説明

画像処理装置

【課題】画像データを色変換すると共に縮小する画像処理において画質を劣化することなく処理速度を高速にした画像処理装置を提供することにある。
【解決手段】画素毎に所定の色空間の階調値を有する第1画像データを、印刷手段の記録材の色の階調値を有し1/n画素に縮小した第2画像データに変換する画像処理装置において、画素ブロック毎に所定の注目画素とそれ以外の画素との階調値の差が閾値を超えるか否かを判定する階調値差判定手段と、色変換テーブルを参照して画素の所定色空間の階調値を記録材の階調値に変換する色変換処理を行う色変換手段とを有し、色変換手段は、閾値を超える場合は、画素ブロック内の画素毎に色変換処理した後、隣接n画素の色変換処理後の記録材の階調値の平均値を第2画像データとする第1処理を行い、閾値を超えない場合は、各画素の前記所定色空間の階調値の平均値を色変換処理した記録材の階調値を前記第2画像データとする第2処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は、画像データを印刷する際、画素毎にRGBの階調値(RGB値)を有する画素データを、印刷装置のトナー(インク)色であるCMYKの階調値(CMYK値)を有する画素データに色変換すると共に、印刷解像度等に合わせて縮小することがある。
【0003】
例えば、画像データの画素数を縦方向に1/2に縮小する場合、画像処理装置は、縦方向の隣接2画素を、当該2画素のRGB値の平均値を色変換処理したCMYK値を有する1画素とする。これにより、画像処理装置は、画素毎に色変換処理する場合に対して、色変換テーブルの参照回数を1/2回に減少させ画像処理を高速にする。
【0004】
しかしながら、色変換テーブルでは、一般的に、必ずしもRGB値の変移に対してCMYK値は比例せず、曲線を描くように変移する。具体的に、例えば、K値(黒)を例に挙げると、RGB値の白色(RGB=255,255,255)から黒色(RGB=0,0,0)への変移に対し、K値は白色から白、黒色の中間色までは微量に増加し黒色付近で大幅に増加して変移する。
【0005】
このような色変換テーブルに基づくと、2つのRGB値の平均値に対応するCMYK値と、2つのRGB値にそれぞれ対応する各CMYK値の平均値とは、それぞれ異なった色を表す。このため、上述したように隣接2画素のRGB平均値に基づいて色変換処理を行うと、2画素の各RGB値にそれぞれ対応するCMYK値の平均値とは異なるCMYK値に変換され、画質の劣化を招いていた。
【0006】
また、例えば特許文献1に、画像データの拡大・縮小処理前後に色変換処理を行う画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−16815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、画像処理装置は、RGB値を有する画像データの画素毎にそれぞれ色変換処理を行ってCMYK値を取得した上で、縦方向の隣接2画素の各CMYK値の平均値を1画素のCMYK値とすることによって、縦方向1/2に縮小したCMYK値の画像データを生成する。これにより、画質の劣化は回避される。しかしながら、その一方、画像データの各画素について色変換処理を行うため、少なくとも画素数の回数分の色変換処理が発生し、処理速度が遅くなるという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は、画像データを色変換すると共に縮小する画像処理において画質を劣化することなく処理速度を高速にした画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、画素毎に所定の色空間の階調値を有する第1画像データを、印刷手段の記録材の色の階調値を有し1/n画素に縮小した第2画像データに変換する画像処理装置において、前記第1画像データにおいて、隣接する複数の画素を有する画素ブロック毎に、当該画素ブロック内の所定の注目画素とそれ以外の画素との階調値の差が閾値を超えるか否かを判定する階調値差判定手段と、色変換テーブルを参照して、画素の前記所定の色空間の階調値を前記記録材の色の階調値に変換する色変換処理を行う色変換手段とを有し、前記色変換手段は、前記閾値を超える場合は、前記第1画像データについて前記画素ブロック内の画素毎に前記色変換処理した後、隣接するn画素の前記色変換処理後の前記記録材の色の階調値の平均値を前記第2画像データとする第1処理を行い、前記閾値を超えない場合は、前記第1画像データについて前記画素ブロック内の各画素の前記所定の色空間の階調値の平均値を前記色変換処理した前記記録材の色の階調値を前記第2画像データとする第2処理を行う。
【0011】
この態様によれば、画像処理装置は、所定の色空間の階調値を有する画像データを記録材の色の階調値を有する1/n画素の画像データに変換する画像処理において、処理速度を向上すると共に画質劣化を回避することができる。
【0012】
上記の第1の側面において好ましい態様によれば、さらに、前記色変換手段は、前記閾値を超える場合は、前記記録材の色のうち少なくとも1色については前記第1処理を行い、その他の色については1/n画素に縮小せず前記色変換処理後の前記記録材の色の階調値を前記n画素それぞれの階調値とし、前記閾値を超えない場合は、前記少なくとも1色については前記第2処理を行い、その他の色については1/n画素に縮小せず前記色変換処理した前記記録材の色の階調値を前記n画素それぞれの階調値とする。
【0013】
この態様によれば、画像処理装置は、所定の色空間の階調値を有する画像データを、記録材の色の階調値を有し少なくとも1色について1/n画素の画像データに変換する画像処理において、処理速度を向上すると共に当該1色以外の画質劣化を回避することができる。
【0014】
上記の第1の側面において好ましい態様によれば、さらに、前記記録材は少なくとも黒色を有し、前記少なくとも1色は、前記黒色以外の色である。
【0015】
この態様によれば、画像処理装置は、所定の色空間の階調値を有する画像データを、記録材の色の階調値を有し黒色以外の色について1/n画素の画像データに変換する画像処理において、処理速度を向上すると共に黒色の画質劣化を回避することができる。
【0016】
上記の第1の側面において好ましい態様によれば、さらに、画素ブロックの有する前記複数の画素の数は前記nより多い。
【0017】
この態様によれば、画像処理装置は、画素ブロックにおける色変換処理の回数を、縮小後の画素ブロックにおける画素数よりもさらに少なくすることができる。
【0018】
上記の第1の側面において好ましい態様によれば、さらに、前記階調値差判定手段は、前記所定の色空間の要素のうち少なくとも1要素の階調値の差が前記閾値を超えた場合に、前記閾値を超えると判定する。
【0019】
この態様によれば、所定の色空間の各要素のうち、少なくとも1要素の階調値の差が閾値を超えるか否かによって画素ブロックにおける階調値の差を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態例における画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【図2】各RGB値を色変換処理したCMYK値の平均値と、各RGB値の平均値を色変換処理したCMYK値との相違の第1の具体例を表す図である。
【図3】本実施の形態例における色変換テーブルの一例を表す図である。
【図4】図2に係る各CMYK値の差異の第2の具体例を表す図である。
【図5】本実施の形態例における画像処理のフローチャートを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施の形態例]
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0022】
図1は、本実施の形態例における画像処理装置の一例であるホストコンピューター10の構成を示す例図である。ホストコンピューター10のCPU11は、RAM(Random Access Memory)15等の内部メモリーに格納されたプログラムを実行すると共に、ホストコンピューター10の制御を行う。外部インターフェイス(I/F)14は、例えばネットワークを介してホストコンピューター10に接続されるプリンター20、及び、周辺機器(図示せず)とデータや情報の入出力を行う。また、ホストコンピューター10は、ディスプレイなどの表示部12、キーボードやマウスなどの操作部13等を有する。バス17は、CPU11、RAM15、表示部12、操作部13および外部インターフェイス14を相互に接続し、これらの間でデータの授受を可能とする。
【0023】
また、上記構成におけるホストコンピューター10は、RAM15に、アプリケーションプログラム51、及び、プリンター20での画像データの印刷を可能にするためのプリンタードライバープログラム61を格納する。プリンタードライバープログラム61及びアプリケーションプログラム51は、ホストコンピューター10のCPU11を含むハードウェアと協働することによってそれぞれプリンタードライバー61及びアプリケーション51として機能する。プリンタードライバープログラム61は、例えば、階調値差判定ユニット62、色変換ユニット63、ハーフトーンユニット64、色変換テーブル65等を有する。
【0024】
具体的に、プリンタードライバープログラム61の階調値差判定ユニット62は、画素間のRGB値の差を取得し、RGBのいずれかの色の差が閾値を超えるか否かを判定する。また、プリンタードライバープログラム61の色変換ユニット63は、256階調のRGB値を有する画像データを、色変換テーブル65に基づいて、プリンター20のトナー(インク)色である256階調のCMYK値を有する画像データに変換する。また、本実施の形態例における色変換ユニット63は、色変換処理を行うと共に画像データを1/n画素の画像データに縮小する。これらの処理の詳細については、後述する。
【0025】
そして、プリンタードライバープログラム61のハーフトーンユニット64は、ハーフトーン処理として、色変換処理及び縮小後のCMYK値の画像データを、各画素の階調値に基づいて、画素毎に例えばCMYKの各色のドット形成の有無を表す画像データに変換する。
【0026】
図1において、例えば、画像データは、デジタルカメラ等の入出力装置30からアプリケーションプログラム(以下、アプリケーション)51に入力され、アプリケーション上で印刷指示が行われる。そして、本実施の形態例におけるプリンタードライバープログラム(以下、プリンタードライバー)61は、図1の各ユニットの処理によって、256階調のRGB値を有する画像データを、1/nの画素数であってプリンター20の印刷可能な形式の画像データ(例えば、CMYKの2値の画像データ)に変換する。続いて、プリンタードライバー61は、変換した画像データを外部インターフェイス14を介してプリンター20に出力して印刷処理を行わせる。
【0027】
ところで、このようなプリンタードライバー61の画像処理では、色変換ユニット63における色変換処理に時間を要する。色変換ユニット63は、逐一、画像データのRGB値に基づいてRAM等のメモリーに格納された色変換テーブル65を参照してCMYK値を取得するためである。このため、色変換処理の処理回数は、画像処理速度を向上するためになるべく少ない回数に抑えられることが望ましい。
【0028】
そこで、プリンタードライバー61は、RGBの階調値を有する画像データを、例えば、CMYKの階調値を有する1/2の画素数の画像データに変換する場合、隣接する2画素を、当該2画素のRGB値の平均値を色変換処理したCMYK値を有する1画素とする。これにより、2画素の各画素についてそれぞれ色変換処理が行われる場合に対して、色変換処理の回数が1/2回に削減され、画像処理に要する時間が抑えられる。
【0029】
しかしながら、2画素のRGB値の平均値に基づいて色変換処理しCMYK値を取得すると、色変換処理において参照される色変換テーブル65の特性によって、当該CMYK値と、2画素のRGB値をそれぞれ色変換処理した各CMYK値の平均値とでは、異なる色になってしまう。このため、隣接する2画素を、当該2画素のRGB値の平均値を色変換処理したCMYK値を有する1画素とすることにより画像データを縮小する場合、縮小した画像データの画質が劣化してしまうことがある。
【0030】
ここで、2画素のRGB値の平均値を色変換処理したCMYK値と、2画素のRGB値をそれぞれ色変換処理した各CMYK値の平均値との色の相違について、具体例に基づいて説明する。
【0031】
図2は、2つのRGB値R1、R2をそれぞれ色変換処理した各CMYK値C1、C2の平均値C4と(上図)、2つのRGB値の平均値R3を色変換処理したCMYK値C3(下図)との相違の第1具体例を表す図である。同図において、第1具体例では、シアンを示すRGB値R1(R,G,B)=(0,255,255)を有する画素P1と、黒色を示すRGB値R2(R,G,B)=(0,0,0)を有する画素P2を、平均のCMYK値を有する1画素Pxに縮小する場合を例に挙げる。
【0032】
まず、第1に、RGB値R1、R2をそれぞれ色変換処理して取得したCMYK値C1、C2の平均値C4を画素PxのCMYK値とする場合について説明する。シアンを示すRGB値R1は色変換処理の結果、例えば、C(シアン)c1について階調値255、それ以外の要素(m1,k1,y1)については階調値0を有するCMYK値C1(c1,m1,y1,k1)=(255,0,0,0)に変換される。また、黒色を示すRGB値R2は色変換処理の結果、例えば、K(黒)k2については階調値255、それ以外の要素(c2,m2,y2)については階調値0を有するCMYK値C2(c2,m2,y2,k2)=(0,0,0,255)に変換される。
【0033】
そして、色変換処理されたそれぞれのCMKY値C1、C2の平均値C4(c4,m4,y4,k4)=(127,0,0,127)は、C(シアン)c4とK(黒)k4については階調値127(=255÷2)、それ以外の色(m4,y4)については階調値0を有する。このように、CMYK値C4は、RGB値R1におけるシアンの要素、及び、RGB値R2における黒の要素の階調値を同比率で有する。
【0034】
第2に、RGB値R1、R2の平均値R3を色変換処理したCMYK値C3を画素PxのCMYK値とする場合について説明する。RGB値R1、R2の平均値は、RGB値R3(R,G,B)=(0,127,127)である。そして、RGB値R3は、色変換処理の結果、例えば、C(シアン)c3については階調値200、K(黒)k3については階調値60を有するCMYK値C3(c3,m3,y3,k3)=(200,0,0,60)に変換される。CMYK値C3は、CMYK値C4と同様に、RGB値R1におけるシアンの要素、及び、RGB値R2における黒の要素を有するものの、CMYK値C4と比べてC(シアン)の階調値が大きくK(黒)の階調値が小さい。つまり、CMYK値C3は、CMYK値C4と比べてよりシアンの要素の強い色であり、CMYK値C4と色味が異なる。
【0035】
このように、RGB値R1、R2をそれぞれ色変換処理したCMYK値C1、C2の平均値C4と、RGB値R1、R2の平均値R3を色変換処理したCMYK値C3とは、異なる色になる。これは、色変換処理において参照される色変換テーブルの有する特性に因るものである。続いて、その色変換テーブルについて説明する。
【0036】
図3は、本実施の形態例における色変換処理にて参照される色変換テーブル(図1の65)の一例を表す図である。同図において、横軸はシアンを示すRGB値R1から黒色を示すRGB値R2へのRGB値の色の遷移を、縦軸はRGB値に対応するCMKY値のうちK値の階調値を表す。また、同図において、曲線L1は、本実施の形態例の色変換テーブルにおけるRGB値R1からRGB値R2への色の遷移に対応するCMYK値におけるK値の階調値の遷移を表す。同図において、横軸のRGB値R1〜R3は図2の同色を、縦軸のK値k1〜k4は図2のCMYK値C1〜C4におけるK値をそれぞれ示す。
【0037】
図3のように、横軸におけるRGB値R1からRGB値R2への遷移に対して、各RGB値に対応するCMYK値のK値(黒)はリニアではなく曲線を描くように遷移する。そのため、同図の曲線L1において、RGB値R1からRGB値R2までの中間色付近まではKの階調値の増加率が低く、RGB値R2付近ではKの階調値の増加率が高くなっている。
【0038】
従って、図3のような色変換テーブルに基づいて色変換処理を行うと、2つのRGB値R1、R2の平均値R3に対応するCMYK値C3のK階調値k3と、2つのRGB値R1、R2を色変換したCMYK値C1、C2における平均値C4のK階調値k4とは異なった値となる。一般的に、色変換テーブルにおけるK以外の色も同様に階調値が曲線を描くように遷移することから、CMYK値C3とCMYK値C4とは異なった色となる。
【0039】
続いて、2画素のRGB値の平均値を色変換処理したCMYK値と、2画素のRGB値を色変換処理した各CMYK値の平均値との色の相違について、他の具体例を挙げて説明する。
【0040】
図4は、2つのRGB値R11、R12をそれぞれ色変換処理した各CMYK値C11、C12の平均値C14と、2つのRGB値の平均値R13を色変換処理したCMYK値C13との相違の第2の具体例を表す図である。同図において、第2の具体例では、赤色を示すR11(R,G,B)=(255,0,0)を有する画素P11と、緑色を示すR12(R,G,B)=(0,255,0)を有する画素P12を、平均のCMYK値を有する1画素Pxに縮小する場合を例に挙げる。
【0041】
まずは、第1に、RGB値R11、R12をそれぞれ色変換処理して取得したCMYK値C11、C12の平均値C14を画素PxのCMYK値にする場合について説明する。例えば、赤色を示すRGB値R11は色変換処理の結果、M(マゼンタ)m11及びY(イエロー)y11について階調値255、それ以外の要素(c11,k11)については階調値0を有するCMYK値C11(c11,m11,y11,k11)=(0,255,255,0)に変換される。また、緑色を示すRGB値R12は色変換処理の結果、C(シアン)c12及びY(イエロー)y12については階調値255、それ以外の要素(m12,k12)については階調値0を有するCMYK値C12(c12,m12,y12,k12)=(255,0,255,0)に変換される。
【0042】
そして、色変換処理されたそれぞれのCMKY値C11、C12の平均値C14(c14,m14,y14,k14)=(127,127,255,0)は、C(シアン)c14及びM(マゼンタ)m14について階調値127(=255÷2)、Y(イエロー)y14について階調値255(=510÷2)を有する。
【0043】
第2に、RGB値R11、R12の平均値R13を色変換処理したCMYK値C13を画素PxのCMYK値にする場合について説明する。RGB値R11、R12の平均値は、RGB値R13(R,G,B)=(127,127,0)である。そして、RGB値R13は、色変換処理の結果、例えば、C(シアン)c13及びM(マゼンタ)m13については階調値15、Y(イエロー)y13について階調値200を有するCMYK値C13(c13,m13,y13,k13)=(15,15,200,0)に変換される。
【0044】
この結果、CMYK値C13は、CMYK値C14と色要素は同じであるものの各要素の階調値が異なっており、CMYK値C14と色味が異なる。このように、他の具体例RGB値R11、R12についても同様に、2つのRGB値をそれぞれ色変換処理したCMYK値の平均値と、両RGB値の平均値を色変換処理したCMYK値とは、異なった色となる。
【0045】
このようなCMYK値の差異は、対象とする2つのRGB値の階調値差が大きい程、顕著に表れる。例えば、図3に戻り、RGB値R1、R2と比べて、階調値差が小さい2つのRGB値R5、R6を例に挙げる。なお、RGB値R5、R6の平均値は、RGB値R3である。
【0046】
図3のように、RGB値R1、R2と同様にして、RGB値R5、R6をそれぞれ色変換したCMYK値C5、C6における平均値C7のK階調値k7と、平均のRGB値R3を色変換したCMYK値C3におけるK階調値k3とは異なった値となる。しかしながら、K階調値k7とK階調値k3との色の相違量d2は、階調値差がより大きいRGB値R1、R2に対応するCMYK値C1、C2の平均値C4におけるK階調値k4と、前記K階調値k3との色の相違量d1と比べて小さい。つまり、2つのRGB値の階調値差が大きい程、平均のRGB値に対応するCMYK値と、RGB値に対応する各CMYK値の平均値との色の相違が大きくなる傾向にある。
【0047】
このように、2つのRGB値の平均値に基づいて色変換したCMYK値は、RGB値をそれぞれ色変換して取得したCMYK値の平均値と色が異なってしまう。このため、RGBの階調値を有する画像データをCMYKの階調値を有する画素数1/nの画像データに変換する場合、隣接n画素を、当該n画素のRGB値の平均値を色変換処理したCMYK値を有する1画素とすると、色変換処理の回数は1/n回に削減され処理速度が向上するが、画像データが劣化してしまう。例えば、黒等の濃い色の細線等を有する画像データについてこのような画像処理を行った場合、当該画像データの印刷画像において前記細線等が消える、または判読し難くなるといった現象が発生する。反面、隣接n画素を、当該n画素の各RGB値をそれぞれ色変換処理したCMYK値の平均値を有する1画素とすると、画質は維持されるものの画素数分の色変換処理が発生し処理が遅くなる。
【0048】
そこで、本実施の形態例における画像処理装置は、画素ブロック毎に、画素ブロック内の所定の注目画素とそれ以外の画素との所定の色空間の階調値の差が閾値を超えるか否かを判定する階調値差判定手段と、色変換テーブルを参照して、画素の所定の色空間の階調値を印刷手段の記録材の色の階調値に変換する色変換処理を行う色変換手段とを有する。そして、色変換手段は、階調値差が閾値を超える場合は、画素ブロック内の画素毎に色変換処理した後、隣接するn画素を、当該n画素の色変換処理後の記録材の色の階調値の平均値を有する1画素とする。一方、階調値差が閾値を超えない場合、色変換手段は、隣接するn画素を、当該n画素を含む画素ブロック内の各画素の所定の色空間の階調値の平均値を色変換処理した記録材の色の階調値を有する1画素とする。
【0049】
続いて、本実施の形態例における画像処理装置の処理をフローチャート図に基づいて説明する。なお、本実施の形態例では、所定の色空間の要素がRGBの各色、印刷手段の記録材の色がCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)であるものとする。ただし、この例に限定されるものではなく、所定の色空間及び記録材の色は他の表色系でもよい。また、印刷手段の記録材の色はライトマゼンタ等、CMYK以外の色を有していてもよい。
【0050】
図5は、本実施の形態例における画像処理装置の処理を説明するフローチャート図である。同図のフローチャートにおいて、画像処理装置は、印刷手段であるプリンター20のトナー(インク)色CMYKのうち、K色以外のCMY各色の画像データについて、画素数1/2の画像データに縦方向に縮小する。これにより、K色のみCMY色の2倍の解像度を有する画像データが生成される。このような画像データは、例えば、K色のノズル密度がCMY色のノズル密度の2倍である印字ヘッドを有するインクジェットプリンター20によって印刷される。
【0051】
アプリケーション(図1の51)上で印刷指示が行われると、プリンタードライバー61は、RGBの階調値を有する画像データに対して次の処理を行う。プリンタードライバー61は、画像データについて、画素ブロック単位に、当該画素ブロック内の注目画素とその他の画素との階調値の差が閾値以上か否かを判定する(S10)。
【0052】
画素ブロックPG1とは、図5の上図(C)のように、複数の画素(この実施例では2つ)を有する画素集合体であり、画像データの各画素はいずれかの画素ブロックPG1に含まれる。また、画素ブロックPG1は固定の注目画素SPを有する。画素P1、P2を有する画素ブロックPG1では、下方の画素P2が注目画素SPであるものとする。具体的に、例えば、プリンタードライバー61は、注目画素SPである画素P2とそれ以外の画素P1とのRGB値の階調値差を求め、RGB各色のうち1つの色でも階調値差が閾値25を超えるか否かを判定する。
【0053】
なお、この例では閾値を25としているが、この例に限定されるものではない。閾値は、印刷処理において必要とする画質及び処理速度に応じて調整され設定されることが望ましい。また、プリンタードライバー61は、例えば、工程S10の判定を、RGB各色の階調値差の合計が閾値を超えるか否かに基づいて判定してもよい。
【0054】
RGB各色のうち1つの色でも階調値差が閾値を超える場合(S10のYES)、プリンタードライバー61は、画素ブロックPG1内の各画素P1、P2についてそれぞれ色変換処理を行う(S11)。そのため、プリンタードライバー61は、図5の左図(A)のように、色変換処理によって、画素P1のRGB値R1に対応するCMYK値C1、画素P2のRGB値R2に対応するCMYK値C2をそれぞれ取得する。続いて、プリンタードライバー61は、K以外の各色CMYについて、縦に隣接する2(n)画素を、当該2画素の各CMY値の平均値を有する1画素とすることによって画像データを1/2画素(1/n画素)に縮小する(S12)。
【0055】
図5の左図(A)において、隣接2画素の画素P1のCMYK値C1を「c1,m1,y1,k1」、画素P2のCMYK値C2を「c2,m2,y2,k2」のように表している。具体的に、プリンタードライバー61は、同図のように、K色を除くCMY色について、隣接2画素P1、P2を、両画素のCMY色の平均値「c4,m4,y4」を有する1画素Pxとする。また、K色は縮小対象ではないため、K色の画素P1、P2は、色変換処理後の各CMYK値におけるK階調値k1、k2をそれぞれ有する。
【0056】
一方、いずれの色も階調値差が閾値を超えない場合(S10のNO)、プリンタードライバー61は、画素ブロックPG1内の各画素P1、P2の有するRGB値R1、R2の平均値R3を演算する(S13)。そして、プリンタードライバー61は、平均のRGB値R3を色変換処理してCMYK値C3を取得する(S14)。続いて、プリンタードライバー61は、K以外の各色CMYについて、画素ブロック内の縦に隣接する2(n)画素を、画素ブロックの平均RGB値R3を色変換処理したCMYK値C3における各色の階調値を有する1画素Pxにすることによって画像データを1/2画素(1/n画素)に縮小する(S15)。
【0057】
具体的に、プリンタードライバー61は、図5の右図(B)のように、K色以外のCMY色について、隣接2画素P1、P2を、画素ブロックの平均RGB値R3を色変換処理したCMYK値C3における各色c3、m3、y3を有する1画素Pxとする。そして、K色は縮小対象ではないため、K色のn画素の各画素P1、P2は、前記CMYK値C3におけるK階調値k3をそれぞれ有する。
【0058】
工程S12または工程S15の後、プリンタードライバー61は、CMYK各色の画像データに対してハーフトーン処理を行い、画素毎に各色のドットの形成有無を表す画像データを生成する(S16)。そして、プリンタードライバー61は、生成した画像データを外部インターフェイス14を介してプリンター20に転送する。プリンター20は、画像データを受信して印刷処理を行う(S17)。本実施の形態例における画像処理装置によって生成された画像データは、CMY各色について1/2(1/n)の解像度に縮小されているため、その画像処理に係る速度が向上する。ただし、K色については解像度が縮小されていないことにより、印刷画像における黒色の文字や細線等の画質が維持される。
【0059】
以上のように、本実施の形態例における画像処理装置は、階調値差の少ない画素ブロックについては、画素ブロック内の各画素の平均RGB値を色変換処理したCMYK値を、画素ブロック共通のCMYK値とする。そして、画像処理装置は、縮小対象の色について、画素ブロック内の隣接するn画素を、当該画素ブロックに共通のCMYK値における当該色を有する1画素とする。
【0060】
というのも、階調値差の少ない画素間では、図3で前述したとおり、各画素の平均RGB値に基づくCMYK値と、各画素のRGB値に対応するそれぞれのCMYK値の平均値との色の差異が小さい。そのため、画像処理装置は、画素ブロック内の画素間の階調値差が少ない場合は、処理速度を優先させ、画素ブロック内の各画素の平均RGB値を色変換処理し画素ブロック共通のCMYK値を取得することにより、色変換処理の回数を画素ブロックにつき1回に抑える。
【0061】
一方、画像処理装置は、階調値差の大きい画素ブロックについては、画素ブロック内の各画素のRGB値についてそれぞれ色変換処理しCMYK値を取得する。そして、画像処理装置は、縮小対象の色について、画素ブロック内の隣接するn画素を、各画素のCMYK値における当該色の平均値を有する1画素とする。
【0062】
というのも、階調値差の大きい画素間では、図3で前述したとおり、各画素の平均RGB値に基づくCMYK値と、各画素のRGB値に対応するそれぞれのCMYK値の平均値との色の差異が大きい。そのため、画像処理装置は、画素ブロック内の画素間の階調値差が大きい場合は、処理速度より画質を優先し、画素ブロック内の画素毎にそれぞれ色変換処理を行う。例えば、階調値差の大きい画素ブロックとは、細線を描画する画素を一部に有する画素ブロックである。
【0063】
このように、本実施の形態例における画像処理装置は、画素ブロックにおける画素間のRGB値の階調値差に応じて、画素ブロック内の各画素のCMYK値の取得方法を切り替える。これにより、画像処理装置は、RGB値の画像データをCMYK値を有する画素数1/nの画像データに変換する画像処理において、処理速度を向上すると共に画質劣化を回避することができる。
【0064】
本実施の形態例における画像処理装置では、記録材の色のうちK(黒)色以外の色(本実施の形態例ではCMY色)について画素データを1/n画素に縮小して解像度を低下させ、黒色の画像データについては縮小せずに解像度を維持する。これにより、印刷画像における黒色の文字や線画の画質を維持しながら、CMYの各色については1/n画素の画像データへの変換処理において画質劣化を回避すると共に処理速度を向上する。ただし、この例に限定されるものではない。
【0065】
画像処理装置は、記録材の色のうち少なくとも1色について、画素ブロック内の画素間の階調値差が閾値を超える場合は、画素毎に所定の色空間の階調値を色変換処理した後、隣接するn画素を、当該n画素の色変換処理後の記録材の色の階調値の平均値を有する1画素とし、その他の色については1/n画素に縮小せず色変換処理後の記録材の色の階調値をn画素それぞれの階調値としてもよい。また、閾値を超えない場合については、画像処理装置は、少なくとも1色について、隣接するn画素を、画素ブロック内の各画素の所定の色空間の階調値の平均値を色変換処理した記録材の色の階調値を有する1画素とし、その他の色については1/n画素に縮小せず色変換処理した記録材の色の階調値をn画素それぞれの階調値としてもよい。
【0066】
これにより、本実施の形態例における画像処理装置は、縮小対象の色について、画像処理に係る処理速度を向上すると共に画質劣化を回避し、縮小対象外の色については、画像データの解像度を維持することによって、印刷画像の画質を維持する。
【0067】
また、本実施の形態例における画像処理装置は、CMYKの全ての色について画像データを1/nに縮小してもよいし、画像データを横方向に1/nに縮小してもよい。また、本実施の形態例における画像処理装置は、画像データを1/3や1/4等の画像データに縮小してもよい。
【0068】
[第2の実施の形態例]
第1の実施例では、画像処理装置は、図5のように2つの画素を有する画素ブロックPG1について、当該画素ブロックPG1内の2画素を1画素に縮小する処理を例示した。それに対し、第2の実施の形態例では、1画素とする画素数(n)を超える画素数を有する画素ブロックについて、当該画素ブロック内のn画素を1画素に縮小する処理について説明する。
【0069】
本実施の形態例におけるプリンタードライバー61は、例えば、8画素を有する画素ブロックPG2について、画素ブロックPG2内の縦方向の各2画素を1画素に縮小する。図5の下図(D)には、8つの画素P1〜P8を有する画素ブロックPG2が例示されている。この例において、注目画素SPは、画素ブロックPG2の画素P2の位置の画素であるものとする。
【0070】
そこで、プリンタードライバー61は、画素ブロックPG2について、注目画素P2と各画素P1、P3〜P8の階調値差をそれぞれ取得する。そして、プリンタードライバー61は、注目画素P2と各画素P1、P3〜P8のいずれかの画素間の階調値差において、RGBのうち1色でも色の階調値差が閾値を超えるか否かを判定する(S10)。ただし、この例に限定されるものではなく、プリンタードライバー61は、画素ブロック内の全ての組合せの画素間の階調値差を判定してもよい。
【0071】
そして、階調値差が閾値を超える場合(S10のYES)、プリンタードライバー61は、画素ブロックPG2内の画素毎にそれぞれ色変換処理を行ってCMYK値を取得し(S11)、CMY色について、画素ブロックPG2内の隣接する2画素(例えば、P1とP2)を、当該2画素の各CMY値の平均値を有する1画素Pxとして縮小する(S12)。そして、K色については、画素P1、P2は、各CMYK値におけるK階調値をそれぞれ有する。従って、この場合、画素ブロックPG2について色変換処理は8回となる。
【0072】
一方、階調値差が閾値を超えない場合(S11のNO)、プリンタードライバー61は、図5の下図(D)のように、画素ブロックPG2における8画素P1〜P8のRGB値R1、R2、R11〜R16の平均値を演算する(S13)。この場合、RGB値R1、R2、R11〜R16の平均値はRGB値R3であるものとする。そして、プリンタードライバー61は、画素ブロックPG2におけるRGB値の平均値R3を色変換処理してCMYK値C3を取得する(S14)。
【0073】
そして、前述した図5の右図(B)と同様、プリンタードライバー61は、K色以外のCMY色について、画素ブロックPG2内の隣接2画素(例えば、P1とP2)を、画素ブロックPG2の平均RGB値R3を色変換したCMYK値C3における各色c3、m3、y3を有する1画素Pxとする(S15)。画素ブロック内の他の画素P3〜P8についても同様である。そして、K色は縮小対象ではないため、K色の画素ブロックPG2の各画素P1〜P8は、CMYK値C3におけるK階調値k3をそれぞれ有する。この場合、画素ブロックPG2について色変換処理は1回となり、画素ブロックに係る色変換処理回数が、縮小後の画素ブロック内の画素数(本実施の形態例では4画素)よりも少なくなる。
【0074】
このように、画素ブロックPG2の画素数(例えば8)が1画素に縮小する画素数nより多い場合、階調値差が閾値を超えないときは(S10のNO)、画素数nの場合に対して色変換処理の回数が(1/n回から例えば1/8回に)抑えられる。具体的に、画素数8の画素ブロックにおける色変換処理の回数は、画素数2の画素ブロックの1/4となり、色変換処理の回数の削減度合いが向上する。即ち、階調値差が閾値を超えない場合については、色変換処理の回数は、画素ブロック内の画素数が多い程減少し、処理速度が向上する。
【0075】
しかし、その一方で、画素ブロック内の画素数が多い程、画素ブロックが注目画素SPとの階調値差が閾値以上(S10のYES)の画素を含む可能性が高くなる。階調値差が閾値以上のときは、画素ブロック内の画素毎に色変換処理が行われるため(S11)、色変換処理の回数はかえって多くなってしまう。即ち、画素ブロック内の画素数が多い程、階調値差が閾値を超えない場合は色変換処理の回数が抑えられるが、同時に、閾値を超えて画素毎に色変換処理が行われる確率が高くなる。従って、画素ブロックの画素数は、印刷頻度の高い画像データの階調値差の傾向性、所望の処理速度及び画質等に応じて調整されることが望ましい。
【符号の説明】
【0076】
10:ホストコンピューター、20:プリンター、30:入出力装置、
11:CPU、12:表示部、13:操作部、14:外部I/F、15:RAM、
51、アプリケーションプログラム、61:プリンタードライバープログラム、62:階調値差判定ユニット、63:色変換ユニット、64:ハーフトーンユニット、65:色変換テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素毎に所定の色空間の階調値を有する第1画像データを、印刷手段の記録材の色の階調値を有し1/n画素に縮小した第2画像データに変換する画像処理装置において、
前記第1画像データにおいて、隣接する複数の画素を有する画素ブロック毎に、当該画素ブロック内の所定の注目画素とそれ以外の画素との階調値の差が閾値を超えるか否かを判定する階調値差判定手段と、
色変換テーブルを参照して、画素の前記所定の色空間の階調値を前記記録材の色の階調値に変換する色変換処理を行う色変換手段とを有し、
前記色変換手段は、前記閾値を超える場合は、前記第1画像データについて前記画素ブロック内の画素毎に前記色変換処理した後、隣接するn画素の前記色変換処理後の前記記録材の色の階調値の平均値を前記第2画像データとする第1処理を行い、
前記閾値を超えない場合は、前記第1画像データについて前記画素ブロック内の各画素の前記所定の色空間の階調値の平均値を前記色変換処理した前記記録材の色の階調値を前記第2画像データとする第2処理を行う画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記色変換手段は、前記閾値を超える場合は、前記記録材の色のうち少なくとも1色については前記第1処理を行い、その他の色については1/n画素に縮小せず前記色変換処理後の前記記録材の色の階調値を前記n画素それぞれの階調値とし、
前記閾値を超えない場合は、前記少なくとも1色については前記第2処理を行い、その他の色については1/n画素に縮小せず前記色変換処理した前記記録材の色の階調値を前記n画素それぞれの階調値とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記記録材は少なくとも黒色を有し、
前記少なくとも1色は、前記黒色以外の色である画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
画素ブロックの有する前記複数の画素の数は前記nより多い画像処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記階調値差判定手段は、前記所定の色空間の要素のうち少なくとも1要素の階調値の差が前記閾値を超えた場合に、前記閾値を超えると判定する画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−195743(P2012−195743A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57855(P2011−57855)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】