説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】低コストでかつ高い設計自由度で、潜像担持体ドラムに担持される潜像を液体現像剤で現像して得られるトナー像をスクイーズした後に被転写部材に転写することができる画像形成装置および画像形成方法を提供する。
【解決手段】1次転写部2によるトナー像のブランケットローラー21への一次転写処理を仮想水平面HPよりも鉛直方向の下方で行う、いわゆる下部転写構造が採用されている。このため、転写紙の上面にトナー像が転写され、画像面を上にした状態のまま転写紙を搬送することとなる。また、下部転写構造を採用するにあたって、現像ローラー51、スクイーズローラー61、71は仮想水平面HPよりも鉛直方向の上方に配設されている。このため、現像部5およびスクイーズ部6、7を配設する際の空間制約は従来装置に比べて少なくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャリア液体およびトナーを含む液体現像剤で現像して画像を形成する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、帯電している感光体ドラムなどの潜像担持体ドラムに静電潜像を形成し、キャリア液体にトナーを分散した液体現像剤により静電潜像を顕像化してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写体を介して用紙に転写して所定の画像を得るようにした液体現像方式の画像形成装置が実用化されている。また、この画像形成装置では、潜像像担持体ドラム上に形成されたトナー像から余分なキャリア液体を含む余剰現像剤やカブリトナーを除去するため、スクイーズローラーなどのスクイーズ部が用いられる。例えば特許文献1に記載の装置では、潜像担持体ドラムの回転方向に沿って現像装置、スクイーズ装置および中間転写ドラムが互いに近接して配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−271804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来装置では、上記したように現像装置、スクイーズ装置および中間転写ドラムが互いに近接して配設されているため、次のような問題が生じている。すなわち、現像装置は、潜像担持体ドラムに当接する現像ローラーを有するとともに、現像ローラーに液体現像剤を供給する供給部材、クリーニング部材などの構成要素を現像装置内に配設する必要がある。また、スクイーズ装置についても、潜像担持体ドラムに当接するスクイーズローラーを有するとともに、スクイーズローラーから液体現像剤をクリーンニング除去するためのクリーニング部材などの構成要素をスクイーズ装置に配設する必要がある。したがって、現像装置、スクイーズ装置および中間転写ドラムを相互に近接配置しながらも、上記構成要素を配設するための空間を確保する必要がある。そのため、潜像担持体ドラムを大型化するか、あるいは現像ローラーやスクイーズローラーを小径・小型化する必要があり、コストの増加や設計の自由度の低下を招いている。
【0005】
この発明にかかるいくつかの態様は、低コストでかつ高い設計自由度で、潜像担持体ドラムに担持される潜像を液体現像剤で現像して得られるトナー像をスクイーズした後に被転写部材に転写することができる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の態様は、画像形成装置であって、潜像が形成される潜像担持体ドラムと、潜像担持体ドラムの回転中心を通る仮想鉛直面に対して垂直な仮想水平面よりも鉛直方向の上方で潜像担持体ドラムと当接して潜像担持体ドラムに形成された潜像をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像する現像ローラーを有する現像部と、仮想水平面よりも鉛直方向の上方で現像ローラーにより現像された像と当接して像をスクイーズするスクイーズローラーを有するスクイーズ部と、仮想水平面よりも鉛直方向の下方でスクイーズローラーによりスクイーズされた像を被転写部材に転写する転写部と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、この発明の第2の態様は、画像形成方法であって、潜像担持体ドラムに潜像を形成し、潜像担持体ドラムの回転中心を通る仮想鉛直面に対して垂直な仮想水平面よりも鉛直方向の上方に配設される現像ローラーに担持されたトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像し、仮想水平面よりも鉛直方向の上方に配設されるスクイーズローラーを現像ローラーにより現像された像と当接して像をスクイーズし、仮想水平面よりも鉛直方向の下方でスクイーズローラーによりスクイーズされた像を被転写部材に転写することを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明(画像形成装置および画像形成方法)では、潜像担持体ドラムの回転中心を通る仮想鉛直面に対して垂直な仮想水平面よりも鉛直方向の上方に現像ローラーおよびスクイーズローラーが配設され、潜像担持体ドラムに形成される潜像が現像ローラーに担持された液体現像剤によって現像された像がスクイーズローラーでスクイーズされる。このように仮想水平面よりも鉛直方向の上方側で、現像処理およびスクイーズ処理が実行される。これに対し、転写部によるトナー像の被転写部材への転写は仮想水平面よりも鉛直方向の下方で行われる。したがって、従来装置で発生していた現像部やスクイーズ部を配設する際の空間制約は少なく、低コストでかつ高い設計自由度で現像部、スクイーズ部および転写部を配設することができる。
【0009】
ここで、潜像担持体を帯電する帯電部と、帯電部で帯電された潜像担持体を露光して潜像を形成する露光部と、スクイーズローラーにバイアス電圧を印加するバイアス電圧発生部と、を備え、スクイーズローラーは、仮想鉛直面に対して潜像担持体ドラムと現像ローラーとが当接する側で潜像担持体ドラムと当接するように構成してもよい。
【0010】
また、スクイーズ部は、スクイーズローラーに当接してスクイーズローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニングブレードを有してもよい。
【0011】
また、帯電部は、仮想鉛直面に対して潜像担持体と現像ローラーとが当接する側で、かつ仮想水平面よりも鉛直方向の下方に配設され、転写部は仮想鉛直面に対して潜像担持体ドラムと現像ローラーとが当接する側と反対の側に配設されてもよい。
【0012】
さらに、現像部は、現像ローラーの鉛直方向の下方に配設されて液体現像剤を貯留する貯留部と、貯留部に貯留される液体現像剤を現像ローラーに供給する供給部材と、現像ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部と、クリーニング部の鉛直方向の下方に配設されてクリーニング部で回収された液体現像剤を貯留する回収部と、を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図。
【図2】感光体ドラムとブランケットローラーとの配置関係を示す図。
【図3】図1に示す画像形成装置の電気的構成の一部を示すブロック図。
【図4】第1実施形態における現像位置およびスクイーズ位置での表面電位の関係を示す図。
【図5】本発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図。
【図6】第2実施形態における現像位置およびスクイーズ位置での表面電位の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図であり、図2は感光体ドラムとブランケットローラーとの配置関係を示す図であり、図3は図1に示す画像形成装置の電気的構成の一部を示すブロック図である。この画像形成装置は、感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPの鉛直方向の下方で、感光体ドラム1に担持される像を1次転写部2のブランケットローラー21に転写し、さらにブランケットローラー21に転写された像を転写紙に転写する、いわゆる下部転写構造を有している。なお、図1の画像形成装置は後述するように単色のトナー像を形成して転写紙に転写するものであり、同装置を複数台、例えば4台配列してカラー印刷システムを構成することが可能である。もちろん、図1の装置は単独でモノクロの画像形成装置としても機能する。
【0015】
この画像形成装置では、感光体ドラム1は、アモルファスシリコン感光体などの感光体材料からなる感光層を表面に有している。そして、その回転軸が主走査方向X(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように感光体ドラム1は配置されており、図1中矢印D1の方向に所定速度で回転駆動される。
【0016】
感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1表面を所定の電位に帯電させる帯電部3と、感光体ドラム1表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成する露光部4と、該静電潜像をトナー像として顕像化する現像部5と、第1スクイーズ部6と、第2スクイーズ部7と、1次転写部2のブランケットローラー21と、一次転写後の感光体ドラム1の表面をクリーニングする感光体クリーニング部8とが、それぞれこれらの順に感光体ドラム1の回転方向D1(図1では、反時計回り)に沿って配設されている。
【0017】
帯電部3は、6個の帯電器31を有しており、図1紙面において、感光体ドラム1の回転中心を通る仮想鉛直面VPに対して右側で、しかも感光体ドラム1の回転中心を通る仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。これらの帯電器31は感光体ドラム1の表面に接触しないものであり、感光体ドラム1の回転方向D1に沿って6個配列されている。そして、装置全体を制御する制御部91からの帯電指令に応じて帯電バイアス発生部92が帯電器31に帯電バイアスを印加して感光体ドラム1の表面を所定の表面電位V0に帯電させる(図4参照)。帯電器31としては、例えば従来周知慣用のコロナ帯電器を用いることができる。コロナ帯電器にスコロトロン帯電器を用いた場合には、スコロトロン帯電器のチャージワイヤには、ワイヤ電流が流されるとともに、グリッドには直流(DC)のグリッド帯電バイアスが印加される。このように帯電器31によるコロナ放電で感光体ドラム1が帯電されることで、感光体ドラム1の表面の電位が略均一の電位に設定される。
【0018】
露光部4は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して右側で、しかも仮想水平面HP上に配されて外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームにより感光体ドラム1の表面のうち画像領域を露光し、当該画像領域の表面電位を電位V1に変化させる。こうして、感光体ドラム1の表面に対して画像信号に対応する静電潜像を形成する(図4参照)。本実施形態では、この露光部4として発光素子を主走査方向(図1紙面に垂直な方向)に配列したラインヘッドを用いているが、これ以外に半導体レーザからの光ビームをポリゴンミラーにより主走査方向に走査させるもの等を用いてもよい。
【0019】
図4は第1実施形態における現像位置およびスクイーズ位置での表面電位の関係を示す図であり、同図中の左側グラフは表面電位V0に帯電された感光体ドラム1の表面電位の減衰特性を示すものであり、同図中の右側グラフは、感光体ドラム1の表面に対し、現像ローラー51が当接する現像位置Pdv、第1スクイーズ部6の第1スクイーズローラー61が当接する第1スクイーズ位置Ps11および第2スクイーズ部7の第2スクイーズローラー71が当接する第2スクイーズ位置Ps12での感光体ドラム1の表面電位を示している。同図に示すように、感光体ドラム1の非画像領域の表面電位は帯電位置から離れるにしたがって減衰している。
【0020】
こうして形成された静電潜像に対して現像部5から液体現像剤が付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。本実施形態では、絶縁性液体を主成分とするキャリア液体内に、着色された樹脂粒子をトナー粒子として概略重量比25%程度に分散させた液体現像剤を用いており、トナー粒子は電界中を電気泳動可能なように電荷を有している。なお、この現像剤濃度については、上記25%に限定されるものではなく、10〜30%であってもよい。また、キャリア液体としては、例えばIsopar(エクソン社商標)、シリコンオイル、ノルマルパラフィンオイルなどが使用される。また、電気抵抗値は1010Ω・cm以上、望ましくは1012Ω・cm以上が好ましい。というのも、抵抗が低い場合には、トナー粒子が電気泳動する過程で余剰な電流が流れ、移動に必要な電界が維持できない可能性があるからである。さらに、こうして調製された液体現像剤の粘度は、トナー粒子を構成する樹脂や分散剤・荷電制御剤で左右されるが、50〜500[mPa・s]の粘度を示す液体現像剤を用いることができ、本実施形態では400[mPa・s]の液体現像剤を用いている。
【0021】
この画像形成装置の現像部5は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して右側で帯電部3の鉛直方向の上方に配されており、現像ローラー51と、中間塗布ローラー52と、アニロックスローラー53と、上記した液体現像剤を貯蔵する現像剤容器54と、液体現像剤に対し帯電・圧縮作用を施すトナー圧縮コロナ発生器55とを主な構成として有している。これらの主要構成のうち現像ローラー51は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBRなどの弾性層を設け、さらに外周部である現像ローラー表層にはPFAチューブや樹脂コーティングされたものである。この現像ローラー51は現像用モーター(図示省略)に接続され、図1紙面において時計回りD51に回転駆動されて感光体ドラム1に対してウィズ回転する。また、この現像ローラー51は現像バイアス発生部93と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
【0022】
また、この現像ローラー51の鉛直方向の下方に、現像ローラー51に対して液体現像剤を供給するために中間塗布ローラー52とアニロックスローラー53とが設けられており、アニロックスローラー53から中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51へ液体現像剤が供給される。これらのうち中間塗布ローラー52は現像ローラー51と同様に金属製内芯の外周部に弾性層を設けたものであるのに対し、アニロックスローラー53は液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。もちろん、アニロックスローラー53を、現像ローラー51や中間塗布ローラー52と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどを用いてもよい。これら中間塗布ローラー52およびアニロックスローラー53は上記現像用モーターに接続され、図1紙面においてそれぞれ時計回りおよび反時計回り回転される。したがって、中間塗布ローラー52は現像ローラー51に対してカウンター方向に回転し、アニロックスローラー53は中間塗布ローラー52に対してウィズ方向に回転する。このように、本実施形態では、いわゆる3ローラー構成により液体現像剤を現像剤容器54の貯留部542から汲み上げて現像ローラー51に供給しているため、液体現像剤がニップを複数回通過することで、液体現像剤を十分に練ることができ、現像ローラー51にて均一な液体現像剤の膜を形成することが可能となる。もちろん、この形態に限らず、アニロックスローラー53から直接現像ローラー51へ液体現像剤を塗布する構成(2ローラー構成)としてもよい。
【0023】
また、現像ローラー51に対してクリーニングローラー511が当接されるとともに、このクリーニングローラー511に対してローラークリーニングブレード512が当接されており、現像ローラー51のクリーニング処理を行う。すなわち、現像ローラー51の表面が感光体ドラム1と当接して現像ニップを形成している現像位置に対し、現像ローラー回転方向D51の下流側にクリーニングローラー511が現像ローラー51の表面と当接しながら図1紙面において時計回り回転される。したがって、クリーニングローラー511は現像ローラー51に対してカウンター方向に回転し、現像に寄与せずに現像ローラー51に残存する液体現像剤を除去する。また、このクリーニングローラー511の表面にローラークリーニングブレード512が当接して上記液体現像剤をローラークリーニングブレード512の鉛直方向の下方に掻き落として除去する。また、中間塗布ローラー52に対してクリーニングブレード521が当接されており、現像に寄与せずに中間塗布ローラー52に残存する液体現像剤を中間塗布ローラー52の表面からクリーニングブレード521の鉛直方向の下方に掻き落として除去する。なお、これらのクリーニングブレード512、521により掻き落とされた液体現像剤は、現像ローラー51の鉛直方向の下方に配設される現像剤容器54の回収部541に案内されて回収される。このように、本実施形態では、クリーニングローラー511とローラークリーニングブレード512とで本発明の「クリーニング部」が構成されている。なお、クリーニング部の構成はこれに限定されるものではなく、例えばクリーニングブレード512を直接現像ローラー51の表面に当接してクリーニングするように構成してもよい。
【0024】
一方、アニロックスローラー53に対して規制部材531が当接されている。この規制部材531として、金属製あるいは表面に弾性体を被覆して構成した弾性を有する部材を用いることができるが、本実施形態にかかる規制部材531は、アニロックスローラー53の表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成されている。そして、規制部材531は、アニロックスローラー53によって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚や量などを規制調整し、現像ローラー51に供給する液体現像剤の量を調整する機能を有している。また、規制部材531により掻き取られた液体現像剤は現像剤容器54の貯留部542に戻される。なお、この貯留部542には撹拌部材543が配置されており、図示省略するモーターにより回転し、貯留部542内で液体現像剤を撹拌する。
【0025】
上記のようにして、液体現像剤が供給された現像ローラー51は中間塗布ローラー52の表面とは逆方向に移動するように回転すると共に、感光体ドラム1の表面とは同方向に移動するように回転する。なお、トナー像を形成するため、現像ローラー51の回転方向は、その表面が感光体ドラム1の表面と同方向に移動するようにウィズ回転する必要があるが、中間塗布ローラー52に対しては、逆方向、或いは、同方向、どちらに移動する構成であってもよい。
【0026】
また、現像ローラー51の回転方向に沿ってトナー圧縮コロナ発生器55が配置されている。より詳しくは、現像位置に対し、現像ローラー回転方向D51の上流側にトナー圧縮コロナ発生器55が配置されている。このトナー圧縮コロナ発生器55は、現像ローラー51の表面のバイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー51によって搬送される液体現像剤のトナーは、このトナー圧縮コロナ発生器55と近接する位置で電界が印加され、帯電、圧縮が施される。なお、このトナー帯電、圧縮には、電解印加によるコロナ放電に代えて、接触して帯電させるコンパクションローラーを用いてもよい。
【0027】
感光体ドラム1の回転方向D1において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部6が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部6の下流側に第2スクイーズ部7が配置されている。この実施形態では、第1スクイーズ部6のスクイーズローラー61および第2スクイーズ部7のスクイーズローラー71はいずれも図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の上方に配されている。
【0028】
この第1スクイーズ部6では、不図示のバネにより感光体ドラム1方向に付勢されたスクイーズローラー61が設けられている。すなわち、スクイーズローラー61が感光体ドラム1と当接する第1スクイーズ位置Ps11は、感光体ドラム1の鉛直方向の上方で仮想鉛直面VPと交差する最上位置TPよりも低く、しかも仮想鉛直面VPに対して現像ローラー51の配設側(図1の右側)と反対側(同図の左側)となっている。そして、その第1スクイーズ位置でスクイーズローラー61は感光体ドラム1の表面上に形成されたトナー像と当接しながら図示しないモーターにより回転駆動されてトナー像の余剰現像剤を除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー61に対して第1スクイーズバイアス発生部94が電気的に接続されており、適当なタイミングで第1スクイーズバイアスが印加されるように構成されている。また、スクイーズローラー61の表面に対してクリーニングブレード62が当接し、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取る。そして、こうして掻き取られた液体現像剤は回収部材63に回収される。
【0029】
また、第2スクイーズ部7では、感光体ドラム1の回転方向D1において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置Ps12でスクイーズローラー71が感光体ドラム1の表面上に形成されたトナー像と当接しながら回転してトナー像の余剰キャリア液体やカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、第1スクイーズ部6と同様に、スクイーズローラー71に対して第2スクイーズバイアス発生部95が電気的に接続されており、適当なタイミングで第2スクイーズバイアスが印加されるように構成されている。また、スクイーズローラー71の表面に対してクリーニングブレード72が当接し、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取る。そして、こうして掻き取られた液体現像剤はガイド部材73により感光体ドラム1から離れる方向に案内され、ガイド部材73の鉛直方向の下方に配置された回収部材74に回収される。
【0030】
第1および第2スクイーズ部6、7を通過してきた感光体ドラム1には装置外部から与えられた画像信号に対応するトナー像が形成されており、一次転写位置TR1でブランケットローラー21に転写される。このブランケットローラー21を含む転写部2は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。この転写部2は、ブランケットローラー21と、ブランケットローラー21にキャリア液体を塗布するキャリア塗布機構22と、ブランケットローラー21のクリーニング機構23と、二次転写ローラー24とを有している。
【0031】
ブランケットローラー21は、図2に示すように全体的には円筒形状を有し、その外周面の一部に凹部211が設けられている。この凹部211は、円筒形のローラー基材212に対して外周面の一部を感光体ドラム1の回転軸方向Xに切り欠いてなるものである。ただし、このローラー基材212の回転軸方向Xの両端部213では、凹部211が形成されておらず、いわゆるベアラとして機能する。すなわち、ブランケットローラー21の凹部211が感光体ドラム1側に向いているときに、ローラー基材212の両端部213が感光体ドラム1側に取り付けられた当接部材(図示省略)に当接してブランケットローラー21の凹部211内に配設された部材が感光体ドラム1と当接することを防止している。
【0032】
また、ローラー基材212の外周面では凹部211の内部に相当する領域を除く表面領域にゴムや樹脂などの弾性材料により形成された弾性シートが巻き付けられており、この弾性シートにより弾性層214が形成されている。さらに、弾性層214のうち回転軸方向Xの中心部にはブランケットシート215が巻き付けられている。このため、ブランケットローラー21の外周面のうち凹部211を除く領域に形成された弾性層214が感光体ドラム1に対向する位置にあるとき、弾性層214が感光体ドラム1に押し付けられて一次転写ニップが形成されて感光体ドラム1に担持されるトナー像がブランケットシート215に転写される。この一次転写ニップの形成位置が一次転写位置TR1となる。なお、ブランケットローラー21の凹部211が感光体ドラム1と対向した状態では、一時的に一次転写ニップは消失することになる。
【0033】
この実施形態では、一次転写位置TR1は、鉛直方向での感光体ドラム1の最下位置、つまり感光体ドラム1の鉛直方向の下方で仮想鉛直面VPと交差する位置BPに対し、感光体ドラム1の回転方向D1の上流側に設定されている。また、ブランケットローラー21は図示を省略するモーターと接続されており、図1紙面において時計回りD21に回転駆動されて感光体ドラム1に対してウィズ回転する。こうして感光体ドラム1に担持されるトナー像が一次転写位置TR1でブランケットローラー21のブランケットシート215に一次転写される。
【0034】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21における一次転写位置TR1の下流側でブランケットローラー21に対し、二次転写ローラー24が当接しながらウィズ回転して二次転写ニップを形成する。この二次転写ローラー24も、ブランケットローラー21と同様に、凹部241が設けられている。この凹部241には、転写材を把持するための把持部(図示省略)が配設されている。なお、把持部の構成および動作については、例えば特開2010−170005号公報などに記載された従来構造を採用することができ、図示を省略する搬送部により搬送されている転写紙の先端部を把持し、次のようにして形成される二次転写位置TR2に給紙する。
【0035】
図1に示すように、二次転写ローラー24の凹部241を除く周面が、ブランケットローラー21の凹部211を除く周面と当接して二次転写ニップを形成する。この二次転写ニップの形成位置が二次転写位置TR2となっている。そして、把持部で把持された転写紙が二次転写位置TR2に給紙されて二次転写ニップを通過することでブランケットローラー21のブランケットシート215に転写されたトナー像が転写紙に二次転写される。こうして、上記した液体現像剤を用いた像が転写紙に印刷される。なお、二次転写ローラー24の凹部241が二次転写位置TR2に位置するときには、ブランケットローラー21の凹部211も二次転写位置TR2に位置して二次転写ローラー24の凹部241に設けられた把持部との干渉を防止している。
【0036】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21において二次転写位置TR2の下流側に、キャリア塗布機構22が配置されて二次転写後のブランケットローラー21の表面にキャリア液体を塗布する。このキャリア液体の塗布処理を行うために、キャリア塗布機構22は、ブランケットローラー21に対してウィズ回転するキャリア塗布ローラー221と、キャリア液体を貯蔵するキャリア貯蔵部材222と、キャリア貯蔵部材222からキャリア液体を汲み上げてキャリア塗布ローラー221に供給するキャリア汲み上げローラー223とを有している。
【0037】
ブランケットローラー21の回転方向D21においてキャリア塗布機構22の下流側でかつ一次転写位置TR1の上流側にクリーニング機構23が配置されて一次転写直前にブランケットローラー21の表面をクリーニングする。このクリーニング処理を行うために、クリーニング機構23は、ブランケットローラー21に対してカウンター方向に回転するクリーニングローラー231と、クリーニングローラー231に当接してクリーニングローラー231をクリーニングするクリーニングブレード232と、クリーニングブレード232により掻き取られたトナーやキャリア液体を回収する回収部材233とを有している。
【0038】
感光体ドラム1の回転方向D1において一次転写位置TR1の下流側で、かつ帯電位置の上流側に、感光体クリーニング部8が配置されている。この感光体クリーニング部8は、クリーニングブレード81と、感光体ドラム1の最下位置BPから垂れ落ちる液体現像剤を受ける現像剤受け部材82と、現像剤受け部材に受け止められた現像剤を回収する回収部材83と、これらクリーニングブレード81、現像剤受け部材82および回収部材83を一体的に支持する支持部材84とを有している。そして、この支持部材84は回動軸85を回動中心として回動自在となっている。
【0039】
また、支持部材84にはバネ部材(図示省略)が接続されて図1紙面において反時計回りに支持部材84を付勢し、クリーニングブレード81を感光体ドラム1から離間する方向に作用している。一方、支持部材84の反感光体ドラム側(図1の右側)の端部には係合部841が突設されており、図示を省略する可動片が係合部841を上記付勢力よりも大きな応力で押し下げると、支持部材84は図1紙面において時計回りに回動させられ、これによりクリーニングブレード81は感光体ドラム側に移動してクリーニングブレード81の先端部が感光体ドラム1の最下位置BPと当接する。これにより感光体ドラム1に残留する液体現像剤がクリーニング除去される。なお、こうしてクリーニングブレード81により掻き取られた液体現像剤は感光体ドラム1の最下位置BPの鉛直下方に配置された現像剤受け部材82により受け止められ、さらに現像剤受け部材82の傾斜面に沿って回収部材83の内部に流れ落ちて貯蔵される。
【0040】
以上のように、第1実施形態では、1次転写部2によるトナー像のブランケットローラー21への一次転写処理を仮想水平面HPよりも鉛直方向の下方で行う、いわゆる下部転写構造が採用されている。このため、転写紙の上面にトナー像が転写され、画像面を上にした状態のまま転写紙を搬送することとなる。したがって、トナー像を安定して形成することができ、また画像面に触れることなく転写紙を搬送することができる。
【0041】
また、下部転写構造を採用するにあたって、現像処理を行う現像ローラー51、ならびにスクイーズ処理を行う第1スクイーズローラー61および第2スクイーズローラー71については、仮想水平面HPよりも鉛直方向の上方に配設している。このため、現像部5およびスクイーズ部6、7を配設する際の空間制約は従来装置に比べて少なく、低コストでかつ高い設計自由度で現像部5、スクイーズ部6、7および一次転写部2を配設することができる。
【0042】
また、上記のように構成された画像形成装置では、感光体ドラム1の最下位置BPから自重により鉛直方向の下方に落下することがあるが、一次転写部2のブランケットローラー21は、図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側に配置されているため、感光体ドラム1の最下位置BPから垂れ落ちてくる液体現像液がブランケットローラー21に付着するのを確実に防止することができ、液垂れ付着による画質低下を防ぐことができる。なお、本実施形態では、最下位置BPから自重により鉛直方向の下方に落下する液体現像剤については、最下位置BPの鉛直方向の下方に配設した現像剤受け部材82で受け止めて回収している。
【0043】
また、ブランケットローラー21が図1紙面において仮想鉛直面VPに対して左側に配設され、しかも現像部5が図1紙面において仮想鉛直面VPに対して右側で仮想水平面HPの鉛直方向の上方に配設されているため、第1実施形態では、感光体ドラム1の回転方向D51に沿った感光体ドラム1の全周面の約1/4強の周面に対してクリーニング処理、帯電処理および露光処理を行えばよく、これらのクリーニング部8、帯電部3および露光部4の設計自由度も高くなっている。さらに、第1実施形態では、図1に示すように、クリーニング部8のクリーニングブレード81が最下位置BPで感光体ドラム1に当接し、露光部4は仮想水平面HP上に配設されている。したがって、感光体ドラム1の全周面の約1/4の周面に対向する空間、つまり図1紙面において仮想鉛直面VPに対して右側で仮想水平面HPの鉛直方向の下方に位置する比較的広い空間が確保されており、本実施形態では6個の帯電器31の配設スペースとして用いている。このように帯電器31の個数を増やすことで、感光体ドラム1の表面電V0の均一性を高めることができ、また各帯電器31のワイヤ電流量を少なく設定してワイヤ劣化を効果的に防止することができる。
【0044】
また、現像部5およびスクイーズ部6、7はいずれも仮想水平面HPよりも鉛直方向の上方に配設されているため、図4の右図に示すように、第1スクイーズ位置Ps11での潜像コントラストVc1および第2スクイーズ位置Ps12での潜像コントラストVc2が比較的大きく、各スクイーズ位置Ps11、Ps12でのスクイーズ処理を良好に行うことができ、その結果、優れた画像品質が得られる。
【0045】
また、スクイーズ部6、7は仮想鉛直面VPに対して現像部5の反対側に配設されている。より詳しくは、図1紙面において、現像部5の現像ローラー51は仮想鉛直面VPに対して右側に配設される一方、スクイーズ部6は仮想鉛直面VPに対して左側(感光体ドラム1と現像ローラー51とが当接する側の反対側)に配設されている。このため、次のような作用効果が得られる。すなわち、印字している間に、第1スクイーズローラー61と感光体ドラム1との当接位置、つまり第1スクイーズ位置Ps11では、液体現像剤の液溜りが形成される。この第1スクイーズ位置Ps11は感光体ドラム1の鉛直方向の上方で仮想鉛直面VPと交差する最上位置TPよりも低いため、この最上位置TPを乗り越えて現像ローラー51の配設側に液垂れして現像部5、露光部4、帯電部3を汚染するのを防止することができ、良好な画質で画像を形成することができる。この点に関しては、第2スクイーズ部7についても同様である。
【0046】
また、スクイーズ部6、7では、スクイーズローラー61、71に対してクリーニングブレード62、72をそれぞれ当接させ、ローラー表面に付着する液体現像剤を掻き取って回収している。そして、これらの回収液を再利用に供しており、液体現像剤を効率的に使用することでランニングコストの低減が図られている。
【0047】
さらに、第1実施形態の現像部5では、図1に示すように現像ローラー51が仮想水平面HPに対して鉛直方向の上方で感光体ドラム1に当接するとともに現像ローラー51の液体現像剤の供給および現像ローラー51からの液体現像剤の回収を次のように行っている。すなわち、現像ローラー51の鉛直方向の下方に配設された現像剤容器54の貯留部542に貯留された液体現像剤がアニロックスローラー53によって汲み上げられ、さらに中間塗布ローラー52を介して現像ローラー51に供給される。一方、クリーニングローラー511およびローラークリーニングブレード512によって現像ローラー51から液体現像剤を回収するとともに、その回収された液体現像剤が自重によって鉛直方向の下方に落下または滴下し、現像剤容器54の回収部541に回収される。したがって、液体現像剤の搬送のために特別な機構やポンプなどの搬送専用の機構やポンプ等を設ける必要がなく、現像部5での液体現像剤の流動を低コストで行うことができる。
【0048】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記第1実施形態では、外周面の一部に凹部211が設けられたブランケットローラー21が本発明の「被転写部材」として用いられているが、これとは異なる構成のブランケットローラーを用いた装置に対して本発明を適用することができる。例えば図5に示すように円筒ドラム形状のブランケットローラー21を本発明の「被転写部材」として用いた画像形成装置(第2実施形態)に対しても本発明を適用することができる。
【0049】
図5は本発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、ブランケットローラー21の構造と、第1スクイーズ位置および第2スクイーズ位置を現像ローラー51の側に移動させた点とであり、それ以外の構成は基本的に第1実施形態と同一である。したがって、以下の説明では、相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
この第2実施形態では、第1スクイーズ部6のスクイーズローラー61は図5紙面において仮想鉛直面VPに対して右側(感光体ドラム1と現像ローラー51とが当接する側)で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の上方に配されている。このようにスクイーズローラー61は第1実施形態よりも現像ローラー51に近い位置Ps21で感光体ドラム1の表面に当接する。また、第2スクイーズ部7のスクイーズローラー71は、第1実施形態と同様に、図5紙面において仮想鉛直面VPに対して左側(現像ローラー51の反対側)で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の上方に配されているものの、第1スクイーズ部6のスクイーズローラー61と同様に、第1実施形態よりも現像ローラー51に近い位置Ps22で感光体ドラム1の表面に当接している。なお、これらの位置関係を示すために、図6においては、第2実施形態でのスクイーズ位置Ps21,Ps22以外に、第1実施形態でのスクイーズ位置Ps11,Ps12も併せて図示している。
【0051】
このように第2実施形態では、スクイーズ位置Ps21,Ps22が現像位置Pdvに近づいたことにより、図6の右図に示すように、第1スクイーズ位置Ps21での潜像コントラストVc1および第2スクイーズ位置Ps22での潜像コントラストVc2がともに第1実施形態よりも大きくなり、各スクイーズ位置Ps21、Ps22でのスクイーズ処理をさらに良好に行うことができ、その結果、さらに優れた画像品質が得られる。
【0052】
これら第1および第2スクイーズ部6、7を通過してきた感光体ドラム1には装置外部から与えられた画像信号に対応するトナー像が形成されており、一次転写位置TR1でブランケットローラー21に転写される。このブランケットローラー21を含む転写部2は、図5紙面において仮想鉛直面VPに対して左側で、かつ仮想水平面HPに対して鉛直方向の下方に配されている。この転写部2は、ブランケットローラー21と、ブランケットローラー21にキャリア液体を塗布するキャリア塗布機構22と、ブランケットローラー21のクリーニング機構23と、二次転写ローラー24と、二次転写ローラー24のクリーニング機構25とを有している。
【0053】
ブランケットローラー21の表面は、鉛直方向での感光体ドラム1の最下位置、つまり感光体ドラム1の鉛直方向の下方で仮想鉛直面VPと交差する位置BPに対し、感光体ドラム1の回転方向D1の上流側で感光体ドラム1の表面と当接して一次転写ニップを形成している。この一次転写ニップの形成位置が一次転写位置TR1となる。また、ブランケットローラー21は図示を省略するモーターと接続されており、図5紙面において時計回りD21に回転駆動されて感光体ドラム1に対してウィズ回転する。こうして感光体ドラム1に担持されるトナー像が一次転写位置TR1でブランケットローラー21に一次転写される。
【0054】
また、ブランケットローラー21の回転方向D21における一次転写位置TR1の下流側でブランケットローラー21に対し、二次転写ローラー24が当接しながらウィズ回転して二次転写ニップを形成する。この二次転写ニップの形成位置が二次転写位置TR2となる。したがって、図示を省略する搬送部により転写紙が二次転写位置TR2に給紙されて二次転写ニップを通過することでブランケットローラー21に転写されたトナー像が転写紙に二次転写される。こうして、上記した液体現像剤を用いた像が転写紙に印刷される。なお、二次転写ローラー24の表面をクリーニングするため、二次転写ローラー24の回転方向において二次転写位置TR2の上流側でクリーニング機構25が配置されている。クリーニング機構25は、二次転写ローラー24に当接して二次転写ローラー24をクリーニングするクリーニングブレード251と、クリーニングブレード251により掻き取られたトナーやキャリア液体を回収する回収部材252とを有している。
【0055】
以上のように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、1次転写部2によるトナー像のブランケットローラー21への一次転写処理を仮想水平面HPよりも鉛直方向の下方で行う、いわゆる下部転写構造が採用されるとともに、現像処理を行う現像ローラー51、およびスクイーズ処理を行う第1スクイーズローラー61および第2スクイーズローラー71については、仮想水平面HPよりも鉛直方向の上方に配設している。したがて、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0056】
また、上記実施形態では、第1スクイーズローラー61が感光体ドラム1の表面と当接する第1スクイーズ位置を仮想鉛直面VPに対して現像ローラー51の側または反対側に設定しているが、第1スクイーズ位置は仮想鉛直面VP上であってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、露光部4を仮想水平面HP上に配しているが、露光部4の配設位置はこれに限定されるものではなく、仮想水平面HPの鉛直方向の上方または下方に配してもよい。ただし、帯電器31を複数配設するための空間を得るためには、露光部4を仮想水平面HP上または仮想水平面HPの鉛直方向の上方に配設するのが望ましい。
【0058】
また、上記実施形態では、本発明の「被転写部材」としてブランケットローラー21を用いているが、これ以外に例えばベルト状の中間転写体を用いてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…感光体ドラム(潜像担持体ドラム)、 2…一次転写部、 3…帯電部、 4…露光部、 5…現像部、 6…第1スクイーズ部、 7…第2スクイーズ部、 21…ブランケットローラー(被転写部材)、 31…帯電器、 51…現像ローラー、 52…中間塗布ローラー(供給部材)、 53…アニロックスローラー(供給部材)、 54…現像剤容器、 61…第1スクイーズローラー、 62、72…クリーニングブレード、 71…第2スクイーズローラー、 94…第1スクイーズバイアス発生部、 95…第2スクイーズバイアス発生部、 511…クリーニングローラー(クリーニング部)、 512…ローラークリーニングブレード(クリーニング部)、 541…回収部、 542…貯留部、 HP…仮想水平面、 VP…仮想鉛直面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像が形成される潜像担持体ドラムと、
前記潜像担持体ドラムの回転中心を通る仮想鉛直面に対して垂直な仮想水平面よりも鉛直方向の上方で前記潜像担持体ドラムと当接して前記潜像担持体ドラムに形成された前記潜像をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像する現像ローラーを有する現像部と、
前記仮想水平面よりも鉛直方向の上方で前記現像ローラーにより現像された像と当接して前記像をスクイーズするスクイーズローラーを有するスクイーズ部と、
前記仮想水平面よりも鉛直方向の下方で前記スクイーズローラーによりスクイーズされた前記像を被転写部材に転写する転写部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記潜像担持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部で帯電された前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、
前記スクイーズローラーにバイアス電圧を印加するバイアス電圧発生部と、を備え、
前記スクイーズローラーは、前記仮想鉛直面に対して前記潜像担持体ドラムと前記現像ローラーとが当接する側で前記潜像担持体ドラムと当接する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記スクイーズ部は、前記スクイーズローラーに当接して前記スクイーズローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニングブレードを有する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記帯電部は、前記仮想鉛直面に対して前記潜像担持体と前記現像ローラーとが当接する側で、かつ前記仮想水平面よりも鉛直方向の下方に配設され、
前記転写部は前記仮想鉛直面に対して前記潜像担持体ドラムと前記現像ローラーとが当接する側と反対の側に配設される請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像部は、
前記現像ローラーの鉛直方向の下方に配設されて液体現像剤を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留される液体現像剤を前記現像ローラーに供給する供給部材と、
前記現像ローラーをクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部と、
前記クリーニング部の鉛直方向の下方に配設されて前記クリーニング部で回収された液体現像剤を貯留する回収部と、
を有する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
潜像担持体ドラムに潜像を形成し、
前記潜像担持体ドラムの回転中心を通る仮想鉛直面に対して垂直な仮想水平面よりも鉛直方向の上方に配設される現像ローラーに担持されたトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像し、
前記仮想水平面よりも鉛直方向の上方に配設されるスクイーズローラーを前記現像ローラーにより現像された像と当接して前記像をスクイーズし、
前記仮想水平面よりも鉛直方向の下方で前記スクイーズローラーによりスクイーズされた前記像を被転写部材に転写することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−194311(P2012−194311A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57574(P2011−57574)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】