説明

画像処理装置

【課題】本発明は、画像から人同士の関係性を特定する精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】2以上の顔を含む領域を撮影して生成される対象画像を処理する画像処理装置は、対象画像から顔の画像を含む画像領域である顔領域を検出する顔領域検出部と、顔領域に表されている顔から撮影装置までの距離である被写体距離を推定する被写体距離推定部と、被写体距離を用いて、顔領域に表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離を推定する被写体間距離推定部と、推定された被写体間距離を用いて、人同士の親密さの程度を表す親密度を被写体間距離が小さいほど大きい値となるように算出する親密度算出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の人が表されている画像を用いて、人同士の関係性を特定する技術が知られている。例えば、画像に表されている人同士の距離を用いて、2人の親密さの程度を表す親密度を算出する技術が知られている(特許文献1)。また、画像から特定された人同士の関係性を用いた画像の分類方法や、画像の検索方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−79457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、画像から人同士の関係性を特定する精度についてはなお向上の余地があった。
【0005】
本発明は、上記した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされた発明であり、画像から人同士の関係性を特定する精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために本願発明は以下の態様を採る。
【0007】
第1の態様は、複数の顔の画像を含む対象画像を処理する画像処理装置を提供する。本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、前記対象画像から顔の画像を含む画像領域である顔領域をそれぞれ検出する顔領域検出部と、前記顔領域に表されている顔から撮影装置までの距離である被写体距離をそれぞれ推定する被写体距離推定部と、前記被写体距離を用いて、前記顔領域に表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離を推定する被写体間距離推定部と、推定された前記被写体間距離を用いて、人同士の親密さの程度を表す親密度を前記被写体間距離が小さいほど大きい値となるように算出する親密度算出部と、を備える。
【0008】
第1の態様に係る画像処理装置によれば、対象画像の顔領域に表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離を用いて親密度を算出するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0009】
第1の態様に係る画像処理装置はさらに、前記顔領域に含まれている顔の画像から人の特徴を判別する特徴判別部と、前記親密度と前記人の特徴とを用いて、前記対象画像に表されている人同士の間柄を判定する間柄判定部と、を備えていてもよい。この場合、親密度と、人の特徴とを用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0010】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記特徴判別部は、前記顔領域に含まれている顔の画像から人の年齢を判別してもよい。この場合、親密度と、人の年齢とを用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0011】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記特徴判別部は、前記顔領域に含まれている顔の画像から人の性別を判別してもよい。この場合、親密度と、人の性別とを用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0012】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記間柄判定部は、前記親密度および前記人の特徴と、前記人同士の間柄と、の対応関係が示されている2以上の間柄判定情報を記憶している記憶部と、前記対象画像の撮影された場所に関する情報に基づき、前記記憶部から1つの間柄判定情報を選択する間柄判定情報選択部と、を備え、前記間柄判定情報選択部により選択された間柄判定情報を用いて、前記対象画像に表されている人同士の間柄を判定してもよい。この場合、間柄判定情報選択部により選択された間柄判定情報を用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0013】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記対象画像の撮影された場所に関する情報は、GPS情報を用いて特定されてもよい。この場合、対象画像の撮影された場所に関する情報はGPS情報を用いて特定されるため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0014】
第1の態様に係る画像処理装置はさらに、前記間柄判定部により判定された人同士の間柄から、1以上の前記対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の間柄関係を表す間柄関係図を作成する間柄関係図作成部を備えていてもよい。この場合、1以上の対象画像から、対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の関係性を表示することができる。
【0015】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記間柄関係図は、前記対象画像に現れる人の顔の画像と、前記人の顔の画像同士をつなぐ関係線とが表され、前記親密度が高い人同士ほど前記顔の画像同士の距離が小さく、前記対象画像に現れる頻度が高い人同士ほど前記関係線の幅が大きく表されていてもよい。この場合、対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の関係性を容易に表示することができる。
【0016】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記被写体距離推定部は、前記対象画像の大きさに対する前記顔領域の大きさに基づいて前記被写体距離を推定してもよい。この場合、顔領域に表されている顔から撮影装置までの距離である被写体距離を容易に推定することができる。
【0017】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記親密度算出部は、第1の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離が、第2の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離より小さく、第1の対象画像に表されている顔同士の実際の距離が、第2の対象画像に表されている顔同士の実際の距離より大きい場合、第1の対象画像に表されている人同士より第2の対象画像に表されている人同士の方がより親密度が高くなるように親密度を算出してもよい。この場合、対象画像から人同士の関係性を精度良く特定することができる。
【0018】
第1の態様に係る画像処理装置において、前記間柄関係図作成部は、第1の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離が、第2の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離より小さく、第1の対象画像に表されている顔同士の実際の距離が、第2の対象画像に表されている顔同士の実際の距離より大きい場合、前記間柄関係図において、第1の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離より第2の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離の方が小さくなるように前記間柄関係図を作成してもよい。この場合、対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の関係性を精度良く表示することができる。
【0019】
本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、プリンター、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピューター、デジタルビデオカメラ等で実現することができる。また、画像処理方法および装置、親密度算出方法および装置、間柄関係表示方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施例における画像処理装置としてのプリンターの構成を概略的に示す説明図である。
【図2】第1実施例における画像検索・印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】画像の一覧表示を含むユーザインターフェースを例示した説明図である。
【図4】内部メモリーに格納された画像ファイルを説明するための説明図である。
【図5】顔領域FAの検出結果の一例を示す説明図である。
【図6】内部メモリーに格納された人物情報データベースを説明するための説明図である。
【図7】画像識別子と人物識別子との対応付けを説明するための説明図である。
【図8】第1実施例における人物情報設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】人物情報データベースに年齢および性別についての人物情報を設定した状態を説明するための説明図である。
【図10】被写体距離Sdの推定方法を示す説明図である。
【図11】被写体間距離Sbdの推定方法を示す説明図である。
【図12】人物情報データベースHCに画像内親密度Diiを設定した状態を説明するための説明図である。
【図13】間柄判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】第1の間柄判定情報の内容を説明するための説明図である。
【図15】第2の間柄判定情報の内容を説明するための説明図である。
【図16】人物情報データベースHCに間柄情報を設定した状態を説明するための説明図である。
【図17】親密度の算出方法を説明するための説明図である。
【図18】間柄関係図を例示した説明図である。
【図19】間柄関係図を含むユーザインターフェースを例示した説明図である。
【図20】第1の印刷画面を例示した説明図である。
【図21】第2の印刷画面を例示した説明図である。
【図22】対象画像リストに含まれる対象画像の並び順を説明するための説明図である。
【図23】第3の印刷画面を例示した説明図である。
【図24】第2実施例における人物情報設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】第3の間柄判定情報の内容を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る画像処理装置の一態様であるプリンターについて、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
【0022】
A.第1実施例:
A1.画像処理装置の構成:
図1は、第1実施例における画像処理装置としてのプリンターの構成を概略的に示す説明図である。本実施例のプリンター100は、メモリーカードMC等から取得した画像データに基づき画像を印刷する、いわゆるダイレクトプリントに対応したインクジェット式カラープリンターである。プリンター100は、プリンター100の各部を制御するCPU110と、ROMやRAMによって構成された内部メモリー120と、ボタンやタッチパネルにより構成された操作部140と、液晶ディスプレイにより構成された表示部150と、印刷機構160と、カードインターフェース(カードI/F)170と、を備えている。プリンター100は、さらに、他の機器(例えばデジタルスチルカメラやパーソナルコンピューター)とのデータ通信を行うためのインターフェースを備えていてもよい。プリンター100の各構成要素は、バスを介して双方向通信可能に接続されている。
【0023】
印刷機構160は、印刷データに基づき印刷を行う。カードインターフェース170は、カードスロット172に挿入されたメモリーカードMCとの間でデータのやり取りを行うためのインターフェースである。なお、本実施例では、メモリーカードMCにRGBデータとしての画像データを含む画像ファイルが格納されている。この画像ファイルは、例えば、デジタルスチルカメラ等の撮影装置によりExif(Exchangeable Image File Format)規格に則って生成されたファイルであり、撮影により生成された画像データの他に、撮影日時、撮影時の絞り値(F値)、シャッタースピード、レンズの焦点距離、撮影時の緯度経度情報等の付加データを含んでいる。プリンター100は、カードインターフェース170を介してメモリーカードMCに格納された画像ファイルの取得をおこなう。
【0024】
内部メモリー120には、画像処理部200と、表示制御部310と、印刷制御部320と、が格納されている。画像処理部200は、コンピュータープログラムであり、所定のオペレーティングシステムの下で、CPU110により実行されることで画像検索・印刷処理をおこなう。本実施例の画像検索・印刷処理は、検索対象となる複数の画像(以後、「対象画像」とも呼ぶ)から人同士の親密さの程度を表す親密度を算出し、この親密度を用いて特定の画像を検出する画像検索をおこなうとともに、検出された画像の印刷をおこなう処理である。画像検索・印刷処理については、後に詳述する。表示制御部310、および、印刷制御部320についてもCPU110により実行されることでぞれぞれの機能を実現する。
【0025】
画像処理部200は、プログラムモジュールとして、顔領域検出部210と、被写体距離推定部220と、被写体間距離推定部230と、親密度算出部240と、特徴判別部250と、特定情報取得部260と、画像検索部270と、間柄判定部280と、間柄関係図作成部290と、を含んでいる。間柄判定部280は、間柄判定情報選択部281を含んでいる。これら各部の機能については、後述の画像検索・印刷処理の説明において詳述する。
【0026】
表示制御部310は、表示部150を制御して、表示部150上に処理メニューやメッセージ、画像等を表示させるディスプレイドライバである。印刷制御部320は、画像データから印刷データを生成し、印刷機構160を制御して、印刷データに基づく画像の印刷を実行するためのコンピュータープログラムである。CPU110は、内部メモリー120から、これらのプログラム(画像処理部200、表示制御部310、印刷制御部320)を読み出して実行することにより、これら各部の機能を実現する。
【0027】
内部メモリー120には、また、間柄判定情報RDIが格納されている。間柄判定情報RDIは、後述の画像検索・印刷処理において参照されるために予め設定される情報である。間柄判定情報RDIの内容については、後述の画像検索・印刷処理の説明において詳述する。
【0028】
A2.画像検索・印刷処理
図2は、第1実施例における画像検索・印刷処理の流れを示すフローチャートである。本実施例の画像検索・印刷処理は、検索対象となる複数の対象画像の少なくとも一部に表されている人全員についてそれぞれ算出した親密度から、人同士の間柄関係を表す間柄関係図を作成し、間柄関係図を参照したユーザーにより選択された画像の印刷をおこなう。
【0029】
画像処理部200は、画像検索の対象となる対象画像を取得する(ステップS100)。本実施例では、メモリーカードMCに格納されたすべての画像ファイルにより表される画像を画像検索・印刷処理の対象となる対象画像として説明する。なお、対象画像は、メモリーカードMC以外の記憶装置に格納された画像ファイルにより表される画像であってもよいし、メモリーカードMCに格納された画像ファイルの一部により表される画像であってもよい。以下に対象画像を取得する流れの具体例を示す。
【0030】
図3は、画像の一覧表示を含むユーザインターフェースを例示した説明図である。カードスロット172にメモリーカードMCが挿入されると、表示制御部310により、メモリーカードMCに格納された画像の一覧表示を含むユーザインターフェースが表示部150に表示される。図3に示すユーザインターフェースには、6つのサムネイル画像TN1〜TN6と、5つのボタンBN1〜BN5が表示されている。なお、本実施例では、画像の一覧表示は、メモリーカードMCに格納された画像ファイルに含まれるサムネイル画像を用いて実現される。
【0031】
プリンター100は、図3に示すユーザインターフェースにおいて、ユーザーにより、1つ(または複数)の画像が選択されると共に印刷ボタンBN3が選択されると、選択された画像を通常通り印刷する印刷処理を実行する。他方、当該ユーザインターフェースにおいて、ユーザーにより、画像検索ボタンBN4が選択されると、プリンター100は、メモリーカードMCから対象画像を取得する。すなわち、プリンター100は、メモリーカードMCに格納されたすべての画像ファイルを内部メモリー120に格納する。なお、本実施例では、画像検索ボタンBN4によりすべての画像ファイルを内部メモリー120に格納しているが、ユーザインターフェースにおいて、ユーザーにより任意に対象画像が選択されることで、プリンター100は、選択された画像に対応する画像ファイルのみを内部メモリー120に格納する態様としてもよい。
【0032】
図4は、内部メモリーに格納された画像ファイルを説明するための説明図である。図4は、内部メモリー120に格納された画像ファイルにそれぞれ対応する対象画像と、画像ファイルをそれぞれ識別するための画像識別子とを示している。画像処理部200は、取得した各対象画像TI1〜TI4に対応する画像ファイルにそれぞれ画像識別子を対応付けて内部メモリー120の所定領域に格納する。ここで、画像識別子とは、内部メモリー120に格納された画像ファイルのそれぞれが一意に特定可能な識別子であり、数字や記号のほか、ファイル名等の文字列であってもよい。
【0033】
画像処理部200は、注目画像OIを設定する(ステップS110)。具体的には、画像処理部200は、内部メモリー120に格納された画像ファイルの中から1つの画像ファイルを選択する。画像処理部200は、選択した画像ファイルに対応する対象画像TIを注目画像OIとして設定する。本実施例では、図4に示す、対象画像TI1を注目画像OIとして設定した例について説明する。
【0034】
顔領域検出部210は、注目画像OIにおける顔領域FAの検出をおこなう(ステップS120)。ここで、顔領域FAとは、注目画像OI上の画像領域であって、少なくとも顔の一部の画像が含まれる領域を意味している。顔領域検出部210による顔領域FAの検出は、例えばテンプレートを利用したパターンマッチングによる方法(特開2004−318204参照)といった公知の顔検出方法を用いて実行される。
【0035】
図5は、顔領域FAの検出結果の一例を示す説明図である。図5の例では、注目画像OIに2人の顔の画像が含まれている。そのため、ここでは、注目画像OIから2つの顔領域FA1、FA2が検出される。顔領域FAは、図5に示すように、両目と鼻と口の画像を含む矩形の領域となっている。また、顔領域検出部210は、顔領域FAに基づいて頭全体を含む矩形の領域である頭領域TAを検出する。注目画像OIにおける頭領域TAの位置および範囲は、検出した顔領域FAの注目画像OIにおける位置および範囲に対して所定となるように予め設定されている。そのため、顔領域FAの検出により頭領域TAの位置および範囲が一義的に規定される。頭領域TAの規定方法については、特に限定はなく、例えば、頭領域TAは、顔領域FAから所定の画素数外側の範囲としてもよいし、顔領域FAの縦横それぞれの画素数に所定の定数を掛けて算出される範囲としてもよい。本実施例では、2つの頭領域TA1、TA2が検出される。
【0036】
なお、顔領域検出部210は、顔領域FAおよび頭領域TAの検出結果として、注目画像OIにおける顔領域FAおよび頭領域TAのそれぞれの位置を特定可能な情報(例えば顔領域FAの4つの頂点の座標、および、頭領域TAの4つの頂点の座標)を出力する。また、図5に示すように、本実施例では、注目画像OIの幅をWwi(単位は画素数)と表し、顔領域FAの幅をそれぞれWfi1およびWfi2(単位は画素数)と表すものとする。なお、ステップS120の顔領域FAの検出において、顔領域FAが検出されなかった場合には、新たに別の対象画像TIを注目画像OIとして選択し、顔領域FAの検出をおこなう。
【0037】
ステップS120では、テンプレートを利用したパターンマッチングにより注目画像OIから顔領域FAが検出される。このようなテンプレートを利用したパターンマッチングによる方法等の公知の顔検出方法は、一般に、顔全体や顔の部位(目や口等)について位置や傾き(角度)を詳細に検出するものではなく、注目画像OI中から顔の画像が概ね含まれると考えられる領域を顔領域FAとして設定するものである。
【0038】
図6は、内部メモリーに格納された人物情報データベースを説明するための説明図である。画像処理部200は、注目画像OIの頭領域TAに対応する画像の画像データを生成する。頭領域TAには、人の頭全体を表す画像が含まれているため、生成した画像データは、注目画像OIに含まれている人ごとの人物画像PIを表している。画像処理部200は、図6に示すように、人物画像PIを表す画像データと、それぞれの人物画像を識別するための人物識別子と対応付けた人物情報データベースHCを内部メモリー120の所定領域に格納する。ここでは、注目画像OIとして設定した対象画像TI1に2人の人物画像が含まれているため、頭領域TA1により表される人物の人物画像PI1の画像データと人物識別子aaとを対応付けるとともに、頭領域TA2により表される人物の人物画像PI2の画像データと人物識別子bbとを対応付ける。なお、本実施例では、画像処理部200は、注目画像OIの頭領域TAに対応する人物画像PIの画像データを生成しているが、画像データを生成せず、頭領域TAの位置を特定するための情報や、頭領域TAを検出した注目画像OIの画像識別子などと、人物識別子と対応付けた人物情報データベースHCを構築してもよい。
【0039】
図7は、画像識別子と人物識別子との対応付けを説明するための説明図である。画像処理部200は、内部メモリーに格納されている注目画像OIに対応する画像ファイルと、注目画像OIに含まれている人物画像PIの画像データを対応付ける。具体的には、画像処理部200は、図7に示すように、対象画像TI1に対応する画像ファイルの画像識別子IAと、2人の人物画像PI1、PI2とそれぞれ対応する人物識別子aa、bbとを対応付ける。
【0040】
画像処理部200は、人物情報設定処理をおこなう(ステップS130)。人物情報設定処理とは、注目画像OIから、注目画像OIに表されている人の年齢や、性別のほか、注目画像OIに表されている人同士の親密さの程度を表す親密度や間柄などの人物情報を取得し、人物情報データベースHCに設定する処理である。人物情報は、上記以外にも、例えば、注目画像OIに表されている人の表情や、顔向きなどを含んでいてもよい。
【0041】
図8は、第1実施例における人物情報設定処理の流れを示すフローチャートである。特徴判別部250は、注目画像OIに表されている人の年齢および性別の判定をおこなう(ステップS210)。特徴判別部250による年齢判定および性別判定は、例えば顔領域FAに含まれる目、鼻、髪型、色彩などについての位置、大きさ、比率などの顔特徴量に基づいて推定する方法(特開2007−206921参照)といった公知の判別方法を用いて実行される。本実施例では、年齢判定において推定される年齢は、画像検索・印刷処理をおこなった時点での年齢が推定される。すなわち、注目画像OIに表された人の画像から推定される年齢に、注目画像OIを表す画像ファイルにメタデータとして付加されている撮影日時から画像検索・印刷処理をおこなった日時までに経過した年月分加齢することにより、画像検索・印刷処理をおこなった時点での年齢を推定する。なお、本実施例では、画像検索・印刷処理をおこなった時点での年齢の推定をおこなったが、代わりに、注目画像OIに表されている人の誕生年もしくは誕生年月を推定する態様であってもよい。
【0042】
図9は、人物情報データベースに年齢および性別についての人物情報を設定した状態を説明するための説明図である。特徴判別部250は、人物情報データベースHCにおいて、判定した年齢および性別についての人物情報と、判定の対象となった人物と対応する人物画像PIの画像データとを対応付ける。具体的には、図9に示すように、注目画像OIの顔領域FA1から判定した年齢(35歳)と性別(男)を、頭領域TA1と対応する人物画像PI1の画像データと対応付ける。また、注目画像OIの顔領域FA2から判定した年齢(20歳)と性別(女)を、頭領域TA2と対応する人物画像PI2の画像データと対応付ける。
【0043】
被写体距離推定部220は、被写体距離Sdの推定を行う(ステップS220)。ここで、被写体距離Sdは、注目画像OIの撮影時における撮影装置(より詳細には撮影装置のレンズの主点)から被写体である人の顔までの距離である。
【0044】
図10は、被写体距離Sdの推定方法を示す説明図である。図10には、注目画像OIの撮影時における撮影装置の結像面ISと被写体としての人Pの顔との位置関係を示している。図10に示すように、レンズの主点UPと人Pの顔との間の距離である被写体距離Sdは、人Pの顔の位置を含み結像面ISに平行な面(以下「被写体面SS」とも呼ぶ)における撮影範囲の幅Wwと画角θ1とにより定まる。また、画角θ1は、レンズの焦点距離fと結像面ISの幅Wxとの関係により特定される。すなわち、下記の式(1)が成り立つ。
【0045】
【数1】

【0046】
また、被写体面SSにおける撮像範囲の幅Wwは、人Pの顔の画像が注目画像OI(図5)において占める大きさに基づき特定される。すなわち、被写体面SSにおける幅Wwと人Pの顔の幅Wfとの比は、注目画像OIにおける画像全体の幅Wwiと顔領域FAの幅Wfiとの比に等しいと考えられる(式(2)参照)。
【0047】
【数2】

【0048】
上記式(1)および(2)から、下記の式(3)が導かれる。
【0049】
【数3】

【0050】
被写体距離推定部220は、式(3)を用いた被写体距離Sdの算出に必要な情報を取得する。具体的には、被写体距離推定部220は、注目画像OIを表す画像ファイルにメタデータとして付加されている注目画像OIの全体の幅Wwiの値(画素数)を取得すると共に、顔領域FA(図5)の幅Wfiの値(画素数)を算出する。顔領域FAの幅Wfiの算出は、例えば前述の顔領域FAの4つの頂点のうちの2つの頂点の座標を用いて2つの頂点間の距離を算出することにより行う。
【0051】
また、被写体距離推定部220は、人Pの顔の幅Wfの値として、予め設定され内部メモリー120に格納された典型的な人物の顔の幅(顔の現実の大きさ)の概略値(例えば200mm)を取得する。
【0052】
さらに、被写体距離推定部220は、注目画像OIの画像ファイルの付加データに含まれる撮像時のレンズの焦点距離fの値を取得する。ここで、取得されるレンズの焦点距離fの値は、35mmフィルム換算値であり、撮像装置の実際の焦点距離(実焦点距離)とは異なる場合がある。このような場合には、被写体距離推定部220は、結像面ISの幅Wxとして、予め設定された35mmフィルムの幅の値を取得する。なお、画像ファイルの付加データに実焦点距離のデータと撮像装置の撮像素子の幅のデータとが含まれている場合には、被写体距離推定部220が、レンズの焦点距離fとして実焦点距離の値を取得し、結像面ISの幅Wxとして撮像素子の幅の値を取得するとしてもよい。また、画像ファイルの付加データに画角そのものを示すデータが含まれている場合には、被写体距離推定部220が画角を示すデータを取得するとしてもよい。
【0053】
被写体距離推定部220は、取得した上記各情報(対象画像TIの全体の幅Wwiの値、顔領域FAの幅Wfiの値、人物Pの顔の幅Wfの値、レンズの焦点距離fの値、結像面ISの幅Wxの値)と、上記式(3)とを用いて、被写体距離Sdを算出(推定)する。本実施例では、撮影装置から顔領域FA1に対応する人の顔までの距離である被写体距離Sd1と、撮影装置から顔領域FA2に対応する人の顔までの距離である被写体距離Sd2が推定される。
【0054】
なお、撮影装置から顔領域FA1に対応する人の顔までの距離である被写体距離Sd1と、撮影装置から顔領域FA2に対応する人の顔までの距離である被写体距離Sd2との比は、顔領域FA1の幅Wfi1と顔領域FA2の幅Wfi2との比に等しいと考えられるため、上記式(3)を用いて、被写体距離Sd1を算出し、被写体距離Sd2を下記の式(4)により算出してもよい。
【0055】
【数4】

【0056】
被写体距離推定部220により被写体距離Sdが推定されると、被写体間距離推定部230は、被写体間距離Sbdの推定をおこなう(ステップS230)。ここで、被写体間距離Sbdは、注目画像OIに表されている2人の顔の一方の顔から他方の顔までの実際の距離である。言い換えれば、被写体間距離Sbdは、顔領域FAに表されている顔同士の撮影時における実際の距離である。
【0057】
図11は、被写体間距離Sbdの推定方法を示す説明図である。図11には、注目画像OIの撮影時における撮影装置PDと被写体としての人P1および人P2の顔との位置関係を示している。人P1は、図5に示す顔領域FA1に対応する人であり、人P2は、顔領域FA2に対応する人を表している。図11に示すように、人P1の顔と人P2の顔との間の距離である被写体間距離Sbdは、撮影装置PDと人P1とを結ぶ直線上の距離成分である奥行き方向距離Shと、この奥行き方向と直交する方向の距離成分である直交方向距離Svにより特定される。すなわち、式(5)が成り立つ。
【0058】
【数5】

【0059】
また、直交方向距離Svは、撮影装置PDと人P1とを結ぶ直線と、撮影装置PDと人P2とを結ぶ直線とにより形成される形成角θ2と、撮影装置から人P2の顔までの距離である被写体距離Sd2により特定される。すなわち、式(6)が成り立つ。
【0060】
【数6】

【0061】
また、直交方向距離Svおよび奥行き方向距離Shは、撮影装置から人P1の顔までの距離である被写体距離Sd1と、形成角θ2により特定される。すなわち式(7)が成り立つ。
【0062】
【数7】

【0063】
式(6)および式(7)により、奥行き方向距離Shは、被写体距離Sd1、Sd2および形成角θ2を用いて特定される。すなわち、式(8)が成り立つ。
【0064】
【数8】

【0065】
式(5)、式(6)、および、式(8)により、被写体間距離Sbdを被写体距離Sd1、Sd2および形成角θ2を用いて特定できる。すなわち、式(9)が成り立つ。
【0066】
【数9】

【0067】
被写体間距離推定部230は、式(9)を用いた被写体間距離Sbdの算出に必要な情報を取得する。具体的には、被写体間距離推定部230は、被写体距離推定部220により推定された被写体距離Sd1、Sd2を取得するとともに、形成角θ2の値を算出する。形成角θ2の算出は、例えば、注目画像OIにおける顔領域FA1の中心と顔領域FA2との中心とを結ぶ線分の長さと、画像全体の幅Wwiとの比と、形成角θ2と、画角θ1との比を用いることにより算出することができる。
【0068】
親密度算出部240は、画像内親密度Diiの算出をおこなう(ステップS240)。ここで、画像内親密度Diiは、注目画像OIに表されている人同士の互いの親密さの程度を表す値であり、人同士が互いに親密であるほど高い値となる。親密度算出部240は、ステップS230において推定された被写体間距離Sbdを用いて画像内親密度Diiを算出する。具体的には、親密度算出部240は、被写体間距離Sbdが小さいほど画像内親密度Diiの値が大きくなるように画像内親密度Diiを算出する。これは、写真撮影時において、お互いに親密である人同士ほどお互いの距離が近い状態となり、親密でない人同士の場合には、お互いに近接した状態となることが少ないことによる。なお、画像内親密度Diiと被写体間距離Sbdとの関係は、任意に設定可能であり、画像内親密度Diiは、被写体間距離Sbdと直線的な相関関係(線形相関)を有している必要はなく、曲線的な相関関係(非線形相関)であってもよい。また、例えば、被写体間距離Sbdが所定以上であれば、画像内親密度Diiの値は一定となるような態様であってもよい。
【0069】
親密度算出部240は、算出した画像内親密度Diiを人物情報データベースHCに設定する。図12は、人物情報データベースHCに画像内親密度Diiを設定した状態を説明するための説明図である。親密度算出部240は、人物情報データベースHCにおいて、算出した画像内親密度Diiを、算出の対象となった2人の人物画像PIの画像データとそれぞれ対応付ける。具体的には、注目画像OIにおいて、頭領域TA1により表される人物と、頭領域TA2により表される人物との画像内親密度Diiが「5」であった場合、図12に示すように、頭領域TA1と対応する人物画像PI1の画像データに、注目画像OIとして設定している対象画像TIの画像識別子「IA」と、画像内親密度Diiを算出した相手の人物識別子「bb」と、画像内親密度Diiである「5」をそれぞれ対応付ける。また、頭領域TA2と対応する人物画像PI2の画像データに、注目画像OIとして選択している対象画像TIの画像識別子「IA」と、画像内親密度Diiを算出した相手の人物識別子「aa」と、画像内親密度Diiである「5」をそれぞれ対応付ける。
【0070】
間柄判定部280は、間柄判定処理をおこなう(ステップS250)。間柄判定処理は、注目画像OIに表されている人同士の間柄を判定するための処理である。図13は、間柄判定処理の流れを示すフローチャートである。間柄判定部280は、人物情報データベースHCから、間柄判定の対象となる人のそれぞれの年齢および性別などの人物情報と、対象とする人同士の画像内親密度Diiとを用いて注目画像OIに表されている人同士の間柄を判定する。
【0071】
間柄判定部280の間柄判定情報選択部281は、位置情報を取得する(ステップS310)。ここで、位置情報とは、注目画像OIとして選択されている対象画像TIが撮影された場所に関する情報であり、街路、住宅、会社といった撮影された場所の種別に関する情報が含まれている。間柄判定情報選択部281は、画像ファイルの付加データに含まれている撮影時の緯度経度情報と、内部メモリー120に記憶されている地理情報とを用いて、対象画像TIが撮影された場所を特定する。ここで、緯度経度情報は、撮影装置と一体もしくは別体のGPSユニットにより取得されたGPS情報を画像ファイルに付加データとして埋め込んだものである。すなわち、間柄判定情報選択部281は、対象画像TIが撮影された場所に関する情報を、GPS情報を用いることにより特定している。なお、プリンター100は、内部メモリー120に地理情報を記憶している必要はなく、例えば、Googleマップなどの地図情報を利用して、緯度経度情報から撮影された場所に関する情報を取得してもよい。
【0072】
間柄判定部280の間柄判定情報選択部281は、内部メモリー120に記憶されている複数の間柄判定情報の中から1つの間柄判定情報を選択する(ステップS320)。間柄判定情報には、間柄判定の対象とする人の年齢や性別等の人物情報、および、画像内親密度Diiと、間柄との対応関係が示されている。内部メモリー120に記憶されている複数の間柄判定情報には、それぞれ画像が撮影された場所ごとに設定された対応関係が示されている。図14は、第1の間柄判定情報の内容を説明するための説明図である。図15は、第2の間柄判定情報の内容を説明するための説明図である。間柄判定情報選択部281は、ステップS310により取得した対象画像の撮影された場所に関する情報に基づいて、内部メモリー120に記憶されている複数の間柄判定情報から1つの間柄判定情報を選択する。すなわち、間柄判定情報選択部281は、対象画像の撮影された場所に関する情報に示されている対象画像の撮影された場所と対応する間柄判定情報を選択する。
【0073】
図14は、内部メモリー120に記憶されている間柄判定情報の1つであって、街路で撮影された画像に対応する間柄判定情報の内容を例示している。また、図15は、内部メモリー120に記憶されている間柄判定情報の1つであって、会社で撮影された画像に対応する間柄判定情報の内容を例示している。それぞれの間柄判定情報の内容は後述する。なお、図14および図15に示されている間柄判定情報の内容は、内部メモリー120に設定可能な間柄判定情報の一例にすぎず、これ以外の間柄判定情報を任意に設定することができる。例えば、自宅、公園、遊興施設など、ぞれぞれの場所で撮影された画像に対応する間柄判定情報や、ステップS310において位置情報が取得されなかった場合に選択される間柄判定情報などを設定することができる。
【0074】
間柄判定部280は、間柄判定情報に従って、対象となる人同士の間柄を判定する(ステップS330)。はじめに、間柄判定情報選択部281により、図14に内容が示された間柄判定情報が選択された場合について説明する。間柄判定部280は、画像内親密度Diiと閾値Th1とを比較し(ステップS500)、画像内親密度Diiが閾値Th1以下である場合(ステップS500:NO)、間柄判定の対象となる人同士は「他人」であると判定する(ステップS505)。
【0075】
画像内親密度Diiが閾値Th1より大きい場合(ステップS500:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士の年齢差が閾値Th2より小さいか否かを判定する(ステップS515)。年齢差が閾値Th2より小さい場合(ステップS515:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人の年齢がそれぞれ12より大きいか否かを判定する(ステップS520)。
【0076】
間柄判定の対象となる人の少なくとも一方の年齢が12以下である場合(ステップS520:NO)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「友達」であると判定する(ステップS525)。間柄判定の対象となる人の年齢がそれぞれ12より大きい場合(ステップS520:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士が同性か否かを判定する(ステップS535)。
【0077】
間柄判定の対象となる人同士が同性である場合(ステップS535:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「友達」であると判定する(ステップS540)。間柄判定の対象となる人同士が異性である場合(ステップS535:NO)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「恋人もしくは夫婦」であると判定する(ステップS545)。
【0078】
ステップS515において、年齢差が閾値Th2以上である場合(ステップS515:NO)、間柄判定部280は、顔認証を実施する(ステップS550)。ここで、顔認証とは、間柄判定の対象となる人同士の顔の画像の類似度(顔類似度)を算出するために、それぞれの人の顔の画像から特徴量を算出し、両者の特徴量の類似度から顔類似度を算出する処理をいう。ここで用いられる顔の画像の特徴量には、例えば、対象画像がRGBで表されている場合、RGB色空間におけるカラーヒストグラムの各カラービンの画素度数を用いることができる。なお、人の顔の画像同士の類似度を算出できる方法であれば、上記以外の公知技術を用いてもよい。
【0079】
ステップS550において算出された顔類似度が閾値Th3より小さい場合(ステップS555:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「親子」であると判定する(ステップS560)。ステップS550において算出された顔類似度が閾値Th3以上である場合(ステップS555:NO)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「他人」であると判定する(ステップS565)。
【0080】
続いて、間柄判定情報選択部281が、図15に内容が示された間柄判定情報を選択した場合について説明する。間柄判定部280は、画像内親密度Diiと閾値Th4とを比較し(ステップS600)、画像内親密度Diiが閾値Th4以下である場合(ステップS600:NO)、間柄判定の対象となる人同士は「他人」であると判定する(ステップS605)。
【0081】
画像内親密度Diiが閾値Th4より大きい場合(ステップS600:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士の年齢差が閾値Th5より小さいか否かを判定する(ステップS615)。年齢差が閾値Th5以上である場合(ステップS615:NO)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「上司と部下」であると判定する(ステップS617)。
【0082】
年齢差が閾値Th5より小さい場合(ステップS615:YES)、間柄判定部280は、画像内親密度Diiが閾値Th6(>閾値Th4)より大きいか否かを判定する(ステップS620)。画像内親密度Diiが閾値Th6以下である場合(ステップS620:NO)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「同僚」であると判定する(ステップS625)。画像内親密度Diiが閾値Th6より大きい場合(ステップS620:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士が同性か否かを判定する(ステップS635)。
【0083】
間柄判定の対象となる人同士が同性である場合(ステップS635:YES)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「友達」であると判定する(ステップS640)。間柄判定の対象となる人同士が異性である場合(ステップS635:NO)、間柄判定部280は、間柄判定の対象となる人同士は「恋人」であると判定する(ステップS645)。
【0084】
間柄判定部280は、判定した間柄に関する情報(以後、「間柄情報」とも呼ぶ)を人物情報データベースHCに設定する。図16は、人物情報データベースHCに間柄情報を設定した状態を説明するための説明図である。間柄判定部280は、人物情報データベースHCにおいて、判定の対象となった2人の人物画像PIの画像データと間柄情報とをそれぞれ対応付ける。具体的には、注目画像OIにおいて、頭領域TA1により表される人物と、頭領域TA2により表される人物との間柄が「他人」であった場合、図16に示すように、頭領域TA1と対応する人物画像PI1の画像データと対応付けられている、頭領域TA2により表される人物に関する情報(ここでは、対象画像TIの画像識別子「IA」、人物識別子「bb」、および、画像内親密度Dii「5」)に、間柄情報である「他人」を追加する。また、頭領域TA2と対応する人物画像PI2の画像データと対応付けられている、頭領域TA1により表される人物に関する情報(ここでは、対象画像TIの画像識別子「IA」、人物識別子「aa」、および、画像内親密度Dii「5」)に、間柄情報である「他人」を追加する。上記により間柄判定処理が終了する。また、間柄判定処理の終了により、人物情報設定処理が終了する。
【0085】
図2に戻って、画像処理部200は、内部メモリー120に格納された画像ファイルに対応する対象画像TIを順次、注目画像OIとして設定し、ステップS110からステップS130の処理を実行する(ステップS135:NO)。このとき、ステップS120において検出された頭領域TAにより表される人物が既に人物情報データベースHCに設定されている場合には、画像処理部200は、その人物について、人物情報データベースHCに新たなレコードを設定しない。画像処理部200は、例えば、ステップS120において検出した頭領域TAに含まれる顔の画像と、人物情報データベースHCに表されている人物画像PIとの類似度をそれぞれ算出することにより、検出した頭領域TAにより表される人物が既に人物情報データベースHCに設定されているか否かを判定する。また、特徴判別部250は、検出した頭領域TAにより表される人物が既に人物情報データベースHCに設定されているか否かについての判定結果を用いて、一度、年齢判定および性別判定をおこなった人物については、再度、年齢判定および性別判定をおこなわない。画像処理部200は、すべての対象画像TIについて注目画像OIに設定し、ステップS110からステップS130の処理が完了すると(ステップS135:YES)、親密度算出部240は、親密度Diの算出をおこなう(ステップS140)。ここで、親密度Diは、画像内親密度Diiと同様に、注目画像OIに表されている人同士の互いの親密さの程度を表す値であり、人同士が互いに親密であるほど高い値となる。親密度Diは画像内親密度Diiを用いて算出する。
【0086】
図17は、親密度の算出方法を説明するための説明図である。図17は、人物識別子aaと対応する人物と人物識別子ccと対応する人物との間の親密度Diの算出例を示している。図17の太枠で示すように、親密度算出部240は、人物識別子aaと対応する人物について、画像識別子IBと対応する対象画像TIを用いて算出された人物識別子ccと対応する人物と間の画像内親密度Diiである「22」と、画像識別子ICと対応する対象画像TIを用いて算出された画像内親密度Diiである「20」との平均値である「21」を、人物識別子ccと対応する人物との間の親密度Diとして設定する。すなわち、親密度算出部240は、同一人物同士の画像内親密度Diiの平均値を親密度Diとして算出する。また、親密度算出部240は、人物識別子ccと対応する人物との間の親密度Diの算定に、画像識別子IBに対応する対象画像TIと、画像識別子ICに対応する対象画像TIの2つの対象画像TIを用いているため、頻度Fdに「2」を設定する。頻度Fdは、対象画像TIに現れる頻度が高い人同士ほど高い値となる。
【0087】
人物識別子aaと対応する人物と、人物識別子bbと対応する人物との間の画像内親密度Diiのように、同一人物同士の画像内親密度Diiが1つしか設定されていない場合には、親密度算出部240は、画像内親密度Diiの値を親密度Diとして設定する。また、親密度算出部240は、頻度Fdに「1」を設定する。なお、親密度Diは、同一人物同士の画像内親密度Diiの平均値である必要はなく、例えば、同一人物同士の画像内親密度Diiをたし合わせた累積値であってもよいし、同一人物同士の画像内親密度Diiのうちの最大値であってもよい。
【0088】
親密度Diが算出されると、間柄関係図作成部290は、間柄関係図の作成をおこなう(ステップS150)。間柄関係図は、対象画像に表されている人同士のそれぞれの間柄を図示することにより、対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の間柄を表した図である。間柄関係図作成部290は、間柄関係図を表す画像データを生成する。
【0089】
図18は、間柄関係図を例示した説明図である。間柄関係図RMには、人物画像PI(PI1〜PI6)と、人物画像PIの外周部に形成される人物画像フレームFiと、人物画像PIにより表されている人物の年齢情報agおよび性別情報Ssと、人物画像フレームFi同士をつなぐ関係線Rlと、が含まれている。
【0090】
間柄関係図作成部290は、人物情報データベースHCに設定されている人物画像PIの画像データを用いて間柄関係図RMの人物画像PIを作成する。また、間柄関係図作成部290は、人物情報データベースHCに設定されている年齢および性別についての人物情報を用いて間柄関係図RMの年齢情報agおよび性別情報Ssを作成する。性別情報Ssは、図18に示すように人物画像フレームFiの一部に記号として表されている。間柄関係図作成部290は、人物情報データベースHCに設定されている親密度Diを用いて関係線Rlの長さLrを決定する。具体的には、間柄関係図作成部290は、親密度Diが大きいほど、その対象となる人同士の人物画像フレームFiをつなぐ関係線Rlの長さLrが短くなるように関係線Rlの長さLrを決定する。すなわち、間柄関係図RMにおいて、親密度Diが大きい人同士ほど、その人同士の人物画像フレームFiが近づくように設定される。これにより、ユーザーは視覚を通して容易に人同士の親密度の程度を把握することができる。
【0091】
間柄関係図作成部290は、人物情報データベースHCに設定されている頻度Fdを用いて関係線の幅Wrを決定する。具体的には、間柄関係図作成部290は、頻度Fdが大きいほど、その対象となる人同士の人物画像フレームFiをつなぐ関係線Rlの幅Wrを広くする。これにより、間柄関係図RMにおいて、対象画像TIに現れる頻度が高い人同士ほど、その人同士の人物画像フレームFiをつなぐ関係線Rlが太くなるため、その関係線Rlの信用性が高いことがわかる。すなわち、対象画像TIに現れる頻度が低い人同士であれば、親密ではない人同士であるにもかかわらず、偶然にお互いの距離が近い対象画像TIが存在した場合、その対象画像TIが親密度Diに与える影響が大きくなる。一方、対象画像TIに現れる頻度が高い人同士であれば、親密ではない人同士であるにもかかわらず、一部にお互いの距離が近い対象画像TIが存在しても、他に多数のお互いの距離が遠い対象画像TIが存在するため、お互いの距離が近い対象画像TIが親密度Diに与える影響を抑制することができる。間柄関係図作成部290は、生成した間柄関係図を表す画像データを内部メモリー120に格納する。
【0092】
表示制御部310は、間柄関係図RMを表示する(ステップS155)。図19は、間柄関係図を含むユーザインターフェースを例示した説明図である。表示制御部310は、ステップS150により生成された間柄関係図RMを表す画像データを用いて、表示部150に間柄関係図RMを含むユーザインターフェースを表示させる。図19に示すユーザインターフェースは、間柄関係図RMのほか、ユーザーに関係線Rlもしくは人物画像PIの選択を要求する旨の表示と、入力ボックスBoを備えている。本実施例に係るプリンター100は、ユーザーによる関係線Rlの選択、もしくは、入力ボックスBoへのキーワード等の入力により特定される人物を含む対象画像の検索をおこなう。
【0093】
特定情報取得部260は、特定情報を取得する(ステップS160)ここで、特定情報とは、検索対象となる人物を特定するための情報である。ここでは、ユーザーにより選択された関係線Rlが特定情報に該当する。なお、特定情報としては、他に、間柄関係図RMにおいて、ユーザーにより選択された人物画像PIや人物画像フレームであってもよいし、入力ボックスBoに入力された、人物を特定するための情報であってもよい。入力ボックスBoに入力される、人物を特定するための情報とは、例えば、性別や年齢などの入力情報のほか、人物情報データベースHCに人物情報と氏名情報とが関連づけられている場合には、氏名等の入力情報が特定情報に該当する。また、検索対象となる人物を表す画像ファイルのファイル名を入力ボックスBoに入力する場合、このファイル名が特定情報に該当する。すなわち、特定情報とは、ユーザーにより入力された入力情報であるともいえる。
【0094】
画像検索部270は、画像検索をおこなう(ステップS170)。画像検索部270はユーザーにより選択された関係線Rl(特定情報)から、この関係線Rlにより結ばれる2人の人物画像PIが含まれている対象画像TIの画像識別子を特定する。具体的には、図19の斜線で示すように、人物画像PI1で表される人物と人物画像PI3で表される人物との関係線Rlaがユーザーにより選択された場合、画像検索部270は、図17に示す人物情報データベースHCから、選択された関係線Rlaと対応する親密度Diを特定する。ここでは、図17の太枠で囲まれている親密度Diが関係線Rlaと対応している。画像検索部270は、特定した親密度Diから、親密度Diの算出根拠となった画像内親密度Diiを算定した対象画像TIの画像識別子IB、ICを特定する。画像検索部270は、特定した画像識別子IB、ICと対応する対象画像TI2、TI3を内部メモリー120から選択する。このように、特定情報である関係線Rlによって、関係線で繋がれた2人の人物を特定することができるため、画像検索部270は、特定情報に基づいて、対象画像TIから検索対象となる人物の顔の画像が含まれている対象画像TIを検索しているといえる。
【0095】
表示制御部310は、印刷画像を表示する(ステップS180)。図20は、第1の印刷画面を例示した説明図である。表示制御部310は、ステップS170において検索された対象画像TI2、TI3を表示部150に表示する。このとき、表示制御部310は、人物画像PI1で表される人物と人物画像PI3で表される人物との画像内親密度Diiの高い順に表示させる。具体的には、図17に示すように、対象画像TI2における画像内親密度Diiは「22」であり、対象画像TI3における画像内親密度Diiは「20」であることから、表示制御部310は、対象画像TI2が先となるように(ここでは、左側となるように)表示する。印刷画面には、印刷画像のほか、4つのボタンBN1〜BN3、5が表示されている。ユーザーにより、1つ(または複数)の対象画像TIが選択されると共に印刷ボタンBN3が選択されると、選択された画像を印刷する印刷処理を実行する。
【0096】
印刷制御部320は、印刷処理をおこなう(ステップS190)。印刷制御部320は、選択された対象画像TIについての印刷データを生成する。具体的には、印刷制御部320は、選択された対象画像TIについて、各画素の画素値をプリンター100が用いるインクに合わせるための色変換処理や、色変換処理後の画素の階調をドットの分布によって表すためのハーフトーン処理や、ハーフトーン処理された画像データのデータ並びをプリンター100に転送すべき順序に並び替えるためのラスタライズ処理等を実施して印刷データを生成する。印刷機構160は、印刷制御部320により生成された印刷データに基づいて、選択された対象画像TIの印刷をおこなう。上記により、画像検索・印刷処理は終了する。
【0097】
上記では、ステップS160において、ユーザーにより選択された関係線Rlを特定情報として処理をおこなっていたが、図19に示すユーザインターフェースにおいて、ユーザーにより人物画像PIが選択された場合について説明する。ここでは、人物画像PI1が選択された場合について説明する。
【0098】
画像検索部270は、画像検索をおこなう(ステップS170)。画像検索部270は、人物情報データベースHCを用いて、ユーザーにより選択された人物画像PI1(特定情報)と対応する人物の人物識別子aaを特定する。画像検索部270は、図7に示すように、内部メモリー120に記憶されている対象画像TIから、特定した人物識別子aaと関連づけられている対象画像TIを選択する。このとき選択された対象画像TIは、後述する対象画像リストRst1に含まれる。
【0099】
画像検索部270は、人物情報データベースHCを用いて、人物画像PI1と対応する人物と最も親密度Diが高い人物の人物識別子ccを特定する。画像検索部270は、内部メモリー120に記憶されている対象画像TIから、特定した人物識別子ccと関連づけられている対象画像TIを選択する。このとき選択された対象画像TIは、後述する対象画像リストRst2に含まれる。このとき、対象画像リストRst1に含まれた対象画像TIが重複して対象画像リストRst2含まれることがある。
【0100】
画像検索部270は、人物画像PI1と対応する人物との親密度Diが高い人物から順に人物識別子を特定し、特定したそれぞれの人物識別子と関連づけられている対象画像TIを順に内部メモリー120に記憶されている対象画像TIから選択する。人物識別子ごとに選択された対象画像TIは、それぞれ別の対象画像リストRstに含まれる。このとき、異なる対象画像リストRstに同じ対象画像TIが重複して含まれることがある。以後、各対象画像リストRstにおいて、検索に用いられた人物識別子により表される人物を「基準人物」と呼ぶ。ここでは、対象画像リストRst1の基準人物は、人物画像PI1と対応する人物であり、対象画像リストRst2の基準人物は、人物画像PI3と対応する人物である。
【0101】
上記のとおり、画像検索部270は、複数の対象画像TIから、特定情報により特定された検索対象となる人物(ここでは、人物画像PI1と対応する人物)の顔の画像が含まれている対象画像TIを検索するのみではなく、検索対象となる人物と所定の親密度Diを有する人物の顔の画像が含まれている対象画像TIの検索もおこなう。ここで、所定の親密度Diを有する人物とは、例えば、検索対象となる人物と最も高い親密度Diを有している人物や、検索対象となる人物との親密度Diが設定値以上の人物などをいう。
【0102】
画像検索部270は、人物情報データベースHCに含まれているすべての人物の人物識別子を用いて、各人物識別子と関連づけられている対象画像TIをそれぞれ内部メモリー120に記憶されている対象画像TIから選択してもよいし、予め設定された人数分の人物識別子のみを用いて、人物識別子と関連づけられている対象画像TIを内部メモリー120に記憶されている対象画像TIから選択してもよい。また、検索対象となる人との親密度Diが予め設定された値以上となる人物の人物識別子のみを用いて、人物識別子と関連づけられている対象画像TIを内部メモリー120に記憶されている対象画像TIから選択してもよい。
【0103】
表示制御部310は、印刷画像を表示する(ステップS180)。図21は、第2の印刷画面を例示した説明図である。表示制御部310は、ステップS170において検索された対象画像TIを表示部150に表示させる。このとき、表示制御部310は、図21に示すように、対象画像リストRstごとに対象画像TIを表示する。表示制御部310は、各対象画像リストRstに含まれる対象画像TIをそれぞれ積層して表示し、積層した対象画像TIの一番上に基準人物の人物画像PIを表示している。表示制御部310は、ユーザーにより、積層されている対象画像TIのうちの少なくとも一部が選択されると、選択された対象画像TIの全体を表示する。
【0104】
表示制御部310は、検索対象となる人(人物画像PI1により表される人物)の対象画像リストRst1を先頭(ここでは、最も左側)にして、検索対象となる人との親密度Diがより高い人物を基準人物とした対象画像リストRstから順に(右側に)並べて表示する。具体的には、図21に示すように、人物画像PI1により表される人物と最も親密度Diの高い人物(人物画像PI3により表される人物)の対象画像リストRst2、人物画像PI1により表される人物と2番目に親密度Diの高い人物(人物画像PI5により表される人物)の対象画像リストRst3、人物画像PI1により表される人物と3番目に親密度Diの高い人物(人物画像PI4により表される人物)の対象画像リストRst4の順に(ここでは、左側から順となるように)並べて表示する。
【0105】
図22は、対象画像リストに含まれる対象画像の並び順を説明するための説明図である。表示制御部310は、各対象画像リストRstにおいて、基準人物との親密度Diがより高い人の顔の画像が含まれている対象画像TIのグループから順に並べて表示する。具体的には、図22に示す対象画像リストRst1のように、表示制御部310は、人物画像PI1により表される人物と最も親密度Diの高い人物の人物画像PI3が含まれている対象画像TIa、TIb、TIcを含む対象画像グループGrp1、人物画像PI1により表される人物と2番目に親密度Diの高い人物の人物画像PI5が含まれている対象画像TId、TIe、TIfを含む対象画像グループGrp2、人物画像PI1により表される人物と3番目に親密度Diの高い人物の人物画像PI4が含まれている対象画像TIg、TIhを含む対象画像グループGrp3の順に(ここでは、左側から順となるように)並べて対象画像TIを表示する。
【0106】
表示制御部310は、対象画像リストRstの各対象画像グループGrpにおいて、グループの対象画像に共通して含まれる人物と、基準人物との画像内親密度Diiが高い対象画像TIから順に並べて表示する。具体的には、図22に示すように、対象画像リストRst1の対象画像グループGrp1において、表示制御部310は、グループの対象画像に共通して含まれる人物(人物画像PI3により表される人物)と、基準人物(人物画像PI1により表される人物)との画像内親密度Diiが高い対象画像TIから順に並べて表示する。すなわち、表示制御部310は、3つの対象画像TIa、TIb、TIcのうち、最も画像内親密度Diiが高い対象画像TIa、2番目に画像内親密度Diiが高い対象画像TIb、3番目に画像内親密度Diiが高い対象画像TIcの順に(ここでは、左側から順となるように)並べて表示する。対象画像グループGrp2、Grp3についても同様に、表示制御部310は、それぞれ、各グループの対象画像に共通して含まれる人物(人物画像PI5により表される人物、もしくは、人物画像PI4により表される人物)と、基準人物との画像内親密度Diiが高い対象画像TIから順に並べて表示する。
【0107】
第2の印刷画面では、各対象画像リストRstが左右方向(水平方向)に一列に並べられ、また、各対象画像リストRstに含まれている対象画像TIは、各対象画像リストRstが並べられている方向と直交する奥行き方向に並べて(積層されて)表示されている。第2の印刷画面には、印刷画像のほか、5つのボタンBN1〜BN3、5、7が表示されている。ユーザーにより、1つ(または複数)の対象画像TIが選択されると共に印刷ボタンBN3が選択されると、選択された画像を印刷する印刷処理を実行する。
【0108】
図23は、第3の印刷画面を例示した説明図である。表示制御部310は、第2の印刷画面においてユーザーにより表示変更ボタンBN7が選択されると、図23に示す第3の印刷画面を表示部150に表示させる。具体的には、表示制御部310は、第2の印刷画面と同様に、検索対象となる人(人物画像PI1により表される人物)の対象画像リストRst1を先頭(ここでは、最も左側)にして、検索対象となる人との親密度Diが高い人物を基準人物とした対象画像リストRstから順に(右側に)並べて表示する。また、表示制御部310は、各対象画像リストRstにおいて、基準人物との親密度Diが高い人の顔の画像が含まれている対象画像TIのグループから順に並べて表示する。また、表示制御部310は、対象画像リストRstの各対象画像グループGrpにおいて、基準人物との画像内親密度Diiが高い対象画像TIから順に並べて表示する。
【0109】
第3の印刷画面では、各対象画像リストRstが左右方向(水平方向)に一列に並べられ、また、各対象画像リストRstに含まれている対象画像TIは、各対象画像リストRstが並べられている方向と直交する方向である上下方向(垂直方向)に並べて表示されている。第3の印刷画面には、印刷画像のほか、5つのボタンBN1〜BN3、5、8が表示されている。ユーザーにより、1つ(または複数)の対象画像TIが選択されると共に印刷ボタンBN3が選択されると、選択された画像を印刷する印刷処理を実行する。表示制御部310は、ユーザーにより表示変更ボタンBN8が選択されると、図21に示す第2の印刷画面を表示部150に表示させる。
【0110】
本実施例において、人物情報は、特許請求の範囲における「人の特徴」に該当する。本実施例において、親密度Diは、特許請求の範囲における「親密度」に該当する。本実施例において、複数の間柄判定情報が記憶されている内部メモリー120は、特許請求の範囲における「記憶部」に該当する。
【0111】
以上説明した第1の実施例に係るプリンター100によれば、対象画像TIの顔領域FAに表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離Sbdを用いて人同士の互いの親密さの程度を表す親密度Diを算出するため、対象画像TIから人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。具体的には、写真撮影時の人同士の実際の距離を算出することで、写真撮影時において、お互いに親密である人同士ほどお互いの距離が近い状態となり、また、親密でない人同士の場合には、お互いに近接した状態となることが少ないという撮影時の特性を利用して親密度Diを算出することができるため、親密度Diの精度を高めることができる。
【0112】
対象画像TIに表されている顔の画像同士の距離から親密度を算出する技術については従来から知られていた。しかし、対象画像TIに表された顔の画像同士の距離を用いて親密度を算出する場合、対象画像TIの奥行き方向における人同士の距離が親密度に反映されないため、実際には、奥行き方向で人同士の距離が離れていても、対象画像TIに表された顔の画像同士の距離が近い場合、親密度が高く算出されることがあった。しかし、本発明によれば、対象画像TIの奥行き方法の距離を親密度Diに反映することができるため、人同士の親密さの程度を精度良く親密度Diに反映させることができる。
【0113】
すなわち、第1の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離が、第2の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離より小さく、第1の対象画像に表されている顔同士の実際の距離が、第2の対象画像に表されている顔同士の実際の距離より大きい場合、プリンター100は、第1の対象画像に表されている人同士より第2の対象画像に表されている人同士の方がより親密度が高くなるようにそれぞれの親密度を算出することができる。これは、対象画像TIに表されている顔の画像同士の距離から親密度を算出する従来技術においては、第1の対象画像に表されている人同士より第2の対象画像に表されている人同士の方がより親密度が小さくなるようにそれぞれの親密度を算出すると考えられるため、本発明により親密度を算出する精度の向上が図られていることがわかる。
【0114】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、対象画像TIごとに算出される画像内親密度Diiについても、対象画像TIの顔領域FAに表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離Sbdを用いて算出するため、対象画像TIから人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。具体的には、人同士の関係は、各写真においても、お互いに親密である人同士ほどお互いの距離が近い状態となり、また、親密でない人同士の場合には、お互いに近接した状態となることが少ないため、写真ごとの親密度である画像内親密度Diiに写真撮影時の特性を利用することで、画像内親密度Diiの精度を高めることができる。
【0115】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、被写体距離推定部は、対象画像の大きさに対する顔領域の大きさに基づいて被写体距離を推定するため、顔領域に表されている顔から撮影装置までの距離である被写体距離を容易に推定することができる。具体的には、式(3)に示すように、被写体距離推定部は、注目画像OIにおける画像全体の幅Wwiと顔領域FAの幅Wfiを用いることで被写体距離を容易に推定することができる。
【0116】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、親密度Diと、人の特徴とを用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。具体的には、人同士の関係性を表す間柄を特定するために、対象画像TIの顔領域FAに表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離Sbdを用いて算出された親密度Diのほか、対象画像TIから判定された人の特徴を用いるため、親密度が同じであっても異なる間柄を判別することができる。
【0117】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、親密度と、人の年齢とを用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。具体的には、人同士の関係性を表す間柄を特定するために、親密度Diのほか、対象画像TIから判定された人の年齢を用いるため、親密度が同じであっても親子か友達かなどの具体的な間柄の違いを判別することができる。また、親密度と、人の性別とを用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。具体的には、人同士の関係性を表す間柄を特定するために、親密度Diのほか、対象画像TIから判定された人の性別を用いるため、親密度が同じであっても恋人・夫婦か友達かなどの具体的な間柄の違いを判別することができる。
【0118】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、間柄判定情報選択部により選択された間柄判定情報を用いて、対象画像に表されている人同士の間柄を判定するため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。具体的には、人同士の位置関係や、性別、年齢などの特徴が同様であっても、撮影された場所により人同士の間柄が異なる可能性がある。しかし、本実施例によれば、撮影された場所に対応する間柄判定情報を用いて人同士の間柄を判定するため、対象画像TIから人同士の間柄を特定する精度の向上を図ることができる。
【0119】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、1以上の対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の間柄関係を表す間柄関係図を作成するため、ユーザーは対象画像に表されている人同士の間柄を容易に把握することができる。また、ユーザーは、間柄関係図に表されている間柄や、人物画像を任意に選択することにより、複数の対象画像の中から、所望の対象画像を識別することができる。
【0120】
また、間柄関係図は、対象画像に現れる人の顔の画像と、人の画像同士をつなぐ関係線とが表され、親密度が高い人同士ほど顔の画像同士の距離が小さく、対象画像に現れる頻度が高い人同士ほど関係線の幅が大きく表されているため、対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の関係性を容易に表示することができる。具体的には、間柄関係図RMにおいて、親密度Diが大きい人同士ほど、その人同士の人物画像フレームFiが近づくように設定される。これにより、ユーザーは視覚を通して容易に人同士の親密度の程度を把握することができる。また、対象画像TIに現れる頻度が高い人同士ほど、その人同士の人物画像フレームFiをつなぐ関係線Rlが太くなるため、ユーザーは、その関係線Rlの信用性を容易に把握することができる。すなわち、対象画像に現れる頻度が低い人同士であれば、親密ではない人同士であるにもかかわらず、偶然にお互いの距離が近い対象画像が存在した場合、その対象画像が親密度に与える影響が大きくなる。一方、対象画像に現れる頻度が高い人同士であれば、親密ではない人同士であるにもかかわらず、一部にお互いの距離が近い対象画像が存在しても、他に多数のお互いの距離が遠い対象画像が存在するため、お互いの距離が近い対象画像が親密度に与える影響を抑制することができる。よって、関係線Rlが太いほど、その関係線Rlの信用性が高いといえる。
【0121】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、第1の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離が、第2の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離より小さく、第1の対象画像に表されている顔同士の実際の距離が、第2の対象画像に表されている顔同士の実際の距離より大きい場合、間柄関係図において、第1の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離より第2の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離の方が小さくなるように間柄関係図を作成することができる。これは、対象画像TIに表されている顔の画像同士の距離から親密度を算出する従来技術を利用して間柄関係図を作成した場合においては、第1の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離より第2の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離の方が大きくなるように間柄関係図を作成すると考えられるため、本発明により間柄関係図の精度の向上が図られていることがわかる。
【0122】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、検索された対象画像を、検索対象となる人物との親密度がより高い人物の顔の画像を含む対象画像グループから順に対象画像を並べて表示するため、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。具体的には、図22に示すように、プリンター100は、対象画像リストRstにおいて、検索対象となる人物との親密度Diがより高い人の顔の画像が含まれている対象画像TIの対象画像グループGrpから順に並べて表示する。より具体的には、プリンター100は、検索対象となる人物と最も親密度Diの高い人物の人物画像PIが含まれている対象画像TIを含む対象画像グループGrp1、検索対象となる人物と2番目に親密度Diの高い人物の人物画像PIが含まれている対象画像TIを含む対象画像グループGrp2、検索対象となる人物と3番目に親密度Diの高い人物の人物画像PIが含まれている対象画像TIを含む対象画像グループGrp3の順に並べて対象画像TIを表示する。これにより、ユーザーは、検索対象となる人物との親密度Diの高い人物の人物画像PIが含まれている対象画像TIから順に対象画像TIを確認することができるため、画像検索を容易にすることができる。
【0123】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、対象画像リストを構成する各対象画像グループにおいて、対象画像グループごとの対象画像に共通して含まれる人物と検索対象となる人物との画像内親密度が高い順に対象画像を並べて表示するため、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。具体的には、図22に示すように、プリンター100は、対象画像リストRstの各対象画像グループGrpにおいて、グループの対象画像に共通して含まれる人物と、検索対象となる人物(基準人物)との画像内親密度Diiが高い対象画像TIから順に並べて表示する。より具体的には、プリンター100は、対象画像リストRst1の対象画像グループGrp1において、グループの対象画像に共通して含まれる人物(人物画像PI3により表される人物)と、基準人物(人物画像PI1により表される人物)との画像内親密度Diiが高い対象画像TIから順に並べて表示する。すなわち、プリンター100は、3つの対象画像TIa、TIb、TIcのうち、最も画像内親密度Diiが高い対象画像TIa、2番目に画像内親密度Diiが高い対象画像TIb、3番目に画像内親密度Diiが高い対象画像TIcの順に(ここでは、左側から順となるように)並べて表示する。これにより、ユーザーは、同一の人物が含まれている対象画像TIについて、画像内親密度Diiがより高い対象画像TIから順に確認することができるため、画像検索を容易にすることができる。
【0124】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、対象画像から、検索対象となる人物と所定の親密度を有する人物の顔の画像が含まれている対象画像を検索し、検索した対象画像を、所定の親密度を有する人物との親密度がより高い人物の顔の画像を含む対象画像グループから順に対象画像を並べた対象画像リストを表示するため、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。具体的には、プリンター100は、検索対象となる人物の顔の画像が含まれている対象画像を検索するのみではなく、検索対象となる人物と所定の親密度を有する人物の顔の画像が含まれている対象画像についても検索をおこない、検索した対象画像を、所定の親密度を有する人物との親密度がより高い人物の顔の画像を含む対象画像グループから順に対象画像を並べて表示する。これにより、ユーザーは、所定の親密度を有する人物との親密度Diの高い人物の人物画像PIが含まれている対象画像TIから順に対象画像TIを確認することができるため、画像検索を容易にすることができる。なお、所定の親密度Diを有する人物とは、例えば、検索対象となる人物と最も高い親密度Diを有している人物や、検索対象となる人物との親密度Diが設定値以上の人物などをいう。
【0125】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、対象画像リストRstに含まれる対象画像を第1の方向に一列に並べるとともに、複数の対象画像リストRstを第1の方向と直交する第2の方向に並べて表示するため、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。具体的には、図21および図23に示すように、対象画像の並ぶ方向と対象画像リストが並ぶ方向を直交させることにより、表示されたそれぞれの対象画像が属する対象画像リストRsが視覚的に容易に判別できるため、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。
【0126】
第1の実施例に係るプリンター100によれば、複数の対象画像リストRstを、検索対象となる人物との親密度がより高い人物の対象画像リストRstから順に並べて表示するため、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。具体的には、図21および図23に示すように、検索対象となる人物との親密度がより高い人物を基準人物とする対象画像リストRstから順に並べて表示することにより、ユーザーによる画像検索を容易にすることができる。例えば、検索対象となる人物が、自身と親密度の高い友人や子供についての画像を検索したい場合、友人や子供を検索対象に設定しなくても、自身を検索対象となる人物に設定することで、親密度の高い友人や子供についての対象画像リストを自身との親密度の高い順に表示することができるため、所望の画像を容易に取得することができる。
【0127】
B.第2実施例:
図24は、第2実施例における人物情報設定処理の流れを示すフローチャートである。第1実施例では、画像検索・印刷処理のステップS130(図2)における人物情報設定処理(図8)において、まず、特徴判別部250により、注目画像OIに表されている人の年齢および性別の判定がおこなわれていたが(ステップS210)、本実施例では、図24に示すように、年齢および性別の判定をおこなわず、ステップS250における間柄判定処理において実施する態様について説明する。被写体距離Sdの推定(ステップS220)、被写体間距離Sbdの推定(ステップS230)、画像内親密度Diiの算出(ステップS240)については、第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0128】
図25は、第3の間柄判定情報の内容を説明するための説明図である。図25は、第1実施例と同様に、内部メモリー120に記憶されている間柄判定情報の1つであって、街路で撮影された画像に対応する間柄判定情報の内容を例示している。すなわち、図25に示した間柄判定情報の内容は、図14で示した間柄判定情報の内容と対応している。第2実施例で説明する間柄判定処理は、間柄判定情報の内容以外については第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0129】
間柄判定情報選択部281が、図25に内容が示された間柄判定情報を選択した場合について説明する。ステップS500およびステップS505は第1実施例と同様である。画像内親密度Diiが閾値Th1より大きい場合(ステップS500:YES)、特徴判別部250は、注目画像OIに表されている人の年齢の判定をおこなう(ステップS510)。年齢判定の方法は第1実施例と同様である。年齢判定の後、間柄判定部280は、ステップS515〜S525を実施する。ステップS515〜S525については第1実施例と同様である。ステップS520において、間柄判定の対象となる人の年齢がそれぞれ12より大きい場合(ステップS520:YES)、特徴判別部250は、注目画像OIに表されている人の性別の判定をおこなう(ステップS530)。性別判定の方法は第1実施例と同様である。性別判定の後、間柄判定部280は、ステップS535〜S545を実施する。上記により間柄判定処理が終了する。また、間柄判定処理の終了により、人物情報設定処理が終了する。
【0130】
以上説明した第2の実施例に係るプリンター100によれば、年齢判定もしくは性別判定の少なくとも一方を実施せずに間柄の判定をおこなうことができるため、画像検索・印刷処理の処理効率の向上を図ることができる。具体的には、上記のステップS500において、画像内親密度Diiが閾値Th1以下である場合(ステップS500:NO)、年齢判定や性別判定をおこなわなくても、間柄判定の対象となる人同士は「他人」であると判定することができる。また、ステップS515において、年齢差が閾値Th2以上である場合(ステップS515:NO)、または、ステップS520において、間柄判定の対象となる人の少なくとも一方の年齢が12以下である場合(ステップS520:NO)、性別判定をおこなわなくても、間柄判定の対象となる人同士の間柄を判定することができる。なお、年齢判定をおこなった後に性別判定をおこなうことにより、間柄判定の対象となる人同士の間柄を効率よく判定することができる。これは、性別の差異よりも年齢の差異の方が、人同士の間柄の決定に与える影響が大きいためと考えられる。
【0131】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0132】
C1.変形例1:
本実施例に係るプリンター100は、対象画像から年齢や性別などの人の特徴を判別する特徴判別部250と、人同士の間柄を判定する間柄判定部280と、間柄関係図RMを作成する間柄関係図作成部290と、を備えているが、プリンター100は、これらの少なくとも一部を備えていない態様であっても実現することができる。すなわち、上記構成を備えていなくても、対象画像の顔領域に表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離を用いて親密度を算出することができるため、対象画像から人同士の関係性を特定する精度の向上を図ることができる。
【0133】
C2.変形例2:
本実施例に係るプリンター100は、図21や図23に示すような印刷画面を表示部150に表示し、ユーザーから選択された対象画像を印刷しているが、プリンター100は、電気的に接続されたコンピューターやモニターを含めた概念で捉えてもよく、この場合、モニターに図21や図23に示すような印刷画面を表示し、表示制御部はコンピューターのCPUにより実現されてもよい。また、プリンター100は、図21や図23に示すような対象画像を印刷してもよい。
【0134】
C3.変形例3:
本実施例に係るプリンター100は、図21および図23に示す印刷画面において、検索対象となる人の対象画像リストRst1を先頭(ここでは、最も左側)にして、検索対象となる人との親密度Diがより高い人物を基準人物とした対象画像リストRstから順に(右側に)並べて表示しているが、検索対象となる人の対象画像リストRst1を最も右側にして、検索対象となる人との親密度Diがより高い人物を基準人物とした対象画像リストRstから順に左側に並べて表示してもよい。また、検索対象となる人の対象画像リストRst1を最も上側にして、検索対象となる人との親密度Diがより高い人物を基準人物とした対象画像リストRstから順に下側に並べて表示してもよい。
【0135】
C4.変形例4:
本実施例に係るプリンター100は、間柄関係図RMに、人物画像PIと、人物画像PIの外周部に形成される人物画像フレームFiと、人物画像PIにより表されている人物の年齢情報agおよび性別情報Ssと、人物画像フレームFi同士をつなぐ関係線Rlと、を含めて作成しているが、間柄関係図RMは、これらの一部がない態様であってもよい。また、本実施例では、人物情報データベースHCに設定されている頻度Fdを用いて関係線の幅Wrを決定し、また、親密度Diを用いて関係線Rlの長さLrを決定しているが、これらは、例示であり、間柄関係図RMを構成するこれら以外の要素を人物情報データベースHCなどの情報に基づいて変化させもよい。例えば、対象画像TIに現れる頻度によって人物画像PIの大きさを変える態様としてもよい。
【0136】
C5.変形例5:
本実施例に係るプリンター100は、間柄判定情報を用いて間柄を判定しているが、本実施例で示した間柄判定情報の内容は例示であり、これら以外の情報に基づいて間柄を判定してもよい。また、本実施例では、対象画像が撮影された場所ごとに設定された間柄判定情報を用いて間柄を判定しているが、対象画像が撮影された場所に関係なく1つの間柄判定情報を用いて間柄を判定する態様であってもよい。
【0137】
C6.変形例6:
本実施例に係るプリンター100は、ユーザーによる関係線Rlの選択、もしくは、入力ボックスBoへのキーワード等の入力により、検索対象となる人物の特定をおこなっているが、検索対象となる人物の特定はこれ以外の方法におこなってもよい。例えば、プリンター100は、ユーザーにより設定された任意の顔の画像をクエリ画像とし、このクエリ画像を用いて顔認証をおこなうことにより、クエリ画像と最も類似する人物画像PIにより表される人物を検索対象となる人として設定してもよい。
【0138】
C7.変形例7:
本実施例に係るプリンター100は、画像内親密度Diiを用いて注目画像OIに表されている人同士の間柄を算出しているが、親密度Diを用いて注目画像OIに表されている人同士の間柄を算出してもよい。この場合、間柄判定情報選択部281は、例えば、親密度Diの算出に用いた画像内親密度Diiのうち、最も値の高い画像内親密度Diiが算出された対象画像TIの位置情報を用いて間柄判定情報を選択してもよい。
【0139】
C8.変形例8:
本実施例に係るプリンター100は、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0140】
C9.変形例9:
本発明は、プリンターのほか、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピューター、デジタルビデオカメラ等で実現することができる。また、画像処理方法および装置、親密度算出方法および装置、間柄関係表示方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0141】
100…プリンター
110…CPU
120…内部メモリー
140…操作部
150…表示部
160…印刷機構
170…カードインターフェース
172…カードスロット
200…画像処理部
210…顔領域検出部
220…被写体距離推定部
230…被写体間距離推定部
240…親密度算出部
250…特徴判別部
260…特定情報取得部
270…画像検索部
280…間柄判定部
281…間柄判定情報選択部
290…間柄関係図作成部
310…表示制御部
320…印刷制御部
MC…メモリーカード
HC…人物情報データベース
RM…間柄関係図
Rst…対象画像リスト
Grp…対象画像グループ
FA…顔領域
TA…頭領域
OI…注目画像
TI…対象画像
Di…親密度
Dii…画像内親密度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顔の画像を含む対象画像を処理する画像処理装置であって、
前記対象画像から顔の画像を含む画像領域である顔領域をそれぞれ検出する顔領域検出部と、
前記顔領域に表されている顔から撮影装置までの距離である被写体距離をそれぞれ推定する被写体距離推定部と、
前記被写体距離を用いて、前記顔領域に表されている顔同士の実際の距離である被写体間距離を推定する被写体間距離推定部と、
推定された前記被写体間距離を用いて、人同士の親密さの程度を表す親密度を前記被写体間距離が小さいほど大きい値となるように算出する親密度算出部と、を備える画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置はさらに、
前記顔領域に含まれている顔の画像から人の特徴を判別する特徴判別部と、
前記親密度と前記人の特徴とを用いて、前記対象画像に表されている人同士の間柄を判定する間柄判定部と、を備える画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記特徴判別部は、前記顔領域に含まれている顔の画像から人の年齢を判別する画像処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像処理装置において、
前記特徴判別部は、前記顔領域に含まれている顔の画像から人の性別を判別する画像処理装置。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記間柄判定部は、
前記親密度および前記人の特徴と、前記人同士の間柄と、の対応関係が示されている2以上の間柄判定情報を記憶している記憶部と、
前記対象画像の撮影された場所に関する情報に基づき、前記記憶部から1つの間柄判定情報を選択する間柄判定情報選択部と、を備え、
前記間柄判定情報選択部により選択された間柄判定情報を用いて、前記対象画像に表されている人同士の間柄を判定する画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置において、
前記対象画像の撮影された場所に関する情報は、GPS情報を用いて特定される画像処理装置。
【請求項7】
請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の画像処理装置はさらに、
前記間柄判定部により判定された人同士の間柄から、1以上の前記対象画像の少なくとも一部に表されている人全員の間柄関係を表す間柄関係図を作成する間柄関係図作成部を備える画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記間柄関係図は、前記対象画像に現れる人の顔の画像と、前記人の顔の画像同士をつなぐ関係線とが表され、
前記親密度が高い人同士ほど前記顔の画像同士の距離が小さく、前記対象画像に現れる頻度が高い人同士ほど前記関係線の幅が大きく表されている画像処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記被写体距離推定部は、前記対象画像の大きさに対する前記顔領域の大きさに基づいて前記被写体距離を推定する画像処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記親密度算出部は、第1の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離が、第2の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離より小さく、第1の対象画像に表されている顔同士の実際の距離が、第2の対象画像に表されている顔同士の実際の距離より大きい場合、第1の対象画像に表されている人同士より第2の対象画像に表されている人同士の方がより親密度が高くなるように親密度を算出する画像処理装置。
【請求項11】
請求項8に記載の画像処理装置において、
前記間柄関係図作成部は、第1の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離が、第2の対象画像に含まれている顔の画像同士の距離より小さく、第1の対象画像に表されている顔同士の実際の距離が、第2の対象画像に表されている顔同士の実際の距離より大きい場合、前記間柄関係図において、第1の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離より第2の対象画像に現れる人の顔の画像同士の距離の方が小さくなるように前記間柄関係図を作成する画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−70275(P2011−70275A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218870(P2009−218870)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】