説明

画像形成装置およびデータ復旧方法

【課題】画像形成装置に保存されているデータが損傷した場合でも短時間で画像形成装置を使用可能な状態とする。
【解決手段】バックアップ処理部84は、画像形成装置1の管理データを含む各種のデータを保存する保存部4のデータをバックアップメモリ5にバックアップし、データ損傷検出部81は、画像形成装置1の電源投入時に、保存部4に保存されたデータに損傷があるか否かを検出し、管理データに損傷が検出された場合に、初期化処理部82は、損傷された管理データを初期化し、管理データの初期化後、復旧処理部83は、バックアップされた管理データに基づいて、保存部4に保存された損傷のある管理データを復旧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷を行う画像形成装置、およびこれに用いるデータ復旧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ装置、あるいはそれらの複合機(MFP:Multi Function Printer)等の画像形成装置は、一般に、ハードディスク等の不揮発性の記憶装置を備え、スキャナで読み取ったり外部から取得したりした印刷対象の画像データや、画像形成装置を管理するための管理データ等の各種データを保存している。
【0003】
このような画像形成装置において、停電が発生した場合や、不用意に電源プラグをコンセントから抜いてしまった場合等に、記憶装置に保存されているデータが損傷することがある。
【0004】
従来、このようなデータの損傷が発生した場合、電源の再投入時に、予めバックアップしておいたデータを用いて損傷したデータを復旧することが行われている(例えば、特許文献1参照)。データの復旧が完了後、装置が使用可能な状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−12121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来の技術では、損傷したデータの復旧が完了するまで、ユーザは画像形成装置を使用することができない。特に、データ量が大きい画像データ等が損傷した場合、その復旧には長時間を要するため、画像形成装置が長時間使用できない状態となっていた。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、保存されているデータが損傷した場合でも短時間で使用可能な状態となる画像形成装置、およびこれに用いるデータ復旧方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に係る画像形成装置は、印刷媒体に印刷を行う画像形成装置であって、前記画像形成装置の管理データを含む各種のデータを保存する保存部と、前記保存部に保存されたデータをバックアップするバックアップ処理部と、前記画像形成装置の電源投入時に、前記保存部に保存されたデータに損傷があるか否かを検出するデータ損傷検出部と、前記データ損傷検出部により管理データに損傷が検出された場合に、管理データを初期化する初期化処理部と、管理データの初期化後、バックアップされた管理データに基づいて、前記保存部に保存された損傷のある管理データを復旧する復旧処理部とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記復旧処理部は、前記画像形成装置が使用されない空き時間を用いて、復旧処理を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記保存部は、前記画像形成装置における印刷対象となるデータである印刷データを保存し、前記復旧処理部は、前記データ損傷検出部により印刷データに損傷が検出された場合、管理データの復旧完了後、バックアップされた印刷データに基づいて、前記保存部に保存された損傷のある印刷データを復旧することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、ユーザ操作に応じて、前記復旧処理部で復旧処理中の印刷データおよび復旧処理前の印刷データから優先して復旧させる印刷データを指定する指定部をさらに備え、前記復旧処理部は、前記指定部で指定された印刷データを他の印刷データよりも優先して復旧することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る画像形成装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記保存部は、前記画像形成装置における累積印刷枚数を示すカウントデータを保存し、前記復旧処理部は、前記データ損傷検出部によりカウントデータに損傷が検出された場合、前記初期化処理部による管理データの初期化処理の前に、バックアップされたカウントデータに基づいて、前記保存部に保存された損傷されたカウントデータを復旧することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係るデータ復旧方法は、画像形成装置の管理データを含む各種のデータを保存する保存部のデータをバックアップするステップと、前記画像形成装置の電源投入時に、前記保存部に保存されたデータに損傷があるか否かを検出するステップと、管理データに損傷が検出された場合に、管理データを初期化するステップと、管理データの初期化後、バックアップされた管理データに基づいて、前記保存部に保存された損傷のある管理データを復旧するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1,6記載の発明によれば、損傷がある管理データの復旧を行う前に、管理データを初期化することで、保存されているデータが損傷した場合でも短時間で画像形成装置を使用可能な状態とすることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、画像形成装置が使用されない空き時間を用いて復旧処理を行うので、ユーザの画像形成装置の使用を妨げずに、効率的に復旧処理を行うことができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、管理データの復旧完了後、損傷のある印刷データを復旧するので、保存されている印刷データが損傷した場合でも短時間で画像形成装置を使用可能な状態とすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、ユーザ操作に応じて指定された印刷データを他の印刷データよりも優先して復旧するので、必要な印刷データをより短時間で使用可能とすることができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、管理データの初期化処理の前に、損傷されたカウントデータを復旧するので、カウントデータが損傷した場合でも短時間で画像形成装置を使用可能な状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置におけるデータ復旧の動作を示すフローチャートである。
【図3】(a)は通常時の表示画面の一例を示す図、(b)は管理データの初期化処理中の表示画面の一例を示す図、(c)は管理データの初期化処理が完了後の表示画面の一例を示す図、(d)は管理データの復旧が完了後の表示画面の一例を示す図である。
【図4】(a)は管理者設定画面の一例を示す図、(b)はボックス機能用画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態に係る画像形成装置1は、画像読取部2と、印刷部3と、保存部4と、バックアップメモリ5と、操作入力部6と、通信部7と、制御部8と、ROM(Read Only Memory)9と、RAM(Random Access Memory)10とを備える。
【0022】
画像読取部2は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを有し、原稿を光学的に読み取り、読み取った原稿の画像データを出力する。
【0023】
印刷部3は、インクジェット方式等の印刷機構を有し、画像読取部2で読み取った原稿の画像データ、通信部7を介して外部から取得した画像や文書のデータ等の、画像形成装置1における印刷対象となるデータである印刷データに基づいて、用紙等の印刷媒体に印刷を行う。
【0024】
保存部4は、ハードディスク等の不揮発性の記憶装置を有し、印刷データ、画像形成装置1を管理するための管理データ、画像形成装置1における累積印刷枚数を示すカウントデータ等の各種のデータを保存する。
【0025】
保存部4に保存される印刷データは、例えば、過去に印刷に用いた印刷データを呼び出して印刷する機能(ボックス機能)で用いるために保存されるものである。管理データは、印刷データを管理するジョブ情報、画像形成装置1の管理者による各種設定内容や、個々のユーザによる各種設定内容を示すデータ等の各種のデータを含むものである。
【0026】
バックアップメモリ5は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体からなり、バックアップのために、保存部4に保存されたデータと同一のデータを保存する。
【0027】
操作入力部6は、表示/入力パネル61と、各種操作キー(図示せず)とを備え、ユーザの操作を受け付け、ユーザ操作に基づく操作信号を制御部8に出力する。
【0028】
表示/入力パネル61は、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネル(図示せず)と、このタッチパネルの裏面に配置された液晶表示パネル(図示せず)とを有し、表示部としての機能と指定部としての機能とを併せ持つ。ユーザは、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで入力操作を行うことができる。
【0029】
通信部7は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介してパーソナルコンピュータ(PC)等からなる印刷制御装置(図示せず)と接続され、データの送受信を行う。
【0030】
制御部8は、制御プログラムに応じた処理を行うことによって、画像形成装置1全体の動作を制御するものであり、各種の演算処理やデータの入出力等の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)等からなる。
【0031】
制御部8は、画像形成装置1の電源投入時に、保存部4に保存されたデータに損傷があるか否かを検出する処理を行うデータ損傷検出部81としての機能を有する。
【0032】
また、制御部8は、保存部4に保存された管理データに損傷が検出された場合に、管理データを初期化する処理を行う初期化処理部82としての機能を有する。
【0033】
また、制御部8は、管理データの初期化後、バックアップメモリ5にバックアップされた管理データに基づいて、保存部4に保存された損傷のある管理データを復旧する処理を行う復旧処理部83としての機能を有する。また、復旧処理部83は、管理データの復旧完了後、保存部4に保存された損傷のある印刷データを復旧する処理を行う。
【0034】
また、制御部8は、所定期間ごとに定期的に、保存部4に保存されているデータをバックアップメモリ5にバックアップする処理を行うバックアップ処理部84としての機能を有する。なお、バックアップを行うタイミングは、ユーザ操作により指定可能としてもよい。
【0035】
ROM9は、制御部8の動作のための制御プログラム等を格納する。RAM10は、一時的なデータの保存や演算時における制御部8のワーク領域として使用される。
【0036】
次に、画像形成装置1におけるデータ復旧の動作について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
ステップS10において、ユーザにより電源投入の操作が行われると、制御部8は、電源オンの処理を行う。
【0038】
次いで、ステップS20において、データ損傷検出部81は、保存部4に保存された各種のデータ(カウントデータ、管理データ、印刷データ)の損傷の有無をチェックする動作を行う。
【0039】
データの損傷を検出する方法は特に限定しないが、例えば、データ損傷検出部81は、保存部4に保存されたカウントデータ、管理データ、印刷データのチェックサムをそれぞれ計算し、予めバックアップメモリ5にそれぞれのデータに対応して記憶されたチェックサムと比較して、不一致であればデータが損傷していると判断する。バックアップメモリ5に予め記憶されているチェックサムは、カウントデータであれば、例えばジョブ単位での更新時、管理データであればその変更時、印刷データであればその生成時等にそれぞれ計算されたものである。
【0040】
次いで、ステップS30において、データ損傷検出部81は、ステップS20で保存部4に保存されているカウントデータに損傷が検出されたか否かを判断する。カウントデータに損傷が検出された場合(ステップS30:YES)、ステップS40において、復旧処理部83は、バックアップメモリ5にバックアップされたカウントデータに基づいて、保存部4の損傷されたカウントデータを復旧する処理を行う。
【0041】
カウントデータに損傷が検出されなかった場合(ステップS30:NO)、ステップS50において、データ損傷検出部81は、ステップS20で保存部4に保存されている管理データに損傷が検出されたか否かを判断する。管理データに損傷が検出された場合(ステップS50:YES)、ステップS60に進み、管理データに損傷が検出されなかった場合(ステップS50:NO)、ステップS110に進む。
【0042】
ステップS60では、初期化処理部82は、管理データの初期化処理を行う。初期データは、画像形成装置1の工場出荷時に設定された各種のデータからなるものであり、ROM9、バックアップメモリ5等に予め記憶されている。初期化処理により、画像形成装置1は、基本的な機能が使用可能な状態となる。
【0043】
通常時には、表示/入力パネル61には、図3(a)に示すような表示画面20が表示される。表示画面20には、画像形成装置1が備える各種機能をユーザが指定するための機能ボタン21A,21B,…が表示される。図3(a)に示す例では、前述のボックス機能、紙原稿を画像読取部2で読み取って印刷するコピー機能、紙原稿を画像読取部2で読み取って電子化するスキャン機能、管理者権限を有する者が画像形成装置1全体を管理するための設定を行う管理者設定の機能、印刷枚数を表示するカウント表示の機能にそれぞれ対応した機能ボタン21A,21B,…が表示されている。
【0044】
ステップS60の管理データの初期化処理が完了するまでは、画像形成装置1は使用できない状態となる。このため、図3(b)示すように、その旨をユーザに知らせるためのメッセージを表示画面20に表示する。
【0045】
管理データの初期化処理が完了すると、図3(c)示すように、機能ボタン21A,21B,…の表示に戻る。管理データの初期化処理が完了すれば、コピー機能、スキャン機能、カウント表示の機能のような基本的な機能が使用可能となるので、これらの機能に対応する機能ボタン21B,21C,21Eは、通常時と同様にユーザが指定可能な表示となる。
【0046】
この段階では使用できない機能については、対応する機能ボタンがグレーアウト表示され、ユーザが指定不可能となる。例えば、管理者設定の機能は管理データの復旧が完了していない状態では使用できず、ボックス機能は印刷データの復旧が完了していない状態では使用できない。図3(c)示す例では、これらの機能に関する機能ボタン21A,21Dがグレーアウト表示されている状態を示している。
【0047】
カウントデータの復旧処理(ステップS40)および管理データの初期化処理(ステップS60)は短時間で完了できるため、画像形成装置1は、短時間で基本的な機能が使用可能な状態となる。したがって、図3(b)の表示から図3(c)の表示へは短時間で切り替わる。
【0048】
ステップS70では、制御部8は、ユーザによる表示/入力パネル61の操作により、使用可能な機能のうちのいずれかの使用が要求されたか否かを判断する。
【0049】
ユーザの要求があった場合(ステップS70:YES)、ステップS80において、制御部8は、要求された機能の処理を実行する。例えば、コピー機能を使用する要求があった場合、制御部8は、画像読取部2に原稿の画像を読み取らせ、この読み取った画像を印刷部3により用紙に印刷させる。要求された機能の処理が完了すると、ステップS70に戻る。
【0050】
ユーザの要求がなかった場合(ステップS70:NO)、ステップS90において、復旧処理部83は、バックアップされた管理データに基づいて、保存部4に保存された損傷のある管理データの一部を復旧する。例えば、管理データのうち、管理者設定によるある項目(例えば、省電力設定)の設定データを復旧する。
【0051】
次いで、ステップS100において、復旧処理部83は、保存部4に保存された損傷のある管理データの復旧が完了したか否かを判断する。完了した場合(ステップS100:YES)、ステップS110に進み、完了していない場合(ステップS100:NO)、ステップS70に戻る。
【0052】
管理データの復旧が完了すると、管理者設定の機能が使用可能となるので、図3(d)示すように、管理者設定を指定するための機能ボタン21Dのグレーアウト表示が解除され、ユーザが指定可能となる。
【0053】
ステップS110では、データ損傷検出部81は、ステップS20で保存部4に保存されている印刷データに損傷が検出されたか否かを判断する。印刷データに損傷が検出された場合(ステップS110:YES)、ステップS120に進み、印刷データに損傷が検出されなかった場合、そのまま一連の動作を終了する。
【0054】
ステップS120では、ステップS70と同様に、制御部8は、ユーザの要求があったか否かを判断する。ユーザの要求があった場合(ステップS120:YES)、ステップS130において、制御部8は、要求された機能の処理を実行する。その後、ステップS120に戻る。
【0055】
ユーザの要求がなかった場合(ステップS120:NO)、ステップS140において、復旧処理部83は、バックアップされた印刷データに基づいて、保存部4に保存された損傷のある印刷データの一部を復旧する。例えば、1枚分の印刷データを復旧する。なお、印刷データの復旧処理において、必要に応じて、印刷データの再解析、ジョブ情報等の再作成処理を行ってもよい。この場合、管理データにおける対応するジョブ情報等を更新する。
【0056】
次いで、ステップS150において、復旧処理部83は、保存部4に保存された損傷のある印刷データの復旧が完了したか否かを判断する。完了した場合(ステップS150:YES)、一連の動作を終了し、完了していない場合(ステップS150:NO)、ステップS120に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0057】
印刷データの復旧も完了すると、すべての機能が使用可能となるので、表示画面20におけるグレーアウト表示がすべて解除され、図3(a)の通常状態となる。
【0058】
上記のように、画像形成装置1では、管理データの初期化を完了して基本的な機能を使用可能としてから、管理データ、印刷データの復旧処理を、ユーザによる画像形成装置1の使用要求の有無を確認しながら少しずつ行う。復旧処理中にユーザによる使用要求があった場合には、その要求に対する処理を優先する。このようにすることで、復旧処理は、画像形成装置1がユーザに使用されない空き時間(待機中、スリープ中、電源オフ処理中等)に行われる。
【0059】
上記説明のように本実施の形態によれば、損傷された管理データを復旧する前に初期化することで、画像形成装置1の基本機能を短時間で使用可能とすることができる。また、画像形成装置1が使用されない空き時間に復旧処理を行うので、ユーザの使用を妨げずに、効率的に復旧処理を行うことができる。
【0060】
なお、上記実施の形態では、管理データの復旧がすべて完了してから、管理者設定が可能になるとしていたが、復旧が完了する前において、復旧済みのデータに対応する機能から順次使用可能としてもよい。同様に、印刷データについても、すべての復旧が完了する前に、復旧済みの印刷データから順次印刷可能としてもよい。
【0061】
この場合、図3(b),(c)のようなグレーアウト表示は行わず、管理データの初期化処理が完了すると、制御部8は、図3(a)に示す通常時と同様の表示画面20を表示/入力パネル61に表示させ、表示されたすべての機能を指定可能とする。
【0062】
ここで、ユーザが管理者設定に対応する機能ボタン21Dを指定すると、制御部8は、図4(a)に示すような管理者設定画面30を表示/入力パネル61に表示させる。
【0063】
管理者設定画面30には、管理者による設定対象となる項目の一覧を表示する設定項目表示部31と、管理データにおける各設定項目に対応する設定内容のデータの復旧状態を表示するステータス表示部32と、優先して復旧する項目を指定するための優先復旧ボタン33とが表示される。
【0064】
復旧済みの項目については、設定項目表示部31でユーザが指定可能とされ、ユーザがその項目についての設定変更を行うという機能が使用可能となる。
【0065】
復旧前または復旧中の項目については、設定項目表示部31でグレーアウト表示されるとともに、ステータス表示部32に「復旧中」と表示され、ユーザが指定不可能とされる。復旧前または復旧中の項目についてのデータの復旧が終了すると、設定項目表示部31におけるグレーアウト表示が解除され、ステータス表示部32における「復旧中」の表示が消え、ユーザがその項目についての設定変更を行うという機能が使用可能となる。このように、各項目の設定変更を行うという機能が順次使用可能となる。
【0066】
また、ユーザが、復旧前または復旧中の項目から1つを指定し、優先復旧ボタン33を操作すると、復旧処理部83は、ユーザが指定した項目に対応するデータの復旧処理を、他の項目よりも優先して行う。
【0067】
一方、ユーザがボックス機能に対応する機能ボタン21Aを指定すると、制御部8は、図4(b)に示すようなボックス機能用画面40を表示/入力パネル61に表示させる。
【0068】
ボックス機能用画面40には、保存部4の保存されている印刷データの一覧を表示するデータ一覧表示部41と、各印刷データの復旧状態を表示するステータス表示部42と、印刷データの印刷を指示するための印刷ボタン43と、優先して復旧する印刷データを指定するための優先復旧ボタン44とが表示される。
【0069】
復旧済みの印刷データについては、データ一覧表示部41でユーザが指定可能とされ、ユーザがその印刷データを指定して印刷ボタン43を操作すると、制御部8は、指定された印刷データに基づいて印刷部3により用紙に印刷(画像形成)させる。
【0070】
復旧前または復旧中の印刷データについては、データ一覧表示部41でグレーアウト表示されるとともに、ステータス表示部42に「復旧中」と表示され、ユーザが指定不可能とされる。復旧前または復旧中の印刷データの復旧が終了すると、データ一覧表示部41におけるグレーアウト表示が解除され、ステータス表示部42における「復旧中」の表示が消え、その印刷データによる印刷が可能となる。
【0071】
また、ユーザが、復旧前または復旧中の印刷データから1つを指定し、優先復旧ボタン44を操作すると、復旧処理部83は、ユーザが指定した印刷データの復旧を、他の印刷データよりも優先して行う。
【0072】
このようにすることで、必要な機能をより短時間で使用可能とすることができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成装置
2 画像読取部
3 印刷部
4 保存部
5 バックアップメモリ
6 操作入力部
7 通信部
8 制御部
9 ROM
10 RAM
61 表示/入力パネル
81 データ損傷検出部
82 初期化処理部
83 復旧処理部
84 バックアップ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷を行う画像形成装置であって、
前記画像形成装置の管理データを含む各種のデータを保存する保存部と、
前記保存部に保存されたデータをバックアップするバックアップ処理部と、
前記画像形成装置の電源投入時に、前記保存部に保存されたデータに損傷があるか否かを検出するデータ損傷検出部と、
前記データ損傷検出部により管理データに損傷が検出された場合に、管理データを初期化する初期化処理部と、
管理データの初期化後、バックアップされた管理データに基づいて、前記保存部に保存された損傷のある管理データを復旧する復旧処理部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記復旧処理部は、前記画像形成装置が使用されない空き時間を用いて、復旧処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保存部は、前記画像形成装置における印刷対象となるデータである印刷データを保存し、
前記復旧処理部は、前記データ損傷検出部により印刷データに損傷が検出された場合、管理データの復旧完了後、バックアップされた印刷データに基づいて、前記保存部に保存された損傷のある印刷データを復旧することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ユーザ操作に応じて、前記復旧処理部で復旧処理中の印刷データおよび復旧処理前の印刷データから優先して復旧させる印刷データを指定する指定部をさらに備え、
前記復旧処理部は、前記指定部で指定された印刷データを他の印刷データよりも優先して復旧することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記保存部は、前記画像形成装置における累積印刷枚数を示すカウントデータを保存し、
前記復旧処理部は、前記データ損傷検出部によりカウントデータに損傷が検出された場合、前記初期化処理部による管理データの初期化処理の前に、バックアップされたカウントデータに基づいて、前記保存部に保存された損傷されたカウントデータを復旧することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置の管理データを含む各種のデータを保存する保存部のデータをバックアップするステップと、
前記画像形成装置の電源投入時に、前記保存部に保存されたデータに損傷があるか否かを検出するステップと、
管理データに損傷が検出された場合に、管理データを初期化するステップと、
管理データの初期化後、バックアップされた管理データに基づいて、前記保存部に保存された損傷のある管理データを復旧するステップと
を含むことを特徴とするデータ復旧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−79138(P2011−79138A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230568(P2009−230568)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】