説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】機器の状態及び各アプリケーションの状態の視認性を向上させること。
【解決手段】画像処理装置は、装置のハードウェアに関する状態を管理するシステム管理手段と、各アプリケーションからアプリケーションの状態情報及び前記システム管理手段から装置の状態情報を取得する取得手段と、装置全体の状態を確認するための状態確認画面の表示要求を受け付ける入力手段と、表示要求があった場合、取得手段が取得した状態情報に基づき、装置の状態表示と、各アプリケーションの状態表示とを1つの画面で行う状態確認画面を作成する画面作成手段と、画面作成手段により作成された状態確認画面を表示する表示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムの状態を確認する画面を制御する画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機は、多機能性が進歩し、標準搭載するアプリケーションに加え、Software Development Kit(以下、SDKともいう)を使用して3rdベンダーが追加するアプリケーション、Webページの閲覧といった機能が搭載されている。アプリケーションは、例えば、コピー、スキャナー、FAX、プリンターなどがある。
【0003】
また、複合機は、各アプリケーションの状態ステータスをユーザに知らせることで、そのアプリケーションの使用可否をユーザは把握することができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、各アプリケーションの状態「使用可」又は「停止中」を表示する画面が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では、アプリケーションの一覧を表示すると共に、アプリケーションの使用可否を示すに留まり、機器全体の状態がどんな状態にあるかはその他の画面に遷移する必要があった。また、一般的には、ハードキーのLEDの色でそれぞれのアプリケーションの使用可否を示し、そのアプリケーションの画面を表示しないと、その状態の詳細が分からなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、機器の状態及び各アプリケーションの状態の視認性を向上させることができる画像処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の画像処理装置は、装置のハードウェアに関する状態を管理するシステム管理手段と、各アプリケーションからアプリケーションの状態情報及び前記システム管理手段から装置の状態情報を取得する取得手段と、装置全体の状態を確認するための状態確認画面の表示要求を受け付ける入力手段と、前記表示要求があった場合、前記取得手段が取得した前記状態情報に基づき、装置の状態表示と、各アプリケーションの状態表示とを1つの画面で行う前記状態確認画面を作成する画面作成手段と、前記画面作成手段により作成された前記状態確認画面を表示する表示手段と、を備える。
【0008】
また、本発明の他の態様のプログラムは、各アプリケーションからアプリケーションの状態情報、及び装置のハードウェアに関する状態を管理するシステム管理手段から装置の状態情報を取得する取得ステップと、装置全体の状態を確認するための状態確認画面の表示要求を受け付ける入力ステップと、前記表示要求があった場合、前記取得ステップで取得した前記状態情報に基づき、装置の状態表示と、各アプリケーションの状態表示とを1つの画面で行う前記状態確認画面を作成する画面作成ステップと、前記画面作成ステップにより作成された前記状態確認画面を表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機器の状態及び各アプリケーションの状態の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における画像処理装置のハードウェアの一例を示す図。
【図2】実施例における画像処理装置の機能の一例を示すブロック図。
【図3】状態情報の一例を示す図。
【図4】状態情報に関連付けられたアイコンID及び用語IDの情報の一例を示す図。
【図5】アイコン画像情報の一例を示す図。
【図6】用語情報の一例を示す図。
【図7】画面構成情報の一例を示す図。
【図8】状態関連情報の一例を示す図。
【図9】状態確認画面への遷移を示す図。
【図10A】状態確認画面(その1)の一例を示す図。
【図10B】状態確認画面(その2)の一例を示す図。
【図10C】状態確認画面(その3)の一例を示す図。
【図10D】状態確認画面(その4)の一例を示す図。
【図11】アイコンを説明するための図。
【図12】発光部とアイコンとの連動を説明するための図。
【図13】実行中ジョブ一覧とジョブ履歴一覧の一例を示す図。
【図14A】問い合わせ/消耗品情報の一例を示す図。
【図14B】問い合わせ/消耗品情報の一例を示す図。
【図15】確認ボタンの押下による画面の遷移先を示す図。
【図16】実施例における状態確認画面の表示処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例]
<ハードウェア>
図1は、実施例における画像処理装置のハードウェアの一例を示す図である。図1に示す例では、画像処理装置10は、コントローラ11、スキャナー12、プリンター13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。画像処理装置10は、例えば複合機等である。
【0012】
コントローラ11は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113、HDD(Hard Disk Drive)114、及びNVRAM(Non Volatile RAM)115等を有する。
【0013】
ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。
【0014】
CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
【0015】
スキャナー12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェアである。プリンター13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェアである。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。
【0016】
操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない)に接続するためのハードウェアである。
【0017】
SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像処理装置10では、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。
【0018】
なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
【0019】
<機能>
次に、画像処理装置10の機能について説明する。図2は、実施例における画像処理装置10の機能の一例を示すブロック図である。画像処理装置10は、標準搭載アプリ20、設定値情報記憶手段25、Webブラウザ30、URL情報記憶手段31、拡張アプリ40、拡張アプリ制御手段45、SDK−IF46、API(Application Program Interface)50、システム管理手段61、メモリ管理手段62、エンジン管理手段63、ユーザ管理手段64、送信管理手段65、表示手段70、入力手段71、画面制御手段72、画面情報記憶手段73、画面作成手段74、及び状態管理手段75等を有する。
【0020】
標準搭載アプリ20は、画像処理装置10に標準で搭載されているアプリケーションである。アプリケーションは、単にアプリとも呼ぶ。例えば、コピーアプリ21、スキャナーアプリ22、プリンターアプリ23、FAXアプリ24が標準搭載アプリ20である。
【0021】
標準搭載アプリ20は、操作画面やジョブのエラー画面の作成やアプリケーションのジョブを実行することができ、設定値情報記憶手段25に対して、設定値の登録、呼び出しを行う。アプリケーションで予め登録された各設定値をマクロと呼び、このマクロを呼び出す機能をマクロ機能と呼ぶ。標準搭載アプリ20は、API50を用いて、表示手段70にデータを出力する。
【0022】
設定値情報記憶手段25は、各標準搭載アプリに対して、各設定項目に対し、予め登録された設定値を記憶する。
【0023】
Webブラウザ30は、httpサーバと通信を行ない、Webページを表示する。Webブラウザ30は、URL情報記憶手段31から、URL情報を取得して、このURLのWebページを表示手段70に出力する。URL情報記憶手段31は、Webブラウザ30で表示するURL情報を記憶する。
【0024】
拡張アプリ40は、SDK(Software Development Kit)によって追加インストールできるアプリケーションである。また、拡張アプリ40は、操作画面の作成やアプリケーションのジョブを実行する。C言語で開発されたSDKアプリをTypeCと分類し、Java(登録商標)で開発されたSDKアプリをTypeJと分類する。
【0025】
SDKコピーアプリ41は、C言語で開発されたSDKアプリの1つである。SDKコピーアプリ41は、TypeC(C言語で作成)のSDKアプリに分類される。
【0026】
JavaSDK開発プラットフォーム42は、C言語で開発されたSDKアプリの1つである。JavaSDK開発プラットフォーム42は、TypeCのSDKアプリに分類され、Java(登録商標)で開発したSDKアプリを搭載するためのJavaVMプラットフォームである。
【0027】
SDK簡単スキャナー43は、Java(登録商標)で開発したSDKアプリの1つである。SDK簡単スキャナー43は、TypeJのSDKアプリに分類される。
【0028】
SDK文書蓄積44は、Java(登録商標)で開発したSDKアプリの1つである。SDK文書蓄積44は、TypeJ(Java(登録商標)で作成)のSDKアプリに分類される。
【0029】
拡張アプリ制御手段45は、SDKアプリ全般を管理する。SDK−IF46は、各管理手段、入力手段、表示手段などに対するSDKアプリ(SDK簡単スキャナー、など)とのインタフェースである。
【0030】
拡張アプリ制御手段45は、TypeCのSDKアプリを直接管理する。しかし、JavaSDK開発プラットフォーム42というTypeCのSDKアプリにより、そこにTypeJのSDKアプリを搭載することを実現している。
【0031】
システム管理手段61は、システム全体の状態を管理する。システム管理手段61は、機器のハードウェアに関する状態、例えば、トナーの有無、紙の有無、ADFの正常/異常、通信回線の正常/異常などを管理する。機器(装置)は、画像処理装置10である。メモリ管理手段62は、メモリ管理やスキャンしたファイルデータの作成を行う。
【0032】
エンジン管理手段63は、原稿の読み取り等の制御を行う。ユーザ管理手段64は、ユーザ認証やスキャナー送信先の管理を行う。送信管理手段65は、画像処理装置10から他機器へのデータ送信を制御する。
【0033】
表示手段70は、後述する画面作成手段74により作成された状態確認画面を表示する。状態確認画面は、装置全体の状態を確認するための画面であり、機器の状態表示と、各アプリケーションの状態表示とを有する1つの画面である。状態確認画面の詳細については、後述する。
【0034】
また、表示手段70は、標準搭載アプリ20、拡張アプリ40の操作画面、Webブラウザ30によるWebページを表示する。
【0035】
入力手段71は、状態確認画面内のUI部品(ボタンやタブ)への押下を検知する。UI部品への押下は、そのUI部品に対する操作要求として入力手段71は受け付ける。また、入力手段71は、標準搭載アプリ20、拡張アプリ40の操作画面からの入力、Webページからの入力を受け付ける。また、入力手段71は、状態確認画面の表示に対応するハードキーからの入力も受け付ける。
【0036】
画面制御手段72は、表示手段70に表示されている画面の制御を行う。例えば、画面制御手段72は、入力手段71から状態確認画面の表示要求を受けると、画面作成手段74に対し、画面作成要求を行う。また、画面制御手段72は、状態確認画面内の確認ボタンに応じて、各アプリケーションに画面の表示要求を行う。
【0037】
画面情報記憶手段73は、状態確認画面のレイアウトなどを示す画面構成情報を記憶する。状態確認画面には、状態を示すアイコンのアイコン画像、及び状態の内容、状態の確認ボタンなどが含まれる。また、画面情報記憶手段73は、アイコン画像情報、状態詳細情報を記憶する。
【0038】
また、画面情報記憶手段73は、後述する状態管理手段75が取得した機器の状態情報及び各アプリケーションの状態情報を記憶する。また、画面情報記憶手段73は、機器の状態と、各アプリの状態とを関連付けた状態関連情報を記憶してもよい。画面情報記憶手段73に記憶される各情報は、図を用いて後述する。
【0039】
画面作成手段74は、画面制御手段72から状態確認画面の作成要求を受けると、画面情報記憶手段73から取得した画面構成情報に基づき、各アプリに対してアイコンや用語や確認ボタンを含む状態確認画面を作成する。画面作成手段74は、作成した状態確認画面を表示手段70に出力する。
【0040】
状態管理手段75は、機器内の状態情報を取得する取得手段76を有する。取得手段76は、システム管理手段61から機器の状態(特に、ハードウェアに関する状態)情報を取得する。また、取得手段75は、各アプリケーションから状態情報を取得する。状態情報とは、エラーや実行中などの状態を示す情報である。
【0041】
取得手段75は、定期的に、又は各アプリケーションやハードウェアでエラーが生じた時に、状態情報を取得するようにする。取得手段75は、取得した状態情報を画面情報記憶手段73に記録する。
【0042】
また、状態管理手段75は、取得した状態情報に基づいて、後述する発光部の発光を制御する。
【0043】
なお、標準搭載アプリ20、Webブラウザ30、拡張アプリ40、各管理手段61〜65、画面制御手段72、画面作成手段74、状態管理手段75、拡張アプリ制御手段45は、CPU111、ワークメモリとしてのRAM112、各種プログラムを保持するHDD114などにより実現されうる。また、設定値情報記憶手段25、URL情報記憶手段31、画面情報記憶手段73は、ROM113などにより実現されうる。表示手段70及び入力手段71は、操作パネル15などにより実現されうる。
【0044】
<データ構造>
次に、本実施例で用いる各種情報のデータ構造について説明する。画面情報記憶手段73は、状態情報に関連付けられたアイコンID及び用語IDの情報、アイコン画像情報、画面構成情報などを記憶する。
【0045】
図3は、状態情報の一例を示す図である。図3に示す状態情報は、機器、アプリケーション毎に状態IDを保持する。この状態IDは、取得手段76がシステム管理手段61や標準搭載アプリ20から取得した状態情報である。以下、状態情報は、状態IDとして説明するが、状態を示す内容の情報であればいずれでもよい。取得手段76は、取得した状態情報を画面情報記憶手段73に記録する。
【0046】
図4は、状態情報に関連付けられたアイコンID及び用語IDの情報の一例を示す図である。図4に示す例では、状態ID毎に、表示するアイコン画像を識別するためのアイコンID、状態の内容を識別するための用語IDが関連付けられている。
【0047】
画面作成手段74は、まず、機器の状態及び各アプリケーションの状態を図3に示す状態情報から取得する。次に、画面作成手段74は、図4に示す情報を参照することで、状態IDを基に、アイコンIDと用語IDとを特定し、どのアイコン画像を表示するか、どの用語を表示するかを一意に決定する。
【0048】
図5は、アイコン画像情報の一例を示す図である。図5に示すアイコン画像情報は、アイコンIDと、装置やアプリケーションの状態を表すアイコン画像データとが関連付けられている。画面作成手段74は、図5に示すアイコン画像情報から、表示対象のアイコンIDに対応するアイコン画像データを取得することができる。
【0049】
図6は、用語情報の一例を示す図である。図6に示す用語情報は、用語IDと、装置やアプリケーションの状態の内容を表す用語とが関連付けられている。画面作成手段74は、表示対象の用語IDを基に、図6に示す用語情報から状態の内容を表す用語を取得することができる。
【0050】
図7は、画面構成情報の一例を示す図である。図7に示す画面構成情報は、装置、アプリケーション毎にアイコンID、用語ID、確認ボタンの輝度が関連付けられている。なお、画面構成情報は、図示しないが、アイコン、用語、確認ボタンをどの位置に配置するかを示す配置情報も保持している。
【0051】
また、確認ボタンの輝度は、半輝度の場合に選択不可を表し、何もない場合に通常の輝度を表す。確認ボタンの輝度は、アイコンIDが対応付けられていない場合に半輝度が関連付けられる。画面作成手段74は、図7に示すような画面構成情報に基づいて、状態確認画面を作成する。
【0052】
ここで、機器の状態が各アプリケーションの機能に影響を及ぼす場合がある。例えば、機器の状態がトナーなしを示す場合、出力系のコピー、プリンターなどは実行することができない。そこで、機器の所定状態に関連するアプリケーションと、そのアイコンIDと、用語IDとを関連付けた状態関連情報を、例えば画面情報記憶手段73に保持させる。
【0053】
図8は、状態関連情報の一例を示す図である。図8に示す例では、所定状態を示す機器の状態IDに関連するアプリケーション毎に、アイコンID、用語IDが関連付けられている。画面作成手段74は、装置の状態IDが状態関連情報に存在する場合、その状態IDに関連付けられているアプリケーションのアイコンIDと用語IDとを優先的に状態確認画面に含める。
【0054】
これにより、各アプリケーションから取得した状態情報に基づくアイコンIDと用語IDよりも、状態関連情報に関連付けられるアイコンIDと用語IDとを優先することができる。
【0055】
よって、機器の状態に影響を受ける各アプリケーションの状態の詳細を、ユーザに適切に報知することができる。
【0056】
<状態確認画面への遷移>
次に、実施例における状態確認画面について説明する。図9は、状態確認画面への遷移を示す図である。図9に示すように、状態確認のハードキー80が押下されることで、表示部に状態確認画面が表示される。これにより、他の画面から1つの操作で、状態確認画面に遷移することができる。
【0057】
また、ハードキー80に隣接する位置(ハードキー80から所定範囲内の位置)に、発光部81が設けられ、発光部81の発光の仕方により、機器がどのような状態にあるか分かるようになっている。発光部81は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。発光部81の発光制御は、例えば状態管理手段75により行われる。
【0058】
画面遷移については、ハードキー80の押下により入力手段71が状態確認画面への表示要求を受け付け、画面制御手段72にその要求を通知する。画面制御手段72が、状態確認画面の表示要求を受けると、画面作成手段74に対し、画面作成要求を行う。
【0059】
画面作成手段74は、画面情報記憶手段73に記憶されている各情報を用いて、状態確認画面を作成し、表示手段70に状態確認画面を出力する。表示手段70は、状態確認画面を表示する。
【0060】
(状態確認画面の例)
次に、状態確認画面の例について説明する。図10Aは、状態確認画面(その1)の一例を示す図である。図10Aに示す例は、アプリケーションだけにエラーが生じた場合の状態確認画面の例である。図10Aに示す例では、スキャナーのジョブを実行する際、原稿の読み取り中にエラーが生じた場合の例を示す。
【0061】
また、状態確認画面内の確認ボタンは、アイコンが表示されるアプリケーションや機器の状態にだけ通常の輝度で表示される。その他の確認ボタンは、半輝度になり選択できないようになっている。
【0062】
図10Bは、状態確認画面(その2)の一例を示す図である。図10Bに示す例は、機器の状態だけにエラーが生じた場合の状態確認画面の例である。図10Bに示す例では、機器のハードウェアであるプリンター13で用紙が詰まっている例である。
【0063】
図10Bに示す例では、機器の状態にだけアイコンが表示されるので、確認ボタンは、機器の状態の確認ボタンだけが選択できるようになっている。
【0064】
図10Cは、状態確認画面(その3)の一例を示す図である。図10Cに示す例は、機器の状態と、プリンターとでエラーが生じた場合の状態確認画面の例である。図10Cに示す例では、カバーが開いていることで機器の状態としてエラーがシステム管理手段71に検知され、プリンターでも何れかのエラーが生じていることがプリンターアプリ23に検知される。
【0065】
図10Cに示す例では、機器の状態と、プリンターとにアイコンが表示されるので、確認ボタンは、機器の状態とプリンターとの確認ボタンだけが選択できるようになっている。なお、図7に示す状態確認画面の画面構成情報からは、図10Cに示す状態確認画面が作成される。
【0066】
図10Dは、状態確認画面(その4)の一例を示す図である。図10Dに示す例は、機器の状態でエラーが発生し、そのエラーが各アプリケーションに影響を与える場合の状態確認画面の例である。
【0067】
図10Dに示す例では、トナーがなくなったことにより、出力系のアプリケーションに影響が出ている例である。出力系のアプリケーションは、例えば、コピー、プリンター、ドキュメントボックスなどである。また、実行できるアプリケーションにおいても、トナーを使わないジョブであれば実行できることが表示される。
【0068】
これにより、機器の状態にエラーが生じた場合、アプリケーション毎に、アプリケーション自体の使用可否、アプリーションを使用できる場合のジョブが明示されることで、ユーザは、どの機能が使用できるかを容易に把握することができる。
【0069】
なお、図10Dに示す例は、図8に示す状態関連情報の機器の状態IDが「1002」の場合に作成される状態確認画面の例を示す。
【0070】
<アイコンと発光部>
次に、アイコンと発光部とについて説明する。図11は、アイコンを説明するための図である。図11に示すアイコンic11は、緊急のエラーがある場合、又は機器全体が使用不可の場合に表示されるアイコンである。緊急のエラーとは、トナーなしなどのアプリケーションが実行できないエラーをいう。
【0071】
アイコンic12は、機器としては使用できるが、一部が使用不可である場合、又は緊急ではないエラーがある場合に表示されるアイコンである。緊急ではないエラーとは、トナーニアエンドなど、所定回アプリケーションを実行すれば、そのアプリケーションが実行できなくなることを示すエラーをいう。
【0072】
アイコンic13は、アプリケーションが実行中である場合に表示されるアイコンである。例えば、アイコンic13は、表示中は点滅表示されるようにしてもよい。
【0073】
図12は、発光部81とアイコンとの連動を説明するための図である。発光部81は、状態確認画面内の機器の状態及び各アプリケーションの状態に連動して点灯又は点滅する。
【0074】
図12に示す例では、LEDの赤色点灯は、状態確認画面の各アプリケーションのいずれかの項目にアイコンic12又は機器の状態項目にic11が表示される場合を示す。LEDの黄色点滅は、機器の状態項目にic12が表示される場合を示す。LEDの青色点灯又は点滅は、プリンター項目にic13が表示される場合を示す。
【0075】
これにより、ユーザは、発光部81のパターンを覚えておくことで、発光部81のパターンにより機器がどのような状態になっているかを発光部81のみで把握することができる。
【0076】
<タブ切り替え>
次に、状態確認画面からタブを切り替える場合について説明する。実施例では、状態確認画面からタブを切り替えることで、実行中のジョブ一覧、ジョブ履歴一覧を表示できるようにする。画面作成手段74は、状態確認画面を作成する際に、後述する画面への切り替えを行うタブを状態確認画面に設ける。タブ切り替えは、入力手段71からタブ切り替え要求を受けた画面制御手段72が行う。
【0077】
図13は、実行中ジョブ一覧とジョブ履歴一覧の一例を示す図である。図13に示す例では、状態確認画面内に、実行中ジョブ一覧への切り替え行うタブtb11と、ジョブ履歴一覧への切り替えを行うタブtb12とがある。
【0078】
タブtb11が押下されると、実行中ジョブ一覧画面di11が表示される。また、タブtb12が押下されると、ジョブ履歴一覧画面di12が表示される。これにより、状態確認画面から1つの操作で、実行中のジョブ一覧やジョブ履歴一覧をユーザは把握することができる。
【0079】
図14A,Bは、問い合わせ/消耗品情報の一例を示す図である。図14Aに示す例では、状態確認画面内に、問い合わせ/消耗品情報への切り替えを行うタブtb13がある。
【0080】
タブtb13が押下されると、問い合わせ/消耗品情報の画面di13−1が表示される。画面di13−1から次ページへの遷移ボタンが押下されると、画面di13−2が表示される。
【0081】
図14Bに示すように、問い合わせ/消耗品情報の画面からメモリー、文書数ボタンの押下によりメモリー、文書数画面di133に遷移する。また、機器アドレス、ファクス番号ボタンの押下により機器アドレス、ファクス番号di132に遷移する。問い合わせ情報ボタンの押下により、問い合わせ情報画面di133に遷移する。
【0082】
これにより、ユーザは状態確認画面から消耗品情報や問い合わせ情報を確認するのに、ホーム画面などに戻る必要がなく、状態確認画面から遷移できるので操作性を向上させることができる。
【0083】
<対処方法、詳細の確認>
次に、状態確認画面でエラーを示すアイコンが表示される場合、そのエラーの詳細や対処方法を確認したいというニーズがある。そこで、画面作成手段74は、状態確認画面内に、エラーの状態を示す機器の状態又はアプリケーションに関連付けて確認ボタンを表示する。
【0084】
図15は、確認ボタンの押下による画面の遷移先を示す図である。図15に示す例では、機器の状態に対応する確認ボタンが押下されると、画面制御手段72は、システム全体のエラー画面へ遷移するよう制御する。
【0085】
また、コピーに対応する確認ボタンが押下されると、画面制御手段72は、コピーアプリ21に対してエラー画面を表示するよう要求する。コピーアプリ21では、エラーに対する詳細画面又は対処方法を示す画面が既に生成されている。エラー画面とは、エラーの詳細画面や対処方法を示す画面をいう。
【0086】
また、プリンターに対応する確認ボタンが押下されると、画面制御手段72は、プリンターアプリ23に対してエラー画面を表示するよう要求する。プリンターアプリ23では、エラーに対する詳細画面又は対処方法を示す画面が既に生成されている。
【0087】
また、ドキュメントボックスに対応する確認ボタンが押下されると、画面制御手段72は、ドキュメントボックスアプリ(不図示)に対してエラー画面を表示するよう要求する。ドキュメントボックスでは、エラーに対する詳細画面又は対処方法を示す画面が既に生成されている。
【0088】
これにより、ユーザは、機器やアプリケーションの状態に応じて、その詳細の内容や、エラーの対処方法をすぐに把握することができるようになる。
【0089】
また、システムエラー、又はアプリケーションエラーが複数重なっていた場合は、優先度の高い順にエラー対処方法を表示するようにすればよい。これは、各アプリケーションが、エラーに優先度を設定しておき、優先度の高いエラーに対する対処方法から順に表示するように制御すればよい。
【0090】
<アプリケーションの追加>
アプリケーションが追加で画像処理装置10にインストールされた場合、状態管理手段75は、追加されたアプリケーション(追加アプリケーションとも呼ぶ)の状態情報も取得する。このとき、追加アプリケーションの名称なども取得する。
【0091】
画面作成手段74は、状態確認画面を作成する場合、追加アプリケーションの状態表示も状態確認画面に含める。これにより、追加アプリケーションがある場合でも、状態確認画面に自動で登録される。
【0092】
<動作>
次に、実施例における画像処理装置の動作について説明する。図16は、実施例における状態確認画面の表示処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すステップS101で、システム管理手段61又は各アプリケーションが、エラーが発生したことを検知する。エラーとは、例えばトナーなし、カバー開、通信エラー、紙詰まりなどである。
【0093】
ステップS102で、状態管理手段75は、取得手段76により、システム管理手段61及び各アプリケーションから状態情報を取得する。情報対情報は、例えば状態を示す状態IDなどがある。
【0094】
ステップS103で、状態管理手段75は、取得した状態情報と、画面情報記憶手段73に記憶されている情報を参照して、発光部81の発行制御を行う。状態管理手段75は、状態確認画面にどのアイコンが表示されるかを特定し、表示されるアイコンに基づき、発光パターンを決定する。発光部81の発光パターンは、図12に示すように、状態確認画面に表示されるアイコンに関連して決定される。
【0095】
ステップS104で、入力手段71は、状態確認ボタンがユーザにより押下されたか否かを判定する。状態確認ボタンが押下されれば(ステップS104−YES)、入力手段71は状態確認画面の表示要求を行い、ステップS105に進み、状態確認ボタンが押下されなければ(ステップS104−NO)ステップS104に戻る。
【0096】
ステップS105で、画面作成手段74は、状態確認画面の表示要求があった場合、画面情報記憶手段73に記憶される状態情報、画面構成情報、アイコン画像情報、用語情報などを参照して、状態確認画面を作成する。
【0097】
ステップS106で、表示手段70は、画面作成手段74により作成された状態確認画面を表示する。
【0098】
また、画面制御手段72は、状態確認画面からエラー対処方法を示す画面や、実行中ジョブ一覧、ジョブ履歴画面への遷移を制御する。
【0099】
以上、実施例によれば、機器の状態及び各アプリケーションの状態の視認性を向上させることができる。
【0100】
[変形例]
実施例の画像処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0101】
また、実施例の画像処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施例の画像処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0102】
また、実施例の画像処理装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0103】
実施例の画像処理装置で実行されるプログラムは、前述した各手段を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU111がHDD114からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段のうち1又は複数の各手段がRAM112上にロードされ、1又は複数の各手段がRAM112上に生成されるようになっている。
【0104】
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 画像処理装置
11 コントローラ
12 スキャナー
13 プリンター
14 モデム
15 操作パネル
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 HDD
115 NVRAM
20 標準搭載アプリ
25 設定値情報記憶手段
30 Webブラウザ
31 URL情報記憶手段
40 拡張アプリ
45 拡張アプリ制御手段
62 メモリ管理部
63 エンジン管理部
66 画像処理手段
70 表示手段
71 入力手段
72 画面制御手段
73 画面情報記憶手段
74 画面作成手段
75 画像作成制御手段
76 取得手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【特許文献1】特開2010−39761号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置のハードウェアに関する状態を管理するシステム管理手段と、
各アプリケーションからアプリケーションの状態情報及び前記システム管理手段から装置の状態情報を取得する取得手段と、
装置全体の状態を確認するための状態確認画面の表示要求を受け付ける入力手段と、
前記表示要求があった場合、前記取得手段が取得した前記状態情報に基づき、装置の状態表示と、各アプリケーションの状態表示とを1つの画面で行う前記状態確認画面を作成する画面作成手段と、
前記画面作成手段により作成された前記状態確認画面を表示する表示手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記画面作成手段は、
状態を示すアイコンと状態の内容とを関連付けて表示することを前記状態表示とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
装置の所定状態に関連する前記アプリケーション毎に、前記アイコンと前記状態の内容とを保持する状態関連情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記画面作成手段は、
前記装置の状態が前記状態関連情報に含まれる場合、該装置の所定状態に対応するアプリケーションについては、前記状態関連情報に含まれる前記アイコンと前記状態の内容とを優先的に表示させる請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画面作成手段は、
エラーの状態を示す装置又はアプリケーションに関連付けて、エラーの詳細又はエラーの対処方法を表示するためのUI部品を前記状態確認画面内に設ける請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力手段は、ハードキーであり、
前記ハードキーに隣接する位置に、装置全体の状態を示す点灯又は点滅を行う発光部をさらに備える請求項1乃至4いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記発光部は、
前記状態確認画面内の装置の状態及び各アプリケーションの状態に連動して点灯又は点滅する請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画面作成手段は、
前記状態確認画面内に、実行中のジョブを表示するためのUI部品とジョブ履歴を表示するためのUI部品とを設ける請求項1乃至6いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
所定のアプリケーションが前記画像処理装置に追加でインストールされた場合、
前記取得手段は、
前記所定のアプリケーションの状態情報を取得し、
前記画面作成手段は、
前記所定のアプリケーションの状態表示を前記状態確認画面に含める請求項1乃至6いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
各アプリケーションからアプリケーションの状態情報、及び装置のハードウェアに関する状態を管理するシステム管理手段から装置の状態情報を取得する取得ステップと、
装置全体の状態を確認するための状態確認画面の表示要求を受け付ける入力ステップと、
前記表示要求があった場合、前記取得ステップで取得した前記状態情報に基づき、装置の状態表示と、各アプリケーションの状態表示とを1つの画面で行う前記状態確認画面を作成する画面作成ステップと、
前記画面作成ステップにより作成された前記状態確認画面を表示する表示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−102350(P2013−102350A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244717(P2011−244717)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】