説明

画像処理装置

【課題】発生したエラーに適した者に適した方式でエラーを通知でき、適切な対処を行わせることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、記録紙に画像を形成する画像形成部と、ネットワーク2を介して端末装置30と通信するネットワークI/F部と、ネットワークI/F部によって端末装置30から受信した要求に応じて、画像形成部に画像の形成動作を行わせる制御部と、を備え、制御部は、エラーが発生した場合には、エラーを端末装置30に通知するとともに、エラーの内容に応じてエラーの通知方法を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタなどの画像処理装置に係り、特に、エラーが発生した際に、エラーの発生を通知する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや家庭で使用されるプリンタや複合機などの画像処理装置が、広く普及している。これらの画像処理装置は、主に、ネットワークを介してPC(パーソナルコンピュータ)などの複数の端末装置に接続されており、各端末装置からの指示により画像データやテキストデータを用紙に印刷するという印刷ジョブの実行を担っている。
【0003】
これらの画像処理装置は、用紙に印刷するという印刷ジョブの実行を行うことにより、用紙切れ、紙詰まり又はトナー切れなどを生じることがある。そこで、用紙切れ、紙詰まり又はトナー切れなどにより印刷ジョブの実行が中断された場合には、メッセージによりエラーが発生したことを通知する画像処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1には、エラーが発生した際に、印刷ジョブの実行を依頼したクライアントに対してエラーの発生を通知し、その通知に対するクライアントの確認状態を監視する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−209035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された画像処理装置は、印刷のジョブの実行を依頼したクライアントにエラーが発生したメッセージを送信するようになっているので、例えば、定着器異常のため画像処理装置の管理者を呼ばなくていけないときは、印刷ジョブの実行を依頼したクライアントでは発生したエラーを解消することができない。
【0007】
また、通知先のクライアントのPCが電源オフの場合には、画像処理装置は、その電源オフのクライアントPCに対して、エラーを通知することができない。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、発生したエラーに適した者に適した方式でエラーを通知でき、適切な対処を行わせることができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]記録紙に画像を形成する画像形成部と、
ネットワークを介して端末装置と通信するネットワーク通信部と、
前記ネットワーク通信部によって端末装置から受信した要求に応じて、前記画像形成部に画像の形成動作を行わせる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
エラーが発生した場合には、該エラーを前記端末装置に通知するとともに、該エラーの内容に応じて該エラーの通知方法を変更する
ことを特徴とする画像処理装置。
【0011】
上記発明では、制御部は、画像処理装置内にエラーが発生した場合、ネットワークを介して接続されている端末装置に、画像処理装置にエラーが発生した旨を通知する。また、制御部は、エラーの内容、危険度又は通知優先度などを考慮して、エラーの通知方法、通知タイミング、通知先等を柔軟に変更する。たとえば、エラーの通知方法は、ポップアップによる表示、電子メール、音声案内又はバイブ機能など、適宜選択し変更することができる。
【0012】
[2]前記制御部は、
発生した前記エラーが第1種エラーの場合には、自装置から通知した時点で通知先の前記端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第1方式で通知し、
発生した前記エラーが第2種エラーの場合には、自装置から通知した通知内容が通知先の前記端末装置に保存され、通知後のユーザによる任意のタイミングで該端末装置による該ユーザへの通知動作が行われる第2方式で通知する
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
【0013】
上記発明では、発生したエラーの内容に応じて通知方法を変更しており、たとえば、発生したエラーの内容に応じてユーザに通知される通知動作のタイミングを変更する。ここでは、第1種エラーの場合には、自装置から端末装置に通知した時点で、通知先の端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第1方式で通知する。一方、第2種エラーの場合には、自装置から端末装置に通知後であって、ユーザによる任意のタイミングでユーザへの通知動作を行わせる第2方式で通知する。第1方式による通知は、対処の緊急度の高いエラーに好適であり、第2方式による通知は、対処の緊急度の低いエラーに好適である。第2方式で通知する場合、ユーザによる任意のタイミングに加え、所定時間経過後に所定時間間隔で周期的にユーザに通知を行う方式を含めてもよい。また、第1方式による通知では、ポップアップによる表示、音声案内又はバイブ機能などによる通知方法が好適であり、第2方式による通知では、電子メールによる通知方法が好適である。
【0014】
[3]前記制御部は、
発生した前記エラーの内容に応じて前記エラーの通知先を変更する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像処理装置。
【0015】
上記発明では、発生したエラーの内容に応じてエラーの通知先を変更する。たとえば、発生したエラーの危険度に応じて、対応すべき管理者、ジョブ実行者又は一般ユーザへの通知先を任意に変更する。また、通知先の変更には、通知する範囲の広狭も含まれる。
【0016】
[4]前記制御部は、
通知先である前記端末装置の電源状態が、オフ又はスリープモードであって、発生した前記エラーが第3種エラーの場合には、該端末装置を起動させた後、自装置から該端末装置に前記エラーが発生した旨を通知して、当該通知のタイミングで該端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第3方式で通知する
ことを特徴とする[2]または[3]に記載の画像処理装置。
【0017】
上記発明では、通知先である端末装置の電源状態がオフ又はスリープモードであって、発生したエラーが第3種エラーの場合には、その電源状態がオフ又はスリープモードの端末装置を起動させた後、通知先である端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第3方式で通知する。自装置から端末装置への通知動作は、オフ又はスリープモードの端末装置を起動した時点で行う場合に限定されるものではない。なお、オフ又はスリープモードの端末装置が起動した直後に自装置から端末装置にエラーの発生を通知することが好ましい。
【0018】
[5]前記制御部は、
通知先である前記端末装置の電源状態が、オフ又はスリープモードであって、発生した前記エラーが第4種エラーの場合には、該端末装置の電源状態がオンに復帰するまで待った後、自装置から該端末装置に前記エラーが発生した旨を通知して、該通知のタイミングで該端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第4方式で通知する
ことを特徴とする[2]乃至[4]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0019】
上記発明では、通知先である端末装置の電源状態がオフ又はスリープモードであって、発生したエラーが第4種エラーの場合には、その端末装置の電源状態がオンに復帰するまで待った後、自装置から通知先である端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第4方式で通知する。この場合、端末装置の復帰以降に自装置から端末装置にエラーの発生を通知し、その通知のタイミングで端末装置にエラーの発生をユーザに通知する動作を行わせる。従って、自装置は、通知先の端末装置を強制的に起動しない範囲内で早期にエラーの発生を通知することができる。
【0020】
[6]前記制御部は、ジョブの実行を制御するメインCPUと、該メインCPUより消費電力の少ないサブCPUを備え、
前記メインCPUが稼動していない状態の場合には、前記サブCPUが、前記ネットワークに接続された端末装置に対して、前記通知に関する処理を行う
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0021】
上記発明では、制御部は、メインCPUとサブCPUを備え、メインCPUが稼動していない状態の場合には、メインCPUより消費電力の少ないサブCPUが、ネットワークに接続された端末装置に対して、エラーが発生した旨の通知に関する処理を行う。なお、通知に関する処理とは、端末装置に通知する動作のみならず、通知先の変更、通知方法及び通知タイミングの変更も含めるようにしてもよい。
【0022】
[7]前記メインCPUが強制的に電源オフの状態になったとき、前記サブCPUが、前記ネットワークに接続された所定の端末装置に対して、前記エラーが発生した旨を通知する
ことを特徴とする[6]に記載の画像処理装置。
【0023】
上記発明では、メインCPUが強制的に電源オフの状態になったときであっても、サブCPUが、ネットワークに接続された所定の端末装置に対して、エラーが発生した旨を通知することができる。
【0024】
[8]前記制御部は、
前記エラーの通知方法を危険度のレベルに応じて変更する
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0025】
上記発明では、エラーの通知方法を、エラーの危険度のレベルに応じて変更する。たとえば、危険度が高く緊急を要する場合には管理者に通知し、一方、危険度が低く緊急ではない場合には画像処理装置の一般的なユーザに通知する。
【0026】
[9]前記第1方式、前記第3方式及び前記第4方式では視聴覚的な通知方法を用いて通知を行い、前記第2方式では電子メールを用いて通知する
ことを特徴とする[5]乃至[8]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0027】
上記発明では、第1方式、第3方式及び第4方式で通知する場合には、たとえば、端末装置の表示画面に、エラーが発生した旨を示すポップアップ表示を行う。一方、第2方式では電子メールを用いて通知する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の画像処理装置によれば、発生したエラーに適した者に適した方式でエラーを通知でき、適切な対処を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置が接続されたネットワークシステムの一例を示した説明図である。
【図2】画像形成装置の概略構成を示したブロック図である。
【図3】端末装置の概略構成の一例を示したブロック図である。
【図4】不揮発メモリに予め固定値として記憶された危険度テーブルを示した説明図である。
【図5】不揮発メモリに予め固定値として記憶された通知先優先度テーブルを示した説明図である。
【図6】画像形成装置に危険度の低いエラーが発生した場合についての電源状態監視を示した説明図である。
【図7】画像形成装置に危険度の高いエラーが発生した場合についての電源状態監視を示した説明図である。
【図8】画像形成装置が端末装置の電源状態を監視する流れ図である。
【図9】端末装置の電源状態取得応答モードに係る流れ図である。
【図10】画像形成装置にエラーが発生した際の危険度を判定する流れ図である。
【図11】危険度の低いエラーが発生した場合の通知方法に係る流れ図である。
【図12】危険度の高いエラーが発生した場合の電源状態の更新に係る流れ図である。
【図13】図12の続きであり、危険度の高いエラーが発生した場合の電源状態の更新に係る流れ図である。
【図14】画像形成装置に危険度の低いエラーが発生した場合についての電源状態監視を示した説明図である。
【図15】監視対象の端末装置の電源がオフモードまたはスリープモードの場合に危険度の低いエラーの通知方法に係る流れ図である。
【図16】画像形成装置を強制的シャットダウンする場合の流れ図である。
【図17】電源状態を監視するCPUの交代動作に係る流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置(画像処理装置)10が接続されたネットワークシステム5の一例を示している。画像形成装置10は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介して複数台の端末装置30(以後、PCとも呼ぶ)と接続されている。なお、図1では、各端末装置30に、PC1、PC2、PC3、PC4・・・PC(M)と、端末名が割り当てられている。また、各端末装置30には、その端末装置30を利用する利用者のタイプ(属性)により、後述する通知優先度が割り当てられている。また、各端末装置30は、各端末装置30を利用する利用者の状況によって通知優先度が変更される。ここでは、PC1は管理者が利用する管理者端末、PC2はジョブ実行者が利用するジョブ実行者端末、PC3、4はその他のユーザA、Bがそれぞれ利用する端末装置30と、想定する。
【0032】
画像形成装置10は、記録紙に画像を形成して出力する機能を備えたプリンタや複合機などである。本実施の形態では、画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へネットワークを通じて送信したりするスキャンジョブ、端末装置30からネットワーク2を通じて受信した印刷データに係る画像を記録紙上に形成して印刷出力する印刷ジョブなどのジョブを実行する機能を備えた複合機である。
【0033】
画像形成装置10は、電源モードとして、すべての部分に通電されてジョブを実行可能な通常モードと、通常モードより電力消費の少ないスリープモードと、スリープモードよりさらに電力消費の少ないオフモードを備えている。
【0034】
また、画像形成装置10は、通常モードにおいて、ジョブを実行せずかつユーザから操作を何ら受けない状態(待機状態)が所定時間(第1設定時間、たとえば、30分)経過すると、自動的にスリープモードへ移行する機能を有している。また、スリープモードに移行してからさらに待機状態が所定時間(第2設定時間、たとえば、15分)経過すると、オフモードへ遷移するようになっている。第1、第2設定時間は任意に設定変更可能となっている。なお、このモードの移行を第1モード移行とし、第1モード移行が生じる事象を第1事象とする。
【0035】
また、画像形成装置10は、ネットワーク2に接続されている端末装置30に対して、その電源状態と当該画像形成装置10用のドライバプログラムがインストールされているか否かとを問い合わせし、その応答結果に応じて、自装置の電源モードを切り替える機能も備えている。たとえば、自装置用のドライバプログラムがインストールされている端末装置30の電源状態がすべてオフモードやスリープモードの場合に、自装置の電源モードをスリープモードやオフモードに変更する機能(電力モード自動変更機能)を備えている。問い合わせは、繰り返し行われる。たとえば、一定周期で行われる。
【0036】
具体的には、画像形成装置10は、すべての端末装置30の電源がオフモード又はスリープモードになってからの待機時間を計測する。画像形成装置10は、すべての端末装置30の電源がオフモード又はスリープモードになってから、所定時間(第3設定時間、たとえば、1分)経過すると、自動的にスリープモードへ移行する。また、スリープモードに移行してからさらに待機状態が所定時間(第4設定時間、たとえば、5分)経過すると、オフモードへ遷移するようになっている。第3、第4設定時間は任意に設定変更可能となっている。なお、このモードの移行を第2モード移行とし、第2モード移行が生じる事象を第2事象とする。
【0037】
端末装置30は、画像形成装置10に対して、スキャンジョブや印刷ジョブなどのジョブを投入してその実行などを要求する機能を備えた情報処理装置である。端末装置30は、OSプログラムや画像形成装置10のドライバプログラム、文書や画像を作成・編集するアプリケーションプログラムなどがインストールされたパーソナルコンピュータなどである。スキャンジョブや印刷ジョブの投入など画像形成装置10に対する各種の要求は画像形成装置10用のドライバプログラムによって行われる。
【0038】
端末装置30も複数の電源モードを備えている。ここでは、各部へ通電されて各種の処理を実行可能な通常モード、通常モードより電力消費の少ないスリープモード、スリープモードよりさらに電力消費の少ないオフモードなどを備えている。
【0039】
図2は、画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を統括制御する制御部としてのメインCPU(Central Processing Unit)11と、このメインCPU11にバスなどを介して接続された画像読取部12と、画像形成部13と、ROM(Read Only Memory)14と、RAM(Random Access Memory)15と、表示部16と、操作部17と、画像処理部18とを備えている。画像形成装置10は、さらに、サブCPU21と、不揮発メモリ22と、ネットワークI/F部23と、ハードディスク装置24と、メモリ25と、電源部26とを備えている。
【0040】
サブCPU21は、メインCPU11より処理能力が小さく消費電力も少ないCPUである。メインCPU11ではOSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。サブCPU21は、OSプログラムなしで動作し、メインCPU11に比べて、負荷の少ない処理を実行する。
【0041】
メインCPU11とサブCPU21は互いに信号や情報を授受可能に接続されている。画像読取部12、画像形成部13、表示部16、操作部17、画像処理部18はメインCPU11によって動作が制御される。たとえば、メインCPU11は、ネットワーク2を通じて端末装置30から受信した印刷要求に応じて、画像形成部13にその印刷要求にかかわる画像形成動作を行わせるように制御する。不揮発メモリ22、ネットワークI/F部23、ハードディスク装置24、メモリ25はメインCPU11とサブCPU21の双方からアクセス可能となっている。メモリ25や不揮発メモリ22はメインCPU11とサブCPU21との間の情報授受の媒体としても使用される。
【0042】
また、画像形成装置10は、メインCPU11とサブCPU21により制御部27を構成している。制御部27は、エラーが発生した場合には、発生したエラーを端末装置30に通知するとともに、発生したエラーの内容に応じてエラーの通知方法を変更することができる。
【0043】
また、エラーの通知方法の変更は、メインCPU11でもサブCPU21でも行うことができ、実施の形態として特に指定しない限り、どちらのCPUが行ってもよい。また、メインCPU11がスリープモードやオフモードの場合のみ、サブCPU21がエラーの通知方法の変更を行い、端末装置30に通知する形態であってもよい。
【0044】
電源部26は、商用電源を適宜の電圧に変換して画像形成装置10の各部へ電力を供給する。また、サブCPU21からの指示に従って、電力を供給するか供給停止するかを電力供給先別に制御する機能を備えている。ここでは、通常モードでは全ての部分に電力供給し、スリープモードでは、画像読取部12、画像形成部13、表示部16、画像処理部18、ハードディスク装置24への電源供給は停止し、オフモードではさらにメインCPU11、ROM14、RAM15への電源供給も停止する。サブCPU21、不揮発メモリ22、ネットワークI/F部23、メモリ25には、図示省略のメイン電源スイッチがオフされたり商用電源の供給が停止されたりしない限り、常時(オフモードにおいても)通電される。スリープモードでは、メインCPU11はネットワーク送受信のみ可能な状態となっている。オフモードでは、動作を停止している。
【0045】
ROM14には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってメインCPU11が処理を実行することでジョブの実行といった画像形成装置10の各機能が実現される。RAM15はメインCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0046】
画像読取部12は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。画像読取部12は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0047】
画像形成部13は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は他の方式でもかまわない。
【0048】
画像形成装置10の操作パネルは表示部16と操作部17を備えて構成される。表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部17は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部17は、表示部16の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0049】
画像処理部18は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
【0050】
メモリ25はサブCPU21のワークメモリとして使用される。不揮発メモリ22は、電源がオフされても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)である。
【0051】
不揮発メモリ22には、各端末装置30への電源状態やドライバプログラムのインストール状況を問い合わせた結果などが記憶されるほか、サブCPU21が実行するプログラムなども記憶されている。また、不揮発メモリ22には、エラー内容に応じて割り当てられた危険度テーブルと、エラーを通知する対象ユーザを優先度に応じて割り当てた通知先優先度テーブルとが、予め記憶されている。この危険度テーブルと通知先優先度テーブルについては、図面を用いて後述する。
【0052】
ネットワークI/F部23は、ネットワーク2を通じて端末装置30やその他の外部装置と各種のデータを送受信する機能を果たす。ハードディスク装置24は、大容量不揮発の記憶装置であり、たとえば、印刷データや画像データの保存に使用される。
【0053】
画像形成装置10は、メインCPU11などへの電力供給が完全にオフするオフモードにおいても、サブCPU21が稼動しており、該サブCPU21が稼動している状態であれば、メモリ25や不揮発メモリ22へのアクセス、ネットワークI/F部23による通信を行うことができる。すなわち、ネットワークI/F部23はサブCPU21によってルーティングされ、OS上のソフトウェアに依存することなく、ネットワーク2を介して端末装置30などの外部装置と特定のプロトコルによって通信することができる。
【0054】
図3は、端末装置30の概略構成の一例を示している。端末装置30は、メインCPU31と、サブCPU32と、ROM33と、RAM34と、入出力I/F部35と、不揮発メモリ36と、ネットワークI/F部37と、ハードディスク装置38と、メモリ39と、電源部41とを備えている。さらに入出力I/F部35を介して、液晶ディスプレイなどの表示装置42と、キーボードやマウスなどの入力デバイス43が接続されている。
【0055】
ROM33には起動用のプログラムや固定データが記憶される。RAM34は、ハードディスク装置38からロードしたプログラムが記憶される。またRAM34は、メインCPU31がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。
【0056】
不揮発メモリ36は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、ドライバプログラムのインストール状況を示すドライバ情報などが記憶される。ネットワークI/F部37は、ネットワーク2を介して画像形成装置10や他の外部装置と各種のデータを送受信する機能を果たす。ハードディスク装置38は、大容量不揮発の記憶装置であり、OSプログラムや画像形成装置10のドライバプログラム、ミドルウェア、各種アプリケーションプログラム、ファイル、データなどが保存される。
【0057】
端末装置30においても、サブCPU32は、メインCPU31より処理能力が小さく消費電力も少ないCPUである。メインCPU31ではOSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。サブCPU32は、OSプログラムなしで動作し、メインCPU31に比べて、負荷の少ない処理を実行する。
【0058】
メインCPU31とサブCPU32は互いに信号や情報を授受可能に接続されている。不揮発メモリ36、ネットワークI/F部37、ハードディスク装置38、メモリ39はメインCPU31とサブCPU32の双方からアクセス可能となっている。メモリ39や不揮発メモリ36はメインCPU31とサブCPU32との間の情報授受の媒体としても使用される。
【0059】
電源部41は、商用電源を適宜の電圧に変換して端末装置30の各部へ電力を供給する。また、サブCPU32からの指示に従って、電力を供給するか供給停止するかを電力供給先別に制御する機能を備えている。ここでは、通常モードでは全ての部分に電力供給し、スリープモードでは、入出力I/F部35、ハードディスク装置38への電源供給は停止し、オフモードではさらにメインCPU31、ROM33、RAM34への電源供給も停止する。サブCPU32、不揮発メモリ36、ネットワークI/F部37、メモリ39には、図示省略のメイン電源スイッチがオフされたり商用電源の供給が停止されたりしない限り、常時(オフモードでも)通電される。またスリープモードでは、メインCPU31は、たとえば通常モードの10パーセント程度に処理能力を下げて電力消費を抑えたスリープ状態に遷移する。
【0060】
端末装置30は、画像形成装置10と同様に、メインCPU31などへの電力供給が完全にオフされるオフモードにおいても、サブCPU32が稼動しており、該サブCPU32が稼動している状態であれば、メモリ39や不揮発メモリ36へのアクセス、ネットワークI/F部37による通信を行うことができる。すなわち、ネットワークI/F部37はサブCPU32によってルーティングされ、OS上のソフトウェアに依存することなく、ネットワーク2を介して画像形成装置10などの外部装置と特定のプロトコルによって通信することができる。
【0061】
次に、不揮発メモリ22に予め記憶された危険度テーブルと通知優先度テーブルについて説明する。
【0062】
図4は、不揮発メモリ22に予め固定値として記憶された危険度テーブル50を示している。危険度テーブル50には、危険度とエラー内容が記載されている。危険度とは、画像形成装置10に生じ得るエラーの危険の程度(レベル)のことである。エラー内容とは、画像形成装置10に生じ得るエラーの内容のことである。本実施の形態では、具体例として、定着装置において温度センサが異常値を検出した場合や、感光体ドラムのモータに回転異常が生じた場合には、エラーの危険度の高い「1」が設定されている。一方、紙切れ、紙詰まり、トナー切れの場合には、エラーの危険度の低い「2」が割り当てられている。なお、危険度は、高低の2つに分けられているが、分け方は2つに限定されるものではなく、いくつに分かれていてもよい。
【0063】
図5は、不揮発メモリ22に予め固定値として記憶された通知優先度テーブル60を示している。通知優先度テーブル60には、通知優先度と通知先(通知先の種別)とが対応づけて登録されている。また、通知優先度テーブル60の通知優先度は、値が小さいほど優先度が高くなっている。本実施の形態では、具体例として、通知優先度「1」には、端末装置30の管理者や印刷ジョブの実行を依頼したジョブ実行者を、通知優先度「2」には、端末装置30の電源が通常モードのユーザを、通知優先度「3」には、端末装置30の電源がオフモード又はスリープモードの状態のユーザを割り当ててある。
【0064】
次に、制御部27が各端末装置30の電源状態を監視する動作について説明する。
【0065】
図6は、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した場合についての電源状態監視を示している。図6に示す電源状態監視図70には、PC名、IPアドレス、電源状態、Wake要求、エラー発生通知、通知優先度、現在のジョブの各情報が登録されている。PC名の欄には、画像形成装置10に接続されている各端末装置30の端末名称(すなわち、PC1、PC2、PC3、PC4)が記載されている。IPアドレスの欄には、各端末装置30のIPアドレスが記載されている。電源状態の欄には、各端末装置30の電源状態が、通常、オフ、スリープの3つのモードにいずれであるかが記載されている。Wake要求の欄には、Wake要求の必要の有無が記載されている。ここでWake要求とは、オフモード又はスリープモードの端末装置30を起動させる通知のことである。エラー発生通知の欄には、エラーが発生した旨の通知を行うか否かが記載されている。通知優先度の欄には、各端末装置30の通知優先度が登録されている。現在のジョブの欄には、各端末装置30が、画像形成装置10が実行中のジョブの依頼元であるか否かを示す情報が登録されている。ここでは、「1」は依頼元であることを、「0」は依頼元ではないことを示している。なお、画像形成装置10がジョブを実行していない場合には、すべての端末装置30について「0」が登録される。
【0066】
図6に示す電源状態監視図70の各欄の登録・更新は、次のようにして行われる。
【0067】
(1)電源状態の欄の登録内容は、画像形成装置10が各端末装置30の電源状態の監視動作を行う度に、その監視結果に応じて更新される。
【0068】
(2)現在のジョブの欄の登録内容は、ジョブの実行開始や実行終了によりジョブ実行者が変化したとき、その変化後の状態に応じて更新される。
【0069】
(3)通知優先度は、通知優先度テーブル60に従って更新される。すなわち、管理者の登録が設定変更されたとき、ジョブの実行開始や実行終了によりジョブ実行者が変化したとき、各端末装置30の電源状態が変化したときに、それぞれの端末装置30の状態(管理者か否か、ジョブ実行者か否か、電源状態が通常かスリープか)から通知優先度を通知優先度テーブル60に基づいて判定し、更新する。
【0070】
(4)エラー発生通知の欄は、通知優先度の更新に合わせて更新され、発生したエラーの危険度が低い場合には、通知優先度が「1」の場合は「有」、通知優先度が「2」以上の場合は「無」に設定される。
【0071】
(5)Wake要求の欄は、通知優先度もしくは電源状態が更新されたとき、その端末装置30についてWake要求の要否を判定し、その判定結果に応じて更新する。詳細には、発生したエラーの危険度が低い場合には、通知優先度が「1」で電源状態が「オフ」の場合は「有」に、通知優先度が「1」で電源状態が「通常」の場合は「無」に設定する。また通知優先度が「2」以上の場合は、電源状態に限らず「無」に設定する。
【0072】
たとえば、図6のPC1は、現在の電源状態は「オフ」であるが、管理者端末として通知優先度「1」が設定されている。このため、PC1は、画像形成装置10にエラーが発生した場合、Wake要求が「有」により起動され、エラーの発生が通知される。PC2は、現在の電源状態が「通常」であって、現在のジョブのフラグが立っているため、ジョブ実行者端末として通知優先度「1」が設定されている。このため、PC2は、画像形成装置10にエラーが発生した場合には、Wake要求の必要は無く、画像形成装置10から直接エラー発生の通知がなされる。PC3は、電源状態が「通常」であって印刷ジョブなどのジョブを行っていないため、通常使用のユーザAとして通知優先度「2」が設定されている。このため、PC3は、画像形成装置10にエラーが発生した場合でも、危険度が低い場合にはWake要求もエラー発生の通知もされない。PC4は、電源状態が「スリープ」であるため、スリープモードのユーザBとして通知優先度「3」が設定されている。このため、PC4は、画像形成装置10にエラーが発生した場合でも、危険度が低い場合にはWake要求もエラー発生の通知もされない。
【0073】
図7は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した場合についての電源状態監視を示している。図7に示す電源状態監視図80には、図6と同様に、PC名、IPアドレス、電源状態、Wake要求、エラー発生通知、通知優先度、現在のジョブの各情報が登録されている。図6との相違点は、Wake要求とエラー発生通知である。危険度の高いエラーが発生した場合、すべての端末装置30にエラーの発生を通知するため、エラー発生通知は、すべての通知優先度において「有」となる。また、Wake要求の欄は、通知優先度にかかわらず、電源状態が「オフ」または「スリープ」の場合は「有」に、電源状態が「通常」の場合は「無」に設定される。
【0074】
たとえば、PC3は、電源状態が「通常」で、通常使用中のユーザAとして通知優先度「2」が設定されている。しかし、危険度の高いエラーが発生した場合、エラー発生通知が「有」となり、エラーが発生した旨の通知が行われる。PC4も同様に、電源状態が「スリープ」であるため、通知優先度「3」が設定されている。しかし、危険度の高いエラーが発生した場合、Wake要求が「有」となり、PC4を起動させるとともに、エラー発生通知によりエラーが発生した旨の通知を行う。
【0075】
このように、本実施の形態では、発生したエラーの危険度に応じて、制御部27はエラーが発生した旨の通知先や通知方法を変更する。また、危険度の高いエラーが発生した場合に、Wake要求にて端末装置30を起動させたいときや通知優先度が「1」に該当する端末装置30へ通知するときは、そのエラーの発生をポップアップにて表示する。一方、危険度の低いエラーが発生したときには、そのエラーの発生を電子メールで通知する。
【0076】
なお、各端末装置30の電源状態は、制御部27が電源状態取得要求P1(図1)を送信し、端末装置30から電源状態取得応答P2(図1)を制御部27が受信することにより取得する。そのため、電源状態監視図70、80(図6及び図7)は、制御部27が電源状態取得応答P2を受信し、端末装置30の電源状態に変更があったことが確認できた時点で更新される。
【0077】
また、図6及び図7に示した電源状態監視図70、80は、不揮発メモリ22に更新可能に記憶されているものとする。また、本実施の形態では、危険度の高いエラーが第1種エラーに該当し、危険度の低いエラーが第2種エラーに該当する。また、本実施の形態では、ポップアップ表示にてエラーの発生を通知する方式が第1方式に該当し、電子メールで通知する方式が第2方式に該当する。
【0078】
次に、画像形成装置10による端末装置30の電源状態の監視モードに係る動作について説明する。
【0079】
<画像形成装置10による電源状態監視モード>
図8は、画像形成装置10が端末装置30の電源状態を監視する動作の流れを示している。画像形成装置10の制御部27は、接続されている全ての端末装置30に対し、電源状態取得要求P1(すなわち電源状態取得要求パケット)を、定期的に送信する(ステップS101)。各端末装置30は、電源状態取得要求P1を受信すると、自装置の電源状態を取得して、電源状態取得応答P2(すなわち電源状態取得応答パケット)を作成して、画像形成装置10にその応答パケットを送信する。
【0080】
画像形成装置10の制御部27は、電源状態取得応答P2を待ち受けており(ステップS102;No)、各端末装置30から電源状態取得応答P2を受信すると(ステップS102;Yes)、不揮発メモリ22に記憶されている電源状態監視図70、80を端末装置30毎に更新する(ステップS103)。なお、制御部27は、受信した電源状態取得応答P2について順次更新する。この動作は、画像形成装置10のサブCPU21が行っている。従って、メインCPU11がスリープモードやオフモードの場合であっても、定期的に端末装置30の電源状態を取得する処理が実行される。
【0081】
次に、端末装置30の電源状態取得応答モードに係る動作について説明する。
【0082】
<端末装置30の電源状態取得応答モード>
図9は、端末装置30の電源状態取得応答モードに係る動作の流れを示している。端末装置30は、画像形成装置10から電源状態取得要求P1を待ち受けている(ステップS121;No)。端末装置30は、画像形成装置10の制御部27から電源状態取得要求P1を受信すると(ステップS121;Yes)、自装置の電源状態を取得して(ステップS122)、電源状態取得応答P2を作成し、画像形成装置10にその応答パケットを送信する(ステップS123)。なお、この動作は、端末装置30のサブCPU32が行っている。従って、メインCPU31がスリープモードやオフモードの場合であっても、画像形成装置10からの電源状態取得要求P1に応答する処理が実行される。
【0083】
このように、画像形成装置10の制御部27は、定期的に電源状態取得要求P1を各端末装置30に送信しているので、各端末装置30の電源状態取得応答P2を定期的に取得する。画像形成装置10の制御部27は、電源状態取得応答P2を取得することにより電源状態監視図70、80(図6及び図7)を更新する。制御部27は、エラーが発生した際に、電源状態監視図70、80(図6及び図7)を参照することにより、通知すべきユーザの電源状態を即座に把握することができる。
【0084】
次に、エラーが発生した場合の画像形成装置10の動作について説明する。なお、以降に説明する動作フローでは、その処理の中でWake要求を行うか否かを決定するようになっているが、図6や図7に示した電源状態監視図70、80を参照するようにしてもよい。
【0085】
<エラー発生時の危険度の判定>
図10は、画像形成装置10にエラーが発生した際の危険度を判定する動作の流れを示している。画像形成装置10は、自装置においてエラーの発生を監視して検出しており(ステップS201;No)、制御部27がエラーの発生を検出すると(ステップS201;Yes)、発生したエラーの危険度が高くない場合には(ステップS202;No)、実施例1として結合子A(図11)に進む。一方、発生したエラーの危険度が高い場合には(ステップS202;Yes)、結合子B(図12)に進む。
【0086】
<危険度の低いエラーの場合の通知方法>
図11は、危険度の低いエラーが発生した場合の通知方法に係る動作の流れを示している(すなわち、結合子A以降の処理である。)。制御部27は、電源状態監視図70(図6)を基に、通知すべき通知対象者の端末装置30に電源状態取得要求P1を送信する(ステップS203)。ここで通知すべき通知対象者は、電源状態監視図70(図6)に示されたエラー発生通知「有」を示す端末装置30のことである。図6の例では、PC1とPC2が該当する。
【0087】
画像形成装置10は、端末装置30から電源状態取得応答P2を待ち受けており(ステップS204;No)、端末装置30から電源状態取得応答P2を取得すると(ステップS204;Yes)、不揮発メモリ22に記憶された電源状態監視図70を更新する(ステップS205)。制御部27は、更新された電源状態監視図70を参照して、ジョブ実行者端末が起動中であるか否かを判定し、起動中である場合には(ステップS206;Yes)、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS207)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、通知先であるジョブ実行者の端末装置30の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0088】
一方、ジョブ実行者端末が起動中でない場合には(ステップS206;No)、制御部27は、その端末装置30に対して、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、第2方式である電子メールにより通知する(ステップS208)。なお、図6の例では、ジョブ実行者の端末装置30であるPC2は現在起動中であるため、第1方式で通知される。
【0089】
次に、通知優先度が「1」の端末装置30が起動中であるか否かを判定し、その端末装置30が起動中の場合には(ステップS209;Yes)、制御部27は、危険度の低いエラーが発生した旨を、第1方式で、その起動中の端末装置30に通知する(ステップS210)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、その起動中の端末装置30の表示画面にポップアップにて表示させる。なお、ジョブ実行者端末は、すでに処理されているので、ここで処理の対象となる端末装置30は、通知優先度が「1」の端末装置30である管理者端末となる。
【0090】
一方、通知優先度が「1」の端末装置30が起動していない場合には(ステップS209;No)、制御部27は、その端末装置30に対し、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、第2方式である電子メールにより通知する(ステップS211)。なお、図6の例では、通知優先度が「1」の管理者端末であるPC1はオフモードであるため、第2方式で通知される。
【0091】
<危険度の高いエラーの場合の通知方法>
図12と図13は、危険度の高いエラーが発生した場合の電源状態の更新に係る動作の流れを示している(すなわち、結合子B以降の処理である。)。制御部27は、電源状態監視図80(図7)を基に、通知すべき通知対象者の端末装置30に電源状態取得要求P1を送信する(ステップS220)。ここで通知すべき通知対象者は、エラーの危険度が高いため、全ての端末装置30である。また、全ての端末装置30にエラーを通知するため、電源状態の監視対象は全ての端末装置30となる。
【0092】
制御部27は、各端末装置30から電源状態取得応答P2を待ち受けており(ステップS221;No)、電源状態取得応答P2を受信すると(ステップS221;Yes)、受信した端末装置30の電源状態監視図80(図7)を更新する(ステップS222)。そして、全ての端末装置30の電源状態の更新が完了したら、結合子C(図13)に進む。なお、制御部27は、受信した電源状態取得応答P2について順次更新してもよく、また全ての端末装置30から電源状態取得応答P2を受信した後、不揮発メモリ22の電源状態監視図80(図7)を一括更新するようにしてもよい。
【0093】
図13は、図12の続きである。なお、図7の電源状態監視図80は、電源状態更新後の状態と仮定する。
【0094】
まず、制御部27は、更新された電源状態監視図80(図7)を参照して、ジョブ実行者端末が起動中であるか否かを判定し、ジョブ実行者端末が起動中である場合には(ステップS223;Yes)、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS224)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、ジョブ実行者端末の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0095】
一方、ジョブ実行者端末が起動中でない場合には(ステップS223;No)、ジョブ実行者端末がオフモード又はスリープモードの状態にあると判定し、制御部27は、その端末装置30を起動させるWake要求を行い、ジョブ実行者の端末装置30を起動させる。ジョブ実行者端末が起動した後、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS225)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、起動したジョブ実行者の端末装置30の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0096】
なお、図7の例では、ジョブ実行者端末であるPC2は起動中なので、PC2の表示画面に、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨が表示される。
【0097】
次に、制御部27は、通知優先度が「1」の管理者端末が起動中であるか否かを判定し、管理者端末が起動中である場合には(ステップS226;Yes)、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS227)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、管理者端末の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0098】
一方、管理者端末が起動中でない場合には(ステップS226;No)、管理者端末がオフモード又はスリープモードの状態にあると判定し、制御部27は、その端末装置30を起動させるWake要求を行い、管理者端末を起動させる。管理者端末が起動した後、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、第1方式で管理者端末に通知する(ステップS228)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、起動した管理者端末の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0099】
なお、図7の例では、管理者端末であるPC1はオフモードの状態なので、制御部27はPC1を起動させる。PC1が起動した後、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨がPC1の表示画面に表示される。また、通知優先度が「1」である実行者端末については、すでに処理されているため、ここでは管理者端末だけが対象となる。
【0100】
次に、制御部27は、通知優先度が中の「2」である端末装置30と、通知優先度が低い「3」である端末装置30と(これらを通知優先度低端末という。)が起動中であるか否かを判定し、これらの端末装置30が起動中である場合には(ステップS229;Yes)、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS230)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、その端末装置30の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0101】
一方、通知優先度低端末が起動中でない場合には(ステップS229;No)、その端末装置30はオフモード又はスリープモードの状態にあると判定し、制御部27は、その端末装置30を起動させるWake要求を行い、その端末装置30を起動させる。その端末装置30が起動した後、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS231)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨を、起動した通知優先度低端末の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0102】
なお、図7の例では、通知優先度が「2」であるPC3は起動中なので、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨が、PC3の表示画面に表示される。一方、通知優先度が「3」であるPC4はスリープモードなので、制御部27はPC4を起動させる。PC4が起動した後、画像形成装置10に危険度の高いエラーが発生した旨が、PC4の表示画面に表示される。
【0103】
なお、本実施の形態では、危険度の高いエラーが発生した場合の通知方法として、図7に示した通知優先度の高い端末装置30から通知優先度順に、危険度の高いエラーの発生が発生した旨を通知した。これにより、通知優先度の高い管理者やジョブ実行者は、エラーが発生した旨について通知される順番が早いため、発生したエラーの対処を即座に行うことができる。また、オフモード又はスリープモードの端末装置30は、Wake要求によりその端末装置30を起動させて、危険度の高いエラーが発生した旨を、その端末装置30が起動した後に、第1方式で通知した。これにより、全ての端末装置30に危険度の高いエラーが発生した旨を早期に通知することができるので、各端末装置30のユーザは、危険度の高いエラーの発生を認知することができる。
【0104】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、危険度の低いエラーが発生した場合のエラー通知対象者を、すべての端末装置30とするが、通知優先度低端末がスリープモード又はオフモードの状態の場合には、その端末装置30が通常モードに復帰するまで待ってからエラーを通知するようにしている。
【0105】
図14は、第2の実施の形態に係る電源状態監視を示している。図14に示す電源状態監視図71は、図6の電源状態監視図70と対比して、PC3及びPC4において、エラー発生通知が「有」となっている点で異なる。
【0106】
第2の実施の形態では、危険度の低いエラーが発生したとき、まず、第1の実施の形態の場合と同様の動作(図10及び結合子Aから図11)を行って、通知優先度の高い通知先へのエラーの通知動作を行う。その後、結合子D以降の処理(図15に示す処理)をさらに行う。従って、結合子D以降の処理について説明する。
【0107】
図15は、監視対象の端末装置30の電源がオフモードまたはスリープモードの場合に危険度の低いエラーの通知方法に係る動作の流れを示している。制御部27は、更新された電源状態監視図71(図14)を基に、通知すべき通知対象者の端末装置30に電源状態取得要求P1を送信する(ステップS251)。
【0108】
制御部27は、監視対象の端末装置30に電源状態取得要求P1を送信した後、これらの端末装置30からの電源状態取得応答P2を待ち受けており(ステップS252;No)、それぞれの電源状態取得応答P2を受信した場合には(ステップS252;Yes)、電源状態監視図71(図14)を更新する(ステップS253)。なお、通知優先度の高いPC1及びPC2は、図11の流れ図において、既にエラーが発生した旨の通知を受けているので、ここで通知すべき通知対象者は、通知優先度が低いPC3及びPC4(すなわち通知優先度低端末である。)となる。
【0109】
制御部27は、更新された電源状態監視図71(図14)を参照して通知優先度低端末が起動中か否かを判定し、これらの端末装置30が起動中の場合には(ステップS254;Yes)、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する(ステップS255)。制御部27は、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、その端末装置30の表示画面にポップアップにて表示させる。
【0110】
一方、通知優先度低端末が起動していない場合には(ステップS254;No)、ステップS251に戻り、その起動していない端末装置30の電源状態を確認すべく、制御部27は電源状態取得要求P1を定期的にその端末装置30に送信する。これにより、制御部27は、その端末装置30が起動するまで、電源状態の監視を繰り返す。
【0111】
図14の例では、通知優先度が「2」であるPC3の電源状態は通常モードであるので、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨が、PC3の表示画面に表示される。一方、通知優先度が「3」であるPC4の電源状態はスリープモードの状態なので、制御部27はPC4が起動するまで、電源状態を監視する。PC4が起動すると、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨が、PC4の表示画面に表示される。
【0112】
このように、制御部27は、通知優先度低端末がスリープモード又はオフモードにある間は、その端末装置30の電源状態が通常モードになるまでエラーが発生した旨の通知を見合わせる。すなわち、制御部27は、スリープモード又はオフモードにある通知優先度低端末の電源状態が通常の起動中を示す通常モードになるまで待っている。そしてその端末装置30が起動した後、制御部27は、危険度の低いエラーが発生した旨を、第1方式でその端末装置30に通知する。
【0113】
このように、エラーの危険度が低い場合であって通知優先度が低い端末装置30に対し、わざわざ端末装置30を起動させて通知すると端末装置30の電力の無駄につながるため、その端末装置30が起動するまで待った後、起動した端末装置30の表示画面に、危険度の低いエラーが発生した旨を表示させる。また、電子メールで通知するよりもその端末装置30のユーザに早期に通知することができるので、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨をユーザに認知させることができる。
【0114】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、第1または第2の実施の形態の動作に加えて、強制的シャットダウンに対応した動作を行う。第3の実施の形態に係る画像形成装置10は、極めて危険度の高いエラーが発生した場合に、そのエラーを検出したハードウェアがシャットダウン信号を出力するようになっている。
【0115】
図16は、画像形成装置10を強制的シャットダウンする場合の動作の流れを示している。シャットダウン信号が上記エラーを検出したハードウェアから出力されると(ステップS301)、そのシャットダウン信号により、メインCPU11は強制的にシャットダウンされる(ステップS302)。
【0116】
以後、極めて危険度の高いエラーが発生した旨を端末装置30へ通知する動作は、サブCPU21が行う。具体的には、結合子B(図12)に進み、危険度の高いエラーが発生した場合と同様の処理(図12及び図13)をサブCPU21が行う。
【0117】
このように、極めて危険度の高いエラーが発生した場合、メインCPU11を強制的にシャットダウンすることにより、画像形成装置10の安全性を確保することができる。また、メインCPU11を強制的にシャットダウンさせた後もエラーの通知動作をサブCPU21が行うので、安全性確保等のためにメインCPU11をシャットダウンさせても、エラーの発生を各端末装置30に継続して通知することができる。
【0118】
<第2の実施の形態の変形例>
第2の実施の形態では、危険度の低いエラーが発生した場合であって、通知優先度低端末がスリープモード又はオフモードの状態の場合には、その端末装置30が通常モードに復帰するまで待つことを特徴としていた。本変形例では、エラーの通知先の端末装置30がスリープモードから通常モードへ復帰するのを待つ時間が長引く場合に、メインCPU11をスリープモードに移行させて、サブCPU21が端末装置30の復帰を監視する。
【0119】
本変形例では、危険度の低いエラーが発生したとき、まず、第1の実施の形態の場合と同様の動作(図10および結合子Aから図11)を行って、通知優先度の高い通知先へのエラー通知動作を行う。その後、結合子E以降の処理(図17に示す処理)をさらに行う。従って、結合子E以降の処理を説明する。
【0120】
図17は、電源状態を監視するCPUの交代動作に係る動作の流れを示している。ここでは、制御部27のメインCPU11が、端末装置30の電源状態を監視していたとする。
【0121】
メインCPU11は、電源状態監視図71(図14)を参照し、通知すべき通知対象者の端末装置30に電源状態取得要求P1を送信する(ステップS401)。ここで、通知すべき通知対象者は、図11の流れ図で通知優先度の高いPC1及びPC2についてすでに通知しているので、通知優先度低端末のPC3とPC4となる。
【0122】
メインCPU11は、通知優先度低端末からの電源状態取得応答P2を待ち受ける(ステップS402;No)。メインCPU11は、通知優先度低端末から電源状態取得応答P2を受信した場合には(ステップS402;Yes)、不揮発メモリ22の電源状態監視図71(図14)を更新する(ステップS403)。なお、制御部27は、上述したように、受信した電源状態取得応答P2について順次更新してもよく、また通知優先度低端末からそれぞれ電源状態取得応答P2を受信した後、電源状態監視図71(図14)を一括更新するようにしてもよい。
【0123】
メインCPU11は、更新された電源状態監視図71(図14)を参照して、通知優先度低端末が起動中か否かを判定し、これらの端末装置30が起動中の場合には(ステップS404;Yes)、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、第1方式でその起動中の端末装置30に通知する(ステップS405)。これにより、制御部27は、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、その起動中の端末装置30の表示画面にポップアップにて表示させる。なお、この場合、発生したエラーの危険度が低いため、電子メールで通知しても良く、通知方法は限定されるものではない。
【0124】
一方、通知優先度低端末が起動していない場合には(ステップS404;No)、制御部27は、その端末装置30に対して、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、第2方式である電子メールにより通知する(ステップS406)。
【0125】
本変形例の場合では、通知優先度が「2」であるPC3は起動中であるため、画像形成装置10の危険度の低いエラーが発生した旨が、PC3の表示画面に表示される。一方、通知優先度が「3」であるPC4はスリープモードの状態にあるため、制御部27は、画像形成装置10に危険度の低いエラーが発生した旨を、PC4に電子メールで通知する。
【0126】
さらに、制御部27は、画像形成装置10内に設けられた計測タイマによって、先に説明した第1事象と第2事象の経過時間を計測している(ステップS407;No)。制御部27は、第1事象または第2事象の所定時間を経過した場合には(ステップS407;Yes)、メインCPU11はサブCPU21に端末装置30の電源状態の監視を交代する(ステップS408)。そして、メインCPU11は、端末装置30の電源状態の監視を止めて、スリープモードに移行する(ステップS409)。このように、本変形例では、メインCPU11は、第1事象または第2事象により、第1または第2モード移行を行う。
【0127】
サブCPU21は、結合子F(図15)に進み、図15に示す流れ図によって、危険度の低いエラーの発生の通知の処理を行う。このように、制御部27は、所定時間経過によって端末装置30の電源状態の監視をメインCPU11からサブCPU21に交代する。従って、制御部27は、各端末装置30の電源状態を監視しながら、画像形成装置10の消費電力を抑制することができる。なお、本変形例の場合では、サブCPU21は、PC4が起動するまで待ち続ける処理となる。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御部27は、電源状態監視図70、71、80(図6、図7、図14)を適宜参照して、発生したエラーを監視対象の端末装置30に通知するとともに、エラーの内容に応じて通知方法を変更する。すなわち、制御部27は、発生したエラーの内容によって、通知先や通知する範囲、通知方式、通知タイミング、スリープ中の通知先の起動の有無などを変更することで、発生したエラーに適した通知動作を行うことができる。これにより、エラーの発生が通知されたユーザや管理者は、エラーの内容に応じた最適な対処を迅速かつ柔軟に行うことができる。また、通知されたユーザや管理者は、迅速な対処を図ることにより、早急な復旧を見込むことができる。
【0129】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0130】
たとえば、第2の実施の形態の変形例では、画像形成装置10にエラーが発生した後、第1事象または第2事象によって第1または第2モード移行が行われた場合について説明したが、メインCPU11がスリープモードに移行してサブCPU21と交代するタイミングは、本変形例に限定されない。たとえば、エラー発生から一定時間経過後、あるいはエラー発生後、通常状態の端末装置30に対する通知動作を終えた時点で、メインCPU11はスリープモードに入り、サブCPU21に監視動作やエラーの通知動作を交代するようにしてもよい。また、第1事象と第2事象を組み合わせ、メインCPU11がスリープモードに移行するようにしてもよい。
【0131】
また、たとえば、制御部27による電源状態の監視を、利用頻度の高い端末装置30の電源状態をメインCPU11が監視し、利用頻度の低い端末装置30の電源状態をサブCPU21が監視するように設定してもよい。この場合、利用頻度の高い端末装置30の全てがオフモードかスリープモードの状態になったとき、メインCPU11はオフモードかスリープモードの状態にすることができる。このように、メインCPU11とサブCPU21の負荷分散を図るとともに、制御部27の省電力化を図ることができる。
【符号の説明】
【0132】
2…ネットワーク
5…ネットワークシステム
10…画像形成装置(MFP)
11…メインCPU
12…画像読取部
13…画像形成部
14…ROM
15…RAM
16…表示部
17…操作部
18…画像処理部
21…サブCPU
22…不揮発メモリ
23…ネットワークI/F部
24…ハードディスク装置
25…メモリ
26…電源部
27…制御部
30…端末装置
31…メインCPU
32…サブCPU
33…ROM
34…RAM
35…入出力I/F部
36…不揮発メモリ
37…ネットワークI/F部
38…ハードディスク装置(HDD)
39…メモリ
41…電源部
42…表示装置
43…入力デバイス
50…危険度テーブル
60…通知優先度テーブル
70…電源状態監視図(危険度低)
71…電源状態監視図(危険度低)
80…電源状態監視図(危険度高)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に画像を形成する画像形成部と、
ネットワークを介して端末装置と通信するネットワーク通信部と、
前記ネットワーク通信部によって端末装置から受信した要求に応じて、前記画像形成部に画像の形成動作を行わせる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
エラーが発生した場合には、該エラーを前記端末装置に通知するとともに、該エラーの内容に応じて該エラーの通知方法を変更する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
発生した前記エラーが第1種エラーの場合には、自装置から通知した時点で通知先の前記端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第1方式で通知し、
発生した前記エラーが第2種エラーの場合には、自装置から通知した通知内容が通知先の前記端末装置に保存され、通知後のユーザによる任意のタイミングで該端末装置による該ユーザへの通知動作が行われる第2方式で通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
発生した前記エラーの内容に応じて前記エラーの通知先を変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
通知先である前記端末装置の電源状態が、オフ又はスリープモードであって、発生した前記エラーが第3種エラーの場合には、該端末装置を起動させた後、自装置から該端末装置に前記エラーが発生した旨を通知して、当該通知のタイミングで該端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第3方式で通知する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
通知先である前記端末装置の電源状態が、オフ又はスリープモードであって、発生した前記エラーが第4種エラーの場合には、該端末装置の電源状態がオンに復帰するまで待った後、自装置から該端末装置に前記エラーが発生した旨を通知して、該通知のタイミングで該端末装置にユーザへの通知動作を行わせる第4方式で通知する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、ジョブの実行を制御するメインCPUと、該メインCPUより消費電力の少ないサブCPUを備え、
前記メインCPUが稼動していない状態の場合には、前記サブCPUが、前記ネットワークに接続された端末装置に対して、前記通知に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記メインCPUが強制的に電源オフの状態になったとき、前記サブCPUが、前記ネットワークに接続された所定の端末装置に対して、前記エラーが発生した旨を通知する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記エラーの通知方法を危険度のレベルに応じて変更する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1方式、前記第3方式及び前記第4方式では視聴覚的な通知方法を用いて通知を行い、前記第2方式では電子メールを用いて通知する
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−160877(P2012−160877A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18641(P2011−18641)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】