDD115に格納(記憶)されているプリンタ(ソフトウェア)であり、ホストコンピュータ110の使用者のユーザ情報(ユーザ名)を含め、ネットワークプリンタ120およびネットワークプリンタ130が印刷するための印刷データを生成する。ここで、ユーザ情報(ユーザ名)とは、本画像処理システムを使用する使用者(ユーザ)を識別するための情報である。
【0015】
図1は第1の実施例におけるネットワークプリンタ(図2に示すネットワークプリンタ120)の構成を示すブロック図である。
図1において、第1の画像処理装置としてのネットワークプリンタ120は、CPU121と、操作/表示部122と、通信制御部123と、システムバス124と、画像印刷部125と、RAM/HDD126と、ROM127とにより構成されている。
【0016】
CPU121は、マイクロプロセッサなどから構成され、システムバス124に接続されている各デバイスやプログラム(ソフトウェア)を総括的に制御し、ネットワークプリンタ120全体の動作の制御を行う。
操作/表示部122は、情報の入力操作を受け付ける入力手段としての操作ボタン等、および各種情報を表示する表示手段としての液晶ディスプレイ等で構成されたものである。この操作/表示部122は、使用者識別情報としてのユーザ情報の入力を受付ける。
【0017】
通信制御部123は、ネットワーク100を介して双方向にデータを送受信する制御を行うものである。
画像印刷部125は、ホストコンピュータから受信した印刷データをユーザが用意した記録紙等に印刷するものである。
RAM/HDD126は、RAMやHDD等の記憶装置であり、データの読込みまたは書込みを行う。このRAM/HDD126は、ユーザ情報記憶部1261と、装置情報記憶部1262と、印刷カウンタ情報記憶部1263とを有している。
【0018】
第1の使用者情報記憶部としてのユーザ情報記憶部1261は、ネットワークプリンタ120を使用することができるユーザのユーザ情報を記憶する記憶領域である。このユーザ情報記憶部1261は、図5に示すようにUserで表すユーザ情報(例えば、“TANAKA”、“SUZUKI”等)をひとつの要素(レコード)として配列する構成をなし、操作/表示部122を介して登録(記憶)されるものである。
【0019】
装置情報記憶部1262は、ネットワークプリンタ120がネットワーク100に接続されている他のネットワークプリンタを検索した結果として、ネットワーク100に接続されている他のネットワークプリンタのIPアドレス等のアドレス情報を記憶する記憶領域である。この装置情報記憶部1262は、図6に示すようにAddressで表すネットワークプリンタのアドレス情報(例えば、“10.19.11.3”、“10.19.11.11”等)をひとつの要素(レコード)として配列する構成をなし、後述する検索処理部1273によって格納(記憶)されるものである。
【0020】
印刷カウンタ情報記憶部1263は、ネットワークプリンタ120が代替印刷を実施した結果を格納する記憶領域である。ここで、代替印刷とは、ユーザ情報がユーザ情報記憶部1261に記憶されていないネットワークプリンタが、ユーザ情報がユーザ情報記憶部1261に記憶されているネットワークプリンタに替わって印刷を行うことである。
【0021】
この印刷カウンタ情報記憶部1263は、図7に示すようにUserで表すユーザ情報、Counterで表す印刷ページ数(印刷量)情報、およびAddressで表すネットワークプリンタのアドレス情報(例えば、User=“SATO”、Counter=“10”、Address=“10.19.11.3”等)をひとつの要素(レコード)として配列する構成をなし、後述する検索処理部1273によって格納(記憶)される。
【0022】
ROM(Read Only Memory)127は、読取り専用の記憶装置であり、プログラム(ソフトウェア)コードが予め記憶(格納)されている。このROM127は、画像処理部1271と、認証処理部1272と、検索処理部1273と、代替印刷判定部1274と、印刷カウンタ計上部1275と、印刷カウンタ情報送信部1276とを記憶している。
【0023】
画像処理部1271は、通信制御部123を介してホストコンピュータから受信した印刷データに基づいて画像印刷部125が印刷するための画像データを生成するプログラム(ソフトウェア)である。
認証処理部1272は、操作/表示部122から入力された認証情報からユーザ情報を抽出し、抽出したユーザ情報と、ユーザ情報記憶部1261に登録(記憶)されているユーザ情報とを照合し、照合に成功(一致)した場合、画像処理部1271へホストコンピュータから受信した印刷データを送信するプログラム(ソフトウェア)である。
【0024】
検索処理部1273は、通信制御部123を介してネットワーク100に接続されている他のネットワークプリンタを検索し、その検索結果を装置情報記憶部1262に格納するプログラム(ソフトウェア)である。
【0025】
代替印刷判定部1274は、認証処理部1272で照合が失敗となったユーザ情報について、装置情報記憶部1262に格納されているネットワークプリンタへ認証を依頼して代替印刷の可否を判定、すなわち使用許可が登録されていない使用者の印刷指示の印刷の可否を他の画像処理装置に問い合わせて代替印刷の可否を判定するプログラム(ソフトウェア)である。
【0026】
この代替印刷判定部1274で、認証処理部1272において照合が失敗となったユーザ情報の代替印刷が可能と判定された場合、ホストコンピュータから受信した印刷データは画像処理部1271で代替印刷される。
【0027】
印刷量を計数する印刷量計上部としての印刷カウンタ計上部1275は、画像処理部1271で生成された画像データから印刷ページ数情報を抽出し、代替印刷判定部1274で認証を行った結果からユーザ情報および認証に成功したネットワークプリンタのアドレス情報を抽出し、そのユーザ情報およびアドレス情報に関連付けて印刷ページ数情報を印刷カウンタ情報記憶部1263に格納するプログラム(ソフトウェア)である。
【0028】
計数された印刷量を送信する印刷量情報送信部としての印刷カウンタ情報送信部1276は、印刷カウンタ情報記憶部1263に格納されているネットワークプリンタのアドレス情報を宛先として印刷カウンタ情報記憶部1263に格納されているユーザ情報および印刷ページ数情報を印刷カウンタ情報として送信するプログラム(ソフトウェア)である。
ROM127に記憶された上記のプログラム(ソフトウェア)は、CPU121により実行される。
【0029】
図4は第1の実施例におけるネットワークプリンタ(図2に示すネットワークプリンタ130)の構成を示すブロック図である。
図4において、第2の画像処理装置としてのネットワークプリンタ130は、CPU131と、操作/表示部132と、通信制御部133と、システムバス134と、画像印刷部135と、RAM/HDD136と、ROM137とにより構成されている。
【0030】
なお、CPU131、操作/表示部132、通信制御部133、システムバス134、および画像印刷部135は、図1において説明したCPU121、操作/表示部122、通信制御部123、システムバス124、および画像印刷部125と同様なのでその説明を省略する。
RAM/HDD136は、RAMやHDD等の記憶装置であり、データの読込みまたは書込みを行う。このRAM/HDD136は、ユーザ情報記憶部1361と、印刷カウンタ管理情報記憶部1362とを有している。
【0031】
第2の使用者情報記憶部としてのユーザ情報記憶部1361は、ネットワークプリンタ130を使用することができるユーザのユーザ情報を記憶する記憶領域である。このユーザ情報記憶部1361は、図8に示すようにUserで表すユーザ情報(例えば、“SATO”、“SAITO”等)をひとつの要素(レコード)として配列する構成をなし、操作/表示部122を介して登録(記憶)されるものである。
【0032】
印刷量記憶部としての印刷カウンタ管理情報記憶部1362は、ネットワークプリンタ130を使用することができるユーザのユーザ情報に関連付けて、そのユーザが印刷した印刷量(ページ数)としての印刷ページ数情報を格納する記憶領域である。この印刷カウンタ管理情報記憶部1362は、図9に示すようにUserで表すユーザ情報、およびCounterで表す印刷ページ数情報(例えば、User=“SATO”、Counter=“1258”等)をひとつの要素(レコード)として配列する構成をなし、後述する印刷カウンタ情報書込み部1374によって格納(記憶)される。
【0033】
ROM137は、読取り専用の記憶装置であり、プログラム(ソフトウェア)コードが予め記憶(格納)されている。このROM137は、画像処理部1371と、認証処理部1372と、印刷カウンタ情報受信部1373と、印刷カウンタ情報書込み部1374とを記憶している。
画像処理部1371は、通信制御部133を介してネットワークプリンタから受信した印刷データに基づいて画像印刷部135が印刷するための画像データを生成するプログラム(ソフトウェア)である。
【0034】
認証処理部1372は、通信制御部133を介して受信したユーザ情報と、ユーザ情報記憶部1361に登録(記憶)されているユーザ情報とを照合し、その照合結果を、通信制御部133を介して当該ユーザ情報の送信元へ送信、すなわち図1に示すネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274からユーザ情報とともに代替印刷の可否の問合せを受信し、そのユーザ情報で識別される使用者の代替印刷の可否を判定し、その判定結果を送信元のネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274へ通知するプログラム(ソフトウェア)である。
【0035】
印刷量情報受信部としての印刷カウンタ情報受信部1373は、通信制御部133を介して他のネットワークプリンタからユーザ情報および印刷ページ数情報を含む印刷カウンタ情報を受信、すなわち図1に示すネットワークプリンタ120の印刷カウンタ情報送信部1276から印刷量を受信するプログラム(ソフトウェア)である。
【0036】
印刷カウンタ情報書込み部1374は、印刷カウンタ情報受信部1373が受信した印刷カウンタ情報からユーザ情報および印刷ページ数情報を抽出し、そのユーザ情報に関連付けて印刷ページ数情報を印刷カウンタ管理情報記憶部1362に格納するプログラム(ソフトウェア)である。
ROM137に記憶された上記のプログラム(ソフトウェア)は、CPU131により実行される。
【0037】
上述した構成の作用について説明する。
まず、本実施例の前提条件としての画像処理システムの状態を図1、図2および図4に基づいて説明する。
【0038】
ネットワークプリンタ120とネットワークプリンタ130は、物理的に離れた場所に設置されており、ネットワークプリンタ120では、ユーザ情報(ユーザ名)が“TANAKA”、“SUZUKI”で認証された画像処理のみを実行できるように、ネットワークプリンタ120のユーザ情報記憶部1261に操作/表示部122により図5に示すユーザ情報が登録され、またネットワークプリンタ130では、ユーザ情報(ユーザ名)が“SATO”、“SAITO”で認証された画像処理のみを実行できるように、ネットワークプリンタ130のユーザ情報記憶部1361に操作/表示部132により図8に示すユーザ情報が登録されている。また、ネットワークプリンタ130では、ユーザ情報毎にネットワークプリンタの印刷量(使用量)が図9に示すように印刷カウンタ管理情報記憶部1362に記憶され、管理されている。
【0039】
このような画像処理システムの状態において、ユーザ情報(ユーザ名)“SATO”が、ネットワークプリンタ120に画像処理させる場合の動作を以下に説明する。
画像処理システム全体の処理の流れを図10の第1の実施例における画像処理システムの処理の流れを示す説明図に基づいて図1、図2および図4を参照しながら説明する。
【0040】
図10において、T11では、ホストコンピュータ110がネットワークプリンタ120へ印刷データを送信し、ネットワークプリンタ120は操作/表示部122でユーザ情報の入力を受付け、認証処理を行う。
T12では、ホストコンピュータ110から印刷データを受信したネットワークプリンタ120が、認証処理を行い、その結果によりネットワークプリンタ130で代替印刷が可能であるか否かを確認する。
【0041】
T13では、ネットワークプリンタ130がネットワークプリンタ120からユーザ情報を受信して認証処理を行い、その結果をネットワークプリンタ120へ返送する。
T14では、ネットワークプリンタ120が代替印刷を行い、代替印刷の結果をネットワークプリンタ130へ通知する。
T15では、ネットワークプリンタ130は、ネットワークプリンタ120から代替印刷結果を受信し、その代替印刷結果に基づいて印刷カウンタ管理情報を更新する。
【0042】
以上が画像処理システム全体の処理の流れの概略である。
次に、図10におけるT12の処理の詳細を図11の第1の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS101〜S104にしたがって図1、図5および図6を参照しながら説明する。
【0043】
S101:ネットワークプリンタ120の認証処理部1272は、操作/表示部122から入力されたユーザ情報が、ユーザ情報記憶部1261に格納されているユーザ情報と合致するか否かの照合を行い、合致する場合は処理をS107へ移行して画像処理部1271へ印刷指示を通知し、ホストコンピュータ110から送信された印刷データを印刷する。例えば、操作/表示部122から“TANAKA”のユーザ情報が入力された場合、図5に示すユーザ情報記憶部1261に格納されているユーザ情報と合致するため、ホストコンピュータ110から送信された印刷データを印刷する。
【0044】
一方、認証処理部1272は、操作/表示部122から入力されたユーザ情報が、ユーザ情報記憶部1261に格納されているユーザ情報と合致するか否かの照合を行い、合致しない場合は、他のネットワークプリンタを検索するため処理をS102へ移行する。例えば、操作/表示部122から“SATO”のユーザ情報が入力された場合、図5に示すユーザ情報記憶部1261に格納されているユーザ情報と合致しないため、処理をS102へ移行する。
【0045】
S102:ネットワークプリンタ120の検索処理部1273は、ネットワーク100に接続されている他のネットワークプリンタを検索し、その検索結果として他のネットワークプリンタのアドレス情報を装置情報記憶部1262に格納して処理をS103へ移行する。
S103:ネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274は、操作/表示部122から入力されたユーザ情報を用いて、装置情報記憶部1262に格納されているネットワークプリンタのアドレスに対して認証を依頼し、処理をS104へ移行する(S103:有)。例えば、図6に示すアドレス情報が“10.19.11.3”のネットワークプリンタ130に対して操作/表示部122から入力されたユーザ情報“SATO”とともに認証の依頼を送信する。
【0046】
なお、装置情報記憶部1262に格納されているすべてのネットワークプリンタのアドレスに対して認証を依頼し、そのすべての認証に失敗すると認証可能なネットワークプリンタは存在しないと判断して代替印刷を行うことなく本処理を終了する(S103:無)。
【0047】
S104:ネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274は、S103において認証に成功すると代替印刷を行うため、処理をS105へ移行する。一方、S103において認証に失敗するとネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274は、装置情報記憶部1262に格納されている次のネットワークプリンタに対して認証を依頼するため、処理をS103へ移行する。
【0048】
このように、 ネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274は、操作/表示部122で入力された使用者識別情報と、ユーザ情報記憶部1261に記憶された使用者識別情報とを認証処理部1272で照合し、操作/表示部122で入力された使用者識別情報がユーザ情報記憶部1261に記憶された使用者識別情報と合致しない場合、操作/表示部122で入力された使用者識別情報を他の画像処理装置に送信して代替印刷の可否を問い合わせる。
【0049】
上述したS101〜S104の処理が図10におけるT12の処理である。
次に、図10におけるT13の処理の詳細を図12の第1の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS201にしたがって図4および図8を参照しながら説明する。
【0050】
S201:ネットワークプリンタ130の認証処理部1372は、通信制御部133を介してネットワークプリンタ120から受信したユーザ情報が、ユーザ情報記憶部1361に格納されているユーザ情報と合致するか否かの照合を行い、合致する場合は、当該ユーザ情報の送信元のネットワークプリンタ120へ照合が成功した旨の通知を送信して印刷結果の受信を待機するため処理をS202へ移行する。例えば、ネットワークプリンタ120から“SATO”のユーザ情報を受信した場合、図8に示すユーザ情報記憶部1361に格納されているユーザ情報と合致するため、処理をS202へ移行する。
【0051】
一方、認証処理部1372は、通信制御部133を介してネットワークプリンタ120から受信したユーザ情報が、ユーザ情報記憶部1361に格納されているユーザ情報と合致するか否かの照合を行い、合致しない場合は、当該ユーザ情報の送信元のネットワークプリンタ120へ照合が失敗した旨の通知を送信して処理を終了する。例えば、ネットワークプリンタ120から“TAMURA”のユーザ情報を受信した場合、図8に示すユーザ情報記憶部1361に格納されているユーザ情報と合致しないため、処理を終了する。
【0052】
このように、ネットワークプリンタ130の認証処理部1372は、通信制御部133を介して図1に示すネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274から送信された使用者識別情報と、ユーザ情報記憶部1361に記憶された使用者識別情報とを照合し、ネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274から送信された使用者識別情報がユーザ情報記憶部1361に記憶された使用者識別情報と合致した場合、代替印刷が可能である旨を送信元のネットワークプリンタ120の代替印刷判定部1274へ送信(返信)する。
【0053】
上述したS201の処理が図10におけるT13の処理である。
次に、図10におけるT14の処理の詳細を図11の第1の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS105〜S107にしたがって図1および図7を参照しながら説明する。
【0054】
S105:ネットワークプリンタ120の印刷カウンタ計上部1275は、画像処理部1271で生成された画像データから印刷ページ数を抽出し、その印刷ページ数を、代替印刷判定部1274で認証を行った結果から抽出したユーザ情報および認証が成功したネットワークプリンタのアドレス情報とともに印刷カウンタ情報記憶部1263に格納し、印刷カウンタ情報を送信する処理を行うため、処理をS106へ移行する。例えば、ネットワークプリンタ120が、ユーザ情報“SATO”で10ページの印刷を行った場合、図7に示すようにUser=“SATO”、Counter=“10”、Address=“10.19.11.3”として印刷カウンタ情報記憶部1263に格納する。
【0055】
S106:ネットワークプリンタ120の印刷カウンタ情報送信部1276は、印刷カウンタ情報記憶部1263に格納されているネットワークプリンタのアドレス情報を宛先として、印刷カウンタ情報記憶部1263に格納されている印刷ページ数情報およびユーザ情報を送信する。
S107:ネットワークプリンタ120の画像処理部1271は、ホストコンピュータ110から受信した印刷データの印刷処理を実行し、処理を終了する。
上述したS105〜S107の処理が図10におけるT14の処理である。
【0056】
次に、図10におけるT15の処理の詳細を図12の第1の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS202、S203にしたがって図4および図9を参照しながら説明する。
【0057】
S202:ネットワークプリンタ130の印刷カウンタ情報受信部1373は、代替印刷を行ったネットワークプリンタから代替印刷結果として印刷ページ数情報およびユーザ情報を受信したか否かの確認を行い、受信していない場合は印刷ページ数情報およびユーザ情報を受信するまで待機し(S202:NO)、印刷ページ数情報およびユーザ情報を受信すると印刷カウンタ情報を書き込むため、処理をS203へ移行する(S202:YES)。
【0058】
S203:ネットワークプリンタ130の印刷カウンタ情報書込み部1374は、印刷カウンタ情報受信部1373が受信した印刷ページ数情報およびユーザ情報に基づき、そのユーザ情報に対応する現在の印刷ページ数に、受信した印刷ページ数を加算して印刷カウンタ管理情報記憶部1362に格納し、処理を終了する。例えば、ユーザ情報“SATO”が、既にネットワークプリンタ130で1248ページ印刷していた状態で他のネットワークプリンタで10ページの代替印刷を行った場合、印刷カウンタ管理情報記憶部1362は図9に示すようにUser=“SATO”のCounterは“1258”となる。
上述したS202、S203の処理が図10におけるT15の処理である。
【0059】
このように、ユーザ情報が登録されていないネットワークプリンタで代替印刷を行い、その印刷結果をユーザ情報が登録されているネットワークプリンタへ送信するようにしたことにより、使用者はユーザ情報が登録されていない直近に設置されたネットワークプリンタで印刷することができるとともにユーザ情報が登録されたネットワークプリンタで正しく使用者毎の印刷量を記録、管理することができる。
【0060】
なお、本実施例では、画像処理装置としてのネットワークプリンタ120およびネットワークプリンタ130は、それぞれ図1および図4に示す構成を有するものとして説明したが、画像処理装置をネットワークプリンタ120およびネットワークプリンタ130の各機能を合わせ持った構成を有するネットワークプリンタ(例えば、図13に示すネットワークプリンタ140)とし、そのネットワークプリンタをネットワークに複数台、接続した構成としても良い。
【0061】
このネットワークプリンタ120およびネットワークプリンタ130の各機能を合わせ持った構成を有するネットワークプリンタ140は、図13に示すようにCPU141と、操作/表示部142と、通信制御部143と、システムバス144と、画像印刷部145と、RAM/HDD146と、ROM147とにより構成され、RAM/HDD146は、ユーザ情報記憶部1261と、装置情報記憶部1262と、印刷カウンタ情報記憶部1263と、印刷カウンタ管理情報記憶部1362とを有し、ROM147は、画像処理部1271と、認証処理部1272と、検索処理部1273と、代替印刷判定部1274と、印刷カウンタ計上部1275と、印刷カウンタ情報送信部1276と、印刷カウンタ情報受信部1373と、印刷カウンタ情報書込み部1374とを記憶するものである。
【0062】
以上説明したように、第1の実施例では、ユーザ情報が登録されていないネットワークプリンタで代替印刷を行い、その印刷結果をユーザ情報が登録されているネットワークプリンタへ送信するようにしたことにより、使用者はユーザ情報が登録されていない直近に設置されたネットワークプリンタで印刷することができるとともにユーザ情報が登録されたネットワークプリンタで正しく使用者毎の印刷量を記録、管理することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0063】
第2の実施例の構成は、第1の実施例において図4に示したネットワークプリンタ130に代替印刷可否判定部を追加したものとしている。その第2の実施例の構成を以下に説明する。
図14は第2の実施例における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0064】
図14において、画像処理システムは、ネットワーク200と、ホストコンピュータ210と、ネットワークプリンタ220と、ネットワークプリンタ230とにより構成されている。なお、ネットワーク200、ホストコンピュータ210、ネットワークプリンタ220、およびネットワークプリンタ230は、図2に示すネットワーク100、ホストコンピュータ110、ネットワークプリンタ120、およびネットワークプリンタ130と同様なのでその説明を省略する。
【0065】
図15は第2の実施例におけるホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
図15において、ホストコンピュータ210は、CPU211と、操作/表示部212と、通信制御部213と、システムバス214と、RAM/HDD215とにより構成されている。なお、CPU211、操作/表示部212、通信制御部213、システムバス214、およびRAM/HDD215は、図3に示すCPU111、操作/表示部112、通信制御部113、システムバス114、およびRAM/HDD115と同様なのでその説明を省略する。
【0066】
図16は第2の実施例におけるネットワークプリンタ(図14に示すネットワークプリンタ220)の構成を示すブロック図である。
【0067】
図16において、ネットワークプリンタ220は、CPU221と、操作/表示部222と、通信制御部223と、システムバス224と、画像印刷部225と、RAM/HDD226と、ROM227とにより構成されている。
なお、CPU221、操作/表示部222、通信制御部223、システムバス224、画像印刷部225、RAM/HDD226、およびROM227は、図1に示すCPU121、操作/表示部122、通信制御部123、システムバス124、画像印刷部125、RAM/HDD126、およびROM127と同様なのでその説明を省略する。
【0068】
また、RAM/HDD226のユーザ情報記憶部2261、装置情報記憶部2262、および印刷カウンタ情報記憶部2263は、図1に示すRAM/HDD126のユーザ情報記憶部1261、装置情報記憶部1262、および印刷カウンタ情報記憶部1263と同様であり、さらに、ROM227の画像処理部2271、認証処理部2272、検索処理部2273と、代替印刷判定部2274、印刷カウンタ計上部2275、および印刷カウンタ情報送信部2276も図1に示すROM127の画像処理部1271、認証処理部1272、検索処理部1273、代替印刷判定部1274、印刷カウンタ計上部1275、および印刷カウンタ情報送信部1276と同様なのでその説明を省略する。
【0069】
またさらに、図18に示すユーザ情報記憶部2261、図19に示す装置情報記憶部2262、および図20に示す印刷カウンタ情報記憶部2263は、図5に示すユーザ情報記憶部1261、図6に示す装置情報記憶部1262、および図7に示す印刷カウンタ情報記憶部1263と同様なのでその説明を省略する。
【0070】
図17は第2の実施例におけるネットワークプリンタ(図14に示すネットワークプリンタ230)の構成を示すブロック図である。
図17において、ネットワークプリンタ230は、CPU231と、操作/表示部232と、通信制御部233と、システムバス234と、画像印刷部235と、RAM/HDD236と、ROM237とにより構成されている。
【0071】
なお、CPU231、操作/表示部232、通信制御部233、システムバス234、画像印刷部235、およびRAM/HDD236は、図4に示すCPU131、操作/表示部132、通信制御部133、システムバス134、画像印刷部135、およびRAM/HDD136と同様なのでその説明を省略する。
【0072】
図17において、RAM/HDD236の第2の使用者情報記憶部としてのユーザ情報記憶部2361は、ネットワークプリンタ230を使用することができるユーザのユーザ情報と、そのユーザ情報に関連付けて代替印刷を行うことができるか否かを表す代替印刷許可情報とを記憶する記憶領域である。このユーザ情報記憶部2361は、図21に示すようにUserで表すユーザ情報(例えば、“SATO”、“SAITO”等)と、代替許可で表す代替印刷許可情報(例えば、“有”、“無”等)とをひとつの要素(レコード)として配列する構成をなし、操作/表示部122を介して登録(記憶)されるものである。
【0073】
なお、RAM/HDD236の印刷カウンタ管理情報記憶部2362は、図4に示す印刷カウンタ管理情報記憶部1362と同様なのでその説明を省略する。
また、図22に示す印刷カウンタ管理情報記憶部2362は、図9に示す印刷カウンタ管理情報記憶部1362と同様なのでその説明を省略する。
【0074】
図17において、ROM237は、読取り専用の記憶装置であり、プログラム(ソフトウェア)コードが予め記憶(格納)されている。このROM237は、画像処理部2371と、認証処理部2372と、代替印刷可否判定部2373、印刷カウンタ情報受信部2374と、印刷カウンタ情報書込み部2375とを記憶している。
【0075】
認証処理部2372は、通信制御部233を介して受信したユーザ情報と、ユーザ情報記憶部2361に登録(記憶)されているユーザ情報とを照合するプログラム(ソフトウェア)である。なお、照合の結果、通信制御部233を介して受信したユーザ情報と、ユーザ情報記憶部2361に登録(記憶)されているユーザ情報とが合致しなかった場合、その照合結果を、通信制御部233を介して当該ユーザ情報の送信元へ送信する。
【0076】
代替印刷可否判定部2373は、認証処理部2372によるユーザ情報の照合の結果により、合致したユーザ情報に代替印刷の許可の有無(代替印刷の可否)を確認し、その確認結果を、通信制御部233を介して当該ユーザ情報の送信元へ送信する。
なお、画像処理部2371、印刷カウンタ情報受信部2374、および印刷カウンタ情報書込み部2375は、図4に示す画像処理部1371、印刷カウンタ情報受信部1373、および印刷カウンタ情報書込み部1374と同様なのでその説明を省略する。
【0077】
上述した構成の作用について説明する。
まず、本実施例の前提条件としての画像処理システムの状態を図14、図16および図17に基づいて説明する。
【0078】
ネットワークプリンタ220とネットワークプリンタ230は、物理的に離れた場所に設置されており、ネットワークプリンタ220では、ユーザ情報(ユーザ名)が“TANAKA”、“SUZUKI”で認証された画像処理のみを実行できるように、ネットワークプリンタ220のユーザ情報記憶部2261に操作/表示部222により図18に示すユーザ情報が登録され、またネットワークプリンタ230では、ユーザ情報(ユーザ名)が“SATO”、“SAITO”で認証された画像処理が実行でき、また代替印刷についてはユーザ情報(ユーザ名)“SATO”のみが実行できるように、ネットワークプリンタ230のユーザ情報記憶部2361に操作/表示部232により図21に示すユーザ情報が登録されている。また、ネットワークプリンタ230では、ユーザ情報毎にネットワークプリンタの印刷量が図22に示すように印刷カウンタ管理情報記憶部2362に記憶され、管理されている。
【0079】
このような画像処理システムの状態において、ユーザ情報(ユーザ名)“SATO”が、ネットワークプリンタ220に画像処理させる場合の動作を以下に説明する。
画像処理システム全体の処理の流れを図23の第2の実施例における画像処理システムの処理の流れを示す説明図に基づいて図14、図16および図17を参照しながら説明する。
【0080】
図23において、T21では、ホストコンピュータ210がネットワークプリンタ220へ印刷データを送信し、ネットワークプリンタ220は操作/表示部222でユーザ情報の入力を受付け、認証処理を行う。
T22では、ホストコンピュータ210から印刷データを受信したネットワークプリンタ220が、認証処理を行い、その結果によりネットワークプリンタ230で代替印刷が可能であるか否かを確認する。
【0081】
T23では、ネットワークプリンタ230がネットワークプリンタ220からユーザ情報を受信して認証処理を行い、その結果をネットワークプリンタ220へ返送する。
T24では、ネットワークプリンタ220が代替印刷を行い、代替印刷の結果をネットワークプリンタ230へ通知する。
T25では、ネットワークプリンタ230は、ネットワークプリンタ220から代替印刷結果を受信し、その代替印刷結果に基づいて印刷カウンタ管理情報を更新する。
【0082】
以上が画像処理システム全体の処理の流れの概略である。
図23におけるT22の処理は、図24の第2の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS301〜S304の通りであり、図11に示すS101〜S104と同様なのでその説明を省略する。
次に、図23におけるT23の処理の詳細を図25の第2の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS401およびS402にしたがって図16および図17を参照しながら説明する。
【0083】
S401:ネットワークプリンタ230の認証処理部2372は、通信制御部233を介してネットワークプリンタ220から受信したユーザ情報が、ユーザ情報記憶部2361に格納されているユーザ情報と合致するか否かの照合を行い、合致する場合は、当該ユーザが代替印刷を許可されているか否かを確認するため処理をS402へ移行する。例えば、ネットワークプリンタ220から“SATO”のユーザ情報を受信した場合、図21に示すユーザ情報記憶部2361に格納されているユーザ情報と合致するため、処理をS402へ移行する。
【0084】
一方、認証処理部2372は、通信制御部233を介してネットワークプリンタ220から受信したユーザ情報が、ユーザ情報記憶部2361に格納されているユーザ情報と合致するか否かの照合を行い、合致しない場合は、当該ユーザ情報の送信元のネットワークプリンタ220へ照合が失敗した旨の通知を送信して処理を終了する。例えば、ネットワークプリンタ220から“TAMURA”のユーザ情報を受信した場合、図21に示すユーザ情報記憶部2361に格納されているユーザ情報と合致しないため、処理を終了する。
【0085】
S402:ネットワークプリンタ230の代替印刷可否判定部2373は、認証処理部2372により照合が成功したユーザ情報に関連付けてユーザ情報記憶部2361に格納された代替印刷許可情報を確認し、代替印刷の許可がある場合、ユーザ情報の送信元へ照合成功の旨の通知を送信し、代替印刷の印刷結果を待機するため、処理をS403へ移行する。例えば、ネットワークプリンタ220から“SATO”のユーザ情報を受信した場合、図21に示すユーザ情報記憶部2361に、ユーザ情報“SATO”に関連付けて格納されている代替印刷許可情報が“有”のため、処理をS402へ移行する。
【0086】
一方、代替印刷可否判定部2373は、認証処理部2372により照合が成功したユーザ情報に関連付けてユーザ情報記憶部2361に格納された代替印刷許可情報に代替印刷の許可がない場合、ユーザ情報の送信元へ照合失敗の旨の通知を送信し、処理を終了する。例えば、ネットワークプリンタ220から“SAITO”のユーザ情報を受信した場合、図21に示すユーザ情報記憶部2361に、ユーザ情報“SAITO”に関連付けて格納されている代替印刷許可情報が“無”のため、処理を終了する。
【0087】
このように、ネットワークプリンタ230の代替印刷可否判定部2373および認証処理部2372は、通信制御部233を介してネットワークプリンタ220の代替印刷判定部2274から送信された使用者識別情報と、ユーザ情報記憶部2361に記憶された使用者識別情報とを照合し、ネットワークプリンタ220の代替印刷判定部2274から送信された使用者識別情報がユーザ情報記憶部2361に記憶された使用者識別情報と合致し、かつ合致した使用者識別情報に関連付けられた代替印刷可否情報が可能である場合、代替印刷が可能である旨を送信元のネットワークプリンタ220の代替印刷判定部2274へ送信(返信)する。
【0088】
上述したS401、S402の処理が図23におけるT23の処理である。
図23におけるT24の処理は、図24の第2の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS305〜S307の通りであり、図11に示すS105〜S107と同様なのでその説明を省略する。
【0089】
なお、S305において、ネットワークプリンタ220が、ユーザ情報“SATO”で10ページの印刷を行った場合、印刷カウンタ計上部2275は、図20に示すようにUser=“SATO”、Counter=“10”、Address=“10.19.11.3”として印刷カウンタ情報記憶部2263に格納する。
【0090】
図23におけるT25の処理は、図25の第2の実施例におけるネットワークプリンタの処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップのS403、S404の通りであり、図12に示すS202、S203と同様なのでその説明を省略する。
【0091】
なお、S404において、ユーザ情報“SATO”が、既にネットワークプリンタ230で1248ページ印刷していた状態で他のネットワークプリンタで10ページの代替印刷を行った場合、印刷カウンタ管理情報記憶部2362は図22に示すようにUser=“SATO”のCounterが“1258”となる。
【0092】
なお、本実施例では、画像処理装置としてのネットワークプリンタ220およびネットワークプリンタ230は、それぞれ図16および図17に示す構成を有するものとして説明したが、画像処理装置をネットワークプリンタ220およびネットワークプリンタ230の各機能を合わせ持った構成を有するネットワークプリンタ(例えば、図26に示すネットワークプリンタ240)とし、そのネットワークプリンタをネットワークに複数台、接続した構成としても良い。
【0093】
このネットワークプリンタ220およびネットワークプリンタ230の各機能を合わせ持った構成を有するネットワークプリンタ240は、図26に示すようにCPU241と、操作/表示部242と、通信制御部243と、システムバス244と、画像印刷部245と、RAM/HDD246と、ROM247とにより構成され、RAM/HDD246は、ユーザ情報記憶部2261と、装置情報記憶部2262と、印刷カウンタ情報記憶部2263と、印刷カウンタ管理情報記憶部2362とを有し、ROM247は、画像処理部2271と、認証処理部2272と、検索処理部2273と、代替印刷判定部2274と、印刷カウンタ計上部2275と、印刷カウンタ情報送信部2276と、代替印刷可否判定部2373と、印刷カウンタ情報受信部2374と、印刷カウンタ情報書込み部2375とを記憶するものである。
【0094】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、使用者毎に代替印刷の可否判定を行うようにしたことにより、代替印刷が許可されていない使用者の代替印刷を防止することができるという効果が得られる。
【0095】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像処理装置をネットワークに接続されたプリンタとして説明したが、それに限られることなく、画像処理装置をファクシミリ装置、複写機、複合機(MFP)等としてネットワークを介してホストコンピュータ等の情報処理端末に接続するようにしても良い。
【符号の説明】
【0096】
100、200 ネットワーク
110、210 ホストコンピュータ
120、130、220、230 ネットワークプリンタ
121、131、221、231 CPU
122、132、222、232 操作/表示部
123、133、223、233 通信制御部
124、134、224、234 システムバス
125、135、225、235 画像印刷部
126、136、226、236 RAM/HDD
127、137、227、237 ROM
1261、1361、2261、2361 ユーザ情報記憶部
1262、2262 装置情報記憶部
1263、2263 印刷カウンタ情報記憶部
1362、2362 印刷カウンタ管理情報記憶部
1271、1371、2271、2371 画像処理部
1272、1372、2272、2372 認証処理部
1273、2273 検索処理部
1274、2274 代替印刷判定部
1275、2275 印刷カウンタ計上部
1276、2276 印刷カウンタ情報送信部
1373、2374 印刷カウンタ情報受信部
1374、2375 印刷カウンタ情報書込み部
2373 代替印刷可否判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示を受けて印刷を行う複数の画像処理装置が通信回線で接続された画像処理システムにおいて、
他の画像処理装置に問い合わせて代替印刷の可否を判定する代替印刷判定部と、
前記代替印刷判定部で代替印刷が可能と判定された使用者の代替印刷を行う画像処理部と、
前記画像処理部が行った印刷量を計数する印刷量計上部と、
前記印刷量計上部で計数された印刷量を送信する印刷量情報送信部とを有する第1の画像処理装置と、
前記代替印刷判定部から問合せを受けて前記使用者の印刷の可否を判定し、その判定結果を前記代替印刷判定部へ通知する認証処理部と、
前記印刷量情報送信部から前記印刷量を受信する印刷量情報受信部と、
前記印刷量情報受信部が受信した前記印刷量を記憶する印刷量記憶部とを有する第2の画像処理装置とを備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1の画像処理システムにおいて、
前記第1の画像処理装置は、
使用者識別情報の入力を受付ける操作部と、
使用を許可する使用者の使用者識別情報を記憶する第1の使用者情報記憶部とを備え、
前記第2の画像処理装置は、
使用を許可する使用者の使用者識別情報を記憶する第2の使用者情報記憶部を備え、
前記代替印刷判定部は、前記操作部で入力された使用者識別情報と、前記第1の使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報とを照合し、前記操作部で入力された使用者識別情報が前記第1の使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報と合致しない場合、前記操作部で入力された使用者識別情報を他の画像処理装置に送信して代替印刷の可否を問い合わせ、
前記認証処理部は、前記代替印刷判定部から送信された使用者識別情報と、前記第2の使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報とを照合し、前記代替印刷判定部から送信された使用者識別情報が前記第2の使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報と合致した場合、代替印刷が可能である旨を前記代替印刷判定部へ送信することを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項2の画像処理システムにおいて、
前記第2の使用者情報記憶部は、前記使用者識別情報に関連付けて代替印刷の可否を表す代替印刷可否情報を記憶し、
前記認証処理部は、前記代替印刷判定部から送信された使用者識別情報と、前記第2の使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報とを照合し、前記代替印刷判定部から送信された使用者識別情報が前記第2の使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報と合致し、かつ合致した使用者識別情報に関連付けられた前記代替印刷可否情報が可能である場合、代替印刷が可能である旨を前記代替印刷判定部へ送信することを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
通信回線に接続され、印刷指示を受けて印刷を行う画像処理装置において、
他の画像処理装置に問い合わせて代替印刷の可否を判定する代替印刷判定部と、
前記代替印刷判定部で代替印刷が可能と判定された使用者の代替印刷を行う画像処理部と、
前記画像処理部が行った印刷量を計数する印刷量計上部と、
前記印刷量計上部で計数された印刷量を送信する印刷量情報送信部と、
他の画像処理装置から問合せを受けて前記使用者の印刷の可否を判定し、その判定結果を前記他の画像処理装置へ通知する認証処理部と、
前記他の画像処理装置から前記印刷量を受信する印刷量情報受信部と、
前記印刷量情報受信部が受信した前記印刷量を記憶する印刷量記憶部とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4の画像処理装置において、
使用者識別情報の入力を受付ける操作部と、
使用を許可する使用者の使用者識別情報を記憶する使用者情報記憶部とを備え、
前記代替印刷判定部は、前記操作部で入力された使用者識別情報と、前記使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報とを照合し、前記操作部で入力された使用者識別情報が前記使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報と合致しない場合、前記操作部で入力された使用者識別情報を他の画像処理装置に送信して代替印刷の可否を問い合わせ、
前記認証処理部は、他の画像処理装置から送信された使用者識別情報と、前記使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報とを照合し、前記他の画像処理装置から送信された使用者識別情報が前記使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報と合致した場合、代替印刷が可能である旨を前記他の画像処理装置へ送信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5の画像処理装置において、
前記使用者情報記憶部は、前記使用者識別情報に関連付けて代替印刷の可否を表す代替印刷可否情報を記憶し、
前記認証処理部は、他の画像処理装置から送信された使用者識別情報と、前記使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報とを照合し、前記他の画像処理装置から送信された使用者識別情報が前記使用者情報記憶部に記憶された使用者識別情報と合致し、かつ合致した使用者識別情報に関連付けられた前記代替印刷可否情報が可能である場合、代替印刷が可能である旨を前記他の画像処理装置へ送信することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−201041(P2012−201041A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69022(P2011−69022)
【出願日】平成23年3月26日(2011.3.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】