画像形成装置およびプログラム
【課題】操作性を損なうことなく、画像形成装置の消費電力量を低減することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部101と、表示指示が受付けられた表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部103と、対象表示画面が表示される毎に、対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、決定された電源状態に基づいて、デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部106とを備えた。
【解決手段】同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部101と、表示指示が受付けられた表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部103と、対象表示画面が表示される毎に、対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、決定された電源状態に基づいて、デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部106とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に画像形成装置の消費電力量は非常に高い。そのため消費電力量を低減するために画像形成装置の起動時や、画像形成装置が最低限の電力供給のみを行う省エネ状態から画像形成装置の各部に電力供給を行う通常状態への復帰時に、起動/復帰後のアプリケーションの状態に応じて、画像形成装置が備えるプロッタ、スキャナ、周辺機などのデバイスのうち不必要なデバイスに対して電源を供給しないような省エネ制御技術が既に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成装置の使用時の消費電力量を削減する目的で、画像形成装置のアプリケーションの状態とその状態を実現するために必要なデバイスの情報を記憶部に記憶しておき、省エネ状態から通常状態への復帰時または画像形成装置の起動時に、デバイスの情報に基づいて、アプリケーションの状態に応じたデバイスへの通電を制御する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の省エネ制御技術においては、起動時または復帰時のアプリケーションの状態に応じて、デバイスの電源のオンオフを一意に決定していた。しかしながら、アプリケーションの状態が同一であっても、必ずしも同一のデバイスが使用されるとは限らない。このため、電力供給が行われているにもかかわらず、使用されないデバイスが存在すると、無駄な電力が消費されてしまう。
【0005】
その一方で、使用者が電源供給が行われていないデバイスの使用を希望する場合もある。この場合には、デバイスを使用するタイミングで電源をオンにすることになるため、使用可能になるまでに時間がかかってしまう。このように、消費電力量を低減すると、画像形成装置の操作性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成装置の操作性を損なうことなく、画像形成装置の消費電力量を低減することのできる画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成装置であって、同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、コンピュータを、同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置の操作性を損なうことなく、画像形成装置の消費電力量を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、電源状態記憶部のデータ構成を示す図である。
【図3】図3は、動作時間記憶部のデータ構成を示す図である。
【図4】図4は、電源制御処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、電源制御処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、電源状態記憶部のデータ構成を示す図である。
【図8】図8は、動作時間記憶部のデータ構成を示す図である。
【図9】図9は、電源制御処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、省エネ処理部100と、操作表示部20と、周辺機器としてのデバイスであるスキャナ31、プロッタ32および周辺機A33をさらに備えている。以下、適宜、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33を適宜デバイスと称する。
【0013】
画像形成装置1は、ユーザからの入力により、その動作状態は通常状態から省エネ状態に遷移する。ここで、通常状態とは、画像形成装置1の各部(全体)に電力が供給される状態である。省エネ状態とは、画像形成装置1の各部のうち、一部への電力供給が停止し、通常状態に比べて画像形成装置1全体の電力消費量が少ない状態である。省エネ処理部100は、省エネ状態中における各種デバイスへの電力供給のオンオフを制御する。
【0014】
省エネ処理部100は、受付部101と、表示情報記憶部102と、表示処理部103と、電源状態記憶部104と、電源状態特定部105と、電源制御部106と、ドライバ制御部107と、動作時間計測部108と、動作時間記憶部109とを備えている。
【0015】
受付部101は、ユーザから各種情報の入力を受け付ける。ユーザから受け付ける情報としては、例えばアプリケーションにより表示される表示画面を操作表示部20に表示することを指示する表示指示、所定の機能の実行を指示する実行指示などがある。なお、アプリケーションにより操作表示部20に表示される表示画面が表示された状態において、ユーザが操作表示部20などのユーザインターフェースを用いて、表示画面への入力を行うことにより受付部101はユーザからの入力に応じた実行指示を受け付ける。
【0016】
表示情報記憶部102は、画像形成装置1において実行されるアプリケーションにより操作表示部20に表示される表示情報を記憶している。
【0017】
表示処理部103は、受付部101がユーザにより入力された表示指示を受け付けると、表示情報記憶部102に記憶されている表示情報の中から表示指示にかかる表示画面を表示するのに必要な表示情報を抽出する。表示処理部103は、抽出した表示情報に基づいて、表示画面を操作表示部20に表示する。
【0018】
電源状態記憶部104は、各種デバイスの電源状態を特定するための情報を記憶している。図2は、電源状態記憶部104のデータ構成を示す図である。電源状態記憶部104は、操作表示部20に表示される表示画面と、画像形成装置1が備える各デバイスの電源状態とを対応付けて記憶している。
【0019】
ここで、表示画面とは、所定のアプリケーションにより操作表示部20に表示される表示画面である。同一のアプリケーションにおいて複数の表示画面が表示される場合には、電源状態記憶部104は、同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面それぞれを記憶する。電源状態とは、各デバイスへの電源供給のオンオフを示す情報である。
【0020】
所定のアプリケーションの動作中には、表示処理部103により、アプリケーションに応じた各種表示画面が操作表示部20に表示される。さらに、各表示画面において、ユーザからの入力にしたがい、受付部101は、所定の機能の実行指示の入力を受け付けることができる。すなわち、同一のアプリケーションの起動中であっても、操作表示部20に表示中の表示画面に応じて実行される可能性のある機能は異なっており、したがって、動作する可能性のあるデバイスも異なっている。
【0021】
そこで、本実施の形態においては、画像形成装置1の管理者等が、予め電源状態記憶部104に、同一のアプリケーションにより複数の表示画面が表示される場合には、表示が面毎にデバイスの電源状態を対応付けて格納しておくこととする。より具体的には、電力状態記憶部104は、各表示画面に対応付けて、各表示画面において実行可能な機能に対応して動作する可能性のあるデバイスに対し電源オンを示す電源状態を記憶し、これ以外のデバイスに対し電源オフを示す電源状態を記憶する。例えば、図2に示す電源状態記憶部104においては、コピーアプリにより表示される表示画面として、コピーアプリの画面Aと画面Bがそれぞれ記憶されており、またスキャナアプリにより表示される表示画面として、スキャナアプリの画面Cと画面Dがそれぞれ記憶されている。
【0022】
より具体的な例としては、プリンタアプリケーションにより表示されるプリンタトップ画面(表示画面)においては、いずれの機能の実行指示も受け付けないとする。この場合には、電源状態記憶部104には、プリンタトップ画面に対応付けられているすべてのデバイスの電源状態として、電源オフが記憶される。
【0023】
また、プリンタアプリケーションにより表示されるメディアプリント実行画面(表示画面)においては、メディアプリント機能が実行可能であり、メディアプリント機能の実行のためにプロッタと周辺機Aが動作するとする。この場合には、電源状態記憶部104には、メディアプリント実行画面に対応付けられているスキャナ31の電源状態として、電源オフが記憶され、メディアプリント実行が面に対応付けられているプロッタ32および周辺機A33の電源状態として電源オンが記憶される。
【0024】
さらに、スキャナアプリケーションにより表示されるスキャナトップ画面(表示画面)においては、スキャン機能が実行可能であり、スキャン機能の実行のためにスキャナが動作するとする。この場合には、電源状態記憶部104には、スキャナトップ画面に対応付けられているスキャナ31の電源状態として電源オンが記憶され、スキャナトップ画面に対応付けられているプロッタ32および周辺機A33の電源状態として電源オフが記憶される。
【0025】
図1に戻り、電源状態特定部105は、表示処理部103が操作表示部20に所定の表示画面を表示すると、電源状態記憶部104または後述の動作時間記憶部109を参照し、操作表示部20に表示される表示画面に基づいて、各デバイスの電源状態を特定する。
【0026】
電源制御部106は、電源状態特定部105により特定された電源状態に基づいて、各デバイス、すなわちスキャナ31、プロッタ32および周辺機A33への電力供給のオンオフを制御する。
【0027】
ドライバ制御部107は、表示処理部103による所定の表示画面の表示中に受付部101が所定の機能の実行指示を受け付けると、実行指示に基づいて、実行指示の対象となる機能を実現するために動作するドライバを特定する。ドライバ制御部107はさらに、実行指示に基づいて、各ドライバに機能を実行するための処理を行わせる。動作時間計測部108は、各ドライバの動作時間を計測する。動作時間計測部108はさらに、計測した動作時間を、表示中の表示画面に対応付けて動作時間記憶部109に記憶する。
【0028】
図3は、動作時間記憶部109のデータ構成を示す図である。動作時間記憶部109は、操作表示部20に表示中の表示画面と、各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間とを対応付けて記憶している。ここで、動作時間記憶部109に記憶される各デバイスの動作時間は、対応する表示画面が表示されている間に計測された動作時間である。全デバイスの動作時間とは、対応する表示画面に対する各デバイスの動作時間の合計時間である。なお、動作時間計測部108は、動作時間を計測する度に、動作時間記憶部109に既に記憶されている各動作時間に新たに計測された動作時間を加算する。
【0029】
なお、本実施の形態にかかる動作時間記憶部109は、電源状態記憶部104に記憶されていない表示画面の表示中に前記ドライバ制御部107によりデバイスが動作した場合のデバイスの動作時間のみを記憶すればよい。また、動作時間計測部108は、電源状態記憶部104に記憶されていない表示画面の表示中に前記ドライバ制御部107によりデバイスが動作した場合に動作時間を計測すればよい。
【0030】
図4および図5は、画像形成装置1による各デバイスへの電力供給のオンオフを制御する電源制御処理を示すフローチャートである。受付部101が、ユーザから入力された表示指示を受け付けると(ステップS100)、表示処理部103は、表示情報記憶部102を参照し、表示指示にかかる表示画面である対象表示画面を操作表示部20に表示する(ステップS101)。
【0031】
電源状態特定部105は、操作表示部20に対象表示画面が表示されると、電源状態記憶部104を参照し、対象表示画面が記憶されているか否かを特定する。電源状態記憶部104に、対象表示画面が記憶されている場合には(ステップS102,Yes)、対象表示画面に対応付けられている各デバイスの電源状態を特定する(ステップS103)。次に、電源制御部106は、電源状態特定部105により特定された各デバイスの電源状態に基づいて、各デバイスへの電源供給のオンオフを制御する(ステップS104)。
【0032】
例えば、図2に示す電源状態記憶部104において、ステップS101においてコピーアプリの画面Aが表示された場合には、ステップS103において、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33のすべてに対し電源オンを示す電源状態が特定され、ステップS104において、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33のすべてへの電源供給がオンされる。
【0033】
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置1においては、電源状態記憶部104に、各表示画面における各デバイスの電源状態が記憶されており、同一のアプリケーションの起動中であっても、操作表示部20に実際に表示されている表示画面毎に、各デバイスへの電源供給のオンオフの制御を異ならせることができる。すなわち、画像形成装置1は、所定の表示画面の表示中に動作する可能性の低いデバイスへの電力供給を行わないことにより、ユーザによる画像形成装置1の操作性を損なうことなく、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0034】
一方、ステップS102において、対象表示画面が電源状態記憶部104に記憶されていない場合には(ステップS102,No)、電源状態特定部105は、動作時間記憶部109を参照し、対象表示画面が記憶されているか否かを特定する。動作時間記憶部109に対象表示画面が記憶されている場合には(ステップS110,Yes)、電源状態特定部105は、動作時間記憶部109において、対象表示画面に対応付けられている各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間とを抽出する。そして、電源状態特定部105は、全デバイスの動作時間に対する各デバイスの動作時間の動作割合を算出する(ステップS111)。
【0035】
次に、電源状態特定部105は、各デバイスの動作割合と予め設定された閾値とを比較する(ステップS112)。次に、電源状態特定部105は、比較結果に基づいて、各デバイスの電源状態を特定し(ステップS113)、ステップS104に進む。
【0036】
ステップS113においては、具体的には、電源状態特定部105は、所定のデバイスの動作割合が閾値以上である場合には、このデバイスの電源状態として電源オンを示す電源状態を特定する。また、電源状態特定部105は、所定のデバイスの動作割合が閾値未満である場合には、このデバイスの電源状態として電源オフを示す電源状態を特定する。
【0037】
例えば図3に示すFAXアプリケーションの表示画面Fが対象表示画面であり、閾値が30%に設定されているものとする。この場合には、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33の動作割合はそれぞれ、20%、80%および0%となる。したがって、動作割合が30%以上のドライバであるプロッタ32に対し、電源オンの電源状態が特定され、スキャナ31および周辺機A33については、電源オフの電源状態が特定される。そして、ステップS104においては、プロッタ32のみへの電源供給がオンされる。
【0038】
なお、本実施の形態においては、電源状態特定部105は、各デバイスの動作割合を算出し、動作割合に基づいて各デバイスの電源状態を特定したが、他の例としては、各デバイスの動作時間に基づいて、各デバイスの電源状態を特定することとしてもよい。
【0039】
さらに、ステップS110において、動作時間記憶部109に対象表示画面が記憶されていない場合には(ステップS110,No)、図5に示すステップS120へ進む。すなわち、動作時間記憶部109に対象表示画面が記憶されていない場合には(ステップS110,No)、まず、デバイドライバ制御部107は、すべてのデバイス、すなわちスキャナ31、プロッタ32および周辺機A33への電源供給をオンにする(ステップS120)。
【0040】
次に、受付部101が、ユーザから所定の機能の実行指示を受け付けると(ステップS121,Yes)、ドライバ制御部107は、実行指示の対象となる機能を実現するために動作するドライバを特定し、各ドライバに機能を実行するための処理を行わせる。次に、動作時間計測部108は、各ドライバの動作時間の計測を開始する(ステップS122)。
【0041】
次に、各ドライバの処理が終了すると(ステップS123,Yes)、動作時間計測部108は、計測された各ドライバの動作時間を、実行指示を受け付けた際に操作表示部20に表示されていた対象表示画面に対応付けて動作時間記憶部109に記憶する(ステップS124)。なお、このとき、すでに動作時間記憶部109に、動作時間が記憶されている場合には、既に記憶されている動作間に今回計測された動作時間を加算する。
【0042】
例えば、SDK(Software Development Kit)アプリケーションのように、電源状態記憶部104の設定後に新たに画像形成装置1に搭載された後載アプリケーションについては、電源状態記憶部104において、後載アプリケーションの表示画面に対する電源状態が記憶されていない。そこで、本実施の形態の画像形成装置1においては、後載アプリケーションについては、ステップS120〜ステップS124の処理により、ユーザからの実行指示に応じて実際にデバイスが動作した動作時間を計測し、これを動作時間記憶部109に記憶し、ステップS111〜ステップS104の処理により、動作時間記憶部109に記憶されている動作時間に基づいて、電源状態を特定することとした。
【0043】
これにより、本実施の画像形成装置1においては、後載アプリケーションについても、後載アプリケーションを追加する度に、電源状態記憶部104に後載アプリケーションに関する情報を追加しなくとも、自動的に表示画面に応じた適切な各デバイスの電源制御を行うことができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、電源状態特定部105は、電源状態記憶部104に対象表示画面が記憶されていない場合に、動作時間記憶部109において、対象表示画面に対応付けて記憶されている各デバイスの動作時間に基づいて、各デバイスの電源状態を特定したが、他の例としては、電源状態特定部105は、すべての対象表示画面について、動作時間記憶部109を参照して、各デバイスの電源状態を特定することとしてもよい。なお、この場合には、画像形成装置1は、電源状態記憶部104を備えなくてもよい。
【0045】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態にかかる画像形成装置においては、ユーザ毎の利用形態に応じて、省エネ状態における各デバイスへの電源供給のオンオフを行う。図6は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2の構成を示すブロック図である。画像形成装置2の省エネ処理部110においては、電源状態記憶部111は、各種デバイスの電源状態を特定するための情報をユーザ毎に記憶している。図7は、電源状態記憶部111のデータ構成を示す図である。電源状態記憶部111は、ユーザを識別するユーザIDと、各デバイスの電源状態とを、各表示画面に対応付けて記憶している。さらに、ユーザIDには、各ユーザのほか、ユーザを特定しないことを示す「共通」のIDも含まれており、電源状態記憶部111には、共通のIDに対しても各デバイスの電源状態が記憶されている。
【0046】
図6に戻り、電源状態特定部112は、受付部101が表示指示とともにユーザIDを受け付けると、電源状態記憶部111または後述の動作時間記憶部114を参照し、ユーザIDと、表示指示にかかる表示画面とに基づいて、各デバイスの電源状態を特定する。動作時間計測部113は、電源状態記憶部111に記憶されていない表示画面の表示中にデバイスが動作した場合だけでなく、電源状態記憶部111に記憶されている表示画面の表示中にデバイスが動作した場合においても、デバイスの動作時間を計測する。そして、動作時間計測部113は、計測した動作時間を、表示中の表示画面に対応付けて動作時間記憶部114に記憶する。
【0047】
図8は、動作時間記憶部114のデータ構成を示す図である。動作時間記憶部114は、ユーザIDと、各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間とを、操作表示部20に表示中の表示画面に対応付けて記憶している。なお、本実施の形態にかかる動作時間記憶部114は、電源状態記憶部111に記憶されている表示画面に対しても、ユーザIDに対応付けて、各デバイスおよび全デバイスの動作時間を記憶している。
【0048】
図6に戻り、更新部115は、動作時間記憶部114を参照し、電源状態記憶部111に記憶されている電源状態を更新する。
【0049】
図9は、画像形成装置2による電源制御処理を示すフローチャートである。受付部101が、ユーザから入力された表示指示およびユーザIDを受け付けると(ステップS200)表示処理部103は、表示情報記憶部102を参照し、表示指示にかかる表示画面である対象表示画面を操作表示部20に表示する(ステップS201)。
【0050】
次に、電源状態特定部112は、操作表示部20に対象表示画面が表示されると、電源状態記憶部111を参照し、ステップS200において受付部101が受け付けた表示指示に示される表示画面(対象表示画面)とユーザIDとが対応付けて記憶されているか否かを特定する。電源状態記憶部111に、対象表示画面とユーザIDとが対応付けて記憶されている場合には(ステップS202,Yes)、対象表示画面とユーザIDに対応付けられている各デバイスの電源状態を特定する(ステップS203)。次に、電源制御部106は、電源状態特定部105により特定された各デバイスの電源状態に基づいて、各デバイスへの電源供給のオンオフを制御する(ステップS204)。
【0051】
次に、受付部101がユーザIDとともに、所定の機能の実行指示を受け付けると(ステップS211,Yes)、ドライバ制御部107は、実行指示の対象となる機能を実現するために動作するドライバを特定し、各ドライバに機能を実行するための処理を行わせる。なお、ステップS211において、実行指示を受け付けない場合には(ステップS211,No)、処理は終了する。
【0052】
次に、動作時間計測部113は、各ドライバの動作時間の計測を開始する(ステップS212)。次に、各ドライバの処理が終了すると(ステップS213,Yes)、動作時間計測部113は、計測された各ドライバの動作時間を、実行指示を受け付けた際に操作表示部20に表示されていた対象表示画面と、ユーザIDとに対応付けて記憶する(ステップS214)。なお、このとき、すでに動作時間記憶部114に、動作時間が記憶されている場合には、既に記憶されている動作間に今回計測された動作時間を加算する。
【0053】
次に、更新部115は、動作時間記憶部114に記憶されている動作時間に基づいて、電源状態記憶部111に記憶されている電源状態を更新する(ステップS215)。具体的には、更新部115は、動作時間記憶部114において、所定のユーザIDと所定の表示画面に対応付けられている各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間に基づいて、各デバイスの動作割合を算出する。なお、各デバイスの動作割合を算出する処理は、第1の実施の形態において図4を参照しつつ説明した動作割合算出処理(ステップS111)における処理と同様である。
【0054】
そして、更新部115は、算出された動作割合が予め設定された閾値以上である場合には、電源状態記憶部111において、対応するユーザIDと表示画面とに対応付けられている対象となるデバイスの電源状態を、電源オンを示す電源状態に更新する。また、更新部115は、算出された動作割合が閾値未満である場合には、電源状態記憶部111において、対応するユーザIDと表示画面とに対応付けられている対象となるデバイスの電源状態を、電源オフを示す電源状態に更新する。
【0055】
このように、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2においては、電源状態記憶部111に記憶されている各デバイスの電源状態を、実際の各ユーザの使用状況に応じて自動的に適宜変更することができる。したがって、画像形成装置2においては、ユーザによる画像形成装置2の操作性を損なうことなく、動作する可能性の低いデバイスへの電力供給を低減し、無駄な消費電力を抑えることができる。
【0056】
一方、ステップS202において、電源状態記憶部111に、対象表示画面とユーザIDとが対応付けて記憶されていない場合には(ステップS202,No)、第1の実施の形態において図4を参照しつつ説明したステップS110へ進み、ステップS110以降の処理を行う。
【0057】
なお、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2のこれ以外の構成および処理は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成および処理と同様である。
【0058】
図10は、第1,2の実施の形態にかかる画像形成装置の一例としての複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0059】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0060】
CPU11は、複合機の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0061】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0062】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0063】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0064】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0065】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0066】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0067】
なお、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0068】
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行されるログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0069】
本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、上述した各部(受付部、表示制御部、電源状態特定部、ドライバ制御部、動作時間計測部、更新部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0070】
なお、本発明の画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1,2 画像形成装置
100,110 省エネ処理部
101 受付部
102 表示情報記憶部
103 表示処理部
104 電源状態記憶部
105 電源状態特定部
106 電源制御部
107 ドライバ制御部
108 動作時間計測部
109 動作時間記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2008−278106号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に画像形成装置の消費電力量は非常に高い。そのため消費電力量を低減するために画像形成装置の起動時や、画像形成装置が最低限の電力供給のみを行う省エネ状態から画像形成装置の各部に電力供給を行う通常状態への復帰時に、起動/復帰後のアプリケーションの状態に応じて、画像形成装置が備えるプロッタ、スキャナ、周辺機などのデバイスのうち不必要なデバイスに対して電源を供給しないような省エネ制御技術が既に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成装置の使用時の消費電力量を削減する目的で、画像形成装置のアプリケーションの状態とその状態を実現するために必要なデバイスの情報を記憶部に記憶しておき、省エネ状態から通常状態への復帰時または画像形成装置の起動時に、デバイスの情報に基づいて、アプリケーションの状態に応じたデバイスへの通電を制御する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の省エネ制御技術においては、起動時または復帰時のアプリケーションの状態に応じて、デバイスの電源のオンオフを一意に決定していた。しかしながら、アプリケーションの状態が同一であっても、必ずしも同一のデバイスが使用されるとは限らない。このため、電力供給が行われているにもかかわらず、使用されないデバイスが存在すると、無駄な電力が消費されてしまう。
【0005】
その一方で、使用者が電源供給が行われていないデバイスの使用を希望する場合もある。この場合には、デバイスを使用するタイミングで電源をオンにすることになるため、使用可能になるまでに時間がかかってしまう。このように、消費電力量を低減すると、画像形成装置の操作性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成装置の操作性を損なうことなく、画像形成装置の消費電力量を低減することのできる画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成装置であって、同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、コンピュータを、同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置の操作性を損なうことなく、画像形成装置の消費電力量を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、電源状態記憶部のデータ構成を示す図である。
【図3】図3は、動作時間記憶部のデータ構成を示す図である。
【図4】図4は、電源制御処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、電源制御処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、電源状態記憶部のデータ構成を示す図である。
【図8】図8は、動作時間記憶部のデータ構成を示す図である。
【図9】図9は、電源制御処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、省エネ処理部100と、操作表示部20と、周辺機器としてのデバイスであるスキャナ31、プロッタ32および周辺機A33をさらに備えている。以下、適宜、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33を適宜デバイスと称する。
【0013】
画像形成装置1は、ユーザからの入力により、その動作状態は通常状態から省エネ状態に遷移する。ここで、通常状態とは、画像形成装置1の各部(全体)に電力が供給される状態である。省エネ状態とは、画像形成装置1の各部のうち、一部への電力供給が停止し、通常状態に比べて画像形成装置1全体の電力消費量が少ない状態である。省エネ処理部100は、省エネ状態中における各種デバイスへの電力供給のオンオフを制御する。
【0014】
省エネ処理部100は、受付部101と、表示情報記憶部102と、表示処理部103と、電源状態記憶部104と、電源状態特定部105と、電源制御部106と、ドライバ制御部107と、動作時間計測部108と、動作時間記憶部109とを備えている。
【0015】
受付部101は、ユーザから各種情報の入力を受け付ける。ユーザから受け付ける情報としては、例えばアプリケーションにより表示される表示画面を操作表示部20に表示することを指示する表示指示、所定の機能の実行を指示する実行指示などがある。なお、アプリケーションにより操作表示部20に表示される表示画面が表示された状態において、ユーザが操作表示部20などのユーザインターフェースを用いて、表示画面への入力を行うことにより受付部101はユーザからの入力に応じた実行指示を受け付ける。
【0016】
表示情報記憶部102は、画像形成装置1において実行されるアプリケーションにより操作表示部20に表示される表示情報を記憶している。
【0017】
表示処理部103は、受付部101がユーザにより入力された表示指示を受け付けると、表示情報記憶部102に記憶されている表示情報の中から表示指示にかかる表示画面を表示するのに必要な表示情報を抽出する。表示処理部103は、抽出した表示情報に基づいて、表示画面を操作表示部20に表示する。
【0018】
電源状態記憶部104は、各種デバイスの電源状態を特定するための情報を記憶している。図2は、電源状態記憶部104のデータ構成を示す図である。電源状態記憶部104は、操作表示部20に表示される表示画面と、画像形成装置1が備える各デバイスの電源状態とを対応付けて記憶している。
【0019】
ここで、表示画面とは、所定のアプリケーションにより操作表示部20に表示される表示画面である。同一のアプリケーションにおいて複数の表示画面が表示される場合には、電源状態記憶部104は、同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面それぞれを記憶する。電源状態とは、各デバイスへの電源供給のオンオフを示す情報である。
【0020】
所定のアプリケーションの動作中には、表示処理部103により、アプリケーションに応じた各種表示画面が操作表示部20に表示される。さらに、各表示画面において、ユーザからの入力にしたがい、受付部101は、所定の機能の実行指示の入力を受け付けることができる。すなわち、同一のアプリケーションの起動中であっても、操作表示部20に表示中の表示画面に応じて実行される可能性のある機能は異なっており、したがって、動作する可能性のあるデバイスも異なっている。
【0021】
そこで、本実施の形態においては、画像形成装置1の管理者等が、予め電源状態記憶部104に、同一のアプリケーションにより複数の表示画面が表示される場合には、表示が面毎にデバイスの電源状態を対応付けて格納しておくこととする。より具体的には、電力状態記憶部104は、各表示画面に対応付けて、各表示画面において実行可能な機能に対応して動作する可能性のあるデバイスに対し電源オンを示す電源状態を記憶し、これ以外のデバイスに対し電源オフを示す電源状態を記憶する。例えば、図2に示す電源状態記憶部104においては、コピーアプリにより表示される表示画面として、コピーアプリの画面Aと画面Bがそれぞれ記憶されており、またスキャナアプリにより表示される表示画面として、スキャナアプリの画面Cと画面Dがそれぞれ記憶されている。
【0022】
より具体的な例としては、プリンタアプリケーションにより表示されるプリンタトップ画面(表示画面)においては、いずれの機能の実行指示も受け付けないとする。この場合には、電源状態記憶部104には、プリンタトップ画面に対応付けられているすべてのデバイスの電源状態として、電源オフが記憶される。
【0023】
また、プリンタアプリケーションにより表示されるメディアプリント実行画面(表示画面)においては、メディアプリント機能が実行可能であり、メディアプリント機能の実行のためにプロッタと周辺機Aが動作するとする。この場合には、電源状態記憶部104には、メディアプリント実行画面に対応付けられているスキャナ31の電源状態として、電源オフが記憶され、メディアプリント実行が面に対応付けられているプロッタ32および周辺機A33の電源状態として電源オンが記憶される。
【0024】
さらに、スキャナアプリケーションにより表示されるスキャナトップ画面(表示画面)においては、スキャン機能が実行可能であり、スキャン機能の実行のためにスキャナが動作するとする。この場合には、電源状態記憶部104には、スキャナトップ画面に対応付けられているスキャナ31の電源状態として電源オンが記憶され、スキャナトップ画面に対応付けられているプロッタ32および周辺機A33の電源状態として電源オフが記憶される。
【0025】
図1に戻り、電源状態特定部105は、表示処理部103が操作表示部20に所定の表示画面を表示すると、電源状態記憶部104または後述の動作時間記憶部109を参照し、操作表示部20に表示される表示画面に基づいて、各デバイスの電源状態を特定する。
【0026】
電源制御部106は、電源状態特定部105により特定された電源状態に基づいて、各デバイス、すなわちスキャナ31、プロッタ32および周辺機A33への電力供給のオンオフを制御する。
【0027】
ドライバ制御部107は、表示処理部103による所定の表示画面の表示中に受付部101が所定の機能の実行指示を受け付けると、実行指示に基づいて、実行指示の対象となる機能を実現するために動作するドライバを特定する。ドライバ制御部107はさらに、実行指示に基づいて、各ドライバに機能を実行するための処理を行わせる。動作時間計測部108は、各ドライバの動作時間を計測する。動作時間計測部108はさらに、計測した動作時間を、表示中の表示画面に対応付けて動作時間記憶部109に記憶する。
【0028】
図3は、動作時間記憶部109のデータ構成を示す図である。動作時間記憶部109は、操作表示部20に表示中の表示画面と、各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間とを対応付けて記憶している。ここで、動作時間記憶部109に記憶される各デバイスの動作時間は、対応する表示画面が表示されている間に計測された動作時間である。全デバイスの動作時間とは、対応する表示画面に対する各デバイスの動作時間の合計時間である。なお、動作時間計測部108は、動作時間を計測する度に、動作時間記憶部109に既に記憶されている各動作時間に新たに計測された動作時間を加算する。
【0029】
なお、本実施の形態にかかる動作時間記憶部109は、電源状態記憶部104に記憶されていない表示画面の表示中に前記ドライバ制御部107によりデバイスが動作した場合のデバイスの動作時間のみを記憶すればよい。また、動作時間計測部108は、電源状態記憶部104に記憶されていない表示画面の表示中に前記ドライバ制御部107によりデバイスが動作した場合に動作時間を計測すればよい。
【0030】
図4および図5は、画像形成装置1による各デバイスへの電力供給のオンオフを制御する電源制御処理を示すフローチャートである。受付部101が、ユーザから入力された表示指示を受け付けると(ステップS100)、表示処理部103は、表示情報記憶部102を参照し、表示指示にかかる表示画面である対象表示画面を操作表示部20に表示する(ステップS101)。
【0031】
電源状態特定部105は、操作表示部20に対象表示画面が表示されると、電源状態記憶部104を参照し、対象表示画面が記憶されているか否かを特定する。電源状態記憶部104に、対象表示画面が記憶されている場合には(ステップS102,Yes)、対象表示画面に対応付けられている各デバイスの電源状態を特定する(ステップS103)。次に、電源制御部106は、電源状態特定部105により特定された各デバイスの電源状態に基づいて、各デバイスへの電源供給のオンオフを制御する(ステップS104)。
【0032】
例えば、図2に示す電源状態記憶部104において、ステップS101においてコピーアプリの画面Aが表示された場合には、ステップS103において、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33のすべてに対し電源オンを示す電源状態が特定され、ステップS104において、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33のすべてへの電源供給がオンされる。
【0033】
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置1においては、電源状態記憶部104に、各表示画面における各デバイスの電源状態が記憶されており、同一のアプリケーションの起動中であっても、操作表示部20に実際に表示されている表示画面毎に、各デバイスへの電源供給のオンオフの制御を異ならせることができる。すなわち、画像形成装置1は、所定の表示画面の表示中に動作する可能性の低いデバイスへの電力供給を行わないことにより、ユーザによる画像形成装置1の操作性を損なうことなく、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0034】
一方、ステップS102において、対象表示画面が電源状態記憶部104に記憶されていない場合には(ステップS102,No)、電源状態特定部105は、動作時間記憶部109を参照し、対象表示画面が記憶されているか否かを特定する。動作時間記憶部109に対象表示画面が記憶されている場合には(ステップS110,Yes)、電源状態特定部105は、動作時間記憶部109において、対象表示画面に対応付けられている各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間とを抽出する。そして、電源状態特定部105は、全デバイスの動作時間に対する各デバイスの動作時間の動作割合を算出する(ステップS111)。
【0035】
次に、電源状態特定部105は、各デバイスの動作割合と予め設定された閾値とを比較する(ステップS112)。次に、電源状態特定部105は、比較結果に基づいて、各デバイスの電源状態を特定し(ステップS113)、ステップS104に進む。
【0036】
ステップS113においては、具体的には、電源状態特定部105は、所定のデバイスの動作割合が閾値以上である場合には、このデバイスの電源状態として電源オンを示す電源状態を特定する。また、電源状態特定部105は、所定のデバイスの動作割合が閾値未満である場合には、このデバイスの電源状態として電源オフを示す電源状態を特定する。
【0037】
例えば図3に示すFAXアプリケーションの表示画面Fが対象表示画面であり、閾値が30%に設定されているものとする。この場合には、スキャナ31、プロッタ32および周辺機A33の動作割合はそれぞれ、20%、80%および0%となる。したがって、動作割合が30%以上のドライバであるプロッタ32に対し、電源オンの電源状態が特定され、スキャナ31および周辺機A33については、電源オフの電源状態が特定される。そして、ステップS104においては、プロッタ32のみへの電源供給がオンされる。
【0038】
なお、本実施の形態においては、電源状態特定部105は、各デバイスの動作割合を算出し、動作割合に基づいて各デバイスの電源状態を特定したが、他の例としては、各デバイスの動作時間に基づいて、各デバイスの電源状態を特定することとしてもよい。
【0039】
さらに、ステップS110において、動作時間記憶部109に対象表示画面が記憶されていない場合には(ステップS110,No)、図5に示すステップS120へ進む。すなわち、動作時間記憶部109に対象表示画面が記憶されていない場合には(ステップS110,No)、まず、デバイドライバ制御部107は、すべてのデバイス、すなわちスキャナ31、プロッタ32および周辺機A33への電源供給をオンにする(ステップS120)。
【0040】
次に、受付部101が、ユーザから所定の機能の実行指示を受け付けると(ステップS121,Yes)、ドライバ制御部107は、実行指示の対象となる機能を実現するために動作するドライバを特定し、各ドライバに機能を実行するための処理を行わせる。次に、動作時間計測部108は、各ドライバの動作時間の計測を開始する(ステップS122)。
【0041】
次に、各ドライバの処理が終了すると(ステップS123,Yes)、動作時間計測部108は、計測された各ドライバの動作時間を、実行指示を受け付けた際に操作表示部20に表示されていた対象表示画面に対応付けて動作時間記憶部109に記憶する(ステップS124)。なお、このとき、すでに動作時間記憶部109に、動作時間が記憶されている場合には、既に記憶されている動作間に今回計測された動作時間を加算する。
【0042】
例えば、SDK(Software Development Kit)アプリケーションのように、電源状態記憶部104の設定後に新たに画像形成装置1に搭載された後載アプリケーションについては、電源状態記憶部104において、後載アプリケーションの表示画面に対する電源状態が記憶されていない。そこで、本実施の形態の画像形成装置1においては、後載アプリケーションについては、ステップS120〜ステップS124の処理により、ユーザからの実行指示に応じて実際にデバイスが動作した動作時間を計測し、これを動作時間記憶部109に記憶し、ステップS111〜ステップS104の処理により、動作時間記憶部109に記憶されている動作時間に基づいて、電源状態を特定することとした。
【0043】
これにより、本実施の画像形成装置1においては、後載アプリケーションについても、後載アプリケーションを追加する度に、電源状態記憶部104に後載アプリケーションに関する情報を追加しなくとも、自動的に表示画面に応じた適切な各デバイスの電源制御を行うことができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、電源状態特定部105は、電源状態記憶部104に対象表示画面が記憶されていない場合に、動作時間記憶部109において、対象表示画面に対応付けて記憶されている各デバイスの動作時間に基づいて、各デバイスの電源状態を特定したが、他の例としては、電源状態特定部105は、すべての対象表示画面について、動作時間記憶部109を参照して、各デバイスの電源状態を特定することとしてもよい。なお、この場合には、画像形成装置1は、電源状態記憶部104を備えなくてもよい。
【0045】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態にかかる画像形成装置においては、ユーザ毎の利用形態に応じて、省エネ状態における各デバイスへの電源供給のオンオフを行う。図6は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2の構成を示すブロック図である。画像形成装置2の省エネ処理部110においては、電源状態記憶部111は、各種デバイスの電源状態を特定するための情報をユーザ毎に記憶している。図7は、電源状態記憶部111のデータ構成を示す図である。電源状態記憶部111は、ユーザを識別するユーザIDと、各デバイスの電源状態とを、各表示画面に対応付けて記憶している。さらに、ユーザIDには、各ユーザのほか、ユーザを特定しないことを示す「共通」のIDも含まれており、電源状態記憶部111には、共通のIDに対しても各デバイスの電源状態が記憶されている。
【0046】
図6に戻り、電源状態特定部112は、受付部101が表示指示とともにユーザIDを受け付けると、電源状態記憶部111または後述の動作時間記憶部114を参照し、ユーザIDと、表示指示にかかる表示画面とに基づいて、各デバイスの電源状態を特定する。動作時間計測部113は、電源状態記憶部111に記憶されていない表示画面の表示中にデバイスが動作した場合だけでなく、電源状態記憶部111に記憶されている表示画面の表示中にデバイスが動作した場合においても、デバイスの動作時間を計測する。そして、動作時間計測部113は、計測した動作時間を、表示中の表示画面に対応付けて動作時間記憶部114に記憶する。
【0047】
図8は、動作時間記憶部114のデータ構成を示す図である。動作時間記憶部114は、ユーザIDと、各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間とを、操作表示部20に表示中の表示画面に対応付けて記憶している。なお、本実施の形態にかかる動作時間記憶部114は、電源状態記憶部111に記憶されている表示画面に対しても、ユーザIDに対応付けて、各デバイスおよび全デバイスの動作時間を記憶している。
【0048】
図6に戻り、更新部115は、動作時間記憶部114を参照し、電源状態記憶部111に記憶されている電源状態を更新する。
【0049】
図9は、画像形成装置2による電源制御処理を示すフローチャートである。受付部101が、ユーザから入力された表示指示およびユーザIDを受け付けると(ステップS200)表示処理部103は、表示情報記憶部102を参照し、表示指示にかかる表示画面である対象表示画面を操作表示部20に表示する(ステップS201)。
【0050】
次に、電源状態特定部112は、操作表示部20に対象表示画面が表示されると、電源状態記憶部111を参照し、ステップS200において受付部101が受け付けた表示指示に示される表示画面(対象表示画面)とユーザIDとが対応付けて記憶されているか否かを特定する。電源状態記憶部111に、対象表示画面とユーザIDとが対応付けて記憶されている場合には(ステップS202,Yes)、対象表示画面とユーザIDに対応付けられている各デバイスの電源状態を特定する(ステップS203)。次に、電源制御部106は、電源状態特定部105により特定された各デバイスの電源状態に基づいて、各デバイスへの電源供給のオンオフを制御する(ステップS204)。
【0051】
次に、受付部101がユーザIDとともに、所定の機能の実行指示を受け付けると(ステップS211,Yes)、ドライバ制御部107は、実行指示の対象となる機能を実現するために動作するドライバを特定し、各ドライバに機能を実行するための処理を行わせる。なお、ステップS211において、実行指示を受け付けない場合には(ステップS211,No)、処理は終了する。
【0052】
次に、動作時間計測部113は、各ドライバの動作時間の計測を開始する(ステップS212)。次に、各ドライバの処理が終了すると(ステップS213,Yes)、動作時間計測部113は、計測された各ドライバの動作時間を、実行指示を受け付けた際に操作表示部20に表示されていた対象表示画面と、ユーザIDとに対応付けて記憶する(ステップS214)。なお、このとき、すでに動作時間記憶部114に、動作時間が記憶されている場合には、既に記憶されている動作間に今回計測された動作時間を加算する。
【0053】
次に、更新部115は、動作時間記憶部114に記憶されている動作時間に基づいて、電源状態記憶部111に記憶されている電源状態を更新する(ステップS215)。具体的には、更新部115は、動作時間記憶部114において、所定のユーザIDと所定の表示画面に対応付けられている各デバイスの動作時間と、全デバイスの動作時間に基づいて、各デバイスの動作割合を算出する。なお、各デバイスの動作割合を算出する処理は、第1の実施の形態において図4を参照しつつ説明した動作割合算出処理(ステップS111)における処理と同様である。
【0054】
そして、更新部115は、算出された動作割合が予め設定された閾値以上である場合には、電源状態記憶部111において、対応するユーザIDと表示画面とに対応付けられている対象となるデバイスの電源状態を、電源オンを示す電源状態に更新する。また、更新部115は、算出された動作割合が閾値未満である場合には、電源状態記憶部111において、対応するユーザIDと表示画面とに対応付けられている対象となるデバイスの電源状態を、電源オフを示す電源状態に更新する。
【0055】
このように、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2においては、電源状態記憶部111に記憶されている各デバイスの電源状態を、実際の各ユーザの使用状況に応じて自動的に適宜変更することができる。したがって、画像形成装置2においては、ユーザによる画像形成装置2の操作性を損なうことなく、動作する可能性の低いデバイスへの電力供給を低減し、無駄な消費電力を抑えることができる。
【0056】
一方、ステップS202において、電源状態記憶部111に、対象表示画面とユーザIDとが対応付けて記憶されていない場合には(ステップS202,No)、第1の実施の形態において図4を参照しつつ説明したステップS110へ進み、ステップS110以降の処理を行う。
【0057】
なお、第2の実施の形態にかかる画像形成装置2のこれ以外の構成および処理は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置1の構成および処理と同様である。
【0058】
図10は、第1,2の実施の形態にかかる画像形成装置の一例としての複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0059】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0060】
CPU11は、複合機の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0061】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0062】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0063】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0064】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0065】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0066】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0067】
なお、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0068】
さらに、本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置で実行されるログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0069】
本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、上述した各部(受付部、表示制御部、電源状態特定部、ドライバ制御部、動作時間計測部、更新部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0070】
なお、本発明の画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1,2 画像形成装置
100,110 省エネ処理部
101 受付部
102 表示情報記憶部
103 表示処理部
104 電源状態記憶部
105 電源状態特定部
106 電源制御部
107 ドライバ制御部
108 動作時間計測部
109 動作時間記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2008−278106号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、
前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、
前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、
決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の表示画面それぞれと、前記表示画面を表示中に動作可能な前記デバイスと、前記デバイスの前記電源状態とを対応付けて記憶する電源状態記憶部をさらに備え、
前記決定部は、前記電源状態記憶部を参照し、前記対象表示画面の表示中の前記デバイスの前記電源状態を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記対象表示画面の表示中に、ユーザから所定のデバイスにより実現される機能の実行指示の入力をさらに受け付け、
前記対象表示画面の表示中に、前記実行指示に基づいて前記所定のデバイスが動作する動作時間を計測する動作時間計測部と、
前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記所定のデバイスの前記動作時間とを対応付けて記憶する動作時間記憶部と
をさらに備え、
前記決定部は、前記動作時間記憶部を参照し、前記対象表示画面の表示中の前記デバイスの前記電源状態を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記対象表示画面の表示中に、前記デバイスにより実現される機能の実行指示をさらに受け付け、
前記対象表示画面の表示中に、前記実行指示に基づいて前記デバイスが動作する動作時間を計測する動作時間計測部と、
前記対象表示画面と、前記デバイスと、前記デバイスの前記動作時間とを対応付けて記憶する動作時間記憶部と
をさらに備え、
前記決定部は、前記対象表示画面が前記電源状態記憶部に記憶されていない場合に、前記動作時間記憶部を参照し、前記対象表示画面の表示中の前記デバイスの前記電源状態を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記対象表示画面の表示中に動作する複数のデバイスの動作時間の合計に対する所定のデバイスの前記動作時間の割合を算出する割合算出部をさらに備え、
前記決定部は、前記割合算出部により算出された割合と予め定められた閾値とを比較し、前記所定のデバイスの前記割合が前記閾値以上である場合に、前記所定のデバイスの前記電源状態として電源供給オンの前記電源状態を決定することを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と、所定のデバイスにより実現される機能の実行指示の入力をさらに受け付け、
前記電源状態記憶部は、前記表示画面と、前記デバイスと、前記電源状態とに対応付けて、前記ユーザ識別情報をさらに記憶し、
前記対象表示画面の表示中に、前記実行指示に基づいて前記所定のデバイスが動作する動作時間を計測する動作時間計測部と、
前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記所定のデバイスの前記動作時間と、前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶する動作時間記憶部と、
前記動作時間記憶部において、前記ユーザ識別情報に対応付けられている前記動作時間に基づいて、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を更新する更新部と
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記対象表示画面の表示中に動作する複数のデバイスの動作時間の合計に対する前記所定のデバイスの前記動作時間の割合を算出する割合算出部をさらに備え、
前記更新部は、前記割合算出部により算出された割合と予め定められた閾値とを比較し、比較結果に基づいて、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を更新することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記更新部は、前記動作時間が前記閾値以上である場合に、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を電源オンを示す電源状態に更新することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記更新部は、前記動作時間が前記閾値未満である場合に、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を電源オフを示す電源状態に更新することを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータを、
同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、
前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、
前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、
決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部と
して機能させるためのプログラム。
【請求項1】
同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、
前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、
前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、
決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の表示画面それぞれと、前記表示画面を表示中に動作可能な前記デバイスと、前記デバイスの前記電源状態とを対応付けて記憶する電源状態記憶部をさらに備え、
前記決定部は、前記電源状態記憶部を参照し、前記対象表示画面の表示中の前記デバイスの前記電源状態を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記対象表示画面の表示中に、ユーザから所定のデバイスにより実現される機能の実行指示の入力をさらに受け付け、
前記対象表示画面の表示中に、前記実行指示に基づいて前記所定のデバイスが動作する動作時間を計測する動作時間計測部と、
前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記所定のデバイスの前記動作時間とを対応付けて記憶する動作時間記憶部と
をさらに備え、
前記決定部は、前記動作時間記憶部を参照し、前記対象表示画面の表示中の前記デバイスの前記電源状態を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記対象表示画面の表示中に、前記デバイスにより実現される機能の実行指示をさらに受け付け、
前記対象表示画面の表示中に、前記実行指示に基づいて前記デバイスが動作する動作時間を計測する動作時間計測部と、
前記対象表示画面と、前記デバイスと、前記デバイスの前記動作時間とを対応付けて記憶する動作時間記憶部と
をさらに備え、
前記決定部は、前記対象表示画面が前記電源状態記憶部に記憶されていない場合に、前記動作時間記憶部を参照し、前記対象表示画面の表示中の前記デバイスの前記電源状態を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記対象表示画面の表示中に動作する複数のデバイスの動作時間の合計に対する所定のデバイスの前記動作時間の割合を算出する割合算出部をさらに備え、
前記決定部は、前記割合算出部により算出された割合と予め定められた閾値とを比較し、前記所定のデバイスの前記割合が前記閾値以上である場合に、前記所定のデバイスの前記電源状態として電源供給オンの前記電源状態を決定することを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と、所定のデバイスにより実現される機能の実行指示の入力をさらに受け付け、
前記電源状態記憶部は、前記表示画面と、前記デバイスと、前記電源状態とに対応付けて、前記ユーザ識別情報をさらに記憶し、
前記対象表示画面の表示中に、前記実行指示に基づいて前記所定のデバイスが動作する動作時間を計測する動作時間計測部と、
前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記所定のデバイスの前記動作時間と、前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶する動作時間記憶部と、
前記動作時間記憶部において、前記ユーザ識別情報に対応付けられている前記動作時間に基づいて、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を更新する更新部と
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記対象表示画面の表示中に動作する複数のデバイスの動作時間の合計に対する前記所定のデバイスの前記動作時間の割合を算出する割合算出部をさらに備え、
前記更新部は、前記割合算出部により算出された割合と予め定められた閾値とを比較し、比較結果に基づいて、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を更新することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記更新部は、前記動作時間が前記閾値以上である場合に、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を電源オンを示す電源状態に更新することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記更新部は、前記動作時間が前記閾値未満である場合に、前記電源状態記憶部において、前記対象表示画面と、前記所定のデバイスと、前記ユーザ識別情報とに対応付けられている前記電源状態を電源オフを示す電源状態に更新することを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータを、
同一のアプリケーションにより表示される複数の表示画面のいずれかの表示指示を受け付ける受付部と、
前記表示指示が受付けられた前記表示画面を表す対象表示画面を表示部に表示する表示処理部と、
前記対象表示画面が表示される毎に、前記対象表示画面の表示中に動作可能なデバイスに対する電源供給のオンオフを示す電源状態を決定する決定部と、
決定された前記電源状態に基づいて、前記デバイスへの電源供給のオンオフを制御する電源制御部と
して機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−110603(P2013−110603A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254416(P2011−254416)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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