説明

画像処理装置

【課題】1枚の原稿の画像情報に対して部分的に出力を制限した画像情報を生成できるようにして、画像情報生成の柔軟性を高める。
【解決手段】予め領域ごとに機密レベルが設定されている入力画像情報を取得する画像取得部と、機密レベルとこの機密レベルにより特定される領域情報を関連付けて記憶した領域情報記憶部と、出力画像情報の出力先を特定するための出力先特定情報と前記機密レベルに対応する参照レベルを関連付けて記憶した出力先情報記憶部と、前記入力画像から画像情報を抽出する画像領域抽出部と、出力先に送る画像情報を生成する画像処理部を備え、前記画像領域抽出部は、出力画像情報の出力先に対応する出力先特定情報に関連付けられた参照レベルを出力先情報記憶部から検索して、その参照レベルと領域情報記憶部の機密レベルを照合し、前記画像処理部は、前記入力画像情報のうちの出力すべき画像情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から取得した画像情報の重要度を判別して出力する画像情報を制限する機能を備えた画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の画像処理装置として、原稿を読取ることにより取得した画像情報に機密情報が含まれることを示す機密識別子のパターンが含まれているか否かを調べ、機密識別子のパターンが含まれている場合、ユーザIDを入力させて、そのユーザIDが予め登録されたユーザIDであることが確認された場合のみ、画像情報を出力させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−278442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、原稿単位で画像情報の出力を制限するため、1枚の原稿の画像情報内に機密性の低い画像情報が含まれていても、その機密性の低い画像情報までもが出力を制限されることになり、柔軟性が低いという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明の画像処理装置は、予め領域ごとに機密レベルが設定されている入力画像情報を取得する画像取得部と、前記入力画像情報を記憶する画像記憶部と、機密レベルとこの機密レベルにより特定される領域情報を関連付けて記憶した領域情報記憶部と、出力画像情報の出力先を特定するための出力先特定情報と前記機密レベルに対応する参照レベルを関連付けて記憶した出力先情報記憶部と、前記入力画像から画像情報を抽出する画像領域抽出部と、出力先に送る画像情報を生成する画像処理部を備え、前記画像領域抽出部は、出力画像情報の出力先に対応する出力先特定情報に関連付けられた参照レベルを出力先情報記憶部から検索して、その参照レベルと領域情報記憶部の機密レベルを照合し、一致する機密レベルに関連付けられた領域情報を基に前記入力画像情報の該当領域の画像情報を抽出して画像処理部に送り、前記画像処理部は、前記画像領域抽出部から送られてきた画像情報により前記入力画像情報のうちの出力すべき画像情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、1枚の原稿の画像情報に対して出力先の機密レベルに応じて部分的に出力を制限した画像情報を生成することができ、画像情報生成の柔軟性を高めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例を示す機能ブロック図
【図2】第1の実施例の外観を示す斜視図
【図3】第1の実施例における色成分情報記憶部の登録内容例を示す図
【図4】第1の実施例における宛先情報記憶部の登録内容例を示す図
【図5】第1の実施例で用いる原稿の例を示す図
【図6】第1の実施例の作用を示すフローチャート
【図7】第1の実施例のS6からS8までの処理の詳細を示すフローチャート
【図8】参照レベルに応じた画像出力結果の例を示す図
【図9】第2の実施例を示す機能ブロック図
【図10】第2の実施例における認証情報記憶部の登録内容例を示す図
【図11】第2の実施例の作用を示すフローチャート
【図12】第2の実施例におけるユーザ認証画面の例を示す図
【図13】二次元バーコードが記載された原稿の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による画像処理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例の外観を示す斜視図で、この第1の実施例の画像処理装置は、図2に示すようにスキャナ部10と、操作パネル部11と、プリンタ部12を備えている。
図1は第1の実施例の機能ブロック図で、ここでは第1の実施例の画像処理装置として、電子メール送信機能と、ファクシミリ通信機能と、印刷(コピー)機能を持つMFP(Multifunction Peripheral)を例に説明するが、電子メール送信機能を持つスキャナであってもよい。
【0010】
図において1は画像処理装置(MFP)であり、この画像処理装置1のスキャナ部(画像取得部)10は、原稿を読取ってRGB画像情報へ変換する読取り部20と、RGB画像情報を記憶するイメージバッファ(画像記憶部)21と、RGB画像情報から特定の色成分(画像領域)を抽出する色成分抽出部(画像領域抽出部)22と、RGB画像情報から抽出する色成分の特定情報を記憶する色成分情報記憶部(領域情報記憶部)23と、出力画像情報の宛先(出力先)を特定する宛先情報を記憶する宛先情報記憶部(出力先情報記憶部)24と、色成分抽出部22が抽出した色成分情報に対して画像処理を行う画像処理部25と、電子メール送信を含むネットワーク通信全般を制御するネットワーク制御部26と、ファクシミリ送受信を含む一般公衆回線の通信全般を制御するファクシミリ制御部27から構成される。
【0011】
11は操作パネル部で、この操作パネル部11は画像処理装置1の操作全般を制御するものであり、宛先情報の登録及び各機能を実行するために必要な表示部と各種操作キーで構成されている。
12はプリンタ部で、このプリンタ部12は画像処理装置1の印刷機能全般を制御するものである。
【0012】
図3は色成分情報記憶部23の登録内容例を示す図で、色成分情報記憶部23には例えば5段階(0〜4)の機密レベルが設定された機密レベル情報30と、機密レベル情報30の機密レベル毎に抽出される抽出色成分情報31が関連付けられて予め記憶されており、この抽出色成分情報31の抽出色成分としては、例えば機密レベル0はOFF、機密レベル1はR(赤)とG(緑)とB(青)の3色、機密レベル2はRとGの2色、機密レベル3はRの1色のみ、機密レベル4は画像全体の輝度のように設定されている。
【0013】
図4は宛先情報記憶部24の登録内容例を示す図で、宛先情報記憶部24には、宛先情報を管理する通し番号40と、宛先名(受信者名)41と、電子メールアドレス(出力先)42と、ファクシミリ番号(出力先)43と、電子メール送信時に機密レベルと照合する電子メール用参照レベル情報44と、ファクシミリ送信時に機密レベルと照合するファクシミリ用参照レベル情報45が記憶(登録)されており、これらの情報はユーザ(利用者)が操作パネル部11で予め入力することで登録が行われているものとする。尚、電子メール用参照レベル情報44の参照レベル及びファクシミリ用参照レベル情報45の参照レベルは予め電子メール受信者やファクシミリ受信者に割当てられたもので、この参照レベルは機密レベル情報30の機密レベルと一致するものである。
【0014】
図5は本実施例で用いる原稿の例を示す図で、この原稿には、ユーザID46が青色、パスワード47が赤色、連絡先48が緑色、それ以外の文字は黒色それぞれで印刷されているものとする。
上述した構成による第1の実施例の作用について説明する。図6は第1の実施例の作用を示すフローチャートで、画像処理装置1の電子メール送信時の動作の概略を示しており、図中にSで示したステップに従って説明を行う。尚、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラムに基づいて実行される。
【0015】
ユーザ(利用者)はスキャナ10の読取り部20に図5に示した原稿をセットし(S1)、操作パネル部11を操作して画像送信の宛先の選択(入力)後、電子メール送信開始の操作を行う(S2)。これにより読取り部20はセットされた原稿を読み込んでRGB画像情報に変換し、そのRGB画像情報をイメージバッファ21へ格納する(S3)。尚、送信相手先の情報はネットワーク制御部26に送られる。
【0016】
RGB画像情報のイメージバッファ21への格納が終了すると読取り部20はすべての原稿の読み込みが完了したか否かを判断し(S4)、読み込みが完了していない場合は、S3へ戻り、次の原稿の読み込み、RGB画像情報のイメージバッファ21への格納を繰り返す。
【0017】
原稿の読み込みが完了すると、色成分抽出部22はユーザが入力した宛先を基に宛先情報記憶部24に記憶されている電子メール用参照レベル情報44から参照レベルを検索(取得)し(S5)、その検索した参照レベルを色成分情報記憶部23に記憶されている機密レベル情報30の機密レベルと照合して、一致する機密レベルに対応する抽出色成分情報31の抽出色成分を取得する(S6)。
【0018】
続いて色成分抽出部22は、色成分情報記憶部23から取得した抽出色成分を基にイメージバッファ21に格納されているRGB画像情報から抽出色成分の画像情報を抽出して画像処理部25へ送り(S7)、画像処理部25は色成分抽出部22から受け取った画像情報に対し二値化、論理積演算等の画像処理を行って画像情報を生成する(S8)。
尚、上述のS6からS8までの処理動作については、後で詳しく説明する。
【0019】
次にネットワーク制御部26が、宛先情報記憶部24から送信相手先の電子メールアドレス42の情報を取得すると共に、画像処理部25が生成した画像情報を取得して、送信イメージ情報を生成し(S9)、その送信イメージ情報をネットワーク制御部26が送信相手先の電子メールアドレスへ送信する(S10)。
【0020】
この送信が終了すると、ネットワーク制御部26はすべての送信相手先への送信が完了したか否かを判断し(S11)、複数の送信相手先が選択されている場合は、すべての送信相手先への送信イメージデータの送信が完了するまでS5からS10までの処理を繰返す。
すべての送信相手先への送信が完了した場合、ネットワーク制御部26は、イメージバッファ21へ格納されているRGB画像情報を消去(クリア)する(S12)。
【0021】
図7は図6におけるS6からS8までの処理の詳細を示すフローチャートである。
前記S6での抽出色成分情報31の抽出色成分の取得に当たって色成分抽出部22は宛先情報記憶部24の電子メール用参照レベル情報44から取得した送信相手先の参照レベルが0か否かを判断し(S21)、参照レベルが0であった場合、色成分抽出部22は、イメージバッファ21に格納されているRGB画像情報から抽出色成分の抽出は行わず、処理を完了する。つまり画像情報を画像処理部25に送らず処理を完了する。
【0022】
参照レベルが0でない場合、色成分抽出部22は、参照レベルが1か否かを判断し(S22)、参照レベルが1であった場合、色成分抽出部22は参照レベル1と一致する機密レベル情報30の機密レベル1に対応した抽出色成分情報31のR、G、Bの抽出色成分を取得し、イメージバッファ21に格納されているRGB画像情報からR、G、Bの抽出色成分情報を色毎に抽出して、順次画像処理部25へ送信する(S23)。
画像処理部25は、色成分抽出部22から受け取ったR、G、Bの抽出色成分情報を個々に二値化処理し(S24)、二値化した情報の論理積演算処理を各画素単位で行って(S25)、画像情報を生成する。
【0023】
参照レベルが1でない場合、色成分抽出部22は、参照レベルが2か否かを判断し(S26)、参照レベルが2であった場合、色成分抽出部22は参照レベル2と一致する機密レベル情報30の機密レベル2に対応した抽出色成分情報31のR、Gの抽出色成分を取得し、イメージバッファ21に格納されているRGB画像情報からR、Gの抽出色成分情報を抽出して、画像処理部25へ送信する(S27)。画像処理部25は、色成分抽出部22から受け取ったR、Gの抽出色成分情報を個々に二値化処理し(S28)、二値化した情報の論理積演算処理を各画素単位で行って(S29)、送信用の画像情報を生成する。
【0024】
参照レベルが2でない場合、色成分抽出部22は、参照レベルが3か否かを判断し(S30)、参照レベルが3であった場合、色成分抽出部22は参照レベル3と一致する機密レベル情報30の機密レベル3に対応した抽出色成分情報31のRの抽出色成分を取得し、イメージバッファ21に格納されているRGB画像情報からRの抽出色成分情報のみを抽出して、画像処理部25へ送信する(S31)。画像処理部25は、色成分抽出部22から受け取ったRの抽出色成分情報を二値化処理して(S32)、画像情報を生成する。
【0025】
参照レベルが3でない場合、色成分抽出部22は機密レベル情報30の機密レベル4に対応した抽出色成分情報31の輝度の抽出色成分を取得し、イメージバッファ21に格納されているRGB画像情報から輝度の抽出色成分情報を抽出して、画像処理部25へ送る(S33)。画像処理部25は、色成分抽出部22から受け取った輝度の抽出色成分情報を二値化処理して(S34)、画像情報を生成する。
【0026】
図8は上述した参照レベルに応じた画像出力結果の例を示す図で、同図(a)は参照レベルが1の場合、同図(b)は参照レベルが2の場合、同図(c)は参照レベルが3の場合、同図(d)は参照レベルが4の場合の出力画像である。
これらの図からあきらかなように、図8(a)の出力画像では、イメージバッファ21に格納されているRGBの画像情報に対し、R、G、Bの3色の成分の二値化処理、及び論理積演算処理を行うことでR、G、Bの3色の成分が除去されているため、つまりR(赤色)の画像情報であるパスワード、G(緑色)の画像情報である連絡先、B(青色)の画像情報であるユーザIDが除去され、ユーザ名のみが出力されている。
【0027】
図8(b)の出力画像ではRGB画像情報に対し、R、Gの2色の成分の二値化処理、及び論理積演算処理を行うことでRとGの2色の成分が除去されているため、ユーザ名とユーザIDが出力されており、また図8(c)の出力画像ではRGB画像情報に対し、Rの成分のみの二値化を行うことで、Rの成分が除去されているため、ユーザ名とユーザID及び連絡先が出力され、図8(d)の出力画像では輝度の成分のみの二値化を行うことで、ユーザ名、ユーザID、パスワード、連絡先のすべてが出力されている。
【0028】
尚、上記の説明は電子メール送信時の動作を例にしたものであるが、説明文中の電子メールをファクシミリ、電子メールアドレス42をファクシミリ番号43、電子メール参照レベル44をファクシミリ参照レベル45、ネットワーク制御部26をファクシミリ制御部27へ置き換えることで、ファクシミリ送信時も同様の処理が可能となる。
【0029】
以上説明したように、第1の実施例では、宛先情報記憶部に記憶されている宛先情報に関連付けられた参照レベルを色成分情報記憶部に登録されている機密レベルと照合し、機密レベルに関連付けられた抽出色成分に基づいて出力画像情報を生成するようにしているので、1枚の原稿の画像情報に対して画像送信の宛先の機密レベルに応じて部分的に出力を制限した画像情報を生成することができ、画像情報生成の柔軟性を高めることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0030】
図9は本発明の第2の実施例を示す機能ブロック図で、この第2の実施例は、コピー実行時にユーザ(利用者)を特定するための認証情報が記憶された認証情報記憶部28と、ユーザが入力したユーザIDの認証を行うユーザ認証部29をスキャナ部10に追加したものとなっている。この他の構成は第1の実施例と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
図10は認証情報記憶部28の登録内容例を示す図で、認証情報記憶部28には、認証情報を管理するための通し番号48と、ユーザ名49と、ユーザID50と、機密レベルとの照合に用いるコピー用参照レベル情報51が記憶(登録)されており、これらの情報はユーザが操作パネル部11で予め入力することで登録が行われているものとする。尚、コピー用参照レベル情報51の参照レベルは機密レベル情報30の機密レベルと一致するものである。
【0032】
上述した構成による第2の実施例の作用について説明する。図11は第2の実施例の作用を示すフローチャートで、コピー実行時の動作の概略を示しており、図中にSで示したステップに従って説明を行う。尚、以下に説明する各部の動作も、図示しない記憶部に格納されたプログラムに基づいて実行されるものとする。また、第2の実施例で用いる原稿は、第1の実施例と同様とする。
【0033】
画像処理装置1はユーザ認証待ち状態であるとき(S41)、操作パネル部11にユーザ認証画面が表示される。図12はこの場合のユーザ認証画面の例を示す図で、ユーザにユーザIDの入力を促すメッセージが表示されている。
【0034】
ユーザ認証部29は操作パネル部11を監視してユーザがユーザIDを入力したか否かを判断し(S42)、入力していない場合監視を続け、ユーザがユーザ認証画面のメッセージに従って操作パネル部11でユーザIDを入力すると、ユーザ認証部29は、入力されたユーザIDを認証情報記憶部28のユーザID50と照合して(S43)、入力されたユーザIDがユーザID50に登録されているか否かを確認する(S44)。
【0035】
入力されたユーザIDがユーザID50に登録されていない場合は、処理を終了させ、入力されたユーザIDがユーザID50に登録されていた場合、ユーザ認証部29は、画像処理装置1をコピー実行可能状態へと移行させる(S45)。これによりユーザは、読取り部20に原稿をセットする(S46)。ここで用いる原稿は、第1の実施例と同様に図5に示した原稿とする。
【0036】
続いてユーザは操作パネル部11を操作して送信相手先を選択(または入力)後、電子コピー送信開始の操作を行う(S47)。これにより読取り部20はセットされた原稿を読み込んでRGB画像情報に変換し、そのRGB画像情報をイメージバッファ21へ格納する(S48)。
【0037】
原稿の読み込みが完了すると、色成分抽出部22は認証情報記憶部28のコピー用参照レベル情報51から利用者のコピー用参照レベルを取得し(S49)、取得したコピー用参照レベルを色成分情報記憶部23に記憶されている機密レベル情報30の機密レベルと照合して、一致する機密レベルに対応付けられている抽出色成分情報31から該当する抽出色成分を取得する(S50)。
【0038】
続いて色成分抽出部22は、色成分情報記憶部23から取得した抽出色成分を基にイメージバッファ21に格納されているRGB画像情報から抽出色成分に該当する画像情報を抽出して画像処理部25へ送り(S51)、画像処理部25は色成分抽出部22から受け取った画像情報に対し二値化等の画像処理を行って画像情報を生成する(S52)。尚、上述したS46からS52までの処理動作は、第1の実施例での図6におけるS1からS8までの処理動作と同じであり、また、S50からS52では図7と同様の処理が行われる。
【0039】
画像処理部25が生成した画像情報はプリンタ部12に送られ、プリンタ部12は画像処理部25から画像情報を受取ると、その画像情報を印刷し(S53)、印刷が終わると、読取り部20はすべての原稿のコピー(印刷)が完了したか否かを判断して(S54)、完了していない場合はS48からの処理が繰返され、完了した場合は処理終了となる。
【0040】
以上説明したように、第2の実施例では、認証情報記憶部に登録されているユーザの認証情報に関連付けられた参照レベルを色成分情報記憶部に登録されている機密レベルと照合し、機密レベルに対応付けられた抽出色成分に基づいて出力画像情報を生成するようにしているので、1枚の原稿の画像情報に対してユーザの機密レベルに応じて部分的に出力を制限した画像情報を生成することができ、画像情報生成の柔軟性を高めることができるという効果が得られる。
尚、上述した第1、第2の実施例では、入力画像の色成分データを用いて出力画像の制限を行うものとしたが、以下の方法で出力画像情報の制限を行うようにしてもよい。
【0041】
図13は二次元バーコードが記載された原稿の例を示す図で、1枚の原稿の紙面を複数の領域、例えばA、B、C、Dの領域に区分し、各領域内のたとえば左上隅に領域情報と各領域情報の機密レベル情報を含む二次元バーコード60を設けたものとなっている。
このようにした原稿をスキャナ部10の読取り部20で読取り、二次元バーコードに記載の機密レベルから利用者に対して設定された機密レベルを特定して、その機密レベルに応じて領域情報内の画像情報の出力に制限を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 画像処理装置
10 スキャナ部
11 操作パネル部
12 プリンタ部
20 読取り部
21 イメージバッファ
22 色成分抽出部
23 色成分情報記憶部
24 宛先情報記憶部
25 画像処理部
26 ネットワーク制御部
27 ファクシミリ制御部
28 認証情報記憶部
29 ユーザ認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め領域ごとに機密レベルが設定されている入力画像情報を取得する画像取得部と、
前記入力画像情報を記憶する画像記憶部と、
機密レベルとこの機密レベルにより特定される領域情報を関連付けて記憶した領域情報記憶部と、
出力画像情報の出力先を特定するための出力先特定情報と前記機密レベルに対応する参照レベルを関連付けて記憶した出力先情報記憶部と、
前記入力画像から画像情報を抽出する画像領域抽出部と、
出力先に送る画像情報を生成する画像処理部を備え、
前記画像領域抽出部は、出力画像情報の出力先に対応する出力先特定情報に関連付けられた参照レベルを出力先情報記憶部から検索して、その参照レベルと領域情報記憶部の機密レベルを照合し、一致する機密レベルに関連付けられた領域情報を基に前記入力画像情報の該当領域の画像情報を抽出して画像処理部に送り、
前記画像処理部は、前記画像領域抽出部から送られてきた画像情報により前記入力画像情報のうちの出力すべき画像情報を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像取得部はスキャナ部であり、前記入力画像情報とは前記スキャナ部で読み取った画像情報であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、
前記領域情報とは色成分情報であり、
前記画像領域抽出部は、前記出力先情報記憶部の参照レベルと前記領域情報記憶部の機密レベルから、色成分情報を特定し、その特定した色成分情報の画像情報を前記入力画像から抽出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記出力先特定情報は、電子メール受信者を特定する情報であり、電子メール受信者に割当てられた機密レベルに応じて出力画像情報を前記画像処理部が生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記出力先特定情報は、ファクシミリ受信者を特定する情報であり、ファクシミリ受信者に割当てられた機密レベルに応じて出力画像情報を前記画像処理部が生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記出力先特定情報とは、利用者の認証情報であり、前記利用者に割当てられた機密レベルに応じて出力画像情報を前記画像処理部が生成することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−151532(P2012−151532A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6484(P2011−6484)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】