説明

画像形成システム、画像形成装置、印刷制御装置、及び、その画像形成システム自己診断方法

【課題】画像形成システムを運用するネットワーク接続のままの状態で、接続構成等を変更することなく、試験用の装置を設置することなく、ユーザによるテストパケット送信作業もなく、画像形成システムのサービス提供状況を診断すること。
【解決手段】印刷制御装置303では、提供するサービスの設定状態を含む印刷制御装置の設定状態を記録した設定リストの画像データを生成して画像形成装置308で出力させる。画像形成装置308では、印刷された設定リストを読み取り、該読み取った画像データから印刷制御装置303の設定状態を認識し、該印刷制御装置の設定状態に基づき、グローバルネットワーク301を介して印刷制御装置303に対して前記サービスの診断パケットを送信し、該診断パケットに対する前記印刷制御装置からの応答パケットの受信を監視し、該応答パケットの受信監視結果に基づき、印刷制御装置303の状態を診断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムが提供するサービスが正常に機能していることを診断するための制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自己診断方法には、内部ネットワーク内で診断対象の装置を検査端末で挟むようにネットワークを構成すると共に、管理装置から、管理用ネットワークを介して管理端末と通信して診断対象の装置を検査するものがある(特許文献1)。
【0003】
また、従来の自己診断方法には、ファイヤーウォール装置の通信許可状態を調査するために、試験用通信装置の指示に従い、通信装置からパケットを送信して、ファイヤーウォール装置のパケット導通試験を行うようにしたものがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−320644号公報
【特許文献2】特開2003−198624号公報
【特許文献3】特開2002−44299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の従来例は、診断対象の装置を検査用の内部ネットワークに接続して診断を行うため、実際に装置を運用する環境で検査することができない。また、診断の実施には、診断を管理するための管理端末や、管理データを送受信するための管理用ネットワークが必要である。
【0006】
特許文献2記載の従来例は、ファイヤーウォールの内側の内部ネットワークから、ファイヤーウォールの外側の外部ネットワークに向けて送信されるパケットの導通試験を行うためのものである。従って外部ネットワークから受信したパケットに対する診断は行うことができない。更に導通試験のためには、試験用通信装置及び、パケット送信用の通信装置を別途準備する必要がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、画像形成システムを運用するネットワーク接続のままの状態で、接続構成等の変更なく、試験用の装置の設置なく、ユーザによるテストパケット送信作業もなく、画像形成システムのサービス提供状況を診断する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成装置とを有する画像形成システムであって、前記印刷制御装置は、前記サービスの設定状態を含む印刷制御装置の設定状態を記録した設定リストを前記画像形成装置で印刷するための画像データを生成して前記画像形成装置に出力する設定リスト印刷制御手段を有し、前記画像形成装置は、前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、原稿から画像データを読み取るスキャン手段と、前記スキャン手段により前記印刷された設定リストを読み取り、該読み取った画像データから前記印刷制御装置の設定状態を認識する認識手段と、前記認識手段によって得られた前記印刷制御装置の設定状態に基づき、前記画像形成装置から前記印刷制御装置に対して前記サービスの診断を目的とする診断パケットを前記第1のネットワークを介して送信する診断パケット送信手段と、前記診断パケット送信手段により送信した前記診断パケットに対する前記印刷制御装置からの応答パケットを前記第1のネットワークを介して受信したか監視する応答パケット監視手段と、前記応答パケット監視手段による前記応答パケットの受信監視結果に基づき、前記印刷制御装置の状態を診断する診断手段とを有し、前記サービス手段は、前記画像形成装置から受信した前記診断パケットに対する応答パケットを返信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成システムを運用するネットワーク接続のままの状態で、接続構成等を変更することなく画像形成システムのサービス提供状況を診断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成システムの接続構成図である。
【図2】印刷制御装置303と画像形成装置308の制御構成を示すブロック図である。
【図3】印刷制御装置303の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のS102で表示されるオペレーションパネルの一例を示す図である。
【図5】画像形成装置308によって印刷された設定リストの印刷例を示す図である。
【図6】図3のS106で表示されるオペレーションパネルの一例を示す図である。
【図7】画像形成装置308の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7のS211で印刷される自己診断結果レポートの印刷例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成システムの接続構成図である。
図1において、303は、印刷データをRIP処理して画像データへ変換するための印刷制御装置である。308は、印刷制御装置303でRIP処理された画像データに基づいて画像形成を行う画像形成装置である。
【0012】
301は、印刷制御装置303と画像形成装置308が他の通信機器(例えば、コンピュータ装置312)と通信を行うためのグローバルネットワーク(第1のネットワーク)である。312は、上記他の通信機器の一例として記載したコンピュータ装置である。302は、印刷制御装置303と画像形成装置308間のみの通信を行うためのローカルネットワーク(第2のネットワーク)である。
【0013】
印刷制御装置303において、304は、印刷制御装置303をグローバルネットワーク301へ接続するためのネットワークインタフェースカード(以下、NIC)(第1の接続部)である。305は、印刷制御装置303をローカルネットワーク302へ接続するためのNICである(第3の接続部)。306は、印刷制御装置303をビデオインターフェース307へ接続するためのビデオインターフェースカード。ビデオインターフェース307は、画像データを高速に通信するためのものである。
【0014】
画像形成装置308において、309は、画像形成装置308をビデオインターフェース307へ接続するためのビデオインターフェースカードである。310は、画像形成装置308をグローバルネットワーク301へ接続するためのNICである(第2の接続部)。311は、画像形成装置308をローカルネットワーク302へ接続するためのNICである(第4の接続部)。
【0015】
コンピュータ装置312において、313は、コンピュータ装置312をグローバルネットワーク301へ接続するためのNICである。
以下、印刷制御装置303と画像形成装置308間の通信について説明する。
印刷制御装置303と画像形成装置308間の通信では、画像データ(Video信号)は、Video I/F307によって通信される。しかし、画像データ(Video信号)以外の制御命令やステータス通知等の通信は、ローカルネットワーク302が用いられる。ローカルネットワーク302は、印刷制御装置303と画像形成装置308間の制御信号やステータス通知等の通信を目的としたものである。
【0016】
なお、グローバルネットワーク301は、印刷制御装置303と画像形成装置308間の制御信号やステータス通知等の通信には使用されない。印刷制御装置303と画像形成装置308間の通信で、グローバルネットワーク301を使用するのは、後述する画像形成システムの自己診断方法(画像形成システム診断方法)を実行する際である。
【0017】
なお、印刷制御装置303と画像形成装置308間の制御信号やステータス通知等の通信を、ローカルネットワーク302を用いず、グローバルネットワーク301で行うことも可能である。しかし、このような構成では、ステータスポーリングなどの目的で大量の通信がグローバルネットワーク301側で行われることになり、グローバルネットワーク301側のトラフィックを増大させることになる。また、グローバルネットワーク301側のトラフィックによって、印刷制御装置303と画像形成装置間308の通信に影響が出る恐れもある。
【0018】
本実施例では、画像形成装置308のネットワーク機能を有効に活用し、後述する画像形成システム診断方法を実現するために、画像形成装置308にNIC310を設け、画像形成装置308が直接グローバルネットワーク301に接続できるよう構成した。
【0019】
図2は、図1に示した印刷制御装置303と画像形成装置308の制御構成を示すブロック図である。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してあり、これらの説明は省略する。
【0020】
図2において、1はCPUで、ROM3又は外部メモリ10に記憶されたプログラムに基づいてシステムバス4に接続された各デバイスを制御し、印刷制御装置303全体を統括制御する。2はRAMで、CPU1の主メモリ,ワークエリア等として機能する。
【0021】
5はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)8や図示しないポインティングデバイス、例えばマウスからの入力を制御する。6はディスプレイコントローラ(DSPC)で、ディスプレイ9の表示を制御する。なお、ディスプレイ9は、CRTであってもLCDであっても、その他の形式の表示装置であってもよい。なお、キーボード(KB)8や図示しないポインティングデバイス等の入力装置、ディスプレイ9等の出力装置は備えていなくてもよい。このように入力装置、出力装置を備えていない構成の印刷制御装置の場合、ローカルネットワーク302を用いて画像形成装置308と通信して、画像形成装置308の操作部20を、印刷制御装置303の入出力装置として利用するものとする。
【0022】
7はメモリコントローラ(MC)で、外部メモリ10とのアクセスを制御する。なお、外部メモリ10は、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリ等の各種記録媒体を含む。
【0023】
画像形成装置308において、11はCPUで、コントローラ部1000内のROM13あるいは外部メモリ21に記憶されたプログラムに基づいてシステムバス14に接続されている各デバイスを制御し、画像形成装置308全体を統括制御する。CPU11は、このプログラムの提供する機能により、スキャナ部18を用いた(スキャン処理)原稿読取処理、プリンタ部19を用いたプリント処理、後述する図3に示すフローチャートの処理等を実現可能である。12はRAMで、CPU11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0024】
スキャナ部インターフェイス(スキャナ部I/F)15は、スキャナ部18からの画像データの入力を制御する。プリンタ部インターフェイス(プリンタ部I/F)16は、プリンタ部(プリンタエンジン)19への画像データの出力を制御する。20は操作部で、タッチパネル付きモニタと、ハードキーから構成され、ユーザからの操作入力を受け付ける。
【0025】
17はメモリコントローラ(MC)で、外部メモリ21とのアクセスを制御する。なお、外部メモリ21は、ハードディスク(HD)、ICカード、フラッシュメモリ等の各種記録媒体を含む。
【0026】
以下、図3〜図8を用いて、図1,図2に示したように構成される画像形成システムにおいて、当該画像形成システムのサービス提供状況を自己診断する方法を説明する。
まず、図3〜図6を用いて、印刷制御装置303の動作を説明する。
図3は、印刷制御装置303の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、印刷制御装置303のCPU1が、外部メモリ10に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0027】
印刷制御装置303のCPU1は、NIC304を介して、グローバルネットワーク301上に存在するOSを更新するためのOS更新サーバ(不図示)と定期的に通信を行い、OSを更新するためのOS更新データの有無を監視する(S101)。なお、OSとは、オペレーティングシステム(Operating System)を示す。このOSは、汎用的なOSであっても、専用のOSであってもよい。
【0028】
そして、上記S101にて、印刷制御装置303のCPU1が、OS更新データが有ると判断した場合には、OS更新データの存在を示すメッセージを通知するオペレーションパネル(図4)を表示させる(S102)。なお、上記オペレーションパネル(図4)の表示先は、印刷制御装置303のディスプレイ9上であっても、画像形成装置308の操作部20のモニタ上であってもよい。上記オペレーションパネルを印刷制御装置303のディスプレイ9上で表示させる場合、印刷制御装置303のCPU1は、NIC305、ローカルネットワーク302を介して、オペレーションパネルの表示データを画像形成装置308に送信する。そして、表示データを受け取った画像形成装置308が、該表示データを操作部20に表示する。
【0029】
図4は、図3のS102で表示されるオペレーションパネルの一例を示す図である。
図4において、601は、印刷制御装置303に関する情報の表示部であり、装置の名称、ファームウェアのバージョン、OSのバージョン、装置の状態、等の情報が表示される。602は、印刷制御装置303の各種設定を行うUIを起動するための設定ボタンである。
【0030】
603は、OSの更新データが有る場合に、その旨をオペレータに通知するために表示される文字列(メッセージ)の例である。604は、オペレータが印刷制御装置303へOSの更新準備を指示する際に用いられるOS更新準備ボタンである。
【0031】
なお、印刷制御装置303のCPUは、図4のオペレーションパネルを表示した際、上記表示したオペレーショパネルに従って操作を行うことを促す旨の表示を、予め外部メモリ10に登録されている印刷制御装置303の管理者の通知先に通知してもよい。この通知は、例えば、上記通知先としての電子メールアドレスへの電子メールや、上記通知先としてのIPアドレスに対応する装置へのポップアップ画面表示等により行う。また、上記通知を、印刷制御装置303又は画像形成装置308に備えられた不図示のLED等の点灯や点滅等で行っても、印刷制御装置303又は画像形成装置308に備えられた不図示のスピーカ等からの音声出力やビープ音の出力等で行ってもよい。
【0032】
以下、図3のフローチャートの説明に戻る。
印刷制御装置303のCPUは、上記S102のOS更新データの存在を示すメッセージを通知するオペレーションパネルの表示処理を完了すると、オペレータからのOS更新準備ボタン604への指示(OS更新準備命令)を待機する(S103)。なお、図4のオペレーションパネルの表示先が、印刷制御装置303のディスプレイ9上の場合は、不図示のポインティングデバイスによるOS更新準備ボタン604への指示を待機する。また、オペレーションパネルの表示先が、画像形成装置308の操作部20のモニタ上の場合、OS更新準備ボタン604へのタッチを検知した画像形成装置308からの、OS更新準備ボタン604がタッチされた旨の通知を待機する。なお、画像形成装置308は、OS更新準備ボタン604へのタッチを検知すると、その旨を、NIC311、ローカルネットワーク302を介して、印刷制御装置303に通知するように構成されている。
【0033】
そして、印刷制御装置303のCPUは、オペレータによりOS更新準備ボタン604が押下されたことを検知すると、OS更新準備命令が有ったと判断し、OS更新を行うための準備処理(OS更新準備処理)を実施する(S104)。
【0034】
OS更新準備(S104)とは具体的に以下の(処理1),(処理2)を実施することである。
(処理1)初めに、印刷制御装置303のCPU1は、画像形成装置308以外との通信を一時的に遮断する。この時、現在、通信中のものに関しては、その通信が完了してから遮断する。この処理1は、これ以降の印刷クライアントからの印刷データを受信しないこと等を目的として実施される。例えば、印刷制御装置303のCPU1が、グローバルネットワーク301、NIC304を介して受信されるパケットをフィルタリングして、画像形成装置308以外から送信されたパケットを受け取らないように制御する。
【0035】
(処理2)次に、印刷制御装置303のCPU1は、印刷キューに保持している印刷データを全て処理する。即ち、印刷キューに保持されている印刷データをRIPして画像データを生成し、該生成した画像データを、ビデオI/F307を介して画像形成装置308に送信する。この処理2は、OSの更新前に、未処理の印刷データを全て処理することを目的として実施される。
【0036】
上述したS104のOS更新準備処理が完了し、OSの更新準備が整うと、印刷制御装置303のCPU1は、設定リスト(図5)の印刷を行う設定リスト印刷制御処理を実行する(S105)。
【0037】
設定リストとは、印刷制御装置303の設定状態を記述したリストである。上記S105の設定リストの印刷では、印刷制御装置303のCPU1は、その時点の印刷制御装置の設定状態等から画像データを生成し、該生成した画像データをビデオI/F307を介して画像形成装置308へ送する。そして、画像形成装置308が、ビデオI/F307を介して受信した画像データを印刷する。これにより、設定リスト(図5)が印刷される。
【0038】
図5は、画像形成装置308によって印刷された設定リストの印刷例を示す図である。
図5において、401は設定リストであり、印刷制御装置303の設定状態が記録されたものである。
設定リスト401において、402は名称及びシリアル番号情報である。403は、名称及びシリアル番号情報402を符号化した二次元バーコードである。404はネットワーク設定情報である。405は、ネットワーク設定情報404を符号化した二次元バーコードである。
【0039】
406はデバイス管理サービスの利用状況情報である。407は、デバイス管理サービスの利用状況情報406を符号化した二次元バーコードである。408は印刷サービスの利用状況情報である。409は、印刷サービスの利用状況情報408を符号化した二次元バーコードである。
【0040】
410はOS更新データの有無とOS更新データに対応する識別番号情報である。411は、OS更新データの有無とOS更新データに対応する識別番号情報410を符号化した二次元バーコードである。
【0041】
なお、この設定リスト401は、後述する図7に示す画像形成装置308の動作にて用いられる。
また、設定リスト401に記録される設定状態は、図5に示したものに限定されるものではなく、他の印刷制御装置303の設定状態を含むものでもよい。例えば、印刷制御装置303の設定状態を、文字情報(例えば402)、及び、二次元バーコードのような文字情報以外の情報に符号化した情報(例えば403)の少なくとも1つで記録されてもよい。
【0042】
以下、図3のフローチャートの説明に戻る。
設定リストの印刷(S105)が完了すると、印刷制御装置303のCPU1は、OSの更新準備が完了した旨を通知するオペレーションパネルを表示させる(S106)。なお、上記オペレーションパネルの表示先は、印刷制御装置303のディスプレイ9上であっても、画像形成装置308の操作部20のモニタ上であってもよい。上記オペレーションパネルを印刷制御装置303のディスプレイ9上で表示させる場合、印刷制御装置303のCPU1は、NIC305、ローカルネットワーク302を介して、オペレーションパネルの表示データを画像形成装置308に送信する。そして、表示データを受け取った画像形成装置308が、該表示データを操作部20に表示する。
【0043】
図6は、図3のS106で表示されるオペレーションパネルの一例を示す図であり、図4と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は省略する。
図6において、701は、OSの更新準備が整った場合に、その旨をオペレータに通知するために表示される文字列(メッセージ)の例である。702は、オペレータが印刷制御装置303へOSの更新を指示する際に用いられるOS更新ボタンである。
【0044】
以下、図3のフローチャートの説明に戻る。
印刷制御装置303のCPUは、上記S106のOS更新準備完了通知の表示を完了すると、オペレータからのOS更新ボタン702への指示(OS更新命令)を待機する(S107)。なお、図6のオペレーションパネルの表示先が、印刷制御装置303のディスプレイ9上の場合は、不図示のポインティングデバイスによるOS更新ボタン702への指示を待機する。また、オペレーションパネルの表示先が、画像形成装置308の操作部20のモニタ上の場合、OS更新ボタン702へのタッチを検知した画像形成装置308からの、OS更新ボタン702がタッチされた旨の通知を待機する。なお、画像形成装置308は、OS更新ボタン702へのタッチを検知すると、その旨を、NIC311、ローカルネットワーク302を介して、印刷制御装置303に通知するように構成されている。
【0045】
そして、印刷制御装置303のCPUは、オペレータがOS更新ボタン702を押下したことを検知すると、OS更新命令が有ったと判断し、S108に処理を進める。
ステップS108では、印刷制御装置303のCPU1は、OS更新サーバ(不図示)と通信して、OS更新データをOS更新サーバから入手し、OSの更新処理を実施する(S108)。
【0046】
そして、印刷制御装置303のCPU1は、OS更新処理が完了するまで待機し(S109)、OS更新処理が完了したことを認識すると、印刷制御装置303自身を再起動し(S110)、更新されたOSをシステムにロードする。もちろん、OSの再起動が不要な更新に関しては、この再起動処理(S110)はスキップされても良い。
【0047】
このようにして、OSの更新処理が完了すると、印刷制御装置303のCPU1は、画像形成装置308から、グローバルネットワーク301、NIC304を介して送られてくる診断パケットの受信を待機する(S111)。ここで受信する診断パケットは、上述した設定リスト401を用いて画像形成装置308にて生成されたものである。この画像形成装置308の動作は、後述する図7に示す。
【0048】
なお、印刷制御装置303に診断パケットが到達すると、プロトコルスタック(CPU1により実現されるネットワーク機能)は、受信したパケットに含まれるデータを、対応するアプリケーションプログラムへ送信する。また、印刷制御装置303上で動作している(CPU1により実行されている)各アプリケーションプログラムは、受信したデータに対応するデータを返信するようプロトコルスタックへ指示する。また、プロトコルスタックは、このデータを応答パケットの形にして、送り元の画像形成装置308へ返信する(S112)。
【0049】
次に、印刷制御装置303のCPU1は、上記S111〜S112の処理を画像形成装置308から診断パケットが送られてこなくなるまで繰り返し、全サービスの診断の完了を待機する(S113)。そして、印刷制御装置303のCPU1は、所定期間以上、画像形成装置308から診断パケットが送られてこない場合に、全サービスの診断終了と判断し、S114に処理を進める。
【0050】
ステップS114では、印刷制御装置303のCPU1は、通常モードへの復帰処理を実施して、自己診断処理を終了する。なお、通常モードへの復帰処理(S114)とは具体的に以下の処理を実施することである。
【0051】
印刷制御装置303は、S104において行った、画像形成装置308以外との通信を一時的に遮断していた状態を解除し(上述したフィルタリング等を解除し)、それ以前の通信状態に復帰する。例えば、印刷制御装置303のCPU1は、グローバルネットワーク301、NIC304を介して受信される画像形成装置308以外から送信されたパケットを受け取るように制御する。これにより、印刷制御装置303は、グローバルネットワーク301、NIC304を介した、コンピュータ装置312等の他のネットワークデバイスとの通信が可能となり、印刷データの受信等が可能になる。
【0052】
次に、図7、図8を用いて、画像形成装置308の動作を説明する。
図7は、画像形成装置308の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、画像形成装置308のCPU11が、ROM12又は外部メモリ21に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0053】
画像形成システムのサービス提供状況を自己診断するために、オペレータは、上述の図3のS105で印刷された設定リスト401を、画像形成装置308のスキャナ部18を用いてスキャンする操作を行う。この指示を検知して、画像形成装置308のCPU11は、スキャナ18にセットされた設定リスト401の読取処理(スキャン)を実行し、該読み取った画像データから印刷制御装置303の設定状態を認識する(S201)。ただし、この操作は、上述の図3のS110による印刷制御装置303の再起動が完全に終了してから実施しなければならない。
【0054】
なお、印刷制御装置303の再起動(図3のS110)が完了した際に、印刷制御装置303のCPU1が、その旨を、画像形成装置308に通知するようにしてもよい。例えば、上述した設定リスト401のスキャン処理をオペレータに促すメッセージを、ローカルネットワーク302を介して画像形成装置308に送信して、画像形成装置308の操作部20のモニタ上に表示させるように構成してもいよい。若しくは、上記図3のS105では、印刷制御装置303のCPU1は、設定リストを印刷するための画像データを生成し、外部メモリ10に記憶しておき、再起動後に、上記画像データを読み出して、画像形成装置308に送信するように設定する。そして、再起動(S110)が完了した際に、印刷制御装置303のCPU1が、上述した設定により、上記設定リスト401の画像データを画像形成装置308に送信して画像形成装置308で印刷させるようにしてもよい。
【0055】
画像形成装置308のCPU11は、上記S201のスキャンにより読み取ったデータ(スキャンデータ)の中にOS更新データの有無とOS更新データに対応する識別番号情報410(又は二次元バーコード411)が含まれるか否かを調査する(S202)。
【0056】
この調査にて、スキャンデータにOS更新データの有無とOS更新データに対応する識別番号情報410(又は411)が含まれないと判断した場合、画像形成装置308のCPU11は、S201のスキャンを通常のコピーのためのスキャンと判断する。そして、画像形成装置308のCPU11は、通常のコピー処理へ処理を移行させる(S203)。
【0057】
一方、上記S202にて、スキャナデータにOS更新データの有無とOS更新データに対応する識別番号情報410(又は411)が含まれると判断した場合、画像形成装置308のCPU11は、S204〜S212に処理を進める。画像形成装置308は、このS204〜S212の処理によって画像形成システムの自己診断を実施する。
【0058】
本実施例においては、上述のように設定リスト401に、OS更新データの有無とOS更新データに対応する識別番号情報410(又は411)が含まれるか否かを判定して(S202)、自己診断の実行を自動的に判断している。しかし、通常のコピーとは別に、設定リスト401をスキャンするための専用のUI(又はモード)を設けることにより、ステップS202の判定処理は不要となることは言うまでもない。
【0059】
以下、S204〜S212の処理を説明する。
初めに、ステップS204では、画像形成装置308のCPU11は、印刷制御装置303以外との通信を一時的に遮断する(S204)。例えば、画像形成装置308のCPU11が、グローバルネットワーク301、NIC310を介して受信されるパケットをフィルタリングして、印刷制御装置303以外から送信されたパケットを受け取らないように制御する。これは、これ以降、他のネットワークデバイスとの通信を行わないようにすることによって、自己診断の精度と効率を劣化させないことを目的として実施される。
【0060】
次に、画像形成装置308のCPU11は、上記S201にて読み込んだ設定リスト401内の情報に基づき、印刷制御装置303が提供中の各サービスに対する診断パケットを、1つ1つ印刷制御装置303へ送信する(診断パケット送信処理)(S205)。なお、この診断パケットの送信は、NIC310、グローバルネットワーク301を介して行われる。
【0061】
図5の設定リスト401を例に取ると、画像形成装置308のCPU11は、設定リスト401で有効設定されているリモートUI、SNMP、LPR、Raw(Port9100)、IPP、PAPの各サービスに対して個別に診断パケットを送信する。一方、無効設定されているSLP、SMBへの診断パケットは送信しない。
【0062】
なお、SNMPは、Simple Network Management Protocolを示し、TCP/IPネットワークにおいて、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルである。LPRは、Line PRinter daemon protocolを示し、TCP/IPネットワークを経由して印刷を行なうプロトコルである。Raw(Port9100)は、TCP/IPネットワークのPort9100を利用して印刷を行なうプロトコルである。IPPは、Internet Printing Protocolを示し、TCP/IPネットワークを通じて印刷データの送受信や印刷機器の制御を行なうプロトコルである。PAPは、Password Authentication Protocolを示す。PAPは、認証情報(ユーザ名とパスワード等)を入力させ、それをネットワーク回線を通じて送信し、予め用意してあった認証情報のリストと照合することによって認証を行うプロトコルである。SLPは、Service Location Protocolを示し、TCP/IPネットワーク上のサービスの検索や、クライアントの自動設定などを可能にするプロトコルである。SMBは、Server Message Blockを示し、Windows(登録商標)などでネットワークを通じてファイル共有やプリンタ共有を実現するプロトコルである。
【0063】
また、画像形成装置308のCPU11が、印刷制御装置303へ診断パケットを送信する際の宛先アドレスには、ネットワーク設定情報404(又は405)に含まれるIPアドレスを用いる。しかし、画像形成装置308が、印刷制御装置303のアドレス情報を予め保持している場合は、その情報を利用しても差し支えない。また、各サービスの診断パケットの送信に先立ち、画像形成装置308から印刷制御装置303へICMPパケットを送信し、ネットワークの疎通試験を行っても良い。
【0064】
次に、画像形成装置308のCPU11は、上記S205にて特定のサービスに対して診断パケットを送信すると、印刷制御装置303からの応答パケットの受信を監視する(応答パケット監視処理)(S206,S208)。なお、この応答パケットの受信は、グローバルネットワーク301、NIC310を介して行われる。
【0065】
もし、上記S205で送信した診断パケットが印刷制御装置303のサービスへ到達すると、印刷制御装置303は、図3のS111にてこれを検出し、図3のS112によって応答パケットを返信する。画像形成装置308のCPU11は、この印刷制御装置303からの応答パケットを受信した場合、上記S205で送信した診断パケットに対応するサービスが正常に提供されていると判断し、その結果を記憶部(不図示)に記憶する(S207)。そして、ステップS210に処理を進める。
【0066】
一方、上記S205で送信した診断パケットが印刷制御装置303のサービスへ到達しないと、印刷制御装置303は、図3のS111によってこれを検出できないため、パケットは無視され応答パケットは返信されない。画像形成装置308のCPU11は、所定の待機時間をオーバーする前に(S208でYesとなる前に)、印刷制御装置303からの応答パケットが受信できなかった場合、ステップS209に処理を進める。ステップS209では、画像形成装置308のCPU11は、上記S205で送信した診断パケットに対応するサービスが正常に提供されていない(異常)と判断し、その結果を外部メモリ21に記憶し(S209)、ステップS210に処理を進める。
【0067】
即ち、画像形成装置308のCPU11は、上記S206〜S209にて、応答パケットの受信を監視し、応答パケットの受信監視結果に基づき、印刷制御装置303の状態を診断する。
【0068】
ステップS210では、画像形成装置308のCPU11は、印刷制御装置303で提供中の全サービス(設定リスト401で有効設定されている全てのサービス)に対する診断(S205〜S209の処理)が終了したかを判定する(S210)。そして、印刷制御装置303で提供中の全サービスに対する診断がまだ終了していないと判断した場合には、画像形成装置308のCPU11は、上述のS205〜S210の処理を繰り返す。
【0069】
一方、上記S210にて、印刷制御装置303で提供中の全サービスに対する診断が終了したと判断した場合には、画像形成装置308のCPU11は、ステップS211に処理を進める。
【0070】
ステップS211では、画像形成装置308のCPU11は、自己診断結果レポートとなる画像データを生成し、画像形成装置308のプリンタ部19から印刷出力する(自己診断結果出力処理)(S211)。
【0071】
図8は、図7のS211で印刷される自己診断結果レポートの印刷例を示す図である。
図8において、501は自己診断結果レポートである。
自己診断結果レポート501において、502は名称及びシリアル番号情報である。503はネットワーク設定情報である。504はネットワークの疎通診断結果情報である。
505はデバイス管理サービスの診断結果情報である。506は印刷サービスの診断結果情報である。507はOS更新の結果情報である。508は診断結果に応じて記述される警告情報である。
【0072】
図8に示した自己診断結果レポート501の例では、デバイス管理サービスの診断結果505に、デバイス管理サービスのSLP及び、印刷サービスのSMBは未提供サービスであったため、自己診断が行われなかった事を示す記述が行われている。
【0073】
また、印刷サービスの診断結果506に、印刷サービスのPAPは、印刷制御装置303から正常な応答パケットが受信できなかったため、異常が検出された事を示す記述が行われている(506)。
【0074】
さらに、警告情報508は、異常が検出されたサービスの存在と、その対処をオペレータに促すための警告文が記述されている。
なお、ここでは、診断結果を印刷する構成を示したが、診断結果を予め外部メモリ21に記憶された管理者の通知先に送信する(例えば、管理者のメールアドレスに送信する)ようにしてもよい。
【0075】
以下、図7のフローチャートの説明に戻る。
上記S211にて自今診断結果レポートの印刷後、画像形成装置308のCPU11は、印刷制御装置303以外との通信を許可し(S212)、自己診断処理を終了する。なお、印刷制御装置303以外との通信を許可する処理(S212)とは具体的に以下の処理を実施することである。例えば、画像形成装置308は、S204において行った、印刷制御装置303以外との通信を一時的に遮断していた状態を解除し(上述したフィルタリング等を解除し)、それ以前の通信状態に復帰する。例えば、画像形成装置308のCPU11は、グローバルネットワーク301、NIC310を介して受信される印刷制御装置303以外から送信されたパケットを受け取るように制御する。これにより、画像形成装置308は、グローバルネットワーク301、NIC304を介した、他のネットワークデバイスとの通信処理が可能になる。このS211の処理によって、画像形成装置308は通常の動作モードへ復帰する。そして、画像形成装置308のCPU11は、本フローチャートの処理を終了する。
【0076】
以上説明したように、本実施例によれば、画像形成システムを他の試験環境に移すことなく、通常の使用状態のまま自己診断を行うことが可能である。また、自己診断を行うために、画像形成システムを構成している印刷制御装置303及び画像形成装置308以外の装置やネットワークを追加する必要がない。
【0077】
さらに、本実施例によれば、印刷制御装置303のグローバルネットワーク301から送られてくるパケット(NIC304を介した印刷制御装置303の受信パケット)を、実際に試験する事ができる。そして、このグローバルネットワーク301は、実際にユーザが画像形成システムと通信するネットワークである。このため、実際にユーザが画像形成システムと通信するのと同じ条件で、画像形成システムの診断が可能となる。
【0078】
さらに、本実施例によれば、設定リストの記述に基づいて有効に設定されているサービスに対してのみ診断パケットを送るようにしたため、診断者は煩雑な試験の準備や、テストパケットの操作等から解放される。そして、有効に設定されているサービスに対して診断を行うことができる。また、設定リストの印刷は、OSが更新される直前に生成されるため、常に印刷制御装置303の最新の状態を表した設定リストで、診断を行うことができる。
【0079】
よって、汎用OSを利用した印刷制御装置303を含む画像形成システムにおいて、効率的な自己診断を行うことができる。また、自己診断によってサービスの異常を検出した場合は、その旨を速やかに利用者へ通知することができる。
【0080】
なお、上述した設定リストや診断結果の構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0081】
以下、印刷制御装置303や画像形成装置308で読み取り可能な(コンピュータ読取り可能な)各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)について説明する。
【0082】
本発明の各工程(上述した各機能)は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0083】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システム或いは装置に読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0084】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0085】
本発明の様々な例と実施例を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
以上示したように、本発明によれば、画像形成システムを運用するネットワーク接続のままの状態で、接続構成等を変更することなく画像形成システムのサービス提供状況を診断することが可能となる。
【0086】
また、画像形成システムの構成要素である印刷制御装置と画像形成装置を利用して自己診断を行うため、ネットワーク上に他の試験装置を設置する必要がなくなり、容易に診断を行うことができる。
【0087】
さらに、印刷された設定リストのスキャン結果に基づいて、画像形成システムが提供しているサービスを診断するため、管理者等の診断者は、煩雑な試験の準備や、テストパケットの送信操作等の煩雑な診断操作を行う必要がない。よって、管理者等を煩雑な診断作業から解放することができる。
【符号の説明】
【0088】
301 グローバルネットワーク
302 ローカルネットワーク
303 印刷制御装置
304 NIC
305 NIC
308 画像形成装置
310 NIC
311 NIC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成装置とを有する画像形成システムであって、
前記印刷制御装置は、
前記サービスの設定状態を含む印刷制御装置の設定状態を記録した設定リストを前記画像形成装置で印刷するための画像データを生成して前記画像形成装置に出力する設定リスト印刷制御手段を有し、
前記画像形成装置は、
前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、
原稿から画像データを読み取るスキャン手段と、
前記スキャン手段により前記印刷された設定リストを読み取り、該読み取った画像データから前記印刷制御装置の設定状態を認識する認識手段と、
前記認識手段によって得られた前記印刷制御装置の設定状態に基づき、前記画像形成装置から前記印刷制御装置に対して前記サービスの診断を目的とする診断パケットを前記第1のネットワークを介して送信する診断パケット送信手段と、
前記診断パケット送信手段により送信した前記診断パケットに対する前記印刷制御装置からの応答パケットを前記第1のネットワークを介して受信したか監視する応答パケット監視手段と、
前記応答パケット監視手段による前記応答パケットの受信監視結果に基づき、前記印刷制御装置の状態を診断する診断手段とを有し、
前記サービス手段は、前記画像形成装置から受信した前記診断パケットに対する応答パケットを返信することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成装置とを有する画像形成システムにおける画像形成装置であって、
前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、
原稿から画像データを読み取るスキャン手段と、
前記印刷制御装置の前記サービスの設定状態を含む前記印刷制御装置の設定状態が印刷された設定リストを、前記スキャン手段により読み取り、該読み取った画像データから前記印刷制御装置の設定状態を認識する認識手段と、
前記認識手段によって得られた前記印刷制御装置の設定状態に基づき、前記画像形成装置から前記印刷制御装置に対して前記サービスの診断を目的とする診断パケットを前記第1のネットワークを介して送信する診断パケット送信手段と、
前記診断パケット送信手段により送信した前記診断パケットに対する前記印刷制御装置からの応答パケットを前記第1のネットワークを介して受信したか監視する応答パケット監視手段と、
前記応答パケット監視手段による前記応答パケットの受信監視結果に基づき、前記印刷制御装置の状態を診断する診断手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記診断パケット送信手段による前記診断パケットの送信の前に、前記第1のネットワークを介しての前記印刷制御装置以外との通信を遮断する遮断手段を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記診断パケット送信手段は、前記認識手段によって得られた前記印刷制御装置の設定状態に含まれる前記印刷制御装置における前記サービスの設定状態に基づき、前記印刷制御装置で提供中のサービスに対して、個別に前記診断パケットを送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記診断手段による診断結果を出力する自己診断結果出力手段を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷制御装置は、前記印刷制御装置と前記画像形成装置の間の通信を専用に行う第2のネットワークに接続する第3の接続手段を有するものであり、
前記画像形成装置は、前記第2のネットワークに接続するための第4の接続手段を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成手段と、前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、原稿から画像データを読み取るスキャン手段とを有する画像形成装置とを有する画像形成システムにおける印刷制御装置であって、
前記サービスの設定状態を含む印刷制御装置の設定状態を記録した設定リストを前記画像形成装置で印刷するための画像データを生成して前記画像形成装置に出力する設定リスト印刷制御処理を行う設定リスト印刷制御手段を有し、
前記サービス手段は、前記印刷された設定リストから読み取られる前記印刷制御装置の設定状態に基づいて前記画像形成装置から送信される診断を目的とする診断パケットを受信した場合、該パケットに対する応答パケットを返信することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項8】
前記第1のネットワークを介して、外部装置より、オペレーティングシステムの更新データを取得する取得手段と、
前記設定リスト印刷制御手段は、前記取得手段が前記オペレーティングシステムの更新データを取得した場合に、前記設定リスト印刷制御処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の印刷制御装置。
【請求項9】
前記取得手段が前記オペレーティングシステムの更新データを取得した場合に、前記第1のネットワークを介した前記画像形成装置以外との通信を遮断するオペレーティングシステムの更新準備処理を行う更新準備手段と、
前記更新準備手段による前記更新準備処理が完了した後に、オペレーティングシステムの更新処理を行う更新手段と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置。
【請求項10】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成手段と、前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、原稿から画像データを読み取るスキャン手段とを有する画像形成装置とを有する画像形成システムにおける画像形成装置における画像形成システム診断方法であって、
認識手段が、前記印刷制御装置の前記サービスの設定状態を含む前記印刷制御装置の設定状態が印刷された設定リストを、前記スキャン手段により読み取り、該読み取った画像データから前記印刷制御装置の設定状態を認識する認識ステップと、
診断パケット送信手段が、前記認識ステップにて得られた前記印刷制御装置の設定状態に基づき、前記画像形成装置から前記印刷制御装置に対して前記サービスの診断を目的とする診断パケットを前記第1のネットワークを介して送信する診断パケット送信ステップと、
応答パケット監視手段が、前記診断パケット送信ステップにて送信した前記診断パケットに対する前記印刷制御装置からの応答パケットを前記第1のネットワークを介して受信したか監視する応答パケット監視ステップと、
診断手段が、前記応答パケット監視ステップによる前記応答パケットの受信監視結果に基づき、前記印刷制御装置の状態を診断する診断ステップと、
を有することを特徴とする画像形成システム診断方法。
【請求項11】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成手段と、前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、原稿から画像データを読み取るスキャン手段とを有する画像形成装置とを有する画像形成システムにおける印刷制御装置における画像形成システム診断方法であって、
設定リスト印刷制御手段が、前記サービスの設定状態を含む印刷制御装置の設定状態を記録した設定リストを前記画像形成装置で印刷するための画像データを生成して前記画像形成装置に出力する設定リスト印刷制御処理を行う設定リスト印刷制御ステップと、
前記サービス手段が、前記印刷された設定リストから読み取られる前記印刷制御装置の設定状態に基づいて前記画像形成装置から送信される診断を目的とする診断パケットを受信した場合、該パケットに対する応答パケットを返信する応答ステップと、
を有することを特徴とする画像形成システム診断方法。
【請求項12】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成装置とを有する画像形成システムにおける画像形成装置を、
前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段、
原稿から画像データを読み取るスキャン手段、
前記印刷制御装置の前記サービスの設定状態を含む前記印刷制御装置の設定状態が印刷された設定リストを、前記スキャン手段により読み取り、該読み取った画像データから前記印刷制御装置の設定状態を認識する認識手段、
前記認識手段によって得られた前記印刷制御装置の設定状態に基づき、前記画像形成装置から前記印刷制御装置に対して前記サービスの診断を目的とする診断パケットを前記第1のネットワークを介して送信する診断パケット送信手段、
前記診断パケット送信手段により送信した前記診断パケットに対する前記印刷制御装置からの応答パケットを前記第1のネットワークを介して受信したか監視する応答パケット監視手段、
前記応答パケット監視手段による前記応答パケットの受信監視結果に基づき、前記印刷制御装置の状態を診断する診断手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
第1のネットワークに接続するための第1の接続手段と、前記ネットワークを介して受信したパケットに対するサービスを実行するサービス手段と、印刷データから画像データを生成する生成手段とを有する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から出力される画像データを入力して前記画像データに基づく画像の印刷を行う画像形成手段と、前記第1のネットワークに接続するための第2の接続手段と、原稿から画像データを読み取るスキャン手段とを有する画像形成装置とを有する画像形成システムにおける印刷制御装置を、
前記サービスの設定状態を含む印刷制御装置の設定状態を記録した設定リストを前記画像形成装置で印刷するための画像データを生成して前記画像形成装置に出力する設定リスト印刷制御処理を行う設定リスト印刷制御手段として機能させるプログラムであり、
前記サービス手段は、前記印刷された設定リストから読み取られる前記印刷制御装置の設定状態に基づいて前記画像形成装置から送信される診断を目的とする診断パケットを受信した場合、該パケットに対する応答パケットを返信することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−40900(P2011−40900A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184953(P2009−184953)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】