説明

画像形成装置、データ処理装置、及び、画像形成システム

【課題】印刷データの印刷設定が以前の再印刷のものと同じである場合に、所定回数までは許容することにより、不必要な警告を低減する。
【解決手段】再印刷設定でない第1の印刷データの印刷設定を記憶する一時記憶部51と、再印刷設定の第2の印刷データの印刷設定を記憶するとともに、第1の印刷データの印刷設定を推奨設定の設定記憶データとして記憶する設定記憶部52と、第3の印刷データが再印刷設定でない場合には、第3の印刷データの印刷設定が設定記憶部に所定回数以上記憶された推奨設定の設定記憶データと同じ内容であるときに、第3の印刷データの印刷設定の変更要と見なす再印刷判定部42と、再印刷判定部が第3の印刷データの印刷設定の変更要と見なさない限り、印刷処理を実行する印刷制御部45と、再印刷判定部が第3の印刷データの印刷設定の変更要と見なした場合に、警告通知をデータ処理装置に送信する通知部43とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データに基づいて印刷処理を実行する画像形成装置、印刷データを作成するデータ処理装置、及び、これらの画像形成装置とデータ処理装置とを有する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データ処理装置と画像形成装置とを有する画像形成システムが、様々な場所で使用されている。
データ処理装置は、印刷データを作成して画像形成装置に送信する装置であり、例えばパーソナルコンピュータによって構成されている。データ処理装置は、有線又は無線によるネットワークを介して画像形成装置と電気的に接続されている。
一方、画像形成装置は、印刷データに基づいて印刷処理を実行する装置であり、例えばプリンタやMFPによって構成されている。なお、「MFP」とは、Multi Function Peripheralの略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
【0003】
ところで、画像形成システムのユーザは、データ処理装置上で起動しているアプリケーションの印刷設定を十分に確認せずに、アプリケーションの印刷機能を使用して任意のファイルデータの印刷処理を画像形成装置に指示する場合がある。この場合に、アプリケーションの印刷設定が不適切な内容に設定されていると、画像形成システムは、不適切な印刷処理を実行するため、印刷紙や、トナー、インク等の消耗品を無駄に消耗させる。
【0004】
そのため、画像形成システムの中には、推奨される印刷設定をデータ処理装置の記憶部に予め記憶しておき、ユーザによって指示された印刷処理の印刷設定が記憶部に予め記憶されている推奨される印刷設定と異なる場合に、「指示された印刷処理の印刷設定が推奨される印刷設定と異なる」旨の警告画像や、印刷設定の設定変更を促す画像をデータ処理装置及び画像形成装置の一方又は双方の表示部に表示したりするものがある。
【0005】
ただし、この画像形成システムは、ユーザ自らが意図的に印刷設定を変更した場合であっても、不必要な警告画像が表示部に表示される。
そこで、画像形成システムの中には、アプリケーション毎に、過去に実施された印刷設定の履歴を記憶部に記憶しておき、ユーザが、任意のアプリケーションの印刷機能を使用して、そのアプリケーションで普段使用されている印刷設定と異なる印刷設定で、任意のファイルデータの印刷処理を画像形成装置に指示する場合に、指示された印刷処理の印刷設定と履歴に記憶された印刷設定とを照合させることで、ユーザに対してでき得る限り適切な警告や表示を行うことにより不必要な警告及び印刷ミスを減少させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−157680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザは、任意のアプリケーションの使用中に、ファイルデータ毎に印刷設定を変更して印刷処理を画像形成装置に指示する場合がある。例えば、ユーザは、任意のファイルデータの印刷が失敗した場合に、印刷設定を変更して、その変更された印刷設定で、前回印刷が失敗したファイルデータの再印刷処理を画像形成装置に指示する。
しかしながら、特許文献1に開示された画像形成システム(以下、「従来の画像形成システム」と称する)は、アプリケーション毎に印刷設定の履歴を記憶部に記憶する構成となっている。そのため、従来の画像形成システムは、このような場合に、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、不必要な警告画像をデータ処理装置及び画像形成装置の一方又は双方の表示部(特に、データ処理装置の表示部)に表示する。
【0008】
したがって、従来の画像形成システムは、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、不必要な警告画像をデータ処理装置の表示部に表示する場合があり、これにより、ユーザに不快感を与えることがある、という課題があった。
【0009】
本発明は、この課題を解決するためになされたものであり、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、データ処理装置の表示部に表示される不必要な警告画像の表示頻度を低減する画像形成装置を提供することを主な目的とする。
【0010】
また、従来の画像形成システムは、警告画像がデータ処理装置の表示部に表示された場合に、ユーザがどのような印刷設定に変更すればよいのかを判断し難い、という課題があった。
【0011】
そこで、本発明は、この課題を解決するために、印刷設定の好適な設定変更例をユーザに提示するデータ処理装置を提供することを副次的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、第1発明は、データ処理装置から受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する画像形成装置であって、設定属性を表す設定属性識別データを含む前記印刷データに基づいて、印刷処理を実行する画像形成部と、データが一時的に記憶される一時記憶部と、データが持続的に記憶される設定記憶部と、前記設定属性識別データの値が再印刷設定の値と異なる値となっている前記印刷データを第1の印刷データとし、前記データ処理装置から当該第1の印刷データを受信した場合に、当該第1の印刷データの印刷様式を表す印刷設定データを前記一時記憶部に記憶させる一時記憶制御部と、前記設定属性識別データの値が再印刷設定の値となっている前記印刷データを第2の印刷データとし、前記データ処理装置から当該第2の印刷データを受信した場合に、当該第2の印刷データの印刷設定データを再印刷設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させるとともに、前記一時記憶部に記憶された前記第1の印刷データの印刷設定データを再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させる設定記憶制御部と、前記設定属性識別データの値に基づいて前記印刷データの設定属性が再印刷設定であるか否かを判定する再印刷判定部であって、前記データ処理装置から前記第2の印刷データの後に受信される第3の印刷データの前記設定属性識別データの値として再印刷設定の値とは異なる値が設定されている場合で、かつ、当該第3の印刷データの印刷設定データが前記設定記憶部に所定回数以上記憶された前記推奨設定の設定記憶データと同じ設定内容である場合に、当該第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なす前記再印刷判定部と、前記再印刷判定部が前記第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なさない限り、前記印刷データに基づく印刷処理を実行する印刷制御部と、前記再印刷判定部が前記第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、前記第3の印刷データの印刷設定の異常を警告する警告通知データを前記データ処理装置に送信する通知部とを有する構成とする。
【0013】
再印刷判定部は、再印刷処理の印刷データである第2の印刷データの後に受信される第3の印刷データの設定属性識別データの値として再印刷設定の値とは異なる値が設定されている場合で、かつ、第3の印刷データの印刷設定データが設定記憶部に所定回数以上記憶された推奨設定の設定記憶データと同じ内容である場合に、第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なす。したがって、再印刷判定部は、第3の印刷データの印刷設定が以前の再印刷処理のものと同じである場合に、その記憶回数が所定回数未満であれば、第3の印刷データを印刷設定の変更が不要なデータと見なし、その記憶回数が所定回数以上であれば、第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なす。印刷制御部は、その再印刷判定部が第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なさない限り、印刷データに基づく印刷処理を実行する。また、この画像形成装置の通知部は、再印刷判定部が第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、警告通知データをデータ処理装置に送信する。
【0014】
したがって、この画像形成装置は、再印刷処理の印刷データの後に受信される印刷データの印刷設定が以前の再印刷処理のものと同じである場合に、所定回数までは印刷処理の実行を許容し、所定回数以上となるときに、印刷設定の変更が必要と判断して、印刷処理を実行せずに、警告通知データをデータ処理装置に送信する。これにより、この画像形成装置は、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、データ処理装置の表示部に表示される不必要な警告画像の表示頻度を低減することができる。
【0015】
第2発明は、画像形成装置に印刷データを送信するデータ処理装置であって、ユーザからの印刷要求によって指定された印刷ファイルに基づいて印刷データを作成する印刷データ作成部と、表示部と、前記画像形成装置から、前記印刷データの印刷設定の異常を警告する警告通知データとして、再印刷設定の設定記憶データを受信した場合に、当該再印刷設定の設定記憶データに対応する印刷様式への印刷設定の変更をユーザに促す警告画像を前記表示部に表示させる表示制御部とを有する構成とする。
【0016】
このデータ処理装置は、画像形成装置から、警告通知データとして、再印刷設定の設定記憶データを受信した場合に、再印刷設定の設定記憶データに対応する印刷様式への印刷設定の変更をユーザに促す警告画像を表示部に表示する。したがって、このデータ処理装置は、第1発明の画像形成装置から、再印刷設定の設定記憶データに対応する印刷様式を、好適な設定変更例として、ユーザに提示することができる。
【0017】
第3発明は、画像形成システムであって、第1発明の画像形成装置と、第2発明のデータ処理装置とを有する構成とする。
この画像形成システムは、第1発明の画像形成装置と、第2発明のデータ処理装置とを用いる構成となっている。そのため、この画像形成システムは、第1発明の画像形成装置による機能(すなわち、再印刷処理の印刷データの後に受信される印刷データの印刷設定が以前の再印刷処理のものと同じである場合に、所定回数までは印刷処理の実行を許容し、所定回数以上となるときに、印刷設定の変更が必要と判断して、印刷処理を実行せずに、警告通知データをデータ処理装置に送信する機能)と、第2発明のデータ処理装置による機能(すなわち、画像形成装置から、警告通知データとして、再印刷設定の設定記憶データを受信した場合に、再印刷設定の設定記憶データに対応する印刷様式への印刷設定の変更をユーザに促す警告画像を表示部に表示する機能)とを果たすことができる。
【発明の効果】
【0018】
第1発明によれば、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、データ処理装置の表示部に表示される不必要な警告画像の表示頻度を低減する画像形成装置を提供することができる。
また、第2発明によれば、印刷設定の好適な設定変更例をユーザに提示するデータ処理装置を提供することができる。
また、第3発明によれば、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、データ処理装置の表示部に表示される不必要な警告画像の表示頻度を低減すること、及び、印刷設定の好適な設定変更例をユーザに提示することを実現する画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態1で用いられる印刷データの構成を示す図である。
【図3】実施形態1で用いられる印刷指示履歴データの構成を示す図である。
【図4】実施形態1で用いられる一時記憶データの構成を示す図である。
【図5】実施形態1で用いられる設定記憶データの構成を示す図である。
【図6】実施形態1に係るデータ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施形態1に係るデータ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施形態1に係るデータ処理装置の表示例を示す図(1)である。
【図10】実施形態1に係るデータ処理装置の表示例を示す図(2)である。
【図11】実施形態2で用いられる印刷データの構成を示す図である。
【図12】実施形態2で用いられる一時記憶データの構成を示す図である。
【図13】実施形態2で用いられる設定記憶データの構成を示す図である。
【図14】実施形態2に係るデータ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施形態2に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】実施形態3で用いられる設定記憶データを示す図である。
【図17】実施形態3で用いられる変更回数データを示す図である。
【図18】実施形態3に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0021】
[実施形態1]
以下、実施形態1について、画像形成システムの構成、画像形成システムで用いられるデータの構成、及び、画像形成システムの動作の順に説明する。
<画像形成システムの構成>
まず、図1を参照して、本実施形態1に係る画像形成システムの構成につき説明する。図1は、実施形態1の画像形成システムの構成を示す図である。
【0022】
データ処理装置としてのパーソナルコンピュータ1(以下、「PC1」と称し、特に区別が必要な場合は「PC1A」と称する場合がある)は、画像データを生成する装置である。
【0023】
画像形成装置としてのプリンタ2(以下、特に区別が必要な場合は「プリンタ2A」と称する場合がある)は、PC1により生成された画像データ(又は、印刷データ)から用紙等の印刷媒体上に画像を形成する装置である。
【0024】
ネットワーク3は、PC1とプリンタ2とを通信可能に接続する通信媒体である。ネットワーク3は、ケーブルを用いる有線方式、及び、電磁波を用いる無線方式のいずれであってもよい。画像データは、このネットワーク3を介してPC1からプリンタ2に送信される。
本実施形態では、簡略化のため、画像形成システム100は、PC1及びプリンタ2を各々1台含むものとして説明するが、それぞれ2台以上含んでいてもよい。
【0025】
PC1は、制御装置としてのCPUや、記憶装置としてのRAM、ROM、あるいはHDD、表示装置としてのディスプレイ、入力装置としてのキーボードやマウス等を有している。
【0026】
制御部10は、ROM等に記憶されたプログラムをCPUで実行することにより、PC1の各種制御を行う構成要素である。記憶部20は、RAM、ROM、あるいはHDD等の記憶装置により各種プログラムや各種データを記憶する構成要素である。表示部31は、制御部10等により生成された各種画像を表示する構成要素である。操作部32は、キーボードやマウス等により各種データを入力する構成要素である。
【0027】
制御部10は、主制御部11、印刷データ作成部12、再印刷検知部13、記憶制御部14、及び、表示制御部15として機能している。各機能手段は、CPUが記憶部20の図示せぬ記憶領域に記憶された制御プログラム5を実行することによって、実現されている。ここでは、制御プログラム5は、例えば、磁気ディスクや、光ディスク、メモリ装置等の記憶媒体4に予め格納されており、記憶媒体4からPC1にインストールされるものとして説明する。各機能手段の動作は、制御プログラム5によって規定されている。また、各機能手段は、図示せぬタイマによって計測される時間に応じて動作する。以下、これらの点については、データ処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0028】
主制御部11は、PC1の各部の動作を制御する機能手段である。
印刷データ作成部12は、主制御部11の指示により、印刷データ70(図2参照)を作成する機能手段である。なお、図2は、実施形態1で用いられる印刷データの構成を示す図である。印刷データ70は、プリンタ2に画像の印刷を指示するためのデータである。
【0029】
印刷データ作成部12は、印刷データ70を作成すると、印刷データ70を記憶部20の現用記憶部23に記憶させるための命令を主制御部11に送信する。主制御部11は、この命令に従って、記憶制御部14の現用記憶制御部14cに、印刷データ70の記憶部20の現用記憶部23への記憶を指示する。その結果、印刷データ70が、現用記憶部23に記憶される。なお、現用記憶部23に記憶された印刷データ70は、プリンタ2に送信されると、消去され、代わりに、印刷指示履歴データ80(図3参照)が記憶部20の履歴記憶部22に記憶される。なお、図3は、実施形態1で用いられる印刷指示履歴データの構成を示す図である。印刷指示履歴データ80は、送信された印刷データ70の履歴を表すデータである。
【0030】
印刷データ作成部12は、印刷データ70を作成する際に、印刷データ70に含まれる設定属性識別データ73(図2参照)の値を、設定属性が推奨刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)に一旦設定する。その後、印刷データ作成部12は、再印刷検知部13が印刷データ70の設定属性を再印刷設定として検知した場合に、その印刷データ70の設定属性識別データ73の値を、設定属性が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)に変更する。
【0031】
再印刷検知部13は、主制御部11の指示により、ユーザからの印刷要求に従って行われる印刷処理が再印刷処理であるか否かを検知する機能手段である。再印刷検知部13は、印刷データ作成部12による印刷データ70の作成に当たり、過去の印刷データ70の作成で使用された画像データ71(図2参照)の元となるファイルデータ(以下、「過去使用の印刷ファイルデータ」と称する)81(図3参照)と、ユーザからの新たな印刷要求に従って行われる新たな印刷データ70の作成で使用される画像データ71(図2参照)の元となるファイルデータ(以下、「現在使用の印刷ファイルデータ(図示せず)」と称する)81(図3参照)とを比較することによって、新たな印刷処理が再印刷処理か否かを判定する。なお、過去使用の印刷ファイルデータ81は、記憶部20の履歴記憶部22に記憶されており、一方、現在使用の印刷ファイルデータ81は、記憶部20の現用記憶部23に記憶されている。再印刷検知部13は、過去使用の印刷ファイルデータ81と現在使用の印刷ファイルデータ81とが一致する場合に、新たな印刷データ70の設定属性を再印刷設定として検知する。
【0032】
なお、以下、各データの中で、古いデータと新しいデータとを区別する場合に、それぞれの符号の末尾に、「previous」を意味する「(p)」、又は、「current」を意味する「(c)」を付加して説明する。したがって、例えば、印刷ファイルデータ81の中で、過去使用の印刷ファイルデータ81と現在使用の印刷ファイルデータ81とを区別する場合に、それぞれ、「過去使用の印刷ファイルデータ81(p)」、「現在使用の印刷ファイルデータ81(c)」と称する。また、例えば、印刷データ70の中で、過去の印刷データ70と新たな印刷データ70とを区別する場合に、それぞれ、「過去の印刷データ70(p)」、「新たな印刷データ70(c)」と称する。
【0033】
この判定で、新たな印刷処理が再印刷処理であると判定された場合に、再印刷検知部13は、新たな印刷データ70(c)に含まれている設定属性識別データ73(図2参照)の値を、設定属性が推奨刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)から設定属性が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)に変更させるための命令を、主制御部11を介して印刷データ作成部12に送信する。印刷データ作成部12は、この命令に従って、記憶部20の現用記憶部23に記憶された新たな印刷データ70(c)の設定属性識別データ73の値を変更して記憶部20の現用記憶部23に記憶させるための命令を、主制御部11を介して記憶制御部14の現用記憶制御部14cに送信する。現用記憶制御部14cは、この命令に従って、記憶部20の現用記憶部23から新たな印刷データ70(c)を読み出し、設定属性識別データ73の値を、設定属性が推奨刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)から設定属性が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)に変更して、設定属性識別データ73の値が変更された新たな印刷データ70(c)を記憶部20の現用記憶部23に記憶する。その結果、設定属性識別データ73の値が変更された新たな印刷データ70(c)が、記憶部20の現用記憶部23に記憶される。
【0034】
記憶制御部14は、主制御部11の指示により、各種のデータを記憶部20に記憶させる機能手段である。記憶制御部14は、汎用記憶制御部14a、履歴記憶制御部14b、及び、現用記憶制御部14cとして機能している。
【0035】
汎用記憶制御部14aは、印刷データ70の作成に際して使用される印刷ファイルデータ等を記憶部20の汎用記憶部21に記憶させる機能手段である。
履歴記憶制御部14bは、過去の印刷処理で作成された印刷データ70に関する履歴データ(以下、「印刷指示履歴データ80(図3参照)」と称する)を記憶部20の履歴記憶部22に記憶させる機能手段である。
【0036】
現用記憶制御部14cは、新たに作成された印刷データ70(c)を記憶部20の現用記憶部23に記憶させる機能手段である。
表示制御部15は、各種の画像を表示部31に表示させる機能手段である。
記憶部20は、記憶制御部14の指示により、データを所定の記憶領域に記憶したり、記憶しているデータを記憶制御部14に出力したりする。記憶部20は、汎用記憶部21、履歴記憶部22、及び、現用記憶部23を有している。
汎用記憶部21は、印刷データ70の作成に際して使用される印刷ファイルデータ等を記憶する記憶手段である。
履歴記憶部22は、印刷指示履歴データ80(図3参照)を記憶する記憶手段である。
現用記憶部23は、新たに作成された印刷データ70(c)を記憶する記憶手段である。
【0037】
プリンタ2は、CPUによって構成され、プリンタ2の制御を行う制御部40、RAMや、ROM、HDD等によって構成され、各種のデータを記憶する記憶部50、及び、印刷処理を実行する画像形成部61を有している。
【0038】
制御部40は、主制御部41、再印刷判定部42、通知部43、記憶制御部44、及び、印刷制御部45として機能している。各機能手段は、CPUが記憶部50の図示せぬ記憶領域に記憶された図示せぬ制御プログラムを実行することによって、実現されている。
主制御部41は、プリンタ2の各部の動作を制御する機能手段である。
【0039】
再印刷判定部42は、主制御部41の指示により、PC1から受信される印刷データ70に対して、図2に示す設定属性識別データ73の値に基づいて、印刷データ70の設定属性が再印刷設定であるか否かを判定する機能手段である。再印刷判定部42は、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値と異なる値(例えば、値「0」)となっている印刷データ70の設定属性を「推奨設定」として判定し、一方、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)となっている印刷データ70の設定属性を「再印刷設定」として判定する。
【0040】
以下、プリンタ2がPC1から受信された印刷データ70を区別する場合に、設定属性が推奨設定となっている印刷データ70(具体的には、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値と異なる値(例えば、値「0」)となっている印刷データ70)を「第1の印刷データ70a」と称し、設定属性が再印刷設定となっている印刷データ70(具体的には、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)となっている印刷データ70)を「第2の印刷データ70b」と称し、さらに、第2の印刷データ70bの後にPC1から受信される印刷データ70を「第3の印刷データ70c」と称して説明する。なお、「第3の印刷データ70c」は、ユーザからの新たな印刷要求に従って作成された新たな推奨設定の印刷データとなっている場合もあれば、第2の印刷データ70bの印刷設定が変更された再印刷設定の印刷データとなっている場合もある。
【0041】
再印刷判定部42は、第2の印刷データ70bの後にPC1から受信される第3の印刷データ70cの設定属性が推奨設定となっている場合(具体的には、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値と異なる値(例えば、値「0」)となっている場合)で、かつ、第3の印刷データ70cの印刷設定データ72(図2参照)が記憶部50の設定記憶部52に所定回数以上記憶された推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)と同じ内容である場合に、第3の印刷データ70cを印刷設定の変更が必要なデータと見なす。
【0042】
通知部43は、主制御部41の指示により、再印刷判定部42が第3の印刷データ70cを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、第3の印刷データ70cの印刷設定の異常を警告するデータ(以下、「警告通知データ」と称する)をPC1に送信する機能手段である。通知部43は、再印刷判定部42が第3の印刷データ70cを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、主制御部41の指示により、記憶部50の設定記憶部52に記憶されている推奨設定の設定記憶データ120をPC1へ送信する。
【0043】
記憶制御部44は、主制御部41の指示により、各種のデータを記憶部50に記憶させる機能手段である。記憶制御部44は、一時記憶制御部44a、及び、設定記憶制御部44bとして機能している。
【0044】
一時記憶制御部44aは、PC1から第1の印刷データ70a(すなわち、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値と異なる値(例えば、値「0」)となっている印刷データ70)が受信された場合に、第1の印刷データ70aの印刷設定データ72(図2参照)を、一時記憶データ110(図4参照)として、記憶部50の一時記憶部51に記憶させる機能手段である。
【0045】
設定記憶制御部44bは、PC1から第2の印刷データ70b(すなわち、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)となっている印刷データ70)が受信された場合に、第2の印刷データ70bの印刷設定データ72(図2参照)を、再印刷設定の設定記憶データ120(図5参照)として、記憶部50の設定記憶部52に記憶させるとともに、一時記憶制御部44aによって記憶部50の一時記憶部51に記憶された第1の印刷データ70aの印刷設定データ72(すなわち、図4に示す一時記憶データ110)を、再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)として、記憶部50の設定記憶部52に記憶させる機能手段である。
【0046】
印刷制御部45は、主制御部41の指示により、PC1から受信される印刷データ70をラスタライズし、画像形成部61を駆動させて印刷処理を実行する機能手段である。印刷制御部45は、再印刷判定部42が第3の印刷データ70cを印刷設定の変更が必要なデータと見なさない限り、印刷データ70に基づく印刷処理を実行する。
【0047】
記憶部50は、例えば、ハードディスクドライブや半導体メモリ等の記憶装置であり、一時的にデータを記憶する記憶領域としての一時記憶部51、及び、設定情報を記憶する記憶領域としての設定記憶部52を有する。
【0048】
一時記憶部51には、例えば、第1の印刷データ70aに含まれる印刷設定データ72A(図2参照)が、一時記憶データ110A(図4参照)として記憶される。
【0049】
設定記憶部52には、例えば、第2の印刷データ70bに含まれる印刷設定データ72A(図2参照)が、再印刷設定の設定記憶データ120B(図5参照)として記憶される。また、設定記憶部52には、一時記憶部51に記憶された一時記憶データ110A(図4参照)が、推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)として記憶される。
【0050】
画像形成部61は、印刷処理を実行する機構である。画像形成部61は、例えばプリンタ2が電子写真方式の装置である場合に、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、そのトナー像を記録紙に転写させ、さらに、記録紙を加熱・加圧してトナー像を記録紙に定着させることにより、印刷処理を実行する。
【0051】
<画像形成システムで用いられるデータの構成>
(印刷データの構成)
以下、図2を参照して、PC1の印刷データ作成部12によって作成される印刷データ70の構成につき説明する。図2は、実施形態1で用いられる印刷データの構成を示す図である。なお、本実施形態1に係る印刷データ70を他の実施形態に係る印刷データと区別する場合に、本実施形態1に係る印刷データ70を「印刷データ70A」と称する。
【0052】
印刷データ70は、PC1の印刷データ作成部12によって作成されるデータである。印刷データ70は、作成時に、PC1の現用記憶部23に記憶される。PC1は、印刷データ70をプリンタ2に送信すると、現用記憶部23に記憶された印刷データ70を消去し、代わりに、送信した印刷データ70の履歴を表す印刷指示履歴データ80(図3)を履歴記憶部22に記憶する。
【0053】
図2に示すように、印刷データ70は、画像データ71、印刷設定データ72、及び、設定属性識別データ73を含んでいる。
画像データ71は、印刷画像を表すデータである。
印刷設定データ72は、両面印刷や、モノクローム印刷(以下、「モノクロ印刷」と称する)、N−up印刷(すなわち、用紙1ページにNページ分印刷する手法の印刷)、印刷部数、印刷ページ範囲、用紙サイズ、カラー設定、トナーセーブ、拡大・縮小、印刷向き等の印刷設定を表すデータである。
【0054】
設定属性識別データ73は、再印刷か否かの設定属性を表すデータである。ここでは、設定属性は、アプリケーション毎に通常仕様の印刷設定として推奨される印刷設定(以下、「推奨設定」と称する)と、再印刷処理の印刷設定(以下、「再印刷設定」と称する)との2種類あるものとして説明する。
【0055】
(印刷指示履歴データの構成)
以下、図3を参照して、PC1の履歴記憶部22に記憶される印刷指示履歴データ80の構成につき説明する。図3は、実施形態1で用いられる印刷指示履歴データの構成を示す図である。
【0056】
印刷指示履歴データ80は、プリンタ2に送信した印刷データ70の履歴を表すデータである。印刷指示履歴データ80は、印刷データ70のプリンタ2への送信時に、PC1の履歴記憶部22に記憶される。PC1は、新たな印刷データ70(c)をプリンタ2に送信を送信する都度、新たな印刷データ70(c)の印刷指示履歴データ80を過去の印刷データ70(p)の印刷指示履歴データ80に追加して履歴記憶部22に記憶する。
【0057】
図3に示すように、印刷指示履歴データ80は、印刷ファイルデータ81、印刷設定データ82、及び、更新日時データ83を含んでいる。なお、印刷指示履歴データ80の1行目は、各列を説明するために便宜的に付した項目であり、履歴記憶部22に記憶されるデータではない。
【0058】
印刷ファイルデータ81は、過去使用の印刷ファイルデータ(すなわち、過去の印刷データ70の作成で使用された画像データ71(図2参照)の元となったファイルデータ)である。なお、印刷指示履歴データ80は、印刷ファイルデータ81の代わりに、ファイルパス等のように印刷処理に使用するファイルを特定するデータを用いてもよい。
印刷設定データ82は、印刷データ70の印刷設定を表すデータである。印刷設定データ82は、図2に示す印刷設定データ72に対応している。
更新日時データ83は、印刷ファイルデータ81を最後に記憶した日時を表すデータである。
【0059】
(一時記憶データの構成)
以下、図4を参照して、プリンタ2の一時記憶部51に記憶される一時記憶データ110の構成につき説明する。図4は、実施形態1で用いられる一時記憶データの構成を示す図である。
【0060】
一時記憶データ110は、PC1から受信された印刷データ70が第1の印刷データ70aである場合(すなわち、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値と異なる値(例えば、値「0」)となっている場合)に、プリンタ2の一時記憶部51に記憶される、第1の印刷データ70aの印刷様式を表すデータである。プリンタ2は、PC1から新たな第1の印刷データ70a(c)を受信する都度、新たな第1の印刷データ70a(c)の一時記憶データ110を過去の第1の印刷データ70a(p)の一時記憶データ110の上に上書きする。
【0061】
図4に示すように、一時記憶データ110は、印刷設定データ111、及び、更新日時データ112を含んでいる。なお、一時記憶データ110の1行目は、各列を説明するために便宜的に付した項目であり、一時記憶部51に記憶されるデータではない。
印刷設定データ111は、印刷データ70の印刷設定を表すデータである。印刷設定データ111は、図2に示す印刷設定データ72に対応している。
更新日時データ112は、印刷設定データ111を最後に記憶した日時を表すデータである。
【0062】
(設定記憶データの構成)
以下、図5を参照して、プリンタ2の設定記憶部52に記憶される設定記憶データ120の構成につき説明する。図5は、実施形態1で用いられる設定記憶データの構成を示す図である。
【0063】
設定記憶データ120は、第2の印刷データ70bの印刷様式を表すデータである。設定記憶データ120は、PC1から受信された印刷データ70が第2の印刷データ70bである場合(すなわち、図2に示す設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)となっている場合)に、プリンタ2の設定記憶部52に記憶される。プリンタ2は、PC1から新たな第2の印刷データ70b(c)を受信する都度、新たな第2の印刷データ70b(c)の設定記憶データ120を過去の第2の印刷データ70b(p)の設定記憶データ120に追加して設定記憶部52に記憶する。
【0064】
図5に示すように、設定記憶データ120は、設定属性データ121、印刷設定データ122、更新日時データ123、及び、記憶回数データ124を含んでいる。なお、設定記憶データ120の1行目は、各列を説明するために便宜的に付した項目であり、設定記憶部52に記憶されるデータではない。
【0065】
設定属性データ121は、印刷データ70の印刷設定が再印刷設定であるのか又は推奨設定であるのかを識別するデータである。
印刷設定データ122は、印刷データ70の印刷設定を表すデータである。印刷設定データ122は、図2に示す印刷設定データ72に対応している。したがって、印刷設定データ122は、両面印刷や、モノクローム印刷(以下、「モノクロ印刷」と称する)、N−up印刷(すなわち、用紙1ページにNページ分印刷する手法の印刷)、印刷部数、印刷ページ範囲、用紙サイズ、カラー設定、トナーセーブ、拡大・縮小、印刷向き等の印刷設定を表している。
【0066】
更新日時データ123は、設定属性データ121を最後に記憶した日時を表すデータである。
記憶回数データ124は、設定属性データ121の設定属性が同じでかつ印刷設定データ122の内容が同じ印刷データ70を記憶した回数を表すデータである。記憶制御部44は、設定記憶データ120を設定記憶部52に記憶させる際に、設定記憶部52に記憶させる設定属性と印刷設定との組が設定記憶部52に記憶されている設定属性データ121と印刷設定データ122との組と一致する場合に、記憶回数データ124をインクリメントし、記憶されていない場合に、記憶回数データ124を値「1」に設定する。
【0067】
<画像形成システムの動作>
以下、図6〜図8を参照して、本実施形態1に係る画像形成システム100の動作につき説明する。図6〜図8は、それぞれ、実施形態1に係る画像形成システムの動作を示すフローチャートである。なお、各装置は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、各装置の一連の動作は、各装置の記憶部に読み出し自在に予め格納された制御プログラムによって規定されている。また、各データは、各装置の記憶部に読み出し自在に一旦格納されてから、その後の処理を行う所要の構成要素に出力される。また、装置間の通信は、受信側の装置が通信によって受信されたデータを記憶部に一旦格納し、その後に、データを記憶部から読み出すことによって、行われる。以下、これらの点については、データ処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0068】
(データ処理装置の印刷データ作成時の動作)
図6は、PC1の印刷データ70の作成時の動作を示している。PC1は、ユーザがPC1上で任意のアプリケーションを起動することによって、動作を開始する。
【0069】
図6に示すように、PC1は、ユーザがPC1上で起動しているアプリケーションの印刷機能を使用して任意の印刷ファイル(例えば、図3に示す印刷ファイルn)の印刷処理を指示すると、主制御部11が、その指示(以下、「ユーザからの印刷要求」と称する場合もある)を受け付ける(S105)。なお、印刷ファイルnは、汎用記憶部21に記憶されている。
【0070】
S105の後、PC1は、主制御部11の指示により、印刷データ作成部12が、印刷データ70(図2参照)を作成する(S110)。
【0071】
このS110では、印刷データ作成部12は、以下のように動作する。
まず、印刷データ作成部12は、ユーザからの印刷要求によって指定された印刷ファイルnに基づいて、画像データ71(図2参照)を作成する(S110a)。
次に、印刷データ作成部12は、アプリケーションに対応して予め設定された印刷設定に基づいて、又は、ユーザが印刷設定を変更した場合にはその変更された印刷設定に基づいて、印刷設定データ72(図2参照)を作成する(S110b)。
【0072】
さらに、印刷データ作成部12は、設定属性識別データ73(図2参照)を作成する(S110c)。なお、本実施形態1では、印刷データ作成部12は、設定属性識別データ73の値を、設定属性が推奨刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)に一旦設定する。その後、印刷データ作成部12は、再印刷検知部13が印刷データ70の設定属性を再印刷設定として検知した場合に、その印刷データ70の設定属性識別データ73の値を、設定属性が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)に変更する。
【0073】
この後、印刷データ作成部12は、作成した画像データ71、印刷設定データ72、及び、設定属性識別データ73を用いて、印刷データ70を作成し、作成した印刷データ70を現用記憶部23に記憶する。
【0074】
S110の後、PC1は、主制御部11の指示により、再印刷検知部13が、現在使用の印刷ファイルデータ81(c)が過去使用の印刷ファイルデータ81(p)として履歴記憶部22に記憶されているか否かを判定する(S115)。この判定は、再印刷検知部13が、現用記憶部23に記憶された新たな印刷データ70(c)の作成で使用された現在使用の印刷ファイルデータ81(c)と、印刷指示履歴データ80に記憶された過去の印刷データ70(p)の作成で使用された過去使用の印刷ファイルデータ81(p)とを比較することによって、行われる。再印刷検知部13は、双方が一致する場合に、現在使用の印刷ファイルデータ81(c)が過去使用の印刷ファイルデータ81(p)として履歴記憶部22に記憶されていると判定し、一方、双方が一致しない場合に、現在使用の印刷ファイルデータ81(c)が過去使用の印刷ファイルデータ81(p)として履歴記憶部22に記憶されていないと判定する。
【0075】
S115の判定で、現在使用の印刷ファイルデータ81(c)が過去使用の印刷ファイルデータ81(p)として履歴記憶部22に記憶されていないと判定された場合(“No”の場合)に、再印刷検知部13は、新たな印刷データ70(c)の設定属性を推奨設定と見なす。この場合に、処理は、S135に進む。例えば、印刷ファイルデータ81を初めて印刷処理する場合に、処理は、S115の判定で“No”となって、S135に進む。
【0076】
一方、S115の判定で、現在使用の印刷ファイルデータ81(c)が過去使用の印刷ファイルデータ81(p)として履歴記憶部22に記憶されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、再印刷検知部13は、新たな印刷データ70(c)の設定属性を再印刷設定と見なす。この場合に、再印刷検知部13は、現用記憶部23に記憶された現在使用の印刷ファイルデータ81(c)と履歴記憶部22に記憶された過去使用の印刷ファイルデータ81(p)とを比較して、新たな印刷データ70(c)が過去の印刷データ70(p)と同じデータの印刷であるか否かを判定する(S120)。再印刷検知部13は、双方が一致する場合に、新たな印刷データ70(c)が過去の印刷データ70(p)と同じデータの印刷であると判定し、一方、双方が一致しない場合に、新たな印刷データ70(c)が過去の印刷データ70(p)と同じデータの印刷でないと判定する。
【0077】
S120の判定で、新たな印刷データ70(c)が過去の印刷データ70(p)と同じデータの印刷でないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S135に進む。したがって、現在使用している印刷ファイルデータ81(c)と過去に使用した印刷ファイルデータ81(p)とが一致しない場合に、処理は、S120の判定で“No”となって、S135に進む。
【0078】
一方、S120の判定で、新たな印刷データ70(c)が過去の印刷データ70(p)と同じデータの印刷であると判定された場合(“Yes”の場合)に、再印刷検知部13は、現用記憶部23に記憶された新たな印刷データ70(c)の印刷設定データ72と、印刷指示履歴データ80に記憶された過去の印刷データ70(p)の印刷設定データ72とを比較し、新たな印刷データ70(c)の印刷設定データ72と過去の印刷データ70(p)の印刷設定データ72との間に不一致があるか否かを判定する(S125)。
【0079】
S125の判定で、双方の間に不一致がある場合(“Yes”の場合)に、再印刷検知部13は、新たな印刷データ70(c)の設定属性を再印刷設定と見なす。この場合に、印刷データ作成部12は、主制御部11の指示により、現用記憶部23に記憶されている新たな印刷データ70(c)の設定属性識別データ73の値を、設定属性が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)に変更する(S130)。
【0080】
一方、S125の判定で、双方の間に不一致がない場合(“No”の場合)に、再印刷検知部13は、新たな印刷データ70(c)の設定属性を推奨設定と見なす。この場合に、処理は、S135に進む。
ただし、S125の判定で、双方の間に不一致がある場合(“Yes”の場合)であっても、双方の内容が印刷部数のみ違う場合には、印刷設定に問題がなく、印刷部数が足りないだけである可能性が高い。そのため、この場合に、再印刷検知部13は、新たな印刷データ70(c)の設定属性を推奨設定と見なす。したがって、この場合に、処理は、S135に進む。
【0081】
S130の後、又は、S115、S120、S125のいずれかの判定で“No”の場合に、主制御部11は、現用記憶部23に記憶された印刷データ70をプリンタ2に送信する(S135)。
【0082】
S135の後、PC1は、主制御部11の指示により、記憶制御部14が、記憶部20のデータを更新する(S140)。このとき、記憶制御部14は、現用記憶部23に記憶された印刷データ70を消去し、代わりに、現用記憶部23に記憶された現在使用の印刷ファイルデータ81(c)を過去使用の印刷ファイルデータ81(p)とし、印刷データ70の印刷設定データ72を印刷設定データ82とし、これら過去使用の印刷ファイルデータ81(p)及び印刷設定データ82と更新日時データ83とを、送信した印刷データ70の履歴を表す印刷指示履歴データ80(図3参照)として履歴記憶部22に記憶する。なお、このとき、記憶制御部14は、印刷ファイルデータ81の代わりに、印刷データ70の作成で使用された印刷ファイルデータ81を特定するファイルパス等のデータを記憶するようにしてもよい。
PC1は、S140の処理を行うことにより、一連の動作を終了する。
【0083】
(画像形成装置の印刷時の動作)
図7は、プリンタ2の印刷時の動作を示している。プリンタ2は、PC1から印刷データ70を受信することによって、動作を開始する。
【0084】
なお、プリンタ2は、印刷データ70が第1の印刷データ70aである場合に、S205、S210、S220、S225、S250の順に動作する。
【0085】
また、プリンタ2は、印刷データ70が第2の印刷データ70bである場合に、S205、S210、S215、S250の順に動作する。
【0086】
また、プリンタ2は、印刷データ70が第3の印刷データ70cであり、かつ、その設定属性識別データ73の値が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)である場合に、印刷データ70が第2の印刷データ70bである場合と同様に、S205、S210、S215、S250の順に動作する。
【0087】
また、プリンタ2は、印刷データ70が第3の印刷データ70cであり、かつ、その設定属性識別データ73の値が推奨印刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)である場合に、S205、S210、S220、S225、S230、S235、S240、S210、S215、S250の順、又は、S205、S210、S220、S225、S230、S235、S240、S245、S250の順、又は、S205、S210、S220、S225、S250の順に動作する。
【0088】
図7に示すように、プリンタ2は、PC1から印刷データ70を受信する(S205)と、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、受信された印刷データ70を記憶部50の図示せぬ記憶領域に記憶させる。この後、プリンタ2は、主制御部41の指示により、再印刷判定部42が、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)であるか否かを判定する(S210)。
【0089】
S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)であると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理は、S215に進み、一方、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定とは異なる値でない(例えば、値「0」)であると判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S220に進む。
【0090】
なお、印刷データ70が第1の印刷データ70aである場合に、S210の判定は、“No”となり、その結果、処理は、S220に進む。また、印刷データ70が第2の印刷データ70bである場合に、S210の判定は、“Yes”となり、その結果、処理は、S215に進む。ここでは、まず、印刷データ70が第1の印刷データ70aである場合の処理を説明し、その後に、印刷データ70が第2の印刷データ70bである場合の処理を説明する。
【0091】
前記した通り、印刷データ70が第1の印刷データ70aである場合に、S210の判定は、“No”となる。
S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定とは異なる値(例えば、値「0」)であると判定された場合(“No”の場合)に、プリンタ2は、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、受信された印刷データ70の印刷設定データ72(図2参照)を印刷設定データ111(図4参照)とし、この印刷設定データ111と更新日時データ112(図4参照)とを、第1の印刷データ70aの印刷様式を表す一時記憶データ110(図4参照)として一時記憶部51に記憶させる(S220)。このとき、記憶制御部44は、過去の印刷データ70(p)の一時記憶データ110が一時記憶部51に既に記憶されている場合に、受信された印刷データ70の一時記憶データ110を上書きさせる。
【0092】
なお、ユーザは、印刷設定を誤った状態で印刷処理を指示した場合に、すぐに再印刷処理を指示する可能性が高い。そのため、記憶制御部44は、一時記憶部51に記憶された一時記憶データ110の更新日時データ112の日時から所定の時間(例えば、5分)経過しても、一時記憶データ110が更新されない場合に、該当する一時記憶データ110を消去してもよい。
【0093】
S220の後、プリンタ2は、主制御部41の指示により、再印刷判定部42が、同じ設定内容の推奨設定属性の設定記憶データ120が所定回数以上設定記憶部52に記憶されているか否かを判定する(S225)。この判定は、再印刷判定部42が、一時記憶部51に記憶された一時記憶データ110の印刷設定データ111と設定記憶部52に所定回数以上記憶された推奨設定属性の設定記憶データ120の印刷設定データ122とを比較し、一致するデータがあるか否かを判定することによって、行われる。
【0094】
S225の判定で、一致するデータがある場合に、再印刷判定部42は、同じ設定内容の推奨設定属性の設定記憶データ120が所定回数以上設定記憶部52に記憶されている(すなわち、“Yes”)と判定する。この場合に、再印刷判定部42は、受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なす。例えば、再印刷判定部42は、一時記憶部51に記憶された一時記憶データ110の印刷設定データ111と、設定記憶部52に推奨設定属性の設定記憶データ120の印刷設定データ122とが一致する場合で、かつ、設定記憶データ120の記憶回数データ124が所定回数(例えば、5回)以上である場合に、受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なす。この場合に、処理は、S230に進む。
【0095】
ただし、再印刷判定部42は、印刷設定の違いが印刷部数のみである場合に、受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なさない。例えば、再印刷判定部42は、受信された印刷データ70の印刷設定データ72が「片面、カラー、トナーセーブ、…」となっている場合で、かつ、図5に示すように、同じ設定内容の推奨設定の設定記憶データ120が設定記憶部52に既に記憶されている場合に、その推奨設定の設定記憶データ120の記憶回数データ124の回数(図示例では8回)が所定回数(5回)以上であれば、受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なす。
【0096】
一方、一致するデータがない場合に、再印刷判定部42は、同じ設定内容の推奨設定属性の設定記憶データ120が所定回数以上設定記憶部52に記憶されていない(すなわち、“No”)と判定する。この場合に、処理は、S250に進む。
【0097】
なお、印刷データ70が第1の印刷データ70aである場合に、S225の判定は、“No”となり、その結果、処理は、S250に進む。
S225の判定で、同じ設定内容の推奨設定属性の設定記憶データ120が所定回数以上設定記憶部52に記憶されていないと判定された場合(“No”の場合)に、プリンタ2は、主制御部41の指示により、印刷制御部45が、S205で受信された印刷データ70をラスタライズし、画像形成部61を駆動させて印刷処理を実行する(S250)。これにより、プリンタ2は、動作を終了する。
【0098】
前記した通り、印刷データ70が第2の印刷データ70bである場合に、S210の判定は、“Yes”となる。また、印刷データ70が第3の印刷データ70cであり、かつ、その設定属性識別データ73の値が再印刷設定であることを表す値(例えば、値「1」)である場合も、S210の判定は、“Yes”となる。
【0099】
S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)であると判定された場合(“Yes”の場合)に、プリンタ2は、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、受信された印刷データ70の印刷設定データ72(図2参照)を再印刷設定の設定記憶データ120(図5参照)の印刷設定データ122として設定記憶部52に記憶させるとともに、一時記憶部51に記憶された第1の印刷データ70aの印刷設定データ72(図2参照)を再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)として設定記憶部52に記憶させる(S215)。
【0100】
具体的には、記憶制御部44は、受信された印刷データ70に含まれる印刷設定データ72(図2参照)を、再印刷設定を示す印刷設定データ122(図5参照)とし、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73(図2参照)を設定属性データ121(図5参照)とし、これらの印刷設定データ122及び設定属性データ121と更新日時データ123及び記憶回数データ124とを、設定記憶データ120(図5参照)として、設定記憶部52に記憶させる。
【0101】
また、このとき、記憶制御部44は、一時記憶部51に記憶された第1の印刷データ70aに対応する一時記憶データ110の印刷設定データ111(図4参照)を印刷設定データ122(図5参照)とし、一時記憶データ110の設定属性である推奨設定を設定属性データ121(図5参照)とし、これらの印刷設定データ122及び設定属性データ121と更新日時データ123及び記憶回数データ124とを、再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)として設定記憶部52に記憶させる。
【0102】
なお、このとき、記憶制御部44は、設定記憶データ120として設定記憶部52に既に記憶されている設定属性データ121及び印刷設定データ122の組と、設定記憶データ120として設定記憶部52に今回記憶する設定属性データ121及び印刷設定データ122の組とを比較し、既に記憶されている組の中に今回記憶する組と一致する組が存在する場合に、記憶回数データ124の値をインクリメントし、一致する組が存在しない場合に、記憶回数データ124の値を「1」に設定する。
【0103】
また、記憶制御部44は、設定記憶部52に記憶された設定記憶データ120の中に、更新日時データ123の日時から所定の期間(例えば、1ヶ月)経過しても更新されない印刷データ70の設定記憶データ120が存在する場合に、該当する印刷データ70の設定記憶データ120を消去してもよい。
【0104】
S215の後、プリンタ2は、主制御部41の指示により、印刷制御部45が、S205で受信された印刷データ70をラスタライズし、画像形成部61を駆動させて印刷処理を実行する(S250)。これにより、プリンタ2は、動作を終了する。
【0105】
なお、印刷データ70が第3の印刷データ70cであり、かつ、その設定属性識別データ73の値が推奨印刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)である場合に、S225の判定で、同じ設定内容の推奨設定属性の設定記憶データ120が所定回数以上設定記憶部52に記憶されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、再印刷判定部42が、受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なす。
【0106】
この場合に、プリンタ2は、主制御部41の指示により、通知部43が、受信された印刷データ70が以前に再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120と同じ設定内容になっていることをユーザに警告するために、受信された印刷データ70の印刷設定の異常を警告する警告通知データをPC1に送信する(S230)。
【0107】
このとき、通知部43は、PC1が印刷設定の好適な設定変更例をユーザに提示することができるように、警告通知データとして、設定記憶部52に記憶されている再印刷設定の設定記憶データ120(すなわち、図5に示す設定属性データ121の値が再印刷設定の値となっている設定記憶データ120)をPC1へ送信する。ただし、警告通知データとして送信する再印刷設定の設定記憶データ120は、図5に示す印刷設定データ122のみでもよい。
【0108】
なお、このとき、通知部43は、設定記憶部52に記憶されている再印刷設定の設定記憶データ120が複数ある場合に、記憶回数データ124(図5参照)が最も多い再印刷設定の設定記憶データ120を選択して、その再印刷設定の設定記憶データ120をPC1へ送信する。図5に示す例では、記憶回数データ124の回数が10回となっている1行目の印刷設定データ122が、選択される。
【0109】
また、このとき、PC1は、警告通知データとして、再印刷設定の設定記憶データ120を受信すると、主制御部11の指示により、表示制御部15が、再印刷設定の設定記憶データ120に対応する印刷様式を好適な印刷変更例とし、この好適な設定変更例への印刷設定の変更をユーザに促す警告画像を表示部31に表示させる。そのため、ユーザは、どのような設定変更が好ましいのかを判断することができ、好適な設定変更を容易に行うことができる。
【0110】
S230の後、プリンタ2は、主制御部41が、PC1から、警告通知データに対する応答データとして、印刷設定を変更するためのデータ(以下、「設定変更データ」と称する)及び印刷設定を維持するためのデータ(以下、「設定維持データ」と称する)のいずれか一方のデータが受信されたか否かを判定して、いずれか一方のデータが受信されるまで待機する(S235)。なお、設定変更データ及び設定維持データの構成については、後記する。
【0111】
S235の判定で、設定変更データ及び設定維持データのいずれか一方の応答データが受信されたと判定された場合(“Yes”の場合)に、プリンタ2は、主制御部41の指示により、再印刷判定部42が、受信された応答データに基づいて、印刷設定の変更があるのか否かを判定する(S240)。受信された応答データが設定変更データである場合に、再印刷判定部42は、印刷設定の変更があると判定する。一方、受信された応答データが設定維持データである場合に、再印刷判定部42は、印刷設定の変更がないと判定する。
【0112】
S240の判定で、印刷設定に変更がないと判定された場合(“No”の場合)に、S205で受信された印刷データ70が再印刷処理のデータでないため、プリンタ2は、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、設定記憶部52に記憶されている設定記憶データ120の中の、S225で印刷設定の変更が必要なデータと見なされた印刷データ70に対応する記憶回数データ124(図5参照)の回数を、所定回数未満の回数(例えば、3回)に減少させる(S245)。ここで、「所定回数」とは、受信された印刷データ70に対して、印刷設定の変更が必要なデータと見なすための閾値を意味している。
【0113】
なお、S245は、記憶回数データ124の回数を減少させる代わりに、設定記憶部52に記憶された設定記憶データ120の中の、S225で印刷設定の変更が必要なデータと見なされた印刷データ70に対応するデータを消去してもよい。
【0114】
S245の後、プリンタ2は、主制御部41の指示により、印刷制御部45が、S205で受信された印刷データ70をラスタライズし、画像形成部61を駆動させて印刷処理を実行する(S250)。これにより、プリンタ2は、動作を終了する。
【0115】
一方、S240の判定で、印刷設定に変更があると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理は、S210に戻る。その結果、プリンタ2は、S210以降の動作を再び実行する。ただし、この場合に、印刷データ70の印刷設定が変更されており、印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再設定印刷であることを表す値に変更されるため、処理は、S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)である(すなわち、“Yes”)と判定されることになる。その結果、S215、及びS250の処理を順に実行し、プリンタ2は、動作を終了する。
【0116】
(データ処理装置の警告通知データ受信時の動作)
図8は、PC1の警告通知データ受信時の動作を示している。PC1は、図7に示すS230でプリンタ2から送信された警告通知データを受信することによって、動作を開始する。
【0117】
図8に示すように、PC1は、プリンタ2から警告通知データとして再印刷設定の設定記憶データ120を受信する(S305)と、主制御部11の指示により、表示制御部15が、印刷データ70の印刷設定の異常を警告する警告画像(図9参照)を表示部31に表示させる(S310)。図9は、実施形態1に係るデータ処理装置の表示例を示す図である。図9は、警告画像の一例としての警告ウィンドウ36の構成を示している。
【0118】
なお、警告ウィンドウ36には、印刷データ70の印刷設定の異常を警告する文章と、「はい」のボタン36a及び「いいえ」のボタン36bとが表示されている。
ユーザは、印刷設定を変更する場合に、操作部32を操作して警告ウィンドウ36に表示された「はい」のボタン36aを選択し、一方、印刷設定を変更しない場合に、操作部32を操作して警告ウィンドウ36に表示された「いいえ」のボタン36bを選択する。
なお、警告ウィンドウ36は、「はい」のボタン36a及び「いいえ」のボタン36bのいずれか一方が選択されると、表示部31から消える。
【0119】
PC1は、主制御部11が、「はい」のボタン36a及び「いいえ」のボタン36bのいずれが選択されたのかを識別することにより、印刷設定を変更するか否かを判定する(S315)。
【0120】
S315の判定で、印刷設定を変更しない(すなわち、「いいえ」のボタン36bが選択された)と判定された場合(“No”の場合)に、主制御部11は、設定変更を終了する。この場合に、処理は、S335に進む。
【0121】
一方、S315の判定で、印刷設定を変更する(すなわち、「はい」のボタン36aが選択された)と判定された場合(“Yes”の場合)に、PC1は、主制御部11の指示により、表示制御部15が、プリンタ2から警告通知データとして受信された再印刷設定の設定記憶データ120に対応する印刷様式への設定変更をユーザに促す警告画像(図10参照)を表示部31に表示させる。図10は、実施形態1に係るデータ処理装置の表示例を示す図である。図10は、警告画像の一例としての設定変更ウィンドウ37の構成を示している。
【0122】
設定変更ウィンドウ37は、プリンタ2から受信された再印刷設定の設定記憶データ120に対応する印刷様式(以下、「受信再印刷設定」と称する)を好適な印刷変更例とし、この受信再印刷設定への設定変更をユーザに提示するための画像である。ユーザは、この設定変更ウィンドウ37を見ることにより、どのような設定変更が好ましいのかを判断することができ、容易に好適な設定変更を行うことができる。
【0123】
なお、設定変更ウィンドウ37には、受信再印刷設定に対応する印刷様式と、「はい」のボタン37a及び「いいえ」のボタン37bとが表示されている。
ユーザは、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式に変更する場合に、操作部32を使用して「はい」のボタン37aを選択する。PC1の主制御部11は、ユーザが「はい」のボタン37aを選択した場合に、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式(すなわち、設定変更ウィンドウ37に表示された印刷様式)に自動的に設定変更する。すなわち、PC1の主制御部11は、アプリケーションの印刷設定として受信再印刷設定に対応する印刷様式を記憶部20の汎用記憶部21に記憶する。
一方、ユーザは、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式に変更しない場合に、操作部32を使用して「いいえ」のボタン37bを選択する。この場合に、PC1の表示制御部15は、通常の印刷設定画面を表示部31に表示させる。
なお、設定変更ウィンドウ37は、「はい」のボタン37a及び「いいえ」のボタン37bのいずれか一方が選択されると、表示部31から消える。
【0124】
PC1は、主制御部11が、「はい」のボタン37a及び「いいえ」のボタン37bのいずれが選択されたのかを識別することにより、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式に変更するか否かを判定する(S320)。
【0125】
S320の判定で、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式に変更する(すなわち、「はい」のボタン37aが選択された)と判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部11は、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式に変更する(S325)。
【0126】
一方、S320の判定で、アプリケーションの印刷設定を受信再印刷設定に対応する印刷様式に変更しない(すなわち、「いいえ」のボタン37bが選択された)と判定された場合(“No”の場合)に、PC1は、主制御部11の指示により、表示制御部15が、通常の印刷設定画面が表示部31に表示させる。ユーザは、表示部31に表示された通常の印刷設定画面に基づいて、操作部32を操作して各項目を個々に再設定する。PC1は、主制御部11が、再設定された各項目を識別することにより、アプリケーションの印刷設定を個々に再設定する(S330)。
【0127】
S315の判定で“No”の場合、又は、S325の後、又は、S330の後に、PC1は、主制御部11が、印刷設定に設定変更があるか否かを判定する(S335)。
【0128】
S335の判定で、印刷設定に変更があると判定された場合(“Yes”の場合)に、PC1は、主制御部11の指示により、印刷データ作成部12が、更新用の印刷データ70として、設定変更データを作成する(S340)。
【0129】
この「設定変更データ」は、図6に示すS135でプリンタ2に送信した前回の印刷データ70(図2参照)と同様の形式のデータである。ただし、「設定変更データ」は、印刷設定データ72(図2参照)がS325又はS330で変更された印刷設定となっており、さらに、設定属性識別データ73(図2参照)が再印刷設定の値(例えば、値「1」)となっている。印刷データ作成部12は、例えば、前回の印刷データ70の作成で使用された汎用記憶部21に記憶されている印刷ファイルデータ81に基づいて、画像データ71(図2参照)を作成し、S325又はS330で変更された印刷設定に基づいて、印刷設定データ72(図2参照)を作成し、これらの画像データ71及び印刷設定データ72と設定属性識別データ73とを用いて、印刷データ70を作成する。
【0130】
一方、S335の判定で、印刷設定に変更がないと判定された場合(“No”の場合)に、PC1は、主制御部11の指示により、印刷データ作成部12が、設定維持データを作成する(S345)。
【0131】
この「設定維持データ」は、図6に示すS135でプリンタ2に送信した前回の印刷データ70(図2参照)と同じデータである。印刷データ作成部12は、前回の印刷データ70の作成で使用された汎用記憶部21に記憶されている印刷ファイルデータ81に基づいて、画像データ71(図2参照)を作成し、推奨設定の印刷設定に基づいて、印刷設定データ72(図2参照)を作成し、これらの画像データ71及び印刷設定データ72と、推奨設定の値となっている設定属性識別データ73とを用いて、印刷データ70を作成する。なお、「設定維持データ」は、図2に示す形式の印刷データ70の代わりに、アプリケーションの印刷設定を維持することを表すデータ(例えば、値「3」の設定属性識別データ73)であってもよい。
【0132】
S340の後、又は、S345の後に、PC1は、主制御部11が、S305で受信した警告通知データに対する応答データとして、S340で作成された設定変更データ又はS345で作成された設定維持データをプリンタ2に送信する(S350)。
【0133】
このように、画像形成システム100のプリンタ2は、PC1から受信された印刷データ70が再印刷処理を起こし得るデータである場合(具体的には、印刷データ70が第3の印刷データ70cであり、かつ、その設定属性識別データ73の値が推奨印刷設定であることを表す値(例えば、値「0」)である場合)に、再印刷判定部42がその印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なし、通知部43が、警告通知データとして、再印刷設定の設定記憶データ120をPC1に送信する。PC1は、これに応答して、再印刷設定の設定記憶データ120に基づいて、再印刷設定の設定記憶データ120に対応する印刷様式への設定変更をユーザに促す画像を表示部31に表示する。これにより、画像形成システム100は、印刷設定の設定ミスによる不適切な印刷処理の実行を抑制するため、印刷紙や、トナー、インク等の消耗品の無駄な消耗を防止することができる。
【0134】
また、プリンタ2は、再印刷判定部42が印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なさない限り、印刷制御部45が印刷データ70に基づく印刷処理を実行する。これにより、画像形成システム100は、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、表示部に表示される不必要な警告画像の表示頻度を低減することができる。
【0135】
以上の通り、本実施形態1に係るプリンタ2によれば、ユーザが望んだ印刷指示であるにも関わらず、表示部に表示される不必要な警告画像の表示頻度を低減することができる。
また、本実施形態1に係るPC1によれば、印刷設定の好適な設定変更例をユーザに提示することができる。
【0136】
[実施形態2]
本実施形態2は、複数台のPC1で1台のプリンタ2を共用する場合に、あるユーザAのPC1から送信された印刷データ70に対応する一時記憶データ110及び設定記憶データ120が、他のユーザBのPC1から送信された印刷データ70に対応する一時記憶データ110及び設定記憶データ120に上書きされないようにするためのものである。以下、本実施形態2に係るPC1及びプリンタ2を他の実施形態のPC1及びプリンタ2と区別する場合に、それぞれ、「PC1B」及び「プリンタ2B」と称する。
【0137】
本実施形態2に係るPC1B及びプリンタ2Bの構成自体は、実施形態1に係るPC1A及びプリンタ2Aの構成と同じである。
ただし、本実施形態2に係るPC1Bは、実施形態1に係るPC1Aと比較すると、印刷データ作成部12が、図11に示す印刷データ70Bを作成する点で相違している。図11は、実施形態2で用いられる印刷データの構成を示す図である。図11に示すように、印刷データ70Bは、実施形態1で用いられている印刷データ70Aと比較すると、PC識別データ74を含む点で相違している。PC識別データ74は、複数台のPC1Bの中から、各PC1を識別するためのデータである。
【0138】
また、本実施形態2に係るプリンタ2Bは、実施形態1に係るプリンタ2Aと比較すると、記憶制御部44が、図12に示す一時記憶データ110Bを一時記憶部51に記憶させる点、及び、図13に示す設定記憶データ120Bを設定記憶部52に記憶させる点で相違している。なお、プリンタ2Bは、ネットワーク3上に2台以上設置されていてもよい。
【0139】
図12は、実施形態2で用いられる一時記憶データの構成を示す図である。図12に示すように、一時記憶データ110Bは、実施形態1で用いられている一時記憶データ110A(図4参照)と比較すると、図11に示すPC識別データ74に対応するPC識別データ110aを含む点、及び、各PC1Bに対応して印刷設定データ111を含む点で相違している。
【0140】
図13は、実施形態2で用いられる設定記憶データの構成を示す図である。図13に示すように、設定記憶データ120Bは、実施形態1で用いられている設定記憶データ120A(図5参照)と比較すると、図11に示すPC識別データ74に対応するPC識別データ120aを含む点、及び、各PC1Bに対応して印刷設定データ122を含んでいる点で相違している。
【0141】
以下、図14及び図15を参照して、本実施形態2の動作につき説明する。図14及び図15は、それぞれ、実施形態2に係る画像形成システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、実施形態2の動作について、実施形態1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1と同様の動作(図6及び図7参照)については、前記した実施形態1の動作をこの実施形態2の動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
【0142】
図14は、本実施形態2に係るPC1Bの印刷データ70の作成時の動作を示している。
図14に示すように、本実施形態2に係るPC1Bの動作は、図6に示す実施形態1に係るPC1Aの動作に対して、S110の代わりに、S110Aの処理を行う点で相違している。
【0143】
本実施形態2のS110Aの処理は、実施形態1のS110の処理と比較すると、S110bとS110cとの間で、S111の処理を行う点で相違している。
すなわち、本実施形態2のPC1Bは、印刷データ70B(図11参照)を作成するに際して、印刷データ作成部12が、PC識別データ74(図11参照)を作成する(S111)。
【0144】
具体的には、本実施形態2のPC1Bは、S105でユーザからの印刷要求を受け付けると、主制御部11の指示により、印刷データ作成部12Bが、S110aで印刷ファイルに基づいて画像データ71を作成し、S110bでアプリケーションの印刷設定に基づいて印刷設定データ72を作成し、S111で例えばMACアドレス等のPC1Bを識別できるデータに基づいてPC識別データ74を作成し、さらに、S110cで設定属性識別データ73を作成し、これらの画像データ71、印刷設定データ72、PC識別データ74、及び、設定属性識別データ73を用いて、印刷データ70を作成し、作成した印刷データ70を現用記憶部23に記憶する。
【0145】
図15は、本実施形態2に係るプリンタ2Bの印刷時の動作を示している。
図15に示すように、本実施形態2に係るプリンタ2Bの動作は、図7に示す実施形態1に係るプリンタ2Aの動作に対して、S215の代わりに、S216及びS217の処理、並びに、S220の代わりに、S221及びS222の処理を行う点を行う点で相違している。
【0146】
すなわち、本実施形態2のプリンタ2Bは、S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)であると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部41の指示により、再印刷判定部42が、受信された印刷データ70B(図11参照)のPC識別データ74を識別する(S216)。
【0147】
そして、プリンタ2Bは、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、受信された印刷データ70Bの印刷設定データ72(図11参照)を再印刷設定の設定記憶データ120B(図13参照)の印刷設定データ122として設定記憶部52に記憶させるとともに、一時記憶部51に記憶された第1の印刷データ70aの印刷設定データ72(図11参照)を再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120B(図13参照)として設定記憶部52に記憶させる(S217)。
【0148】
具体的には、記憶制御部44は、受信された印刷データ70Bの印刷設定データ72(図11参照)を再印刷設定の設定記憶データ120B(図13参照)の印刷設定データ122とし、受信された印刷データ70Bの設定属性識別データ73(図11参照)を設定属性データ121(図13参照)とし、印刷データ70BのPC識別データ74(図11参照)をPC識別データ110a(図13参照)とし、識別されたPC識別データ74に基づいて、PC毎に、これらの印刷設定データ122、設定属性データ121及びPC識別データ110aと更新日時データ123及び記憶回数データ124とを、設定記憶データ120B(図13参照)として、設定記憶部52に記憶させる。
【0149】
また、このとき、記憶制御部44は、一時記憶部51に記憶された、第1の印刷データ70aに対応する一時記憶データ110Bの印刷設定データ111(図12参照)を印刷設定データ122(図13参照)とし、一時記憶データ110Bの設定属性である推奨設定を設定属性データ121(図13参照)とし、一時記憶データ110BのPC識別データ110a(図11参照)をPC識別データ120a(図13参照)とし、PC識別データ110aに基づいて、PC1B毎に、これらの印刷設定データ122、設定属性データ121及びPC識別データ120aと更新日時データ123及び記憶回数データ124とを、再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120B(図13参照)として設定記憶部52に記憶させる。
【0150】
なお、このとき、記憶制御部44は、設定記憶部52に既に記憶されている設定記憶データ120B(p)と、設定記憶部52に新たに記憶させる設定記憶データ120B(c)とを比較する。ここで、設定記憶データ120B(p)及び設定記憶データ120B(c)は、各々、PC識別データ120a、設定属性データ121、及び、印刷設定データ122の組からなっているものとする。
【0151】
設定記憶データ120B(c)と一致する設定記憶データ120B(p)が設定記憶部52内に存在する場合に、記憶制御部44は、記憶回数データ124の値をインクリメントさせる。一方、存在しない場合に、記憶制御部44は、記憶回数データ124の値を「1」に設定する。
【0152】
また、記憶制御部44は、設定記憶部52に記憶された設定記憶データ120Bの中に、更新日時データ123の日時から所定の期間(例えば、1ヶ月)経過しても更新されない印刷データ70Bの設定記憶データ120Bが存在する場合に、該当する印刷データ70Bの設定記憶データ120Bを消去してもよい。
【0153】
また、本実施形態2のプリンタ2Bは、S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定とは異なる値(例えば、値「0」)であると判定された場合(“No”の場合)に、主制御部41の指示により、再印刷判定部42が、受信された印刷データ70B(図11参照)のPC識別データ74を識別する(S221)。
【0154】
そして、プリンタ2Bは、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、識別されたPC識別データ74に基づいて、PC毎に一時記憶データ110B(図12参照)を一時記憶部51に記憶させる(S222)。
【0155】
具体的には、記憶制御部44は、印刷データ70Bの印刷設定データ72(図12参照)を印刷設定データ111(図13参照)とし、印刷データ70BのPC識別データ74(図12参照)をPC識別データ110a(図13参照)とし、これらの印刷設定データ111及びPC識別データ110aと更新日時データ112(図12参照)とを、一時記憶データ110B(図12参照)として一時記憶部51に記憶させる。このとき、記憶制御部44は、過去の印刷データ70B(p)の一時記憶データ110Bが一時記憶部51に既に記憶されている場合に、一時記憶部51に記憶されている過去の印刷データ70B(p)のPC識別データ110aと受信された印刷データ70BのPC識別データ74とを比較する。記憶制御部44は、PC識別データ110aとPC識別データ74とが一致する場合に、一時記憶部51に記憶されている一時記憶データ110Bの印刷設定データ111と更新日時データ112とを更新し、一致しない場合に、受信された印刷データ70Bに対応する印刷設定データ111、PC識別データ110a、更新日時データ112を新たに一時記憶部51に記憶する。
【0156】
なお、ユーザは、印刷設定を誤った状態で印刷処理を指示した場合に、すぐに再印刷処理を指示する可能性が高い。そのため、記憶制御部44は、一時記憶部51に記憶された一時記憶データ110Bの更新日時データ112の日時から所定の時間(例えば、5分)経過しても、一時記憶データ110Bが更新されない場合に、一時記憶データ110Bを消去してもよい。
【0157】
以上の通り、本実施形態2に係るプリンタ2Bによれば、PC1B毎に一時記憶データ110B及び設定記憶データ120Bを記憶することで、あるユーザAのPC1Bから送信された印刷データ70Bに対応する一時記憶データ110B及び設定記憶データ120Bが、他のユーザBのPC1Bから送信された印刷データ70Bに対応する一時記憶データ110B及び設定記憶データ120Bに上書きされないようにすることができる。
【0158】
そのため、本実施形態2に係るプリンタ2Bによれば、例えば、あるユーザAが印刷設定の誤った状態で印刷データ70Bをプリンタ2Bに送信し、ユーザAが再印刷処理を指示する前に、他のユーザBが印刷データ70Bをプリンタ2Bに送信し、その後に、ユーザAが印刷設定を変更して新たな印刷データ70Bをプリンタ2Bに送信する場合に、あるユーザAの一時記憶データ110B及び設定記憶データ120Bが他のユーザBの一時記憶データ110B及び設定記憶データ120Bに上書きされないため、他のユーザBの印刷設定がユーザAの再印刷設定として記憶されずに、ユーザAの再印刷設定が反映されなくなるのを防ぐことができる。
【0159】
[実施形態3]
本実施形態3に係るプリンタ2は、再印刷判定部42が受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、受信された印刷データ70に対応する、変更回数が最も多い再印刷設定の設定記憶データ120を、好適な設定変更例としてユーザに提示するためのものである。以下、本実施形態3に係るプリンタ2を他の実施形態のプリンタ2と区別する場合に、「プリンタ2C」と称する。
【0160】
本実施形態3に係るプリンタ2Cの構成自体は、実施形態1に係るプリンタ2Aの構成と同じである。
ただし、本実施形態3に係るプリンタ2Cは、実施形態1に係るプリンタ2Aと比較すると、記憶制御部44が、図16に示す設定記憶データ120C及び図17に示す変更回数データ130を設定記憶部52に記憶させる点で相違している。なお、プリンタ2Cは、ネットワーク3上に2台以上設置されていてもよい。
【0161】
図16は、実施形態3で用いられる設定記憶データの構成を示す図である。図16に示すように、設定記憶データ120Cは、実施形態1で用いられている設定記憶データ120Aと比較すると、設定番号データ120cを含む点で相違している。設定番号データ120cは、設定記憶部52に記憶された設定記憶データ120c毎に付された番号を表すデータである。ここでは、設定番号データ120cは、設定記憶部52に記憶された設定記憶データ120cの記憶された順番の番号を表しているものとする。
【0162】
図17は、実施形態3で用いられる変更回数データの構成を示す図である。変更回数データ130は、推奨設定から再印刷設定に変更された回数を表すデータである。変更回数データ130は、推奨設定毎に、推奨設定とその推奨設定から変更された再印刷設定とを対応付けて表している。図17に示すように、変更回数データ130は、推奨設定番号データ131、再印刷設定番号データ132、及び、設定変更回数データ133を含んでいる。なお、変更回数データ130の1行目は、各列を説明するために便宜的に付した項目であり、設定記憶部52に記憶されるデータではない。
【0163】
推奨設定番号データ131は、設定記憶データ120C(図16参照)の中の、推奨設定の設定番号データ120c(すなわち、設定属性データ121の値が推奨設定の値となっている設定番号データ120c)に対応する番号を表すデータである。
再印刷設定番号データ132は、設定記憶データ120C(図16参照)の中の、再印刷設定の設定番号データ120c(すなわち、設定属性データ121の値が再印刷設定の値となっている設定番号データ120c)に対応する番号を表すデータである。
設定変更回数データ133は、推奨設定毎に、推奨設定番号データ131に対応する印刷設定データ122が再印刷設定番号データ132に対応する印刷設定データ122に変更された回数を表すデータである。
【0164】
以下、図18を参照して、本実施形態3に係るプリンタ2Cの動作につき説明する。図18は、実施形態3に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、実施形態3の動作について、実施形態1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1と同様の動作(図7参照)については、前記した実施形態1の動作をこの実施形態3の動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
【0165】
図18は、本実施形態3に係るプリンタ2Cの印刷時の動作を示している。
図18に示すように、本実施形態3に係るプリンタ2Cの動作は、図7に示す実施形態1に係るプリンタ2Aの動作に対して、S215の代わりに、S218の処理を行う点、及び、S230の代わりに、S231の処理を行う点で相違している。
【0166】
すなわち、本実施形態3のプリンタ2Cは、S210の判定で、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73の値が再印刷設定の値(例えば、値「1」)であると判定された場合(“Yes”の場合)に、主制御部41の指示により、記憶制御部44が、受信された印刷データ70の印刷設定データ72(図2参照)を再印刷設定の設定記憶データ120(図5参照)の印刷設定データ122として設定記憶部52に記憶させ、一時記憶部51に記憶された第1の印刷データ70aの印刷設定データ72(図2参照)を再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)として設定記憶部52に記憶させ、さらに、設定記憶部52に記憶されている変更回数データ130(図17参照)を更新する(S218)。
【0167】
具体的には、記憶制御部44は、受信された印刷データ70の印刷設定データ72(図2参照)を再印刷設定の印刷設定データ122(図5参照)の印刷設定データ122とし、受信された印刷データ70の設定属性識別データ73(図2参照)を設定属性データ121(図5参照)とし、これらの印刷設定データ122及び設定属性データ121と更新日時データ123及び記憶回数データ124とを、設定記憶データ120(図5参照)として、設定記憶部52に記憶させる。
【0168】
また、このとき、記憶制御部44は、一時記憶部51に記憶された第1の印刷データ70aに対応する一時記憶データ110の印刷設定データ111(図4参照)を印刷設定データ122(図5参照)とし、一時記憶データ110の設定属性である推奨設定を設定属性データ121(図5参照)とし、これらの印刷設定データ122及び設定属性データ121と更新日時データ123及び記憶回数データ124とを、再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データ120(図5参照)として設定記憶部52に記憶させる。
【0169】
さらに、このとき、記憶制御部44は、設定記憶部52に記憶されている変更回数データ130(図17参照)の受信された印刷データ70に対応する変更回数データ130(図17参照)の設定変更回数データ133の値をインクリメントする。なお、受信された印刷データ70に対応する設定変更回数データ133がない場合に、記憶制御部44は、記憶回数データ124の値を「1」とする、設定受信された印刷データ70に対応する設定変更回数データ133を作成して、設定記憶部52に記憶させる。
【0170】
なお、記憶制御部44は、設定記憶部52に記憶された設定記憶データ120Cの中に、更新日時データ123の日時から所定の期間(例えば、1ヶ月)経過しても、更新されない印刷データ70の設定記憶データ120Cが存在する場合に、該当する印刷データ70の設定記憶データ120Cを消去してもよい。
【0171】
また、本実施形態3のプリンタ2Cは、S225の判定で、同じ設定内容の推奨設定属性の設定記憶データ120が所定回数以上設定記憶部52に記憶されていると判定された場合(すなわち、“Yes”の場合)に、再印刷判定部42は、受信された印刷データ70を印刷設定の変更が必要なデータと見なす。この場合に、プリンタ2Cは、主制御部41の指示により、通知部43が、警告通知データとして、最多変更の再印刷設定の設定記憶データ120C(図16参照)をPC1に送信する(S231)。
【0172】
例えば、図16及び図17に示す例において、再印刷判定部42が、S225の判定に際して、受信された印刷データ70の印刷設定として、設定番号データ120cの値「3」に該当する印刷設定を検知したとする。この場合に、S231で、まず、主制御部41が、推奨設定番号データ131の値が「3」となっていて、かつ、設定変更回数データ133の回数が最多となっている再印刷設定番号データ132の値を特定する。例えば、図17に示す例では、再印刷設定番号データ132の値として「1」を特定する。この後、通知部43が、主制御部41の指示により、警告通知データとして、図16に示す設定番号データ120cの値が「1」となっている設定記憶データ120CをPC1に送信する。PC1は、警告通知データとして、最多変更の再印刷設定の設定記憶データ120Cを受信すると、表示制御部15が、最多変更の再印刷設定の設定記憶データ120に対応する印刷様式を好適な印刷変更例とし、この好適な設定変更例への印刷設定の変更をユーザに促す警告画像を表示部31に表示させる。そのため、ユーザは、最も好ましい設定変更例を認識することができ、実施形態1よりもさらに好適な設定変更を容易に行うことができる。
【0173】
以上の通り、本実施形態3に係るプリンタ2Cによれば、設定記憶データ120C及び変更回数データ130を設定記憶部52に記憶しておき、通知部43が、警告通知データとして、受信された印刷データ70の印刷設定に対応する最多変更回数の再印刷設定の設定記憶データ120CをPC1に送信するため、最も好ましい設定変更例をユーザに提示することができ、これにより、実施形態1よりもさらに好適な設定変更を容易に行わせることができる。
【0174】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、各実施形態では画像形成装置をプリンタとして説明したが、MFPにも適用可能である。また、各実施形態ではデータ処理装置をパーソナルコンピュータ(PC)として説明したが、ワークステーションやサーバにも適用可能である。
また、例えば、実施形態2のプリンタ2Bは、実施形態3のプリンタ2Cのように、設定記憶データ120C(ただし、PC識別データ120aを付加した構成のもの)と変更回数データ130とを設定記憶部52に記憶し、各PC1Bに対応して実施形態3のプリンタ2Cと同様の動作を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0175】
1(1A,1B) データ処理装置(PC)
2(2A,2B,2C) 画像形成装置(プリンタ)
4 記憶媒体
5 制御プログラム
10,40 制御部
11,41 主制御部
12 印刷データ作成部
13 再印刷検知部
14,44 記憶制御部
15 表示制御部
20,50 記憶部
21 汎用記憶部
22 履歴記憶部
23 現用記憶部
31 表示部
32 操作部
42 再印刷判定部
43 通知部
45 印刷制御部
51 一時記憶部
52 設定記憶部
100 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置から受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する画像形成装置において、
設定属性を表す設定属性識別データを含む前記印刷データに基づいて、印刷処理を実行する画像形成部と、
データが一時的に記憶される一時記憶部と、
データが持続的に記憶される設定記憶部と、
前記設定属性識別データの値が再印刷設定の値と異なる値となっている前記印刷データを第1の印刷データとし、前記データ処理装置から当該第1の印刷データを受信した場合に、当該第1の印刷データの印刷様式を表す印刷設定データを前記一時記憶部に記憶させる一時記憶制御部と、
前記設定属性識別データの値が再印刷設定の値となっている前記印刷データを第2の印刷データとし、前記データ処理装置から当該第2の印刷データを受信した場合に、当該第2の印刷データの印刷設定データを再印刷設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させるとともに、前記一時記憶部に記憶された前記第1の印刷データの印刷設定データを再印刷に設定変更された推奨設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させる設定記憶制御部と、
前記設定属性識別データの値に基づいて前記印刷データの設定属性が再印刷設定であるか否かを判定する再印刷判定部であって、前記データ処理装置から前記第2の印刷データの後に受信される第3の印刷データの前記設定属性識別データの値として再印刷設定の値とは異なる値が設定されている場合で、かつ、当該第3の印刷データの印刷設定データが前記設定記憶部に所定回数以上記憶された前記推奨設定の設定記憶データと同じ設定内容である場合に、当該第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なす前記再印刷判定部と、
前記再印刷判定部が前記第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なさない限り、前記印刷データに基づく印刷処理を実行する印刷制御部と、
前記再印刷判定部が前記第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、前記第3の印刷データの印刷設定の異常を警告する警告通知データを前記データ処理装置に送信する通知部とを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記設定記憶制御部は、前記推奨設定の設定記憶データを前記設定記憶部に記憶させる度に、前記推奨設定の設定記憶データと対応付けて、記憶回数データを前記設定記憶部に記憶させ、
前記再印刷判定部は、前記第3の印刷データの設定属性の判定に際して、前記設定記憶部に記憶された前記記憶回数データに基づいて、前記推奨設定の設定記憶データの前記設定記憶部への記憶回数を識別する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、
前記通知部は、前記警告通知データとして、前記設定記憶部に記憶された前記再印刷設定の設定記憶データを前記データ処理装置に送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定記憶制御部は、前記データ処理装置から、前記警告通知データの応答データとして、再印刷設定の値が設定された前記設定属性識別データを含んでいる設定変更の印刷データを受信した場合で、かつ、前記再印刷判定部が、当該設定変更の印刷データを前記第2の印刷データと見なした場合に、前記第2の印刷データに相当する当該設定変更の印刷データの印刷設定データを前記再印刷設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記再印刷判定部は、前記データ処理装置から、前記警告通知データの応答データとして、再印刷設定の値とは異なる値が設定された前記設定属性識別データを含んでいる設定維持の印刷データを受信した場合に、前記設定記憶部に記憶された前記推奨設定の設定記憶データを削除することによって、前記通知部による前記警告通知データの前記データ処理装置への送信を調整する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定記憶制御部は、前記推奨設定の設定記憶データを前記設定記憶部に記憶させる度に、前記推奨設定の設定記憶データと対応付けて、記憶回数データを前記設定記憶部に記憶させ、
前記再印刷判定部は、前記データ処理装置から、前記警告通知データの応答データとして、再印刷設定の値とは異なる値が設定された前記設定属性識別データを含んでいる設定維持の印刷データを受信した場合に、前記設定記憶部に記憶された記憶回数の値を減算することによって、前記通知部による前記警告通知データの前記データ処理装置への送信を調整する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定記憶制御部は、前記再印刷設定の設定記憶データを前記設定記憶部に記憶させる度に、前記再印刷設定の設定記憶データと対応付けて、記憶回数データを前記設定記憶部に記憶させ、
前記通知部は、前記再印刷判定部が前記第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、前記警告通知データとして、前記設定記憶部に記憶された、前記記憶回数データの値が最多となっている前記再印刷設定の設定記憶データを前記データ処理装置に送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記データ処理装置が複数台存在し、かつ、前記データ処理装置を識別するデータ処理装置識別データが前記印刷データに含まれている場合に、
前記一時記憶制御部は、前記データ処理装置識別データによって識別される前記データ処理装置毎に、前記第1の印刷データの印刷設定データを前記一時記憶部に記憶させ、
前記設定記憶制御部は、前記データ処理装置識別データによって識別される前記データ処理装置毎に、前記第2の印刷データの印刷設定データを前記再印刷設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させるとともに、前記一時記憶部に記憶された前記第1の印刷データの印刷設定データを前記推奨設定の設定記憶データとして前記設定記憶部に記憶させ、
前記再印刷判定部は、前記データ処理装置識別データによって識別される前記データ処理装置毎に、前記第3の印刷データに含まれている印刷設定データと、前記設定記憶部に記憶された前記推奨設定の設定記憶データとを比較することによって、前記第3の印刷データの印刷設定データが前記推奨設定の設定記憶データと同じ設定内容であるか否かを判定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定記憶制御部は、さらに、前記推奨設定の設定記憶データ毎に、前記推奨設定の設定記憶データに対応する前記再印刷設定の設定記憶データの変更回数を表す変更回数データを前記設定記憶部に記憶させ、
前記通知部は、前記再印刷判定部が前記第3の印刷データを印刷設定の変更が必要なデータと見なした場合に、前記警告通知データとして、前記設定記憶部に記憶された、前記変更回数データの値が最多となっている、前記推奨設定の設定記憶データに対応する前記再印刷設定の設定記憶データを、前記データ処理装置に送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記一時記憶制御部は、所定期間以上前記一時記憶部に記憶されている前記第1の印刷データの印刷設定データを消去させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記設定記憶制御部は、所定期間以上前記設定記憶部に記憶されている前記再印刷設定の設定記憶データを消去させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置に印刷データを送信するデータ処理装置において、
ユーザからの印刷要求によって指定された印刷ファイルに基づいて印刷データを作成する印刷データ作成部と、
表示部と、
前記画像形成装置から、前記印刷データの印刷設定の異常を警告する警告通知データとして、再印刷設定の設定記憶データを受信した場合に、当該再印刷設定の設定記憶データに対応する印刷様式への印刷設定の変更をユーザに促す警告画像を前記表示部に表示させる表示制御部とを有する
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載のデータ処理装置において、
さらに、各種のデータが記憶される記憶部と、
過去の印刷データの作成で使用された過去使用の印刷ファイルを前記記憶部に記憶させる履歴記憶制御部と、
前記記憶部に記憶された前記過去使用の印刷ファイルとユーザからの新たな印刷要求に従って行われる新たな印刷データの作成で使用される現在使用の印刷ファイルとを比較し、前記過去使用の印刷ファイルと当該現在使用の印刷ファイルとが一致する場合に、当該新たな印刷データの設定属性を再印刷設定として検知する再印刷検知部とを有し、
前記印刷データ作成部は、前記再印刷検知部が再印刷設定を検知した場合に、設定属性を表す設定属性識別データとして、再印刷設定の値を設定し、当該設定属性識別データを使用して前記新たな印刷データを作成する
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載のデータ処理装置において、
前記履歴記憶制御部は、前記過去使用の印刷ファイルの前記記憶部への記憶に際して、前記過去使用の印刷ファイルと対応付けて、前記過去の印刷データの印刷設定データを前記記憶部に記憶させ、
前記再印刷検知部は、前記記憶部に記憶された前記過去の印刷データの印刷設定データと前記新たな印刷データの印刷設定データとを比較し、前記過去の印刷データの印刷設定データと前記新たな印刷データの印刷設定データとが一致する場合、又は、前記過去の印刷データの印刷設定データと前記新たな印刷データの印刷設定データとが不一致であっても、その違いが印刷部数のみである場合に、前記新たな印刷データの設定属性を再印刷設定として検知する
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載のデータ処理装置において、
前記履歴記憶制御部は、所定期間以上前記記憶部に記憶されている前記過去使用の印刷ファイルを消去する
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項16】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像形成装置と、
請求項12乃至請求項15のいずれか一項に記載のデータ処理装置とを有する
ことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−152728(P2011−152728A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16261(P2010−16261)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】