説明

画像加熱装置

【課題】抵抗発熱体を熱源とする画像加熱装置において、待機時は全周を均一に加熱し、通紙動作時(プリント時)はニップ部近傍を集中的に加熱する。
【解決手段】加熱回転体の給電部位対として、回動軸方向の一端側と他端側とで周方向位置が一致する通紙動作中の第1給電部位対と、回動軸方向の一端側と他端側とで周方向位置が異なる待機中の第2給電部位対と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に使用される画像加熱装置に関する。画像加熱装置としては、記録材上に形成した未定着画像を固着画像として加熱定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大装置等を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、未定着トナー像を加熱定着する定着装置の加熱方法には、種々の方式が提案されている。その中の1つに、定着部材の中間層発熱型の定着装置が考案されている。
【0003】
特許文献1で提案されている定着装置では、定着ローラは、基材の上に抵抗発熱層があり、その上に弾性層、離型層が積層された構成となっている。定着ローラの表面に近い部分を加熱することができるので、定着ローラの最内面から加熱するハロゲンヒーター方式に比べ熱応答性や熱効率に優れている。
【0004】
かかる定着装置の更なる熱効率の向上を目的として、特許文献2ではニップ部近傍のみが発熱する定着装置が提案されている。この定着装置では、定着ローラ内の抵抗発熱体が、周方向に分割して複数設けられ、発熱体への給電は加圧ローラとの接触面にいたる数本の発熱体のみに行う構成となっている。ニップ部近傍のみが発熱するため、雰囲気への放熱が少なく、定着ローラから記録材への伝熱効率が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−328594号公報
【特許文献2】特開平07−028349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
定着画像が均一な光沢を得るためには、定着部材は周方向に対して均一な温度分布である方が好ましい。定着部材の全周を均一に加熱するタイプの定着装置では、立上時に回転する必要がないため、空気の対流による放熱が少ないことと、加圧ローラに熱を奪われないというメリットがあり、素早い立上が可能である。これに対し、ニップ部を局所加熱するタイプの定着装置では、立上時に定着部材の全周を均一に加熱するために定着部材の回転が必須である。この場合、空気中への放熱が増大するだけでなく、加圧ローラからの従動により回転をする定着器の場合、加圧ローラに熱が奪われ立上時間が著しく遅くなる。
【0007】
また、通紙時においては、全周を均一に加熱するより、ニップ部近傍を集中的に加熱する方が熱の効率が良い。これは、非ニップ部での空気中への放熱量が少なくなるというメリットと、ニップ部での発熱量が大きいと、同じ定着部材の表面温度でも、定着ニップ部通過時にトナーが受け取る熱量が大きくなり定着性が向上するというメリットがあることによる。
【0008】
これらを顧みると、定着装置の効率の良い発熱分布は、待機時は全周を均一に加熱し、通紙動作時(プリント時)はニップ部近傍を集中的に加熱するのがよい。
【0009】
しかしながら、上述の従来技術では、待機時、通紙動作時の両者において効率の良い発熱分布をとることができないという課題があった。
【0010】
本発明の目的は、待機時、通紙動作時の両者において効率の良い発熱分布をとることができる画像加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係わる画像加熱装置の代表的な構成は、通電により発熱する抵抗発熱層を周に沿って有する加熱回転体と、前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して画像を加熱する画像加熱装置であって、前記加熱回転体の一端部側と他端部側とにおいて周面に沿ってリング状に形成されていて、それぞれ、前記抵抗発熱層の一端部側と他端部側とにおいて電気的に導通している電極層と、前記一端部側の電極層と前記他端部側の電極層とに当接していて電源装置から電圧が印加されて前記抵抗発熱層を発熱させるための給電部材の対であって、前記抵抗発熱層を前記ニップ部に対応する部分において局部的に発熱させるための第1の給電部材の対と、前記抵抗発熱層を全体的に発熱させるための、前記第1の給電部材の対とは異なる第2の給電部材の対と、を有し、画像加熱装置の通紙動作中は前記第1の給電部材の対に電圧を印加し、待機中は第2の給電部材の対に電圧を印加する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加熱体の周方向の発熱分布を、通紙動作時はニップ部近傍が高発熱状態となるように、また待機時は全周をほぼ均一な発熱状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態における給電位置切り換え機構の概略図である。
【図2】本発明の画像加熱装置を搭載した画像形成装置の一例の構成図である。
【図3】第1の実施形態における定着装置の構成模型図である。
【図4】第1の実施形態における定着装置側方部の構成模型図である。
【図5】第1の実施形態における定着ベルトの層構造図である。
【図6】第1の実施形態における定着ベルト発熱分布の模式図である。
【図7】第1の実施形態におけるプリント制御のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態に関し、(A)は待機中の第1モードにおける発熱分布の模式図、(B)は待機中の第2モードにおける発熱分布の模式図である。
【図9】第3の実施形態に関し、(A)は長手方向の断面図、(B)は長手方向から見た給電部材の配置図である。
【図10】画像形成装置に係わる待機工程を含む全工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一又は対応する部分には同一の符号を付す。
【0015】
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2に示す装置内には第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが併設され、各々異なった色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ専用の像担持体、本実施形態では電子写真感光体ドラム3a、3b、3c、3dを具備し、ドラム3a、3b、3c、3d上に各色のトナー像が形成される。各ドラム3a、3b、3c、3dに隣接してローラ13、14、15で張架された中間転写体130が設置される。ドラム3a、3b、3c、3d上に形成された各色のトナー像が、重ね合わされて中間転写体130上に1次転写され、2次転写部で記録材P上に一括転写される。さらに各トナー像が一括転写された記録材Pは、定着装置9で加熱及び加圧によりトナー像を定着された後、記録画像として装置外に排出される。
【0016】
ドラム3a、3b、3c、3dの外周には、夫々ドラム帯電器2a、2b、2c、2d、現像器1a、1b、1c、1d、1次転写帯電器24a、24b、24c、24d及びクリーナ4a、4b、4c、4dが設けられる。そして、装置の上方部には不図示の光源装置およびポリゴンミラーが設置されている。光源装置からのレーザー光をポリゴンミラーを回転して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズによりドラム3a、3b、3c、3dの母線上に集光して露光する。このようにして、ドラム3a、3b、3c、3d上に画像信号に応じた潜像が形成される。
【0017】
現像器1a、1b、1c、1dには、現像剤としてそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナーが、図示しない供給装置により所定量充填されている。現像器1a、1b、1c、1dは、夫々ドラム3a、3b、3c、3d上の潜像を現像して、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像として可視化する。
【0018】
中間転写体130は矢印方向にドラム3と同じ周速度をもって回転駆動されている。ドラム3a上に形成担持された第1色のイエロートナー画像は、ドラム3と中間転写体130とのニップ部を通過する過程で、中間転写体130に印加される1次転写バイアスによる電界と圧力により、中間転写体130の外周面に中間転写されていく。以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体130上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0019】
11は2次転写ローラで、中間転写体130に対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してある。2次転写ローラ11には、2次転写バイアス源によって所望の2次転写バイアスが印加されている。中間転写体130上に重畳転写された合成カラートナー画像は記録材Pへ以下のように転写される。即ち、給紙カセット10からレジストローラ12、転写前ガイドを通過して中間転写体130と2次転写ローラ11との当接ニップに所定のタイミングで記録材Pが給送され、同時に2次転写バイアスがバイアス電源から印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体130から記録材Pへ合成カラートナー画像が転写される。合成カラートナー画像は、記録材Pの4辺端部より一定の余白部を残して形成される。本実施形態では、先端余白部は2〜3mm程度である。
【0020】
一次転写が終了したドラム3a、3b、3c、3dは、夫々のクリーナ4a、4b、4c、4dにより転写残トナーをクリーニング、除去され、引き続き次の潜像の形成に備えられる。転写ベルト130上に残留したトナー及びその他の異物は、転写ベルト130の表面にクリーニングウエブ(不織布)19を当接して、拭い取るようにされている。
【0021】
トナー画像の転写を受けた記録材Pは定着装置9へ順次導入され、転写材に熱と圧力を加えることで定着される。
【0022】
両面印刷の場合は、給紙カセット10から給紙された記録材Pはレジストローラ12、転写前ガイド、中間転写体130と2次転写ローラ11との当接ニップを通過し定着装置9で片面定着された後、フラッパー110により反転パス111に導かれる。その後記録材Pは反転ローラ112により反転されて両面パス113へと導かれる。そして再び記録材Pはレジストローラ12、転写前ガイド、中間転写体130と2次転写ローラ11との当接ニップを通過し、2面目が転写され定着装置9で両面が定着される。そして、記録材が両面画像形成中にフラッパー110が切り替わっており、両面定着された記録材Pは記録画像として装置外に排出される。
【0023】
(定着装置)
以下の説明において、定着装置9またはこれを構成している部材の長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。また短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。また定着装置9に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。図3は定着装置9の構成模型図、図4は定着装置9の側方部構成模型図である。
【0024】
図3で、120は抵抗発熱体を備えた加熱回転体としての円筒状の定着ベルト(エンドレスベルト)である。122は定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧回転体としての加圧ローラである。図4で、140は定着ベルト120の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材としての左右の定着フランジである。117は定着ベルト120内部に配置された支持ステーであり、ベルト加圧部材116を支持する。ベルト加圧部材116の外側に定着ベルト120をルーズに被せ、ベルト加圧部材116内側に支持ステー117を挿入する。その支持ステー117の左右の外方延長腕部117aにそれぞれ左右の定着フランジ140を嵌着する。
【0025】
そして、定着ベルト120は不図示の加圧手段により左右の定着フランジ140、支持ステー117、ベルト加圧部材116を介して加圧ローラ122の上面に対して所定の押圧力で加圧され、所定幅の定着ニップNが形成される。本実施形態に於ける加圧力は一端側が156.8N、総加圧力が313.6N(32kgf)である。
【0026】
支持ステー117は高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施形態においてはSUS304を用いている。また、ベルト加圧部材116は省エネルギーの観点から支持ステー117への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーカーボネート等の耐熱性樹脂が用いられる。
【0027】
加圧ローラ122は、ステンレス製の芯金上に、厚み約3mmのシリコンゴム層、さらに厚み約40μmのPFA樹脂チューブが順に積層された多層構造とされている。この加圧ローラ122の芯金の両端部が装置フレーム121の不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。
【0028】
118は温度検知手段としてのサーミスタである。サーミスタ118は支持ステー117の上方において、定着ベルト120の内面に弾性的に接触するように設置され、定着ベルト120の内面の温度を検知する機能を担っている。当接する位置はニップの入口の直前である。具体的には、支持ステー117に固定支持させたステンレス製のアームの先端にサーミスタ118が取り付けられている。そして、アームが弾性揺動することにより、定着ベルト120の内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタが定着ベルト120の内面に常に接する状態に保たれる。
【0029】
サーミスタ118はA/Dコンバータ124を介して制御手段としてのCPU125に接続される。CPU125の制御回路部はサーミスタ118からの出力を所定の周期でサンプリングしており、得られた温度情報を発熱体への通電制御に反映させる。即ち、制御回路部はサーミスタ118の出力を基に、発熱体への通電制御内容を決定し、電源装置126から図5に示す固定された給電部材136、回動する電極135を介して定着ベルト120の抵抗発熱層132へ供給する通電を制御する。尚、本実施形態の定着装置での上記制御は、記録材にトナー像を定着するための温度を鑑みて、サーミスタ118の検知温度が180℃で一定となるように制御する。
【0030】
図3で加圧ローラ122は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。これと圧接された関係にある定着ベルト120は加圧ローラ122によって従動し所定の速度で回転する。
【0031】
定着ベルト120内面にはグリースが塗布され、定着ベルト120内面とベルト加圧部材116との摩擦力を低減することで、定着ベルト120の内面の磨耗を低減する。
【0032】
加圧ローラ122が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト120が従動回転後に、定着ベルト120の抵抗発熱層132に通電が行われる。そして、定着ベルト120の温度が設定温度に立ち上がり温調されると、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材Pが入口ガイド123に沿って案内されて導入される。
【0033】
定着ニップ部Nにおいて、記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト120の外面に密着し、記録材が定着ベルト120と共に移動する。記録材が定着ニップ部Nでの挟持搬送過程において、発熱体からの熱が記録材Pに付与され、未定着トナー像Tが記録材P上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト120から曲率分離され、定着排紙ローラ127で排出される。
【0034】
(定着ベルトの層構成)
次に、定着ベルト120の構成に関して詳細に説明する。本実施形態における定着ベルト120は、図5の層構成模式図で示すように、内面側から外面側へ順に、それぞれリング状の基層131、抵抗発熱層132、弾性層133、表面離型層134の4層複合構造の可撓性フィルムである。また、両端部には基層131上に電気的に導通する電極層135が設けられ、抵抗発熱層132と電気的に接続されている。この電極層135の上には弾性層、離型層は設けられておらず、電極層が露出している。
【0035】
基層131は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。耐熱材料の例として、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PTFE、PFA、FEP等の樹脂ベルト、更にはSUS、ニッケルなどの金属ベルトを使用できる。本実施形態では、厚さが30μm、直径が25mmのポリイミドベルトを用いた。尚、基層131として導電性を有する材料を用いる場合は、基層131と発熱層132との間にポリイミドなどの絶縁層を設ける必要がある。
【0036】
弾性層133は、ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300μmのシリコーンゴムを用いた。
【0037】
表面離型層134は厚さ20μmのPFAチューブを用いた。表面離型層としてはPFAコートを用いても良く、必要な厚さ、機械的及び電気的強度に応じてPFAチューブとPFAコートを使い分けることが出来る。表面離型層134はシリコーン樹脂から成る接着剤により弾性層133と接着されている。
【0038】
抵抗発熱層132は、銀・パラジウム合金を含んだ導電体を均一に基層131上に塗布した抵抗発熱体である。加熱体である発熱体の総抵抗値は10.0Ωである。従って、100V電源を通電する際に発生する電力は1000Wである。尚、この抵抗値は定着装置として必要な発熱量によって適宜決定すればよい。
【0039】
また、抵抗発熱層132への通電を行うための電極層135は導電材料を30μm程度の厚さで均一に基層31上に塗布した抵抗体であり、総抵抗値は0.5Ω程度と、抵抗発熱層132の5%程度である。即ち、抵抗発熱層132に対する電極層135における発熱量は5%程度であり、定着ベルトの記録材が通過しない領域での過度な温度上昇は発生せず、定着ベルト120が破損することは無い。給電部材136が電極層135に当接するが、給電部材136と電極層135との当接位置の詳細については後述する。
【0040】
長手方向において、基層131の長さは327mmに対し、抵抗発熱層132および弾性層133および表面離型層134の長さは315mmであり、記録材の最大長手幅297mmより18mm長い。基層131の両端には、発熱層、弾性層、離型層のない部分に電極層135があり、その長さは両端においてそれぞれ6mmである。また、加圧ローラ122の弾性体部分は312mmであり、定着ベルト120の発熱領域より短い。従って、定着ベルト120と加圧ローラ122が圧接されている状態において、両端の電極135は加圧ローラ122と接触していない。
【0041】
前述したように定着ベルト120は定着フランジ140の受け面140aと内面側で接触するため、駆動中における定着ベルト120の軌道は常に一定となる。特に、本実施形態では定着ベルトと接触する受け面140aと、ベルト加圧部材116の定着ベルトと接触する部分と、の長さの和が、定着ベルト120の内径よりも2%程度小さくなるように、定着フランジの受け面140aの周長を設定している。そのため、定着装置の駆動時において定着ベルト120に弛みや波打ちが発生することは無く、定着フランジの受け面140aに沿って搬送され、軌道は一定する。
【0042】
(電極層と給電部材)
不図示の導電性板ばねが給電部材136(導電性でカーボン製)を押圧しているので、定着装置の駆動中においてもスポット状で固定された給電部材136とリング状で回動する電極層135は、電気的な接続が保たれる。給電部材136は電源装置126と電気的に接続されており、両端の電極層に当接している給電部材間に、電源装置126から供給される電力を供給可能となっている。また、電源装置126はCPU125の制御により、両端の電極層135に当接する給電部材136間に0または100Vの電圧を任意にON/OFF切り換えることが可能となっている。
【0043】
給電部材136は両端の電極層135に対し全周にわたって当接しているのではなく、一部分に対して当接している。そのため、電極層135は周方向に対して電位が一様ではなく、給電部材が当接している部分で一番電位が高く、当接部分から離れるについて電位が下がり、真裏で最低となり、発熱分布は周方向に対して一様ではなくなる。
【0044】
図6は発熱分布を示し、両端の給電部材136を定着ニップの周方向における中間位置(0度−0度)に当接させた場合が含まれる。また、一端の給電部材を定着ニップの中間位置、もう一端の給電部材を定着ニップの中間位置の真裏(0度−180度)に当接させた場合が含まれる。それぞれ、給電部材間に100Vの電圧を印加した場合の発熱分布である。図6で横軸におけるある周位置X度について、縦軸の値に関しては長手方向の各位置における発熱量の平均を採っている。
【0045】
両端とも定着ニップの中間位置に当接させた場合(0度−0度)、ニップ部で一番発熱量が大きく、その真裏で一番発熱量が小さくなっている。それに対し、給電部材136の位置を一端がニップ部中間、もう一端を周方向に180度変位した反対側の位置(0度―180度)とした場合、周方向の温度分布はほぼ一様となっている。
【0046】
以降、局部的に発熱させるための第1の給電部材の対として0度−0度で発熱させた場合をニップ部高発熱モード、全体的に発熱させるための第2の給電部材の対として0度−180度で発熱させた場合を全周均一発熱モード、と呼ぶことにする。
【0047】
(通電切り換え機構)
以下、本発明の特徴である給電部材の切り換えについて述べる。図1は、給電切り換え機構の概略図である。本実施形態では、給電部材136は定着ベルト120の両端の電極層135に合計3つ当接されており、手前側は対向する加圧ローラ122とで形成されるニップ部の周方向における中間に一つ(A)が設けられる。また奥側は
ニップ部中間に1つ(B)と、これに対して周方向に180度変位した反対側の位置に1つ(C)が当接されている。局部的に発熱させるための第1の給電部材の対として(A)と(B)が選択され、全体的に発熱させるための第2の給電部材の対として(A)と(C)が選択されるが、予め結線された状況下でCPUにより選択された給電部材の対のみに通電がされる。
【0048】
サーミスタ118から入力された温度データはA/Dコンバータによりデジタル信号としてCPU125に入力され、その温度により電源装置126に対し給電部材間に100Vの電圧の印加のON/OFFの命令を出す。
【0049】
(定着ベルトと加圧ローラの離間・当接を含むフローチャート)
図7は、本発明を実行した場合のフローチャートである。このフローチャートに従い、プリント動作を行った結果を示す。定着装置9のプロセススピードを210mm/sec、温調温度を180℃とし、105g/m2紙を50ppmで50枚通紙した。
【0050】
はじめに、プリント開始の命令が来ると、全体的に発熱させるための給電部材の対として図1に示す給電部材Aと給電部材C間に電源装置126から100Vの電圧が印加される。定着ベルト120は回動せず静止したまま全周均一加熱モードにて温調温度180℃まで加熱される。このとき、即ち待機中は、加熱回転体である定着ベルト120は加圧回転体である加圧ローラ122と非接触状態となる。これは、定着ベルト120と加圧ローラ122が非接触の方が、定着ベルト120の熱が加圧ローラ122に奪われず、早く立ち上がるためである。180℃に到達後、ニップ高加熱モードに切り替わり、定着ベルト120は加圧ローラ122と当接し加圧回動される。温調は変わらず180℃である。このとき、局部的に発熱させるための給電部材の対として給電部材Aと給電部材Bの間に電源装置126から100Vの電圧が印加される。その後、通紙動作が始まり、最後の記録材がニップを通過した後、温調制御が切られ、加圧が解かれ、静止する。
【0051】
(定着ベルト表面温度とトナー温度)
通紙動作中の「定着ベルト表面温度」を、非接触の温度計を用いて測定を行った。測定した場所は、定着ベルト120の長手方向が中央で、周方向がニップ部の出口直後の位置である。この実験において、定着ベルト温度の最下点は170℃を示した。
【0052】
なお、本発明を実行せずに、全周加熱モードのみの時も、定着ベルト温度の最下点は170℃で変わりなかった。ただし、同じ170℃ではあるが、全周均一加熱モードと、ニップ部高加熱モードではトナー定着性は異なる。これは、両発熱モードにおいてニップ部での発熱量が違うため、記録材のニップ通過中に抵抗発熱層132からトナーに供給される熱量が全周均一加熱モードとニップ部高加熱モードで異なるからである。実際に、同じ定着ベルト170℃の条件で未定着トナーを乗せた記録材を定着装置に通紙し、ニップ出口直後の「トナー温度」を測ると、全周均一加熱モードでは110℃に対し、ニップ高加熱モードでは117℃であった。
【0053】
(定着性評価)
以上を顧みて、全周均一加熱モードおよびニップ部高加熱モードの両者において、定着ベルト表面の出口温度を150℃〜180℃まで5℃刻みで変え、それぞれの温度での定着性を測定した。なお、定着性の評価にはテープ剥離法を用いた。テープ剥離前の反射濃度に対し、剥離後の反射濃度が80%以下の場合に定着性可(○印)、それ以外を定着性不可(×印)とした。次の表に定着性の結果一覧を示す。
【0054】
【表1】

【0055】
全周均一加熱モードでは定着可能温度が170℃に対し、ニップ高加熱モードでは160℃で同等の定着性が得られた。したがって、ニップ高加熱モードでは同等の定着性を得るために定着ベルトの温度を10℃低くすることができ、通紙動作中の電力を下げることができた。即ち、定着ベルト温度最下点での同等の定着性を得るために必要な通紙中平均電力は、全周均一加熱の場合で1000W、ニップ高加熱の場合で900Wだった。
【0056】
立上時間にも2つの加熱モードにおいて差が生じる。全周均一加熱モードでの立上の場合、定着ベルトを回転させる必要がないので、定着ベルトと加圧ローラは加圧する必要がなく、定着ベルトと加圧ローラが非接触の状態で立ち上げることができる。このとき、定着ベルトのサーミスタ温度が温調温度180℃に達する時間は5秒であった。一方、ニップ部高加熱モードで立ち上げる場合、静止のまま加熱すると周方向に温度ムラが生じるため、回転させながら立ち上げる必要がある。定着ベルトは加圧ローラにより従動回転する構成になっているので、定着ベルトと加圧ローラは加圧されている必要がある。したがって、定着ベルトから加圧ローラへの伝熱の影響により、全周均一加熱で静止の場合に比べて、ニップ部高加熱で回転の場合は立上時間が長くなる。実際に測定したところ、サーミスタが温調温度180℃に達するのに必要な時間は10秒であった。
【0057】
以上の考察から、本発明を実施しないで、全周均一加熱モードまたはニップ部高加熱モードのどちらか一方しか選択できない場合、次のようなデメリットが生じる。すなわち、全周均一加熱モードのみの場合、通紙動作中の電力はニップ高加熱モードに比べて大きくなってしまうというデメリットが生じる。また、ニップ部高加熱モードのみの場合、立上時間は全周均一加熱モードに比べて2倍かかってしまうというデメリットが生じる。従って、本発明を実施し、待機時と通紙時で周方向の発熱分布を切り換えることで、立上時間は短く、かつ通紙時の電力を下げられるという効果が得られる。これらの関係を次の表にまとめた。
【0058】
【表2】

【0059】
ここで、待機中に定着ベルト120が加圧ローラ122と非接触状態で、全周均一加熱モードとして給電部材Aと給電部材C間に電圧印加することを述べたが、待機中に定着ベルト120が加圧ローラ122と接触状態で全周均一加熱しても良い。即ち、一般に待機中は駆動系が停止され加圧ローラ122も停止されることとなるが、給電部材Aと給電部材C間に電圧印加することで全体均一加熱により立上時間の短縮化が期待できる。
【0060】
(全工程における待機工程の位置付け)
図10に示されるように、画像形成装置に係わる待機工程を含む全工程は以下の通りとなる。
【0061】
A.前多回転工程
プリンターの始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。プリンターのメイン電源スイッチSW−オンにより、プリンターのメインモータ(不図示)を駆動させて感光体ドラム11(図2)を回転させ、また所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。ドラム11はメインモータのONと同時的に回転を開始し、メインモータのOFFと同時的に回転を停止する。メインモータは、ドラム11、給紙機構部、記録材搬送機構部、現像装置15、定着装置40などの駆動系を駆動する。
【0062】
B.前回転工程
プリントスタート信号Sが入力したときにプリント前動作を実行させる期間であり、諸プロセス機器の画像形成準備動作が行われる。主として、ドラム11の予備帯電、レーザー走査部13の立上げ、転写バイアスの決定、定着装置40の温度調整などが行われる。
【0063】
この前回転工程は前多回転工程中にプリントスタート信号Sが入力したときには前多回転工程に引き続いて実行される。プリントスタート信号の入力がないときには、前多回転工程の終了後にメインモータの駆動が一旦停止されてドラム11の回転が停止され、プリンターはプリントスタート信号Sが入力されるまで待機(スタンバイ)の状態に入る。プリントスタート信号Sが入力すると、前回転工程が実行される。
【0064】
C.画像形成工程
所定の前回転工程が終了すると、引き続いて画像形成工程(プリントジョブ)が開始される。画像形成工程では、所定タイミングで記録材Pの給紙、帯電器12によるドラム表面の一様な帯電、ドラム11上に静電潜像を形成する為の画像露光、トナー現像等が行われる。すなわち、ドラム11に対する画像形成プロセスが実行され、ドラム11面に形成されたトナー画像の記録材への転写、定着手段によるトナー画像の定着処理がなされて画像形成物がプリントアウトされる。
【0065】
連続プリントモードの場合は、上記のプリント動作が所定の設定プリント枚数分繰り返して実行される。
【0066】
D.紙間工程
連続プリントモードにおいて、先行プリントの記録材の後端部が転写ニップ部を通過した後、次のプリントの記録材の先端部が転写ニップ部に到達するまでの間の、転写ニップ部における記録材の非通紙状態期間である。
【0067】
E.後回転工程
最後のプリントが終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を継続させてドラム11を回転させ、所定の後動作を実行させる期間である。後回転工程では、転写ローラのクリーニング等の工程が行われている。
【0068】
F.待機工程
所定の後回転工程が終了すると、メインモータの駆動が停止されてドラム11の回転が停止され、プリンターは次のプリントスタート信号Sが入力するまで待機の状態に入る。
【0069】
1枚だけのプリントの場合は、そのプリントの終了後、プリンターは後回転工程を経て待機の状態になる。その後、プリントスタート信号Sが入力すると、プリンターは前回転工程に移行する。
【0070】
《第2の実施形態》
図8は本実施形態における定着ベルトと給電部材の位置関係を示した模式図である。定着ベルトを切り開いた図を示しており、中央部は発熱層132を示しており、その両端は電極層135を示している。給電部材136は、両端の電極に2つずつ当接されており、周方向の位置は両端とも、0度と180度の位置に設けられている。
【0071】
第1の実施形態では、待機中と通紙中で電圧を印加する電極部材対を変えたが、本実施形態では待機中の間にも電圧を印加する電極部材対が周期的に変わる。これは、長手方向の発熱分布をなるべく均一にすることを目的としている。第1モードとして、一端が0度、もう一端が180度の位置の給電部材対に対し電圧を印加している場合、図8(A)のように、電圧を印加している給電部材間の発熱量が一番発熱量が高くなるような発熱分布が得られる。これは、給電部材の当接部間が一番電圧が高く、電流密度が高くなるためである。本実施形態では、電圧を印加している給電部材間の対角線上における発熱量は、最低発熱量の領域(図で○印をつけた)に比べて104%の発熱量であった。
これに対し、0.1秒間隔で電圧100Vを印加する給電部材の対を第1モードとしてA−C、第2モードとしてB―Dという具合に周期的に切り換えた場合、最大発熱領域は図8(A)と図8(B)の破線部を交互に繰り返す。このとき、最大発熱量は最低発熱量の102%となった。すなわち、定着ベルト内の温度むらを小さくすることができた。なお、本実施形態を用いず、最大と最小の発熱量比が104%の場合で温調温度180℃において、ベルトの温度のばらつきは、最大と最小の差が2℃であった。これが、本実施形態を用いることにより、最大と最小の発熱量比が102%になり、温調温度180℃における定着ベルト温度の最大と最小の差が1℃になった。これにより、べた画像の定着画像における光沢のむらを、軽減することができ画質の向上に繋がった。
【0072】
《第3の実施形態》
図9(A)は本実施形態の長手方向の断面図、(B)は長手方向から見た給電部材の配置を示す図である。前述した実施形態と同一符号は同一部材を示す。前述した実施形態では、一端部側の電極層と他端部側の電極層は、それぞれ画像加熱装置の通紙動作中と待機中で同一の電極層が兼用されていたが、本実施形態では別々の電極層が用いられる。即ち、通紙動作中に用いられる電極層として、外部に露出する外部電極層50、51が基層131b、131cの外側に設けられる。外部電極層50、51は
加熱回転体の一端部側と他端部側とにおいて周面に沿ってリング状に形成され、それぞれ、抵抗発熱層132の一端部側と他端部側とで電気的に導通している。また、待機中に用いられる電極層として、外部に露出しない内部電極層52、53が抵抗発熱層132の内側に設けられる。内部電極層52、53は加熱回転体の一端部側と他端部側とにおいて周面に沿ってリング状に形成され、それぞれ、抵抗発熱層132の一端部側と他端部側とで電気的に導通している。
【0073】
ここで、内部電極層52、53は長手方向において、基層131aと基層131bの間、基層131aと基層131cの間に設けられている。基層131a、131b、131cは前述の実施形態の基層131と同一材料で構成される。本実施形態においても抵抗発熱層132の外側に弾性層133、更に外側に表面離型層134が設けられる。
【0074】
本実施形態では、通紙動作中に用いられニップ部を局所的に加熱するための給電部材の対として給電部材A1、A2が設けられ、通紙動作中は給電部材A1、A2の対に電圧が印加される。また、待機中に用いられ加熱回転体を全体加熱するための給電部材の対として給電部材B1、B2が設けられ、待機中は給電部材B1、B2の対に電圧が印加される。
【0075】
本実施形態では、通紙動作中に用いられ外部電極層50、51と当接する給電部材A1、A2が故障した場合、内部電極層50、51と当接する給電部材B1、B2をA1´,A2´の位置へ変位させて使用することができる。
【0076】
なお、第2の実施形態に関連し、本実施形態の構成で給電部材B1、B2の周方向に180度変位した位置に更なる給電部材の対E1、E2を設け、B1とE2を用いる第1モードと、B2とE1を用いる第2モードを待機中に周期的に行っても良い。
【0077】
(変形例)
以上、抵抗発熱層132の外側に弾性層133、更にはその外側の表面離型層134を設けることを述べたが、弾性層133、表面離型層134の一方あるいは双方を設けずに構成することもできる。また、抵抗発熱層132について可撓性のフィルムを用いることを述べたが、本発明はこれに限らず、剛体の抵抗発熱体で構成しても良い。
【符号の説明】
【0078】
118・・サーミスタ、120・・定着ベルト、122・・加圧ローラ、123・・入口ガイド、124・・A/Dコンバータ、125・・CPU、126・・電源装置、
135・・電極層、A、B、C・・給電部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱する抵抗発熱層を周に沿って有する加熱回転体と、前記加熱回転体とニップ部を形成する加圧回転体と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して画像を加熱する画像加熱装置であって、
前記加熱回転体の一端部側と他端部側とにおいて周面に沿ってリング状に形成されていて、それぞれ、前記抵抗発熱層の一端部側と他端部側とにおいて電気的に導通している電極層と、
前記一端部側の電極層と前記他端部側の電極層とに当接していて電源装置から電圧が印加されて前記抵抗発熱層を発熱させるための給電部材の対であって、前記抵抗発熱層を前記ニップ部に対応する部分において局部的に発熱させるための第1の給電部材の対と、前記抵抗発熱層を全体的に発熱させるための、前記第1の給電部材の対とは異なる第2の給電部材の対と、
を有し、画像加熱装置の通紙動作中は前記第1の給電部材の対に電圧を印加し、待機中は第2の給電部材の対に電圧を印加することを特徴とする画像加熱装置。
【請求項2】
前記加熱回転体は前記待機中に前記加圧回転体と非接触状態となることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項3】
前記一端部側の電極層と前記他端部側の電極層は、それぞれ画像加熱装置の通紙動作中と待機中で同一の電極層が兼用されることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項4】
前記一端部側の電極層と前記他端部側の電極層は、それぞれ画像加熱装置の通紙動作中と待機中で別々の電極層が用いられることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項5】
前記第1の給電部材の対及び前記第2の給電部材の対の内、前記一端部側の電極層に対して当接する給電部材は同一の給電部材として兼用されるものであって前記加熱回転体の周方向において前記ニップ部の位置に対応する位置に設けられる一方、前記他端部側の電極層に対して当接する給電部材については前記第1の給電部材の対に関し前記加熱回転体の周方向において前記ニップ部の位置に対応する位置に設けられ、前記第2の給電部材の対に関し前記ニップ部の位置に対応する位置から周方向に180度変位した反対側の位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の画像加熱装置。
【請求項6】
前記加熱回転体の一端部側及び他端部側とにおいて、それぞれ、前記加熱回転体の周方向において前記ニップ部の位置に対応する位置及び前記ニップ部の位置に対応する位置から周方向に180度変位した反対側の位置に前記給電部材が設けられ、前記第2の給電部材の対として前記一端部側で前記ニップ部の位置に対応する位置および前記他端部側で前記ニップ部の位置に対応する位置から周方向に180度変位した反対側の位置のものを用いる第1モードと、前記一端部側で前記ニップ部の位置に対応する位置から周方向に180度変位した反対側の位置および前記他端部側で前記ニップ部の位置に対応する位置のものを用いる第2モードを備え、画像加熱装置の待機中に前記第1モードと前記第2モードを周期的に用いることを特徴とする請求項3に記載の画像加熱装置。
【請求項7】
前記抵抗発熱層の外側に設けられる弾性層と、前記弾性層の外側に設けられる表面離型層を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像加熱装置。
【請求項8】
前記電極層は外部に露出する外部電極層である請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像加熱装置。
【請求項9】
前記電極層は外部に露出しない内部電極層である請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−18312(P2012−18312A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155831(P2010−155831)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】