画像形成装置およびその制御方法
【課題】画像形成装置において、排紙トレイに新たに排出される用紙がすでに積載された用紙と衝突することを回避する。
【解決手段】排紙ローラ901近傍では、排紙トレイ91の底面から距離HAの高さでの用紙の有無が、測距センサの出力部911Aから発せられる光が利用されて検出される。また、排紙トレイ91に排出される用紙の撓りが比較的大きいと考えられる場合、さらに、測距センサが破線Lで示される経路で光を発して、当該経路上での用紙の有無が検出される。つまり、用紙の排出方向R10について、下流側では最上流部(出力部911Aが光を発する位置)よりも低い位置で、排紙トレイ91上の用紙の有無が検出される。
【解決手段】排紙ローラ901近傍では、排紙トレイ91の底面から距離HAの高さでの用紙の有無が、測距センサの出力部911Aから発せられる光が利用されて検出される。また、排紙トレイ91に排出される用紙の撓りが比較的大きいと考えられる場合、さらに、測距センサが破線Lで示される経路で光を発して、当該経路上での用紙の有無が検出される。つまり、用紙の排出方向R10について、下流側では最上流部(出力部911Aが光を発する位置)よりも低い位置で、排紙トレイ91上の用紙の有無が検出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびその制御方法に関し、特に、画像を形成された用紙が排出される排紙トレイにおける用紙の積載状態を適切に検出できる画像形成装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、排紙トレイ上に排出されている用紙が、新たに排出される用紙によって不揃いにされたり、排紙トレイから押し出されたりする事態が生じていた。なお、従来から、このような事態を回避するために、排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出し、満載状態であると判断すると排紙トレイ上への用紙の排出を停止する等の措置をとる技術が適用されていた。このように、新たに排出される用紙によるすでに載置されている用紙の押し出しを回避するために排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する技術に関しては、種々の開示がなされている。
【0003】
たとえば、特許文献1および特許文献2には、排出口近傍に測距センサを固定し、当該測距センサが測定する、排紙トレイの最も上に位置する用紙上の1点と当該測距センサとの距離に基づいて、排紙トレイ上にどの程度の量の用紙が積載されているかを判定する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、排紙トレイ上に積載された用紙に当接するレバーと、当該レバーの動作に連動して回動する遮光部材と、フォトセンサを設ける技術が開示されている。この文献では、上記レバーおよび遮光部材は、排紙トレイ上に積載された用紙の量が変化に伴ってその回転角度が変化するように構成されており、そして、遮光部材の回転角度が変化することにより、フォトセンサに対する遮光の度合いが変化する。そして、この文献に記載された技術によれば、フォトセンサに入る光が所定の度合い以上遮られる位置まで遮光部材が回動されるように用紙が積載されたことにより、排紙トレイが用紙で満載状態にされているという判断がなされる。
【特許文献1】特開平10−203724号公報
【特許文献2】特開2002−12365号公報
【特許文献3】特開2004−115236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、排紙トレイに同じだけ用紙が積載されていても、新たに排紙トレイに排出されてきた用紙によって積載されている用紙が押し出されたりする事態が発生していた。
【0006】
しかしながら、上記したいずれの従来技術においても、このような事態については、検討がなされていなかった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、排紙トレイ上にすでに積載された用紙が新たに排紙トレイに排出される用紙と衝突することを確実に回避するために用紙自身の特性に基づいた制御を実行できる画像形成装置およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った画像形成装置は、用紙を載置する排紙トレイと、前記排紙トレイ上に用紙を排出する排出手段と、前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得する取得手段と、前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出する検出手段と、前記取得手段が取得した用紙の材質に応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するかを制御する第1制御手段と、前記検出手段が検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排出手段による用紙の排出を停止する第2制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記検出手段は、前記排出手段による用紙の排出方向について複数の地点で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出し、前記第2制御手段は、前記複数の地点の中で、前記排出手段による用紙の排出方向について上流側の地点を下流側の地点よりも、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向の検出する位置までの距離を短くすることが好ましい。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記取得手段は、前記排紙トレイ上に排出される用紙のサイズをさらに取得し、前記第1制御手段は、さらに前記取得手段が取得した用紙のサイズに応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向にどの位置で前記物体との距離を測定するかを制御することが好ましい。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、前記排紙トレイを複数備え、前記排出手段は、複数の前記排紙トレイの中の1の排紙トレイ上に用紙を排出し、前記第2制御手段は、前記検出手段により排出先のトレイが満載状態であると検出された場合に、前記排出手段による用紙の排出先を、それまで前記排出手段に用紙を排出していた前記排紙トレイから、他の前記排紙トレイに変更することが好ましい。
【0012】
本発明に従った画像形成装置の制御方法は、排紙トレイに用紙を排出する画像形成装置の制御方法であって、前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得するステップと、前記取得した用紙の材質に応じて、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で用紙の載置状態を検出するかを決定するステップと、前記決定された位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するステップと、前記検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排紙トレイ上への用紙の排出を停止させるステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、画像形成装置では、排紙トレイ上に排出される用紙の材質に応じて、排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で用紙の載置状態を検出するかが決定される。
【0014】
用紙の撓り具合は、用紙の材質によって異なる。このことから、排紙トレイ上に新たに排出される用紙の先端がどの程度まで下方に位置するかは、排紙トレイ上に新たに排出される用紙の材質によって異なる。したがって、排紙トレイに同じだけ用紙が積載されていても、新たに排紙トレイに排出されてきた用紙の先端が下方に位置すると、積載されている用紙が押し出される場合がある。
【0015】
そして、本発明によれば、排紙トレイ上に新たに排出される用紙の先端がどの程度まで下方に位置するかに応じた位置で、排紙トレイ上の用紙の有無が検出される。そして、排紙トレイ上において、新たに排出される用紙の先端の位置に応じた位置に用紙が存在する場合には、そのような用紙と新たに排出される用紙とが当接しないように、排紙トレイへの用紙の排出が停止される。
【0016】
したがって、本発明によれば、新たに排出される用紙による排紙トレイ上の用紙の押し出しを確実に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[画像形成装置(複合機)の全体構成]
図1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態である複合機1を示す概略正面断面図である。図1に示すように、複合機1は、画像読取部10、画像形成部20、排紙ユニット90、および、制御部100を含む。複合機1には、イメージングユニット150K,150Y,150M,150Cが着脱自在に装着される。イメージングユニット150K,150Y,150M,150Cは、複合機1に装着された際に図示しないカバー(前カバー)によって覆われるものであって、複合機1内に内包される構成となっている。
【0018】
画像読取部10は、スキャナを含み、当該スキャナを移動させることにより不図示の原稿ガラス板上に載置された原稿の画像を読み取る公知の装置である。画像読取部10では、画像読取装置に設けられた露光ランプの照射により得られた原稿画像が、集光レンズにより結像され、さらに分光器によりレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の三種類の波長の光に分光されて、それぞれレッド用CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、グリーン用CCDイメージセンサ、ブルー用CCDイメージセンサに入射される。各CCDイメージセンサ(以下、単に「CCDセンサ」という。)からの出力信号は、制御部100でAD(アナログ−デジタル)変換されて、原稿のR、G、Bの各画像データとされる。
【0019】
得られた色成分ごとの画像データは、制御部100において、各種のデータ処理を施され、更にブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各再現色(以下、各再現色に関連する構成部分の番号に、このK、Y、M、Cを添字として付加する。)の画像データに変換される。変換された画像データは、制御部100内のRAM(後述するRAM102)に再現色ごとに格納され、レジスト補正などの各種の補正処理を施される。その後、画像データは、印刷用紙(以下、単に「用紙」と呼ぶ)の供給と同期して1走査ラインごとに読み出され、感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cを露光するレーザダイオードの駆動信号となる。
【0020】
画像形成部20は、画像形成部20内に張架されて駆動される転写ベルト41と、転写ベルト41に対向して所定間隔で配置された各色のイメージングユニット(画像形成ユニット)150K,150Y,150M,150Cと、イメージングユニットごとに設けられた露光走査部60K〜60Cと、転写ベルト41へ用紙を給送する給紙部70と、用紙搬送部40の下流側に配置された定着部80と、両面ユニット82とからなる。
【0021】
露光走査部60K〜60Cは、それぞれ、制御部100から出力された駆動信号を受けてレーザ光を発するレーザダイオードや、このレーザ光を偏向して感光体ドラム51K〜51C上を主走査方向に露光走査させるための不図示のポリゴンミラー等を備えている。
【0022】
画像形成部20は、さらに、画像形成後の用紙に対して、ステイプル(ホチキス止め)するステープラ87、2つ折り等の折り畳み処理を施す折りユニット88、および、パンチ穴を開けるパンチユニット89を含む。
【0023】
給紙部70は、用紙を収納する給紙カセット71〜75と、各給紙カセットに収納される用紙を繰り出すためのピックアップローラ76と、繰り出された用紙を転写ベルト41に送り出すタイミングを調整するためのレジストローラ79を含む。給紙カセット71〜75には、サイズまたは向きの異なる用紙が収納される。具体的には、たとえば、給紙カセット71にはA5サイズ(横送り)の用紙(以下、「A5用紙」と呼ぶ)、給紙カセット72にはA4サイズ(横送り)の用紙(以下、「A4用紙」と呼ぶ)、給紙カセット73にはA4サイズ(縦送り)の用紙(以下、「A4R用紙」と呼ぶ)、給紙カセット72にはB4サイズ(横送り)の用紙(以下、「B4用紙」と呼ぶ)、そして、給紙カセット72にはA3サイズ(横送り)の用紙(以下、「A3用紙」と呼ぶ)が収納されている。なお、図1では省略しているが、ピックアップローラ76は、給紙カセット71〜75のそれぞれに対して設けられている。
【0024】
各色のトナー像が多重転写された用紙は、転写ベルト41により、定着部80まで搬送される。定着部80の定着ローラ801は内部にヒータを備え、制御部100は、定着ローラ801の表面温度を温度検出センサで検出しながらヒータへの通電を制御する。用紙は、定着ローラ801により高温で加圧され、その表面のトナー粒子が用紙表面に融着して定着された後、排紙ユニット90に送られた後、排紙トレイ91〜93上のいずれかに排出される。排紙ユニット90には、排紙トレイ91〜93のそれぞれに対応する排紙ローラ901〜903が設けられている。
【0025】
なお、用紙の表面および裏面に対して画像形成が行なわれる場合には、複合機1は、用紙の表面に形成された画像を定着部80で定着させた後、当該用紙を両面ユニット82へ送る。その後、複合機1では、当該用紙の裏面に画像が形成され、当該裏面に形成された画像が定着部80で定着された後、当該用紙が排紙トレイ上に排出される。
【0026】
複合機1では、排紙トレイ91〜93のそれぞれに対して、後述する積載量検出ユニットが設けられている。制御部100は、当該積載量検出ユニットによって排紙トレイ91〜93のそれぞれの用紙の積載状態を検出する。そして、制御部100は、当該排紙トレイにそれ以上用紙が排出されると新たに排出される用紙がすでに排出されている用紙を押し出す状態であると判断すると、当該排紙トレイへの用紙の排紙を停止させる。このような排紙の停止がどのように実現されるかについては、後述する。
【0027】
[排紙トレイ近傍の構成]
図2は、排紙トレイ91およびその周辺の構成を模式的に示す図である。
【0028】
図2を参照して、排紙トレイ91上には、用紙Pが、排紙ユニット90から、排紙ローラ901を介して、排出方向R10に送り込まれ、載置されている。排紙トレイ91上の用紙Pの排出方向R10についての右側には筐体918が設置されている。
【0029】
筐体918には、矢印R1の方向に存在する物体との距離を測定する測距センサ911が設けられている。測距センサ911は、たとえば測距反射形光電センサ等の公知のセンサによって構成される。測距反射形光電センサは、測距反射形光電形近接スイッチを含み、測距反射形光電形近接スイッチは、投光素子と位置検出素子を含む。このようなセンサが用いられて測定が行なわれた場合、投光素子から物体で反射された光のスポットが位置検出素子上のどの位置で検出されるかに基づいて、センサから当該物体までの距離が測定される。
【0030】
図3は、測距センサ911の構成を説明するための図である。なお、図3(A)は、排紙トレイ91上を排紙ローラ901側から見た模式図に相当し、図3(B)は、図3(A)中の測距センサ911を正面から見た状態の模式図に相当する。
【0031】
図3(A)および図3(B)を参照して、測距センサ911には、7個の出力部911A〜911Gと検知部911Xが設けられている。測距センサ911では、周知の技術に基づいて、光を出力部911A〜911Gのいずれかが発し、そして、発せられた光が検知部911Xで検知された場合、受光した位置に基づいて、物体との距離が検出される。
【0032】
なお、出力部911A〜911Dは、排紙トレイ91の底面から距離HAの高さでほぼ水平方向に光を発し、出力部911E〜911Gは、排紙トレイ91の底面から距離HAよりも低い距離HBの高さでほぼ水平方向に光を発する。
【0033】
図4は、排紙トレイ91を上から見た状態を模式的に示す図である。
図4をさらに参照して、測距センサ911から発せられた光の中で、矢印R1で示される光は、排紙トレイ91上の用紙Pの、排出方向R10についての後端上に位置している。そして、矢印R2で示される光は、排紙トレイ91上の用紙Pの、排出方向R10についての先端上であって角を通るように位置している。矢印R1と矢印R2を通る光は、それぞれ、排紙トレイ91の底面と平行に当該底面から距離HAまたは距離HBだけ離れた線上を経路としている。光の底面からの高さをどのように決定するかについては、後述する。
【0034】
測距センサ911から発せられる光の中で矢印R2で示された方の経路は、排紙トレイ91上に排出される用紙のサイズによって、用紙の先端の角を通るように、図5(A)〜図5(C)に示されるように変更される。
【0035】
図5(A)を参照して、排紙トレイ91上に排出される用紙が枠P2(図4参照)で示されたA4用紙であれば、図4中で矢印R2で示されていた方の光の経路は、矢印R2Aで示されるものにされる。
【0036】
図5(B)を参照して、排紙トレイ91上に排出される用紙が枠P1(図4参照)で示されたA5用紙であれば、図4中で矢印R2で示されていた方の光の経路は、矢印R2Bで示されるものにされる。
【0037】
図5(C)を参照して、排紙トレイ91上に排出される用紙が枠P4(図4参照)で示されたA3用紙であれば、図4中で矢印R2で示されていた方の光の経路は、矢印R2Cで示されるものにされる。
【0038】
なお、図3(B)に示した出力部911B〜911Dのうち、出力部911Bは、矢印R2Bの経路で光を発し、出力部911Cは、矢印R2Aの経路で光を発し、そして、出力部911Dは、矢印R2Cの経路で光を発する。出力部911Aは、矢印R1の経路で光を発する。また、出力部911Eは、矢印R2Bの経路で光を発し、出力部911Fは、矢印R2Aの経路で光を発し、そして、出力部911Gは、矢印R2Cの経路で光を発する。
【0039】
また、測距センサ911は、排紙トレイ92および排紙トレイ93のそれぞれにも、上記したように排紙トレイ91に設けられているものと同様に動作するように設けられている。
【0040】
また、図4では、枠P3は、A4R用紙の外形に対応している。本実施の形態では特に説明を行なっていないが、複写機1では、排紙トレイ91〜93に排出される用紙のサイズとしてA4Rが選択された場合であっても、図5(A)〜図5(C)を参照して説明したのと同様に、光の経路が、用紙のサイズに合わせて調整される。つまり、排出方向R10について、後端上に1本の測距センサ911の光の経路が設定され、そして、先端の一角を通るようにもう一本の測距センサ911の光の経路が設定される。
【0041】
また、本実施の形態のように、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBにある位置の用紙の有無が、測距センサ911が発する光の経路上で、つまり、排出方向R10についての連続的な範囲で、検出することができる。これにより、本実施の形態では、測距センサ911の経路を図2等を参照して説明したように設定することにより、排紙トレイ91上の用紙の複数の点それぞれに対応する数の測距センサを設けるようなことをすることなく、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBの用紙の有無を、排出方向R10についてのほぼ全範囲で検出することができる。
【0042】
なお、測距センサ911は、排紙トレイ92および排紙トレイ93のそれぞれにも、上記したように排紙トレイ91に設けられているものと同様に動作するように設けられている。
【0043】
また、さらに図4を参照して、枠P3は、A4R用紙の外形に対応している。本実施の形態では特に説明を行なっていないが、複合機1では、排紙トレイ91〜93に排出される用紙のサイズとしてA4Rが選択された場合であっても、図5(A)〜図5(C)を参照して説明したのと同様に、光の経路が、用紙のサイズに合わせて調整される。つまり、排出方向R10について、後端上に1本の測距センサ911の光の経路(R1)が設定され、そして、先端の一角を通るようにもう一本の測距センサ911の光の経路(R2A〜R2C)が設定される。
【0044】
本実施の形態では、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBにある位置の用紙の有無が、測距センサ911が発する光の経路上で、つまり、排出方向R10についての連続的な範囲で、検出することができる。これにより、本実施の形態では、測距センサ911の経路を図2等を参照して説明したように設定することにより、排紙トレイ91上の用紙の複数の点それぞれに対応する数の測距センサを設けるようなことをすることなく、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBの用紙の有無を、排出方向R10についてのほぼ全範囲で検出することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、後述するような、排紙トレイの底面から高さHAもしくはHBの位置に用紙が存在するか否か、つまり、排紙トレイが「トレイ満載」状態にあるか否かは、矢印R1で示される経路について測距センサ911から点R2Kまでの距離よりも短い距離に物体が存在するか否か、および、測距センサ911から点R2L、点R2M、または点R2Nまでの距離よりも短い距離に物体が存在するか否かにより判断される。
【0046】
点R2Kは、矢印R1で示される経路上の測距センサ911から枠P4の外縁よりも所定の余裕の距離(たとえば数ミリ程度)離れた位置に設定されている。測距センサ911から点R2Kまでの距離をたとえば距離Kとする。また、点R2L,点R2M,点R2Nは、矢印R2A,矢印R2B,矢印R2Cの各経路上の測距センサ911から枠P4の外縁よりも所定の余裕の距離(たとえば数ミリ程度)離れた位置に設定されている。測距センサ911から点R2L,点R2M,点R2Nまでの距離をそれぞれ距離L,M,Nとする。各センサでは、距離L,M,Nより短い距離が検出された場合、用紙が存在すると判断できる。
【0047】
そして、たとえば測距センサ911の経路が矢印R2Aとされた場合、矢印R1について測距センサ911から距離K以内に物体が存在することが検出された場合、または、矢印R2Aについて測距センサ911から距離L以内に物体が存在することが検出された場合、「トレイ満載」状態にあると判断される。「トレイ満載」状態は、排紙トレイにこれから排出されてくる用紙に対する障害物(用紙)が存在する状態である。また、測距センサ911の経路が矢印R2Aとされた場合、矢印R1について測距センサ911から距離K以内に物体が存在しないことが検出され、かつ、矢印R2Aについて測距センサ911から距離L以内に物体が存在しないことが検出された場合、すなわち、距離K,Lより長い距離が検出された場合、「トレイ満載」状態ではないと判断される。なお、測距センサ911の経路が矢印R2B,R2Cとされた場合には、距離Lとされているところがそれぞれ距離M,Nに置き換えられて検出が行なわれる。
【0048】
[複合機のハードウェア構成]
図6は、複合機1のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【0049】
図6を参照して、複合機1は、当該複合機1全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)101と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)102と、CPU101が実行するプログラムや定数などを記憶するROM(Read Only Memory)103と、画像データなどを記憶するための記憶部104と、排紙ユニット90における用紙の排出についての制御を行なう出力制御部105と、ネットワークを介してパーソナルコンピュータなどの他の機器と通信を行なうための通信I/O106と、複合機1の状態や操作を補助する情報などを表示する表示部111と、ユーザが複合機1に対して情報を入力するときに操作する操作部112と、画像読取部10と、画像形成部20とを含む。
【0050】
本実施の形態の複合機1では、出力制御部105は、排紙ユニット90に設けられている。また、CPU101、RAM102、ROM103、記憶部104、および、通信I/O106は、制御部100内に設けられている。なお、これらの配置場所は変更されても良い。
【0051】
出力制御部105の詳細な構成を、図7を参照して説明する。
図7を参照して、出力制御部105は、制御部100に設けられたCPU101との間で情報の通信を行なうためのインターフェイス(I/O)501を含む。また、出力制御部105には、上記した測距センサ911、図5(A)〜図5(C)等を参照して説明したように、排紙トレイ91上に排出される用紙のサイズや材質に応じて測距センサ911の光の方向および高さを変更する経路変更部915を含む。これらの動作の制御は、積載検出制御部502によってなされる。積載検出制御部502は、インターフェイス501を介して、CPU101と通信を行なう。
【0052】
[画像形成時に実行される処理]
次に、複合機1において用紙上における画像形成が行なわれる際に実行される処理について説明する。図8は、画像形成の際にCPU101が実行する画像形成処理のフローチャートであり、図9は、画像形成の際に積載検出制御部502が実行する積載状態検出処理のフローチャートである。
【0053】
まず、図8を参照して、CPU101は、ステップSA10で、画像形成を行なうための指示が入力されたか否かを判断する。なお、画像形成を行なうための指示は、操作部112を操作されることによって入力される場合もあれば、通信I/O106を介して他の装置から入力される場合もある。
【0054】
そして、CPU101は、そのような指示が入力されたと判断するとステップSA20へ処理を進める。
【0055】
ステップSA20では、CPU101は、ステップSA10の指示において入力された情報に基づいて、画像形成を行なう条件を取得して、ステップSA30へ処理を進める。なお、ここで取得される画像形成の条件とは、たとえば、画像形成の対象となる画像データ、画像を形成する用紙のサイズ(出力用紙サイズ)、用紙の材質(普通紙、薄紙、等)画像形成を行なう部数(出力部数)、形成する画像の大きさの倍率(出力倍率)、および、出力態様(両面印刷、Nin1等)、用紙の出力先(排紙トレイ91〜93)などが挙げられる。
【0056】
ステップSA30では、CPU101は、ステップSA20で取得した画像形成条件に基づき、画像形成部20に画像形成動作を開始させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0057】
ステップSA40では、CPU101は、ステップSA20で取得した画像形成条件において出力先とされた排紙トレイにおいて用紙が満載状態にあるか否かを判断し、満載状態であると判断するとステップSA60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA50へ処理を進める。
【0058】
なお、出力先の排紙トレイが満載状態であるか否かは、積載検出制御部502が後述する積載状態検出処理を実行している期間中に「トレイ満載」に対応する信号(後述する「トレイ満載信号」を送信してきたか否かによって判断される。
【0059】
ステップSA50では、CPU101は、ステップSA20で取得された画像形成条件に基づく画像形成動作が終了したか否かを判断する。そして、終了したと判断すると、画像形成処理を終了させ、まだ終了していないと判断すると、ステップSA40へ処理を戻す。
【0060】
ステップSA60では、CPU101は、ステップSA30で開始させた画像形成動作を停止させて、ステップSA70へ処理を進める。
【0061】
ステップSA70では、CPU101は、表示部111にエラーメッセージを表示させて、画像形成処理を終了させる。
【0062】
なお、ここで表示されるエラーメッセージとは、たとえば、出力先として指定された排紙トレイ上に載置された用紙を当該排紙トレイから取り去ることをユーザに対して促すものが考えられる。複合機1では、このように画像形成動作が停止され表示部111にエラーメッセージが表示された状態で画像形成処理が終了した場合、ユーザによって排紙トレイからの用紙の除去および再度の画像形成指示がなされることにより、CPU101がサイドステップSA10で当該画像形成指示に基づいてステップSA20へ処理を進め、これにより、画像形成動作が再開される。
【0063】
次に、積載検出制御部502が実行する積載状態検出処理の内容を説明する。
図9を参照して、積載検出制御部502は、まずステップSB10で、上記したようにCPU101が画像形成処理を実行することにより、排紙トレイ91〜93のいずれかに対する用紙の出力が開始されるか否かを判断し、開始されると判断すると、ステップSB20へ処理を進める。
【0064】
ステップSB20では、積載検出制御部502は、ステップSB10で開始を検出した用紙の出力について、出力される用紙のサイズと向きを特定する情報を取得し、ステップSB30へ処理を進める。なお、ここでの情報の取得は、たとえば、上記したステップSA20で画像形成条件を取得したCPU101に対して積載検出制御部502が問合せを行なうことにより実現される。
【0065】
ステップSB30では、積載検出制御部502は、ステップSB20で取得した出力用紙のサイズと向きに基づいて、測距センサ911が発する光の中の図2において矢印R2で示した方の光の方向を、図5(A)〜図5(C)を参照して説明したように調整して、ステップSB40へ処理を進める。なお、光の方向は、経路変更部915によって制御される。また、ステップSB30で経路を制御される測距センサ911は、排紙トレイ91〜93の中のステップSB20で取得された情報において出力先に指定された排紙トレイに設置された測距センサ911のものである。
【0066】
また、ステップSB30では、測距センサ911が発する光の排紙トレイ91の底面からの距離(高さ)を図3(A)の距離HAとするか距離HBとするかを、ステップSB20で取得した出力用紙の材質およびサイズに基づき、表1に示すようなテーブルを参照して、決定する。
【0067】
【表1】
【0068】
表1では、ステップSB20で取得した用紙の材質とサイズに対応した、光を発する高さ、つまり、物体の検出を行なう高さが、「高」「低」の2種類で示されている。「高」は、図3(A)の距離HAに対応し、「低」は、距離HBに対応する。
【0069】
つまり、ステップSB30の処理により、図2に矢印R2と示した光を、出力部911B〜911Gのどれに出力させるかが決定される。
【0070】
ステップSB40では、積載検出制御部502は、出力先に指定されている排紙トレイにおいて、ステップSB30で決定した底面からの高さHAもしくはHBの位置に用紙が存在しているか否かを判断し、存在していると判断するとステップSB60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB50へ処理を進める。
【0071】
つまり、ステップSB40では、矢印R1および矢印R2で示される光の経路上で、排紙トレイ上に排出された用紙の少なくとも一部が排紙トレイの底面から高さHAもしくはHBの位置に存在する場合に処理がステップSB60に進められ、存在しない場合には処理がステップSB50に進められる。なお、図4において矢印R1および矢印R2で示された光の用紙P上を抜ける位置M1,M2のうちで測距センサ911から距離が遠い方の距離が、本発明の特定の距離に相当する。
【0072】
ステップSB50では、出力先として指定されている排紙トレイへの用紙の出力が終了するか否かを判断し、まだ終了しないと判断するとステップSB40へ処理を戻し、終了すると判断すると積載状態検出処理を終了させる。なお、ステップSB50での判断は、たとえば、積載検出制御部502に、CPU101がステップSA50の判断により画像形成動作が終了すると判断するか否かを監視させることにより実現される。
【0073】
ステップSB60では、積載検出制御部502は、ステップSB40において用紙が存在すると判断した状態が一定時間継続したか否かを判断し、継続していないと判断するとステップSB40へ処理を戻し、継続していると判断するとステップSB70へ処理を進める。ここで、一定時間とは、たとえば、排紙ローラ(排紙ローラ901〜903)を介して出力される用紙が、排紙トレイ(排紙トレイ91〜93)上に到達する前に、測距センサ911の光(矢印R1および矢印R2)の経路上を横切るのに要する時間またはそれに適切な余裕が加えられた時間とされる。
【0074】
ステップSB70では、積載検出制御部502は、CPU101に対して「トレイ満載」を通知して、積載状態検出処理を終了させる。なお、具体的には、積載検出制御部502は、たとえば上記した「トレイ満載」に対応する信号(トレイ満載信号)をCPU101に対して送信することにより、「トレイ満載」の通知を行なう。
【0075】
以上説明した本実施の形態では、測距センサ911により、排紙トレイ91上の用紙の載置状態が検出される。つまり、測距センサ911により検出手段が構成される。
【0076】
図11および図12は、図4などに示した排紙トレイ91近傍を横から見た状態を模式的に示す図である。図11および図12の破線は、出力部911E〜911Gのいずれかが発する光の経路を表わしている。
【0077】
図11および図12を参照して、複合機1では、排出される用紙の撓りが比較的大きいと考えられる場合には、出力部911Aと破線Lとで示されるように、用紙の排出方向R10について、下流側では最上流部(出力部911Aが光を発する位置)よりも低い位置で、排紙トレイ91上に積載された用紙の有無が検出されている。なお、排出される用紙の撓りが比較的大きいと考えられる場合とは、表1に「低」で示されるように、用紙が薄いものであり、また、用紙のサイズが大きい場合である。
【0078】
具体的には、用紙のサイズがA4,A4R,A5の場合、用紙の材質が普通紙であれば検出位置は「高」とされるが、普通紙よりも薄く撓りが大きいと考えられる薄紙であれば検出位置は「低」とされる。
【0079】
また、用紙の材質が普通紙であっても、サイズがA3である場合には検出位置は「低」とされ、A4,A4R,A5である場合には検出位置は「高」とされる。
【0080】
以上説明した本実施の形態では、排出トレイ91に新たに出力される用紙のサイズおよび材質に応じて、測距センサ911の距離の測定を行なう高さ、つまり、出力部911B〜911Gのいずれに光を出力させるかが決定される。なお、このような測定が行なわれる高さは、用紙のサイズまたは材質のいずれか一方に応じて決定されても良い。
【0081】
[第1の変形例]
図10は、以上説明した複合機1における、画像形成処理(図8)の変形例のフローチャートである。
【0082】
図10を参照して、この変形例では、ステップSA10からステップSA30については、CPU101は、図8を参照して説明した処理と同様の処理を実行する。
【0083】
つまり、CPU101は、まず、ステップSA10で、画像形成を行なうための指示が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断するとステップSA20へ処理を進める。ステップSA20では、CPU101は、画像形成を行なう条件を取得し、ステップS30へ処理を進める。ステップSA30では、CPU101は、ステップSA20で取得した画像形成条件に基づき、画像形成部20に画像形成動作を開始させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0084】
図8を参照して説明した処理では、CPU101は、ステップSA30の処理の後、ステップSA40で、出力先として指定された排紙トレイが満載状態であると判断すると、ステップSA60で画像形成動作を停止させていた。
【0085】
一方、本変形例の複合機1では、排紙トレイ91〜93のいずれかが満載状態であると判断された場合であっても、可能な限り出力先として指定する排紙トレイを変更して、画像形成動作が継続される。
【0086】
図10を参照して、この変形例では、CPU101は、ステップSA41で、出力先として指定されている排紙トレイが満載状態であると判断した場合、ステップSA51で、出力先として指定する他の排紙トレイがあるか否かを判断する。具体的には、CPU101は、排紙トレイ91〜93の中で、ステップSA41で満載状態と判断されていない(満載でない)ものがあるか否かを判断し、そのような排紙トレイがあれば変更可としてステップSA52へ処理を進め、そのような排紙トレイはないと判断すると変更不可としてステップSA60へ処理を進める。
【0087】
ステップSA52では、CPU101は、出力先として指定する排紙トレイを変更して、ステップSA40へ処理を戻す。ここでは、たとえば、ステップSA40で排紙トレイ91が満載状態であると判断された場合に、排紙トレイ92が満載状態であるか否かが判断され、そうではないと判断されると出力先が排紙トレイ92に変更される。また、排紙トレイ92も満載状態であると判断されると、排紙トレイ93が満載状態であるか否かが判断される。そして、排紙トレイ93は満載状態ではないと判断されると出力先が排紙トレイ93に変更され、変更された排紙トレイ92もしくは排紙トレイ93に用紙が排出される。排紙トレイ93も満載状態であると判断されれば、処理はステップSA60へ進められる。
【0088】
ステップSA60およびステップSA70では、図8を参照して説明したのと同様の処理が実行される。
【0089】
つまり、ステップSA60では、CPU101は、ステップSA30で開始させた画像形成動作を停止させて、ステップSA70へ処理を進める。そして、ステップSA70では、CPU101は、表示部111にエラーメッセージを表示させて、画像形成処理を終了させる。
【0090】
本変形例では、図10を参照して説明したような制御がなされることにより、1つの排紙トレイ91〜93のいずれかが満載状態となった場合、そのことによって複合機1において開始された画像形成動作が途中で停止される事態を極力抑えることができる。
【0091】
[第2の変形例]
図13は、複合機1の第2の変形例において排紙トレイ91上の用紙の積載状態が検出される際の、測距センサ911による距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【0092】
上記した実施の形態では、用紙の材質およびサイズに応じて出力部911B〜911Gのいずれに光を発せさせるかが決定された。
【0093】
なお、本実施の形態では、排紙トレイ91に排出される用紙の撓りに注目しているため、排紙トレイ91において、用紙の排出方向R10について、上流側よりも下流側の方が低い位置で用紙の有無の検出がなされれば良い。この点、図11等に示されるように、排紙ローラ901近傍では出力部911Aが発した光を用いた高さHAで用紙の有無が検出され、そして、それよりも排出方向R10についての下流側では高さHBで用紙の有無が検出される。
【0094】
つまり、上記した実施の形態では、図11に破線Lや図3(A)の二つの矢印で示したように、出力部911B〜911Gの出力する光は、排紙トレイ91の底面に対して一定の距離(距離HAまたは距離HB)を保っている。
【0095】
なお、測距センサ911は、出力部911B〜911Gの代わりに、図13に破線LXとして示すような排出方向R10について下流側ほど排紙トレイ91の底面との距離が短くなる経路で光を発する出力部911Xを備えても良い。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施の形態の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の排紙トレイ近傍の構成を模式的に示す図である。
【図3】図2の測距センサの構成を説明するための図である。
【図4】図1の排紙トレイ近傍を上から見た状態を模式的に示す図である。
【図5】図1の複合機における、排紙トレイに出力される用紙のサイズと向きに応じた発光部から受光部への経路の変更を説明するための図である。
【図6】図1の複合機のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図7】図6の出力制御部のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図8】図6のCPUが実行する画像形成処理のフローチャートである。
【図9】図7の積載検出制御部が実行する積載状態検出処理のフローチャートである。
【図10】図1の複合機の第1の変形例において実行される画像形成処理のフローチャートである。
【図11】図1の複合機の排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する際の、測距センサによる距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【図12】図1の複合機の排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する際の、測距センサによる距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【図13】図1の複合機の第2の変形例の排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する際の、測距センサによる距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1 複合機、10 画像読取部、20 画像形成部、70 給紙部、71〜75 給紙カセット、90 排紙ユニット、91〜93 排紙トレイ、100 制御部、101 CPU、102 RAM、103 ROM、104 記憶部、105 出力制御部、111 表示部、112 操作部、502 積載検出制御部、901〜903 排紙ローラ、911 測距センサ、911A〜911G 出力部、911X 検出部、915 経路変更部、918 筐体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびその制御方法に関し、特に、画像を形成された用紙が排出される排紙トレイにおける用紙の積載状態を適切に検出できる画像形成装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、排紙トレイ上に排出されている用紙が、新たに排出される用紙によって不揃いにされたり、排紙トレイから押し出されたりする事態が生じていた。なお、従来から、このような事態を回避するために、排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出し、満載状態であると判断すると排紙トレイ上への用紙の排出を停止する等の措置をとる技術が適用されていた。このように、新たに排出される用紙によるすでに載置されている用紙の押し出しを回避するために排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する技術に関しては、種々の開示がなされている。
【0003】
たとえば、特許文献1および特許文献2には、排出口近傍に測距センサを固定し、当該測距センサが測定する、排紙トレイの最も上に位置する用紙上の1点と当該測距センサとの距離に基づいて、排紙トレイ上にどの程度の量の用紙が積載されているかを判定する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、排紙トレイ上に積載された用紙に当接するレバーと、当該レバーの動作に連動して回動する遮光部材と、フォトセンサを設ける技術が開示されている。この文献では、上記レバーおよび遮光部材は、排紙トレイ上に積載された用紙の量が変化に伴ってその回転角度が変化するように構成されており、そして、遮光部材の回転角度が変化することにより、フォトセンサに対する遮光の度合いが変化する。そして、この文献に記載された技術によれば、フォトセンサに入る光が所定の度合い以上遮られる位置まで遮光部材が回動されるように用紙が積載されたことにより、排紙トレイが用紙で満載状態にされているという判断がなされる。
【特許文献1】特開平10−203724号公報
【特許文献2】特開2002−12365号公報
【特許文献3】特開2004−115236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、排紙トレイに同じだけ用紙が積載されていても、新たに排紙トレイに排出されてきた用紙によって積載されている用紙が押し出されたりする事態が発生していた。
【0006】
しかしながら、上記したいずれの従来技術においても、このような事態については、検討がなされていなかった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、排紙トレイ上にすでに積載された用紙が新たに排紙トレイに排出される用紙と衝突することを確実に回避するために用紙自身の特性に基づいた制御を実行できる画像形成装置およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った画像形成装置は、用紙を載置する排紙トレイと、前記排紙トレイ上に用紙を排出する排出手段と、前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得する取得手段と、前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出する検出手段と、前記取得手段が取得した用紙の材質に応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するかを制御する第1制御手段と、前記検出手段が検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排出手段による用紙の排出を停止する第2制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記検出手段は、前記排出手段による用紙の排出方向について複数の地点で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出し、前記第2制御手段は、前記複数の地点の中で、前記排出手段による用紙の排出方向について上流側の地点を下流側の地点よりも、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向の検出する位置までの距離を短くすることが好ましい。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記取得手段は、前記排紙トレイ上に排出される用紙のサイズをさらに取得し、前記第1制御手段は、さらに前記取得手段が取得した用紙のサイズに応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向にどの位置で前記物体との距離を測定するかを制御することが好ましい。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、前記排紙トレイを複数備え、前記排出手段は、複数の前記排紙トレイの中の1の排紙トレイ上に用紙を排出し、前記第2制御手段は、前記検出手段により排出先のトレイが満載状態であると検出された場合に、前記排出手段による用紙の排出先を、それまで前記排出手段に用紙を排出していた前記排紙トレイから、他の前記排紙トレイに変更することが好ましい。
【0012】
本発明に従った画像形成装置の制御方法は、排紙トレイに用紙を排出する画像形成装置の制御方法であって、前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得するステップと、前記取得した用紙の材質に応じて、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で用紙の載置状態を検出するかを決定するステップと、前記決定された位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するステップと、前記検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排紙トレイ上への用紙の排出を停止させるステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、画像形成装置では、排紙トレイ上に排出される用紙の材質に応じて、排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で用紙の載置状態を検出するかが決定される。
【0014】
用紙の撓り具合は、用紙の材質によって異なる。このことから、排紙トレイ上に新たに排出される用紙の先端がどの程度まで下方に位置するかは、排紙トレイ上に新たに排出される用紙の材質によって異なる。したがって、排紙トレイに同じだけ用紙が積載されていても、新たに排紙トレイに排出されてきた用紙の先端が下方に位置すると、積載されている用紙が押し出される場合がある。
【0015】
そして、本発明によれば、排紙トレイ上に新たに排出される用紙の先端がどの程度まで下方に位置するかに応じた位置で、排紙トレイ上の用紙の有無が検出される。そして、排紙トレイ上において、新たに排出される用紙の先端の位置に応じた位置に用紙が存在する場合には、そのような用紙と新たに排出される用紙とが当接しないように、排紙トレイへの用紙の排出が停止される。
【0016】
したがって、本発明によれば、新たに排出される用紙による排紙トレイ上の用紙の押し出しを確実に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[画像形成装置(複合機)の全体構成]
図1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態である複合機1を示す概略正面断面図である。図1に示すように、複合機1は、画像読取部10、画像形成部20、排紙ユニット90、および、制御部100を含む。複合機1には、イメージングユニット150K,150Y,150M,150Cが着脱自在に装着される。イメージングユニット150K,150Y,150M,150Cは、複合機1に装着された際に図示しないカバー(前カバー)によって覆われるものであって、複合機1内に内包される構成となっている。
【0018】
画像読取部10は、スキャナを含み、当該スキャナを移動させることにより不図示の原稿ガラス板上に載置された原稿の画像を読み取る公知の装置である。画像読取部10では、画像読取装置に設けられた露光ランプの照射により得られた原稿画像が、集光レンズにより結像され、さらに分光器によりレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の三種類の波長の光に分光されて、それぞれレッド用CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、グリーン用CCDイメージセンサ、ブルー用CCDイメージセンサに入射される。各CCDイメージセンサ(以下、単に「CCDセンサ」という。)からの出力信号は、制御部100でAD(アナログ−デジタル)変換されて、原稿のR、G、Bの各画像データとされる。
【0019】
得られた色成分ごとの画像データは、制御部100において、各種のデータ処理を施され、更にブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各再現色(以下、各再現色に関連する構成部分の番号に、このK、Y、M、Cを添字として付加する。)の画像データに変換される。変換された画像データは、制御部100内のRAM(後述するRAM102)に再現色ごとに格納され、レジスト補正などの各種の補正処理を施される。その後、画像データは、印刷用紙(以下、単に「用紙」と呼ぶ)の供給と同期して1走査ラインごとに読み出され、感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cを露光するレーザダイオードの駆動信号となる。
【0020】
画像形成部20は、画像形成部20内に張架されて駆動される転写ベルト41と、転写ベルト41に対向して所定間隔で配置された各色のイメージングユニット(画像形成ユニット)150K,150Y,150M,150Cと、イメージングユニットごとに設けられた露光走査部60K〜60Cと、転写ベルト41へ用紙を給送する給紙部70と、用紙搬送部40の下流側に配置された定着部80と、両面ユニット82とからなる。
【0021】
露光走査部60K〜60Cは、それぞれ、制御部100から出力された駆動信号を受けてレーザ光を発するレーザダイオードや、このレーザ光を偏向して感光体ドラム51K〜51C上を主走査方向に露光走査させるための不図示のポリゴンミラー等を備えている。
【0022】
画像形成部20は、さらに、画像形成後の用紙に対して、ステイプル(ホチキス止め)するステープラ87、2つ折り等の折り畳み処理を施す折りユニット88、および、パンチ穴を開けるパンチユニット89を含む。
【0023】
給紙部70は、用紙を収納する給紙カセット71〜75と、各給紙カセットに収納される用紙を繰り出すためのピックアップローラ76と、繰り出された用紙を転写ベルト41に送り出すタイミングを調整するためのレジストローラ79を含む。給紙カセット71〜75には、サイズまたは向きの異なる用紙が収納される。具体的には、たとえば、給紙カセット71にはA5サイズ(横送り)の用紙(以下、「A5用紙」と呼ぶ)、給紙カセット72にはA4サイズ(横送り)の用紙(以下、「A4用紙」と呼ぶ)、給紙カセット73にはA4サイズ(縦送り)の用紙(以下、「A4R用紙」と呼ぶ)、給紙カセット72にはB4サイズ(横送り)の用紙(以下、「B4用紙」と呼ぶ)、そして、給紙カセット72にはA3サイズ(横送り)の用紙(以下、「A3用紙」と呼ぶ)が収納されている。なお、図1では省略しているが、ピックアップローラ76は、給紙カセット71〜75のそれぞれに対して設けられている。
【0024】
各色のトナー像が多重転写された用紙は、転写ベルト41により、定着部80まで搬送される。定着部80の定着ローラ801は内部にヒータを備え、制御部100は、定着ローラ801の表面温度を温度検出センサで検出しながらヒータへの通電を制御する。用紙は、定着ローラ801により高温で加圧され、その表面のトナー粒子が用紙表面に融着して定着された後、排紙ユニット90に送られた後、排紙トレイ91〜93上のいずれかに排出される。排紙ユニット90には、排紙トレイ91〜93のそれぞれに対応する排紙ローラ901〜903が設けられている。
【0025】
なお、用紙の表面および裏面に対して画像形成が行なわれる場合には、複合機1は、用紙の表面に形成された画像を定着部80で定着させた後、当該用紙を両面ユニット82へ送る。その後、複合機1では、当該用紙の裏面に画像が形成され、当該裏面に形成された画像が定着部80で定着された後、当該用紙が排紙トレイ上に排出される。
【0026】
複合機1では、排紙トレイ91〜93のそれぞれに対して、後述する積載量検出ユニットが設けられている。制御部100は、当該積載量検出ユニットによって排紙トレイ91〜93のそれぞれの用紙の積載状態を検出する。そして、制御部100は、当該排紙トレイにそれ以上用紙が排出されると新たに排出される用紙がすでに排出されている用紙を押し出す状態であると判断すると、当該排紙トレイへの用紙の排紙を停止させる。このような排紙の停止がどのように実現されるかについては、後述する。
【0027】
[排紙トレイ近傍の構成]
図2は、排紙トレイ91およびその周辺の構成を模式的に示す図である。
【0028】
図2を参照して、排紙トレイ91上には、用紙Pが、排紙ユニット90から、排紙ローラ901を介して、排出方向R10に送り込まれ、載置されている。排紙トレイ91上の用紙Pの排出方向R10についての右側には筐体918が設置されている。
【0029】
筐体918には、矢印R1の方向に存在する物体との距離を測定する測距センサ911が設けられている。測距センサ911は、たとえば測距反射形光電センサ等の公知のセンサによって構成される。測距反射形光電センサは、測距反射形光電形近接スイッチを含み、測距反射形光電形近接スイッチは、投光素子と位置検出素子を含む。このようなセンサが用いられて測定が行なわれた場合、投光素子から物体で反射された光のスポットが位置検出素子上のどの位置で検出されるかに基づいて、センサから当該物体までの距離が測定される。
【0030】
図3は、測距センサ911の構成を説明するための図である。なお、図3(A)は、排紙トレイ91上を排紙ローラ901側から見た模式図に相当し、図3(B)は、図3(A)中の測距センサ911を正面から見た状態の模式図に相当する。
【0031】
図3(A)および図3(B)を参照して、測距センサ911には、7個の出力部911A〜911Gと検知部911Xが設けられている。測距センサ911では、周知の技術に基づいて、光を出力部911A〜911Gのいずれかが発し、そして、発せられた光が検知部911Xで検知された場合、受光した位置に基づいて、物体との距離が検出される。
【0032】
なお、出力部911A〜911Dは、排紙トレイ91の底面から距離HAの高さでほぼ水平方向に光を発し、出力部911E〜911Gは、排紙トレイ91の底面から距離HAよりも低い距離HBの高さでほぼ水平方向に光を発する。
【0033】
図4は、排紙トレイ91を上から見た状態を模式的に示す図である。
図4をさらに参照して、測距センサ911から発せられた光の中で、矢印R1で示される光は、排紙トレイ91上の用紙Pの、排出方向R10についての後端上に位置している。そして、矢印R2で示される光は、排紙トレイ91上の用紙Pの、排出方向R10についての先端上であって角を通るように位置している。矢印R1と矢印R2を通る光は、それぞれ、排紙トレイ91の底面と平行に当該底面から距離HAまたは距離HBだけ離れた線上を経路としている。光の底面からの高さをどのように決定するかについては、後述する。
【0034】
測距センサ911から発せられる光の中で矢印R2で示された方の経路は、排紙トレイ91上に排出される用紙のサイズによって、用紙の先端の角を通るように、図5(A)〜図5(C)に示されるように変更される。
【0035】
図5(A)を参照して、排紙トレイ91上に排出される用紙が枠P2(図4参照)で示されたA4用紙であれば、図4中で矢印R2で示されていた方の光の経路は、矢印R2Aで示されるものにされる。
【0036】
図5(B)を参照して、排紙トレイ91上に排出される用紙が枠P1(図4参照)で示されたA5用紙であれば、図4中で矢印R2で示されていた方の光の経路は、矢印R2Bで示されるものにされる。
【0037】
図5(C)を参照して、排紙トレイ91上に排出される用紙が枠P4(図4参照)で示されたA3用紙であれば、図4中で矢印R2で示されていた方の光の経路は、矢印R2Cで示されるものにされる。
【0038】
なお、図3(B)に示した出力部911B〜911Dのうち、出力部911Bは、矢印R2Bの経路で光を発し、出力部911Cは、矢印R2Aの経路で光を発し、そして、出力部911Dは、矢印R2Cの経路で光を発する。出力部911Aは、矢印R1の経路で光を発する。また、出力部911Eは、矢印R2Bの経路で光を発し、出力部911Fは、矢印R2Aの経路で光を発し、そして、出力部911Gは、矢印R2Cの経路で光を発する。
【0039】
また、測距センサ911は、排紙トレイ92および排紙トレイ93のそれぞれにも、上記したように排紙トレイ91に設けられているものと同様に動作するように設けられている。
【0040】
また、図4では、枠P3は、A4R用紙の外形に対応している。本実施の形態では特に説明を行なっていないが、複写機1では、排紙トレイ91〜93に排出される用紙のサイズとしてA4Rが選択された場合であっても、図5(A)〜図5(C)を参照して説明したのと同様に、光の経路が、用紙のサイズに合わせて調整される。つまり、排出方向R10について、後端上に1本の測距センサ911の光の経路が設定され、そして、先端の一角を通るようにもう一本の測距センサ911の光の経路が設定される。
【0041】
また、本実施の形態のように、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBにある位置の用紙の有無が、測距センサ911が発する光の経路上で、つまり、排出方向R10についての連続的な範囲で、検出することができる。これにより、本実施の形態では、測距センサ911の経路を図2等を参照して説明したように設定することにより、排紙トレイ91上の用紙の複数の点それぞれに対応する数の測距センサを設けるようなことをすることなく、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBの用紙の有無を、排出方向R10についてのほぼ全範囲で検出することができる。
【0042】
なお、測距センサ911は、排紙トレイ92および排紙トレイ93のそれぞれにも、上記したように排紙トレイ91に設けられているものと同様に動作するように設けられている。
【0043】
また、さらに図4を参照して、枠P3は、A4R用紙の外形に対応している。本実施の形態では特に説明を行なっていないが、複合機1では、排紙トレイ91〜93に排出される用紙のサイズとしてA4Rが選択された場合であっても、図5(A)〜図5(C)を参照して説明したのと同様に、光の経路が、用紙のサイズに合わせて調整される。つまり、排出方向R10について、後端上に1本の測距センサ911の光の経路(R1)が設定され、そして、先端の一角を通るようにもう一本の測距センサ911の光の経路(R2A〜R2C)が設定される。
【0044】
本実施の形態では、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBにある位置の用紙の有無が、測距センサ911が発する光の経路上で、つまり、排出方向R10についての連続的な範囲で、検出することができる。これにより、本実施の形態では、測距センサ911の経路を図2等を参照して説明したように設定することにより、排紙トレイ91上の用紙の複数の点それぞれに対応する数の測距センサを設けるようなことをすることなく、排紙トレイ91の底面から高さHAもしくはHBの用紙の有無を、排出方向R10についてのほぼ全範囲で検出することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、後述するような、排紙トレイの底面から高さHAもしくはHBの位置に用紙が存在するか否か、つまり、排紙トレイが「トレイ満載」状態にあるか否かは、矢印R1で示される経路について測距センサ911から点R2Kまでの距離よりも短い距離に物体が存在するか否か、および、測距センサ911から点R2L、点R2M、または点R2Nまでの距離よりも短い距離に物体が存在するか否かにより判断される。
【0046】
点R2Kは、矢印R1で示される経路上の測距センサ911から枠P4の外縁よりも所定の余裕の距離(たとえば数ミリ程度)離れた位置に設定されている。測距センサ911から点R2Kまでの距離をたとえば距離Kとする。また、点R2L,点R2M,点R2Nは、矢印R2A,矢印R2B,矢印R2Cの各経路上の測距センサ911から枠P4の外縁よりも所定の余裕の距離(たとえば数ミリ程度)離れた位置に設定されている。測距センサ911から点R2L,点R2M,点R2Nまでの距離をそれぞれ距離L,M,Nとする。各センサでは、距離L,M,Nより短い距離が検出された場合、用紙が存在すると判断できる。
【0047】
そして、たとえば測距センサ911の経路が矢印R2Aとされた場合、矢印R1について測距センサ911から距離K以内に物体が存在することが検出された場合、または、矢印R2Aについて測距センサ911から距離L以内に物体が存在することが検出された場合、「トレイ満載」状態にあると判断される。「トレイ満載」状態は、排紙トレイにこれから排出されてくる用紙に対する障害物(用紙)が存在する状態である。また、測距センサ911の経路が矢印R2Aとされた場合、矢印R1について測距センサ911から距離K以内に物体が存在しないことが検出され、かつ、矢印R2Aについて測距センサ911から距離L以内に物体が存在しないことが検出された場合、すなわち、距離K,Lより長い距離が検出された場合、「トレイ満載」状態ではないと判断される。なお、測距センサ911の経路が矢印R2B,R2Cとされた場合には、距離Lとされているところがそれぞれ距離M,Nに置き換えられて検出が行なわれる。
【0048】
[複合機のハードウェア構成]
図6は、複合機1のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【0049】
図6を参照して、複合機1は、当該複合機1全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)101と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)102と、CPU101が実行するプログラムや定数などを記憶するROM(Read Only Memory)103と、画像データなどを記憶するための記憶部104と、排紙ユニット90における用紙の排出についての制御を行なう出力制御部105と、ネットワークを介してパーソナルコンピュータなどの他の機器と通信を行なうための通信I/O106と、複合機1の状態や操作を補助する情報などを表示する表示部111と、ユーザが複合機1に対して情報を入力するときに操作する操作部112と、画像読取部10と、画像形成部20とを含む。
【0050】
本実施の形態の複合機1では、出力制御部105は、排紙ユニット90に設けられている。また、CPU101、RAM102、ROM103、記憶部104、および、通信I/O106は、制御部100内に設けられている。なお、これらの配置場所は変更されても良い。
【0051】
出力制御部105の詳細な構成を、図7を参照して説明する。
図7を参照して、出力制御部105は、制御部100に設けられたCPU101との間で情報の通信を行なうためのインターフェイス(I/O)501を含む。また、出力制御部105には、上記した測距センサ911、図5(A)〜図5(C)等を参照して説明したように、排紙トレイ91上に排出される用紙のサイズや材質に応じて測距センサ911の光の方向および高さを変更する経路変更部915を含む。これらの動作の制御は、積載検出制御部502によってなされる。積載検出制御部502は、インターフェイス501を介して、CPU101と通信を行なう。
【0052】
[画像形成時に実行される処理]
次に、複合機1において用紙上における画像形成が行なわれる際に実行される処理について説明する。図8は、画像形成の際にCPU101が実行する画像形成処理のフローチャートであり、図9は、画像形成の際に積載検出制御部502が実行する積載状態検出処理のフローチャートである。
【0053】
まず、図8を参照して、CPU101は、ステップSA10で、画像形成を行なうための指示が入力されたか否かを判断する。なお、画像形成を行なうための指示は、操作部112を操作されることによって入力される場合もあれば、通信I/O106を介して他の装置から入力される場合もある。
【0054】
そして、CPU101は、そのような指示が入力されたと判断するとステップSA20へ処理を進める。
【0055】
ステップSA20では、CPU101は、ステップSA10の指示において入力された情報に基づいて、画像形成を行なう条件を取得して、ステップSA30へ処理を進める。なお、ここで取得される画像形成の条件とは、たとえば、画像形成の対象となる画像データ、画像を形成する用紙のサイズ(出力用紙サイズ)、用紙の材質(普通紙、薄紙、等)画像形成を行なう部数(出力部数)、形成する画像の大きさの倍率(出力倍率)、および、出力態様(両面印刷、Nin1等)、用紙の出力先(排紙トレイ91〜93)などが挙げられる。
【0056】
ステップSA30では、CPU101は、ステップSA20で取得した画像形成条件に基づき、画像形成部20に画像形成動作を開始させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0057】
ステップSA40では、CPU101は、ステップSA20で取得した画像形成条件において出力先とされた排紙トレイにおいて用紙が満載状態にあるか否かを判断し、満載状態であると判断するとステップSA60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA50へ処理を進める。
【0058】
なお、出力先の排紙トレイが満載状態であるか否かは、積載検出制御部502が後述する積載状態検出処理を実行している期間中に「トレイ満載」に対応する信号(後述する「トレイ満載信号」を送信してきたか否かによって判断される。
【0059】
ステップSA50では、CPU101は、ステップSA20で取得された画像形成条件に基づく画像形成動作が終了したか否かを判断する。そして、終了したと判断すると、画像形成処理を終了させ、まだ終了していないと判断すると、ステップSA40へ処理を戻す。
【0060】
ステップSA60では、CPU101は、ステップSA30で開始させた画像形成動作を停止させて、ステップSA70へ処理を進める。
【0061】
ステップSA70では、CPU101は、表示部111にエラーメッセージを表示させて、画像形成処理を終了させる。
【0062】
なお、ここで表示されるエラーメッセージとは、たとえば、出力先として指定された排紙トレイ上に載置された用紙を当該排紙トレイから取り去ることをユーザに対して促すものが考えられる。複合機1では、このように画像形成動作が停止され表示部111にエラーメッセージが表示された状態で画像形成処理が終了した場合、ユーザによって排紙トレイからの用紙の除去および再度の画像形成指示がなされることにより、CPU101がサイドステップSA10で当該画像形成指示に基づいてステップSA20へ処理を進め、これにより、画像形成動作が再開される。
【0063】
次に、積載検出制御部502が実行する積載状態検出処理の内容を説明する。
図9を参照して、積載検出制御部502は、まずステップSB10で、上記したようにCPU101が画像形成処理を実行することにより、排紙トレイ91〜93のいずれかに対する用紙の出力が開始されるか否かを判断し、開始されると判断すると、ステップSB20へ処理を進める。
【0064】
ステップSB20では、積載検出制御部502は、ステップSB10で開始を検出した用紙の出力について、出力される用紙のサイズと向きを特定する情報を取得し、ステップSB30へ処理を進める。なお、ここでの情報の取得は、たとえば、上記したステップSA20で画像形成条件を取得したCPU101に対して積載検出制御部502が問合せを行なうことにより実現される。
【0065】
ステップSB30では、積載検出制御部502は、ステップSB20で取得した出力用紙のサイズと向きに基づいて、測距センサ911が発する光の中の図2において矢印R2で示した方の光の方向を、図5(A)〜図5(C)を参照して説明したように調整して、ステップSB40へ処理を進める。なお、光の方向は、経路変更部915によって制御される。また、ステップSB30で経路を制御される測距センサ911は、排紙トレイ91〜93の中のステップSB20で取得された情報において出力先に指定された排紙トレイに設置された測距センサ911のものである。
【0066】
また、ステップSB30では、測距センサ911が発する光の排紙トレイ91の底面からの距離(高さ)を図3(A)の距離HAとするか距離HBとするかを、ステップSB20で取得した出力用紙の材質およびサイズに基づき、表1に示すようなテーブルを参照して、決定する。
【0067】
【表1】
【0068】
表1では、ステップSB20で取得した用紙の材質とサイズに対応した、光を発する高さ、つまり、物体の検出を行なう高さが、「高」「低」の2種類で示されている。「高」は、図3(A)の距離HAに対応し、「低」は、距離HBに対応する。
【0069】
つまり、ステップSB30の処理により、図2に矢印R2と示した光を、出力部911B〜911Gのどれに出力させるかが決定される。
【0070】
ステップSB40では、積載検出制御部502は、出力先に指定されている排紙トレイにおいて、ステップSB30で決定した底面からの高さHAもしくはHBの位置に用紙が存在しているか否かを判断し、存在していると判断するとステップSB60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB50へ処理を進める。
【0071】
つまり、ステップSB40では、矢印R1および矢印R2で示される光の経路上で、排紙トレイ上に排出された用紙の少なくとも一部が排紙トレイの底面から高さHAもしくはHBの位置に存在する場合に処理がステップSB60に進められ、存在しない場合には処理がステップSB50に進められる。なお、図4において矢印R1および矢印R2で示された光の用紙P上を抜ける位置M1,M2のうちで測距センサ911から距離が遠い方の距離が、本発明の特定の距離に相当する。
【0072】
ステップSB50では、出力先として指定されている排紙トレイへの用紙の出力が終了するか否かを判断し、まだ終了しないと判断するとステップSB40へ処理を戻し、終了すると判断すると積載状態検出処理を終了させる。なお、ステップSB50での判断は、たとえば、積載検出制御部502に、CPU101がステップSA50の判断により画像形成動作が終了すると判断するか否かを監視させることにより実現される。
【0073】
ステップSB60では、積載検出制御部502は、ステップSB40において用紙が存在すると判断した状態が一定時間継続したか否かを判断し、継続していないと判断するとステップSB40へ処理を戻し、継続していると判断するとステップSB70へ処理を進める。ここで、一定時間とは、たとえば、排紙ローラ(排紙ローラ901〜903)を介して出力される用紙が、排紙トレイ(排紙トレイ91〜93)上に到達する前に、測距センサ911の光(矢印R1および矢印R2)の経路上を横切るのに要する時間またはそれに適切な余裕が加えられた時間とされる。
【0074】
ステップSB70では、積載検出制御部502は、CPU101に対して「トレイ満載」を通知して、積載状態検出処理を終了させる。なお、具体的には、積載検出制御部502は、たとえば上記した「トレイ満載」に対応する信号(トレイ満載信号)をCPU101に対して送信することにより、「トレイ満載」の通知を行なう。
【0075】
以上説明した本実施の形態では、測距センサ911により、排紙トレイ91上の用紙の載置状態が検出される。つまり、測距センサ911により検出手段が構成される。
【0076】
図11および図12は、図4などに示した排紙トレイ91近傍を横から見た状態を模式的に示す図である。図11および図12の破線は、出力部911E〜911Gのいずれかが発する光の経路を表わしている。
【0077】
図11および図12を参照して、複合機1では、排出される用紙の撓りが比較的大きいと考えられる場合には、出力部911Aと破線Lとで示されるように、用紙の排出方向R10について、下流側では最上流部(出力部911Aが光を発する位置)よりも低い位置で、排紙トレイ91上に積載された用紙の有無が検出されている。なお、排出される用紙の撓りが比較的大きいと考えられる場合とは、表1に「低」で示されるように、用紙が薄いものであり、また、用紙のサイズが大きい場合である。
【0078】
具体的には、用紙のサイズがA4,A4R,A5の場合、用紙の材質が普通紙であれば検出位置は「高」とされるが、普通紙よりも薄く撓りが大きいと考えられる薄紙であれば検出位置は「低」とされる。
【0079】
また、用紙の材質が普通紙であっても、サイズがA3である場合には検出位置は「低」とされ、A4,A4R,A5である場合には検出位置は「高」とされる。
【0080】
以上説明した本実施の形態では、排出トレイ91に新たに出力される用紙のサイズおよび材質に応じて、測距センサ911の距離の測定を行なう高さ、つまり、出力部911B〜911Gのいずれに光を出力させるかが決定される。なお、このような測定が行なわれる高さは、用紙のサイズまたは材質のいずれか一方に応じて決定されても良い。
【0081】
[第1の変形例]
図10は、以上説明した複合機1における、画像形成処理(図8)の変形例のフローチャートである。
【0082】
図10を参照して、この変形例では、ステップSA10からステップSA30については、CPU101は、図8を参照して説明した処理と同様の処理を実行する。
【0083】
つまり、CPU101は、まず、ステップSA10で、画像形成を行なうための指示が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断するとステップSA20へ処理を進める。ステップSA20では、CPU101は、画像形成を行なう条件を取得し、ステップS30へ処理を進める。ステップSA30では、CPU101は、ステップSA20で取得した画像形成条件に基づき、画像形成部20に画像形成動作を開始させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0084】
図8を参照して説明した処理では、CPU101は、ステップSA30の処理の後、ステップSA40で、出力先として指定された排紙トレイが満載状態であると判断すると、ステップSA60で画像形成動作を停止させていた。
【0085】
一方、本変形例の複合機1では、排紙トレイ91〜93のいずれかが満載状態であると判断された場合であっても、可能な限り出力先として指定する排紙トレイを変更して、画像形成動作が継続される。
【0086】
図10を参照して、この変形例では、CPU101は、ステップSA41で、出力先として指定されている排紙トレイが満載状態であると判断した場合、ステップSA51で、出力先として指定する他の排紙トレイがあるか否かを判断する。具体的には、CPU101は、排紙トレイ91〜93の中で、ステップSA41で満載状態と判断されていない(満載でない)ものがあるか否かを判断し、そのような排紙トレイがあれば変更可としてステップSA52へ処理を進め、そのような排紙トレイはないと判断すると変更不可としてステップSA60へ処理を進める。
【0087】
ステップSA52では、CPU101は、出力先として指定する排紙トレイを変更して、ステップSA40へ処理を戻す。ここでは、たとえば、ステップSA40で排紙トレイ91が満載状態であると判断された場合に、排紙トレイ92が満載状態であるか否かが判断され、そうではないと判断されると出力先が排紙トレイ92に変更される。また、排紙トレイ92も満載状態であると判断されると、排紙トレイ93が満載状態であるか否かが判断される。そして、排紙トレイ93は満載状態ではないと判断されると出力先が排紙トレイ93に変更され、変更された排紙トレイ92もしくは排紙トレイ93に用紙が排出される。排紙トレイ93も満載状態であると判断されれば、処理はステップSA60へ進められる。
【0088】
ステップSA60およびステップSA70では、図8を参照して説明したのと同様の処理が実行される。
【0089】
つまり、ステップSA60では、CPU101は、ステップSA30で開始させた画像形成動作を停止させて、ステップSA70へ処理を進める。そして、ステップSA70では、CPU101は、表示部111にエラーメッセージを表示させて、画像形成処理を終了させる。
【0090】
本変形例では、図10を参照して説明したような制御がなされることにより、1つの排紙トレイ91〜93のいずれかが満載状態となった場合、そのことによって複合機1において開始された画像形成動作が途中で停止される事態を極力抑えることができる。
【0091】
[第2の変形例]
図13は、複合機1の第2の変形例において排紙トレイ91上の用紙の積載状態が検出される際の、測距センサ911による距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【0092】
上記した実施の形態では、用紙の材質およびサイズに応じて出力部911B〜911Gのいずれに光を発せさせるかが決定された。
【0093】
なお、本実施の形態では、排紙トレイ91に排出される用紙の撓りに注目しているため、排紙トレイ91において、用紙の排出方向R10について、上流側よりも下流側の方が低い位置で用紙の有無の検出がなされれば良い。この点、図11等に示されるように、排紙ローラ901近傍では出力部911Aが発した光を用いた高さHAで用紙の有無が検出され、そして、それよりも排出方向R10についての下流側では高さHBで用紙の有無が検出される。
【0094】
つまり、上記した実施の形態では、図11に破線Lや図3(A)の二つの矢印で示したように、出力部911B〜911Gの出力する光は、排紙トレイ91の底面に対して一定の距離(距離HAまたは距離HB)を保っている。
【0095】
なお、測距センサ911は、出力部911B〜911Gの代わりに、図13に破線LXとして示すような排出方向R10について下流側ほど排紙トレイ91の底面との距離が短くなる経路で光を発する出力部911Xを備えても良い。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施の形態の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の排紙トレイ近傍の構成を模式的に示す図である。
【図3】図2の測距センサの構成を説明するための図である。
【図4】図1の排紙トレイ近傍を上から見た状態を模式的に示す図である。
【図5】図1の複合機における、排紙トレイに出力される用紙のサイズと向きに応じた発光部から受光部への経路の変更を説明するための図である。
【図6】図1の複合機のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図7】図6の出力制御部のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図8】図6のCPUが実行する画像形成処理のフローチャートである。
【図9】図7の積載検出制御部が実行する積載状態検出処理のフローチャートである。
【図10】図1の複合機の第1の変形例において実行される画像形成処理のフローチャートである。
【図11】図1の複合機の排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する際の、測距センサによる距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【図12】図1の複合機の排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する際の、測距センサによる距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【図13】図1の複合機の第2の変形例の排紙トレイ上の用紙の積載状態を検出する際の、測距センサによる距離の測定範囲を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1 複合機、10 画像読取部、20 画像形成部、70 給紙部、71〜75 給紙カセット、90 排紙ユニット、91〜93 排紙トレイ、100 制御部、101 CPU、102 RAM、103 ROM、104 記憶部、105 出力制御部、111 表示部、112 操作部、502 積載検出制御部、901〜903 排紙ローラ、911 測距センサ、911A〜911G 出力部、911X 検出部、915 経路変更部、918 筐体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を載置する排紙トレイと、
前記排紙トレイ上に用紙を排出する排出手段と、
前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得する取得手段と、
前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出する検出手段と、
前記取得手段が取得した用紙の材質に応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するかを制御する第1制御手段と、
前記検出手段が検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排出手段による用紙の排出を停止する第2制御手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記排出手段による用紙の排出方向について複数の地点で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出し、
前記第2制御手段は、前記複数の地点の中で、前記排出手段による用紙の排出方向について上流側の地点を下流側の地点よりも、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向の検出する位置までの距離を短くする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記排紙トレイ上に排出される用紙のサイズをさらに取得し、
前記第1制御手段は、さらに前記取得手段が取得した用紙のサイズに応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向にどの位置で前記物体との距離を測定するかを制御する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排紙トレイを複数備え、
前記排出手段は、複数の前記排紙トレイの中の1の排紙トレイ上に用紙を排出し、
前記第2制御手段は、前記検出手段により排出先のトレイが満載状態であると検出された場合に、前記排出手段による用紙の排出先を、それまで前記排出手段に用紙を排出していた前記排紙トレイから、他の前記排紙トレイに変更する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
排紙トレイに用紙を排出する画像形成装置の制御方法であって、
前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得するステップと、
前記取得した用紙の材質に応じて、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で用紙の載置状態を検出するかを決定するステップと、
前記決定された位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するステップと、
前記検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排紙トレイ上への用紙の排出を停止させるステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
用紙を載置する排紙トレイと、
前記排紙トレイ上に用紙を排出する排出手段と、
前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得する取得手段と、
前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出する検出手段と、
前記取得手段が取得した用紙の材質に応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するかを制御する第1制御手段と、
前記検出手段が検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排出手段による用紙の排出を停止する第2制御手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記排出手段による用紙の排出方向について複数の地点で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出し、
前記第2制御手段は、前記複数の地点の中で、前記排出手段による用紙の排出方向について上流側の地点を下流側の地点よりも、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向の検出する位置までの距離を短くする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記排紙トレイ上に排出される用紙のサイズをさらに取得し、
前記第1制御手段は、さらに前記取得手段が取得した用紙のサイズに応じて、前記検出手段が前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向にどの位置で前記物体との距離を測定するかを制御する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排紙トレイを複数備え、
前記排出手段は、複数の前記排紙トレイの中の1の排紙トレイ上に用紙を排出し、
前記第2制御手段は、前記検出手段により排出先のトレイが満載状態であると検出された場合に、前記排出手段による用紙の排出先を、それまで前記排出手段に用紙を排出していた前記排紙トレイから、他の前記排紙トレイに変更する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
排紙トレイに用紙を排出する画像形成装置の制御方法であって、
前記排紙トレイ上に排出される用紙の材質を取得するステップと、
前記取得した用紙の材質に応じて、前記排紙トレイの底面から用紙の積載方向のどの位置で用紙の載置状態を検出するかを決定するステップと、
前記決定された位置で前記排紙トレイ上の用紙の載置状態を検出するステップと、
前記検出した用紙の載置状態が、前記排紙トレイにおける用紙の満載状態である場合に、前記排紙トレイ上への用紙の排出を停止させるステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−120321(P2009−120321A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295831(P2007−295831)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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