説明

画像形成装置、及び画像形成方法

【課題】画像形成装置において、異常発生によって中断された画像形成を自動的に効率よく再開させる。
【解決手段】画像形成装置1の画像読取部20は、原稿を読み取って画像データを取得し、記憶部120は画像形成すべき部数の情報を含むジョブデータを記憶する。プリント部40は、これらの画像データとジョブデータに基づいて用紙Pに画像形成を行い、異常検知部45はプリント部40の異常を検知する。制御部110は、異常検知部45によって異常が検知されるとプリント部40による画像形成を停止させ、この停止させた際の未出力部数と未出力枚数を記憶部120に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(Personal Computer)とデータ送受信可能に接続された画像形成装置を複数のユーザで共用している。画像形成装置において紙詰まり等の異常が発生した場合には、画像形成装置は、モニタにエラー画面を表示して画像形成を中断する。各ユーザは、モニタに表示されたエラー画面に応じて、詰まった紙を除去する等して異常から復旧し、画像形成を再開させる。異常の要因によっては、復旧するために画像形成装置の電源スイッチをオフ/オンさせたり、操作パネルからの入力により画像形成装置の再起動が必要になることもある。この場合、部数等の情報を含むジョブデータが消去されてしまうため、異常復旧後に再印刷を行う際には、再度ジョブデータを入力しなおす必要がある。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置の異常発生時に作成されたリカバリ情報に基づいて各種設定情報の再入力を行う技術が記載されている。
特許文献2には、画像形成装置において異常が復旧した際に、異常発生時に実行中であった処理対象ジョブを記憶手段から読み出して再出力する技術が記載されている。
特許文献3には、異常発生時に自動的に画像形成装置の再起動を行った後の再出力時に、原稿の再読み取りを行わずに、記憶手段に記憶された画像データに基づいて再出力する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2006−224344号公報
【特許文献2】特開2005−107637号公報
【特許文献3】特開2006−121177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、リカバリ情報に基づいて各種設定情報のの再入力をすることはできるが、異常復旧後の再出力は自動化されておらず、ユーザは、ジョブデータ時の入力を行う必要がある。
【0005】
特許文献2に記載の技術では、記憶手段から処理対象ジョブを読み出して再出力することはできるが、記憶手段に画像データも記憶しておかなければならず、また、再出力を何枚目から行えばよいかを判別することはできない。
【0006】
特許文献3に記載の技術では、記憶手段に記憶された画像データを再出力することはできるが、画像形成装置が再起動されて異常が復旧した後には、入力操作が必要となり、自動的に再出力を行うことはできない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置において、異常発生によって中断された画像形成を自動的に効率よく再開させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
画像形成すべき部数の情報を含むジョブデータの入力を受け付ける画像形成装置であって、
前記ジョブデータに基づいて用紙に画像形成を行うプリント部と、
前記ジョブデータを記憶する記憶部と、
前記プリント部の異常を検知する異常検知部と、
前記異常検知部によって異常が検知されると前記プリント部による画像形成を停止させ、当該停止させた際に前記プリント部が前記記憶部に記憶されたジョブデータに基づいて画像形成していた場合、当該停止させた際の未出力部数と未出力枚数を前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された未出力部数と未出力枚数に基づいて前記プリント部に画像形成を再開させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された未出力部数と未出力枚数に基づいて前記プリント部に画像形成を再開させた場合、当該未出力部数と未出力枚数を前記記憶部から消去することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像形成すべき部数の情報を含むジョブデータを記憶する記憶部と、前記画像読取部によって取得された画像データと前記記憶部に記憶されたジョブデータとに基づいて用紙に画像形成を行うプリント部と、前記プリント部の異常を検知する異常検知部と、を備える画像形成装置の画像を形成する方法であって、
前記画像形成装置によって、前記異常検知部によって異常が検知されると前記プリント部による画像形成を停止させ、当該停止させた際の未出力部数と未出力枚数を前記記憶部に記憶させる工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成装置において、異常発生によって中断された画像形成を自動的に効率よく再開させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の概略断面構成図を示す。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置1は、本体部1aと後処理部50等を備える。
本体部1aは、原稿dから画像を読み取り、読み取った画像を用紙Pに画像形成したり、外部装置等からのジョブデータや画像データの入力を受け付け、これらのデータに基づいて画像を用紙P上に形成したりする。後処理部50は、本体部1aによって画像が形成された用紙に後処理を施す。
【0015】
本体部1aは、画像読取部20と、操作表示部30と、プリント部40と等を備えて構成される。
【0016】
画像読取部20は、ADF(Auto Document Feeder)や紙検知センサ等の自動原稿送り部21と読取部22とを備える。
自動原稿送り部21に載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、原稿dの片面又は両面の画像がCCD(Charge Coupled Device)22aによって原稿dの画像が読み取られる。CCD22aによって読み取られる画像は、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含まれる。
【0017】
画像読取部20により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する画像制御基板100の読取処理部140に出力され、読取処理部140においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0018】
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部31、表示部31を覆うように設けられたタッチパネル32、その他図示しない操作キー群から構成され、ユーザからの指示を受け付け、その操作信号を制御部110に出力する。また、操作表示部30は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する。
【0019】
表示部31は、各種操作指示を示すボタンを複数有する操作画面を表示し、この各画面により受け付けられた指示を示す操作信号を後述する制御部110に対して出力する。
【0020】
タッチパネル32は、操作画面上の押下信号に基づいて操作画面上のボタンの選択指示を受け付ける。また、表示部31に表示されたジョブデータ入力画面(図示せず)において、タッチパネル32からジョブデータ(図3)を入力することができる。タッチパネル32から入力されたジョブデータは、制御部110を介してプリント部40に送信されたり、記憶部120に記憶されたりする。
【0021】
プリント部40は、入力されたジョブデータと画像データに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、積載部41、用紙搬送部42、画像形成部43、搬出部44を備えて構成される。
【0022】
積載部41は、複数の給紙トレイ、手差しトレイ、搬送部等を備える。給紙トレイは、それぞれ用紙の種類毎に予め識別された用紙Pを積載して格納している。手差しトレイは、様々な種類の用紙Pを積載可能となっている。搬送部は、制御部110の指示に基づいて、給紙トレイに格納された用紙P、又は手差しトレイに積載された用紙Pを最上部から一枚ずつ用紙搬送部42に対して搬送する。
【0023】
用紙搬送部42は、積載部41から搬送された用紙Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経て画像形成部43へと搬送する。
また、用紙搬送部42は、搬送路切換板により、片面画像形成処理済みの用紙Pを両面搬送路に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラを経て画像形成部43へと搬送する。
【0024】
画像形成部43は、感光体ドラム、帯電装置、レーザ光を出力するレーザ出力部とレーザ光を主走査方向に走査させるポリゴンミラーとを有する露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング部、定着装置等を備える。
【0025】
画像形成部43は、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置でレーザ光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置により感光体ドラム上に形成されたトナー像は、転写装置において用紙Pに転写される。また、用紙Pにトナー像が転写された後、感光体ドラムの表面の残留トナー等は、クリーニング部により除去される。
【0026】
画像形成部43の定着装置は、用紙搬送部42によって搬送された用紙Pに転写されたトナー像を熱定着する。定着処理された用紙Pは、搬出部44の排紙ローラに挟持されて搬出口から後処理部50へ搬送される。
【0027】
後処理部50は、画像形成された用紙のソート処理を行うソートユニット、折処理を行う折ユニット、パンチ処理を行うパンチユニット、設定された綴じ位置に用紙の束を綴じるステイプル処理を行うステイプルユニット等の各種後処理ユニット、本体部1aにより画像形成された用紙Pや各種後処理が施された用紙Pが排紙され積載される排紙トレイ等を備える。
【0028】
図2に、画像形成装置1の制御ブロック図を示す。
図2に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラ1bと、本体部1aに接続された後処理部50から構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラ1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上のPC2と相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0029】
本体部1aは、画像読取部20、操作表示部30、プリント部40、画像制御基板100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
画像制御基板100は、制御部110、記憶部120、RAM(Random Access Memory)130、読取処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリ170、伸長IC180、書込処理部190、から構成される。
【0031】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部120に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM130に展開し、RAM130に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0032】
記憶部120は、本実施の形態に係る画像形成プログラムやジョブデータ等を記憶する。
【0033】
図3に、ジョブデータのデータ格納例を示す。図3に示すように、ジョブデータは、メモリアドレスを示すアドレス、メモリアドレスに格納されたデータの内容を示すデータ内容、及び各データの値(実データ)であるパラメータ等から構成される。ジョブデータには、各ジョブにおいて出力すべき部数、画像形成する用紙Pを格納している積載部41を指定するための選択トレイ、読み取った原稿dが両面/片面を示す原稿モード、用紙Pに画像形成する際の両面/片面を示すプリントモード、インクの濃度、後処理のためのページスタンプ等である。図3に示す例では、パラメータには、対応するデータ内容が取りうる値の範囲を示している。ジョブデータのパラメータは、この範囲の中のいずれかの値を取る。
【0034】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアとして機能する。
【0035】
読取処理部140は、画像読取部20の画像読取制御部200から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0036】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0037】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150による画像データの圧縮処理及び伸長IC180による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行う。
例えば、画像読取部20により読み取られた画像データの保存が指示されると、読取処理部140から入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に記憶させる。また、圧縮メモリ171に記憶された圧縮画像データのプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸長IC180により伸長処理を施してページメモリ172に記憶させる。さらに、ページメモリ172に格納された画像データのプリント出力が指示されると、ページメモリ172から画像データを読み出して書込処理部190に出力する。この画像データと制御部110を介して入力されるジョブデータ(図3)に基づいて画像形成が実行される。
【0038】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とペ
ージメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力用の画像データ(画像データ)を一時的に記憶するためのメモリである。
【0039】
伸長IC180は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0040】
書込処理部190は、DRAM制御IC160から入力された画像データに基づいて、画像形成のための画像データを生成し、プリント部40に出力する。
【0041】
画像読取部20は、CCD22a、画像読取制御部200等から構成される。画像読取制御部200は、原稿面の露光走査を実行させ、光の反射光をCCD22aにより光電変換を行わせて画像を読み取る。読み取られたアナログ画像信号は、読取処理部140に出力される。
【0042】
操作表示部30は、表示部31、タッチパネル32、操作表示制御部300、その他テンキー等の操作キー群から構成される。操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等を表示部31に表示させる。また、操作表示制御部300は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル32等から入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0043】
図4に、操作表示制御部300の制御によって表示部31に表示されるジョブ読出画面311を示す。ジョブ読出画面311は、記憶部120に記憶されたジョブデータや、前ジョブ読出しを実行するためのものである。前ジョブとは、画像形成装置1において直近に実行されたジョブのことであり、この前ジョブのジョブデータは記憶部120に記憶されている。前ジョブ読出しボタン311aを選択し、OKボタン311bを押下すると、記憶部120に記憶された前ジョブのジョブデータが読み出される。
【0044】
図5に、操作表示制御部300の制御によって表示部31に表示されるコピー画面312を示す。コピー画面312は、画像読取部20に原稿dを読み取らせ、プリント部40に画像形成の開始を指示するための画面である。ジョブ読出画面311において、読み出すべきジョブが選択されて、OKボタン311bが押下された場合には、この選択されたジョブデータに基づいた各種情報がコピー画面312に表示される。例えば、ジョブ読出画面311において、前ジョブ読出しボタン311aが選択され、OKボタン311bが押下された場合には、記憶部120に記憶された前ジョブのジョブデータが読み出されて、このジョブデータに対応する各パラメータ(部数等)が設定されてコピー画面312に表示される。
【0045】
図6に、操作表示制御部300の制御によって表示部31に表示される異常検知画面313を示す。異常検知画面313は、画像形成時に異常検知部45からプリント部40の異常を検知した旨の信号が制御部110に対して入力された際に表示部31に表示される画面である。本実施の形態において、異常検知の信号は2種類あるものとする。一方は、用紙搬送部42において発生した紙づまり等の比較的軽微な異常であり、画像形成装置1のユーザによって復旧可能な異常である(異常検知Aという)。他方は、部品交換が必要な場合等、システム再起動をしなければ復旧不可能な異常である(異常検知Bという)。これらの異常検知の信号は、異常が発生した構成部品や要因に応じて異常検知Aであるか異常検知Bであるかが判断される。
【0046】
異常検知画面313は、異常検知Bを示す旨の信号が制御部110に対して入力された際に表示部31に表示される。また、制御部110は、異常検知A又は異常検知Bを示す信号が入力された際には、プリント部40の画像形成を停止させるよう制御する。画像形成装置1の電源ボタン(図示せず)をオフ/オン又はタッチパネル32等からシステムの再起動指示を入力しなければ、表示部31に表示された異常検知画面313の消去及び停止した画像形成の再開をすることはできない。
【0047】
なお、ジョブ読出画面311とコピー画面312の表示切替はタッチパネル32からの入力によって行うことができる。他にも、操作表示部30を介してユーザ入力されたジョブデータを保存するジョブ保存機能の画面や機械状態を表示させるための画面(いずれも図示せず)も表示部31に表示させることができ、同様にタッチパネル32からの入力によって表示切替を行うことができる。
【0048】
プリント部40は、図1に示した画像形成部43等のプリント出力に係る各部やプリント制御部400を備えて構成される。プリント制御部400は、制御部110からの指示に従って画像形成部43等のプリント部40の各部の動作を制御し、書込処理部190から入力された画像データに基づいて用紙Pに画像形成を行わせると共に、制御部110からの指示に従って後処理部50の各部を動作させる指示信号を後処理制御部500に出力する。
【0049】
異常検知部45は、プリント部40を構成する各部の異常を検知するための温度センサ、紙検知センサ、トナー残量を検知するセンサ等から構成される。異常検知部45は、異常を検知した場合、プリント制御部400を介して制御部110に対して異常を検知した部品に応じた信号を送信する。
【0050】
後処理部50の各構成部は、後処理制御部500により統括的に制御されている。後処理制御部500は、制御部110からプリント制御部400を介して入力される後処理の指示信号に応じて、用紙Pを搬送経路に沿って所定の後処理ユニットに搬送し、各部を駆動制御して用紙Pに所定の後処理を行わせ、排紙トレイに排紙させる制御を行う。
【0051】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。プリンタコントローラ1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続されるPC2から画像形成装置1に対して入力される画像データやジョブの管理及び制御を行うものである。
【0052】
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリ13、LANIF14から構成される。
【0053】
コントローラ制御部11は、プリンタコントローラ1b各部の動作を統括的に制御し、LANIF14を介して、PC2から入力されるデータをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0054】
DRAM制御IC12は、LANIF14により受信されたデータの画像メモリ13への格納や、画像メモリ13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータを画像メモリ13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0055】
画像メモリ13は、DRAMから構成され、入力された出力データを一時的に格納する。
【0056】
LANIF14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、PC2からデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0057】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図7に、前ジョブ読出指示が制御部110に対して指示された際に、制御部110によって実行されるリカバリ処理のフローチャートを示す。リカバリ処理は、制御部110と記憶部120に記憶されたプログラムとの協働により実行される。前ジョブ読出指示とは、ジョブ読出画面311の前ジョブ読出しボタン311aが選択された状態で、OKボタン311bが選択されることをいう。
【0058】
図7に示すように、まず、記憶部120に記憶された前ジョブのジョブデータが読み出される(ステップS1)。画像形成のための各種設定が、読み出された前ジョブのジョブデータに変更される(ステップS2)。次いで、この読み出された前ジョブが、異常検知発生後の1回目の読出しであるか否かが判断される(ステップS3)。異常検知発生後の1回目の読出しとは、異常検知画面313が表示部31に表示されて電源オフ/オンがなされ、画像形成装置1が再起動した後の1回目のジョブデータ読出しのことであり、記憶部120に記憶されたフラグ等に基づいて判断される。
【0059】
異常検知発生後の1回目の読出しであると判断されない場合(ステップS3;NO)、読み出されたジョブデータに基づいて画像形成が開始される(ステップS4)。なお、画像形成のための画像データは、本処理とは別に画像読取部20によって原稿dが読み取られ、画像メモリ170に記憶されている。画像形成の際には、画像メモリ170に記憶された画像データと、本処理で読み出されたジョブデータに基づいて画像形成が実行される。
【0060】
この実行中のジョブデータが前ジョブとして記憶部120に記憶(登録)される(ステップS5)。異常検知が発生したか否かが判断される(ステップS6)。具体的には、制御部110に対して異常検知Bを示す旨の信号が入力されたか否かによって判断される。
【0061】
異常検知が発生したと判断された場合(ステップS6;YES)、この異常検知されたジョブは、前ジョブ読出しされたジョブか否かが判断される(ステップS7)。前ジョブ読出しとは、ステップS1で読み出されたジョブのことである。
【0062】
前ジョブ読出しされたジョブであると判断された場合(ステップS7)、異常検知して画像形成が停止した際における未出力部数と未出力枚数を記憶部120に記憶する(ステップS8)。未出力部数とは、ジョブデータの部数のパラメータのうち、まだ画像形成が終了していない部数である。未出力枚数とは、各部数の印刷枚数のうち、異常停止した際に画像形成が実行中だったの部の残りの印刷枚数である。例えば、印刷枚数が50枚であり、ジョブデータのパラメータが5部であり、2部目の17枚目の画像形成中に異常検知された場合には、未出力部数は4部であり、未出力枚数は34枚となる。
【0063】
異常検知が発生したと判断されない場合(ステップS6;NO)、前ジョブ読出しされたジョブであると判断されない場合(ステップS7;NO)、処理は終了する。前ジョブ読出しされたジョブであると判断されない場合とは、ステップS1において読み出された前ジョブと同時に実行されている他のジョブ等の場合である。
【0064】
一方、異常検知発生後の1回目の読出しであると判断されない場合(ステップS3;YES)、記憶部120に、未出力部数の設定があるか否かが判断される(ステップS9)。この未出力部数の設定とは、前回リカバリ処理が実行された際に、ステップS8において記憶部120に記憶された未出力部数である。
【0065】
未出力部数の設定があると判断された場合(ステップS9;YES)、表示部31に確認画面(図示せず)が表示される(ステップS10)。この確認画面は、未出力部数の設定が記憶部120にあり、この未出力部数と未出力枚数の設定に基づいて画像形成を継続してよいか否かを促すための画面である。
【0066】
次いで、未出力部数の設定に対応する前ジョブを出力するか否かが判断される(ステップS11)。出力すると判断されない場合(ステップS11;NO)、処理は終了する。
出力すると判断された場合(ステップS11;YES)、実行するジョブの設定部数等が未出力部数と未出力枚数に変更されて表示部31にコピー画面312が表示される(ステップS12)。
【0067】
図8に、ステップS12において表示部31に表示されるコピー画面312に一例を示す。図8に示す例では、図5に示すコピー画面312に対応するジョブデータ(出力部数5部、出力枚数50枚)の画像形成中に異常検知がされ、リカバリ処理が実行された際において、ステップS12で表示部31に表示されるコピー画面312の一例である。記憶部120に記憶された未出力部数は4部であり、未出力枚数は34枚であり、これらの情報がコピー画面312に反映されて表示される。
【0068】
未出力部数の設定があると判断されない場合(ステップS9;NO)、画像形成が開始される(ステップS13)。ステップS4と同様に、画像データは、本処理とは別に原稿dが画像読取部20によって読み込まれ、画像メモリ170に記憶されている。
【0069】
画像形成が再開後の前ジョブの1部目であるか否かが判断される(ステップS14)。1部目であると判断された場合(ステップS14;YES)、記憶部120に、未出力枚数の設定があるか否かが判断される(ステップS15)。
【0070】
未出力枚数の設定があると判断された場合(ステップS15;YES)、未出力枚数に対応するデータのみが画像形成される(ステップS16)。図8に示した例の場合、2部目の17枚目から画像形成が開始される。
【0071】
一方、1部目であると判断されない場合(ステップS14;NO)、未出力枚数の設定があると判断されない場合(ステップS15;NO)、ジョブデータの全枚数が出力され(ステップS17)、処理は終了する。
【0072】
以上のように、本実施の形態における画像形成装置1によれば、異常検知部45が異常を検知して画像形成が停止した際に、リカバリ処理によって記憶部120に未出力部数と未出力枚数を記憶するため、復旧後に画像形成を再開させる場合、何部目及び何枚目からを画像形成すべきかを記憶することができる。
【0073】
また、記憶部120に記憶された未出力部数と未出力枚数に基づいて、異常検知の復旧後の画像形成を、異常検知して停止した時点の状態から自動的に再開させるため、最初からやりなおす必要がなくなり、無駄な画像形成をする可能性を防止するとともに、画像形成再開の際の出力部数の再入力操作をする必要がなくなり、容易に再印刷が可能となる。これらの未出力部数と未出力枚数は前ジョブ登録されたもののみであるため、前ジョブの再開をした場合に、停止直後の状態から再開することができる。
【0074】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、ジョブデータには部数の情報が含まれていればよく、図3に示すデータ格納例に限られない。
【0075】
また、表示部31に表示される異常検知画面313の画面構成例は、図6に示す例に限られない。例えば、未出力部数、未出力枚数や画像形成中であったジョブデータの名前やユーザ名等が表示されるようにしてもよい。
【0076】
また、本実施の形態における記憶部120以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリのようなフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータや音声データ等の各種データを、搬送波(キャリアウェーブ)に重畳させて通信回線を介して提供することも可能である。
【0077】
その他、画像形成装置1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施の形態における画像形成装置の概略断面構成を示す模式図である。
【図2】図1の画像形成装置の制御ブロック図である。
【図3】図2の記憶部に記憶されるジョブデータのデータ格納例である。
【図4】図2の表示部に表示されるジョブ読出画面の一例である。
【図5】図2の表示部に表示されるコピー画面の一例である。
【図6】図2の表示部に表示される異常検知画面の一例である。
【図7】本実施の形態におけるリカバリ処理を示すフローチャートである。
【図8】図2の表示部に表示されるコピー画面の一例である。
【符号の説明】
【0079】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラ
2 PC
3 ネットワーク
11 コントローラ制御部
12 DRAM制御IC
13 画像メモリ
14 LANIF
20 画像読取部
21 自動原稿送り部
22 読取部
22a CCD
200 画像読取制御部
30 操作表示部
31 表示部
311 ジョブ読出画面
312 コピー画面
313 異常検知画面
32 タッチパネル
300 操作表示制御部
40 プリント部
41 積載部
42 用紙搬送部
43 画像形成部
44 搬出部
400 プリント制御部
50 後処理部
60 異常検知部
500 後処理制御部
100 画像制御基板
110 制御部
120 記憶部
130 RAM
140 読取処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 伸長IC
190 書込処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成すべき部数の情報を含むジョブデータの入力を受け付ける画像形成装置であって、
前記ジョブデータに基づいて用紙に画像形成を行うプリント部と、
前記ジョブデータを記憶する記憶部と、
前記プリント部の異常を検知する異常検知部と、
前記異常検知部によって異常が検知されると前記プリント部による画像形成を停止させ、当該停止させた際に前記プリント部が前記記憶部に記憶されたジョブデータに基づいて画像形成していた場合、当該停止させた際の未出力部数と未出力枚数を前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された未出力部数と未出力枚数に基づいて前記プリント部に画像形成を再開させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された未出力部数と未出力枚数に基づいて前記プリント部に画像形成を再開させた場合、当該未出力部数と未出力枚数を前記記憶部から消去することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、画像形成すべき部数の情報を含むジョブデータを記憶する記憶部と、前記画像読取部によって取得された画像データと前記記憶部に記憶されたジョブデータとに基づいて用紙に画像形成を行うプリント部と、前記プリント部の異常を検知する異常検知部と、を備える画像形成装置の画像を形成する方法であって、
前記画像形成装置によって、前記異常検知部によって異常が検知されると前記プリント部による画像形成を停止させ、当該停止させた際の未出力部数と未出力枚数を前記記憶部に記憶させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−151883(P2010−151883A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327066(P2008−327066)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】