説明

画像形成装置、プログラムおよび記録媒体

【課題】画像形成装置が取得している環境情報を、リサイクル性を損なうことなくユーザに提示すること
【解決手段】画像形成装置は、操作を受け付ける操作受付部121と、表示部を制御する表示制御部131と、を備え、表示制御部131は、操作受付部121がジョブに対応する指示を受け付けない所定のタイミングにおいて、少なくとも当該画像形成装置が取得している環境情報141を表示させる。また、画像形成装置は、電源のONまたはOFFを検出する電源ON/OFF検出部123をさらに備え、表示制御部131は、電源ON/OFF検出部123により電源のONが検出された後のウォーミングアップ中に少なくとも環境情報141を表示させる。さらに、画像形成装置は、通常モードおよび省電力モードのいずれかのモードに切換え可能であり、表示制御部131は、省電力モードからの復帰動作中に少なくとも環境情報141を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会づくりの一環として、商品およびサービスのライフサイクル全体(原料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出される温室効果ガスを二酸化炭素の量に換算し、表示するカーボンフットプリント制度が注目されている。画像形成装置においても、原料の調達の段階、生産の段階、流通の段階、使用・維持の段階、廃棄・リサイクルの段階において多くの温室効果ガスが排出される。このため、画像形成装置においても、温室効果ガスの排出を抑えた取り組みが行われている。
【0003】
また、温室効果ガスの排出を抑えた製品である場合、そのことを証明する情報(以下、環境情報)として、環境に配慮して製造された製品であることを示すラベルを製品に貼り付ける取り組みが行われている。
【0004】
環境情報としては、例えば、グリーン購入法に適合していることを示す情報や、環境に対する様々な影響をライフサイクル全体に亘って考慮して環境の保全に資する商品であることを示す情報、グリーン購入ネットワークの購入ガイドラインに基づく、データベースに登録のある製品であることを示す情報など、多数ある。詳細については、後記する本発明の実施の形態の説明において述べる。
【0005】
また、特許文献1には、画像データであるサービスマニュアルを操作パネルに表示する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−34636号公報(2010年2月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記したように、環境情報は多数の種類があり、これからも増え続けることは容易に想定される。そして、環境に配慮した製品であることをアピールするためには、より多くの種類の環境情報のラベルを取得して、製品に貼り付けることが望ましい。
【0008】
しかしながら、ラベルを製品に貼り付ける場合、年数の経過によりラベルが剥がれてしまうといった問題がある。また、ラベルは製品リサイクルの妨げになるため、リサイクル時にはラベルを剥がす必要がある。複数のラベルを剥がす作業は、リサイクル性を損なわせる。つまり、リサイクルの観点から言えば、ラベルは貼り付けられていないほうが好ましい。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、画像形成装置が取得した環境情報を、リサイクル性を損なうことなくユーザに提示することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願出願人は、画像形成装置が取得した環境情報を、リサイクル性を損なうことなくユーザに提示する方法として、環境情報のラベルやマークを画像データとして記憶させ、ラベルやマークの画像(以下、マーク・ラベル画像)を画像形成装置が備える表示装置に表示させることを考えた。
【0011】
しかしながら、画像形成装置が備える表示部には、画像形成装置に実施させる処理に関して、各種の設定を行うための設定画面等を表示させる必要があり、かつ、画面のサイズも限られている。
【0012】
そのため、マーク・ラベル画像を表示させようとしても、設定画面等と一緒に表示するには、表示領域が確保し辛く、確保できたとしても非常に小さい面積となり、目立たず、アピール性に欠ける。しかも、設定画面等と一緒に表示したのでは、ユーザは、設定画面を注視するため、表示されているマーク・ラベル画像に気が付かないといったことも考えられる。しかしながら、目立たせるために、マーク・ラベル画像の表示領域を大きく確保すると、設定画面の表示領域が小さくなり、設定入力がし辛くなり、本来の機能を阻害してしまう。
【0013】
そこで、本発明の画像形成装置は、操作を受け付ける操作受付手段と、表示部を制御する表示制御手段と、を備え、表示制御手段は、操作受付手段がジョブに対応する指示を受け付けない所定のタイミングにおいて、少なくとも当該画像形成装置が取得している環境情報を表示させることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、ジョブに対応する指示が受け付けられない所定のタイミングにおいて、少なくとも当該画像形成装置が取得している環境情報が表示される。ここで、ジョブに対応する指示が受け付けられない所定のタイミングとは、例えば、画像形成装置の電源がON後のウォーミングアップ中や、省電力モードから通常モードへの復帰動作中である。ウォーミングアップ中や復帰動作中、従来の画像形成装置においては、「ウォーミングアップ中です。」や「しばらくお待ち下さい。」のメッセージが表示され、指示入力は受け入れられないようになっているものがある。このような、指示を入力できず、画像形成装置の近傍で、ウォーミングアップ或いは復帰動作の完了を待っているユーザの空き時間に環境情報を表示することで、ユーザに効果的に本画像形成装置が環境に配慮されて製造されていることをアピールすることができる。
【0015】
そして、環境情報が表示部に表示されるため、環境情報のラベルが画像形成装置から剥がれたとしても、サービスマンはラベルを入手して貼り直す必要がなく、さらには、環境情報のラベルを貼る必要性もなくなり、リサイクル性を向上できる。
【0016】
これにより、リサイクル性を損なうことなくユーザに提示することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、電源のONまたはOFFを検出する電源ON/OFF検出手段をさらに備え、表示制御手段は、電源ON/OFF検出手段により電源のONが検出された後のウォーミングアップ中に少なくとも環境情報を表示させる構成とすることもできる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、通常モードおよび通常モードよりも消費電力が少ない省電力モードのいずれかのモードに切換え可能であり、表示制御手段は、省電力モードからの復帰動作中に少なくとも環境情報を表示させる構成とすることもできる。
【0019】
上記の構成によれば、電源のONが検出された後のウォーミングアップ中、あるいは省電力モードからの復帰動作中に環境情報を表示できる画像形成装置を容易に実現することができる。
【0020】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、表示制御手段は、初期画面を表示し、初期画面は、環境情報を表示する指示を入力するためのアイコンを含み、表示制御手段は、操作受付手段により環境情報を表示する指示の入力が受け付けられることに応じて、少なくとも環境情報を表示させる構成とすることもできる。
【0021】
上記の構成によれば、ユーザが初期画面に従って環境情報を表示する指示を入力すれば、環境情報が表示されるので、ユーザは所望のタイミングで環境情報を確認することができる。
【0022】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、表示制御手段は、所定のタイミングにおいて、所定のタイミングに対応するメッセージとともに環境情報を表示させる構成とすることもできる。
【0023】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、表示制御手段は、所定のタイミングにおいて、所定のタイミングに対応するメッセージと交互に環境情報を表示させる構成とすることもできる。
【0024】
ウォーミングアップ中の復帰動作中にメッセージが全く表示されず、環境情報のみが表示されると、不慣れなユーザに不安を与える恐れがある。これに対し、上記の構成によれば、環境情報を、所定のタイミングに対応するメッセージと共に、或いはメッセージと交互に表示することができるので、不慣れなユーザに対しても、画像形成装置の状態をメッセージにて的確に伝えながら、環境情報も表示してアピールすることができる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、環境情報は、環境に対する取組みに関するラベルまたは/およびマークであり、表示制御手段は、環境の取組みに関する複数のラベルまたは/およびマークの画像をサムネイルで表示させる構成とすることもできる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、環境情報は、環境に対する取組みに関するラベルおよび/またはマークの名称であり、表示制御手段は、環境に対する取組みに関する複数のラベルおよび/またはマークの名称をリストで表示させる。
【0027】
上記の構成によれば、環境情報がサムネイルまたはリストで表示されるので、ユーザにとって、取得されている環境情報を把握することが容易になる。
【0028】
また、本発明の画像形成装置において、さらに、表示部は、操作受付手段が操作を受け付ける操作部に対して開閉自在に設けられており、環境情報を表示する指示を入力するための操作キーが、操作部に対して開閉自在に支持された表示部のヒンジ側の辺を除く外周部に設けられている構成とすることもできる。
【0029】
上記の構成によれば、表示部は、操作受付手段が操作を受け付ける操作部に対して開閉自在に設けられているので、表示部・操作部が占めるサイズを小さくすることができる。ところで、このような、占有サイズの小さい表示分・操作部において、環境情報を表示する指示を入力するための操作キー(新たなキー)の配置スペースを確保することは難しいが、上記構成のように、表示部のヒンジ側の辺を除く外周部に設けることで、容易に環境情報を表示する操作キーを配置することができる。
【0030】
なお、上記画像形成装置はコンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより、上記画像形成装置をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、ユーザによる使用を妨げないタイミングに環境情報をユーザに示すことがきるとともに、画像形成装置が取得した環境情報を、リサイクル性を損なうことなくユーザに提示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態における表示処理システムの全体概要の一例を示す図である。
【図2】MFPの概観を示す斜視図である。
【図3】MFPの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】操作パネルの一例を示す図である。
【図5】MFPが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。
【図6】環境情報141が記憶されているテーブルの内容を示す。
【図7】ウォーミングアップ画面の一例を示す第1の図である。
【図8】ウォーミングアップ画面の一例を示す第2の図である。
【図9】初期画面の一例を示す図である。
【図10】表示態様選択画面の一例を示す図である。
【図11】画像表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】表示態様選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】変形例における操作パネルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態における表示処理システムの全体概要の一例を示す図である。図1に示されるように、表示処理システム1は、ネットワーク7にそれぞれ接続された複合機(以下、「MFP」という)100と、PC200とを含む。MFP100は、画像形成装置の一例であり、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等の複数の機能を備える。
【0035】
ネットワーク7は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワーク7は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)等であってもよい。ネットワーク7は、ゲートウェイを介してインターネット3に接続されており、MFP100およびPC200それぞれは、インターネット3に接続されたサーバ5と通信が可能である。
【0036】
PC200は、一般的なパーソナルコンピュータであり、MFP100と通信するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0037】
MFP100は、ブラウジングプログラムを実行可能であり、ブラウジング機能を有する。例えば、MFP100は、ユーザによりサーバ5が記憶するウェブページのURLが指定されると、サーバ5にURLで特定されるウェブページの送信を要求し、サーバ5が送信するウェブページを受信し、表示する。
【0038】
本実施の形態におけるサーバ5は、MFP100をリースしたリース会社、MFP100を販売した販売店またはMFP100のメーカーが設置するサーバであり、画像形成装置に関する各種の情報を記憶している。各種の情報は、MFP100に関する環境情報を少なくとも含む。
【0039】
なお、サーバ5は、クラウドプロバイダー(クラウドコンピューティングサービスを提供する専用事業者)が設置するものでもよい。
【0040】
環境情報は、環境に配慮して製造された製品であることを示す情報であり、上述したように多くの種類があり、これからも増えることが想定される。
【0041】
具体的には、以下のような種類がある。
【0042】
グリーン購入法に適合していることを示す情報
環境に対する様々な影響をライフサイクル全体に亘って考慮して環境の保全に資する商品であることを示す情報
グリーン購入ネットワークの購入ガイドラインに基づく、データベースに登録のある製品であることを示す情報
パーソナルコンピュータ等のオフィス機器の待機時における消費電力が所定の基準値に達していることを示す情報
省エネ法に基づく省エネ基準をどの程度達成しているかを示す情報
パソコンおよびディスプレイの設計・製造からリユース・リサイクルに至るまでの環境に対する負荷を包括的に考慮していることを示す情報
間伐材を用いた製品であることを示す情報
紙・紙製品等の古紙の配合率を示す情報
古紙を原料とした紙製品の利用の拡大と自然環境の保護を示す情報
非木材パルプを使用した紙製品であることを示す情報
用紙に非木材パルプが使用されていることを示す情報
ペットボトルをリサイクルした商品であることを示す情報
製品に使用されている木質材料が、適切に管理された森林から合法的に狩り出されたものであることを示す情報
人間活動が地球温暖化に及ぼす影響を二酸化炭素の排出量を数値化して示す情報
他の製品と同等の機能を有し、あらゆる側面の環境保護が考慮され、環境にやさしく、使用および安全性に問題ないことを示す情報
なお、環境情報としては、経済産業省、環境省、環境保護団体等が環境に配慮した製品であることを認定する情報であれば、これらに限定されるものではない。
【0043】
MFP100は、複数の種類がある環境情報のうち、MFP100に関する環境情報のマークやラベルの画像であるマーク・ラベル画像と、環境情報名称(MFP100に関する環境情報のマークやラベルの種類の名称、文字列)を記憶する、或いは記憶している。
【0044】
図2は、MFPの概観を示す斜視図である。図2に示されるように、MFP100は、自動原稿搬送部(ADF)10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、給紙部40とを含む。
【0045】
ADF10は、原稿トレイ11にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿読取部20の所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部20により読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。
【0046】
原稿読取部20は、原稿読取位置まで搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、図示しない画像処理部に出力する。
【0047】
画像処理部は、原稿読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した後、画像形成部30に出力する。給紙部40は、給紙トレイあるいは大容量カセット41に収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0048】
画像形成部30は、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。そして、画像形成部30は、画像を形成した後の用紙を排紙トレイ90上に、あるいは後処理装置98を通して排出する。
【0049】
図3は、MFPの構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるように、MFP100は、CPU111と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM71と、CPU111の作業領域として使用されるRAM73と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)75とを含む。CPU111は、ROM71に記憶されたプログラムを実行し、各種の処理を実行する。
【0050】
なお、CPU111が実行するプログラム等を記憶するための記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いてもよい。
【0051】
CPU111は、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40、操作パネル50、電源スイッチ60、ネットワークI/F77、第1通信制御部79、第2通信制御部78、およびファクシミリ部80とそれぞれ接続され、MFP100の全体を制御する。
【0052】
電源スイッチ60は、MFP100が備える電源スイッチであり、ユーザにより操作される。
【0053】
ネットワークI/F77は、MFP100をネットワーク7に接続するためのインターフェースである。CPU111は、ネットワーク7を介して、ネットワーク7に接続された外部の機器、ここでは、PC200と通信が可能である(図1参照)。
【0054】
第1通信制御部79は、通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子72と、シリアル通信のための通信I/F端子74とを有する。第1通信制御部79は、CPU111からの指示に従って、LAN端子72または通信I/F83に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0055】
LAN端子72に、インターネット3に接続するためのケーブルが接続される場合、第1通信制御部79は、LAN端子72を介して接続されたサーバ5と通信する。
【0056】
CPU111は、第1通信制御部79を制御して、インターネット3に接続されたサーバ5からMFP100で特定される環境情報をダウンロードし、HDD75に記憶することにより、環境情報を更新することが可能である。
【0057】
通信I/F端子74には、フラッシュメモリを内蔵したメモリカードが接続可能である。CPU111は、第1通信制御部79を制御して、メモリカードからCPU111が実行するためのプログラムを読み出し、HDD75に記憶することにより、プログラムを更新することが可能である。プログラムは、後述する画像表示プログラムを含む。
【0058】
なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する記憶媒体としては、メモリカードに限られず、フレキシブルディスク、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM、EEPROMなどの半導体メモリ等の媒体であってもよい。
【0059】
第2通信制御部78は、CPU111をPSTNに接続するためのモデムである。MFP100には、PSTNにおける電話番号が予め割り当てられており、PSTNに接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると通話を確立し、ファクシミリ部80に通信させる。
【0060】
ファクシミリ部80は、PSTNに接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。
【0061】
操作パネル50は、表示部51と、操作部53とを含む。表示部51は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electoro Luminescence Display)、電気泳動を利用した電子ペーパー等のディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、プラズマチューブアレイディスプレイ(PTAD)、電子放出素子を用いたディスプレイ(FED、SED)等の表示装置であり、ユーザに対する設定画面等の指示メニューや取得した画像データに関する情報、環境情報を含む画面を表示する。
【0062】
操作部53は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部53が備える複数のキーは、スイッチを備えたハードキーである。なお、操作部53は、キーの一部としてタッチパネルを含んでいても、あるいはタッチパネルそのもので構成されていてもよい。操作部53がタッチパネルを含む場合、あるいはタッチパネルから構成されている場合、タッチパネルは、表示部51上に設けられる。本実施形態の操作部53は、タッチパネルを含んでいるものとする。なお、指装着型のウェアラブル・インタフェースを用いたジェスチャ入力を用いてもよい。
【0063】
図4は、操作パネルの一例を示す図である。図4に示されるように、操作パネル50は、表示部51と、操作部53として、ファクシミリを送受信するファクシミリモードにMFP100を遷移させるためのファックスキー61と、プリント処理を実行するためのプリントモードにMFP100を遷移させるためのプリンタキー62と、コピー処理を実行するためのコピーモードにMFP100を遷移させるためのコピーキー63と、スキャン処理を実行するためのスキャンモードにMFP100を遷移させるためのスキャンキー64と、印字処理を実行するための印字モードにMFP100を遷移させるための印字キー65と、特別機能キー81と、両面コピーキー82と、ソータ/ステープルキー83と、設定確認キー84と、操作ガイドキー85と、表示部51に表示されるカーソルを上に移動させる指示を入力するための上キー86と、表示部51に表示されるカーソルを下に移動させる指示を入力するための下キー87と、通信状況確認キー88と、テンキー91と、割り込みキー92と、入力内容をキャンセルするためのクリアキー93と、全解除キー94と、スタートキー95とを含む。
【0064】
図5は、MFP100が備えるCPU111の機能の概要をHDD75に記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。図5に示されるように、CPU111は、電源ON/OFF検出部133と、操作受付部(操作受付手段)121と、モード切換部123と、状態検出部125と、情報取得部127と、表示制御部(表示制御手段)131とを含む。
【0065】
HDD75は、少なくとも画面情報143と、メッセージ情報145とを予め記憶するものである。画面情報143は、ユーザに指示入力を促すための画面の情報であり、複数の画面を含む。複数の画面は、後述する初期画面(設定画面)を少なくとも含む。初期画面は、MFP100が実行可能な複数の処理(ジョブ)を受け付けるための画面である。メッセージ情報145は、MFP100の状態を示す情報であり、複数のメッセージを含む。複数のメッセージは、例えば、「処理を実行中です。」のメッセージと、「しばらくお待ちください。」のメッセージと、「ウォーミングアップ中です。」のメッセージと、「データを消去しています。」のメッセージとを少なくとも含む。
【0066】
電源ON/OFF検出部123は、電源スイッチ60がONまたはOFFになったことを検出するものである。電源ON/OFF検出部123は、電源スイッチ60がONとなったことを検出すると、電源ONが指示されたことを示す電源ON信号を、表示制御部131、および情報取得部127に出力する。また、電源ON/OFF検出部123は、電源スイッチ60がOFFとなったことを検出すると、電源OFFが指示されたことを示す電源OFF信号を、表示制御部131、および情報取得部127に出力する。
【0067】
MFP100は、電源スイッチ60がONされることで、画像形成部30を含む全体を画像動作実行可能な状態に立ち上げるウォーミングアップを開始する。ウォーミングアップにおいては、例えば、画像形成部30が備える図示しない定着部を、トナー像を用紙上に定着させるのに十分な所定の温度にまで昇温させる処理や、画像濃度を調整するためのプロセスコントロール等が実施される。また、MFP100は、電源スイッチ60がOFFされることで、MFP100の動作を停止するための終了処理を実行し、その後、停止する。
【0068】
情報取得部127は、ネットワークを介して環境情報を取得するものである。情報取得部127は、電源ON/OFF検出部123から電源ON信号が入力されると、第1通信制御部79、LAN端子72(図3参照)を介して、サーバ5(図1参照)にMFP100の環境情報を要求する。サーバ5は、MFP100から環境情報が要求されると、MFP100の装置識別情報で特定される環境情報をMFP100に送信し、情報取得部127は、LAN端子72、第1通信制御部79を介してサーバ5からの環境情報を受信する。受信した環境情報はHDD75に記憶される。これにより、本実施形態のMFP100においては、HDD75に、電源スイッチ60がONするたびに、最新の環境情報141が記憶されることとなる。
【0069】
環境情報141は、上述したように、当該MFP100が取得している環境情報の、マークやラベルの画像であるマーク・ラベル画像と、環境情報名称(種類の名称、文字列)とを含む。
【0070】
図6に、環境情報141が記憶されているテーブルの内容を示す。図6の例では、グリーン購入法適合商品のマークと、エコマーク(登録商標)と、GPNデータベース掲載商品のマークと、国際エネルギースタープログラムのマーク(登録商標)と、カーボンフットプリントラベルと、ノルディックスワンマーク(登録商標)と、ブルーエンジェルラベルと、EURoHS指令準拠ラベルと、エコリーフ環境ラベル…の各名称とマーク・ラベル画像とが、連番に対応つけて格納されている。なお、連番は、環境情報を表示する際の表示順を決定するものであり、連番に対する環境情報の対応付けを変えることで、表示順を変えることができる。
【0071】
図5に戻って、操作受付部121は、ユーザが操作部53を操作して指示入力すると、これを受け付けるものである。操作は、例えば、操作部53が備える各種キー(操作キー)を指示する操作と、表示部51上に設けられたタッチパネルを指示する操作とを含む。操作受付部121は、操作部53による指示入力を受け付けると、指示入力がなされたことをモード切換部129および表示制御部131に出力する。
【0072】
モード切換部129は、MFP100のモードを、MFP100の使用状況に応じて、省電力モード或いは動作を実行可能な状態である通常モードに切り換えるものである。通常モードでは、MFP100の全体に電力が供給されており、MFP100は、ユーザのスタートキー95の押下にて、即刻、指定された機能の処理(スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、メール機能、プリンタ機能等)を実行できる状態にある。一方、省電力モードは、通常モードよりもMFP100が消費する電力が抑えられており、操作部53、HDD75、ネットワークI/F77、第1通信制御部79、第2通信制御部78およびCPU111等の、MFP100の一部に電力が供給されている状態である。MFP100は、ユーザにてスタートキー95が押下されると、まずは通常モードへと復帰するための動作を行う。復帰動作には、例えば、温度が低下している画像形成部30の図示しない定着部の温度を、トナー像を用紙上に定着することが可能な所定の温度にまで昇温させる処理などが含まれる。
【0073】
モード切換部129は、MFP100が通常モードに設定されている状態では、MFP100が動作していない時間(放置されている時間)を計測しており、動作していない時間が所定の時間T1を経過すると、通常モードから省電力モードにモードを切り換える。一方、MFP100が省電力モードに設定されている状態では、操作受付部121から操作部53が操作されたことを検知すると、省電力モードから通常モードにモードを切り換える。また、外部のPC200より印刷や、ファクシミリ送信が指示されたことを検知した場合にも、省電力モードから通常モードにモードを切り換える。
【0074】
モード切換部123は、モードを切り換えると、モードを切り換えた方向(通常モードから省電力モードへの切り換えか、あるいはその逆であるか)を示すモード切換信号を、MFP100の画像形成部30、原稿読取部20、自動原稿搬送部10、給紙部40等に出力すると共に、表示制御部131にも出力する。
【0075】
なお、ここでは、操作部53に操作があったときにモード切換部129が省電力モードから通常モードにモードを切り換えるようにしたが、通常モードへの切り換えは、これに限定するものではない。例えば、原稿台カバーの開閉を検出する開閉センサをMFP100に設けるようにし、MFP100が備える原稿台カバーが開けられたことを開閉センサが検出したときに、省電力モードから通常モードにモードを切り換えるようにしてもよいし、原稿トレイ11に原稿がセットされたことを原稿検知センサが検知したときにモードを切り換えるようにしてもよい。
【0076】
状態検出部125は、MFP100の画像形成部30、原稿読取部20、自動原稿搬送部10、給紙部40等の状態を検出して、選択された機能の処理を実施できるかどうか判断するものである。具体的には、選択された機能が、コピーやプリンタである場合は、画像形成部30が画像の形成が可能な状態であるかどうかを検出する。画像の形成が可能な状態とは、具体的には、画像形成部30が備える定着部が画像を定着させるのに十分な所定の温度に達した状態である。また、選択された機能がファクシミリやスキャナの場合は、原稿読取部20が画像の読取が可能な状態であるかどうかを検出する。
【0077】
状態検出部125は、電源スイッチ60がONされた時や、省電力モードから通常モードに切り換えられたときに、画像形成部30や原稿読取部20が、画像の形成や読み取りが可能な状態となったことを検出すると、動作可能信号を表示制御部131に出力する。
【0078】
表示制御部131は、電源ON/OFF検出部123からの電源ON信号、電源OFF信号、モード切換部129からのモード切換信号に応じて、表示部51に各種の情報を表示するものである。
【0079】
表示制御部131は、電源ON/OFF検出部123から電源ON信号が入力されると、環境情報とウォーミングアップ中であることを示すメッセージ情報とを含む画面を表示部51に表示させる。以下、この画面をウォーミングアップ画面と称する。具体的には、ウォーミングアップ画面は、環境情報141の表示の仕方として、サムネイル表示することが予め設定されている場合は、マーク・ラベル画像の表示を含み、リスト表示することが予め設定されている場合は、環境情報の名称の表示を含む。さらに、マーク・ラベル画像の表示にあたり、表示すべきマーク・ラベル画像が複数ある場合において、サムネイル表示することが予め設定されている場合は、複数のマーク・ラベル画像のサムネイルを含む。また、環境情報の名称を表示するにあたり、表示すべき名称が複数ある場合において、リスト表示することが予め設定されている場合は、環境情報の名称のリストを含む。また、ウォーミングアップ画面は、メッセージ情報145に含まれる複数のメッセージのうちMFP100がウォーミングアップ中であることを示すメッセージを含む。
【0080】
図7は、ウォーミングアップ画面の一例を示す第1の図である。図8は、ウォーミングアップ画面の一例を示す第2の図である。図7および図8に示されるように、ウォーミングアップ画面170,170Aそれぞれは、メッセージ表示領域171と、環境情報表示領域173とを含む。メッセージ表示領域171は、メッセージ情報145が表示される領域である。ここでは、MFP100がウォーミングアップ中であることを示す情報として、「ウォーミングアップ中です」のメッセージが表示される。環境情報表示領域173は、環境情報141が表示される領域である。マーク・ラベル画像を表示することが予め設定されている場合、図7に示されるように環境情報表示領域173には、複数のマーク・ラベル画像がサムネイル表示される。環境情報の名称を表示することが予め設定されている場合、図8に示されるように環境情報表示領域173には、複数の環境情報の名称がリスト表示される。
【0081】
MFP100がウォーミングアップ中であることを示すウォーミングアップ画面170、170Aは、MFP100の電源スイッチ60が、ユーザにてONされた場合に表示される。これにより、MFP100がウォーミングアップ中で、操作パネルを用いて指示入力ができず、MFP100のウォーミングアップ完了を待っているユーザに対して、MFP100は、ウォーミングアップ画面170,170Aを用いて、当該MFP100が環境に対してどのようなことに配慮して製造されたかを知らせることができる。
【0082】
しかも、ウォーミングアップ画面170,170Aとは、本来、「ウォーミングアップ中です」といったメッセージが表示されるだけの画面であり、指示入力がなされる設定画面でもないので、メッセージ表示領域171に対して、環境情報表示領域173を広く確保することができ、ユーザに効果的にアピールすることができる。
【0083】
これにより、ユーザによるMFP100の使用を妨げないタイミングに表示部51を利用して、環境情報をユーザに示して、当該MFP100が環境に配慮されて製造されたものであることを、アピールすることができる。
【0084】
なお、ウォーミングアップ中であることを示すメッセージとともに環境情報141を表示するようにしたが、ウォーミングアップ中であることを示すメッセージを含む画面と環境情報141を含む画面とを生成するようにして、ウォーミングアップ中であることを示すメッセージを含む画面と環境情報141を含む画面とを交互に表示するようにしてもよい。
【0085】
図5に戻って、表示制御部131は、電源スイッチ60がONになると、設定されている表示態様に応じてウォーミングアップ画面170,170Aのいずれかを表示する。ここでは、ウォーミングアップ画面170を表示している場合を例に説明する。表示制御部131は、ウォーミングアップ画面170を表示している段階において、状態検出部125から動作可能信号が入力されると、ウォーミングアップ画面170の表示を終了し、初期画面を表示する。初期画面は、MFP100が実行可能な複数の処理を受け付けるための画面である。例えば、初期画面において、MFP100はファクシミリ、コピーおよびスキャン等の処理を受け付けることが可能である。また、初期画面は、エコビューボタン(エコビューアイコン)を含む。エコビューボタンは、環境情報を表示する指示と対応付けられている。
【0086】
図9に、初期画面の一例を示す。図9に示されるように、初期画面180は、MFP100が実行可能な複数の処理それぞれを指示するための複数のボタンの一つとしてエコビューボタン181を含む。エコビューボタン181は、「エコビュー」の文字列が示されている。ユーザがエコビューボタン181を押下すると、表示態様選択画面が表示される。
【0087】
具体的には、ユーザが初期画面180のエコビューボタン181を押下し、環境情報を表示する指示を操作受付部121が受け付けると、表示制御部131へとその指示が入力される。表示制御部131は、操作受付部121から環境情報を表示する指示が入力されると、表示態様選択画面を表示部51に表示させる。表示態様選択画面は、環境情報を表示するにあたり、マーク・ラベル画像をサムネイルで表示するか、環境情報の名称をリストで表示するかの選択をユーザに促すための画面である。
【0088】
図10に、表示態様選択画面の一例を示す。図10に示されるように表示態様選択画面190は、ボタン191と、ボタン193とを含む。ボタン191は、「リスト表示」の文字列を含み、ボタン193は、「サムネイル表示」の文字列を含む。ボタン191と、ボタン193とは排他的に選択が可能である。ユーザが、ボタン191およびボタン193のいずれかを選択することにより、選択された表示態様に対応する環境情報表示画面が表示される。
【0089】
具体的には、ユーザが表示態様選択画面190に従って、サムネイル表示のボタン193、あるいはリスト表示のボタン191を押下し、環境情報の表示態様が指示入力され、操作受付部121がこれを受け付けると、表示制御部131へとその指示が入力される。表示制御部131は、環境情報の表示態様の指示が操作受付部121から入力されると、HDD75に記憶された環境情報141を抽出し、抽出した環境情報141に基づいて環境情報表示画面を表示部51に表示させる。操作受付部121からサムネイル表示する指示が入力される場合、環境情報表示画面には、マーク・ラベル画像のサムネイルが含まれる。操作受付部121からリスト表示する指示が入力される場合、環境情報表示画面には、環境情報の名称のリストが含まれる。具体的には、マーク・ラベル画像のサムネイルを含む環境表示画面は、図7に示したウォーミングアップ画面170の環境情報表示領域173を含む画面であり、環境情報の名称のリストを含む環境情報表示画面は、図8に示したウォーミングアップ画面170Aの環境情報表示領域173を含む画面である。
【0090】
これにより、ユーザが初期画面180に従ってエコビューボタン181を押下することに応じて、環境情報表示画面が表示される。したがって、ユーザは、所望のタイミングで環境情報を確認することができる。
【0091】
また、表示制御部131は、操作受付部121から環境情報を表示する指示が入力されると、指示が入力されてから計時を開始する。そして、表示制御部131は、計時を開始してから所定の時間T2が経過したか否かを判断する。表示制御部131は、計時を開始してから所定の時間T2が経過したならば、環境画面の表示を終了し、初期画面を表示部51に表示するが、そうでなければ環境画面を表示したまま所定の時間T2が経過するまで待機する。したがって、ユーザの指示により環境画面が表示された場合、操作受付部121から環境情報を表示する指示が入力されてから所定の時間T2が経過すれば自動的に環境画面の表示を終了し、初期画面を表示するので、初期画面に戻るための操作をする手間を省くことができる。
【0092】
なお、環境画面の表示の終了は、ユーザが前の画面に戻る指示を操作部53に入力したときであってもよい。
【0093】
さらに、表示制御部131は、モード切換部123からモード切換信号が入力され、MFP100のモードが、省電力モードから通常モードへと切り換えられると、環境情報と復帰動作中であることを示すメッセージ情報とを含む画面を表示部51に表示させる。
【0094】
復帰画面は、省電力モードから通常モードへの切り換えが指示された場合に、MFP100が復帰動作中であることを示すとともに、MFP100が環境に配慮した製品であることを示す画面である。
【0095】
復帰画面も、ウォーミングアップ画面と同様に、予めサムネイル表示する設定がされている場合は、マーク・ラベル画像を含み、予めリスト表示する設定がされている場合、環境情報の名称を含む。また、復帰画面は、メッセージ情報145に含まれる複数のメッセージのうち復帰中であることを示すメッセージを含む。復帰中であることを示すメッセージは、例えば、「しばらくお待ちください」のメッセージである。
【0096】
なお、復帰動作中であることを示すメッセージとともに環境情報141を表示するようにしたが、復帰動作中であることを示すメッセージを含む画面と環境情報141を含む画面とを生成するようにして、復帰動作中であることを示すメッセージを含む画面と環境情報141を含む画面とを交互に表示するようにしてもよい。
【0097】
また、表示制御部131は、通常モードに設定されている場合に、状態検出部125から動作可能信号が入力されたか否かを判断する。表示制御部131は、状態検出部125から動作可能信号が入力されたならば表示部51に表示している復帰画面の表示を終了し、初期画面180を表示するが、そうでなければ状態検出部125から動作可能信号が入力されるまで復帰画面を表示したまま待機する。
【0098】
MFP100が復帰動作中であることを示す復帰画面は、MFP100が省電力モードから通常モードに切り換わったときに表示される。これにより、MFP100が復帰動作中で、操作パネルを用いて指示入力ができず、MFP100の復帰完了を待っているユーザに対して、MFP100は、復帰画面を用いて、当該MFP100が環境に対してどのようなことに配慮して製造されたかを知らせることができる。
【0099】
しかも、復帰画面とは、本来、「しばらくお待ち下さい」といったメッセージが表示されるだけの画面であり、指示入力がなされる設定画面でもないので、メッセージを表示するための領域に対して、マーク・ラベル画像のサムネイルまたは環境情報の名称のリストを表示するための領域を広く確保することができ、ユーザに効果的にアピールすることができる。
【0100】
これにより、ユーザによるMFP100の使用を妨げないタイミングに表示部51を利用して、環境情報をユーザに示して、当該MFP100が環境に配慮されて製造されたものであることを、アピールすることができる。
【0101】
図11は、画像表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像表示処理は、CPU111がROMまたはHDDに記憶された画像表示プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図11に示されるように、CPU111は、電源スイッチ60の電源がONになったこと検出すると(ステップS1でYES)、処理をステップS2に進める。MFP100は、電源スイッチ60がONになるとウォーミングアップを開始する。
【0102】
次のステップS2においては、LAN端子72を介して環境情報をサーバ5に要求する。サーバ5は、MFP100の装置識別情報で特定される環境情報をLAN端子72を介して第1通信制御部79に送信する。CPU111は、第1通信制御部79が受信した環境情報を取得し、取得した環境情報をHDD75に記憶する。
【0103】
次のステップS3においては、ステップS2において取得した環境情報とHDD75に記憶されたメッセージ情報145とを含むウォーミングアップ画面170,170Aのいずれかを表示部51に表示する。予めサムネイル表示する設定がされている場合、ウォーミングアップ画面170が表示され、予めリスト表示する設定がされている場合、ウォーミングアップ画面170Aが表示される。ここでは、予めサムネイル表示する設定がされている場合を例に説明する。
【0104】
次のステップS4においては、ウォーミングアップが完了したか否かを判断する。ウォーミングアップが完了したことを検出すると(ステップS4でYES)、処理をステップS5に進める。
【0105】
ステップS5においては、ステップS4において表示していたウォーミングアップ画面170の表示を終了し、図9に示される初期画面180を表示部51に表示する。これにより、ユーザによるMFP100の使用を妨げないタイミングで環境情報をユーザに示すことができる。
【0106】
次のステップS6においては、モード切換えがあったか否かを判断する。通常モードから省電力モードに切り換わったならば処理をステップS7に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。
【0107】
ステップS7においては、省電力用画面を表示部51に表示させる。または、表示部51の表示をOFFにする。
【0108】
次のステップS8においては、操作部53を用いて操作を受け付けたか否か、或いは、外部からの動作指示を受けたかどうかを判断する。ここで、操作部53を用いての操作を受け付けた、或いは、外部からの動作指示を受けると、処理をステップS9に進める。MFP100は、操作部53が操作を受け付けた、或いは、外部からの動作指示を受けると、復帰動作を開始する。
【0109】
ステップS9においては、復帰画面を表示し、処理をステップS10に進める。ステップS10においては、復帰が完了したか否かを判断する。復帰が完了したと判断すると(ステップS10でYES)、処理をステップS5に戻す。
【0110】
ステップS11においては、操作部53を用いて操作を受け付けたか否か、或いは、外部からの動作指示を受けたかどうかを判断する。ここで、操作部53を用いて操作を受け付けた、或いは、外部からの動作指示を受けたならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS6に戻す。
【0111】
ステップS12においては、ステップS11において受け付けた操作または外部入力に対応する画面を表示する。表示される画面は、少なくとも表示態様選択画面190を含む。ステップS12についての詳細は後述する。
【0112】
ステップS13においては、ステップS12において表示した画面の表示を終了するか否かを判断する。操作部53に画面の表示を終了する指示が入力されると、処理をステップS5に戻す。
【0113】
図12は、表示態様選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示態様選択処理は、図11に示す画像表示処理のステップS11においてエコビューボタン181が押下されることを条件に、ステップS12において実行される処理である。図12に示されるように、ステップS21においては、図10に示される表示態様選択画面190を表示し、処理をステップS22に進める。
【0114】
ステップS22においては、ステップS2において記憶された環境情報141をHDD75から抽出し、処理をステップS23に進める。
【0115】
ステップS23においては、ステップS21において表示された表示態様選択画面190において、リスト表示およびサムネイル表示のうちのいずれが選択されたか否かを判断する。リスト表示が選択されたならば処理をステップS24に進めるが、サムネイル表示が選択されたならば処理をステップS25に進める。
【0116】
ステップS24においては、ステップS22において抽出した環境情報141に含まれる環境情報名称のリストを含む環境情報画面を表示し、処理を画像表示処理に戻す。
【0117】
ステップS25においては、ステップS22において抽出した環境情報141に含まれるマーク・ラベル画像のサムネイルを含む環境情報画面を表示し、処理を画像表示処理に戻す。
【0118】
環境情報画面は、ユーザが初期画面180に従ってエコビューボタン181を押下することにより表示される。したがって、ユーザは、所望のタイミングで環境情報141を確認することができる。
<変形例>
本実施の形態においては、MFP100が備える操作パネル50は、複数のキーを備えるのに十分な面積を有するものであった。変形例における操作パネル50Aは、操作パネル50よりも面積を小さくしたものである。このため、変形例における操作パネル50Aに備えることができるハードウエアキーの数には限りがある。
【0119】
図13は、変形例における操作パネルの一例を示す図である。図13に示されるように、操作パネル50Aが図4に示した操作パネル50と異なる点は、操作部53が操作部53Aに変更された点、操作部53と同一平面上に設けられた表示部51が削除された点、表示パネル52が追加された点である。また、操作部53Aが操作部53と異なる点は、ファックスキー61、プリンタキー62、コピーキー63、スキャンキー64、印字キー65、特別機能キー81、両面コピーキー82、ソータ/ステープルキー83、設定確認キー84、操作ガイドキー85、通信状況確認キー88、割り込みキー92および全解除キー94が削除された点、メニューキー70Aが追加された点である。その他の構成は、図4に示した操作パネル50の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0120】
表示パネル52と操作部53Aとは、ヒンジ機構で回転可能に連結され、表示パネル52と操作部53Aとは開閉自在である。図13(a)は、表示パネル52が開状態であるときの図である。図13(b)は、表示パネル52が閉状態であるときの図である。図13(a)および(b)に示されるように、表示パネル52は、閉状態のときにテンキー91が配置された面と向かい合う面に表示部51Aを含む。表示部51Aは、表示部51よりも面積が小さい。このため、画面を表示するための領域が小さい。また、表示パネル52は、その右側面にエコビューキー97を備える。エコビューキー97は、表示パネル52が開状態のときに操作可能になる。したがって、テンキー91が配置された面にハードウエアキーを設けるための十分な面積が確保できない場合であっても環境情報の表示を指示するためのハードウエアキーを設けることができる。
【0121】
なお、エコビューキー97が備えられる位置は、表示パネル52の右側面に限定するものではない。ユーザが操作しやすい位置であれば、表示パネル52の左側面であってもよいし、外側面であってもよい。すなわち、エコビューキー97を外周部に設ければよい。
【0122】
メニューキー70Aは、メニュー画面を表示する指示を入力するためのキーである。メニュー画面は、MFP100が実行可能な複数の処理それぞれの名称が示された複数のソフトウェアキーを含む。複数のソフトウェアキーは、例えば、ファクシミリキー、コピーキー、スキャンキー等である。ユーザがメニューキー70Aを押下し、上キー86および下キー87を操作することにより、例えば、ファクシミリ、コピーおよびスキャンのいずれかの処理を選択することが可能である。
【0123】
エコビューキー97は、MFP100に関する環境情報の表示を指示するためのキーである。ユーザが表示パネル52を開状態にし、エコビューキー97を押下すると、環境画面が表示部51Aに表示される。
【0124】
なお、本実施の形態におけるMFP100においては、MFP100に初期画面180を表示するようにしたが、ネットワーク7を介してMFP100と通信することが可能なPC200に初期画面180を表示させるようにしてもよい。この場合、ユーザが初期画面180に従って、PC200に備える操作部に環境情報を表示させる指示を入力することにより環境情報画面を表示させるようにしてもよい。
【0125】
また、本実施の形態においては、MFP100が電源ONとなることに応じてサーバ5に環境情報を要求し、サーバ5から受信した環境情報をHDD75に記憶させるようにしたが、予め環境情報141をHDD75に記憶するようにしてもよい。
【0126】
また、予め環境情報141をUSBメモリやメモリカード等に記憶させ、それらメモリをMFP100に装着した際にその装着を検出する検出装置で検出した場合にメモリから読み出して環境情報画面を表示してもよい。
【0127】
また、MFP100がコピーモード、スキャンモード、ファクシミリモード、プリンタモードまたは印字モードに遷移するときに環境情報画面を表示するようにしてもよいし、コピーモード、スキャンモード、ファクシミリモード、プリンタモードまたは印字モードが終了するときに環境情報画面を表示するようにしてもよい。例えば、メッセージ情報145に含まれるメッセージのうち「データを消去しています」というメッセージは、コピーモード、スキャンモード、ファクシミリモード、プリンタモードまたは印字モードが終了するときに表示されるメッセージである。コピーモード、スキャンモード、ファクシミリモード、プリンタモードまたは印字モードが終了するときに、「データを消去しています」のメッセージとともに環境情報画面を表示するようにすればよい。また、「データを消去しています」のメッセージと交互に環境情報画面を表示させるようにしてもよい。
【0128】
MFP100が備える手差しトレイに重量センサを設けるようにし、MFP100に備えらた手差しトレイに用紙がのせられたことを重量センサが検出した場合に、表示されている設定画面(初期画面)に代えて環境情報画面を表示するようにしてもよいし、設定画面(初期画面)と環境情報画面とを交互に表示するようにしてもよい。この場合、環境情報画面は、操作パネル50に備えられた各種キーが押下されるまで表示される。
【0129】
さらに、給紙トレイの開閉を検出する開閉センサを設けるようにし、MFP100に設けられた給紙トレイが開閉されたことを開閉センサが検出するときに、表示されている設定画面(初期画面)に代えて環境情報画面を表示するようにしてもよいし、設定画面(初期画面)と環境情報画面とを交互に表示するようにしてもよい。
【0130】
本発明は、他にも例えば環境情報表示画面を表示できる民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としていること、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)や業務用機器(法人(企業や学校、官公庁)など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品))にも適応できる。
【0131】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0132】
最後に、MFP100の各ブロック、特に操作受付部121、モード切換部123、状態検出部125、情報取得部127、表示制御部131および電源ON/OFF検出部133は、ハードウェアロジックによって構成してもよい。
【0133】
また、MFP100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【符号の説明】
【0134】
1 表示処理システム
3 インターネット
5 サーバ
7 ネットワーク
10 自動原稿搬送部(ADF)
11 原稿トレイ
20 原稿読取部
30 画像形成部
40 給紙部
41 大容量カセット
50,50A 操作パネル
51,51A 表示部(表示部)
52 表示パネル
53,53A 操作部(操作部)
60 電源スイッチ
71 ROM
73 RAM
75 ハードディスクドライブ(HDD)
79 第1通信制御部
100 MFP
111 CPU
121 操作受付部(操作受付手段)
123 電源ON/OFF検出部(電源ON/OFF検出手段)
125 状態検出部
127 情報取得部
129 モード切換部
131 表示制御部(表示制御手段)
200 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を受け付ける操作受付手段と、
表示部を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記操作受付手段がジョブに対応する指示を受け付けない所定のタイミングにおいて、少なくとも当該画像形成装置が取得している環境情報を表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電源のONまたはOFFを検出する電源ON/OFF検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記電源ON/OFF検出手段により電源のONが検出された後のウォーミングアップ中に少なくとも前記環境情報を表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
通常モードおよび通常モードよりも消費電力が少ない省電力モードのいずれかのモードに切り換え可能であり、
前記表示制御手段は、省電力モードからの復帰動作中に少なくとも前記環境情報を表示させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、初期画面を表示し、
前記初期画面は、前記環境情報を表示する指示を入力するためのアイコンを含み、
前記表示制御手段は、前記操作受付手段により前記環境情報を表示する指示の入力が受け付けられることに応じて、少なくとも前記環境情報を表示させる請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記所定のタイミングに対応するメッセージとともに前記環境情報を表示させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記所定のタイミングに対応するメッセージと交互に前記環境情報を表示させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記環境情報は、環境に対する取り組みに関するラベルまたは/およびマークであり、
前記表示制御手段は、環境の取り組みに関する複数のラベルまたは/およびマークの画像をサムネイルで表示させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記環境情報は、環境に対する取り組みに関するラベルおよび/またはマークの名称であり、
前記表示制御手段は、環境に対する取り組みに関する複数のラベルおよび/またはマークの名称をリストで表示させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記操作受付手段が操作を受け付ける操作部に対して開閉自在に設けられており、
前記環境情報を表示する指示を入力するための操作キーが、操作部に対して開閉自在に支持された前記表示部のヒンジ側の辺を除く外周部に設けられていることを特徴とする1〜8いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載されたプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−135991(P2012−135991A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291198(P2010−291198)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】