画像形成装置およびコンピュータプログラム
【課題】Webブラウザをユーザーインタフェースとして利用する場合におけるテキストの誤入力を防止する。
【解決手段】画像形成装置は、Webページのテキスト入力フィールドに入力すべきデータである既存テキストを格納する記憶部と、Webブラウザによって操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、記憶部に格納された既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが既存テキストを指定する操作のための画面を操作パネルに表示させる表示処理部と、ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を備える。
【解決手段】画像形成装置は、Webページのテキスト入力フィールドに入力すべきデータである既存テキストを格納する記憶部と、Webブラウザによって操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、記憶部に格納された既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが既存テキストを指定する操作のための画面を操作パネルに表示させる表示処理部と、ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザが実装された画像形成装置および画像形成装置において実行されるコンピュータプログラムに関する。画像形成装置には、MFP(Multifunction Peripheral)または複合機と呼ばれる情報機器が含まれる。
【背景技術】
【0002】
インターネット上またはイントラネット上で公開されているWebページを表示するWebブラウザを備えた画像形成装置が知られている。特許文献1に記載されたMFPは、操作パネル上にソフトウェアキーボードを表示し、ユーザーがソフトウェアキーボードを用いて入力したURL(Uniform Resource Locator)に該当するWebページをWebサイトから取得して操作パネル上に表示する。このような画像形成装置によれば、ユーザーはパーソナルコンピュータまたは他の情報機器を使用せずに、任意のWebページを閲覧(ブラウジング)することができる。
【0003】
インターネット上に存在する多数のWebページの中には、閲覧者が任意の文字列を入力するためのテキスト入力フィールドを含んでいるものがある。例えば、アンケートのためのページは意見や感想の記入欄(入力フィールド)を有し、会員登録のためのページは個人情報の記入欄を有する。特許文献2に記載された画像形成装置は、WebページにおけるHTML(Hypertext Markup Language)で記述されたフォームが1行のテキスト入力フィールドの作成を指定するタグ(<input type="text">)を含む場合に、ユーザーがソフトウェアキーボードを呼び出すためのボタンをWebページに組み入れて表示する。ユーザーがボタンを操作してソフトウェアキーボードを表示させ、任意の文字列を入力すると、その文字列は画像形成装置からWebページの提供元であるサーバーへ送られる。
【0004】
また、近年では、Webブラウザの表示機能を用いてユーザーインタフェースを実現する情報機器が増えており、画像形成装置もそのような機器に含まれる。特許文献3において開示された複合機は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いて外部の制御装置から操作画面データを取得し、操作画面データに基づいた操作画面をWebブラウザによって操作パネル上に表示する。特許文献4の図27では、HTMLのフォームによりMFPからサーバーへファイルをアップロードする際にファイルパスをタイプ入力するためのフィールドを有した画面が例示されている。
【0005】
一方、従来において、操作パネル上での任意の文字や文字列の入力(いわゆる直接入力)を禁止する技術がある。例えば、特許文献5に記載されたファクシミリ機能を有する画像形成装置は、モード設定によってテンキーからの電話番号の入力が禁止されている場合、テンキーによって入力された電話番号の受付を拒否する。これにより、オペレータによるテンキーの誤操作によって誤った相手先にファクシミリの送信されることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−199151号公報
【特許文献2】特開2010−277120号公報
【特許文献3】特開2008−139981号公報
【特許文献4】特開2009−152847号公報
【特許文献5】特開2006−246190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
画像形成装置上のWebブラウザは、ネットワークを介して接続される外部装置または画像形成装置自身の内部に設けられたWebサーバーから取得した任意のWebページを表示する。そして、Webページの中にテキスト入力フィールドが有るとき、Webブラウザは画像形成装置のユーザーが入力した任意のテキストをWebサーバーへ送る。WebページがWebブラウザを利用するWebベースのユーザーインタフェースにおける操作画面であった場合にも、Webブラウザは入力されたテキストをWebサーバーへ送る。このため、送信先などの入力でユーザーがテキストを誤入力したときに、誤ったジョブが画像形成装置に与えられ、実行されてしまうおそれがあった。
【0008】
テキスト入力フィールドに入力すべき情報の種類がWebページのフォームから判別できれば、電話番号や電子メールアドレスといった所定種類のテキストに限って直接入力を禁止することが考えられる。しかし、ユーザーインタフェースを提供するWebアプリケーションの作成者がテキストの種類の判別が可能なようにフォームを記述するとは限らない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、Webブラウザをユーザーインタフェースとして利用する場合におけるテキストの誤入力を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する画像形成装置は、画面表示が可能な操作パネルとWebブラウザとを有する画像形成装置であって、Webページのテキスト入力フィールドに入力すべきデータである既存テキストを格納する記憶部と、前記Webブラウザによって前記操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、前記記憶部に格納された既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、前記テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、前記テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが前記既存テキストを指定する操作のための画面を前記操作パネルに表示させる表示処理部と、
ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、Webページ内のテキスト入力フィールドに入力される文字または文字列であるテキストが予め画像形成装置の内部にある既存テキストに制限されるので、任意のテキストの入力を許可する場合に生じる誤入力を防ぐことができる。また、既存テキストを指定する操作のための画面が表示されるので、テキスト入力フィールドへのテキスト入力に手間がかからないというユーザービリティが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像形成装置としてのMFPの操作パネルの構成例を示す図である。
【図3】MFPのハードウェア構成を示す図である。
【図4】MFPにおけるユーザーインタフェースに関わる機能構成を示す図である。
【図5】Webブラウザによって表示されるテキスト入力フィールドを有したWebページの例を示す図である。
【図6】Webページのテキスト入力フィールドへのテキスト入力が制限されたときに表示されるテキスト入力のためのテキスト種類選択画面の例を示す図である。
【図7】テキスト入力フィールドへのテキスト入力のためのテキスト選択画面の例を示す図である。
【図8】テキスト種類選択画面における選択肢の切替えを示す図である。
【図9】テキスト種類選択画面における選択肢の配置順序の切替えを示す図である。
【図10】Webページのためのテキスト入力処理の第1例を示すフローチャートである。
【図11】テキスト入力処理の一部である代替入力処理のフローチャートである。
【図12】Webページのためのテキスト入力処理の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
Webページを表示するWebブラウザを有する画像形成装置の例としてMFPを挙げる。MFPは、画像形成装置としての機能であるコピーおよびネットワークプリンティングに加えて、イメージ入力(スキャニング)、ファクシミリ通信、電子メール送受信、ドキュメントの保存などの多数の機能を有した情報機器である。
【0014】
〔MFPが関係する情報システムの構成〕
図1に例示されるMFP1は、インターネット9に繋がるネットワーク7を介してアプリケーションサーバー2と接続される。ネットワーク7は、例えば企業のLAN(Local Area Network)である。ネットワーク7は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、および有線と無線とが混在するネットワークのいずれでもよい。ネットワーク7には、MFP1およびアプリケーションサーバー2の他に、MFP1bおよびMFP1、1bの機能を利用するクライアントとなる複数のパーソナルコンピュータ3,4を含む複数の情報機器がMFP1と通信可能に接続される。
【0015】
なお、アプリケーションサーバー2は、Webサーバーの機能を実現するコンピュータプログラムの実行が可能であれば、サーバー機でも一般的なパーソナルコンピュータでもMFP1bでもよい。また、必ずしもWebサーバーの機能をMFP1からみた外部装置に設ける必要はなく、MFP1の内部でWebサーバーを稼働させることも可能である。
【0016】
MFP1のユーザーは、MFP1の筐体上部の前側に取り付けられた操作パネル10を用いる直接の操作によって、MFP1に所望の動作を実行させたりアプリケーションサーバー2上のアプリケーションを利用したりすることができる。操作パネル10による操作において、MFP1に実装されたWebブラウザがユーザーインタフェースとして用いられる。Webブラウザは、アプリケーションサーバー2上で稼働するWebサーバーと通信し、Webサーバーから操作のためのWebページを取得して操作パネル10に表示させる。Webページが表示された状態での操作の内容はWebブラウザを介してWebサーバーに通知され、WebサーバーまたはWebサーバーと連携するWebアプリケーションから操作内容に応じたジョブがMFP1に与えられる。
【0017】
〔MFPの全体構成の概略〕
MFP1のハードウェア構成の概略が図3にブロックによって示される。
【0018】
MFP1の全体制御を受け持つ制御回路11は、制御プログラムや各種アプリケーションを実行するコンピュータとしてのCPU(central processing unit)112、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)113、プログラム実行のワークエリアとされるS−RAM(Static Random Access Memory)115、動作の設定値を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリ)116、およびシステム時刻を計時する集積回路118を有する。ADF(Auto Document Feeder)12は、原稿台を有しており、コピー、イメージ入力、またはファクシミリ送信において、原稿台にセットされた原稿シートをイメージスキャナ13の読取り位置へ搬送する。イメージスキャナ13は原稿シートに記録されている画像情報を光学的に読み取る。プリンタコントローラ14は、外部機器から受信したプリントデータのビットマップ展開を含む印刷のためのデータ処理を担う。プリンタエンジン15は、多段形式の用紙ストッカ16から供給される用紙の片面または両面にモノクロまたはカラーの画像を印刷する。ファクシミリユニット17は、図示しない電話回線またはネットワーク7を用いるファクシミリ送受信のためのデータ処理を担う。通信インタフェース18はMFP1をネットワーク7に接続し、MFP1と外部とのLAN通信およびファクシミリ通信を可能にする。ストレージ19はハードディスクドライブ(HDD)のような大容量記憶デバイスである。ストレージ19には、制御プログラムや操作画面の表示のための画面データを含む制御用のデータを記憶するメモリ領域とともに、各種ドキュメントのファイルを保存するメモリ領域(いわゆるボックス)が設けられる。また、後述する既存テキストDTおよびWebブラウザを実現するプログラムもストレージ19に格納され、必要に応じてワークエリアにロードされる。
【0019】
〔MFPの操作パネルの構成〕
図3のように、MFP1の操作パネル10は、Webページを含む任意の画面の表示が可能なタッチパネル部10Aと、複数の固定キーが配置されたキーパネル部10Bとを有する。タッチパネル部10Aに配置されたタッチパネル101は、画面を表示するディスプレイとその表示面に密着する透光性のタッチ入力デバイスとを備える。タッチパネル101の前面は表示面とタッチ操作面とを兼ねる。キーパネル部10Bの固定キーとしては、数値入力キーの一群(テンキー)30、ジョブの実行を開始させるスタートキー31、およびジョブの実行を中止させるストップキー32などがある。
【0020】
例示の操作パネル10はハードウェアキーボードを有していないので、テキスト入力にはタッチパネル101上に配置されるソフトウェアキーボードが用いられる。ただし、必要時に収納位置から引き出して用いるスライド式のキーボードを操作パネル10に組み付けたり、例えばUSBキーボードを接続するコネクタを設けたりしてハードウェアキーボードによるテキスト入力を可能にしてもよい。
【0021】
〔MFPの機能構成〕
図4のように、MFP1は、Webブラウザ201、テキスト入力制御部202、表示処理部203、操作処理部204、および記録部205を有する。これら要素は、制御回路11のCPU112がユーザーインタフェースに関わる所定のコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能要素である。MFP1がこれらの要素を有することにより、Webベースのユーザーインタフェースを用いる場合であっても、「管理者でない一般のユーザーによる通常の使用ではテキストの直接入力を禁止する」というセキュリティポリシーにMFP1を適合させることができる。
【0022】
Webブラウザ201は、通信インタフェース18を用いてWebサーバーと通信し、所定のマークアップ言語(HTML、XML、XTML、WMLなど)で構造が記述されたWebページQBをWebサーバーから取得する。そして、Webブラウザ201は取得したWebページQBをタッチパネル101のディスプレイ102に表示させる。以下では、ディスプレイ102に表示させることを便宜的に「表示する」と表現することがある。
【0023】
WebページQBが表示されている状態において、Webブラウザ201に対して、タッチパネル101またはキーパネル部10Bにおけるユーザーによる操作の内容が操作処理部202から通知される。Webブラウザ201は必要に応じて操作に応じた処理をWebサーバーに要求する。例えばユーザーがページの切替えを指示する操作をしたとき、Webブラウザ201は新たに表示すべきWebページの転送をWebサーバーに要求し、Webサーバーから送られてきたWebページを表示する。また、表示しているWebページQBが、HTMLのフォームのinput要素のようなユーザーからの入力を受け入れるための部分を有する場合、Webブラウザ201はユーザーが意図的に入力した情報をWebサーバーに送る。ユーザーが入力する情報には、文字で表わされる情報に限らず、チェックを入れる/入れないとか選択肢のいずれを選択するとかというユーザーの意志を示す情報が含まれる。
【0024】
テキスト入力制限部202は、Webブラウザ201によってタッチパネル101上に表示されるWebページQBにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、MFP1が既に保有しているテキストである既存テキストの入力に制限する。つまり、テキスト入力制限部202は、ユーザーが任意のテキストを入力する直接入力を禁止する。入力制限の対象とされるテキスト入力フィールドは、原則的には、1文字以上の任意のテキストの入力をユーザーに求める部分の全てである。type属性が"text"であるinput要素により指定される1行分のフィールドおよびtextarea要素により指定される複数行分のフィールドは入力制限の対象とされる。
【0025】
任意のテキスト入力を制限する処理として、テキスト入力制限部202は、例えば通信インタフェース18に対してWebブラウザ201からWebサーバーへの送信を遮断させる。これにより、ソフトウェアキーボードを有するページへの切替えが制止され、既に表示されているWebページQBにソフトウェアキーボードが配置されていたとしても、ユーザーからみてソフトウェアキーボードが無反応となる。なお、Webブラウザ201に対してWebサーバーへの送信を中止するよう直接に指示するようにしてもよい。
【0026】
また、テキスト入力制限部202は、任意のテキスト入力を制限する処理として、操作処理部204に対して、キーパネル部10Bのテンキーによる数値入力の受付けを拒否するよう指示する。ただし、テキスト入力フィールドに入力すべき既存テキストをユーザーが番号入力によって選択するようにする場合には、上記の指示を出さないようにすればよい。
【0027】
表示処理部203は、ユーザーがテキスト入力フィールドに入力すべき既存テキストを指定するためのユーザーインタフェースを提供する。すなわち、表示処理部203は、テキスト入力制限部202によってテキスト入力が制限されたときに、Webブラウザ201に代わってディスプレイ102を制御し、既存テキストを指定する操作のための画面を表示する。その際、予め記憶されている画面データDQが示す画面様式を適用し、画面の表示に先立って抽出した複数種の既存テキストDTをユーザーによる指定の候補として画面に組み入れる。
【0028】
既存テキストDTを抽出するため、表示処理部203はストレージ19およびNV−RAM116を主とする記憶部としてのMFP1内のデータ記憶領域を検索する。表示処理部203が抽出する既存テキストDTは、例えば、アドレス情報(電子メールアドレス、FTP(File Transfer Protocol)やSMB(Server Message Block)による通信の相手、ファクシミリ通信相手など)、ボックス関連情報(ボックス名、ボックス番号、ボックス内で保存されたドキュメントの名称、PDFのようなテキスト検索が可能なドキュメント内の代表的な語句など)、定型文字列(Prefix/Suffix)など、ユーザーが入力する可能性のあると定められたテキストである。本例のMFP1では、管理者によって設定される種類(カテゴリー)の既存テキストは抽出の対象外とされる。管理者ではないユーザーが管理者のみに入力が許されたテキストを誤って入力するのを防ぐためである。管理者は、必要であれば、一時的にテキスト入力制限を解除するモード設定をすることにより、Webブラウザ201に管理者用のWebページを表示させて管理者のみに入力が許されたテキストを入力すればよい。
【0029】
操作処理部204は、表示処理部203によって画面が表示された状態においてユーザーが指定した一つの既存テキスト(既存テキストDTのいずれか)をWebブラウザ201に通知する。これに呼応してテキスト入力制限部202がテキスト入力の制限を解除する。さらに、Webブラウザ201が、操作処理部204から通知された既存テキストをテキスト入力フィールドに入力した状態のWebページを表示する。
【0030】
なお、既存テキストが入力されたテキスト入力フィールドとは別に未入力のテキスト入力フィールドがWebページQB内に存在し、その未入力のテキスト入力フィールドを指し示す操作イベントが発生したときには、再びテキスト入力が制限され、既存テキストの指定のための画面がWebページQBに代えてまたはWebページQBに部分的に重ねて表示される。この場合に、ワークエリアに最後に抽出した既存テキストDTが残っていれば、データ記憶領域の検索を省略してワークエリア内の既存テキストDTを画面表示に用いることができる。
【0031】
記録部205は、Webブラウザ201によって表示されたWebページQBを特定しかつ当該WebページQBにおいてユーザーによって指定された既存テキストの種類を示す履歴データDLを記録する。表示処理部203は、Webブラウザ201によって表示されるWebページQBが以前にも表示されて履歴データDLが記録されているWebページである場合に、履歴データDLが示す種類に該当する既存テキストを他の種類の前記既存テキストに対して優先的にユーザーに提示する。これにより、ユーザーは迅速にテキスト入力フィールドに所望のテキストを入力することができる。
【0032】
〔テキスト入力のためのユーザーインタフェース〕
図5において、タッチパネル101上にWebブラウザ201によってWebページQB1が表示されている。例示のWebページQB1は、ユーザーが所望の動作設定を指定するための操作画面であり、チェックボックス51、ラジオボタン52,53、テキスト入力フィールドである二つのテキストボックス54,55、および送信ボタン(type属性が"submit"であるinput要素)57,58を有する。テキストボックス54,55の近傍にはテキストの種類を示す文字列541,551が配置され、これによりユーザーは入力すべきテキストの種類を理解することができる。ユーザーが二つのテキストボックス54,55のそれぞれに所定のテキストを入力し、「OK」と表記された送信ボタン57を押下すると、入力されたテキストがチェックボックス51およびラジオボタン52,53の操作状態を示すデータとともにWebサーバーへ送信される。なお、随時にユーザーが「キャンセル」と表記された送信ボタン58を押下すると、その旨がWebサーバーに通知されて表示が他のWebページへ切替えられる。
【0033】
テキストの直接入力を禁止しない場合、ユーザーが二つのテキストボックス54,55のいずれかにテキストを入力しようとすると(例えば入力したい方のテキストボックスを押下する)、任意のテキスト入力を可能にするソフトウェアキーボードがWebブラウザ201とWebサーバーとの連携によって表示される。これに対して、テキストの直接入力を禁止するモードにおいては、上述のようにテキスト入力が制限され、図6〜図9に例示される既存テキストの入力のための画面が表示される。
【0034】
図6において、タッチパネル101上に表示処理部203によってテキスト種類選択画面QN1が表示されている。例示のテキスト種類選択画面QN1は、テキスト入力フィールドへの入力候補となる既存テキストの種類を文字で表わした五つの選択肢61,62,63,64,65、選択肢61〜65に一つずつ対応する五つの選択ボタン71,72,73,74,75、表示される選択肢を変更するためのシフトボタン76,77、および表示をWebブラウザ201によるWebページの表示に戻すための入力中止ボタン78を有する。図示の状態での選択肢61〜65は、「アドレス帳」「ボックス名」「ユーザー名」「Prefix/Suffix」「定型文字列」である。ユーザーが選択ボタン71〜75のうちの入力したい既存テキストの種類に対応した一つを選択すると、該当する種類の複数の既存テキストから一つを選択するためのテキスト選択画面が表示される。例えば、選択肢61(「アドレス帳」)に対応した選択ボタン71が押下されると、図7に示すテキスト選択画面QN2が表示される。
【0035】
図7において、例示のテキスト選択画面QN2は、テキスト入力フィールドへの入力候補となる多数の既存テキスト(例では電子メールアドレス)にそれぞれ対応した選択ボタン81,82,83,84,85,86,87,88、選択肢として表示される既存テキストを変更するためのシフトボタン76,77、および表示をテキスト種類選択画面QN1の表示に戻すための入力中止ボタン78を有する。選択ボタン81〜88には選択肢である既存テキストが表記されている。言い換えれば、表記される既存テキスト自体が選択ボタンとして機能する。ユーザーが選択ボタン81〜88のうちの一つを押下すると、該当する既存テキストがWebブラウザ201に通知され、Webページ内のテキスト入力フィールドに入力される。
【0036】
図6に戻って、ユーザーが例えばシフトボタン77を押下すると、テキスト種類選択画面QN1に代わって図8に示すテキスト種類選択画面QN1bが表示される。図6と図8との比較により分かるように、図8のテキスト種類選択画面QN1bは、図6のテキスト種類選択画面QN1における選択肢61〜65に代えて、選択肢62〜66を有する。その他の表示内容は図6および図8の画面の間で変わりはない。
【0037】
ここで、図8のテキスト種類選択画面QN1bにおいて上下に並ぶ選択肢62〜66のうち、例えば図中に破線の楕円を付した最も下に位置する選択肢66(「ドキュメント名」)を選択するため、選択肢66に対応する選択ボタン75をユーザーが押下したとする。そして、種類が「ドキュメント名」である複数の既存テキストのうちの一つを選択するための図示しないテキスト選択画面が表示され、その画面においてユーザーが一つの既存テキストを選択したとする。つまり、ユーザーがWebページのテキスト入力フィールドに、「ドキュメント名」という種類の既存テキストを入力した場合を想定する。そうすると、このようなテキスト入力操作が記録部205により履歴データDLとして記録され、その後の再度のテキスト入力における画面表示に反映される。
【0038】
図9は以前のテキスト入力操作を反映した画面表示の例を示す。上述のとおり種類が「ドキュメント名」である既存テキストの入力が以前に行われたとして、再び図5のWebページQB1における以前と同じテキスト入力フィールドにテキストを入力しようとしたときには、図6のテキスト種類選択画面QN1ではなく、その一部を変更した図9のテキスト種類選択画面QN1cが表示される。テキスト種類選択画面QN1cは選択肢66,61,62,63,64を有する。図6と図9との比較により分かるように、図9のテキスト種類選択画面QN1cでは、図6の画面QN1には無い選択肢66(「ドキュメント名」)が表示され、かつ五つの選択肢66,61〜64の中で最も上に配置されている。図6の画面QN1に在った最も下に位置する選択肢65(「定型文字列」)は図9のテキスト種類選択画面QN1cでは表示されない。つまり、図9のテキスト種類選択画面QN1cにおいては、「ドキュメント名」という種類の既存テキストを、ユーザーが最も選択し易いように他の種類の既存テキストに対して優先的に表示する配慮が図られている。
【0039】
〔MFPにおけるテキスト入力に関わる動作〕
図10はWebページのためのテキスト入力処理の第1例の流れを示す。Webブラウザ201がWebサーバーからWebページデータ(コンテンツ)を受信してWebページQB1を表示する(S11)。ユーザーがテキスト入力フィールドへテキストを入力しようとするイベントが発生すると(S12でYES)、テキスト入力制限部202はMFP1に適用されるテキスト入力ポリシーをチェックする(S13)。直接入力を禁止するモードでなければ(S13でNO)、テキスト入力制限部202はテキスト入力を制限しない。この場合、Webブラウザ201が所定の入力環境を提供してユーザーによる任意のテキスト入力を受け付ける通常入力処理が行われる(S16)。これに対して、直接入力を禁止するモードが設定されている場合(S13でYES)、テキスト入力制限部202は上述のようにテキスト入力を既存テキストの入力に制限する(S14)。そして、MF1はユーザーが既存テキストを入力するための代替入力処理を実行する(S15)。
【0040】
図11は代替入力処理のフローチャートである。表示処理部203がMFP1内で記憶されているデータを検索し、既存テキストを抽出する(S161)。次に表示処理部203は抽出した既存テキストをユーザーに提示する(S162)。すなわち、ユーザーが入力したいテキストを指定できるように、上述のテキスト種類選択画面QN1,QN1b,QN1cおよびテキスト選択画面QN2を適宜表示する。そして、操作処理部205が表示処理部203によって表示された画面上での操作を受け付け(S163)、選択操作によってユーザーが指定した既存テキストをWebブラウザに通知する(S164)。
【0041】
図12はWebページのためのテキスト入力処理の第2例の流れを示す。Webブラウザ201がWebサーバーからWebページデータ(コンテンツ)を受信してWebページQB1を表示する(S21)。ユーザーがテキスト入力フィールドへテキストを入力しようとするイベントが発生すると(S22でYES)、テキスト入力制限部202はコンテンツにおけるテキスト入力フィールドについての定義を解析し、テキスト入力フィールドに入力すべきテキストの種類の判別の可否をチェックする(S23)。入力すべきテキストの種類が判別できない場合(S23でNO)、MFP1は代替入力処理を実行する(S25)。ここでの代替入力処理の内容は図11の内容と同様である。一方、入力すべきテキストの種類が判別できる場合(S23でYES)、MFP1はステップS24の処理を実行する。ステップS24において、テキスト入力制限部202は表示処理部203による抽出の対象として予め定められた既存テキストの種類の中に、コンテンツに基づいて判別した入力すべきテキストの種類が含まれるときに、テキスト入力を既存テキストの入力に制限する。そして、表示処理部203は入力すべきテキストの種類に分類される既存テキストのみをユーザーに入力候補として提示する操作画面を表示する。
【0042】
以上の実施形態においては、操作パネル10による操作にはWebベースのユーザーインタフェースとして用いるものとして説明した。ただし、Webベースではない旧来のユーザーインタフェースを用いるモードを設けたり、MFP1のもつ複数の機能のいずれを利用するかによってWebベースのユーザーインタフェースと旧来のユーザーインタフェースとを使い分けたりすることができる。
【0043】
以上の実施形態において、MFP1の構成を適宜変更することができる。例えば、表示処理部202が表示する操作画面において、入力候補となる既存テキストをアルファベット順やアイウエオ順に表示してもよい。画面の階層化、アニメーション化、ユニバーサルデザインなど操作性を高める既存の技術が適用可能であり、ディスプレイの仕様に適合する範囲内で画面レイアウトに制約はない。
【符号の説明】
【0044】
1 MFP(画像形成装置)
10 操作パネル
19 ストレージ(記憶部)
201 Webブラウザ
202 テキスト入力制限部
203 表示処理部
204 操作処理部
205 記録部
QB,QB1 Webページ
54,55 テキストボックス(テキスト入力フィールド)
DT 既存テキスト
QN1,QN1b,QN1c テキスト種類選択画面
QN2 テキスト選択画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザが実装された画像形成装置および画像形成装置において実行されるコンピュータプログラムに関する。画像形成装置には、MFP(Multifunction Peripheral)または複合機と呼ばれる情報機器が含まれる。
【背景技術】
【0002】
インターネット上またはイントラネット上で公開されているWebページを表示するWebブラウザを備えた画像形成装置が知られている。特許文献1に記載されたMFPは、操作パネル上にソフトウェアキーボードを表示し、ユーザーがソフトウェアキーボードを用いて入力したURL(Uniform Resource Locator)に該当するWebページをWebサイトから取得して操作パネル上に表示する。このような画像形成装置によれば、ユーザーはパーソナルコンピュータまたは他の情報機器を使用せずに、任意のWebページを閲覧(ブラウジング)することができる。
【0003】
インターネット上に存在する多数のWebページの中には、閲覧者が任意の文字列を入力するためのテキスト入力フィールドを含んでいるものがある。例えば、アンケートのためのページは意見や感想の記入欄(入力フィールド)を有し、会員登録のためのページは個人情報の記入欄を有する。特許文献2に記載された画像形成装置は、WebページにおけるHTML(Hypertext Markup Language)で記述されたフォームが1行のテキスト入力フィールドの作成を指定するタグ(<input type="text">)を含む場合に、ユーザーがソフトウェアキーボードを呼び出すためのボタンをWebページに組み入れて表示する。ユーザーがボタンを操作してソフトウェアキーボードを表示させ、任意の文字列を入力すると、その文字列は画像形成装置からWebページの提供元であるサーバーへ送られる。
【0004】
また、近年では、Webブラウザの表示機能を用いてユーザーインタフェースを実現する情報機器が増えており、画像形成装置もそのような機器に含まれる。特許文献3において開示された複合機は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いて外部の制御装置から操作画面データを取得し、操作画面データに基づいた操作画面をWebブラウザによって操作パネル上に表示する。特許文献4の図27では、HTMLのフォームによりMFPからサーバーへファイルをアップロードする際にファイルパスをタイプ入力するためのフィールドを有した画面が例示されている。
【0005】
一方、従来において、操作パネル上での任意の文字や文字列の入力(いわゆる直接入力)を禁止する技術がある。例えば、特許文献5に記載されたファクシミリ機能を有する画像形成装置は、モード設定によってテンキーからの電話番号の入力が禁止されている場合、テンキーによって入力された電話番号の受付を拒否する。これにより、オペレータによるテンキーの誤操作によって誤った相手先にファクシミリの送信されることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−199151号公報
【特許文献2】特開2010−277120号公報
【特許文献3】特開2008−139981号公報
【特許文献4】特開2009−152847号公報
【特許文献5】特開2006−246190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
画像形成装置上のWebブラウザは、ネットワークを介して接続される外部装置または画像形成装置自身の内部に設けられたWebサーバーから取得した任意のWebページを表示する。そして、Webページの中にテキスト入力フィールドが有るとき、Webブラウザは画像形成装置のユーザーが入力した任意のテキストをWebサーバーへ送る。WebページがWebブラウザを利用するWebベースのユーザーインタフェースにおける操作画面であった場合にも、Webブラウザは入力されたテキストをWebサーバーへ送る。このため、送信先などの入力でユーザーがテキストを誤入力したときに、誤ったジョブが画像形成装置に与えられ、実行されてしまうおそれがあった。
【0008】
テキスト入力フィールドに入力すべき情報の種類がWebページのフォームから判別できれば、電話番号や電子メールアドレスといった所定種類のテキストに限って直接入力を禁止することが考えられる。しかし、ユーザーインタフェースを提供するWebアプリケーションの作成者がテキストの種類の判別が可能なようにフォームを記述するとは限らない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、Webブラウザをユーザーインタフェースとして利用する場合におけるテキストの誤入力を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する画像形成装置は、画面表示が可能な操作パネルとWebブラウザとを有する画像形成装置であって、Webページのテキスト入力フィールドに入力すべきデータである既存テキストを格納する記憶部と、前記Webブラウザによって前記操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、前記記憶部に格納された既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、前記テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、前記テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが前記既存テキストを指定する操作のための画面を前記操作パネルに表示させる表示処理部と、
ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、Webページ内のテキスト入力フィールドに入力される文字または文字列であるテキストが予め画像形成装置の内部にある既存テキストに制限されるので、任意のテキストの入力を許可する場合に生じる誤入力を防ぐことができる。また、既存テキストを指定する操作のための画面が表示されるので、テキスト入力フィールドへのテキスト入力に手間がかからないというユーザービリティが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像形成装置としてのMFPの操作パネルの構成例を示す図である。
【図3】MFPのハードウェア構成を示す図である。
【図4】MFPにおけるユーザーインタフェースに関わる機能構成を示す図である。
【図5】Webブラウザによって表示されるテキスト入力フィールドを有したWebページの例を示す図である。
【図6】Webページのテキスト入力フィールドへのテキスト入力が制限されたときに表示されるテキスト入力のためのテキスト種類選択画面の例を示す図である。
【図7】テキスト入力フィールドへのテキスト入力のためのテキスト選択画面の例を示す図である。
【図8】テキスト種類選択画面における選択肢の切替えを示す図である。
【図9】テキスト種類選択画面における選択肢の配置順序の切替えを示す図である。
【図10】Webページのためのテキスト入力処理の第1例を示すフローチャートである。
【図11】テキスト入力処理の一部である代替入力処理のフローチャートである。
【図12】Webページのためのテキスト入力処理の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
Webページを表示するWebブラウザを有する画像形成装置の例としてMFPを挙げる。MFPは、画像形成装置としての機能であるコピーおよびネットワークプリンティングに加えて、イメージ入力(スキャニング)、ファクシミリ通信、電子メール送受信、ドキュメントの保存などの多数の機能を有した情報機器である。
【0014】
〔MFPが関係する情報システムの構成〕
図1に例示されるMFP1は、インターネット9に繋がるネットワーク7を介してアプリケーションサーバー2と接続される。ネットワーク7は、例えば企業のLAN(Local Area Network)である。ネットワーク7は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、および有線と無線とが混在するネットワークのいずれでもよい。ネットワーク7には、MFP1およびアプリケーションサーバー2の他に、MFP1bおよびMFP1、1bの機能を利用するクライアントとなる複数のパーソナルコンピュータ3,4を含む複数の情報機器がMFP1と通信可能に接続される。
【0015】
なお、アプリケーションサーバー2は、Webサーバーの機能を実現するコンピュータプログラムの実行が可能であれば、サーバー機でも一般的なパーソナルコンピュータでもMFP1bでもよい。また、必ずしもWebサーバーの機能をMFP1からみた外部装置に設ける必要はなく、MFP1の内部でWebサーバーを稼働させることも可能である。
【0016】
MFP1のユーザーは、MFP1の筐体上部の前側に取り付けられた操作パネル10を用いる直接の操作によって、MFP1に所望の動作を実行させたりアプリケーションサーバー2上のアプリケーションを利用したりすることができる。操作パネル10による操作において、MFP1に実装されたWebブラウザがユーザーインタフェースとして用いられる。Webブラウザは、アプリケーションサーバー2上で稼働するWebサーバーと通信し、Webサーバーから操作のためのWebページを取得して操作パネル10に表示させる。Webページが表示された状態での操作の内容はWebブラウザを介してWebサーバーに通知され、WebサーバーまたはWebサーバーと連携するWebアプリケーションから操作内容に応じたジョブがMFP1に与えられる。
【0017】
〔MFPの全体構成の概略〕
MFP1のハードウェア構成の概略が図3にブロックによって示される。
【0018】
MFP1の全体制御を受け持つ制御回路11は、制御プログラムや各種アプリケーションを実行するコンピュータとしてのCPU(central processing unit)112、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)113、プログラム実行のワークエリアとされるS−RAM(Static Random Access Memory)115、動作の設定値を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリ)116、およびシステム時刻を計時する集積回路118を有する。ADF(Auto Document Feeder)12は、原稿台を有しており、コピー、イメージ入力、またはファクシミリ送信において、原稿台にセットされた原稿シートをイメージスキャナ13の読取り位置へ搬送する。イメージスキャナ13は原稿シートに記録されている画像情報を光学的に読み取る。プリンタコントローラ14は、外部機器から受信したプリントデータのビットマップ展開を含む印刷のためのデータ処理を担う。プリンタエンジン15は、多段形式の用紙ストッカ16から供給される用紙の片面または両面にモノクロまたはカラーの画像を印刷する。ファクシミリユニット17は、図示しない電話回線またはネットワーク7を用いるファクシミリ送受信のためのデータ処理を担う。通信インタフェース18はMFP1をネットワーク7に接続し、MFP1と外部とのLAN通信およびファクシミリ通信を可能にする。ストレージ19はハードディスクドライブ(HDD)のような大容量記憶デバイスである。ストレージ19には、制御プログラムや操作画面の表示のための画面データを含む制御用のデータを記憶するメモリ領域とともに、各種ドキュメントのファイルを保存するメモリ領域(いわゆるボックス)が設けられる。また、後述する既存テキストDTおよびWebブラウザを実現するプログラムもストレージ19に格納され、必要に応じてワークエリアにロードされる。
【0019】
〔MFPの操作パネルの構成〕
図3のように、MFP1の操作パネル10は、Webページを含む任意の画面の表示が可能なタッチパネル部10Aと、複数の固定キーが配置されたキーパネル部10Bとを有する。タッチパネル部10Aに配置されたタッチパネル101は、画面を表示するディスプレイとその表示面に密着する透光性のタッチ入力デバイスとを備える。タッチパネル101の前面は表示面とタッチ操作面とを兼ねる。キーパネル部10Bの固定キーとしては、数値入力キーの一群(テンキー)30、ジョブの実行を開始させるスタートキー31、およびジョブの実行を中止させるストップキー32などがある。
【0020】
例示の操作パネル10はハードウェアキーボードを有していないので、テキスト入力にはタッチパネル101上に配置されるソフトウェアキーボードが用いられる。ただし、必要時に収納位置から引き出して用いるスライド式のキーボードを操作パネル10に組み付けたり、例えばUSBキーボードを接続するコネクタを設けたりしてハードウェアキーボードによるテキスト入力を可能にしてもよい。
【0021】
〔MFPの機能構成〕
図4のように、MFP1は、Webブラウザ201、テキスト入力制御部202、表示処理部203、操作処理部204、および記録部205を有する。これら要素は、制御回路11のCPU112がユーザーインタフェースに関わる所定のコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能要素である。MFP1がこれらの要素を有することにより、Webベースのユーザーインタフェースを用いる場合であっても、「管理者でない一般のユーザーによる通常の使用ではテキストの直接入力を禁止する」というセキュリティポリシーにMFP1を適合させることができる。
【0022】
Webブラウザ201は、通信インタフェース18を用いてWebサーバーと通信し、所定のマークアップ言語(HTML、XML、XTML、WMLなど)で構造が記述されたWebページQBをWebサーバーから取得する。そして、Webブラウザ201は取得したWebページQBをタッチパネル101のディスプレイ102に表示させる。以下では、ディスプレイ102に表示させることを便宜的に「表示する」と表現することがある。
【0023】
WebページQBが表示されている状態において、Webブラウザ201に対して、タッチパネル101またはキーパネル部10Bにおけるユーザーによる操作の内容が操作処理部202から通知される。Webブラウザ201は必要に応じて操作に応じた処理をWebサーバーに要求する。例えばユーザーがページの切替えを指示する操作をしたとき、Webブラウザ201は新たに表示すべきWebページの転送をWebサーバーに要求し、Webサーバーから送られてきたWebページを表示する。また、表示しているWebページQBが、HTMLのフォームのinput要素のようなユーザーからの入力を受け入れるための部分を有する場合、Webブラウザ201はユーザーが意図的に入力した情報をWebサーバーに送る。ユーザーが入力する情報には、文字で表わされる情報に限らず、チェックを入れる/入れないとか選択肢のいずれを選択するとかというユーザーの意志を示す情報が含まれる。
【0024】
テキスト入力制限部202は、Webブラウザ201によってタッチパネル101上に表示されるWebページQBにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、MFP1が既に保有しているテキストである既存テキストの入力に制限する。つまり、テキスト入力制限部202は、ユーザーが任意のテキストを入力する直接入力を禁止する。入力制限の対象とされるテキスト入力フィールドは、原則的には、1文字以上の任意のテキストの入力をユーザーに求める部分の全てである。type属性が"text"であるinput要素により指定される1行分のフィールドおよびtextarea要素により指定される複数行分のフィールドは入力制限の対象とされる。
【0025】
任意のテキスト入力を制限する処理として、テキスト入力制限部202は、例えば通信インタフェース18に対してWebブラウザ201からWebサーバーへの送信を遮断させる。これにより、ソフトウェアキーボードを有するページへの切替えが制止され、既に表示されているWebページQBにソフトウェアキーボードが配置されていたとしても、ユーザーからみてソフトウェアキーボードが無反応となる。なお、Webブラウザ201に対してWebサーバーへの送信を中止するよう直接に指示するようにしてもよい。
【0026】
また、テキスト入力制限部202は、任意のテキスト入力を制限する処理として、操作処理部204に対して、キーパネル部10Bのテンキーによる数値入力の受付けを拒否するよう指示する。ただし、テキスト入力フィールドに入力すべき既存テキストをユーザーが番号入力によって選択するようにする場合には、上記の指示を出さないようにすればよい。
【0027】
表示処理部203は、ユーザーがテキスト入力フィールドに入力すべき既存テキストを指定するためのユーザーインタフェースを提供する。すなわち、表示処理部203は、テキスト入力制限部202によってテキスト入力が制限されたときに、Webブラウザ201に代わってディスプレイ102を制御し、既存テキストを指定する操作のための画面を表示する。その際、予め記憶されている画面データDQが示す画面様式を適用し、画面の表示に先立って抽出した複数種の既存テキストDTをユーザーによる指定の候補として画面に組み入れる。
【0028】
既存テキストDTを抽出するため、表示処理部203はストレージ19およびNV−RAM116を主とする記憶部としてのMFP1内のデータ記憶領域を検索する。表示処理部203が抽出する既存テキストDTは、例えば、アドレス情報(電子メールアドレス、FTP(File Transfer Protocol)やSMB(Server Message Block)による通信の相手、ファクシミリ通信相手など)、ボックス関連情報(ボックス名、ボックス番号、ボックス内で保存されたドキュメントの名称、PDFのようなテキスト検索が可能なドキュメント内の代表的な語句など)、定型文字列(Prefix/Suffix)など、ユーザーが入力する可能性のあると定められたテキストである。本例のMFP1では、管理者によって設定される種類(カテゴリー)の既存テキストは抽出の対象外とされる。管理者ではないユーザーが管理者のみに入力が許されたテキストを誤って入力するのを防ぐためである。管理者は、必要であれば、一時的にテキスト入力制限を解除するモード設定をすることにより、Webブラウザ201に管理者用のWebページを表示させて管理者のみに入力が許されたテキストを入力すればよい。
【0029】
操作処理部204は、表示処理部203によって画面が表示された状態においてユーザーが指定した一つの既存テキスト(既存テキストDTのいずれか)をWebブラウザ201に通知する。これに呼応してテキスト入力制限部202がテキスト入力の制限を解除する。さらに、Webブラウザ201が、操作処理部204から通知された既存テキストをテキスト入力フィールドに入力した状態のWebページを表示する。
【0030】
なお、既存テキストが入力されたテキスト入力フィールドとは別に未入力のテキスト入力フィールドがWebページQB内に存在し、その未入力のテキスト入力フィールドを指し示す操作イベントが発生したときには、再びテキスト入力が制限され、既存テキストの指定のための画面がWebページQBに代えてまたはWebページQBに部分的に重ねて表示される。この場合に、ワークエリアに最後に抽出した既存テキストDTが残っていれば、データ記憶領域の検索を省略してワークエリア内の既存テキストDTを画面表示に用いることができる。
【0031】
記録部205は、Webブラウザ201によって表示されたWebページQBを特定しかつ当該WebページQBにおいてユーザーによって指定された既存テキストの種類を示す履歴データDLを記録する。表示処理部203は、Webブラウザ201によって表示されるWebページQBが以前にも表示されて履歴データDLが記録されているWebページである場合に、履歴データDLが示す種類に該当する既存テキストを他の種類の前記既存テキストに対して優先的にユーザーに提示する。これにより、ユーザーは迅速にテキスト入力フィールドに所望のテキストを入力することができる。
【0032】
〔テキスト入力のためのユーザーインタフェース〕
図5において、タッチパネル101上にWebブラウザ201によってWebページQB1が表示されている。例示のWebページQB1は、ユーザーが所望の動作設定を指定するための操作画面であり、チェックボックス51、ラジオボタン52,53、テキスト入力フィールドである二つのテキストボックス54,55、および送信ボタン(type属性が"submit"であるinput要素)57,58を有する。テキストボックス54,55の近傍にはテキストの種類を示す文字列541,551が配置され、これによりユーザーは入力すべきテキストの種類を理解することができる。ユーザーが二つのテキストボックス54,55のそれぞれに所定のテキストを入力し、「OK」と表記された送信ボタン57を押下すると、入力されたテキストがチェックボックス51およびラジオボタン52,53の操作状態を示すデータとともにWebサーバーへ送信される。なお、随時にユーザーが「キャンセル」と表記された送信ボタン58を押下すると、その旨がWebサーバーに通知されて表示が他のWebページへ切替えられる。
【0033】
テキストの直接入力を禁止しない場合、ユーザーが二つのテキストボックス54,55のいずれかにテキストを入力しようとすると(例えば入力したい方のテキストボックスを押下する)、任意のテキスト入力を可能にするソフトウェアキーボードがWebブラウザ201とWebサーバーとの連携によって表示される。これに対して、テキストの直接入力を禁止するモードにおいては、上述のようにテキスト入力が制限され、図6〜図9に例示される既存テキストの入力のための画面が表示される。
【0034】
図6において、タッチパネル101上に表示処理部203によってテキスト種類選択画面QN1が表示されている。例示のテキスト種類選択画面QN1は、テキスト入力フィールドへの入力候補となる既存テキストの種類を文字で表わした五つの選択肢61,62,63,64,65、選択肢61〜65に一つずつ対応する五つの選択ボタン71,72,73,74,75、表示される選択肢を変更するためのシフトボタン76,77、および表示をWebブラウザ201によるWebページの表示に戻すための入力中止ボタン78を有する。図示の状態での選択肢61〜65は、「アドレス帳」「ボックス名」「ユーザー名」「Prefix/Suffix」「定型文字列」である。ユーザーが選択ボタン71〜75のうちの入力したい既存テキストの種類に対応した一つを選択すると、該当する種類の複数の既存テキストから一つを選択するためのテキスト選択画面が表示される。例えば、選択肢61(「アドレス帳」)に対応した選択ボタン71が押下されると、図7に示すテキスト選択画面QN2が表示される。
【0035】
図7において、例示のテキスト選択画面QN2は、テキスト入力フィールドへの入力候補となる多数の既存テキスト(例では電子メールアドレス)にそれぞれ対応した選択ボタン81,82,83,84,85,86,87,88、選択肢として表示される既存テキストを変更するためのシフトボタン76,77、および表示をテキスト種類選択画面QN1の表示に戻すための入力中止ボタン78を有する。選択ボタン81〜88には選択肢である既存テキストが表記されている。言い換えれば、表記される既存テキスト自体が選択ボタンとして機能する。ユーザーが選択ボタン81〜88のうちの一つを押下すると、該当する既存テキストがWebブラウザ201に通知され、Webページ内のテキスト入力フィールドに入力される。
【0036】
図6に戻って、ユーザーが例えばシフトボタン77を押下すると、テキスト種類選択画面QN1に代わって図8に示すテキスト種類選択画面QN1bが表示される。図6と図8との比較により分かるように、図8のテキスト種類選択画面QN1bは、図6のテキスト種類選択画面QN1における選択肢61〜65に代えて、選択肢62〜66を有する。その他の表示内容は図6および図8の画面の間で変わりはない。
【0037】
ここで、図8のテキスト種類選択画面QN1bにおいて上下に並ぶ選択肢62〜66のうち、例えば図中に破線の楕円を付した最も下に位置する選択肢66(「ドキュメント名」)を選択するため、選択肢66に対応する選択ボタン75をユーザーが押下したとする。そして、種類が「ドキュメント名」である複数の既存テキストのうちの一つを選択するための図示しないテキスト選択画面が表示され、その画面においてユーザーが一つの既存テキストを選択したとする。つまり、ユーザーがWebページのテキスト入力フィールドに、「ドキュメント名」という種類の既存テキストを入力した場合を想定する。そうすると、このようなテキスト入力操作が記録部205により履歴データDLとして記録され、その後の再度のテキスト入力における画面表示に反映される。
【0038】
図9は以前のテキスト入力操作を反映した画面表示の例を示す。上述のとおり種類が「ドキュメント名」である既存テキストの入力が以前に行われたとして、再び図5のWebページQB1における以前と同じテキスト入力フィールドにテキストを入力しようとしたときには、図6のテキスト種類選択画面QN1ではなく、その一部を変更した図9のテキスト種類選択画面QN1cが表示される。テキスト種類選択画面QN1cは選択肢66,61,62,63,64を有する。図6と図9との比較により分かるように、図9のテキスト種類選択画面QN1cでは、図6の画面QN1には無い選択肢66(「ドキュメント名」)が表示され、かつ五つの選択肢66,61〜64の中で最も上に配置されている。図6の画面QN1に在った最も下に位置する選択肢65(「定型文字列」)は図9のテキスト種類選択画面QN1cでは表示されない。つまり、図9のテキスト種類選択画面QN1cにおいては、「ドキュメント名」という種類の既存テキストを、ユーザーが最も選択し易いように他の種類の既存テキストに対して優先的に表示する配慮が図られている。
【0039】
〔MFPにおけるテキスト入力に関わる動作〕
図10はWebページのためのテキスト入力処理の第1例の流れを示す。Webブラウザ201がWebサーバーからWebページデータ(コンテンツ)を受信してWebページQB1を表示する(S11)。ユーザーがテキスト入力フィールドへテキストを入力しようとするイベントが発生すると(S12でYES)、テキスト入力制限部202はMFP1に適用されるテキスト入力ポリシーをチェックする(S13)。直接入力を禁止するモードでなければ(S13でNO)、テキスト入力制限部202はテキスト入力を制限しない。この場合、Webブラウザ201が所定の入力環境を提供してユーザーによる任意のテキスト入力を受け付ける通常入力処理が行われる(S16)。これに対して、直接入力を禁止するモードが設定されている場合(S13でYES)、テキスト入力制限部202は上述のようにテキスト入力を既存テキストの入力に制限する(S14)。そして、MF1はユーザーが既存テキストを入力するための代替入力処理を実行する(S15)。
【0040】
図11は代替入力処理のフローチャートである。表示処理部203がMFP1内で記憶されているデータを検索し、既存テキストを抽出する(S161)。次に表示処理部203は抽出した既存テキストをユーザーに提示する(S162)。すなわち、ユーザーが入力したいテキストを指定できるように、上述のテキスト種類選択画面QN1,QN1b,QN1cおよびテキスト選択画面QN2を適宜表示する。そして、操作処理部205が表示処理部203によって表示された画面上での操作を受け付け(S163)、選択操作によってユーザーが指定した既存テキストをWebブラウザに通知する(S164)。
【0041】
図12はWebページのためのテキスト入力処理の第2例の流れを示す。Webブラウザ201がWebサーバーからWebページデータ(コンテンツ)を受信してWebページQB1を表示する(S21)。ユーザーがテキスト入力フィールドへテキストを入力しようとするイベントが発生すると(S22でYES)、テキスト入力制限部202はコンテンツにおけるテキスト入力フィールドについての定義を解析し、テキスト入力フィールドに入力すべきテキストの種類の判別の可否をチェックする(S23)。入力すべきテキストの種類が判別できない場合(S23でNO)、MFP1は代替入力処理を実行する(S25)。ここでの代替入力処理の内容は図11の内容と同様である。一方、入力すべきテキストの種類が判別できる場合(S23でYES)、MFP1はステップS24の処理を実行する。ステップS24において、テキスト入力制限部202は表示処理部203による抽出の対象として予め定められた既存テキストの種類の中に、コンテンツに基づいて判別した入力すべきテキストの種類が含まれるときに、テキスト入力を既存テキストの入力に制限する。そして、表示処理部203は入力すべきテキストの種類に分類される既存テキストのみをユーザーに入力候補として提示する操作画面を表示する。
【0042】
以上の実施形態においては、操作パネル10による操作にはWebベースのユーザーインタフェースとして用いるものとして説明した。ただし、Webベースではない旧来のユーザーインタフェースを用いるモードを設けたり、MFP1のもつ複数の機能のいずれを利用するかによってWebベースのユーザーインタフェースと旧来のユーザーインタフェースとを使い分けたりすることができる。
【0043】
以上の実施形態において、MFP1の構成を適宜変更することができる。例えば、表示処理部202が表示する操作画面において、入力候補となる既存テキストをアルファベット順やアイウエオ順に表示してもよい。画面の階層化、アニメーション化、ユニバーサルデザインなど操作性を高める既存の技術が適用可能であり、ディスプレイの仕様に適合する範囲内で画面レイアウトに制約はない。
【符号の説明】
【0044】
1 MFP(画像形成装置)
10 操作パネル
19 ストレージ(記憶部)
201 Webブラウザ
202 テキスト入力制限部
203 表示処理部
204 操作処理部
205 記録部
QB,QB1 Webページ
54,55 テキストボックス(テキスト入力フィールド)
DT 既存テキスト
QN1,QN1b,QN1c テキスト種類選択画面
QN2 テキスト選択画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示が可能な操作パネルとWebブラウザとを有する画像形成装置であって、
Webページのテキスト入力フィールドに入力すべきデータである既存テキストを格納する記憶部と、
前記Webブラウザによって前記操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、前記記憶部に格納された既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、
前記テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、前記テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが前記既存テキストを指定する操作のための画面を前記操作パネルに表示させる表示処理部と、
ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、当該画像形成装置が保有するデータから複数種の前記既存テキストを抽出し、抽出した前記既存テキストの中から入力すべきテキストをユーザーが選択するためのテキスト選択画面を表示させ、
前記操作処理部は、前記テキスト選択画面において選択された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、当該画像形成装置の管理者によって設定される種類の前記既存テキストを抽出の対象外とする
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記テキスト入力制限部は、前記Webブラウザによるテキスト入力用の操作画面への表示の切替えを制止することによってテキスト入力を制限する
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記テキスト入力制限部は、前記Webブラウザによって表示されるWebページを表わすデータ内にテキスト入力フィールドおよび当該テキスト入力フィールドに入力すべきテキストの種類を示す定義が含まれ、かつ前記既存テキストが前記定義に該当する場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を前記既存テキストの入力に制限し、
前記表示処理部は、前記定義に該当する種類の前記既存テキストの中から入力すべきテキストをユーザーが選択するためのテキスト選択画面を表示させる
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記Webページを特定しかつユーザーによって指定された既存テキストの種類を示す履歴を記録する記録部をさらに備え、
前記表示処理部は、前記Webブラウザによって表示される前記Webページが以前にも表示されて前記履歴が記録されているWebページである場合に、前記履歴が示す種類に該当する前記既存テキストを他の種類の前記既存テキストに対して優先的に表示させる
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画面表示が可能な操作パネルとWebブラウザとを有する画像形成装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記画像形成装置が有するコンピュータによって実行されたときに、
前記Webブラウザによって前記操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、当該画像形成装置が保有するテキストである既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、
前記テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、前記テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが前記既存テキストを指定する操作のための画面を前記操作パネルに表示させる表示処理部と、
ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
画面表示が可能な操作パネルとWebブラウザとを有する画像形成装置であって、
Webページのテキスト入力フィールドに入力すべきデータである既存テキストを格納する記憶部と、
前記Webブラウザによって前記操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、前記記憶部に格納された既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、
前記テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、前記テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが前記既存テキストを指定する操作のための画面を前記操作パネルに表示させる表示処理部と、
ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、当該画像形成装置が保有するデータから複数種の前記既存テキストを抽出し、抽出した前記既存テキストの中から入力すべきテキストをユーザーが選択するためのテキスト選択画面を表示させ、
前記操作処理部は、前記テキスト選択画面において選択された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、当該画像形成装置の管理者によって設定される種類の前記既存テキストを抽出の対象外とする
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記テキスト入力制限部は、前記Webブラウザによるテキスト入力用の操作画面への表示の切替えを制止することによってテキスト入力を制限する
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記テキスト入力制限部は、前記Webブラウザによって表示されるWebページを表わすデータ内にテキスト入力フィールドおよび当該テキスト入力フィールドに入力すべきテキストの種類を示す定義が含まれ、かつ前記既存テキストが前記定義に該当する場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を前記既存テキストの入力に制限し、
前記表示処理部は、前記定義に該当する種類の前記既存テキストの中から入力すべきテキストをユーザーが選択するためのテキスト選択画面を表示させる
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記Webページを特定しかつユーザーによって指定された既存テキストの種類を示す履歴を記録する記録部をさらに備え、
前記表示処理部は、前記Webブラウザによって表示される前記Webページが以前にも表示されて前記履歴が記録されているWebページである場合に、前記履歴が示す種類に該当する前記既存テキストを他の種類の前記既存テキストに対して優先的に表示させる
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画面表示が可能な操作パネルとWebブラウザとを有する画像形成装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記画像形成装置が有するコンピュータによって実行されたときに、
前記Webブラウザによって前記操作パネル上に表示されるWebページにテキスト入力フィールドが含まれる場合に、当該テキスト入力フィールドへのテキスト入力を、当該画像形成装置が保有するテキストである既存テキストの入力に制限するテキスト入力制限部と、
前記テキスト入力制限部によってテキスト入力が制限されたときに、前記テキスト入力フィールドに入力すべきテキストとしてユーザーが前記既存テキストを指定する操作のための画面を前記操作パネルに表示させる表示処理部と、
ユーザーによって指定された前記既存テキストを前記Webブラウザに通知する操作処理部と、を前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−230514(P2012−230514A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97823(P2011−97823)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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