説明

画像処理装置

【課題】ガイド画面を、ユーザにとって使いやすいように修飾することのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】ガイド画面上で、タッチセンサによる非テキスト情報の書込みを可能にすると共に、この書込み内容を記憶して、このガイド画面が再び呼び出されたときには、書込み内容と共に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの取得や印刷、送信等を実行可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置においては、ユーザに対して装置の現状を提示したり、操作手順を示したりするために、種々の画面が表示されるようになっている。
【0003】
例えば特許文献1には、ユーザの操作によってガイダンス画面を作成可能な画像処理装置が記載されている。
【特許文献1】特開2007−57801号公報(2007年3月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、テキストデータ以外はガイダンス画面に書き込むことができず、ユーザにとっては操作が複雑になる傾向にあった。
【0005】
そこで、本発明は、このような従来の課題に鑑み、より簡単な操作によって、ユーザの希望する画面を提示することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の画像処理装置は、操作手順をユーザに説明するガイド画面を表示可能な表示パネルと、ユーザの接触を検知するタッチセンサと、上記ガイド画面が表示されているときに上記タッチセンサを介して描画されたメモを記憶可能な記憶部と、上記表示パネルの表示が他の画面に一旦切り換えられた後、ユーザが書き込みを行った上記ガイド画面を再度表示するときに、上記メモを同時に表示させることができる表示制御部と、を備える。
【0007】
この画像処理装置は、タッチセンサを用いてユーザの自由な描画を受け付けることができるので、ユーザにとっては簡便な操作でメモの書き込みを行うことが可能である。
【0008】
また、請求項2に記載するように、請求項1の画像処理装置において、上記記憶部は、各メモに対応する表示属性を記憶し、上記表示制御部は、各メモの表示を、上記表示属性に沿って制御するようになっていてもよい。
【0009】
また、請求項3に記載するように、請求項2に記載の画像処理装置において、上記表示属性には、上記ガイド画面の表示開始時に上記メモを表示するか否かのメモ表示初期値が含まれてもよい。
【0010】
また、請求項4に記載するように、請求項2又は3画像処理装置において、上記表示属性には、上記ガイド画面上に、上記メモの表示/非表示を切り替える切替キーを表示すると共に、上記切替キーが押下されたときに上記メモの表示/非表示を切り換える手動切替属性が含まれてもよい。
【0011】
また、請求項5に記載するように、請求項2〜4のいずれか1項の画像処理装置において、上記表示属性には、上記メモが表示状態にあるときに、所定のタイミングで上記メモを非表示に切り替える自動消去属性が含まれてもよい。
【0012】
また、請求項6に記載するように、請求項5の画像処理装置において、所定のタイミングとは、上記メモが表示されてから一定時間が経過したとき、又は、ユーザから何らかの操作を受けたときとすることができる。
【0013】
また、請求項7に記載するように、請求項2〜6のいずれかの画像処理装置において、上記表示属性には、上記メモが非表示状態にある場合、上記メモが非表示状態となってなら一定時間が経過したときに上記メモを表示する、自動表示属性が含まれてもよい。
【0014】
また、請求項8に記載するように、請求項1〜7のいずれかの画像処理装置であって、上記ガイド画面は、エラー発生時にユーザが行うべき操作の手順を表示する画面でってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像処理装置は、タッチセンサを用いてユーザの自由な描画を受け付けることができるので、ユーザにとっては簡便な操作でメモの書き込みを行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔1〕第1実施形態
本発明の実施の一形態として、複合機1を例に挙げて以下に説明する。
【0017】
(1-1)複合機1の概略構成
図1〜図3を参照して、複合機1の概略構成について説明する。図1は複合機1の外観を示す斜視図であり、図2は複合機1の要部構成を示すブロック図であり、図3は複合機1の一部である操作パネル7の概略を示す平面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、複合機1は、原稿搬送装置2及び本体部3を備え、本体部3は、画像読取部4、印刷部(画像形成部)5、用紙搬送装置6、操作パネル7、エラー検知部8、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、タイマ10、及び外部通信部11等を備える。各部は、バス等によって接続されている。また、本体部3は、手差しトレイ31及び排紙トレイ33を側面に備え、用紙束を収容する用紙カセット32を備える。また、本体部3は、原稿搬送装置2に対向する面に第1プラテンガラス35及び第2プラテンガラス36をさらに備える。
【0019】
原稿搬送装置2は、本体部3の上方に配置され、原稿載置トレイ21、排紙トレイ23、原稿載置トレイ21から原稿を1枚ずつ引き出して排紙トレイ23へ搬送する原稿搬送部22等を備える。
【0020】
画像読取部4は、光源、レンズ、及びミラー等の光学部材、並びにイメージセンサ等を備える。画像読取部4は、第1プラテンガラス35上に載置された静止原稿から画像を読み取って画像データを得ることもできるし、原稿搬送装置2によって搬送中の原稿が第2プラテンガラス36上を通過するときに、この原稿から画像データを得ることもできる。
【0021】
印刷部5は、画像データに基づいて用紙上に画像を形成することができる。具体的には、印刷部5としては、電子写真方式、又はインクジェット方式等の印刷機構を採用することができる。
【0022】
用紙搬送装置6は、ローラ、ベルト、並びにこれらを駆動するモータ及びギア等を備え、手差しトレイ31又は用紙カセット32から印刷部5へ用紙を1枚ずつ供給し、最終的に排紙トレイ33に排出する。
【0023】
外部通信部11は、ファクシミリの送受信及びメール等のデータの送受信を行うことができる。
【0024】
図2及び図3に示すように、操作パネル7は、液晶表示パネル等の表示パネル7a、表示パネル7aへのユーザの接触を検知するタッチセンサ7b、並びに、リセットキー、クリアキー、ストップキー、スタートキー、及びテンキー等を含むハードキー群7c等を備える。
【0025】
エラー検知部8は、印刷部5及び用紙搬送装置6による印刷ジョブ、原稿搬送装置2及び画像読取部4によるスキャナジョブ、外部通信部11によるファクシミリ送信ジョブ等の各種ジョブを実行中に複合機1内で発生したエラーを検知するための機構である。エラー検知部の一例としては、ジャム(紙詰まり)や用紙切れ等を検知可能な各種センサが挙げられる。
【0026】
CPU91は、複合機1の各部の動作を制御する制御装置として機能する。CPU91は、ROM内のプログラムを読み出して実行することで、制御装置としての種々の機能を実現することができる。
【0027】
ROM92は、ガイド表示プログラム92a、ガイド画面データ92b、メモ表示プログラム92c、メモ表示設定プログラム92d等を格納している。
【0028】
ガイド画面データ92bは、ユーザに操作の手順を説明するための画面のデータである。ガイド画面とは、ユーザに操作の手順を示す画面である。ここで「操作」とは、操作パネル7を用いる操作に限らず、装置本体のカバーや用紙カセット32等の開け閉め、各部の清掃、現像剤の補給、用紙の補給、詰まった紙の除去、サービスマンへの連絡等、ユーザが行う種々の動作を含む。
【0029】
CPU91は、ガイド表示プログラム92aに沿って、表示パネル7aに各ガイド画面を表示させることができる。また、メモ表示プログラム92cは、ガイド画面上にユーザが書き込んだメモを、再びそのガイド画面が呼び出されたときに、そのガイド画面上に表示させるためのプログラムである。また、メモ設定プログラム92dは、メモの書き込みを受け付けたり、メモの表示属性を設定したりするためのプログラムである。
【0030】
RAM93は、CPU91の作業領域として機能可能である。
【0031】
記憶装置94としては、HDD等の不揮発性かつ書き込み可能な記憶媒体が、好適に用いられる。
【0032】
タイマ10は、時間を測定することができ、後述のメモの自動消去時や、自動表示時に用いられる。
【0033】
(1-2)ガイド画面表示
CPU91による表示制御について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
CPU91は、ガイド表示プログラム92aに基づいて、ガイド画面データ92bから、現在ユーザに提示すべき画面を、表示パネル7bに表示させる。ガイド画面はいつ表示されてもよいが、ここでは、エラー発生を検知した場合、特に、用紙搬送部6にてジャムが発生した場合を例に挙げる。CPU91は、エラー検知部8がジャム発生を検知すると、ジャムを解消するために必要な操作手順を示すガイド画面(例えば図7の画面W11)を、表示パネル7aに表示させる。
【0035】
このとき、表示されるガイド画面にメモの書き込みが可能であれば(ステップS101でYes)、書込スタートキーK10をガイド画面と共に表示する(ステップS102、図7)。例えば、メモの書き込みを特定の権限を有するユーザにのみ許可するようになっている場合に、このユーザが操作を行っているときは、CPU91は、「書き込み可能」と判断する。また、ガイド画面によって、書き込み可能か否かが設定されていてもよい。
【0036】
表示すべきガイド画面に関連付けられたメモデータ94aが、既に記憶装置94内に格納されていれば、CPU91は、表示パネル7aを制御して、ガイド画面上にこのメモデータ94aに基づいたメモを表示することができる(ステップS103でYes→ステップS104)。まだメモが書き込まれていない場合は、ガイド画面のみが表示される(ステップS103でNo→S105)。
【0037】
図7に示す書き込みスタートキーK10が押下されると(ステップS106)、CPU91は書込モードに移行し(ステップS107)、ユーザはガイド画面に自由に書込みを行うことができる。
【0038】
他の画面への移行指示をユーザから受け付けると(ステップS108でYes)、このガイド画面の表示は終了し、表示パネル7aは、他のガイド画面、又はガイド画面以外の画面を表示する。ここで「他の画面への移行指示」とは、他のガイド画面又はガイド画面以外の画面に移行するように、操作パネル7を介して指示が入力されることであってもよいし、エラーが解消されることであってもよい。
【0039】
(1-3)ガイド画面へのメモの書込み
書込みスタートキーK10が押下されると、メモ設定プログラム92dに基づく制御により、図5のフローに沿った動作が開始される。
【0040】
図5に示すように、表示パネル7aは、ガイド画面と併せて、描画用ツールである色設定キーK20及び線種設定キーK21等を表示する(図5のステップS201、図8の画面W20)。この画面W20において、色設定キーK20が押下されると、CPU91の制御により、書き込まれる線の色が変更される。また、線種設定キーK21が押下されると、書き込まれる線の種類(実線、点線、鎖線等)及び線の太さ等が変更される。
【0041】
書込みモード中に、ユーザが指又はタッチペン72等で表示パネル7aに触れると、タッチセンサ7bはこの接触を検知し、CPU91の制御の下、画面上の接触位置に線が描画される。
【0042】
こうして、操作パネル7を介して、複合機1は、ガイド画面上で絵や文字等の線をユーザに自由に描かせることができる。そして、この線の色及び線種等について、ユーザの指定を受け付けることができる(図5のステップS202)。
【0043】
さらに、CPU91は、ユーザの入力に応じて、表示属性の指定を受け付けることができる(ステップS203)。具体的には、図8に示すように、描画用ツールには、OKキーK22が含まれており、OKキーK22が押下されると、表示パネル7aは表示属性の設定を受け付けるための画面W21・W22を表示する(図9、図10)。
【0044】
これらの画面を介して、表示属性が入力されると共に、入力内容を保存するようにとの指示をユーザから受けると、CPU91は、指定内容が確定されたものと判断し、記憶装置94内にメモデータ(描画された線、線種、色等の情報を含む)94aを、書き込みが行われたガイド画面固有の識別番号と関連付けて保存する。また、その表示属性94bも、メモデータ94aと関連付けて記憶される(ステップS204でYes→ステップS205)。一方、キャンセルキーが押下されると、CPU91はメモデータ等を保存せず廃棄する(ステップS206でYes)。
【0045】
また、CPU91は、メモデータだけでなく、ガイド画面及びメモの両方を含んだ画面全体を、1つの画像(スクリーンショット94c)として、記憶装置94に記憶させてもよい。こうすることで、複合機1に接続した外部装置(PC等)から、メモを含むガイド画面を参照することができる。
【0046】
(1-4)表示属性の設定
表示属性の設定(ステップS203)について、図6により詳細なフローを示す。図6及び図9に示すように、表示パネル7aは、表示属性のうち、手動表示切替属正、自動表示属性、及び自動消去属性の3種の属性を設定するための画面W21を表示する。
【0047】
画面W21には、手動表示切替、自動消去、及び自動表示のそれぞれの表示モードのオン/オフ(表示属性の有る/なし)をユーザに選択させる、キーK23〜K25が表示される。表示属性の設定は、画面W21のOKキーK26の押下により確定される。
【0048】
OKキーK26が押下されたときに、キーK23〜K25を介したユーザの指定が、全ての表示属性について「なし」であれば(図6のステップS302でYes)、CPU91は自動的に、メモ表示の初期値を「表示」に設定する(ステップS303)。自動消去属性のみが「有り」とされた場合も、同様である。これは、メモを表示することが全くできないという状態を避けるためである。
【0049】
自動表示属性のみ「有り」とされ、他の属性が「なし」とされた場合は(ステップS304でYes)、CPU91は自動的に、メモ表示の初期値を「非表示」に設定する(ステップS305)。これは、メモの非表示にすることが全くできないという状態を避けるためである。
【0050】
ステップS302及びS304のいずれも「No」である場合、OKキーK26が押下されると、表示パネル7aは、メモ表示の初期値についての選択画面W22を表示する(ステップS306、図10)。図10に示すように、選択画面W22は、メモ表示の初期値の選択を受け付けるキーK27と、設定内容の確定を受け付けるOKキーK28とを含む。CPU91は、選択画面W22におけるユーザの選択に合わせて、メモ表示の初期値を設定することができる(ステップS307でYes→S303、ステップS307でNo→S305)。
【0051】
OKキーK28の押下により、上述したように、CPU91は、これまでの入力内容を確定し、メモデータ94a及び表示属性94bを保存する(図5のステップS205)。
【0052】
(1-5)メモ表示
図4のガイド画面表示フローのステップS104におけるメモ表示について、図11〜図14のフロー及び図15〜図17の画像図、及び図18のテーブルを参照して、説明する。
【0053】
まず、図11に示すように、メモ表示の初期値が「表示」に設定されている場合、表示パネル7aの表示がガイド画面に切り替えられた直後は、このガイド画面上に、メモデータ94aに基づいてメモの画像Mが表示される(図11のステップS401→S402→S403、図15の画面W12)。ここでは、メモの画像Mは、ガイド画面中のソフトキーを指す引き出し線と、このソフトキーの機能を説明する文字とを含む。
【0054】
一方、メモ表示の初期値が「非表示」である場合は、表示パネル7aの表示がガイド画面に切り替えられた直後、ガイド画面上にはメモの画像Mは表示されない(図11のステップS401→S404、図7の画面W11)。
【0055】
この初期表示に加えて、さらに、手動切替属性、自動消去属性、及び自動表示属性のそれぞれの特性に沿った表示制御がなされる。
【0056】
図12に、手動切替属性が「有り」の場合の表示フローを示す。手動切替属性が「有り」の場合、メモの画像Mが表示されるときには、表示パネル7aは、非表示切替キーK30をガイド画面上に表示する(ステップS501→S502、図16の画面W13)。この非表示切替キーK30が押下されると、メモの画像Mの表示はオフとされて、非表示状態となる(ステップS503でYes→S504)。
【0057】
一方、メモが非表示とされるときは、ガイド画面上に表示切替キーK31が表示される(ステップS501→S505、図17の画面W14)。そして、この表示切替キーK31が押下されると、メモの画像Mが表示がオンとなり、表示状態となる(ステップS506でYes→S507)。
【0058】
図13に、自動消去属性が「有り」の場合の表示フローを示す。この場合、メモの画像Mが表示されている状態で、所定条件を満たせば、メモの画像Mが非表示に切り替えられる(ステップS601→S602→S603)。この「所定条件」とは、メモの画像Mが表示されてから一定時間が経過したこと、又は、ユーザが何らかの操作を行ったこと等、適宜設定可能である。
【0059】
なお、「一定時間が経過」とは、ユーザから何の操作もない状態で一定時間が経過したこと、としてもよいし、ユーザからの操作のあるなしにかかわらず、メモの画像Mが表示されてから一定時間が経過したこと、としてもよい。
【0060】
また、「何らかの操作」とは、非表示切替キーK30の押下、及びガイド画面から他の画面への切替の指示を除く操作であり、例えば、これらの操作以外でユーザが表示パネル7aに触れたことや、ハードキー群7cを押下したこと、とすることができる。
【0061】
図14に、自動表示属性が「有り」の場合の表示フローを示す。この場合、メモの画像Mが非表示になってから、一定時間が経過すれば、メモの画像Mが表示される(ステップS701→S702→S703)。このときの「一定時間」は、自動消去属性の「一定時間」と同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、自動表示属性における「一定時間が経過」も、ユーザから何の操作もない状態で一定時間が経過したこと、としてもよいし、ユーザからの操作のあるなしにかかわらず、メモの画像Mが表示されなくなってから一定時間が経過したこと、としてもよい。
【0062】
これら、各属性に応じた表示制御が組み合わせて実行されることで、図18のテーブルT1に示すような表示の挙動が得られる。テーブルT1には、各属性の有り/なし及びメモ表示の初期値の組合せと、メモ表示の挙動とが対応付けて記載されている。
【0063】
例えば、初期値が「表示」であり、手動切替属性が「有り」、自動消去属性が「有り」であれば、エラーが発生して、表示がガイド画面に切り換えられた直後は、ガイド画面上にメモの画像Mが表示され、かつ、非表示切替キーK30が表示される(図16の画面W13)。そして、非表示切替キーK30が押下されるか、自動消去の所定の条件を満たせば、メモ画像Mは非表示となり、非表示切替キーK30は表示切替キー31に置き換えられる(図17の画面W14)。
【0064】
さらに、自動表示属性が「有り」であれば、表示切替キー31が押下されなくても、所定時間経過すればメモの画像Mが自動的に表示される。このとき、メモ画像Mの表示と併せて、表示切替キー31が非表示切替キーK30に置き換えられる(図16の画面W13)。
【0065】
なお、メモ表示中も、さらにメモの書込みを受け付けることは可能である。
【0066】
(1-6)効果
以上のように、複合機1は、ガイド画面へユーザが自由にメモを書き込めるようになっている。つまり、ガイド画面上のソフトキーの使い方が分かりにくかったり、操作上で注意すべき点等があったりすれば、ユーザはソフトキーの使い方や注意事項を、ガイド画面上に書き込むことができる。そして、このように書き込んだ後は、表示が他の画面に切り換わっても、再びそのガイド画面が表示されるときに、書き込んだメモが表示されるので、次回からはスムーズな操作が可能となる。また、文字でなく、操作を忘れがちなキーに印を付す等の簡単な書込みのみであっても、ユーザにとっては視認しやすく、操作ミス等を効果的に防ぐことができる。
【0067】
また、キーボード等を介して文字を入力するよりも、画面に直接書き込めることで、書き込み内容に自由度が増す。例えば、文字だけでなく、矢印を付したり、丸で囲んだり、といった図の書き込みも可能である。このような非テキストの情報により、ユーザは書き込み内容をより理解しやすくなる。
【0068】
また、ユーザにとっては、画面に直接書き込む方が手軽であるという利点がある。
【0069】
また、複合機1では、種々の表示属性により、ユーザの要望に合った表示形態を得ることができる。
【0070】
〔2〕他の実施形態
タッチセンサは、第1実施形態のようにタッチセンサが表示パネルと重ねられてタッチパネルを構成するだけでなく、表示パネルと分離して設けられていてもよい。この場合であっても、タッチパネル上でのユーザの操作により、メモの書き込みがなされる。
【0071】
また、第1実施形態で説明した表示制御は、エラー発生時のガイド画面だけでなく、通常の操作中におけるガイド画面にも適用可能である。但し、エラー発生時のガイド画面は、ユーザに見られる機会が通常のガイド画面よりも少ないので、ユーザは操作に戸惑うことが多く、メモの書き込みが要求される頻度が高いと考えられる。
【0072】
また、書き込まれたメモは、書き込んだユーザのみが参照できるようになっていてもよい。この場合、ユーザが複合機1を使用する前に、ユーザにID及びパスワードの入力によるログインを要求し、書き込まれたメモをIDと対応付けて記憶すると共に、このIDと一致するメモをガイド画面上に表示するようになっていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機1の外観を示す斜視図。
【図2】複合機1の要部構成を示すブロック図。
【図3】操作パネル7の概略を示す平面図。
【図4】ガイド画面の表示動作を示すフローチャート。
【図5】図4のステップS107におけるメモの書込みモードの流れを示すフローチャート。
【図6】図5の表示属性設定受付ステップS203の詳細を示すフローチャート。
【図7】紙ジャム発生時のガイド画面の一例W11を示す画像図(メモ画像を表示オフ、手動切替属性なし)。
【図8】画面W11への書込みモード時の画面W20を示す画像図。
【図9】表示属性設定時の画面W21を示す画像図。
【図10】メモ表示の初期値を設定するときの画面W22を示す画像図。
【図11】メモ表示動作のうち、初期表示時の動作を示すフローチャート。
【図12】メモ表示動作のうち、手動切替属性有りの場合の動作を示すフローチャート。
【図13】メモ表示動作のうち、自動消去属性有りの場合の動作を示すフローチャート。
【図14】メモ表示動作のうち、自動表示属性有りの場合の動作を示すフローチャート。
【図15】メモ画像Mを表示中、かつ手動切替属性なしのガイド画面W12を示す画像図。
【図16】メモ画像Mを表示中、かつ手動切替属性ありのガイド画面W13を示す画像図。
【図17】メモ画像Mを非表示、かつ手動切替属性ありのガイド画面W14を示す画像図。
【図18】各表示属性の有り/なし及びメモ表示の初期値の組合せによって得られるメモ表示の挙動を示すテーブル。
【符号の説明】
【0074】
1 複合機
2 原稿搬送装置
7 操作パネル
7a 表示パネル
7b タッチセンサ
7c ハードキー群
72 タッチペン
91 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの原稿からの取得、印刷、又は送受信を実行可能な画像処理装置であって、
操作手順をユーザに説明するガイド画面を表示可能な表示パネルと、
ユーザの接触を検知するタッチセンサと、
上記ガイド画面が表示されているときに上記タッチセンサを介して描画されたメモを記憶可能な記憶部と、
上記表示パネルの表示が他の画面に一旦切り換えられた後、ユーザが書き込みを行った上記ガイド画面を再度表示するときに、上記メモを同時に表示させることができる表示制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
上記記憶部は、各メモに対応する表示属性を記憶し、
上記表示制御部は、各メモの表示を、上記表示属性に沿って制御するようになっている、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記表示属性には、上記ガイド画面の表示開始時に上記メモを表示するか否かのメモ表示初期値が含まれる、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記表示属性には、上記ガイド画面上に、上記メモの表示/非表示を切り替える切替キーを表示すると共に、上記切替キーが押下されたときに上記メモの表示/非表示を切り換える手動切替属性が含まれる、
請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記表示属性には、上記メモが表示状態にあるときに、所定のタイミングで上記メモを非表示に切り替える自動消去属性が含まれる、
請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記所定のタイミングとは、上記メモが表示されてから一定時間が経過したとき、又は、ユーザから何らかの操作を受けたときである、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
上記表示属性には、上記メモが非表示状態にある場合、上記メモが非表示状態となってなら一定時間が経過したときに上記メモを表示する、自動表示属性が含まれる、
請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記ガイド画面は、エラー発生時にユーザが行うべき操作の手順を表示する画面である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−267500(P2009−267500A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111455(P2008−111455)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】