説明

画像処理装置

【課題】車両の車室内の画像を撮影して解析する画像処理装置において、高精度な画像での処理が可能で、回路基板実装の作業効率が良く撮影部の固定が安定し、車両への組み付けの作業効率もよい画像処理装置を提供する。
【解決手段】ECU1(画像処理装置)は、筐体10内に回路基板4を備え、その基板4上にカメラ5の受光素子41と画像処理回路40とが形成され、カメラ5で撮影して形成されたデジタル画像が画像処理回路40にそのまま送られて高精度な画像処理が行われる。カメラ5は基板4上で安定的に固定される。ECU1は、筐体10ごと例えば車両のステアリングコラムに組み付けられるので組み付け性が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転者の居眠り運転や脇見運転を防止するために、ドライバの状態をカメラで撮影してモニタし、居眠り運転や脇見運転が検出されたら警報を発するシステムが提案されている。例えば下記特許文献1では、顔の認識処理において、人が顔画像を撮影する画像入力装置に対して移動したり向きを変えなくても精度よく認識が実行できる装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−243466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術におけるドライバモニタシステムの例が図8に示されている。図8の例では、ステアリングコラムに固定されたカメラで運転者を撮影して画像データを形成し、その画像データをハーネスで接続されたドライバモニタECUに送って、同ECUで画像処理して運転者の眠気や脇見などを検出している。
【0005】
この、ハーネスにおける情報伝達はコストの観点からアナログ通信とする(つまりカメラで形成されたデジタル画像をアナログ情報に変換(D/A変換)する)場合が多いが、その場合ECUにおける画像処理の精度が低減する可能性がある。さらにカメラとECUを別々に車両に組み付けるために組み付けの作業効率が低い問題もある。また、ステアリングコラムに固定されるカメラは、垂直方向に配置された基板に対してカメラが水平方向に固定されており、カメラのレンズ等の重量によりカメラの固定部分にストレスがかかっていた。こうした問題を解決するドライバモニタシステムの開発が望まれる。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、車両の車室内の画像を撮影して処理する画像処理装置において、高精度な画像での処理が可能で、回路基板実装の作業効率が良く撮影部の固定が安定し、車両への組み付けの作業効率もよい画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、集光するレンズと、そのレンズを固定するレンズ固定部と、そのレンズで集光された光を受光する受光素子と、を備えて、車両の車室内の撮影対象を撮影してデジタル画像を形成する撮影部と、その撮影部で形成された画像を処理する画像処理回路と、前記レンズ固定部と前記受光素子と前記画像処理回路とを単一の基板面上に固定し、前記受光素子と前記画像処理回路とをその基板面上に形成された配線パターンによって電気的に接続し、その配線パターン上を前記撮影部で撮影された画像情報がデジタル信号として前記画像処理回路まで伝達される回路基板と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより本発明に係る画像処理装置では、車両の車室内を撮影する撮影部と、その撮影部で撮影された画像を処理する画像処理回路と、が同一の基板上に固定されているので、従来のように撮影部と画像処理回路とを別々に車両に組み付ける必要がなく、車両への組み付け効率が向上する。さらに撮影部の受光素子と画像処理回路とが配線パターンで電気的に接続されて、画像情報がデジタル信号として画像処理回路まで伝達されるので、従来のようにデジタル画像をアナログ情報に変換して送信して画像処理する必要がなく、デジタル画像のままで高精度な画像処理が実行できる。
【0009】
また前記回路基板は、前記基板面と仮想的な水平面との間の角度が45度以内となるように配置されて、前記撮影対象からの光を反射して、その反射光が前記レンズに入射するように配置されたミラーを備えたとしてもよい。
【0010】
これにより、基板面は水平に近い状態で配置されて、ミラーを装備して撮影対象からの光を撮影部に入射させるので、水平に近い状態の基板面の上に撮影部を固定することができて、従来のように撮影部の基板面の固定にストレスがかかり不安定であるといった懸念が解消されて、撮影部の基板上の固定が安定となる。よって長期的な使用のもとでも信頼性の高い画像処理装置が実現できる。
【0011】
また前記撮影部と前記画像処理回路と前記回路基板とを収容して、前記撮影部により車室内の撮影対象が撮影されて画像が形成されるように、車両に固定される筐体を備えたとしてもよい。
【0012】
これにより、筐体を備えて、筐体の中に撮影部と画像処理回路と回路基板とを収容するので、筐体ごと車両に組み付ければよく、組み付け性が高い。
【0013】
また前記撮影対象には車両の運転者が含まれ、前記筐体は、前記撮影部が運転者を撮影するように前記車両のステアリングコラムに固定されたとしてもよい。
【0014】
これにより、筐体を備えて、筐体の中に撮影部と画像処理回路と回路基板とを収容し、その筐体を車両のステアリングコラムに固定して運転者を撮影するので、運転者を撮影するのに好適な場所に容易に組み付けることができる。よって組み付け性の高さと、好条件での撮影とが実現できる画像処理装置が得られる。
【0015】
また前記撮影対象には車両の運転者が含まれ、前記回路基板は、前記撮影部が運転者を撮影するように前記車両のステアリングコラムに取り付けられたとしてもよい。
【0016】
これにより、撮影部が運転者を撮影するように、回路基板を車両のステアリングコラムに取り付けるので、例えば撮影部や回路基板をステアリングコラムに内蔵する形態によって運転者を撮影して画像処理を行うことができる。よって例えば筐体を省略した形態で、組み付け性の高さと、好条件での撮影とが実現できる画像処理装置が得られる。
【0017】
また前記撮影対象には前記車両の運転者が含まれ、前記画像処理回路は、前記撮影部で撮影された運転者の画像を処理して、運転者の眠気の程度又は脇見の程度を算出するとしてもよい。
【0018】
これにより、上記のとおり組み付け性が高く、デジタル画像のままで画像処理が行える画像処理装置により、運転者の画像を処理して運転者の眠気の程度又は脇見の程度を算出するので、組み付け性が高い画像処理装置によって、高精度で運転者の眠気や脇見の程度を検出でき、眠気運転や脇見運転の抑制のために好適な画像処理装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1におけるカメラ一体型画像処理装置の構成図。
【図2】カメラ一体型画像処理装置のA−A断面図。
【図3】カメラ一体型画像処理装置のB−B断面図。
【図4】カメラ一体型画像処理装置の配置例を示す図。
【図5】カメラ一体型画像処理装置による撮影を示す図。
【図6】カメラ一体型画像処理装置の別の配置例を示す図。
【図7】実施例2におけるカメラ一体型画像処理装置の構成図。
【図8】従来のカメラおよび画像処理装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明の実施例1に係るカメラ一体型の車両用電子制御装置1(ECU:Electoronic Control Unit、画像処理装置)の装置構成の斜視図である。図2はECU1のA−A断面図、図3はB−B断面図である。これらの図に示されているとおり、ECU1は、フィルタ2、ミラー3、電気(電子)回路基板4、カメラ5を備え、これらが筐体10に収容されている。
【0021】
フィルタ2は、後述するように近赤外線により撮影対象を撮影するカメラ5のために可視光をカットするフィルタである。フィルタ2は、筐体10の底面と垂直な正面の一部に形成された貫通孔部に固定されて、撮影対象からの光のうち可視光を遮断して、近赤外領域の光を透過する。フィルタ2を透過した近赤外光は筐体10の内部に入る。ECU1の撮影対象は車両の運転者(あるいは運転者を含む車室内)であり、後述するようにフィルタ(筐体10の正面)が運転者に対向する位置と姿勢になるように筐体10が車両に固定される。
【0022】
ミラー3はフィルタ2を透過した光(近赤外線)を反射して方向を変えて、カメラ5に入射させるために装備される。図2に示されているように、ミラー3は筐体10に形成された傾斜部分(底面からも正面からも傾斜した部分)に固定される。ECU1では傾斜部分は、底面、正面から45度傾いた角度で形成されている。したがって筐体10の底面と平行にミラー3に入射した近赤外光は、ミラー3で反射されて底面と垂直方向に方向が変換されて、カメラ5に入射する。なおミラー3の傾斜角度は撮影対象との位置関係を考慮して適切に設定すればよい。
【0023】
電気(電子)回路基板4(回路基板、基板)は、筐体10内に筐体10の底面と平行に固定(例えばねじ等で)されている。基板4上には、画像処理回路40、受光素子41、入出力回路42、配線パターン44が形成されている。
【0024】
画像処理回路40は、カメラ5で撮影して形成された運転者の画像情報を処理して、運転者の眠気の程度、脇見の程度(ここで程度とは有無を含む)を算出する回路(集積回路(IC:Integrated Circuit))である。受光素子41は、カメラ5の内部の位置に配置された例えばCCD(Charge Coupled Device)素子やCMOS素子であり、後述するレンズ50で集光された光が受光素子41で受光されることによって撮影処理が実行される。
【0025】
入出力回路42は、ECU1と車両に装備された他の装置(ECUなど)との間で情報を、ハーネス43(ケーブル)を通して例えばCAN通信によって送受信するための回路である。ECU1と他の装置との間で授受される情報としては以下の例がある。例えば画像処理回路40によって算出された運転者の眠気の程度、脇見の程度の情報を、ハーネス43を通して車両の他の装置に送信して、警報出力などを行う。あるいは他の装置で運転者の生体情報(脈波、心拍数、血圧)を検出して、その情報をハーネス43を通して受け取り、画像処理回路による処理と組み合わせて、眠気の程度、脇見の程度を算出する。
【0026】
配線パターン44は、基板4上に例えばプリントにより形成されて、画像処理回路40、受光素子41、入出力回路42、カメラ5(、および後述のLED51)などを電気的に接続する。カメラ5で撮影して形成されたデジタル画像は、デジタル情報のまま(アナログ信号には変換されずに)配線パターン44上を画像処理回路40へ伝達(送信)される。なお図3は簡略化された図であり、実際の配線パターン44の一部のみが示されている。画像処理回路40には、画像処理用のメモリ等も含まれるとする。また基板4上には図3に示された以外の各種素子や回路なども配置されているとする。
【0027】
カメラ5(撮影部)は、レンズ50、近赤外LED51(LED)、レンズ鏡筒52(レンズ固定部)を備える。レンズ50は、上述のとおりミラー3で反射されてカメラ5に入射した光(近赤外光)を集光する。図2の例の場合、ECU1のカメラ5のレンズ50は複数枚備えられて画像の周辺部分の歪みを補正する。LED51は、図3に示されているように、カメラ5の側方に配置(例えば2個)されて、近赤外光(近赤外領域の波長の光(電磁波))を発光する。
【0028】
レンズ鏡筒52は、円筒形状を有して、その内部に複数枚のレンズ50を軸方向に並べて固定する。レンズ鏡筒52はその端部を基板4に例えばねじ止めによって固定すればよい。レンズ鏡筒52によって位置を固定された複数枚のレンズ50は、それぞれの中心軸が重なった状態で、基板4とは垂直方向に縦列する。
【0029】
LED51から発光された近赤外光がミラー3で反射されてフィルタ2を通って撮影対象である運転者まで到達し、それによって形成された運転者の画像を構成する近赤外光が、逆の方向を辿って、フィルタ2を通って筐体10内に入射し、ミラー3で反射されてカメラ5に入射する。
【0030】
そしてカメラ5に入射した近赤外光はレンズ50によって集光されて基板4上の受光素子41に受光される。受光素子41では受光した光がデジタル情報に変換される。こうして受光素子41で、運転者のデジタル画像情報が得られる。近赤外線カメラを用いているので、夜間でも運転者の画像が取得できる。
【0031】
以上で説明したECU1は、例えば図4、図5のように車両に固定される。図4、図5の例では、ECU1は車両(自動車車両)のステアリングコラム6の上面に固定される。図5に示されているように、筐体10の底面に孔部11を形成し、ステアリングコラム6にも孔部を形成して、ねじ60によってECU1をステアリングコラム6に固定すればよい。
【0032】
その際、フィルタ2(ECU1の正面)が運転者に対向するように、そしてステアリングコラム6の左右方向の中心に固定する。これによりカメラ5で正面方向から運転者の顔が撮影されて、顔画像が形成される。図4、図5の例では、ステアリングコラム6の上面が水平方向に近いので、基板面4がほぼ水平方向となってカメラ5(のレンズ鏡筒52)が基板4に安定して固定される。
【0033】
図4、5に示されたECU1の固定方法は一例に過ぎず、図6に示されたように、ステアリングコラム6内に組み込む(内蔵する)形態でもよい。この場合、この目的のためのスペースをステアリングコラム6内に形成する。またこの形態の場合、筐体10は省略してもよい。そしてフィルタ2用の開口部やミラー3用の斜面部はステアリングコラム6に形成すればよい。
【0034】
ECU1は車両の別の場所(車室天井部、サンバイザーの上、ダッシュボード上、メータに内蔵など)に固定してもよいが、その際、基板面を水平に近く(基板面と仮想的な水平面との間の角度を例えば30度以内、45度以内にする)すればカメラ5の基板上の固定を安定させる観点で好適である。図2では基板4を筐体10の底面と平行としたが、ECU1を車両に組み付けた状態で水平に(あるいは水平に近く)なるようにすればよく、基板4を筐体10の底面と平行としなくともよい。
【0035】
以上のとおりECU1では、カメラ5(受光素子41)と画像処理回路40とを同一の基板4上に配置して、カメラ5で撮影して形成されたデジタル画像をデジタル情報のまま画像処理回路40に送って画像処理するので、高精度なデジタルの画像処理が実行できる。したがって運転者の眠気や脇見の検出も高精度となる。
【0036】
またカメラ5とドライバモニタECU1とが一体型なので、車両への組み付けも容易である。さらに、基板4が水平の(あるいは水平に近い)状態で配置され、カメラ5がその上に固定されるので、基板上のカメラ5の固定が安定である。
【0037】
画像処理回路40における画像処理は、例えば以下のように実行される。まずカメラ5で撮影して形成された運転者の顔画像において画像認識処理を実行して顔画像における各部位(目、鼻、口など)の位置を特定する。そして予め指定された顔の特徴点(目の両端)などの位置を算出する。次に各特徴点の間の距離などを算出して、運転者の眠気度の数値を算出する。同様に各特徴点の位置などから運転者の脇見の程度の数値を算出する。以上の各処理の詳細は例えば特開2009−45418号公報などに記載されている。
【0038】
上述のとおりECU1で検出された運転者の眠気や脇見の情報は、ECU1からハーネス43を通じて車両の他の装置に送られるが、他の装置は例えば警報装置(あるいは警報装置を制御するECU)としてもよい。警報装置は、ECUによって運転者が眠気を有する(眠気の程度が高い)ことが検知された場合に、車室内、あるいは運転者に向けて警報を発する。
【0039】
警報装置としては、多様な方式で運転者(や乗員)に眠気程度が高いことを報知する装置を用いればよい。例えば、眠気程度が高いことを報知する内容の音声(あるいはブザーなどの音響)による報知でもよい。インストルメントパネル等に設置された表示装置に、眠気程度が高いことを報知する内容の文字、絵柄、図柄を表示する報知でもよい。また空調装置から冷風を運転者に向けて送ることによる報知でもよい。運転席やステアリングやシートベルトなどに振動装置を備えて、振動によって運転者に報知する方式でもよい。
【0040】
同様に警報装置は、ECUによって運転者が脇見運転をしている(脇見の程度が高い)ことが検知された場合に、車室内、あるいは運転者に向けて警報を発する。警報装置としては、多様な方式で運転者(や乗員)に脇見程度が高いことを報知する装置を用いればよい。例えば、脇見程度が高いことを報知する内容の音声(あるいはブザーなどの音響)による報知でもよい。インストルメントパネル等に設置された表示装置に、脇見程度が高いことを報知する内容の文字、絵柄、図柄を表示する報知でもよい。また空調装置から冷風を運転者に向けて送ることによる報知でもよい。運転席やステアリングやシートベルトなどに振動装置を備えて、振動によって運転者に報知する方式でもよい。
【0041】
またECU1からハーネス43を通じて運転者の眠気や脇見の情報が送られる車両の他の装置は、プリクラッシュシステムとしてもよい。プリクラッシュシステムでは、例えば車両の衝突の可能性を検出したらブレーキの油圧を高めて、運転者が軽くブレーキペダルを踏んだのみで高い制動効果が生じる。本システムをプリクラッシュシステムと組み合わせることで、例えば運転者が眠気を有している(眠気の程度が高い)、脇見をしている(脇見の程度が高い)との情報をECU1からプリクラッシュシステムに送って、それによりブレーキの油圧を高める。
【0042】
あるいはハーネス43を通じて、他の装置によって検出された運転者の生体情報による眠気情報を取得してもよい。具体的には車両のステアリングに脈波センサを装備(、あるいはシートやシートベルトに心拍センサや呼吸センサを装備)して、運転者の脈波を検出し、脈波から心拍数や血圧を算出する。そして心拍数や血圧から運転者の眠気程度を推定する。ECU1で、こうして得られた生体情報から推定された眠気程度の情報をハーネス43を通じて取得して、画像情報によって算出された眠気程度と組み合わせれば、総合的に眠気程度が算出できる。
【0043】
次に実施例2を説明する。実施例2のECU1’は図7に示されている。図7において図4などと同一符号の部位の機能は実施例1と同じであるので、説明を省略する。
【0044】
ECU1’では、基板4が筐体10の底面と垂直で、筐体10の正面と平行に配置されているところが実施例1と異なる。基板4上には、カメラ5、LED51、画像処理回路40、入出力回路42、配線パターン44が配置されているが、カメラ5の両側にLED51が、それ以外の領域に画像処理回路40、入出力回路42が配置され、それらが配線パターン44で電気的に接続されている。また入出力回路42から他の装置に向けてハーネス43が延設される。なおカメラ5は基板4上の(図7のC−C断面図における図示左右方向の)中央に配置する形態としてもよい。
【0045】
カメラ5は、複数のレンズ50がレンズ鏡筒52内に固定されて、レンズ鏡筒52が基板4に例えばねじ構造により固定されている。基板4においてレンズ鏡筒52内の領域に受光素子41が配置されている。レンズ鏡筒52の軸方向は基板4と垂直方向となる。また複数のレンズ50の中心軸は重なって基板4と垂直方向となる。こうしてECU1’では実施例1と異なりミラー3が省略されて、フィルタ2を通った近赤外光がカメラ5のレンズ鏡筒52に直接入射される。
【0046】
このECU1’は図4と同様に、ステアリングコラム6の車両の左右方向の中央位置において、フィルタ2が運転者と対向するように固定すればよい。これにより、ECU1’においてはカメラ5が基板4の中央に配置されているので、カメラ5によって撮影対象である運転者の正面画像が撮影できる。あるいはECU1’は、図6のようにステアリングコラム6に内蔵する形態でもよい。
【0047】
上記実施例は特許請求の範囲に記載された趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してよい。例えば上記では運転者の顔を撮影して眠気程度や脇見程度を検出したが、顔のみでなく運転者の身体(腕、手など)を撮影して、運転者の所望の操作などをモニタして運転支援に役立ててもよい。また撮影対象を運転者に限らず他の乗員や車室内も含めて、乗員や車室内の状況をモニタしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 電子制御装置(画像処理装置)
2 フィルタ
3 ミラー
4 電気(電子)回路基板
5 カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光するレンズと、そのレンズを固定するレンズ固定部と、そのレンズで集光された光を受光する受光素子と、を備えて、車両の車室内の撮影対象を撮影してデジタル画像を形成する撮影部と、
その撮影部で形成された画像を処理する画像処理回路と、
前記レンズ固定部と前記受光素子と前記画像処理回路とを単一の基板面上に固定し、前記受光素子と前記画像処理回路とをその基板面上に形成された配線パターンによって電気的に接続し、その配線パターン上を前記撮影部で形成された画像情報がデジタル信号として前記画像処理回路まで伝達される回路基板と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記回路基板は、前記基板面と仮想的な水平面との間の角度が45度以内となるように配置されて、
前記撮影対象からの光を反射して、その反射光が前記レンズに入射するように配置されたミラーを備えた請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記撮影部と前記画像処理回路と前記回路基板とを収容して、前記撮影部により車室内の撮影対象が撮影されて画像が形成されるように、車両に固定される筐体を備えた請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記撮影対象には車両の運転者が含まれ、
前記筐体は、前記撮影部が運転者を撮影するように前記車両のステアリングコラムに固定された請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記撮影対象には車両の運転者が含まれ、
前記回路基板は、前記撮影部が運転者を撮影するように前記車両のステアリングコラムに取り付けられた請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記撮影対象には前記車両の運転者が含まれ、
前記画像処理回路は、前記撮影部で形成された運転者の画像を処理して、運転者の眠気の程度又は脇見の程度を算出する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−111274(P2012−111274A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259784(P2010−259784)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】