説明

画像形成装置、画像管理システム、及び画像管理プログラム

【課題】画像形成装置に読み込まれた文書を、文書の特性に応じて処理する画像形成装置、画像管理システム、及び画像管理プログラムを提供する。
【解決手段】
画像形成装置10の利用者は、運転免許証などの文書と、読み込ませる文書の特徴が書き込まれているガイドを原稿台11にセットし、読み取り開始を行う。画像形成装置10は、原稿台11にセットされた合成文書の画像データをモード管理サーバ20に送信する。モード管理サーバ20は、合成文書の画像データを受信すると合成文書の画像データから文書とガイトを分離させ、更にガイドから画像形成装置10の処理を選択するモードを決定する。モード管理サーバ20は、決定したモードと分離させた文書の画像データを画像形成装置10に送信する。画像形成装置10は、モードと文書の画像データを受信すると、受信したモードにおいて選択されている処理を順番に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像管理システムに係わり、特に画像形成装置が読み込む文書の特性に応じて画像形成装置が処理を実行することができる画像形成装置及び画像管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業や公的機関においては、プリンタやMFP(Multifunction Peripheral:複合機)等の画像形成装置が普及している。これら画像形成装置は、大勢の人が働いている企業や公的機関などに設置され、画像形成装置の各種の機能や処理が頻繁に利用されている。また、企業や公的機関などにおいては、画像形成装置をある特定の文書を処理するためにも利用している。例えば、伝票、運転免許証、保険証など文書の処理では、これらの文書を決められた手順で処理を行わなければならない。しかし、これらの文書を取り扱う担当者が替わると処理の順番を間違え、また企業や公的機関の機密情報などのセキュリティを尊守しなければならない文書を、他の一般文書と認識して誤ってFAXやメールで送信してしまうことがあった。
【0003】
画像形成装置にある特定の処理のみを実行させるために、利用者が画像形成装置を使用するときにICカードに読み込ませたり、または利用者IDやパスワードを設定することにより利用者を識別し、その利用者ごとに画像形成装置にある特定の処理だけを実行させる方法がある。例えば、特許文献1を参照すると、特許文献1による複写機の操作モード設定装置は、操作者が入力手段から自己のコードあるいはそのコードに対応する固有情報を入力すると、それから判別されるコードと操作モード情報記憶手段に記憶している固有コードとが一致するか否かを判断し、一致すれば複写機の複写禁止を解除して、操作モード情報記憶手段からその固有コードと関連づけて記憶されている複写機の特定の操作モードの情報を読み出して複写機の操作モードを設定することで、各操作者が設定できる操作モードの範囲の処理を実行することが可能となる技術が記載されている(以下、従来技術1とする)。
【特許文献1】特開平05−88425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術1では、操作者が入力手段から自己のコードあるいはそのコードに対応する固有情報を入力することで、各操作者が設定できる操作モードの範囲の処理を実行することができる。しかし、このような機能を画像形成装置に設けた場合であっても、画像形成装置が読み込む特定の文書に対して、画像形成装置が特定の処理を実行することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解消することができる画像形成装置及び画像管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、読み取った文書に対する処理を実行する画像形成装置であって、前記文書と文書の特徴を示すガイドを同時に読み取る合成文書読取手段と、前記ガイドの特徴からモードを決定するモード決定手段と、前記モード決定手段で決定したモードに対応づけられた処理を実行する実行手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成装置が備えているモードに対応づけられた処理の情報を記憶する記憶手段を備えていても良い。
また、本発明の画像形成装置は、前記モードに対応づけられた前記ガイドの特徴画像を記憶する記憶手段を備えていても良い。
また、前記構成文書読取手段は、前記ガイドに付加されている地紋印刷またはニ次元バーコードを文書の特徴として読み取っても良い。
本発明の画像管理システムは、ネットワークに接続されている画像形成装置が読み取った文書に対する処理を行う画像管理装置システムであって、前記文書と文書の特徴を示すガイドを同時に読み取る合成文書読取手段と、前記ガイドの特徴からモードを決定するモード決定手段と、前記モード決定手段で決定したモードに対応づけられた処理を実行する実行手段とを備えることを特徴としている。
本発明の画像管理プログラムは、画像形成装置に搭載されるコンピュータに実行させる画像管理システムの合成文書処理プログラムと、モード管理サーバに搭載されるコンピュータに実行させる画像管理システムのモード決定処理プログラムを含むことを特徴としている。ここで、前記合成文書処理プログラムは、前記画像形成装置に搭載されるコンピュータに、文書と文書の特徴を示すガイドを同時に読み取る合成文書読取ステップを実行させる。更に、前記モード決定処理プログラムは、前記モード管理サーバに、前記ガイドの特徴からモードを決定するモード決定ステップを実行させることで、前記画像管理プログラムは、画像形成装置に搭載されるコンピュータに前記モード決定ステップで決定したモードに対応づけられた前記画像形成装置が読み取る文書に対する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置及び画像管理システムは、このような問題に対処するために、画像形成装置が読み込む特定の文書に対して、画像形成装置が特定の処理を実行するので、利用者毎に処理や処理手順が異なることなく、また利用者が意識することなく適切な処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<実施の形態>
(画像管理システムの構成)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る画像管理システムのシステム構成と処理手順について説明する。本発明の実施の形態に係る画像管理システムは、画像形成装置10とモード管理サーバ20で構成され、画像形成装置10とモード管理サーバ20は、ネットワーク30で接続されている。
画像形成装置10は、プリンタ、MFP等である。
モード管理サーバ20は、画像形成装置10が読み込んだ文書についてどの処理を実行するかの選択(以下、モードという)を決定するサーバである。
画像形成装置10の利用者は、運転免許証、健康保健証、及びパスポートなどの文書を原稿台11にセットし、読み込ませる文書の特徴が地紋や二次元バーコードなどで書き込まれている定型的な用紙(以下、ガイドという)を更に原稿台11にセットし、読み取り開始を行う。ガイドには、外側に沿って枠が設けられ、ガイドの画像部分が検出できるようになっている。次に、画像形成装置10は、原稿台11にセットされた文書とガイドを合成した文書(以下、合成文書という)の画像データをモード管理サーバ20に送信する。モード管理サーバ20は、合成文書の画像データを受信すると合成文書の画像データから文書とガイトを分離させ、更にガイドからモードを決定する。そして、モード管理サーバ20は、決定したモードと分離させた文書の画像データを画像形成装置10に送信する。画像形成装置10は、モードと文書の画像データをモード管理サーバ20から受信すると、受信したモードに従って画像形成装置10は処理を実行する。例えば、ガイドAが伝票モードであれば、画像形成装置10は受信した画像データについて伝票処理のプログラムを実行。また、ガイドBが運転免許証モードであれば、画像形成装置10は受信した画像データについて運転免許証処理のプログラムを実行する。
【0009】
図2を参照して、画像形成装置10とモード管理サーバ20の機能構成について説明する。
【0010】
まず、画像形成装置10について説明する。図2に示すように画像形成装置10は、それぞれ各機能のまとまりである機能部位であるところの画像形成装置制御部110と、画像形成装置補助記憶部120、画像形成装置データ保存部130、操作パネル140、操作パネル処理部150、原稿読取部160、画像形成部170、及び画像形成装置ネットワーク通信部180等を備えている。画像形成装置制御部110と、画像形成装置補助記憶部120、画像形成装置データ保存部130、操作パネル140、操作パネル処理部150、原稿読取部160、画像形成部170、及び画像形成装置ネットワーク通信部180は、これら各部位を接続するバスなどにより接続される構成となっている。
【0011】
画像形成装置制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、画像形成装置制御部110は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェース、バスコントローラ等を含む総合的な画像形成装置10のコントロールを行う部位である。画像形成装置制御部110には、画像形成装置10の原稿台11から読み込んだ合成文書を管理する合成文書処理部110aを備えている。
【0012】
画像形成装置補助記憶部120は、フラッシュメモリ等からなる補助記憶装置で、画像形成装置制御部110が実行する処理のプログラムやデータを記憶する部位である。画像形成装置補助記憶部120には、図3に示す処理リストテーブル120aと図4に示すモード処理テーブル120bが記憶されている。処理リストテーブル120aとモード処理テーブル120bの構成については、後述する。
【0013】
画像形成装置データ保存部130は、データやプログラムを保存するハードディスクドライブで、原稿読取部160から読み取った文書の画像データを保存する必要があるときに、保存する文書画像データ保存エリア130aを備えている。
【0014】
操作パネル140は、操作メニューの表示、利用者の指による操作を受け付ける部位である。
【0015】
操作パネル処理部150は、画像形成装置制御部110からの要求により印刷可能な画像イメージや画像形成装置10が備えている機能の操作項目を操作パネル140に表示する処理、操作パネル140から利用者の操作データを入力する処理を行う部位である。
【0016】
原稿読取部160は、図1に示す画像形成装置10の原稿台11にセットされた合成文書の読み取りを行う部位で、利用者が操作パネル140から読み取り要求を行うことにより合成文書の読み取りを行うことができる部位である。
【0017】
画像形成部170は、利用者から読み取り要求があった合成文書を印刷可能な画像イメージに変換を行う部位である。
【0018】
画像形成装置ネットワーク通信部180は、ネットワーク30に接続するための、着脱可能なLANインターフェースを備えている。LANインターフェースには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0019】
次に、モード管理サーバ20について説明する。図2に示すようにモード管理サーバ20は、それぞれ各機能のまとまりである機能部位であるところのモード管理サーバ制御部210と、モード管理サーバ補助記憶部220、モード管理サーバデータ保存部230、及びモード管理サーバネットワーク通信部240を備えている。モード管理サーバ制御部210と、モード管理サーバ補助記憶部220と、モード管理サーバデータ保存部230と、モード管理サーバネットワーク通信部240は、これら各部位を接続するバスなどにより接続される構成となっている。
【0020】
モード管理サーバ制御部210は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPUやCPU等の制御手段を備えている。モード管理サーバ制御部210には、画像形成装置10から送信される合成文書の画像データのガイドからモードを決定するモード決定処理部210aを備えている。
【0021】
モード管理サーバ補助記憶部220は、フラッシュメモリ等からなる補助記憶装置で、モード管理サーバ制御部210が実行する処理のプログラムやデータを記憶する部位である。モード管理サーバ補助記憶部220には、図5に示すモード管理テーブル220aが記憶されている。モード管理テーブル220aの構成については、後述する。
【0022】
モード管理サーバデータ保存部230は、データやプログラムを保存するハードディスクドライブで、ガイドの特徴を示す画像であるガイド特徴画像データが保存されているガイド特徴画像データ保存エリア230aを備えている。
【0023】
モード管理サーバネットワーク通信部240は、ネットワーク30に接続するための、着脱可能なLANインターフェースを備えている。LANインターフェースには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0024】
図3を参照して、処理リストテーブル120aについて説明する。処理リストテーブル120aは、図3に示すように処理No.と処理No.に対応する処理名称が登録されているテーブルである。処理名称とは、画像形成装置10が備えているプログラムまたは機能の名称である。例えば、処理No.001には伝票処理が設定されているので、処理No.001が選択されたときには、伝票処理のプログラムが実行される。また、処理No.005にはモノクロコピー処理が設定されているので、処理No.005が選択されたときには、モノクロコピー処理が実行される。
【0025】
図4を参照してモード処理テーブル120bの構成について説明する。モード処理テーブル120bは、図4に示すようにモードに対応して選択される一つ以上の処理No.が設定されているテーブルである。モードは、文書毎にモード管理サーバ20がガイドに基づいて決定し、文書毎にモード管理サーバ20から送信されるもので、画像形成装置10が読み込んだ文書に対応して選択する処理や機能を定義するためのものである。処理フラグはモード毎に実行する処理を示すもので、処理No.は、図3に示す処理リストテーブル120aの処理No.に対応している。処理を実行するときは、その処理に該当する処理No.に対応する処理フラグに1がセットされ、処理を実行しないときは、該当する処理Noに対応する処理フラグには0がセットされる。例えば、図4に示すモード処理テーブル120bの運転免許証モードであれば、処理フラグの「002」がセットされているので、図3の処理リストテーブル120aを参照すると処理No.002の処理名称には「運転免許証処理」が設定されている。この結果、運転免許証モードであれば、運転免許証処理のプログラムが実行され、それ以外の処理は実行されないことになる。
【0026】
図5を参照して、モード管理テーブル220aの構成について説明する。図5に示すようにモード管理テーブル220aは、No.、モード、及びガイド特徴画像データ保存エリアのアドレスが設定され、ガイドの追加、削除が発生した場合に更新されるテーブルである。No.は、昇順に付けられた番号で、モード管理テーブル220aに設定されるモードとガイド特徴画像データ保存エリアのアドレスに対応して付けられている番号である。モードは、図4に示すモード処理テーブル120bのモードに同じである。ガイド特徴画像データ保存エリアのアドレスには、モード管理サーバ20がガイドの特徴である画像データを、ガイド特徴画像データ保存エリア230aに保存したときに、その保存したアドレスが設定される。モード管理テーブル220aは、ガイドの特徴であるガイド特徴画像データとモードを対応付けて、予め作成されているテーブルである。
【0027】
図6は、本発明の実施の形態である画像形成装置制御部110の合成文書処理部110aが実行する合成文書処理の流れを示すフローチャートである。図6の合成文書処理フローチャートを参照して、合成文書処理手順を説明する。
【0028】
利用者が原稿台11に文書とガイドの合成文書をセットし、操作パネル140から読み取り開始を指示すると、原稿読取部160が合成文書を読み取り、画像形成部170に出力する。画像形成部170は合成文書の画像データを形成し、画像データを形成したことを画像形成装置制御部110に通知する。更に、画像形成装置制御部110は、画像形成部170から受信した通知を合成文書処理部110aに通知する。この通知により合成文書処理部110aは、合成文書処理を開始する。
【0029】
(ステップS10)
合成文書処理部110aは、画像形成部170から合成文書の画像データを入力する。
【0030】
(ステップS11)
合成文書処理部110aは、ステップS10で入力した合成文書の画像データをモード管理サーバ20に送信するために、この合成文書の画像データを画像形成装置ネットワーク通信部180に出力する。画像形成装置ネットワーク通信部180は、合成文書処理部110aから出力された合成文書の画像データをモード管理サーバ20に送信する。
【0031】
(ステップS12)
合成文書処理部110aは、モード管理サーバ20からモードと文書の画像データを受信するまで、予め決められた一定時間を待ち状態とする。
【0032】
(ステップS13)
合成文書処理部110aは、画像形成装置ネットワーク通信部180に対してモード管理サーバ20からモードと文書の画像データを受信したかを判定する。画像形成装置ネットワーク通信部180が受信している(ステップS13のYes)ときは、合成文書処理部110aは画像形成装置ネットワーク通信部180からモードと文書の画像データを入力するステップS14に進む。また、画像形成装置ネットワーク通信部180が受信していない(ステップS13のNo)ときは、再度一定時間を待ち状態とするためにステップS12に戻る。
【0033】
(ステップS14)
合成文書処理部110aは、画像形成装置ネットワーク通信部180からモードと文書の画像データを取得する。
【0034】
(ステップS15)
合成文書処理部110aは、処理No.のインデックス(I)に初期値「001」をセットする。
【0035】
(ステップS16)
合成文書処理部110aは、図4に示すモード処理テーブル120bを参照してステップS14で取得したモードに該当するインデックス(I)の処理フラグに「1」がセットされているか判定する。モードに該当するインデックス(I)の処理フラグに「1」がセットされている(ステップS16のYes)ときは、合成文書処理部110aは、処理No.に該当する処理名称を取り出すステップS17に進む。また、モードに該当するインデックス(I)の処理フラグに「0」がセットされている(ステップS16のNo)ときは、全ての処理フラグについてチェック済みであるかを判定するステップS19に進む。
【0036】
(ステップS17)
合成文書処理部110aは、図3に示す処理リストテーブル120aを参照して処理No.に該当する処理名称を取り出す。
【0037】
(ステップS18)
合成文書処理部110aは、ステップS17で取り出した処理名称に対応する処理を実行するように画像形成装置制御部110に要求する。
【0038】
(ステップS19)
合成文書処理部110aは、全ての処理フラグについてチェックしたかを判定する。全ての処理フラグについてチェックした(ステップS19のYes)ときは、合成文書処理部110aは、合成文書処理を終了する。また、全ての処理フラグについてチェックしていない(ステップS19のNo)ときは、合成文書処理部110aは、処理No.のインデックス(I)に「1」を加算するステップS20に進む。
【0039】
(ステップS20)
合成文書処理部110aは、処理No.のインデックス(I)に「1」を加算し、ステップS16に戻る。
【0040】
図7は、本発明の実施の形態であるモード管理サーバ制御部210のモード決定処理部210aが実行するモード決定処理の流れを示すフローチャートである。図7のモード決定処理フローチャートを参照して、モード決定処理手順を説明する。
【0041】
モード管理サーバ20のモード管理サーバネットワーク通信部240が、画像形成装置10から合成文書の画像データを受信するとモード管理サーバ制御部210に通知する。そして、モード管理サーバ制御部210がモード決定処理部210aに通知すると、モード決定処理部210aは、モード決定処理を開始する。
【0042】
(ステップS21)
モード決定処理部210a、モード管理サーバネットワーク通信部240から合成文書の画像データを入力する。
【0043】
(ステップS22)
モード決定処理部210aは、ステップS21で入力した合成文書の画像データをガイドの外側に設けられている枠を識別して、ガイドの画像データと文書の画像データに分解する。
【0044】
(ステップS23)
モード決定処理部210aは、ガイドの画像データに書き込まれている地紋や二次元バーコードからガイドの特徴を抽出する。
【0045】
(ステップS24)
モード決定処理部210aは、図5に示すモード管理テーブル220aのNo.の順にガイド特徴画像データ保存エリアのアドレスを取り出し、そのアドレスに保存されているガイド特徴画像データをガイド特徴画像データ保存エリア230aから取り出す。そして、ステップS23で抽出したガイドの特徴と、ガイド特徴画像データが一致するかを判定し、一致するときはそのガイド特徴画像データが保存されていたガイド特徴画像データ保存エリアのアドレスに対応するモードを取り出す。
【0046】
(ステップS25)
モード決定処理部210aは、ステップS24で取り出したモードと、ステップS22で分解した文書の画像データを画像形成装置10に送信するために、モード管理サーバネットワーク通信部240にこれらのモードと文書の画像データを出力する。モード管理サーバネットワーク通信部240は、モード決定処理部210aから出力されたモードと文書の画像データを画像形成装置10に送信する。そして、モード決定処理部210aは、モード決定処理を終了する。
【0047】
以上の合成文書処理とモード決定処理により、合成文書のガイドの特徴に基づいてモード管理サーバ20がモードを決定し、そのモードに対応したプログラムや機能を画像形成装置10が実行するので、特定の文書に対して特定の処理を順番に実行することができる。
【0048】
本実施の形態では、画像形成装置10とモード管理サーバ20から構成される実施の形態であるが、画像形成装置10にモード管理サーバ20の機能を搭載することで、モード管理サーバ20を設置せずに本発明を実現することも可能である。
【0049】
また、本実施の形態では、ガイドの画像データに書き込まれている地紋や二次元バーコードからガイドの特徴を抽出するようにしたが、ガイドの面積、ガイドの形状、及びガイドの特定部分の色や模様などから特徴を抽出することも可能である。
【0050】
このような実施の形態によれば、画像形成装置に読み込まれた文書に対する処理を文書の特性に応じて処理するので、利用者毎に処理が異なることなく、また利用者が意識することなく適切な処理を行うことができる。
【0051】
本実施の形態では、伝票モード、運転免許証モード、健康保健証モード、及びシールモードなど文書の種類毎にモードを設定したが、このような文書の種類によるモードだけでなく、その他の実施例としてセキュリティレベルによるモードを設定することも可能である。利用者が文書とその文書のセキュリティレベルに合ったガイドをセットし、画像形成装置10に読み込ませることで、文書にセキュリティモードを設定することができる。このセキュリティモードにより処理を制限することができるので、セキュリティを尊守しなければならない文書を他の一般文書と認識してしまい、FAXやメールなどの機能で誤って送信してしまうことを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、画像形成装置における画像管理システムに好適であるが、画像形成装置以外の画像を処理できる電子機器の画像管理システムに応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像管理システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像管理システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る処理リストテーブルの構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るモード処理テーブルの構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るモード管理テーブルの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の合成文書処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るモード管理サーバのモード決定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10・・・・画像形成装置
20・・・・モード管理サーバ
30・・・・ネットワーク
110・・・画像形成装置制御部
110a・・合成文書処理部
120・・・画像形成装置補助記憶部
120a・・処理リストテーブル
120b・・モード処理テーブル
130・・・画像形成装置データ保存部
130a・・文書画像データ保存エリア
140・・・操作パネル
150・・・操作パネル処理部
160・・・原稿読取部
170・・・画像形成部
180・・・画像形成装置ネットワーク通信部
210・・・モード管理サーバ制御部
210a・・モード決定処理部
220・・・モード管理サーバ補助記憶部
220a・・モード管理テーブル
230・・・モード管理サーバデータ保存部
230a・・ガイド特徴画像データ保存エリア
240・・・モード管理サーバネットワーク通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取った文書に対する処理を実行する画像形成装置であって、
前記文書と文書の特徴を示すガイドを同時に読み取る合成文書読取手段と、
前記ガイドの特徴からモードを決定するモード決定手段と、
前記モード決定手段で決定したモードに対応づけられた処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置が備えているモードに対応づけられた処理の情報を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記モードに対応づけられた前記ガイドの特徴画像を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記合成文書読取手段は、前記ガイドに付加されている地紋印刷またはニ次元バーコードを文書の特徴として読み取ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ネットワークに接続されている画像形成装置が読み取った文書に対する処理を行う画像管理装置システムであって、
前記文書と文書の特徴を示すガイドを同時に読み取る合成文書読取手段と、
前記ガイドの特徴からモードを決定するモード決定手段と、
前記モード決定手段で決定したモードに対応づけられた処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする画像管理システム。
【請求項6】
画像形成装置に搭載されるコンピュータに実行させる画像管理システムの合成文書処理プログラムと、モード管理サーバに搭載されるコンピュータに実行させる画像管理システムのモード決定処理プログラムを含む画像管理プログラムであって、
前記画像形成装置に搭載されるコンピュータに、
文書と文書の特徴を示すガイドを同時に読み取る合成文書読取ステップを前記合成文書処理プログラムにより実行させ、
前記モード管理サーバに、
前記ガイドの特徴からモードを決定するモード決定ステップを前記モード決定処理プログラムにより実行させ、
前記画像形成装置に搭載されるコンピュータに、
前記モード決定ステップで決定したモードに対応づけられた処理を、前記画像形成装置が読み取る文書に対して実行させることを特徴とする画像管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−147821(P2010−147821A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323034(P2008−323034)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】