説明

画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム

【課題】ユーザ印刷ジョブ内部に複数ページで構成されたドキュメントが複数含まれる場合に、適切な印刷設定を行って印刷物を出力できるようにする。
【解決手段】ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報STについて、ページP1〜P8、ドキュメントD1〜D4、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、最初のドキュメント、および、ドキュメントレベルでの印刷設定の変わり目で、新たな印刷動作(印刷ジョブ)を開始する。それにより、各ページP1〜P8の印刷設定が適切な値になるとともに、プリンタ装置の印刷動作の単位に適合した効率のよい印刷動作が可能となる。また、1つのユーザ印刷ジョブ情報に複数のドキュメントの情報を含めて、プリンタ装置へ送信できるので、ユーザ印刷ジョブ情報の送信時の通信のオーバーヘッドを削減でき、その結果、ユーザ印刷ジョブ情報の送信時の通信効率を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置から受信した印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報に従って、受信した印刷ジョブ情報に含まれる印刷データを印刷する画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホスト装置から画像形成装置に送られてくるユーザ印刷ジョブ情報の中には、ユーザ印刷ジョブ内部に複数ページで構成されたドキュメントが複数含まれることがあり、またそのユーザ印刷ジョブについて、そのユーザジョブそのものに印刷設定が設定されるとともに、ユーザ印刷ジョブに含まれるドキュメントとページの各々についても、個別に印刷設定が設定されることがある。ここでいう印刷設定の内容は、例えば、部数、給紙トレイや排紙トレイの指定、ステープル、パンチ、バインディング(綴じ)、およびフォールド(折り)などの後処理を実行するか否かの設定を含む。
【0003】
ここで、ジョブ(ユーザ印刷ジョブおよび画像形成装置側の印刷ジョブを含む)、ドキュメント、およびページに設定された印刷設定を、それぞれジョブ、ドキュメント、およびページの包含関係(例えば、木構造をなす(後述;図5(a)参照))に注目して、ジョブレベルの印刷設定、ドキュメントレベルの印刷設定、およびページレベルの印刷設定と言う場合がある。
【0004】
一方、画像形成装置内部では、上述した印刷設定があるとともに、ドキュメント単位に有効となる印刷設定項目(例えば、ステープル、パンチ、あるいは、バインディングなど)が存在するため、ドキュメント単位に印刷処理を行っている。そのため、複数ドキュメントを含むユーザ印刷ジョブ情報を受信した場合、印刷ジョブをドキュメント単位で分割して印刷処理を行うようにしている。
【0005】
例えば、特許文献1には、端末装置から送られたユーザ印刷ジョブ要求を処理単位毎に分割し、ユーザ印刷ジョブの内容に応じて分割された複数の印刷ジョブ要求を一つの印刷ジョブとして実行可能な画像形成装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来装置では、ジョブに関する印刷設定がジョブレベル、ドキュメントレベル、およびページレベルで存在した場合について考慮されていないので、そのように印刷設定が階層構造を持つ印刷ジョブの構成を反映した印刷制御が適切に行われないという不具合を生じるおそれがあった。
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、ユーザ印刷ジョブ内部に複数ページで構成されたドキュメントが複数含まれる場合でも、各印刷ページに適切な印刷設定を行って印刷物を形成できるようにした画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の目的を達成するため、ホスト装置から受信したユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報に従って、上記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷データを印刷する画像形成装置において、上記ユーザ印刷ジョブ情報は、1つ以上のドキュメント情報を含み、そのドキュメント情報は1つ以上のページ情報を含み、その包含態様に従い、ジョブ、ドキュメント、およびページの各レベルが階層的に設定されており、それぞれのジョブ、ドキュメントおよびページには、個別に印刷設定情報が設定可能であって、受信した上記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントである場合、および、処理対象のドキュメントの印刷設定情報の内容が、直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と相違する場合、その処理対象のドキュメントを処理する新たな印刷動作を起動する一方、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントではなく、かつ、そのドキュメントの印刷設定情報の内容が直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と同一の場合、そのドキュメントに含まれるページは、直前に処理したドキュメントのページに続けて印刷処理する印刷制御手段を備えたものである。
【0008】
また、上記印刷制御手段は、受信した上記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、ドキュメントの印刷設定情報に基づき、ドキュメント単位に新たな印刷動作を起動するか否かを判断するページ印刷情報構築手段と、上記ページ印刷情報構築手段が構築した印刷設定情報および上記判断結果の情報を保存する保存手段と、印刷対象ページの上記印刷設定情報を上記保存手段より読み出し、その印刷対象ページの印刷データについて、その読み出した印刷設定情報を適用して印刷動作を行うとともに、上記保存手段に保存された上記判断結果の情報に基づき、新たな印刷動作を起動する印刷処理手段とを有するとよい。
【0009】
また、受信したユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントである場合、および、処理対象のドキュメントの印刷設定情報の内容が、直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と相違する場合、その処理対象のドキュメントを処理する新たな印刷動作を起動する一方、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントではなく、かつ、そのドキュメントの印刷設定情報の内容が直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と同一の場合、そのドキュメントに含まれるページは、直前に処理したドキュメントのページに続けて印刷処理する画像形成方法も提供する。
【0010】
また、上記印刷制御ステップは、受信した上記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、ドキュメントの印刷設定情報に基づき、ドキュメント単位に新たな印刷動作を起動するか否かを判断するページ印刷情報構築ステップと、上記ページ印刷情報構築ステップで構築された印刷設定情報および上記判断結果の情報を保存する保存ステップと、上記保存ステップにより保存された、印刷対象ページの上記印刷設定情報を読み出し、その印刷対象ページの印刷データについて、その読み出した印刷設定情報を適用して印刷動作を行うとともに、上記保存ステップにより保存された、上記判断結果の情報に基づき、新たな印刷動作を起動する印刷処理ステップとを有するとよい。
また、画像形成装置のコンピュータに、上述の画像形成方法の処理を実行させるプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0011】
この発明の以上のような構成により、ジョブに関する印刷設定がジョブレベル、ドキュメントレベル、ページレベルで存在して、おのおののレベルで同一の印刷設定項目の内容が存在した場合であっても、各ページに対する印刷設定を適切に反映することができるという効果を得る。また、ユーザ印刷ジョブ情報に複数のドキュメントが含まれている場合でも、適切な印刷動作が可能となるという効果も得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施例にかかる印刷システムの一例を示したブロック図である。
【図2】プリンタ装置PRNの構成の一例を示したブロック図である。
【図3】ホスト装置HSTの構成の一例を示したブロック図である。
【図4】図1に示した印刷システムにおいて、ホスト装置HSTのユーザが作成したユーザ印刷ジョブ情報に基づいて、印刷動作を行うプリンタ装置PRNのソフトウェア構成の一例を示したブロック図である。
【図5】ホスト装置HSTにより作成されるユーザ印刷ジョブ情報の構成の一例を示した概略図である。
【図6】ユーザ印刷ジョブ情報を受信した後のページ記述言語解析処理部301の処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】描画プラットフォーム仲介処理部303の処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】図6,7を実行することで実現される動作シーケンスの一例を示したシーケンス図である。
【図9】ユーザ印刷ジョブ情報の設定情報の一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔実施例〕
図1は、この発明の一実施例にかかる印刷システムの一例を示している。この印刷システムは、ユーザ印刷ジョブ情報を形成してプリンタ装置PRNへ送信するホスト装置HSTと、ホスト装置HSTよりユーザ印刷ジョブ情報を受信し、ユーザ印刷ジョブ情報の内容を解釈し、印刷物を記録出力するプリンタ装置PRNから構成されている。
【0014】
ここで、ホスト装置HSTは、例えば、パーソナルコンピュータ装置などのデータ処理装置からなり、印刷データを作成するための文書作成アプリケーション・ソフトウェアと、その文書作成ソフトウェアが作成した印刷データを、プリンタ装置PRNに適合した仕様(後述)に変換し、ユーザ印刷ジョブ情報を作成するプリンタドライバ・ソフトウェアなどがインストールされる。また、ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる各ページの印刷内容をあらわす印刷ページ情報は、プリンタ装置PRNで解釈可能な所定のページ記述言語(またはプリンタ記述言語)で作成される。
また、プリンタ装置PRNは、ユーザ印刷ジョブ情報に含まれるそれぞれのドキュメントの各ページの印刷ページ情報を解釈して、1ページ分の印刷データ(例えば、ビットマップデータなど)を作成し、各印刷ページの印刷物を記録出力する。
【0015】
図2は、プリンタ装置PRNの構成の一例を示している。このプリンタ装置PRNは、用紙を収容したトレイを複数備えた多段給紙ユニット8と、複数の排紙トレイを備えるとともにステープル、パンチ、バインディング(綴じ;ステープルに含まれる場合がある)、およびフォールド(折り)などの後処理を行う後処理ユニット9を備えている。
同図において、システム制御部1は、このプリンタ装置PRNの各部の動作制御、給紙制御、印刷制御、外部通信ユニットを介して行う外部装置との間の通信制御、および、ユーザがこのプリンタ装置PRNを操作する際の種々のユーザ・インタフェース処理等の種々のデータ処理を行うためのものであり、システムメモリ2は、システム制御部1が実行する種々の制御プログラムを記憶するとともに、システム制御部1のワークエリアを構成するものであり、パラメータメモリ3は、このプリンタ装置PRNに固有な種々の情報を記憶するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報等を出力するためのものであり、操作表示部5は、ユーザがこのプリンタ装置PRNを操作するためのユーザ・インタフェースを構成するものであり、例えば、表示装置および複数の操作キーなどから構成される。
【0016】
ページバッファメモリ6は、1ページ分の印刷画像データを保存するフレームメモリを構成するためのものであり、プリントユニット7は、ページバッファメモリ6に構成されたフレームメモリから印刷データを読み出して、用紙に画像を印刷するためのものであり、例えば、電子写真プロセスを利用して画像を形成する装置などからなる。また、プリントユニット7には、用紙を収容したトレイを複数備えた多段給紙ユニット8と、複数の排紙トレイを備えるとともにステープル、パンチ、バインディング、およびフォールドなどの後処理を行う機構を備えた後処理ユニット9が付設されている。
【0017】
USB(Universal Serial Bus)インタフェースユニット10は、USB規格に従い、信号ケーブルCCを介してホスト装置HSTに接続し、ホスト装置HSTとの間でデータのやりとりを行うためのものである。
これらのシステム制御部1、システムメモリ2、パラメータメモリ3、時計回路4、操作表示部5、ページバッファメモリ6、プリントユニット7、多段給紙ユニット8、後処理ユニット9、および、USBインタフェースユニット10は、内部バス11に接続され、これらの各部のデータのやりとりは、主としてこの内部バス11を介して行われる。
【0018】
図3は、ホスト装置HSTの構成の一例を示している。なお、上述したように、このホスト装置HSTは、一般的なパーソナルコンピュータ装置の構成を備えている。
同図において、CPU(中央処理装置)21は、このホスト装置HSTの動作制御を行うものであり、ROM(リード・オンリ・メモリ)22は、CPU21が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶するためのものであり、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)23は、CPU21のワークエリア等を構成するためのものである。
【0019】
キャラクタジェネレータ24は、図形文字の表示データを発生するためのものであり、時計回路25は、現在日時情報を出力するためのものであり、ネットワークインタフェース回路26は、このホスト装置HSTをネットワーク(図示略)に接続するためのものであり、ネットワーク伝送制御部27は、ネットワークを介して、他の装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
磁気ディスク装置28は、種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータなどの種々のデータを保存するためのものであり、光学媒体駆動装置29は、交換可能な光学記録媒体30(例えば、CD−ROM、DVDなど)のデータをアクセス(読み書き)するためのものであり、画面表示装置31は、このホスト装置HSTを操作するための画面を表示するためのものであり、表示制御部32は、画面表示装置31の表示内容を制御するためのものである。
【0020】
キーボード装置33は、このホスト装置HSTに種々のキー操作を行うためのものであり、画面指示装置34は、画面表示装置31の任意の点を指示する等の操作作業を行うためのものであり、入力制御部35は、キーボード装置33および画面指示装置34の入力情報を取り込む等するためのものである。
USBホストユニット36は、USBホスト機能を実現するためのものであり、他のUSB機器(例えば、プリンタ装置PRN)との間を接続する信号ケーブル(USBケーブル)CCを着脱するためのルートハブ37が設けられている。
【0021】
これらのCPU21、ROM22、RAM23、キャラクタジェネレータ24、時計回路25、ネットワーク伝送制御部27、磁気ディスク装置28、光学媒体駆動装置29、表示制御部32、入力制御部35、および、USBホストユニット36は、内部バス38に接続されており、これらの各要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス38を介して行われる。
【0022】
図4は、図1に示した印刷システムにおいて、ホスト装置HSTのユーザが作成したユーザ印刷ジョブ情報に基づいて、印刷動作を行うプリンタ装置PRNのソフトウェア構成の一例を示している。このソフトウェア構成は、システム制御部1に備えるCPU(図示略)が、システムメモリ2に記憶されている所要のプログラムを実行することで、その各要素の機能が実現される。
なお、以下の記載において、「ユーザ印刷ジョブ」は、ホスト装置側で作成した印刷動作の一単位のことを指し、「印刷ジョブ」は、プリンタ装置側で処理する印刷動作の一単位のことを指す。したがって、ホスト装置HSTからプリンタ装置PRNに印刷動作の要求の際に送信される情報は「ユーザ印刷ジョブ情報」であり、プリンタ装置PRNがローカルに作成する印刷ジョブにかかる情報は「印刷ジョブ情報」であり、これらの用語を使い分けることとする。
【0023】
印刷動作全体を制御するプリンタコントローラは、ユーザ印刷ジョブ情報を取得して、その内容を解釈し、最終的なデバイス設定データ(印刷設定に対応したデータ)および描画データ(ビットマップデータなどの画像データ)を作成してプリンタデバイス管理部200に出力するインタプリタ100、インタプリタ100から出力されるデバイス設定データおよび描画データを受信し、デバイス設定データに基づいて装置各部の動作の設定を行い、描画データに対応した1ページ分の印刷物を形成するプリンタデバイス管理部200から構成されている。
また、インタプリタ100は、ページ記述言語処理部300、および、描画プラットフォーム(PF)400から構成され、ページ記述言語処理部300は、ページ記述言語解析処理部301、ジョブ情報保持領域302、および、描画プラットフォーム仲介処理部303からなる。
【0024】
ここで、ページ記述言語解析処理部301は、次のような処理を行う。
(ア)ホスト装置HSTからユーザ印刷ジョブ情報を取得する。
(イ)ユーザ印刷ジョブが複数ドキュメントで構成されているかどうか判断する。
(ウ)ドキュメントの区切りを認識し、ジョブ分割が必要かどうかの情報をジョブ情報保持領域302に設定する。
(エ)ユーザ印刷ジョブ情報を解析し、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築し、構築したおのおののページの印刷設定情報をジョブ情報保持領域302に保存する(詳細は後述)。
(オ)各ページの印刷データのページ記述言語の内容を解析して対応する描画命令を逐次認識し、その描画命令を描画プラットフォーム仲介処理部303に出力する。
【0025】
ジョブ情報保持領域302は、ページ記述言語解析処理部301が解析した印刷設定情報およびジョブ分割情報を保存する。描画プラットフォーム仲介処理部303は、ジョブ情報保持領域302に保存された印刷設定情報およびジョブ分割情報を取得し、描画プラットフォーム400のジョブ管理・描画処理部401にジョブ分割命令を出力するとともに、デバイス設定管理部402に印刷設定情報を出力する。また、描画プラットフォーム仲介処理部303は、ページ記述言語解析処理部301より描画命令を受け取ると、ジョブ管理・描画処理部401に描画命令を出力する。
【0026】
描画プラットフォーム400は、デバイス設定管理部402とジョブ管理・描画処理部401からなる。デバイス設定管理部402は、描画プラットフォーム仲介処理部303から入力した印刷設定情報を管理し、プリンタデバイス管理部200に対して、印刷設定情報に対応したデバイス設定データを出力する。また、ジョブ管理・描画処理部401は、描画プラットフォーム仲介処理部303からジョブ分割命令および描画命令を受信するとともに、ジョブ分割命令を受信した場合、ジョブ分割を実施する(すなわち、新しい印刷動作を起動する)。また、描画命令を受信すると、受信した描画命令に対応する描画処理を行って描画データを作成し、その作成した描画データをプリンタデバイス管理部200に出力する。
【0027】
プリンタデバイス管理部200は、デバイス設定管理部402から受信したデバイス設定データに従って、印刷設定にかかる各装置要素の動作を設定し、ジョブ管理・描画処理部401から受信した描画データに対応した印刷動作を行って、印刷物を形成する。
それにより、形成された1ページ分の印刷物は、そのページに設定されている印刷設定情報に応じて排紙トレイが選択され、指定された後処理が適用され、指定された部数だけが印刷される。
【0028】
図5(a),(b)は、ホスト装置HSTにより作成されるユーザ印刷ジョブ情報の構成の一例を示している。なお、このユーザ印刷ジョブ情報は、ホスト装置HSTからプリンタ装置PRNに送信するデータ量を削減するために、データ圧縮処理される場合がある。
この場合、図5(a)に示すように、ユーザ印刷ジョブJBには、4つのドキュメントD1〜D4と、1つの印刷設定ファイルSTが含まれ、おのおののドキュメントD1〜D4には、それぞれ2つのページP1〜P8が含まれている。
【0029】
また、図5(b)に示すように、印刷設定ファイルSTには、ユーザ印刷ジョブJBに設定されたジョブの印刷設定情報ST_J、それぞれのドキュメントD1〜D4に設定されたドキュメントの設定情報ST_D1〜ST_D4、および、おのおののページP1〜P8に設定されたページの印刷設定情報ST_P1〜ST_P8が含まれる。また、同図に示すように、ジョブの印刷設定情報ST_J、ドキュメントの設定情報ST_D1〜ST_D4、および、ページの印刷設定情報ST_P1〜ST_P8は、全体として木構造のデータ構造を備えている。
【0030】
ここで、印刷設定の項目によっては、これらのジョブの印刷設定情報ST_J、ドキュメントの設定情報ST_D1〜ST_D4、あるいは、ページの印刷設定情報ST_P1〜ST_P8に含まれないものもある。例えば、ステープル、パンチ、あるいは、バインディング(綴じ)の各設定については、1ページ単位に行うことは意味が無く、通常は、ドキュメント単位に設定されるので、これらの各設定について、ページの印刷設定情報には含まれない。
【0031】
一方、印刷の最小単位であるページ単位に、その印刷設定項目を有効にさせることで、ユーザが意図した印刷設定を、プリンタ装置PRNの印刷動作に適切に反映することができることとなる。そのために、印刷設定情報について、ページレベル、ドキュメントレベル、およびジョブレベルの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築する。
ここで、これらの印刷設定は、ホスト装置HSTをユーザが操作してユーザ印刷ジョブ情報を作成する際、プリンタドライバの印刷設定画面などで詳細な内容が操作されることで行われることが多く、したがって、印刷設定の項目は、このプリンタドライバの印刷設定画面で設定可能な内容が反映している。
【0032】
以上のことから、この実施例では、一連の印刷処理の中で、連続するドキュメントに設定されている印刷設定情報の内容が変化した場合に、印刷ジョブの区切りを設定することとしている。すなわち、印刷設定情報の内容が直前に処理されたドキュメントと異なる場合、プリンタ装置PRNは、そのドキュメントについては新しい印刷ジョブとして印刷動作を行う。それに対し、印刷設定情報の内容が直前に処理されたドキュメントと同じ場合、その後続ドキュメントのページは、直前のドキュメントと同じ印刷ジョブの中で印刷される。
また、このようにプリンタ装置PRNの印刷ジョブを設定することで、プリンタ装置PRNが行う印刷動作と、ユーザ印刷ジョブ情報に基づいて設定される印刷ジョブとの関係を適切に対応させることができることとなる。それとともに、同じ印刷設定のドキュメントが連続している場合には、プリンタ装置PRNの印刷動作を効率よく行わせることができ、印刷に要する時間を短縮できる等、印刷効率を向上することができる。
【0033】
ただし、上述したように、ドキュメント単位で有効となる印刷設定項目のうち、ステープルやバインディングなどのように、異なるドキュメントの印刷物を同一のジョブで処理してしまうと、印刷物の仕上がりが、ユーザの意図するものと異なってしまうものがあり、このような印刷設定項目が有効になっているドキュメントについては、各ドキュメントを別のジョブとして実行する。
このような例外を設けることで、ユーザ印刷ジョブ情報に含まれた複数のドキュメントを、プリンタ装置PRNで適切に印刷処理することができることとなる。
【0034】
以上のように、印刷設定情報に含まれる印刷設定項目のうち、ページレベルに含まれるものは、ページレベル、ドキュメントレベル、およびジョブレベルの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築することで、各ページの印刷設定の内容をユーザが設定した内容にすることができる。
それとともに、ドキュメントレベルの印刷設定情報が変更されることを、プリンタ装置PRNの印刷ジョブの区切りの判定基準とすることで、ユーザ印刷ジョブ情報に複数のドキュメントが含まれている場合であっても、プリンタ装置PRNに適切な印刷動作を行わせることができることとなる。
【0035】
したがって、ホスト装置HSTが作成したユーザ印刷ジョブ情報に複数のドキュメントに関する情報が含まれていた場合であっても、プリンタ装置PRNの動作単位に適合した印刷ジョブを、プリンタ装置PRN側で適切に作成することができる。そのため、複数のドキュメントをユーザ印刷ジョブ情報に含ませることができるので、プリンタ装置PRNにユーザ印刷ジョブ情報を送信する際のオーバーヘッドを抑制することができ、効率のよいユーザ印刷ジョブ送信を行うことができる。
【0036】
次に、この実施例の動作について説明する。図6は、ユーザ印刷ジョブ情報を受信した後のページ記述言語解析処理部301の処理の一例を示し、図7は、描画プラットフォーム仲介処理部303の処理の一例を示す。また、図8は、図6,7を実行することで実現される動作シーケンスの一例を示している。ここで、図8の符号は、図6,7の符号に対応する。
【0037】
まず、ページ記述言語解析処理部301は、描画プラットフォーム仲介処理部303にユーザジョブの処理開始要求を出す(ステップS1)。次いで、ジョブを分割するかどうかを判定するためのジョブ分割判定フラグにFALSEを設定する(FALSE:ジョブ分割しない、TRUE:ジョブ分割する)(ステップS2)。なお、「ジョブを分割する」とは、「新しい印刷ジョブ」を作成することを意味する。
ここで、ページ記述言語解析処理部301は、受信したユーザ印刷ジョブ情報のジョブ構造を解釈し、ジョブに複数ドキュメントが含まれているか判別する。また、ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定ファイルSTを解釈し、ジョブ・ドキュメント・ページの各レベルの印刷設定値を保存しておく(ステップS3)。
【0038】
次いで、処理対象となるドキュメントを設定し(ステップS4)、続いて、ドキュメントレベルの印刷設定値を前回印刷したドキュメントのものと比較する(ステップS5)。ただし、ファーストページの場合、初期値と比較した結果が異なると判断される場合もある。これを想定して、別にFirstPageかどうかという判定用フラグを併用する(描画プラットフォーム仲介処理部303の処理;後述)。
【0039】
ここで、ドキュメントレベルの印刷設定に変更があった場合、ジョブ分割判定フラグをTRUE(ジョブ分割をする)に設定する(ステップS7)。そして、処理対象となるページを設定する(ステップS6)。 また、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築し、構築したおのおののページの印刷設定情報およびジョブ分割フラグの情報をジョブ情報保持領域302に保存する(ステップS8,S9)。
【0040】
次に、ページ記述言語解析処理部301は、次のページ処理の際に比較するため、ドキュメントレベルの印刷設定情報を保存し(ステップS10)、そのときに選択した1ページ分の印刷データを解釈するとともに(ページ記述言語のインタプリタ処理;ステップS11)、描画データ処理の開始を要求するページ処理開始要求を描画プロットフォーム仲介処理部303へ発行する(ステップS12)。
そして、ページ記述言語解析処理部301は、選択した印刷ページの描画データを解釈して得た描画命令を、その都度、描画プラットフォーム仲介処理部303に出力する(ステップS13)。
【0041】
1ページ分の処理を終了すると、ページ終了終了要求を描画プラットフォーム仲介処理部303へ発行し(ステップS14)、そのときに選択した処理ドキュメントに含まれる全てのページの印刷動作が終了したかどうかを調べ(ステップS15)、ステップS15の結果がNOになるときには、ステップS7へ戻り、未処理のページについて、上述した処理を実行する。
また、そのときに選択した処理ドキュメントに含まれる全てのページの印刷動作が終了した場合で、ステップS15の結果がYESになるときには、全てのドキュメントの印刷動作が終了したかどうかを調べ(ステップS16)、ステップ16の結果がNOになるときには、ステップS4へ戻り、残りのドキュメントについて処理を実行する。
また、全てのドキュメントの印刷動作が終了した場合で、ステップS16の結果がYESになると、描画プラットフォーム仲介処理部303にジョブ処理終了要求を発行し(ステップS17)、一連の印刷動作を終了する。
【0042】
次に、描画プラットフォーム仲介処理部303の動作について説明する。
描画プラットフォーム仲介処理部303は、ページ記述言語解析処理部301からジョブ処理開始要求を受信すると(ステップS21)、ジョブ処理を開始する前に、処理するページがFirstPageかどうかを判定するFirstPageフラグにTRUEを設定し(FALSE:FirstPageではない、TRUE:FirstPageである;ステップS22)、ページ記述言語解析処理部301から受信したユーザジョブの処理開始要求を基に、ジョブ処理をスタートする(ステップS23)。
【0043】
次いで、ジョブ情報保持領域302から、印刷設定情報およびジョブ分割判定フラグの情報を取得し(ステップS24)、処理対象ページについて、印刷設定を描画プラットフォーム400のデバイス設定管理部402にセットする(ステップS25)。
そして、FirstPageフラグを参照し、FirstPageかどうかを判定する(ステップS26)。ここで、ステップS26の結果がNOになるときには、ジョブ分割判定フラグの値がTRUEであるかどうかを調べ(ステップS27)、ステップS27の結果がYESになるときには、ジョブ分割を実行する(ステップS28)。それにより、それ以降は、新たな印刷動作が起動される。
ここで、ステップS26の結果がYESになるときにはステップS27,S28を実行せず、また、ステップS27の結果がNOになるときには、ステップS28を実行しない。
【0044】
次に、ページ記述言語解析処理部301から受信したページ処理開始要求を基に、ページ処理をスタートし(ステップS29,S30)、ページ記述言語解析処理部301から受信したページ処理開始要求を基に、描画処理を実行する(ステップS31,S32)。
そして、FirstPageフラグをFALSEに設定し(ステップS33)、ページ記述言語解析処理部301からページ処理終了要求を受信すると(ステップS34)、ページ処理を終了する(ステップS35)。ページ記述言語解析処理部301からジョブ処理終了要求を受信すると(ステップS36の結果がYES)、ジョブ処理を終了する(ステップS37)。また、ページ記述言語解析処理部301からジョブ処理終了要求を受信しなかった場合には(ステップS36の結果がNO)、ステップS24へ戻り、次のページの処理を実行する。
【0045】
以上の処理を行うことで、例えば、給紙トレイの設定は、次のような結果となる。この場合、図9に示すように、ユーザ印刷ジョブに2つのドキュメント(ドキュメント1,2)が含まれ、ドキュメント1,2には、それぞれ2つのページ含まれている。すなわち、ドキュメント1にはページ1,2が、ドキュメント2にはページ3,4がそれぞれ含まれる。
【0046】
まず、ユーザ印刷ジョブ情報の印刷設定ファイルSTに下記のように給紙トレイの指定が含まれていたと想定する。
ジョブレベルの印刷設定は、給紙トレイの指定がトレイ1
ドキュメント1の印刷設定は、給紙トレイの指定がトレイ2
ページ1の印刷設定は、給紙トレイの指定がトレイ3
ページ2の印刷設定は、給紙トレイの指定が「なし」
ドキュメント2の印刷設定は、給紙トレイの指定はトレイ3
ページ3の印刷設定は、給紙トレイの指定はトレイ2
ページ4の印刷設定は、給紙トレイの指定は「なし」
【0047】
このような場合、印刷動作は、次のように行われる。
まず、ドキュメント1とドキュメント2では、給紙トレイの指定が異なるため、ドキュメント1が印刷された後、ドキュメント2については、新たな印刷ジョブとして実行される。すなわち、ドキュメント2では、ジョブ分割される。
【0048】
また、ドキュメント1のページ1については、ページ1の印刷設定で給紙トレイの指定がトレイ3となっているので、給紙トレイ3から用紙が給紙されて印刷される。ページ2については、ページ2の印刷設定には給紙トレイの指定がないので、次に優先順位が高いドキュメントレベルの給紙設定が有効となり、ドキュメント1の印刷設定で指定された給紙トレイ2から用紙が給紙されて印刷される。
続いて、ドキュメント2の1ページ目のページ3は、印刷設定で給紙トレイの指定がトレイ2なので、給紙トレイ2から用紙が給紙されて印刷される。ページ4については、ページ4の印刷設定には給紙トレイの指定がないので、次に優先順位が高いドキュメントレベルの給紙設定が有効となり、ドキュメント2の印刷設定で指定された給紙トレイ3から用紙が給紙されて印刷される。
【0049】
このようにして、この実施例では、ドキュメントレベルとページレベルで、同じ印刷設定がされている場合、より優先順位の高いページレベルの印刷設定の内容がドキュメントレベルの印刷設定の内容に優先して採用されるため、ユーザが指定した印刷設定をプリンタ装置PRNの印刷動作に適切に反映することができる。
【0050】
ところで、上述した実施例では、スタンドアローンタイプのプリンタ装置PRNにこの発明を適用した場合について説明したが、ネットワークを介してホスト装置からユーザ印刷ジョブ情報を受信するネットワーク対応のプリンタ装置についても、本発明を同様にして適用することができる。
また、上述した実施例では、ページ記述言語を用いてユーザジョブ印刷情報が記述されている場合について説明したが、それ以外の印刷情報を記述可能な言語、例えば、任意のプリンタ記述言語を用いた場合についても、この発明を同様にして適用することができる。あるいは、このような特定のページ記述言語またはプリンタ記述言語を用いない場合であっても、この発明を同様に適用することができる。すなわち、ユーザ印刷ジョブ情報に印刷設定情報および印刷データが含まれていれば、任意の情報構造であってよく、上述した実施例のデータ構造にとらわれることはない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明は、ホスト装置から受信した印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報に従って、受信した印刷ジョブ情報に含まれる印刷データを印刷する装置であれば、スタンドアローンタイプおよびネットワーク接続タイプのものに、適宜適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
HST:ホスト装置 PRN:プリンタ装置 1:システム制御部
2:システムメモリ 3:パラメータメモリ 4,25:時計回路
5:操作表示部 6:ページバッファメモリ 7:プリントユニット
8:多段給紙ユニット 9:後処理ユニット
10:USBインタフェースユニット 11:内部バス
21:CPU(中央処理装置) 22:ROM(リード・オンリ・メモリ)
23:RAM(ランダム・アクセス・メモリ) 24:キャラクタジェネレータ
36:USBホストユニット 37:ルートハブ CC:信号ケーブル
100:インタプリタ 200:プリンタデバイス管理部
300:ページ記述言語処理部 301:ページ記述言語解析処理部
302:ジョブ情報保持領域 303:描画プラットフォーム仲介処理部
400:描画プロットフォーム 401:ジョブ管理・描画処理部
402:デバイス設定管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開平10−143450号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置から受信したユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報に従って、前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷データを印刷する画像形成装置において、
前記ユーザ印刷ジョブ情報は、1つ以上のドキュメント情報を含み、そのドキュメント情報は1つ以上のページ情報を含み、その包含態様に従い、ジョブ、ドキュメント、およびページの各レベルが階層的に設定されており、それぞれのジョブ、ドキュメントおよびページには、個別に印刷設定情報が設定可能であって、
受信した前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントである場合、および、処理対象のドキュメントの印刷設定情報の内容が、直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と相違する場合、その処理対象のドキュメントを処理する新たな印刷動作を起動する一方、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントではなく、かつ、そのドキュメントの印刷設定情報の内容が直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と同一の場合、そのドキュメントに含まれるページは、直前に処理したドキュメントのページに続けて印刷処理する印刷制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、
受信した前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、ドキュメントの印刷設定情報に基づき、ドキュメント単位に新たな印刷動作を起動するか否かを判断するページ印刷情報構築手段と、
前記ページ印刷情報構築手段が構築した印刷設定情報および前記判断結果の情報を保存する保存手段と、
印刷対象ページの前記印刷設定情報を前記保存手段より読み出し、その印刷対象ページの印刷データについて、その読み出した印刷設定情報を適用して印刷動作を行うとともに、前記保存手段に保存された前記判断結果の情報に基づき、新たな印刷動作を起動する印刷処理手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
ホスト装置から受信したユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報に従って、前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷データを印刷する画像形成装置の画像形成方法において、
前記ユーザ印刷ジョブ情報は、1つ以上のドキュメント情報を含み、そのドキュメント情報は1つ以上のページ情報を含み、その包含態様に従い、ジョブ、ドキュメント、およびページの各レベルが階層的に設定されており、それぞれのジョブ、ドキュメントおよびページには、個別に印刷設定情報が設定可能であって、
受信した前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントである場合、および、処理対象のドキュメントの印刷設定情報の内容が、直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と相違する場合、その処理対象のドキュメントを処理する新たな印刷動作を起動する一方、処理対象のドキュメントが最初に処理対象となったドキュメントではなく、かつ、そのドキュメントの印刷設定情報の内容が直前に処理したドキュメントの印刷設定情報の内容と同一の場合、そのドキュメントに含まれるページは、直前に処理したドキュメントのページに続けて印刷処理する印刷制御ステップを備えたことを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
前記印刷制御ステップは、
受信した前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報について、ページ、ドキュメント、およびジョブの順に優先順位を付して、おのおののページの印刷設定情報を構築するとともに、ドキュメントの印刷設定情報に基づき、ドキュメント単位に新たな印刷動作を起動するか否かを判断するページ印刷情報構築ステップと、
前記ページ印刷情報構築ステップで構築された印刷設定情報および前記判断結果の情報を保存する保存ステップと、
前記保存ステップにより保存された、印刷対象ページの前記印刷設定情報を読み出し、その印刷対象ページの印刷データについて、その読み出した印刷設定情報を適用して印刷動作を行うとともに、前記保存ステップにより保存された、前記判断結果の情報に基づき、新たな印刷動作を起動する印刷処理ステップとを有することを特徴とする請求項3記載の画像形成方法。
【請求項5】
ホスト装置から受信したユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷設定情報に従って、前記ユーザ印刷ジョブ情報に含まれる印刷データを印刷する画像形成装置を制御するコンピュータに、請求項3または4に記載の画像形成方法の各ステップを実行させるための画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−208170(P2010−208170A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57283(P2009−57283)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】