説明

画像形成装置、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム

【課題】各ユーザが所望する設定に応じた機能の実行を適切に実現することを目的とする
【解決手段】画像形成装置であって、ネットワークを介して接続する情報処理装置が有するアプリケーションが当該画像形成装置に対して実行を要求する機能を識別する機能識別情報と、該アプリケーションに関連付けられたユーザIDとを含むアプリ情報を情報処理装置より受信し、アプリ情報管理手段に登録する手段と、アプリ情報に含まれているユーザIDをユーザ情報管理手段に登録する手段と、操作者より入力されるユーザIDとユーザ情報管理手段に登録されているユーザIDとの照合に基づく操作者の認証処理を制御する手段と、認証された操作者のユーザIDに係るアプリ情報の一覧をアプリ情報管理手段より取得し、表示装置に表示させる手段と、少なくとも一覧において選択されたアプリ情報に含まれる機能識別情報に係る機能を実行させる手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス内では、画像形成装置やFAX装置等のオフィス機器が頻繁に利用され、業務の効率化が図られている。オフィス機器が導入された際に、オフィスで働く人々(オフィス機器のユーザ)は、自らのPCに関する情報の登録や、自らが望む機能に関する設定(カスタマイズ)等を当該オフィス機器に対して行っておくことで、より業務の効率化を図ることができる。
【0003】
斯かる設定は、オフィス機器の操作パネルを介して行うことができる。但し、各オフィス機器の操作パネル上での操作は、PC上での設定と異なり煩雑かつ複雑である。また、利用したいオフィス機器が複数存在する場合は、各オフィス機器について同様の操作を繰り返す必要があった。
【0004】
そこで、従来、PC上で設定された設定データを各オフィス機器がダウンロードする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。斯かる技術によれば、オフィス機器に関する設定をPC上で比較的簡便に行うことができる。
【特許文献1】特開2004−234617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ダウンロードされた設定データはその機器を利用する全てのユーザに対して共通に適用されてしまう。そのため、各ユーザは共通の設定を受け入れざるを得ず、個別の設定を実現するためには、各オフィス機器の操作パネル上でその都度設定をしなおすという作業が必要であった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、各ユーザが所望する設定に応じた機能の実行を適切に実現することのできる画像形成装置、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、ネットワークを介して接続する情報処理装置が有するアプリケーションが当該画像形成装置に対して実行を要求する機能を識別する機能識別情報と、該アプリケーションに関連付けられたユーザを識別するユーザ識別情報とを含むアプリケーション情報を前記情報処理装置より受信し、アプリ情報管理手段に登録するアプリ情報受信手段と、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報をユーザ情報管理手段に登録するユーザ情報登録手段と、当該画像形成装置の操作者より入力されるユーザ識別情報とユーザ情報管理手段に登録されているユーザ識別情報との照合に基づく前記操作者の認証処理を制御する認証制御手段と、認証された前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記アプリ情報管理手段より取得し、表示装置に表示させる表示制御手段と、少なくとも前記一覧において選択されたアプリケーション情報に含まれる前記機能識別情報に係る機能を実行させる機能実行制御手段とを有する。
【0008】
このような画像形成装置では、各ユーザが所望する設定に応じた機能の実行を適切に実現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各ユーザが所望する設定に応じた機能の実行を適切に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。同図のシステム1において、画像形成装置10、クライアントPC20、及び認証サーバ30等は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワーク40(有線又は無線の別は問わない)を介して接続されている。
【0011】
画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を実現する装置(プリンタ、スキャナ、コピー機、ファクシミリ等)を画像形成装置10として用いてもよい。同図において、画像形成装置10は、サーバアプリ17、認証アプリ18、及びアプリケーションプラットフォーム19等のソフトウェアを有する。
【0012】
サーバアプリ17は、クライアントPC20におけるアプリケーションプログラム(後述されるクライアントアプリ22)と連携して動作するアプリケーションプログラムであり、クライアントアプリ登録部171、UI制御部172、クライアントアプリ検知部173、サービス制御部174、機能制御部175、クライアントアプリ連携部176、及びクライアントアプリ管理テーブル177等を有する。
【0013】
クライアントアプリ検知部173は、ネットワーク40を介してクライアントアプリ22の存在を自動検知する。クライアントアプリ登録部171は、クライアントアプリ検知部173によって検知されたクライアントアプリ22に関する情報(以下、「クライアントアプリ情報」という。)をクライアントアプリ管理テーブル177に登録(記録)する。クライアント登録部171は、また、有効期限が切れたクライアントアプリ情報をクライアントアプリ管理テーブル177より削除する。
【0014】
UI制御部172は、クライアントアプリ22を利用させるための画面等を画像形成装置10の操作パネルに表示させる。例えば、UI制御部172は、クライアントアプリ管理テーブル177にクライアントアプリ情報が登録されているクライアントアプリ22の一覧(クライアントアプリリスト)等を表示させ、実行対象とするクライアントアプリ22をユーザに選択させる。すなわち、クライアントアプリ22の実行指示は画像形成装置10側において入力される。サービス制御部174は、実行対象とされたクライアントアプリ22が画像形成装置10に対して実行を要求するサービスの実行を制御する。クライアントアプリ22が画像形成装置10に対して実行を要求するサービスの識別情報(サービスID)は、クライアントアプリ情報に含まれている。なお、ここでいう「サービス」とは、画像形成装置10に固有のハードウェア資源を利用して実現される機能の実行と、当該機能の実行結果の提供とをいう。例えば、サービスの一例としてスキャン機能の実行とスキャン結果としての画像データの提供、印刷機能の実行と印刷結果の提供等が挙げられる。クライアントアプリ連携部176は、サービス制御部174からの指示に応じ、クライアントアプリ22と通信を行う。クライアントアプリ連携部176は、当該通信によって、サービスの実行に必要な設定情報(例えば、スキャンの設定情報(実行条件)等。以下「サービス設定情報」という。)を受信したり、サービス(機能)の実行結果(例えば、スキャンされた画像データ)を送信したりする。機能制御部175は、画像形成装置10の機能(スキャン機能、印刷機能等)ごとに存在し、各機能に応じた処理制御を行う。
【0015】
認証アプリ18は、画像形成装置10に対するログイン機能に関する処理を実行するアプリケーションプログラムであり、本体認証制御部181、クライアントアプリ検知部182、ユーザ管理部183、及びユーザ情報キャッシュ部184等を有する。
【0016】
本体認証制御部181は、画像形成装置101の操作パネルにログイン画面を表示させることにより、画像形成装置10の利用をロックする。本体認証制御部181は、ログイン画面を介して入力されたユーザID(ユーザ名)及びパスワードに基づく認証処理を制御し、認証に成功した場合にログイン画面によるロックを解除し、画像形成装置10を利用可能な状態とする。なお、画像形成装置10において、ログイン機能について有効又は無効の設定が可能とされている。本体認証部181は、ログイン機能が有効である場合に、ログイン画面によるロックを行い、ログイン機能が無効である場合はログイン画面によるロックは行わない。したがって、ログイン機能が無効である場合、各ユーザはユーザID等の入力を要求されることなく自由に画像形成装置10を利用することができる。なお、ログイン機能の有効又は無効の設定は、例えば、画像形成装置10のユーザ環境におけるセキュリティ上の運用指針に応じて設定され、その設定情報は画像形成装置10の記憶装置に保存される。
【0017】
クライアントアプリ検知部182は、ネットワーク40を介してクライアントアプリ22の存在を自動検知する。ユーザ管理部183は、クライアントアプリ検知部182によって検知されたクライアントアプリ22の所有者(クライアントPC20の所有者)が画像形成装置10にログイン可能とするための処理を制御する。
【0018】
アプリケーションプラットフォーム19は、サーバアプリケーション12及び認証アプリケーション13等の各種アプリケーションの実行環境を提供するソフトウェアであり、OS(Operating System)や画像形成装置10の各種ハードウェア資源のドライバプログラム等を含む。
【0019】
クライアントPC20は、一般的なPC(Personal Computer)であり、例えば、ユーザごとに複数台配置されうる。クライアントPC20は、クライアントアプリ22及びアプリケーションプラットフォーム23等のソフトウェアを有する。なお、クライアントPC20は、特に、携帯可能なノートPCが好適である。
【0020】
クライアントアプリ22は、サーバアプリ17と連携して当該クライアントアプリ22に実装された業務ロジック(ワークフロー等)を実現するアプリケーションプログラムであり、業務ロジックごとに存在する。各クライアントアプリ22は、環境整備部221、UI制御部222、認証部223、サーバアプリ連携部224、外部アプリ実行部225、Webサービス実行部226、及び設定情報管理ファイル227等を有する。
【0021】
環境整備部221は、システム1においてクライアントアプリ22が実行可能な環境を整備する。例えば、環境整備部221は、クライアントアプリ22の存在と共に当該クライアントアプリ22の情報をネットワーク40に接続されている各画像形成装置10に通知するための広告をネットワーク40上に発行する。UI制御部222は、表示画面の表示制御等を行う。認証部223は、クライアントアプリ22の利用権限の有無を確認するための認証処理を制御する。サーバアプリ連携部224は、クライアントアプリ連携部176からの要求に応じ、サービス設定情報を送信したり、サービスの実行結果に関する情報を受信したりする。サービス設定情報は、設定情報管理ファイル227に登録されている。外部アプリ実行部225は、サービスの実行結果を利用して、非図示の外部アプリケーション(クライアントPC20における他のアプリケーション)と連携した機能を実現する。Webサービス実行部226は、サービスの実行結果(例えば、スキャンされた画像データ)を利用して、非図示のWebサービスと連携した機能を実現する。なお、外部アプリ実行部225及びWebサービス実行部226は、外部との連携が不要なクライアントアプリ22は備えていなくてもよい。
【0022】
アプリケーションプラットフォーム23は、各クライアントアプリ22の実行環境を提供するソフトウェアであり、OS等を含む。
【0023】
認証サーバ30は、画像形成装置10に対するログイン時等における認証処理を実際に実行するコンピュータであり、認証サービス31等のソフトウェアを有する。
【0024】
認証サービス31は、主として、ネットワークを介した認証要求に応じ認証処理を実行するプログラムであり、ユーザ照合部311、ユーザ登録部312、及びユーザ情報DB313等を有する。
【0025】
ユーザ情報DB313は、画像形成装置10の利用者として認められているユーザごとにユーザID及びパスワード等を含むレコード(ユーザアカウント)を、認証サーバ30の記憶装置を用いて管理するデータベースである。ユーザ照合部311は、画像形成装置10の本体制御部181からの認証要求に応じ、当該認証要求のパラメータとして指定されているユーザID及びパスワードをユーザ情報DB313に登録されているユーザID及びパスワードと照合することにより、認証処理を実行する。ユーザ登録部312は、画像形成装置10のユーザ管理部183からのユーザ登録要求に応じ、当該ユーザ登録要求のパラメータとして指定されているユーザIDを含む新たなユーザアカウントをユーザ情報DB313に登録する。
【0026】
続いて、各装置のハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。図2において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、ネットワークインタフェース15、及び操作パネル16等のハードウェアを有する。
【0027】
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、及びHDD114等より構成される。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記録されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等(例えば、クライアントアプリ管理テーブル177)が記録される。
【0028】
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェアである。プリンタは13、画像データを印刷用紙に印刷するためのハードウェアである。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。ネットワークインタフェース15は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。操作パネル16は、ユーザからの入力の受け付けや、ユーザに対する情報の通知等を行うめのボタン、液晶パネル等を備えたハードウェアである。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態におけるクライアントPCのハードウェア構成例を示す図である。同図のクライアントPC20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200と、補助記憶装置202と、メモリ装置203と、CPU204と、インタフェース装置205と、表示装置206と、入力装置207とを有するように構成される。
【0030】
クライアントPC20での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記録した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等(例えば、設定情報管理ファイル227)を格納する。
【0031】
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従ってクライアントPC20に係る機能を実現する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置206はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置207はキーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0032】
なお、認証サーバ30は、クライアントPC20と同様のハードウェア構成を有していればよい。但し、認証サーバ30は、基本的に遠隔的に利用されるため、表示装置206及び入力装置207は備えていなくてもよい。
【0033】
以下、本実施の形態におけるシステムの処理手順について説明する。図4は、本発明の実施の形態におけるシステムの全体の処理手順を説明するためのシーケンス図である。同図において、クライアントPC20は、通常は、ネットワーク40に接続されていないノートPCであるとする。具体的には、クライアントPC20の所有者(以下における「ユーザ」)が出張等によってシステム1が存在する環境(オフィス等)に訪れ、クライアントPC20が一時的にネットワーク40に接続された状態であるとする。斯かる状態において、当該所有者が出張先の環境に設置されている画像形成装置10との連携によってクライアント22を利用しようとした場合を想定する。また、クライアントPC20の所有者のユーザ情報(ユーザID及びパスワード)は、認証サーバ30のユーザ情報DB313に登録されていないとする。したがって、当該所有者は、通常は画像形成装置10にログインすることはできない。
【0034】
ステップS101において、ユーザ(クライアントPC20の所有者)は、利用したいクライアントアプリ22の起動指示を自らのクライアントPC20に対して入力する。当該ユーザの指示入力等に応じて、アプリケーションプラットフォーム23は、起動対象とされたクライアントアプリ22を起動させる。複数のクライアントアプリ22が起動されてもよい。起動されたクライアントアプリ22の環境整備部221は、自らが存在等を通知すると共に自らの情報の登録を要求するための広告をネットワーク40上に発行する(S102、S103)。当該広告は、ネットワーク40に接続されている不特定の装置(画像形成装置10も含まれる)が受信可能な形式(例えば、ブロードキャスト)によって発行される。広告には、クライアントアプリ情報が含まれている。クライアントアプリ情報は、クライアントアプリ22ごとに関連付けられて補助記憶装置202に保存されている。
【0035】
図5は、クライアントアプリ情報の構成例を示す図である。同図において、クライアントアプリ情報50は、管理情報及びプレゼンテーション情報を含む。管理情報は、サーバアプリ17がロジックを実行する上で必要な情報であり、アプリID、ユーザID、サービスID、クライアントアプリアドレス、及び有効期間等を含む。プレゼンテーション情報は、表示情報として用いられる情報であり、ユーザ表示名及びクライアントアプリ表示名等を含む。
【0036】
アプリIDは、各クライアントアプリ22を一意に識別する識別情報である。ユーザIDは、クライアントアプリ22に関連付けられているユーザの識別情報である。サービスIDは、上記したサービスIDである。クライアントアプリアドレスは、ネットワーク40上において各クライアントアプリ22を一意に識別するための識別情報である。有効期間は、クライアントアプリ情報50の有効期間であり、クライアントアプリ登録部171が、クライアントアプリ管理テーブル177よりクライアントアプリ情報50を削除する際の判断材料として用いられる。ユーザ表示名は、ユーザIDに対応するユーザの名前の表示用の文字列である。クライアントアプリ表示名は、クライアントアプリ22の名前の表示用の文字列である。
【0037】
図6は、クライアントアプリ情報の具体例を示す図である。同図では、クライアントアプリ情報50の具体例として、クライアントアプリ情報50a及び50bが示されている。
【0038】
クライアントアプリ情報50aは、「ScanToMe」と呼ばれるクライアントアプリ22(以下、「ScanToMeアプリ」という。)のクライアントアプリ情報50である。ScanToMeアプリは、画像形成装置10にスキャンを実行させ、スキャンされた画像データをクライアントPC20の補助記憶装置202の所定の記憶領域(例えば、所定のフォルダ)に保存するといった機能を実現するクライアントアプリ22である。したがって、サービスIDの「scan」は、画像形成装置10のスキャン機能を示す。また、クライアントアプリ表示名は「ScanToMe」とされている。したがって、ScanToMeアプリは、「ScanToMe」という文字列によって表現される。
【0039】
一方、クライアントアプリ情報50bは、「MyPrint」と呼ばれるクライアントアプリ22(以下、「MyPrintアプリ」という。)のクライアントアプリ情報50である。MyPrintアプリは、クライアントPC20の補助記憶装置202に保存されている所定の文書データを画像形成装置10に印刷させるといった機能を実現するクライアントアプリ22である。したがって、サービスIDの「print」は、画像形成装置10の印刷機能を示す。また、クライアントアプリ表示名は「MyPrint」とされている。したがって、MyPrintアプリは、「MyPrint」という文字列によって表現される。
【0040】
なお、クライアントアプリ情報50a及び50bにおいてクライアントアプリアドレスには各クライアントアプリ22に対して割り当てられたURLが用いられている。但し、クライアントアプリアドレスは、URLに限定されない。ネットワーク40上で各クライアントアプリ22を識別可能な情報であればよく、例えば、クライアントPC20のIPアドレスと、当該クライアントPC20内においてクライアントアプリ22を識別可能な情報(例えば、ポート番号)との組み合わせであってもよい。
【0041】
クライアントアプリ22より発行された広告は、画像形成装置10においてサーバアプリ17のクライアントアプリ検知部173によって受信される(S102)。クライアントアプリ検知部173は、当該広告に含まれているクライアントアプリ情報50をクライアントアプリ登録部171に通知する。クライアント登録部171は、クライアントアプリ情報50をクライアントアプリ管理テーブル177に登録する(S104)。
【0042】
図7は、クライアントアプリ管理テーブルの構成例を示す図である。同図に示されるように、クライアントアプリ管理テーブル177には、クライアントアプリ情報の各項目の値がそのまま登録される。但し、有効期間は有効期限に置換される。すなわち、クライアントアプリ登録部171は、登録時の時刻に有効期間を加算した時刻を有効期限としてクライアントアプリ管理テーブル177に登録する。なお、同図のクライアント管理テーブル127は、図6におけるクライアントアプリ情報50a及び50bが登録された状態を示す。
【0043】
広告は、また、各画像形成装置10において認証アプリ18のクライアントアプリ検知部182によっても受信される(S103)。クライアントアプリ検知部182は、当該広告に含まれているクライアントアプリ情報50をユーザ管理部183に通知する。ユーザ管理部183は、クライアントアプリ情報50よりユーザIDを抽出(取得)する(S105)。続いて、ユーザ管理部183は、認証サーバ30の認証サービス31に対して、当該ユーザIDの存否を問い合わせる(S106)。ユーザIDの存否とは、当該ユーザIDと同一のユーザIDがユーザアカウントとして登録されているか否かをいう。
【0044】
ユーザIDの存否の問い合わせに応じ、認証サービス31のユーザ登録部312は、問い合わせの対象とされたユーザIDと一致するユーザIDを含むユーザアカウントがユーザ情報DB313に登録されているか否かを判定する。続いて、ユーザ登録部312は、当該判定結果を認証アプリ18のユーザ管理部183に返信する(S107)。ここでは、同一のユーザIDに係るユーザアカウントが存在したことを示す判定結果が返信されたこととする。当該判定結果は、以下の二つの可能性を示す。第一に、問い合わせの対象とされたユーザIDと当該ユーザIDに一致したユーザアカウントとは、同一人物に属するものである場合である。第二に、問い合わせの対象とされたユーザIDと当該ユーザIDに一致したユーザアカウントとは、別人に属するものであるが、たまたまユーザIDが重複した場合である。
【0045】
そこで、当該判定結果を受信したユーザ管理部183は、クライアントアプリ22に対してパスワードの送信を要求する(S108)。なお、パスワードの送信要求の送信先とするクライアントアプリ22は、クライアントアプリ情報50に含まれているクライアントアプリアドレスによって特定される。
【0046】
当該要求に応じ、クライアントアプリ22の環境整備部221は、ユーザのパスワードをユーザ管理部183に返信する(S109)。ここで返信されるパスワードは、例えば、クライアントPC20の補助記憶装置202に予め保存されているものが用いられる。又は、環境整備部221が、パスワードの送信要求に応じパスワード入力用のポップアップ画面を表示装置206に表示させ、当該ポップアップ画面を介してユーザによって入力されたパスワードが返信されてもよい。なお、広告時においてクライアントアプリ情報50にパスワードを含めないのは、広告は不特定の者が参照可能な形式でネットワーク40上を流通するものであるため、パスワードが漏洩する可能性が有るからである。一方、広告後における通信は、一対一に行われるものであり、暗号化等によってセキュリティを確保することができる。したがって、パスワードを安全にネットワーク40上に流通させることができる。
【0047】
続いて、認証アプリ18のユーザ管理部183は、ステップS105において取得されているユーザIDと、環境整備部221より返信されたパスワードとをパラメータとして、認証サービス31に対して認証要求を送信する(S110)。認証要求に応じ、認証サービス31のユーザ照合部311は、受信したユーザID及びパスワードをユーザ情報DB313に登録されているユーザID及びパスワードと照合することにより認証を行う。当該認証により、上記第一の場合と第二の場合とを区別することができる。すなわち、認証に成功した場合(ユーザID及びパスワードが一致した場合)は第一の場合であったことが分かる。一方、認証に失敗した場合(ユーザID及びパスワードが一致しなかった場合)は第二の場合であったことが分かる。ユーザ照合部311は、認証結果をユー認証アプリ18のユーザ管理部183に返信する(S111)。上記したように、当該ユーザのユーザ情報はユーザ情報DB313には登録されていない。したがって、ここでは認証の失敗を示す認証結果が返信される。
【0048】
認証の失敗を受けて(すなわち、同一のユーザIDを有する他のユーザが存在することを認識すると)、ユーザ管理部183は、ユーザIDの変更要求をクライアントアプリ22に送信する(S112)。当該要求に応じ、クライアントアプリ22の環境整備部221は、先に発行した広告(S102、S103)を解除(取り消し)するための解除広告(登録解除要求)をネットワーク40上に発行する(S113、S114)。解除広告では、解除対象の広告において送信されたクライアントアプリ情報50と同一のクライアントアプリ情報50が送信される。
【0049】
クライアントアプリ22より発行された解除広告は、各画像形成装置10においてサーバアプリ17のクライアントアプリ検知部173によって受信される(S113)。クライアントアプリ検知部173は、当該解除広告に含まれているクライアントアプリ情報50をクライアントアプリ登録部171に通知する。クライアント登録部171は、当該クライアントアプリ情報50と一致するクライアントアプリ情報をクライアントアプリ管理テーブル177より削除する(S115)。
【0050】
解除広告は、また、各画像形成装置10において認証アプリ18のクライアントアプリ検知部182によっても受信される(S114)。クライアントアプリ検知部182は、当該解除広告に含まれているクライアントアプリ情報50をユーザ管理部183に通知する。ユーザ管理部183は、当該クライアントアプリ情報50に含まれているユーザIDがユーザ情報キャッシュ部184に登録されていないかを確認する(S116)。ここでは、未だユーザ情報キャッシュ部184には何も登録されていないため、確認に応じて何も実行されない。
【0051】
一方、クライアントアプリ22の環境整備部221は、解除広告の発行後、ユーザIDを変更(新たなユーザIDを生成)する(S117)。ユーザIDの変更は、元のユーザIDに所定のサフィックスを付加することにより行われてもよいし、予めユーザIDが重複した場合の変更用ユーザIDリストに登録されているユーザIDを新たなユーザIDとしてもよい。また、環境整備部221がユーザID入力用のポップアップ画面を表示装置206に表示させ、当該ポップアップ画面を介してユーザによって入力されたユーザIDを新たなユーザIDとしてもよい。なお、環境整備部221によって新たなユーザIDが自動的に生成される場合(サフィックスの付加や変更用ユーザIDリストが利用される場合等)、環境整備部221は、変更後の新たなユーザIDをポップアップ画面等に表示させることによりユーザに通知する。後述されるように、ユーザは、自らのユーザIDが変更されたこと、及び変更後の新たなユーザIDを知っている必要があるからである。
【0052】
続いて、広告部221は、新たなユーザIDを含むクライアントアプリ情報50の広告を改めてネットワーク40上に発行する(S118、S119)。当該クライアントアプリ情報50は、解除されたクライアントアプリ情報50に対してユーザIDのみが変更されたものでよい。当該広告は、前回(S102、S103)と同様、各画像形成装置10のサーバアプリ17のクライアントアプリ検知部173及び認証アプリ18のクライアントアプリ検知部182によって受信される。サーバアプリ17のクライアントアプリ登録部171は、広告に含まれているクライアントアプリ情報50をクライアントアプリ管理テーブル177に登録する(S120)。また、認証アプリ18のユーザ管理部183は、広告に含まれているクライアントアプリ情報50よりユーザIDを抽出し(S121)、認証サーバ30の認証サービス31に対して、当該ユーザIDの存否を問い合わせる(S122)。
【0053】
ユーザIDの存否の問い合わせに応じ、認証サービス31のユーザ登録部312は、問い合わせの対象とされたユーザIDと一致するユーザIDを含むユーザアカウントがユーザ情報DB313に登録されているか否かを判定する。続いて、ユーザ登録部312は、当該判定結果を認証アプリ18のユーザ管理部183に返信する(S123)。ここでは、同一のユーザIDに係るユーザアカウントは存在しないことを示す判定結果が返信されたこととする。なお、再度ユーザIDの重複が検出された場合は、再度ステップS108以降が実行される。
【0054】
ユーザIDが存在しないことを示す判定結果に応じ、ユーザ管理部183は、当該ユーザIDのユーザアカウントの登録を認証サービス31に要求する(S124)。認証サービス31のユーザ登録部312は、ユーザ情報DB313に新たなユーザアカウントを作成し、当該ユーザアカウントに登録対象とされたユーザIDを登録する。
【0055】
ユーザIDの登録に成功すると、ユーザ管理部183は、当該ユーザIDをユーザ情報キャッシュ部184に登録しておく(S125)。クライアントアプリ22を利用可能とするために臨時的(一時的)に登録されたユーザIDを記憶しておくためである。
【0056】
以上で、クライアントアプリ22を画像形成装置10を介して利用可能とするための準備処理は完了する。なお、ステップS107において、ユーザIDが存在しないことを示す判定結果が返信された場合、ステップS108〜S123は実行されない。また、ステップS111において、認証に成功した場合、ステップS112〜S125は実行されない。この場合、ユーザのユーザ情報は、予めユーザ情報DB313に登録されており、改めてユーザ情報DB313への登録は不要だからである。
【0057】
続いて、ユーザは、画像形成装置10を操作してクライアントアプリ22を利用すべく、クライアントPC20を離れ(又はクライアントPC20を携帯し)、画像形成装置10の設置場所まで移動する。
【0058】
まず、ユーザは、認証アプリ18の本体認証制御部181が画像形成装置10の操作パネル16に表示させているログインパネルを介してユーザIDを入力する(S131)。ユーザIDの変更が行われた場合、変更後のユーザIDが入力される。なお、当該ユーザは、臨時ユーザ(ゲストユーザ)であり、ユーザIDのみがユーザ情報DB313に登録されているため、パスワードは入力されない。一方、ユーザ情報DB313にユーザID及びパスワードが登録されている通常のユーザ(例えば、システム1の環境の常勤者等)は、ユーザIDと共にパスワードの入力が必要とされる。
【0059】
ユーザIDの入力に応じ、本体認証部181は、入力されたユーザIDをパラメータとして認証サービス31に認証要求を送信する(S132)。なお、当該認証要求において、パスワードの値は空(例えば、NULL値)とされる。認証要求に応じ、認証サービス31のユーザ照合部311は、受信したユーザIDをユーザ情報DB313に登録されているユーザIDと照合することにより認証を行う。なお、ユーザ情報DB313にパスワードが登録されていないユーザアカウントについては、ユーザIDの一致又は不一致のみによって認証が行われる。続いて、ユーザ照合部311は、認証結果を認証アプリ18に返信する(133)。ここで、当該ユーザは臨時ユーザであるが、そのユーザIDはステップS124において登録されている。したがって、ユーザIDが正しければ認証に成功する。認証に成功すると、本体認証部181は、ユーザがログインに成功したこと、及び当該ユーザ(以下、「ログインユーザ」という。)のユーザIDをサーバアプリ17に通知する(S134)。当該通知に応じ、サーバアプリ17は、通知されたユーザIDをログインユーザのユーザIDとしてメモリ装置203の所定の領域(以下、「ログインユーザID記憶領域」という。)に記録しておく。
【0060】
続いて、認証アプリ18は、ログイン画面による操作パネル16のロックを解除する(S135)。ロックが解除されることにより、操作パネル16には、各アプリケーションが操作画面等を表示させることが可能となる。そこで、UI制御部172は、パスワード入力画面を操作パネル16に表示させ、クライアント認証用のパスワードの入力をユーザに要求する(S136)。
【0061】
ここで、クライアント認証とは、画像形成装置10を操作してクライアントアプリ22を利用しようとする操作者が正当なユーザであることを確認するために、当該クライアントアプリ22が起動されているクライアントPC20側で行われる認証をいう。したがって、クライアント認証用のパスワードは、画像形成装置10へのログイン用のパスワードとは必ずしも一致しない。クライアント認証が行われることで、クライアントPC20上で動作するクライアントアプリ22が所有者以外の(又は所有者が許可しない)不特定の者によって利用されることによる情報漏洩等を防止することができる。
【0062】
ユーザが、クライアント認証用のパスワードをパスワード入力画面に入力すると(S137)、UI制御部172は、ログインユーザID記憶領域に記録されているログインユーザのユーザIDと当該パスワードとをサービス制御部174及びクライアントアプリ連携部176を介してクライアントアプリ22に送信する(S138)。
【0063】
なお、ログイン機能が無効である場合、本体認証部181においてログイン画面は表示されず、ログイン操作(すなわち、ユーザID等の入力)は実行されない。したがって、ステップS134においてログインユーザIDのサーバアプリ17への通知は実行されない。その結果、サーバアプリ17は、画像形成装置10の操作者のユーザIDを特定できない。したがって、この場合、UI制御部172は、クライアントアプリ管理テーブル177に登録されているクライアントアプリ情報に含まれているユーザ表示名の一覧を操作パネル16に表示させ、当該一覧の中からユーザによって選択されたユーザ表示名に対応するユーザIDを操作者に係るユーザIDであると判定する。
【0064】
但し、数十台又は数百台以上のクライアントPC20がネットワーク40に接続されている環境においては、数十又は数百以上のユーザ表示名を含む一覧が表示されてしまう。斯かる一覧の中から一つを選択するのはユーザにとって非常に煩雑である。そこで、UI制御部172は、ユーザIDを入力させるための画面を表示させ、当該画面においてユーザIDを直接入力させるようにしてもよい。当該画面は、クライアント認証用のパスワード入力画面と一体化されていてもよい。
【0065】
サーバアプリ連携部224はサーバアプリ17よりユーザID及びパスワードを受信すると、当該パスワードを認証部223に入力する。認証部223は、入力されたユーザID及びパスワードに基づいてクライアント認証を行い、その認証結果をサーバアプリ17に返信する(S139)。
【0066】
なお、クライアント認証において、認証部223に入力されたユーザID及びパスワードと照合されるユーザID及びパスワードは、クライアントPC20のOS(Operating System)に対するログイン用のユーザID及びパスワードであってもよいし、クライアントアプリ22用に補助記憶装置202に登録されているものであってもよい。いずれの場合においても、ステップS117の実行によってユーザIDが変更されている場合は、認証部223は、変更後のユーザIDを用いて照合を行う。したがって、ステップS117が実行された場合、環境整備部221は、一時的に変更されたユーザIDをクライアント認証における照合用のユーザIDとして補助記憶装置202に保存しておく。
【0067】
クライアント認証に成功した場合(すなわち、画像形成装置10のログインユーザがクライアントPC20の所有者又は当該所有者によってクライアントアプリ22の利用が許可された者であることが確認された場合)、サーバアプリ17のUI制御部172は、クライアントアプリリストを操作パネル16に表示させる(S140)。クラアインとアプリリストとは、実行対象とするクライアントアプリ22を選択させるためのリスト(一覧)である。UI制御部172は、クライアントアプリ管理テーブル177に登録されたクライアントアプリ情報のうち、ログインユーザのユーザIDと一致するユーザIDを有するクライアントアプリ情報のクライアントアプリ表示名を取得し、当該クライアントアプリ表示名の一覧をクライアントアプリリストとして表示させる。
【0068】
続いて、ユーザによってクライアントアプリリストの中から実行対象とするクライアントアプリ22が選択され、当該クライアントアプリ22の実行指示が入力されると(S141)、サーバアプリ17との連携によってクライアントアプリ22が実行される(S142)。クライアントアプリ22の実行処理の詳細については後述される。
【0069】
クライアントアプリ22の実行の完了後、ユーザが操作パネル16を介してログアウトの指示を入力すると(S151)、本体認証制御部181は、ログインユーザのログアウトをサーバアプリ17に通知する(S152)。続いて、本体認証制御部181は、ログイン画面を操作パネル16に表示させることにより、操作パネル16の表示制御をロックする(S153)。また、ログアウトの通知に応じ、サーバアプリ17は、ログインユーザ記憶領域をクリアする(S154)。
【0070】
その後、クライアントPC20の配置場所に戻ったユーザが、クライアントアプリ22の停止指示をクライアントPC20に対して入力すると(S161)、停止指示の対象とされたクライアントアプリ22の環境整備部221は、ステップS113及びS114において説明したものと同様の解除広告をネットワーク40上に発行する(S162)。当該解除広告を受信したサーバアプリ17及び認証アプリ18は、それぞれステップS115又はS116と同様の処理を実行する。すなわち、サーバアプリ17のクライアント登録部171は、解除広告に含まれているクライアントアプリ情報50と一致するクライアントアプリ情報をクライアントアプリ管理テーブル177より削除する(S164)。
【0071】
解除広告に係るクライアント情報50がクライアントアプリ管理テーブル177より削除されることにより、クライアントアプリ管理テーブル177と、実際に利用可能なクライアントアプリ22との間の不整合の発生を防止することができる。したがって、実行できない(起動されていない)クライアントアプリ22のクライアントアプリ表示名が、クライアントアプリリストに表示されるといった事態の発生を防止することができる。
【0072】
一方、認証アプリ18のユーザ管理部183は、解除広告に含まれているクライアントアプリ情報50のユーザIDがユーザ情報キャッシュ部184に登録されているいずれかのユーザIDと一致するかを確認する(S165)。ユーザ情報キャッシュ部184に登録されているユーザIDと一致する場合、解除広告に係るユーザIDは、臨時ユーザ用に作成されたユーザIDである。そこで、ユーザ管理部183は、当該ユーザIDの登録削除要求を認証サービス31に送信すると共にユーザ情報キャッシュ部184より当該ユーザIDを削除する(S166)。ユーザIDの登録削除要求を受信した認証サービス31のユーザ登録部312は、当該ユーザIDに係るユーザアカウントをユーザ情報DB313より削除する。
【0073】
続いて、広告の受信に応じて認証アプリ18が画像形成装置10に実行させる処理手順の詳細を説明する。図8は、広告の受信に応じて認証アプリによって実行される処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、図8は、図4において説明した内容をフローチャートとしてまとめたものである。図8中、図4と同一ステップについては括弧内に同一のステップ番号を付している。
【0074】
クライアントアプリ検知部182によってクライアントアプリ22からの広告が受信されると(S201)、本体認証部181は、ログイン機能が有効に設定されているか否かをHDD114に保存されている設定情報を参照して判定する(S202)。ログイン機能が無効である場合(S202でNo)、臨時のユーザであっても支障なく画像形成装置10を操作することができるため、以降の処理は実行されない。
【0075】
一方、ログイン機能が有効である場合(S202でYes)、ユーザ管理部183は、広告に含まれているクライアントアプリ情報50よりユーザIDを抽出し、当該ユーザIDの存否を認証サービス31に問い合わせる(S203)。
【0076】
ユーザIDの存否に関する認証サービス31からの判定結果において、当該ユーザIDに係るユーザアカウントが存在することが示されている場合(S204でYes)、ユーザ管理部183は、当該ユーザIDと認証サービス31におけるユーザアカウントとが同一ユーザに属するものであるか否かを確認するための処理を実行する(S205)。具体的には、ユーザ管理部183は、クライアントアプリ22に対してパスワードの送信を要求し、当該ユーザIDとクライアントアプリ22より返信されたパスワードとをパラメータとして認証サービス31に対して認証を要求する。
【0077】
なお、ユーザ管理部183は、認証サービス31より当該ユーザIDに対応するパスワードを取得し、当該ユーザID及びパスワードをパラメータとしてクライアントアプリ22に認証を実行させることにより、ユーザの同一性を判定してもよい。
【0078】
認証に失敗した場合(S206でNo)、すなわち、当該ユーザIDとユーザアカウントとが別ユーザに属するものであることが確認された場合、ユーザ管理部183は、ユーザIDの変更要求をクライアントアプリ22に送信する(S207)。当該認証に成功した場合、すなわち、当該ユーザIDとユーザアカウントとが同一ユーザに属するものであることが確認された場合は何もせずに処理を終了させる。
【0079】
一方、ユーザIDの存否に関する認証サービス31からの判定結果において、当該ユーザIDに係るユーザアカウントが存在しないことが示されている場合(S204でNo)、ユーザ管理部183は、当該ユーザIDのユーザアカウントの作成を認証サービス31に実行させる(S208)。続いて、ユーザ管理部183は、当該ユーザIDをユーザ情報キャッシュ部184に登録する(S209)。
【0080】
続いて、クライアントPC20においてクライアントアプリ22が起動された際(図4のステップS101のタイミング)にクライアントアプリ22がクライアントPC20に実行させる処理について説明する。図9は、クライアントアプリ起動時の処理手順を説明するためのフローチャートである。図9中、図4と同一ステップについては括弧内に同一のステップ番号を付している。
【0081】
クライアントアプリ22が起動されると、環境整備部221は、ユーザIDを取得する(S301)。取得されるユーザIDは、クライアントPC20のOS(Operating System)のログイン用のユーザIDであってもよいし、クライアントアプリ22用に設定され、補助記憶装置202に保存されているユーザIDであってもよい。
【0082】
続いて、環境整備部221は、取得されたユーザIDを含むクライアントアプリ情報50を生成し、当該クライアントアプリ情報50を含む広告をネットワーク40上に発行する(S302)。
【0083】
続いて、クライアントPC20においてユーザIDの重複に基づくユーザIDの変更要求が受信された際(図4のステップS112のタイミング)にクライアントアプリ22がクライアントPCに実行させる処理について説明する。図10は、クライアントアプリによるユーザID変更時の処理手順を説明するためのフローチャートである。図10中、図4と同一ステップについては括弧内に同一のステップ番号を付している。
【0084】
ユーザ管理部183よりユーザIDの変更要求が受信されると、環境整備部221は、先に発行した広告を解除(取り消し)するための解除広告をネットワーク40上に発行する(S402)。
【0085】
続いて、環境整備部221は、ユーザIDを変更する(S403)。続いて、環境整備部221は、変更されたユーザIDを含むクライアントアプリ情報50を生成し、当該クライアントアプリ情報50を含む広告をネットワーク40上に発行する(S404)。
【0086】
続いて、図4のステップS142におけるクライアントアプリの実行処理の詳細について説明する。図11は、クライアントアプリの実行処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0087】
ステップS501(図4のステップS141に対応)では、クライアントアプリリストにおいて実行対象とするクライアントアプリ22が選択され、操作パネル16におけるスタートキーが押下される。スタートキーの押下に応じ、UI制御部172は、選択されたクライアントアプリ22(以下、「カレントクライアントアプリ」という。)のクライアントアプリ情報に含まれているサービスIDをサービス制御部174に通知する。サービス制御部174は、通知されたサービスIDに応じた処理制御を行う。すなわち、サービス制御部174は、サービスIDの意味を知っており、サービスIDごとにどのような機能を実行すべきかを知っている。なお、サービスIDと実行すべき機能との対応付けについては、サービス制御部174内にロジックとして組み込まれていてもよいし、定義ファイルとしてHDD114に保存されていてもよい。
【0088】
サービス制御部174がサービスIDに基づいて、カレントクライアントアプリよりサービス設定情報を取得する必要があると判定すると、サービス制御部174は、クライアントアプリ連携部176に対してサービスIDに応じたサービス設定情報(例えば、サービスIDが「scan」であれば、スキャン機能に対する設定情報、サービスIDが「print」であれば、印刷機能に対する設定情報)の取得を指示する。この際、カレントクライアントアプリのクライアントアプリアドレスがクライアントアプリ連携部176に通知される。当該指示に応じ、クライアントアプリ連携部176は、クライアントアプリアドレスに基づいて、カレントクライアントアプリ22に対してサービス設定情報の送信を要求する(S502)。
【0089】
カレントクライアントアプリのサーバアプリ連携部224は、当該要求を受信すると、カレントクライアントアプリに対応する設定情報管理ファイル227よりサービス設定情報を取得し(読み込み)、当該サービス設定情報をクライアントアプリ連携部176に返信する(S503)。
【0090】
図12は、サービス設定情報の具体例を示す図である。同図において、227aは、ScanToMeアプリの設定情報管理ファイル227に格納されているサービス設定情報の一例である。また、227bは、MyPrintアプリの設定情報管理ファイル227に格納されているサービス設定情報の一例である。
【0091】
それぞれのサービス設定情報は、サーバ情報及びクライアントアプリ情報より構成されている。サーバ情報は、画像形成装置10(サーバアプリ17)がサービスを実行するにあたり必要な情報である。クライアントアプリ情報は、クライアントPC20(クライアントアプリ22)が、画像形成装置10にサービスを実行させるにあたり必要となる情報である。
【0092】
例えば、サービス設定情報227aにおけるサーバ情報はスキャンの実行条件である。クライアントアプリ情報は、スキャンの実行結果である画像データを保存すべきフォルダの名前。また、サービス設定情報227bにおけるサーバ情報は印刷の実行条件である。クライアントアプリ情報は、印刷対象とするファイルの名前である。
【0093】
したがって、基本的に、サービス設定情報の全てがサーバアプリ17に送信される必要はない。少なくともサーバ情報が送信されればよい。但し、MyPrintアプリの場合、クライアントアプリ情報に指定されている対象ファイルを取得し、当該対象ファイルをサーバ情報と共にサーバアプリ17に送信する。このように、クライアントアプリ情報の位置付け(利用されるタイミング等)は、クライアントアプリ22に応じて異なりうる。
【0094】
クライアントアプリ連携部176によって受信されたサービス設定情報は、サービス制御部174に通知される。サービス制御部174は、サービスIDに対応する機能制御部175を呼び出し、当該サービス設定情報を通知する。
【0095】
なお、サービス設定情報は、広告発行時にクライアントアプリ情報50と共にクライアントアプリ登録部171に送信され、クライアントアプリ管理テーブル177に登録されていてもよい。この場合、ステップS502及びS503においてサービス設定情報が取得される必要はない。但し、画像形成装置10のような組み込み系の機器は搭載されているメモリ容量は小さいことに鑑みれば、クライアントアプリ管理テーブル177には、クライアントアプリ情報50のみが登録される方が望ましい。
【0096】
続いて、呼び出された機能制御部175は、当該サービス設定情報に基づいて当該機能(スキャン機能又は印刷機能等)を実行する(S504)。例えば、スキャン機能に対応する機能制御部175であれば、ユーザによって画像形成装置10にセットされた原稿に対するスキャンをスキャナ12に実行させ、その結果得られる画像データを機能の実行結果としてサービス制御部174に出力する。また、印刷機能に対応する機能制御部175であれば、サービス設定情報と共にクライアントアプリ22より受信された印刷対象のファイルの印刷をプリンタ13に実行させ、その結果(例えば、印刷の成否)を示す情報を機能の実行結果としてサービス制御部174に出力する。
【0097】
サービス制御部174は、機能の実行結果のカレントクライアントアプリへの送信をクライアントアプリ連携部176に指示する。クライアントアプリ連携部176は、当該指示に応じ、機能(サービス)の実行結果をサーバアプリ連携部224に送信する(S505)。
【0098】
サーバアプリ連携部224によって機能の実行結果が受信されると、カレントクライアントアプリは、自らに実装されている業務ロジックに応じた処理を実行する。例えば、カレントクライアントアプリは、機能の実行結果に含まれている画像データ(スキャンデータ)を、サービス設定情報227aのクライアントアプリ情報に登録されている保存先に保存する。また、カレントクライアントアプリは、機能の実行結果に含まれている印刷結果を表示装置206に表示させる。また、カレントクライアントアプリが外部アプリ27と連携するクライアントアプリ22であれば、カレントクライアントアプリの外部アプリ実行部225は外部アプリ27を呼び出し、機能の実行結果を当該外部アプリ27に通知する(S506)。呼び出された外部アプリ27は、当該外部アプリ27に固有の処理を実行する(S507)。外部アプリ27による処理は、所定のものに限定されず、実現したいソリューション又はワークフロー等に応じて様々である。例えば、スキャン画像に対してOCR(Optical Character Reader)を実行してもよいし、所定の文書管理DBにスキャン画像を登録してもよい。
【0099】
外部アプリ実行部225が、外部アプリ27の処理の実行を検知すると(S508)、サーバアプリ連携部224は、カレントクライアントアプリの処理(クライアント処理)の終了をクライアントアプリ連携部176に通知する(S509)。クライアントアプリ連携部176によるクライアント処理の通知の受信に応じ、UI制御部172は、カレントクライアントアプリによる処理の終了を操作パネル16に表示させる(S510)。
【0100】
上述したように、本実施の形態によれば、画像形成装置10の操作パネル16から、当該画像形成装置10の機能を組み込んだ任意のクライアントアプリ22(ワークフロー)を実行することが可能である。この際、画像形成装置10の機能については、ユーザに関連付けられたクライアントアプリ22単位で設定情報(サービス設定情報)を保持しているため、より個人的な(ユーザごとに固有の)ワークフローを実現することができる。
【0101】
また、各クライアントアプリ22を実行させるための操作は、異なる機能又はワークフローであっても、統一的である(クライアントアプリリストからの選択とスタートキーの押下)であるため、操作者は、機能やワークフローごとに実行のための操作を覚える必要はない。
【0102】
更に、画像形成装置10はシンプルな画像入出力機能を提供するのみでよく、付加的な処理はクライアントPC20上で実行される。このため、画像形成装置10の機能の複雑化を回避することができると共に、あらゆる意味において制約の少ないクライアントPC20上に複雑な機能を実装することができる。
【0103】
また、各クライアントアプリ22の存在は、広告によって自動的に検知され画像形成装置10に登録される。したがって、ユーザが画像形成装置10に対して各クライアントアプリ22の登録作業を行う必要はない。また、不在のクライアントPC20上のクライアプリケーション22を登録対象から除外することができるため、画像形成装置10においてクライアントアプリ22を選択させる際、余分な実行候補が提示されることを回避することができる。
【0104】
また、クライアントアプリ22の所有者のユーザIDは、自動的にユーザ情報DB313に登録される。したがって、当該所有者が、システム1の環境において臨時的なユーザであり、かつ、画像形成装置10のログイン機能が有効な場合であっても、当該所有者に画像形成装置10を利用させることができる。その結果、当該画像形成装置10と臨時ユーザに係る当該クライアントアプリ22との連携を簡便に図ることができる。
【0105】
また、クライアントアプリ22の停止に応じて発行される解除広告に基づき、臨時的にユーザ情報DB313に登録されたユーザIDは自動的に削除される。したがって、臨時ユーザによってその後も継続的に画像形成装置10が利用されることを防止することができる。なお、自動的にユーザIDが登録された臨時ユーザの利用権限については、サーバアプリ17の利用に限定し、他の非図示のソフトウェアリソース(アプリケーションや管理情報等)については制限するようにしてもよい。そうすることにより、臨時ユーザを認めることによる画像形成装置10におけるセキュリティの劣化を防止するこができる。
【0106】
また、ユーザ情報DB31に臨時的に登録しようとしたユーザIDと同一のユーザIDが既にユーザ情報DB313に登録されたいた場合は、ユーザ情報DB313において当該ユーザIDに対応させて登録されているパスワードと、クライアントPC20において当該ユーザIDに対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致した場合は、当該ユーザIDはユーザ情報DB313には登録されない。したがって、同一ユーザに係るユーザアカウントが重複して登録されるのを防止することができる。
【0107】
一方、二つのパスワードが一致しない場合は、当該ユーザIDに代わる新たなユーザIDをクライアントアプリ22より取得し、新たなユーザIDをユーザ情報DB313に登録する。したがって、異なるユーザ間においてユーザIDが重複して登録されるのを防止することができる。
【0108】
また、アプリケーションリストは、操作者に対してパスワードを入力させ、入力されたパスワードに基づいてクライアントアプリ22によって実行される認証に成功した場合に表示される。したがって、各クライアントPC20におけるクライアントアプリ22が不特定の者によって利用されるのを防止することができる。
【0109】
なお、臨時的なユーザ登録を行わない場合(例えば、運用上行いたくない場合)、認証アプリ18は、広告及び解除広告に応じた処理を行う必要はない。この場合、図4のステップS131において表示されているログインパネルを介してユーザID及びパスワードが入力される。認証アプリ18の本体認証制御部181は、当該ユーザID及びパスワードに基づく認証を認証サービス31に実行させる。認証に成功した場合、ステップS134以降の処理が実行される。認証に失敗した場合、サーバアプリ17のUI制御部172は、クライアントアプリ管理テーブル177に登録されているユーザIDの一覧を操作パネル16に表示させる。UI制御部172は、当該一覧の中からユーザIDを選択させ、選択されたユーザIDに対応するパスワードをユーザに入力させる。認証アプリ18の本体認証制御部181は、選択されたユーザID及び入力されたパスワードに基づく認証を認証サービス31に実行させる。認証に成功した場合、ステップS134以降の処理が実行される。
【0110】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるクライアントPCのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるシステムの全体の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図5】クライアントアプリ情報の構成例を示す図である。
【図6】クライアントアプリ情報の具体例を示す図である。
【図7】クライアントアプリ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図8】広告の受信に応じて認証アプリによって実行される処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】クライアントアプリ起動時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】クライアントアプリによるユーザID変更時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】クライアントアプリの実行処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図12】サービス設定情報の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
1 システム
10 画像形成装置
11 コントローラ
12 スキャナ
13 プリンタ
14 モデム
15 ネットワークインタフェース
16 操作パネル
17 サーバアプリ
18 認証アプリ
19 アプリケーションプラットフォーム
20 クライアントPC
22 クライアントアプリ
23 アプリケーションプラットフォーム
24 クライアントアプリマネージャ
40 ネットワーク
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 HDD
171 クライアントアプリ登録部
172 UI制御部
173 クライアントアプリ検知部
174 サービス制御部
175 機能制御部
176 クライアントアプリ連携部
177 クライアントアプリ管理テーブル
181 本体認証制御部
182 クライアントアプリ検知部
183 ユーザ管理部
184 ユーザ情報キャッシュ部
200 ドライブ装置
201 記録媒体
202 補助記憶装置
203 メモリ装置
204 CPU
205 インタフェース装置
206 表示装置
207 入力装置
221 環境整備部
222 UI制御部
223 認証部
224 サーバアプリ連携部
225 外部アプリ実行部
226 Webサービス実行部
227 設定情報管理ファイル
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
ネットワークを介して接続する情報処理装置が有するアプリケーションが当該画像形成装置に対して実行を要求する機能を識別する機能識別情報と、該アプリケーションに関連付けられたユーザを識別するユーザ識別情報とを含むアプリケーション情報を前記情報処理装置より受信し、アプリ情報管理手段に登録するアプリ情報受信手段と、
前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報をユーザ情報管理手段に登録するユーザ情報登録手段と、
当該画像形成装置の操作者より入力されるユーザ識別情報とユーザ情報管理手段に登録されているユーザ識別情報との照合に基づく前記操作者の認証処理を制御する認証制御手段と、
認証された前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記アプリ情報管理手段より取得し、表示装置に表示させる表示制御手段と、
少なくとも前記一覧において選択されたアプリケーション情報に含まれる前記機能識別情報に係る機能を実行させる機能実行制御手段とを有する画像形成装置。
【請求項2】
前記機能の実行結果に関する情報を前記情報処理装置に送信する結果送信手段を有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報登録手段は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されていない場合に当該ユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報登録手段は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されているときは、前記ユーザ情報管理手段において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードと、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致した場合は、前記ユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録しない請求項1乃至3いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報登録手段は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されているときは、前記ユーザ情報管理手段において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードと、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致しないときは、前記ユーザ識別情報に代わる新たなユーザ識別情報の送信要求を前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置より返信される新たなユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録する請求項1乃至4いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項6】
認証された前記操作者に、前記情報処理装置において設定されているパスワードを入力させ、入力されたパスワードに基づく認証要求を前記情報処理装置に送信するクライアント認証要求手段を有し、
前記表示制御手段は、該認証要求に係る認証に成功した場合に、前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記表示装置に表示させる請求項1乃至5いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記アプリケーションの登録解除要求の受信に応じ、前記ユーザ登録手段によって登録されたユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段より削除するユーザ情報削除手段を有する請求項1乃至6いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像形成装置からの認証要求に応じ、該認証要求に含まれているパスワードと当該情報処理装置において設定されているパスワードとに基づく認証処理を制御し、該認証処理の結果を前記画像形成装置に返信する情報処理装置。
【請求項9】
画像形成装置と情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記画像形成装置は、
ネットワークを介して接続する情報処理装置が有するアプリケーションが当該画像形成装置に対して実行を要求する機能を識別する機能識別情報と、該アプリケーションに関連付けられたユーザを識別するユーザ識別情報とを含むアプリケーション情報を前記情報処理装置より受信し、アプリ情報管理手段に登録するアプリ情報受信手段と、
前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報をユーザ情報管理手段に登録するユーザ情報登録手段と、
当該画像形成装置の操作者より入力されるユーザ識別情報とユーザ情報管理手段に登録されているユーザ識別情報との照合に基づく前記操作者の認証処理を制御する認証制御手段と、
認証された前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記アプリ情報管理手段より取得し、表示装置に表示させる表示制御手段と、
少なくとも前記一覧において選択されたアプリケーション情報に含まれる前記機能識別情報に係る機能を実行させる機能実行制御手段とを有する情報処理システム。
【請求項10】
画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ネットワークを介して接続する情報処理装置が有するアプリケーションが当該画像形成装置に対して実行を要求する機能を識別する機能識別情報と、該アプリケーションに関連付けられたユーザを識別するユーザ識別情報とを含むアプリケーション情報を前記情報処理装置より受信し、アプリ情報管理手段に登録するアプリ情報受信手順と、
前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報をユーザ情報管理手段に登録するユーザ情報登録手順と、
当該画像形成装置の操作者より入力されるユーザ識別情報とユーザ情報管理手段に登録されているユーザ識別情報との照合に基づく前記操作者の認証処理を制御する認証制御手順と、
認証された前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記アプリ情報管理手段より取得し、表示装置に表示させる表示制御手順と、
少なくとも前記一覧において選択されたアプリケーション情報に含まれる前記機能識別情報に係る機能を実行させる機能実行制御手順とを有する情報処理方法。
【請求項11】
前記機能の実行結果に関する情報を前記情報処理装置に送信する結果送信手順を有する請求項10記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記ユーザ情報登録手順は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されていない場合に当該ユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録する請求項10又は11記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ユーザ情報登録手順は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されているときは、前記ユーザ情報管理手段において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードと、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致した場合は、前記ユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録しない請求項10乃至12いずれか一項記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記ユーザ情報登録手順は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されているときは、前記ユーザ情報管理手段において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードと、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致しないときは、前記ユーザ識別情報に代わる新たなユーザ識別情報の送信要求を前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置より返信される新たなユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録する請求項10乃至13いずれか一項記載の情報処理方法。
【請求項15】
認証された前記操作者に、前記情報処理装置において設定されているパスワードを入力させ、入力されたパスワードに基づく認証要求を前記情報処理装置に送信するクライアント認証要求手順を有し、
前記表示制御手順は、該認証要求に係る認証に成功した場合に、前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記表示装置に表示させる請求項10乃至14いずれか一項記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記アプリケーションの登録解除要求の受信に応じ、前記ユーザ登録手順によって登録されたユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段より削除するユーザ情報削除手順を有する請求項10乃至15いずれか一項記載の情報処理方法。
【請求項17】
画像形成装置に、
ネットワークを介して接続する情報処理装置が有するアプリケーションが当該画像形成装置に対して実行を要求する機能を識別する機能識別情報と、該アプリケーションに関連付けられたユーザを識別するユーザ識別情報とを含むアプリケーション情報を前記情報処理装置より受信し、アプリ情報管理手段に登録するアプリ情報受信手順と、
前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報をユーザ情報管理手段に登録するユーザ情報登録手順と、
当該画像形成装置の操作者より入力されるユーザ識別情報とユーザ情報管理手段に登録されているユーザ識別情報との照合に基づく前記操作者の認証処理を制御する認証制御手順と、
認証された前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記アプリ情報管理手段より取得し、表示装置に表示させる表示制御手順と、
少なくとも前記一覧において選択されたアプリケーション情報に含まれる前記機能識別情報に係る機能を実行させる機能実行制御手順と実行させるためのプログラム。
【請求項18】
前記機能の実行結果に関する情報を前記情報処理装置に送信する結果送信手順を有する請求項17記載のプログラム。
【請求項19】
前記ユーザ情報登録手順は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されていない場合に当該ユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録する請求項17又は18記載のプログラム。
【請求項20】
前記ユーザ情報登録手順は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されているときは、前記ユーザ情報管理手段において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードと、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致した場合は、前記ユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録しない請求項17乃至19いずれか一項記載のプログラム。
【請求項21】
前記ユーザ情報登録手順は、前記アプリケーション情報に含まれている前記ユーザ識別情報が前記ユーザ情報管理手段に登録されているときは、前記ユーザ情報管理手段において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードと、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に対応させて登録されているパスワードとを照合させ、二つのパスワードが一致しないときは、前記ユーザ識別情報に代わる新たなユーザ識別情報の送信要求を前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置より返信される新たなユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段に登録する請求項17乃至20いずれか一項記載のプログラム。
【請求項22】
認証された前記操作者に、前記情報処理装置において設定されているパスワードを入力させ、入力されたパスワードに基づく認証要求を前記情報処理装置に送信するクライアント認証要求手順を有し、
前記表示制御手順は、該認証要求に係る認証に成功した場合に、前記操作者のユーザ識別情報に係る前記アプリケーション情報の一覧を前記表示装置に表示させる請求項17乃至21いずれか一項記載のプログラム。
【請求項23】
前記アプリケーションの登録解除要求の受信に応じ、前記ユーザ登録手順によって登録されたユーザ識別情報を前記ユーザ情報管理手段より削除するユーザ情報削除手順を有する請求項17乃至22いずれか一項記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−128801(P2010−128801A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302903(P2008−302903)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】