説明

画像処理装置および画像処理装置の操作モード切換方法

【課題】 不特定多数のユーザによる利用を大きく妨げることなく、各ユーザの個人情報の漏洩等を防止しつつ、各ユーザが自己の個人情報に関する処理を行うことのできる画像処理装置および画像処理装置の操作モード切換方法を提供する。
【解決手段】 複数のユーザの内の各ユーザを識別するためのID情報を取得し、該ID情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証部と、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させるための公衆操作モードと、ユーザ毎に個別に操作させるための個人操作モードとを選択的に設定可能な操作モード設定部と、前記ユーザ認証部においてユーザが認証されたときに、前記操作モードを公衆操作モードから該認証されたユーザ用の個人操作モードに切り換えるモード切換部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理装置の操作モード切換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数人のユーザが利用するコンピュータ端末において、個人認証によってユーザを認証することで、当該ユーザ宛に送られたメールのチェックや掲示板ウェブの閲覧などの個人情報に関する処理を許可する構成とし、個人情報の漏洩等を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−167848号公報 (第4―6頁、第1図)
【特許文献2】特開2002−259716号公報 (第3―5頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術のように、複数のユーザの各人を認証し、各ユーザに自己の個人情報に関する処理を行わせるためには、当該複数のユーザが共有する端末を特別に設置するのが通常であり、このような共有端末は高価である上、その設置スペースが必要になるという点で問題がある。
【0004】
このような問題から、一般にオフィスに配置されることの多い画像処理装置において、個人情報の漏洩等を防止しつつ、個人情報に関する処理を行うことのできる技術が求められている。
【0005】
しかしながら、一般に画像処理装置は不特定多数のユーザによる利用が可能な環境に設置される場合が多く、不特定多数のユーザによる利用を大きく妨げることなく、個人情報の保護を実現しなければならない。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、不特定多数のユーザによる利用を大きく妨げることなく、各ユーザの個人情報の漏洩等を防止しつつ、各ユーザが自己の個人情報に関する処理を行うことのできる画像処理装置および画像処理装置の操作モード切換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置は、複数のユーザの内の各ユーザを識別するためのID情報を取得し、該ID情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証部と、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させるための公衆操作モードと、ユーザ毎に個別に操作させるための個人操作モードとを選択的に設定可能な操作モード設定部と、前記ユーザ認証部においてユーザが認証されたときに、前記操作モードを公衆操作モードから該認証されたユーザ用の個人操作モードに切り換えるモード切換部とを有することを特徴とする構成としている。
【0008】
このように、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させる場合とユーザ毎に個別に操作させる場合とで異なる操作モードを選択可能な構成とすることにより、不特定多数のユーザによる利用を大きく妨げることなく、各ユーザの個人情報の漏洩等を防止しつつ、各ユーザが自己の個人情報に関する処理を行うことができる。
【0009】
また、上述のような画像処理装置において、前記モード切換部は、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、所定の条件に基づいて前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることが望ましい。
【0010】
このように、所定の条件に基づいて操作モードの公衆操作モードへの切り換えを行う構成とすることにより、操作モードが個人操作モードに設定された状態のままで不特定多数のユーザが操作してしまうといった事態を回避することが可能となる。
【0011】
なお、上述のような画像処理装置において、前記モード切換部は、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記ユーザ認証部においてID情報が所定時間以上取得されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、例えばユーザが該画像処理装置における作業をしているときだけユーザ認証部におけるID情報の取得が可能となるような場合(例えばユーザの指紋により個人認証を行っている場合など)において、装置を操作していたユーザが、個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上装置を離れたときや、個人操作モードに設定されていることを忘れて作業を終えてしまったとき等に、個人操作モードに設定された状態で不特定多数のユーザが操作してしまう事態を回避することが可能となる。
【0013】
もちろん、これに限られるものではなく、該画像処理装置近傍に位置するユーザを検知するための人体検知部を有し、前記モード切換部は、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記人体検知部により所定時間以上人体が検知されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにする構成とすることもできる。
【0014】
このような構成によれば、個人操作モードで装置を操作していたユーザが、個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上装置を離れたときや、個人操作モードに設定されていることを忘れて作業を終えてしまったとき等に、個人操作モードに設定された状態で不特定多数のユーザが操作してしまう事態を回避することが可能となる。
【0015】
なお、上述のような画像処理装置において、各ユーザに対応付けられた設定情報を取得する設定情報取得部を有し、前記操作モード設定部は、前記ユーザ認証部において認証されたユーザに対応付けられた前記設定情報に基づいて前記個人操作モードの設定を行う構成とすることが望ましい。
【0016】
このような構成とすれば、それぞれのユーザに対応付けられた設定情報の内容を任意に変更することにより、個人操作モードの設定内容を容易にカスタマイズすることができる。
【0017】
この他、上述のような画像処理装置において、前記ID情報は、該画像処理装置と接続可能なネットワークにおけるログイン用IDと連動しており、前記ID情報に基づいて、前記ネットワーク上に存在する前記ID情報に対応するユーザに関する個人情報の処理を行うための個人情報処理部を有する構成とすることもできる。
【0018】
本発明に係る個人情報管理プログラムは、複数のユーザに共有される画像処理装置における個人情報の管理を行うために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された個人情報管理プログラムであって、前記複数のユーザの内の各ユーザを識別するためのID情報を取得し、該ID情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証ステップと、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させるための公衆操作モードと、ユーザ毎に個別に操作させるための個人操作モードとを選択的に設定する操作モード設定ステップと、前記ユーザ認証ステップにおいてユーザが認証されたときに、前記操作モードを公衆操作モードから該認証されたユーザ用の個人操作モードに切り換えるモード切換ステップとをコンピュータに実行させる構成となっている。
【0019】
また、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、所定の条件に基づいて前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることが好ましい。
【0020】
なお、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記ユーザ認証ステップにおいてID情報が所定時間以上取得されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることもできる。
【0021】
また、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記画像処理装置近傍に位置するユーザを検知するための人体検知ステップを有し、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記人体検知ステップにより所定時間以上人体が検知されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにしてもよい。
【0022】
この他、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、各ユーザに対応付けられた設定情報を取得する設定情報取得ステップを有し、前記操作モード設定ステップにおいて、前記ユーザ認証ステップにおいて認証されたユーザに対応付けられた前記設定情報に基づいて前記個人操作モードの設定を行うような構成とすることもできる。
【0023】
さらに、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記ID情報は、前記画像処理装置と接続可能なネットワークにおけるログイン用IDと連動しており、前記ID情報に基づいて、前記ネットワーク上に存在する前記ID情報に対応するユーザに関する個人情報の処理を行うための個人情報処理ステップを有する構成としてもよい。
【0024】
また、本発明の実施の形態に係る画像処理装置は、不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置において、ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとの照合を行うユーザ認証部と、前記ユーザ認証部による照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定する操作モード設定部と、前記個人操作モードに設定された状態のままでユーザが所定時間以上当該画像処理装置を離れた場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるモード切換部と、を有する構成とすることができる。
【0025】
また、本発明の実施の形態に係る画像処理装置は、不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置において、ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとの照合を行うユーザ認証部と、前記ユーザ認証部による照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定する操作モード設定部と、前記個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上人体が検知されない場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるモード切換部と、を有する構成とすることができる。
【0026】
また、本発明の実施の形態に係る操作モード切換方法は、不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置の操作モード切換方法において、ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとを照合し、照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定し、前記個人操作モードに設定された状態のままでユーザが所定時間以上前記画像処理装置を離れた場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換える構成とすることができる。
【0027】
また、本発明の実施の形態に係る操作モード切換方法は、不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置の操作モード切換方法において、ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとを照合し、照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定し、前記個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上人体が検知されない場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換える構成とすることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上に詳述したように本発明によれば、不特定多数のユーザによる利用を大きく妨げることなく、各ユーザの個人情報の漏洩等を防止しつつ、各ユーザが自己の個人情報に関する処理を行うことのできる画像処理装置および画像処理装置の操作モード切換方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1に、本実施の形態による画像処理装置の機能ブロック図を示す。なお、ここで言う画像処理装置としては、具体的にはMFP(Multi−Function−Peripheral)等が該当する。
【0031】
同図に示すように、本実施の形態による画像処理装置1は、ポータルサーバ2、メールサーバ3、スケジュール管理サーバ4、出退勤管理サーバ5、掲示板サーバ6および文書サーバ7が通信可能に接続されたネットワークNに接続されている。このように配置されることにより画像処理装置1は、これらのサーバとの間で通信可能となっている。
【0032】
画像処理装置1は、設定情報取得部101、コントロールパネル102、操作モード設定部103、モード切換部104、人体検知部105、ユーザ認証部106、個人情報処理部107、画像処理部108、不図示のCPUおよび不図示の記憶部から構成されている。
【0033】
なお、コントロールパネル102は操作入力部102aおよび表示部102bから構成され、個人情報処理部107は緊急情報処理部107a、スケジュール情報処理部107b、出退勤情報処理部107cおよび未読情報処理部107dから構成され、画像処理部108は画像形成部108aおよび画像読取部108bから構成されている。
【0034】
続いて、本実施の形態による画像処理装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0035】
設定情報取得部101は、ポータルサーバ2に格納されている設定情報(後述)を取得する役割を有する。
【0036】
コントロールパネル102は、装置への操作入力を行うための操作入力部102aおよび画面表示を行うための表示部102bから構成されている。コントロールパネル102は、例えばタッチパネルディスプレイ等を備えた構成とすることもできる。
【0037】
操作モード設定部103は、コントロールパネル102における操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させるための公衆操作モードと、ユーザ毎に個別に操作させるための個人操作モードとを選択的に設定する(操作モード設定ステップ)役割を有している。
【0038】
モード切換部104は、操作モード設定部103により設定される操作モードの切り換えを行う役割を有し、ユーザ認証部106(後述)においてユーザが認証されたときに、操作モードを公衆操作モードから該認証されたユーザ用の個人操作モードに切り換える。
【0039】
人体検知部105は、画像処理装置近傍に位置するユーザを検知する役割を有しており、例えば赤外線センサから構成されている。
【0040】
ユーザ認証部106は、複数のユーザの内の各ユーザを識別するためのID情報を取得し、該ID情報に基づいてユーザ認証を行う役割を有している。ID情報を取得する方法としては、IDおよびパスワードの入力、ICカードに記録されたID情報のカードリーダによる読取および指紋等を利用したバイオメトリクス認証などが挙げられる。この他、厳密な個人認証を可能とする方法であれば、適用可能である。
【0041】
個人情報処理部107は、上述のユーザ認証部106において認証されたユーザのID情報に基づいて、ネットワークN上に存在する該ID情報に対応するユーザに関する個人情報(例えば、メールサーバ3、スケジュール管理サーバ4、出退勤管理サーバ5、掲示板サーバ6および文書サーバ7にて管理されている情報)の処理を行う役割を有する。また、ネットワークNへのログインID、メールサーバ3、スケジュール管理サーバ4、出退勤管理サーバ5、掲示板サーバ6および文書サーバ7へのログインIDと、ユーザ認証部106にて認証されるユーザのID情報とは連動しており、認証されたID情報によるネットワークNおよび各サーバへのログインを可能にしている。
【0042】
緊急情報処理部107aは、ユーザ認証部106において認証されたユーザのID情報と対応付けられてメールサーバ3にて管理されているEメールのうち、そのタイトルや本文中に「緊急」の文字列が含まれているEメールの一覧を取得する役割や、ユーザ認証部106において認証されたユーザのID情報と対応付けられて掲示板サーバ6にて管理されているメッセージのうち、そのタイトルや本文中に「緊急」の文字列が含まれているメッセージの一覧を取得する役割を有している。
【0043】
なお、ここでは「緊急」という文字列を例に挙げているが、この他にも「至急」「重要」といった他の文字列を含むことを条件とすることもできる。また、Eメールや掲示板のメッセージの取得は、一覧の取得だけでなく、Eメールや掲示板のメッセージ自体を取得することも可能である。
【0044】
スケジュール情報処理部107bは、ユーザ認証部106において認証されたユーザのID情報と対応付けられてスケジュール管理サーバ5にて管理されているスケジュールの一覧を取得する役割を有している。
【0045】
出退勤情報処理部107cは、ユーザ認証部106におけるユーザのID情報の認証と連携して、出退勤管理サーバ5にて管理されている出勤および退勤に関する情報の取得および処理を行う役割を有する。
【0046】
未読情報処理部107dは、メールサーバ3または掲示板サーバ6から、ID情報の認証と共に所定時間前に受信された未読メールまたは更新された未読文書一覧を取得する役割を有している。
【0047】
なお、これら緊急情報処理部107a〜未読情報処理部107dは、取得した情報を表示部102bに表示させるためのデータを生成する役割および取得した情報を画像形成部108a(後述)にてプリントアウトさせる役割を有している。
【0048】
次に、画像処理部108は、画像形成部108aおよび画像読取部108bから構成されている。
【0049】
画像形成部108aはコントロールパネル102または個人情報処理部107からの指令により画像形成動作を行う役割を、画像読取部108bはコントロールパネル102または個人情報処理部107からの指令により画像読取動作を行う役割を有している。
【0050】
ポータルサーバ2は、各ユーザのID情報に対応付けられた設定情報(識別したユーザごとに個別のポータル画面を表示させるためのデータ)を格納している。
【0051】
メールサーバ3は、各ユーザのEメールに関する情報を管理しており、個人情報処理部107からの要求を受け取ると応答を返す構成となっている。なおメールサーバ3は、ユーザのID情報を受け取ると応答としてEメール一覧の情報(主題(Subject),EメールのID(Mailid))を返し、ID情報および「Mailid」を受け取ると該Mailidに対応するメール本文を返す機能を有している。
【0052】
スケジュール管理サーバ4は、各ユーザのスケジュールに関する情報を管理しており、個人情報処理部107からの要求を受け取ると応答を返す構成となっている。なおスケジュール管理サーバ4は、ユーザのID情報を受け取ると応答としてスケジュールに関する情報(日時(day),日時に対応するスケジュールのID(dayid),コンテンツへのリンクに関する情報(contentslink))を返す機能、ID情報および「dayid」を受け取ると該dayidに対応するスケジュールを返す機能、ID情報および「コンテンツの取得に関する情報(getClink)」を受け取ると文書サーバ7に対して指定した文書の出力要求を出す機能、ID情報および「コンテンツの登録に関する情報(setClink)」を受け取ると文書サーバに対して指定した文書を登録する機能を有している。
【0053】
出退勤管理サーバ5は、各ユーザの出退勤に関する情報を管理しており、個人情報処理部107からの要求を受け取ると応答を返す構成となっている。なお出退勤管理サーバ5は、ユーザのID情報および「出勤」を登録するための命令を受け取ると現在の時刻を取得してその時刻を個人情報処理部107に返し、掲示板サーバ6にID情報を送信する機能、ユーザのID情報および「退勤」を登録するための命令を受け取ると現在の時刻を取得してその時刻を個人情報処理部107に返し、掲示板サーバ6にID情報を送信する機能を有している。
【0054】
掲示板サーバ6は、個人情報処理部107または出退勤管理サーバ5から要求を受け取ると応答を返す構成となっている。なお掲示板サーバ6は、ID情報を受け取ると応答として該IDに対応する予定に関する内容を返す機能を有している。
【0055】
文書サーバ7は、個人情報処理部107から文書登録または文書出力の要求を受け取ると応答を返す構成となっている。なお、文書サーバ7はスケジュール管理サーバ4と連携しており、ユーザのID情報および「getClink」を受け取ると「getClink」に該当する文書を応答として返す機能、ID情報および「setClink」を受け取ると「setClink」に該当する文書を登録する機能とを有している。
【0056】
本実施の形態では、ID情報が記憶されているIDカードを用いてユーザの個人認証を行う例を示している。このIDカードからのID情報の読取は、本実施の形態による画像処理装置に備え付けられた不図示のカードリーダにより行われ、該カードリーダにより読み取られたID情報が、ユーザ認証部106により取得される。なお、ユーザ認証部106にて取得されるID情報としては、例えば「ID」および「パスワード」等があるが、これに限られるものではなく、この他それぞれのユーザを識別可能とする情報であればよい。
【0057】
続いて、本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて図2のフローチャートを用いて説明する。
【0058】
まず最初に、画像処理装置1における操作モードは、「公衆操作モード」に設定されている。このとき表示部102bは、画像形成処理および画像読取処理に関する不特定多数のユーザによる操作入力を受け付けるための画面表示となっている。画像処理装置1に備え付けられている不図示のカードリーダは、不図示の表示画面を有しており、操作モードが「公衆操作モード」に設定されているとき、この不図示の表示画面または表示部102bには、図3に示すような画面が表示されている。
【0059】
不図示のカードリーダにより、ユーザのID情報が記憶されているIDカードを読み取ると(S11)、読み取られたID情報はユーザ認証部106に送信される(S12)。
【0060】
ユーザ認証部106は、不図示のカードリーダから送信されたID情報を取得し、取得したID情報と不図示の記憶部に記憶されている若しくはユーザ認証部106自身が保有しているID情報認証用のデータとの照合を行う(ユーザ認証ステップ)(S13)。
【0061】
ユーザ認証部106は、取得したID情報の認証に成功した場合(S13,Yes)、当該ID情報をポータルサーバ2に送信する(S14)。
【0062】
ポータルサーバ2は、複数のID情報に対応付けて格納されている複数の設定情報の中から、ユーザ認証部106から送信されてきたID情報に対応付けられた設定情報を取得し(設定情報取得ステップ)(S15)、当該取得した設定情報を設定情報取得部101に送信する(S16)。ここでの設定情報とは、例えば図4に示すようなデータ構造となっている。同図では、IDが「A」のユーザは表示部102bの画面の左側に緊急情報処理部により生成される画面を、画面の右側にスケジュール情報処理部により生成される画面を表示させ、IDが「B」のユーザは表示部102bの画面の左側に緊急情報処理部により生成される画面を、画面の右側に出退勤情報処理部により生成される画面を表示させるようになっている。
【0063】
このような個人操作モードの設定内容、すなわち画面表示に関する設定(画面の分割表示方法、分割された画面表示領域への緊急情報処理部107a〜未読情報処理部107dにより生成される画面の割り当て方)等は、それぞれのユーザ毎に任意に変更することが可能である。
【0064】
設定情報取得部101により取得された設定情報は、操作モード設定部103に送信される。ユーザ認証部106は認証したID情報をモード切換部104に対しても送信しており、モード切換部104が当該ID情報に対応して設定情報取得部101にて取得されている設定情報に基づいた操作モードへの設定の切り換えを操作モード設定部103に要求し、操作モード設定部103によって当該設定情報に基づいた個人操作モードが設定される(モード切換ステップ)(S17)。すなわち、操作モード設定部103は、ユーザ認証部において認証されたユーザに対応付けられた設定情報に基づいて、緊急情報処理部107a〜未読情報処理部107dにより生成される情報を表示部102bの表示画面に配置することで個人操作モードの設定を行う。
【0065】
このように、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させる場合とユーザ毎に個別に操作させる場合とで異なる操作モードを選択可能な構成とすることにより、不特定多数のユーザによる利用を大きく妨げることなく、各ユーザの個人情報の漏洩等を防止しつつ、各ユーザが自己の個人情報に関する処理を行うことができる。
【0066】
図5は、IDが「A」のユーザ用の操作モードに設定された表示部102bにおける画面表示例である。同図に示すように、画面左側Lには緊急情報処理部により生成される画面が、画面右側Rにはスケジュール情報処理部により生成される画面が表示されている。そして、画面下側には当該画面上における基本的な操作を行うための「View」ボタン81、「Regist」ボタン82および「Print」ボタン83が表示されている。「Print」ボタン83は、その押下によりスケジュール管理サーバ4に対してID情報の認証を行うと共に、当該ID情報に対応するスケジュール情報をダウンロードして印刷する役割を有する。また「Regist」ボタン82は、その押下により、ID情報の認証と画像読取部108bで読み取った文書データの文書サーバ7への登録を行い、スケジュールの該当する日時にリンク(ここでは、例としてリンクC1を表示している)を登録する。図6は、「Print」ボタン83を押下したときの表示部102bにおける画面表示例である。
【0067】
図7は、IDが「B」のユーザ用の操作モードに設定された表示部102bにおける画面表示例である。同図に示すように、画面左側Lには緊急情報処理部により生成される画面が、画面右側Rには出退勤情報処理部により生成される画面(ここでは「出勤」ボタンS1および「退勤」ボタンS2を表示)が表示されている。そして、画面下側には当該画面上における基本的な操作を行うための「View」ボタン81および「Print」ボタン83が表示されている。「出勤」ボタンS1および「退勤」ボタンS2は、その押下により出退勤管理サーバ5に対してID情報の認証を行うと共に、押下された時刻を出退勤管理サーバ5に送信させる。時刻の情報の送信が完了したら、掲示板サーバ6から当該ID情報に対応する業務指示があるかどうかを確認し、そのような業務指示が存在する場合は画像処理装置1側にダウンロードして画像形成部108aにて印刷させる。図8は、「出勤」ボタンS1を押下したときの表示部102bにおける画面表示例である。
【0068】
この個人操作モードの表示画面における表示内容(すなわち、設定情報における設定内容)としては、未読メール(メッセージ等)一覧や、30分以内の新着メール(メッセージ等)など時間指定したもの等、ユーザ毎に設定情報の内容を変更することにより任意の設定が可能である。もちろん、上司やグループ内から送信された「緊急」という文字列を含むメールや特別なチェックが選択されているメールおよび書類等に関しては自動的にユーザに通知させたり、印刷させたりすることができる。
【0069】
一方、ユーザ認証部106におけるID情報の照合(S13)において、取得したID情報の認証ができない場合(S13,No)、処理を終了する。
【0070】
次に、設定情報に基づく表示画面の生成について詳細に説明する。
【0071】
以下、緊急情報処理部107aによる表示画面生成処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0072】
設定情報取得部101により取得された設定情報に緊急情報処理部により生成した画面を表示部に表示させる旨の設定が含まれている場合、緊急情報処理部107aが起動される(S21)。
【0073】
次に緊急情報処理部107aは、ユーザ認証部106にて認証されたID情報をメールサーバ3と掲示板サーバ6に対し、それぞれ送信する(S22,S28)。
【0074】
メールサーバ3は、緊急情報処理部107aにより送信されたID情報の認証を行い(S24)、認証されればそのID情報に対応するメールボックスに保存されている受信メールのうち、タイトルまたは本文に「緊急」という文字を含むものを検索する(S25)。
【0075】
タイトルまたは本文に「緊急」という文字列を含む受信メールが検出された場合(S25,Yes)、メールサーバ3はこれら検出された受信メールの一覧の情報(Subject,Mailid)を緊急情報処理部107aに対して送信する(S26)。
【0076】
また掲示板サーバ6は、緊急情報処理部107aにより送信されたID情報の認証を行い(S29)、認証されれば掲示板に書き込まれているメッセージの中からそのID情報に関連のある文書であってタイトルまたは本文に「緊急」という文字を含むものを検索する(S2a)。
【0077】
タイトルまたは本文に「緊急」という文字列を含む文書が検出された場合(S2a,Yes)、掲示板サーバ6はこれら検出された文書の一覧の情報(Subject,Docid)を緊急情報処理部107aに対して送信する(S2b)。ここで、「Docid」とは文書データのIDである。
【0078】
緊急情報処理部107aは、メールサーバ3および掲示板サーバ6から取得されたそれぞれの情報を、設定情報において設定されている画面位置に配置した状態で表示部102bに表示させる(S27)。
【0079】
一方、メールサーバ3においてID情報が認証されなかった場合(S24,No)や掲示板サーバ6においてID情報が認証されなかった場合(S29,No)は、ID情報が認証されなかったサーバにおける処理は終了する。
【0080】
なお、図9に示すフローチャートでは緊急情報処理部107aに関する処理の流れを示したが、例えば未読情報処理部107dの場合も同様であり、メールサーバ3および掲示板サーバ6からユーザが未読の情報を抽出して表示部102bに表示させる。
【0081】
続いて、出退勤情報処理部107cによる表示画面生成処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0082】
設定情報取得部101により取得された設定情報に出退勤情報処理部により生成した画面を表示部に表示させる旨の設定が含まれている場合、出退勤情報処理部107cが起動される(S31)。
【0083】
出退勤情報処理部107cは、ユーザ認証部106にて認証されたユーザのID情報を出退勤管理サーバ5に対して送信する。
【0084】
出退勤管理サーバ5は、出退勤情報処理部107cにより送信されたID情報の認証を行い(S32)、認証されればそのID情報に対応するユーザの出退勤に関する情報を出退勤情報処理部107cに送信する。このようにして、出退勤情報処理部107cにてユーザの出退勤に関する情報の表示画面が生成され(図11参照)、表示部102bに表示される(S33)。
【0085】
一方、出退勤管理サーバ5においてID情報が認証されなかった場合(S32,No)は、この処理は終了する。
【0086】
なお、図11では出退勤情報処理部107cでは「出勤」ボタン91および「退勤」ボタン92のみを表示する画面を生成する構成としているが、これに限られるものではなく、当該認証されたIDのユーザの現在の出退勤状況がどうなっているのかといった情報を表示する画面を生成することも可能である。
【0087】
次に、緊急情報処理部107a〜未読情報処理部107d(以下、単に情報処理部と呼ぶ)による表示部102bにおける画面表示から画像形成部108aによる画像形成動作までの共通の処理について図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0088】
まず、表示部102bにおいて画面表示されているコンテンツ(例えば、図5および図7参照)の内、印刷可能なものがユーザにより操作入力部102aによって選択されると(S41)、表示部102bに表示されている「Print」ボタンが押下可能な状態となる。
【0089】
次に、この押下可能な状態となった「Print」ボタンがユーザにより押下されると(S42,Yes)、情報処理部は画像形成部108aに対して当該選択されたコンテンツの印刷要求を行う(S43)。
【0090】
画像形成部108aは、印刷を要求されたコンテンツの印刷処理を行う(S44)。
【0091】
一方、印刷可能なコンテンツが選択されない場合(S41,No)や、「Print」ボタンが押下可能な状態において「Print」ボタンが押下されない場合(S42,No)、処理は終了する。
【0092】
次に、緊急情報処理部107aにより表示部102bに表示されたメール一覧(例えば、図5参照)からユーザが任意に選択したメールを印刷する処理の流れについて、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0093】
ユーザが、緊急情報処理部107aにより表示部102bに表示されているメール一覧のうち、印刷可能なものを少なくとも1つ選択すると(S51,Yes)、同じく緊急情報処理部107aにより表示部102bに表示されている「Print」ボタンが選択可能な状態となる(S52)。
【0094】
ユーザが「Print」ボタンを押下すると(S53,Yes)、緊急情報処理部107aはメールサーバ3に対してID情報と選択されたメールのID(Mailid)とを送信する(S54)。
【0095】
メールサーバ3にて緊急情報処理部107aから送信されたID情報が認証された場合、メールのIDに合致したメール本文のデータを選択し緊急情報処理部107aに対して送信する(S55)。
【0096】
緊急情報処理部107aはメールサーバ3から送信されてきたメール本文のデータに関する印刷要求を画像形成部108aに対して行う(S56)。
【0097】
画像形成部108aは、緊急情報処理部107aからの印刷要求を受けて、メール本文のデータに基づく画像形成処理を行う(S57)。
【0098】
続いて、スケジュール情報処理部107bにより表示部102bに表示されたスケジュール情報(例えば、図15参照)の中から、ユーザが任意に選択した日時のスケジュールに関する情報を印刷する処理の流れについて、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0099】
ユーザが、スケジュール情報処理部107bにより表示部102bに表示されているスケジュールに関する情報のうち、任意の日時を選択すると(S61)、「Print」ボタンおよび「Regist」ボタンが選択(押下)可能な状態となる(S62)。
【0100】
ここで、「Print」ボタンを押下した場合(S63,「Print」ボタン押下)、スケジュール情報処理部107bはスケジュール管理サーバ4に対してユーザのID情報と選択した日時を識別するための情報(dayid)を送信する。
【0101】
スケジュール管理サーバ4において、スケジュール情報処理部107bから送信されたID情報が認証された場合(S65,Yes)、スケジュール管理サーバ4は該ID情報のユーザのスケジュールに関連するデータの中に当該dayidに対応する文書リンクが存在するか否かを確認する(S66)。一方、スケジュール情報処理部107bから送信されたID情報がスケジュール管理サーバ4において認証されなかった場合(S65,No)、処理は終了する。
【0102】
スケジュール管理サーバ4において、当該dayidに対応する文書リンクの存在が確認されると(S66,Yes)、スケジュール管理サーバ4は文書サーバ7に対して当該ユーザのID情報および確認されたリンク先の文書データのダウンロード要求(GetClink)を送る(S67)。
【0103】
文書サーバ7は、スケジュール管理サーバ4から送信されてきたID情報およびGetClinkに該当する文書データをスケジュール情報処理部107bに対して送信する(S68)。
【0104】
スケジュール管理サーバ4は該ID情報のユーザのスケジュールに関連するデータの中から当該dayidに対応するスケジュールデータを選択し、スケジュール情報処理部107bに対して送信する(S69)。なお、スケジュール管理サーバ4において、dayidに対応する文書リンクの存在が確認されなかった場合(S66,No)にも、本ステップ(S69)の処理が行われる。
【0105】
スケジュール情報処理部107bは、画像形成部108aに対し、スケジュール管理サーバ4から送信されてきたスケジュールデータ(もしくは、文書データ)に関する画像形成処理を要求する(S6a)。
【0106】
画像形成部108aは、当該要求に基づきスケジュールデータ(もしくは、文書データ)の画像形成処理を行う(S6b)。
【0107】
一方、任意の日時を選択(S61)後に「Regist」ボタンを押下し(S63,「Regist」ボタン押下)、画像読取部108bにてユーザがスケジュールへの登録を希望する原稿の読み取りを行うと(S6e)、スケジュール管理サーバ4におけるスケジュール情報処理部107bから送信されたID情報の認証後(S6f,Yes)、スケジュール管理サーバ4によりこの読み取った原稿の画像データが文書サーバ7に対して送信される(S6g)。
【0108】
上述のようにして文書サーバ7に対して送信された画像データは、文書サーバ7に登録され、文書サーバ7は当該画像データに対応するリンクデータをスケジュール情報処理部107bに対して送信する(S6h)。
【0109】
スケジュール情報処理部107bは、スケジュール管理サーバ4に対して当該ユーザのID情報、選択した日時を識別するための情報(dayid)および読み取った画像データに対応するリンクデータ(SetClink)を送信する(S6i)。
【0110】
スケジュール管理サーバ4は、スケジュール情報処理部107bから送信されてきたID情報、dayidおよびSetClinkに基づいて、画像読取部108bにて読み取った原稿の画像データのリンクを、該ID情報のユーザのスケジュールに関連するデータ内に登録する(S6j)。
【0111】
スケジュール管理サーバ4は、上記ステップ(S6j)において原稿の画像データのリンクの登録が完了した旨をスケジュール情報処理部107bに通知し(S6k)、スケジュールへの原稿の登録処理が完了する(S6l)。
【0112】
スケジュール情報処理部107bから送信されたID情報がスケジュール管理サーバ4において認証されなかった場合(S6f,No)、処理は終了する。
【0113】
なお、図15に示す表示画面において、「Bさん」15aを選択して「Print」ボタン83を押下した場合、本日と翌日のスケジュール、当該スケジュールの詳細および登録された文書が存在すればその文書が印刷される。
【0114】
また、「Bさん」15aを選択して「Regist」ボタン82を押下した場合、リンク(「Contents」)は「Bさん」15aの領域に設定される。
【0115】
次に、「本日」15bまたは「翌日」15cを選択して「Print」ボタン83を押下した場合、本日または翌日のスケジュール、当該スケジュールの詳細およびそのスケジュールに対して登録された文書が存在すればその文書が印刷される。
【0116】
また、「本日」15bまたは「翌日」15cを選択して「Regist」ボタン82を押下した場合、リンク(「Contents」)は「本日」15bまたは「翌日」15cの領域に設定される。
【0117】
なお、「時刻」15dを選択して「Print」ボタン83を押下した場合、その時刻のスケジュール、当該スケジュールの詳細およびそのスケジュールに対して登録された文書が存在すればその文書が印刷される。
【0118】
また、「時刻」15dを選択して「Regist」ボタン82を押下した場合、リンク(「Contents」)は「時刻」15dの領域に設定される(15eを参照)。
【0119】
次に、出退勤情報処理部107cにより表示部102bに表示された画面上(図7参照)で、出勤または退勤の登録処理を行う際の処理(掲示板システムを用いての出退勤などのタイムカード管理)の流れについて、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
ID情報が認証されたユーザにより「出勤」ボタンS1が押下されると(S71,Yes)、出退勤情報処理部107cは出退勤管理サーバ5に対してID情報および「出勤」を登録する旨の情報を送信する(S72)。「出勤」ボタンS1が押下されない場合(S71,No)には処理は終了する。
【0121】
出退勤管理サーバ5は、出退勤情報処理部107cからID情報等を受け取ると、出退勤管理サーバ5にて管理されているデータベースにおける当該ID情報に対応する出勤リストに現在時刻を入力し、出退勤情報処理部107cに現在時刻を送信する(S73)。
【0122】
出退勤情報処理部107cは、表示部102bに表示されている画面上に現在時刻を表示し、掲示板サーバ6に対して当該ユーザのID情報を送信する(S74)。
【0123】
掲示板サーバ6は、出退勤情報処理部107cから送信されてきたID情報の認証を行う(S75)。
【0124】
掲示板サーバ6にてID情報が認証された場合(S75,Yes)、掲示板サーバ6内で管理している掲示板に関する情報と当該ID情報とを現時刻tに関して照合し、現時刻tに該当するコンテンツが存在すれば出退勤情報処理部107cに対してそのコンテンツのデータを送信する(S76)。一方、掲示板サーバ6にてID情報が認証されなかった場合(S75,No)、処理は終了する。
【0125】
出退勤情報処理部107cは、掲示板サーバ6から送信されてきたコンテンツに関して画像形成部108aに画像形成処理を要求する(S77)。
【0126】
画像形成部108aは、印刷要求を受けて当該コンテンツを印刷する(S78)。
【0127】
続いて、操作モードを公衆操作モードから個人操作モードに切り換えた後、再度公衆操作モードに切り換える際の処理について説明する。
【0128】
本実施の形態では、モード切換部104は、現在の操作モードが個人認証を経て個人操作モードに設定されているときに、所定の条件に基づいて操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換える構成となっている。
【0129】
このように、所定の条件に基づいて操作モードの公衆操作モードへの切り換えが可能な構成とすることにより、操作モードが個人操作モードに設定された状態のままで不特定多数のユーザが操作してしまうといった事態を回避することが可能となる。
【0130】
ここで、個人操作モードから公衆操作モードに切り換える所定の条件としては、ユーザ認証部106においてID情報が所定時間以上取得されない場合などがある。例えばユーザが該画像処理装置における作業をしているときだけユーザ認証部におけるID情報の取得が可能となるような場合(例えばユーザの指紋により個人認証を行っている場合や、IDカードをカードリーダに読み取らせている間だけ個人認証が可能な場合など)において、装置を操作していたユーザが、個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上装置を離れたときや、個人操作モードに設定されていることを忘れて作業を終えてしまったとき等に、個人操作モードに設定された状態で不特定多数のユーザが操作してしまう事態を回避することが可能となる。
【0131】
この他、個人操作モードから公衆操作モードに切り換える所定の条件としては、少なくともユーザ認証部においてユーザのID情報を認証した時点から、画像処理装置1近傍における当該ユーザの存在の人体検知部による検知を行い(人体検知ステップ)、人体検知部105により所定時間以上人体が検知されない場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにする構成とすることもできる。
【0132】
このような構成によれば、個人操作モードで装置を操作していたユーザが、個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上装置を離れたときや、個人操作モードに設定されていることを忘れて作業を終えてしまったとき等に、個人操作モードに設定された状態で不特定多数のユーザが操作してしまう事態を回避することが可能となる。また、画像処理装置における待機状態等を決定するために利用される人体検知センサなどと兼用させることで、装置の小型化に寄与することも可能である。
【0133】
また、本発明によれば、複数のユーザに共有される画像処理装置における個人情報の管理を行うために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された個人情報管理方法であって、前記複数のユーザの内の各ユーザを識別するためのID情報を取得し、該ID情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証ステップと、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させるための公衆操作モードと、ユーザ毎に個別に操作させるための個人操作モードとを選択的に設定する操作モード設定ステップと、前記ユーザ認証ステップにおいてユーザが認証されたときに、前記操作モードを公衆操作モードから該認証されたユーザ用の個人操作モードに切り換えるモード切換ステップとを有する個人情報管理方法を提供することができる。
【0134】
また、上述のような個人情報管理方法において、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、所定の条件に基づいて前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることが好ましい。
【0135】
なお、上述のような個人情報管理方法において、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記ユーザ認証ステップにおいてID情報が所定時間以上取得されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることもできる。
【0136】
また、上述のような個人情報管理方法において、前記画像処理装置近傍に位置するユーザを検知するための人体検知ステップを有し、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記人体検知ステップにより所定時間以上人体が検知されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにしてもよい。
【0137】
この他、上述のような個人情報管理方法において、各ユーザに対応付けられた設定情報を取得する設定情報取得ステップを有し、前記操作モード設定ステップにおいて、前記ユーザ認証ステップにおいて認証されたユーザに対応付けられた前記設定情報に基づいて前記個人操作モードの設定を行うような構成とすることもできる。
【0138】
さらに、上述のような個人情報管理方法において、前記ID情報は、前記画像処理装置と接続可能なネットワークにおけるログイン用IDと連動しており、前記ID情報に基づいて、前記ネットワーク上に存在する前記ID情報に対応するユーザに関する個人情報の処理を行うための個人情報処理ステップを有する構成としてもよい。
【0139】
なお、本発明における個人情報管理方法の各ステップは、画像処理装置における不図示の記憶部もしくは不図示のCPU(コンピュータ)により読取可能な記録媒体に本発明による個人情報管理プログラムを記憶させ、それを不図示のCPUに実行させることにより実現されるものである。
【0140】
具体的に、本発明に係る個人情報管理プログラムは、複数のユーザに共有される画像処理装置における個人情報の管理を行うために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された個人情報管理プログラムであって、前記複数のユーザの内の各ユーザを識別するためのID情報を取得し、該ID情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証ステップと、操作入力に関する作業環境を設定する操作モードとして、不特定多数のユーザに操作させるための公衆操作モードと、ユーザ毎に個別に操作させるための個人操作モードとを選択的に設定する操作モード設定ステップと、前記ユーザ認証ステップにおいてユーザが認証されたときに、前記操作モードを公衆操作モードから該認証されたユーザ用の個人操作モードに切り換えるモード切換ステップとをコンピュータに実行させる構成となっている。
【0141】
また、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、所定の条件に基づいて前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることが好ましい。
【0142】
なお、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記ユーザ認証ステップにおいてID情報が所定時間以上取得されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにすることもできる。
【0143】
また、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記画像処理装置近傍に位置するユーザを検知するための人体検知ステップを有し、前記モード切換ステップにおいて、現在の操作モードが個人操作モードに設定されているときに、前記人体検知ステップにより所定時間以上人体が検知されない場合に、前記操作モードを前記個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるようにしてもよい。
【0144】
この他、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、各ユーザに対応付けられた設定情報を取得する設定情報取得ステップを有し、前記操作モード設定ステップにおいて、前記ユーザ認証ステップにおいて認証されたユーザに対応付けられた前記設定情報に基づいて前記個人操作モードの設定を行うような構成とすることもできる。
【0145】
さらに、上述のような個人情報管理プログラムにおいて、前記ID情報は、前記画像処理装置と接続可能なネットワークにおけるログイン用IDと連動しており、前記ID情報に基づいて、前記ネットワーク上に存在する前記ID情報に対応するユーザに関する個人情報の処理を行うための個人情報処理ステップを有する構成としてもよい。
【0146】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0147】
外出など自席を外す際に自分に対して重要なメールや情報が届いていても見逃す場合がある。それを防ぐために共有の画像処理装置において外出前にユーザ認証を行い、企業システム内の当該ユーザ宛の受信メール一覧、スケジュールおよびグループウェアの掲示板等の内容の表示、印刷およびファイルへの保存等を行うことが可能になる。
【0148】
また、ファイルなどを個人のスケジュール、グループのスケジュールとリンクさせることにより、会議や外出する際にプリントアウトして持っていく必要のあるファイルに関しては、席を外す際に画像処理装置の前で個人認証を行うと、「印刷が必要な書類があります」といったかたちで告知してくれる構成とすることもできる。そして、会議への参加人数などがスケジュール管理サーバにて管理されている場合には、その人数分プリントアウト指示することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施の形態による画像処理装置の機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図3】不図示のカードリーダの表示画面または表示部における画面表示例である。
【図4】設定情報のデータ構造について説明するための図である。
【図5】IDが「A」のユーザ用の操作モードに設定された表示部における画面表示例である。
【図6】「Print」ボタンを押下したときの表示部における画面表示例である。
【図7】IDが「B」のユーザ用の操作モードに設定された表示部における画面表示例である。
【図8】「出勤」ボタンを押下したときの表示部における画面表示例である。
【図9】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図11】出退勤情報処理部にて生成される表示画面の一例を示す図である。
【図12】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図13】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図15】スケジュール情報処理部により表示部に表示されるスケジュール情報について説明するための図である。
【図16】本実施の形態による画像処理装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0150】
1 画像処理装置、101 設定情報取得部、102 コントロールパネル、103 操作モード設定部、104 モード切換部、105 人体検知部、106 ユーザ認証部、107 個人情報処理部、108 画像処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置において、
ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとの照合を行うユーザ認証部と、
前記ユーザ認証部による照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定する操作モード設定部と、
前記個人操作モードに設定された状態のままでユーザが所定時間以上当該画像処理装置を離れた場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるモード切換部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置において、
ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとの照合を行うユーザ認証部と、
前記ユーザ認証部による照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定する操作モード設定部と、
前記個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上人体が検知されない場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換えるモード切換部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置の操作モード切換方法において、
ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとを照合し、
照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定し、
前記個人操作モードに設定された状態のままでユーザが所定時間以上前記画像処理装置を離れた場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換える、
ことを特徴とする画像処理装置の操作モード切換方法。
【請求項4】
不特定多数のユーザによる操作入力を受け付ける公衆操作モードを有する画像処理装置の操作モード切換方法において、
ID情報が入力されると前記ID情報と記憶部に記憶されているID情報認証用のデータとを照合し、
照合の結果認証が成功した場合に、個人操作モードに設定し、
前記個人操作モードに設定された状態のままで所定時間以上人体が検知されない場合に、操作モードを個人操作モードから公衆操作モードに切り換える、
ことを特徴とする画像処理装置の操作モード切換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−92597(P2008−92597A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302415(P2007−302415)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【分割の表示】特願2005−407(P2005−407)の分割
【原出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】