説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】カラーの原稿とモノクロの原稿を判別して各モードで転写紙にコピーできるようにすると共に、当該原稿のページの順番に自動的にコピー後の転写紙を整列できるようにする。
【解決手段】モノクロ画像を先に転写紙に形成するように画像形成部GHを制御すると共に、当該モノクロ画像が形成された転写紙を全て待機トレイ35B〜37Bに搬送するように搬送部33を制御する。その後、カラー画像を転写紙に形成するように画像形成部GHを制御すると共に、当該カラー画像が形成された転写紙の間に、待機トレイ35Bなどに載置されたモノクロ画像の転写紙をページの順番に挿入して排紙トレイ26に排紙するように搬送部33を制御するものである。これにより、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合に、モノクロモードでモノクロ原稿をまとめて転写紙にコピーできると共に、カラーモードでカラー原稿をまとめて転写紙にコピーできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーで画像を形成するカラーモードや白黒で画像を形成するモノクロモードなどを備えたコピー機や、プリンタ及びスキャナ等の機能を有したデジタル複合機に適用可能な画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合、複写機により全ての原稿をカラーコピー又はモノクロコピーすることが多かった。また、このように原稿が混在した場合、例えばユーザが事前にカラー原稿とモノクロ原稿に手作業で原稿を仕分けし、仕分けしたカラー原稿は、カラーモードでコピーを実行し、モノクロ原稿は、モノクロモードでコピーを実行する。最後に、これらコピーされた原稿を手作業で原稿のページの順番に並び換える。
【0003】
このような従来例に関連して特許文献1には、オートカラーセレクト(ACS)機能が開示されている。このACS機能によれば、カラー及びモノクロの原稿を自動的に判別してカラーモード又はモノクロモードを自動的に選択してコピーを行う。
【0004】
また、特許文献2によれば、タブ紙を普通紙の間に自動挿入する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、排出トレイへ排出する普通紙のページにあわせて、仮集積トレイに集積したタブ紙を取り出して排出トレイへ送り出す。これにより、印刷ジョブに合わせて普通紙のページにタブ紙のページを挿入しながら、普通紙とタブ紙を排出トレイに集積できる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−222223号公報(第15頁、図10)
【特許文献2】特開2006−235355号公報(第9頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例に係る複写機によれば、カラー及びモノクロの原稿が混在した際に、例えばモノクロ原稿も含めて全ての原稿をカラーコピーするので、コピー時間が多く掛かる問題がある。これは、通常、カラーコピーはモノクロコピーに比べて線速度が遅いからである。また、カラーコピーはモノクロコピーに比べて1枚あたりのコストが高いため、モノクロの原稿が混在している場合に余計なコストが掛かる。
【0007】
また、特許文献1に記載のACS機能によれば、原稿ごとにカラー又は白黒モードを切り替えるので、当該切り替え動作に時間が掛かる問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の画像形成装置によれば、普通紙のページにタブ紙のページを挿入しながら普通紙とタブ紙を排出トレイに集積できても、カラーの原稿とモノクロの原稿をモノクロ又はカラーのモードでコピーしてページの順番に並び換えることは困難である。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来例に係る課題を解決したものであって、カラーの原稿とモノクロの原稿を判別できるようにすると共に、当該原稿のページの順番に自動的にコピー後の転写紙を整列できるようにした画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る画像形成装置は、入力画像データがカラー画像であるか又はモノクロ画像であるかを判別する制御部と、前記制御部の判別結果に基づいてカラー画像又はモノクロ画像を転写紙に形成する画像形成部と、前記画像形成部によりカラー画像又はモノクロ画像が形成された転写紙を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された前記転写紙を一旦載置する待機トレイとを備え、前記制御部は、前記カラー画像又はモノクロ画像の一方を先に転写紙に形成するように画像形成部を制御すると共に、当該一方の画像が形成された転写紙を全て前記待機トレイに搬送するように前記搬送部を制御した後、前記カラー画像又はモノクロ画像の他方を転写紙に形成するように画像形成部を制御すると共に、当該他方の画像が形成された転写紙の間に前記待機トレイに載置された転写紙をページの順番に挿入して排紙するように前記搬送部を制御することを特徴とするものである。
【0011】
請求項1に係る画像形成装置によれば、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合に、モノクロモードでモノクロ原稿をまとめて転写紙にコピーできると共に、カラーモードでカラー原稿をまとめて転写紙にコピーできる。さらに、カラー又はモノクロにコピーされた転写紙を自動的に原稿のページの順番に整列できる。
【0012】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1において、当該装置本体内部には、1個のトレイを2分割して成る分割トレイを備え、前記分割トレイは、前記待機トレイと、前記転写紙を前記画像形成部に給紙する給紙トレイとから構成されることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に係る画像形成装置によれば、1個のトレイを2分割した一方側に待機トレイが設けられているので、装置内部のスペースを有効活用できると共に当該装置を小型化できる。
【0014】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1において、前記制御部は、前記モノクロ画像を先に転写紙に形成するように画像形成部を制御すると共に、当該モノクロ画像が形成された転写紙を全て前記待機トレイに搬送するように前記搬送部を制御した後、前記カラー画像を転写紙に形成するように画像形成部を制御すると共に、当該カラー画像が形成された転写紙の間に、前記待機トレイに載置されたモノクロ画像の転写紙をページの順番に挿入して排紙するように前記搬送部を制御することを特徴とするものである。
【0015】
上記課題を解決するために、請求項4に係る画像形成方法は、入力画像データがカラー画像であるか又はモノクロ画像であるかを判別するステップと、前記判別結果に基づいてカラー画像又はモノクロ画像の一方を先に転写紙に形成するステップと、前記一方の画像が形成された転写紙を全て待機トレイに搬送するステップと、搬送された前記転写紙を前記待機トレイに一旦載置するステップと、前記一方の画像を全て形成後、前記カラー画像又はモノクロ画像の他方を転写紙に形成するステップと、前記他方の画像が形成された転写紙の間に前記待機トレイに載置された転写紙をページの順番に挿入して排紙するステップとを有することを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に係る画像形成方法によれば、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合に、モノクロモードでモノクロ原稿をまとめて転写紙にコピーできると共に、カラーモードでカラー原稿をまとめて転写紙にコピーできる。さらに、カラー又はモノクロにコピーされた転写紙を自動的に原稿のページの順番に整列できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、カラー画像又はモノクロ画像の一方を先に転写紙に形成すると共に、当該一方の画像が形成された転写紙を全て待機トレイに搬送した後、カラー画像又はモノクロ画像の他方を転写紙に形成すると共に、当該他方の画像が形成された転写紙の間に、待機トレイに載置された転写紙をページの順番に挿入して排紙するものである。
【0018】
この構成によって、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合に、モノクロモードでモノクロ原稿をまとめて転写紙にコピーできると共に、カラーモードでカラー原稿をまとめて転写紙にコピーできる。さらに、カラー又はモノクロにコピーされた転写紙を自動的に原稿のページの順番に整列できる。また、カラー・モノクロの原稿が混在する場合に、必要のないカラーコピーを行わないのでコピーの生産性を向上できると共にコスト負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の画像形成装置および画像形成方法について説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
【0020】
図1は、本発明に係る画像形成装置100の内部構成例を示す概略図である。図1に示す画像形成装置100は、有彩であるカラー原稿と無彩であるモノクロ原稿を自動的に判別し、カラー原稿の場合にはカラーモードでコピーを実施し、モノクロ原稿の場合にはモノクロモードでコピーを実施する。そして、カラーコピー用紙とモノクロコピー用紙の順番を原稿のページの順番に整列して排紙するものである。
【0021】
この画像形成装置100は、画像形成部GH、画像読取装置YS等で構成されている。画像形成部GHは、タンデム型カラー画像形成部とも称されるもので、複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、中間転写体6、2次転写部7A等で構成されている。
【0022】
画像形成部GHの上部には、自動原稿送り装置501と走査露光装置502からなる画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置501の原稿台上に載置された原稿dは第1の搬送部30により搬送される。そして、走査露光装置502の光学系は、この原稿dの片面又は両面の画像を走査露光してラインイメージセンサCCDにより原稿dを読み取る。
【0023】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換された画像信号は、画像処理部40において、アナログ処理、A/D変換、ACS処理、シェーディング補正、画像圧縮処理などがわれた後、露光部3Y、3M、3C、3Kに送られる。ここで、ACS処理とは、オートカラーセレクト処理と呼称し、カラー・モノクロを判別する処理をいう。
【0024】
この例で、画像処理部40は、このACS処理において、原稿の画素データが例えばRGB3色データの場合、画素データのR値、G値、B値に含まれる割合を閾値判定してカラー又はモノクロを判定する。
【0025】
例えば、画像処理部40は、原稿がモノクロと判別した場合、黒(Bk)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kを駆動制御する。また、画像処理部40は、原稿がカラーと判別した場合、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを駆動制御する。
【0026】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、ドラム状の感光体1Yの周囲に帯電部2Y、露光部3Y、現像部4Y、一次転写部7Y及びクリーニング部8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、ドラム状の感光体1Mの周囲に帯電部2M、露光部3M、現像部4M、一次転写部7M及びクリーニング部8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、ドラム状の感光体1Cの周囲に帯電部2C、露光部3C、現像部4C、一次転写部7C及びクリーニング部8Cを有する。黒(Bk)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、ドラム状の感光体1Kの周囲に帯電部2K、露光部3K、現像部4K、一次転写部7K及びクリーニング部8Kを有する。そして、帯電部2Yと露光部3Y、帯電部2Mと露光部3M、帯電部2Cと露光部3C、帯電部2Kと露光部3Kは、潜像形成部を構成する。
【0027】
なお、現像部4Y、4M、4C、4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容している。
【0028】
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。定着装置9は、定着ローラ91及び加圧ローラ92を有し、定着ローラ91と加圧ローラ92との間に形成されたニップ部で用紙P上のトナー像を加熱及び加圧して定着する。
【0029】
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kにより形成された各色のトナー像は、回動する中間転写体6上に一次転写部7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写され、中間転写体6上に各色のトナー像が重ね合わされたカラー又は黒色のトナー像が形成される。
【0030】
画像形成装置100の下方内部には3個の分割トレイ35〜37が備えられている。分割トレイ35は、給紙トレイ35A及び待機トレイ35Bから構成されている。これらの給紙トレイ35Aと待機トレイ35Bは、分割トレイ35の略中央を境界にして左右に配設されている。給紙トレイ35Aには、複数枚の用紙Pが収容される。給紙トレイ35A内に収容された用紙Pは、給紙ローラ22により1枚分離され、複数の給紙ローラ23を経て、停止状態にあるレジストローラ24へ給紙される。この用紙Pは、レジストローラ24で一旦停止され、該用紙Pの先端と中間転写体6上のトナー像との位置が一致するタイミングで、レジストローラ24が回転を開始することにより2次転写部7Aに給紙される。
【0031】
なお、分割トレイ35と同様に、分割トレイ36は、給紙トレイ36A及び待機トレイ36Bから構成されている。また分割トレイ37は、給紙トレイ37A及び待機トレイ37Bから構成されている。これらの給紙トレイ36A、37Aには、複数枚の用紙Pが収容される。給紙トレイ36A、37Aに収容された用紙Pは、各給紙ローラ22により1枚分離され、給紙ローラ23を経て、停止状態にあるレジストローラ24へ給紙される。
【0032】
カラーモードの場合には、用紙P上にカラーのトナー像が転写される(2次転写)。また、モノクロモードの場合には、用紙P上に黒色のトナー像が転写される。また、オートカラーセレクトモード(以下ACSモードという)の場合、上述の画像処理部40によりカラー原稿とモノクロ原稿を自動的に判別し、カラー原稿と判断した際にはカラーのトナー像が用紙P上に転写され、モノクロ原稿と判断した際には黒色のトナー像が用紙P上に転写される。
【0033】
カラー又は黒色のトナー像が転写された用紙Pは定着装置9において加熱及び加圧され用紙P上にカラー又は黒色のトナー像が定着される。その後、トナー像が定着された用紙P’は、排紙ローラ25aに挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。このとき、例えばACSモードの場合、先ず黒色のトナー像が定着された用紙P’が、分岐ローラ25c、待機ローラ27a、27b、27cにより待機トレイ35Bに搬送される。そして、モノクロの原稿のコピーを終了後、カラーの原稿のコピーを開始する。カラーのトナー像が定着された用紙P’は、分岐ローラ25cにより分岐されて排紙ローラ25aに挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0034】
このとき、既に黒色のトナー像が定着されて待機トレイ35Bに載置された用紙P’は、コピーをする原稿のページの順番に従って機外の排紙トレイ26に搬送される。例えば、コピーをする原稿の枚数が4枚であって、該原稿の順番が、1ページがカラー、2ページがモノクロ、3ページがモノクロ、4ページがカラーの場合を想定する。
【0035】
この場合、先ずモノクロモードが設定されて2ページの黒色のトナー像が定着された用紙P’が、待機ローラ27a、27b、27cにより待機トレイ35Bに搬送される。次に、3ページの黒色のトナー像が定着された用紙P’が、待機ローラ27a、27b、27cにより待機トレイ35Bに搬送される。次に、カラーモードが設定されて4ページのカラーのトナー像が定着された用紙P’が、排紙ローラ25aにより排紙トレイ26上に載置される。次に、待機トレイ35Bに載置された3ページのモノクロの用紙P’が、待機ローラ27c、27b並びに排紙ローラ25b、25aにより搬送されて排紙トレイ26の4ページのカラーの用紙P’上に載置される。
【0036】
次に、待機トレイ35Bに載置された2ページのモノクロの用紙P’が、待機ローラ27c、27b並びに排紙ローラ25b、25aにより搬送されて排紙トレイ26の3ページのモノクロの用紙P’上に載置される。最後に、用紙Pに1ページのカラーのトナー像を定着し、該カラーのトナー像が定着された用紙P’が、排紙ローラ25aにより排紙トレイ26の2ページのモノクロの用紙P’上に載置される。これにより、機外の排紙トレイ26上には、カラー又はモノクロでコピーされた4ページ分の用紙P’が原稿のページ順に整列されて載置されている。
【0037】
このように、カラー原稿とモノクロ原稿を自動的に判別し、カラー原稿の場合にはカラーモードでコピーを実施し、モノクロ原稿の場合にはモノクロモードでコピーを実施する。そして、カラーコピー用紙とモノクロコピー用紙の順番を原稿の順番に排出する。これにより、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合に、モノクロモードでモノクロ原稿をまとめて用紙にコピーできると共に、カラーモードでカラー原稿をまとめて用紙にコピーできる。さらに、カラー又はモノクロにコピーされた用紙を自動的に原稿のページの順番に整列できる。また、カラー・モノクロの原稿が混在する場合に、必要のないカラーコピーを行わないのでコピーの生産性を向上できると共にコスト負担を軽減できる。
【0038】
なお、2次転写部7Aにより用紙Pにカラー又は黒色のトナー像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写体6は、中間転写体クリーニング部8Aにより残留トナーが除去される。
【0039】
また、待機トレイは、待機トレイ35Bの他に、待機トレイ36B、37Bを備えている。例えば、待機トレイ35Bに収容できる用紙P’の枚数が許容範囲を超過した場合、待機トレイ36Bを使用する。この場合、黒色のトナー像が定着された用紙P’が、待機ローラ27a、27b、27d、27eにより待機トレイ36Bに搬送される。また、この待機トレイ36Bに載置された用紙P’を排紙する場合、待機ローラ27e、27d、27b並びに排紙ローラ25b、25aを駆動して当該用紙P’を排紙トレイ26に搬送する。
【0040】
また、待機トレイ35B、36Bに収容できる用紙P’の枚数が許容範囲を超過した場合、待機トレイ37Bを使用する。この場合、黒色のトナー像が定着された用紙P’が、待機ローラ27a、27b、27d、27f、27gにより待機トレイ37Bに搬送される。また、この待機トレイ37Bに載置された用紙P’を排紙する場合、待機ローラ27g、27f、27d、27b並びに排紙ローラ25b、25aを駆動して当該用紙P’を排紙トレイ26に搬送する。
【0041】
続いて、図2及び図3を参照して画像形成装置100の制御系の構成例及び動作例について説明する。図2は、画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図3は、画像形成装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0042】
図2に示す画像形成装置100の画像処理部40は、制御部41、RAM42、HD43及びバス44を備えている。RAM(Random Access Memory)42は、バス44を介して制御部41に接続されている。HD(Hard Disk)43は、バス44を介して制御部41に接続さている。
【0043】
制御部41は、HD43に記憶された画像処理プログラムなどをRAM42に展開する。また、制御部41は、画像読取装置YSのラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログの画像信号に対して、アナログ処理、A/D変換、ACS処理、シェーディング補正、画像圧縮処理などを行い、デジタルの画像データをRAM42に展開する。
【0044】
図3に示すステップST1で、制御部41は、ACSモードであるか否かを判定する。例えば、図2に示す操作部45には、不図示のコピーモードを選択するボタンが備えられている。ユーザは、このボタンを操作してACSモード、カラーモード及びモノクロモードのいずれかを選択する。選択後、制御部41は、例えばカラーモード又はモノクロモードを示す選択信号を入力した場合、ステップST2に移行する。
【0045】
ステップST2で、制御部41は、カラー又はモノクロの一方でコピーするように、画像形成部GH及び第2の搬送部33を制御する。例えば、カラーでコピーする場合、制御部41は、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを駆動制御する。そして、制御部41は、搬送部の一例である第2の搬送部33の分岐ローラ25c、排紙ローラ25aを駆動制御して、定着装置9によりカラーのトナー像が定着された用紙P’を機外の排紙トレイ26上に載置する。
【0046】
また、モノクロでコピーする場合、制御部41は、画像形成ユニット10Kのみを駆動制御する。そして、制御部41は、カラーの時と同様にして第2の搬送部33の分岐ローラ25c、排紙ローラ25aを駆動制御して、定着装置9により黒色のトナー像が定着された用紙P’を機外の排紙トレイ26上に載置する。
【0047】
また、上述のステップST1で、制御部41は、ACSモードを示す選択信号を入力した場合、ステップST3に移行する。ステップST3で、制御部41は、ACS処理を実施する。例えば、制御部41は、画像読取装置YSから入力した原稿の画像データが例えばRGB3色データの場合、各画素データのR値、G値、B値に含まれる割合を閾値判定してカラー又はモノクロを判定する。判別後、ステップST4に移行する。
【0048】
ステップST4で、制御部41は、ステップST3の判別結果からモノクロとカラーの原稿が混在しているか否かを判定する。モノクロとカラーの原稿が混在していないと判断した場合、上述のステップST2に移行する。モノクロとカラーの原稿が混在していると判断した場合、ステップST5に移行する。
【0049】
ステップST5〜ST7で、制御部41は、モノクロモードに設定する。例えば、制御部41は、黒(Bk)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kを駆動制御する。この例で、画像形成ユニット10Kは、帯電部2K及び露光部3Kにより、画像データに基づいてドラム状の感光体1Kに静電潜像を形成する。そして、この感光体1Kの静電潜像に対して現像部4Kにより黒色のトナーを現像し、一次転写部7Kにより用紙Pに転写する。そして、用紙Pのトナー像を定着装置9により加熱及び加圧して定着する。
【0050】
そして、制御部41は、第2の搬送部33の分岐ローラ25c、待機ローラ27a、27b、27cを駆動制御して、黒色のトナー像が定着された用紙P’を待機トレイ35Bに搬送する。続いてステップST8に移行する。
【0051】
ステップST8で、制御部41は、モノクロの原稿を全てコピー終了したか否かを判定する。モノクロの原稿を全てコピー終了していない場合、ステップST6に戻る。モノクロの原稿を全てコピー終了した場合、ステップST9に移行する。
【0052】
ステップST9〜ST12で、制御部41は、カラーモードに設定してカラーコピーを開始する。例えば、ステップST10で、制御部41は、対象のページがカラーか否かを判定する。対象のページがカラーの場合、ステップST11に移行する。
【0053】
ステップST11で、制御部41は、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを駆動制御して各色のトナーを現像して用紙Pに転写する。そして、用紙Pのトナー像を定着装置9により加熱及び加圧して定着する。そして、ステップST12で、制御部41は、第2の搬送部33の分岐ローラ25c、排紙ローラ25aを駆動制御して、カラーのトナー像が定着された用紙P’を機外の排紙トレイ26上に載置する。続いてステップST13に移行する。
【0054】
ステップST13で、原稿の全ページが終了したか否かを判定する。原稿の全ページが終了していない場合、ステップST10に戻る。ステップST10で、対象のページがモノクロの場合、ステップST14に移行する。
【0055】
ステップST14で、制御部41は、待機トレイ35Bに載置された用紙P’を排紙トレイ26に搬送する。例えば、制御部41は、待機ローラ27c、27b並びに排紙ローラ25b、25aを駆動制御して、待機トレイ35Bに載置されたモノクロの用紙P’を搬送して排紙トレイ26上に載置する。続いてステップST13に移行する。ステップST13で、制御部41は、原稿の全ページが終了していると判定した場合、コピー処理の終了となる。
【0056】
このように本発明に係る画像形成装置100によれば、制御部41は、モノクロ画像を先に用紙に形成するように画像形成部GHを制御すると共に、当該モノクロ画像が形成された用紙を全て待機トレイ35B〜37Bに搬送するように搬送部33を制御する。その後、カラー画像を用紙に形成するように画像形成部GHを制御すると共に、当該カラー画像が形成された用紙の間に、待機トレイ35Bなどに載置されたモノクロ画像の用紙を原稿のページの順番に挿入して排紙するように搬送部33を制御するものである。
【0057】
これにより、カラー及びモノクロの原稿が混在した場合に、モノクロモードでモノクロ原稿をまとめて用紙にコピーできると共に、カラーモードでカラー原稿をまとめて用紙にコピーできる。さらに、カラー又はモノクロにコピーされた用紙を自動的に原稿のページの順番に整列できる。また、カラー・モノクロの原稿が混在する場合に、必要のないカラーコピーを行わないのでコピーの生産性を向上できると共にコスト負担を軽減できる。
【0058】
なお、図3に示した例では、モノクロコピーから開始して該モノクロコピーの用紙P’を一旦待機トレイに載置し、カラーコピー時に間に挿入するように制御した。これは、カラーコピーはモノクロコピーに比べてコピーをする間隔である紙間が長いため、待機したモノクロの用紙を間に挿入し易いためである。
【0059】
これに限らず、カラーコピーから開始して該カラーコピーの用紙P’を一旦待機トレイに載置し、モノクロコピー時に間に挿入するように制御してもよい。
【0060】
また、カラーコピーとモノクロコピーの枚数に基づいて、カラー又はモノクロの用紙のコピーの順番を決定するようにしてもよい。例えば、カラーのコピー枚数がモノクロのコピー枚数よりも極端に少ない場合(例えば10分の1程度)、先にカラーコピーから開始して該カラーコピーの用紙P’を一旦待機トレイに載置し、モノクロコピー時に間に挿入するように制御してもよい。このように、コピー枚数が多い方を後にコピーすることにより、第2の搬送部33を駆動する機会が減少するので装置本体に掛かる負荷を低減できる。
【0061】
また、用紙に厚紙又は普通紙が混在する場合、普通紙からコピー開始して該コピーされた普通紙を一旦待機トレイに載置し、厚紙コピー時に該普通紙を間に挿入するように制御することも考えられる。これは、厚紙のコピーは普通紙のコピーに比べて紙間が長いため、待機した普通紙を間に挿入し易いためである。
【0062】
また、この例で給紙トレイ35A及び待機トレイ35Bから構成された分割トレイ35などを用いたが、例えば用紙サイズA3のように用紙サイズが大きい場合、分割トレイ35に該用紙が収まらないことも考えられる。この場合、給紙トレイと待機トレイとを別々のトレイとして用いればよい。例えば、分割トレイ35を分割せずに、給紙トレイ専用又は待機トレイ専用として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る画像形成装置100の内部構成例を示す概略図である。
【図2】画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置100の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
YS 画像読取装置
GH 画像形成部
6 中間転写体
7A 2次転写部
9 定着装置
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
33 第2の搬送部(搬送部)
35〜37 分割トレイ
35A〜37A 給紙トレイ
35B〜37B 待機トレイ
40 画像形成部
41 制御部
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像データがカラー画像であるか又はモノクロ画像であるかを判別する制御部と、
前記制御部の判別結果に基づいてカラー画像又はモノクロ画像を転写紙に形成する画像形成部と、
前記画像形成部によりカラー画像又はモノクロ画像が形成された転写紙を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された前記転写紙を一旦載置する待機トレイとを備え、
前記制御部は、
前記カラー画像又はモノクロ画像の一方を先に転写紙に形成するように前記画像形成部を制御すると共に、当該一方の画像が形成された転写紙を全て前記待機トレイに搬送するように前記搬送部を制御した後、
前記カラー画像又はモノクロ画像の他方を転写紙に形成するように前記画像形成部を制御すると共に、当該他方の画像が形成された転写紙の間に前記待機トレイに載置された転写紙をページの順番に挿入して排紙するように前記搬送部を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
当該装置本体内部には、1個のトレイを2分割して成る分割トレイを備え、
前記分割トレイは、
前記待機トレイと、前記転写紙を前記画像形成部に給紙する給紙トレイとから構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記モノクロ画像を先に転写紙に形成するように前記画像形成部を制御すると共に、当該モノクロ画像が形成された転写紙を全て前記待機トレイに搬送するように前記搬送部を制御した後、
前記カラー画像を転写紙に形成するように前記画像形成部を制御すると共に、当該カラー画像が形成された転写紙の間に、前記待機トレイに載置されたモノクロ画像の転写紙をページの順番に挿入して排紙するように前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
入力画像データがカラー画像であるか又はモノクロ画像であるかを判別するステップと、
前記判別結果に基づいてカラー画像又はモノクロ画像の一方を先に転写紙に形成するステップと、
前記一方の画像が形成された転写紙を全て待機トレイに搬送するステップと、
搬送された前記転写紙を前記待機トレイに一旦載置するステップと、
前記一方の画像を全て形成後、前記カラー画像又はモノクロ画像の他方を転写紙に形成するステップと、
前記他方の画像が形成された転写紙の間に前記待機トレイに載置された転写紙をページの順番に挿入して排紙するステップとを有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−76886(P2010−76886A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246479(P2008−246479)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】