画像形成装置、端末装置、画像形成システム、および制御プログラム
【課題】連続的かつ直感的な操作でデータ転送を行なうことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】MFPでメール送信実行中に操作パネル上のアドレス入力欄でのつまむ操作が検出されると(S43)、そのときの実行状態を保存すると共に、携帯端末に対してアドレス帳アプリケーションを起動させるコマンドを生成して記憶する(S44)。その後、携帯端末で離す操作が検出されると(S52)、その通知を受けたMFPはコマンドを携帯端末に送信する(S45)。携帯端末ではアドレス帳が起動し、アドレス情報の上でつまみ操作が検出されると(S55)、そのアドレスが送信対象として保存される(S56)。MFPでの離す操作が検出されると(S46)、携帯端末からアドレスを取得してそれが入力された状態で記憶された状態からメール送信が再開される(S48)。
【解決手段】MFPでメール送信実行中に操作パネル上のアドレス入力欄でのつまむ操作が検出されると(S43)、そのときの実行状態を保存すると共に、携帯端末に対してアドレス帳アプリケーションを起動させるコマンドを生成して記憶する(S44)。その後、携帯端末で離す操作が検出されると(S52)、その通知を受けたMFPはコマンドを携帯端末に送信する(S45)。携帯端末ではアドレス帳が起動し、アドレス情報の上でつまみ操作が検出されると(S55)、そのアドレスが送信対象として保存される(S56)。MFPでの離す操作が検出されると(S46)、携帯端末からアドレスを取得してそれが入力された状態で記憶された状態からメール送信が再開される(S48)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、端末装置、画像形成システム、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネル上でのユーザの「つまむ」操作および「離す」操作により処理が実行される画像形成装置、端末装置、画像形成システム、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに、コピー機やプリンタやその複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置と、例えば携帯情報端末などの他の装置とが接続されている場合、これら装置間でネットワークを介してデータを送受信するという使い方が想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−276957号公報
【特許文献2】特開2007−304669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、このような画像形成装置と他の装置との間でネットワークを介してデータを転送する際には、送信側の装置において送信するデータを選択し、次に、送信先である受信側の装置を該ネットワークを参照して選択する、という操作が必要であり、ユーザにとって操作が複雑であったり、送信先のアドレスなどを認識する必要があったり、煩雑であるという問題があった。
【0005】
たとえば、特開2009−276957号公報(特許文献1)には、ログイン画面に対して予め登録されたログイン情報を代行入力して自動ログインを実行するシステムであって、ログイン画面に対してログイン情報を登録するためのアイコンをドラッグアンドドロップ操作することによってログイン画面の画面情報を取得し、その情報と入力情報とをログイン情報として登録するシステムを開示している。また、たとえば、特開2007−304669号公報(特許文献2)は、ファイルをドラッグアンドドロップ操作で機能設定領域に移動させることで、その領域に対して設定された処理が当該ファイルに対して自動的に実行される制御技術を開示している。
【0006】
そこで、これら文献に開示されたようなドラッグアンドドロップ操作をデータの転送に採用することが考えられる。
【0007】
しかしながら、ドラッグアンドドロップ操作では、予め移動先を表わした領域を表示させておく必要があり、そのための操作が不慣れなユーザにとっては複雑である場合があるという問題がある。また、画像形成装置に備えられる表示面積の狭い表示部では、移動先を表わした領域を表示させることで表示画面が複雑になり、操作が複雑になる場合があるという問題もある。そして、その結果、連続的かつ直感的な操作でデータの転送が行なわれなくなる、という問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、連続的かつ直感的な操作でネットワークで接続された装置間でデータの転送が可能な画像形成装置、制御装置、画像形成システム、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、タッチパネルと、タッチパネルに接続された制御手段とを備える。制御手段は、アプリケーションを実行し、アプリケーションの実行に応じた画面をタッチパネルに表示するための処理手段と、タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、記憶手段で記憶されたアプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段とを含み、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、読出手段で読み出された情報で示された状態からアプリケーションの処理を再開する。
【0010】
好ましくは、画像形成装置は他の装置と通信するための通信手段をさらに備える。制御手段は、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって第1の操作が検出されると、予め記憶している他の装置に対して、アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、検出手段によって第2の操作が検出されると、他の装置に対して情報を要求するための要求手段と、他の装置から送信される情報を取得するための取得手段とをさらに含む。処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、取得手段で他の装置から取得した情報を用いてアプリケーションの処理を再開する。
【0011】
より好ましくは、出力手段は、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態に応じたコマンドを出力する。
【0012】
より好ましくは、出力手段は、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの実行に応じた画面において、第1の操作が行なわれた位置に応じた情報を、第1の操作の検出時におけるアプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行させて要求するためのコマンドを出力し、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、取得手段で他の装置から取得した情報を第1の操作が行なわれた位置に対応したアプリケーション上の位置に入力して、アプリケーションの処理を再開する。
【0013】
好ましくは、制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、記憶手段は、アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶し、取得手段で他の装置から送信される情報はユーザに関連付けられる。そして、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、アプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザが他の装置から取得した情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、取得手段で他の装置から取得した情報を用いてアプリケーションの処理を再開する。
【0014】
好ましくは、制御手段は、他の装置からコマンドの入力を受付けるための入力手段と、処理手段において、コマンドで指定されたアプリケーションの実行中において、検出手段によって第2の操作が検出されると、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲に表示された情報を他の装置に送信する情報と特定し、他の装置に対して送信するための送信手段とをさらに含む。
【0015】
好ましくは、制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、記憶手段は、アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶する。そして、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、第2の操作時のログインユーザがアプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、アプリケーションの処理を再開する。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、端末装置は、タッチパネルと、タッチパネルに接続された制御手段と、画像形成装置と通信するための通信手段とを備える。制御手段は、アプリケーションを実行し、アプリケーションの実行に応じた画面をタッチパネルに表示するための処理手段と、タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲にアプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するための特定手段と、転送対象の情報を画像形成装置に対して出力するための出力手段とを含む。
【0017】
好ましくは、制御手段は、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している画像形成装置にアクセスして画像形成装置から、少なくとも実行するアプリケーションを特定したコマンドを取得するための取得手段をさらに含み、処理手段は、コマンドに従ってアプリケーションを実行する。
【0018】
好ましくは、制御手段は、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している画像形成装置にアクセスして画像形成装置に対して転送対象の情報を要求するための要求手段をさらに含む。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成システムは画像形成装置と端末装置とを備えた画像形成システムであって、画像形成装置および端末装置は、各々、タッチパネルおよびタッチパネルに接続された制御手段を含む。画像形成装置と端末装置とのうちの第1の装置の制御手段は、アプリケーションを実行し、アプリケーションの実行に応じた画面をタッチパネルに表示するための処理手段と、タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって第1の操作が検出されると、画像形成装置と端末装置とのうちの第2の装置に対して、アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、記憶手段で記憶されたアプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段と、検出手段によって第2の操作が検出されると、第2の装置に対して情報を要求するための要求手段と、第2の装置から送信される情報を取得するための取得手段とを含む。処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、取得手段で他の装置から取得した情報を用いて、読出手段で読み出された情報で示された状態からアプリケーションの処理を再開する。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する画像形成装置にアプリケーションを実行させるための制御プログラムであって、アプリケーションの実行中において、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、アプリケーションの実行中において第1の操作が検出されると、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶し、他の装置に対して、アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するステップと、第1の操作の検出よりも後に、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、第1の操作の検出よりも後に第2の操作が検出されると、他の装置に対して情報を要求するステップと、要求に応じて他の装置から送信される情報を取得するステップと、他の装置から取得した情報を用いて、アプリケーションの処理を記憶された状態から再開するステップとを画像形成装置に実行させる。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する端末装置に、当該端末装置に記憶される情報を画像形成装置に転送する処理を実行させるための制御プログラムであって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、第1の操作の検出を画像形成装置に通知することで、画像形成装置からコマンドを取得するステップと、コマンドで特定されるアプリケーションを実行するステップと、アプリケーションの実行中において、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、第2の操作が検出されると、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲にアプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するステップと、画像形成装置からの要求に応じて、転送対象の情報を画像形成装置に対して出力するステップとを端末装置に実行させる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によると、連続的かつ直感的な操作で、画像形成装置から、または画像形成装置に対するデータの転送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像形成システムに含まれるMFP(Multi Function Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像形成システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。
【図5】「つまむ」操作を説明するための図である。
【図6】「離す」操作を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【図9】送信側の携帯端末における動作を表わしたフローチャートである。
【図10】受信側の携帯端末における動作を表わしたフローチャートである。
【図11】MFPにおける動作を表わしたフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【図14】第2の実施の形態にかかるMFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図15】MFPでの、つまむ操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。
【図16】携帯端末における動作を表わしたフローチャートである。
【図17】MFPでの、離す操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。
【図18】本実施の形態にかかるデータ転送の変形例を説明する図である。
【図19】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図20】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図21】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図22】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図23】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0025】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【0026】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一例としてのMFP100と、端末装置としての複数の携帯端末300A,300Bとを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。上記複数の携帯端末300A,300Bを代表させて携帯端末300と称する。
【0027】
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100が有線LANに接続され、携帯端末300が該有線LANに対して無線LANで接続されている例が挙げられる。
【0028】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0029】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読取って画像データを得るためのスキャナ13と、画像データを印刷用紙上に固定するためのプリンタ14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データをファイルとして保存するためのメモリ16と、上記ネットワークを介した通信の制御するためのネットワークコントローラ17とを含む。
【0030】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0031】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0032】
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためメモリ33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラ35と、上記ネットワークを介した通信の制御するためネットワークコントローラ36とを含む。
【0033】
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0034】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0035】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
図4は、第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。第1の実施の形態にかかる画像形成システムでは、移動対象とするデータ(一例としてドキュメント)を携帯端末300Aから携帯端末300Bに移動させるための動作が行なわれる。
【0036】
詳しくは図4を参照して、携帯端末300Aの操作パネル34に、記憶されているドキュメントを表わすアイコンが表示されている状態において、1つ以上のアイコンに対して「つまむ」操作があったことが検出されると、当該アイコンで表わされるドキュメントが移動対象のドキュメントと特定され、MFP100に対して送信される。
【0037】
携帯端末300BからMFP100に対して当該ドキュメントの移動要求がなされると、当該ドキュメントがMFP100から携帯端末300Bに対して出力される。
【0038】
これによって、携帯端末300Aに記憶されていたドキュメントがMFP100を経て携帯端末300Bに移動することになる。
【0039】
図5は、「つまむ」操作を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル15上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P1’、P2’で2本の指を操作パネル15から離す操作を指す。
【0040】
CPU10は、操作パネル15上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P1’、P2’で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
【0041】
図6は、「離す」操作を説明するための図である。図6を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル34上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q1’、Q2’で2本の指を操作パネル34から離す操作を指す。
【0042】
CPU30は、操作パネル34上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q1’、Q2’で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
【0043】
<機能構成>
図7は、第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて動作概要に説明されたような動作を実現するための、携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0044】
図7を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作および離す操作を検出するための検出部302と、操作信号で表わされた指定された位置に基づいてつまむ操作で指定されたアイコンを特定するための特定部303と、予め出力先としてMFP100のアクセス情報を記憶しておき、該アクセス情報を用いてメモリ33に記憶されるドキュメントのうちの特定されたドキュメントをネットワークコントローラ36を介してMFP100に対して出力するための出力部304と、予め要求先としてMFP100のアクセス情報を記憶しておき、離す操作の検出に応じて、該アクセス情報を用いてネットワークコントローラ36を介してMFP100に対してドキュメントの移動要求を出力するための要求部305と、ネットワークコントローラ36を介してMFP100からドキュメントの入力を受付けるためのドキュメント入力部306とを含む。
【0045】
特定部303は、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P1’、P2’)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
【0046】
特定部303での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図19〜図23は、特定部303での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0047】
一例として特定部303は、図19に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図20に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは移動対象とするドキュメントを表わしたアイコンを挟むように2本の指を操作パネル34にタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、意図するドキュメントを指定することができる。そのため、直感的に移動対象とするドキュメントを指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0048】
他の例として特定部303は、図21に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図22に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは移動対象とするドキュメントを表わしたアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネル34にタッチさせた後に近づけることで、意図するドキュメントを指定することができる。そのため、直感的に移動対象とするドキュメントを指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0049】
他の例として特定部303は、図23に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは移動対象とするドキュメントを表わしたアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、意図するドキュメントを指定することができる。そのため、直感的に移動対象とするドキュメントを指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0050】
<動作フロー>
図8は、第1の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【0051】
図8を参照して、ステップS11で携帯端末Aとして表わされた携帯端末300Aにおいてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。そして、ステップS13でつまむ操作が検出されると、ステップS15で携帯端末300Aにおいてつまむ操作によって指定されたドキュメントが特定される。さらに、当該つまむ操作に関連する情報として、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、つまむ操作が検出されたときのログインユーザを特定する情報、および特定されたドキュメントが当該つまむ操作によって指定された順を特定する情報、などが特定される。これらのつまむ操作に関連する情報を、以降の説明において「つまみ情報」とも称する。
【0052】
携帯端末300Aには、予め出力先としてMFP100が記憶されており、ステップS17で、上記ステップS16で特定された移動対象のドキュメントおよびつまみ情報がMFP100に対して送信される。
【0053】
この情報を受信したMFP100は、ステップS21で送信されたドキュメントを移動対象のドキュメントとして一時的に記憶する。この「一時的」な期間はたとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過しても後述する移動要求が他の装置からなかった場合には、移動対象を解除するようにしてもよい。さらに、上記一時的な期間内に移動要求がなかった場合には、MFP100は、移動対象の解除に替えて、または解除に加えて、移動が完了しなかった旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージを移動対象のドキュメントに関連付けられたユーザに対応して記憶されている携帯端末300Aまたは携帯端末300Bに対して送信してもよい。
【0054】
移動対象を解除する他の例として、上記一時的な期間内に移動要求がなかった場合に替えて、または移動要求がなかった場合に加えて、移動対象として指定されたドキュメントのアイコンが表示されていたフォルダに対する再度のつまむ操作が検出されたとの携帯端末300Aからの通知を受信することで、MFP100は、当該ファイルを削除して、移動対象を解除するようにしてもよい。
【0055】
ステップS31で携帯端末Bとして表わされた携帯端末300Bにおいてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。携帯端末300Bには、予め要求先としてMFP100が記憶されており、ステップS33で離す操作が検出されると、ステップS35で携帯端末300BからMFP100に対してドキュメントの移動要求がなされる。
【0056】
この要求を受信したMFP100は、ステップS23で認証処理を行なって、その結果が成功である場合には、上記ステップS21で移動対象のドキュメントとして一時的に保存したドキュメントを、携帯端末300Bに対して出力する。
【0057】
上記ステップS23では、ドキュメントと共に携帯端末300Aから送信されたつまみ情報に含まれるユーザ情報と、上記ステップS35でのドキュメントの移動要求に含まれるユーザ情報とが一致することで認証成功としてもよいし、予め携帯端末300Aと携帯端末300Bとの対応を記憶しておき、携帯端末300Bからの移動要求であることで認証成功としてもよい。または、つまみ情報にパスワードが含まれ、上記ステップS35でのドキュメントの移動要求に含まれるパスワードが一致することで認証成功としてもよい。
【0058】
以降、各装置における動作を説明する。
図9は、携帯端末300Aにおける動作を表わしたフローチャートである。図9のフローチャートに示された動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することによって実現される。
【0059】
図9を参照して、ステップS101でCPU30はログイン操作を受付けることでログイン処理を実行する。その後、CPU30は操作パネル34の、記憶されているドキュメントを示すアイコンが表示された画面上でのつまむ操作があったことが検出されると(ステップS103でYES)、ステップS105でCPU30はその操作で指定されたドキュメントを特定し、さらに、上述のつまみ情報を特定する。ステップS107でCPU30は、特定されたドキュメントをつまみ情報と関連付けて、予め出力先として記憶されているMFP100に対して送信する。
【0060】
以上の動作はログアウト操作が検出されるまで繰り返される(ステップS109でNO)。そのため、ログアウト操作が検出されるまで複数回上記動作が行なわれることによって、複数のドキュメントが移動対象のドキュメントとして特定されてもよい。また、つまむ操作がフォルダに対してなされることや、複数のドキュメントに対してなされることに対応して、一度のつまむ操作によって複数のドキュメントが移動対象のドキュメントとして特定されてもよい。
【0061】
そして、ログアウト操作が検出されると(ステップS109でYES)、ステップS111でCPU30はログアウト処理を実行し、一連の、移動対象のドキュメントを特定する処理を終了する。
【0062】
図10は、携帯端末300Bにおける動作を表わしたフローチャートである。図10のフローチャートに示された動作もまた、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することによって実現される。
【0063】
図10を参照して、CPU30は操作パネル34上での離す操作があったことが検出されると(ステップS203でYES)、ステップS203、予め要求先として記憶されているMFP100に対して移動要求を出力する。この移動要求は、予めMFP100との間で取り決めているデータであってよい。
【0064】
CPU30は、当該要求に応じてMFP100からドキュメントが送信されてくると、ステップS205でそのドキュメントを受信し、一連の、移動対象のドキュメントを取得する処理を終了する。
【0065】
図11は、MFP100における動作を表わしたフローチャートである。図11のフローチャートに示された動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することによって実現される。
【0066】
図11を参照して、MFP300Aからドキュメントを受信すると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU10は、当該ドキュメントを、併せて受信したつまみ情報と関連付けて予め規定されている保存領域に保存する。その後、ドキュメントの移動要求を受信すると(ステップS305でYES)、CPU10は、上記保存領域に保存されているドキュメントごとに認証を行なう。そして、その結果、認証が成功した場合(ステップS307でYES)、ステップS309でCPU10は、認証の成功した移動対象のドキュメントをMFP300Bに対して出力する。
【0067】
以上の動作は上記保存領域に保存されているドキュメントごとに繰り返される(ステップS311でNO)。つまり、上記保存領域に複数のドキュメントが保存されている場合には、それぞれのドキュメントに対して認証処理が行なわれ、成功したドキュメントが携帯端末300Bに対して出力される。そのため、複数のドキュメントが移動対象として携帯端末300Aから送信された場合には、当該複数のドキュメントが携帯端末300Bからの移動要求に応じて携帯端末300Bに対して出力されることになる。
【0068】
<実施の形態の効果>
以上の動作が第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて実行されることで、ドキュメントの移動元である携帯端末300Aではつまむ操作を行ない、移動先である携帯端末300Bでは離す操作を行なうといった連続的かつ直感的な動作で、対象のドキュメントが携帯端末300Aから携帯端末300Bに移動することになる。
【0069】
このため、ユーザは、ドキュメントを指定する際に移動先を指定する操作を行なう必要がなく、また、移動を要求する際に移動元を指定する操作を行なう必要がなく、直感的で連続的な動作で容易にドキュメントの移動させることができる。
【0070】
<変形例>
なお、以上の説明では、ドキュメントが携帯端末300Aから携帯端末300Bに、MFP100を経て移動するものとしている。つまり、MFP100がサーバとして機能するものとしている。しかしながら、当該サーバの機能は一方の携帯端末300に含まれるものであってもよい。すなわち、携帯端末300Aにサーバ機能が含まれる場合、携帯端末300Aで、特定されたドキュメントが予め規定された保存領域に移動対象として一時的に保存され、携帯端末300Bからの移動要求が直接携帯端末300Aに送信されることで、当該ドキュメントが携帯端末300Aから携帯端末300Bに直接送信されてもよい。または、携帯端末300Bにサーバ機能が含まれる場合、携帯端末300Aで特定されたドキュメントが携帯端末300Bに直接送信されて予め規定された保存領域に移動対象として一時的に保存され、携帯端末300Bでの離す操作が検出されると当該保存領域から処理対象のドキュメントとして取り出されてもよい。
【0071】
[第2の実施の形態]
<動作概要>
図12は、第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。第2の実施の形態にかかる画像形成システムでは、MFP100でメール送信する際に、携帯端末300に記憶されているアドレス情報を携帯端末300からMFP100に送信して、MFP1009でのメール送信に用いるための動作が行なわれる。
【0072】
詳しくは図12を参照して、MFP100のメール送信画面においてアドレス入力欄でのつまむ操作が検出され、その後に携帯端末300での離す操作が検出されると、携帯端末300では自動的にアドレス帳アプリケーションが起動する。そして、アドレス一覧画面に表示される1つ以上のアドレス情報に対してつまむ操作があったことが検出されると、当該アドレス情報で表わされるアドレス情報が送信対象のアドレス情報と特定され、MFP100に対して送信される。
【0073】
その後、MFP100のメール送信画面において離す操作があったことが検出されると、アドレス入力欄に受信したアドレス情報に基づくアドレスが自動的に入力される。
【0074】
図13は、第2の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【0075】
図13を参照して、ステップS41でMFP100においてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。そして、ステップS42で、ユーザ操作に従ってメール送信のためのアプリケーションが起動し、メール送信画面が表示される。ステップS43で当該画面のアドレス入力欄においてつまむ操作が検出されると、ステップS44で、当該つまむ操作に関連する情報として、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、およびつまむ操作が検出されたときのログインユーザを特定する情報、などが特定される。これらのつまむ操作に関連する情報もまた、以降の説明において「つまみ情報」とも称する。さらにステップS44では、携帯端末300に対してアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドが生成される。このコマンドは、予めMFP100と携帯端末300との間で取り決められたコマンドであってよい。そして、生成されたコマンドはつまみ情報と関連付けられて記憶される。
【0076】
一方、ステップS51で携帯端末300においてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。携帯端末300には、予め通知先としてMFP100が記憶されており、ステップS52で離す操作が検出されると、ステップS35で携帯端末300は、当該操作が検出されたことをMFP100に対して通知する。
【0077】
MFP100は、上記通知を受けて、ステップS44で生成したコマンドを携帯端末300に対して送信する。このとき、認証を行なうことなく上記通知の送信元である携帯端末300に対してコマンドを送信してもよいし、上記通知に含まれるログインユーザを特定する情報とコマンドに関連付けられたつまみ情報に含まれるユーザ情報とを用いて認証処理を行ない、その結果が認証成功だった場合に、予め送信先として記憶されている携帯端末300に対して当該コマンドを送信してもよい。
【0078】
上記コマンドを受信した携帯端末300は、ステップS54で当該コマンドに従ってアドレス帳アプリケーションを起動する。ステップS55でアドレス帳アプリケーションによって表示されたアドレス情報(たとえばアドレスを表わすアイコン等)に対してつまむ操作があったことが検出されると、ステップS56で携帯端末300は、つまむ操作の対照となったアドレス情報を送信対象のアドレス情報として記憶する。
【0079】
MFP100には、予め要求先として携帯端末300が記憶されており、ステップS46でMFP100に表示されたメール送信画面において離す操作があったことが検出されると、ステップS47でMFP100から携帯端末300に対してアドレス情報の送信要求が送信される。または、ステップS47の要求は、上記ステップS45でのコマンドの送信先である携帯端末300に対してなされるようにしてもよい。
【0080】
上記要求を受信した携帯端末300は、ステップS57で、上記ステップS56で保存したアドレス情報をMFP100に対して送信する。ステップS57では、アドレス要求に含まれるユーザ情報およびログイン情報などを用いて認証処理を行なって、その結果が成功である場合にアドレス情報をMFP100に対して送信するようにしてもよい。
【0081】
アドレス情報を受信したMFP100は、ステップS48で、表示されているメール送信画面のアドレス入力欄に受信したアドレス情報に含まれるアドレスを入力した状態で表示させる。
【0082】
<機能構成>
図14は、第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて動作概要に説明されたような動作を実現するための、MFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図14に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0083】
図14を参照して、上記動作を実現するための機能としてMFP100は、操作パネル15での指示を示す操作信号の入力を受付けるための入力部101と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作および離す操作を検出するための検出部102と、メール送信画面のアドレス入力欄に対するつまむ操作に応じて携帯端末300にアドレス帳アプリケーションを起動させるコマンドを生成するための生成部105と、生成したコマンドをネットワークコントローラ17を介して携帯端末300に対して出力するための出力部106と、予め要求先として携帯端末300のアクセス情報を記憶しておき、メール送信画面に対する離す操作に応じて、該アクセス情報を用いてネットワークコントローラ17を介して携帯端末300に対してアドレス情報の送信要求を出力するための要求部107と、ネットワークコントローラ17を介して携帯端末300からアドレス情報の入力を受付けるための受信部108と、メール送信のための処理を実行し、さらに、受信したアドレス情報に基づくアドレスをアドレス入力欄に入力してメール送信画面を表示するための処理部103と、管理部104とを含む。
【0084】
処理部103は、MFP100におけるアプリケーションの処理を行なうための機能である。検出部102においてつまむ操作があったことが検出されると、管理部104は処理部103で実行されているアプリケーションの処理の状態や表示されている画面の情報を一時的に記憶する。この「一時的」な期間は、第1の実施の形態と同様に、たとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過しても離す操作が検出されなかった場合には、記憶されたアプリケーションの処理の状態を削除するようにしてもよい。さらに、上記一時的な期間内に離す操作が検出されなかった場合には、管理部104は、記憶された情報の削除に替えて、または削除に加えて、後述するアドレスの取得が行なわれなかった旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージをログインユーザに対応して記憶されている携帯端末300に対して送信してもよい。
【0085】
また、検出部102においてつまむ操作があったことが検出されると、生成部105は、つまむ操作があったときに実行されているアプリケーションに対応したアプリケーションを携帯端末300に起動させるためのコマンドを生成する。この例では、つまむ操作があったときにメール送信のためのアプリケーションが実行されており、つまむ操作がアドレス入力欄に対してなされているため、アドレス帳アプリケーションを携帯端末300に起動させるためのコマンドが生成される。他の例として、たとえばファクシミリ送信のためのアプリケーションが実行されており、つまむ操作がファクシミリ番号入力欄に対してなされた場合には、電話帳アプリケーションを携帯端末300に起動させるためのコマンドが生成されてもよい。すなわち、生成部105は、予めつまむ操作があったときに実行されているアプリケーションおよびつまむ操作がなされた位置と携帯端末300で起動させるアプリケーションとの対応を記憶しておき、つまむ操作に応じて起動させるアプリケーションを特定し、そのためのコマンドを生成する。
【0086】
さらに、生成部105は、つまむ操作の対象とされた位置における処理の状態を考慮してコマンドを生成してもよい。具体例として、アドレス入力欄が空欄の状態でつまむ操作が検出された場合には通常のアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドを生成し、アドレス入力欄に文字列が入力された状態でつまむ操作が検出された場合には、通常のアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドに加えて、当該文字列を検索キーとして対応したアドレス情報を自動で検索させるためのコマンドを生成してもよい。
【0087】
検出部102において離す操作があったことが検出されると、管理部104は、一時的に記憶されたアプリケーションの処理の状態を読み出し、その情報を処理部103に渡すことで、その状態から当該アプリケーションの処理、画面表示を再開させる。また、要求部107は、再開されたアプリケーションに応じた情報の送信要求を携帯端末300に対して出力する。この例では、離す操作があったことに応じてメール送信のためのアプリケーションの実行がアドレス入力の途中から再開されるため、アドレス情報の送信要求を携帯端末300に対して出力する。他の例として、たとえばファクシミリ送信のためのアプリケーションの実行がファクシミリ番号入力の途中から再開される場合には、電話帳情報の送信要求を携帯端末300に対して出力してもよい。すなわち、要求部107は、予め離す操作がなされることで再開されたアプリケーションおよび再開された処理の状態と携帯端末300でに対して送信を要求する情報と対応を記憶しておき、離す操作で処理が再開されたアプリケーションに応じて要求する情報を特定し、そのための送信要求を出力する。
【0088】
携帯端末300の機能構成は、図7に表わされた構成と概ね同様とすることができるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0089】
<動作フロー>
図15は、MFP100での、つまむ操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。図15のフローチャートに表わされた動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することによって実現される。
【0090】
図15を参照して、ステップS401でCPU10はログイン操作を受付けることでログイン処理を実行する。その後、CPU10は、メール送信のためのアプリケーションが実行されており、操作パネル15に表示されたメール送信画面のアドレス入力欄に対してつまむ操作があったことが検出されると(ステップS403でYES)、ステップS405でCPU10はその操作が検出された際のアプリケーションの処理の状態を示す情報を保存する。
【0091】
このとき、CPU10は、つまむ操作があったときの情報としてたとえばログインユーザを特定する情報などをつまみ情報をして特定し、上記アプリケーションの処理の状態を示す情報と関連付けて保存してもよい。
【0092】
つまむ操作の対象であるアドレス入力欄が空欄である場合(ステップS407で「空欄」)、ステップS409でCPU10は、携帯端末300にアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドを生成する。アドレス入力欄に文字列が入力されていた場合(ステップS407で「一部入力」)、ステップS411でCPU10は、携帯端末300にアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドに加えて、その文字列を検索キーとしてアドレス情報の検索を実行させるためのコマンドを生成する。生成されたコマンドは、一時的に記憶される。このとき、CPU10は、コマンドを上記つまみ情報と関連付けて記憶してもよい。
【0093】
以上の動作はログアウト操作が検出されるまで繰り返される(ステップS413でNO)。そのため、ログアウト操作が検出されるまで複数回上記動作が行なわれることによって、複数のアドレス情報が携帯端末300に対して要求されてもよい。
【0094】
そして、ログアウト操作が検出されると(ステップS413でYES)、ステップS415でCPU10はログアウト処理を実行し、一連の動作を終了する。
【0095】
図16は、携帯端末300における動作を表わしたフローチャートである。図16のフローチャートに示された動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することによって実現される。
【0096】
図16を参照して、CPU30は操作パネル34で離す操作があったことを検出すると(ステップS501でYES)、ステップS503でCPU30は、予め記憶されているMFP100のアクセス情報を用いてMFP100にアクセスし、離す操作があったことを通知する。
【0097】
このとき、MFP100は、上記通知に応じて、記憶していたコマンドを携帯端末300に対して送信する。MFP100においてコマンドがつまみ情報と関連付けて記憶されている場合、上記通知に含まれるユーザ情報などを用いて認証が行なわれ、認証成功の場合に上記コマンドが携帯端末300に送信されてもよい。
【0098】
携帯端末300でMFP100からのコマンドを受信すると(ステップS505でYES)、ステップS507でCPU30は、当該コマンドに従ってアドレス帳アプリケーションを起動する。なお、MFP100からのコマンドで指示されるアプリケーションが携帯端末300に搭載されていない場合、好ましくは、CPU30はその旨を当該コマンドの発行元であるMFP100に対して通知する。
【0099】
アドレス帳アプリケーションが起動し、その中からアドレスの選択を受付け、そのアドレス情報が表示された位置にてつまむ操作があったことが検出されると(ステップS509でYES)、ステップS511でCPU30は、つまむ操作の対象であるアドレス情報を送信対象のアドレス情報と特定して、一時的に記憶する。
【0100】
以上の動作はログアウト操作が検出されるまで繰り返される(ステップS513でNO)。そのため、ログアウト操作が検出されるまで複数回上記動作が行なわれることによって、複数のアドレス情報が送信対象のアドレス情報として特定されてもよい。また、つまむ操作がフォルダに対してなされることや、複数のアドレス情報に対してなされることに対応して、一度のつまむ操作によって複数のアドレス情報が送信対象のアドレス情報として特定されてもよい。
【0101】
そして、ログアウト操作が検出されると(ステップS513でYES)、ステップS515でCPU30はログアウト処理を実行し、一連の動作を終了する。
【0102】
図17は、MFP100での、離す操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。図17のフローチャートに表わされた動作もまた、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することによって実現される。
【0103】
図17を参照して、ステップS601でCPU10はログイン操作を受付けることでログイン処理を実行する。その後、操作パネル15で離す操作があったことを検出すると(ステップS603でYES)、ステップS605でCPU10は、上記ステップS405で一時的に記憶されていたアプリケーションの処理の状態を読み出し、その状態から当該アプリケーションの処理を再開させる。すなわち、ステップS605でメール送信画面が操作パネル15に表示され、アドレス入力からメール送信のための処理が再開される。そして、ステップS607でCPU10は、予め登録されている携帯端末300のアドレス情報を用い、携帯端末300に対してアドレス情報の送信要求を出力する。
【0104】
このとき、アプリケーションの処理の状態を示す情報につまみ情報が関連付けられて記憶されている場合、つまみ情報と上記ステップS601でのログイン情報とに基づいて認証処理を行ない、認証成功の場合にアプリケーションの処理を再開するようにしてもよい。
【0105】
上記要求に応じて携帯端末300からアドレス情報が送信されると(ステップS609でYES)、ステップS611でCPU10は、アドレス入力欄に受信したアドレス情報に基づくアドレスを入力し、操作パネル15のメール送信画面に表示させる。ステップS613でCPU10は、上記一時的に記憶されたアプリケーションの処理の状態を表わす情報を削除する。
【0106】
その後、当該アプリケーションに対する操作に応じた処理が実行され、一連の動作が終了する。
【0107】
<実施の形態の効果>
以上の動作が第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて実行されることで、MFP100において、携帯端末300に記憶されているアドレスに宛ててメール送信を行なう際に、MFP100での携帯端末300からのアドレス情報の取得を、直感的で連続的な操作で実行させることができる。
【0108】
なお、以上の例では、メール送信のためのアプリケーションを例として説明しているが、たとえばファクシミリ送信のためのアプリケーション等、他の装置に記憶されている情報を用いて処理が行なわれるアプリケーションであれば、どのようなアプリケーションであってもよい。
【0109】
さらに、以上の例では、一例として、携帯端末300からMFP100に対してデータが転送され、MFP100において用いられるものとしているが、上述の説明においてMFP100と携帯端末300とを逆にすることで、MFP100から携帯端末300に対して同様にしてデータが転送され、携帯端末300においてそのデータがアプリケーションで用いられる。すなわち、携帯端末300の操作パネル34に表示されたメール送信画面のアドレス入力欄でのつまむ操作によってアドレスの要求がMFP100に対してなされ、MFP100での離す操作でアドレス帳アプリケーションが起動してその一覧表示上でのつまむ操作によって転送されるアドレス情報が特定され、携帯端末300での離す操作によってMFP100に対してアドレス情報が要求されて、携帯端末300でのメール送信に用いられる。つまり、この場合も、直感的かつ連続的な操作によって他の装置のデータを用いてアプリケーションを実行することができる。
【0110】
さらに、MFP100にデータ転送する装置は携帯端末300に限定されず、MFP100以外の他のMFPであってもよい。すなわち、2台のMFPの間で、一方のMFPから他のMFPに対してデータが転送され、当該他のMFPにおいて、転送されたデータを用いてアプリケーションの実行が再開されてもよい。その場合、上記他のMFP100は、図14に示された機能を有する。
【0111】
[変形例]
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、MFP100と携帯端末300との間、または異なる2台のMFPの間でデータを転送する例について説明している。
【0112】
しかしながら、データの転送は異なる装置間に限定されず、同一の装置内で行なわれてもよい。
【0113】
図18は、本実施の形態にかかるデータ転送の変形例を説明する図である。変形例にかかるMFP100は、データ転送を行なうための機能として、図14に示された機能を含む。
【0114】
図18を参照して、MFP100では、アプリケーションが実行されており、該アプリケーションに応じた画面が操作パネル15に表示されている状態で操作パネル15においてつまむ操作があったことが検出されると(図18(A))、CPU10は、つまむ操作が検出された際の表示画面の状態を含むアプリケーションの処理の状態を示す情報を一時的に記憶する。
【0115】
このとき、CPU10は、つまむ操作があったときの情報としてたとえばログインユーザを特定する情報などをつまみ情報をして特定し、上記アプリケーションの処理の状態を示す情報と関連付けて保存してもよい。
【0116】
その後、たとえば異なるアプリケーションを実行していてその表示画面が表示されている状態であっても、操作パネル15において離す操作があったことが検出されると(図18(B))、CPU10は、先のつまむ操作に応じて記憶したアプリケーションの処理の状態を表わす情報を読み出し、その状態から当該アプリケーションの処理を再開する(図18(C))。
【0117】
このときCPU10は、上記アプリケーションの処理の状態を示す情報につまみ情報が関連付けられている場合、離す操作があったときのログインユーザに対して認証処理を行ない、認証成功の場合に、アプリケーションの処理を再開するようにしてもよい。
【0118】
このようにすることで、たとえばあるユーザがMFP100を操作している際に一時的にMFP100を離れる事態が生じた場合に、直感的で容易な操作によってそのときのアプリケーションの処理の状態を保存しておき、その後に、その状態からアプリケーションの処理を再開することが可能となる。
【0119】
さらに、上述のMFP100での動作および携帯端末300での動作を行なわせるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0120】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0121】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0122】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0123】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
10,30 CPU、11,31 ROM、12,32 RAM、13 スキャナ、14 プリンタ、15,34 操作パネル、16,33 メモリ、17,36 ネットワークコントローラ、35 通信コントローラ、100 MFP、101,301 入力部、102,302 検出部、103 処理部、104 管理部、105 生成部、106,304 出力部、107,305 要求部、108 受信部、300,300A,300B 携帯端末、303 特定部、306 ドキュメント入力部。
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、端末装置、画像形成システム、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネル上でのユーザの「つまむ」操作および「離す」操作により処理が実行される画像形成装置、端末装置、画像形成システム、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに、コピー機やプリンタやその複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置と、例えば携帯情報端末などの他の装置とが接続されている場合、これら装置間でネットワークを介してデータを送受信するという使い方が想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−276957号公報
【特許文献2】特開2007−304669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、このような画像形成装置と他の装置との間でネットワークを介してデータを転送する際には、送信側の装置において送信するデータを選択し、次に、送信先である受信側の装置を該ネットワークを参照して選択する、という操作が必要であり、ユーザにとって操作が複雑であったり、送信先のアドレスなどを認識する必要があったり、煩雑であるという問題があった。
【0005】
たとえば、特開2009−276957号公報(特許文献1)には、ログイン画面に対して予め登録されたログイン情報を代行入力して自動ログインを実行するシステムであって、ログイン画面に対してログイン情報を登録するためのアイコンをドラッグアンドドロップ操作することによってログイン画面の画面情報を取得し、その情報と入力情報とをログイン情報として登録するシステムを開示している。また、たとえば、特開2007−304669号公報(特許文献2)は、ファイルをドラッグアンドドロップ操作で機能設定領域に移動させることで、その領域に対して設定された処理が当該ファイルに対して自動的に実行される制御技術を開示している。
【0006】
そこで、これら文献に開示されたようなドラッグアンドドロップ操作をデータの転送に採用することが考えられる。
【0007】
しかしながら、ドラッグアンドドロップ操作では、予め移動先を表わした領域を表示させておく必要があり、そのための操作が不慣れなユーザにとっては複雑である場合があるという問題がある。また、画像形成装置に備えられる表示面積の狭い表示部では、移動先を表わした領域を表示させることで表示画面が複雑になり、操作が複雑になる場合があるという問題もある。そして、その結果、連続的かつ直感的な操作でデータの転送が行なわれなくなる、という問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、連続的かつ直感的な操作でネットワークで接続された装置間でデータの転送が可能な画像形成装置、制御装置、画像形成システム、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、タッチパネルと、タッチパネルに接続された制御手段とを備える。制御手段は、アプリケーションを実行し、アプリケーションの実行に応じた画面をタッチパネルに表示するための処理手段と、タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、記憶手段で記憶されたアプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段とを含み、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、読出手段で読み出された情報で示された状態からアプリケーションの処理を再開する。
【0010】
好ましくは、画像形成装置は他の装置と通信するための通信手段をさらに備える。制御手段は、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって第1の操作が検出されると、予め記憶している他の装置に対して、アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、検出手段によって第2の操作が検出されると、他の装置に対して情報を要求するための要求手段と、他の装置から送信される情報を取得するための取得手段とをさらに含む。処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、取得手段で他の装置から取得した情報を用いてアプリケーションの処理を再開する。
【0011】
より好ましくは、出力手段は、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態に応じたコマンドを出力する。
【0012】
より好ましくは、出力手段は、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの実行に応じた画面において、第1の操作が行なわれた位置に応じた情報を、第1の操作の検出時におけるアプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行させて要求するためのコマンドを出力し、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、取得手段で他の装置から取得した情報を第1の操作が行なわれた位置に対応したアプリケーション上の位置に入力して、アプリケーションの処理を再開する。
【0013】
好ましくは、制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、記憶手段は、アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶し、取得手段で他の装置から送信される情報はユーザに関連付けられる。そして、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、アプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザが他の装置から取得した情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、取得手段で他の装置から取得した情報を用いてアプリケーションの処理を再開する。
【0014】
好ましくは、制御手段は、他の装置からコマンドの入力を受付けるための入力手段と、処理手段において、コマンドで指定されたアプリケーションの実行中において、検出手段によって第2の操作が検出されると、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲に表示された情報を他の装置に送信する情報と特定し、他の装置に対して送信するための送信手段とをさらに含む。
【0015】
好ましくは、制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、記憶手段は、アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶する。そして、処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、第2の操作時のログインユーザがアプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、アプリケーションの処理を再開する。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、端末装置は、タッチパネルと、タッチパネルに接続された制御手段と、画像形成装置と通信するための通信手段とを備える。制御手段は、アプリケーションを実行し、アプリケーションの実行に応じた画面をタッチパネルに表示するための処理手段と、タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲にアプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するための特定手段と、転送対象の情報を画像形成装置に対して出力するための出力手段とを含む。
【0017】
好ましくは、制御手段は、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している画像形成装置にアクセスして画像形成装置から、少なくとも実行するアプリケーションを特定したコマンドを取得するための取得手段をさらに含み、処理手段は、コマンドに従ってアプリケーションを実行する。
【0018】
好ましくは、制御手段は、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している画像形成装置にアクセスして画像形成装置に対して転送対象の情報を要求するための要求手段をさらに含む。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成システムは画像形成装置と端末装置とを備えた画像形成システムであって、画像形成装置および端末装置は、各々、タッチパネルおよびタッチパネルに接続された制御手段を含む。画像形成装置と端末装置とのうちの第1の装置の制御手段は、アプリケーションを実行し、アプリケーションの実行に応じた画面をタッチパネルに表示するための処理手段と、タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、処理手段でアプリケーションの実行中において、検出手段によって第1の操作が検出されると、画像形成装置と端末装置とのうちの第2の装置に対して、アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、検出手段によって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、記憶手段で記憶されたアプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段と、検出手段によって第2の操作が検出されると、第2の装置に対して情報を要求するための要求手段と、第2の装置から送信される情報を取得するための取得手段とを含む。処理手段は、検出手段によって第2の操作が検出されると、取得手段で他の装置から取得した情報を用いて、読出手段で読み出された情報で示された状態からアプリケーションの処理を再開する。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する画像形成装置にアプリケーションを実行させるための制御プログラムであって、アプリケーションの実行中において、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、アプリケーションの実行中において第1の操作が検出されると、第1の操作の検出時におけるアプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶し、他の装置に対して、アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するステップと、第1の操作の検出よりも後に、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、第1の操作の検出よりも後に第2の操作が検出されると、他の装置に対して情報を要求するステップと、要求に応じて他の装置から送信される情報を取得するステップと、他の装置から取得した情報を用いて、アプリケーションの処理を記憶された状態から再開するステップとを画像形成装置に実行させる。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する端末装置に、当該端末装置に記憶される情報を画像形成装置に転送する処理を実行させるための制御プログラムであって、タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、第1の操作の検出を画像形成装置に通知することで、画像形成装置からコマンドを取得するステップと、コマンドで特定されるアプリケーションを実行するステップと、アプリケーションの実行中において、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、第2の操作が検出されると、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲にアプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するステップと、画像形成装置からの要求に応じて、転送対象の情報を画像形成装置に対して出力するステップとを端末装置に実行させる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によると、連続的かつ直感的な操作で、画像形成装置から、または画像形成装置に対するデータの転送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像形成システムに含まれるMFP(Multi Function Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像形成システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。
【図5】「つまむ」操作を説明するための図である。
【図6】「離す」操作を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【図9】送信側の携帯端末における動作を表わしたフローチャートである。
【図10】受信側の携帯端末における動作を表わしたフローチャートである。
【図11】MFPにおける動作を表わしたフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【図14】第2の実施の形態にかかるMFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図15】MFPでの、つまむ操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。
【図16】携帯端末における動作を表わしたフローチャートである。
【図17】MFPでの、離す操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。
【図18】本実施の形態にかかるデータ転送の変形例を説明する図である。
【図19】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図20】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図21】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図22】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図23】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0025】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【0026】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一例としてのMFP100と、端末装置としての複数の携帯端末300A,300Bとを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。上記複数の携帯端末300A,300Bを代表させて携帯端末300と称する。
【0027】
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100が有線LANに接続され、携帯端末300が該有線LANに対して無線LANで接続されている例が挙げられる。
【0028】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0029】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読取って画像データを得るためのスキャナ13と、画像データを印刷用紙上に固定するためのプリンタ14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データをファイルとして保存するためのメモリ16と、上記ネットワークを介した通信の制御するためのネットワークコントローラ17とを含む。
【0030】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0031】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0032】
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためメモリ33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラ35と、上記ネットワークを介した通信の制御するためネットワークコントローラ36とを含む。
【0033】
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0034】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0035】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
図4は、第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。第1の実施の形態にかかる画像形成システムでは、移動対象とするデータ(一例としてドキュメント)を携帯端末300Aから携帯端末300Bに移動させるための動作が行なわれる。
【0036】
詳しくは図4を参照して、携帯端末300Aの操作パネル34に、記憶されているドキュメントを表わすアイコンが表示されている状態において、1つ以上のアイコンに対して「つまむ」操作があったことが検出されると、当該アイコンで表わされるドキュメントが移動対象のドキュメントと特定され、MFP100に対して送信される。
【0037】
携帯端末300BからMFP100に対して当該ドキュメントの移動要求がなされると、当該ドキュメントがMFP100から携帯端末300Bに対して出力される。
【0038】
これによって、携帯端末300Aに記憶されていたドキュメントがMFP100を経て携帯端末300Bに移動することになる。
【0039】
図5は、「つまむ」操作を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル15上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P1’、P2’で2本の指を操作パネル15から離す操作を指す。
【0040】
CPU10は、操作パネル15上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P1’、P2’で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
【0041】
図6は、「離す」操作を説明するための図である。図6を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル34上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q1’、Q2’で2本の指を操作パネル34から離す操作を指す。
【0042】
CPU30は、操作パネル34上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q1’、Q2’で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
【0043】
<機能構成>
図7は、第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて動作概要に説明されたような動作を実現するための、携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0044】
図7を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作および離す操作を検出するための検出部302と、操作信号で表わされた指定された位置に基づいてつまむ操作で指定されたアイコンを特定するための特定部303と、予め出力先としてMFP100のアクセス情報を記憶しておき、該アクセス情報を用いてメモリ33に記憶されるドキュメントのうちの特定されたドキュメントをネットワークコントローラ36を介してMFP100に対して出力するための出力部304と、予め要求先としてMFP100のアクセス情報を記憶しておき、離す操作の検出に応じて、該アクセス情報を用いてネットワークコントローラ36を介してMFP100に対してドキュメントの移動要求を出力するための要求部305と、ネットワークコントローラ36を介してMFP100からドキュメントの入力を受付けるためのドキュメント入力部306とを含む。
【0045】
特定部303は、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P1’、P2’)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
【0046】
特定部303での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図19〜図23は、特定部303での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0047】
一例として特定部303は、図19に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図20に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは移動対象とするドキュメントを表わしたアイコンを挟むように2本の指を操作パネル34にタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、意図するドキュメントを指定することができる。そのため、直感的に移動対象とするドキュメントを指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0048】
他の例として特定部303は、図21に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図22に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは移動対象とするドキュメントを表わしたアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネル34にタッチさせた後に近づけることで、意図するドキュメントを指定することができる。そのため、直感的に移動対象とするドキュメントを指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0049】
他の例として特定部303は、図23に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは移動対象とするドキュメントを表わしたアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、意図するドキュメントを指定することができる。そのため、直感的に移動対象とするドキュメントを指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0050】
<動作フロー>
図8は、第1の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【0051】
図8を参照して、ステップS11で携帯端末Aとして表わされた携帯端末300Aにおいてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。そして、ステップS13でつまむ操作が検出されると、ステップS15で携帯端末300Aにおいてつまむ操作によって指定されたドキュメントが特定される。さらに、当該つまむ操作に関連する情報として、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、つまむ操作が検出されたときのログインユーザを特定する情報、および特定されたドキュメントが当該つまむ操作によって指定された順を特定する情報、などが特定される。これらのつまむ操作に関連する情報を、以降の説明において「つまみ情報」とも称する。
【0052】
携帯端末300Aには、予め出力先としてMFP100が記憶されており、ステップS17で、上記ステップS16で特定された移動対象のドキュメントおよびつまみ情報がMFP100に対して送信される。
【0053】
この情報を受信したMFP100は、ステップS21で送信されたドキュメントを移動対象のドキュメントとして一時的に記憶する。この「一時的」な期間はたとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過しても後述する移動要求が他の装置からなかった場合には、移動対象を解除するようにしてもよい。さらに、上記一時的な期間内に移動要求がなかった場合には、MFP100は、移動対象の解除に替えて、または解除に加えて、移動が完了しなかった旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージを移動対象のドキュメントに関連付けられたユーザに対応して記憶されている携帯端末300Aまたは携帯端末300Bに対して送信してもよい。
【0054】
移動対象を解除する他の例として、上記一時的な期間内に移動要求がなかった場合に替えて、または移動要求がなかった場合に加えて、移動対象として指定されたドキュメントのアイコンが表示されていたフォルダに対する再度のつまむ操作が検出されたとの携帯端末300Aからの通知を受信することで、MFP100は、当該ファイルを削除して、移動対象を解除するようにしてもよい。
【0055】
ステップS31で携帯端末Bとして表わされた携帯端末300Bにおいてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。携帯端末300Bには、予め要求先としてMFP100が記憶されており、ステップS33で離す操作が検出されると、ステップS35で携帯端末300BからMFP100に対してドキュメントの移動要求がなされる。
【0056】
この要求を受信したMFP100は、ステップS23で認証処理を行なって、その結果が成功である場合には、上記ステップS21で移動対象のドキュメントとして一時的に保存したドキュメントを、携帯端末300Bに対して出力する。
【0057】
上記ステップS23では、ドキュメントと共に携帯端末300Aから送信されたつまみ情報に含まれるユーザ情報と、上記ステップS35でのドキュメントの移動要求に含まれるユーザ情報とが一致することで認証成功としてもよいし、予め携帯端末300Aと携帯端末300Bとの対応を記憶しておき、携帯端末300Bからの移動要求であることで認証成功としてもよい。または、つまみ情報にパスワードが含まれ、上記ステップS35でのドキュメントの移動要求に含まれるパスワードが一致することで認証成功としてもよい。
【0058】
以降、各装置における動作を説明する。
図9は、携帯端末300Aにおける動作を表わしたフローチャートである。図9のフローチャートに示された動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することによって実現される。
【0059】
図9を参照して、ステップS101でCPU30はログイン操作を受付けることでログイン処理を実行する。その後、CPU30は操作パネル34の、記憶されているドキュメントを示すアイコンが表示された画面上でのつまむ操作があったことが検出されると(ステップS103でYES)、ステップS105でCPU30はその操作で指定されたドキュメントを特定し、さらに、上述のつまみ情報を特定する。ステップS107でCPU30は、特定されたドキュメントをつまみ情報と関連付けて、予め出力先として記憶されているMFP100に対して送信する。
【0060】
以上の動作はログアウト操作が検出されるまで繰り返される(ステップS109でNO)。そのため、ログアウト操作が検出されるまで複数回上記動作が行なわれることによって、複数のドキュメントが移動対象のドキュメントとして特定されてもよい。また、つまむ操作がフォルダに対してなされることや、複数のドキュメントに対してなされることに対応して、一度のつまむ操作によって複数のドキュメントが移動対象のドキュメントとして特定されてもよい。
【0061】
そして、ログアウト操作が検出されると(ステップS109でYES)、ステップS111でCPU30はログアウト処理を実行し、一連の、移動対象のドキュメントを特定する処理を終了する。
【0062】
図10は、携帯端末300Bにおける動作を表わしたフローチャートである。図10のフローチャートに示された動作もまた、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することによって実現される。
【0063】
図10を参照して、CPU30は操作パネル34上での離す操作があったことが検出されると(ステップS203でYES)、ステップS203、予め要求先として記憶されているMFP100に対して移動要求を出力する。この移動要求は、予めMFP100との間で取り決めているデータであってよい。
【0064】
CPU30は、当該要求に応じてMFP100からドキュメントが送信されてくると、ステップS205でそのドキュメントを受信し、一連の、移動対象のドキュメントを取得する処理を終了する。
【0065】
図11は、MFP100における動作を表わしたフローチャートである。図11のフローチャートに示された動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することによって実現される。
【0066】
図11を参照して、MFP300Aからドキュメントを受信すると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU10は、当該ドキュメントを、併せて受信したつまみ情報と関連付けて予め規定されている保存領域に保存する。その後、ドキュメントの移動要求を受信すると(ステップS305でYES)、CPU10は、上記保存領域に保存されているドキュメントごとに認証を行なう。そして、その結果、認証が成功した場合(ステップS307でYES)、ステップS309でCPU10は、認証の成功した移動対象のドキュメントをMFP300Bに対して出力する。
【0067】
以上の動作は上記保存領域に保存されているドキュメントごとに繰り返される(ステップS311でNO)。つまり、上記保存領域に複数のドキュメントが保存されている場合には、それぞれのドキュメントに対して認証処理が行なわれ、成功したドキュメントが携帯端末300Bに対して出力される。そのため、複数のドキュメントが移動対象として携帯端末300Aから送信された場合には、当該複数のドキュメントが携帯端末300Bからの移動要求に応じて携帯端末300Bに対して出力されることになる。
【0068】
<実施の形態の効果>
以上の動作が第1の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて実行されることで、ドキュメントの移動元である携帯端末300Aではつまむ操作を行ない、移動先である携帯端末300Bでは離す操作を行なうといった連続的かつ直感的な動作で、対象のドキュメントが携帯端末300Aから携帯端末300Bに移動することになる。
【0069】
このため、ユーザは、ドキュメントを指定する際に移動先を指定する操作を行なう必要がなく、また、移動を要求する際に移動元を指定する操作を行なう必要がなく、直感的で連続的な動作で容易にドキュメントの移動させることができる。
【0070】
<変形例>
なお、以上の説明では、ドキュメントが携帯端末300Aから携帯端末300Bに、MFP100を経て移動するものとしている。つまり、MFP100がサーバとして機能するものとしている。しかしながら、当該サーバの機能は一方の携帯端末300に含まれるものであってもよい。すなわち、携帯端末300Aにサーバ機能が含まれる場合、携帯端末300Aで、特定されたドキュメントが予め規定された保存領域に移動対象として一時的に保存され、携帯端末300Bからの移動要求が直接携帯端末300Aに送信されることで、当該ドキュメントが携帯端末300Aから携帯端末300Bに直接送信されてもよい。または、携帯端末300Bにサーバ機能が含まれる場合、携帯端末300Aで特定されたドキュメントが携帯端末300Bに直接送信されて予め規定された保存領域に移動対象として一時的に保存され、携帯端末300Bでの離す操作が検出されると当該保存領域から処理対象のドキュメントとして取り出されてもよい。
【0071】
[第2の実施の形態]
<動作概要>
図12は、第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおける動作概要を説明するための図である。第2の実施の形態にかかる画像形成システムでは、MFP100でメール送信する際に、携帯端末300に記憶されているアドレス情報を携帯端末300からMFP100に送信して、MFP1009でのメール送信に用いるための動作が行なわれる。
【0072】
詳しくは図12を参照して、MFP100のメール送信画面においてアドレス入力欄でのつまむ操作が検出され、その後に携帯端末300での離す操作が検出されると、携帯端末300では自動的にアドレス帳アプリケーションが起動する。そして、アドレス一覧画面に表示される1つ以上のアドレス情報に対してつまむ操作があったことが検出されると、当該アドレス情報で表わされるアドレス情報が送信対象のアドレス情報と特定され、MFP100に対して送信される。
【0073】
その後、MFP100のメール送信画面において離す操作があったことが検出されると、アドレス入力欄に受信したアドレス情報に基づくアドレスが自動的に入力される。
【0074】
図13は、第2の実施の形態にかかる画像形成システムでの動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【0075】
図13を参照して、ステップS41でMFP100においてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。そして、ステップS42で、ユーザ操作に従ってメール送信のためのアプリケーションが起動し、メール送信画面が表示される。ステップS43で当該画面のアドレス入力欄においてつまむ操作が検出されると、ステップS44で、当該つまむ操作に関連する情報として、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、およびつまむ操作が検出されたときのログインユーザを特定する情報、などが特定される。これらのつまむ操作に関連する情報もまた、以降の説明において「つまみ情報」とも称する。さらにステップS44では、携帯端末300に対してアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドが生成される。このコマンドは、予めMFP100と携帯端末300との間で取り決められたコマンドであってよい。そして、生成されたコマンドはつまみ情報と関連付けられて記憶される。
【0076】
一方、ステップS51で携帯端末300においてログイン処理がなされ、ユーザ認証が行なわれる。携帯端末300には、予め通知先としてMFP100が記憶されており、ステップS52で離す操作が検出されると、ステップS35で携帯端末300は、当該操作が検出されたことをMFP100に対して通知する。
【0077】
MFP100は、上記通知を受けて、ステップS44で生成したコマンドを携帯端末300に対して送信する。このとき、認証を行なうことなく上記通知の送信元である携帯端末300に対してコマンドを送信してもよいし、上記通知に含まれるログインユーザを特定する情報とコマンドに関連付けられたつまみ情報に含まれるユーザ情報とを用いて認証処理を行ない、その結果が認証成功だった場合に、予め送信先として記憶されている携帯端末300に対して当該コマンドを送信してもよい。
【0078】
上記コマンドを受信した携帯端末300は、ステップS54で当該コマンドに従ってアドレス帳アプリケーションを起動する。ステップS55でアドレス帳アプリケーションによって表示されたアドレス情報(たとえばアドレスを表わすアイコン等)に対してつまむ操作があったことが検出されると、ステップS56で携帯端末300は、つまむ操作の対照となったアドレス情報を送信対象のアドレス情報として記憶する。
【0079】
MFP100には、予め要求先として携帯端末300が記憶されており、ステップS46でMFP100に表示されたメール送信画面において離す操作があったことが検出されると、ステップS47でMFP100から携帯端末300に対してアドレス情報の送信要求が送信される。または、ステップS47の要求は、上記ステップS45でのコマンドの送信先である携帯端末300に対してなされるようにしてもよい。
【0080】
上記要求を受信した携帯端末300は、ステップS57で、上記ステップS56で保存したアドレス情報をMFP100に対して送信する。ステップS57では、アドレス要求に含まれるユーザ情報およびログイン情報などを用いて認証処理を行なって、その結果が成功である場合にアドレス情報をMFP100に対して送信するようにしてもよい。
【0081】
アドレス情報を受信したMFP100は、ステップS48で、表示されているメール送信画面のアドレス入力欄に受信したアドレス情報に含まれるアドレスを入力した状態で表示させる。
【0082】
<機能構成>
図14は、第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて動作概要に説明されたような動作を実現するための、MFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図14に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0083】
図14を参照して、上記動作を実現するための機能としてMFP100は、操作パネル15での指示を示す操作信号の入力を受付けるための入力部101と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作および離す操作を検出するための検出部102と、メール送信画面のアドレス入力欄に対するつまむ操作に応じて携帯端末300にアドレス帳アプリケーションを起動させるコマンドを生成するための生成部105と、生成したコマンドをネットワークコントローラ17を介して携帯端末300に対して出力するための出力部106と、予め要求先として携帯端末300のアクセス情報を記憶しておき、メール送信画面に対する離す操作に応じて、該アクセス情報を用いてネットワークコントローラ17を介して携帯端末300に対してアドレス情報の送信要求を出力するための要求部107と、ネットワークコントローラ17を介して携帯端末300からアドレス情報の入力を受付けるための受信部108と、メール送信のための処理を実行し、さらに、受信したアドレス情報に基づくアドレスをアドレス入力欄に入力してメール送信画面を表示するための処理部103と、管理部104とを含む。
【0084】
処理部103は、MFP100におけるアプリケーションの処理を行なうための機能である。検出部102においてつまむ操作があったことが検出されると、管理部104は処理部103で実行されているアプリケーションの処理の状態や表示されている画面の情報を一時的に記憶する。この「一時的」な期間は、第1の実施の形態と同様に、たとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過しても離す操作が検出されなかった場合には、記憶されたアプリケーションの処理の状態を削除するようにしてもよい。さらに、上記一時的な期間内に離す操作が検出されなかった場合には、管理部104は、記憶された情報の削除に替えて、または削除に加えて、後述するアドレスの取得が行なわれなかった旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージをログインユーザに対応して記憶されている携帯端末300に対して送信してもよい。
【0085】
また、検出部102においてつまむ操作があったことが検出されると、生成部105は、つまむ操作があったときに実行されているアプリケーションに対応したアプリケーションを携帯端末300に起動させるためのコマンドを生成する。この例では、つまむ操作があったときにメール送信のためのアプリケーションが実行されており、つまむ操作がアドレス入力欄に対してなされているため、アドレス帳アプリケーションを携帯端末300に起動させるためのコマンドが生成される。他の例として、たとえばファクシミリ送信のためのアプリケーションが実行されており、つまむ操作がファクシミリ番号入力欄に対してなされた場合には、電話帳アプリケーションを携帯端末300に起動させるためのコマンドが生成されてもよい。すなわち、生成部105は、予めつまむ操作があったときに実行されているアプリケーションおよびつまむ操作がなされた位置と携帯端末300で起動させるアプリケーションとの対応を記憶しておき、つまむ操作に応じて起動させるアプリケーションを特定し、そのためのコマンドを生成する。
【0086】
さらに、生成部105は、つまむ操作の対象とされた位置における処理の状態を考慮してコマンドを生成してもよい。具体例として、アドレス入力欄が空欄の状態でつまむ操作が検出された場合には通常のアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドを生成し、アドレス入力欄に文字列が入力された状態でつまむ操作が検出された場合には、通常のアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドに加えて、当該文字列を検索キーとして対応したアドレス情報を自動で検索させるためのコマンドを生成してもよい。
【0087】
検出部102において離す操作があったことが検出されると、管理部104は、一時的に記憶されたアプリケーションの処理の状態を読み出し、その情報を処理部103に渡すことで、その状態から当該アプリケーションの処理、画面表示を再開させる。また、要求部107は、再開されたアプリケーションに応じた情報の送信要求を携帯端末300に対して出力する。この例では、離す操作があったことに応じてメール送信のためのアプリケーションの実行がアドレス入力の途中から再開されるため、アドレス情報の送信要求を携帯端末300に対して出力する。他の例として、たとえばファクシミリ送信のためのアプリケーションの実行がファクシミリ番号入力の途中から再開される場合には、電話帳情報の送信要求を携帯端末300に対して出力してもよい。すなわち、要求部107は、予め離す操作がなされることで再開されたアプリケーションおよび再開された処理の状態と携帯端末300でに対して送信を要求する情報と対応を記憶しておき、離す操作で処理が再開されたアプリケーションに応じて要求する情報を特定し、そのための送信要求を出力する。
【0088】
携帯端末300の機能構成は、図7に表わされた構成と概ね同様とすることができるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0089】
<動作フロー>
図15は、MFP100での、つまむ操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。図15のフローチャートに表わされた動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することによって実現される。
【0090】
図15を参照して、ステップS401でCPU10はログイン操作を受付けることでログイン処理を実行する。その後、CPU10は、メール送信のためのアプリケーションが実行されており、操作パネル15に表示されたメール送信画面のアドレス入力欄に対してつまむ操作があったことが検出されると(ステップS403でYES)、ステップS405でCPU10はその操作が検出された際のアプリケーションの処理の状態を示す情報を保存する。
【0091】
このとき、CPU10は、つまむ操作があったときの情報としてたとえばログインユーザを特定する情報などをつまみ情報をして特定し、上記アプリケーションの処理の状態を示す情報と関連付けて保存してもよい。
【0092】
つまむ操作の対象であるアドレス入力欄が空欄である場合(ステップS407で「空欄」)、ステップS409でCPU10は、携帯端末300にアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドを生成する。アドレス入力欄に文字列が入力されていた場合(ステップS407で「一部入力」)、ステップS411でCPU10は、携帯端末300にアドレス帳アプリケーションを起動させるためのコマンドに加えて、その文字列を検索キーとしてアドレス情報の検索を実行させるためのコマンドを生成する。生成されたコマンドは、一時的に記憶される。このとき、CPU10は、コマンドを上記つまみ情報と関連付けて記憶してもよい。
【0093】
以上の動作はログアウト操作が検出されるまで繰り返される(ステップS413でNO)。そのため、ログアウト操作が検出されるまで複数回上記動作が行なわれることによって、複数のアドレス情報が携帯端末300に対して要求されてもよい。
【0094】
そして、ログアウト操作が検出されると(ステップS413でYES)、ステップS415でCPU10はログアウト処理を実行し、一連の動作を終了する。
【0095】
図16は、携帯端末300における動作を表わしたフローチャートである。図16のフローチャートに示された動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することによって実現される。
【0096】
図16を参照して、CPU30は操作パネル34で離す操作があったことを検出すると(ステップS501でYES)、ステップS503でCPU30は、予め記憶されているMFP100のアクセス情報を用いてMFP100にアクセスし、離す操作があったことを通知する。
【0097】
このとき、MFP100は、上記通知に応じて、記憶していたコマンドを携帯端末300に対して送信する。MFP100においてコマンドがつまみ情報と関連付けて記憶されている場合、上記通知に含まれるユーザ情報などを用いて認証が行なわれ、認証成功の場合に上記コマンドが携帯端末300に送信されてもよい。
【0098】
携帯端末300でMFP100からのコマンドを受信すると(ステップS505でYES)、ステップS507でCPU30は、当該コマンドに従ってアドレス帳アプリケーションを起動する。なお、MFP100からのコマンドで指示されるアプリケーションが携帯端末300に搭載されていない場合、好ましくは、CPU30はその旨を当該コマンドの発行元であるMFP100に対して通知する。
【0099】
アドレス帳アプリケーションが起動し、その中からアドレスの選択を受付け、そのアドレス情報が表示された位置にてつまむ操作があったことが検出されると(ステップS509でYES)、ステップS511でCPU30は、つまむ操作の対象であるアドレス情報を送信対象のアドレス情報と特定して、一時的に記憶する。
【0100】
以上の動作はログアウト操作が検出されるまで繰り返される(ステップS513でNO)。そのため、ログアウト操作が検出されるまで複数回上記動作が行なわれることによって、複数のアドレス情報が送信対象のアドレス情報として特定されてもよい。また、つまむ操作がフォルダに対してなされることや、複数のアドレス情報に対してなされることに対応して、一度のつまむ操作によって複数のアドレス情報が送信対象のアドレス情報として特定されてもよい。
【0101】
そして、ログアウト操作が検出されると(ステップS513でYES)、ステップS515でCPU30はログアウト処理を実行し、一連の動作を終了する。
【0102】
図17は、MFP100での、離す操作に応じた動作を表わしたフローチャートである。図17のフローチャートに表わされた動作もまた、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することによって実現される。
【0103】
図17を参照して、ステップS601でCPU10はログイン操作を受付けることでログイン処理を実行する。その後、操作パネル15で離す操作があったことを検出すると(ステップS603でYES)、ステップS605でCPU10は、上記ステップS405で一時的に記憶されていたアプリケーションの処理の状態を読み出し、その状態から当該アプリケーションの処理を再開させる。すなわち、ステップS605でメール送信画面が操作パネル15に表示され、アドレス入力からメール送信のための処理が再開される。そして、ステップS607でCPU10は、予め登録されている携帯端末300のアドレス情報を用い、携帯端末300に対してアドレス情報の送信要求を出力する。
【0104】
このとき、アプリケーションの処理の状態を示す情報につまみ情報が関連付けられて記憶されている場合、つまみ情報と上記ステップS601でのログイン情報とに基づいて認証処理を行ない、認証成功の場合にアプリケーションの処理を再開するようにしてもよい。
【0105】
上記要求に応じて携帯端末300からアドレス情報が送信されると(ステップS609でYES)、ステップS611でCPU10は、アドレス入力欄に受信したアドレス情報に基づくアドレスを入力し、操作パネル15のメール送信画面に表示させる。ステップS613でCPU10は、上記一時的に記憶されたアプリケーションの処理の状態を表わす情報を削除する。
【0106】
その後、当該アプリケーションに対する操作に応じた処理が実行され、一連の動作が終了する。
【0107】
<実施の形態の効果>
以上の動作が第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて実行されることで、MFP100において、携帯端末300に記憶されているアドレスに宛ててメール送信を行なう際に、MFP100での携帯端末300からのアドレス情報の取得を、直感的で連続的な操作で実行させることができる。
【0108】
なお、以上の例では、メール送信のためのアプリケーションを例として説明しているが、たとえばファクシミリ送信のためのアプリケーション等、他の装置に記憶されている情報を用いて処理が行なわれるアプリケーションであれば、どのようなアプリケーションであってもよい。
【0109】
さらに、以上の例では、一例として、携帯端末300からMFP100に対してデータが転送され、MFP100において用いられるものとしているが、上述の説明においてMFP100と携帯端末300とを逆にすることで、MFP100から携帯端末300に対して同様にしてデータが転送され、携帯端末300においてそのデータがアプリケーションで用いられる。すなわち、携帯端末300の操作パネル34に表示されたメール送信画面のアドレス入力欄でのつまむ操作によってアドレスの要求がMFP100に対してなされ、MFP100での離す操作でアドレス帳アプリケーションが起動してその一覧表示上でのつまむ操作によって転送されるアドレス情報が特定され、携帯端末300での離す操作によってMFP100に対してアドレス情報が要求されて、携帯端末300でのメール送信に用いられる。つまり、この場合も、直感的かつ連続的な操作によって他の装置のデータを用いてアプリケーションを実行することができる。
【0110】
さらに、MFP100にデータ転送する装置は携帯端末300に限定されず、MFP100以外の他のMFPであってもよい。すなわち、2台のMFPの間で、一方のMFPから他のMFPに対してデータが転送され、当該他のMFPにおいて、転送されたデータを用いてアプリケーションの実行が再開されてもよい。その場合、上記他のMFP100は、図14に示された機能を有する。
【0111】
[変形例]
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、MFP100と携帯端末300との間、または異なる2台のMFPの間でデータを転送する例について説明している。
【0112】
しかしながら、データの転送は異なる装置間に限定されず、同一の装置内で行なわれてもよい。
【0113】
図18は、本実施の形態にかかるデータ転送の変形例を説明する図である。変形例にかかるMFP100は、データ転送を行なうための機能として、図14に示された機能を含む。
【0114】
図18を参照して、MFP100では、アプリケーションが実行されており、該アプリケーションに応じた画面が操作パネル15に表示されている状態で操作パネル15においてつまむ操作があったことが検出されると(図18(A))、CPU10は、つまむ操作が検出された際の表示画面の状態を含むアプリケーションの処理の状態を示す情報を一時的に記憶する。
【0115】
このとき、CPU10は、つまむ操作があったときの情報としてたとえばログインユーザを特定する情報などをつまみ情報をして特定し、上記アプリケーションの処理の状態を示す情報と関連付けて保存してもよい。
【0116】
その後、たとえば異なるアプリケーションを実行していてその表示画面が表示されている状態であっても、操作パネル15において離す操作があったことが検出されると(図18(B))、CPU10は、先のつまむ操作に応じて記憶したアプリケーションの処理の状態を表わす情報を読み出し、その状態から当該アプリケーションの処理を再開する(図18(C))。
【0117】
このときCPU10は、上記アプリケーションの処理の状態を示す情報につまみ情報が関連付けられている場合、離す操作があったときのログインユーザに対して認証処理を行ない、認証成功の場合に、アプリケーションの処理を再開するようにしてもよい。
【0118】
このようにすることで、たとえばあるユーザがMFP100を操作している際に一時的にMFP100を離れる事態が生じた場合に、直感的で容易な操作によってそのときのアプリケーションの処理の状態を保存しておき、その後に、その状態からアプリケーションの処理を再開することが可能となる。
【0119】
さらに、上述のMFP100での動作および携帯端末300での動作を行なわせるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0120】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0121】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0122】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0123】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
10,30 CPU、11,31 ROM、12,32 RAM、13 スキャナ、14 プリンタ、15,34 操作パネル、16,33 メモリ、17,36 ネットワークコントローラ、35 通信コントローラ、100 MFP、101,301 入力部、102,302 検出部、103 処理部、104 管理部、105 生成部、106,304 出力部、107,305 要求部、108 受信部、300,300A,300B 携帯端末、303 特定部、306 ドキュメント入力部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接続された制御手段とを備え、
前記制御手段は、
アプリケーションを実行し、前記アプリケーションの実行に応じた画面を前記タッチパネルに表示するための処理手段と、
前記タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、
前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、前記記憶手段で記憶された前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段とを含み、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記読出手段で読み出された前記情報で示された状態から前記アプリケーションの処理を再開する、画像形成装置。
【請求項2】
他の装置と通信するための通信手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって前記第1の操作が検出されると、予め記憶している前記他の装置に対して、前記アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、
前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記他の装置に対して情報を要求するための要求手段と、
前記他の装置から送信される前記情報を取得するための取得手段とをさらに含み、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を用いて前記アプリケーションの処理を再開する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態に応じた前記コマンドを出力する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの実行に応じた画面において、前記第1の操作が行なわれた位置に応じた情報を、前記アプリケーションに対応して予め規定された前記アプリケーションを実行させて要求するためのコマンドを出力し、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を前記第1の操作が行なわれた位置に対応した前記アプリケーション上の位置に入力して、前記アプリケーションの処理を再開する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶し、
前記取得手段で前記他の装置から送信される情報はユーザに関連付けられ、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記アプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザが前記他の装置から取得した情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を用いて前記アプリケーションの処理を再開する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記他の装置からコマンドの入力を受付けるための入力手段と、
前記処理手段において、前記コマンドで指定されたアプリケーションの実行中において、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に表示された情報を前記他の装置に送信する情報と特定し、前記他の装置に対して送信するための送信手段とをさらに含む、請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶し、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記第2の操作時のログインユーザが前記アプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、前記アプリケーションの処理を再開する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接続された制御手段と、
画像形成装置と通信するための通信手段とを備え、
前記制御手段は、
アプリケーションを実行し、前記アプリケーションの実行に応じた画面を前記タッチパネルに表示するための処理手段と、
前記タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に前記アプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するための特定手段と、
前記転送対象の情報を前記画像形成装置に対して出力するための出力手段とを含む、端末装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している前記画像形成装置にアクセスして前記画像形成装置から、少なくとも実行するアプリケーションを特定したコマンドを取得するための取得手段をさらに含み、
前記処理手段は、前記コマンドに従って前記アプリケーションを実行する、請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している前記画像形成装置にアクセスして前記画像形成装置に対して前記転送対象の情報を要求するための要求手段をさらに含む、請求項8に記載の端末装置。
【請求項11】
画像形成装置と端末装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置および前記端末装置は、各々、タッチパネルおよび前記タッチパネルに接続された制御手段を含み、
前記画像形成装置と前記端末装置とのうちの第1の装置の前記制御手段は、
アプリケーションを実行し、前記アプリケーションの実行に応じた画面を前記タッチパネルに表示するための処理手段と、
前記タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって前記第1の操作が検出されると、前記画像形成装置と前記端末装置とのうちの第2の装置に対して、前記アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、
前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、前記記憶手段で記憶された前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段と、
前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記第2の装置に対して情報を要求するための要求手段と、
前記第2の装置から送信される前記情報を取得するための取得手段とを含み、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を用いて、前記読出手段で読み出された前記情報で示された状態から前記アプリケーションの処理を再開する、画像形成システム。
【請求項12】
タッチパネルを有する画像形成装置に、アプリケーションを実行させるための制御プログラムであって、
アプリケーションの実行中において、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、
前記アプリケーションの実行中において前記第1の操作が検出されると、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶し、他の装置に対して、前記アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するステップと、
前記第1の操作の検出よりも後に、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、
前記第1の操作の検出よりも後に前記第2の操作が検出されると、前記他の装置に対して情報を要求するステップと、
前記要求に応じて前記他の装置から送信される前記情報を取得するステップと、
前記他の装置から取得した情報を用いて、前記アプリケーションの処理を前記記憶された状態から再開するステップとを前記画像形成装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項13】
タッチパネルを有する端末装置に、当該端末装置に記憶される情報を画像形成装置に転送する処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、
前記第1の操作の検出を前記画像形成装置に通知することで、前記画像形成装置からコマンドを取得するステップと、
前記コマンドで特定されるアプリケーションを実行するステップと、
前記アプリケーションの実行中において、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、
前記第2の操作が検出されると、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に前記アプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するステップと、
前記画像形成装置からの要求に応じて、前記転送対象の情報を前記画像形成装置に対して出力するステップとを前記端末装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接続された制御手段とを備え、
前記制御手段は、
アプリケーションを実行し、前記アプリケーションの実行に応じた画面を前記タッチパネルに表示するための処理手段と、
前記タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、
前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、前記記憶手段で記憶された前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段とを含み、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記読出手段で読み出された前記情報で示された状態から前記アプリケーションの処理を再開する、画像形成装置。
【請求項2】
他の装置と通信するための通信手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって前記第1の操作が検出されると、予め記憶している前記他の装置に対して、前記アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、
前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記他の装置に対して情報を要求するための要求手段と、
前記他の装置から送信される前記情報を取得するための取得手段とをさらに含み、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を用いて前記アプリケーションの処理を再開する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態に応じた前記コマンドを出力する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの実行に応じた画面において、前記第1の操作が行なわれた位置に応じた情報を、前記アプリケーションに対応して予め規定された前記アプリケーションを実行させて要求するためのコマンドを出力し、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を前記第1の操作が行なわれた位置に対応した前記アプリケーション上の位置に入力して、前記アプリケーションの処理を再開する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶し、
前記取得手段で前記他の装置から送信される情報はユーザに関連付けられ、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記アプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザが前記他の装置から取得した情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を用いて前記アプリケーションの処理を再開する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記他の装置からコマンドの入力を受付けるための入力手段と、
前記処理手段において、前記コマンドで指定されたアプリケーションの実行中において、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に表示された情報を前記他の装置に送信する情報と特定し、前記他の装置に対して送信するための送信手段とをさらに含む、請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、ユーザ情報を用いてユーザ認証を行なうための認証手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記アプリケーションの処理の状態を示す情報をユーザに関連付けて記憶し、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記第2の操作時のログインユーザが前記アプリケーションの処理の状態を示す情報に関連付けられたユーザに一致する場合に、前記アプリケーションの処理を再開する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接続された制御手段と、
画像形成装置と通信するための通信手段とを備え、
前記制御手段は、
アプリケーションを実行し、前記アプリケーションの実行に応じた画面を前記タッチパネルに表示するための処理手段と、
前記タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に前記アプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するための特定手段と、
前記転送対象の情報を前記画像形成装置に対して出力するための出力手段とを含む、端末装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している前記画像形成装置にアクセスして前記画像形成装置から、少なくとも実行するアプリケーションを特定したコマンドを取得するための取得手段をさらに含み、
前記処理手段は、前記コマンドに従って前記アプリケーションを実行する、請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、予め記憶している前記画像形成装置にアクセスして前記画像形成装置に対して前記転送対象の情報を要求するための要求手段をさらに含む、請求項8に記載の端末装置。
【請求項11】
画像形成装置と端末装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置および前記端末装置は、各々、タッチパネルおよび前記タッチパネルに接続された制御手段を含み、
前記画像形成装置と前記端末装置とのうちの第1の装置の前記制御手段は、
アプリケーションを実行し、前記アプリケーションの実行に応じた画面を前記タッチパネルに表示するための処理手段と、
前記タッチパネル上での操作を検出するための検出手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作が検出されると、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶するための記憶手段と、
前記処理手段で前記アプリケーションの実行中において、前記検出手段によって前記第1の操作が検出されると、前記画像形成装置と前記端末装置とのうちの第2の装置に対して、前記アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するための出力手段と、
前記検出手段によって、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作が検出されると、前記記憶手段で記憶された前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を読み出すための読出手段と、
前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記第2の装置に対して情報を要求するための要求手段と、
前記第2の装置から送信される前記情報を取得するための取得手段とを含み、
前記処理手段は、前記検出手段によって前記第2の操作が検出されると、前記取得手段で前記他の装置から取得した情報を用いて、前記読出手段で読み出された前記情報で示された状態から前記アプリケーションの処理を再開する、画像形成システム。
【請求項12】
タッチパネルを有する画像形成装置に、アプリケーションを実行させるための制御プログラムであって、
アプリケーションの実行中において、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、
前記アプリケーションの実行中において前記第1の操作が検出されると、前記第1の操作の検出時における前記アプリケーションの処理の状態を示す情報を記憶し、他の装置に対して、前記アプリケーションに対応して予め規定されたアプリケーションを実行するアプリケーションとして特定したコマンドを出力するステップと、
前記第1の操作の検出よりも後に、前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、
前記第1の操作の検出よりも後に前記第2の操作が検出されると、前記他の装置に対して情報を要求するステップと、
前記要求に応じて前記他の装置から送信される前記情報を取得するステップと、
前記他の装置から取得した情報を用いて、前記アプリケーションの処理を前記記憶された状態から再開するステップとを前記画像形成装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項13】
タッチパネルを有する端末装置に、当該端末装置に記憶される情報を画像形成装置に転送する処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記タッチパネル上で、2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第1の操作を検出するステップと、
前記第1の操作の検出を前記画像形成装置に通知することで、前記画像形成装置からコマンドを取得するステップと、
前記コマンドで特定されるアプリケーションを実行するステップと、
前記アプリケーションの実行中において、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する第2の操作を検出するステップと、
前記第2の操作が検出されると、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に前記アプリケーションの実行によって表示された情報を転送対象の情報として特定するステップと、
前記画像形成装置からの要求に応じて、前記転送対象の情報を前記画像形成装置に対して出力するステップとを前記端末装置に実行させる、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−155436(P2012−155436A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12629(P2011−12629)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]