画像形成装置、印字システム、画像形成方法、及び被記録媒体
【課題】 非接触型タグを備えた被記録媒体を利用することにより、フォントまで含めた同様の文字の印字を容易に行うことのできる画像形成装置、印字システム、画像形成方法、及び、その被記録媒体の提供。
【解決手段】 (B)に例示するように、被記録媒体としての用紙3に、各種のフォント,文字サイズ,書体で文字3bが印字された場合、各文字のフォント,文字サイズ等に対応するフォント情報が、各文字のテキスト情報と共にタグ3aに書き込まれる。この用紙3のタグ3aをプリンタに設けたタグリーダにかざすと、そのタグ3aに書き込まれたデータに基づき、フォントまで含めて同様の文字3bを他の用紙に印字することができる。
【解決手段】 (B)に例示するように、被記録媒体としての用紙3に、各種のフォント,文字サイズ,書体で文字3bが印字された場合、各文字のフォント,文字サイズ等に対応するフォント情報が、各文字のテキスト情報と共にタグ3aに書き込まれる。この用紙3のタグ3aをプリンタに設けたタグリーダにかざすと、そのタグ3aに書き込まれたデータに基づき、フォントまで含めて同様の文字3bを他の用紙に印字することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に印字を行う画像形成装置、その画像形成装置と外部装置とからなる印字システム、被記録媒体に印字を行う画像形成法、及び、その印字がなされる被記録媒体に関し、詳しくは、非接触型タグを備えた被記録媒体を取り扱うことのできる画像形成装置、印字システム、及び画像形成方法、並びにその被記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波により情報を読み取り可能なRFID(radio frequency identification)タグを、バーコード等が印刷された商品のラベル等一体に構成することが考えられている。そこで、ラベルへの印刷とRFIDタグへのデータの書き込みとを連続して実行可能な画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−96814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記画像形成装置では、ラベルへ印刷された内容と同様の内容を表すデータをRFIDタグに書き込むことができるが、ラベルへ文字を印字した場合のフォントデータまではRFIDタグに書き込むことができない。このため、フォントまで含めた同様の文字を印字したい場合は、上記画像形成装置に送られた元のデータを探す必要があった。
【0004】
上記技術は、ラベルへの印刷に限らず、一般の文書にも転用することが考えられるが、一般の文書の場合、フォントまで含めた同様の文字を印字したいといった要望が一層強くなる。ところが、例えば文書を持ち歩いて出先で同様の文書を印字したい場合には、フォントまで含めた文書データを記憶媒体(例えば、フレキシブルディスク,リムーバブルディスク,フラッシュメモリ等)に書き込んで持ち歩くか、インターネット等を経由して元の文書データをパーソナルコンピュータから送ってもらう必要がある。そこで、本発明は、RFIDタグなどの非接触型タグを備えた被記録媒体を利用することにより、フォントまで含めた同様の文字の印字を容易に行うことのできる画像形成装置、印字システム、画像形成方法、及び、その被記録媒体の提供を目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達するためになされた本発明の画像形成装置は、被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り手段と、被記録媒体に印字を行う印字手段と、を備えた画像形成装置であって、上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字手段は、上記読取手段にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明の画像形成装置では、被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、読み取り手段がその文字データ及びフォントデータを読み取り、読み取られた文字データ及びフォントデータに基づいて印字手段が印字を行う。このため、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0007】
なお、上記発明の画像形成装置において、使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、更に備え、上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータの他に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれている場合、上記読み取り手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に上記パスワードデータを読み取り、上記読み取り手段にて読み取られた上記パスワードデータに対応するパスワードが上記パスワード入力手段を介して入力された際に、上記印字手段が上記印字を行うようにしてもよい。この場合、パスワード入力手段を介してパスワードを入力しないと上記印字が行われないので、情報の機密性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み手段と、非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字手段と、を備えた画像形成装置であって、上記印字手段は、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、上記書き込み手段は、上記印字手段による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とするものであってもよい。
【0009】
このように構成された本発明の画像形成装置では、印字手段は、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、被記録媒体への印字を行う。また、書き込み手段は、上記印字手段による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込む。このため、上記被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字を行ったときに使用された文字データ及びフォントデータを書き込むことができる。従って、上記非接触型タグからデータを読み取れば、データをパーソナルコンピュータから送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0010】
また、本発明の印字システムは、上記画像形成装置と、その画像形成装置に向けてデータを送信可能に設けられた外部装置と、からなる印字システムであって、上記外部装置は、上記文字データ及び上記フォントデータを上記画像形成装置に向けて送信する送信手段を、備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成された本発明の印字システムでは、上記外部装置から文字データ及びフォントデータを送信することにより、上記画像形成装置において、その文字データ及びフォントデータに基づいて被記録媒体に印字を行うと共に、その文字データ及びフォントデータを上記被記録媒体に設けられた非接触型タグに書き込むことができる。このため、上記外部装置からデータを送信し直したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0012】
なお、本発明の印字システムにおいて、上記外部装置は、使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、更に備え、上記パスワード入力手段によりパスワードが入力された場合、上記送信手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードを表すパスワードデータを送信し、上記書き込み手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードデータを上記非接触型タグに書き込むようにしてもよい。この場合、非接触型タグには上記文字データ及び上記フォントデータと共にパスワードデータが書き込まれるので、そのパスワードデータを適宜の方法で利用して、例えば前述の画像形成装置のようにして機密性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の画像形成方法は、被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り処理と、被記録媒体に印字を行う印字処理と、を備えた画像形成方法であって、上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字処理では、上記読取処理にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴としている。
【0014】
このように構成された本発明の画像形成方法では、被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、読み取り処理によってその文字データ及びフォントデータを読み取り、読み取られた文字データ及びフォントデータに基づいて印字処理によって印字を行うことができる。このため、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0015】
また、本発明の画像形成方法は、被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み処理と、非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字処理と、を備えた画像形成方法であって、上記印字処理では、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、上記書き込み処理では、上記印字処理による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とするものであってもよい。
【0016】
このように構成された本発明の画像形成方法では、印字処理では、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、被記録媒体への印字を行う。また、書き込み処理では、上記印字処理による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込む。このため、上記被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字を行ったときに使用された文字データ及びフォントデータを書き込むことができる。従って、上記非接触型タグからデータを読み取れば、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0017】
また、本発明の被記録媒体は、文字が印字された被記録媒体であって、上記印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれた非接触型タグが、設けられたことを特徴としている。
【0018】
このように構成された本発明の被記録媒体は、上記非接触型タグに書き込まれた文字データ及びフォントデータに基づいて印字を行うことにより、その被記録媒体に印字された文字とフォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0019】
なお、本発明の被記録媒体には、更に、上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれていてもよい。この場合、上記書き込まれたパスワードデータを適宜の方法で利用して、機密性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、実施例を挙げて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることはいうまでもない。先ず、図1は、本発明が適用された画像形成装置としてのプリンタ1の概略断面図である。また、図2は、プリンタ1の外観を表す斜視図である。
【0021】
[プリンタ1の構成の説明]
本実施例のプリンタ1は、図1に示すように、本体ケース2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4、マルチパーパストレイ14、給紙された用紙3に画像を形成するためのプロセスユニット18及び定着装置19等を備えている。このプリンタ1は、フィーダ部4の下方にオプショントレイ41をオプションで増設可能に構成されている。なお、以降、このプリンタ1において、マルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側(図1で左側)を「前部」とし、同じくマルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側とは反対側を「後部」とする。
【0022】
[フィーダ部4の構成の説明]
図1に示すように、フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に、着脱可能に装着される本体給紙トレイ6と、本体給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、本体給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ(以下、本体給紙ローラという)12及び分離パッド13とを備えている。また、本体給紙ローラ12から画像形成位置P(感光体ドラム23と転写ローラ25との接触部、つまり感光体ドラム23上のトナー像が用紙3に転写される転写位置)までの間には、湾曲状に形成された搬送経路7が配されている。
【0023】
用紙押圧板8は、用紙3を積層状に保持可能であり、本体給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能に構成されており、また、その裏側からバネ8aによって上方向に付勢されている。分離パッド13は、本体給紙ローラ12に対向状に配設され、摩擦係数の大きい部材からなるパッド13aがバネ13bによって本体給紙ローラ12に向かって押圧されている。
【0024】
一方、搬送経路7は、用紙3の広幅面を案内する一対のガイド板7a,7bが配置されることにより湾曲状に形成されている。また、この搬送経路7には、用紙搬送の上流側から順に、本体給紙ローラ12、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ11、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ10、及び、画像形成位置Pの直前に配置され、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対のレジストローラ9が、適宜間隔にて配置されている。
【0025】
以上のように構成されたフィーダ部4においては、用紙押圧板8上に積層された用紙3のうち最上位にある用紙3が、本体給紙ローラ12に向かって押圧され、その本体給紙ローラ12の回転によって本体給紙ローラ12と分離パッド13とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ11にて搬送された後、搬送ローラ10及びレジストローラ9に順次送られ、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成位置Pに送るようにしている。
【0026】
[マルチパーパストレイ14の構成の説明]
フィーダ部4より上方位置の本体ケース2の前部側には、用紙3を手差しまたは自動給紙にて供給するためのマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙機構15とが設けられている。マルチパーパス側給紙機構15は、マルチパーパス側給紙ローラ15a及びマルチパーパス側給紙パッド15bを備えており、マルチパーパス側給紙パッド15bの裏側に配設されるバネ15cによって、マルチパーパス側給紙パッド15bがマルチパーパス側給紙ローラ15aに向かって押圧されている。また、マルチパーパス側給紙機構15は、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ15dを備えている。
【0027】
以上のように構成されたマルチパーパストレイ14においては、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3が、回転するマルチパーパス側給紙ローラ15aとマルチパーパス側給紙パッド15bとで挟まれた後、1枚毎に給紙されて一対の搬送ローラ15dを介して上記レジストローラ9に送られる。
【0028】
[スキャナユニット17の構成の説明]
スキャナユニット17は、本体ケース2の上部のうち、排紙トレイ36の下面側に配置され、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21a及び21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部から発光される画像データに応じたレーザビームを、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過或いは反射させて、プロセスユニット18における感光体ドラム23の表面上に高速走査にて照射している。
【0029】
[プロセスユニット18の構成の説明]
プロセスユニット18は、静電潜像坦持体としての感光体ドラム23、スコロトロン型帯電器37、及び、転写ローラ25等を有するドラムカートリッジと、そのドラムカートリッジに着脱自在な現像カートリッジ24とから構成されている。現像カートリッジ24は、トナー収容部26、現像ローラ27、層厚規制ブレード28、トナー供給ローラ29等を備えている。
【0030】
トナー収容部26には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーがトナー供給ローラ29によって現像ローラ27に供給され、この時、トナー供給ローラ29と現像ローラ27との間で正に摩擦帯電され、更に、現像ローラ27上に供給されたトナーは、現像ローラ27の回転に伴って、層厚規制ブレード28の摺擦により一定厚さの薄層として現像ローラ27上に担持される。一方、回転する感光体ドラム23は現像ローラ27と対向して配置され、ドラム本体が接地されると共に、その表面が有機系感光体材料、例えば、ポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0031】
このプリンタ1では、転写ローラ25によってトナー像が用紙3に転写された後に感光体ドラム23の表面上に残存する残存トナーを、現像ローラ27によって回収する、いわゆるクリーナレス方式によって残存トナーを回収するようにしている。このようなクリーナレス方式によって感光体ドラム23の表面上の残存トナーを回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置や廃トナーの貯留手段を設ける必要がないため、装置構成の簡略化、小型化及びコストの低減化を図ることができる。
【0032】
スコロトロン型帯電器37は、感光体ドラム23の上方に、感光体ドラム23に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器37は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0033】
そして、感光体ドラム23の表面は、その感光体ドラム23の回転に伴って、先ず、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナユニット17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0034】
次いで、現像ローラ27の回転により、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム23に対向して接触する時に、感光体ドラム23の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによってトナー像が達成される。
【0035】
転写ローラ25は、感光体ドラム23の下方において、この感光体ドラム23に対向するように配置され、上記ドラムカートリッジに図1において時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス印加電源から転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光体ドラム23の表面上に担持されたトナー像は、用紙3が感光体ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に、前述の画像形成位置Pにて用紙3に転写される。
【0036】
[定着装置19の構成の説明]
定着手段としての定着装置19は、図1に示すように、プロセスユニット18より側方の搬送方向下流側に配設され、1つの加熱ローラ31と、この加熱ローラ31を押圧するように配置された加圧ローラ32と、これらの下流側に設けられる一対の搬送ローラ33とを備えている。加熱ローラ31は、アルミ等の金属製で加熱のためのハロゲンランプ等のヒータを備えており、プロセスユニット18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させる。その後、用紙3は搬送ローラ33によって、本体ケース2内の後部側の排紙パスにおける搬送ローラ34及び排紙ローラ35により搬送され、その後、排紙トレイ36上に排紙される。
【0037】
また、加熱ローラ31及び加圧ローラ32と搬送ローラ33,33との間の用紙搬送経路には、用紙3として図3(A)に示すように非接触型タグとしてのRFIDタグ(以下、単にタグという)3aを備えたものが使用された場合、そのタグ3aにデータを書き込み可能なタグライタ38が設けられている。このため、タグ3aを備えた用紙3を使用した場合、画像形成後の用紙3のタグ3aに所望のデータを書き込むことができる。
【0038】
更に、本体ケース2の前部側上面には、図1,図2に示すように、タグ3aに書き込まれたデータを読み取るためのタグリーダ39が設けられている。このため、用紙3に設けられたタグ3aをタグリーダ39にかざすと、そのタグ3aからデータを読み取ることができる。
【0039】
[オプショントレイ41の構成の説明]
フィーダ部4の下方に増設可能に構成されたオプショントレイ41は、その内部構造がフィーダ部4とほぼ同様に構成されている。すなわち、オプショントレイ41は、その底部に着脱可能に装着される増設給紙トレイ46と、一端が増設給紙トレイ46の底面に揺動可能に支持され、バネ48aによって付勢された用紙押圧板48と、用紙押圧板48の他端上方に設けられた給紙ローラ(以下、増設給紙ローラという)52及び分離パッド53とを備えている。分離パッド53は、増設給紙ローラ52に対向状に配設され、摩擦係数の大きい部材からなるパッド53aがバネ53bによって増設給紙ローラ52に向かって押圧されている。
【0040】
また、フィーダ部4に装着される本体給紙トレイ6には、用紙押圧板8の揺動範囲と前部側の取っ手部6aとの間に、用紙3を鉛直方向に通過させることのできる通路6bが形成されている。更に、その通路6bの下方には、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ54が配設されている。このため、フィーダ部4の本体給紙トレイ6が正規の位置(本体給紙ローラ12によって用紙3を搬送経路7へ給紙可能な位置)に配設されているとき、オプショントレイ41の増設給紙ローラ52が1枚毎に給紙する用紙3は、一対の搬送ローラ54にて搬送された後、通路6bを通って搬送ローラ11により搬送経路7へ送られる。更に、増設給紙トレイ46の前部側にも、フィーダ部4と同様に取っ手部46aが設けられている。
【0041】
[プリンタ1の制御系の説明]
次に、プリンタ1の制御系を図4のブロック図を参照しながら説明する。プリンタ1は、図4に示すように、各種演算を実行するCPU(中央演算装置)61と、制御プログラム等を記憶させたROM(読み出し専用メモリ)62と、各種のデータを一時的に記憶させるRAM(随時読み書き可能メモリ)63とを備えている。また、そのCPU61には、電源スイッチが切られても記憶内容が消えないようにされたNVRAM64や、ハードディスク装置(HDD)65も接続され、更に、外部装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)70と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)66、図示しないLANと接続するためのLANインタフェース(LANI/F)67、本体ケース2の表面に設けられた操作キー90及び表示パネル91(図2参照)、前述のタグライタ38及びタグリーダ39、並びに、前述の各給紙ローラ12,15a,52から排紙ローラ35へ到る機構の各種アクチュエータ(以下、画像形成部93と総称する)が接続されている。なお、操作キー90は、図2に示すように、複数の矢印キー,実行キー,キャンセルキー,テンキー等を備えた周知のものである。
【0042】
図4に戻って、パソコン70も、CPU71,ROM72,RAM73を備え、そのCPU71には、ハードディスク装置(HDD)74、キーボード,マウス等の操作部75,CRT等の表示部76,プリンタ1と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)77、図示しないLANと接続するためのLANインタフェース(LANI/F)78が接続されている。なお、プリンタ1とパソコン70とは、LANインタフェース67,78を介して接続しても差し支えない。
【0043】
[印字処理についての説明]
次に、上記制御系で実行される印字処理について説明する。先ず、図5は、パソコン70で実行される処理を表すフローチャートである。なお、この処理は、図6に例示する画面表示例のように本文のテキストと共にフォント名,文字サイズ,書体等を設定可能なアプリケーションによって、パソコン70で文書が作成された後、印刷が指示されるとCPU71により実行される。
【0044】
図5に示すように、処理が開始されると、先ずS1(Sはステップを表す:以下同様)にて、タグ3aに情報を書き込むか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。情報を書き込まない場合は(S1:N)、処理はS2へ移行し、上記アプリケーションにて作成されたテキストに対応する文字データとしてのテキスト情報と、上記フォント名,文字サイズ,書体等に対応するフォントデータとしてのフォント情報とを含む印字データが作成される。続くS3では、その印字データがプリンタ1へ送信され、パソコン70における処理が終了する。
【0045】
一方、タグ3aに情報を書き込む場合は(S1:Y)、S5にて、パスワードを設定するか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。パスワードを設定する場合は(S5:Y)、S6にて、表示部76,操作部75を介して使用者にパスワードを入力させる処理が実行され、処理はS7へ移行する。また、パスワードを設定しない場合は(S5:N)、処理はS5からS7へ直接移行する。
【0046】
S7では、上記アプリケーションによって作成された文書のテキスト情報が抽出される。続くS10では、その文書のフォント情報を抽出するか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。フォント情報を抽出する場合は(S10:Y)、S11にてそのフォント情報が抽出され、S12にて、上記テキスト情報とフォント情報と(上記パスワードが設定されている場合は更にそのパスワードを表すパスワードデータ)を含んだタグ3aに書き込むべき情報が作成され、続いて処理は前述のS2へ移行する。
【0047】
図7は、タグ3aに書き込むべき情報としてのフォント情報の一例を表す説明図である。図7に例示するように、フォント情報は、例えば、フォント名,文字サイズ,及び書体を、開始位置及び終了位置と対応付けたテーブルとして構成されてもよい。なお、開始位置及び終了位置は、それぞれ文頭から何文字目かを表す数値である。
【0048】
図8は、S11の処理を詳細に表すフローチャートである。すなわち、この処理によってフォント情報を抽出する場合は(S10:Y)、先ず、S111にてフォント情報が別ファイルに保存されているか否かが判断され、別ファイルに保存されていない場合は(S111:N)、S112にて、文章中のフォント情報が抽出される。続くS113では、抽出されたフォント情報がフォント情報テーブルに対応した形式に変換され、S114にてそのフォント情報が図7に例示したようなフォント情報テーブルに保存されて、処理はS12(図5参照)へ移行する。
【0049】
一方、フォント情報が別ファイルにある場合は(S111:Y)、S117にて、その別ファイルのフォント情報がフォント情報テーブルに対応した形式に変換され、S118にてそのフォント情報がフォント情報テーブルに保存されて、処理はS12(図5参照)へ移行する。
【0050】
図5へ戻って、一方、フォント情報を抽出しない場合は(S10:N)、S13にて、フォント情報を新たに作成するか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。フォント情報を作成する場合は(S13:Y)、表示部76,操作部75を介して使用者にフォント情報を作成させる処理がS14にて実行され、処理は前述のS12へ移行する。この場合は、上記アプリケーションにて設定されたフォント等とは異なるフォント等に対応するフォント情報が、タグ3aに書き込むべき情報とされる。また、フォント情報を作成しない場合は(S13:N)、処理はS13からS12へ直接移行する。この場合、タグ3aに書き込むべき情報としてはフォント情報が設定されない。
【0051】
次に、図9は、パソコン70からデータを受信したときに、プリンタ1のCPU61が実行する処理を表すフローチャートである。処理が開始されると、先ずS20にて、パソコン70からのデータを受信する処理が実行される。続くS21では、タグ3aに書き込むべきデータが、S20にて受信されたデータに含まれているか否かが判断される。タグ3aに書き込むべきデータが含まれていない場合は(S21:N)、S22にて、上記受信されたデータに応じて用紙3への印刷が実行され、処理が終了する。
【0052】
一方、タグ3aに書き込むべきデータがふくまれていた場合は(S21:Y)、S23にて、上記受信されたデータからタグ3aに書き込むべきデータが抽出される。続くS24では、上記受信されたデータに基づいて用紙3への印刷が実行され、S25にて、タグライタ38を介してタグ3aに上記書き込むべきデータが書き込まれて処理が終了する。
【0053】
このため、タグ3aを備えた用紙3が給紙されてS23〜S25の処理が実行されると、用紙3に印字された文字に対応する印字データが、タグ3aに書き込まれる。例えば、図3(B)に例示するように、S24の処理で各種のフォント,文字サイズ,書体で文字3bが用紙3に印字された場合、S25の処理では、各文字のフォント,文字サイズ等に対応するフォント情報が、各文字のテキスト情報と共にタグ3aに書き込まれる。
【0054】
なお、本体給紙トレイ6または増設給紙トレイ46のいずれか一方に、タグ3aを備えた用紙3がセットされ、他方のトレイにタグ3aを備えない一般の用紙3がセットされている場合、S22では上記一般の用紙3が、S24ではタグ3aを備えた用紙3が、それぞれ給紙されて印刷されるように、S22,S24の処理はトレイの選択処理も含むものであってもよい。このような制御を採用すれば、タグ3aに書き込むべきデータがあるにも拘らず一般の用紙3に印字を行ってデータの書き込みができなかったり、タグ3aに書き込むべきデータがないのにも拘わらずタグ3aを備えた高価な用紙3に印字を行ってしまったりするのを防止することができる。
【0055】
次に、図10は、使用者によりタグ3aを備えた用紙3がプリンタ1に備えられたタグリーダ39にかざされて、タグリーダ39が何らかのRFIDタグを検出したときに、プリンタ1のCPU61が実行する処理を表すフローチャートである。なお、タグ3aに特殊なコードを記憶させ、タグリーダ39を介してこの特殊なコードをCPU61が検出した場合に、図10に示す処理をCPU61が実行するように構成しても差し支えない。
【0056】
処理が開始されると、先ずS30にて、そのタグのデータにパスワードが設定されているか否か(すなわち上記パスワードデータの有無)が判断される。パスワードが設定されている場合は(S30:Y)、表示パネル91,操作キー90を介して使用者にパスワードを入力させる処理がS31にて実行され、続くS32にて、入力されたパスワードがタグに設定されたパスワードと一致するか否かが判断される。例えば、S31では、図11(A)に例示するような画面が表示パネル91に表示され、それに応じてテンキー等から入力されたパスワードが、タグ3aに設定されたパスワードと一致するか否か判断される(S32)。
【0057】
入力されたパスワードとタグに設定されたパスワードとが一致しない場合は(S32:N)、処理はそのまま終了し、一致する場合は(S32:Y)、処理は続くS33へ移行する。また、タグのデータにパスワードが設定されていない場合は(S30:N)、処理はS30からS33へ直接移行する。
【0058】
S33では、タグからテキスト情報を読み取ることができるか否かが判断される。テキスト情報の読み取りができない場合は(S33:N)、処理はそのまま終了し、テキスト情報が読み取り可能な場合は(S33:Y)、S34にてそのテキスト情報が抽出される。続くS35では、タグからフォント情報を読み取り可能か否かが判断され、フォント情報が読み取り可能の場合は(S35:Y)、S36にてそのフォント情報が抽出される。
【0059】
続くS37では、S36にて抽出されたフォント情報に対応するフォントのなかに、ROM62または図示しない外付けのメモリに内蔵されていないフォントがあるか否かが判断される。上記フォント情報に対応するフォントが全て内蔵されている場合は(S37:N)、処理はS41へ移行し、S34にて抽出されたテキスト情報と上記フォント情報とを組み合わせることにより印字データが作成され、S42にて印字が実行されて処理が終了する。
【0060】
このため、図3(B)に例示したように文字3bが印字され、その文字3bに対応したテキスト情報,フォント情報がタグ3aに書き込まれた用紙3が、使用者の手元にある場合、使用者はその用紙3のタグ3aをタグリーダ39にかざすだけで、プリンタ1にフォントが内蔵されてさえいれば(S37:N)、同様の文字3bを本体給紙トレイ6または増設給紙トレイ46から給紙された新たな用紙3に印字することができる(S41,S42)。なお、S42の処理も、前述のようにタグ3aを備えない一般の用紙3を給紙するようにトレイの選択処理を含むものであってもよい。
【0061】
一方、タグから抽出されたフォント情報に対応するフォントのなかに、プリンタ1に内蔵されていないフォントがある場合は(S37:Y)、S43にて、内蔵されているフォントに置き換えるか否かが表示パネル91を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。この処理は、例えば、図11(B)に例示するような画面を表示パネル91に表示することによってなされる。そして、フォントを置き換える場合は(S43:Y)、S44にて、内蔵されているどのフォントに置き換えるか、表示パネル91及び操作キー90を介して使用者に選択させる処理が実行され、処理は前述のS41へ移行する。なお、S44の処理は、例えば、図11(C)に例示するような画面を表示パネル91に表示することによってなされる。また、フォントを置き換えない場合は(S43:N)、S45にてデフォルトのフォントを利用する設定に設定変更がなされ、処理は前述のS41へ移行する。このように、例えば前述の文字3bを構成する少なくとも一部のフォントが内蔵されていない場合は(S37:Y)、そのフォントを選択されたフォントまたはデフォルトのフォントに置き換えて印字を行うことができる。
【0062】
また、タグからフォント情報を読み取ることができない場合は(S35:N)、S46にて、印字するか否かが表示パネル91を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。そして、印字しない場合は(S46:N)、処理はそのまま終了し、印字する場合は(S46:Y)、S47にて、印字用フォントを選択するか否かが表示パネル91を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。印字用フォントを選択する場合は(S47:Y)、処理は前述のS44へ移行し、選択しない場合は(S47:N)、処理は前述のS45へ移行する。このように、タグにテキスト情報しか書き込まれていない場合も(S35:N)、選択されたフォントまたはデフォルトのフォントを利用して印字を行うことができる。
【0063】
以上説明したように、本実施例では、図3(B)に例示したように文字3bが印字され、その文字3bに対応したテキスト情報,フォント情報がタグ3aに書き込まれた用紙3さえあれば、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、用紙3の文字3bと、フォントまで含めて同様の文字を他の用紙3に印字することができる。しかも、用紙3に印字された文字3bとその用紙3に設けられたタグ3aのデータとが対応しているので、従来のようにファイルを検索するなどの手間も省略することができる。また、タグ3aにパスワードを設定しておけば、そのパスワードを入力しないと上記印字がなされないので、情報の機密性を向上させることができる。
【0064】
なお、上記実施例において、タグリーダ39が読み取り手段に、各給紙ローラ12,15a,52から排紙ローラ35へ到る機構,及びS24,S41,S42の処理が印字手段に、操作キー90,表示パネル91,及びS31の処理が画像形成装置のパスワード入力手段に、タグライタ38及びS23,S25の処理が書き込み手段に、プリンタポートインタフェース77及びS12,S2,S3の処理が送信手段に、図3(A)に例示した用紙3が被記録媒体に、表示部76,操作部75及びS6の処理が外部装置のパスワード入力手段に、パソコン70及びプリンタ1が印字システムに、S34,S36の処理が読み取り処理に、S24,S41,S42の処理が印字処理に、S23,S25の処理が書き込み処理に、それぞれ相当する。
【0065】
[本発明の他の実施の形態]
また、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、パソコン70とプリンタ1とはインターネット経由で接続されてもよい。また、タグライタ38,タグリーダ39は、上記実施例の位置以外にも適宜の位置に配置することができる。例えば、レジストローラ9の手前などにタグライタ38を設けてもよい。この場合、S24,S25の処理の順序を入れ替えて、タグ3aへのデータの書き込み後に印刷を実行することができる。更に、S24にて印刷を行う際に、用紙3の表面に周知のコピー防止処理を施してもよい。この場合、タグ3aからデータを抽出せずにコピー機などで直接コピーを取ろうとすると、良好なコピーが得られない。また更に、本発明は、レーザプリンタに限らず、ファクシミリ装置,コピー機,インクジェットプリンタ,ドットインパクトプリンタ等の、各種画像形成装置に適用することもできる。更に、用紙3へのタグ3aの取り付け方法は、接着剤によって接着したものであってもよいし、用紙3にすき込まれたものであってもよい。また、タグ3aは、用紙3の印字面側に設けられたものであってもよいし、裏側に設けられたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明が適用されたプリンタの構成を表す概略断面図である。
【図2】そのプリンタの外観を表す斜視図である。
【図3】そのプリンタで使用される用紙の構成を例示する平面図である。
【図4】そのプリンタの制御系の構成を表すブロック図である。
【図5】上記制御系のパソコン側で実行される処理を表すフローチャートである。
【図6】そのパソコンでの文書作成時の画面表示例を表す説明図である。
【図7】そのパソコンで作成されるフォント情報テーブルを例示する説明図である。
【図8】上記処理のうちのフォント情報抽出処理を表すフローチャートである。
【図9】上記制御系のプリンタ側で実行される処理を表すフローチャートである。
【図10】上記制御系のプリンタ側で実行される他の処理を表すフローチャートである。
【図11】その処理におけるプリンタ側の画面表示例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1…プリンタ 3…用紙 3a…RFIDタグ
6…本体給紙トレイ 12…本体給紙ローラ 17…スキャナユニット
18…プロセスユニット 19…定着装置 23…感光体ドラム
24…現像カートリッジ 25…転写ローラ 38…タグライタ
39…タグリーダ 46…増設給紙トレイ 52…増設給紙ローラ
70…パソコン 75…操作部 76…表示部
90…操作キー 91…表示パネル 93…画像形成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に印字を行う画像形成装置、その画像形成装置と外部装置とからなる印字システム、被記録媒体に印字を行う画像形成法、及び、その印字がなされる被記録媒体に関し、詳しくは、非接触型タグを備えた被記録媒体を取り扱うことのできる画像形成装置、印字システム、及び画像形成方法、並びにその被記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波により情報を読み取り可能なRFID(radio frequency identification)タグを、バーコード等が印刷された商品のラベル等一体に構成することが考えられている。そこで、ラベルへの印刷とRFIDタグへのデータの書き込みとを連続して実行可能な画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−96814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記画像形成装置では、ラベルへ印刷された内容と同様の内容を表すデータをRFIDタグに書き込むことができるが、ラベルへ文字を印字した場合のフォントデータまではRFIDタグに書き込むことができない。このため、フォントまで含めた同様の文字を印字したい場合は、上記画像形成装置に送られた元のデータを探す必要があった。
【0004】
上記技術は、ラベルへの印刷に限らず、一般の文書にも転用することが考えられるが、一般の文書の場合、フォントまで含めた同様の文字を印字したいといった要望が一層強くなる。ところが、例えば文書を持ち歩いて出先で同様の文書を印字したい場合には、フォントまで含めた文書データを記憶媒体(例えば、フレキシブルディスク,リムーバブルディスク,フラッシュメモリ等)に書き込んで持ち歩くか、インターネット等を経由して元の文書データをパーソナルコンピュータから送ってもらう必要がある。そこで、本発明は、RFIDタグなどの非接触型タグを備えた被記録媒体を利用することにより、フォントまで含めた同様の文字の印字を容易に行うことのできる画像形成装置、印字システム、画像形成方法、及び、その被記録媒体の提供を目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達するためになされた本発明の画像形成装置は、被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り手段と、被記録媒体に印字を行う印字手段と、を備えた画像形成装置であって、上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字手段は、上記読取手段にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明の画像形成装置では、被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、読み取り手段がその文字データ及びフォントデータを読み取り、読み取られた文字データ及びフォントデータに基づいて印字手段が印字を行う。このため、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0007】
なお、上記発明の画像形成装置において、使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、更に備え、上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータの他に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれている場合、上記読み取り手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に上記パスワードデータを読み取り、上記読み取り手段にて読み取られた上記パスワードデータに対応するパスワードが上記パスワード入力手段を介して入力された際に、上記印字手段が上記印字を行うようにしてもよい。この場合、パスワード入力手段を介してパスワードを入力しないと上記印字が行われないので、情報の機密性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み手段と、非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字手段と、を備えた画像形成装置であって、上記印字手段は、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、上記書き込み手段は、上記印字手段による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とするものであってもよい。
【0009】
このように構成された本発明の画像形成装置では、印字手段は、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、被記録媒体への印字を行う。また、書き込み手段は、上記印字手段による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込む。このため、上記被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字を行ったときに使用された文字データ及びフォントデータを書き込むことができる。従って、上記非接触型タグからデータを読み取れば、データをパーソナルコンピュータから送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0010】
また、本発明の印字システムは、上記画像形成装置と、その画像形成装置に向けてデータを送信可能に設けられた外部装置と、からなる印字システムであって、上記外部装置は、上記文字データ及び上記フォントデータを上記画像形成装置に向けて送信する送信手段を、備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成された本発明の印字システムでは、上記外部装置から文字データ及びフォントデータを送信することにより、上記画像形成装置において、その文字データ及びフォントデータに基づいて被記録媒体に印字を行うと共に、その文字データ及びフォントデータを上記被記録媒体に設けられた非接触型タグに書き込むことができる。このため、上記外部装置からデータを送信し直したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0012】
なお、本発明の印字システムにおいて、上記外部装置は、使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、更に備え、上記パスワード入力手段によりパスワードが入力された場合、上記送信手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードを表すパスワードデータを送信し、上記書き込み手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードデータを上記非接触型タグに書き込むようにしてもよい。この場合、非接触型タグには上記文字データ及び上記フォントデータと共にパスワードデータが書き込まれるので、そのパスワードデータを適宜の方法で利用して、例えば前述の画像形成装置のようにして機密性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の画像形成方法は、被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り処理と、被記録媒体に印字を行う印字処理と、を備えた画像形成方法であって、上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字処理では、上記読取処理にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴としている。
【0014】
このように構成された本発明の画像形成方法では、被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、読み取り処理によってその文字データ及びフォントデータを読み取り、読み取られた文字データ及びフォントデータに基づいて印字処理によって印字を行うことができる。このため、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0015】
また、本発明の画像形成方法は、被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み処理と、非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字処理と、を備えた画像形成方法であって、上記印字処理では、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、上記書き込み処理では、上記印字処理による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とするものであってもよい。
【0016】
このように構成された本発明の画像形成方法では、印字処理では、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、被記録媒体への印字を行う。また、書き込み処理では、上記印字処理による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込む。このため、上記被記録媒体に設けられた非接触型タグに、その被記録媒体に印字を行ったときに使用された文字データ及びフォントデータを書き込むことができる。従って、上記非接触型タグからデータを読み取れば、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、上記非接触型タグを備えたサンプルの被記録媒体に印字された文字と、フォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0017】
また、本発明の被記録媒体は、文字が印字された被記録媒体であって、上記印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれた非接触型タグが、設けられたことを特徴としている。
【0018】
このように構成された本発明の被記録媒体は、上記非接触型タグに書き込まれた文字データ及びフォントデータに基づいて印字を行うことにより、その被記録媒体に印字された文字とフォントまで含めて同様の文字を、他の被記録媒体に容易に印字することが可能となる。
【0019】
なお、本発明の被記録媒体には、更に、上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれていてもよい。この場合、上記書き込まれたパスワードデータを適宜の方法で利用して、機密性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、実施例を挙げて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることはいうまでもない。先ず、図1は、本発明が適用された画像形成装置としてのプリンタ1の概略断面図である。また、図2は、プリンタ1の外観を表す斜視図である。
【0021】
[プリンタ1の構成の説明]
本実施例のプリンタ1は、図1に示すように、本体ケース2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4、マルチパーパストレイ14、給紙された用紙3に画像を形成するためのプロセスユニット18及び定着装置19等を備えている。このプリンタ1は、フィーダ部4の下方にオプショントレイ41をオプションで増設可能に構成されている。なお、以降、このプリンタ1において、マルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側(図1で左側)を「前部」とし、同じくマルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側とは反対側を「後部」とする。
【0022】
[フィーダ部4の構成の説明]
図1に示すように、フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に、着脱可能に装着される本体給紙トレイ6と、本体給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、本体給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ(以下、本体給紙ローラという)12及び分離パッド13とを備えている。また、本体給紙ローラ12から画像形成位置P(感光体ドラム23と転写ローラ25との接触部、つまり感光体ドラム23上のトナー像が用紙3に転写される転写位置)までの間には、湾曲状に形成された搬送経路7が配されている。
【0023】
用紙押圧板8は、用紙3を積層状に保持可能であり、本体給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能に構成されており、また、その裏側からバネ8aによって上方向に付勢されている。分離パッド13は、本体給紙ローラ12に対向状に配設され、摩擦係数の大きい部材からなるパッド13aがバネ13bによって本体給紙ローラ12に向かって押圧されている。
【0024】
一方、搬送経路7は、用紙3の広幅面を案内する一対のガイド板7a,7bが配置されることにより湾曲状に形成されている。また、この搬送経路7には、用紙搬送の上流側から順に、本体給紙ローラ12、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ11、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ10、及び、画像形成位置Pの直前に配置され、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対のレジストローラ9が、適宜間隔にて配置されている。
【0025】
以上のように構成されたフィーダ部4においては、用紙押圧板8上に積層された用紙3のうち最上位にある用紙3が、本体給紙ローラ12に向かって押圧され、その本体給紙ローラ12の回転によって本体給紙ローラ12と分離パッド13とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ11にて搬送された後、搬送ローラ10及びレジストローラ9に順次送られ、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成位置Pに送るようにしている。
【0026】
[マルチパーパストレイ14の構成の説明]
フィーダ部4より上方位置の本体ケース2の前部側には、用紙3を手差しまたは自動給紙にて供給するためのマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙機構15とが設けられている。マルチパーパス側給紙機構15は、マルチパーパス側給紙ローラ15a及びマルチパーパス側給紙パッド15bを備えており、マルチパーパス側給紙パッド15bの裏側に配設されるバネ15cによって、マルチパーパス側給紙パッド15bがマルチパーパス側給紙ローラ15aに向かって押圧されている。また、マルチパーパス側給紙機構15は、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ15dを備えている。
【0027】
以上のように構成されたマルチパーパストレイ14においては、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3が、回転するマルチパーパス側給紙ローラ15aとマルチパーパス側給紙パッド15bとで挟まれた後、1枚毎に給紙されて一対の搬送ローラ15dを介して上記レジストローラ9に送られる。
【0028】
[スキャナユニット17の構成の説明]
スキャナユニット17は、本体ケース2の上部のうち、排紙トレイ36の下面側に配置され、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21a及び21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部から発光される画像データに応じたレーザビームを、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過或いは反射させて、プロセスユニット18における感光体ドラム23の表面上に高速走査にて照射している。
【0029】
[プロセスユニット18の構成の説明]
プロセスユニット18は、静電潜像坦持体としての感光体ドラム23、スコロトロン型帯電器37、及び、転写ローラ25等を有するドラムカートリッジと、そのドラムカートリッジに着脱自在な現像カートリッジ24とから構成されている。現像カートリッジ24は、トナー収容部26、現像ローラ27、層厚規制ブレード28、トナー供給ローラ29等を備えている。
【0030】
トナー収容部26には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーがトナー供給ローラ29によって現像ローラ27に供給され、この時、トナー供給ローラ29と現像ローラ27との間で正に摩擦帯電され、更に、現像ローラ27上に供給されたトナーは、現像ローラ27の回転に伴って、層厚規制ブレード28の摺擦により一定厚さの薄層として現像ローラ27上に担持される。一方、回転する感光体ドラム23は現像ローラ27と対向して配置され、ドラム本体が接地されると共に、その表面が有機系感光体材料、例えば、ポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0031】
このプリンタ1では、転写ローラ25によってトナー像が用紙3に転写された後に感光体ドラム23の表面上に残存する残存トナーを、現像ローラ27によって回収する、いわゆるクリーナレス方式によって残存トナーを回収するようにしている。このようなクリーナレス方式によって感光体ドラム23の表面上の残存トナーを回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置や廃トナーの貯留手段を設ける必要がないため、装置構成の簡略化、小型化及びコストの低減化を図ることができる。
【0032】
スコロトロン型帯電器37は、感光体ドラム23の上方に、感光体ドラム23に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器37は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0033】
そして、感光体ドラム23の表面は、その感光体ドラム23の回転に伴って、先ず、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナユニット17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0034】
次いで、現像ローラ27の回転により、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム23に対向して接触する時に、感光体ドラム23の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによってトナー像が達成される。
【0035】
転写ローラ25は、感光体ドラム23の下方において、この感光体ドラム23に対向するように配置され、上記ドラムカートリッジに図1において時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス印加電源から転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光体ドラム23の表面上に担持されたトナー像は、用紙3が感光体ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に、前述の画像形成位置Pにて用紙3に転写される。
【0036】
[定着装置19の構成の説明]
定着手段としての定着装置19は、図1に示すように、プロセスユニット18より側方の搬送方向下流側に配設され、1つの加熱ローラ31と、この加熱ローラ31を押圧するように配置された加圧ローラ32と、これらの下流側に設けられる一対の搬送ローラ33とを備えている。加熱ローラ31は、アルミ等の金属製で加熱のためのハロゲンランプ等のヒータを備えており、プロセスユニット18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させる。その後、用紙3は搬送ローラ33によって、本体ケース2内の後部側の排紙パスにおける搬送ローラ34及び排紙ローラ35により搬送され、その後、排紙トレイ36上に排紙される。
【0037】
また、加熱ローラ31及び加圧ローラ32と搬送ローラ33,33との間の用紙搬送経路には、用紙3として図3(A)に示すように非接触型タグとしてのRFIDタグ(以下、単にタグという)3aを備えたものが使用された場合、そのタグ3aにデータを書き込み可能なタグライタ38が設けられている。このため、タグ3aを備えた用紙3を使用した場合、画像形成後の用紙3のタグ3aに所望のデータを書き込むことができる。
【0038】
更に、本体ケース2の前部側上面には、図1,図2に示すように、タグ3aに書き込まれたデータを読み取るためのタグリーダ39が設けられている。このため、用紙3に設けられたタグ3aをタグリーダ39にかざすと、そのタグ3aからデータを読み取ることができる。
【0039】
[オプショントレイ41の構成の説明]
フィーダ部4の下方に増設可能に構成されたオプショントレイ41は、その内部構造がフィーダ部4とほぼ同様に構成されている。すなわち、オプショントレイ41は、その底部に着脱可能に装着される増設給紙トレイ46と、一端が増設給紙トレイ46の底面に揺動可能に支持され、バネ48aによって付勢された用紙押圧板48と、用紙押圧板48の他端上方に設けられた給紙ローラ(以下、増設給紙ローラという)52及び分離パッド53とを備えている。分離パッド53は、増設給紙ローラ52に対向状に配設され、摩擦係数の大きい部材からなるパッド53aがバネ53bによって増設給紙ローラ52に向かって押圧されている。
【0040】
また、フィーダ部4に装着される本体給紙トレイ6には、用紙押圧板8の揺動範囲と前部側の取っ手部6aとの間に、用紙3を鉛直方向に通過させることのできる通路6bが形成されている。更に、その通路6bの下方には、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ54が配設されている。このため、フィーダ部4の本体給紙トレイ6が正規の位置(本体給紙ローラ12によって用紙3を搬送経路7へ給紙可能な位置)に配設されているとき、オプショントレイ41の増設給紙ローラ52が1枚毎に給紙する用紙3は、一対の搬送ローラ54にて搬送された後、通路6bを通って搬送ローラ11により搬送経路7へ送られる。更に、増設給紙トレイ46の前部側にも、フィーダ部4と同様に取っ手部46aが設けられている。
【0041】
[プリンタ1の制御系の説明]
次に、プリンタ1の制御系を図4のブロック図を参照しながら説明する。プリンタ1は、図4に示すように、各種演算を実行するCPU(中央演算装置)61と、制御プログラム等を記憶させたROM(読み出し専用メモリ)62と、各種のデータを一時的に記憶させるRAM(随時読み書き可能メモリ)63とを備えている。また、そのCPU61には、電源スイッチが切られても記憶内容が消えないようにされたNVRAM64や、ハードディスク装置(HDD)65も接続され、更に、外部装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)70と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)66、図示しないLANと接続するためのLANインタフェース(LANI/F)67、本体ケース2の表面に設けられた操作キー90及び表示パネル91(図2参照)、前述のタグライタ38及びタグリーダ39、並びに、前述の各給紙ローラ12,15a,52から排紙ローラ35へ到る機構の各種アクチュエータ(以下、画像形成部93と総称する)が接続されている。なお、操作キー90は、図2に示すように、複数の矢印キー,実行キー,キャンセルキー,テンキー等を備えた周知のものである。
【0042】
図4に戻って、パソコン70も、CPU71,ROM72,RAM73を備え、そのCPU71には、ハードディスク装置(HDD)74、キーボード,マウス等の操作部75,CRT等の表示部76,プリンタ1と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)77、図示しないLANと接続するためのLANインタフェース(LANI/F)78が接続されている。なお、プリンタ1とパソコン70とは、LANインタフェース67,78を介して接続しても差し支えない。
【0043】
[印字処理についての説明]
次に、上記制御系で実行される印字処理について説明する。先ず、図5は、パソコン70で実行される処理を表すフローチャートである。なお、この処理は、図6に例示する画面表示例のように本文のテキストと共にフォント名,文字サイズ,書体等を設定可能なアプリケーションによって、パソコン70で文書が作成された後、印刷が指示されるとCPU71により実行される。
【0044】
図5に示すように、処理が開始されると、先ずS1(Sはステップを表す:以下同様)にて、タグ3aに情報を書き込むか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。情報を書き込まない場合は(S1:N)、処理はS2へ移行し、上記アプリケーションにて作成されたテキストに対応する文字データとしてのテキスト情報と、上記フォント名,文字サイズ,書体等に対応するフォントデータとしてのフォント情報とを含む印字データが作成される。続くS3では、その印字データがプリンタ1へ送信され、パソコン70における処理が終了する。
【0045】
一方、タグ3aに情報を書き込む場合は(S1:Y)、S5にて、パスワードを設定するか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。パスワードを設定する場合は(S5:Y)、S6にて、表示部76,操作部75を介して使用者にパスワードを入力させる処理が実行され、処理はS7へ移行する。また、パスワードを設定しない場合は(S5:N)、処理はS5からS7へ直接移行する。
【0046】
S7では、上記アプリケーションによって作成された文書のテキスト情報が抽出される。続くS10では、その文書のフォント情報を抽出するか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。フォント情報を抽出する場合は(S10:Y)、S11にてそのフォント情報が抽出され、S12にて、上記テキスト情報とフォント情報と(上記パスワードが設定されている場合は更にそのパスワードを表すパスワードデータ)を含んだタグ3aに書き込むべき情報が作成され、続いて処理は前述のS2へ移行する。
【0047】
図7は、タグ3aに書き込むべき情報としてのフォント情報の一例を表す説明図である。図7に例示するように、フォント情報は、例えば、フォント名,文字サイズ,及び書体を、開始位置及び終了位置と対応付けたテーブルとして構成されてもよい。なお、開始位置及び終了位置は、それぞれ文頭から何文字目かを表す数値である。
【0048】
図8は、S11の処理を詳細に表すフローチャートである。すなわち、この処理によってフォント情報を抽出する場合は(S10:Y)、先ず、S111にてフォント情報が別ファイルに保存されているか否かが判断され、別ファイルに保存されていない場合は(S111:N)、S112にて、文章中のフォント情報が抽出される。続くS113では、抽出されたフォント情報がフォント情報テーブルに対応した形式に変換され、S114にてそのフォント情報が図7に例示したようなフォント情報テーブルに保存されて、処理はS12(図5参照)へ移行する。
【0049】
一方、フォント情報が別ファイルにある場合は(S111:Y)、S117にて、その別ファイルのフォント情報がフォント情報テーブルに対応した形式に変換され、S118にてそのフォント情報がフォント情報テーブルに保存されて、処理はS12(図5参照)へ移行する。
【0050】
図5へ戻って、一方、フォント情報を抽出しない場合は(S10:N)、S13にて、フォント情報を新たに作成するか否かが表示部76を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。フォント情報を作成する場合は(S13:Y)、表示部76,操作部75を介して使用者にフォント情報を作成させる処理がS14にて実行され、処理は前述のS12へ移行する。この場合は、上記アプリケーションにて設定されたフォント等とは異なるフォント等に対応するフォント情報が、タグ3aに書き込むべき情報とされる。また、フォント情報を作成しない場合は(S13:N)、処理はS13からS12へ直接移行する。この場合、タグ3aに書き込むべき情報としてはフォント情報が設定されない。
【0051】
次に、図9は、パソコン70からデータを受信したときに、プリンタ1のCPU61が実行する処理を表すフローチャートである。処理が開始されると、先ずS20にて、パソコン70からのデータを受信する処理が実行される。続くS21では、タグ3aに書き込むべきデータが、S20にて受信されたデータに含まれているか否かが判断される。タグ3aに書き込むべきデータが含まれていない場合は(S21:N)、S22にて、上記受信されたデータに応じて用紙3への印刷が実行され、処理が終了する。
【0052】
一方、タグ3aに書き込むべきデータがふくまれていた場合は(S21:Y)、S23にて、上記受信されたデータからタグ3aに書き込むべきデータが抽出される。続くS24では、上記受信されたデータに基づいて用紙3への印刷が実行され、S25にて、タグライタ38を介してタグ3aに上記書き込むべきデータが書き込まれて処理が終了する。
【0053】
このため、タグ3aを備えた用紙3が給紙されてS23〜S25の処理が実行されると、用紙3に印字された文字に対応する印字データが、タグ3aに書き込まれる。例えば、図3(B)に例示するように、S24の処理で各種のフォント,文字サイズ,書体で文字3bが用紙3に印字された場合、S25の処理では、各文字のフォント,文字サイズ等に対応するフォント情報が、各文字のテキスト情報と共にタグ3aに書き込まれる。
【0054】
なお、本体給紙トレイ6または増設給紙トレイ46のいずれか一方に、タグ3aを備えた用紙3がセットされ、他方のトレイにタグ3aを備えない一般の用紙3がセットされている場合、S22では上記一般の用紙3が、S24ではタグ3aを備えた用紙3が、それぞれ給紙されて印刷されるように、S22,S24の処理はトレイの選択処理も含むものであってもよい。このような制御を採用すれば、タグ3aに書き込むべきデータがあるにも拘らず一般の用紙3に印字を行ってデータの書き込みができなかったり、タグ3aに書き込むべきデータがないのにも拘わらずタグ3aを備えた高価な用紙3に印字を行ってしまったりするのを防止することができる。
【0055】
次に、図10は、使用者によりタグ3aを備えた用紙3がプリンタ1に備えられたタグリーダ39にかざされて、タグリーダ39が何らかのRFIDタグを検出したときに、プリンタ1のCPU61が実行する処理を表すフローチャートである。なお、タグ3aに特殊なコードを記憶させ、タグリーダ39を介してこの特殊なコードをCPU61が検出した場合に、図10に示す処理をCPU61が実行するように構成しても差し支えない。
【0056】
処理が開始されると、先ずS30にて、そのタグのデータにパスワードが設定されているか否か(すなわち上記パスワードデータの有無)が判断される。パスワードが設定されている場合は(S30:Y)、表示パネル91,操作キー90を介して使用者にパスワードを入力させる処理がS31にて実行され、続くS32にて、入力されたパスワードがタグに設定されたパスワードと一致するか否かが判断される。例えば、S31では、図11(A)に例示するような画面が表示パネル91に表示され、それに応じてテンキー等から入力されたパスワードが、タグ3aに設定されたパスワードと一致するか否か判断される(S32)。
【0057】
入力されたパスワードとタグに設定されたパスワードとが一致しない場合は(S32:N)、処理はそのまま終了し、一致する場合は(S32:Y)、処理は続くS33へ移行する。また、タグのデータにパスワードが設定されていない場合は(S30:N)、処理はS30からS33へ直接移行する。
【0058】
S33では、タグからテキスト情報を読み取ることができるか否かが判断される。テキスト情報の読み取りができない場合は(S33:N)、処理はそのまま終了し、テキスト情報が読み取り可能な場合は(S33:Y)、S34にてそのテキスト情報が抽出される。続くS35では、タグからフォント情報を読み取り可能か否かが判断され、フォント情報が読み取り可能の場合は(S35:Y)、S36にてそのフォント情報が抽出される。
【0059】
続くS37では、S36にて抽出されたフォント情報に対応するフォントのなかに、ROM62または図示しない外付けのメモリに内蔵されていないフォントがあるか否かが判断される。上記フォント情報に対応するフォントが全て内蔵されている場合は(S37:N)、処理はS41へ移行し、S34にて抽出されたテキスト情報と上記フォント情報とを組み合わせることにより印字データが作成され、S42にて印字が実行されて処理が終了する。
【0060】
このため、図3(B)に例示したように文字3bが印字され、その文字3bに対応したテキスト情報,フォント情報がタグ3aに書き込まれた用紙3が、使用者の手元にある場合、使用者はその用紙3のタグ3aをタグリーダ39にかざすだけで、プリンタ1にフォントが内蔵されてさえいれば(S37:N)、同様の文字3bを本体給紙トレイ6または増設給紙トレイ46から給紙された新たな用紙3に印字することができる(S41,S42)。なお、S42の処理も、前述のようにタグ3aを備えない一般の用紙3を給紙するようにトレイの選択処理を含むものであってもよい。
【0061】
一方、タグから抽出されたフォント情報に対応するフォントのなかに、プリンタ1に内蔵されていないフォントがある場合は(S37:Y)、S43にて、内蔵されているフォントに置き換えるか否かが表示パネル91を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。この処理は、例えば、図11(B)に例示するような画面を表示パネル91に表示することによってなされる。そして、フォントを置き換える場合は(S43:Y)、S44にて、内蔵されているどのフォントに置き換えるか、表示パネル91及び操作キー90を介して使用者に選択させる処理が実行され、処理は前述のS41へ移行する。なお、S44の処理は、例えば、図11(C)に例示するような画面を表示パネル91に表示することによってなされる。また、フォントを置き換えない場合は(S43:N)、S45にてデフォルトのフォントを利用する設定に設定変更がなされ、処理は前述のS41へ移行する。このように、例えば前述の文字3bを構成する少なくとも一部のフォントが内蔵されていない場合は(S37:Y)、そのフォントを選択されたフォントまたはデフォルトのフォントに置き換えて印字を行うことができる。
【0062】
また、タグからフォント情報を読み取ることができない場合は(S35:N)、S46にて、印字するか否かが表示パネル91を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。そして、印字しない場合は(S46:N)、処理はそのまま終了し、印字する場合は(S46:Y)、S47にて、印字用フォントを選択するか否かが表示パネル91を介して使用者に問い合わされ、いずれが選択されたかが判断される。印字用フォントを選択する場合は(S47:Y)、処理は前述のS44へ移行し、選択しない場合は(S47:N)、処理は前述のS45へ移行する。このように、タグにテキスト情報しか書き込まれていない場合も(S35:N)、選択されたフォントまたはデフォルトのフォントを利用して印字を行うことができる。
【0063】
以上説明したように、本実施例では、図3(B)に例示したように文字3bが印字され、その文字3bに対応したテキスト情報,フォント情報がタグ3aに書き込まれた用紙3さえあれば、パーソナルコンピュータからデータを送信したり、ディスク等にデータを入れて持ち歩いたりしなくても、用紙3の文字3bと、フォントまで含めて同様の文字を他の用紙3に印字することができる。しかも、用紙3に印字された文字3bとその用紙3に設けられたタグ3aのデータとが対応しているので、従来のようにファイルを検索するなどの手間も省略することができる。また、タグ3aにパスワードを設定しておけば、そのパスワードを入力しないと上記印字がなされないので、情報の機密性を向上させることができる。
【0064】
なお、上記実施例において、タグリーダ39が読み取り手段に、各給紙ローラ12,15a,52から排紙ローラ35へ到る機構,及びS24,S41,S42の処理が印字手段に、操作キー90,表示パネル91,及びS31の処理が画像形成装置のパスワード入力手段に、タグライタ38及びS23,S25の処理が書き込み手段に、プリンタポートインタフェース77及びS12,S2,S3の処理が送信手段に、図3(A)に例示した用紙3が被記録媒体に、表示部76,操作部75及びS6の処理が外部装置のパスワード入力手段に、パソコン70及びプリンタ1が印字システムに、S34,S36の処理が読み取り処理に、S24,S41,S42の処理が印字処理に、S23,S25の処理が書き込み処理に、それぞれ相当する。
【0065】
[本発明の他の実施の形態]
また、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、パソコン70とプリンタ1とはインターネット経由で接続されてもよい。また、タグライタ38,タグリーダ39は、上記実施例の位置以外にも適宜の位置に配置することができる。例えば、レジストローラ9の手前などにタグライタ38を設けてもよい。この場合、S24,S25の処理の順序を入れ替えて、タグ3aへのデータの書き込み後に印刷を実行することができる。更に、S24にて印刷を行う際に、用紙3の表面に周知のコピー防止処理を施してもよい。この場合、タグ3aからデータを抽出せずにコピー機などで直接コピーを取ろうとすると、良好なコピーが得られない。また更に、本発明は、レーザプリンタに限らず、ファクシミリ装置,コピー機,インクジェットプリンタ,ドットインパクトプリンタ等の、各種画像形成装置に適用することもできる。更に、用紙3へのタグ3aの取り付け方法は、接着剤によって接着したものであってもよいし、用紙3にすき込まれたものであってもよい。また、タグ3aは、用紙3の印字面側に設けられたものであってもよいし、裏側に設けられたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明が適用されたプリンタの構成を表す概略断面図である。
【図2】そのプリンタの外観を表す斜視図である。
【図3】そのプリンタで使用される用紙の構成を例示する平面図である。
【図4】そのプリンタの制御系の構成を表すブロック図である。
【図5】上記制御系のパソコン側で実行される処理を表すフローチャートである。
【図6】そのパソコンでの文書作成時の画面表示例を表す説明図である。
【図7】そのパソコンで作成されるフォント情報テーブルを例示する説明図である。
【図8】上記処理のうちのフォント情報抽出処理を表すフローチャートである。
【図9】上記制御系のプリンタ側で実行される処理を表すフローチャートである。
【図10】上記制御系のプリンタ側で実行される他の処理を表すフローチャートである。
【図11】その処理におけるプリンタ側の画面表示例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1…プリンタ 3…用紙 3a…RFIDタグ
6…本体給紙トレイ 12…本体給紙ローラ 17…スキャナユニット
18…プロセスユニット 19…定着装置 23…感光体ドラム
24…現像カートリッジ 25…転写ローラ 38…タグライタ
39…タグリーダ 46…増設給紙トレイ 52…増設給紙ローラ
70…パソコン 75…操作部 76…表示部
90…操作キー 91…表示パネル 93…画像形成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り手段と、
被記録媒体に印字を行う印字手段と、
を備えた画像形成装置であって、
上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字手段は、上記読取手段にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、更に備え、
上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータの他に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれている場合、
上記読み取り手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に上記パスワードデータを読み取り、
上記読み取り手段にて読み取られた上記パスワードデータに対応するパスワードが上記パスワード入力手段を介して入力された際に、上記印字手段が上記印字を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み手段と、
非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字手段と、
を備えた画像形成装置であって、
上記印字手段は、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、
上記書き込み手段は、上記印字手段による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置と、その画像形成装置に向けてデータを送信可能に設けられた外部装置と、からなる印字システムであって、
上記外部装置は、上記文字データ及び上記フォントデータを上記画像形成装置に向けて送信する送信手段を、
備えたことを特徴とする印字システム。
【請求項5】
上記外部装置は、使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、
更に備え、上記パスワード入力手段によりパスワードが入力された場合、
上記送信手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードを表すパスワードデータを送信し、
上記書き込み手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードデータを上記非接触型タグに書き込むことを特徴とする請求項4記載の印字システム。
【請求項6】
被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り処理と、
被記録媒体に印字を行う印字処理と、
を備えた画像形成方法であって、
上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字処理では、上記読取処理にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み処理と、
非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字処理と、
を備えた画像形成方法であって、
上記印字処理では、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、
上記書き込み処理では、上記印字処理による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
文字が印字された被記録媒体であって、
上記印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれた非接触型タグが、
設けられたことを特徴とする被記録媒体。
【請求項9】
上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれたことを特徴とする請求項8記載の被記録媒体。
【請求項1】
被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り手段と、
被記録媒体に印字を行う印字手段と、
を備えた画像形成装置であって、
上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字手段は、上記読取手段にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、更に備え、
上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータの他に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれている場合、
上記読み取り手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に上記パスワードデータを読み取り、
上記読み取り手段にて読み取られた上記パスワードデータに対応するパスワードが上記パスワード入力手段を介して入力された際に、上記印字手段が上記印字を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み手段と、
非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字手段と、
を備えた画像形成装置であって、
上記印字手段は、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、
上記書き込み手段は、上記印字手段による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置と、その画像形成装置に向けてデータを送信可能に設けられた外部装置と、からなる印字システムであって、
上記外部装置は、上記文字データ及び上記フォントデータを上記画像形成装置に向けて送信する送信手段を、
備えたことを特徴とする印字システム。
【請求項5】
上記外部装置は、使用者がパスワードを入力するためのパスワード入力手段を、
更に備え、上記パスワード入力手段によりパスワードが入力された場合、
上記送信手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードを表すパスワードデータを送信し、
上記書き込み手段は、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、上記パスワードデータを上記非接触型タグに書き込むことを特徴とする請求項4記載の印字システム。
【請求項6】
被記録媒体に設けられた非接触型タグからデータを読み取る読み取り処理と、
被記録媒体に印字を行う印字処理と、
を備えた画像形成方法であって、
上記非接触型タグに、その非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれている場合、上記印字処理では、上記読取処理にて読み取られた上記文字データ及び上記フォントデータに基づいて印字を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
被記録媒体に設けられた非接触型タグにデータを書き込む書き込み処理と、
非接触型タグが設けられた被記録媒体に印字を行う印字処理と、
を備えた画像形成方法であって、
上記印字処理では、被記録媒体に印字すべき文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータに基づいて、上記印字を行い、
上記書き込み処理では、上記印字処理による上記印字がなされる被記録媒体に設けられた非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータを書き込むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
文字が印字された被記録媒体であって、
上記印字された文字を表す文字データ、及び、その文字のフォントを表すフォントデータが書き込まれた非接触型タグが、
設けられたことを特徴とする被記録媒体。
【請求項9】
上記非接触型タグに、上記文字データ及び上記フォントデータと共に、パスワードを表すパスワードデータが書き込まれたことを特徴とする請求項8記載の被記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【公開番号】特開2007−144851(P2007−144851A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343694(P2005−343694)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]