説明

画像処理装置,磁気共鳴イメージング装置,および,画像処理方法

【課題】検体にて脳などの特定部位を含む撮像領域について磁気共鳴画像として生成された撮像画像にて、その脳などの特定部位に対応する部分の画像を適正に得る。
【解決手段】被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像IGにて、脳に対応する部分の画像IGSを、マスク画像IMを用いてセグメンテーションする際に、磁気共鳴画像IGのバイナリ画像IBにて画素値が「0」が連結された図形Z1,Z2,Z3を抽出する。その後、その図形Z1,Z2,Z3を構成する画素数に基づいて、バイナリ画像IBにおいて図形の画素値を「0」から「1」へ変換し、マスク画像IMを生成する。そして、このマスク画像IMを用いて、脳に対応する部分の画像IGSを、セグメンテーションする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置,磁気共鳴イメージング装置,および,画像処理方法に関する。特に、被検体にて脳などの特定部位を含む撮像領域について磁気共鳴画像として生成された撮像画像にて、その脳などの特定部位に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションする、画像処理装置,磁気共鳴イメージング装置,および,画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置などのイメージング装置は、被検体の画像をイメージングして、画面に表示する装置であり、特に、医療用途において多く利用されている。
【0003】
磁気共鳴イメージング装置においては、静磁場が形成された撮像空間内に被検体の撮像領域を収容することによって、その撮像領域におけるプロトン(proton)のスピン(spin)を、その静磁場の方向へ整列させて、磁化ベクトルを発生させる。そして、共鳴周波数のRFパルスを照射することによって、核磁気共鳴現象を発生させることにより、スピンをフリップさせ、そのプロトンの磁化ベクトルを変化させる。その後、そのフリップされたプロトンが元の磁化ベクトルの状態に戻る際に発生する磁気共鳴(MR)信号を受信し、その受信された磁気共鳴信号に基づいて、デジタル画像である磁気共鳴画像を再構成する。
【0004】
この磁気共鳴画像などのデジタル画像に対しては、診断目的に応じて、さまざまな画像処理が施されている。たとえば、リジョン・グローイング(Resion Growing)法などのようなセグメンテーション(segmentation)処理が実施される(たとえば、特許文献1,非特許文献1参照)。
【0005】
また、被検体の頭部について磁気共鳴画像を生成し、その磁気共鳴画像を用いて、脳の評価・診断が行われている。この場合においては、標準脳と呼ばれるテンプレート(template)に、その磁気共鳴画像において脳に対応する部分を変形してマッチングさせることが、よく行われている。具体的には、アフィン(Affin)変換によって、磁気共鳴画像において脳に対応する部分を標準脳の形状に変形することで、マッチングが実施される。
【0006】
このマッチングを実施する際においては、前処理として、頭部全体について撮像された磁気共鳴画像から、脳に対応する部分をセグメンテーションする処理が実施されている。この処理は、スカル・ストリッピング(skull stripping)と呼ばれており、多く利用されている(たとえば、特許文献2,特許文献3,非特許文献2参照)。
【0007】
スカル・ストリッピングの実施においては、上記のように被検体の頭部について得た磁気共鳴画像について、バイナライズ(binarize)する。そして、その後、モルフォロジ(Morphology)演算におけるイロージョン(Erosion(収縮))処理とディレーション(Dilation(拡張))処理とを順次実施する(非特許文献3参照)。これにより、脳に対応する部分の画素値が「1」であって、脳に対応する部分以外の部分の画素値が「0」であるバイナリ(binary)画像を得る。
【0008】
そして、このバイナリ画像をマスク画像として用いることによって、被検体にて頭部について生成された磁気共鳴画像にて、脳に対応する部分の画像をセグメンテーションする。つまり、磁気共鳴画像にて脳に対応する部分を残し、脳以外の部分を切り捨てる。
【0009】
その後、上述したように、セグメンテーションされた、脳に対応する部分の画像を、標準脳と呼ばれるテンプレートに対してマッチングさせ、その脳について、評価および診断を実施する。
【0010】
【特許文献1】特開2005−237702号公報
【特許文献2】米国特許出願公報2007/0160277号明細書
【特許文献3】特開2006−331261号公報
【非特許文献1】[平成20年3月14日検索]、インターネット〈http://www.cm.cf.ac.uk/Dave/Vision_lecture/node35.html〉
【非特許文献2】A H. Zhuang etal.'Skull-stripping magnetic resonance brain images using a model-based level set',[online],[平成20年3月14日検索]、インターネット〈http://repositories.cdlib.org/cgi/viewcontent.cgi?article=4893&context=postprints〉
【非特許文献3】鳥脇他、画像情報処理(1),p73−76,コロナ社,2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記のスカル・ストリッピングのようなセグメンテーション処理を実施した際においては、たとえば、脳の抜けや、境界の脳でない部分についても抽出される場合があり、適切にセグメンテーションが実施されない場合がある。
【0012】
図6は、スカル・ストリッピングにおいて、バイナリ画像として得たマスク画像IMaを示す図である。この図6においては、「0」の画素値の部分を黒色で示し、「1」の画素値の部分を白色で示している。
【0013】
図6に示すように、マスク画像IMaにおいては、ところどころに、「0」の画素値で示される空隙が、残ってしまっている。
【0014】
この部分は、正確に抽出された部分である場合もあるが、誤って抽出された部分である場合もある。このため、これに起因して、後処理の実施において適切な処理ができない場合がある。たとえば、上述したマッチングをする際には、アンダーエスティメート(underestimate)になるので、適切な結果が得られない場合がある。
【0015】
このように、被検体にて脳などの特定部位を含む撮像領域について磁気共鳴画像として生成された撮像画像にて、その脳などの特定部位に対応する部分の画像を適正に得ることが困難な場合があった。
【0016】
したがって、本発明は、被検体にて脳などの特定部位を含む撮像領域について磁気共鳴画像として生成された撮像画像にて、その脳などの特定部位に対応する部分の画像を適正に得ることが容易に可能な画像処理装置,磁気共鳴イメージング装置,および,画像処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を達成するために、本発明は、被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、前記脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションすることによって、スカル・ストリッピングを実行する画像処理装置であって、前記磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、前記脳に対応する部分が第1の画素値であって、前記脳に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成部と、前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出部と、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成部とを有し、前記バイナリ画像生成部は、前記磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記脳に対応する部分の重心を、当該脳に対応する部分の形状に基づいて抽出した後に、当該抽出された重心をシードポイントとして、前記バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、前記図形を抽出する。
【0018】
好適には、前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出部が前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定部をさらに有し、前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記範囲設定部によって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する。
【0019】
好適には、前記マスク画像生成部は、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する。
【0020】
本発明は、被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、前記脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションすることによって、スカルストリッピングを実行する画像処理部を有する磁気共鳴イメージング装置であって、前記画像処理部は、前記磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、前記脳に対応する部分が第1の画素値であって、前記脳に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成部と、前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出部と、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成部とを有し、前記バイナリ画像生成部は、前記磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記脳に対応する部分の重心を、当該脳に対応する部分の形状に基づいて抽出した後に、当該抽出された重心をシードポイントとして、前記バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、前記図形を抽出する。
【0021】
好適には、前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出部が前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定部をさらに有し、前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記範囲設定部によって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する。
【0022】
好適には、前記マスク画像生成部は、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する。
【0023】
本発明は、被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、前記脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションすることによって、スカルストリッピングを実行する画像処理方法であって、前記磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、前記脳に対応する部分が第1の画素値であって、前記脳に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成ステップと、前記バイナリ画像生成ステップによって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出ステップと、前記図形抽出ステップによって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成ステップとを有し、前記バイナリ画像生成ステップにおいては、前記磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、前記図形抽出ステップにおいては、前記バイナリ画像において前記脳に対応する部分の重心を、当該脳に対応する部分の形状に基づいて抽出した後に、当該抽出された重心をシードポイントとして、前記バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、前記図形を抽出する。
【0024】
好適には、前記バイナリ画像生成ステップによって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出ステップにて前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定ステップをさらに有し、前記図形抽出ステップにおいては、前記バイナリ画像において前記範囲設定ステップによって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する。
【0025】
好適には、前記マスク画像生成ステップにおいては、前記図形抽出ステップによって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する。
【0026】
本発明は、被検体にて特定部位を含む撮像領域について生成された撮像画像にて、前記特定部位に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションする画像処理装置であって、前記撮像画像についてバイナライズすることによって、前記特定部位に対応する部分が第1の画素値であって、前記特定部位に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成部と、前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出部と、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成部とを有する。
【0027】
好適には、前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出部が前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定部をさらに有し、前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記範囲設定部によって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する。
【0028】
好適には、前記マスク画像生成部は、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、被検体にて脳などの特定部位を含む撮像領域について磁気共鳴画像として生成された撮像画像にて、その脳などの特定部位に対応する部分の画像を適正に得ることが容易に可能な画像処理装置,磁気共鳴イメージング装置,および,画像処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0031】
<実施形態1>
(装置構成)
図1は、本発明にかかる実施形態1において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【0032】
図1に示すように、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有しており、静磁場空間においてスキャン部2が被検体の撮像領域へRFパルスを送信し、そのRFパルスが送信された撮像領域にて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施した後に、そのスキャンの実施によって得られた磁気共鳴信号に基づいて、その撮像領域について磁気共鳴画像を操作コンソール部3が生成する。
【0033】
スキャン部2について説明する。
【0034】
スキャン部2は、図1に示すように、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、クレードル15と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24とを有しており、被検体SUにおいて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施する。スキャン部2は、静磁場が形成された撮像空間B内において、被検体SUにて撮像する撮像領域を収容した後に、その被検体SUの撮像領域におけるスピンを励起するように被検体SUにRFパルスを送信すると共に、そのRFパルスが送信された被検体SUに勾配パルスを送信することによって、被検体SUにおいて発生する磁気共鳴信号を得る。
【0035】
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
【0036】
静磁場マグネット部12は、たとえば、超伝導磁石(図示なし)により構成されており、被検体SUが収容される撮像空間Bに静磁場を形成する。ここでは、静磁場マグネット部12は、クレードル15に載置される被検体SUの体軸方向(z方向)に沿うように静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部12は、一対の永久磁石により構成されていてもよい。
【0037】
勾配コイル部13は、静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に空間位置情報を付加する。ここでは、勾配コイル部13は、静磁場方向に沿ったz方向と、x方向と、y方向との互いに直交する3軸方向に対応するように3系統からなる。これらは、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成するように、各方向に勾配パルスを送信する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル部13は、RFパルスにより励起されたスライスにおいて生ずる磁気共鳴信号について位相エンコードするために被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加する。そして、勾配コイル部13は、RFパルスにより励起されたスライスにおいて生ずる磁気共鳴信号を周波数エンコードするために、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加する。
【0038】
RFコイル部14は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを被検体SUの撮像領域に送信して高周波磁場を形成することによって、被検体SUの撮像領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体SUの撮像領域内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。本実施形態においては、RFコイル部14は、図1に示すように、第1RFコイル14aと、第2RFコイル14bとを有しており、たとえば、第1RFコイル14aが、RFパルスを送信し、第2RFコイル14bが磁気共鳴信号を受信する。
【0039】
クレードル15は、被検体SUを載置するテーブルを有する。クレードル15は、制御部30から出力される制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間においてテーブルを移動する。
【0040】
RF駆動部22は、撮像空間Bに高周波磁場を形成するために、制御部30から出力される制御信号に基づいて、RFコイル部14を駆動させて撮像空間B内にRFパルスを送信させる。ここでは、RF駆動部22は、ゲート変調器(図示なし)を用いて、RF発振器(図示なし)から出力される信号を、所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器(図示なし)によって増幅してRFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
【0041】
勾配駆動部23は、制御部30から出力される制御信号に基づいて、勾配コイル部13を駆動させ、撮像空間B内に勾配磁場を印加させる。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
【0042】
データ収集部24は、制御部30から出力される制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信した磁気共鳴信号を収集する。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信した磁気共鳴信号を、RF駆動部22のRF発振器(図示なし)の出力を参照信号として位相検波器(図示なし)が位相検波する。その後、A/D変換器(図示なし)を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0043】
操作コンソール部3について説明する。
【0044】
操作コンソール部3は、図1に示すように、制御部30と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを有する。
【0045】
操作コンソール部3の各構成要素について、順次、説明する。
【0046】
制御部30は、コンピュータと、コンピュータに所定のデータ処理を実行させるプログラムを記憶するメモリとを有しており、各部を制御する。ここでは、制御部30は、操作部32から出力される操作データが入力され、その入力された操作データに基づいて、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに制御信号を出力し、所定のスキャンを実行させる。そして、これと共に、データ処理部31と表示部33と記憶部34とへ、制御信号を出力し、制御を行う。
【0047】
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムを記憶するメモリとを有しており、制御部30から出力される制御信号に基づいて、データ処理を実施する。具体的には、データ処理部31は、スキャン部2が被検体の撮像領域についてスキャンを実施することによって得た磁気共鳴信号に基づいて、その撮像領域について画像を生成した後に、その生成した画像を表示部33に出力する。
【0048】
本実施形態においては、データ処理部31は、スキャン部2がスキャンを実施して得た磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する。
【0049】
図2は、本発明にかかる実施形態1において、データ処理部31の要部を示すブロック図である。
【0050】
図2に示すように、データ処理部31は、画像生成部301と、第1画像処理部311と、第2画像処理部312と、第3画像処理部313と、第4画像処理部314とを有しており、プログラムによってコンピュータが各部として機能されるように構成されている。
【0051】
詳細については後述するが、本実施形態においては、データ処理部31は、被検体SUの頭部についてスキャン部2がスキャンを実施して得た磁気共鳴信号に基づいて、磁気共鳴画像を生成後、その磁気共鳴画像についてスカル・ストリッピングを実行するように構成されている。つまり、被検体SUにて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションする。
【0052】
データ処理部31の各部について説明する。
【0053】
データ処理部31の画像生成部301は、スキャン部2がスキャンを実行することによって得られた磁気共鳴信号をローデータとし、被検体SUの撮像領域についての磁気共鳴画像をデジタル画像として生成する。具体的には、k空間に対応するように収集された磁気共鳴信号を、逆フーリエ変換することによって、磁気共鳴画像を再構成する。本実施形態においては、上記したように、画像生成部301は、被検体SUの頭部についてスキャン部2がスキャンを実施して得た磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴画像を生成する。
【0054】
データ処理部31の第1画像処理部311は、画像生成部301によって被検体SUの頭部について生成された磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、バイナリ画像を生成する。具体的には、第1画像処理部311は、被検体SUにおいて脳に対応する部分について画素値が「1」であって、その脳に対応する部分以外の部分を画素値が「0」になるように、このバイナリ画像を生成する。ここでは、第1画像処理部は、上記の磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、このバイナリ画像を生成するように構成されている。
【0055】
データ処理部31の第2画像処理部312は、第1画像処理部311によって生成されたバイナリ画像において、画素値が「0」である画素が連結されて構成されている図形を抽出する処理を実行する。詳細については後述するが、第2画像処理部312は、バイナリ画像において脳に対応する部分の重心を、その脳に対応する部分の形状に基づいて抽出する。その後、その抽出された重心をシードポイントとして、バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、この図形を抽出する。
【0056】
データ処理部31の第3画像処理部313は、第2画像処理部312によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、バイナリ画像において、その図形の画素値を「0」から「1」へ変換することによって、マスク画像を生成する。詳細については後述するが、第3画像処理部313は、第2画像処理部312によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、その図形の画素値を「0」から「1」へ変換するように構成されている。
【0057】
データ処理部31の第4画像処理部314は、画像生成部301によって被検体SUの頭部について生成された磁気共鳴画像にて、脳に対応する部分の画像を、第3画像処理部313によって生成されたマスク画像を用いてセグメンテーションする画像処理を実施する。詳細については後述するが、第4画像処理部314は、磁気共鳴画像にてマスク画像の画素値が「1」である画素を、そのまま残し、マスク画像の画素値が「0」である部分の画素を、「0」の画素値に置換することで、脳に対応する部分の画像が切り出され、その脳以外の部分が切り捨てられた画像を得る。
【0058】
操作コンソール部3の他の構成要素について説明する。
【0059】
操作部32は、キーボードやポインティングデバイスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作データが入力され、その操作データを制御部30に出力する。
【0060】
表示部33は、CRTなどの表示デバイスによって構成されており、制御部30から出力される制御信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。たとえば、表示部33は、オペレータによって操作部32に操作データが入力される入力項目を示す入力画像を表示画面に複数表示する。また、表示部33は、データ処理部31にて生成される被検体SUの撮像領域についての画像のデータを受け、表示画面にその画像を表示する。
【0061】
記憶部34は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶部34は、その記憶されたデータが必要に応じて、制御部30、データ処理部31,表示部33によってアクセスされる。
【0062】
(動作)
以下より、上記の本発明にかかる実施形態の磁気共鳴イメージング装置1が被検体SUの撮像領域について画像を生成する際の動作について説明する。ここでは、下記ステップをコンピュータに実施させるプログラムを用いて、本動作が実行される。
【0063】
図3は、本発明にかかる実施形態1において、スカル・ストリッピングを実行する際の動作を示すフロー図である。また、図4は、本発明にかかる実施形態1において、スカル・ストリッピングを実行する際の各ステップにて得られる画像を示す図である。この図4においては、「0」の画素値の部分を黒色で示し、「1」の画素値の部分を白色で示している。
【0064】
まず、図3に示すように、被検体の撮像領域について磁気共鳴画像を生成する(S11)。
【0065】
ここでは、静磁場が形成された撮像空間Bにおいて、スキャン部2が被検体の撮像領域についてスキャンを実施し、磁気共鳴信号を収集する。そして、その収集した磁気共鳴信号に基づいて、操作コンソール部3のデータ処理部31における画像生成部301が、その撮像領域について磁気共鳴画像を再構成する。具体的には、k空間に対応するように収集された磁気共鳴信号を、逆フーリエ変換することによって、デジタル画像である磁気共鳴画像を再構成する。
【0066】
図4(a)は、本ステップにて生成される磁気共鳴画像IGを示す図である。
【0067】
本実施形態においては、図4(a)に示すように、被検体にて脳を含んでいる頭部についてスキャンを実施し、その頭部について磁気共鳴画像IGを生成する。
【0068】
つぎに、図3に示すように、バイナリ画像を生成する(S21)。
【0069】
ここでは、画像生成部301によって被検体SUの頭部について生成された磁気共鳴画像IGについて、第1画像処理部311がバイナライズすることによって、バイナリ画像IBを生成する。
【0070】
本実施形態においては、従来と同様に、ヒストグラムに基づいて磁気共鳴画像をバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、このバイナリ画像IBを生成する。たとえば、本ステップにおけるイロージョン処理とディレーション処理との処理回数を指定する指令が、オペレータによって操作部32に入力され、その入力された指令に対応するように、随時、本処理が実行され、バイナリ画像IBが生成される。
【0071】
具体的には、図4(b)に示すように、被検体SUにおいて脳に対応する部分について画素値が「1」であって、その脳に対応する部分以外の部分を画素値が「0」になるように、このバイナリ画像IBを生成する。
【0072】
つぎに、図3に示すように、バイナリ画像に含まれる図形の抽出を実施する(S31)。
【0073】
ここでは、上記にて生成されたバイナリ画像IBにおいて、画素値が「0」である画素が連結されて構成されている図形を抽出する画像処理を、データ処理部31の第2画像処理部312が実行する。
【0074】
本実施形態においては、図4(c)に示すように、バイナリ画像IBにおいて脳に対応する部分の重心JSを、その脳に対応する部分の形状に基づいて抽出する。具体的には、バイナリ画像IBにおいて画素値が「1」である複数の画素のX方向における中心位置とY方向における中心位置とを算出することによって、重心JSを求める。
【0075】
そして、その抽出された重心JSをシードポイントとして、バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施する(非特許文献1参照)。これにより、このバイナリ画像IBにおいて画素値が「0」の画素が連結した部分を、図形として抽出する。具体的には、図4(c)に示すように、たとえば、バイナリ画像IBにおいて脳室に対応する部分に位置する図形Z1と、その左側に位置する図形Z2と、背景を構成する図形Z3とが抽出される。
【0076】
つぎに、図3に示すように、マスク画像を生成する(S41)。
【0077】
ここでは、上記のバイナリ画像IBについて第3画像処理部313が画像処理を実施することで、マスク画像を生成する。
【0078】
本実施形態では、上記にて抽出された図形Z1,Z2,Z3を構成する画素数に基づいて、バイナリ画像IBにおいて、その図形Z1,Z2,Z3の画素値を「0」から「1」へ変換し、図4(d)に示すように、マスク画像IMを生成する。
【0079】
具体的には、各図形Z1,Z2,Z3を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、その図形Z1,Z2,Z3の画素値を「0」から「1」へ変換することによって、マスク画像IMを生成する。
【0080】
たとえば、閾値が10個である場合において、図形Z1,Z2のそれぞれを構成する画素数が、10個以下であり、図形Z3を構成する画素数が、10個を越える場合には、図4(d)に示すように、図形Z1,Z2の画素値を「0」から「1」へ変換し、マスク画像IMを生成する。
【0081】
つぎに、図3に示すように、磁気共鳴画像において脳に対応する部分がセグメンテーションされた画像を生成する(S51)。
【0082】
ここでは、上記のステップS11にて被検体SUの頭部について生成された磁気共鳴画像IGにおいて、脳に対応する部分の画像をセグメンテーションする画像処理を、データ処理部31の第4画像処理部314が実施する。
【0083】
本実施形態においては、上記のステップS41にて生成されたマスク画像IMを用いて、この画像処理を実行する。
【0084】
具体的には、磁気共鳴画像IGにおいて、マスク画像IMの画素値が「1」である画素を、そのまま残すと共に、マスク画像IMの画素値が「0」である部分の画素を、「0」の画素値に置換する。
【0085】
これにより、図4(e)に示すように、脳に対応する部分の画像が切り出され、その脳以外の部分が切り捨てられた画像IGSを得る。
【0086】
その後、必要に応じて、適宜、後処理を実行する。
【0087】
そして、上記のように各画像処理を実施することによって得た画像を表示する。
【0088】
以上のように、本実施形態においては、被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像IGにて、脳に対応する部分の画像IGSを、マスク画像IMを用いてセグメンテーションする際においては、上記したように、磁気共鳴画像IGのバイナリ画像IBにて画素値が「0」が連結された図形Z1,Z2,Z3を抽出する。そして、その後、その図形Z1,Z2,Z3を構成する画素数に基づいて、バイナリ画像IBにおいて図形の画素値を「0」から「1」へ変換することによって、マスク画像IMを生成する。そして、このマスク画像IMを用いて、脳に対応する部分の画像IGSを、セグメンテーションする。
【0089】
このため、本実施形態においては、脳の抜けや、境界の脳でない部分について抽出されることを防止できるので、適切にセグメンテーションを実施することができる。
【0090】
また、本実施形態においては、後処理において適切な処理を実行可能である。つまり、従来においては、たとえば、図6に示したマスク画像IMaを用いた場合、磁気共鳴画像において脳室に対応する画素の画素値は、「0」になるが、本実施形態においては、この部分の画素値は、ノイズレベル程度に上がる。
【0091】
したがって、本実施形態では、標準脳へマッチングをする際に適切な結果が得られる。
【0092】
また、本実施形態において図形Z1,Z2,Z3の抽出を実施する際においては、バイナリ画像IBにおいて脳に対応する部分の重心JSを、その脳に対応する部分の形状に基づいて抽出する。そして。その後、その抽出された重心JSをシードポイントとして、バイナリ画像IBについてリジョン・グローイングを実施することによって、この図形Z1,Z2,Z3を抽出する。
【0093】
したがって、本実施形態では、高速に図形の抽出を実行できる。
【0094】
<実施形態2>
以下より、本発明にかかる実施形態2について説明する。
【0095】
図5は、本発明にかかる実施形態2において、データ処理部31の要部を示すブロック図である。
【0096】
図5においては、データ処理部31は、範囲設定部321として、さらに機能するように構成されている。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。したがって、重複する箇所については、その記載を省略する。
【0097】
範囲設定部321は、第1画像処理部311によって生成されたバイナリ画像において、第2画像処理部312が図形を抽出する範囲を設定する。たとえば、範囲設定部321は、オペレータによって操作部32に入力されたバイナリ画像における座標位置情報を、制御部30を介して受け、その座標位置情報に対応するように、バイナリ画像において第2画像処理部312に図形を抽出させる範囲を設定する。たとえば、バイナリ画像において、脳室に対応する部分の近辺を選択し、範囲を設定する。なお、バイナリ画像の画素データに基づいて上記の脳室に対応する部分の座標位置を認識することによって、第2画像処理部312に図形を抽出させる範囲を自動的に設定するように構成されていても良い。
【0098】
そして、第2画像処理部312は、このバイナリ画像において範囲設定部321によって設定された範囲について、図形を抽出する処理を実施する。
【0099】
以上のように、本実施形態においては、範囲設定部321によって設定された範囲について、バイナリ画像から図形を抽出する処理を実施する。このため、実施形態1の効果のほか、高速に図形の抽出を実行できる。
【0100】
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、各発明特定事項を、置換または組み合わせするなど、種々の変形例を採用することができる。
【0101】
たとえば、本実施形態においては、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実行する処理回数が、オペレータによって入力された指令に基づいて設定され実行される場合について示しているが、これに限定されない。たとえば、所定の基準を予め定めて、本処理回数を自動設定するように構成してもよい。
【0102】
また、磁気共鳴信号に基づいて被検体の頭部について生成された磁気共鳴画像に関して、本実施形態における画像処理を実施しているが、これに限定されない。たとえば、被検体の他の部位について生成された画像について適用してもよい。また、X線CT装置にてスキャンが実施されることで得られた投影データや、超音波画像診断装置でのスキャンの実施にて得たエコー信号などを、ローデータとして生成された画像について、適用してもよい。
【0103】
なお、上記の実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1は、本発明の磁気共鳴イメージング装置に相当する。また、上記の実施形態において、データ処理部31は、本発明の画像処理装置に相当する。また、上記の実施形態において、第1画像処理部311は、本発明のバイナリ画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、第2画像処理部312は、本発明の図形抽出部に相当する。また、上記の実施形態において、第3画像処理部313は、本発明のマスク画像生成部に相当する。また、上記の実施形態において、範囲設定部321は、本発明の範囲設定部に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態1において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態1において、データ処理部31の要部を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明にかかる実施形態1において、スカル・ストリッピングを実行する際の動作を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態1において、スカル・ストリッピングを実行する際の各ステップにて得られる画像を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態2において、データ処理部31の要部を示すブロック図である。
【図6】図6は、スカル・ストリッピングにおいて、バイナリ画像として得たマスク画像IMaを示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1:磁気共鳴イメージング装置(磁気共鳴イメージング装置)、2:スキャン部、3:操作コンソール部、12:静磁場マグネット部、13:勾配コイル部、14:RFコイル部、14a:第1RFコイル、14b:第2RFコイル、15:クレードル、22:RF駆動部、23:勾配駆動部、24:データ収集部、30:制御部、31:データ処理部(画像処理装置)、32:操作部、33:表示部、34:記憶部、301:画像生成部、311:第1画像処理部(バイナリ画像生成部)、312:第2画像処理部(図形抽出部)、313:第3画像処理部(マスク画像生成部)、314:第4画像処理部、321:範囲設定部(範囲設定部)、B:撮像空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、前記脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションすることによって、スカル・ストリッピングを実行する画像処理装置であって、
前記磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、前記脳に対応する部分が第1の画素値であって、前記脳に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成部と、
前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出部と、
前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成部と
を有し、
前記バイナリ画像生成部は、前記磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、
前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記脳に対応する部分の重心を、当該脳に対応する部分の形状に基づいて抽出した後に、当該抽出された重心をシードポイントとして、前記バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、前記図形を抽出する
画像処理装置。
【請求項2】
前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出部が前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定部
をさらに有し、
前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記範囲設定部によって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記マスク画像生成部は、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する、
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、前記脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションすることによって、スカルストリッピングを実行する画像処理部を有する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記画像処理部は、
前記磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、前記脳に対応する部分が第1の画素値であって、前記脳に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成部と、
前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出部と、
前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成部と
を有し、
前記バイナリ画像生成部は、前記磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、
前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記脳に対応する部分の重心を、当該脳に対応する部分の形状に基づいて抽出した後に、当該抽出された重心をシードポイントとして、前記バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、前記図形を抽出する
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出部が前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定部
をさらに有し、
前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記範囲設定部によって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する、
請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記マスク画像生成部は、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する、
請求項4または5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
被検体にて脳を含む撮像領域について生成された磁気共鳴画像にて、前記脳に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションすることによって、スカルストリッピングを実行する画像処理方法であって、
前記磁気共鳴画像についてバイナライズすることによって、前記脳に対応する部分が第1の画素値であって、前記脳に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成ステップと、
前記バイナリ画像生成ステップによって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出ステップと、
前記図形抽出ステップによって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成ステップと
を有し、
前記バイナリ画像生成ステップにおいては、前記磁気共鳴画像についてバイナライズした後に、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実施し、
前記図形抽出ステップにおいては、前記バイナリ画像において前記脳に対応する部分の重心を、当該脳に対応する部分の形状に基づいて抽出した後に、当該抽出された重心をシードポイントとして、前記バイナリ画像についてリジョン・グローイングを実施することによって、前記図形を抽出する
画像処理方法。
【請求項8】
前記バイナリ画像生成ステップによって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出ステップにて前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定ステップ
をさらに有し、
前記図形抽出ステップにおいては、前記バイナリ画像において前記範囲設定ステップによって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する、
請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記マスク画像生成ステップにおいては、前記図形抽出ステップによって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する、
請求項7または8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
被検体にて特定部位を含む撮像領域について生成された撮像画像にて、前記特定部位に対応する部分の画像を、マスク画像を用いてセグメンテーションする画像処理装置であって、
前記撮像画像についてバイナライズすることによって、前記特定部位に対応する部分が第1の画素値であって、前記特定部位に対応する部分以外の部分が前記第1の画素値と異なる第2の画素値であるバイナリ画像を生成するバイナリ画像生成部と、
前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において前記第2の画素値が連結された図形を抽出する図形抽出部と、
前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数に基づいて、前記バイナリ画像において前記図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換することによって、前記マスク画像を生成するマスク画像生成部と
を有する
画像処理装置。
【請求項11】
前記バイナリ画像生成部によって生成されたバイナリ画像において、前記図形抽出部が前記図形を抽出する範囲を設定する範囲設定部
をさらに有し、
前記図形抽出部は、前記バイナリ画像において前記範囲設定部によって設定された範囲について、前記図形を抽出する処理を実施する、
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記マスク画像生成部は、前記図形抽出部によって抽出された図形を構成する画素数が、予め設定された閾値以下である場合に、当該図形の画素値を前記第2の画素値から前記第1の画素値へ変換する、
請求項10または11に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−247534(P2009−247534A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98138(P2008−98138)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】