説明

画像形成装置およびプログラム

【課題】選択された機能プログラムにおいて利用可能でない記録媒体が供給される誤動作を防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、記録媒体を前記画像形成手段に供給する1つ以上の記録媒体供給手段と、前記記録媒体供給手段によって供給される記録媒体の属性を設定する記録媒体設定手段と、1つ以上の画像形成に関する処理機能を使用する処理を実行する機能プログラムと当該機能プログラムが利用可能な記録媒体に関する記録媒体属性情報とを対応付けて前記機能プログラム毎に登録する機能プログラム登録手段と、前記記録媒体設定手段によって設定された前記記録媒体の属性に基づいて前記登録された機能プログラムの実行の可否を制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、印刷対象物の種類に応じた送りを可能とするために、該印刷対象物の種類に応じてその位置を切り替えられる切替手段を具備する印刷装置において、上記切替手段の位置が切り替えられた場合に、この切り替えを検出する状態検出手段と、上記状態検出手段での検出に基づく検出信号を、通信手段を介して接続されるコンピュータ側に送信する送信手段とを具備する印刷装置を開示する。
特許文献2は、ネットワークを介して、複数のクライアント端末に接続され、全てのクライアント端末で共通に管理される記録媒体情報を管理する記録媒体情報管理サーバであって、全てのクライアント端末で共通に管理される1又は複数の記録媒体情報を保持する記録媒体情報リストと、クライアント端末からの記録媒体情報の変更要求に応じて、記録媒体情報リストの記録媒体情報の変更を受け付ける変更受付手段と、変更受付手段により受け付けた記録媒体情報の変更指示をクライアント端末全てに送信する変更指示手段と具備する記録媒体情報管理サーバを開示する。
特許文献3は、アプリケーションソフトウェアが利用された後にアプリケーションソフトウェアのみが削除され、エイリアスに関連付けられた該所定の命令に基づいて、アプリケーションソフトウェアのダウンロード処理およびその有効使用間に応じたエイリアス等の削除処理といった所定の処理が実施される情報処理装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−031970号公報
【特許文献2】特開2006−172342号公報
【特許文献3】特開2006−185013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、選択された機能において利用可能でない記録媒体が供給される誤動作を防止できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1にかかる本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、記録媒体を前記画像形成手段に供給する1つ以上の記録媒体供給手段と、前記記録媒体供給手段によって供給される記録媒体の属性を設定する記録媒体設定手段と、1つ以上の画像形成に関する処理機能を使用する処理を実行する機能プログラムと当該機能プログラムが利用可能な記録媒体に関する記録媒体属性情報とを対応付けて前記機能プログラム毎に登録する機能プログラム登録手段と、前記記録媒体設定手段によって設定された前記記録媒体の属性に基づいて前記登録された機能プログラムの実行の可否を制御する制御手段とを有する画像形成装置である。
【0006】
請求項2にかかる本発明は、前記機能プログラムを取得する機能プログラム取得手段
をさらに有し、前記機能プログラム登録手段は、前記機能プログラム取得手段によって取得された前記機能プログラムから、当該機能プログラムによって利用可能な記録媒体の属性に関する情報を抽出し、当該記録媒体に関する記録媒体の属性に関する情報に基づいて前記機能プログラムと前記記録媒体属性情報とを対応づけて登録する請求項1に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3にかかる本発明は、前記記録媒体設定手段は、前記機能プログラム登録手段によって所定の機能プログラムが登録された場合に、この登録された所定の機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体の属性を設定する請求項1に記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4にかかる本発明は、前記画像形成手段において実行させる機能プログラムを選択する機能プログラム選択手段と、前記制御手段によって実行できないように制御されている機能プログラムが前記機能プログラム選択手段によって選択された場合に、当該選択された機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体の属性を通知する通知手段とをさらに有する請求項1に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5にかかる本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段に記録媒体を供給する1つ以上の記録媒体供給手段によって供給される記録媒体の属性を設定する記録媒体設定ステップと、1つ以上の画像形成に関する処理機能を使用する処理を実行する機能プログラムと当該機能プログラムが利用可能な記録媒体に関する記録媒体属性情報とを対応付けて前記機能プログラム毎に登録する機能プログラム登録ステップと、前記記録媒体設定ステップにおいて設定された前記記録媒体の属性に基づいて前記登録された機能プログラムの実行の可否を制御する制御ステップとを画像形成装置のコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によれば、選択された機能プログラムにおいて利用可能でない記録媒体が供給される誤動作を防止可能な画像形成装置を提供できる。
【0011】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、機能プログラムを取得し、取得した機能プログラムに、その機能プログラムにおいて実行可能な記録媒体に関する情報を対応付けることができる。
【0012】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、使用者が手動で記録媒体の属性を設定する必要がない画像形成装置を提供できる。
【0013】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して、実行が禁止された機能プログラムを実行するための設定を、使用者が容易に知ることができる。
【0014】
請求項5に係る本発明によれば、選択された機能プログラムにおいて利用可能でない記録媒体が供給される誤動作を防止できる画像形成装置のコンピュータに実行させるプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態にかかる画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した画像形成装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図3】図1に示した画像形成装置により実行される第1の実施形態にかかる画像形成プログラムの構成を示す図である。
【図4】図3に示した画像形成プログラムにおいて処理される情報を例示する図であって、(A)は機能プログラム情報を例示し、(B)は登録機能プログラム情報を例示する。
【図5】記録媒体設定情報を例示する図である。
【図6】機能選択部によって入出力装置に表示される登録機能選択画面を例示する図である。
【図7】供給装置選択部によって入出力装置に表示される供給部選択画面を例示する図である。
【図8】機能実行処理部によって入出力装置に表示される実行機能選択画面を例示する図であり、(A)は実行禁止とされた機能プログラムが表示されない場合を示し、(B)は実行禁止とされた機能プログラムが実行可能な機能プログラムと区別して表示される場合を示す。
【図9】第1の実施形態にかかる画像形成プログラムにおける処理を示すフローチャートである
【図10】図1に示した画像形成装置により実行される第2の実施形態にかかる画像形成プログラムの構成を示す図である。
【図11】記録媒体情報を例示する図である。
【図12】第2の実施形態にかかる画像形成プログラムにおける処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[画像形成装置]
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体14、画像読取装置15及び後処理装置16を有する。
なお、以下、供給部120a〜120cなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示すときには、単に、供給部120などと略記することがある。
【0017】
画像形成装置本体14は、複数(例えば3段)の供給部120a〜120cおよび手差し供給部(図示せず)を有する供給装置12を有し、これら供給部120のそれぞれには供給ヘッド122が設けられている。
複数の供給部120は、例えばトレイであって、寸法(サイズ)、向きおよび材質が同じ、またはいずれかが異なる、または全てが異なる用紙等の記録媒体をそれぞれ供給する。
例えば、3段の供給部120はそれぞれ、A3、A4及びB5のサイズの記録媒体を供給する。
したがって、記録媒体は、供給ヘッド122が作動して選択された供給部120から記録媒体搬送路124を介して像形成部126に供給される。
このようにして、供給部120は、記録媒体供給手段を構成する。
【0018】
像形成部126は、例えばゼログラフィからなり、記録媒体搬送路124を搬送される記録媒体に画像を形成する。
より具体的には、像形成部126は、像保持体128と、この像保持体128の表面を一様に帯電させる帯電ロール130と、像保持体128に潜像を書き込むレーザ書込み装置132と、書き込まれた潜像を現像する現像装置134と、現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写ロール136と、残留トナーをとるクリーナ138と、記録媒体のトナー像を定着させる定着装置140とを有する。
したがって、像保持体128の表面が帯電ロール130により一様に帯電され、潜像がレーザ書込み装置132により形成され、この潜像が現像装置134により現像され、転写ロール136により記録媒体に転写され、定着装置140により定着され、記録媒体が記録媒体排出路142から後処理装置16に出力される。
このようにして、像形成部126は、画像形成手段を構成する。
【0019】
両面印刷が設定されている場合、定着装置140により一面が定着された記録媒体は、記録媒体排出路142から反転装置146に送られ、この反転装置146で反転され、記録媒体反転路148に送られ、再び記録媒体搬送路124に戻され、像形成部126に送られて他面の印刷がなされる。
【0020】
画像読取装置15は、ADF(Auto Document Feeder)等の自動原稿送り装置150と、この自動原稿送り装置150により送られた原稿を読取走査するスキャナ152とを有する。
自動原稿送り装置150により原稿はプラテン154に送られ、プラテン154上でスキャナ152により原稿の画像が読み取られる。
画像形成装置1により複写が設定された場合、画像読取装置15で読み取られた画像が画像形成装置本体14により印刷されて複写される。
【0021】
後処理装置16は、例えばソータ172、ステープラ158及びパンチャ160を有する。
ソータ172は、画像形成装置本体14から出力された印刷済みの記録媒体を分配路162に導き、複数のビン164に分配する。
ステープラ158は、画像形成装置本体14から出力された印刷済みの記録媒体を搬送路166を介してコンパイラトレイ168に次々と導き、このコンパイラトレイ168に重ねられた記録媒体束の所定位置に針により固定し、スタッカ170に排出する。
このようにして、ステープラ158は、記録媒体を綴じる綴じ手段を構成する。
パンチャ160は、コンパイラトレイ168に重ねられた記録媒体束の所定位置にパンチ穴を開け、スタッカ170に排出する。
【0022】
入出力装置180は、例えばタッチパネルからなり、画像形成装置本体14の例えば上部に設けられている。
入出力装置180は、使用者からの入力操作を受け入れて、画像形成装置本体14、画像読取装置15及び後処理装置16の処理内容を選択し、かつ表示するようになっている。
【0023】
図2は、図1に示した画像形成装置1のハードウェア構成を例示する図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体14、画像読取装置15、後処理装置16、入出力装置180、処理装置であるCPU(Central Processing Unit)102、メモリ104、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置106、外部のコンピュータなどとデータの送信および受信を行う通信装置108を有する。
これらの構成要素は、バス110を介して互いに接続されている。
つまり、画像形成装置1は、情報処理および他のコンピュータとの通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0024】
[第1の実施形態]
図3は、図1に示した画像形成装置1により実行される第1の実施形態にかかる画像形成プログラム20の構成を示す図である。
図3に示すように、画像形成プログラム20は、機能取得部202、機能プログラム情報記憶部204、機能選択部210、機能登録部212、登録機能記憶部214、供給装置選択部220、記録媒体設定部222、記録媒体設定記憶部224、設定変更判断部230、機能実行禁止処理部232、および機能実行処理部240から構成される。
画像形成プログラム20は、例えば、メモリ104に記憶されて画像形成装置1に供給され、画像形成装置1のOS(図示せず)上で、画像形成装置1のハードウェア資源を具体的に利用して実行される(以下の各プログラム(機能プログラムを含む)についても同様)。
また、以下の各図において、実質的に同じ構成部分および処理には同じ番号が付される。
【0025】
図4は、図3に示した画像形成プログラム20において処理される情報を例示する図であって、(A)は機能プログラム情報記憶部204に格納される情報を例示し、(B)は登録機能記憶部214に格納される情報を例示する。
図5は、図3に示した記録媒体設定記憶部224に格納される情報を例示する図である。
【0026】
画像形成プログラム20において、機能取得部202は、画像形成装置1が記録媒体に画像を形成するための各種処理機能(例えば、画像形成処理、両面印刷処理、後処理)を実行するための機能プログラム(アプリケーションプログラム)を、例えば通信装置108によってネットワークを介して取得し、その機能プログラムを示す情報(機能プログラム情報)を、機能プログラム情報記憶部204に記憶する。
なお、機能取得部202は、メモリカード等の記憶媒体(図示せず)を介して機能プログラムを取得するようにしてもよい。
また、機能プログラムに関する機能は、機能取得部202によって取得されただけでは画像形成装置1によって実行され得ず、後述する機能登録部212によって機能プログラムが登録されることによって、実行され得る。
登録された機能プログラムは、後述する機能実行処理部240の処理によって、メニュー画面において、コピー、FAX、スキャンなどの画像形成装置1自身に予め備わっている処理機能と共に実行可能な状態で、表示され得る。
なお、以降の説明において、単に「機能」と称する場合は、機能プログラムによって実行される機能を示し、「処理機能」と称する場合は、画像形成処理、両面印刷処理、後処理等、画像形成装置1に元々備わっている機能を示す。
【0027】
図4(A)は、機能プログラム情報記憶部204に格納された機能プログラム情報を例示する図である。
図4(A)に示すように、機能プログラム情報は、機能プログラムの識別情報である機能識別情報と、その機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体の属性(記録媒体属性)を示す記録媒体属性情報とを含む。
図4(A)に示すように、機能プログラム情報においては、機能識別情報と、その機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性情報とが、対応付けられている。
【0028】
機能識別情報「A4レポート印刷」は、画像形成装置1に関する複数の設定のうち、出力を望む設定項目を使用者に選択させ、選択された設定項目とその設定値とを示す設定内容(例えば、画像形成装置1の識別子等)を表すレポートを、A4の記録媒体の両面または片面に印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「A4レポート印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「A4レポート印刷」で示される機能プログラムは、材質は任意であるがA4サイズの記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「A4レポート印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」がA4である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0029】
機能識別情報「布地印刷」は、画像形成装置1の記憶装置106に記憶された画像データまたは画像形成装置1とネットワークに接続されたコンピュータ等に記憶された画像データに対して布地に適した画像処理を施し、その画像処理を施された画像データを布地転写紙に印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「布地印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「布地印刷」で示される機能プログラムは、入出力装置180に画像データを選択するための選択画面を表示させるようにしてもよく、その選択画面を用いて使用者が所望の画像データを選択するようにしてもよい。
また、この機能識別情報「布地印刷」で示される機能プログラムは、サイズは任意であるが材質が布地転写紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「布地印刷」で示される機能プログラムは、属性「材質」が布地転写紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0030】
機能識別情報「カタログ印刷」は、特定サイズのコート紙にカタログを印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「カタログ印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「カタログ印刷」で示される機能プログラムは、A4、A3またはB4サイズであり、かつ、材質がコート紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「カタログ印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」がA4、A3またはB4サイズであり、かつ、属性「材質」がコート紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0031】
機能識別情報「環境印刷」は、普通紙または再生紙に対して片面に2頁を印刷する両面印刷(つまり1枚の記録媒体に4頁印刷される)をし、裏紙に対して表側に2頁を印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「環境印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「環境印刷」で示される機能プログラムは、サイズは任意であるが材質が普通紙、再生紙または裏紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「環境印刷」で示される機能プログラムは、属性「材質」が普通紙、再生紙または裏紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0032】
機能識別情報「はがき印刷」は、画像形成装置1の記憶装置106に記憶された画像データまたは画像形成装置1とネットワークに接続されたコンピュータ等に記憶された画像データを、はがきに印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「はがき印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「はがき印刷」で示される機能プログラムは、入出力装置180に画像データを選択するための選択画面を表示させるようにしてもよく、その選択画面を用いて使用者が所望の画像データを選択するようにしてもよい。
さらに、機能識別情報「はがき印刷」で示される機能プログラムは、はがきの宛先等の住所等を入力するための住所入力画面を入出力装置180に表示させるようにしてもよく、使用者は、その住所入力画面を用いて住所等を入力でき、機能識別情報「はがき印刷」で示される機能プログラムは、入力された住所をはがきに印刷するようにしてもよい。

また、この機能識別情報「はがき印刷」で示される機能プログラムは、はがきである記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「はがき印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」がはがきサイズであり、かつ、属性「材質」がはがき紙質である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0033】
機能識別情報「申請書印刷」は、病院の手続き等に必要な申請書を印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「申請書印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「申請書印刷」で示される機能プログラムは、申請書サイズであり、かつ、材質が厚紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「申請書印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」が申請書サイズであり、かつ、属性「材質」が厚紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0034】
機能識別情報「集客用冊子印刷」は、A5版の冊子を作成するためにA4サイズのコート紙である記録媒体に印刷して後処理装置16で綴じるための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「集客用冊子印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「集客用冊子印刷」で示される機能プログラムは、A4サイズであり、かつ、材質がコート紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「集客用冊子印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」がA4サイズであり、かつ、属性「材質」がコート紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0035】
機能識別情報「自筆製本印刷」は、A5サイズの冊子(A4の中綴じ)またはB6サイズの冊子(B5の中綴じ)を作成するためにA4サイズまたはB5サイズの記録媒体に印刷して後処理装置16で綴じるための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「自筆製本印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「自筆製本印刷」で示される機能プログラムは、A4サイズまたはB5サイズであり、かつ、材質が普通紙、再生紙、厚紙またはコート紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「自筆製本印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」がA4サイズまたはB5サイズであり、かつ、属性「材質」が普通紙、再生紙、厚紙またはコート紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0036】
機能識別情報「OHPシート印刷」は、OHPシートに画像を印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「OHPシート印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「OHPシート印刷」で示される機能プログラムは、サイズは任意であるが材質がOHPシートである記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「OHPシート印刷」で示される機能プログラムは、属性「材質」がOHPシートである記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0037】
機能識別情報「封筒印刷」は、封筒に印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「封筒印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「封筒印刷」で示される機能プログラムは、封筒である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「封筒印刷」で示される機能プログラムは、属性「サイズ」が封筒サイズであり、かつ、属性「材質」が封筒紙質である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0038】
機能識別情報「簡易両面印刷」は、普通紙の両面に印刷するための処理を実行する機能プログラム(以降、『機能プログラム「簡易両面印刷」』と称することがある)を示す。
この機能識別情報「簡易両面印刷」で示される機能プログラムは、使用者が設定をすることなく両面印刷を実行し、例えば、入出力装置180に「スタートボタン」のみを表示し、その「スタートボタン」を使用者が押下するだけで、両面印刷が実行される。
この機能識別情報「簡易両面印刷」で示される機能プログラムは、サイズは任意であるが材質が普通紙である記録媒体を利用可能である。
つまり、機能識別情報「簡易両面印刷」で示される機能プログラムは、属性「材質」が普通紙である記録媒体属性の記録媒体がどの供給部120にも収納されていない場合に、実行不可能となる。
【0039】
なお、機能取得部202は、取得した機能プログラムに利用可能な記録媒体属性情報が含まれている場合には、その記録媒体属性情報を抽出して、その抽出された記録媒体属性と機能識別情報とを対応付けて、機能プログラム情報記憶部204に記憶させるようにしてもよい。
一方、取得された機能プログラムに利用可能な記録媒体属性情報が含まれていない場合、機能取得部202は、機能プログラムを解析して、記録媒体属性情報を取得するようにしてもよい。
具体的には、例えば、機能プログラム「はがき印刷」に、利用可能な記録媒体属性情報が含まれていない場合、機能取得部202は、機能プログラム「はがき印刷」を解析して機能プログラム「はがき印刷」がはがきのみを利用可能であることを認識した場合に、記録媒体「はがき」に対応する記録媒体属性情報を生成するようにしてもよい。
【0040】
また、機能取得部202は、取得した機能プログラムを示す機能識別情報と利用可能な記録媒体属性情報とを対応付けるときに、画像形成装置1に予め設定された禁則情報に基づいて、利用可能な記録媒体属性情報を対応付けるようにしてもよい。
具体的には、例えば、画像形成装置1が両面印刷を必ず行うように設定されている場合、禁則情報として、両面印刷が不可能な記録媒体(例えばOHP用紙)が、禁則情報として設定されている。
この場合、機能取得部202は、その両面印刷が不可能な記録媒体を除いた記録媒体属性情報を、取得した機能プログラムと対応付けるようにしてもよい。
【0041】
また、取得された機能プログラムを示す機能識別情報と利用可能な記録媒体属性情報とが、使用者の操作によって手動で対応付けられるようにしてもよい。
具体的には、例えば、機能取得部202は、機能プログラムを取得した場合(特に、機能プログラムを解析しても記録媒体属性情報を取得できなかった場合)に、入出力装置180に記録媒体属性情報の設定画面を表示させて、使用者の操作によって記録媒体属性情報を設定し、設定された記録媒体属性情報を機能プログラムに対応付けるようにしてもよい。
また、機能取得部202は、(特に上記の手動設定において)利用不可能な記録媒体属性情報を機能プログラムに対応付けることもあり得る。
【0042】
機能選択部210は、使用者による入出力装置180の操作を受け付けて、登録される機能プログラムを選択し、選択結果を機能登録部212に対して出力する。
具体的には、機能選択部210は、機能プログラム情報を機能プログラム情報記憶部204から抽出し、図6に示す登録機能選択画面を、入出力装置180に表示させて、登録機能選択画面を用いた使用者の選択操作を受け付ける。
【0043】
図6は、機能選択部210によって入出力装置180に表示される登録機能選択画面を例示する図である。
登録機能選択画面には、各機能プログラムを選択するための選択ボタンA1と、確定ボタンA2とが表示されている。
使用者が入出力装置180上で選択ボタンA1の1つまたは複数を押下すると、選択された機能プログラムを示す選択ボタンA1の色が反転し、使用者が確定ボタンA2を押下すると、機能選択部210は、選択された機能プログラムに関する機能プログラム情報を含む選択結果を生成する。
例えば、使用者が「環境印刷」を示す選択ボタンA1を押下すると、「環境印刷」を示す選択ボタンA1の色が反転し、使用者が確定ボタンA2を押下すると、機能選択部210は、「環境印刷」に関する機能プログラム情報を含む選択結果を生成する。
【0044】
機能登録部212は、機能選択部210から受け付けた選択結果に含まれる機能プログラム情報に対応する機能プログラムを画像形成装置1で実行できるように登録するための処理を行い、登録された機能プログラム(登録機能プログラム)に関する登録機能プログラム情報を、登録機能記憶部214に記憶する。
また、機能登録部212は、登録処理を行ったことを示す信号を供給装置選択部220に対して出力する。
さらに、機能登録部212は、登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性を示す記録媒体属性情報を、記録媒体設定部222に対して出力する。
【0045】
図4(B)は、登録機能記憶部214に記憶される登録機能プログラム情報を例示する図である。
図4(B)に示すように、登録機能プログラム情報は、登録機能プログラムの識別情報である登録機能識別情報と、その登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体の属性を示す記録媒体属性情報とを含む。
図4(B)に示すように、登録機能プログラム情報においては、登録機能識別情報と、その登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性情報とが、対応付けられている。
図4(B)は、機能プログラム情報記憶部204に記憶された機能プログラムのうち、機能プログラム「環境印刷」と機能プログラム「はがき印刷」と機能プログラム「簡易両面印刷」とが登録されたことを示す。
【0046】
供給装置選択部220は、使用者による入出力装置180の操作を受け付けて、登録される機能プログラムに対応する供給部120を選択し、選択結果を記録媒体設定部222に対して出力する。
具体的には、供給装置選択部220は、図7に示す供給部選択画面を、入出力装置180に表示させて、供給部選択画面を用いた使用者による選択操作を受け付ける。
【0047】
図7は、供給装置選択部220によって入出力装置180に表示される供給部選択画面を例示する図である。
供給部選択画面には、各供給部#1〜#3を選択するための選択ボタンB1と、確定ボタンB2とが表示されている。
使用者が入出力装置180上で選択ボタンB1を押下すると、選択された供給部を示す選択ボタンB1の色が反転し、使用者が確定ボタンB2を押下すると、供給装置選択部220は、選択された供給部120の識別情報(供給部識別情報)を含む選択結果を生成する。
【0048】
記録媒体設定部222は、供給装置選択部220によって選択された供給部120について、機能登録部212によって登録された登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性を設定する。
具体的には、記録媒体設定部222は、供給装置選択部220からの選択結果に含まれる供給部識別情報と、機能登録部212からの記録媒体属性情報とを対応付ける。
そして、記録媒体設定部222は、供給部識別情報と記録媒体属性情報との対応付けを示す記録媒体設定情報(図5)を、記録媒体設定記憶部224に記憶する。
【0049】
ここで、機能登録部212からの記録媒体属性情報について、1つの属性に複数の要素がある場合、記録媒体設定部222は、複数の要素のうちの1つを選択させるための使用者による操作を、入出力装置180から受け付けるようにしてもよい。
例えば、図4(B)に例示する登録機能プログラム情報において、機能プログラム「環境印刷」に対応する記録媒体属性情報の属性「材質」は、「普通紙」、「再生紙」および「裏紙」の3つの要素を含む。
この場合、記録媒体設定部222は、属性「材質」について、「普通紙」、「再生紙」および「裏紙」のうちのどの要素を設定するかを選択させるための画面を入出力装置180に表示させるようにしてもよい。
【0050】
図5は、記録媒体設定記憶部224に記憶される記録媒体設定情報を例示する図である。
図5に示すように、記録媒体設定情報は、供給部120の識別情報である供給部識別情報と、記録媒体属性情報とを含む。
図5に示すように、記録媒体設定情報においては、選択された供給部120と、その供給部120について設定された記録媒体属性とが、対応付けられている。
例えば、図5(A)に例示する記録媒体設定情報においては、「供給部#1」については、属性「サイズ」に対して「A4サイズ」が設定され、属性「材質」に対して「普通紙」が設定されている。
【0051】
図4(B)に例示する登録機能プログラム情報が登録機能記憶部214に記憶され、図5(A)に例示する記録媒体設定情報が記録媒体設定記憶部224に記憶されている場合、登録機能プログラム「環境印刷」は、供給部#1,#2に関する記録媒体属性を利用可能である。
また、登録機能プログラム「はがき印刷」は、供給部#3に関する記録媒体属性を利用可能である。
また、登録機能プログラム「簡易両面印刷」は、供給部#1に関する記録媒体属性を利用可能である。
【0052】
なお、上記実施形態においては、記録媒体設定部222は、機能登録部212から受け付けた記録媒体属性情報に応じて、自動的に記録媒体属性を設定するとしたが、例えば、図4(B)の登録機能プログラム「環境印刷」等、特に、ある属性の要素が「任意」である場合等においては、記録媒体設定部222は、使用者が入出力装置180を操作して得られた、記録媒体属性の要素の入力を受け付けることによって、記録媒体属性を手動で設定してもよい。
また、上記実施形態においては、機能登録部212が機能プログラムを登録した後に、記録媒体設定部222が記録媒体属性を設定するとしたが、機能登録部212および記録媒体設定部222の処理は、どちらが先でもよい。
使用者は、記録媒体設定部222によって設定された記録媒体属性に対応する記録媒体を、設定された供給部120に収納する。
【0053】
設定変更判断部230は、記録媒体設定部222によって記録媒体属性の設定が変更された場合に、変更後の記録媒体属性について実行可能でない機能プログラムがあるか否か判断する。
具体的には、設定変更判断部230は、記録媒体設定部222によって記録媒体属性の設定が変更された場合、登録機能記憶部214から登録機能プログラム情報を抽出し、記録媒体設定記憶部224から変更後の記録媒体設定情報を抽出する。
設定変更判断部230は、抽出された登録機能プログラム情報の登録機能プログラム毎に、その登録機能プログラムに関する記録媒体属性情報と、変更後の記録媒体設定情報に含まれる記録媒体属性情報を照合する。
設定変更判断部230は、照合の結果、登録機能プログラムに関する記録媒体属性情報に一致する記録媒体設定情報の記録媒体属性情報がある場合、その登録機能プログラムに対応する記録媒体属性情報に関する供給部120があると判断し、その場合、その登録機能プログラムについての処理を終了する。
【0054】
一方、照合の結果、登録機能プログラムに関する記録媒体属性情報に一致する記録媒体設定情報の記録媒体属性情報がない場合、設定変更判断部230は、その登録機能プログラムに対応する記録媒体属性情報に関する供給部120がないと判断する。
この場合、設定変更判断部230は、その登録機能プログラムに関する登録機能識別情報を、機能実行禁止処理部232に対して出力する。
【0055】
例えば、登録機能プログラムが図4(B)に示す登録機能プログラム情報に関するものであり、記録媒体設定部222によって、記録媒体属性の設定が、図5(A)から図5(B)のように変更された例について、具体的に説明する。
この例においては、記録媒体設定情報において、供給部#1に関する記録媒体属性情報が、変更されている(属性「サイズ」が「A4サイズ」から「申請書サイズ」に、属性「材質」が「普通紙」から「厚紙」に変更されている)。
【0056】
この場合、設定変更判断部230は、まず、登録機能プログラム「環境印刷」に関する記録媒体属性情報と、供給部#1〜#3それぞれに関する記録媒体属性情報とを照合する。
属性「サイズ」が「任意」であるので、設定変更判断部230は、記録媒体設定情報において、属性「材質」が「普通紙」、「再生紙」または「裏紙」である記録媒体属性情報を検索する。
この場合、供給部#2に関する記録媒体属性情報の属性「材質」が「裏紙」であるので、設定変更判断部230は、登録機能プログラム「環境印刷」に対応する記録媒体属性情報に関する供給部120(供給部#2)があると判断する。
【0057】
次に、設定変更判断部230は、登録機能プログラム「はがき印刷」に関する記録媒体属性情報と、供給部#1〜#3それぞれに関する記録媒体属性情報とを照合する。
設定変更判断部230は、記録媒体設定情報において、属性「サイズ」が「はがきサイズ」であり、かつ、属性「材質」が「はがき紙質」である記録媒体属性情報を検索する。
この場合、供給部#3に関する記録媒体属性情報の属性「サイズ」が「はがきサイズ」であり、かつ、属性「材質」が「はがき紙質」であるであるので、設定変更判断部230は、登録機能プログラム「はがき印刷」に対応する記録媒体属性情報に関する供給部120(供給部#3)があると判断する。
【0058】
次に、設定変更判断部230は、登録機能プログラム「簡易両面印刷」に関する記録媒体属性情報と、供給部#1〜#3それぞれに関する記録媒体属性情報とを照合する。
属性「サイズ」が「任意」であるので、設定変更判断部230は、記録媒体設定情報において、属性「材質」が「普通紙」である記録媒体属性情報を検索する。
この場合、供給部#1〜#3に関する記録媒体属性情報のいずれも、属性「サイズ」が「普通紙」でないので、設定変更判断部230は、登録機能プログラム「簡易両面印刷」に対応する記録媒体属性情報に関する供給部120がないと判断する。
したがって、設定変更判断部230は、登録機能プログラム「簡易両面印刷」の登録機能識別情報を、機能実行禁止処理部232に対して出力する。
【0059】
機能実行禁止処理部232は、設定変更判断部230から受け付けた登録機能識別情報に関する登録機能プログラムを、機能実行処理部240によって実行できないように処理する。
具体的には、機能実行禁止処理部232は、設定変更判断部230から受け付けた登録機能識別情報に関する登録機能プログラム情報を、登録機能記憶部214から削除する。
または、機能実行禁止処理部232は、設定変更判断部230から受け付けた登録機能識別情報に関する登録機能プログラム情報に実行禁止フラグを付与する。
図5(B)を用いて上述した例の場合、機能実行禁止処理部232は、登録機能プログラム「簡易両面印刷」の登録機能プログラム情報を登録機能記憶部214から削除し、または、登録機能プログラム「簡易両面印刷」の登録機能プログラム情報に実行禁止フラグを付与する。
【0060】
機能実行処理部240は、使用者から指定された機能プログラムを起動させてその機能プログラムを実行するための処理を行い、その機能プログラムを実行するために、画像形成装置本体14および後処理装置16を制御する。
具体的には、機能実行処理部240は、機能プログラムを用いて印刷処理を行う旨の指示を、使用者が入出力装置180を操作することによって受け付ける。
また、機能実行処理部240は、登録機能記憶部214に記憶されている登録機能プログラム情報それぞれに関する登録機能識別情報を使用者が選択するための画面(実行機能選択画面、例えばメニュー画面)を、入出力装置180に表示させる。
【0061】
図8は、機能実行処理部240によって入出力装置180に表示される実行機能選択画面を例示する図であり、(A)は実行禁止とされた機能プログラムが表示されない場合を示し、(B)は実行禁止とされた機能プログラムが実行可能な機能プログラムと区別して表示される場合を示す。
実行機能選択画面には、実行すべき機能プログラムを選択するための選択ボタンC1と、確定ボタンC2とが表示されている。
使用者が入出力装置180上で選択ボタンC1を押下すると、選択された機能プログラムを示す選択ボタンC1の色が反転し、使用者が確定ボタンC2を押下すると、機能実行処理部240は、選択された機能プログラムを実行するために、画像形成装置本体14および後処理装置16を制御する。
【0062】
図5(B)を用いて上述した例の場合、登録機能プログラム「簡易両面印刷」が実行禁止とされている。
ここで、機能実行禁止処理部232によって、登録機能プログラム「簡易両面印刷」の登録機能プログラム情報が登録機能記憶部214から削除されている場合は、登録機能記憶部214に機能プログラム「簡易両面印刷」に関する機能プログラム情報は記憶されていないので、図8(A)に示すように、実行機能選択画面には機能プログラム「簡易両面印刷」を示す選択ボタンC1は表示されない。
【0063】
一方、機能実行禁止処理部232によって登録機能プログラム「簡易両面印刷」の登録機能プログラム情報に実行禁止フラグが付与されている場合、図8(A)に示すように、機能プログラム「簡易両面印刷」を示す選択ボタンC1が表示されないようにしてもよいし、図8(B)のC3に示すように、機能プログラム「簡易両面印刷」を示す選択ボタンC1の色を、他の実行可能な機能と区別して表示されるようにしてもよい。
また、図8(B)のように表示された場合に機能プログラム「簡易両面印刷」を使用者が押下した場合、その機能を実行可能にするために設定されるべき記録媒体属性を、入出力装置180に表示させてもよい。
例えば、機能実行禁止処理部232は、「この機能プログラムは実行できません」という通知とともに、「普通紙を供給部に収納して下さい」という通知を、入出力装置180に表示させるようにしてもよい。
【0064】
図9は、第1の実施形態にかかる画像形成プログラム20における処理を示すフローチャート(S10)である。
なお、以下に示すステップの順序は、適宜、変更してもよく、また、全てのステップが必要であるとは限らない(以下に示すフローチャート等においても同様)。
ステップ102(S102)において、機能選択部210は、使用者による入出力装置180の操作を受け付けて、登録される機能を選択する。
ステップ104(S104)において、機能登録部212は、選択された機能プログラムを画像形成装置1で実行できるように登録するための処理を行う。
【0065】
ステップ106(S106)において、記録媒体設定部222は、登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性を機能登録部212から受け付ける。
ステップ108(S108)において、記録媒体設定部222は、登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性について、1つの属性に複数の要素があるか否かを判断し、ある場合に処理はS110に進み、ない場合に処理はS112に進む。
ステップ110(S110)において、記録媒体設定部222は、その属性の複数の要素のうちの1つを選択させるための使用者による操作を、入出力装置180から受け付ける。
ステップ112(S112)において、記録媒体設定部222は、選択された供給部120に、登録機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体属性を設定する。
【0066】
ステップ114(S114)において、設定変更判断部230は、記録媒体設定部222によって記録媒体属性の設定が変更されたか否かを判断し、変更された場合に処理はS116に進み、そうでない場合に処理は終了する。
ステップ116(S116)において、設定変更判断部230は、変更後の記録媒体属性について実行可能でない機能プログラムがあるか否か判断し、ある場合に処理はS118に進み、ない場合に処理は終了する。
ステップ118(S118)において、機能実行禁止処理部232は、実行可能でないと判断された機能プログラムを、機能実行処理部240によって実行できないように処理する。
【0067】
なお、上記実施形態においては、機能取得部202、機能選択部210および機能登録部212は、それぞれ別個の処理として説明したが、機能取得部202が機能プログラムを取得した場合に、その取得された機能プログラムを全て登録して、取得した機能プログラムに関する機能プログラム情報を、登録機能プログラム情報として、全て登録機能記憶部214に記憶するようにしてもよい。
この場合、機能選択部210はなくてもよく、機能取得部202と機能登録部212とが一連の処理によって実現されるようにしてもよい。
また、この場合、機能プログラム情報記憶部204はなくてもよい。
【0068】
[第2の実施形態]
図10は、図1に示した画像形成装置1により実行される第2の実施形態にかかる画像形成プログラム30の構成を示す図である。
図10に示すように、画像形成プログラム30は、機能取得部202、機能プログラム情報記憶部204、記録媒体情報取得部302、記録媒体情報記憶部304、記録媒体選択部306、供給装置選択部220、記録媒体設定部310、記録媒体設定記憶部224、機能登録部320、登録機能記憶部214、設定変更判断部230、機能実行禁止処理部232、および機能実行処理部240から構成される。
なお、機能取得部202等、第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する(他の構成部分についても同様)。
【0069】
画像形成プログラム30において、記録媒体情報取得部302は、図11に示す記録媒体の種類に関する情報(記録媒体情報)を、例えば通信装置108によってネットワークを介して取得し、記録媒体情報記憶部304に記憶する。
なお、記録媒体情報取得部302は、メモリカード等の記憶媒体(図示せず)を介して記録媒体情報を取得するようにしてもよい。
【0070】
図11は、記録媒体情報を例示する図である。
図11に示すように、記録媒体情報は、記録媒体の種類の識別情報である記録媒体識別情報と、その記録媒体の種類に対応する記録媒体属性情報とを含む。
例えば、記録媒体「布地印刷用」の記録媒体属性情報において、属性「サイズ」は「A4サイズ」であり、属性「材質」は「布地転写紙」である。
【0071】
記録媒体選択部306は、使用者による入出力装置180の操作を受け付けて、選択された記録媒体を示す選択結果を、記録媒体設定部310に対して出力する。
具体的には、記録媒体選択部306は、記録媒体情報を記録媒体情報記憶部304から抽出し、使用者が記録媒体情報を選択するための画面を、入出力装置180に表示させる。
また、使用者が、入出力装置180に表示された画面を使用して記録媒体情報を選択するための操作を行うと、記録媒体選択部306は、選択された記録媒体に対応する記録媒体情報を含む選択結果を生成する。
【0072】
記録媒体設定部310は、供給装置選択部220によって選択された供給部120について、記録媒体選択部306からの記録媒体情報に関する記録媒体属性を設定する。
また、記録媒体設定部310は、図5に例示する記録媒体設定情報を、記録媒体設定記憶部224に記憶する。
さらに、記録媒体設定部310は、設定した記録媒体属性情報を、機能登録部320に対して出力する。
【0073】
機能登録部320は、記録媒体設定部310からの記録媒体属性情報に対応する記録媒体属性について実行可能な機能プログラムに対応する機能プログラム情報を、機能プログラム情報記憶部204から抽出する。
また、機能登録部320は、抽出された機能プログラム情報に関する機能プログラムを登録して、その機能プログラムを画像形成装置1で実行できるように登録するための処理を行い、図4(B)に示す登録機能プログラム情報を、登録機能記憶部214に記憶する。
なお、機能登録部320は、使用者が入出力装置180を操作することによって、手動で、記録媒体設定部310によって設定された記録媒体属性について実行可能な機能プログラムを登録するようにしてもよい。
【0074】
例えば、図11の例において記録媒体「布地印刷用」が記録媒体選択部306によって選択された場合、その記録媒体属性情報において、属性「材質」は「布地転写紙」であり、これは、図4(A)に示す機能プログラム情報において、機能プログラム「布地印刷」の記録媒体属性情報における属性「材質」と一致する。
また、機能プログラム「布地印刷」の記録媒体属性情報における属性「サイズ」は「任意」であるので、記録媒体「布地印刷用」の属性「サイズ」(A4サイズ)を含む。
この場合、機能登録部320は、図4(A)に示す機能プログラム情報を検索し、記録媒体「布地印刷用」に関する記録媒体属性情報が、機能プログラム「布地印刷」に関する記録媒体属性情報に含まれると判断する。
したがって、機能登録部320は、機能プログラム「布地印刷」を登録する。
【0075】
図12は、第2の実施形態にかかる画像形成プログラム30における処理を示すフローチャート(S20)である。
なお、図9に示した処理と同様の処理については、説明を省略する。
ステップ202(S202)において、記録媒体選択部306は、使用者による入出力装置180の操作を受け付けて、記録媒体を選択する。
ステップ204(S204)において、記録媒体設定部310は、供給装置選択部220によって選択された供給部120について、記録媒体選択部306によって選択された記録媒体に関する記録媒体属性を設定する。
ステップ206(S206)において、機能登録部320は、記録媒体設定部310によって設定された記録媒体属性について実行可能な機能プログラムを登録する。
【0076】
[変形例]
機能実行処理部240は、使用者から特定の機能プログラムの指定を受けて、その指定された機能プログラムに対応する登録機能プログラム情報が登録機能記憶部214に記憶されている場合に、その機能プログラムを実行するように処理してもよい。
この場合、指定された機能プログラムが登録されていないため(または削除されたため)、指定された機能プログラム情報が登録機能記憶部214に記憶されていないとき、および、指定された機能プログラム情報に実行禁止フラグが付与されているときは、機能実行処理部240は、「実行できません」等のメッセージを入出力装置180に表示させてもよい。
また、指定された機能プログラム情報に実行禁止フラグが付与されている場合、その機能プログラムを実行可能にするために設定されるべき記録媒体属性を、入出力装置180に表示させてもよい。
また、第1の実施形態にかかる画像形成プログラム20および第2の実施形態にかかる画像形成プログラム30は、1つの画像形成装置1において同時に実行されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1・・・画像形成装置,
12・・・供給装置,
120・・・供給部,
14・・・画像形成装置本体,
15・・・画像読取装置,
16・・・処理装置,
20・・・画像形成プログラム,
202・・・機能取得部,
204・・・機能プログラム情報記憶部,
210・・・機能選択部,
212・・・機能登録部,
214・・・登録機能記憶部,
220・・・供給装置選択部,
222・・・記録媒体設定部,
224・・・記録媒体設定記憶部,
230・・・設定変更判断部,
232・・・機能実行禁止処理部,
240・・・機能実行処理部,
30・・・画像形成プログラム,
302・・・記録媒体情報取得部,
304・・・記録媒体情報記憶部,
306・・・記録媒体選択部,
310・・・記録媒体設定部,
320・・・機能登録部,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
記録媒体を前記画像形成手段に供給する1つ以上の記録媒体供給手段と、
前記記録媒体供給手段によって供給される記録媒体の属性を設定する記録媒体設定手段と、
1つ以上の画像形成に関する処理機能を使用する処理を実行する機能プログラムと当該機能プログラムが利用可能な記録媒体に関する記録媒体属性情報とを対応付けて前記機能プログラム毎に登録する機能プログラム登録手段と、
前記記録媒体設定手段によって設定された前記記録媒体の属性に基づいて前記登録された機能プログラムの実行の可否を制御する制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記機能プログラムを取得する機能プログラム取得手段
をさらに有し、
前記機能プログラム登録手段は、前記機能プログラム取得手段によって取得された前記機能プログラムから、当該機能プログラムによって利用可能な記録媒体の属性に関する情報を抽出し、当該記録媒体に関する記録媒体の属性に関する情報に基づいて前記機能プログラムと前記記録媒体属性情報とを対応づけて登録する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録媒体設定手段は、前記機能プログラム登録手段によって所定の機能プログラムが登録された場合に、この登録された所定の機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体の属性を設定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段において実行させる機能プログラムを選択する機能プログラム選択手段と、
前記制御手段によって実行できないように制御されている機能プログラムが前記機能プログラム選択手段によって選択された場合に、当該選択された機能プログラムにおいて利用可能な記録媒体の属性を通知する通知手段と
をさらに有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段に記録媒体を供給する1つ以上の記録媒体供給手段によって供給される記録媒体の属性を設定する記録媒体設定ステップと、
1つ以上の画像形成に関する処理機能を使用する処理を実行する機能プログラムと当該機能プログラムが利用可能な記録媒体に関する記録媒体属性情報とを対応付けて前記機能プログラム毎に登録する機能プログラム登録ステップと、
前記記録媒体設定ステップにおいて設定された前記記録媒体の属性に基づいて前記登録された機能プログラムの実行の可否を制御する制御ステップと
を画像形成装置のコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−59990(P2013−59990A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201652(P2011−201652)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】