説明

画像形成装置および画像形成プログラム

【課題】 用紙シフト機能を持たない画像形成装置において、印刷後にエラー発生頁を探し出し易くする。
【解決手段】 画像処理部3は、印刷ジョブから1頁単位の画像データを形成し、異なるサイズの印刷用紙がセットされる給紙段(第1、第2のカセット13、15、手差しトレイ17)のうち画像データの印刷に用いる給紙段を指定し、画像データとともに出力する。画像処理部3は、画像データの得られないエラー頁を検出する。エラー情報記録部7はエラー情報を記録する。エンジン制御部5は、画像データと給紙段指定データに基づき印刷エンジン11を印刷制御する。エラー処理部9は、エラー情報基づきエラー頁位置に用紙を給紙できないとき、印刷ジョブの印刷に続いてエラー情報を印刷するようエンジン制御部5を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置および画像形成プログラムに係り、例えばコピー機、ファクシミリ機、プリンター又はこれらの複合機等の画像形成装置および画像形成プログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機等の画像形成装置において、複数頁の原稿を印刷する場合、途中頁の画像データにエラーが発生したとき、当該エラーの発生した頁を印刷後に発見し易くすると便利である。
【0003】
従来、このようなエラー発生頁を印刷後に発見し易くする構成として、例えば特開2004−338308号公報(特許文献1)がある。
【0004】
これは、印刷後に頁単位で画像検査を行う画像検査手段を備えた画像形成装置であり、印刷失敗した頁をリジェクトせずリカバリに必要な情報のみ記憶媒体にセットし継続して印刷を行うとともに、エラー頁存在箇所では印刷用紙をシフト排紙し、シフト排紙された印刷用紙から印刷失敗した頁位置を発見し易くしたものである。すなわち、シフト排紙された用紙を「しおり」として機能させるものである。
【特許文献1】特開2004−338308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、シフト排紙された印刷用紙から印刷失敗したエラー頁の存在およびその場所を発見し易くするため、印刷用紙をシフトして排紙する機能や構造が必要になり、シフト機能を持たない比較的安価なコピー機等では実用化が困難で、このような安価なコピー機等においては改善が要望されている。
【0006】
しかも、コピー機等において、例えばA4版の用紙1種類の給紙段しか装着できない場合とか、複数の給紙段があっても用紙切れが発生している場合等では、特別の工夫が必要である。
【0007】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、用紙のシフト機能を搭載しなくとも、印刷継続後にエラー頁を探し出し易くした画像形成装置および画像形成プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのような課題を解決するために本発明に係る画像形成装置は、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データを出力するとともにこの画像データが得られない頁を検出して当該エラー頁に係るエラー情報として出力する画像処理部と、この画像処理部からの画像データに基づき印刷エンジンを印刷制御するエンジン制御部と、その画像処理部からのエラー情報を記録するエラー情報記録部と、その印刷制御においてエラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、その印刷ジョブの印刷に続いてエラー情報記録部内のエラー情報を印刷するよう上記エンジン制御部を印刷制御するエラー処理部とを具備している。
【0009】
そして、本発明では、上記エラー情報が少なくともエラー発生頁番号を含む構成が可能である。
【0010】
また、本発明では、上記エラー処理部で複数の上記エラー情報を印刷制御する構成も可能である。
【0011】
さらに、本発明では、上記エラー処理部が、その印刷ジョブの印刷をしてから所定期間経過したときそのエラー情報を印刷制御する構成も可能である。
【0012】
さらにまた、本発明では、上記エラー処理部が、その印刷ジョブの入力先が変更されたときそのエラー情報を印刷制御する構成も可能である。
【0013】
さらに、本発明では、上記エラー処理部が、その印刷ジョブの印刷頁数が所定の頁数を超えるときそのエラー情報を印刷制御する構成も可能である。
【0014】
そして、本発明に係る画像形成プログラムでは、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データを所定の給紙段の用紙に印刷制御する制御用のコンピュータに、その画像データを出力するとともにこの画像データが得られない頁を検出してエラー頁に係るエラー情報として出力する画像処理と、この画像処理からの画像データに基づき印刷エンジンを印刷制御するエンジン制御処理と、その画像処理からのエラー情報を記録するエラー情報記録処理と、その印刷制御においてそのエラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、その印刷ジョブの印刷に続いてエラー情報記録内のエラー情報を印刷制御するエラー処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0015】
このような本発明に係る画像形成装置および画像形成プログラムは、その画像処理部から、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、この画像データの得られないエラー頁に係るエラー情報とを出力し、そのエンジン制御部にてその画像処理部からの画像データに基づき印刷エンジンを印刷制御し、そのエラー情報記録部にてその画像処理部からのエラー情報を記録し、そのエラー処理部では、その印刷制御中にエラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、印刷ジョブの印刷に続いてエラー情報記録内のエラー情報を印刷するようそのエンジン制御部を制御するから、用紙のシフト機能を搭載しないとか、複数の給紙段がなくとも、印刷継続後にエラー頁を探し出し易い。
【0016】
そして、上記エラー情報が少なくともエラー発生頁番号を含む構成では、用紙のシフト機能がないとか、エラー頁位置に用紙を「しおり」として挿入しなくとも、印刷継続後にエラー頁を的確に探し出せる。
【0017】
また、上記エラー処理部で複数の上記エラー情報を印刷制御する構成では、複数のエラー頁が発生してもエラー頁を探し出し易い。
【0018】
さらに、上記エラー処理部が、その印刷ジョブの印刷をしてから所定期間経過したときそのエラー情報を印刷制御する構成では、その印刷ジョブが複数あっても、自動的に各々のエラー情報を印刷することが可能である。
【0019】
さらにまた、上記エラー処理部が、その印刷ジョブの入力先が変更されたときそのエラー情報を印刷制御する構成でも、自動的に各々のエラー情報を印刷することが可能である。
【0020】
さらに、上記エラー処理部が、その印刷ジョブの印刷頁数が所定の頁数を超えるときそのエラー情報を印刷制御する構成では、印刷頁数が少ない印刷ジョブについて余分な印刷を防げる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は本発明に係る画像形成装置の実施の形態を示すブロック図である。本発明に係る画像形成プログラムは画像形成装置を説明する過程で説明する。
【0023】
画像形成装置1は、画像処理部3、エンジン制御部5、エラー情報記録部7、エラー処理部9、印刷エンジン11、第1のカセット13、第2のカセット15および手差しトレイ17を有して構成されている。
【0024】
なお、画像形成装置1内には、それらの構成以外にコピー機、ファクシミリ機又はプリンター等を形成する構成もあるが、本発明の要部ではないので、説明および図示を省略する。
【0025】
画像処理部3は、入力した印刷ジョブを所定の頁記述文法等に従って画像処理して1頁単位の画像データを各頁毎に組み立て形成し、当該画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段、すなわち上述した第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17を指定する給紙段指定データを形成し、これを画像データとともにエンジン制御部5に出力する機能を有している。
【0026】
第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17等の給紙段の指定は、外部からの印刷ジョブに添付されていたり、コピー機等の画像形成装置1に配置された操作パネル(図示せず。)から指示される。
【0027】
画像処理部3は、頁毎に各画像データが組み立てられて画像データが得られたか否か検出する機能を有しており、画像データが得られない頁をエラー頁とし、このエラー発生頁(エラー発生場所)を含むエラー情報をエラー処理部9に出力する機能を有している。
【0028】
本発明では、画像データが得られずにエラー情報が出力される事例として、1頁単位の画像データを組み立てるフレームメモリ(図示せず)の容量以上に入力印刷ジョブがあってメモリがオーバフローした場合、静電気の発生によってデータ化けやデータロスがあった場合等、1頁単位の画像データを組み立てるまでに検出されるエラーであり、用紙搬送中の用紙エラーは含まれない。
【0029】
エンジン制御部5は、頁単位の画像データおよび給紙段指定データその他の制御データに基づき、印刷エンジン11を制御する機能を有している。
【0030】
印刷エンジン11は、指定された第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17から印刷用紙を給紙して搬送する過程で、画像転写、定着して排紙する印刷機能を有しており、エンジン制御部5は、それらの画像データおよび給紙段指定データその他の制御データに基づき、印刷エンジン11の給紙機構、用紙搬送機構、画像転写機構、定着機構の各々を制御する機能を有している。
【0031】
なお、印刷エンジン11におけるそれら搬送機構、画像転写機構および定着機構自体は、従来公知のものであって本発明の要部ではないから、図示および詳細な説明は省略する。
【0032】
第1、第2のカセット13、15および手差しトレイ17は、印刷用紙が複数枚セットされコピー機等の画像形成装置に装着された従来公知の給紙段である。
【0033】
各々サイズの異なる用紙、例えば第1のカセット13にはA4版の用紙が、第2のカセット15にはB4版の用紙が、手差しトレイ17にはA3版の用紙がセットされ、印刷エンジン11によって給紙される。手差しトレイ17は用紙サイズが可変可能である。
【0034】
エラー情報記録部7は、例えば用紙サイズの異なる用紙がセットされる給紙段、すなわち第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17のうち、印刷ジョブの印刷に使用されない第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17(エラー頁用給紙段)について、エラー頁位置に挿入する用紙の給紙段の優先順位をエラー情報として予め記録するRAM等であり、後述するエラー処理部9からの要求に基づき、その優先順位の給紙段をエラー処理部9に出力する機能を有している。
【0035】
エラー情報記録部7は、例えば画像処理部3を介して操作パネル等からそれらエラー用給紙段が設定記憶されるようになっている。
【0036】
優先順位は、印刷中にエラー発生頁位置に「しおり」として挿入される用紙の給紙段の指定優先順位であり、例えば印刷ジョブの印刷用紙に対してサイズの大きい用紙、厚さ、色又は材質等の質感の異なる用紙の順で、これらの用紙がセットされる給紙段が予め設定されている。
【0037】
例えば、印刷ジョブの印刷に第1のカセット13が指定されているとき、手差しトレイ17、第2のカセット15の順に設定されている。なお、それら複数の優先順位を組合せ設定される構成も可能である。
【0038】
エラー情報記録部7は、上述した機能の他、エラー頁が検出されたとき、画像処理部3の制御の下で、当該エラー発生頁番号をエラー情報として格納するエラー場所記録エリアとしても機能し、エラー発生頁が複数検出されたとき、それらを例えば昇順で格納する機能を有している。
【0039】
このように、エラー情報としては、「しおり」挿入用給紙段の優先順位情報およびエラー発生頁番号等がある。
【0040】
エラー処理部9は、画像処理部3からエラー情報を受けたとき、エンジン制御部5から直前の給紙段情報を受けるとともに、エラー情報記録部7から優先順位情報を取り込み、この優先順位情報に基づき、画像データの印刷用紙がセットされた例えば第1のカセット13とは異なる例えば手差しトレイ17を指定した指定情報をエンジン制御部5に出力し、手差しトレイ17からの用紙を該当エラー頁位置に挿入するようエンジン制御部5を制御する機能を有している。
【0041】
エラー処理部9は、手差しトレイ17に用紙がないとき、エンジン制御部5と協動して次順位の第2のカセット15を指定制御するようになっている。
【0042】
エラー頁に相当する位置に挿入する用紙は、印刷エンジン11にて画像転写や定着がされずに排紙され、前後の印刷済み用紙の間に「しおり」として挿入されるが、便宜上、この動作をエラー頁挿入モード(エラーしおり挿入モード)とする。
【0043】
エラー処理部9は、画像処理部3からのエラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、印刷ジョブの印刷に続いて、エラー情報記録部7内のエラー発生頁を印刷するようエンジン制御部9を制御する機能を有している。便宜上、この動作をエラー場所告知モードとする。
【0044】
エラー頁位置に用紙を給紙できない場合としては、印刷ジョブ印刷用の給紙段以外に給紙段がないとか、あっても用紙切れの場合がある。
【0045】
そのため、エンジン制御部5は、エラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、印刷ジョブの印刷に続いて、同じ印刷用紙にエラー情報記録部7内のエラー発生頁が印刷されて排紙されるよう印刷エンジン11を印刷制御する機能を有している。
【0046】
なお、エラー情報記録部7は、印刷ジョブが所定枚数以上、例えば数十頁の印刷ジョブや複数部数の印刷であるとき、エラー場所告知モードを実行するよう設定されている。
【0047】
なお、エラー処理部9は、操作パネル等の入力部からキャンセル指示により、エラー場所告知モードを実行させないようになっている。
【0048】
上述した画像処理部3、エンジン制御部5、エラー情報記録部7、エラー処理部9等は、種々の演算動作を行うCPU、このCPUの動作プログラムを格納したROM、制御演算中のデータや優先順位等を格納するRAMおよびインターフェースからなるマイコン等で形成されており、コピー機、ファクシミリ機、プリンター又はこれらの複合機を形成する画像形成装置1に搭載されたマイコン等で兼用可能である。
【0049】
次に、上述した本発明に係る画像形成装置の動作を、図2および図3のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
プログラムがスタート(Start)すると、図2のステップS1でエラー場所エリア(エラー情報記録部7)のクリアが行われ、ステップS2で1頁単位の画像形成と印刷処理が行われ、ステップS3においてエラー頁が発生したか否か判別される。
【0051】
画像データが正常に形成されてステップS3がNOの場合には図3のステップS11に移り、エラー頁が発生してステップS3がYESの場合には、ステップS4にてエラー頁挿入モード(エラーしおり挿入モード)が設定されているか否か判別される。
【0052】
エラー頁挿入モードが設定されずにステップS4がNOの場合にはステップS10に移り、エラー頁挿入モードが設定されていてステップS4がYESの場合には、ステップS5にて直前の給紙段情報を確認する。
【0053】
続くステップS6でエラー頁位置に挿入する給紙段の優先順位を取得し、ステップS7にて優先順位に合致する給紙段を検索し、ステップS8では優先順位に合致する給紙段の有無を判別する。
【0054】
合致する給紙段が存在せずにステップS8がNOの場合にはステップS10に移り、合致する給紙段が存在してステップS8がYESの場合には、ステップS9にて給紙段からエラー頁用に用紙が給紙されるとともに該当位置(頁)に挿入されて、図3のステップS11に移る。
【0055】
合致する給紙段が存在せずにステップS8がNOの場合には、ステップS10にてエラー発生場所(頁)をエラー情報記録部7に記録し、図3のステップS11に移る。
【0056】
図3のステップS11では一連の印刷ジョブの印刷終了の有無が判別され、印刷が終了していなくてNOの場合には、図2のステップS2に戻り、上述したステップS2〜ステップS11を繰返す。
【0057】
印刷が終了して図3のステップS11がYES場合には、ステップS12でエラー場所告知モードか否か判別され、エラー場所告知モードが設定されていない場合にはNOとなって終了(End)し、エラー場所告知モードが設定されていてステップS12がYESの場合には、ステップS13でエラー発生場所記録の有無が判別される。
【0058】
エラー情報記録部7にエラー発生場所の記録がなくてステップS13がNOであれば終了(End)し、エラー発生場所の記録があってステップS13がYESの場合には、ステップS14で設定枚数以上の印刷か否か判別される。
【0059】
設定枚数以上の印刷ではなくてステップS14がNOの場合には終了(End)し、設定枚数以上の印刷であってステップS14がYESの場合には、ステップS15でエラー発生場頁が印刷されて終了(End)する。
【0060】
このように、本発明に係る画像形成装置では、サイズの異なる用紙がセットされる第1、第2のカセット13、15および手差しトレイ17(給紙段)と、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データや、それら給紙段のうち画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段を指定する給紙段指定データを出力するとともに、画像データが得られないエラー頁を検出する画像処理部3と、それら給紙段のうちエラー頁用給紙段としての優先順位を予め記憶するエラー情報記録部7と、画像処理部3からの画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷エンジン11を印刷制御するエンジン制御部5と、その画像処理部3にてそのエラー頁を検出したとき、エラー情報記録部7の優先順位に基づく順位の給紙段から用紙を給紙して該当エラー頁位置に「しおり」として挿入するようエンジン制御部5を制御するエラー処理部9とを具備している。
【0061】
しかも、エラー処理部9は、画像処理部3からのエラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙が給紙されないとき、印刷ジョブの印刷に続いて、エラー情報記録部7内のエラー発生頁を印刷するようエンジン制御部5を制御するよう形成されている。
【0062】
そのため、画像データが得られないエラー頁が検出されると、第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17の中で、印刷ジョブの印刷用紙とは異なる用紙がセットされるエラー頁用給紙段が優先順位に従って指定され、エラー頁用給紙段の用紙が該当エラー頁位置に挿入される一方、エラー頁用給紙段からの給紙がなされないとき、エラー発生頁が印刷される。
【0063】
そのため、シフト機能を持たない比較的安価な画像形成装置1において、印刷中にエラー頁が発生しても、印刷を継続して得られた印刷物からエラー頁位置を極めて容易に確認可能であるし、印刷ジョブの印刷に用いる給紙段以外の給紙段が備わっていない場合や備わっていても用紙切れの場合でも、エラー頁位置を極めて容易に確認可能である。
【0064】
さらに、その印刷ジョブの印刷頁数が所定の頁数や枚数を超えるとき、そのエラー発生頁を印刷するから、印刷頁数が少ない印刷ジョブについて余分な印刷を防げる。
【0065】
また、複数のエラー情報を記録可能にエラー情報記録7を形成すれば、複数のエラー頁が発生してもエラー発生頁を確認し易い。
【0066】
そして、本発明の画像形成装置において、印刷ジョブの印刷に続いて印刷するエラー情報はエラー発生頁に限定されず、少なくともエラー発生頁が含まれていれば、本発明の目的達成が可能である。
【0067】
さらに、エラー処理部9がその印刷ジョブの印刷をしてからエラー発生頁を印刷するタイミングは、印刷ジョブの印刷直後に限定されない。
【0068】
例えば、複数の印刷ジョブの印刷の合間にそのエラー情報を印刷制御するよう構成したり、印刷ジョブの印刷中であってもデータ伝統の遅延などに起因して当該印刷動作のみが保留状態となっている場合、印刷ジョブの入力先を例えばコピー機からオンライン入力に変更した場合等、印刷ジョブの印刷をしてから所定期間経過したときエラー情報を印刷制御するよう構成するれば良く、これに合わせてエラー処理部9を形成すれば良い。
【0069】
そのような構成では、印刷ジョブの印刷の合間を有効に利用してエラー情報の印刷が可能となり、エラー情報の印刷時間の節約が可能である。
【0070】
ところで、上述した本発明の実施の形態では、サイズの異なる用紙がセットされるエラー頁用給紙段の優先順位を予め記憶するエラー情報記録部7を設けて構成したが、本発明においては、エラー情報記録部7において、必ずしもエラー頁用給紙段の優先順位を予め記憶する構成でなくとも良い。
【0071】
すなわち、エラー頁用給紙がなされないとき、エラー発生頁を印刷するようエラー処理部9を形成すれば、本発明の目的達成が可能である
【0072】
もっとも、上述したように優先順位を予め記憶する構成では、エラー頁用給紙段として印刷用紙よりサイズが大きい用紙がセットされた手差しトレイ17を優先設定する以外、本来印刷用に使用する第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17以外の第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17を指定可能である。
【0073】
さらに、用紙サイズのみならず、色の異なる用紙、厚みや材質等、質感の異なる用紙の給紙段も、エラー頁用給紙段として指定可能である。
【0074】
要は、用紙の形態や用紙セット方向の異なる用紙のセットされる給紙段を指定すれば、エラー頁位置に挿入する種々の「しおり」用紙の使用が容易となり、使用範囲が拡大する利点がある。
【0075】
ところで、本発明に係る画像形成プログラムにつき言及すれば、上述して図1のブロック図構成において、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データを、所定の給紙段の用紙に印刷制御する制御用のコンピュータに、その画像データを出力するとともにこの画像データが得られない頁を検出してエラー頁に係るエラー情報として出力する画像処理と、この画像処理による記画像データに基づき印刷エンジンを印刷制御するエンジン制御処理と、その画像処理からのエラー情報を記録するエラー情報記録処理と、その印刷制御中にそのエラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、その印刷ジョブの印刷に続いてエラー情報記録内のエラー情報を印刷制御するエラー処理と、を実行させるものである。
【0076】
なお、本発明に係る画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、プリンター等を搭載した複合機に限らず、種々の機器において好適する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】図1に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートに続くフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成装置
3 画像処理部
5 エンジン制御部
7 エラー情報記録部
9 エラー処理部
11 印刷エンジン
13 第1のカセット(給紙段)
15 第2のカセット(給紙段)
17 手差しトレイ(給紙段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データを出力するとともに、この画像データが得られない頁を検出して当該エラー頁に係るエラー情報として出力する画像処理部と、
この画像処理部からの前記画像データに基づき印刷エンジンを印刷制御するエンジン制御部と、
前記画像処理部からの前記エラー情報を記録するエラー情報記録部と、
前記印刷制御において前記エラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、前記印刷ジョブの印刷に続いて、前記エラー情報記録部内の前記エラー情報を印刷するよう前記エンジン制御部を印刷制御するエラー処理部と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記エラー情報は、少なくともエラー発生頁番号を含む請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記エラー処理部は、複数の前記エラー情報を印刷制御する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記エラー処理部は、前記印刷ジョブの印刷をしてから所定期間経過したとき、前記エラー情報を印刷制御する請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記エラー処理部は、前記印刷ジョブの入力先が変更されたとき、前記エラー情報を印刷制御する請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記エラー処理部は、前記印刷ジョブの印刷頁数が所定の頁数を超えるとき、前記エラー情報を印刷制御する請求項1〜5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データを、所定の給紙段の用紙に印刷制御する制御用のコンピュータに、
前記画像データを出力するとともにその画像データが得られない頁を検出して当該エラー頁に係るエラー情報として出力する画像処理と、
この画像処理による前記画像データに基づき印刷エンジンを印刷制御するエンジン制御処理と、
前記画像処理からの前記エラー情報を記録するエラー情報記録処理と、
前記印刷制御において前記エラー情報に基づき当該エラー頁位置に用紙を給紙できないとき、前記印刷ジョブの印刷に続いて前記エラー情報記録内の前記エラー情報を印刷制御するエラー処理と、
を実行させる画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−331322(P2007−331322A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168375(P2006−168375)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】