説明

画像形成装置および画像形成システム

【課題】カラーとモノクロが混在した原稿を効率よく紙種変更して印刷する。
【解決手段】画像データに基づいてカラーまたはモノクロの画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部に給紙する用紙を収納する複数のトレイと、前記トレイに収納されている用紙の紙種の指定が可能であり、前記トレイからの給紙を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、カラー・モノクロのモード別に、画像形成を行う用紙の紙種の指定が可能であり、前記画像データにおけるカラー・モノクロのモード判別とカラー印字率の取得とをページ毎に行い、前記カラー・モノクロのモード判別結果と、前記カラー印字率と予め設定したカラー印字率閾値とを比較した比較結果とに応じて、ページ毎に、前記指定がされた紙種の用紙を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データに基づいて、カラーまたはモノクロの画像形成を行う画像形成装置および該画像形成装置を含む画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいてカラーまたはモノクロの画像形成を行うカラー画像形成装置では、カラー画像を高品質に印刷するために、カラーモードのジョブの際にはカラー用の用紙を使用し、モノクロモードのジョブの印刷には比較的安価な用紙を使用することが多い。
さらに、カラー、モノクロが混在する原稿を印刷する場合に、上記のような観点からカラー原稿とモノクロ原稿を異なる紙種に印刷したいケースは多々ある。また、多様な紙種をサポートするマシンではジョブ毎に指定したい紙種が異なることも多い。
【0003】
従来、カラー、モノクロが混在する原稿を印刷する場合に、ページ毎にカラー画像なのか、モノクロ画像なのかを判別して、判別結果に従って、給紙トレイの中から、最適とする紙種の記録紙が収納されている給紙トレイを選択するカラー画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。また、記録内容がモノクロかカラーかによって用紙の種類を自動的に選択して供給するプリンタ、複写機などのカラー記録装置が提案されている(特許文献2参照)。これらの装置によってページ毎に、カラー、モノクロ別に設定された紙種へ印字することが可能になる。
【特許文献1】特開平11−3001号公報
【特許文献2】特開平8−132682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
なお、モノクロとカラーとが混在した原稿の中にはモノクロ原稿の1部にカラーが含まれるようなものもある。例えば、モノクロ原稿に朱記訂正がされている場合や、捺印を含む場合などで、このような原稿はカラー印刷は行うが、品質は高くて高価である用紙よりもモノクロと同じ廉価の紙種で印字したい場合が多い。しかし、上記した装置では、カラー、モノクロ別に固定された紙種へ印字することが可能であるのみであり、同じ原稿内にモノクロ原稿、カラー原稿(写真)、カラー原稿(モノクロ原稿+朱記訂正)が含まれる場合は、カラー原稿(モノクロ原稿+朱記訂正)もカラー用に指定された紙種で印刷されることになり、上記要請に応えることはできない。
【0005】
本発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、カラー原稿の印字率を考慮することで、適切に選択された紙種に画像形成を行うことができる画像形成装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の画像形成装置のうち、第1の本発明は、画像データに基づいてカラーまたはモノクロの画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部に給紙する用紙を収納する複数のトレイと、前記トレイに収納されている用紙の紙種の指定が可能であり、前記トレイからの給紙を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、カラー・モノクロのモード別に、画像形成を行う用紙の紙種の指定が可能であり、前記画像データにおけるカラー・モノクロのモード判別とカラー印字率の取得とをページ毎に行い、前記カラー・モノクロのモード判別結果と、前記カラー印字率と予め設定したカラー印字率閾値とを比較した比較結果とに応じて、ページ毎に、前記指定がされた紙種の用紙を選択することを特徴とする。
【0007】
第2の本発明の画像形成装置は、前記第1の本発明において、前記制御部は、前記カラー・モノクロのモード判別によってカラーモードと判別され、かつ取得されたカラー印字率がカラー印字率閾値以上である場合に、カラーモードに応じて指定された紙種を選択し、それ以外の場合では、モノクロモードに応じて指定された紙種を選択することを特徴とする。
【0008】
第3の本発明の画像形成装置は、前記第1または第2の本発明において、前記制御部は、前記紙種の用紙を選択し、さらに該紙種の指定がなされているトレイから給紙を行うことを特徴とする。
【0009】
第4の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記トレイの紙種の指定内容、前記カラー印字率閾値および前記カラー・モノクロのモード別の紙種の指定内容を記憶する記憶部を備えることを特徴とする。
【0010】
第5の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第4の本発明において、前記制御部は、ジョブ毎にカラー・モノクロのモード別に指定される用紙の紙種の設定が可能であることを特徴とする。
【0011】
第6の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第5の本発明において、前記カラー印字率閾値の設定が可能な操作部を備えることを特徴とする。
【0012】
第7の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第6の本発明において、前記制御部は、ジョブ毎にカラー印字率閾値の設定が可能であることを特徴とする。
【0013】
第8の本発明の画像形成システムは、前記第1〜第7の本発明のいずれかに記載の画像形成装置の一つと、該画像形成装置および端末装置の一以上とがネットワークで接続されていることを特徴とする。
【0014】
第9の本発明の画像形成システムは、前記制御部が、一の画像形成装置における画像形成装置本体と他の画像形成装置における画像形成装置本体または端末装置に分散して設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明の画像形成装置によれば、画像データに基づいてカラーまたはモノクロの画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部に給紙する用紙を収納する複数のトレイと、前記トレイに収納されている用紙の紙種の指定が可能であり、前記トレイからの給紙を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、カラー・モノクロのモード別に、画像形成を行う用紙の紙種の指定が可能であり、前記画像データにおけるカラー・モノクロのモード判別とカラー印字率の取得とをページ毎に行い、前記カラー・モノクロのモード判別結果と、前記カラー印字率と予め設定したカラー印字率閾値とを比較した比較結果とに応じて、ページ毎に、前記指定がされた紙種の用紙を選択するので、カラー原稿とモノクロ原稿とが混在している画像データにおいても、カラー印字率によってカラー用の用紙を選択するか、モノクロ用の用紙を選択するかが決定され、カラーモードの際にも必要以上に高品質の用紙を用いることが回避され、より適正な用紙選択がなされる効果がある。
【0016】
なお、上記用紙の選択に際し、該紙種の指定がなされているトレイから給紙を行うものとすれば、自動的に所定の紙種の用紙が給紙される効果がある。
【0017】
また、カラー・モノクロのモード別で指定する紙種を、ジョブによって異なる設定を可能にすれば、ジョブ毎で使用を希望する紙種が異なる場合にも、適正な紙種を選択することが可能になる。
【0018】
また、上記画像形成装置を含む画像形成システムで、前記制御部を分散して設けるものとすれば、画像形成を行う画像形成装置本体外からの制御によって適正な紙種を選定して画像形成を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置における画像形成装置本体1の機械的構造を示す図であり、図2は、該画像形成装置と端末装置としての複数のクライアントPCがネットワークで接続された画像形成システムを示すものである。なお、この実施形態では、画像形成装置本体1が画像形成装置を構成している。
【0020】
画像形成装置本体1の下部側には、用紙を収納して給紙する複数段(図では3段)の給紙トレイ20、30、40が配置され、さらに画像形成装置本体1の側部に手差しの給紙トレイ50が配置されている。各給紙トレイには、それぞれ同一または異なる紙種の用紙P1−P4の収納が可能になっている。
【0021】
画像形成装置本体1の内部に備える画像形成部7は、各色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど)用にそれぞれ用意された感光体10、11、12、13、図示しない帯電器、LD部、現像器、中間転写ベルト14、二次転写ベルト15、クリーニング器16、定着器17などを備えており、その下流側に用紙が排紙されるように構成されている。
該画像形成部7は、前記感光体10〜13を図示しない帯電器によって帯電させ、図示しないLDなどによって画像データに基づいて前記感光体10〜13上に潜像を生成し、該潜像を現像器によって現像し、これを中間転写ベルト14、二次転写ベルト15を介して用紙に転写して画像を形成するものである。転写後には中間転写ベルト14に残ったトナー粒子をクリーニング部材16によって除去し、次の画像形成に備える。モノクロ画像では、前記ブラック用の感光体13のみによって画像形成を行い、カラー画像では、全部または必要な感光体が用いられれてカラー画像の画像形成が行われる。用紙に転写した画像は、定着器17において加熱定着されて排紙部に画像形成出力(プリント)がなされる。
【0022】
また、画像形成装置本体1では、図2で示すように、その上部側に、スキャナや自動原稿給送装置(ADF)などを備えるスキャナ部130を有しており、その近傍に、画像形成装置の各種設定入力や情報の表示が可能となった操作パネル140が設けられている。
該画像形成装置本体1は、画像形成装置本体1に付設したプリンタコントローラー200を介してネットワーク70に接続されており、該ネットワーク70には、前記プリンタコントローラー200と通信可能にクライアントPC60、61、62が接続されている。なお、本発明としては、クライアントPCの数は任意であり、これに変えて、またはこれに加えて他の画像形成装置本体が接続されるものであってもよい。
【0023】
次に、図3は、本実施形態における画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図であり、以下に説明する。
画像形成装置1は、主要な構成として、状態管理部110とスキャナ部130と操作パネル140とプリンタ部150とを備えている。また、画像形成装置には、後処理装置としてFNS部180が接続されている。さらに、画像形成装置には、前記したようにプリンタコントローラ200を介してネットワーク70が接続されており、該ネットワーク70に接続された外部のクライアントPC60−62との間でアクセスが可能になっている。これにより、画像形成装置の設定などを外部から行ったり、画像データの送信を行ったりすることもできる。
【0024】
状態管理部110ではDRAM制御IC111と画像制御CPU112を備えており、該画像制御CPU112に前記DRAM制御IC111が接続されている。また、画像制御CPU112には、不揮発メモリ113、プログラムメモリ(ROM)114、システムメモリ115が接続されている。該不揮発メモリ113には、画像形成装置1の設定データ、プロセス制御パラメータ、給紙トレイの指定紙種、カラー・モノクロ別の指定紙種、カラー用の印字率閾値等のデータが格納されている。したがって、不揮発メモリ113は、本発明の記憶部として機能する。また、プログラムメモリ(ROM)114には、上記画像制御CPU112を動作させるためのプログラムが格納されており、システムメモリ115は、該プログラム実行時のデータの一時格納やワークエリアとして使用される。
【0025】
画像制御CPU112は、画像形成装置1の全体を制御し、また画像形成装置全体の状態把握を行うものであり、さらに、読み取り処理部116と協働して画像データにおけるカラー印字率を取得することができる。カラー印字率は、ページ全面に対するカラー画素数の比率で表すことができる。上記のように、画像制御CPU112を主とする状態管理部110は、本発明の制御部として機能する。
【0026】
前記スキャナ部130は、光学読み取りを行うCCD131と、スキャナ部130全体の制御を行うスキャナ制御部132とを備えている。スキャナ制御部132は、前記画像制御CPU112とシリアル通信可能に接続されており、画像制御CPU112による制御を受ける。なお、スキャナ制御部132は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。前記CCD131で読み取った画像データは、読取り処理部116でデータ処理がなされる。読取り処理部116は、前記したDRAM制御IC111に接続されている。DRAM制御IC111には、画像データを圧縮・伸張する圧縮・伸張IC125が接続されており、該圧縮・伸張IC125で、前記読み取り処理部116で処理した画像データの圧縮を行うことができる。
【0027】
前記操作パネル140は、タッチパネル式のLCD141と、操作部制御部142とを備えており、上記LCD141と操作部制御部142とが接続され、該操作部制御部142と前記画像制御CPU112とがシリアル通信可能に接続されている。該構成によって操作パネル140の制御が画像制御CPU112によって行われる。なお、操作部制御部142は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。操作パネル140では、画像形成装置における設定や動作指令などの動作制御条件の入力が可能となっており、さらに設定内容、機械状態、情報の表示等が可能になっており、上記画像制御CPU112により制御される。したがって操作パネル140は、本願発明の設定などを行う操作部として機能する。
【0028】
また、DRAM制御IC111は、圧縮メモリ121を備える画像メモリ120に接続されている。該画像メモリ120には、前記スキャナ部130で取得した画像データやネットワーク70を通して取得した画像データが格納される。上記のように画像メモリ120は、画像データの記憶領域であり、印刷するジョブの画像データを格納する。
【0029】
さらにDRAM制御IC111には、書込み処理部126が接続されている。該書込み処理部126は、プリンタ部150のLD152に接続され、該LD152の動作に用いられるデータの処理を行う。また、プリンタ部150は、プリンタ部150の全体を制御するプリンタ制御部158を備えており、該プリンタ制御部158は、前記した画像制御CPU112に接続されて制御を受ける。すなわち、画像制御IC112から与えられるパラメータに従い、プリント動作の開始/停止を行う。該動作においては、給紙トレイからの給紙動作も含まれ、指定または自動選択した給紙トレイから用紙を給紙する。また、プリンタ制御部158には、FNS部180に備えるFNS制御部181が接続されている。これにより、FNS部180の制御を、プリンタ制御部158、FNS制御部181を通して画像制御CPU112により制御することができる。なお、プリンタ制御部158、FNS制御部181は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。
【0030】
また、DRAM制御IC111、画像制御CPU112が接続されるバスにはIO127が接続され、該IO127に通信可能にプリンタコントローラー200が接続されている。これにより、プリンタコントローラ200を介して画像制御CPU112に制御信号を送ることができ、画像形成装置本体1の外部、例えばクライアントPC60〜62から画像形成装置本体1の印刷制御を行うことができる。
【0031】
また、プリンタコントローラ200には、前記圧縮・伸張IC125が接続されており、プリンタコントローラ200から圧縮・伸張IC125への画像データの送信が可能になっている。該画像データは、圧縮・伸張IC125で圧縮処理することができる。
【0032】
なお、画像制御CPU112では、上記のようにトレイ毎に紙種の指定が可能になっており、該指定内容は、データとして不揮発メモリ113に格納され、必要に応じて画像制御CPU112により読み出される。該指定は、上記した操作パネル140によって設定が可能であり、該設定画面を図4に示す。
トレイ紙種設定画面160は、図4(a)に示すようにLCD141に操作可能に表示され、各トレイ毎に指定された紙種が表示される。該トレイ紙種設定画面160でトレイ表示部160aを押釦すると、当該トレイに対する紙種設定画面161が図4(b)に示すようにLCD141に操作可能に表示される。図4(b)は、トレイ1に対する紙種設定画面161であり、前記トレイ表示部160aの他のトレイ表示部分を押釦することで他のトレイに対しても同様の設定画面を表示させることができる。
【0033】
紙種設定画面161では、トレイの紙種として選択可能な紙種の釦が表示される。所望の釦を押釦することで、該当トレイの紙種として指定がなされる。選択可能な紙種は予め設定されており、不揮発メモリ113に初期設定として格納しておく。また、選択可能な紙種は、操作パネル140を介して追加、変更、削除等が可能であり、操作内容は、画像制御CPU112によって前記不揮発メモリ113に格納する。
【0034】
さらに、画像制御CPU112では、カラーモノクロ別の紙種の指定が可能になっており、該指定内容は、データとして不揮発メモリ113に格納され、必要に応じて画像制御CPU112により読み出される。該指定は、上記した操作パネル140によって設定が可能であり、該設定画面を図5に示す。
カラーモノクロ別紙種設定画面162は、図5(a)に示すようにLCD141に操作可能に表示され、カラー、モノクロ別に指定された紙種が表示される。該カラーモノクロ別紙種設定画面162でカラー・モノクロ表示部162aを押釦すると、カラーまたはモノクロに対応した紙種設定画面163が図5(b)に示すようにLCD141に操作可能に表示される。図5(b)は、カラー原稿に対する紙種設定画面163であり、カラー・モノクロ表示部162aのモノクロ表示部分を押釦することでモノクロに対しても同様の設定画面を表示させることができる。設定された紙種は、カラーモノクロ紙種設定画面162に反映される。
【0035】
紙種設定画面163では、カラー・モノクロ別の紙種として選択可能な紙種の釦が表示される。所望の釦を押釦することで、カラーまたはモノクロ印刷時の紙種として指定がなされる。選択可能な紙種は予め設定されており、不揮発メモリ113に初期設定として格納しておく。また、選択可能な紙種は、操作パネル140を介して追加、変更、削除等が可能であり、操作内容は、画像制御CPU112によって前記不揮発メモリ113に格納する。設定された紙種は、カラーモノクロ紙種設定画面162に反映される。
このカラーモノクロ別の紙種設定は、設定値として、全てのジョブに適用してもよく、また、ジョブ毎に設定を変更することも可能である。
【0036】
さらに、画像制御CPU112では、カラー印刷を行う際に、カラー印字率を考慮するためのカラー印字率閾値の設定が可能である。該指定内容は、データとして不揮発メモリ113に格納され、必要に応じて画像制御CPU112により読み出される。該指定は、上記した操作パネル140によって設定が可能であり、該設定画面を図6に示す。
【0037】
カラー印字率を考慮したカラーモノクロ別紙種設定画面164は、図6(a)に示すようにLCD141に操作可能に表示され、所定のカラー印字率以上のカラー、モノクロ別に指定された紙種と印字率設定釦164cが表示される。該カラーモノクロ別紙種設定画面164ではカラー・モノクロ表示部164a、164bを押釦すると、前記紙種設定画面と同様にカラーまたはモノクロに対応した紙種設定画面(図示しない)が表示されて紙種の設定が可能になる。また、印字率設定釦164cを押釦すると、カラーモード印字率設定画面165が表示される。該画面にはテンキーが配列表示され、所望の数字を押釦することでカラー印刷を行うためのカラー印字率閾値の設定が可能になる。図では、「2」「0」の押釦によって数値20が決定され、カラー印字率閾値として「20%」が設定される。したがって、カラー用に指定された紙種は、カラー印字率が20%以上のものに適用される。
上記カラー印字率閾値は、設定値として、全てのジョブに適用してもよく、また、ジョブ毎に閾値を設定することも可能である。
【0038】
なお、上記説明では、画像形成装置本体1に備える操作パネル140のLCD141によって上記表示、設定を行うものとして説明した。ただし、本発明としては、画像形成装置本体外部のクライアントPC60−62などの外部端末を用いて上記設定等を行うことも可能である。
図7は、クライアントPC60−62に備えられたプリンタドライバによって、クライアントPCの表示部(図示しない)に表示される設定画面を示したものである。印刷設定画面600に配置された用紙種類設定釦601を押釦すると用紙種類設定画面610がポップアップ表示され、給紙トレイ毎に指定された紙種が給紙トレイリスト611として表示される。給紙トレイリスト611には、ジョブで要求される紙種に従って自動的に給紙トレイを選択する「自動」も含まれる。給紙トレイリスト611中の対象とする給紙トレイを反転表示した状態で、用紙種類設定画面612を押釦すると、用紙種類編集画面620がポップアップ表示され、該用紙種類編集画面620中に紙種のリストボックス621が表示され、紙種の選択が可能になる。このリスト中には、対象とする給紙トレイが「自動」の場合に限って、カラーモノクロ別設定項があり、これを選定することで、トレイ自動選択時にカラーモノクロ別設定となる。なお、カラーモノクロ別での紙種の設定においては、印刷設定画面600に設けられたカラーモノクロ別紙種指定釦を押釦すると、前記図5または図6に示すカラーモノクロ紙種設定釦が表示され、カラーモノクロ別での紙種の設定が可能になる。
このプリンタドライバによって設定を行う形態では、本発明の制御部が、画像形成装置本体とクライアントPC60−62のプリンタドライバとで分散して構成されることになる。
【0039】
次に、カラーとモノクロの原稿が混在する画像データについて、紙種変更を伴いつつ画像形成を行う手順について図8に基づいて説明する。
先ず、設定としてカラーモノクロ別の紙種指定があるか否かの判定が行われる(ステップs1)。該判定は、制御CPU112において不揮発メモリ113のデータを参照することにより行うことができる。カラーモノクロ別の紙種指定がない場合(ステップs1、NO)、カラー、モノクロの別によって紙種の変更が必要ないため、紙種変更を伴う手順を終了する。カラーモノクロ別の紙種指定がある場合(ステップs1、YES)、画像制御CPU112では、ページ毎にカラーモノクロの判別を行い、指定ページがカラーであるか否かの判定を行う(ステップs2)。指定ページがカラーである場合、画像制御CPU112はカラーモード用として指定された紙種データを不揮発メモリ113より取得する(ステップs3)。一方、指定ページがモノクロである場合、モノクロモード時のものとして指定された紙種を同じく不揮発メモリ113より取得する(ステップs4)。紙種の取得後、当該紙種がセットされているトレイを検索する(ステップs5)。該検索においては、制御CPU112によって、不揮発メモリ113に格納されているトレイ紙種設定データを参照する。検索の結果、当該紙種がセットされているトレイが有る場合(ステップs5、YES)、制御CPU112は該トレイを給紙元に選択し(ステップs7)、印刷を実行する(ステップs11)。
【0040】
一方、取得した紙種をセットしたトレイがない場合(ステップs5、NO)、制御CPU112は操作パネル140のLCD141に表示をして操作者に指定紙種のセットを要求する(ステップs6)。その後、該当トレイで指定紙種の変更を待つ(ステップs8)。トレイの指定紙種の変更は、収納されている用紙を変更した後、図4に示すトレイ紙種設定画面160を通して行うことができる。指定紙種への変更が確認されると(ステップs8、YES)、操作パネル140のLCD141に印刷可能表示を行う(ステップs9)。次いでスタートボタン(図示しない)が押されたか否かを確認する(ステップs10)。操作者は、LCD141における印刷可能表示を確認した後、スタートボタンを押して処理を続行することができる。スタートボタンが押された後(ステップs10、YES)、印刷が実行される(ステップs11)。ただし、確認のための手順(ステップs9、s10)を経ることなく、指定紙種に変更されたことが確認された後、直ちに印刷を実行するようにしてもよい。印刷実行後は、最終ページになるまでページ毎に上記手順を繰り返す(ステップs12→s2)。
【0041】
次に、カラー印字率を考慮した紙種変更を伴った画像形成手順について図9に基づいて説明する。
先ず、前記と同様にカラーモノクロ別の紙種指定があるか否かの判定が行われる(ステップsa1)。該判定は、制御CPU112において不揮発メモリ113のデータを参照することにより行うことができる。カラーモノクロ別の紙種指定がない場合(ステップsa1、NO)、紙種の変更が必要ないため、紙種変更を伴う手順を終了する。カラーモノクロ別の紙種指定がある場合(ステップsa1、YES)、画像制御CPU112では、ページ毎にカラーモノクロの判別を行い、指定ページがカラーであるか否かの判定を行う(ステップsa2)。指定ページがカラーである場合(ステップsa2、NO)、指定ページのカラー印字率を取得し、カラー印字率閾値以上であるか否かの判定がなされる(ステップsa3)。カラー印字率の取得は、例えばスキャナ部130で読み取った原稿データから読み取り処理部116でカラー画素数を検出し、画像制御CPU112で(カラー画素数/読み取りサイズ全面)の数式でカラー印字率を算出し、不揮発メモリ113に記憶されているカラー印字率閾値と比較する。
【0042】
ここで、カラー印字率がカラー印字率閾値以上である場合(ステップsa3、YES)、カラーモード(印字率指定以上)時の紙種を取得する。一方、指定頁がカラーでなかった場合(ステップsa2、NO)または指定頁がカラーであってカラー印字率がカラー印字率閾値以上でなかった場合(ステップsa2:YES、ステップsa3:NO)、モノクロモード時の紙種を取得する(ステップsa5)。上記ステップsa4またはステップsa5で指定紙種を取得した後、取得した紙種がどのトレイにセットされているかを検索する(ステップsa6)。該検索は上記と同様に、制御CPU112によって、不揮発メモリ113に格納されているトレイ紙種設定データを参照する。検索の結果、取得した紙種がセットされているトレイが有る場合(ステップsa6、YES)、該トレイを選択し(ステップsa8)、印刷を実行する(ステップsa12)。
【0043】
一方、取得した紙種をセットしたトレイがない場合(ステップsa6、NO)、操作パネルに表示をして操作者に指定紙種のセットを要求する(ステップsa7)。指定紙種の変更を待つ(ステップsa9)。トレイの指定紙種の変更は、収納されている用紙を変更した後、図4に示すトレイ紙種設定画面160を通して行うことができる。指定紙種への変更が確認されると(ステップsa9、YES)、操作パネルに印刷可能表示を行う(ステップsa10)。次いでスタートボタンが押されたか否かを確認する(ステップsa11)。操作者は、操作パネルにおける印刷可能表示を確認した後、スタートボタンを押して処理を続行することができる。スタートボタンが押された後(ステップsa11、YES)、印刷が実行される(ステップsa12)。ただし、確認のための手順(ステップsa10、sa11)を経ることなく、指定紙種に変更されたことが確認された後、直ちに印刷を実行するようにしてもよい。印刷実行後は、最終ページになるまでページ毎に上記手順を繰り返す(ステップsa13→sa2)。
【0044】
上記各手順による紙種変更の実例を図10に基づいて以下に説明する。
原稿は、6頁からなり、第1、3、4、6頁はモノクロ頁からなる。第2頁はモノクロ画像と一部にカラー画像を含む頁であり、第5頁がカラー(写真)原稿からなる。ページ毎のカラー印字率の判別では、第2頁は、カラー印字率閾値未満であり、第5頁は、カラー印字率閾値以上である。
【0045】
上記原稿を、カラー印字率を考慮しないで、カラー・モノクロ別の紙種指定に従って画像形成出力を行った。その結果、第2、第5頁が、トレイの自動選択によってトレイ2にセットされたカラーモード用の塗工紙に出力され、第1、第3、4、6頁がトレイ1にセットされたモノクロ用の普通紙に出力された。第2頁は、カラー部分は小さく、塗工紙への出力は不要であり、無駄に高価な塗工紙が消費されている。
【0046】
一方、ページ毎のカラー印字率を考慮した用紙指定では、第1〜第4頁、第6頁がトレイ1にセットされたモノクロ用の普通紙に出力され、第5頁がトレイ2にセットされたカラー用の塗工紙に出力された。この紙種変更では、カラー印字率の低い第2頁には塗工紙は使用されておらず、カラー印字率が高い第5頁のみに塗工紙が使用されており、効率的にカラー用の用紙が消費されている。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は、上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の概略的な機械構造を示す図である。
【図2】同じく、画像形成システムを示す図である。
【図3】同じく、画像形成装置の主制御部分を示すブロック図である。
【図4】同じく、トレイ紙種設定画面を示す図である。
【図5】同じく、カラー・モノクロ別紙種設定画面を示す図である。
【図6】同じく、カラー印字率を考慮したカラー・モノクロ別紙種設定画面を示す図である。
【図7】同じく、クライアントPCにおいてプリンタドライバにより表示される印刷設定画面を示す図である。
【図8】同じく、カラー・モノクロ別で指定された紙種設定に基づく画像形成手順を示すフロー図である。
【図9】同じく、カラー印字率を考慮したカラー・モノクロ別で指定された紙種設定に基づく画像形成手順を示すフロー図である。
【図10】同じく、カラー・モノクロが混在した原稿に対する指定紙種による出力結果の実例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置本体
7 画像形成部
20 給紙トレイ
30 給紙トレイ
40 給紙トレイ
60 クライアントPC
61 クライアントPC
62 クライアントPC
70 ネットワーク
110 状態管理部
112 画像制御CPU
113 不揮発メモリ
130 スキャナ部
160 トレイ紙種設定画面
162 カラーモノクロ別紙種設定画面
164 カラーモノクロ別紙種設定画面
164c印字率設定釦
140 操作パネル
200 プリンタコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいてカラーまたはモノクロの画像形成を行う画像形成部と、前記画像形成部に給紙する用紙を収納する複数のトレイと、前記トレイに収納されている用紙の紙種の指定が可能であり、前記トレイからの給紙を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、カラー・モノクロのモード別に、画像形成を行う用紙の紙種の指定が可能であり、前記画像データにおけるカラー・モノクロのモード判別とカラー印字率の取得とをページ毎に行い、前記カラー・モノクロのモード判別結果と、前記カラー印字率と予め設定したカラー印字率閾値とを比較した比較結果とに応じて、ページ毎に、前記指定がされた紙種の用紙を選択することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記カラー・モノクロのモード判別によってカラーモードと判別され、かつ取得されたカラー印字率がカラー印字率閾値以上である場合に、カラーモードに応じて指定された紙種を選択し、それ以外の場合では、モノクロモードに応じて指定された紙種を選択することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記紙種の用紙を選択し、さらに該紙種の指定がなされているトレイから給紙を行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記トレイの紙種の指定内容、前記カラー印字率閾値および前記カラー・モノクロのモード別の紙種の指定内容を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、ジョブ毎にカラー・モノクロのモード別に指定される用紙の紙種の設定が可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カラー印字率閾値の設定が可能な操作部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、ジョブ毎にカラー印字率閾値の設定が可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置の一つと、該画像形成装置および端末装置の一以上とがネットワークで接続されていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記制御部は、一の画像形成装置における画像形成装置本体と他の画像形成装置における画像形成装置本体または端末装置に分散して設けられていることを特徴とする請求項9記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−198845(P2009−198845A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40865(P2008−40865)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】