説明

画像形成装置、機器管理システム、機器管理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】 機器管理サーバのIPアドレスの入力作業を不要にして、管理者の作業負担を軽減できる機器管理システムや方法を提供する。
【解決手段】 機器管理システムは、MFP10とDHCPサーバ17と機器管理サーバ20とを含む。DHCPサーバ17は、機器管理サーバ20のアクセス情報を保持する。MFP10は、DHCPサーバ17に上記のアクセス情報の取得を要求するメッセージを送信する情報送信部100と、DHCPサーバ17から受信したメッセージから上記のアクセス情報を取出し記憶する情報登録部110と、MFP10の状態を示す機器情報を収集する情報収集部120とを含む。情報送信部100は、記憶したアクセス情報を用い、MFP10に固有な機器固有情報を機器管理サーバ20へ送信し、機器管理サーバ20からの接続承認した旨のメッセージの受信に応答して、情報収集部120が収集した機器情報を機器管理サーバ20へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器管理装置へ機器情報を送信し、その機器情報を登録して管理させる画像形成装置、該画像形成装置と該機器管理装置とを備える機器管理システム、該機器管理システムにより実行される機器管理方法、該方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムおよび該プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでは、社員が互いの情報を共有したり、それらの情報を管理したり、1台のプリンタを複数人が共有するためにネットワーク環境が構築されている。近年、このようなネットワーク環境では、プリンタのほか、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)が数多く採用されるようになってきている。
【0003】
数多くのMFPが1つのネットワークに接続されたネットワーク環境では、それらのMFPを管理するための機器管理ツールが使用されている。機器管理ツールは、MFPの接続状況、稼働状況、エラー情報等を適宜収集して管理することができ、トナー残量、カウンタ情報、エラー発生等を管理者に通知することができる。情報の収集は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)で管理されるネットワーク機器が、自機の状態を外部に知らせるために公開する情報(MIB)を利用して行われる。
【0004】
機器管理ツールが実装された機器管理サーバが、各MFPの情報を収集するためには、各MFPのIPアドレスといったアドレス情報が必要とされる。例えば、各MFPに固有のIPアドレスを割当て、そのIPアドレスに周期的なポーリングによるアクセスにより、各MFPの状態を把握し、管理する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)
【0005】
この特許文献1には、各MFPのIPアドレスを事前に登録しておき、MFPが移動等された場合には、変更後のIPアドレスを管理者が登録する必要があり、MFPの管理が煩雑になることから、その管理を軽減するための技術も開示されている。
【0006】
この特許文献1に開示されているシステムおよび方法は、複数のMFPと、機器管理装置とがネットワークを介して接続され、機器管理装置が、そのネットワークに接続される名前解決サーバ装置に対し、所望のMFPのネットワーク位置記述情報を指定してネットワークアドレスを要求するアドレス要求を送信し、名前解決サーバ装置から、アドレス要求で指定されたネットワーク位置記述情報に対応するネットワークアドレスを取得し、機器状態情報を要求する状態取得要求を、取得したネットワークアドレスのMFPに送信し、そのMFPから機器状態情報を取得し、登録する構成とされている。
【0007】
このように、機器管理装置が、名前解決サーバ装置へネットワークアドレスを要求し、名前解決サーバ装置からそのネットワークアドレスを取得する構成を採用することで、MFPの配置場所が移動されてネットワークアドレスに変更があっても、管理者がMFPの配置場所の移動やこれに伴うネットワークアドレスの把握を必要とせず、MFPの管理作業を軽減させることができる。
【0008】
MFPが、機器管理装置へ機器状態情報を送信するにはその機器管理装置のIPアドレスを知らなければならない。従来、MFPの出荷時や設置時等において、各MFPに対し、機器管理装置のIPアドレスを入力し、設定していた。
【0009】
企業では、企業内のコンピュータ同士、そのコンピュータとプリンタやMFP等を互いに接続するために社内LAN(Local Area Network)といったネットワーク環境が構築され、また、支店間や他の企業との間で情報のやりとりを行うためにインターネットに接続されている。インターネットに接続された企業等で、1つのグローバルなIPアドレスを複数のコンピュータで共有する技術として、NAT(Network Address Translation)がある。このNATは、企業内でのみ通用するIPアドレスと、そのグローバルIPアドレスとを相互変換することにより実現することができ、このNATを採用することで、最近不足しがちとなっているグローバルIPアドレスを節約することができるという利点を有している。
【0010】
NATを利用する環境に対応した機器管理ツールを実現するために、機器管理サーバのIPアドレスを管理するアドレス管理サーバを設置することが知られている。このアドレス管理サーバを設けることで、機器管理装置が移動された場合においても、アドレス管理サーバに登録されている機器管理装置のIPアドレスを変更するのみで機器管理を実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記の技術では、機器管理装置のIPアドレスの入力は不要になるものの、アドレス管理サーバのIPアドレスの入力作業が必要になるという問題があった。この入力作業は、複数のMFPの各々に対して発生し、ネットワークに接続されるMFPの数が増加するほど増加するため、管理者の作業負担を増大させていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題に鑑み、ネットワークに接続される複数のMFPの各々に対し、IPアドレスを割り当て設定するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ等の情報設定装置に、機器管理サーバのIPアドレスを登録しておき、MFPがネットワークに接続し、情報設定装置に対し、IPアドレスの設定を要求するとともに、機器管理サーバのIPアドレスも要求するように構成する。また、それらのIPアドレスを取得し、MFPが機器管理サーバのIPアドレスを使用して、機器固有情報を送信し、機器管理サーバがその機器固有情報に基づき接続承認するか否かの判断を行い、機器管理サーバが接続承認すると、MFPは、それに応答して、収集した機器情報を機器管理サーバへ送信し、記憶させることにより、その機器情報を管理させるように構成する。
【0013】
このように構成することで、機器管理サーバのIPアドレスは、管理者が、情報設定装置に登録するだけで済み、複数のMFPの各々に入力し設定する必要がなくなり、管理者の作業負担を軽減させることができる。また、各MFPのアドレス、機器管理装置の変更後のアドレスを情報設定装置が管理するため、アドレス変更にも柔軟に対応することができる。
【0014】
すなわち、本発明では、1または複数の画像形成装置と、1または複数の画像形成装置にネットワークを介して接続される機器管理装置と、画像形成装置のアクセス情報を設定するとともに機器管理装置のアクセス情報を記憶する情報設定装置とを含む機器管理システムにおいて用いられる画像形成装置を提供することができる。この画像形成装置は、情報設定装置に対し、画像形成装置のアクセス情報の設定と、機器管理装置のアクセス情報の取得とを要求するメッセージを送信する情報送信部と、情報設定装置から受信したメッセージから、設定されたアクセス情報と、機器管理装置のアクセス情報とを取り出し記憶する情報登録部と、画像形成装置の状態を示す機器情報を収集する情報収集部とを含む。情報送信部は、登録した機器管理装置のアクセス情報を用い、画像形成装置に固有な機器固有情報を該画像形成装置のアクセス情報とともに機器管理装置へ送信し、機器管理装置が保持する機器固有情報と照会して接続承認するか否かを判断させ、機器管理装置から接続承認した旨のメッセージを受信したことに応答して、情報収集部が収集した機器情報を機器管理装置へ送信し、記憶させる。
【0015】
情報登録部が、機器管理装置のアクセス情報を既に記憶している場合は、特別の事情がない限り、機器情報に変化がないと考えられるので、無駄なトラフィック負荷を与えないようにするために、情報送信部は、アクセス情報が情報登録部に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合に、情報設定装置へメッセージを送信して機器管理装置のアクセス情報を取得し、そのアクセス情報を用いて機器情報を機器管理装置へ送信することができる。
【0016】
また、情報送信部は、アクセス情報が、情報登録部に記憶されているアクセス情報と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、情報設定装置から取得したアクセス情報を用いて機器情報を機器管理装置へ送信することもできる。このとき、情報登録部は、その取得したアクセス情報を登録し、アクセス情報を更新する。
【0017】
さらに、情報送信部は、認証情報の取得を要求するメッセージを送信し、取得した認証情報を機器管理装置へ送信し、機器管理装置が保持する認証情報と照会して認証するか否かを判断させることができる。認証後、接続承認するか否かを判断させ、承認後、機器情報を送信することができる。
【0018】
情報送信部は、情報登録部に記憶されているアクセス情報を用いて機器管理装置にアクセスし、エラーが通知されたことに応答して、情報設定装置へ機器管理装置のアクセス情報の取得を要求するメッセージを送信することができる。これにより、機器管理装置が何らかの要因で移動され、アクセス情報が変更された場合においても、その変更されたアクセス情報は、管理者が情報設定装置に登録することにより記憶されるので、変更後のアクセス情報を取得し、そのアクセス情報に基づきアクセスすることができる。
【0019】
上記では、エラー通知があった段階で、機器管理装置のアクセス情報が変更されたことを知ることができるが、情報設定装置は、管理者によってアクセス情報が変更されたことを知っているので、アクセス情報が変更された時点で、画像形成装置の情報登録部は、情報設定装置からのアクセス情報の更新要求を受信し、更新要求に含まれるアクセス情報を取り出し、取り出したアクセス情報に更新することができる。
【0020】
機器管理装置は、移動等によりアクセス情報が変更された場合、変更後のアクセス情報を直前に通信を行った画像形成装置へ送信し、該画像形成装置の情報登録部に記憶させることができる。この画像形成装置は、他の複数の画像形成装置がそのアクセス情報を更新することができるように、その変更後のアクセス情報を情報設定装置へ送信し、その変更後のアクセス情報に更新させることができる。このようにすることで、情報設定装置が記憶するアクセス情報が更新されるので、他の複数の画像形成装置は、アクセス情報の設定を要求する際、変更後のアクセス情報を取得することができ、その変更後のアクセス情報を用いて機器管理装置にアクセスすることができる。
【0021】
上記では、機器管理装置が1つの画像形成装置へ変更後のアクセス情報を送信したが、このアクセス情報は、情報設定装置へ送信してもよく、機器管理装置から直接、情報設定装置へ送信することができる。この場合は、上記のエラー通知があった段階で、画像形成装置が情報設定装置に対し、機器管理装置のアクセス情報の取得を要求し、変更後のアクセス情報を取得することもできるし、情報設定装置から送信された更新要求により、変更後のアクセス情報を取得することもできる。
【0022】
本発明では、上記の画像形成装置、機器管理装置、情報設定装置を含む機器管理システムを提供することもできる。また、この機器管理システムにより実行される機器管理方法、その方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラム、そのプログラムが記録された記録媒体を提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の機器管理システムの一実施形態を示したシステム構成図。
【図2】機器管理システムを構成するMFPのハードウェア構成図。
【図3】機器管理システムを構成するPC、機器管理サーバ、DCHPサーバのハードウェア構成図。
【図4】機器管理システムを構成するMFP、機器管理サーバ、DHCPサーバの機能ブロック図。
【図5】機器管理システムにより実行される処理の流れを示した第1シーケンス図。
【図6】DHCPメッセージのフォーマットを例示した図。
【図7】機器管理システムにより実行される処理の流れを示した第2シーケンス図。
【図8】機器管理システムにより実行される処理の流れを示した第3シーケンス図。
【図9】機器管理システムにより実行される処理の流れを示した第4シーケンス図。
【図10】機器管理システムにより実行される処理の流れを示した第5シーケンス図。
【図11】機器管理システムにより実行される処理の流れを示した第6シーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の機器管理システムの一実施形態を示したシステム構成図である。このシステムは、複数の画像形成装置であるMFP10〜12と、複数の情報処理装置であるPC13〜16と、情報設定装置であるDHCPサーバ17とが、ネットワークであるLAN18に接続され、クライアント環境を構築している。LAN18は、インターネット等の外部ネットワーク19と接続され、外部ネットワーク19には、MFP10〜12、PC13〜16を管理する機器管理装置としての機器管理サーバ20が接続されている。なお、ここでは複数のMFPとしているが、MFPは1台であってもよく、また、画像形成装置としてはMFPに限られるものではなく、レーザプリンタ(LP)やコピー機、ファクシミリ装置、その他の複合機等であってもよい。
【0025】
MFP10〜12は、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能を有する。これらの機能を実現するために、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ等のプロッタと、画像を読み取るスキャナと、FAX通信を行うFAXユニットと、それらを制御するためのコントローラとを備えている。
【0026】
プロッタは、例えば、電子写真方式のプリンタとすることができ、このプリンタの場合、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電ユニット、帯電した感光体ドラムの表面に画像の書き込み光を照射する露光装置、露光装置により書き込まれ、感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像し、顕像化してトナー像を形成する現像ユニット、感光体ドラム表面のトナー像を用紙に転写する転写ユニット、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着ユニットを備える。
【0027】
また、用紙を供給する給紙ユニット、用紙を排出する排紙ユニット、転写後の感光体ドラムに残ったトナーを除去するクリーニングユニットを備えることができる。
【0028】
スキャナは、読み取るべき原稿を載せるための原稿台と、原稿台上に載せた原稿を上から覆い、外光を遮断する原稿台カバーと、透明なプラスチックまたはガラスからなる原稿台の下側から光を照射する光源と、反射した光を受光し、電気信号に変換する撮像素子とを含んで構成されている。スキャナは、必要に応じて、反射した光を、撮像素子へ適切に入光させるために反射させる複数のミラーを備えることができ、また、変換された電気信号をデジタルデータ化するADコンバータ、外部インタフェース信号に変換し、外部に送信する論理回路を備えることができる。
【0029】
FAXユニットは、RS−232C、イーサネット(登録商標)、USBといったインタフェース、そのインタフェースを介して接続され、文字や画像等を通信可能な形式に変換し、また、変換された形式から文字や画像等へ変換するFAXモデムを備えることができる。
【0030】
コントローラは、MFP10〜12の装置全体の制御を行い、描画処理、PC13〜16やDHCPサーバ17や機器管理サーバ20との間の通信、操作パネルといった操作部からの入力を制御する。上記の描画処理では、コントローラは、印刷すべき画像の画像データがドライバによって変換された制御言語形式のデータを受信し、データの内容を解析し、解析後、描画処理を行い、描画処理したデータをプロッタへ送り、印刷を実行させる。
【0031】
PC13〜16は、文字等を入力するためのキーボード、画像やボタンを選択するためのマウスといった入力装置、入力した文字等を表示するためのディスプレイといった表示装置、各種アプリケーションやOSを記憶する記憶装置およびそれらを記憶装置から読み出し実行するCPUを備える。また、PC13〜16は、そのほか、音声入力装置、スピーカ、FDドライブ、CDドライブ、DVDドライブ等を備えることができる。
【0032】
PC13〜16の各々は、各種アプリケーションやOSのほか、プリンタドライバを実装し、プリンタドライバによって画像データを変換し、制御形式のデータをMFP10〜12の1つに送信し、印刷処理させる。
【0033】
DHCPサーバ17は、PC13〜16と同様のハードウェア構成とされ、各MFP10〜12、PC13〜16にアクセス情報であるIPアドレスを割り当て、各MFP10〜12、PC13〜16に対し設定する処理を実行する。なお、DHCPサーバ17は、表示装置や入力装置を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。ここで、アクセス情報は、IPアドレスに限られるものではなく、アクセスするために必要とされる情報であればいかなる情報であってもよいが、以下、アクセス情報をIPアドレスとして説明する。
【0034】
機器管理サーバ20も、PC13〜16と同様のハードウェア構成とされ、各MFP10〜12、PC13〜16から、それらの機器の状態を示す機器情報を受信し、メモリ等の記憶装置に記憶する。この機器情報は、蓄積され、エラーが発生した場合にそれに対処するために利用される。
【0035】
図2は、MFP10〜12のハードウェア構成を示した図である。画像形成装置は、上述した印刷装置および画像読み取り装置を備えるほか、コントローラ30と、エンジン部40と、それらを接続するPCI(Peripheral Component Interconnect)バス50とを含んで構成されている。
【0036】
コントローラ30は、上述したようにMFP10〜12の装置全体の制御を行い、描画処理、通信、操作部からの入力を制御する。エンジン部40は、PCIバス50に接続可能なプリンタエンジン等で、上述したプロッタ、スキャナ、FAXユニットを含んで構成される。また、エンジン部40は、誤差拡散やγ変換等の画像処理を行う画像処理部も含まれる。
【0037】
コントローラ30は、CPU31と、ノースブリッジ(NB)32と、システムメモリ(MEM-P)33と、サウスブリッジ(SB)34と、ローカルメモリ(MEM-C)35と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)36と、ハードディスクドライブ(HDD)37とを備え、ノースブリッジ32とASIC36との間をAGP(Accelerated Graphics Port)38により接続された構成とされている。システムメモリ33は、読み出し専用メモリであるROM33aと、読み書き可能メモリであるRAM33bとを備えている。
【0038】
CPU31は、MFP10〜12の個々の装置全体の制御を行い、ノースブリッジ32、システムメモリ33、サウスブリッジ34から構成されるチップセットと接続され、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0039】
ノースブリッジ32は、CPU31と、システムメモリ33、サウスブリッジ34、AGP38とを接続するためのブリッジで、システムメモリ33に対する読み書きを制御するためのメモリコントローラ、PCIマスタ、AGPターゲットを備えている。
【0040】
システムメモリ33は、プログラムやデータを格納するためのメモリとして、また、プログラムやデータを展開するためのメモリとして、さらには、描画処理する際の描画用メモリとして用いられるメモリである。ROM33aは、プログラムやデータを格納するメモリとして用いられ、RAM33bは、プログラムやデータを展開するための、また、描画処理を行うためのメモリとして用いられる。
【0041】
サウスブリッジ34は、ノースブリッジ32とPCIデバイスや周辺デバイスと接続するためのブリッジで、PCIバスを介してノースブリッジ32と接続され、PCIバスには、ネットワークインタフェース部が接続される。
【0042】
ASIC36は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けICである。ASIC36は、ローカルメモリ35、ハードディスクドライブ37、AGP38、PCIバスと接続され、それらのブリッジとしての役割を果たす。また、ASIC36は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC36の中核をなすアービタと、ローカルメモリ35を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックにより画像データの回転を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部40との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとから構成される。
【0043】
このASIC36には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)41、USB42、IEEE1394(the Institute of Electronics Engineers 1394)インタフェース43が接続され、また、直接、操作表示部44が接続される。操作表示部44は、操作パネルである。
【0044】
ローカルメモリ35は、印刷用画像データを蓄積するためのバッファ、符号化したデータを格納するためのバッファとして用いられる。ハードディスクドライブ37は、画像データ、プログラム、フォントデータ、フォーム等を格納するための記憶装置として用いられる。
【0045】
AGP38は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックアクセラレータカード用のバスインタフェースである。このAGP38は、システムメモリ33に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0046】
MFP10〜12が、DHCPサーバ17および機器管理サーバ20との間で行う処理および内部において行う処理は、プログラムを実行することにより実現され、そのプログラムは、ROM33a等に格納され、CPU31により読み出され、実行される。
【0047】
このように、プログラムは、ROM33a等にMFPに組み込まれていてもよいが、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、CD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、DVD、SDカード等のコンピュータ可読な記録媒体に記録して提供することも可能である。また、プログラムは、LAN18や外部ネットワーク19に接続されたPC等に格納し、それらを経由してダウンロードさせることにより提供することも可能である。
【0048】
図3は、LAN18に接続されるPC13〜16、DHCPサーバ17、機器管理装置20のハードウェア構成を示した図である。これらは同じハードウェア構成とすることができ、いずれもPCとすることができる。
【0049】
上述したように、入力装置、表示装置、記憶装置、CPUを備えるが、より詳細には、CPU60、記憶装置としてのROM61、RAM62、HDDやCDドライブやDVDドライブ等の外部記憶装置63、キーボードやマウスといった入力装置64、表示装置65、通信インタフェース66、これらを接続するバス67とを含んで構成されている。
【0050】
PC13〜16であれば、DHCPサーバ17に対し、IPアドレスの割当て設定、および機器管理サーバ20のIPアドレスの取得を要求するメッセージを送信し、機器情報を収集し、機器管理サーバ20へ機器情報を送信するという処理を実現するためのプログラムをROM61に格納し、CPU60がそれを読み出し実行することにより、その処理を実現することができる。また、DHCPサーバ17であれば、MFP10〜12、PC13〜16から受信したメッセージに応答して、IPアドレスを割当て設定し、機器管理サーバ20のIPアドレスを取得する要求をそれらに対して送信する処理を実現するためのプログラムをROM61に格納し、CPU60がそれを読み出し実行することにより、その処理を実現することができる。また、機器管理サーバ20であれば、MFP10〜12、PC13〜16から受信した認証情報により認証を行い、また、機器固有情報により接続承認するか否かの判断を行い、機器情報を登録し記憶する処理を実現するためのプログラムをROM61に格納し、CPU60がそれを読み出し実行することにより、その処理を実現することができる。
【0051】
図4は、機器管理システムを構成するMFP10〜12、DHCPサーバ17、機器管理サーバ20の機能ブロック図である。上記の処理を実現するために、プログラムが、複数のモジュールから構成され、CPUが各モジュールを主記憶装置上にロードし、実行することにより各部として機能する。MFP10〜12の各々がDHCPサーバ17、また、機器管理サーバ20と通信を行うことができるが、以下、MFP10とDHCPサーバ17との間、MFP10と機器管理サーバ20との間で行われる通信について説明する。
【0052】
MFP10は、DHCPサーバ17に対し、MFP10のIPアドレスの設定と、機器管理サーバ20のIPアドレスの取得とを要求するメッセージを送信する情報送信部100と、DHCPサーバ17から受信したメッセージから、設定されたIPアドレスと、機器管理サーバ20のIPアドレスとを取り出し記憶する情報登録部110と、MFP10の状態を示す機器情報を収集する情報収集部120とを含んで構成される。
【0053】
情報送信部100は、DHCPサーバ17から取得し、登録した機器管理サーバ20のIPアドレスを用いて、MFP10に固有な機器固有情報を、MFP10の設定されたIPアドレスとともに機器管理サーバ20へ送信する。機器管理サーバ20は、保持する機器固有情報と照会して接続承認するか否かを判断し、承認する場合には、受信したMFP10のIPアドレスを用いて接続承認した旨のメッセージを送信する。MFP10は、そのメッセージを受信したことに応答して、情報収集部120が収集した機器情報を機器管理サーバ20へ送信し、記憶させる。
【0054】
DHCPサーバ17は、MFP10から受信したメッセージに応答して、IPアドレスを割り当て設定するアドレス設定部200と、機器管理サーバ20のIPアドレスを記憶する情報記憶部210とを含んで構成されている。情報記憶部210は、機器管理サーバ20へ送信する認証情報を記憶していてもよく、MFP10が送信したメッセージに認証情報の取得を要求する情報が含まれている場合に、認証情報をMFP10へ送信することができる。
【0055】
機器管理サーバ20は、MFP10が送信した認証情報の照会を行い、認証を行うとともに、機器固有情報の照会を行い、接続承認を行う認証部300と、接続承認後、MFP10が送信した機器情報を記憶し、登録する情報登録部310と、認証部300が認証を行い、接続承認を行うために使用する認証情報および機器固有情報を記憶する情報記憶部320とを含んで構成されている。
【0056】
ここで、MFP10とDHCPサーバ17との間の通信をより詳細に説明すると、MFP10は、DHCPサーバ17を探すために、DHCPDISCOVERと呼ばれるパケットをブロードキャストによりLAN18上に送信する。DHCPサーバ17は、そのパケットに応答し、DHCPサーバ17のIPアドレスを含むDHCPOFFERと呼ばれる応答を返す。
【0057】
ここではDHCPサーバ17がLAN18上に1つしか存在しないが、複数存在している場合は、複数のDHCPサーバから応答が返される。MFP10は、複数のDHCPサーバから応答が返された場合、その1つを選択し、DHCPREQUESTメッセージをブロードキャストする。このメッセージが、IPアドレスを割当て設定し、機器管理サーバ20のIPアドレスの取得を要求するメッセージである。
【0058】
DHCPREQUESTメッセージを受信したDHCPサーバ17は、構成情報を含むDHCPACKメッセージを送信する。この構成情報には、IPアドレスフィールドが含まれ、そのフィールドには、割り当てたIPアドレスが挿入され、この挿入によりIPアドレスを設定する。また、このメッセージには、そのIPアドレスを使用することができるリース期間が含まれる。
【0059】
MFP10は、そのメッセージを受信すると、パラメータのチェックを行い、IPアドレスを記憶し、リース期間も記憶することにより登録する。なお、リース期間が満了すると、そのIPアドレスが使用できなくなることから、DHCPサーバ17へ更新要求を送り、IPアドレスを取得することができる。
【0060】
この機器管理システムにおいて行われる具体的な処理について、図5〜図11を参照して詳細に説明する。図5は、機器管理システムが実行する処理の流れを示したシーケンス図である。クライアント環境には、複数のMFP、PC、少なくとも1つのDHCPサーバが存在し、LAN等のネットワークにより互いに接続されている。そのネットワークは、ハブやルータを介して外部ネットワークに接続され、その外部ネットワークには、機器管理サーバが接続されている。この外部ネットワークには、機器管理サーバのほか、サービスセンタに設置されているPCが接続されている。
【0061】
機器管理サーバ20は、サービスセンタのPC70からアクセスすることができ、そのPC70は、管理者によって管理される。このため、機器管理サーバ20のIPアドレス等のアクセス情報は、管理者が管理し、管理者によってクライアント環境にあるDHCPサーバ17に入力され、登録される。
【0062】
MFP10の情報送信部100がDHCPサーバ17に対し、IPアドレスの設定を要求するともに、機器管理サーバ20のIPアドレスを要求するメッセージを送信する。このメッセージは、図6に示すようなフォーマットを有するDHCPメッセージである。このメッセージに対し、DHCPサーバ17のアドレス設定部200は、予め決定されたIPアドレスの範囲で、個々の機器に固有のIPアドレスを順に割当て、それをDHCPメッセージに挿入することにより設定し、MFP10へ返信する。
【0063】
DHCPメッセージは、図6に示すように、設定された機器のIPアドレスであるクライアントIPアドレス、DHCPサーバ17のIPアドレス、DHCPサーバ17のサーバ名のほか、オプションを含むことができ、このオプションにタグ番号で示される様々な種類のデータを設定し、より詳細なオプションデータを送信することができる。このため、MFP10の情報登録部110には、予めタグ番号が登録される。
【0064】
MFP10の情報送信部100は、オプションに予め登録されたタグ番号、例えば、クライアントがリクエストするIPアドレスを表すタグ番号「50」を設定し、送信すると、DHCPサーバ17のアドレス設定部200は、それに応答して、MFP10が要求する機器管理サーバ20のIPアドレスを挿入し、上記のクライアントIPアドレス、DHCPサーバ17のIPアドレス、DHCPサーバ17のサーバ名、リース期間等のデータも挿入し設定して返信する。
【0065】
MFP10の情報登録部110は、そのメッセージを受信すると、設定されたIPアドレスとともに機器管理サーバ20のIPアドレスも登録し記憶する。情報登録部110は、機器固有情報としてMACアドレスやシリアルID等を保持しており、情報送信部100は、情報登録部110に登録した機器管理サーバ20のIPアドレスを用い、MACアドレス等の機器固有情報および割り当てられたIPアドレスを含む接続要求を機器管理サーバ20へ送信する。
【0066】
機器管理サーバ20の認証部300は、機器管理サーバ20の情報記憶部320に予め記憶されている機器固有情報と照会し、一致するものが存在するかを確認する。一致するものが存在していれば、接続を承認し、承認する旨のメッセージをMFP10へ返信する。これにより、MFP10と機器管理サーバ20との間で情報のやりとりが可能となる。
【0067】
MFP10の情報収集部120は、MFP10が機器管理サーバ20との間で情報のやりとりが可能になる前に、MFP10の状態を示す機器情報、例えば、印刷枚数、トナー切れや紙切れ等のエラー情報を収集する。そして、可能になったとき、MFP10の情報送信部100が、情報登録部110に登録されている機器管理サーバ20のIPアドレスを用い、機器固有情報および機器情報を送信する。
【0068】
MFP10の情報送信部100が機器管理サーバ20へ情報を送信する際、その情報とともに機器固有情報が送信される。これは、機器固有情報がMFP10を識別するための情報で、機器管理サーバ20の情報登録部310が、この機器固有情報に関連付けて機器情報を記憶するためである。
【0069】
サービスセンタのPC70は、管理者によって定期的に機器管理サーバ20へアクセスし、機器情報を取得し、トナー切れや紙切れ等を確認した場合、サービスマンがそのMFP10が設置されている場所へ行き、トナー補給や紙補給等を行うことができる。
【0070】
MFP10の情報登録部110が、DHCPサーバ17から受信したメッセージから取り出したIPアドレスと同じアドレスを既に記憶しており、情報収集部120が収集した機器情報に変化がない場合には、機器情報を送信する必要がない。このため、情報送信部100は、IPアドレスが情報登録部110に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合に、機器情報を機器管理サーバ20へ送信することができる。したがって、記憶されている場合には、機器情報を送信しない。
【0071】
また、情報送信部100は、IPアドレスが、情報登録部110に記憶されているIPアドレスと一致するか否かを判断し、一致しない場合に、機器情報を機器管理サーバ20へ送信することも可能である。一致しており、機器情報に変化がない場合には、機器情報を送信する必要がないからである。このように、同じ機器情報を送信しないようにすることで、無駄なトラフィック負荷を与えないようにすることができる。
【0072】
図7は、DHCPサーバ17の情報記憶部210に認証情報を登録しておき、認証情報を使用して認証を行う処理を含む実施形態について示したシーケンス図である。この実施形態では、DHCPサーバ17の情報記憶部210に機器管理サーバ20のIPアドレスのほか、認証情報も記憶されている。これに対応して、MFP10の情報登録部110には、機器管理サーバ20のIPアドレスを要求するタグ番号のほか、認証情報を要求するタグ番号の登録もされている。
【0073】
MFP10の情報送信部100は、図6に示すフォーマットのDHCPメッセージを送信すると、DHCPサーバ17のアドレス設定部200は、それに応答して、MFP10が要求する機器管理サーバ20のIPアドレスおよび認証情報を挿入し、上記のクライアントIPアドレス、DHCPサーバ17のIPアドレス、DHCPサーバ17のサーバ名、リース期間等のデータも挿入することにより設定して返信する。
【0074】
MFP10の情報登録部110は、そのメッセージを受信すると、設定されたIPアドレスとともに、機器管理サーバ20のIPアドレスおよび認証情報を登録し記憶する。MFP10の情報登録部110は、機器固有情報としてMACアドレス等を保持しており、情報送信部100が、登録した機器管理サーバ20のIPアドレスを用い、MACアドレス等の機器固有情報、認証情報および設定されたIPアドレスを含む接続要求を機器管理サーバ20へ送信する。
【0075】
機器管理サーバ20の認証部300は、情報記憶部320に予め記憶されている認証情報と照会し、一致するものが存在するかを確認する。一致するものが存在していれば、次に情報記憶部320に予め記憶されている機器固有情報と照会し、一致するものが存在するかを確認する。一致するものが存在していれば、接続を承認し、承認する旨のメッセージをMFP10へ返信する。これにより、MFP10と機器管理サーバ20との間で情報のやりとりが可能となる。
【0076】
その後は、図5に示す実施形態と同様に、MFP10は、機器管理サーバ20との間で情報のやりとりが可能になる前に、情報収集部120が、MFP10の状態を示す機器情報を収集し、可能になったとき、情報登録部110に登録されている機器管理サーバ20のIPアドレスを用い、機器固有情報および機器情報を送信する。
【0077】
認証情報は、複数の文字、数字、記号等から構成されるIDおよびパスワードとすることができる。機器管理サーバ20は、この認証情報を予め記憶しておき、認証情報が一致する場合にのみ、認証することができ、認証情報が異なる場合は、認証エラーを返信し、その後の接続確認および機器情報の送信および登録を実行することができないようにすることができる。
【0078】
図8は、クライアント環境におけるネットワークと、外部ネットワークとにDHCPサーバがそれぞれ接続されている場合の処理の流れを示したシーケンス図である。この実施形態は、外部ネットワークにDHCPサーバ80が接続されていることを除き、図5または図7に示した実施形態と同様である。したがって、異なる部分の処理のみを説明する。
【0079】
DHCPサーバは、1つに限らず、複数設置することができる。DHCPサーバを複数利用する場合、DHCPサーバがもつDHCPリレーエージェント機能を利用する。この機能は、MFP10からの要求を同じネットワークに接続されるDHCPサーバ17が代理で受け取り、別のネットワークに接続されるDHCPサーバ80へ転送する機能である。なお、この機能を利用すると、DHCPサーバ17とDHCPサーバ80との間の通信はユニキャストで行われる。
【0080】
MFP10がIPアドレスの割当て、設定を要求するとともに、機器管理サーバ20のIPアドレスを要求するメッセージを送信すると、クライアント環境にあるDHCPサーバ17は代理で受信し、それを外部ネットワーク19に接続されるDHCPサーバ80へ転送する。そのDHCPサーバ80は、IPアドレスを割当て、機器管理サーバ20のIPアドレスを挿入してメッセージを作成した後、そのメッセージをクライアント環境のDHCPサーバ17を介してMFP10へ返信する。DHCPメッセージには、図6に示すように、DHCPリレーエージェントのIPアドレスが含まれるので、そのIPアドレスを用い、ユニキャストで通信を行うことができる。その後の処理は、図5および図7に示した実施形態と同様である。
【0081】
MFP10の情報送信部100は、情報登録部110に、機器管理サーバ20のIPアドレスが記憶されている場合、そのIPアドレスを用いて機器管理サーバ20にアクセスすることができる。しかしながら、機器管理サーバ20が何らかの原因で移動され、IPアドレスが変更されている場合、アクセスすることはできない。クライアント環境におけるネットワークと、外部ネットワークとは、ハブやルータにより接続されるため、アクセスできなかった場合には、ハブやルータといった中継装置がエラーを返す。
【0082】
MFP10は、中継装置からエラーが通知されたことに応答して、DHCPサーバ17へ機器管理サーバ20のIPアドレスの取得を要求するメッセージを送信することができる。この場合の処理は、図5および図7に示した実施形態と同様である。
【0083】
機器管理サーバ20が移動され、IPアドレスが変更されたことは管理者が知っており、管理者がDHCPサーバ17に記憶されている機器管理サーバ20のIPアドレスも変更することから、上記エラーの通知を受けてMFP10がメッセージを送信するのではなく、DHCPサーバ17が変更後のIPアドレスを送信し、再設定させることが効率的である。
【0084】
図9は、MFP10がメッセージを送信し、DHCPサーバ17が応答を返すのではなく、MFP10が一度設定したIPアドレスを、DHCPサーバ17がIPアドレスを送信してMFP10に再設定させる処理を示したシーケンス図である。MFP10がDHCPサーバ17からIPアドレスを受け取る方法が異なる以外、図5および図7に示した実施形態と同様であるため、異なる処理のみ説明する。
【0085】
DHCPサーバ17は、管理者が情報記憶部210に記憶されている機器管理サーバ20のIPアドレスを変更したことを知り、アドレス設定部200が、IPアドレスを再設定させるために、変更後のIPアドレスを含む更新要求を送信する。
【0086】
MFP10は、その更新要求を受信した後、情報登録部110が、登録されている機器管理サーバ20のIPアドレスと、更新要求に含まれるIPアドレスとが異なるか否かを判断し、異なる場合、更新要求に含まれるIPアドレスを取り出し、そのIPアドレスに更新する。
【0087】
機器管理サーバ20のIPアドレスが変更された際、機器管理サーバ20は、直前に機器情報を送信したMFP10へ変更後のIPアドレスを送信することができる。
【0088】
図10は、機器管理サーバ20がMFP10に対し、変更後のIPアドレスを送信する場合の処理の流れを示したシーケンス図である。図5、図7および図8に示した実施形態のようにしてMFP10が機器管理サーバ20へ機器情報を機器固有情報とともに送信し、その後、機器管理サーバ20のIPアドレスが変更された場合、機器管理サーバ20は、MFP10に対し、IPアドレスが変更された旨および変更後のIPアドレスを含むメッセージを送信する。
【0089】
MFP10の情報登録部110は、受信したメッセージに含まれるIPアドレスと、登録されているIPアドレスとを比較し、異なっていることを確認した後、受信したメッセージに含まれる変更後のIPアドレスを登録し、更新する。その後は、図5、図7および図8に示した実施形態と同様、更新後のIPアドレスを用い、認証情報および機器固有情報を送信して認証および接続確認を行う。
【0090】
その後、この変更をDHCPサーバ17は知らないので、MFP10は、DHCPサーバ17へ変更後のIPアドレスを含む更新要求を送信する。DHCPサーバ17は、情報記憶部210に記憶されている機器管理サーバ20のIPアドレスを書き換え、更新する。
【0091】
MFP10以外のMFPは、機器管理サーバ20へアクセスし、エラー通知を受けた後にDHCPサーバ17から機器管理サーバ20の変更後のIPアドレスを取得することもできるし、図9に示すように、DHCPサーバ17がその変更後のIPアドレスに再設定させるために、変更後のIPアドレスを含む更新要求をMFP10以外のMFPへ送信することもできる。
【0092】
このようにして、DHCPサーバ17が記憶する機器管理サーバ20のIPアドレスが更新されるので、MFP10以外のMFPは、IPアドレスの設定を要求する際、変更後のIPアドレスを取得することができ、その変更後のIPアドレスを用いて機器管理サーバ20にアクセスすることができる。
【0093】
上記では、機器管理サーバ20が直前に通信を行ったMFP10へ変更後のIPアドレスを送信したが、このIPアドレスは、DHCPサーバ17へ送信してもよい。図11は、この場合の処理を示したシーケンス図である。機器管理サーバ20は、DHCPサーバ17へ変更後のIPアドレスを含む更新要求を送信する。これを受けて、DHCPサーバ17は、情報記憶部210に記憶されている機器管理サーバ20のIPアドレスを書き換え、更新する。
【0094】
その後は、MFP10が機器管理サーバ20へアクセスし、エラー通知を受けた後にDHCPサーバ17から機器管理サーバ20の変更後のIPアドレスを取得することもできるし、図9に示すように、DHCPサーバ17が変更後のIPアドレスに再設定させるために、変更後のIPアドレスを含む更新要求をMFP10へ送信することもできる。
【0095】
そして、MFP10は、変更後のIPアドレスを用いて機器管理サーバ20にアクセスすることができ、収集した機器情報を送信することができる。
【0096】
これまで機器管理システム、その機器管理システムを構成するMFP10〜12といった画像形成装置、DHCPサーバ17といった情報設定装置、機器管理サーバ20といった機器管理装置について詳細に説明し、それらが行う処理ステップを含む方法について説明してきた。
【0097】
ここで簡単にその方法についてまとめると、機器管理方法は、情報設定装置に対し、画像形成装置のアクセス情報の設定と、機器管理装置のアクセス情報の取得とを要求するメッセージを送信するステップと、情報設定装置から受信したメッセージから、設定されたアクセス情報と、機器管理装置のアクセス情報とを取り出し記憶するステップと、画像形成装置の状態を示す機器情報を収集するステップと、登録した機器管理装置のアクセス情報を用い、画像形成装置に固有な機器固有情報を該画像形成装置のアクセス情報とともに機器管理装置へ送信し、機器管理装置が保持する機器固有情報と照会して接続承認するか否かを判断させ、機器管理装置から接続承認した旨のメッセージを受信したことに応答して、情報収集部が収集した機器情報を機器管理装置へ送信するステップとを含む。
【0098】
上記の機器管理装置へ送信するステップは、アクセス情報が情報登録部に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合に、情報設定装置へメッセージを送信して機器管理装置のアクセス情報を取得し、取得したアクセス情報を用いて機器情報を機器管理装置へ送信するステップを含むことができる。機器情報に変化がない場合は、二度送信する必要がないからである。
【0099】
また、機器管理装置へ送信するステップは、アクセス情報が、情報登録部に記憶されているアクセス情報と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、情報設定装置から取得したアクセス情報を用いて機器情報を機器管理装置へ送信するステップを含むことができる。
【0100】
さらに、機器管理装置へ送信するステップは、認証情報の取得を要求するメッセージを送信し、取得した認証情報を機器管理装置へ送信し、機器管理装置が保持する認証情報と照会して認証するか否かを判断させるステップをさらに含むことができる。
【0101】
情報登録部に記憶されているアクセス情報を用いて機器管理装置にアクセスし、エラーが通知されたことに応答して、機器管理装置のアクセス情報が変更されたことを知り、情報設定装置へ機器管理装置のアクセス情報の取得を要求するメッセージを送信するステップを含むことができる。
【0102】
情報設定装置からのアクセス情報の更新要求を受信し、更新要求に含まれるアクセス情報を取り出し、取り出したアクセス情報に更新するステップをさらに含むことができる。
【0103】
また、変更後のアクセス情報を直前に通信を行った画像形成装置へ送信し、該画像形成装置の情報登録部に記憶させるステップを含むことができ、また、その変更後のアクセス情報を情報設定装置へ送信し、その変更後のアクセス情報に更新させるステップを含むことができる。
【0104】
機器管理装置が直接、変更後のアクセス情報を情報設定装置へ送信するステップを含むことができる。情報設定装置が保持する機器管理装置のアクセス情報が変更後のアクセス情報に更新されると、画像形成装置からのメッセージの送信を受け付けて変更後のアクセス情報を、その画像形成装置へ送信したり、再設定のために変更後のアクセス情報を更新要求に含めて送信することができる。
【0105】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、上記方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムとして構成し、プログラムとして提供することも可能であるし、そのプログラムが記録された記録媒体として提供することも可能である。
【符号の説明】
【0106】
10〜12…MFP、13〜16…PC、17…DHCPサーバ、18…LAN、19…外部ネットワーク、20…機器管理サーバ、30…コントローラ、31…CPU、32…ノースブリッジ、33…システムメモリ、33a…ROM、33b…RAM、34…サウスブリッジ、35…ローカルメモリ、36…ASIC、37…ハードディスクドライブ、38…AGP、40…エンジン部、41…FCU、42…USB、43…IEEE1394インタフェース、44…操作表示部、50…PCIバス、60…CPU、61…ROM、62…RAM、63…外部記憶装置、64…入力装置、65…表示装置、66…通信インタフェース、67…バス、70…PC、80…DHCPサーバ、100…情報送信部、110…情報登録部、120…情報収集部、200…アドレス設定部、210…情報記憶部、300…認証部、310…情報登録部、320…情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2008−171150号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置にネットワークを介して接続される機器管理装置と、前記画像形成装置のアクセス情報を設定するとともに前記機器管理装置のアクセス情報を記憶する情報設定装置とを含む機器管理システムに用いられる前記画像形成装置であって、
前記情報設定装置に対し、前記画像形成装置のアクセス情報の設定と、前記機器管理装置のアクセス情報の取得とを要求するメッセージを送信する情報送信部と、
前記情報設定装置より受信したメッセージから、設定された前記アクセス情報と、前記機器管理装置のアクセス情報とを取り出し記憶する情報登録部と、
前記画像形成装置の状態を示す機器情報を収集する情報収集部とを含み、
前記情報送信部は、前記情報登録部に記憶された前記機器管理装置のアクセス情報を用い、前記画像形成装置に固有な機器固有情報を該画像形成装置のアクセス情報とともに前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置が保持する機器固有情報と照会して接続承認するか否かを判断させ、前記機器管理装置から接続承認した旨のメッセージを受信したことに応答して、前記情報収集部が収集した前記機器情報を前記機器管理装置へ送信する、画像形成装置。
【請求項2】
前記情報送信部は、前記アクセス情報が前記情報登録部に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合に、前記情報設定装置へ前記メッセージを送信して前記機器管理装置のアクセス情報を取得し、取得した前記アクセス情報を用いて前記機器情報を前記機器管理装置へ送信する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記情報送信部は、前記アクセス情報が前記情報登録部に記憶されているアクセス情報と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、前記情報設定装置から取得した前記アクセス情報を用いて前記機器情報を前記機器管理装置へ送信する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記情報送信部は、認証情報の取得を要求するメッセージを前記情報設定装置へ送信し、前記情報設定装置から取得した前記認証情報を前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置が保持する認証情報と照会して認証するか否かを判断させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記情報送信部は、前記情報登録部に記憶されているアクセス情報を用いて前記機器管理装置にアクセスし、エラーが通知されたことに応答して、前記情報設定装置へ前記機器管理装置のアクセス情報の取得を要求するメッセージを送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記情報登録部は、前記情報設定装置からの前記機器管理装置のアクセス情報の更新要求を受信し、前記更新要求に含まれる前記アクセス情報に更新する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記情報登録部は、前記機器管理装置から変更後のアクセス情報を受信して更新し、前記情報送信部は、前記変更後のアクセス情報を前記情報設定装置へ送信し、前記変更後のアクセス情報に更新させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記情報設定装置が、前記機器管理装置から変更後のアクセス情報を受信して更新する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置と、前記画像形成装置にネットワークを介して接続される機器管理装置と、前記画像形成装置のアクセス情報を設定するとともに前記機器管理装置のアクセス情報を記憶する情報設定装置とを含む機器管理システムであって、前記画像形成装置が、
前記情報設定装置に対し、前記画像形成装置のアクセス情報の設定と、前記機器管理装置のアクセス情報の取得とを要求するメッセージを送信する情報送信部と、
前記情報設定装置より受信したメッセージから、設定された前記アクセス情報と、前記機器管理装置のアクセス情報とを取り出し記憶する情報登録部と、
前記画像形成装置の状態を示す機器情報を収集する情報収集部とを含み、
前記情報送信部は、登録した前記機器管理装置のアクセス情報を用い、前記画像形成装置に固有な機器固有情報を該画像形成装置のアクセス情報とともに前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置が保持する機器固有情報と照会して接続承認するか否かを判断させ、前記機器管理装置から接続承認した旨のメッセージを受信したことに応答して、前記情報収集部が収集した前記機器情報を前記機器管理装置へ送信する、機器管理システム。
【請求項10】
前記情報送信部は、前記アクセス情報が前記情報登録部に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合に、前記情報設定装置へ前記メッセージを送信して前記機器管理装置のアクセス情報を取得し、取得した前記アクセス情報を用いて前記機器情報を前記機器管理装置へ送信する、請求項9に記載の機器管理システム。
【請求項11】
前記情報送信部は、前記アクセス情報が前記情報登録部に記憶されているアクセス情報と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、前記情報設定装置から取得した前記アクセス情報を用いて前記機器情報を前記機器管理装置へ送信する、請求項9に記載の機器管理システム。
【請求項12】
前記情報送信部は、認証情報の取得を要求するメッセージを前記情報設定装置へ送信し、前記情報設定装置から取得した前記認証情報を前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置が保持する認証情報と照会して認証するか否かを判断させる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項13】
前記情報送信部は、前記情報登録部に記憶されているアクセス情報を用いて前記機器管理装置にアクセスし、エラーが通知されたことに応答して、前記情報設定装置へ前記機器管理装置のアクセス情報の取得を要求するメッセージを送信する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項14】
前記情報登録部は、前記情報設定装置からの前記機器管理装置のアクセス情報の更新要求を受信し、前記更新要求に含まれる前記アクセス情報に更新する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項15】
前記情報登録部は、前記機器管理装置から変更後のアクセス情報を受信して更新し、前記情報送信部は、前記変更後のアクセス情報を前記情報設定装置へ送信し、前記変更後のアクセス情報に更新させる、請求項9〜12のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項16】
前記情報設定装置が、前記機器管理装置から変更後のアクセス情報を受信して更新する、請求項9〜14のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項17】
画像形成装置と、前記画像形成装置にネットワークを介して接続される機器管理装置と、前記画像形成装置のアクセス情報を設定するとともに前記機器管理装置のアクセス情報を記憶する情報設定装置とを含む機器管理システムにより実行される機器管理方法であって、
前記情報設定装置に対し、前記画像形成装置のアクセス情報の設定と、前記機器管理装置のアクセス情報の取得とを要求するメッセージを送信するステップと、
前記情報設定装置より受信したメッセージから、設定された前記アクセス情報と、前記機器管理装置のアクセス情報とを取り出し、情報登録部に記憶するステップと、
前記画像形成装置の状態を示す機器情報を収集するステップと、
登録した前記機器管理装置のアクセス情報を用い、前記画像形成装置に固有な機器固有情報を該画像形成装置のアクセス情報とともに前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置が保持する機器固有情報と照会して接続承認するか否かを判断させ、前記機器管理装置から接続承認した旨のメッセージを受信したことに応答して、収集した前記機器情報を前記機器管理装置へ送信するステップとを含む、機器管理方法。
【請求項18】
前記機器管理装置へ送信するステップは、前記アクセス情報が前記情報登録部に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合に、前記情報設定装置へ前記メッセージを送信して前記機器管理装置のアクセス情報を取得し、取得した前記アクセス情報を用いて前記機器情報を前記機器管理装置へ送信するステップを含む、請求項17に記載の機器管理方法。
【請求項19】
前記機器管理装置へ送信するステップは、前記アクセス情報が前記情報登録部に記憶されているアクセス情報と一致するか否かを判断し、一致しない場合に、前記情報設定装置から取得した前記アクセス情報を用いて前記機器情報を前記機器管理装置へ送信するステップを含む、請求項17に記載の機器管理方法。
【請求項20】
前記メッセージを送信するステップでは、認証情報の取得を要求するメッセージを前記情報設定装置へ送信し、
前記機器管理装置へ送信するステップは、前記情報設定装置から取得した前記認証情報を前記機器管理装置へ送信し、前記機器管理装置が保持する認証情報と照会して認証するか否かを判断させるステップを含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の機器管理方法。
【請求項21】
前記情報登録部に記憶されているアクセス情報を用いて前記機器管理装置にアクセスし、エラーが通知されたことに応答して、前記情報設定装置へ前記機器管理装置のアクセス情報の取得を要求するメッセージを送信するステップをさらに含む、請求項17〜20のいずれか1項に記載の機器管理方法。
【請求項22】
前記情報設定装置からの前記機器管理装置のアクセス情報の更新要求を受信するステップと、前記更新要求に含まれる前記アクセス情報に更新するステップとを含む、請求項17〜20のいずれか1項に記載の機器管理方法。
【請求項23】
前記機器管理装置から変更後のアクセス情報を受信して更新するステップと、前記変更後のアクセス情報を前記情報設定装置へ送信し、前記変更後のアクセス情報に更新させるステップとを含む、請求項17〜20のいずれか1項に記載の機器管理方法。
【請求項24】
前記情報設定装置が、前記機器管理装置から変更後のアクセス情報を受信して更新するステップを含む、請求項17〜22のいずれか1項に記載の機器管理方法。
【請求項25】
請求項17〜24のいずれか1項に記載の機器管理方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムが記録された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−165048(P2011−165048A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28876(P2010−28876)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】