説明

画像処理装置

【課題】文字のビットマップデータを重ね合わせることによって文字の太さを変更するようにして、使用者の好みの太さの文字を容易に生成することができるようにする。
【解決手段】文字の線の太さを変更するウエイト変更手段を有する画像処理装置において、前記文字のビットマップデータを生成する生成部と、該生成部によって生成されたビットマップデータをコピーするコピー部16aと、前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記コピー部16aによってコピーされたコピーデータと前記生成部によって生成されたビットマップデータとを所定量ずらして重ね合わせる重合部19aと、前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記重合部19aによって重ね合わされた重合データから前記文字に対応するビットマップデータを生成するデータ生成部19bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ装置においては、アウトラインフォント等のフォントの文字の太さ、すなわち、ウエイトを変化させるために、ページ記述言語によってウエイトを指定する手段を備えている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、前記プリンタ装置は、内蔵されている指定ウエイトに相当するフォントを使用するので、フォントの輪郭線は段階的に太くなるようになっている。
【特許文献1】特開平7−52463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のプリンタ装置においては、極わずかにウエイトを太くしたり細くしたりするというように、ウエイトを微調整することができなかった。また、ウエイトを微調整することができるようにする場合には、様々なウエイトのフォントを記憶手段に記憶させる必要があり、フォントデータのための記憶容量が増加してしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の画像処理装置の問題点を解決して、文字のビットマップデータを重ね合わせることによって文字の太さを変更するようにして、使用者の好みの太さの文字を容易に生成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の画像処理装置においては、文字の線の太さを変更するウエイト変更手段を有する画像処理装置において、前記文字のビットマップデータを生成する生成部と、該生成部によって生成されたビットマップデータをコピーするコピー部と、前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記コピー部によってコピーされたコピーデータと前記生成部によって生成されたビットマップデータとを所定量ずらして重ね合わせる重合部と、前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記重合部によって重ね合わされた重合データから前記文字に対応するビットマップデータを生成するデータ生成部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像処理装置は、文字のビットマップデータを重ね合わせることによって文字の太さを変更するようになっている。そのため、使用者の好みの太さの文字を容易に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構成を示すブロック図である。
【0009】
図において、11は画像処理装置としてのプリンタ装置であり、図示されないパーソナルコンピュータ等の上位装置が送信するページ記述言語における印字コマンドを解析し、指定のフォントで印刷を行うようになっている。なお、前記プリンタ装置11はインクジェット式、電子写真式、熱転写式等いかなる種類のプリンタ装置であってもよい。
【0010】
そして、前記プリンタ装置11は、上位装置が送信したページ記述言語を解析するページ記述言語解析部12、前記ページ記述言語のうちテキスト描画に関連するコマンドを扱うテキスト描画部13、プリンタ装置11の使用者が入力したプリンタ装置11の設定を受け付けるプリンタ設定操作盤14、該プリンタ設定操作盤14に入力された文字の太さ、すなわち、ウエイトの設定状態を保持する設定保持部15、及び、フォントのウエイトの調節量を格納する不揮発性メモリ15aを有する。ここで、前記プリンタ設定操作盤14、設定保持部15及び不揮発性メモリ15aは、文字の線の太さを変更するウエイト変更手段としてのウエイト変更部22を構成する。
【0011】
また、前記プリンタ装置11は、描画するフォントがアウトラインフォントである場合、後述されるフォントラスタライザであるビットマップデータ生成部17にビットマップデータを生成させ、指定のフォントがビットマップフォントである場合はフォントデータ18から文字コードに該当するビットマップデータの格納位置を検索する文字管理部16を有する。なお、該文字管理部16は、生成されたビットマップデータをコピーするコピー部16aを備える。
【0012】
さらに、前記プリンタ装置11は、前記フォントデータ18から指定の文字コードに該当する1文字分の輪郭線情報を読み込み、ビットマップ形式の文字、すなわち、文字のビットマップデータを生成するフォントラスタライザとしてのビットマップデータ生成部17、及び、ビットマップデータに対して設定保持部15に記憶しているウエイト設定値から文字の輪郭線を補正する文字合成部19を有する。ここで、該文字合成部19は、前記コピー部16aによってコピーされたコピーデータと前記ビットマップデータ生成部17によって生成されたビットマップデータとを前記ウェイト変更部22で設定された設定値に基づき、所定量ずらして重ね合わせる重合部19a、及び、前記ウエイト変更部22で設定された設定値に基づき、前記重合部19aによって重ね合わされた重合データから文字に対応するビットマップデータを生成するデータ生成部19bを備える。
【0013】
さらに、前記プリンタ装置11は、文字、図形等のページに描画する内容を中間言語に変換するページデータ生成部20、及び、該ページデータ生成部20が中間言語として生成したページ描画内容をすべてドットデータに展開して印刷する展開部21を有する。
【0014】
次に、前記構成のプリンタ装置11の動作について説明する。ここでは、文字の輪郭線を補正する輪郭補正の動作について説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ設定操作盤(オペレータパネル)の例を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における重合データから文字に対応するビットマップデータを得る動作を示す第1の図、図4は本発明の第1の実施の形態における重合データから文字に対応するビットマップデータを得る動作を示す第2の図、図5は本発明の第1の実施の形態における動作を示す第1のフローチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における動作を示す第2のフローチャートである。
【0016】
まず、プリンタ装置11の使用者は、図2に示されるようなプリンタ装置11上に配設されたプリンタ設定操作盤14からフォントのウエイトの調節量を設定する。該フォントのウエイトの調節量は、例えば、上限を+10(10ビット太く)、下限を−10(10ビット細く)とする範囲とし、プリンタ装置11の使用者が前記調節量の設定を行わない場合の標準調節量は0とする。なお、図2(a)は、プリンタ装置11の使用者がフォントのウエイトの調節量の設定を行わない例を示し、図2(b)は、プリンタ装置11の使用者がフォントのウエイトの調節量を−3に設定した例を示している。
【0017】
続いて、前記プリンタ設定操作盤14は、設定されたフォントのウエイトの調節量を設定保持部15に通知する。そして、該設定保持部15は、通知された前記調節量を不揮発性メモリ15aに格納して保存する。これにより、プリンタ装置11の電源を落としても、次に電源を入れる際は、前記不揮発性メモリ15aから保存してある前記調節量を読み出し、設定を復元することができるようになっている。
【0018】
次に、プリンタ装置11が上位装置からページ記述言語を受信すると、ページ記述言語解析部12は該当するコマンド処理を起動する。前記ページ記述言語に含まれるコマンド群のうちフォント、フォントの傾きや太さ、テキストのサイズ等のテキスト印字に関連するものについては、テキスト描画部13にコマンドの内容が通知される。なお、本実施の形態におけるプリンタ装置11は、ページ記述言語によってテキスト以外の図形描画やイメージに関するコマンドも解析して印刷することが可能であるが、テキスト以外の図形描画やイメージについては、説明を省略する。ページ記述言語には、印刷用紙に対して0度、90度、180度及び270度の4方向に編集方向を指定するコマンドが含まれている。なお、ビットマップフォントは、正立(0度)の状態をビットマップ化したものが一般的である。
【0019】
続いて、プリンタ装置11が上位装置から印字コードを受信すると、テキスト描画部13は、その時点までに解析したフォント設定とともに、前記印字コードを文字管理部16に通知する。
【0020】
そして、指定のフォントがアウトラインフォントの場合は、ビットマップデータ生成部17に文字を生成させる。該ビットマップデータ生成部17は、文字管理部16が指定したフォントと印字コードに該当する輪郭線座標データをフォントデータ18から読み取り、後述される編集方向を加味して回転を掛けた状態のビットマップデータをプリンタ装置11に搭載されているメモリ上に生成する。
【0021】
次に、文字管理部16は、指定のフォントがビットマップフォントである場合、フォントデータ18内の指定のフォント及び指定の文字コードを検索し、ビットマップデータの格納位置を取得する。
【0022】
また、編集方向として0度以外が指定されている、すなわち、編集方向に回転が必要である場合は、プリンタ装置11に搭載されているメモリ上に回転を加えたビットマップデータを生成する。そして、コピー部16aは、生成されたビットマップデータをコピーする。また、前記文字管理部15は使用するビットマップデータの格納位置を文字合成部19に通知する。
【0023】
続いて、該文字合成部19の重合部19aは、文字の回転方向を検出する。そして、文字合成部19は不揮発性メモリ15aに保存されていたフォントのウエイトの調節量を取り出して参照する。また、文字合成部19のデータ生成部19bは、フォントのウエイトの調節量に基づくずらし量及び回転方向に基づくずらし方向によってビットマップデータとコピーデータとを重ね合わせる。
【0024】
続いて、前記フォントのウエイトの設定が判断される。すなわち、フォントのウエイトの調節量がプラスであるか又はマイナスであるかが判断される。なお、プリンタ装置11の使用者が前記調節量の設定を行っておらず、前記調節量が0である場合には、文字の輪郭線の補正は行われない。
【0025】
そして、前記調節量がプラスである場合、データ生成部19bは、取得したビットマップデータと前記調節量分ドットをずらしたそのビットマップデータ自身との論理和を採った状態を前記メモリ上に生成する。すなわち、重合データのORデータ部分を選択し、ビットマップデータの合成によって文字の輪郭を太らせる。なお、ずらす方向は、印刷用紙に対する編集方向によって異なり、図3に示されるように、編集方向が0度の場合は右、90度の場合は上、180度の場合は左、及び、270度の場合は下とする。ここで、編集方向が90度の場合、0度の場合と同様に右にずらすと、文字の形状が0度のものと変わってしまうので、上にずらすようになっている。なお、例えば、編集方向が270度の場合には、左及び下にずらしてもよいが、右上部分に切り欠きが発生した箇所を埋めるための補正を行う必要がある。
【0026】
また、サイズが小さいフォントに対して前記調節量としてのマイナス値(細らせる)が指定されている場合は、文字の輪郭線が細くなりすぎるので、フォントのサイズが一定のサイズ以下のときは、文字の輪郭線の補正は行われないようにしてもよい。。
【0027】
そして、前記調節量がマイナスである場合、データ生成部19bは、取得したビットマップデータと調節量分ドットをずらしたそのビットマップデータ自身とで論理積を行った結果を前記メモリ上の生成する。すなわち、重合データのANDデータ部分を選択し、ビットマップデータの合成によって文字の輪郭を細らせる。なお、ずらす方向は印刷用紙に対する編集方向によって異なり、図4に示されるように、0度は左、90度は下、180度は右、270度は上とする。
【0028】
次に、文字合成部19は、ページデータ生成部20に印刷用紙上の文字の位置とともに補正後のビットマップデータの格納アドレスを通知する。そして、前記ページデータ生成部20は、ページ排出指定が通知されるまで、描画データを中間言語として溜(た)め込み、印刷する。
【0029】
続いて、前記ページ記述言語解析部12は、改ページコマンドを受信すると、ページデータ生成部20に対してページ排出指定を通知する。前記ページデータ生成部20は展開部21に1ページ分の印刷データを渡して印刷する。
【0030】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 プリンタ装置11の使用者がプリンタ設定操作盤14からフォントのウエイトの調節量を設定する。
ステップS2 プリンタ設定操作盤14に入力されたフォントのウエイトの調節量を設定保持部15に保存する。
ステップS3 ページ記述言語による文字印字を含む印刷データを受信する。
ステップS4 フォント、印字コード等印字する文字に関する指定を蓄積する。
ステップS5 指定のフォントのデータ形式を判断する。データ形式がアウトラインフォントである場合はステップS6に進み、ビットマップフォントである場合はステップS7に進む。
ステップS6 ビットマップデータ生成部17がビットマップ形式の文字を生成する。
ステップS7 指定のフォント、文字コードに該当するビットマップデータを検索する。
ステップS8 編集方向に回転が必要であるか否かを判断する。編集方向に回転が必要である場合はステップS9に進み、編集方向に回転が必要でない場合はステップS10に進む。
ステップS9 ビットマップデータを回転する。
ステップS10 ビットマップデータをコピーする。
ステップS11 文字の回転方向を検出する。
ステップS12 ウエイトの調節量を取り出す。
ステップS13 ウエイトの調節量に基づくずらし量及び回転方向に基づくずらし方向によって、ビットマップデータとコピーデータとを重ね合わせる。
ステップS14 ウエイトの設定を判断する。細らせ指定である場合はステップS16に進み、太らせ指定である場合はステップS15に進み、調節量が0である場合はステップS18に進む。
ステップS15 ORデータ部分を選択し、ビットマップデータの合成によって輪郭を太らせる。
ステップS16 フォントサイズが有効であるか否かを判断する。フォントサイズが有効である場合はステップS17に進み、フォントサイズが無効である場合はステップS18に進む。
ステップS17 ANDデータ部分を選択し、ビットマップデータの合成によって輪郭を細らせる。
ステップS18 補正終了後のビットマップデータ及び用紙上の印字位置を中間言語に変換する。
ステップS19 1ページ分のページ記述言語の解析が終了した場合は印刷を行い、処理を終了する。
【0031】
このように、本実施の形態においては、プリンタ設定操作盤14に入力されたフォントのウエイトの調節量に従ってアウトラインフォントから生成したビットマップデータ又はビットマップフォントの文字の太さ、すなわち、ウエイトが変化するので、プリンタ装置11の使用者は好みのウエイトの印字結果を得ることができる。
【0032】
また、ビットマップデータの重ね合わせによって実現しているので、複雑な計算処理が不要であり、文字形成処理が速くなる。
【0033】
さらに、文字の回転方向に応じてデータのずらす方向を変えるので、文字の回転方向によらず文字の形状を同じにすることができる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0035】
図7は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の構成を示すブロック図、図8は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ設定操作盤の例を示す図である。
【0036】
前記第1の実施の形態においては、プリンタ装置11のプリンタ設定操作盤14によるウエイト設定がすべてのフォントに対して適用されるようになっているが、本実施の形態においては、ウエイトの設定をフォント毎に使い分けることができる。そのため、本実施の形態における不揮発性メモリ15aは、図7に示されるように、フォント毎に対応付けてウエイトの調節量を格納するようになっている。また、前記第1の実施の形態においては、図2に示されるように、プリンタ設定操作盤14における左右の矢印キーによってウエイトを選択するだけであるのに対し、本実施の形態においては、図8に示されるように、プリンタ設定操作盤14における左右の矢印キーによってウエイトを選択するとともに、上下の矢印キーによってフォントを選択するようになっている。なお、図8(a)は、プリンタ装置11の使用者がフォントのウエイトの調節量の設定を行わない例を示し、図8(b)は、プリンタ装置11の使用者がフォントNo.0のウエイト量の調節量を6に設定した例を示し、図8(c)は、プリンタ装置11の使用者がフォントNo.1のウエイト量の調節量を−1に設定した例を示している。
【0037】
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置11の輪郭補正の動作について説明する。
【0038】
図9は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の動作を示す第1のフローチャート、図10は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【0039】
まず、プリンタ装置11の使用者は、図8に示されるようなプリンタ装置11上に配設されたプリンタ設定操作盤14からフォント毎にウエイトの調節量を設定する。該フォントのウエイトの調節量は、例えば、上限を+10、下限を−10とする範囲とし、プリンタ装置11の使用者が前記調節量の設定を行わない場合の標準調節量は0とする。なお、前記第1の実施の形態においては、ウエイトの調節量に関する設定項目は1種類だけであり、その設定がすべてのフォントに対して反映されるのに対して、本実施の形態においては、フォント毎にウエイトの調節量の設定項目が存在する。
【0040】
続いて、前記プリンタ設定操作盤14は、設定されたフォントのウエイトの調節量を設定保持部15に通知する。そして、該設定保持部15は、通知された前記調節量を不揮発性メモリ15aに格納して保存する。なお、前記第1の実施の形態においては、不揮発性メモリ15aに保存するのが1つの調節量であるのに対して、本実施の形態においては、フォント毎の調節量をすべて保存する。
【0041】
これ以降、文字合成部19の重合部19aが文字の回転方向を検出するまでの動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0042】
そして、文字合成部19は不揮発性メモリ15aに保存されていたフォントのウエイトの調節量を取り出して参照する。ここで、前記第1の実施の形態においては、1つしか存在しないウエイトの調節量を参照するのに対して、本実施の形態においては、指定されたフォントに対応するウエイトの調節量を参照する。なお、これ以降の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0043】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 プリンタ装置11の使用者がプリンタ設定操作盤14からフォント毎にウエイトの調節量を設定する。
ステップS22 プリンタ設定操作盤14に入力されたフォント毎のウエイト設定を設定保持部15に保存する。
ステップS23 ページ記述言語による文字印字を含む印刷データを受信する。
ステップS24 フォント、印字コード等印字する文字に関する指定を蓄積する。
ステップS25 指定のフォントのデータ形式を判断する。データ形式がアウトラインフォントである場合はステップS26に進み、ビットマップフォントである場合はステップS27に進む。
ステップS26 ビットマップデータ生成部17がビットマップ形式の文字を生成する。
ステップS27 指定のフォント、文字コードに該当するビットマップデータを検索する。
ステップS28 編集方向に回転が必要であるか否かを判断する。編集方向に回転が必要である場合はステップS29に進み、編集方向に回転が必要でない場合はステップS30に進む。
ステップS29 ビットマップデータを回転する。
ステップS30 ビットマップデータをコピーする。
ステップS31 文字の回転方向を検出する。
ステップS32 指定のフォントに対するウエイトの調節量を取り出す。
ステップS33 ウエイトの調節量に基づくずらし量及び回転方向に基づくずらし方向によって、ビットマップデータとコピーデータとを重ね合わせる。
ステップS34 ウエイトの設定を判断する。細らせ指定である場合はステップS36に進み、太らせ指定である場合はステップS35に進み、調節量が0である場合はステップS38に進む。
ステップS35 ORデータ部分を選択し、ビットマップデータの合成によって輪郭を太らせる。
ステップS36 フォントサイズが有効であるか否かを判断する。フォントサイズが有効である場合はステップS37に進み、文字サイズが無効である場合はステップS38に進む。
ステップS37 ANDデータ部分を選択し、ビットマップデータの合成によって輪郭を細らせる。
ステップS38 補正終了後のビットマップデータ及び用紙上の印字位置を中間言語に変換する。
ステップS39 1ページ分のページ記述言語の解析が終了した場合は印刷を行い、処理を終了する。
【0044】
このように、本実施の形態においては、フォント毎にウエイトの調節量を指定することができるので、光学文字読み取り用フォント、バーコードフォント等のように、文字形状や輪郭線が規格で定められ、補正を加えてはいけないフォントを補正の対象外とすることができる。
【0045】
なお、前記第1及び第2の実施の形態は、上位装置からページ記述言語によって文字描画コマンドを受信し、内部で印刷イメージを生成する印刷装置に適用することができる。また、表示装置に送信するデータ生成処理にも適用することができる。
【0046】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ設定操作盤の例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における重合データから文字に対応するビットマップデータを得る動作を示す第1の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における重合データから文字に対応するビットマップデータを得る動作を示す第2の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における動作を示す第1のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における動作を示す第2のフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ設定操作盤の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
11 プリンタ装置
16a コピー部
17 ビットマップデータ生成部
19a 重合部
19b データ生成部
22 ウエイト変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字の線の太さを変更するウエイト変更手段を有する画像処理装置において、
(a)前記文字のビットマップデータを生成する生成部と、
(b)該生成部によって生成されたビットマップデータをコピーするコピー部と、
(c)前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記コピー部によってコピーされたコピーデータと前記生成部によって生成されたビットマップデータとを所定量ずらして重ね合わせる重合部と、
(d)前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記重合部によって重ね合わされた重合データから前記文字に対応するビットマップデータを生成するデータ生成部とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記重合部は、前記文字の回転方向に基づき、前記コピーデータと前記ビットマップデータとを重ね合わせる方向を変更する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記重合部は、前記ウエイト変更手段で設定された設定値に基づき、前記コピーデータと前記ビットマップデータとを重ね合わせる量を変更する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記ウエイト変更手段によって設定された設定値に基づき、前記重合データのANDデータ部分又はORデータ部分を選択する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記生成部は前記文字の回転方向に基づいてビットマップデータを生成し、前記コピー部は前記文字の回転方向に基づいて生成されたビットマップデータをコピーする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ウエイト変更手段は前記文字の種類毎に設定値を変更することができる請求項1に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−98626(P2006−98626A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283600(P2004−283600)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】