説明

画像形成装置およびその入力操作装置

【課題】入力操作を容易にすることができる画像形成装置およびその入力操作装置を提供する。
【解決手段】ユニバーサルモード切換えキーが押下されたのが機能選択キーが押下されてから予め定めた時間以内であった場合には、当該機能についてユニバーサルモードに固定する。したがって、いったんユニバーサルモードでサポートされていない機能に移行したあとも、再度ユニバーサルモード切換えキーを押下することなく、ユニバーサルモードを利用することができ、入力操作を容易にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機などとして実現される画像形成装置およびその入力操作装置に関し、特にユニバーサルモードを有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
前記複写機や、その機能にプリンタやファクシミリなどの機能を併せ持つデジタル複合機などのような煩雑な機能操作が行われる画像形成装置は、特にコンビニなどに設置され、不特定の使用者が使用する場合には、通常の高機能性を損なうことなく、あらゆる使用者が容易に操作可能であることが望まれる。そこで、近年、ユニバーサルモードを搭載した機器が登場している。このユニバーサルモードとは、入力操作装置から使用者が機能設定を行うにあたって、標準モードが、健常者および青壮年層などの煩雑な操作に適応することができる使用者を対象とし、総ての機能設定が可能であるのに対して、身体不自由な人および若年者や高齢者などの前記煩雑な操作に適応することができない(操作に不慣れな)使用者を対象とし、多くの場合、一部の機能に絞られるものの、大きな表示など高い認識性で設定を容易に行うことができるモードである。
【0003】
たとえば特許文献1には、表示を拡大して、シフトキーのスクロール指示によって画面全体を確認できるようにした画像形成装置が提案されている。
【特許文献1】特開平6−59647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術は、ユニバーサルモードの基本的な従来技術で、拡大画面指定キーを操作すると拡大表示が行われ、もう1度操作すると通常表示へ復帰する。一方、前記複合機などの多機能な画像形成装置においては、総ての機能をユニバーサルモードで設定できるとは限らず、高度な機能や、あまり使用されない機能までユニバーサルモードで設定できるようにすると、階層が多くなり、かえって設定が煩雑になったり、メーカ側でのユーザインタフェイスの開発負担が増加してしまう。
【0005】
したがって、ユニバーサルモードで設定可能な機能は一部の機能に限られることが多く、そのユニバーサルモードで設定可能な機能と、標準モードでしか設定できない機能とを連続して設置する場合、上述の従来技術では、モード切換えが煩雑になるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、ユニバーサルモードを実現するにあたって、入力操作を容易にすることができる画像形成装置およびその入力操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置の入力操作装置は、入力操作手段および制御手段を備え、総ての機能設定を行うことができる標準モードと、一部の機能設定を高い認識性で行うことができるユニバーサルモードとで、前記制御手段は前記入力操作手段における入力手法を切換えて使用可能とする画像形成装置の入力操作装置であって、前記標準モードから前記ユニバーサルモードに切換えるユニバーサルモード切換えキーと、機能設定を行うために当該機能を選択する機能選択キーとをさらに備え、前記制御手段は、前記機能選択キーが押下されてから所定時間以内に前記ユニバーサルモード切換えキーが押下された場合には、当該押下された機能選択キーに対応する機能設定についてはユニバーサルモードに固定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像形成装置の入力操作装置によれば、機能選択キーが押下されてから所定時間以内にユニバーサルモード切換えキーが押下された場合には、当該押下された機能選択キーに対応する機能設定についてはユニバーサルモードに固定する。従って、改めてユニバーサルモード切換えキーを押下しなくてもユニバーサルモードで機能設定を行うことができる。よって、入力操作を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置である複合機1の機械的構成を示す縦断面図である。複合機とは、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、およびスキャナ機能等、画像形成に関する複数の機能を兼ね備えた画像形成装置を意味する。
この複合機1は、大略的に、使用者が種々の操作指令等を入力するための操作部100と、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とを備えて構成される。
前記本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、中間転写体ローラ204、感光体ドラム205、露光装置206、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置207Y,207M,207C,207K、定着ローラ208、排出口209、および排出トレイ210を備える。
前記感光体ドラム205は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。
露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム205に各色別に静電潜像を形成する。
現像装置207Y,207M,207C,207Kは、各色の現像剤を感光体ドラム205に供給して各色別のトナー画像を形成する。中間転写体ローラ204は、感光体ドラム205から各色のトナー像を転写され、中間転写体ローラ204上にカラーのトナー像が形成される。
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に中間転写体ローラ204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。
その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。
また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、仕分け部303、処理部304、搬出口305およびスタックトレイ306等を備える。この用紙後処理部300には、印刷後に、ステープルやパンチなどの後処理が必要となった記録紙が、前記本体部200の排出口209から搬入口301に搬入され、記録紙搬送部302から仕分け部303に順次搬送され、適宜仕分けや先端揃えが行われた後、処理部304において前記ステープルやパンチなどの処理が行われ、搬出口303からスタックトレイ304へ排出される。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
前記原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603および原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。
給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出された原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0010】
図2は、前記操作部100の正面図である。この操作部100には、タッチパネル装置P、各種のスイッチS0〜S4;S11〜S21、置数キー群KおよびインジケータL1〜L5が設けられている。
タッチパネル装置Pは、入力操作手段であり、表示領域を有する液晶パネル上に、入力部を構成するタッチパネルを搭載して構成され、前記液晶パネルはフルカラー表示可能であり、その液晶パネル上に区画表示されたソフトキーに使用者が触れることで、そのキー操作が行われたものと認識するものである。
前記置数キー群Kは、集約して一群として配列されている0〜9の数値キーK0〜K9に、♯および*の記号キーK10,K11を含んで構成されている。この置数キー群Kは、本実施の形態では、数値キーK0〜K9だけに限らず、前記♯および*の記号キーK10,K11以外のキーも適宜含めて構成されればよいが、他のスイッチS0〜S4;S11〜S21とは異なり、前記数値キーK0〜K9と集約して一群として配列されているものとする。
残余のスイッチS0〜S4;S11〜S21において、代表的に、スイッチS0は副電源スイッチであり、コピー動作やスキャナ読込みなどを可能とする電源スイッチであり、これ以外に前記本体部200に図示しない主電源スイッチが設けられており、その主電源スイッチが投入されていると、この副電源スイッチS0が投入されていなくても、ファクシミリ受信やプリンタデータの受信は可能となる。スイッチS1は前記コピー動作やスキャナ読込みなどを開始させるスタートスイッチであり、スイッチS2は前記コピー動作やスキャナ読込みなどを停止させるストップスイッチであり、スイッチS3は入力操作を取り消すクリアスイッチであり、スイッチS4はタッチパネル装置Pを初期状態にリセットするリセットスイッチである。
【0011】
注目すべきは、本実施の形態では、ユニバーサルモードへ切換えるスイッチS21が設けられていることである(ユニバーサルモード切換えキー)。このスイッチS21の切換えによる本実施の形態のユニバーサルモードの説明については、後に詳細に行う。また、スイッチS15〜S20は本願にいうところの機能選択キーである。
また、インジケータL1〜L5は、発光ダイオードなどから成り、点灯/消灯或いは点滅状態で該複合機1の状態を示すものである。たとえば、インジケータL1はプリンタ連動モードで印刷中に点灯し、インジケータL2はファクシミリ送信中に点灯し、インジケータL3はファクシミリ受信中に点灯し、インジケータL4はファクシミリ送信待ちや未印刷などのデータが格納されているときには点灯し、インジケータL5は該複合機のどこかで異常が発生すると点灯或いは点滅する。
【0012】
図3は、上述のように構成される複合機1の電気的構成を示すブロック図である。この複合機1は、大略的に、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、データメモリ36、制御部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、ネットワークI/F部71、パラレルI/F部72、シリアルI/F部73およびHDD74を備えて構成される。
前記スキャナ部11、画像処理部21、データメモリ36、制御部41、操作パネル部51、およびネットワークI/F部71は、図1に示す操作部100、原稿読み取り部500、および原稿給送部600に相当し、これら各部によって、取り込んだ画像データを予め指定されたIPアドレスへ送信するネットワークスキャナ機能が実現される。また、前記スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、データメモリ36、制御部41、操作パネル部51、およびファクシミリ通信部61は、図1に示す本体部200、操作部100、原稿読み取り部500、および原稿給送部600に相当し、これらの各部によって、ファクシミリ機能が実現される。
さらにまた、前記画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ネットワークI/F部71、およびパラレルI/F部72は、図1に示す本体部200および操作部100に相当し、これらの各部によって、プリンタ機能が実現される。また、前記スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、および操作パネル部51は、図1に示す本体部200、用紙後処理部300、操作部100、原稿読み取り部500、および原稿給送部600に相当し、これらの各部によって、コピー機能が実現される。
操作パネル部51は、後述するように使用者がコピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能およびスキャナ機能等に関する操作を行うために使用され、使用者による操作指令(コマンド)等を制御部41に与えるものである。操作パネル部51は、前記タッチパネル装置PおよびインジケータL1〜L5等を有する表示部52と、スタートスイッチS1や置数キー群K等を有する操作キー部53とを含む。
スキャナ部11は、原稿の画像を光学的に取得して画像データを生成するものである。スキャナ部11は、露光ランプ12およびCCD(電荷結合素子)13を含んでいる。スキャナ部11は、露光ランプ12によって原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することで、原稿画像を読取り、読取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。スキャナ部11は、モノクロ原稿だけでなく、カラー原稿や写真原稿の読取りが可能となっていてもよい。
画像処理部21は、画像データに対する各種画像処理を行うものである。たとえば、画像処理部21は、スキャナ部11で読取られるなどして得られた画像データに対して、レベル補正、γ補正等の所定の補正処理、画像データの圧縮または伸張処理、拡大または縮小処理等の種々の画像処理(加工処理)を行う。画像処理部21は、画像メモリ22を含み、処理された画像データ等をこの画像メモリ22に記憶したり、プリンタ部31、ファクシミリ通信部61、またはネットワークI/F部71等へ出力する。
プリンタ部31は、スキャナ部11によって読取られた原稿の画像データ、ネットワークI/F部71を介して外部のパーソナルコンピュータ等から受信した画像データ、およびファクシミリ通信部61によって外部のファクシミリ装置から受信したファクスデータ等の画像データに対する画像を所定の記録紙に印刷するものである。プリンタ部31は、給紙カセットおよび給紙ローラ等を有する用紙搬送部32、中間転写体ローラ、感光体ドラム、露光装置、および現像装置等を有する画像形成部33、転写ローラ等を有する転写部34、ならびに定着ローラ等を有する定着部35を含む。
【0013】
具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
データメモリ36は、ファクシミリ通信を行う時の短縮釦登録の相手先名称やファクシミリ番号を予め記憶している記憶手段であり、またネットワークスキャナとして使用される際の送信相手先のIPアドレスなども予め記憶している。これらの記憶内容は、操作パネル部51への入力操作によって、制御部41によって適宜書替えが可能となっている。
制御部41は、図示しないCPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)に、そのCPUの動作を規定するプログラムを格納するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、ならびに一時的にデータを保管するRAMや不揮発性の記憶部などの周辺装置を有している。これによって、制御部41は、操作パネル部51等で受け付けられた指示情報や、複合機1の各所に設けられているセンサからの検出信号に応じて、該複合機1全体の制御を行う。より具体的には、制御部41は、スキャナコントローラ42、ファクシミリコントローラ43、プリンタコントローラ44、コピーコントローラ45、および入力コントローラ46として機能する。
前記プログラムは、ROM或いはCD−ROM等の記録媒体を通じて供給することも、ネットワークI/F部71に接続されるネットワーク等の伝送媒体を通じて供給することも可能である。伝送媒体は、有線の伝送媒体に限らず無線の伝送媒体であってもよい。また、伝送媒体には、通信線路のみでなく、通信線路を中継する中継装置、たとえばルータ等の通信リンクをも含む。
【0014】
プログラムがROMを通じて供給される場合には、当該プログラムが記録されたROMを制御部41に搭載することによって、CPUによる実行に供することができる。プログラムがCD−ROMを通じて供給される場合には、CD−ROM読取り装置を、たとえばパラレルI/F部72へ接続し、当該プログラムをRAMへ転送することによって、CPUによる実行に供することができる。また、プログラムが伝送媒体を通じて供給される場合には、ネットワークI/F部71を通じて受信したプログラムをRAMへ転送することによって、CPUによる実行に供することができる。
【0015】
スキャナコントローラ42は、スキャナ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。ファクシミリコントローラ43は、ファクシミリ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。プリンタコントローラ44は、プリンタ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。コピーコントローラ45は、コピー機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示せず)、変復調部(図示せず)およびNCU(Network Control Unit)(図示せず)を含み、スキャナ部11によって読取られた原稿の画像データを電話回線やインターネット回線を介して他のファクシミリ装置へ送信したり、他のファクシミリ装置から送信されてきた画像データを受信するものである。前記符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化するものであり、変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調したり、受信した信号(音声信号)を画像データに復調するものである。
また、NCUは、送受信先となるファクシミリ装置との電話回線による接続を制御するものである。
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(たとえば10/100Base-TX)等を用い、ネットワークを介して接続されたユーザ側サーバとの間での種々のデータの送受信を制御するものである。
また、ネットワークにパーソナルコンピュータ等の図示しない1または複数の端末装置が接続されている場合に、ネットワークI/F部71はこれらの端末装置との間での種々のデータの送受信を制御する。
たとえば、ネットワークI/F部71は、スキャナ部11によって読取られた原稿画像データを端末装置へ送信したり、プリンタ部31で印刷するために端末装置から送られた画像データを受信したりする。
パラレルI/F部72は、高速双方向パラレルインターフェイス(たとえばIEEE1284準拠)等を用い、複数の信号線を用いて複数ビット単位でデータを送信するパラレル伝送によって、外部機器等から印刷データ等を受信等するものである。
シリアルI/F部73は、シリアルインターフェイス(たとえばRS−232C)等を用い、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送によって、外部機器等から種々のデータ等を受信等するものである。
HDD74は、オプションで増設される着脱可能な記憶媒体であり、スキャナ部11によって読取られた画像データやネットワークを介して送信されてきた画像データ、あるいは当該画像データに設定されている出力形式等を記憶するものである。このHDD74を増設することで、印字出力に連動せずに原稿を読込んだり、大量の原稿を連続して読込んだりすることができるようになる。このHDD74に記憶されている画像データは、該複合機1で使用されるだけでなく、ネットワークI/F部71を介して、端末装置によって確認されたり、端末装置の所定のフォルダへ転送されることによって、該端末装置での使用に供されたりする。
【0016】
なお、複合機1では、上述の各機能を組合わせて種々の機能が実現される。
たとえば、スキャナ機能として、PC送信機能、E−mail送信機能、FAX送信機能等が実現されてもよい。ここで、PC送信機能とは、原稿から読取った画像データをネットワークを介して任意の端末装置等へ直接送信する機能である。E−mail送信機能とは、原稿から読取った画像データを電子メールの添付ファイルとして、ネットワークを介して、たとえば図略のSMTPサーバへ直接送信し、さらにこのSMTPサーバからネットワークを介して任意の外部端末装置等へ当該電子メールを送信することによって、原稿から読取った画像データを電子メールの添付ファイルとして送信する機能である。
FAX送信機能とは、原稿から読取った画像データを、電話回線等を介して任意のファクシミリ装置等へ直接送信する機能である。
以下に、前記操作部100を用いた制御部41の入力コントローラ46による本発明の実施の一形態に係る入力手法(形態)について詳述する。本実施の形態では、その入力手法(形態)には、健常者および青壮年層などの煩雑な操作に適応することができる使用者に向けた標準モードと、身体不自由な人および若年者や高齢者などの前記煩雑な操作に適応することができない使用者に向けたユニバーサルモードとの2つのモードが設定されており、それらのモードを切換えて入力操作が行われる。制御手段である前記制御部41の入力コントローラ46、入力操作手段であるタッチパネル装置P、ユニバーサルモード切換えキーであるスイッチS21、および機能選択キーであるスイッチS15〜S20によって、本発明に係る入力操作装置が構成される。
【0017】
前記標準モードの待機画面では、フルカラーで、図4で示すように、先ず表示領域A1に、参照符号H0で示す該複合機1の外観図に、参照符号B0で示す各種のソフトウェアキー等が表示されるとともに、表示領域A2にはガイダンス表示が行われ、表示領域A3にはステータス情報が表示される。
図4の例では、外観図H0には、前記本体部200に、オプション装備の複数の給紙カセット201、用紙後処理部300、原稿読み取り部500および原稿給送部600が取付けられていることが示されている。
また、ソフトウェアキーB0には、複写機としての基本機能が割当てられている。
さらにまた、ガイダンス表示は、複写機として異常が発生しておらず、コピー動作が可能であり、設定部数には初期値の1が設定されていることが示されている。ステータス情報には、ファクシミリ送信中であることが表示されている。
【0018】
本実施の形態は、ユニバーサルモードおよびモードの切換わりに関して特徴を有し、以下に詳述するが、標準モードの画面は従来通りであり、以降の説明でも、上記と同様に一例を簡単に述べる。
この状態で、前記置数キー群Kの数値キーK0〜K9から数値が入力されると、コピー部数が設定されて前記ガイダンス表示が変化するとともに、原稿がセットされ、スタートスイッチS1が操作されると、設定部数だけ、コピー動作が行われる。また、図4の状態から、各種のソフトウェアキーB0が操作されると、表示領域A1は、対応する各機能の次の階層での詳細な機能設定画面に切換わる。
このような入力受付の動作は、前記タッチパネル装置Pに設定されたソフトウェアキーや、スイッチS0〜S4;S11〜S21または置数キー群Kからの操作を、制御部41内の入力コントローラ46が認識することで実現される。その入力に応じて、制御部41内の各種のアプリケーションのコントローラ41〜45が動作を行い、また入力コントローラ46がデータメモリ36に格納された画像データを読出し、次の機能設定画面の表示を行うなど、タッチパネル装置PやインジケータL1〜L5等の表示制御を行う。
【0019】
以下の本実施の形態に係る機能設定の画面も同様に、タッチパネル装置Pに設定されたソフトウェアキーや、スイッチS0〜S4;S11〜S21または置数キー群Kからの操作を、制御部41内の入力コントローラ46が認識し、データメモリ36に格納された画像データを読出すことで変更され、このようなハードウェア構成の説明については省略する。
前記図4で示す標準モードの待機画面において、スイッチS21(ユニバーサルモード切換えキー)が操作されると、前記ユニバーサルモードに切換わり、図5で示すように、前記表示領域A1の表示内容が変化する。
【0020】
本実施の形態では、ユニバーサルモードに切換わると、先ず部数設定のみが優先して行われるように、参照符号H10で示す設定部数の画面が表示され、前記置数キー群Kの数値キーK0〜K9からの入力を許容する。数値が入力されると、コピー部数が設定されて前記設定部数の画面H10が変化するとともに、原稿がセットされ、スタートスイッチS1が操作されると、設定部数だけ、コピー動作が行われる。
【0021】
また、このユニバーサルモードの最初の画面では、前記設定部数の拡大表示H10とともに、他の機能を設定するためのソフトウェアキーB10が表示される。そして、このソフトウェアキーB1を操作すると、図6で示すような他の機能の入力画面となる。
【0022】
この図6で示す機能設定の画面において、部数設定のソフトウェアキーB20が操作されると、前述の図5で示す部数設定の画面に戻り、ソフトウェアキーB21〜B26が操作されると、それぞれ対応する機能設定の画面に移る。また、この図6で示す機能設定の画面において、リセットのスイッチS4が操作されても、図5で示す部数設定の画面に戻る。
ここで、設定できる機能としては、ソフトウェアキーB21に対応する用紙の選択と、ソフトウェアキーB22に対応する縮小/拡大の選択と、ソフトウェアキーB23に対応するステープル/パンチの選択と、ソフトウェアキーB24に対応するコピー濃度の選択と、ソフトウェアキーB25に対応する両面/分割の選択と、ソフトウェアキーB26に対応する集約の選択と、この図6では表れていないソート/仕分けの選択と、原稿の画質の選択と、原稿サイズの選択との9種目である。
図6では、縮小/拡大が選択されて、次の階層のその縮小/拡大の機能選択画面に移る直前の状態を示している。
図6の機能選択画面では、ソフトウェアキーを大きくするために、上述のようにソート/仕分けの選択と、原稿の画質の選択と、原稿サイズの選択との3つのソフトウェアキーは表示されておらず、代りに下矢印の画面切換えのソフトウェアキーB27が表示されており、このソフトウェアキーB27が操作されると、それらのソフトウェアキーが表示され、また上矢印の画面切換えのソフトウェアキーが表示されることになり、その画面切換えのソフトウェアキーが操作されると、この図6で示す機能選択画面に戻る。
前記図6で示す機能選択画面において、たとえばソフトウェアキーB21が操作されると、頁を捲ってゆくように次の階層の機能選択画面に移り、図7で示すような用紙選択の画面となる。
【0023】
図7に示す用紙選択の画面においては、ソフトウェアキーB30〜B36が表示されるとともに、ソフトウェアキーB3A,B3Bが表示される。
ソフトウェアキーB30を操作することで用紙は自動選択となり、ソフトウェアキーB31〜B36を操作することで各サイズの用紙に手動選択となり、ソフトウェアキーB3Aを操作することで選択決定となって自動的に1つ前の階層(図6で示す機能選択画面)に戻り、ソフトウェアキーB3Bを操作することで各ソフトウェアキーB30〜B36による設定が取消しとなる。図7では、自動選択が選択された状態を示している。
【0024】

本実施の形態では、ファクシミリ送信動作と、上述のコピー動作とには、多くの使用者の利用が見込まれ、また簡単な機能のみでの使用が可能であるので、ユニバーサルモードが設定されており、それらの動作は、ユニバーサルモードのままで動作切換えを行うことができる。これに対して、複雑な操作を要する他の動作には、ユニバーサルモードでサポートされていない。
この場合、上述のような図5〜図7で示すユニバーサルモードにおけるコピー動作の任意の機能選択画面の表示中やコピー動作の終了後に、使用者がそれらの動作以外の他の動作を希望し、たとえばボックス機能のスイッチS20が操作されたときには、図8で示すような使用者への問い合せ(警告)画面が表示され、使用者に確認させた後、標準モードに切換えてそれらの他の動作へ移るか(ソフトウェアキーB5Aの操作で「はい」を選択)、ユニバーサルモードのままで前記送信動作またはコピー動作を継続する(ソフトウェアキーB5Bの操作で「いいえ」を選択)かを判定する。または、図8のような問い合わせ画面を表示せず、自動的にユニバーサルモードを解除して標準モードに復帰し、ボックス機能に移行させてもよい。
一方、前記図5〜図7で示すユニバーサルモードにおける任意の機能選択画面の表示中やコピー動作の終了後に、送信のスイッチS18が操作されたときは、設定中の機能は消去されて、ユニバーサルモードのままファクシミリ送信動作に移り、図9のような機能選択画面となる。また図4で示すような待機中に送信のスイッチS18が操作され、さらにユニバーサルモードのスイッチS21が操作されたときにも、ファクシミリ送信動作でユニバーサルモードに切換わり、図9のような機能選択画面となる。
図9の機能選択画面は、送信相手先の選択方法を決定するものであり、ソフトウェアキーB6Bに対応する短縮番号による宛先呼出しと、ソフトウェアキーB61に対応する登録相手先の直接の呼出しと、ソフトウェアキーB22に対応する直接のファクシミリ番号入力との3通りの選択方法が示されている。
【0025】
この図9で示す機能選択画面において、ソフトウェアキーB6Bが操作されると、次の階層の機能選択画面に移り、図10で示すような短縮番号の入力画面となる。図10の機能選択画面では、数値キーK0〜K9から入力された短縮番号の拡大表示H70とともに、その入力を取り消すソフトウェアキーB7Bが表示される。
【0026】
これに対して、図9で示す機能選択画面において、ソフトウェアキーB61が操作されると、次の階層の機能選択画面に移り、図11で示すような登録相手先の直接の呼出画面となる。図11の選択画面では、ソフトウェアキーB81〜B86に対応する各登録相手先の名称または電話番号と、ソフトウェアキーB88,B89に対応するこのような電話帳の頁捲りを行うアップダウンキーと、ソフトウェアキーB8Bに対応する前記図10で示すような短縮番号呼出しに切換える切換えキーと、ソフトウェアキーB8Aに対応する選択した相手先の確認画面に切換える切換えキーと、ソフトウェアキーB80に対応する詳細設定への切換えキーとが表示されている。
前記図11で示す機能選択画面において、ソフトウェアキーB80が操作されると、次の階層の機能選択画面に移り、ファクシミリ送信にあたっての各種設定画面となる。
また、前述の図10で示すように短縮番号から送信相手先が選択され、それが確定されると、このファクシミリ送信にあたっての各種設定画面に移る。
前記図9で示す機能選択画面において、ソフトウェアキーB62が操作されると、次の階層の画面に移り、図12で示すような電話番号の直接の入力画面となる。
以上のように本実施の形態に係る複合機1では、制御部41の入力コントローラ46は、タッチパネル装置Pの表示領域A1上に、標準モード時には、図4で示すように部数設定を含む複数の機能選択画面を表示させて、それらの選択を許容するとともに、ユニバーサルモードに切換わると、最初に、図5において参照符号H10で示すように、設定部数の入力画面を拡大して表示させ、その設定部数以外の機能表示を消去させて(他の機能設定に移るためのソフトウェアキーB10は除く。)、部数入力のみを許容するので、使用頻度の高いその部数設定の操作を、拡大画面で行い易く(見易く)することができる。これによって、設定操作が簡単になり、操作に不慣れな人にも複合機1を利用してもらうことができる。
次に、図13のフローチャートを用いて、本願における処理の流れについて説明する。
まず、機能選択キー(S15〜S20)の押下により、ある機能が選択される(SP10)。そこで、選択された機能について、ユニバーサルモードが固定設定されているか否かが判断される(SP11)。ユニバーサルモード固定設定の流れについては後述する。当該機能を初回に選択した場合など、まだユニバーサルモードが固定設定されていない場合には、標準モードで起動し(SP12)、図4に示すような、選択機能の通常画面を表示する(SP13)。次に、標準モードの通常画面において、ユーザからのキー操作入力があった場合(SP14)、それがユニバーサルモード切換えキーの押下であったかどうかが判断される(SP15)。ユニバーサルモード切換えキーの押下でなかった場合(SP15でNo)、操作入力されたキーに基づく処理が実行される(SP16)。ユニバーサルモード切換えキーの押下であった場合(SP15でYes)、選択されている機能でユニバーサルモードがサポートされているかどうかが判断される(SP17)。サポートされていない場合(SP17でNo)、たとえば「この機能ではユニバーサルモードが利用できません」などのメッセージを表示し、標準モードの通常待機画面(SP13)に戻る。
一方、選択されている機能でユニバーサルモードがサポートされている場合(SP17でYes)には、ユニバーサルモード起動に先立ち、図14に示すような処理が行われる。つまり、ユニバーサルモード切換えキーが押下されたのが機能選択キーが押下されてから予め定めた時間以内であった場合(機能選択キーとユニバーサルモード切換えキーが同時に押下された場合を含む、SP21でYes)、当該機能についてユニバーサルモードを固定設定し(SP22)、その後に当該機能についてユニバーサルモードを起動する(図13のSP18)。これにより、次回同じ機能を選択した場合には、固定設定がONになっているので、ユニバーサルモード切換えキーを押下せずともユニバーサルモードが起動することとなる(図13のSP11でYes)。また、ユニバーサルモード切換えキーが押下されたのが機能選択キーが押下されてから予め定めた時間より後であった場合(SP21でNo)、そのままユニバーサルモードを起動する(図13のSP18)。
本発明によれば、ユーザがユニバーサルモードでコピー機能を利用し、その後いったんユニバーサルモードでサポートされていない例えばボックス機能を選択した場合には自動的に標準モードに復帰しすべての機能設定を行うことができる。また、再度コピー機能を選択した場合、前回コピー機能選択時にユニバーサルモードが固定設定されていれば、改めてユニバーサルモードを設定しなくてもユニバーサルモードで機能設定を行うことができる。よって、本願発明によって入力操作を容易にすることができる画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】

【図1】本発明の実施の一形態の画像形成装置である複合機の機械的構成を示す縦断面図である。
【図2】前記複合機における操作部の正面図である。
【図3】前記複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】標準モードの待機画面(通常の待機画面)を示す図である。
【図5】コピー動作におけるユニバーサルモードでの初期画面である部数設定の画面を示す図である。
【図6】前記コピー動作におけるユニバーサルモードでの機能設定画面の一例を示す図である。
【図7】前記コピー動作におけるユニバーサルモードでの機能設定画面の他の例を示す図である。
【図8】ユニバーサルモードの解除警告の画面の一例を示す図である。
【図9】ファクシミリ送信動作におけるユニバーサルモードでの初期画面である送信相手先の選択手法の設定画面を示す図である。
【図10】ファクシミリ送信動作におけるユニバーサルモードでの機能設定画面の一例を示す図である。
【図11】ファクシミリ送信動作におけるユニバーサルモードでの機能設定画面の他の例を示す図である。
【図12】ファクシミリ送信動作におけるユニバーサルモードでの機能設定画面の他の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の一形態における画面表示のフローを示す図である。
【図14】本発明の実施の一形態における画面表示のフローを示す図である。
【符号の説明】
【0028】

1 複合機
11 スキャナ部
21 画像処理部
31 プリンタ部
36 データメモリ
41 制御部
42 スキャナコントローラ
43 ファクシミリコントローラ
44 プリンタコントローラ
45 コピーコントローラ
46 入力コントローラ
51 操作パネル部
52 表示部
53 操作キー部
61 ファクシミリ通信部
71 ネットワークI/F部
72 パラレルI/F部
73 シリアルI/F部
74 HDD
100 操作部
200 本体部
300 用紙後処理部
500 原稿読み取り部
600 原稿給送部
A1〜A3 表示領域
K 置数キー群
K0〜K9 数値キー
K10,K11 記号キー
L1〜L5 インジケータ
P タッチパネル装置
S0〜S4 スイッチ
S15〜S20 機能選択キー
S21 ユニバーサルモード切換えキー































【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作手段および制御手段を備え、総ての機能設定を行うことができる標準モードと、一部の機能設定を高い認識性で行うことができるユニバーサルモードとで、前記制御手段は前記入力操作手段における入力手法を切換えて使用可能とする画像形成装置の入力操作装置であって、
前記標準モードから前記ユニバーサルモードに切換えるユニバーサルモード切換えキーと、
機能設定を行うために当該機能を選択する機能選択キーとをさらに備え、
前記制御手段は、前記機能選択キーが押下されてから所定時間以内に前記ユニバーサルモード切換えキーが押下された場合には、当該押下された機能選択キーに対応する機能設定についてはユニバーサルモードに固定する、
画像形成装置の入力操作装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記機能選択キーと前記ユニバーサルモード切換えキーが同時に押下された場合には、当該押下された機能選択キーに対応する機能設定についてはユニバーサルモードに固定する、請求項1記載の画像形成装置の入力操作装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ユニバーサルモード時に、該ユニバーサルモードでサポートされていない機能選択キーが押下された場合には、該ユニバーサルモードを解除し、前記標準モードに復帰する、請求項1または2のいずれかに記載の入力操作装置。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の入力操作装置を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−128379(P2010−128379A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305506(P2008−305506)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】